米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 写真;映画 -> コニカミノルタエムジー株式会社

発明の名称 熱現像記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−199262(P2007−199262A)
公開日 平成19年8月9日(2007.8.9)
出願番号 特願2006−16341(P2006−16341)
出願日 平成18年1月25日(2006.1.25)
代理人 【識別番号】100107272
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 敬二郎
発明者 田口 あきら
要約 課題
装置の小型化及び迅速処理が可能であり加熱後に搬送されるシート状熱現像感光材料の軌跡が安定しカール発生を抑制可能な熱現像記録装置を提供する。

解決手段
潜像を形成する露光手段と、潜像が形成されたシート状熱現像感光材料を加熱し現像する熱現像手段とを備え、熱現像手段は、潜像が形成されたシート状熱現像感光材料を加熱する熱源と搬送する搬送手段とを有する昇温部50と、昇温部を搬送される間に加熱されたシート状熱現像感光材料を保温するための熱源を有する保温部53と、加熱されたシート状熱現像感光材料を冷却する搬送経路とガイドするガイド手段と搬送するために駆動される搬送手段とを有する冷却部54と、を備え、保温部は、シート状熱現像感光材料を案内する曲率を有する第1ガイド53fと、曲率を有する第1ガイドの下流側の略直線状の第2ガイド53gと、を有し、第2ガイドと冷却部の搬送経路とを略一直線状に構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のシート状熱現像感光材料を保持する保持手段と、前記保持された複数のシート状熱現像感光材料から1枚ずつシート状熱現像感光材料を分離して搬送するピックアップ手段と、前記搬送されたシート状熱現像感光材料に画像信号に対応する潜像を形成する露光手段と、前記潜像が形成されたシート状熱現像感光材料を加熱し現像する熱現像手段と、を備える熱現像記録装置であって、
前記熱現像手段は、
前記潜像が形成されたシート状熱現像感光材料を加熱する熱源と搬送する搬送手段とを有する昇温部と、前記昇温部を搬送される間に加熱されたシート状熱現像感光材料を保温するための熱源を有する保温部と、前記加熱されたシート状熱現像感光材料を冷却する搬送経路を有するガイド手段と搬送するために駆動される搬送手段とを有する冷却部と、を備え、
前記保温部は、前記シート状熱現像感光材料を案内する曲率を有する第1ガイドと、前記曲率を有する第1ガイドの下流側の略直線状の第2ガイドと、を有し、
前記冷却部の搬送経路と前記第2ガイドとを略一直線状に構成したことを特徴とする熱現像記録装置。
【請求項2】
前記保温部に対し前記冷却部を上方に配置し、
前記第2ガイドは鉛直上方に前記シート状熱現像感光材料を案内する請求項1に記載の熱現像記録装置。
【請求項3】
前記冷却部の駆動される搬送手段のうち、前記シート状熱現像感光材料と最初に係合する搬送手段の搬送方向を前記第2ガイドの延長方向と略一致させる請求項1または2に記載の熱現像記録装置。
【請求項4】
前記シート状熱現像感光材料が160〜190μm厚のPETベースを備え、前記第2ガイドの長さが10mm以上である請求項1,2または3に記載の熱現像記録装置。
【請求項5】
前記保温部は、ガイド間に形成されたスリット内において前記シート状熱現像感光材料を保温するように構成された請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱現像記録装置。
【請求項6】
前記冷却部は前記保温部の略鉛直方向上方にある請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱現像記録装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状熱現像感光材料に潜像を形成してから、そのシート状熱現像感光材料を加熱し現像する熱現像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、熱現像部で加熱された記録材料を鉛直方向に対し斜め下向きに搬送し、熱現像部の下流側に配設された冷却部で記録材料を冷却し、冷却部は金属ローラと弾性体からなるローラとの対構造であり、記録材料の画像形成面に熱伝導に優れた金属ローラを接触させることで、熱現像された記録材料が冷却部を搬送される間に均一に現像停止温度以下に冷却されるようにした熱現像装置を開示する。
【0003】
下記特許文献2及び3は、加熱ドラムで熱処理可能シートを加熱し、鉛直方向に対し斜め下向きに搬送し、下流側の熱伝導性材料からなる冷却プレート上を滑らせて冷却する(冷却ニップローラではない)ようにした熱処理装置を開示する。
【特許文献1】特開2000−122257号公報(図1,図5)
【特許文献2】米国特許明細書第5563681号(Fig.2,Fig.3)
【特許文献3】米国特許明細書第5699101号(Fig.1,Fig.2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、熱現像部を特許文献1〜3のように熱現像フィルム搬送方向に略均一な構造にすると、オーバースペックとなってしまい、コスト高の要因となってしまう。また、特許文献2,3の装置は装置の小型化及び迅速処理に不適切である。更に、フィルム加熱後、当該フィルムを鉛直方向に対し斜め下向きに搬送するので、加熱されて110℃から130℃の熱現像温度にあるフィルムの腰強度や重力影響で、斜め下向きの姿勢が安定せず、例えば、平均的な軌跡よりも垂れ下がり、次工程の冷却部の搬送ローラによって、持ち上げられると、このたるんだ姿勢を保ちながら搬送されるので、この間に冷却が進行するために、最終的な仕上がりフィルムに、このたわみ(垂れ下がり)に対応したカールが生じてしまうことになり好ましくない。
【0005】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、装置の小型化及び迅速処理が可能であり加熱後に搬送されるシート状熱現像感光材料の軌跡が安定しカール発生を抑制可能な熱現像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明による熱現像記録装置は、複数のシート状熱現像感光材料を保持する保持手段と、前記保持された複数のシート状熱現像感光材料から1枚ずつシート状熱現像感光材料を分離して搬送するピックアップ手段と、前記搬送されたシート状熱現像感光材料に画像信号に対応する潜像を形成する露光手段と、前記潜像が形成されたシート状熱現像感光材料を加熱し現像する熱現像手段と、を備える熱現像記録装置であって、前記熱現像手段は、前記潜像が形成されたシート状熱現像感光材料を加熱する熱源と搬送する搬送手段とを有する昇温部と、前記昇温部を搬送される間に加熱されたシート状熱現像感光材料を保温するための熱源を有する保温部と、前記加熱されたシート状熱現像感光材料を冷却する搬送経路を有するガイド手段と搬送するために駆動される搬送手段とを有する冷却部と、を備え、前記保温部は、前記シート状熱現像感光材料を案内する曲率を有する第1ガイドと、前記曲率を有する第1ガイドの下流側の略直線状の第2ガイドと、を有し、前記第2ガイドと前記冷却部の搬送経路とを略一直線状に構成したことを特徴とする。
【0007】
この熱現像記録装置によれば、保温部が曲率を有する第1ガイドとその下流側に略直線状の第2ガイドとを備えることで、装置の小型化を図ることができるとともに、保温部の曲率を有する第1ガイドの下流側の略直線状の第2ガイドと冷却部の搬送経路とを略一直線状に構成することで、加熱後のシート状熱現像感光材料をその軌跡が安定して搬送でき、カール発生を抑制可能となり、このため、搬送速度を大きくでき迅速処理を実現できる。
【0008】
また、曲率を有する第1ガイドに連続させて略直線状の第2ガイドを設け、シート状熱現像感光材料の先端部の暴れ量(位置ばらつき量)を抑制することができ、シート状熱現像感光材料の位置ばらつき・搬送ばらつきによらず、シート状熱現像感光材料のカール発生を抑制できる。
【0009】
上記熱現像記録装置において前記保温部に対し前記冷却部を上方に配置し、前記第2ガイドは鉛直上方に前記シート状熱現像感光材料を案内するように構成することが好ましい。これにより、搬送中のシート状熱現像感光材料が重力の影響を受け難くなり、搬送姿勢が最も安定するため、加熱後に搬送されるシート状熱現像感光材料の軌跡が更に安定する。
【0010】
また、前記冷却部の駆動される搬送手段のうち、前記シート状熱現像感光材料と最初に係合する搬送手段の搬送方向を前記第2ガイドの延長方向と略一致させることが好ましい。
【0011】
なお、冷却部の搬送手段はニップローラでもよく、この冷却部の搬送力は、昇温部の搬送力よりも弱めの設定が好ましく、また、冷却部の搬送速度は、昇温部の搬送速度と同等か、または、やや遅めが好ましい。
【0012】
また、前記シート状熱現像感光材料が160〜190μm厚のPETベースを備え、前記第2ガイドの長さは10mm以上が好ましく、15mm以上がより好ましい。これにより、保温部を搬送されるシート状熱現像感光材料は、その先端部以外が曲率のある第1ガイドに倣わない軌跡となっても、曲率のある第1ガイドに続く下流側の略直線状の第2ガイドにより、安定した搬送軌跡となる。また、PETベースの元巻きからのシート状熱現像感光材料への加工時の断裁方向を問わず、安定した保温部出口での搬送姿勢を得ることができる。
【0013】
また、前記保温部は、ガイド間に形成されたスリット内において前記シート状熱現像感光材料を保温するように構成されることが好ましい。昇温部の下流側に位置する保温部をスリット式保温構造とすることで、保温部のスリットの隙間をシート状熱現像感光材料が通過するだけでよく、熱現像特性には影響がないので、保温部に搬送用ローラ等を設ける必要がない。このため、部品点数の削減を図ることができ、コストダウンを達成できる。なお、曲率を有する第1ガイドによる搬送距離が大きい場合や第1ガイドの曲率が小さい場合には、搬送途中のスリップやジャム防止のため、保温部の途中に駆動ローラを配置してもよく、この場合にも、搬送ローラ〜出口部の間でのシート状熱現像感光材料の挙動に対し、上記の効果を得ることができる。
【0014】
また、前記冷却部は前記保温部の略鉛直方向上方にあることが好ましい。これにより、装置の設置面積を小さくできるとともに、シート状熱現像感光材料を保温部から冷却部に搬送する際に、重力影響による先端のぶれ(位置ずれ)を小さくできるので、シート状熱現像感光材料の搬送姿勢が安定化する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の熱現像記録装置によれば、装置の小型化及び迅速処理が可能であり加熱後に搬送されるシート状熱現像感光材料の軌跡が安定し、カール発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1は本実施の形態による熱現像装置の要部を概略的に示す側面図である。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態の熱現像装置40は、PETからなるシート状の支持基体(ベース)の片面上に熱現像感光材料が塗布されたEC面と、EC面と反対面の支持基体側のBC面とを有するフィルムFを副走査搬送しながら光走査露光部55からのレーザ光LでEC面に潜像を形成し、次に、フィルムFをBC面側から加熱して現像し潜像を可視化し、曲率のある搬送経路を通して装置上方に搬送し排出するものである。
【0018】
図1の熱現像装置40は、装置筐体40aの底部近傍に設けられ未使用の多数枚のフィルムFを保持し収納するフィルム収納部45と、フィルム収納部45の最上のフィルムFをピックアップして搬送するピックアップローラ46と、ピックアップローラ46からのフィルムFを搬送する搬送ローラ対47と、搬送ローラ対47からのフィルムFをガイドし搬送方向をほぼ反転させて搬送するように曲面状に構成された曲面ガイド48と、曲面ガイド48からのフィルムFを副走査搬送するための搬送ローラ対49a,49bと、搬送ローラ対49aと49bとの間でフィルムFに画像データに基づいてレーザ光Lを光走査して露光することによりEC面に潜像を形成する光走査露光部55と、を備える。
【0019】
熱現像装置40は、更に、潜像の形成されたフィルムFをBC面側から加熱し所定の熱現像温度まで昇温させる昇温部50と、昇温されたフィルムFを加熱して所定の熱現像温度に保温する保温部53と、加熱されたフィルムFをBC面側から冷却する冷却部54と、冷却部54の出口側に配置されてフィルムFの濃度を測定する濃度計56と、濃度計56からのフィルムFを排出する搬送ローラ対57と、搬送ローラ対57で排出されたフィルムFが載置されるように装置筐体40aの上面に傾斜して設けられたフィルム排出部58と、を備える。
【0020】
図1のように、熱現像装置40では、装置筐体40aの底部から上方に向けて、フィルム収納部45、基板部59、搬送ローラ対49a,49b・昇温部50・保温部53(上流側)の順に配置されており、フィルム収納部45が最下方にあり、また昇温部50・保温部53との間に基板部59があるので、熱影響を受け難くなっている。
【0021】
また、副走査搬送の搬送ローラ対49a,49bから昇温部50までの搬送路は比較的短く構成されているので、光走査露光部55によりフィルムFに対し露光が行われながらフィルムFの先端側では昇温部50、保温部53で熱現像加熱が行われる。
【0022】
昇温部50と保温部53とで加熱部を構成し、フィルムFを熱現像温度まで加熱し熱現像温度に保持する。昇温部50は、フィルムFを上流側で加熱する第1の加熱ゾーン51と、下流側で加熱する第2の加熱ゾーン52と、を有する。
【0023】
第1の加熱ゾーン51は、アルミニウム等の金属材料からなり固定された平面状の加熱ガイド51bと、加熱ガイド51bの裏面に密着されたシリコンラバーヒータ等からなる平面状の加熱ヒータ51cと、加熱ガイド51bの固定ガイド面51dにフィルムを押圧可能にフィルム厚さよりも狭い隙間を維持するように配置されかつ表面が金属等に比べ熱絶縁性のあるシリコンゴム等からなる複数の対向ローラ51aと、を有する。
【0024】
第2の加熱ゾーン52は、アルミニウム等の金属材料からなり固定された平面状の加熱ガイド52bと、加熱ガイド52bの裏面に密着されたシリコンラバーヒータ等からなる平面状の加熱ヒータ52cと、加熱ガイド52bの固定ガイド面52dにフィルムを押圧可能にフィルム厚さよりも狭い隙間を維持するように配置されかつ表面が金属等に比べ熱絶縁性のあるシリコンゴム等からなる複数の対向ローラ52aと、を有する。
【0025】
保温部53は、アルミニウム等の金属材料からなり固定された加熱ガイド53bと、加熱ガイド53bの裏面に密着されたシリコンラバーヒータ等からなる平面状の加熱ヒータ53cと、加熱ガイド53bの表面に構成された固定ガイド面53dに対し所定の隙間(スリット)dを有するように対向して配置された断熱材等からなるガイド部53aと、を有する。
【0026】
保温部53の加熱ガイド53bは、昇温部50側が第2の加熱ゾーン52と連続して平面的に構成されフィルムを略水平方向にガイドする第1のガイド領域53eと、第1のガイド領域53eから装置上方に向けて所定の曲率で曲面状に構成されフィルムを曲面に沿ってガイドする第2のガイド領域53fと、第2のガイド領域53fから略鉛直上方に向けて直線状にフィルムをガイドする第3のガイド領域53gと、から構成される。
【0027】
昇温部50の第1の加熱ゾーン51では、昇温部50の上流側から搬送ローラ対49a,49bにより搬送されてきたフィルムFが回転駆動された各対向ローラ51aにより固定ガイド面51dに押圧されることでBC面が固定ガイド面51dに密に接触して加熱されながら搬送されるようになっている。
【0028】
第2の加熱ゾーン52でも同様に、第1の加熱ゾーン51から搬送されてきたフィルムFが回転駆動された各対向ローラ52aにより固定ガイド面52dに押圧されることでBC面が固定ガイド面51dに密に接触して加熱されながら搬送されるようになっている。
【0029】
なお、昇温部50の第2の加熱ゾーン52と保温部53との間に上方にV字状に開口した凹部を設けるように構成してもよく、昇温部50からの異物が凹部内に落下することにより、昇温部50からの異物が保温部53に持ち込まれることを防止できる。
【0030】
保温部53では、第2の加熱ゾーン52から搬送されてきたフィルムFが加熱ガイド53bの固定ガイド面53dとガイド部53aとの間の隙間dにおいて加熱ガイド53bからの熱で加熱(保温)されながら、第2の加熱ゾーン52側の対向ローラ52aの搬送力により隙間dを通過する。このとき、フィルムFは、第1のガイド領域53e、第2のガイド領域53f、第3のガイド領域53gを搬送されながら、隙間dにおいて水平方向から鉛直上方に向きを次第に変えて冷却部54に向かう。
【0031】
冷却部54は、上流側が保温部53の第3のガイド領域53gに対して略直線状に構成されて鉛直方向を向いた搬送経路を有し、第3のガイド領域53gの延長方向と略一致した領域にフィルム搬送用の対向ローラ54aを配置している。冷却部54の下流側は曲面状になって対向ローラ54dが配置されている。
【0032】
冷却部54では、保温部53の第3のガイド領域53gから鉛直上方に搬送されてきたフィルムFを金属材料等からなる冷却プレート54bの冷却ガイド面14cに複数の対向ローラ54a,54dにより接触させて冷却しながら、鉛直上方から次第に斜め方向にフィルムFの向きをフィルム排出部58に変えて搬送する。なお、冷却プレート54bをフィン付きのヒートシンク構造とすることで冷却効果を増すことができる。冷却プレート54bの一部をフィン付きのヒートシンク構造にしてもよい。
【0033】
冷却部54から出た冷却されたフィルムFは濃度計56で濃度測定され、搬送ローラ対57により搬送されてフィルム排出部58へと排出される。フィルム排出部58は複数枚のフィルムFを一時的に載置しておくことができる。
【0034】
上述のように、図1の熱現像装置40では、フィルムFは、昇温部50及び保温部53においてBC面が加熱状態の固定ガイド面51d、52d、53dに向いており、熱現像感光材料の塗布されたEC面が開放された状態で搬送される。また、冷却部54では、フィルムFは、BC面が冷却ガイド面54cに接触し冷却され、熱現像材料が塗布されたEC面が開放された状態で搬送される。
【0035】
また、フィルムFは、昇温部50及び保温部53の通過時間が10秒以下となるよう対向ローラ51a、52aにより搬送される。従って、昇温〜保温の加熱時間も10秒以下ということになる。
【0036】
以上のように、図1の熱現像装置40によれば、均一熱伝達が必要な昇温部50において、加熱ガイド51b、52bと、フィルムFを加熱ガイド51b、52bに押圧する複数の対向ローラ51a,52aとによりフィルムFを固定ガイド面51d、52dに密着させることで接触伝熱を確保しながらフィルムFを搬送するので、フィルム全面が均一に加熱され、均一に温度上昇するので、仕上がりフィルムは濃度むらの発生を抑えた高品質の画像となる。
【0037】
また、保温部53の曲率を有する第2のガイド領域53fの下流側の略直線状の第3のガイド領域53gと冷却部54の上流側搬送経路とを略一直線状に構成することで、加熱後のフィルムをその軌跡が安定して搬送でき、このため、搬送速度を大きくでき迅速処理を実現できる。
【0038】
また、熱現像温度への昇温後は、保温部53で加熱ガイド53bの固定ガイド面53dとガイド部53aとの間の隙間dにフィルムを搬送し、特に固定ガイド面53dに密着させずに隙間dにおいて加熱(固定ガイド面53dに直接接触し伝熱加熱する、及び/又は、周囲の高温空気との接触による伝熱)しても、フィルム温度は現像温度(例えば123℃)に対し所定の範囲内(例えば0.5℃)に収まる。このように、フィルムが隙間dにおいて加熱ガイド53bの壁面または曲面ガイド53aの壁面のどちらに沿って搬送されても、フィルム温度差は0.5℃未満であり、均一な保温状態が維持できるので、仕上がりフィルムにおける濃度むら発生の虞はほとんど生じない。このため、保温部53にローラ等の駆動部品を設ける必要がないので、部品点数削減を達成できる。
【0039】
更に、フィルムFの加熱時間が10秒以下で済むので、迅速な熱現像プロセスを実現でき、また、昇温部50から水平方向に延びた保温部53が途中から曲面状になって鉛直上方に向くよう構成され、フィルムFは冷却部54でフィルムFの向きをほぼ反転させてフィルム排出部58へと排出されるので、装置レイアウトに応じて冷却部54を所定の曲率とすることで、設置面積の小型化・装置全体の小型化に対応可能となる。
【0040】
従来の大型機ではフィルムを現像温度に昇温以降の保温機能で充分な部分にも、昇温部と同一な加熱搬送機構としていたため、結果的に不必要な部材を使用してしまっており、部品点数の増加やコストアップを招いており、また、従来の小型機では昇温時の熱伝達を保障し難いため濃度むら発生の問題があり高画質の保障が困難であったのに対し、本実施の形態によれば、熱現像プロセスを昇温部50と保温部53とで別々に実行することで、かかる問題をいずれも解消することができる。
【0041】
以上のように、本実施の形態の熱現像部を、対向ローラでフィルム搬送を行う昇温部50と隙間(スリット)を有するスリット式保温部53とから構成される加熱構造とすることで、スリット式の保温部53は例えば3mm前後の隙間の間のどこをフィルムが通過しても熱現像特性には影響がないので、搬送用ローラ等を設ける必要がなく、部品点数の削減を図ることができ、装置のコストダウンを実現可能である。
【0042】
次に、加熱中のフィルムにカールが発生するメカニズム及びカール発生を防止する本実施の形態の効果について図2を参照して説明する。図2は本実施の形態におけるカール発生防止の効果を説明するために図1の保温部及び冷却部の要部を示す図(a)及びカール発生のメカニズムを説明するための同様の図(b)である。
【0043】
小型の熱現像記録装置を構成する場合、熱影響を考慮する必要があるが、フィルム収納部45は熱現像部から離れた本体底部にあるので、熱影響を回避する観点から好ましい。このフィルム収納部45の投影面積上に露光部55、熱現像部50,53、フィルム排出部58があるので、装置の設置面積を小さくし小型化する観点から好ましい。かかる熱影響の回避及び装置の小型化の理由から、本実施の形態の熱現像記録装置は、加熱後のフィルムが上方へ搬送されながら冷却部54と係合する構造とならざるを得ないのであるが、そうすると、図2(b)に示すように、保温部53Aの出口側の接線方向と、冷却部54Aの入口側の搬送経路とを図の1点鎖線のように単に一致させても、破線で示すフィルムは保温部53Aの出口から出ると、保温部53Aと冷却部54Bとの空間部Aにおいて、シートフィルムのアスペクト比・PET延展方向・重力影響等で自由空間的にフィルム先端があばれて姿勢が安定しなくなり、カールが発生し易くなってしまう。これに対し、本実施の形態のスリット式保温部53では、搬送されるフィルム先端部及び後端部が第2のガイド領域53fの曲面に倣うが、フィルムの中間部分は例えば3mmの隙間(スリット)の中間部で浮き上がった状態となることもある(この状態でも上述のように保温性能に影響がない)ので、スリット式保温部53の出口側に位置する第3のガイド領域53gの形状を、第2のガイド領域53fの曲面に連続させて直線状に構成することで、図2(a)に示すように、保温部53の出口から出たフィルムは、第3のガイド領域53gの直線形状に倣って直線的に移動してフィルム先端部が冷却部54の冷却プレート54bと対向ローラ54aとの間にスムースに進入して係合することで、フィルム先端部のあばれ量(位置ばらつき量)を抑制することができる。これにより、フィルムの位置ばらつき・搬送ばらつきによらず、加熱されたフィルムにおけるカール発生を抑制できる。
【0044】
また、フィルムFを昇温部50及び保温部53で熱現像感光材料の塗布されたEC面が開放された状態でBC面側から加熱することで、10秒以下の迅速処理で熱現像プロセスを実行する際に、EC面側の開放により、加熱され揮発(蒸発)しようとするフィルムFに含まれる溶媒(水分、有機溶剤等)が最短距離で離散するので、加熱時間(揮発時間)が短くなっても時間短縮の影響を受け難くなるとともに、部分的にフィルムFと固定ガイド面51d、52dとの接触性が悪い部分があっても、BC面のPETベースによる熱拡散効果により、接触性の良い部分との温度差が緩和され、結果として濃度差が起こりにくいので、濃度を安定化でき、画質が安定する。なお、一般的に加熱効率を考慮すると、EC面側加熱の方が良いと考えられていたが、フィルムFの支持基体のPETの熱伝導率0.17W/m℃、PETベースの厚さ170μm前後であることを考慮すると、時間遅れはわずかであり、ヒータ容量アップ等で容易に相殺可能であり、上記の接触むらを緩和する効果の方が期待できる方が好ましい。
【0045】
更に、保温部53を出て、冷却部54に至る間にもフィルムF中の溶媒(水分、有機溶剤等)は高温であるため揮発(蒸発)しようとしているが、冷却部54でもフィルムFのEC面が開放状態であるので、溶媒(水分、有機溶剤等)がトラップされず、より長い時間、揮発させることになるのでより、画質が安定する。このように、迅速処理時には冷却時間も無視できず、加熱時間10秒以下の迅速処理には特に有効となる。
【実施例】
【0046】
次に、実施例により本発明の熱現像記録装置によるカール発生の抑制効果について説明する。図3に示す熱現像装置を実験で使用し、次のような構成とした。
【0047】
加熱系として、厚さ10mmのアルミニウムプレートの裏面にシリコンラバーヒータを貼付した、プレート状の第1の加熱プレート(昇温部)及び曲率形状の第2の加熱プレート(保温部)を用いた。第1の加熱プレートのガイド面に、厚さ1mmのシリコンゴム層を表層に設けた直径12mm、有効搬送長380mmのシリコンゴムローラを約8gf/cmの線圧となるよう配置し、このシリコンゴムローラで熱現像感光材料を塗布したフィルムを押圧しBC面を加熱プレートに接触させながら搬送した。第1の加熱プレートの搬送長は84mmである。第2の加熱プレートは、断熱材を配置し、搬送長を126mmとし、図1と同様の曲率構造で半径50mmの曲線部として設置面積を小さくし、出口側に長さ15mmの直線部を設けた。
【0048】
冷却系として厚さ2mm、10mmのアルミプレートをそれぞれ第1、第2の冷却プレートとして用い、第1の冷却プレートはフィルム搬送面と反対の面に加熱ヒータを設け、温度線の測定結果に基づき温度制御した。また、冷却プレートは端部を延長して面積を大きくし(冷却)伝熱効率を上げてある。第1の冷却プレートは、第2の加熱プレートの直線部の鉛直上方で延長線上に配置した。
【0049】
第2の冷却プレートのアルミニウムプレートの裏面に厚さ0.7mm、高さ35mm、奥行き390mmのフィン21枚をピッチ4mmで配置したヒートシンクを接合した。第1,第2の冷却プレートに、厚さ1mmのシリコンゴム層を表層に設けた直径12mm、有効搬送長380mmのシリコンゴムローラを約8gf/cmの線圧で配置し、フィルムを押圧しながら搬送した。第1、第2の冷却プレートの搬送長は、それぞれ60mm、105mmである。
【0050】
搬送速度は、21.2mm/sの迅速処理とした。第1及び第2の加熱プレートの温度は123℃とし、第1の冷却プレートは、プレート表面温度の基準値100℃に対し±5℃の範囲で温度調整可能となるようヒータを選定し、制御した。各プレートの間は、プレート間での熱移動量を抑制するために2mmの間隙を設けた。
【0051】
熱現像用フィルムは、特開2004−102263号公報に開示されているような有機溶剤系の熱現像用フィルムである、コニカミノルタ社製のSD-P(半切)を使用した。上記フィルムを用いて、図3の熱現像装置において熱現像処理を実行した。塗布液を塗布した乳剤層面(EC面)側を開放してフィルムをシリコンゴムローラで押圧しBC面を加熱プレートに接触させながら搬送し、加熱時間を10秒にして熱現像を123℃で行い、徐冷部で123℃から100℃に2.5秒で冷却し、急冷部で100℃から50℃に2秒で冷却した。その結果、フィルムにカールは発生しなかった。
【0052】
また、保温部の曲線部の半径が50mmの場合は、直線部を10mmとしても同様の結果であったが、曲線部の曲率を50mm未満とすると、直線部が10mmの長さでは、若干のカール発生が見られた。
【0053】
次に、比較例として、図3の熱現像装置において保温部の出口側に設けた直線部を省略し、曲線部の出口側接線を第1の冷却プレートの表面にほぼ一致するようにした以外は、実施例と同様にして熱現像処理を行った。その結果、フィルムのEC面側に凸のカールが生じ、そのカール度は0.6〜1.0であり、発生したカール量にばらつきがあり、安定しなかった。なお、カール度は、カールの半径をR(m)としたとき、カール度=1/R(m)とした。
【0054】
更に、別の比較例として、保温部と徐冷部との左右位置関係を実施例の直線状態から偏移させると、左右のずれ位置に応じて、EC面側に凸、BC面側に凸というように一様な安定したカール発生が見られた。これは、フィルムの搬送姿勢が安定しているので、保温部と徐冷部との左右位置の偏移差に対応した一様で再現性のあるカール発生となったものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施の形態による熱現像装置の要部を概略的に示す側面図である。
【図2】本実施の形態におけるカール発生防止の効果を説明するために図1の保温部及び冷却部の要部を示す図(a)及びカール発生のメカニズムを説明するための同様の図(b)である。
【図3】本実施例で使用した熱現像装置の概略的構成を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
40 熱現像装置
40a 装置筐体
45 フィルム収納部
46 ピックアップローラ
47 搬送ローラ対
50 昇温部
51a,52a 対向ローラ
53 保温部
53a ガイド部、曲面ガイド
53b 加熱ガイド
53c 加熱ヒータ
53d 固定ガイド面
53e 第1のガイド領域
53f 第2のガイド領域(第1ガイド)
53g 第3のガイド領域(第2ガイド)
54 冷却部
54a 対向ローラ
54b 冷却プレート
54c 冷却ガイド面
54d 対向ローラ
55 光走査露光部
58 フィルム排出部
F フィルム(シート状熱現像感光材料)
d 隙間、スリット





 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013