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発明の名称 有機銀塩粒子分散物、銀塩光熱写真ドライイメージング材料、及びそれらの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−121711(P2007−121711A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−314267(P2005−314267)
出願日 平成17年10月28日(2005.10.28)
代理人
発明者 丸井 俊幸
要約 課題
低カブリで、かつ高濃度な画像特性を得ることができる有機銀塩粒子分散物、それを用いた銀塩光熱写真ドライイメージング材料、及びそれらの製造方法を提供する。

解決手段
少なくとも非感光性有機銀塩粒子、溶媒及び分散用バインダーを含む原料液を分散して得られる有機銀塩粒子分散物において、該分散用バインダーがポリビニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応により合成されるポリビニルアセタール樹脂であって、重合度が250〜1000であること、かつ該有機銀塩粒子分散物中の分散用バインダー樹脂と非感光性有機銀塩粒子の質量比が1/20以上1/5以下であることを特徴とする有機銀塩粒子分散物。
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも非感光性有機銀塩粒子、溶媒及び分散用バインダーを含む原料液を分散して得られる有機銀塩粒子分散物において、該分散用バインダーがポリビニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応により合成されるポリビニルアセタール樹脂であって、重合度が250〜1000であること、かつ該有機銀塩粒子分散物中の分散用バインダー樹脂と非感光性有機銀塩粒子の質量比が1/20以上1/5以下であることを特徴とする有機銀塩粒子分散物。
【請求項2】
前記非感光性有機銀塩粒子の平均粒径が50nm以上600nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機銀塩粒子分散物。
【請求項3】
有機銀塩粒子分散物が、前記非感光性有機銀塩粒子として、ナトリウム以外のアルカリ金属の有機酸アルカリ金属塩と水溶性銀化合物とを反応させて得られた非感光性有機酸銀塩粒子を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機銀塩粒子分散物。
【請求項4】
少なくとも非感光性有機銀塩粒子、溶媒及び分散用バインダーを含む原料液を分散して得られる有機銀塩粒子分散物の製造方法において、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機銀塩粒子分散物を製造することを特徴とする有機銀塩粒子分散物の製造方法。
【請求項5】
非感光性有機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオン還元剤、及びバインダーを含有する感光性層を有する銀塩光熱写真ドライイメージング材料において、該感光性層が請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機銀塩粒子分散物を含有することを特徴とする銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機銀塩粒子分散物に含有される分散用バインダー樹脂の質量が、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に含有される全バインダーの質量に対して1/15以上1/6以下であることを特徴とする請求項5に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【請求項7】
非感光性有機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオン還元剤、及びバインダーを含有する感光性層を有する銀塩光熱写真ドライイメージング材料の製造方法において、請求項5または6に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料を製造することを特徴とする製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
有機銀塩粒子分散物、銀塩光熱写真ドライイメージング材料、及びそれらの製造方法
に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージング(画像形成)材料は、センシトメトリー特性、画質特性、取り扱いの簡便性等の性能はもちろんのこと、近年、安全性、環境保全等を全て満足させることが要望されている。特に、現像処理廃液の海洋投棄が全面的に禁止されたことから、医療や印刷製版の分野でもウェット処理からドライ処理へのニーズの高まりが顕著となってきた。
【0003】
一方、医療分野では、近年の医療情報のデジタル化により、医療診断用画像はMRI(magnetic resonance imaging)、CT(computed tomography)、CR(computed radiography)等の手法が主流となり、画像出力には各種方式の医療画像用ドライイメージャシステムが使用されてきている。また、印刷製版の分野でも、同様なデジタル化とドライ化が進展している。
【0004】
上記のような社会・市場動向に伴い、レーザ・イメージャーやレーザ・イメージセッターのような効率的な露光が可能で、かつ高解像度で鮮明な画像を形成することができる光熱写真ドライイメージング材料の重要性が増し、当該材料の一層の改良技術が必要とされてきている。なお、銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、米国特許第3,152,904号、米国特許第3,457,075号明細書等により既に古くから知られていた。
【0005】
銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、通常、支持体上に光センサー/メモリーとしての感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオンソース(供給源)としての有機銀塩、銀イオンの還元剤、及びそれらを層中に保持するバインダーを含有する構成となっている。この様な構成による当該イメージング材料においては、光に感光したハロゲン化銀粒子上に形成される潜像が、熱現像過程において、触媒作用を示すことにより物理現像核になり、有機銀塩から供給された銀イオンが、還元剤と反応し、現像が進行することで、黒色の銀画像が形成される。外部から試薬や水等の供給無しに現像が進行すること、また、定着を行わないことが特徴である。従って、より簡便で環境を損なわないシステムをユーザーに提供することができる。
【0006】
しかしながら、所謂コンベンショナルハロゲン化銀感光材料のように、定着処理を行わないことから、感光材料中にハロゲン化銀粒子、及び有機銀が、熱現像前後を問わず、存在し、保存中にカブリが発生しやすい、画像が劣化しやすいという大きな問題を有している。通常、カブリ防止のため、カブリ抑制剤等が使用されているが、根本的な改良手段の一つとして、より銀量を減らした設計の感光材料が望まれている。しかし、銀量を減らすことで、感度の低下、更に最高濃度が大きく低下するというジレンマがある。
【0007】
一方、上記の銀塩光熱写真ドライイメージング材料や熱現像材料における必須な構成要素として有機銀塩粒子がある。有機銀塩粒子は有機溶剤に難溶であり、上記ドライイメージング材料等において使用する場合には、造膜性を有する分散用バインダー中に有機銀塩粒子を分散してから、その分散液を塗膜とすることが必要である。造膜性バインダーとしては、具体的にはポリビニルアセタール樹脂が最適のものとして一般に使用されている。
【0008】
しかしながら、一般のポリビニルアセタール樹脂には種々の組成のものがあり、しかも製法上、微量の不純物を含んでいるため、これら不純物の影響により、塗工した後の画像特性に、カブリ、色調不良、フィルムの生保存性不良等を生じたりする場合があった。
【0009】
上記問題点を解決するために、カブリ防止剤、色調剤などの写真画像特性を改良する素材を添加することが公知であるが、特許文献1、特許文献2には、感光材料中のバインダーの組成、特性などからも改良ができることが開示されている。
【0010】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の方法を用いた場合、画像特性は改良されるものの、分散された有機銀塩粒子の粒径分布が広がるとともに、ハロゲン化銀の凝集が顕著となり、得られたイメージング材料の最高濃度が不足するという問題が新たに発生することが明らかとなった。
【0011】
銀塩光熱写真ドライイメージング材料は光触媒となる感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩粒子、熱により還元性を有する銀イオン還元剤が塗膜中にバランスの良く配置されていることが理想であり、より優れた画像特性を得るためには、より優れた有機銀塩粒子分散物およびその製造方法が必要である。
【0012】
また、一方、有機銀塩粒子の調製方法に着目した改良技術も提案されているが、それらの効果はあるものの、不十分である(例えば、特許文献3、4参照。)。
【特許文献1】特開2000−235243号公報
【特許文献2】特開2002−355543号公報
【特許文献3】特開平5−53239号公報
【特許文献4】特開平8−234358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明は、上記の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、低カブリで、かつ高濃度な画像特性を得ることができる有機銀塩粒子分散物、それを用いた銀塩光熱写真ドライイメージング材料、及びそれらの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
【0015】
1.少なくとも非感光性有機銀塩粒子、溶媒及び分散用バインダーを含む原料液を分散して得られる有機銀塩粒子分散物において、該分散用バインダーがポリビニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応により合成されるポリビニルアセタール樹脂であって、重合度が250〜1000であること、かつ該有機銀塩粒子分散物中の分散用バインダー樹脂と非感光性有機銀塩粒子の質量比が1/20以上1/5以下であることを特徴とする有機銀塩粒子分散物。
【0016】
2.前記非感光性有機銀塩粒子の平均粒径が50nm以上600nm以下であることを特徴とする前記1に記載の有機銀塩粒子分散物。
【0017】
3.有機銀塩粒子分散物が、前記非感光性有機銀塩粒子として、ナトリウム以外のアルカリ金属の有機酸アルカリ金属塩と水溶性銀化合物とを反応させて得られた非感光性有機酸銀塩粒子を含有することを特徴とする前記1又は2に記載の有機銀塩粒子分散物。
【0018】
4.少なくとも非感光性有機銀塩粒子、溶媒及び分散用バインダーを含む原料液を分散して得られる有機銀塩粒子分散物の製造方法において、前記1〜3のいずれか1項に記載の有機銀塩粒子分散物を製造することを特徴とする有機銀塩粒子分散物の製造方法。
【0019】
5.非感光性有機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオン還元剤、及びバインダーを含有する感光性層を有する銀塩光熱写真ドライイメージング材料において、該感光性層が前記1〜3のいずれか1項に記載の有機銀塩粒子分散物を含有することを特徴とする銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0020】
6.前記1〜3のいずれか1項に記載の有機銀塩粒子分散物に含有される分散用バインダー樹脂の質量が、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に含有される全バインダーの質量に対して1/15以上1/6以下であることを特徴とする前記5に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0021】
7.非感光性有機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオン還元剤、及びバインダーを含有する感光性層を有する銀塩光熱写真ドライイメージング材料の製造方法において、前記5または6に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料を製造することを特徴とする製造方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明の上記構成により、低カブリで、かつ高濃度な画像特性を得ることができる有機銀塩粒子分散物、それを用いた銀塩光熱写真ドライイメージング材料、及びそれらの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の有機銀塩粒子分散物は、少なくとも非感光性有機銀塩粒子、溶媒及び分散用バインダーを含む原料液を分散して得られる有機銀塩粒子分散物において、該分散用バインダーがポリビニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応により合成されるポリビニルアセタール樹脂であって、重合度が250〜1000であること、かつ該有機銀塩粒子分散物中の分散用バインダー樹脂の量と非感光性有機銀塩粒子の質量比が1/20以上1/5以下であることを特徴とする。
【0024】
以下、本発明及び構成要素について説明する。
【0025】
(非感光性有機銀塩粒子)
本発明に係る非感光性有機銀塩粒子は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀粒子及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。非感光性有機銀塩粒子は還元剤により還元されうる銀イオンを供給できる任意の有機銀酸塩であってよい。
【0026】
本発明に係る非感光性有機銀塩粒子は還元可能な銀イオン供給源であり、一般に、有機酸及び複素環化合物の銀塩が使用される。これら好適な銀塩の例としては、Research Disclosure(以下、「RD」と記す。)第17029及び29963に記載されている。なお、本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、特に、有機酸の銀塩を使用することを要する。
【0027】
本発明に係る有機酸の銀塩としては、例えば、没食子酸、蓚酸、ベヘン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の銀塩、カルボキシアルキルチオ尿素銀塩、例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等の銀塩、アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀塩乃至錯体、例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)、ヒドロキシ置換酸類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸)の反応生成物の銀塩乃至錯体等が挙げられる。これらの中、本発明においては、好ましい銀塩としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀またはステアリン酸銀等の長鎖脂肪酸の銀塩である。
【0028】
本発明においては、非感光性有機銀塩粒子のうちベヘン酸銀塩が占める比率が50モル%以上95モル%以下であることが好ましく、特に53モル%以上95モル%以下であることが好ましい。50モル%未満では、経時保存中に有機銀塩粒子から銀が解離されやすくなりカブリが増加する懸念がある。一方、95モル%を越えると有機銀塩粒子の形成が遅くなり結果的にカブリが増加する懸念がある。
【0029】
本発明に係る非感光性有機銀塩粒子は、水溶性銀化合物(例えば、硝酸銀)と上記したような有機酸を反応させることにより得られるが、具体的方法としては、一般敵に、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号に記載されている様なコントロールダブルジェット法等が好ましく用いられが、本発明においては、特に、後述する静的混合装置を用い、定量同時混合法で、非感光性有機銀塩粒子を短時間に形成させることが好ましい。
【0030】
本発明においては、例えば、有機酸に、ナトリウム以外のアルカリ金属塩、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムを加えて有機酸アルカリ金属塩、例えば、ベヘン酸リチウム、ベヘン酸カリウム、ベヘン酸ルビジウム、ベヘン酸セシウム、アラキジン酸リチウム、アラキジン酸カリウム、アラキジン酸ルビジウム、アラキジン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ルビジウム、ステアリン酸セシウム等を添加混合し反応させて有機酸アルカリ金属塩を作製した後に、硝酸銀水溶液を添加混合してもよいし、コントロールダブルジェットにより、前記ナトリウム以外の有機酸アルカリ金属塩と硝酸銀水溶液等を添加して有機銀塩粒子の結晶を作製してもよい。
【0031】
本発明においては、有機酸アルカリ金属塩を形成する、上記アルカリ金属のうち、ナトリウム以外であることが好ましいが、リチウム、カリウムが好ましく、特にカリウムが好ましい。
【0032】
更に、ナトリウム以外のアルカリ金属塩を2種以上混合して、例えば、水酸化リチウムと水酸化カリウムを混合して、有機酸を中和させて有機酸アルカリ金属塩を形成することも好ましい。
【0033】
上記の金属塩から生成される有機酸アルカリ金属塩は、水中でミセル構造を形成するが、ナトリウムよりも、上記金属の原子半径が大きいアルカリ金属塩の場合は、生成されるミセル構造を大きくすることができる。ミセル半径が大きければ隣接する有機酸アルカリ金属塩の距離が大きくなり、硝酸銀を添加して生成する有機銀塩の結晶の凝集を抑え、2次粒子を小さくすることができる。
【0034】
本発明においては、上記、ナトリウム以外のアルカリ金属から成る有機酸アルカリ金属塩と硝酸銀水溶液を混合して有機酸銀塩を形成する際に、本発明に係るハロゲン化銀粒子乳剤を存在させることもできる。
【0035】
本発明においては非感光性有機銀塩粒子の結晶サイズは、平均粒径が20nm以上2μm(2000nm)以下であることが好ましい。特に、50nm以上600nm以下であることが好ましく、且つ結晶サイズの揃った単分散であることが好ましい。有機銀塩結晶の平均粒径とは、有機銀塩結晶粒子が、例えば、立方体、直方体、球状、棒状、針状、或いは平板状の粒子の場合には、有機銀塩結晶粒子の体積と同等な球を考えたときの平均直径をいう。また単分散とは、ハロゲン化銀の場合と同義であり、好ましくは単分散度が1〜30である。
【0036】
また、本発明においては、有機銀塩粒子は平板状粒子が全有機銀塩粒子の60%以上有することが好ましい。本発明において平板状粒子は平均粒径と厚さの比、所謂下記式で表されるアスペクト比(ARと略す)が3以上のものをいう。
【0037】
AR=平均粒径(μm)/厚さ(μm)
有機銀塩粒子をこれらの形状にする為には、前記有機銀結晶をバインダーや界面活性剤等をボールミル等で分散粉砕することで得られる。
【0038】
本発明においては感光材料の失透を防ぐ為には、ハロゲン化銀及び有機銀塩粒子の総量は、銀量に換算して1m2当たり0.5g以上、2.2g以下であることが好ましい。特に、本発明においては1.0g以上、1.6g以下が好ましく、少ない銀量で高い最高濃度が得られ、この範囲にすることで同時に硬調な画像が得られる。
【0039】
また、銀総量に対するハロゲン化銀の量は銀のモル比で通常20%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは0.1%〜6%の間である。
【0040】
(有機銀塩粒子の分散)
本発明に係る有機銀塩粒子は必要に応じバインダーや界面活性剤等と共に予備分散した後、メディア分散機または高圧ホモジナイザ等で分散粉砕することが好ましい。
【0041】
なお、本発明の有機銀塩粒子分散物においては、分散用バインダーとして、ポリビニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応により合成されるポリビニルアセタール樹脂であって、重合度が250〜1000である樹脂を使用することを特徴とする。
【0042】
重合度が250を下回るポリビニルアセタール樹脂は吸湿しやすく、感光材料となった際のカブリの原因となる水が分散液中に持ち込まれるため好ましくない。また重合度が1000を超えるポリビニルアセタール樹脂を用いると、分散前の原料液の粘度が高くなり過ぎて、分散不良、送液不良、混合不良が発生するため好ましくない。
【0043】
本発明の分散用バインダーに用いられるポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールと各種アルデヒドとのアセタール化反応により合成されるが、ブチルアルデヒド及び/又はアセトアルデヒドでアセタール化されたものが好ましい。特に、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化された部分の割合が、全アセタール化部分に対して60〜100%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは85%以上である。アルデヒドによりアセタール化された部分が60%より少ない場合は、得られるポリビニルアセタール樹脂が吸湿しやすく、本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料となった際のカブリの原因となる水が分散液中に持ち込まれるため好ましくない。
【0044】
ここで、アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、プロピルアルデヒドなどアセタール化できるアルデヒドであればどのようなアルデヒドを用いてもよいが、本発明の場合、ブチルアルデヒドをそれぞれ単独で用いるか、或いはブチルアルデヒドとアセトアルデヒドを併用するのが好ましい。
【0045】
本発明に係る分散用バインダーは有機銀塩粒子よりも少なくなるように有機銀塩粒子分散物に添加することが好ましく、分散時の有機銀塩粒子質量に対する分散用バインダー質量が1/20以上、1/5以下の範囲である。1/20よりも少ない量だと有機銀塩粒子を分散することが困難となり、また1/5よりも多くなると有機銀塩粒子分散物の液粘度が高くなるため送液負荷が増大するといった様々な問題が生じてくる。
【0046】
本発明に用いられる有機銀塩分散液は水分をできる限り含まないことが、銀塩光熱写真ドライイメージング材料のカブリ、経時保存性の観点から好ましき状態である。そのためには、分散液中に持ち込まれる感光性ハロゲン化銀粒子を有する有機銀塩の乾燥を十分に行い、分散用バインダーの吸湿特性を下げる必要がある。本発明においては、有機銀塩の含水率をA(%)、分散用バインダーの含水率をB(%)としたときのAとBの和が0.05以上5以下になることが好ましい。5より大きくなった場合、有機銀塩分散液に持ち込まれる水分が多くなり過ぎる。一方、0.05より小さくなった場合、銀塩光熱写真ドライイメージング材料の現像性が劣化し、最高濃度が低下するので好ましくない。
【0047】
本発明の有機銀塩分散物に含有される溶媒としては、例えば、ケトン類としてアセトン、イソフォロン、エチルアミルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。アルコール類としてメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。グリコール類としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。エーテルアルコール類としてエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。エーテル類としてエチルエーテル、ジオキサン、イソプロピルエーテル等が挙げられる。これらの溶媒は水分を含まないことが好ましい。
【0048】
エステル類として酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソプロピル等が挙げられる。炭化水素類としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。塩化物類として塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロベンゼン等が挙げられる。
【0049】
アミン類としてモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。その他として水、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、ピリジン、トルイジン、テトラヒドロフラン、酢酸等が挙げられるが、但し、これらに限定されない。また、これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、複数種組み合わせて用いてもよい。
【0050】
上記予備分散にはアンカー型、プロペラ型等の一般的撹拌機や高速回転遠心放射型撹拌機(ディゾルバ)、高速回転剪断型撹拌機(ホモミキサ)を使用することができる。
【0051】
また、上記メディア分散機としては、ボールミル、遊星ボールミル、振動ボールミル等の転動ミルや、媒体撹拌ミルであるビーズミル、アトライター、その他バスケットミル等を用いることが可能であり、高圧ホモジナイザとしては壁、プラグ等に衝突するタイプ、液を複数に分けてから高速で液同士を衝突させるタイプ、細いオリフィスを通過させるタイプ等様々なタイプを用いることができる。
【0052】
メディア分散時に使用されるセラミックスビーズに用いられるセラミックスとしては、例えば、Al23、BaTiO3、SrTiO3、MgO、ZrO、BeO、Cr23、SiO2、SiO2−Al23、Cr23−MgO、MgO−CaO、MgO−C、MgO−Al23(スピネル)、SiC、TiO2、K2O、Na2O、BaO、PbO、B23、SrTiO3(チタン酸ストロンチウム)、BeAl24、Y3Al512、ZrO2-23(立方晶ジルコニア)、3BeO-Al23-6SiO2(合成エメラルド)、C(合成ダイヤモンド)、Si2-nH2O、チッカ珪素、イットリウム安定化ジルコニア、ジルコニア強化アルミナ等が好ましい。分散時におけるビーズや分散機との摩擦による不純物生成が少ない等の理由から、イットリウム安定化ジルコニア、ジルコニア強化アルミナ(これらジルコニアを含有するセラミックスを以下においてジルコニアと略す)が特に好ましく用いられる。
【0053】
本発明に係る有機銀塩粒子を分散する際に用いられる装置類において、該有機銀塩粒子が接触する部材の材質としてジルコニア、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素等のセラミックス類またはダイヤモンドを用いることが好ましく、中でも、ジルコニアを用いることが好ましい。
【0054】
上記分散を行う際、バインダー濃度は有機銀質量の0.1〜10%添加することが好ましく、予備分散から本分散を通して液温が45℃を上回らないことが好ましい。また、本分散の好ましい運転条件としては、例えば高圧ホモジナイザを分散手段として用いる場合には、29.42MPa〜98.06MPa、運転回数は2回以上が好ましい運転条件として挙げられる。また、メディア分散機を分散手段として用いる場合には、周速が6m/秒から13m/秒が好ましい条件として挙げられる。
【0055】
また、ビーズや部材の一部にジルコニアを使用し、分散時に分散乳剤中に混入させることができる。これが写真性能上好ましく有効である。ジルコニアの破片を分散乳剤中に後添加したり、予備分散時に予め添加しておいてもよい。具体的な方法としては特に限定されないが、一例としてジルコニアビーズを充填したビーズミルにMEKを循環させれば、高濃度のジルコニア溶液を得ることができる。これを好ましい時期に好ましい濃度で添加してやればよい。
【0056】
(有機銀塩粒子の製造方法と装置)
本発明においては、銀イオン含有溶液と有機酸アルカリ金属塩溶液とを用いて有機銀塩粒子を製造する装置において、当該銀イオン含有溶液の調製タンクと当該有機酸アルカリ金属塩溶液の調製タンクから各々の溶液が定量供給装置を通して定量供給される静的混合装置を有することが好ましい。これによって、粒径分布が単分散であり、かつカブリの発生が少なく、塗布性に優れた有機銀塩粒子が製造し得る製造装置を提供できる。
【0057】
以下、本発明に係る製造方法及び装置について説明するが、以下に説明する実施の形態に限定されない。
【0058】
通常の混合釜を用いた撹拌装置の場合、発生した核が循環して戻ってくるため、核発生時間中に均一な状態で核を生成する事ができないのに対し、本発明では静的混合装置へ所望の量に添加液を制御し、且つ発生した核を直ちに排出管により排出するため、定常状態での核生成を可能にする。ここで、静的混合装置とは、複数の反応溶液を混合する際、当該複数の溶液が互いに初めて接触し混合される初期の期間において、攪拌装置により物理的攪拌を意図的にせずに、混合する装置をいう。また、静的混合装置へ添加する所望の量とは混合が乱流状態で行なわれる量である。乱流とは流体の各粒子が流れの主流以外の方向にも分速度を持ち、その大きさを絶えず変化させながら流れる乱れを言う。
【0059】
本発明に係る静的混合装置の概念図を図1に示し、図をもって説明する。
【0060】
なお、銀イオン含有溶液及び有機酸アルカリ金属塩溶液のいずれか一方を添加液1用調製タンクで調製し、他方を添加液2用調製タンクで調製する。
【0061】
図1中の各々の調製タンク11及び22にて調製された添加液1及び2をポンプ14及び16により静的混合装置17に定量供給し、有機銀粒子を生成させる。本発明では静的混合装置内の温度が35℃以上70℃以下である条件下で、銀イオン含有溶液と有機酸アルカリ金属塩溶液若しくは懸濁液を混合する。好ましくは40℃以上65℃以下であり。より好ましくは40℃以上60℃以下である。混合温度が低すぎると静的混合装置内での反応を抑制し、温度が高すぎると副反応を促進させてしまうからである。
【0062】
一方、本発明の有機銀塩粒子の生成をより安定させるため、供給する液量を流量探知機13で検知し、検知結果を添加液1用ポンプ14にフィードバックして供給流量をコントロールする。同様に供給する液量を流量検知機15で検知し、検知結果を添加液2用ポンプ16にフィードバックして供給流量をコントロールする。反応に供する2液の流量をコントロールすることにより、一定の反応場を維持して副反応を抑制することができる。流量検知手段の具体例としては、定量供給装置と静的混合器の間に設けられた流量計あるいは、圧力計、及び調製タンクに設けられた質量検知手段が挙げられる。混合後の生成した粒子を含む懸濁液は熱交換器18によって連続的に冷却し粒子成長を抑制することができる。これによりオストワルド熟成による粒子成長を抑制できる。
【0063】
本発明において、冷却に用いる熱交換器は特に限定されない。例えば、多管円筒型熱交換器、ヒートパイプ型熱交換器、二重管式熱交換器、コイル式熱交換器、カスケード式熱交換器、プレート式熱交換器、渦巻き板式熱交換器、水冷熱交換器を使用することができる。
【0064】
静的混合装置の混合後の混合排出管の内径については管の内径が1mmより小さいと、送液速度が低く、混合が十分でないとともに、生産性が低くなる。管の内径が100mmを超えると均一な混合を行うことが困難になる。
【0065】
本発明に係る製造装置は、混合排出管の軸と複数の供給管の軸とが1箇所において交差し、交差点において軸が一致するように当該混合排出管及び供給管が接続された静的混合装置を有する製造装置であることを特徴とするが、ここで、混合排出管の軸と複数の供給管の軸とが1箇所において交差し、交差点において軸が一致するとは、全ての管の軸が1箇所に集結し、1つの交差点において軸が一致するという言う望ましい態様に限られず、接続される管の内の最も太い管の内径の10%以内の軸間ずれがあるものが含まれる態様をいい、この範囲であれば、本発明の効果が得られる。
【0066】
硝酸銀溶液と有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液を混合し有機銀塩粒子の核を発生させた時点における有機銀塩粒子の銀量は、粒子の単分散性に大きな影響を与える。そのため、硝酸銀溶液と有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液を混合し有機銀塩粒子の核を発生させた時点における銀量が0.0001mol/L〜0.01mol/L以下であることが好ましく、上限は、0.008mol/L以下であることが特に好ましく、0.005mol/L以下であることが最も好ましい。
【0067】
本発明に係る有機銀塩粒子製造装置において、硝酸銀溶液と有機酸アルカリ金属塩を混合し有機銀塩粒子の核を発生させる場合に用いるポンプは、脈動流がないことが重要である。ポンプの脈動が大きい場合、硝酸銀溶液と有機酸アルカリ金属塩の両液が混合する部分の過飽和度は周期的に大きく変動し、それにより発生した核は不均一なものとなってしまう。これは、製造される粒子の単分散性を著しく損なうものとなる。このため、使用するポンプの脈動流が平均流量の±2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることが更に好ましく、0.5%であることが特に好ましい。
【0068】
本発明に係る有機銀塩粒子製造装置においては、流量を1秒単位で測定し、その相加平均を平均流量とし、その瞬間的な流量の変動値=(最大値−最小値)/平均流量が4%を超えないことが好ましい。
【0069】
本発明に係る製造装置において、反応装置内の混合は特に制限はないが、逆流を防いだり、より均一に混合させる意味では、実質的に乱流であることが好ましい。乱流は、レイノルズ数(Re)の範囲により定義される。ここに、レイノルズ数とは、流体と接する流れの中にある物体の代表的長さをD、速度をU、密度をρ、粘性率をηとすると、Re=DUρ/ηによって定義される無次元数である。
【0070】
一般に、Re<2100の時を層流、2300<Re<3000を遷移域、Re>3000の時を乱流という。本発明において、実質的に乱流とは、Re>3000をさし、好ましくはRe>5000、より好ましくはRe>10000である。
【0071】
特に、前記混合排出管内でのレイノルズ数が、上記のように、3,000以上であることが、有機銀塩粒子の粒径の単分散性、カブリ等の観点から好ましい。
【0072】
なお、前記混合排出管から排出された混合液の25℃における銀イオン指数(pAg)が3.5以上5.0以下であることが、カブリの発生低減の観点から好ましい。ここで、銀イオン指数とは、pAg=−log〔Ag+〕で定義される量である。ここで、〔Ag+〕は、特定温度での、溶液中の銀イオン濃度(mol・dm-3)を表す。
【0073】
本発明に係る有機銀塩粒子製造装置を用いて、有機銀塩粒子の球相当平均直径が0.1μm〜0.6μmである有機銀塩粒子を当該球相当平均直径の変動係数が25%以下で製造することができ、かつ、本発明に係る有機銀塩粒子を銀塩光熱写真ドライイメージング材料に用いたときにカブリの発生を低減することができる。
【0074】
(感光性ハロゲン化銀粒子)
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子(単に、「ハロゲン化銀粒子」又は「ハロゲン化銀」ともいう。)とは、ハロゲン化銀結晶の固有の性質として本来的に光吸収することができ、又は人為的に物理化学的な方法により可視光ないし赤外光を吸収することができ、かつ紫外光領域から赤外光領域の光波長範囲内のいずれかの領域の光を吸収したときに、ハロゲン化銀結晶内又は結晶表面において、物理化学的変化が起こり得るように処理製造されたハロゲン化銀結晶粒子をいう。
【0075】
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子としては、従来、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に関する多くの特許公報等に開示されているハロゲン化銀粒子を使用することができる。好ましく使用することができるハロゲン化銀粒子の具体例としては、例えば、特開2003−270755号公報に記載されている製造方法、ハロゲン組成等の化学的性状、形状等の物理的性状等に準拠して製造したハロゲン化銀粒子である。
【0076】
ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ化銀のいずれであってもよいが、臭化銀、ヨウ臭化銀又はヨウ化銀であることが特に好ましい。
【0077】
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、画像形成後の白濁を防止するため、及び良好な画質を得るためにハロゲン化銀粒子の粒径を適度に小さくする方が好ましく、平均粒径が0.01μm未満の粒子を計測対象外としたときの値として、0.030μm以上、0.055μm以下であることが好ましい。
【0078】
なお、感光性ハロゲン化銀粒子の総量に対し、粒径が0.01μm以上、0.05μm以下の感光性ハロゲン化銀粒子の占める比率が、銀量換算で50質量%以上であることが好ましい。
【0079】
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、14面体粒子、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、これらの中、特に、立方体、八面体、14面体、平板状ハロゲン化銀粒子が好ましい。
【0080】
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子は、銀イオン供給源として機能し得る脂肪族カルボン酸銀塩1モルに対し0.001〜0.7モル、好ましくは0.03〜0.5モルで使用するのが好ましい。
【0081】
〔熱変換内部潜像型ハロゲン化銀粒子〕
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子は、特開2003−270755号明細書、特願2003−337269号明細書に開示されている熱変換内部潜像型(熱現像後内部潜像型)ハロゲン化銀粒子、すなわち、熱現像によって表面潜像型から内部潜像型に変換することにより表面感度が低下するハロゲン化銀粒子であることが好ましい。換言すると、熱現像前の露光では、現像反応(銀イオン還元剤による銀イオンの還元反応)の触媒として機能し得る潜像を該ハロゲン化銀粒子の表面に形成し、熱現像過程経過後の露光では該ハロゲン化銀粒子の表面より内部に多くの潜像を形成するようになるため、表面における潜像形成が抑制されるハロゲン化銀粒子であることことが、感度及び画像保存性上、好ましい。
【0082】
本発明に係る熱変換内部潜像型ハロゲン化銀粒子は、通常の表面潜像型ハロゲン化銀粒子と同様に、銀イオン供給源として機能し得る脂肪族カルボン酸銀塩1モルに対し0.001〜0.7モル、好ましくは0.03〜0.5モルで使用するのが好ましい。
【0083】
〔ハロゲン化銀粒子分散技術〕
本発明の銀塩光熱写真イメージング材料の製造過程においては、写真性能、色調を改良するという観点から、ハロゲン化銀粒子の凝集を防止し、比較的に均一にハロゲン化銀粒子を分散させ、最終的に現像銀を所望の形状に制御できるようにすることが好ましい。
【0084】
上記の凝集防止、均一分散等のため、本発明において用いられるゼラチンは、使用条件等に応じて、ゼラチンが有するアミノ基やカルボキシル基などの親水性基を化学修飾しゼラチンの特性を改変させたものが好ましい。
【0085】
例えば、ゼラチン分子内のアミノ基の疎水化修飾としては、フェニルカルバモイル化、フタル化、コハク化、アセチル化、ベンゾイル化、ニトロフェニル化などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。またこれらの置換率は95%以上が好ましく、更に好ましくは99%以上である。またカルボキシル基の疎水化修飾を組み合わせてもよく、メチルエステル化やアミド化などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。カルボキシル基の置換率は50〜90%が好ましく、更に好ましくは70〜90%である。ここで、上記の疎水化修飾の疎水基とは、ゼラチンのアミノ基及び/またはカルボキシル基を置換することによって、疎水性が増す基のことをいう。
【0086】
また、本発明に係るハロゲン化銀粒子乳剤は、ゼラチンの代わりに又はゼラチンとの併用において下記のような水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーを使用して、調製することも、目的によって好ましい。例えば、ハロゲン化銀粒子乳剤を有機溶媒系に均一に分散させて塗布するような場合に、特に好ましい。
【0087】
なお、上記有機溶媒としては、アルコール系、エステル系、ケトン系の化合物が挙げられる。特に、ケトン系有機溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が好ましい。
【0088】
前記水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーとしては、天然ポリマー、合成ポリマー及びコポリマーのいずれであっても良い。例えば、ゼラチン類、ゴム類等を改質して本発明の範疇に属するよう改質したものを用いることもできる。又は、以下の分類に属するポリマーを、凝集防止、均一分散等の目的に適する官能基を導入して用いることが可能である。
【0089】
例えば、本発明に係る上記ポリマーとしては、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸およびアクリル酸エステル)類、ポリ(メチルメタクリル酸およびメタクリル酸エステル)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類等が挙げられる。
【0090】
これらのポリマーは数種類がコポリマーとなっていても良いが、特にアクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル類のモノマーを共重合したポリマーが好ましい。
【0091】
本発明に係る当該ポリマーは、同一の状態で水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーでもよいが、pHの制御や温度の制御で水や有機溶媒に溶解させたり、不溶化したりできるものも含まれる。
【0092】
例えば、カルボキシル基のような酸性基を有するポリマーは、種類によっては解離状態では親水性となるが、pHを下げ非解離状態にすると親油性となり溶剤に可溶にできる。逆にアミノ基を有するポリマーはpHを上げると親油性となり、pHを下げるとイオン化し水溶性が上昇する。
【0093】
ノニオン活性剤では曇点の現象が良く知られているが、温度の上昇で親油性になり有機溶媒に可溶となり、温度の低下で親水性すわなち水に溶解できるような性質を有するポリマーも当該ポリマーに含まれる。完全に溶解しなくともミセルを形成し均一に乳化できれば良い。
【0094】
本発明においては、各種のモノマーを組み合わせるため、一概にどのモノマーをどの程度用いるのが良いかは述べられないが、親水性のモノマーと疎水性のモノマーを適当な割合で組み合わせる事で所望のポリマーが得られることは容易に理解できる。
【0095】
前記水と有機溶剤の両方に溶解するポリマーとしては、前記のごときpH等の溶解時の条件の調整により、或いは未調整でもよいが、水に対して少なくとも1質量%以上(25℃)の溶解度を有し、かつ、有機溶剤としてメチルエチルケトンに5質量%以上(25℃)の溶解度を有するものが好ましい。
【0096】
本発明に係る水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーとしては、溶解性の観点から、直鎖のポリマーよりも、いわゆるブロックポリマー、グラフトポリマー、クシ型ポリマー等が適している。特にクシ型ポリマーは好ましい。なお、ポリマーの等電点は、pH6以下であることが好ましい。
【0097】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料の製造過程においては、上記のハロゲン化銀粒子の凝集防止、均一分散等の目的のために、ハロゲン化銀粒子分散液に界面活性剤、特に、非イオン性界面活性剤を含有させることも好ましい。
【0098】
非イオン性界面活性剤に関しては、一般にGriffin W.C.[J.Soc.Cosm.Chem.,1,311(1949)]によると、分子における親水性基及び親油性基の割合を反映するその「HLB」値で定義される親水性/親油性平衡が、−18〜18、好ましくは−15〜0である非イオン性親水性化合物から選択される。
【0099】
本発明に係る感光性ハロゲン化銀乳剤に用いられる非イオン性界面活性剤としては、下記の一般式(NSA1)、一般式(NSA2)で表される活性剤が好ましい。
【0100】
一般式(NSA1) HO−(EO)a−(AO)b−(EO)c−H
一般式(NSA2) HO−(AO)d−(EO)e−(AO)f−H
式中、EOはオキシエチレン基を表し、AOは炭素数3以上のオキシアルキレン基を表わし、a、b、c、d、e及びfは1以上の数を表す。
【0101】
いずれもプルロニック型非イオン性界面活性剤と呼ばれ、一般式(NSA1)または(NSA2)において、AOが表す炭素数3以上のオキシアルキレン基としては、例えば、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシ長鎖アルキレン基等が挙げられるが、オキシプロピレン基が最も好ましい。
【0102】
また、a、b及びcはそれぞれ1以上の数を表し、d、e及びfはそれぞれ1以上の数を表す。a及びcは好ましくはそれぞれ1〜200、より好ましくはそれぞれ10〜100であり、bは好ましくは1〜300、より好ましくは10〜200である。d及びfは好ましくはそれぞれ1〜100、より好ましくはそれぞれ5〜50であり、eは好ましくは1〜100、より好ましくは2〜50である。
【0103】
本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤には、ヘテロ原子を含む大環状化合物が用いられる。ヘテロ原子を含む大環状化合物は、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子の少なくとも1種を含む9員環以上の大環状化合物である。更に12〜24員環が好ましく、更に好ましいのは15〜21員環である。
【0104】
代表的な化合物としては、クラウンエーテルとして知られている化合物であるが、これらの化合物は、C.J.Pederson,Journal of American Chemical Society Vol,86(2495),7017〜7036(1967)、G.W.Gokel,S.H,Korzeniowski,”Macrocyclic polyethr synthesis”,Springer−Vergal,(1982)、小田、庄野、田伏編“クラウンエーテルの化学”化学同人(1978)、田伏編“ホスト−ゲスト”共立出版(1979)、佐々木、古賀“有機合成化学”Vol45(6),571〜582(1987)等に詳細に書かれている。
【0105】
(化学増感)
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子には、従来、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に関する多くの特許公報等に開示されている化学増感を施すことができる。例えば、特開2003−270755号公報、特開2001−249428号公報及び特開2001−249426号公報に記載されている方法等により、硫黄、セレン、テルル等のカルコゲンを放出する化合物や金イオンなどの貴金属イオンを放出する貴金属化合物の利用により、感光性ハロゲン化銀粒子又は当該粒子上の分光増感色素の光励起によって生じた電子又は正孔(ホール)を捕獲することができる化学増感中心(化学増感核)を形成付与できる。特に、カルコゲン原子を含有する有機増感剤により化学増感されているのが好ましい。
【0106】
これらカルコゲン原子を含有する有機増感剤は、ハロゲン化銀へ吸着可能な基と不安定カルコゲン原子部位を有する化合物であることが好ましい。
【0107】
これらの有機増感剤としては、特開昭60−150046号、特開平4−109240号、同11−218874号、同11−218875号、同11−218876号、同11−194447号公報等に開示されている種々の構造を有する有機増感剤を用いることができるが、それらのうち、カルコゲン原子が炭素原子又はリン原子と二重結合で結ばれている構造を有する化合物の少なくとも1種であることが好ましい。特に、複素環基を有するチオ尿素誘導体及びトリフェニルホスフィンサルファイド誘導体等が好ましい。
【0108】
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子の表面に化学増感を施した場合においては、熱現像過程経過後に該化学増感の効果が実質的に消失することが好ましい。ここで、化学増感の効果が実質的に消失するとは、前記の化学増感技術によって得た当該イメージング材料の感度が熱現像過程経過後に化学増感を施していない場合の感度の1.1倍以下に減少することを言う。なお、化学増感効果を熱現像過程において消失させるためには、熱現像時に、化学増感中心(化学増感核)を酸化反応によって破壊できる酸化剤、例えば、前記のハロゲンラジカル放出性化合物等の適当量を当該イメージング材料の乳剤層又は/及び非感光性層に含有含有させておくことが必要である。当該酸化剤の含有量については、酸化剤の酸化力、化学増感効果の減少幅等を考慮して調整することが好ましい。
【0109】
(分光増感)
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子には、分光増感色素を吸着させ分光増感を施すことが好ましい。分光増感技術については、従来、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に関する多くの特許公報等に開示されているシアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を分光増感色素として用いる技術を使用することができる。
【0110】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料において、好ましく使用することができる分光増感技術の具体例としては、例えば、特開2004−309758号公報に記載されている一般式(1)と一般式(2)で表される増感色素のうちから少なくとも1種を選び使用する分光増感技術に準拠した技術である。
【0111】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料に用いられる感光性ハロゲン化銀粒子、脂肪族カルボン酸銀塩粒子を含有する乳剤は、増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感効果を発現する物質を乳剤中に含ませ、これによりハロゲン化銀粒子が強色増感されていてもよい。
【0112】
有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物質は、RD17643(1978年12月発行)第23頁IVのJ項、あるいは特公平9−25500号、同43−4933号、特開昭59−19032号、同59−192242号、特開平5−341432号等に記載されているが、強色増感剤としては、複素芳香族メルカプト化合物が又はメルカプト誘導体化合物が好ましい。
【0113】
上記の強色増感剤の他に、特開2001−330918号明細書に開示されているヘテロ原子を有する大環状化合物も強色増感剤として使用できる。
【0114】
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子の表面には分光増感色素を吸着せしめ分光増感が施されており、かつ熱現像過程経過後に該分光増感効果が実質的に消失することが好ましい。ここで、分光増感効果が実質的に消失するとは、増感色素、強色増感剤等によって得た当該イメージング材料の感度が熱現像過程経過後に分光増感を施していない場合の感度の1.1倍以下に減少することを言う。
【0115】
なお、分光増感効果を熱現像過程において消失させるためには、熱現像時に、熱によってハロゲン化銀粒子より脱離しやすい分光増感色素を使用する又は/および分光増感色素を酸化反応によって破壊できる酸化剤、例えば、前記のハロゲンラジカル放出性化合物等の適当量を当該イメージング材料の乳剤層又は/及び非感光性層に含有含有させておくことが必要である。当該酸化剤の含有量については、酸化剤の酸化力、分光増感効果の減少幅等を考慮して調整することが好ましい。
【0116】
(銀イオン還元剤)
本発明に係る還元剤は感光性層中で、銀イオンを還元し得るものであり、現像剤ともいう。還元剤としては、下記一般式(RD)で表される化合物が挙げられる。
【0117】
本発明においては、銀イオンの還元剤として、特に、還元剤の少なくとも1種が下記一般式(RD)で表される化合物を単独又は他の異なる化学構造を有する還元剤と併せて用いることが好ましい。
【0118】
【化1】


【0119】
〔式中、X1はカルコゲン原子又はCHR1を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環基を表す。R2はアルキル基を表し、同一でも異なってもよい。R3は炭素数2〜20の置換されてもよいアルキル基を表す。R4はベンゼン環上に置換可能な基を表し、m及びnは各々0〜2の整数を表す。〕
一般式(RD)で表される化合物のうちでも特にR3の少なくとも1つの基はヒドロキシル基、または脱保護されることによりヒドロキシル基を形成しうる基を置換基として有するアルキル基を表す化合物を用いることが、高濃度で、光照射画像保存性に優れた銀塩光熱写真ドライイメージング材料を得ることができる点でより好ましい。
【0120】
2はアルキル基である。アルキル基としては置換又は無置換の炭素数1〜20のものが好ましく、具体的にはメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、t−ペンチル、t−オクチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロプロピル等の基が挙げられる。
【0121】
アルキル基の置換基は特に限定されないが、例えば、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ハロゲン原子等が挙げられる。又、(R4m及び(R4nと飽和環を形成してもよい。R2は好ましくは何れも2級又は3級のアルキル基であり、炭素数2〜20が好ましい。より好ましくは3級アルキル基であり、更に好ましくはt−ブチル、t−アミル、t−ペンチル、1−メチルシクロヘキシルであり、最も好ましくはt−ブチルである。
【0122】
3は炭素数2〜20のアルキル基を表す。R3として好ましくは、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。これらの基は更に置換基を有していてもよく、置換基としては前記R1で挙げた置換基を用いることができる。
【0123】
3は好ましくはヒドロキシル基又は脱保護されることによりヒドロキシル基を形成しうる基(以下プレカーサー基ともいう)を有する炭素数2〜20のアルキル基であるが、好ましくはヒドロキシル基又はそのプレカーサー基を有する炭素数2〜20のアルキル基である。アルキル基の炭素数は2〜10であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。脱保護されて水酸基を形成しうる基として好ましくは酸および/または熱の作用により脱保護して水酸基を形成する基が挙げられる。
【0124】
具体的には、エーテル基(メトキシ基、tert−ブトキシ基、アリルオキシ基、ベンジルオキシ基、トリフェニルメトキシ基、トリメチルシリルオキシ基等)、ヘミアセタール基(テトラヒドロピラニルオキシ基等)、エステル基(アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−ニトロベンゾイルオキシ基、ホルミルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基等)、カルボナート基(エトキシカルボニルオキシ基、フェノキシカルボニルオキシ基、tert−ブチルオキシカルボニルオキシ基等)、スルホナート基(p−トルエンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基等)、カルバモイルオキシ基(フェニルカルバモイルオキシ基等)、チオカルボニルオキシ基(ベンジルチオカルボニルオキシ基等)、硝酸エステル基、スルフェナート基(2,4−ジニトロベンゼンスルフェニルオキシ基等)が挙げられる。
【0125】
3は最も好ましくはヒドロキシル基又はそのプレカーサー基を有する炭素数2〜5の第1級アルキル基であり、例えば2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピルである。R2及びR3の最も好ましい組合せは、R2が第3級アルキル基(t−ブチル、t−アミル、1−メチルシクロヘキシル等)であり、R3がヒドロキシル基又はそのプレカーサー基を有する第1級アルキル基(2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル等)である。複数のR2、R3は同じでも異なっていてもよい。一般式(RD1a)で表される化合物の具体例としては、米国特許6800431号明細書のカラム6〜16に記載の化合物R−1〜R−12,R−15〜R−20、R−58〜R−59があげられる。
【0126】
4は水素原子又はベンゼン環上に置換可能な基を表すが、具体的には炭素数1〜25のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル等)、ハロゲン化アルキル基(トリフルオロメチル、パーフルオロオクチル等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル、シクロペンチル等)、アルキニル基(プロパルギル等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、アリール基(フェニル等)、複素環基(ピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、フリル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、セレナゾリル、スリホラニル、ピペリジニル、ピラゾリル、テトラゾリル等)、ハロゲン原子(塩素、臭素、沃素、フッ素)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ペンチルオキシ、シクロペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド等)、スルファモイル基(アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、2−ピリジルアミノスルホニル等)、ウレタン基(メチルウレイド、エチルウレイド、ペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、フェニルウレイド、2−ピリジルウレイド等)、アシル基(アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ヘキサノイル、シクロヘキサノイル、ベンゾイル、ピリジノイル等)、カルバモイル基(アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル)、アミド基(アセトアミド、プロピオンアミド、ブタンアミド、ヘキサンアミド、ベンズアミド等)、スルホニル基(メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、フェニルスルホニル、2−ピリジルスルホニル等)、アミノ基(アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、アニリノ、2−ピリジルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキザモイル基等を挙げることができる。又、これらの基は更にこれらの基で置換されてもよい。m及びnは0〜2の整数を表すが、最も好ましくはm、n共に0の場合である。
【0127】
又、R4はR2、R3と飽和環を形成してもよい。R4は好ましくは水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。複数のR4は同じでも異なっていても良い。
【0128】
以下に、一般式(RD)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0129】
【化2】


【0130】
【化3】


【0131】
これら一般式(RD)で表されるビスフェノール化合物は、従来公知の方法により容易に合成することができる。
【0132】
本発明において、併用することができる還元剤としては、例えば、米国特許3,770,448号、同3,773,512号、同3,593,863号の各明細書、RD17029号及び29963号、特開平11−119372号、特開2002−62616号の各公報等に記載されている還元剤が挙げられる。
【0133】
前記一般式(RD)で表される化合物を初めとする還元剤の使用量は、好ましくは銀1モル当たり1×10-2〜10モル、特に好ましくは1×10-2〜1.5モルである。
【0134】
(画像の色調)
次に、銀塩光熱写真ドライイメージング材料を熱現像処理して得られる画像の色調について述べる。
【0135】
従来のレントゲン写真フィルムのような医療診断用の出力画像の色調に関しては、冷調の画像調子の方が、判読者にとってより的確な診断観察結果が得易いと言われている。ここで冷調な画像調子とは、純黒調もしくは黒画像が青味を帯びた青黒調であることを言う。一方、温調な画像調子とは、黒画像が褐色味を帯びた温黒調であると言われているが、より厳密な定量的な議論ができるように、以下、国際照明委員会(CIE)の推奨する表現法に基づき説明する。
【0136】
色調に関しての用語「より冷調」及び「より温調」は、最低濃度Dmin及び光学濃度D=1.0における色相角habにより表現できる。即ち、色相角habは、国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨した知覚的にほぼ均等な歩度を持つ色空間であるL***色空間の色座標a*、b*を用いて次の式によって求める。
【0137】
hab=tan-1(b*/a*
上記色相角に基づく表現法により検討した結果、本発明の光熱写真ドライイメージング材料の現像後の色調は、色相角habの範囲が180度<hab<270度であることが好ましく、更に好ましくは200度<hab<270度、最も好ましくは220度<hab<260度であることが判った。このことは、特開2002−6463号公報に開示されている。
【0138】
尚、従来、光学濃度1.0付近でのCIE 1976(L***)色空間又は(L***)色空間におけるu*、v*又はa*、b*を特定の数値に調整することにより、見た目の色調が好ましい診断画像が得られることが知られており、例えば、特開2000−29164号公報に記載されている。
【0139】
しかしながら、特開2004−94240号公報に開示されているように、本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料については、CIE 1976(L***)色空間又は(L***)色空間において横軸をu*又はa*、縦軸をv*又はb*としたグラフ上に、様々な写真濃度でのu*、v*又はa*、b*をプロットし、線形回帰直線を作成した際に、その線形回帰直線を特定の範囲に調整することにより、従来の湿式の銀塩感光材料同等以上の診断性を持たせることができることが見い出されている。以下に好ましい特定条件範囲について述べる。
【0140】
(1)銀塩光熱写真ドライイメージング材料を熱現像処理後に得られた銀画像の光学濃度0.5、1.0、1.5及び最低光学濃度の各濃度を測定し、CIE 1976(L***)色空間の横軸をu*、縦軸をv*とする2次元座標に、上記各光学濃度でのu*、v*を配置し作成した線形回帰直線の決定係数(重決定)R2が0.998〜1.000であることが好ましい。更に、当該線形回帰直線の縦軸との交点のv*値が−5〜5であること、且つ傾き(v*/u*)が0.7〜2.5であることが好ましい。
【0141】
(2)又、当該光熱写真ドライイメージング材料の光学濃度0.5、1.0、1.5及び最低光学濃度の各濃度を測定し、CIE 1976(L***)色空間の横軸をa*、縦軸をb*とする2次元座標に、上記各光学濃度でのa*、b*を配置し作成した線形回帰直線の決定係数(重決定)R2が0.998〜1.000であることが好ましい。更に、当該線形回帰直線の縦軸との交点のb*値が−5〜5であること、且つ傾き(b*/a*)が0.7〜2.5であることが好ましい。
【0142】
次に、上述の線形回帰直線の作成法、則ちCIE1976色空間におけるu*、v*及びa*、b*の測定法の一例を説明する。
【0143】
熱現像装置を用いて未露光部、及び光学濃度0.5、1.0、1.5を含む4段のウエッジ試料を作製する。このようにして作製した、それぞれのウエッジ濃度部を分光色彩計(ミノルタ社製:CM−3600d等)で測定し、u*、v*又はa*、b*を算出する。その際の測定条件は光源としてF7光源、視野角を10度として透過測定モードで測定を行う。横軸をu*又はa*、縦軸をv*又はb*としたグラフ上に測定したu*、v*又はa*、b*をプロットし線形回帰直線を求め、決定係数(重決定)R2、切片及び傾きを求める。
【0144】
次に、上記のような特徴を持つ線形回帰直線を得るための具体的な方法について説明する。
【0145】
本発明においては、還元剤(現像剤)、ハロゲン化銀粒子、脂肪族カルボン酸銀及び下記の調色剤等の現像反応過程において、直接的及び間接的に関与する化合物等の添加量の調整により、現像銀形状を最適化して好ましい色調にすることができる。例えば、現像銀形状をデンドライト状にすると青味を帯びる方向になり、フィラメント状にすると黄色味を帯びる方向になる。即ち、このような現像銀形状の性向を考慮して調整できる。
【0146】
従来、調色剤としてはフタラジノン又はフタラジンとフタル酸類、フタル酸無水物類が一般的に使用されている。好適な調色剤の例は、RD17029号、米国特許第4,123,282号、同3,994,732号、同3,846,136号、同4,021,249号の各明細書等に開示されている。
【0147】
このような調色剤の他に、特開平11−288057号公報、欧州特許第1,134,611A2号明細書等に開示されているカプラー及び、以下で詳述するロイコ染料を使用して色調を調整することもできる。特に、色調の微調整のためにカプラーまたはロイコ染料を用いることが好ましい。
【0148】
(ロイコ染料)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、上記のように、ロイコ染料を使用して色調を調整することもできる。ロイコ染料として好ましくは、約80〜200℃の温度で約0.5〜30秒間加熱した時に、酸化されて着色形態になる何れの無色又は僅かに着色した化合物でよく、上記の還元剤の酸化体等により酸化して色素を形成する何れのロイコ染料を用いることもできる。pH感受性を有し、且つ着色状態に酸化できる化合物は有用である。
【0149】
本発明において使用するのに適した代表的なロイコ染料は特に限定されないが、例えば、ビフェノールロイコ染料、フェノールロイコ染料、インドアニリンロイコ染料、アクリル化アジンロイコ染料、フェノキサジンロイコ染料、フェノジアジンロイコ染料及びフェノチアジンロイコ染料等が挙げられる。又、有用なものは、米国特許第3,445,234号、同3,846,136号、同3,994,732号、同4,021,249号、同4,021,250号、同4,022,617号、同4,123,282号、同4,368,247号、同4,461,681号の各明細書、及び特開昭50−36110号、同59−206831号、特開平5−204087号、同11−231460号、特開2002−169249号、同2002−236334号の各公報等に開示されているロイコ染料である。
【0150】
所定の色調に調整するために、種々の色のロイコ染料を単独使用又は複数の種類の併用をすることが好ましい。さらに迅速処理のために高活性な還元剤を使用することに伴ってその使用量や使用比率によって色調(特に黄色味)が変化したり、微粒子のハロゲン化銀粒子を用いたりして、現像銀の粒径が小さくなることにより、特に濃度が2.0以上の高濃度部で画像が過度に赤みをおびることを防止するために、黄色及びシアン色に発色するロイコ染料を併用してその使用量を調整するのが好ましい。
【0151】
発色濃度は現像銀自身による色調との関係で適切に調整することが好ましい。本発明では、0.01〜0.05の反射光学濃度又は0.005〜0.50の透過光学濃度を有するように発色させ上記の好ましい色調範囲の画像になるように色調を調整することが好ましい。本発明ではロイコ染料により形成される色素像の極大吸収波長における最高濃度の総和を0.01以上0.50以下とするのが好ましく、より好ましくは0.02以上0.30以下、特に好ましくは0.03以上0.10以下を有するように発色させることが好ましい。
【0152】
(黄色発色性ロイコ染料)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、上記のように、ロイコ染料を使用して色調を調整することが好ましい。本発明において、特に黄色発色性ロイコ染料として好ましく用いられるのは、酸化されることにより360〜450nmの吸光度が増加する色像形成剤である。これらの色像形成剤としては、下記一般式(YA)で表される色像形成剤であることが特に好ましい。
【0153】
【化4】


【0154】
〔式中、R11は置換又は無置換のアルキル基を表し、R12は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基又はアシルアミノ基を表すが、R11、R12は2−ヒドロキシフェニルメチル基であることはない。R13は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R14はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。〕
以下、一般式(YA)の化合物について詳細に説明する。
【0155】
一般式(YA)において、R11は置換又は無置換のアルキル基を表すが、R12が水素原子以外の置換基である場合、R11はアルキル基を表す。当該アルキル基としては炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、置換基を有してもよい。
【0156】
具体的にはメチル、エチル、ブチル、オクチル、i−プロピル、t−ブチル、t−オクチル、t−ペンチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロヘキシル等が好ましく、i−プロピルよりも立体的に大きな基(i−プロピル、i−ノニル、t−ブチル、t−アミル、t−オクチル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロヘキシル、アダマンチル等)であることが好ましく、その中でも2級又は3級のアルキル基が好ましく、3級アルキル基であるt−ブチル、t−オクチル、t−ペンチル等が特に好ましい。R11が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基等が挙げられる。
【0157】
12は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基又はアシルアミノ基を表す。R12で表されるアルキル基は炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、アシルアミノ基は炭素数1〜30のアシルアミノ基が好ましい。この内、アルキル基の説明は前記R11と同様である。
【0158】
12で表されるアシルアミノ基は、無置換でも置換基を有してもよく、具体的には、アセチルアミノ基、アルコキシアセチルアミノ基、アリールオキシアセチルアミノ基等が挙げられる。R12として好ましくは、水素原子又は無置換の炭素数1〜24のアルキル基であり、具体的にはメチル、i−プロピル、t−ブチルが挙げられる。又、R11、R12は2−ヒドロキシフェニルメチル基であることはない。
【0159】
13は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。アルキル基としては炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、アルキル基の説明は前記R11と同様である。R13として好ましくは、水素原子又は無置換の炭素数1〜24のアルキル基で、具体的にはメチル、i−プロピル、t−ブチル等が挙げられる。又、R12、R13の何れか一方は水素原子であることが好ましい。
【0160】
14はベンゼン環に置換可能な基を表し、例えば、前記一般式(RD)における置換基R4で説明したのと同様な基である。R14として好ましいのは、置換又は無置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のオキシカルボニル基であり、炭素数1〜24のアルキル基がより好ましい。アルキル基の置換基としてはアリール基、アミノ基、アルコキシ基、オキシカルボニル基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、イミド基、ウレイド基等が挙げられ、アリール基、アミノ基、オキシカルボニル基、アルコキシ基がより好ましい。これらのアルキル基の置換基は、更にこれらの置換基で置換されてもよい。
【0161】
次に、一般式(YA)で表される化合物のうちでも、特に本発明で好ましく用いられる、下記一般式(YB)で表されるビスフェノール化合物について説明する。
【0162】
【化5】


【0163】
〔式中、Zは−S−又は−C(R21)(R21′)−を表し、R21、R21′は各々、水素原子又は置換基を表す。〕
21、R21′の表す置換基としては、前記一般式(RD)のR1の説明で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。R21、R21′として好ましくは、水素原子又はアルキル基である。
【0164】
22、R23、R22′及びR23′は各々置換基を表すが、置換基としては一般式(RD)におけるR2、R3で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。
【0165】
22、R23、R22′及びR23′として、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基であるが、アルキル基が更に好ましい。アルキル基上の置換基としては、一般式(RD)における置換基の説明で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。
【0166】
22、R23、R22′及びR23′として、更に好ましくはt−ブチル、t−ペンチル、t−オクチル、1−メチル−シクロヘキシル等の3級アルキル基である。
【0167】
24及びR24′は各々、水素原子又は置換基を表すが、置換基としては、一般式(RD)におけるR4の説明で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。
【0168】
一般式(YA)及び(YB)で表される化合物としては、例えば、特開2002−169249号公報の段落「0032」〜「0038」記載の化合物(II−1)〜(II−40)、欧州特許第1,211,093号明細書の段落「0026」記載の化合物(ITS−1)〜(ITS−12)を挙げることができる。
【0169】
以下に、一般式(YA)及び(YB)で表されるビスフェノール化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0170】
【化6】


【0171】
【化7】


【0172】
一般式(YA)の化合物(ヒンダードフェノール化合物、一般式(YB)の化合物も含まれる)の添加量は、通常、銀1モル当たり0.00001〜0.01モルであり、好ましくは0.0005〜0.01モル、より好ましくは0.001〜0.008モルである。
【0173】
また、黄色発色性ロイコ染料の一般式(RD)で表される還元剤の総和に対する添加量比は、モル比で0.001〜0.2であることが好ましく、0.005〜0.1であることがより好ましい。
【0174】
(シアン発色性ロイコ染料)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、上記の黄色発色性ロイコ染料のほかに、シアン発色性ロイコ染料も使用して色調を調整することが好ましい。
【0175】
シアン発色性ロイコ染料としては、好ましくは、約80〜200℃の温度で約0.5〜30秒間加熱した時に、酸化されて着色形態になる何れの無色又は僅かに着色した化合物でよく、還元剤の酸化体等により酸化して色素を形成する何れのロイコ染料を用いることもできる。pH感受性を有し、かつ着色状態に酸化できる化合物は有用である。
【0176】
本発明において、特にシアン発色性ロイコ染料として好ましく用いられるのは、酸化されることにより600〜700nmの吸光度が増加する色像形成剤である。これらの化合物としては例えば、特開昭59−206831号(特にλmaxが600〜700nmの範囲内にある化合物)、特開平5−204087号の一般式(I)〜一般式(IV)の化合物(具体的には段落「0032」〜「0037」に記載の(1)〜(18)の化合物)及び特開平11−231460号の一般式4〜一般式7の化合物(具体的には段落「0105」に記載されるNo.1〜No.79の化合物)が挙げられる。
【0177】
本発明において好ましく用いられるシアン発色性ロイコ染料は、下記一般式(CLA)、一般式(CLB)で表される化合物である。一般式(CLB)で表される色像形成剤は発色効率が高く、少量の添加でも色調調整が可能であり、また画像保存性にも優れている点で特に好ましい。
【0178】
以下に好ましく用いられる一般式(CLA)、一般式(CLB)の化合物について詳細に説明する。
【0179】
(一般式(CLA)で表される化合物)
【0180】
【化8】


【0181】
〔式中、R31、R32は水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、−NHCO−R30基(R30はアルキル基、アリール基、複素環基を表す。)であるか、またはR31、R32は互いに連結して脂肪族炭化水素環、芳香族炭化水素環または複素環を形成する基である。
【0182】
−A3−R33部分は、水素原子を表すか、または、A3は−NHCO−基、−CONH−基もしくは−NHCONH−基を表し、R33は置換または無置換の、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。
【0183】
3は水素原子または−CONH−R35基、−CO−R35基または−CO−O−R35基(R35は置換または無置換のアルキル基、アリール基または複素環基を表す。)を表し、R34は水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルバモイル基、またはニトリル基を表す。R36は−CONH−R37基、−CO−R37基または−CO−O−R37基(R37は置換または無置換の、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)X3は、置換または無置換の、アリール基、複素環基を表す。〕
一般式(CLA)において、R31、R32で表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、臭素原子、塩素原子等が挙げられ、アルキル基としては炭素原子数が20までのアルキル基(例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ドデシル基等)が挙げられ、アルケニル基としては炭素原子数20までのアルケニル基(例えばビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル等)が挙げられ、アルコキシ基としては炭素原子数20までのアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ等)が挙げられる。また、−NHCO−R30基におけるR30で表されるアルキル基としては、炭素原子数が20までのアルキル基(例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ドデシル基等)が挙げられ、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基のような炭素原子数6〜20の基が挙げられ、複素環基としては、例えばチオフェン基、フラン基、イミダゾール基、ピラゾール基、ピロール基等が挙げられる。R33で表されるアルキル基は、好ましくは炭素原子数20までのアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ドデシル基等が挙げられ、アリール基は好ましくは炭素数6〜20のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、複素環基としては、例えばチオフェン基、フラン基、イミダゾール基、ピラゾール基、ピロール基等が挙げられる。
【0184】
3で表される−CONH−R35基、−CO−R35基または−CO−O−R35基において、R35で表されるアルキル基は、好ましくは炭素原子数20までのアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ドデシル基等が挙げられ、アリール基は、好ましくは炭素数6〜20までのアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、複素環基としては、例えばチオフェン基、フラン基、イミダゾール基、ピラゾール基、ピロール基等が挙げられる。
【0185】
34で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられ、アルキル基としては鎖状若しくは環状のアルキル基、例えば、メチル基、ブチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、アルケニル基としては炭素原子数20までのアルケニル基(例えばビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル等)が挙げられ、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、ブトキシ基、テトラデシルオキシ基等が挙げられ、カルバモイル基としては、例えば、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等が挙げられる。またニトリル基も好ましい。これらの中でも、水素原子、アルキル基がより好ましい。前記R33とR34は、互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0186】
上記の基はさらに単一の置換基または複数の置換基を有することができる。典型的な置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ドデシル基等)、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アルキルスルホンアミド基(例えば、メチルスルホンアミド基、オクチルスルホンアミド基等)、アリールスルホンアミド基(例えば、フェニルスルホンアミド基、ナフチルスルホンアミド基等)、アルキルスルファモイル基(例えば、ブチルスルファモイル基等)、アリールスルファモイル(例えば、フェニルスルファモイル基等)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基等)、アミノスルホンアミド基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、スルホキシ基、スルホ基、アリールオキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミノカルボニル基等が挙げられる。
【0187】
30またはR35は好ましくはフェニル基であり、より好ましくは、ハロゲン原子およびシアノ基を置換基として複数有するフェニル基である。
【0188】
36で表される−CONH−R37基、−CO−R37基または−CO−O−R37基において、R37で表されるアルキル基は、好ましく炭素原子数20までのアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ドデシル基等が挙げられ、アリール基は、好ましくは炭素数6〜20のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基、チエニル基等が挙げられ、複素環基としては、例えばチオフェン基、フラン基、イミダゾール基、ピラゾール基、ピロール基等が挙げられる。
【0189】
37で表される基が有することができる置換基としては一般式(CLA)のR31〜R34の説明において挙げた置換基と同様のものが使用できる。
【0190】
3で表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、チエニル基のような炭素原子数6〜20のアリール基が挙げられ、複素環基としては、例えば、チオフェン基、フラン基、イミダゾール基、ピラゾール基、ピロール基等が挙げられる。
【0191】
3で表される基が有することができる置換基としては一般式(CLA)のR31〜R34の説明において挙げた置換基と同様のものを挙げることができる。
【0192】
3で表される基としてはパラ位にアルキルアミノ基(ジエチルアミノ基等)を有するアリール基または複素環基が好ましい。
【0193】
これらの基は写真的に有用な基を含んでもよい。
【0194】
以下にシアン発色性ロイコ染料(CLA)の具体例を示すが、本発明で用いられるシアン発色性ロイコ染料はこれらに限定されるものではない。
【0195】
【化9】


【0196】
【化10】


【0197】
【化11】


【0198】
(一般式(CLB)で表される化合物)
次に、一般式(CLB−1)で表される化合物(ロイコ染料)について詳述する。
【0199】
【化12】


【0200】
一般式(CLB−I)において、R11、R12、Ra及びRbは各々、水素原子、脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基又はハロゲン原子を表す。R13は水素原子、脂肪族基、芳香族基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボキニル基、カルバモイル基、スルファモイル基又はスルホニル基を表す。X1及びX2は各々ベンゼン環上に置換可能な基を表し、m1及びm2は各々0〜5の整数を表す。X1又はX2が複数個ある場合、各X1及びX2は同じでも異なってもよい。
【0201】
11、R12、Ra及びRbで表される脂肪族基の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の炭化水素基が挙げられる。これらの炭化水素基は炭素数1〜25であることが好ましく、炭素数1〜20であることがより好ましい。炭素数1〜25のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル等、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル、シクロペンチル基等、アルケニル基としてはエテニル−2−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル等、アルキニル基としてはエチニル、1プロピニル、プロパルギル等が挙げられる。
【0202】
11、R12、Ra及びRbで表される芳香族基の具体例としては、アリール基(フェニル、ナフチル等)、複素環基(ピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、フリル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、セレナゾリル、スリホラニル、ピペリジニル、ピラゾリル、テトラゾリル等)が挙げられる。
【0203】
11、R12、Ra及びRbで表されるアルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、t−ブトキシ等が挙げられる。アリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。アシルアミノ基としては、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。スルホンアミド基の具体例としては、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、オクタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド等が挙げられる。カルバモイル基としては、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル等が挙げられる。又、R11、R12、Ra及びRbで表されるハロゲン原子としては、塩素、臭素、沃素である。
【0204】
11及びR12として好ましくは、脂肪族基、アルコキシ基、アリールオキシ基、より好ましくはアルキル基又はアルコキシ基、更に好ましくは2級又は3級アルキル基、アルコキシ基である。Ra及びRbとして好ましくは、水素原子、脂肪族基、より好ましくは水素原子である。
【0205】
13で表される脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基、アリールオキシ基の例は前記一般式(CLB−I)のR11、R12、Ra及びRbで表される脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基、アリールオキシ基の具体例としてあげた基が挙げられる。
【0206】
13で表されるアシル基の具体例としては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ヘキサノイル、シクロヘキサノイル、ベンゾイル、ピリジノイル等の各基が挙げられる。アルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等が挙げられる。アリールオキシカルボキニル基の具体例としてはフェノキシカルボニル等が挙げられる。カルバモイル基としては、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル等が挙げられる。スルファモイル基としてはメチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。スルホニル基としてはメチルスルホニル、ブチルスルホニル、オクチルスルホニル等が挙げられる。
【0207】
13として好ましくは、水素原子、アルキル基、アシル基、より好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アシル基である。
【0208】
1及びX2で表されるベンゼン環上に置換可能な基としては、具体的には炭素数1〜25のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル基、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル、シクロペンチル等)、アルキニル基(プロパルギル等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、アリール基(フェニル等)、複素環基(ピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、フリル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、セレナゾリル、スリホラニル、ピペリジニル、ピラゾリル、テトラゾリル等)、ハロゲン原子(塩素、臭素、沃素、弗素等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ヘキサンスルホンアミド、シクロヘキサンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド等)、スルファモイル基(アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、2−ピリジルアミノスルホニル等)、ウレタン基(メチルウレイド、エチルウレイド、ペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、フェニルウレイド、2−ピリジルウレイド等)、アシル基(アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ヘキサノイル、シクロヘキサノイル、ベンゾイル、ピリジノイル等)、カルバモイル基(アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル等)、アミド基(アセトアミド、プロピオンアミド、ブタンアミド、ヘキサンアミド、ベンズアミド等)、スルホニル基(メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、フェニルスルホニル、2−ピリジルスルホニル等)、スルホンアミド基(メチルスルホンアミド、オクチルスルホンアミド、フェニルスルホンアミド、ナフチルスルホンアミド等)、アミノ基(アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、アニリノ、2−ピリジルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキザモイル基等を挙げることができる。又、これらの基は、更にこれらの基で置換されてもよい。
【0209】
1及びX2として好ましくは、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルバモイル基、アミド基、スルホンアミド基、アミノ基であり、更に好ましくはアルコキシ基、アミノ基である。m1及びm2は各々0〜4の整数を表すが、共に好ましくは1〜3、更に好ましくは1である。
【0210】
一般式(CLB−I)で表される化合物のうち、本発明では下記の一般式(CLB−II)の化合物が好ましく用いられる。
【0211】
【化13】


【0212】
〔式中、X3及びX4は各々、脂肪族基、芳香族基、アミノ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表す。R11、R12及びR13は、それぞれ一般式(CLB−I)におけるR11、R12及びR13と同義である。〕
3及びX4で表される脂肪族基、芳香族基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基の例は、前記一般式(CLB−I)のX1及びX2で表される脂肪族基、芳香族基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基の具体例と同じ基が挙げられる。X3及びX4として好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基であり、更に好ましくはアルコキシ基、アミノ基である。
【0213】
一般式(CLB−I)で表される化合物のうち、本発明では下記の一般式(CLB−III)の化合物が特に好ましく用いられる。
【0214】
【化14】


【0215】
〔式中、R14、R15、R16及びR17は各々、水素原子又はアルキル基を表す。R11、R12及びR13は、それぞれ一般式(CLB−I)におけるR11、R12及びR13と同義である。〕
14、R15、R16及びR17で表されるアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。これらの基は任意の位置に置換基を有していてもよく、該置換基の例としては前記一般式(RD)におけるR4で表される置換基の例として挙げた基が挙げられる。R14、R15、R16及びR17として好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、より好ましくはメチル、エチルである。
【0216】
これら一般式(CLB−I)〜(CLB−III)で表される化合物は、従来公知の方法、例えば特公平7−45477号公報に記載の方法等で容易に合成することができる。以下に、一般式(CLB−I)〜(CLB−III)で表されるロイコ染料の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0217】
【化15】


【0218】
【化16】


【0219】
【化17】


【0220】
【化18】


【0221】
【化19】


【0222】
シアン発色性ロイコ染料の添加量は、通常0.00001〜0.05モル/Ag1モルであり、好ましくは0.0005〜0.02モル/Ag1モル、より好ましくは0.001〜0.01モル/Ag1モルである。シアン発色性ロイコ染料の一般式(RD)で表される還元剤の総和に対する添加量比は、モル比で0.001〜0.2であることが好ましく、0.005〜0.1であることがより好ましい。
【0223】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、シアンロイコ染料により形成される色素像の極大吸収波長における最高濃度の総和を0.01以上0.50以下とするのが好ましく、より好ましくは0.02以上0.30以下、特に好ましくは0.03以上0.10以下を有するように発色させることが好ましい。
【0224】
本発明においては、上記のシアン発色性ロイコ染料に加えてマゼンタ発色性ロイコ染料または黄色発色性ロイコ染料を併用することでさらに微妙な色調の調整を可能とすることができる。
【0225】
一般式(YA)および(YB)で表される化合物及びシアン発色性ロイコ染料の添加方法としては、一般式(RD)で表される還元剤の添加方法と同様な方法で添加することができ、溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態等、任意の方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてよい。
【0226】
一般式(RD)、一般式(YA)、(YB)の化合物及びシアン発色性ロイコ染料は、有機銀塩粒子を含有する感光性層(画像形成層)に含有させることが好ましいが、一方を感光性層に、他方を該感光性層に隣接する非感光性層に含有させてもよく、両者を非感光性層に含有させてもよい。又、感光性層が複数層で構成されている場合には、それぞれ別層に含有させてもよい。
【0227】
(バインダーと架橋剤)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、前記有機銀塩粒子分散物の調製のために使用する分散用バインダー以外に、本発明に係る感光性層及び非感光性層に種々の目的でバインダーを含有させることができる。
【0228】
本発明に係る銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、本発明によって得られた有機銀塩粒子分散物に後述する還元剤等の添加剤を添加し、これらの素材を塗膜中に保持するための造膜性のバインダー(以下、分散用バインダーと区別するために塗布用バインダーと記載する。)を用いて支持体に塗布することで得られる。この様な塗布用バインダーは、分散用バインダーと合わせて塗膜中で結合材(結着材ともいわれる。)として機能するのに効果的な範囲で用いられる。
【0229】
例えば、感光性層(画像形成層)において、少なくとも有機銀塩粒子を保持する場合の指標としては、全バインダーと有機銀塩粒子との割合は15:1〜1:2が好ましく、特に8:1〜1:1の範囲が好ましい。即ち、感光性層の全バインダー量が1.5〜6g/m2であることが好ましい。更に好ましくは1.7〜5g/m2である。1.5g/m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0230】
さらに、塗布用バインダーは分散用バインダーよりも多くなるように有機銀塩粒子分散物に添加することが好ましい。とくに好ましい量は、銀塩光熱写真ドライイメージング材料中に含まれる全バインダーのうち、有機銀塩粒子分散時に用いた分散用バインダー量が1/15以上1/6以下の範囲である。1/15よりも少ない量だと有機銀塩粒子の分散性が劣化し、1/6よりも多くなると有機銀塩粒子分散物の塗布液中での分散性が良くなく、いずれにせよ、塗膜にした際の塗布性が劣化する。塗膜の見た目の仕上がりが十分であっても、現像銀の偏りがムラとなって画像を劣化させる。
【0231】
本発明に係る感光性層に含まれるバインダーは、有機銀塩粒子、ハロゲン化銀粒子、還元剤、その他の成分を担持しうるものであり、好適なバインダーは高分子化合物であって、透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマーや合成ポリマー、及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、次のものが挙げられる。
【0232】
ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、澱粉、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリビニルアセタール類(ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール等)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテート、セルロースエステル類、ポリアミド類などがある。バインダーは親水性でも非親水性でもよい。
【0233】
光熱写真材料の感光性層に好ましいバインダーはポリビニルアセタール類であり、特に好ましいバインダーはポリビニルブチラールである。詳しくは後述する。又、上塗り層や下塗り層、特に保護層やバックコート層等の非感光層に対しては、より軟化温度の高いポリマーであるセルロースエステル類、特にトリアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のポリマーが好ましい。尚、必要に応じて、上記のバインダーは2種以上を組み合わせて用い得る。
【0234】
上記のバインダーは、少なくとも2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
【0235】
このようなバインダーは、バインダーとして機能するのに効果的な範囲で用いられる。効果的な範囲は当業者が容易に決定し得る。例えば、感光性層において少なくとも脂肪族カルボン酸銀塩を保持する場合の指標としては、バインダーと脂肪族カルボン酸銀塩との割合は15:1〜1:2の範囲が好ましい。即ち、感光層のバインダー量が1.0〜10.0g/m2であることが好ましい。1.0g/m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0236】
感光性層のバインダーとしては100℃以上200℃以下の温度で現像処理した後のガラス転移温度(Tg)が、46〜200℃であることが好ましい。ここでガラス転移温度(Tg)とは、示差走査熱量計(DSC)、例えばEXSTAR 6000(セイコー電子社製)、DSC220C(セイコー電子工業社製)、DSC−7(パーキンエルマー社製)等を用いて、熱現像済みの感光層を単離して測定した際の吸熱ピークを指す。一般的に、高分子化合物はガラス転移温度(Tg)を有している。
【0237】
Tgはブランドラップらによる“重合体ハンドブック”III−139〜179頁(1966年,ワイリー・アンド・サン社版)に記載の方法で求めたものであり、バインダーが共重合体樹脂である場合のTgは下記の式で求められる。
【0238】
Tg(共重合体)(℃)=v1Tg1+v2Tg2+・・・+vnTgn
式中、v1、v2・・・vnは共重合体中の単量体の質量分率を表し、Tg1、Tg2・・・Tgnは、共重合体中の各単量体から得られる単一重合体のTg(℃)を表す。上式に従って計算されたTgの精度は±5℃である。
【0239】
本発明の光熱写真材料において、支持体上に脂肪族カルボン酸銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、還元剤等を含有する感光層に含有するバインダーとしては、従来公知の高分子化合物を用いることができる。
【0240】
本発明においては、少なくとも1種のバインダーのTgは、70〜250℃であることが好ましく、特に好ましくは、70〜120℃である。
【0241】
また、質量平均分子量は10,000〜1,500,000の範囲にあるものが少なくとも2種以上混和されていることが好ましく、特に10,000〜80,000のもの及び/又は300,000〜1,500,000のものが少なくとも1種であることが好ましい。
【0242】
このような素材の具体例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル等のエチレン性不飽和モノマーを構成単位として含む重合体又は共重合体よりなる化合物、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。又、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0243】
これらの樹脂については、朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。これらの高分子化合物に、特に制限はなく、誘導される重合体のガラス転移温度(Tg)が70〜250℃の範囲にあれば、単独重合体でも共重合体でもよい。
【0244】
このようなエチレン性不飽和モノマーを構成単位として含む重合体又は共重合体としては、アクリル酸アルキルエステル類、アクリル酸アリールエステル類、メタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸アリールエステル類、シアノアクリル酸アルキルエステル類、シアノアクリル酸アリールエステル類などを挙げることができ、それらのアルキル基、アリール基は置換されてもされなくてもよく、具体的にはメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ベンジル、クロロベンジル、オクチル、ステアリル、スルホプロピル、N−エチル−フェニルアミノエチル、2−(3−フェニルプロピルオキシ)エチル、ジメチルアミノフェノキシエチル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、フェニル、クレジル、ナフチル、2−ヒドロキシエチル、4−ヒドロキシブチル、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メトキシエチル、3−メトキシブチル、2−アセトキシエチル、2−アセトアセトキシエチル、2−エトキシエチル、2−i−プロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−(2−エトキシエトキシ)エチル、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、2−ジフェニルホスホリルエチル、ω−メトキシポリエチレングリコール(付加モル数n=6)、アリル、ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩などを挙げることができる。
【0245】
その他、下記のモノマー等が使用できる。ビニルエステル類:ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル等;N−置換アクリルアミド類、N−置換メタクリルアミド類及びアクリルアミド、メタクリルアミド:N−置換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、ベンジル、ヒドロキシメチル、メトキシエチル、ジメチルアミノエチル、フェニル、ジメチル、ジエチル、β−シアノエチル、N−(2−アセトアセトキシエチル)、ジアセトン等;オレフィン類:ジシクロペンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等;スチレン類:メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル等;ビニルエーテル類:メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテルなど;N−置換マレイミド類:N−置換基として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、ベンジル、ドデシル、フェニル、2−メチルフェニル、2,6−ジエチルフェニル、2−クロルフェニル等を有するもの等;その他として、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、メチレンマロンニトリル、塩化ビニリデンなどを挙げることができる。
【0246】
これらの内、特に好ましい例としては、メタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸アリールエステル類、スチレン類等が挙げられる。このような高分子化合物の中でも、アセタール基を持つ高分子化合物を用いることが好ましい。アセタール基を持つ高分子化合物では、生成する脂肪族カルボン酸との相溶性に優れるため膜の柔軟化を防ぐ効果が大きく好ましい。
【0247】
アセタール基を持つ高分子化合物としては、下記一般式〔V〕で表される化合物が、特に好ましい。
【0248】
【化20】


【0249】
式中、R51はアルキル基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を表すが好ましくはアリール基以外の基である。R52は無置換アルキル基、置換アルキル基、無置換アリール基、置換アリール基、−COR53又は−CONHR53を表す。R53はR51と同義である。a、b、cは、各繰返し単位の質量をモル(mol)%で示した値であり、aは40〜86モル%、bは0〜30モル%、cは0〜60モル%の範囲で、a+b+c=100モル%となる数を表す。
【0250】
これら置換基の詳細は、特開2003−75953の段落「0199」〜「0201」に記載される。
【0251】
本発明で用いることのできるポリウレタン樹脂としては、構造がポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示した全てのポリウレタンについて、必要に応じ、−COOM、−SO3M、−OSO3M、−P=O(OM)2、−O−P=O(OM)2(Mは水素原子又はアルカリ金属塩基を表す)、−N(R542、−N+(R543(R54は炭化水素基を表し、複数のR54は同じでも異なってもよい)、エポキシ基、−SH、−CN等から選ばれる少なくとも一つ以上の極性基を共重合又は付加反応で導入したものを用いることが好ましい。このような極性基の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。これら極性基以外に、ポリウレタン分子末端に少なくとも1個ずつ、合計2個以上のヒドロキシル基を有することが好ましい。ヒドロキシル基は硬化剤であるポリイソシアネートと架橋して3次元の網状構造を形成するので、分子中に多数含むほど好ましい。特に、ヒドロキシル基が分子末端にある方が、硬化剤との反応性が高いので好ましい。ポリウレタンは、分子末端にヒドロキシル基を3個以上有することが好ましく、4個以上有することが特に好ましい。ポリウレタンを用いる場合は、ガラス転移温度が70〜105℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.5〜100N/mm2が好ましい。
【0252】
上記一般式〔V〕で表される高分子化合物は、「酢酸ビニル樹脂」桜田一郎編(高分子化学刊行会,1962年)等に記載の一般的な合成方法で合成することができる。
【0253】
これらの高分子化合物をバインダーとして単独で用いてもよいし、2種類以上をブレンドして用いてもよい。本発明の感光性銀塩含有層(好ましくは感光層)には上記ポリマーを主バインダーとして用いる。ここで言う主バインダーとは「感光性銀塩含有層の全バインダーの50質量%以上を上記ポリマーが占めている状態」を言う。従って、全バインダーの50質量%未満の範囲で他のポリマーをブレンドして用いてもよい。これらのポリマーとしては、本発明のポリマーが可溶となる溶媒であれば、特に制限はない。より好ましくはポリ酢酸ビニル、ポリアクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
【0254】
上記バインダーに対し架橋剤を用いることにより膜付きが良くなり、現像ムラが少なくなることは知られている。
【0255】
用いられる架橋剤としては、従来ハロゲン化銀写真感光材料用として使用されている種々の架橋剤、例えば特開昭50−96216号に記載されているアルデヒド系、エポキシ系、エチレンイミン系、イソシアネート系<ビニルスルホン系、スルホン酸エステル系、アクリロイル系、カルボジイミド系、シラン化合物系架橋剤を用い得るが、本発明においては架橋剤の少なくとも1種が多官能カルボジイミド系化合物であることが好ましい。
【0256】
該カルボジイミド系架橋剤は、カルボジイミド基を少なくとも2個有している化合物及びその付加体(アダクト体)であり、より具体的には、脂肪族ジカルボジイミド類、環状基を有する脂肪族ジカルボジイミド類、ベンゼンジカルボジイミド類、ナフタレンジカルボジイミド類、ビフェニルカルボジイミド類、ジフェニルメタンジカルボジイミド類、トリフェニルメタンジカルボジイミド類、トリカルボジイミド類、テトラカルボジイミド類、及び、これらのカルボジイミド類の付加体及びこれらのカルボジイミド類と2価又は3価のポリアルコール類との付加体が挙げられる。このようなカルボジイミド類は、それぞれ対応するイソシアネート類を燐触媒、例えばホスホレン化合物の存在下で第1級アミンと反応させることによって生成することができる。
【0257】
多官能カルボジイミド化合物とは、分子構造中に2個以上のカルボジイミド基又はカルボジチオイミド基を有する化合物である。更に好ましくは、多官能芳香族カルボジイミド化合物であり、分子構造中に、カルボジイミド基と芳香族基を有する化合物である。
【0258】
一般式(CI)
1−J1−N=C=N−J2−(L)n−(J3−N=C=N−J4−R2v
多官能カルボジイミド化合物としては、2官能以上カルボジイミド基を持っているものであれば何れも好ましく用いることができるが、特に好ましくは、前記一般式(CI)の構造を持つ化合物である。
【0259】
一般式(CI)中、R1,R2で表されるアルキル基、アリール基としては、例えばアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基等であり、アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレン等の残基であり、複素環基としては、フラン、チオフェン、ジオキサン、ピリジン、ピペラジン、モルホリン等の残基であり、これらの基が連結基により結合された基であってもよい。
【0260】
1,J4で表される連結基としては、単なる結合手でも、炭素原子を含んでもよい、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、燐原子等から形成される連結基を表し、例えばO、S、NH、CO、COO、SO、SO2、NHCO、NHCONH、PO、PS等である。J2,J3で表されるアルキレン基もしくはアリーレン基としては、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン等のアルキレン基;フェニレン、トリレン、ナフタレン等のアリーレン基である。
【0261】
Lで表される(v+1)価のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル等であり、アルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブタジエン、ペンタジエン等であり、アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレン等の残基であり、複素環基としては、フラン、チオフェン、ジオキサン、ピリジン、ピペラジン、モルホリン等の残基であり、これらの基が連結基により結合された基でもよい。連結基としては、単なる結合手でも、炭素原子を含んでもよい、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、燐原子等から形成される連結基を表し、例えばO、S、NH、CO、SO、SO2、NHCO、NHCONH、PO、PS等である。vで表される1以上の整数としては、好ましくは1〜6の整数であり、更に好ましく1、2又は3である。
【0262】
一般式(CI)で表される本発明の架橋剤の具体例を以下に示す。
【0263】
【化21】


【0264】
【化22】


【0265】
【化23】


【0266】
多官能カルボジイミド架橋剤は、光熱写真材料のどの部分に加えられてもよい。例えば、支持体(特に支持体が紙の場合、そのサイズ組成中に含ませることができる)、感光層、表面保護層、中間層、アンチハレーション層、下引層等の支持体の感光層側の任意の層に添加でき、これらの層の中の1層以上に添加することができる。
【0267】
上記架橋剤の使用量は、銀1モルに対して0.001〜2モル、好ましくは0.005〜1モルの範囲である。この範囲にあれば2種以上を併用してもよい。
【0268】
架橋剤として使用できるシラン化合物例としては、特開2001−264930に記載される一般式(1)又は一般式(2)で表せる化合物が挙げられる。
【0269】
架橋剤として用いることができるエポキシ化合物としては、エポキシ基を1個以上有するものであればよく、エポキシ基の数、分子量、その他に制限はない。エポキシ基はエーテル結合やイミノ結合を介してグリシジル基として分子内に含有されることが好ましい。又、エポキシ化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の何れであってもよく、分子内に存在するエポキシ基の数は通常1〜10個程度、好ましくは2〜4個である。エポキシ化合物がポリマーである場合は、ホモポリマー、コポリマーの何れであってもよく、その数平均分子量Mnの特に好ましい範囲は2000〜20000程度である。
【0270】
エポキシ化合物としては特願2001−263350に記載の一般式〔9〕で表される化合物が好ましい。
【0271】
酸無水物は下記の構造式で示される酸無水物基を少なくとも1個有する化合物である。
【0272】
−CO−O−CO−
酸無水物はこのような酸無水基を1個以上有するものであればよく、酸無水基の数、分子量、その他に制限はないが、特開2003−75953に記載の一般式〔B〕で表される化合物が好ましい。
【0273】
(省銀化剤)
本発明に係る感光性層又は非感光性層には、省銀化剤を含有させることができる。ここでいう、省銀化剤とは、一定の銀画像濃度を得るために必要な銀量を低減化し得る化合物をいう。
【0274】
この必要な銀量を低減化する機能の作用機構は種々考えられるが、現像銀の被覆力を向上させる機能を有する化合物が好ましい。ここで、現像銀の被覆力とは、銀の単位量当たりの光学濃度をいう。この省銀化剤は感光性層又は非感光性層、更にはそのいずれにも存在せしめることができる。省銀化剤としては、ヒドラジン誘導体化合物、ビニル化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体、4級オニウム化合物及びシラン化合物が好ましい例として挙げられる。具体例としては、特開2003−270755号公報の段落「0195」〜「0235」に開示されている省銀化剤が挙げられる。
【0275】
本発明に係る省銀化剤として、特に好ましい省銀化剤は、下記一般式(SE1)および(SE2)で表される化合物である。
【0276】
一般式(SE1)
1−NHNH−Q2
式中、Q1は炭素原子部位で−NHNH−Q2と結合する芳香族基、またはヘテロ環基を表し、Q2はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、またはスルファモイル基を表す。
【0277】
【化24】


【0278】
式中、R1はアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基を表す。R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、炭酸エステル基を表す。R3、R4はそれぞれベンゼン環に置換可能な基を表す。R3とR4は互いに連結して縮合環を形成してもよい。
【0279】
一般式(SE2)においてR3とR4が互いに連結して縮合環を形成する場合、縮合環としてはナフタレン環が特に好ましい。一般式(SE2)がナフトール系の化合物であるとき、R1はカルバモイル基であることが好ましい。その中でもベンゾイル基であることが特に好ましい。R2はアルコキシ基、アリールオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
【0280】
(熱溶剤)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料には熱溶剤が含まれていることが好ましい。ここで、熱溶剤とは、熱溶剤含有銀塩光熱写真ドライイメージング材料に対して、熱溶剤を含まない銀塩光熱写真ドライイメージング材料に比べて熱現像温度を1℃以上低くすることができる素材と定義する。さらに好ましくは、2℃以上熱現像温度を低くできる素材であり、特に好ましくは3℃以上低くできる素材である。例えば、熱溶剤を含む光熱写真ドライイメージング材料Aに対して、光熱写真ドライイメージング材料Aから熱溶剤を含まない光熱写真ドライイメージング材料をBとした時に、光熱写真ドライイメージング材料Bを露光し熱現像温度120℃、熱現像時間20秒で処理して得られる濃度を、光熱写真ドライイメージング材料Aで同一露光量、熱現像時間で得るための熱現像温度が119℃以下になる場合を熱溶剤とする。
【0281】
熱溶剤は極性基を置換基として有しており、一般式(TS)で表されるのが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0282】
一般式(TS)
(Y)n
一般式(TS)において、Yはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。Zはヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基、リン酸アミド基、シアノ基、イミド、ウレイド、スルホキシド、スルホン、ホスフィン、ホスフィンオキシドまたは含窒素複素環基から選ばれる基を表す。nは1ないし3の整数を表し、Zが1価の基である場合には1、Zが2価以上の基である場合にはZの価数と同一である。nが2以上の場合、複数のYは同一であっても異なっていても良い。
【0283】
Yは更に置換基を有していても良く、置換基としてZで表される基を有していても良い。Yについてさらに詳しく説明する。一般式(TS)において、Yは直鎖、分岐または環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜40、より好ましくは1〜30、特に好ましくは1〜25であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、t−ブチル、t−オクチル、n−アミル、t−アミル、n−ドデシル、n−トリデシル、オクタデシル、イコシル、ドコシル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜40、より好ましくは2〜30、特に好ましくは2〜25であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜40、より好ましくは6〜30、特に好ましくは6〜25であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、複素環基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えば、ピリジル、ピラジル、イミダゾイル、ピロリジルなどが挙げられる。)を表す。これらの置換基はさらに他の置換基で置換されていても良い。また、これらの置換基は互いに結合して、環を形成していても良い。
【0284】
Yは更に置換基を有していても良く、置換基の例としては、特開2004−21068号公報の「0015」に記載の置換基が挙げられる。熱溶剤を使用することにより現像活性となる理由としては、熱溶剤が現像温度付近で溶融することにより現像に関与する物質と相溶し、熱溶剤を添加しないときよりも低い温度での反応を可能としているためと考えられる。熱現像は、比較的極性の高いカルボン酸や銀イオン輸送体が関与している還元反応であるため、極性基を有している熱溶剤により適度の極性を有する反応場を形成することが好ましい。
【0285】
本発明に好ましく用いられる熱溶剤の融点は50℃以上200℃以下であるが、より好ましくは60℃以上150℃以下である。特に、本発明の目的であるような、画像保存性などの外的環境に対しての安定性を重視した銀塩光熱写真ドライイメージング材料では、融点が100℃以上150℃以下の熱溶剤が好ましい。
【0286】
熱溶剤の具体例としては特開2004−21068号公報の「0017」に記載される化合物、米国公開特許US2002/0025498号公報の「0027」に記載の化合物、MF−1〜MF−3、MF6、MF−7、MF−9〜MF−12、MF−15〜MF−22をあげることができる。
【0287】
本発明において熱溶剤の添加量は0.01〜5.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.05〜2.5g/m2で、さらに好ましくは0.1〜1.5g/m2である。熱溶剤は感光性層に含有させることが好ましい。また、上記熱溶剤は単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明において熱溶剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
【0288】
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
【0289】
また、固体微粒子分散法としては、熱溶剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm〜1000ppmの範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
【0290】
(カブリ防止剤・画像安定化剤)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料のいずれかの構成層には、熱現像前の保存時におけるカブリ発生を防止するためのカブリ防止剤、及び熱現像後における画像の劣化を防止するための画像安定化剤を含有させておくことが好ましい。
【0291】
本発明に係る銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、当該イメージング材料に関する多くの特許公報等に開示されているカブリ防止及び画像安定化剤を使用することができる。
【0292】
本発明に係る還元剤として、主にビスフェノール類やスルホンアミドフェノール類のようなプロトンを持った還元剤が用いられているので、これらの水素を安定化し還元剤を不活性化し、銀イオンを還元する反応を防止防止できる化合物が含有されていることが好ましい。また、生フィルムや画像の保存時に生成する銀原子ないし金属銀銀(銀クラスター)を酸化漂白できる化合物が含有されていることが好ましい。
【0293】
これらの機能を有する化合物の具体例としては、例えば、特開2003−270755号公報の段落「0096」〜「0128」に記載されているビイミダゾリル化合物、ヨードニウム化号物及びハロゲン原子を活性種として放出できる化合、特開2003−91054号に開示されているようなハロゲンラジカル放出基を有するモノマーの繰り返し単位を少なくとも1つ有するポリマー、特開平6−208192号公報の段落「0013」に記載のビニルスルホン類及び/又はβ−ハロスルホン類、及び、特願2004−234206号に記載されている電子吸引基を有するビニル型抑制剤等の種々なカブリ防止及び画像安定化剤等が挙げられる。
【0294】
(調色剤)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、熱現像処理にて写真画像を形成するもので、必要に応じて銀の色調を調整する調色剤(トナー)を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有していることが好ましい。
【0295】
本発明に用いられる好適な調色剤の例は、RD17029号、米国特許第4,123,282号、同3,994,732号、同3,846,136号及び同4,021,249号の各明細書に開示されており、例えば、次のものがある。
【0296】
イミド類(例えば、スクシンイミド、フタルイミド、ナフタールイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミド);メルカプタン類(例えば、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);フタラジノン誘導体またはこれらの誘導体の金属塩(例えば、フタラジノン、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジンとフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸)の組合せ;フタラジンとマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸またはo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1つの化合物との組合せ等が挙げられる。特に好ましい調色剤としてはフタラジノンまたはフタラジンとフタル酸類、フタル酸無水物類の組合せである。
【0297】
(フッ素系界面活性剤)
本発明ではレーザイメージャー(熱現像処理装置)でのフィルム搬送性や環境適性(生体内への蓄積性)を改良するために下記一般式(SF)で表されるフッ素系界面活性剤が好ましく用いられる。
【0298】
一般式(SF)
(Rf−(L)n−)p−(Y)m−(A)
〔式中、Rfはフッ素原子を含有する置換基を表し、Lはフッ素原子を有しない2価の連結基を表し、Yはフッ素原子を有さない(p+q)価の連結基を表し、Aはアニオン基またはその塩を表し、n、mは各々0または1の整数を表し、pは1〜3の整数を表し、qは1〜3の整数を表す。但し、qが1の時はnとmは同時に0ではない。〕
前記一般式(SF)において、Rfはフッ素原子を含有する置換基を表すが、該フッ素原子を含有する置換基としては例えば、炭素数1〜25のフッ化アルキル基(例えば、トリフロロメチル基、トリフロロエチル基、パーフロロエチル基、パーフロロブチル基、パーフロロオクチル基、パーフロロドデシル基及びパーフロロオクタデシル基等)またはフッ化アルケニル基(例えば、パーフロロプロペニル基、パーフロロブテニル基、パーフロロノネニル基及びパーフロロドデセニル基等)等が挙げられる。Rfは炭素数2〜8であることが好ましく、より好ましくは炭素数が2〜6である。またRfはフッ素原子数2〜12であることが好ましく、より好ましくはフッ素原子数が3〜12である。
【0299】
Lはフッ素原子を有さない2価の連結基を表すが、当該フッ素原子を有さない2価の連結基としては例えば、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等)、アルキレンオキシ基(メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、ブチレンオキシ基等)、オキシアルキレン基(例えば、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシブチレン基等)、オキシアルキレンオキシ基(例えば、オキシメチレンオキシ基、オキシエチレンオキシ基、オキシエチレンオキシエチレンオキシ基等)、フェニレン基、オキシフェニレン基、フェニルオキシ基、オキシフェニルオキシ基またはこれらの基を組合せた基等が挙げられる。
【0300】
Aはアニオン基またはその塩を表すが、例えば、カルボン酸基またはその塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩)、スルホン酸基またはその塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩)、硫酸ハーフエステル基またはその塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩)、及び燐酸基またはその塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)等が挙げられる。
【0301】
Yはフッ素原子を有さない(p+q)価の連結基を表すが、例えば、フッ素原子を有さない3価または4価の連結基としては、窒素原子または炭素原子を中心にして構成される原子群が挙げられる。n1は0または1の整数を表すが、1であるのが好ましい。
【0302】
一般式(SF)で表されるフッ素系界面活性剤は、フッ素原子を導入した炭素数1〜25のアルキル化合物(例えば、トリフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、パーフロロブチル基、パーフロロオクチル基及びパーフロロオクタデシル基等を有する化合物)及びアルケニル化合物(例えば、パーフロロヘキセニル基及びパーフロロノネニル基等)と、それぞれフッ素原子を導入していない3価〜6価のアルカノール化合物、水酸基を3〜4個有する芳香族化合物またはヘテロ化合物との付加反応や縮合反応によって得られた化合物(一部Rf化されたアルカノール化合物)に、更に例えば硫酸エステル化等によりアニオン基(A)を導入することにより得ることができる。
【0303】
上記3〜6価のアルカノール化合物としては、グリセリン、ペンタエリスリトール、2−メチル−2−ヒドロキシメチル1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンテン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ブタノール)−3、脂肪族トリオール、テトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール等が挙げられる。
【0304】
また、上記水酸基を3〜4個有する芳香族化合物及びへテロ化合物としては、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン及び2,4,6−トリヒドロキシピリジン等が挙げられる。
【0305】
本発明の一般式(SF)で表されるフッ素系界面活性剤を塗布液に添加する方法としては公知の添加法に従って添加することができる。即ち、メタノールやエタノール等のアルコール類、メチルエチルケトンやアセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド等の極性溶媒等に溶解して添加することができる。また、サンドミル分散やジェットミル分散、超音波分散やホモジナイザ分散により1μm以下の微粒子にして水や有機溶媒に分散して添加することもできる。微粒子分散技術については多くの技術が開示されているが、これらに準じて分散することができる。一般式(SF)で表されるフッ素系界面活性剤は、最外層の保護層に添加することが好ましい。
【0306】
本発明の一般式(SF)で表されるフッ素系界面活性剤の添加量は1m2当たり1×10-8〜1×10-1モルが好ましく、1×10-5〜1×10-2モルが特に好ましい。前者の範囲未満では、帯電特性が得られないことがあり、前者の範囲を越えると、湿度依存性が大きく高湿下の保存性が劣化することがある。
【0307】
(表面層・表面物性調整剤等)
銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、塗布、乾燥、加工などの製造工程等における当該感光材料の巻き取り、巻き返し、搬送の際に種々の装置と当該光熱写真ドライイメージング材料との接触、または感光性層側表面とバッキング面との間におけるような当該光熱写真ドライイメージング材料どうしの接触によって好ましからざる影響を受けることが多い。例えば、当該感光材料表面の引っ掻き傷や滑り傷の発生や、現像装置等の中での当該感光材料の搬送性の劣化等である。
【0308】
したがって、本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、上記の表面の傷や搬送性劣化を防止するために、当該材料の構成層のうちのいずれかの構成層、特に、支持体上の最外層に潤滑剤、マット剤等を含有させ、当該材料の表面の物性を調整することが好ましい。
【0309】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、支持体上の最外層に平均粒径1μm〜30μmの有機固体潤滑剤粒子を含有し、この有機固体潤滑剤粒子が高分子分散剤によって分散されていることがこのましい。また、当該有機固体潤滑剤粒子の融点は、熱現像処理温度よりも高いことがより好ましく、80℃以上、より好ましくは110℃以上である。
【0310】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料において用いる有機固体潤滑剤粒子としては、表面のエネルギーを下げる化合物が好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、およびこれらの共重合体などを粉砕して形成した粒子などが挙げることができる。
【0311】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、有機固体潤滑剤粒子として、特に、下記一般式(OL1)で表される化合物であることが好ましい。
【0312】
一般式(OL1)
(R1p−X1−L−X2−(R2q
式中R1、R2は各々炭素数6〜60の置換もしくは無置換アルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基であり、p又はqが2以上である場合、複数存在するR1およびR2は互いに同一でも相違していても良い。X1、X2は各々窒素原子を含む2価の連結基を示す。Lは置換もしくは無置換のp+q価のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、またはアリール基を示す。
【0313】
本発明の感光材料においては、支持体上の少なくとも1層が前記一般式(1)で表される化合物を含有し、かつ非イオン性含フッ素界面活性剤とアニオン性含フッ素界面活性剤とを含有することが好ましい。
【0314】
本発明で用いることのできる非イオン性含フッ素界面活性剤としては、特に制限はないが、下記一般式(SA)で表される化合物が好ましい。
【0315】
一般式(SA)
Rf1−(AO)n−Rf2
式中、Rf1及びRf2はフッ素含有脂肪族基を表し、同じでも異なってもよい。AOは少なくとも一つのアルキレンオキシ基を有する基を表し、nは1〜30の整数を表す。
【0316】
(染料、顔料)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、感光性層を透過する光の量または波長分布を制御するために感光性層と同じ側または反対の側にフィルター層を形成するか、感光性層に染料又は顔料を含有させることが好ましい。
【0317】
用いられる染料としては、感光材料の感色性に応じて種々の波長領域の光を吸収する公知の化合物が使用できる。
【0318】
例えば、本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料材料を赤外光による画像記録材料とする場合には、特開2001−83655号に開示されているようなチオピリリウム核を有するスクアリリウム染料(本明細書ではチオピリリウムスクアリリウム染料と呼ぶ)及びピリリウム核を有するスクアリリウム染料(本明細書ではピリリウムスクアリリウム染料と呼ぶ)、又スクアリリウム染料に類似したチオピリリウムクロコニウム染料、又はピリリウムクロコニウム染料を使用することが好ましい。
【0319】
尚、スクアリリウム核を有する化合物とは、分子構造中に1−シクロブテン−2−ヒドロキシ−4−オンを有する化合物であり、クロコニウム核を有する化合物とは分子構造中に1−シクロペンテン−2−ヒドロキシ−4,5−ジオンを有する化合物である。ここで、ヒドロキシル基は解離していてもよい。以下本明細書ではこれらの色素を便宜的に一括してスクアリリウム染料とよぶ。尚、染料としては特開平8−201959号の化合物も好ましい。
【0320】
(支持体)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料に用いる支持体の素材としては、各種高分子材料、ガラス、ウール布、コットン布、紙、金属(アルミニウム等)等が挙げられるが、情報記録材料としての取扱い上は、可撓性のあるシート又はロールに加工できるものが好適である。従って、本発明の光熱写真ドライイメージング材料における支持体としては、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、セルローストリアセテートフィルム(TAC)又はポリカーボネート(PC)フィルム等のプラスチックフィルムが好ましく、特に2軸延伸したPETフィルムが特に好ましい。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。
【0321】
帯電性を改良するために金属酸化物及び/又は導電性ポリマー等の導電性化合物を構成層中に含ませることができる。これらは何れの層に含有させてもよいが、好ましくはバッキング層又は感光性層側の表面保護層、下引層等に含まれる。米国特許5,244,773号のカラム14〜20に記載された導電性化合物等が好ましく用いられる。中でも、本発明では、バッキング層側の表面保護層に導電性金属酸化物を含有することが好ましい。
【0322】
ここで、導電性金属酸化物とは、結晶性の金属酸化物粒子であり、酸素欠陥を含むもの及び用いられる金属酸化物に対してドナーを形成する異種原子を少量含むもの等は、一般的に言って導電性が高いので特に好ましく、特に後者はハロゲン化銀乳剤にカブリを与えないので特に好ましい。金属酸化物の例としてZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3、V25等、又はこれらの複合酸化物がよく、特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、又、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜30モル%の範囲が好ましいが、0.1〜10モル%であれば特に好ましい。更に又、微粒子分散性、透明性改良のために、微粒子作製時に珪素化合物を添加してもよい。
【0323】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料に用いられる金属酸化物微粒子は導電性を有しており、その体積抵抗率は107Ω・cm以下、特に105Ω・cm以下である。これらの酸化物については特開昭56−143431号、同56−120519号、同58−62647号等に記載されている。更に又、特公昭59−6235号に記載の如く、他の結晶性金属酸化物粒子あるいは繊維状物(酸化チタン等)に上記の金属酸化物を付着させた導電性素材を使用してもよい。
【0324】
利用できる粒子サイズは1μm以下が好ましいが、0.5μm以下であると分散後の安定性が良く使用し易い。又、光散乱性をできるだけ小さくするために、0.3μm以下の導電性粒子を利用すると、透明感光材料を形成することが可能となり大変好ましい。又、導電性金属酸化物が針状あるいは繊維状の場合は、その長さは30μm以下で直径が1μm以下が好ましく、特に好ましいのは長さが10μm以下で直径0.3μm以下であり、長さ/直径比が3以上である。尚、SnO2としては、石原産業社より市販されており、SNS10M、SN−100P、SN−100D、FSS10M等を用いることができる。
【0325】
(構成層)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、支持体上に少なくとも1層の画像形成層である感光性層を有している。支持体上に感光性層のみを形成してもよいが、感光性層の上に少なくとも1層の非感光層を形成することが好ましい。例えば、感光性層の上には保護層が、感光性層を保護する目的で設けられることが好ましく、又、支持体の反対の面には、感光材料間の、あるいは感光材料ロールにおける「くっつき」を防止するために、バックコート層が設けられる。
【0326】
これらの保護層やバックコート層に用いるバインダーとしては、感光性層よりもガラス転位点(Tg)が高く、擦傷や、変形の生じ難いポリマー、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のポリマーが、前記のバインダーの中から選ばれる。
【0327】
尚、階調調整等のために、感光性層を支持体の一方の側に2層以上又は支持体の両側に1層以上設置してもよい。
【0328】
(構成層の塗布)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、上述した各構成層の素材を溶媒に溶解または分散させた塗布液を作り、それら塗布液を複数同時に重層塗布した後、加熱処理を行って形成されることが好ましい。ここで「複数同時に重層塗布」とは、各構成層(例えば、感光性層、保護層)の塗布液を作製し、これを支持体へ塗布する際に各層個別に塗布、乾燥の繰り返しをするのではなく、同時に重層塗布を行い乾燥する工程も同時に行える状態で各構成層を形成しうることを意味する。即ち、下層中の全溶剤の残存量が70質量%以下(より好ましくは90質量%以下)となる前に、上層を設けることである。
【0329】
各構成層を複数同時に重層塗布する方法には特に制限はなく、例えば、バーコーター法、カーテンコート法、浸漬法、エアーナイフ法、ホッパー塗布法、リバースロール塗布法、グラビア塗布法、エクストリュージョン塗布法等の公知の方法を用いることができる。
【0330】
上記の各種方法のうち、より好ましくはスライド塗布法、エクストリュージョン塗布法である。これらの塗布方法は感光性層を有する側について述べたが、バック層を設ける際、下引きと共に塗布する場合についても同様である。光熱写真ドライイメージング材料における同時重層塗布方法に関しては、特開2000−15173号公報に詳細な記載がある。
【0331】
尚、本発明において、塗布銀量は銀塩光熱写真ドライイメージング材料の目的に応じた適量を選ぶことが好ましいが、医療用画像を目的とする場合には、0.3g/m2以上、1.5g/m2以下が好ましく、0.5g/m2以上、1.5g/m2以下がより好ましい。当該塗布銀量のうち、ハロゲン化銀に由来するものは全銀量に対して2〜18%を占めることが好ましい、更には5〜15%が好ましい。
【0332】
また、本発明において、0.01μm以上(球相当換算粒径)のハロゲン化銀粒子の塗布密度は1×1014個/m2以上、1×1018個/m2以下が好ましい。更には1×1015個/m2以上、1×1017個/m2以下が好ましい。
【0333】
更に、前記の非感光性長鎖脂肪族カルボン酸銀の塗布密度は、0.01μm以上(球相当換算粒径)のハロゲン化銀粒子1個当たり、1×10-17g以上、1×10-14g以下が好ましく、1×10-16g以上、1×10-15g以下がより好ましい。
【0334】
上記のような範囲内の条件において塗布した場合には、一定塗布銀量当たりの銀画像の光学的最高濃度、即ち銀被覆量(カバーリング・パワー)及び銀画像の色調等の観点から好ましい結果が得られる。
【0335】
本発明においては、銀塩光熱写真ドライイメージング材料が現像時に溶剤を5〜1,000mg/m2の範囲で含有していることが好ましい。10〜150mg/m2であるように調整することがより好ましい。それにより、高感度、低カブリ、最高濃度の高い銀塩光熱写真ドライイメージング材料となる。溶剤としては、特開2001−264930号公報の段落「0030」に記載のものが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。また、これらの溶剤は単独または数種類組合せて用いることができる。
【0336】
尚、銀塩光熱写真ドライイメージング材料中の上記溶剤の含有量は塗布工程後の乾燥工程等における温度条件等の条件変化によって調整できる。また、当該溶剤の含有量は、含有させた溶剤を検出するために適した条件下におけるガスクロマトグラフィーで測定できる。
【0337】
(包装体)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料を保存する場合は、経時での濃度変化やカブリ発生を防止するため、もしくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率及び/または水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50ml/atm・m2・day(なお、1atmは1.01325×105Paである)以下であることが好ましく、より好ましくは10ml/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1.0ml/atm・m2・day以下である。水分透過率は0.01g/m2・40℃・相対湿度90%RH・day以下(JIS Z0208カップ法による。)であることが好ましく、より好ましくは0.005g/m2・40℃・相対湿度90%RH・day以下、さらに好ましくは0.001g/m2・40℃・相対湿度90%RH・day以下である。
【0338】
銀塩光熱写真ドライイメージング材料用の包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号、特開2000−206653号、特開2000−235241号、特開2002−062625号、特開2003−015261号、特開2003−057790号、特開2003−084397号、特開2003−098648号、特開2003−098635号、特開2003−107635号、特開2003−131337号、特開2003−146330号、特開2003−226439、特開2003−228152号公報明細書に記載されている包装材料である。また包装体内の空隙率は0.01〜10%、好ましくは0.02〜5%とするのがよく、窒素封入を行って包装体内の窒素分圧を80%以上、好ましくは90%以上とするのがよい。また包装体内の相対湿度は10%以上60%以下、好ましくは40%以上、55%以下とするのが良い。
【0339】
また、断裁工程や包装工程においては、擦り傷や白ヌケ等の画像欠陥を防止するために、例えば特開2004−341145号公報に示されているようにクリーン度が米国連邦基準209dクラス10,000以下の環境下で作業を行うことが好ましい。
【0340】
(露光条件)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料の露光に用いられる露光、あるいは、本発明の画像形成方法における露光については、目的とする適切な画像を得るために適した光源、露光時間等に関し、種々の条件を採用することができる。
【0341】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、画像記録する際にレーザ光線を用いるのが好ましい。また、本発明においては、当該感光材料に付与した感色性に対し適切な光源を用いることが望ましい。例えば当該感光材料を赤外光に感じ得るものとした場合は、赤外光域ならば如何なる光源にも適用可能であるが、レーザパワーがハイパワーであることや、銀塩光熱写真ドライイメージング材料を透明にできる等の点から、赤外半導体レーザ(780nm、820nm)がより好ましく用いられる。
【0342】
また特に本発明の光熱写真ドライイメージング材料は、好ましくは光量が1mW/mm2以上の高照度の光で短時間露光されることでその特性を発揮する。ここでの照度は熱現像後の感光材料が3.0の光学濃度がでるときの照度を言う。このような高照度で露光を行うと必要な光学濃度を得るために必要な光量(=照度*露光時間)が少なくてすみ、高感度システムを設計できる。より好ましくはその光量は2mW/mm2以上50W/mm2以下であり、さらに好ましくは10mW/mm2以上50W/mm2以下である。
【0343】
上記のような光源であればどのようなものでも構わないが、レーザであることによって好ましく達成できる。本発明の感光材料にこのましく用いられるレーザとしては、ガスレーザ(Ar+、Kr+、He−Ne)、YAGレーザ、色素レーザ、半導体レーザなどが好ましい。また、半導体レーザと第2高調波発生素子などを用いることもできる。また青〜紫発光の半導体レーザ(波長350nm〜440nmにピーク強度を持つもの等)を用いることができる。青〜紫発光の高出力半導体レーザとしては日亜化学のNLHV3000E半導体レーザを挙げることができる。
【0344】
本発明において、露光はレーザ走査露光により行うことが好ましいが、その露光方法には種々の方法が採用できる。例えば、第1の好ましい方法として、感光材料の露光面と走査レーザ光の為す角が実質的に垂直になることがないレーザ走査露光機を用いる方法が挙げられる。
【0345】
ここで、「実質的に垂直になることがない」とは、レーザ光走査中に最も垂直に近い角度として好ましくは55〜88度、より好ましくは60〜86度、更に好ましくは65〜84度、最も好ましくは70〜82度であることを言う。
【0346】
レーザ光が感光材料に走査される時の、感光材料露光面でのビームスポット直径は好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。これは、スポット径が小さい方が、レーザ光入射角度の垂直からの「ずらし角度」を減らせる点で好ましい。尚、ビームスポット直径の下限は10μmである。この様なレーザ走査露光を行うことにより、干渉縞様のムラの発生等のような反射光に係る画質劣化を減じることができる。
【0347】
又、第2の方法として、露光は縦マルチである走査レーザ光を発するレーザ走査露光機を用いて行うことも好ましい。縦単一モードの走査レーザ光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。縦マルチ化するには、合波による、戻り光を利用する、高周波重畳を掛ける、等の方法がよい。尚、縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味し、通常、露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に制限はないが、通常60nm程度である。
【0348】
更に、第3の態様としては、2本以上のレーザ光を用いて、走査露光により画像を形成することも好ましい。この様な複数本のレーザ光を利用した画像記録方法としては、高解像度化、高速化の要求から1回の走査で複数ラインずつ画像を書き込むレーザプリンタやデジタル複写機の画像書込み手段で使用されている技術であり、例えば特開昭60−166916号等により知られている。これは、光源ユニットから放射されたレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、fθレンズ等を介して感光体上に結像する方法であり、これはレーザイメージャー等と原理的に同じレーザ走査光学装置である。
【0349】
レーザプリンタやデジタル複写機の画像書込み手段における感光体上へのレーザ光の結像は、1回の走査で複数ラインずつ画像を書き込むという用途から、一つのレーザ光の結像位置から1ライン分ずらして次のレーザ光が結像されている。具体的には、二つの光ビームは、互いに副走査方向に像面上で数10μmオーダーの間隔で近接しており、印字密度が400dpi(dpiとは、1インチ=2.54cm当たりのドット数を表す)で2ビームの副走査方向ピッチは63.5μm、600dpiで42.3μmである。この様な、副走査方向に解像度分ずらした方法とは異なり、本発明では同一の場所に2本以上のレーザを入射角を変え露光面に集光させ画像形成することが好ましい。この際、通常の1本のレーザ光(波長λ[nm])で書き込む場合の露光面での露光エネルギーがEであり、露光に使用するN本のレーザ光線が同一波長(波長λ[nm])、同一露光エネルギー(En)である場合に、0.9×E≦En×N≦1.1×Eの範囲にするのが好ましい。この様にすることにより、露光面ではエネルギーは確保されるが、それぞれのレーザ光線の感光性層への反射は、レーザの露光エネルギーが低いため低減され、ひいては干渉縞の発生が抑えられる。
【0350】
尚、上述では複数本のレーザ光の波長をλと同一のものを使用したが、波長の異なるものを用いてもよい。この場合には、λ[nm]に対して(λ−30)<λ1、λ2、・・・・・λn≦(λ+30)の範囲にするのが好ましい。
【0351】
尚、上述した第1、第2及び第3の態様の画像記録方法において、走査露光に用いるレーザとしては、一般によく知られている、ルビーレーザ、YAGレーザ、ガラスレーザ等の固体レーザ;He−Neレーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、CO2レーザ、COレーザ、He−Cdレーザ、N2レーザ、エキシマーレーザ等の気体レーザ;InGaPレーザ、AlGaAsレーザ、GaAsPレーザ、InGaAsレーザ、InAsPレーザ、CdSnP2レーザ、GaSbレーザ等の半導体レーザ;化学レーザ、色素レーザ等を用途に併せて適時選択して使用できるが、これらの中でも、メンテナンスや光源の大きさの問題から、波長が600〜1200nmの半導体レーザによるレーザ光を用いるのが好ましい。尚、レーザイメージャやレーザイメージセッタで使用されるレーザにおいて、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に走査される時の該材料露光面でのビームスポット径は、一般に短軸径として5〜75μm、長軸径として5〜100μmの範囲であり、レーザ光走査速度は銀塩光熱写真ドライイメージング材料固有のレーザ発振波長における感度とレーザパワーによって、光熱写真ドライイメージング材料毎に最適な値に設定することができる。
【0352】
(レーザ・イメージャー・現像条件)
本発明でいうレーザイメージャー(熱現像処理装置)は、構成としては、フィルムトレイで代表されるフィルム供給装置部、レーザ画像記録装置部、銀塩光熱写真ドライイメージング材料の全面に均一で安定した熱を供給する熱現像装置部、フィルム供給部からレーザ記録を経て、熱現像により画像形成された光熱写真ドライイメージング材料を装置外に排出するまでの搬送装置部から構成される。
【0353】
露光処理と熱現像処理の間の時間間隔は短くすることが、迅速処理のために好ましい。更に、露光処理と熱現像処理を同時に進行させることが好ましい。即ち、シート感材の一部分を露光しながら、すでに露光がなされたシートの一部分で現像が開始され、進行させるためには、露光処理を行う露光部と現像部の間の距離が0cm以上50cm以下であることが好ましく、これにより露光・現像の一連の処理時間が極めて短くなる。この距離の好ましい範囲は、3cm以上40cm以下であり、より好ましくは、5cm以上30cm以下である。
【0354】
ここで露光部とは、露光光源からの光が銀塩光熱写真ドライイメージング材料に照射される位置をいい、現像部とは、銀塩光熱写真ドライイメージング材料が熱現像を行うために初めて加熱される位置をいう。
【0355】
尚、銀塩光熱写真ドライイメージング材料の熱現像部における搬送速度は20〜200mm/秒であり、特に好ましくは30〜150mm/秒である。搬送速度をこの範囲とすることにより、熱現像時の濃度むらを改良でき、また処理時間が短縮できるため、緊急時の診断にも対応できて好ましい。
【0356】
銀塩光熱写真ドライイメージング材料の現像条件は、使用する機器、装置、あるいは手段に依存して変化するが、典型的には、適した高温において像様に露光した光熱写真ドライイメージング材料を加熱することにより現像を行うものである。約80〜200℃、好ましくは約100〜140℃、より好ましくは110〜130℃で、好ましくは3〜20秒、より好ましくは5〜12秒であるで現像される。
【0357】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料の現像処理時の加熱は、好ましくは、保護層を有する側の面を加熱手段と接触させ加熱処理することが、均一な加熱を行う上で、又、熱効率、作業性等の観点から好ましく、保護層を有する側の面をヒートローラーに接触させながら搬送し、加熱処理して現像することが好ましい。
【0358】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、加熱温度123℃、現像時間12秒で熱現像して得られる画像が、拡散濃度(Y軸)と常用対数露光量(X軸)の単位長の等しい直交座標上に示される特性曲線において、拡散光での光学濃度で0.25〜2.5の平均階調が2.0〜4.0であることが好ましい。このような階調にすることにより、銀量が少なくても診断認識性の高い画像を得ることが可能となる。
【実施例】
【0359】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に断りない限り、実施例中の「%」は「質量%」を示す。
【0360】
まず、本発明の試料に共通する評価法について記載し、続いて本発明の試料の作製方法について記載する。尚、銀塩光熱写真ドライイメージング材料を現像処理した後のものは、熱現像記録材料と記載する。
【0361】
[評価方法]
(有機銀塩粒子散液の評価)
有機銀塩粒子分散液を固形分濃度1%になるようにメチルエチルケトンで希釈した。この液を大塚電子社製濃厚系アナライザーFPAR−1000の濃厚系プローブを用いて測定した。1回あたりの積算時間は240秒とし、Marquadt法(Lambda=1000、Italation=1000)での数平均粒径(nm)を求めた。3回測定した値の平均値を有機銀塩粒子分散液中の有機銀塩粒子の平均粒径(nm)とした。
【0362】
(熱現像記録材料の濃度評価)
820nmダイオードを備えたレーザー感光計で感光材料をウェッジ露光した後、この材料を120℃で15秒間処理(現像)した。次いで、現像処理された熱現像記録材料について、光学濃度計を用いて、カブリ濃度部分、最高濃度部分の濃度を測定した。
【0363】
[分散用バインダーの作製]
(分散用バインダーAの作製)
重合度500、ケン化度99.8%のポリビニルアルコール(PVA、クラレ社製)100gを900gの蒸留水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに35%塩酸40gを加え、更にブチルアルデヒド17.5gを添加した。次に、12℃まで冷却し、ブチルアルデヒド60.5gを加えた。樹脂が析出した後、30分間保持し、その後、35%塩酸110gを加え30℃に昇温して10時間保った。反応終了後、蒸留水にて洗浄し、水洗後のポリビニルブチラール樹脂分散溶液に水酸化ナトリウムを添加し溶液のpHを7に調整した。溶液を50℃で12時間保持した後冷却した。このとき溶液のpHは5.4であった。ついで、ポリビニルブチラールの固形分に対し、100倍量の蒸留水により溶液を水洗し、水を取り除いた後、さらに10倍量の蒸留水を加え、溶液を50℃で攪拌しながら8時間保持後、脱水工程を経て、1時間あたりの質量変化が0.1%以下になるまで40℃で乾燥した。
【0364】
(分散用バインダーBの作製)
重合度700、ケン化度が95%であるポリビニルアルコールを変更した以外は上記分散用バインダーAと同様にして、分散用バインダーBを得た。
【0365】
(分散用バインダー樹脂Cの作製)
重合度220、ケン化度が80%であるポリビニルアルコールを変更した以外は上記分散用バインダーAと同様にして、分散用バインダーCを得た。
【0366】
(分散用バインダーDの作製)
重合度1150、ケン化度が99.5%であるポリビニルアルコールを変更した以外は上記分散用バインダーAと同様にして、分散用バインダーDを得た。
【0367】
(分散用バインダーEの作製)
アセタール化に用いるアルデヒドをブチルアルデヒドからアセトアルデヒドに変更した以外は上記分散用バインダーAと同様にして、分散用バインダーEを得た。
【0368】
[下引き済み支持体の作製]
青色染料濃度0.115の二軸延伸済みポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に10W/m2・minの条件でコロナ放電処理を施し、一方の面に下記《バック面側下引き下層用塗布液》を乾燥膜厚0.06μmになるように塗設し、140℃で乾燥し、続いて下記《バック面側下引き上層用塗布液》を乾燥膜厚0.2μmになるように塗設した後140℃で乾燥した。また反対側の面には下記「画像形成面側下引き下層用塗布液」を乾燥膜厚0.25μmになるように塗設し、続いて下記「画像形成面側下引き上層用塗布液」を乾燥膜厚0.06μmになるように塗設した後140℃で乾燥した。これらを140℃で2分間熱処理し、下引き済み支持体試料を作製した。
【0369】
《バック面側下引き下層用塗布液》
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート(20/20/40)の共重合ポリマーラテックス(固形分30%) 16.0g
スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシメチルメタクリレート(25/45/30)の共重合ポリマーラテックス(固形分30%) 4.0g
SnO2ゾル(固形分10%)(特開平10−059720号記載の方法で合成)
91g
界面活性剤A 0.5g
以上に蒸留水を加えて1000mlとし、塗布液とした。
【0370】
《バック面側下引き上層用塗布液》
変性水性ポリエステルA(固形分18%) 215.0g
界面活性剤A 0.4g
真球状シリカマット剤 シーホスター KE−P50(日本触媒社製) 0.3g
以上に蒸留水を加えて1000mlとし、塗布液とした。
【0371】
《変性水性ポリエステルAの合成》
重縮合用反応容器に、テレフタル酸ジメチル35.4質量部、イソフタル酸ジメチル33.63質量部、5−スルホ−イソフタル酸ジメチルナトリウム塩17.92質量部、エチレングリコール62質量部、酢酸カルシウム一水塩0.065質量部、酢酸マンガン四水塩0.022質量部を投入し、窒素気流下において、170〜220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.04質量部、重縮合触媒とし三酸化アンチモン0.04質量部及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸6.8質量部を加え、220〜235℃の反応温度で、ほぼ理論量の水を留去し、エステル化を行った。その後、更に反応系内を約1時間かけて減圧、昇温し最終的に280℃、133Pa以下で約1時間重縮合を行い、変性水性ポリエステルAの前駆体を得た。前駆体の固有粘度は0.33であった。攪拌翼、環流冷却管、温度計を付した2Lの三つ口フラスコに、純水850mlを入れ、攪拌翼を回転させながら、150gの上記前駆体を徐々に添加した。室温でこのまま30分間攪拌した後、1.5時間かけて内温が98℃になるように加熱し、この温度で3時間加熱溶解した。加熱終了後、1時間かけて室温まで冷却し、一夜放置して、固形分濃度が15質量%の前駆体の溶液を調製した。攪拌翼、環流冷却管、温度計、滴下ロートを付した3Lの四つ口フラスコに、上記前駆体溶液1900mlを入れ、攪拌翼を回転させながら、内温度を80℃まで加熱した。この中に、過酸化アンモニウムの24%水溶液を6.52ml加え、単量体混合液(メタクリル酸グリシジル28.5g、アクリル酸エチル21.4g、メタクリル酸メチル21.4g)を30分間かけて滴下し、更に3時間反応を続けた。その後、30℃以下まで冷却し、濾過して、固形分濃度が18質量%の変性水性ポリエステルAの溶液を調製した。
【0372】
《感光性層側下引き下層用塗布液》
スチレン/アセトアセトキシエチルメタクリレート/グリシジルメタクリレート/n−ブチルアクリレート(40/40/20/0.5)の共重合ポリマーラテックス(固形分30%) 70g
界面活性剤A 0.3g
以上に蒸留水を加えて1000mlとし、塗布液とした。
【0373】
《画像形成面側下引き上層用塗布液》
変性水性ポリエステルB(固形分18%) 80.0g
界面活性剤A 0.4g
真球状シリカマット剤 シーホスター KE−P50(日本触媒社製) 0.3g
以上に蒸留水を加えて1000mlとし、固形分濃度0.5%の塗布液とした。
【0374】
《変性水性ポリエステルBの合成》
前駆体溶液を1800ml、単量体混合液組成をスチレン31g、アセトアセトキシエチルメタクリレート31g、グリシジルメタクリレート61g、n−ブチルアクリレート7.6gとした以外、編成水性ポリエステルAと同様にして変性水性ポリエステルBの溶液を作製した。
【0375】
【化25】


【0376】
[感光性層用ハロゲン化銀含有有機銀乳剤の作製]
(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)
〈溶液A1〉
フェニルカルバモイル化ゼラチン 88.3g
HO(CH2CH2O)n−(CH(CH3)CH2O)17−(CH2CH2O)m
(m+n=5〜7)(10%メタノール水溶液) 10ml
臭化カリウム 0.32g
水で5429mlに仕上げる。
【0377】
〈溶液B1〉
0.67mol/L硝酸銀水溶液 2635ml
〈溶液C1〉
臭化カリウム 51.55g
沃化カリウム 1.47g
水で660mlに仕上げる
〈溶液D1〉
臭化カリウム 154.9g
沃化カリウム 4.41g
塩化イリジウム(1%溶液) 0.93ml
水で1982mlに仕上げる。
【0378】
〈溶液E1〉
0.4mol/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量
〈溶液F1〉
水酸化カリウム 0.71g
水で20mlに仕上げる。
【0379】
〈溶液G1〉
56%酢酸水溶液 18.0ml
〈溶液H1〉
無水炭酸ナトリウム 1.72g
水で151mlに仕上げる。
【0380】
特公昭58−58288号に示される混合攪拌機を用いて溶液A1に溶液B1の1/4量及び溶液C1の全量を温度45℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により4分45秒を要して添加し、核形成を行った。1分後、溶液F1の全量を添加した。この間pAgの調整を溶液E1を用いて適宜行った。6分間経過後、溶液B1の3/4量及び溶液D1の全量を、温度45℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により14分15秒かけて添加した。5分間攪拌した後、40℃に降温し、溶液G1を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分2000mlを残して上澄み液を取り除き、水を10リットル加え、攪拌後、再度ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除き、更に水を10リットル加え、攪拌後、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除いた後、溶液H1を加え、60℃に昇温し、更に120分攪拌した。最後にpHが5.8になるように調整し、銀量1モル当たり1161gになるように水を添加し、感光性ハロゲン化銀乳剤Aを得た。この乳剤は、平均粒子サイズ0.041μm、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率92%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。
【0381】
(粉末有機銀塩粒子Aの調製)
4720mlの純水にベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸2.3gを80℃で溶解した。次に1.5モル/Lの水酸化カリウム水溶液540.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得た。上記の脂肪酸カリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、45.3gの上記の感光性ハロゲン化銀粒子乳剤Aと純水450mlを添加し5分間攪拌した。次に1モル/Lの硝酸銀溶液702.6mlを2分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩粒子分散物を得た。その後、得られた有機銀塩粒子分散物を水洗容器に移し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有機銀塩粒子分散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。その後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施した後、得られたケーキ状の有機銀塩粒子を、気流式乾燥機フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業社製)を用いて、窒素ガス雰囲気及び乾燥機入り口熱風温度の運転条件により含水率が0.1%になるまで乾燥して有機銀塩粒子の乾燥済み粉末有機銀塩粒子Aを得た。なお、有機銀塩粒子組成物の含水率測定には赤外線水分計を使用した。
【0382】
(粉末有機銀塩粒子Bの調製)
水酸化カリウム水溶液の代わりに水酸化ナトリウム水溶液を用いた以外、粉末有機銀塩粒子Aと同様にして粉末有機銀塩粒子Bを作製した。
【0383】
[有機銀塩粒子分散液の作製]
(実施例1、2、比較例1〜5)
表1に記載した分散用バインダー50gをメチルエチルケトン1300gに溶解し、VMA−GETZMANN社製ディゾルバDISPERMAT CA−40M型にて攪拌しながら粉末有機銀塩粒子A500gを徐々に添加して十分に混合することにより予備分散液を調製した。粉末有機銀塩粒子Aを全量添加してからは、2000rpmで30分攪拌を行った。この予備分散液をポンプを用いてミル内滞留時間が1.5分間となるように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ社製トレセラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機DISPERMAT SL−C12EX型(VMA−GETZMANN社製)に供給し、ミル周速8m/sにて分散を行なうことにより有機銀塩粒子分散液を調製した。有機銀塩粒子に対する分散バインダーの質量比は0.1、有機銀塩粒子分散液中の分散用バインダー濃度は2.7%であった。
【0384】
(実施例3〜5、比較例6、7)
分散原料液において、表1に記載した分散用バインダー75gに増量した以外、実施例1と同様にして有機銀分散液を調製した。有機銀塩に対する分散バインダーの質量比は0.15、有機銀塩分散液中の分散用バインダー濃度は4.0%であった。
【0385】
(実施例6)
分散原料液において、表1に記載した分散用バインダー90gに増量した以外、実施例1と同様にして有機銀分散液を調製した。有機銀塩に対する分散バインダーの質量比は0.18、有機銀塩分散液中の分散用バインダー濃度は4.8%であった。
【0386】
(比較例8)
分散原料液において、表1に記載した分散用バインダー110gに増量した以外、実施例1と同様にして有機銀分散液を調製した。有機銀塩に対する分散バインダーの質量比は0.22、有機銀塩分散液中の分散用バインダー濃度は5.8%であった。
【0387】
(実施例7)
分散原料液において、表1に記載した分散用バインダー30gに減量した以外、実施例1と同様にして有機銀分散液を調製した。有機銀塩に対する分散バインダーの質量比は0.06、有機銀塩分散液中の分散用バインダー濃度は1.6%であった。
【0388】
(比較例9)
分散原料液において、表1に記載した分散用バインダー20gに減量した以外、実施例1と同様にして有機銀分散液を調製した。予備分散液を作製中に攪拌ができなくなったため、本分散ができなかった。有機銀塩に対する分散バインダーの質量比は0.04、有機銀塩分散液中の分散用バインダー濃度は1.1%であった。
【0389】
[感光性層、バック層の塗設]
前記下引き済み試料のバック層面側下引きの上にバック層を塗布し、一度巻き取った。続いて反対側の感光性層側下引きの上に感光性層、保護層を重層塗布した。なお、乾燥は各々60℃、15分間行った。両面塗布された試料を搬送しながら75℃で10分熱処理をして銀塩光熱写真ドライイメージング材料を得た。
【0390】
《バック層》
セルロースアセテートブチレート(10%メチルエチルケトン溶液) 15ml/m2
染料−A 7mg/m2
染料−B 7mg/m2
マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ14μm単分散シリカ 90mg/m2
817(CH2CH2O12817 50mg/m2
917−C64−SO3Na 10mg/m2
【0391】
【化26】


【0392】
《感光性層》
上記で作製した有機銀分散液425gに対して、以下の塗布用バインダー、素材を添加し、さらにメチルエチルケトンを加えて、感光性層塗布液とし、塗布銀量が1.9g/m2になる様に塗布した。
【0393】
塗布用バインダー(ポリビニルブチラール)Butvar B−79(Monsanto社製) 表1に記載の量
増感色素;下記赤外増感色素−1及び−2(モル比8:2の0.03%MEK溶液)
40ml
ビス(ジメチルアセトアミド)ジブロモブロメート(11%メタノール溶液)
2.6ml
臭化カルシウム(11%メタノール溶液) 4.2ml
テトラクロロフタル酸(11%MEK液) 16ml
2−メルカプトベンズイミダゾール(11%メタノール溶液) 16ml
DesmodurN3300(モーベイ社、脂肪族イソシアネート) 4.5g
トリブロモメチルスルホニルピリジン(5%MEK溶液) 29.5ml
現像剤;下記現像剤(20%メタノール溶液) 29.5ml
【0394】
【化27】


【0395】
《感光性層保護層》
アセトン 5ml/m2
メチルエチルケトン 21ml/m2
セルロースアセテートブチレート 2.3g/m2
メタノール 7ml/m2
フタラジン 250mg/m2
マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ 5mg/m2
カブリ防止剤CH2=CHSO2CH2CH2OCH2CH2SO2CH=CH2
35mg/m2
フッ素系界面活性剤C1225(CH2CH2O101225 10mg/m2
817−C64−SO3Na 10mg/m2
以上のように作製した有機銀塩粒子分散液中の有機銀塩粒子の平均粒径、銀塩光熱写真ドライイメージング材料の画像形成層(感光性層)の目視による塗布性、最低濃度部分の濃度(カブリ濃度)、最高濃度部の濃度を評価した結果を表1に示す。
【0396】
【表1】


【0397】
表1から有機酸カリウム塩から作製された有機銀塩粒子の分散液の平均粒径は、ナトリウムソープから作製されたそれよりも小さくなることが分かる。また、分散用バインダーの重合度、分散用バインダーと有機銀塩粒子の比、分散用バインダーと塗布バインダーの比が本発明の範囲の場合、塗布性は良好であり、カブリ濃度が低く、最高濃度の高い銀塩光熱写真ドライイメージング材料が得られることが判った。
【図面の簡単な説明】
【0398】
【図1】本発明に係る有機銀塩製造装置の例
【符号の説明】
【0399】
11 添加液1用調製タンク
12 添加液2用調製タンク
13 添加液1用流量検知器
14 添加液1用ポンプ
15 添加液2用流量検知器
16 添加液2用ポンプ
17 静的混合装置
18 熱交換器
19 生成液用タンク




 

 


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