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発明の名称 ポジ型感放射線性樹脂組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−47643(P2007−47643A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−234137(P2005−234137)
出願日 平成17年8月12日(2005.8.12)
代理人 【識別番号】100100251
【弁理士】
【氏名又は名称】和気 操
発明者 川上 峰規 / 楠本 士朗 / 下川 努 / 杉浦 誠 / 原 宏道
要約 課題
焦点深度余裕、感度、現像性、寸法忠実度に優れる。

解決手段
繰り返し単位[1]を含有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜100,000である樹脂と、感放射線性酸発生剤とを含有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式で表される繰り返し単位[1]を含有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜100,000である樹脂(A)と、感放射線性酸発生剤(B)とを含有することを特徴とするポジ型感放射線性樹脂組成物。
【化1】


[式中、R1は、水素原子、メチル基、エチル基、又は炭素数1から炭素数4のパーフルオロアルキル基であり、R2、R3は、いずれか一つがRfSO2NHCH2−基(ここで、Rfは、炭素数1から炭素数4のパーフルオロアルキル基を表す。)であり、残りが水素原子である。]
【請求項2】
前記樹脂(A)及び前記感放射線性酸発生剤(B)と共に、酸拡散制御剤(C)を含有することを特徴とする請求項1記載のポジ型感放射線性樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポジ型感放射線性樹脂組成物に関し、特にArFエキシマレーザーあるいは、F2エキシマレーザー(波長157nm)等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種の放射線を使用する微細加工に有用な化学増幅型レジストとして好適に使用できるポジ型感放射線性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピューターを始めとするデジタル機器の発展により、取り扱う演算データや二次元、三次元画像データの処理量が膨大になってきており、これらの情報を素早く処理するために大容量で高速なメモリと高性能なマイクロプロセッサが必要となっている。また、インターネットなどネットワークの発展に伴って、更にブロードバンド化が加速し、デジタル機器に求められる処理能力は益々高まっていくものと予測されている。
この要求を達成するために、半導体デバイスに代表される各種デバイス機器には、より一層の高密度、高集積化が求められている。なかでも、微細加工を可能とするフォトリソグラフィー技術に対する要求は年々厳しくなっており、1Gビット以上の集積度を持つDRAMの製造には、最小線幅0.13ミクロン以下の加工技術が必要となり、それに対応してArFエキシマレーザー(193nm)を用いたフォトリソグラフィーが利用され始めている。更に微細なパターンを加工する目的で、F2エキシマレーザー(157nm)を用いたフォトリソグラフィー及び液侵リソグラフィーの開発が進められている。
これらの波長領域においては、従来レジスト材料に用いられてきたノボラックやポリビニルフェノール系の樹脂は光の吸収が大きすぎて用いることができない。そこで、アクリル系樹脂(例えば、特許文献1)やシクロオレフィン系樹脂(例えば、特許文献2)が検討されてきている。しかしながら、F2エキシマレーザー(157nm)の波長で透明性が高い樹脂は非常に限られており、フッ素樹脂の優位性が明らかとなってきている。特にフッ素系水酸基含有のレジスト用樹脂は親水性にも優れた特性をもつことが報告されており、非常に期待が持たれている(例えば、非特許文献1、2)。
しかしながら、フッ素原子の導入は紫外線領域での透明性は向上するものの、同時にエッチング耐性の低下をもたらしてしまう。また、重合反応性についても、従来のノルボルネン環に直接フッ素原子やトリフルオロメチル基がついたモノマーは、重合反応性が低くて低収率であったり、材料として充分な分子量を得ることができなかったりと多くの課題を残していた。従って、これら既存の化合物が発揮しうる機能は必ずしも充分ではなく、更に優れた高分子化合物の創出が望まれていた。
【0003】
一方、酸解離性官能基を有する成分と放射線の照射により酸を発生する成分である酸発生剤とによる化学増幅効果を利用した化学増幅型感放射線性樹脂組成物の中で、ポジ型感放射線性樹脂組成物は、放射線照射部で鎖切断反応を進行させることにより、現像液への溶解速度を向上させてパターンを形成させている。そのような樹脂組成物を用いて実際に集積回路を製造する際には、通常、感放射線性成分、被膜形成性樹脂成分等を溶剤に溶解してレジスト溶液としての感放射線性樹脂組成物を調製し、該レジスト溶液を加工に供される基板上に塗布してレジスト被膜を形成させた後、該レジスト被膜に所定のマスクを介して放射線照射し、現像し、それにより微細加工に適したパターンを形成させる。その際パターン断面の形状(パターン断面形状)が微細加工の精度に重大な影響を与え、精度を向上させるためには矩形の形状が好ましいとされている。
【0004】
一方、スルホンアミド構造を有する重合性エステル化合物に由来する繰り返し単位を有する重合体がエキシマレーザー露光波長での透明性及びドライエッチング耐性等に優れていることが開示されている(特許文献3)。
【特許文献1】特開平10−161313号公報
【特許文献2】特開2000−89463号公報
【特許文献3】特開2005−23304号公報
【非特許文献1】H. Ito, H. D. Truong, et al, J. Photopolym. Sci. Technol., 16, 523-536(2003)
【非特許文献2】Francis Houlihan, Andrew Romano, Ralph R, Dammel, et al, J. Photopolym. Sci. Technol., 16, 581-590(2003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、半導体分野において、従来より高い集積度が求められるようになると、レジストである感放射線性樹脂組成物はより優れた解像度が必要とされるようになってきた。また、同時により微細化が進むにつれて、パターン倒れが多く発生したり、焦点深度余裕(DOF)およびパターンプロファイルが十分でなかったりするという問題がある。
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、ArF光源を利用するポジ型感放射線性樹脂組成物として、焦点深度余裕(DOF)に優れ、感度、現像性、寸法忠実度等にも優れる化学増幅型ポジ型レジストとして好適なポジ型感放射線性樹脂組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ノルボルネン環とパーフルオロアルキルスルホンアミド構造を有する新規なα−置換アクリル酸ノルボルナニル類を見いだした。
この新規なα−置換アクリル酸ノルボルナニル類を重合させた含フッ素樹脂は、幅広い波長領域で高い透明性を有し、かつ基板への高い密着性及び成膜性を併せ持つばかりでなく、ノルボルネン環構造に由来する高いエッチング耐性を有するレジスト材料となる。更に、新規なα−置換アクリル酸ノルボルナニル類を重合させたこの含フッ素高分子化合物は分子内に環状構造を有することから耐熱性が高く、パーフルオロアルキルスルホンアミド構造に由来する良好な溶剤溶解性をもってコーティング性に優れ、成膜性や成形性にも優れている。
【0007】
すなわち、本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物は、下記一般式で表される繰り返し単位[1]を含有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜100,000である樹脂(A)と、感放射線性酸発生剤(B)とを含有することを特徴とする。
【化2】


[式中、R1は、水素原子、メチル基、エチル基、又は炭素数1から炭素数4のパーフルオロアルキル基であり、R2、R3は、いずれか一つがRfSO2NHCH2−基(ここで、Rfは、炭素数1から炭素数4のパーフルオロアルキル基を表す。)であり、残りが水素原子である。]
また、上記ポジ型感放射線性樹脂組成物は、上記樹脂(A)、上記感放射線性酸発生剤(B)と共に、酸拡散制御剤(C)を含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物によれば、新規なα−置換アクリル酸ノルボルナニル類を含む樹脂を用いるので、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)に代表される遠紫外線に感応する化学増幅型ポジ型レジストとして、プロセスマージンに優れ、パターン倒れを抑制しつつ矩形なパターン形状を微細領域でも保持及び制御することが可能であり、今後更に微細化が進むと予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ポジ型感放射線性樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
樹脂(A):
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物に使用される樹脂は、一般式[1]で表されるα−置換アクリル酸ノルボルナニル類由来の繰り返し単位を含む樹脂である。
【化3】


式中、R1は、水素原子、メチル基、エチル基、又は炭素数1から炭素数4のパーフルオロアルキル基であり、特に水素原子、メチル基が好ましい。
2、R3は、いずれか一つがRfSO2NHCH2−基(ここで、Rfは、炭素数1から炭素数4のパーフルオロアルキル基を表す。)であり、残りが水素原子である。
Rfの炭素数1から炭素数4のパーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基である。これらの中でトリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基が好ましく、特にトリフルオロメチル基が好ましい。
なお、本願明細書において、脂環族化合物を構成する炭素原子に結合している水素原子は省略してある。従って、R2、R3のいずれか一つは、同一炭素原子に2個の水素原子が結合している。
【0010】
一般式[1]で表される繰り返し単位は、一般式[2]で表される下記α−置換アクリル酸ノルボルナニル類を重合させて得られる。
【化4】


式中、R2、R3及びR1は、式[1]のそれらと同一である。
【0011】
α−置換アクリル酸ノルボルナニル類は、置換ノルボルナニルアルコールとα−置換アクリル酸無水物とを反応させる次の2工程により製造できる。
第一工程は、一般式[3]で表される置換ノルボルナニルアルコールを製造する工程である。
第一工程:スキーム1に示す。
【化5】


一般式[4]中、R4は、水素原子、メチル基、エチル基、又は炭素数1から炭素数4のパーフルオロアルキル基を表す。
一般式[5]中、R2、R3のうち、いずれか一つがRfSO2NHCH2−基(ここで、Rfは、炭素数1から炭素数4のパーフルオロアルキル基を表す。)であり、残りが水素原子である。
一般式[6]中、R4は一般式[4]のR4と同じで、R2、R3は一般式[5]のR2、R3と同じである。
一般式[3]中、R2、R3は、いずれか一つがRfSO2NHCH2−基(ここで、Rfは、炭素数1から炭素数4のパーフルオロアルキル基を表す。)であり、残りが水素原子である。
【0012】
第一工程は、バッチ式反応装置において実施することができる。以下においてその反応条件を述べるが、それぞれの反応装置において、当業者が容易に調節しうる程度の反応条件の変更を妨げるものではない。
一般式[3]で表される置換ノルボルナニルアルコールは、はじめに一般式[4]で表される低級カルボン酸と一般式[5]で表される置換ノルボルネンを反応させ、一般式[6]で表される置換ノルボルナニル類を製造後、これを加水分解することにより製造することができる。このとき、得られる一般式[3]で表される置換ノルボルナニルアルコールは、異性体を含む混合物である。それぞれを分離精製して当該反応に供しても良いが、異性体混合物のまま供しても問題はない。
原料の一般式[5]で表される置換ノルボルネンはアリルアミンとシクロペンタジエンをルイス酸触媒存在、もしくは非存在下、Diels−Alder反応に付することによりアミノメチルノルボルネンを合成し(特開昭56−139543)、これをトリフルオロメタンスルホン酸無水物又はトリフルオロメタンスルホニルハライドと反応させることにより、得られることが知られている(Kas'yan, A. O., Maletina, I. I., et al, Zhurnal Organicheskoi Khimii, 31(3), 357-64(1995))。
【0013】
上記第一工程中、一般式[6]で表される置換ノルボルナニル類を得る反応において使用する低級カルボン酸は、一般にギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸が用いることができるが、経済性からギ酸が特に好ましい。低級カルボン酸の量は置換ノルボルネン1モルに対して1〜20モルであり、5〜17モルが好ましく、7〜13モルがより好ましい。置換ノルボルネン1モルに対して低級カルボン酸の量が1モルより少ない場合には反応の選択率、目的物の収率共に低下し、20モルを超えると反応に関与しない低級カルボン酸が増加し、経済的及び環境への負荷の増大の面から好ましくない。
実施する際の反応温度は0〜250℃であり、20〜200℃が好ましく、50〜160℃がより好ましい。0℃より低い場合には反応速度が極めて遅く実用的製造法とはならない。また、250℃を超えると原料の置換ノルボルネン又は生成物の置換ノルボルナニル類が分解する可能性があることから好ましくない。
本反応においては無溶媒が好ましいが、溶媒を使用することもできる。使用可能な溶媒の種類に特別な制限はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族化合物、オクタン、ヘプタン、ヘキサン等の炭化水素類を使用することができる。これらは単独で用いても、複数の溶媒を併用しても良い。
本反応に溶媒を使用する場合、使用する溶媒の溶媒量は置換ノルボルネン1gに対して0.2〜50gであり、0.5〜20gが好ましく、1〜10gがより好ましい。溶媒量が置換ノルボルネン1gに対して50gを超えると生産性の観点から経済的に好ましくない。
【0014】
上記第一工程中、一般式[6]で表される置換ノルボルナニル類を加水分解し、一般式[3]で表される置換ノルボルナニルアルコールを製造する反応では、水とアルカリが用いられる。使用するアルカリは、一般に無機アルカリが用いることができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好ましい。使用するアルカリの量は置換ノルボルナニル類1モルに対して1〜10モルであり、1〜5モルが好ましく、1〜3モルがより好ましい。置換ノルボルナニル1モルに対してアルカリの量が1モルより少ない場合には反応が十分に進行せず、目的物の収率が低下し、10モルを超えると反応に関与しないアルカリが増加し、経済的及び環境への負荷の増大の面から好ましくない。
また、使用する水の量は置換ノルボルナニル類1gに対して0.1〜10gであり、0.5〜5gが好ましく、1〜3gがより好ましい。置換ノルボルナニル1gに対して水の量が0.1gより少ない場合には反応が十分に進行せず、目的物の収率が低下し、10gを超えると単離するために使用する抽出溶媒量が増加し、経済的及び環境への負荷の増大の面から好ましくない。
実施する際の反応温度は0〜200℃であり、20〜170℃が好ましく、50〜120℃がより好ましい。0℃より低い場合には反応速度が極めて遅く実用的製造法とはならない。また、200℃を超えると原料の置換ノルボルナニル類又は生成物の置換ノルボルナニルアルコールが分解する可能性があることから好ましくない。
本反応において溶媒を使用することができる。使用可能な溶媒の種類に特別な制限はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族化合物、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒が好ましく、これらは単独で用いても、複数の溶媒を併用しても良い。
本反応に溶媒を使用する場合、使用する溶媒の溶媒量は置換ノルボルネン1gに対して0.1〜20gであり、0.2〜10gが好ましく、0.5〜5gがより好ましい。溶媒量が置換ノルボルネン1gに対して50gを超えると生産性の観点から経済的に好ましくない。
第一工程の反応を行う反応器は、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの、グラス容器、もしくはステンレスで製作したものが好ましい。
【0015】
第一工程を実施する方法は限定されるものではないが、望ましい態様の一例につき、詳細を述べる。反応条件に耐えられる反応器に原料の置換ノルボルネン、低級カルボン酸を仕込み、攪拌しながら外部より加熱して反応を進行させる。サンプリング等により原料の消費をモニタリングし、反応が終了したのを確認し、反応液を冷却する。
得られた反応液を水洗し、粗の一般式[6]で表される置換ノルボルナニル類、溶媒、水、水酸化カリウムを反応条件に耐えられる反応器に仕込み、撹拌しながら外部より加熱して反応を進行させる。サンプリング等により原料の消費をモニタリングし、反応が終了したのを確認し、反応液を冷却する。有機層を分離し、水層に無機酸をpH3になるまで添加し、有機溶媒により抽出、有機溶媒を留去することにより、一般式[3]で表される置換ノルボルナニルアルコールを得ることができる。
本反応で製造された一般式[3]で表される置換ノルボルナニルアルコールは公知の方法を適用して精製しても良いが、十分に高純度の置換ノルボルナニルアルコールを得ることができるため、第二工程の原料とする場合には、特に精製の必要はない。
本反応で得られる置換ノルボルナニルアルコールは異性体混合物であるが、分離することなく第二工程の原料とすることができる。
【0016】
第二工程は、以下スキーム2に示すように、一般式[3]で表される置換ノルボルナニルアルコールと、一般式[7]で表されるα−置換アクリル酸無水物とを反応させて、一般式[2]で表されるα−置換アクリル酸ノルボルナニル類を製造する工程である。
【化6】


一般式[7]中、R1は水素原子、メチル基、エチル基、又は炭素数1から炭素数4のパーフルオロアルキル基である。
第二工程も、バッチ式反応装置において実施することができる。以下においてその反応条件を述べるが、それぞれの反応装置において、当業者が容易に調節しうる程度の反応条件の変更を妨げるものではない。
上記α−置換アクリル酸無水物は公知の方法で合成することができる。R1が水素、メチル基等の場合は試薬としても容易に入手可能である。また、例えばR1がCF3の場合は、2−ブロモ1,1,1−トリフルオロプロペンに対してPdを触媒とするCO挿入反応を(Heck反応)を行うことにより、容易に合成できることが知られている(例えば、特開昭59−21648号公報)。
【0017】
本反応において使用するα−置換アクリル酸無水物の量は置換ノルボルナニルアルコール1モルに対して0.5〜3.0モルであり、0.7〜2.0モルが好ましく、1.0〜1.6モルがより好ましい。置換ノルボルナニルアルコール1モルに対してα−置換アクリル酸無水物の量が0.5モルより少ない場合には反応の選択率、目的物の収率共に低下し、3.0モルを超えると反応に関与しないα−置換アクリル酸無水物が増加し、経済的及び廃棄物の増加による環境への負荷の増大の面から好ましくない。
また、反応を促進するために添加剤を添加することができ、これによって反応温度を下げることができる。反応温度が低くなることは、副生成物を抑える上で有効である。使用される添加剤としてはメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等有機スルホン酸類、三フッ化ホウ素、四塩化チタン、四塩化スズ等のルイス酸類の群から選ばれる少なくとも一種の酸が、好適に用いられる。
本反応に使用する添加剤の量は基質の置換ノルボルナニルアルコール1.0gに対して0.00005〜0.1gであり、0.0001〜0.01gが好ましく、0.0005〜0.005gがより好ましい。基質の置換ノルボルナニルアルコール1.0gに対して添加剤の量が0.00005gより少ない場合には反応の転化率、目的物の収率共に低下し、0.1gを超えると反応に関与しない添加剤の量が増加するため経済的に好ましくない。
【0018】
本反応を実施する際の反応温度は0〜200℃であり、20〜180℃が好ましく、50〜160℃がより好ましい。0℃より低い場合には反応速度が極めて遅く実用的製造法とはならない。また、200℃を超えると原料のα−置換アクリル酸無水物もしくは生成物のα−置換アクリル酸ノルボルナニル類が重合することから好ましくない。
本反応においては無溶媒が好ましいが、溶媒を使用することもできる。使用可能な溶媒の種類に特別な制限はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族化合物、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒が好ましく、これらは単独で用いても、複数の溶媒を併用しても良い。
本反応に溶媒を使用する場合、使用する溶媒の溶媒量は置換ノルボルナニルアルコ−ル1gに対して0.2〜50gであり、0.5〜20gが好ましく、1.0〜10gがより好ましい。溶媒量が置換ノルボルナニルアルコール1gに対して50gを超えると生産性の観点から経済的に好ましくない。
【0019】
第二工程の反応においてα−置換アクリル酸無水物もしくは生成物のα−置換アクリル酸ノルボルナニル類が重合することを防止することを目的として重合禁止剤を共存させて行っても良い。使用する重合禁止剤は2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、2,5−ビステトラメチルブチルヒドロキノン、ロイコキニザリン、ノンフレックスF(N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン)、ノンフレックスH(N,N’−ジナフチル−p−フェニレンジアミン)、ノンフレックスDCD(4,4'−ビス(α、α'−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン/4,4'ジクミル−ジフェニルアミン)、ノンフレックスMBP(2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、オゾノン35(N−(1−メチルヘプチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン)、フェノチアジン、2−メトキシフェノチアジン、テトラエチルチウラム ジスルフィド、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジン、Q‐1300(N‐ニトロソフェニルヒドロキシルアミン)、Q‐1301(N‐ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)から選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましい。
上記の重合禁止剤は市販品であり、容易に入手可能である。使用する重合禁止剤の量は、原料の置換ノルボナニルアルコール1モルに対して通常、0.000005〜0.1モルであり、0.00001〜0.05モルが好ましく、0.0001〜0.03モルがより好ましい。重合禁止剤の量が原料の置換ノルボナニルアルコール1モルに対して0.1モルを超えても重合を防止する能力に大きな差異はなく、そのため、経済的に好ましくない。
第二工程の反応を行う反応器は、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの、グラス容器、もしくはステンレスで製作したものが好ましい。
【0020】
本反応を実施する方法は限定されるものではないが、望ましい態様としては、。反応条件に耐えられる反応器に溶媒、原料の置換ノルボルナニルアルコール、α-置換アクリル酸無水物及び重合禁止剤を加え、攪拌しながら外部より加熱して反応を進行させる方法が一般的である。サンプリング等により原料の消費をモニタリングし、反応が終了したのを確認し、反応液を冷却する。
副生するα-置換アクリル酸及び生成物のα−置換アクリル酸ノルボルナニル類を中和し、水層に溶解させるに十分な量の水酸化カリウム水溶液及び抽出溶媒を添加し、十分に撹拌する。有機層を分離し、水層に無機酸をpH3になるまで添加し、抽出溶媒により抽出、抽出溶媒を留去することにより、一般式[2]で表されるα−置換アクリル酸ノルボルナニル類を得ることができる。
【0021】
第二工程において原料の置換ノルボルナニルアルコールは異性体混合物を使用することができる。その場合における反応生成物も、対応するα−置換アクリル酸ノルボルナニル類の混合物として得られ、[2a](R2=RfSO2NHCH2−基、R3=H)、及び[2b](R2=H、R3=RfSO2NHCH2−基)で表される2つの位置異性体の混合物として得られる。更に、ノルボルネンのexo、endo異性を考慮すると8種類の異性体の混合物となる。
樹脂(A)合成に際して、異性体の単離を行わずに、異性体の混合物として、レジスト用のモノマーに供することも可能であるが、より必要性能を高める目的がある場合、単一異性体を用いることが好適に採用される。これらの混合物の中で特定の異性体のみを単離する場合は、カラムクロマトグラフ等の手法を用いることもできる。
特定の異性体を工業的に得る方法として、本発明では得られた異性体混合物を炭化水素系溶媒により再結晶する第三工程を加えることにより、工業的に[2b](R2=H、R3=RfSO2NHCH2−基)を得ることができる。炭化水素系溶媒としては特に限定されないが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が好ましく、入手のし易さからヘキサンが特に好ましい。
【0022】
実際、α−アクリル酸ノルボルネン誘導体を製造工程により得られた[2a](R2=RfSO2NHCH2−基、R3=H)、及び[2b](R2=H、R3=RfSO2NHCH2−基)の異性体混合物にヘキサンを徐々に加え、結晶を析出させた後、濾別、減圧乾燥したところ、位置異性体の片方である[2b]が得られるばかりではなく、立体異性体的にもexo−,exo−体である5−exo−({[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミノ}メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−exo−イル 2−メチルアクリレートが選択的に99.9%の純度で得られた(後述する合成例2参照)。
今回、重合体にしたときの溶解速度の関係で特に有効であると期待できるexo−、exo−体(後述する合成例2参照)が再結晶という比較的容易な方法で高純度で得ることができ、単一の異性体を高分子化合物製造用のモノマーに供することが可能となった。
【0023】
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物の樹脂成分としては、一般式[1]で表される繰り返し単位と共に、下記一般式[8]ないし一般式[11]で表される少なくとも1つの繰り返し単位とを含むことができる。
【化7】


式[8]ないし式[11]において、R5は、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基あるいはヒドロキシメチル基であり、特に水素原子、メチル基が好ましい。
また、式[9]から式[11]において、R6はR5とは独立にメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基であり、式[11]においては特にt−ブチル基が好ましい。nは0又は1の整数、mは1又は2の整数である。
式[8]から式[11]の繰り返し単位は、それぞれ共重合体中単独で又は2種以上が存在することができる。
なお、式[8]から式[11]の繰り返し単位は、それぞれ対応するα−置換アクリル酸誘導体の重合性不飽和結合が開裂することで得られる。
【0024】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、一般式[1]で表される繰り返し単位(イ)、及び、一般式[9]、[10]及び[11]の少なくとも一つで表される酸解離性基含有繰り返し単位(ロ)、上記繰り返し単位(イ)及び繰り返し単位(ロ)と式[8]で示される繰り返し単位(ハ)とで構成することが好ましい。
その割合は、全繰り返し単位の合計量に対して、繰り返し単位(イ)が10〜80モル%、好ましくは20〜70モル%;繰り返し単位(ロ)が1〜70モル%、好ましくは3〜60モル%;繰り返し単位(ハ)が0〜60モル%、好ましくは0〜50モル%である。
繰り返し単位(イ)の含有率が、20モル%未満では、レジストとしての現像性が低下する傾向にあり、70モル%を超えると解像度の劣化及びレジスト溶剤への溶解性が低下する傾向にある。繰り返し単位(ロ)の含有率が、1モル%未満では、解像性が低下する傾向にあり、70モル%を超えると解像性が劣化する傾向にあり、また繰り返し単位(ハ)の含有率が60モル%を超えると現像性が低下する傾向にある。
【0025】
樹脂(A)は、例えば、その各繰り返し単位に対応する重合性不飽和単量体を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合することにより製造することができる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーエル類等を挙げることができる。
これらの溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、上記重合における反応温度は、通常、40〜120℃、好ましくは50〜90℃であり、反応時間は、通常、1〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
【0026】
本発明に使用できる樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、1,000〜100,000、好ましくは2,000〜70,000、更に好ましくは2,000〜20,000である。この場合、重合体のMwが1,000未満では、レジストとしたときの耐熱性が低下する傾向があり、一方100,000を超えると、レジストとしたときの現像性が低下する。
また、樹脂のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜3である。
なお、本発明に使用できる樹脂は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないほど好ましく、それにより、レジストとしたときの感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等を更に改善することができる。本発明の重合体の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外濾過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。
本発明に使用できる樹脂は、特に、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線の如き放射線による微細加工に使用される化学増幅型レジストとして有用な感放射線性樹脂組成物の樹脂成分として極めて好適に使用することができる。
【0027】
感放射線性酸発生剤(B):
上記樹脂(A)と組み合わせて用いることができる感放射線性酸発生剤(B)は、放射線の照射により酸を発生する成分である。酸発生剤としては、スルホニウム塩やヨードニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、ジスルホン類やジアゾメタンスルホン類等のスルホン化合物を挙げることができる。
感放射性酸発生剤として好ましいものとしては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムN,N'−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート等のトリフェニルスルホニウム塩化合物;
【0028】
4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムN,N'−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート等の4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム塩化合物;
【0029】
4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムN,N'−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート等の4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム塩化合物;
【0030】
トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムN,N'−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムカンファースルホネート等のトリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム塩化合物;
【0031】
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムN,N'−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート等のジフェニルヨードニウム塩化合物;
【0032】
ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムN,N'−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート等のビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩化合物;
【0033】
1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムN,N'−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等の1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム塩化合物;
【0034】
1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムN,N'−ビス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニル)イミデート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等の1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム塩化合物;
【0035】
N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド等のスクシンイミド類化合物;
【0036】
N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等のビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド類化合物等が挙げられる。
【0037】
本発明において、感放射性酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。 感放射性酸発生剤の使用量は、レジストとしての感度および現像性を確保する観点から、樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。この場合、感放射性酸発生剤の使用量が0.1重量部未満では、感度および現像性が低下する傾向があり、一方30重量部をこえると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンを得られ難くなる傾向がある。
【0038】
酸拡散制御剤(C)
酸拡散制御剤は、照射により酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非照射領域における好ましくない化学反応を抑制する作用を有する成分である。
このような酸拡散制御剤を配合することにより、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上するとともに、照射から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
上記酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の照射や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、「3級アミン化合物」、「アミド基含有化合物」、「4級アンモニウムヒドロキシド化合物」、「含窒素複素環化合物」等が挙げられる。
【0039】
「3級アミン化合物」としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミン類;トリエタノールアミン、ジエタノールアニリンなどのアルカノールアミン類;N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンテトラメチレンジアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等が挙げられる。
【0040】
「アミド基含有化合物」としては、例えば、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−ピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−ピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−ピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−モルフォリン等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物のほか、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0041】
「4級アンモニウムヒドロキシド化合物」としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
「含窒素複素環化合物」としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルフォリン、4−メチルモルフォリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
【0042】
上記含窒素複素環化合物のうち、3級アミン化合物、アミド基含有化合物、含窒素複素環化合物が好ましく、また、アミド基含有化合物の中ではN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物が好ましく、含窒素複素環化合物の中ではイミダゾール類が好ましい。
上記酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。酸拡散制御剤の配合量は、樹脂(A)100重量部に対して、通常、15重量部以下、好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下である。この場合、酸拡散制御剤の配合量が15重量部をこえると、レジストとしての感度および放射線照射部の現像性が低下する傾向がある。なお、酸拡散制御剤の配合量が0.001重量部未満であると、プロセス条件によってはレジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
【0043】
本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、酸解離性基を有する脂環族添加剤、酸解離性基を有しない脂環族添加剤、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤を配合できる。
酸解離性基を有する脂環族添加剤、または酸解離性基を有しない脂環族添加剤は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等をさらに改善する作用を示す成分である。
このような脂環族添加剤としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−アダマンタンカルボン酸αブチロラクトンエステル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(アダマンチルカルボニルオキシ)ヘキサン等のアダマンタン誘導体類;デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類; アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジt−ブチル等のアルキルカルボン酸エステル類等が挙げられる。
【0044】
これらの脂環族添加剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。脂環族添加剤の配合量は、樹脂100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。この場合、脂環族添加剤の配合量が50重量部をこえると、レジストとしての耐熱性が低下する傾向がある。
【0045】
添加剤としての界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。
このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社化学(株)製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ(株)製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,同SC−101,同SC−102,同SC−103,同SC−104,同SC−105,同SC−106(旭硝子(株)製)等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。界面活性剤の配合量は、樹脂100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
【0046】
添加剤としての増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すもので、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させる効果を有する。
このような増感剤としては、例えば、カルバゾール類、ベンゾフェノン類、ローズベンガル類、アントラセン類、フェノール類等が挙げられる。
これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。増感剤の配合量は、樹脂100重量部に対して、好ましくは50重量部以下である。
さらに、上記以外の添加剤としては、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等が挙げられる。
【0047】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、普通、その使用に際して、全固形分濃度が、通常、3〜50重量%、好ましくは5〜25重量%となるように、溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターで濾過して組成物溶液として調製される。
上記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状のケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類のほか、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できるが、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチルから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。ただし、シクロヘキサノンは溶解性の点からは、有効な溶剤であるが、その毒性からは使用はできるだけ避けることが好ましい。
【0048】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、特に化学増幅型レジストとして有用である。特に現像後のパターンのラインエッジラフネスを低減できるポジ型レジストとして有用である。
化学増幅型レジストにおいては、放射線照射により酸発生剤から発生した酸の作用によって、樹脂中の酸解離性基が解離して、カルボキシル基を生じ、その結果、レジストの照射部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該照射部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行なったのち、所定のレジストパターンを形成するように該レジスト被膜に照射する。その際に使用される放射線としては、例えば、紫外線、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)、EUV(極紫外線、波長13nm等)等の遠紫外線、電子線等の荷電粒子線、シンクロトロン放射線等のX線等を適宜選択して使用できるが、これらのうち遠紫外線、電子線が好ましい。また、照射量等の照射条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、各添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。
【0049】
本発明においては、高精度の微細パターンを安定して形成するために、PEBを行なうことが好ましい。このPEBにより、樹脂中の酸解離性有機基の解離反応が円滑に進行する。PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
本発明においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば特公平6−12452号公報等に開示されているように、使用される基板上に有機系あるいは無機系の反射防止膜を形成しておくこともでき、また環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば特開平5−188598号公報等に開示されているように、レジスト被膜上に保護膜を設けることもでき、あるいはこれらの技術を併用することもできる。次いで、照射されたレジスト被膜をアルカリ現像液を用いて現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
上記アルカリ現像液としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。
上記アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10重量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10重量%をこえると、非照射部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
また、上記アルカリ性水溶液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
【実施例】
【0050】
以下の合成例において、組成分析値の「%」とは、反応混合物の一部を採取してガスクロマトグラフィによって測定して得られた、溶媒成分を除く有機成分の「面積%」を表す。また、本発明の樹脂(A)のモノマー含有率及びMwは、下記の要領で行った。
各重合体のモノマー含有率及びMw:
日本電子(株)製「JNM−EX270」を用いた12C−NMR分析で、測定溶媒としてCDCL3を使用して実施した。また、Mwは東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
【0051】
合成例1
撹拌装置及び還流冷却器をつけた500mlの三つ口フラスコにギ酸を205g(4.45モル)、N−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル)1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミドを113.6g(0.445モル)を入れ、130℃にて加熱撹拌した。
4時間後、組成をガスクロマトグラフィにより測定したところ、N−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル)1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミドの反応転化率は、98%であった。反応液を冷却後、227mlの水で2回洗浄し、粗の5−({[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミノ}メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル ホルメート120gを得た。これを撹拌装置及び還流冷却器をつけた500mlの三つ口フラスコに移し、水240ml、水酸化カリウム89.3g(1.6モル)、イソプロピルエーテル120gを入れ、80℃にて加熱撹拌した。
1時間後、組成をガスクロマトグラフィにより測定したところ、5−({[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミノ}メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル ホルメートの反応転化率は、99%以上であった。
【0052】
反応液を冷却後、有機層を二層分離し、得られた水層に5%塩酸水をpH3に達するまで加えた。分液ロートに移し、イソプロピルエーテル120gを加え、抽出した。
得られた有機層からイソプロピルエーテルを留去し、目的物である1,1,1−トリフルオロ−N−[(5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル]メタンスルホンアミド105gを得た。
ガスクロマトグラフィにより組成を調べたところ、1,1,1−トリフルオロ−N−[(5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル]メタンスルホンアミドの純度は99.5%(1,1,1−トリフルオロ−N−[(5−exo−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト―2−exo−イル)メチル]メタンスルホンアミド 80.0%、その他異性体19.5%であった。収率は、85.9%であった。
【0053】
NMR分析結果を以下に示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、基準物質:TMS);δ1.02 (ddd, J = 4.8,4.8,13.2, 1H), 1.24 (dddd, J = 1.3, 1.3, 1.3, 10.6 , 1H), 1.31 (dd, J = 2.6, 8.7, 1H), 1.36 (ddd, J = 2.6, 4.1, 13.2, 1H), 1.52 (dd, J =4.8, 8.7, 1H), 1.56 (dd, J =3.0, 10.5, 1H), 1.67 (dd, J =6.4, 13.2, 1H), 2.14 (d, J =4.1, 1H), 2.18 (d, J =4.5, 1H), 3.04(m, 1H), 3.07(m, 1H), 3.78 (dd, J =2.6, 6.4, 1H), 5.23(m, 1H), 7.95 (s, 1H)
19F−NMR(溶媒:CDCl3、基準物質:CCl3F);δ-77.7(s, 3F)
【0054】
合成例2
撹拌装置及び還流冷却器をつけた500mlの三つ口フラスコにメタクリル酸無水物を78.7g(0.42モル)、メタンスルホン酸を0.10g(1.0ミリモル)、1,1,1−トリフルオロ−N−[(5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル]メタンスルホンアミドを105g(0.39モル)、ノンフレックスMBPを0.05g入れ、80℃で加熱撹拌した。
3時間後、組成をガスクロマトグラフィにより測定したところ、1,1,1−トリフルオロ−N−[(5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)メチル]メタンスルホンアミドの反応転化率は、99%以上であった。反応液を冷却後、水酸化カリウム50g(0.9モル)と水200mlからなる溶液を加え、良く撹拌した後、イソプロピルエーテル150gを加え、二層分離した。得られた水層に5%塩酸水をpH3に達するまで加えた。分液ロートに移し、イソプロピルエーテル150gを加え、抽出した。
得られた有機層からイソプロピルエーテルを留去し、5−({[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミノ}メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル 2−メチルアクリレートと6−({[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミノ}メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル 2−メチルアクリレートの混合物を得た。
この混合物にヘキサンを徐々に加え、結晶を析出させ、濾別後、減圧乾燥すると53.3gの結晶を得た。NMR及びガスクロマトグラフィにより組成を調べたところ、純度99.9%の5−exo−({[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミノ}メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−exo−イル 2−メチルアクリレートであった。収率は、40%であった。
【0055】
NMR分析結果を以下に示す。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、基準物質:TMS);δ0.57 (ddd, J = 2.2, 4.6, 13.2, 1H), 0.85 (ddd, J = 1.2, 2.4, 10.6, 1H), 0.96 (ddd, J = 2.2, 8.5,13.2, 1H), 1.08 (m, 1H), 1.25 (m, 1H), 1.28 (ddd, J = 1.2, 3.0, 3.9,, 1H), 1.46 (ddd, J = 1.2, 2.4, 7.1, 1H), 1.72 (m, 1H), 1.80 (dd, J = 1.5, 1.7, 3H), 2.09 (m, 1H), 2.50 (dd, J = 7.2, 13.2, 1H), 2.62 (m, 1H), 4.53 (ddd, J = 1.2, 3.0, 7.1, 1H), 5.11 (dd, J = 5.3, 5.6, 1H), 5.22 (dd, J = 1.7, 1.7, 1H), 6.07 (dd, J = 1.5, 1.7, 1H)
19F−NMR(溶媒:CDCl3、基準物質:CCl3F);δ-77.8 (s, 3F)
【0056】
合成例3〜7
合成例2で得られた単一異性体として取り出した5−exo−({[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミノ}メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−exo−イル 2−メチルアクリレート[M−1]、及び以下に示すモノマー[M−2]、モノマー[M−3]、モノマー[M−4]を用いて樹脂を合成した。
【0057】
【化8】


上記モノマー[M−1]〜モノマー[M−4]を表1に示す仕込みモル比率で合計量が30gとなるように混合し、60gの2−ブタノンに溶解させ、更にこれに2,2−アゾビスイソブチロニトリル1.46gを加えて溶解した溶液を10分窒素パージし、滴下漏斗に入れて準備する。500mLの三口フラスコへ60gの2−ブタノンを入れ、10分窒素パージする。窒素パージの後、三口フラスコ内をマグネチックスターラーにて攪拌しながらオイルバスに浸して80℃に保持し、滴下漏斗に入れて準備した溶液を3時間かけて滴下し、更に3時間加熱した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、1000gのn−ヘプタンへ投入し、析出した白色粉末を濾別する。濾別された白色粉末を100gの2−ブタノンに溶解させ1000gのn−ヘプタンへ投入、濾別回収する作業を3回繰り返して洗浄した後、濾別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た。重合結果を表1に示す。
【0058】
【表1】


【0059】
実施例1〜4、比較例1
合成例3〜合成例7で得られた各重合体と、以下に示す酸発生剤と、他の成分とを表2に示す割合で配合して各感放射線性樹脂組成物溶液を得た。得られた感放射線性樹脂組成物溶液を表3に示す条件にて露光して各種評価を行った。評価結果を表4に示す。ここで、部は、特記しない限り重量基準である。
酸発生剤(B)
(B−1):トリフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(B−2):4−シクロヘキシル−フェニル−ジフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
酸拡散抑制剤(C)
(C−1):ピロリジン−1−ニル−酢酸t−ブチルエステル
溶剤(D)
(D−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(D−2):シクロヘキサノン
【0060】
評価方法
(1)感度:
ArF光源にて露光を行う場合、ウエハー表面に膜厚77nmのARC29((Brewer Science)社製)膜を形成したシリコンウエハー(ARC29)を用い、各組成物溶液を、先に作成したARC29を塗布したウエハー上にスピンコートにより塗布した。この時用いた塗布およびベーク、現像は東京エレクトロン社製ACT8を用いた。塗布後、表3に示す条件でACT8のホットプレート上にてベークを行い、冷却して形成した膜厚250nmのレジスト被膜に、ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(開口数0.75)を用い、マスクパターンを介して露光した。その後、表3に示す条件でPEBを行い、冷却後に、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、23℃で30秒間現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、線幅90nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
(2)解像度:
最適露光量で解像される最小のライン・アンド・スペースパターンの寸法を解像度とした。
【0061】
(3)パターンの倒れ:
感度の測定に記載の方法に準じて、形成されるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の線幅が90nmとなるような露光量を選択した。次いで、露光量を変えてパターンの線幅を細らせた場合の倒れが無く得られたパターンのうち最小パターンの線幅を比較した。この時の線幅の測定は日立製測長SEM:S9360を用いて行った。
(4)LSとISの共通DOF
感度の測定に記載の方法に準じて、形成されるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の線幅が100nmとなるような寸法のマスクであって、同時に、線幅が110nmとなる孤立スペースパターン(IS)が形成されるマスクを選択した。次いで、上記のとおり形成されるライン・アンド・スペースパターパターンのスペースの線幅が100nm以上120nm以下である焦点深度(DOF)の共通の範囲を測定した。
【0062】
【表2】


【表3】


【表4】


表4に示すように、各実施例はレジスト基本性能である感度、解像度等に優れるだけでなく、倒れマージンが良好で、LS、ISの共通DOFが広く、かつベーク温度依存性も改良された感放射線性組成物が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
新規なα−置換アクリル酸ノルボルナニル類を重合させることにより得られる含フッ素樹脂は、紫外線領域から近赤外線領域に至るまでの幅広い波長領域で高い透明性を有し、かつ基板への高い密着性及び成膜性、高いエッチング耐性を併せ持ったレジスト材料となる。このため、今後更に微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。




 

 


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