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発明の名称 銀塩光熱写真ドライイメージング材料とそれを用いた画像形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−78953(P2007−78953A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−265016(P2005−265016)
出願日 平成17年9月13日(2005.9.13)
代理人
発明者 櫻木 理枝 / 鈴木 隆嗣 / 池洲 悟
要約 課題
最高濃度及び感度が高く、カブリが少なく、銀色調が良好な冷黒調であり、かつ画像保存安定性に優れた銀塩光熱写真ドライイメージング材料及びそれを用いた画像形成方法を提供する。

解決手段
非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオン還元剤、及びバインダーを含有する銀塩光熱写真ドライイメージング材料において、当該イメージング材料の構成層の少なくとも1層が、下記一般式(D1)で表される色素を熱現像過程において形成し得る化合物を含有することを特徴とする銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
特許請求の範囲
【請求項1】
非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオン還元剤、及びバインダーを含有する銀塩光熱写真ドライイメージング材料において、当該イメージング材料の構成層の少なくとも1層が、下記一般式(D1)で表される色素を熱現像過程において形成し得る化合物を含有することを特徴とする銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【化1】


〔式中、X1及びY1は置換基を表す。m1及びn1は0から4を表す。但し、m1及びn1が共に0であることはない。X1及びY1が複数の場合、各々のX1及びY1は同じあっても異なっていても良い。〕
【請求項2】
前記一般式(D1)で表される色素が下記一般式(D2)で表される色素であることを特徴とする請求項1に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【化2】


〔式中、R21、R22、R23及びR24は水素原子又は置換基を表す。X2及びY2は置換基を表す。m2は0から4、n2は0から2を表す。X2及びY2が複数の場合、各々のX2及びY2は同じあっても異なっていても良い。〕
【請求項3】
前記構成層の少なくとも1層が、下記一般式(LD3)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【化3】


〔式中、R31及びR32は水素原子、置換基又はアルカリ金属原子を表す。X3及びY3は置換基を表す。m3及びn3は0から4を表す。但し、m3及びn3が共に0であることはない。X3及びY3が複数の場合、各々のX3及びY3は同じあっても異なっていても良い。〕
【請求項4】
前記一般式(LD3)において、R31及びR32が水素原子、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ナトリウム原子、カリウム原子で表されることを特徴とする請求項3に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【請求項5】
前記一般式(LD3)で表される化合物が下記一般式(LD4)で表される化合物であることを特徴とする請求項3又は4に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【化4】


〔式中、R41、R42、R43及びR44は水素原子又は置換基を表す。X4及びY4は置換基を表す。m4は0から4、n4は0から2を表す。X4及びY4が複数の場合、各々のX4及びY4は同じあっても異なっていても良い。R31及びR32は前記一般式(LD3)におけるR31及びR32と同義である。〕
【請求項6】
熱現像前において、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に含有されている前記一般式(D1)で表される色素を形成し得る化合物のモル数と前記銀イオン還元剤のモル数の比(一般式(D1)で表される色素を形成し得る化合物のモル数/銀イオン還元剤のモル数)の値が0.001〜0.2であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【請求項7】
熱現像前において、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に含有されている前記一般式(LD3)で表される化合物のモル数と前記銀イオン還元剤のモル数の比(一般式(LD3)で表される化合物のモル数/銀イオン還元剤のモル数)の値が0.001〜0.2であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【請求項8】
前記還元剤が下記一般式(RD)で表されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【化5】


〔式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基を表す。R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。Qはベンゼン環上に置換可能な基を表し、nは0〜2を表す。Qが複数の場合、各々のQは同じあっても異なっていても良い。〕
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料を用いることを特徴とする画像形成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀塩光熱写真ドライイメージング材料(光熱写真ドライイメージング材料、光熱写真感光材料、熱現像感光材料、単に熱現像材料又は感光材料ともいう。)とそれを用いた画像形成方法に関する。さらに詳しくは、最高濃度が高く、カブリが少なく、銀色調が良好な冷黒調であり、かつ画像の熱及び光に対する安定性に優れた銀塩光熱写真ドライイメージング材料に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージング(画像形成)材料は、センシトメトリー特性、画質特性、取り扱いの簡便性等の性能はもちろんのこと、近年、安全性、環境保全等を全て満足させることが要望されている。特に、現像処理廃液の海洋投棄が全面的に禁止されたことから、医療や印刷製版の分野でもウェット処理からドライ処理へのニーズの高まりが顕著となってきた。
【0003】
一方、医療分野では、近年の医療情報のデジタル化により、医療診断用画像はMRI(magnetic resonance imaging)、CT(computed tomography)、CR(computed radiography)等の手法が主流となり、画像出力には各種方式の医療画像用ドライイメージャシステムが使用されてきている。また、印刷製版の分野でも、同様なデジタル化とドライ化が進展している。
【0004】
上記のような社会・市場動向に伴い、レーザ・イメージャーやレーザ・イメージセッターのような効率的な露光が可能で、かつ高解像度で鮮明な画像を形成することができる光熱写真ドライイメージング材料の重要性が増し、当該材料の一層の改良技術が必要とされてきている。なお、銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、米国特許第3,152,904号、米国特許第3,457,075号明細書等により既に古くから知られていた。
【0005】
近年、熱現像装置としてのレーザーメージャー等のコンパクト化や処理の迅速化が要望されている。迅速処理を行っても十分な熱現像材料の濃度を得るためには、ハロゲン化銀粒子として平均粒子サイズの小さいものを用いて、現像点数を増やすことによりカバーリングパワーを高めたり、あるいは2級、3級アルキル基を有する高活性の還元剤を用いたり、フェノール化合物やヒドラジン化合物やビニル化合物等の現像促進剤を用いる方法がそれぞれ提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0006】
しかしながら、カバーリングパワー(画像銀の光を遮る能力で、銀画像の拡散濃度をD、単位面積当たりの銀量をMとすると、カバーリングパワー=D/Nとして定義される。「銀被覆力」ともいう。)を上げるため、単に平均粒子サイズの小さいハロゲン化銀粒子を用いた場合、ハロゲン化銀粒子の分散安定性が損なわれ、むしろカバーリングパワーが低下してしまったり、画像透明性が損なわれたりし、その結果、低濃度部でのヘイズが劣化してしまうという問題があった。更に、これらの技術を用いると、熱現像処理後の長期保存時に、光分解(プリントアウト)銀等により濃度変化が大きくなったり、得られる画像の銀色調が、従来の湿式現像方式の感光材料から得られる画像の銀色調と大きく異なってしまう(例えば、黄色味を帯びる)という問題が発生した。更に、ハロゲン化銀粒子として平均粒子サイズの小さいものを用いた場合には、濃度2.0以上の高濃度部で色調が赤みを帯びてしまうという新たな問題も発生した。
【0007】
プリントアウト銀に由来する色調劣化の防止技術及び銀色調の調整技術が、特開2001−133925号、特開平11−231460号、特開2002−169249号公報等に開示されているが、上記の問題を全て解決するためには十分とは言えなかった。
【0008】
一方、上記課題に対し、カプラーやロイコ色素を用いて銀色調を調整する技術が開示されている(例えば、特許文献3、4、5参照。)が、いずれの方法も銀色調を調整しようとしてカプラーやロイコ色素の使用量を増やすと、長期保存時にカブリ上昇が発生したりするため、所望の銀色調に調整ができないという問題点があった。
【0009】
また、シアンロイコ染料を利用した銀色調調整技術として、インドアニリン誘導体(特許文献6参照。)、フェノチアジンロイコ(特許文献7参照。)、イミダゾールロイコ(特許文献8参照。)等を用いた技術が開示されているが、これらのシアンロイコ染料から発色してできる色素は、耐光性に問題があり、画像保存性が不十分であった。
【0010】
なお、本発明に係るアントラセン誘導体を利用した技術としては、特表平10−502461号や特開平10−147608号等があるが、これらは光重合の際の増感剤として使用されているにすぎず、色素前駆体として用いたものではなかった。これまでにアントラキノン色素前駆体又はアントラセン誘導体をハロゲン化銀感光材料に含有させた報告はなく、銀色調調整剤として使用した例も開示されていない。
【特許文献1】特開平11−295844号公報
【特許文献2】特開平11−352627号公報
【特許文献3】特開平11−288057号公報
【特許文献4】特開平11−231460号公報
【特許文献5】特開2001−264926号公報
【特許文献6】特開2005−062796号公報
【特許文献7】特開2005−128289号公報
【特許文献8】特願2005−015259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、最高濃度及び感度が高く、カブリが少なく、銀色調が良好な冷黒調であり、かつ画像保存安定性に優れた銀塩光熱写真ドライイメージング材料及びそれを用いた画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0013】
(1)非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオン還元剤、及びバインダーを含有する銀塩光熱写真ドライイメージング材料において、当該イメージング材料の構成層の少なくとも1層が、下記一般式(D1)で表される色素を熱現像過程において形成し得る化合物を含有することを特徴とする銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0014】
【化1】


【0015】
〔式中、X1及びY1は置換基を表す。m1及びn1は0から4を表す。但し、m1及びn1が共に0であることはない。X1及びY1が複数の場合、各々のX1及びY1は同じあっても異なっていても良い。〕
(2)前記一般式(D1)で表される色素が下記一般式(D2)で表される色素であることを特徴とする前記(1)に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0016】
【化2】


【0017】
〔式中、R21、R22、R23及びR24は水素原子又は置換基を表す。X2及びY2は置換基を表す。m2は0から4、n2は0から2を表す。X2及びY2が複数の場合、各々のX2及びY2は同じあっても異なっていても良い。〕
(3)前記構成層の少なくとも1層が、下記一般式(LD3)で表される化合物を含有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0018】
【化3】


【0019】
〔式中、R31及びR32は水素原子、置換基又はアルカリ金属原子を表す。X3及びY3は置換基を表す。m3及びn3は0から4を表す。但し、m3及びn3が共に0であることはない。X3及びY3が複数の場合、各々のX3及びY3は同じあっても異なっていても良い。〕
(4)前記一般式(LD3)において、R31及びR32が水素原子、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ナトリウム原子、カリウム原子で表されることを特徴とする前記(3)に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0020】
(5)前記一般式(LD3)で表される化合物が下記一般式(LD4)で表される化合物であることを特徴とする前記(3)又は(4)に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0021】
【化4】


【0022】
〔式中、R41、R42、R43及びR44は水素原子又は置換基を表す。X4及びY4は置換基を表す。m4は0から4、n4は0から2を表す。X4及びY4が複数の場合、各々のX4及びY4は同じあっても異なっていても良い。R31及びR32は前記一般式(LD3)におけるR31及びR32と同義である。〕
(6)熱現像前において、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に含有されている前記一般式(D1)で表される色素を形成し得る化合物のモル数と前記銀イオン還元剤のモル数の比(一般式(D1)で表される色素を形成し得る化合物のモル数/銀イオン還元剤のモル数)の値が0.001〜0.2であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0023】
(7)熱現像前において、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に含有されている前記一般式(LD3)で表される化合物のモル数と前記銀イオン還元剤のモル数の比(一般式(LD3)で表される化合物のモル数/銀イオン還元剤のモル数)の値が0.001〜0.2であることを特徴とする前記(4)〜(6)のいずれか1項に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0024】
(8)前記還元剤が下記一般式(RD)で表されることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0025】
【化5】


【0026】
〔式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基を表す。R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。Qはベンゼン環上に置換可能な基を表し、nは0〜2を表す。Qが複数の場合、各々のQは同じあっても異なっていても良い。〕
(9)前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料を用いることを特徴とする画像形成方法。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、銀塩光熱写真ドライイメージング材料の保存時の光や熱の作用による画像の最高濃度およびカブリの劣化が非常に少なく、冷黒調の画像調子を有しており、光や熱に対して画像色調の劣化が著しく小さく、診断画像として適切な画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明及び構成要素等の詳細について説明する。
【0029】
(色素及び色素形成化合物)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、感光性層及び非感光性層等の構成層を有するが、その構成層の少なくとも1層が、前記一般式(D1)又は(D2)で表される色素を熱現像過程において形成し得る化合物(以下において、「色素形成化合物」ともいう。)を含有することを特徴とする。
【0030】
本発明において、熱現像過程において、一般式(D1)又は(D2)で表される色素を形成し得る化合物であって、一般式(LD3)又は(LD4)で表される化合物とは、熱現像過程において色素を形成して所望の発色する化合物であって、現像時に一般式(D1)又は一般式(D2)で表される色素を形成し得る化合物であればよく、例えば、熱現像過程において酸化されることで発色する化合物、又は加水分解反応を経た後に酸化されて発色する化合物などが挙げられる。
【0031】
以下、色素そ及び色素形成化合物について詳しく説明する。
【0032】
本発明に係る色素の化学構造を表す前記一般式(D1)において、X1及びY1は置換基を表す。m1及びn1は0から4を表す。但し、m1及びn1が共に0であることはない。X1及びY1が複数の場合、各々のX1及びY1は同じあっても異なっていても良い。
【0033】
1及びY1で表される置換基の具体例としては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基(プロパルギル基等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、芳香族基(フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素環基(ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイド基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基等)、アミド基(アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスルホンアミド基、オクチルスルホンアミド基、フェニルスルホンアミド基、ナフチルスルホンアミド基等)、アミノ基(アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキザモイル基等を挙げることができる。また、これらの基はさらにこれらの基で置換されていてもよい。
【0034】
1及びY1として、好ましくはアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシルアミノ基、より好ましくは、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。
【0035】
m1及びn1として好ましくは0から3、より好ましくはm1が0から1、n1が1から3である。但し、m1及びn1が共に(同時に)0であることはない。
【0036】
本発明に係る前記一般式(D1)で表される色素のうち、特に好ましい色素は、前記一般式(D2)で表される。
【0037】
前記一般式(D2)において、R21、R22、R23及びR24は水素原子又は置換基を表す。X2及びY2は置換基を表す。m2は0から4、n2は0から2を表す。X2及びY2が複数の場合、各々のX2及びY2は同じあっても異なっていても良い。
【0038】
21、R22、R23及びR24で表される置換基の具体例としては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基(プロパルギル基等)、芳香族基(フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素環基(ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルホニル基(メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)等を挙げることができる。また、これらの基はさらにこれらの基で置換されていてもよい。
【0039】
21及びR23として、好ましくは水素原子である。
【0040】
22及びR24として、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族基、複素環基、アシル基、より好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、芳香族基、複素環基、アセチル基、ベンゾイル基である。
【0041】
2及びY2で表される置換基の例としては、前記一般式(D1)におけるX1及びY1で表される置換基の具体例として挙げた例が挙げられる。
【0042】
2及びY2として好ましくはアルキル基である。
【0043】
m2として好ましくは0から2、n2として好ましくは0から1である。
【0044】
次に一般式(D1)又は(D2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
【化6】


【0046】
【化7】


【0047】
【化8】


【0048】
【化9】


【0049】
【化10】


【0050】
【化11】


【0051】
前記したように、熱現像過程において、一般式(D1)又は(D2)で表される色素を形成し得る化合物であって、一般式(LD3)又は(LD4)で表される化合物とは、熱現像過程において色素を形成して所望の発色する化合物であって、現像時に一般式(D1)あるいは一般式(D2)で表される色素を形成し得る化合物であればよく、例えば、熱現像過程において酸化されることで発色する化合物、又は加水分解反応を経た後に酸化されて発色する化合物などが挙げられる。
【0052】
好ましくは、本発明に係る色素を形成し得る化合物は、銀イオンが銀に還元される過程において、酸化されることで発色する化合物であり、より好ましくは、約80〜200℃の温度で約0.5〜30秒間加熱した時に酸化されて着色形態になるが、上記温度以下では、無色または僅かに着色した化合物である。
【0053】
所定の色調に調整するために種々の色のロイコ染料を単独使用又は複数の種類の併用をすることもできる。特に、本発明に用いられる熱現像時に一般式(D1)及び一般式(D2)で表される色素を形成する化合物はシアンに発色するロイコ染料が好ましく、同じシアンに発色する化合物ならば、構造が異なるロイコ染料を併用することができる。
【0054】
熱現像時に一般式(D1)及び一般式(D2)で表される色素を形成する際の発色濃度は現像銀自身による色調との関係で適切に調整することが好ましい。本発明では、0.01〜0.05の反射光学濃度または0.005〜0.03の透過光学濃度を有するように発色させ、後述する好ましい色調範囲の画像になるように色調を調整することが好ましい。
【0055】
添加方法としては、水に分散したり、有機溶媒に溶解して感光層用塗布液や、その隣接層用塗布液に含有させて、これらの層に含有させることができる。有機溶媒は、メタノールやエタノール等のアルコール類やアセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、トルエンやキシレン等の芳香族系を任意に選択することができる。使用量は、銀1モル当たり1×10-2〜10モルの範囲が適当であり、好ましくは1×10-2〜1.5モルである。
【0056】
なお、熱現像前において、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に含有されている前記一般式(D1)で表される色素を形成し得る化合物のモル数と前記銀イオン還元剤のモル数の比(一般式(D1)で表される色素を形成し得る化合物のモル数/銀イオン還元剤のモル数)の値は0.001〜0.2であることが好ましく、0.001〜0.15であることがより好ましい。
【0057】
熱現像過程において、一般式(D1)又は(D2)で表される色素を形成し得る化合物として、特に好ましくは、前記一般式(LD3)又は(LD4)で表される化合物である。
【0058】
前記一般式(LD3)において、R31及びR32は水素原子、置換基又はアルカリ金属原子を表す。X3及びY3は置換基を表す。m3及びn3は0から4を表す。但し、m3及びn3が共に0であることはない。X3及びY3が複数の場合、各々のX3及びY3は同じあっても異なっていても良い。
【0059】
31及びR32で表される置換基としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、芳香族基(フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素環基(ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基等)、アミド基(アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスルホンアミド基、オクチルスルホンアミド基、フェニルスルホンアミド基、ナフチルスルホンアミド基等)、アミノ基(アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)等が挙げられる。
【0060】
31及びR32で表されるアルカリ金属原子の具体例としては、例えば、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子等が挙げられる。
【0061】
31及びR32として、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、スルホニル基、ナトリウム原子、より好ましくは水素原子、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カリウム原子、ナトリウム原子である。
【0062】
3及びY3で表される置換基の例としては、前記一般式(D1)におけるX1及びY1で表される置換基の具体例として挙げた例が挙げられる。
【0063】
3及びY3として好ましくはアルキル基である。
【0064】
m3及びn3として好ましくは0から1である。
【0065】
なお、熱現像前において、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に含有されている前記一般式(LD3)で表される化合物のモル数と前記銀イオン還元剤のモル数の比(一般式(LD3)で表される化合物のモル数/銀イオン還元剤のモル数)の値は0.001〜0.2であることが好ましく、0.001〜0.15であることがより好ましい。
【0066】
前記一般式(LD4)において、R41、R42、R43及びR44は水素原子又は置換基を表す。X4及びY4は水素原子又は置換基を表す。m4は0から4、n4は0から2を表す。X4及びY4が複数の場合、各々のX4及びY4は同じあっても異なっていても良い。R31及びR32は前記一般式(LD3)におけるR31及びR32と同義である。
【0067】
41、R42、R43及びR44で表される置換基の具体例としては、前記一般式(D2)におけるR21、R22、R23及びR24で表される置換基の例として挙げた例が挙げられる。
【0068】
41及びR43として、好ましくは水素原子である。
【0069】
42及びR44として好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、芳香族基、複素環基、アシル基、より好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、芳香族基、複素環基、アセチル基、ベンゾイル基である。
【0070】
4及びY4で表される置換基の例としては、前記一般式(D1)におけるX1及びY1で表される置換基の具体例として挙げた例が挙げられる。
【0071】
4及びY4として、好ましくはアルキル基である。
【0072】
m4として好ましくは0から2、n4として好ましくは0から1である。
【0073】
一般式(LD3)及び一般式(LD4)で表される化合物は、従来公知の方法、例えば、特開2001−261616号公報、Journal of Organic Chemistry,1981,46,809−811,又はTetrahedron Letters, 1989,30,6185−6188の方法等で容易に合成することができる。
【0074】
次に、熱現像時に一般式(D1)又は(D2)で表される色素形成化合物、及び一般式(LD3)並びに一般式(LD4)で表される化合物として好ましい化合物を下記に列挙するが、これらに限定されるものではない。
【0075】
【化12】


【0076】
【化13】


【0077】
【化14】


【0078】
【化15】


【0079】
【化16】


【0080】
【化17】


【0081】
【化18】


【0082】
(銀イオン還元剤)
本発明に係る銀イオン還元剤は感光性層中で、銀イオンを還元し得るものであり、現像剤ともいう。銀イオン還元剤としては、従来、銀塩光熱斜視写真イメージング材料に適用可能とされている種々の化学構造の化合物を用いることができるが、本発明においては、銀イオンの還元剤として、特に、還元剤の少なくとも1種が前記一般式(RD)で表される化合物を単独又は他の異なる化学構造を有する還元剤と併せて用いることが好ましい。
【0083】
前記一般式(RD)において、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基を表す。R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。Qはベンゼン環上に置換可能な基を表し、nは0から2の整数を表す。Qが複数の場合、各々のQは同じあっても異なっていても良い。
【0084】
前記一般式(RD)において、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基を表す。
【0085】
本明細書における「脂肪族基」とは、それぞれ置換または無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アラルキル基を意味する。
【0086】
1およびR2で表される脂肪族基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロブテニル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロヘプチニル基、シクロヘプタジエニル基、シクロオクタニル基、シクロオクテニル基、シクロオクタジエニル基、シクロオクタトリエニル基、シクロノナニル基、シクロノネニル基、シクロノナジエニル基、シクロノナトリエニルシクロデカニル基、シクロデケニル基、シクロデカジエニル基、シクロデカトリエニル基等を挙げることができる。
【0087】
これらの基は任意の個所に置換基又はハロゲン原子を有してもよく、該置換基の具体例としては、アルキル基、シアノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、カルボオキシ基、アリール基、ヘテロ環、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基が挙げられる。
【0088】
1およびR2で表される芳香族基は単環でも縮合環でもよく、例えばフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ナフタセニル、トリフェニレニル等を挙げることができる。これらの環は任意の個所に種々の置換基を有していてもよく、好ましい置換基として直鎖、分岐のアルキル基(好ましくは炭素数1〜20の、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ドデシル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20の、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ドデシルオキシ等)、脂肪族アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜21のアルキル基を持つもの、例えばアセチルアミノ基、ヘプチルアミノ基等)、芳香族アシルアミノ基等が挙げられる。
【0089】
1として好ましくは置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、より好ましくは置換または無置換の炭素数1〜10のアルキル基、さらに好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、である。
【0090】
2として好ましくは水素原子である。
【0091】
3およびR4は水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。
【0092】
3およびR4で表される脂肪族基および芳香族基の具体例としては、前記R1およびR2で表される脂肪族基および芳香族基の例と同様の基が挙げられる。
【0093】
3およびR4で表される複素環として具体的には、ピリジン基、キノリン基、イソキノリン基、イミダゾール基、ピラゾール基、トリアゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、オキサジアゾール基、チアジアゾール基、テトラゾール基等の芳香族ヘテロ環基やピペリジノ基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基等の非芳香族ヘテロ環基が挙げられる。これらの基はさらに置換基を有していても良く、該置換基としては前述の環上の置換基をあげることができる。
【0094】
3として好ましくはアルキル基、シクロアルキル基であり、より好ましくは2級又は3級のアルキル基又はシクロアルキル基である。
【0095】
4として好ましくはアルキル基、より好ましくは炭素数2から6のアルキル基であり、さらに好ましくはヒドロキシル基が置換した炭素数2から5のアルキル基である。
【0096】
Qはベンゼン環上に置換可能な基を表すが、具体的には炭素数1〜25のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、ハロゲン化アルキル基(トリフルオロメチル基、パーフルオロオクチル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルキニル基(プロパルギル基等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、アリール基(フェニル基等)、複素環基(ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイド基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アミド基(アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキザモイル基等を挙げることができる。また、これらの基はさらにこれらの基で置換されていてもよい。
【0097】
nは0から2の整数を表すが、最も好ましくはnが0の場合である。Qが複数の場合、各々のQは同じでも異なっていても良い。
【0098】
一般式(RD)で表される化合物の一般的な合成法としては、好ましくは2当量のフェノール及び1当量のアルデヒドを無溶媒で、もしくは適当な有機溶媒で溶解または懸濁させ、触媒量の酸又はアルカリを加えて、好ましくは−20℃〜180℃の温度下で0.5〜60時間反応させることにより好収率で目的とする一般式(RD)で表される化合物を得ることができる。
【0099】
有機溶媒として好ましくは、炭化水素系有機溶媒であり、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム等が挙げられる。好ましくはトルエン、キシレンである。さらに収率の点からは無溶媒で反応させることが最も好ましい。酸触媒としてあらゆる無機酸、有機酸を使用することができるが、濃塩酸、p−トルエンスルホン酸、及び燐酸が好ましく用いられる。アルカリ触媒としては苛性ソーダ、苛性カリ、トリエチルアミン、DBU、及びソジウムメチラートが好ましく用いられる。触媒量としては対応するアルデヒドに対して0.001当量〜1.5当量使用することが好ましい。反応温度として(15℃〜150℃)が好ましく、反応時間としては3〜20時間が好ましい 次に一般式(RD)の化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0100】
【化19】


【0101】
【化20】


【0102】
【化21】


【0103】
【化22】


【0104】
本発明の光熱写真ドライイメージング材料に使用される銀イオン還元剤の量は、有機銀塩や還元剤の種類、その他の添加剤によって変化するが、一般的には有機銀塩1モル当たり0.05モル乃至10モル好ましくは0.1モル乃至3モルが適当である。又、この量の範囲内において、本発明の銀イオン還元剤は2種以上併用されてもよい。本発明においては、前記還元剤を塗布直前に感光性ハロゲン化銀及び有機銀塩粒子及び溶媒からなる感光乳剤溶液に添加混合して塗布した方が、停滞時間による写真性能変動が小さく好ましい場合がある。
【0105】
(画像の色調)
次に、銀塩光熱写真ドライイメージング材料を熱現像処理して得られる画像の色調について述べる。
【0106】
従来のレントゲン写真フィルムのような医療診断用の出力画像の色調に関しては、冷調の画像調子の方が、判読者にとってより的確な診断観察結果が得易いと言われている。ここで冷調な画像調子とは、純黒調もしくは黒画像が青味を帯びた青黒調であることを言う。一方、温調な画像調子とは、黒画像が褐色味を帯びた温黒調であると言われているが、より厳密な定量的な議論ができるように、以下、国際照明委員会(CIE)の推奨する表現法に基づき説明する。
【0107】
色調に関しての用語「より冷調」及び「より温調」は、最低濃度Dmin及び光学濃度D=1.0における色相角habにより表現できる。即ち、色相角habは、国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨した知覚的にほぼ均等な歩度を持つ色空間であるL***色空間の色座標a*、b*を用いて次の式によって求める。
【0108】
hab=tan-1(b*/a*
上記色相角に基づく表現法により検討した結果、本発明の光熱写真ドライイメージング材料の現像後の色調は、色相角habの範囲が180度<hab<270度であることが好ましく、更に好ましくは200度<hab<270度、最も好ましくは220度<hab<260度であることが判った。このことは、特開2002−6463号公報に開示されている。
【0109】
尚、従来、光学濃度1.0付近でのCIE 1976(L***)色空間又は(L***)色空間におけるu*、v*又はa*、b*を特定の数値に調整することにより、見た目の色調が好ましい診断画像が得られることが知られており、例えば、特開2000−29164号公報に記載されている。
【0110】
しかしながら、特開2004−94240号公報に開示されているように、本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料については、CIE 1976(L***)色空間又は(L***)色空間において横軸をu*又はa*、縦軸をv*又はb*としたグラフ上に、様々な写真濃度でのu*、v*又はa*、b*をプロットし、線形回帰直線を作成した際に、その線形回帰直線を特定の範囲に調整することにより、従来の湿式の銀塩感光材料同等以上の診断性を持たせることができることが見い出されている。以下に好ましい特定条件範囲について述べる。
【0111】
(1)銀塩光熱写真ドライイメージング材料を熱現像処理後に得られた銀画像の光学濃度0.5、1.0、1.5及び最低光学濃度の各濃度を測定し、CIE 1976(L***)色空間の横軸をu*、縦軸をv*とする2次元座標に、上記各光学濃度でのu*、v*を配置し作成した線形回帰直線の決定係数(重決定)R2が0.998〜1.000であることが好ましい。更に、当該線形回帰直線の縦軸との交点のv*値が−5〜5であること、且つ傾き(v*/u*)が0.7〜2.5であることが好ましい。
【0112】
(2)又、当該光熱写真ドライイメージング材料の光学濃度0.5、1.0、1.5及び最低光学濃度の各濃度を測定し、CIE 1976(L***)色空間の横軸をa*、縦軸をb*とする2次元座標に、上記各光学濃度でのa*、b*を配置し作成した線形回帰直線の決定係数(重決定)R2が0.998〜1.000であることが好ましい。更に、当該線形回帰直線の縦軸との交点のb*値が−5〜5であること、且つ傾き(b*/a*)が0.7〜2.5であることが好ましい。
【0113】
次に、上述の線形回帰直線の作成法、則ちCIE1976色空間におけるu*、v*及びa*、b*の測定法の一例を説明する。
【0114】
熱現像装置を用いて未露光部、及び光学濃度0.5、1.0、1.5を含む4段のウエッジ試料を作製する。このようにして作製した、それぞれのウエッジ濃度部を分光色彩計(ミノルタ社製:CM−3600d等)で測定し、u*、v*又はa*、b*を算出する。その際の測定条件は光源としてF7光源、視野角を10度として透過測定モードで測定を行う。横軸をu*又はa*、縦軸をv*又はb*としたグラフ上に測定したu*、v*又はa*、b*をプロットし線形回帰直線を求め、決定係数(重決定)R2、切片及び傾きを求める。
【0115】
次に、上記のような特徴を持つ線形回帰直線を得るための具体的な方法について説明する。
【0116】
本発明においては、還元剤(現像剤)、ハロゲン化銀粒子、脂肪族カルボン酸銀及び下記の調色剤等の現像反応過程において、直接的及び間接的に関与する化合物等の添加量の調整により、現像銀形状を最適化して好ましい色調にすることができる。例えば、現像銀形状をデンドライト状にすると青味を帯びる方向になり、フィラメント状にすると黄色味を帯びる方向になる。即ち、このような現像銀形状の性向を考慮して調整できる。
【0117】
従来、調色剤としてはフタラジノン又はフタラジンとフタル酸類、フタル酸無水物類が一般的に使用されている。好適な調色剤の例は、RD17029号、米国特許第4,123,282号、同3,994,732号、同3,846,136号、同4,021,249号の各明細書等に開示されている。
【0118】
このような調色剤の他に、特開平11−288057号公報、欧州特許第1,134,611A2号明細書等に開示されているカプラー及び、以下で詳述するロイコ染料を使用して色調を調整することもできる。特に、色調の微調整のためにカプラーまたはロイコ染料を用いることが好ましい。
【0119】
(上記以外のロイコ染料)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、上記の色素形成化合物以外のロイコ染料を併用して色調を調整することもできる。ロイコ染料として好ましくは、約80〜200℃の温度で約0.5〜30秒間加熱した時に、酸化されて着色形態になる何れの無色又は僅かに着色した化合物でよく、上記の銀イオン還元剤の酸化体等により酸化して色素を形成する何れのロイコ染料を用いることもできる。pH感受性を有し、且つ着色状態に酸化できる化合物は有用である。
【0120】
本発明において使用するのに適した代表的なロイコ染料は特に限定されないが、例えば、ビフェノールロイコ染料、フェノールロイコ染料、インドアニリンロイコ染料、アクリル化アジンロイコ染料、フェノキサジンロイコ染料、フェノジアジンロイコ染料及びフェノチアジンロイコ染料等が挙げられる。又、有用なものは、米国特許第3,445,234号、同3,846,136号、同3,994,732号、同4,021,249号、同4,021,250号、同4,022,617号、同4,123,282号、同4,368,247号、同4,461,681号の各明細書、及び特開昭50−36110号、同59−206831号、特開平5−204087号、同11−231460号、特開2002−169249号、同2002−236334号の各公報等に開示されているロイコ染料である。
【0121】
所定の色調に調整するために、種々の色のロイコ染料を単独使用又は複数の種類の併用をすることが好ましい。さらに迅速処理のために高活性な還元剤を使用することに伴ってその使用量や使用比率によって色調(特に黄色味)が変化したり、微粒子のハロゲン化銀粒子を用いたりして、現像銀の粒径が小さくなることにより、特に濃度が2.0以上の高濃度部で画像が過度に赤みをおびることを防止するために、黄色及びシアン色に発色するロイコ染料を併用してその使用量を調整するのが好ましい。
【0122】
発色濃度は現像銀自身による色調との関係で適切に調整することが好ましい。本発明では、0.01〜0.05の反射光学濃度又は0.005〜0.50の透過光学濃度を有するように発色させ上記の好ましい色調範囲の画像になるように色調を調整することが好ましい。本発明ではロイコ染料により形成される色素像の極大吸収波長における最高濃度の総和を0.01以上0.50以下とするのが好ましく、より好ましくは0.02以上0.30以下、特に好ましくは0.03以上0.10以下を有するように発色させることが好ましい。
【0123】
〔黄色発色性ロイコ染料〕
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、上記のように、ロイコ染料等を使用して色調を調整することが好ましい。本発明において、特に黄色発色性ロイコ染料として好ましく用いられるのは、酸化されることにより360〜450nmの吸光度が増加する色像形成剤である。これらの色像形成剤としては、下記一般式(YA)で表される色像形成剤であることが特に好ましい。
【0124】
【化23】


【0125】
〔式中、R11は置換又は無置換のアルキル基を表し、R12は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基又はアシルアミノ基を表すが、R11、R12は2−ヒドロキシフェニルメチル基であることはない。R13は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R14はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。〕
以下、一般式(YA)の化合物について詳細に説明する。
【0126】
一般式(YA)において、R11は置換又は無置換のアルキル基を表すが、R12が水素原子以外の置換基である場合、R11はアルキル基を表す。当該アルキル基としては炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、置換基を有してもよい。
【0127】
具体的にはメチル、エチル、ブチル、オクチル、i−プロピル、t−ブチル、t−オクチル、t−ペンチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロヘキシル等が好ましく、i−プロピルよりも立体的に大きな基(i−プロピル、i−ノニル、t−ブチル、t−アミル、t−オクチル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロヘキシル、アダマンチル等)であることが好ましく、その中でも2級又は3級のアルキル基が好ましく、3級アルキル基であるt−ブチル、t−オクチル、t−ペンチル等が特に好ましい。R11が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基等が挙げられる。
【0128】
12は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基又はアシルアミノ基を表す。R12で表されるアルキル基は炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、アシルアミノ基は炭素数1〜30のアシルアミノ基が好ましい。この内、アルキル基の説明は前記R11と同様である。
【0129】
12で表されるアシルアミノ基は、無置換でも置換基を有してもよく、具体的には、アセチルアミノ基、アルコキシアセチルアミノ基、アリールオキシアセチルアミノ基等が挙げられる。R12として好ましくは、水素原子又は無置換の炭素数1〜24のアルキル基であり、具体的にはメチル、i−プロピル、t−ブチルが挙げられる。又、R11、R12は2−ヒドロキシフェニルメチル基であることはない。
【0130】
13は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。アルキル基としては炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、アルキル基の説明は前記R11と同様である。R13として好ましくは、水素原子又は無置換の炭素数1〜24のアルキル基で、具体的にはメチル、i−プロピル、t−ブチル等が挙げられる。又、R12、R13の何れか一方は水素原子であることが好ましい。
【0131】
14はベンゼン環に置換可能な基を表し、例えば、前記一般式(RD)における置換基R4で説明したのと同様な基である。R14として好ましいのは、置換又は無置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のオキシカルボニル基であり、炭素数1〜24のアルキル基がより好ましい。アルキル基の置換基としてはアリール基、アミノ基、アルコキシ基、オキシカルボニル基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、イミド基、ウレイド基等が挙げられ、アリール基、アミノ基、オキシカルボニル基、アルコキシ基がより好ましい。これらのアルキル基の置換基は、更にこれらの置換基で置換されてもよい。
【0132】
次に、一般式(YA)で表される化合物のうちでも、特に本発明で好ましく用いられる、下記一般式(YB)で表されるビスフェノール化合物について説明する。
【0133】
【化24】


【0134】
〔式中、Zは−S−又は−C(R21)(R21′)−を表し、R21、R21′は各々、水素原子又は置換基を表す。〕
21、R21′の表す置換基としては、前記一般式(RD)のR1の説明で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。R21、R21′として好ましくは、水素原子又はアルキル基である。
【0135】
22、R23、R22′及びR23′は各々置換基を表すが、置換基としては一般式(RD)におけるR2、R3で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。
【0136】
22、R23、R22′及びR23′として、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基であるが、アルキル基が更に好ましい。アルキル基上の置換基としては、一般式(RD)における置換基の説明で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。
【0137】
22、R23、R22′及びR23′として、更に好ましくはt−ブチル、t−ペンチル、t−オクチル、1−メチル−シクロヘキシル等の3級アルキル基である。
【0138】
24及びR24′は各々、水素原子又は置換基を表すが、置換基としては、一般式(RD)におけるR4の説明で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。
【0139】
一般式(YA)及び(YB)で表される化合物としては、例えば、特開2002−169249号公報の段落「0032」〜「0038」記載の化合物(II−1)〜(II−40)、欧州特許第1,211,093号明細書の段落「0026」記載の化合物(ITS−1)〜(ITS−12)を挙げることができる。
【0140】
一般式(YA)の化合物(ヒンダードフェノール化合物、一般式(YB)の化合物も含まれる)の添加量は、通常、銀1モル当たり0.00001〜0.01モルであり、好ましくは0.0005〜0.01モル、より好ましくは0.001〜0.008モルである。
【0141】
また、黄色発色性ロイコ染料の一般式(RD)で表される還元剤の総和に対する添加量比は、モル比で0.001〜0.2であることが好ましく、0.005〜0.1であることがより好ましい。
【0142】
次に、本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料に係る上記以外の構成要素について詳細に説明する。
【0143】
(非感光性有機銀塩)
本発明に係る非感光性有機銀塩(以下、有機銀塩若しくは単に「有機銀塩」ともいう。又は、「非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子」若しくは「肪族カルボン酸銀塩粒子」ともいう。)は、銀塩光熱写真ドライイメージング材料の感光性層において、銀画像を形成するための銀イオンを供給する供給源として機能し得る非感光性の有機銀塩である。
【0144】
すなわち、本発明に係る有機銀塩は、露光によって形成された潜像を粒子表面上に有する感光性ハロゲン化銀粒子(光触媒)及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された熱現像過程において、銀イオン供給源として機能して銀イオンを供給し銀画像形成に寄与することができる銀塩である。
【0145】
このような有機銀塩については、従来、種々の化学構造を有する有機化合物の銀塩が知られているが、本発明に係る有機銀塩としては、従来、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に関する多くの特許公報等に開示されている有機銀塩を使用することができる。好ましく使用することができる有機銀塩は、長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩粒子である。具体例としては、例えば、特開2003−270755号公報に記載されている製造方法、脂肪族カルボン酸銀粒子に含有されるベヘン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の脂肪肪族カルボン酸種の組成等の化学的性状、粒子形状等の物理的性状等に準拠して製造した脂肪族カルボン酸銀粒子である。
【0146】
現像後の画像の保存性等の観点から、脂肪族カルボン酸銀の原料である脂肪族カルボン酸の融点が50℃以上、好ましくは60℃以上である脂肪族カルボン酸の銀塩の含有比率が50%以上、好ましくは、80%以上、更に好ましくは、90%以上であることが好ましい。この観点からは、具体的には、ベヘン酸銀の含有率が高いことが好ましい。
【0147】
本発明に用いることができる脂肪族カルボン酸銀塩粒子の形状としては、特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。本発明においては、りん片状の脂肪族カルボン酸銀塩及び長軸と短軸の長さの比が5以下の短針状又は直方体状の脂肪族カルボン酸銀塩粒子が好ましく用いられる。
【0148】
なお、本発明に係る脂肪族カルボン酸銀塩粒子を含有する乳剤は、銀塩を形成していない遊離脂肪族カルボン酸と脂肪族カルボン酸銀塩の混合物であるが、前者の比率が後者に対して低いことが、画像保存性等の観点から、好ましい。すなわち、本発明に係る当該乳剤は脂肪族カルボン酸を該脂肪族カルボン酸銀塩粒子に対して3〜10mol%含有することが好ましい。特に好ましくは、4〜8mol%含有することである。
【0149】
なお、脂肪族カルボン酸銀塩を調整するに先だって、脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩を調整することが必要であるが、その際に、使用できるアルカリ金属塩の種類の例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがある。これらのうちの1種類のアルカリ金属塩、例えば、水酸化カリウムを用いることが好ましいが、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムを併用することも好ましい。併用比率としては前記の水酸化塩の両者のモル比が10:90〜75:25の範囲であることが好ましい。脂肪族カルボン酸と反応して脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩となったときに上記の範囲で使用することで、反応液の粘度を良好な状態に制御できる。
【0150】
本発明に係る脂肪族カルボン酸銀塩粒子は所望の量で使用できるが、銀量として0.1〜5g/m2が好ましく、より好ましくは0.3〜3g/m2、更に好ましくは0.5〜2g/m2である。
【0151】
なお、本発明に係る有機銀塩の製造においては、銀イオン含有溶液と有機酸アルカリ金属塩溶液とを用いて有機銀塩粒子を製造する装置であって、銀イオン含有溶液の調製タンクと有機酸アルカリ金属塩溶液の調製タンクから各々の溶液が定量供給装置を通して定量供給される静的混合装置を有する製造装置を用いることが好ましい。これによって、粒径分布が単分散であり、かつカブリの発生が少なく、塗布性に優れた有機銀塩粒子が製造し得る製造装置を提供できる。
【0152】
(感光性ハロゲン化銀粒子)
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子(単に、「ハロゲン化銀粒子」又は「ハロゲン化銀」ともいう。)とは、ハロゲン化銀結晶の固有の性質として本来的に光吸収することができ、又は人為的に物理化学的な方法により可視光ないし赤外光を吸収することができ、かつ紫外光領域から赤外光領域の光波長範囲内のいずれかの領域の光を吸収したときに、ハロゲン化銀結晶内又は結晶表面において、物理化学的変化が起こり得るように処理製造されたハロゲン化銀結晶粒子をいう。
【0153】
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子としては、従来、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に関する多くの特許公報等に開示されているハロゲン化銀粒子を使用することができる。好ましく使用することができるハロゲン化銀粒子の具体例としては、例えば、特開2003−270755号公報に記載されている製造方法、ハロゲン組成等の化学的性状、形状等の物理的性状等に準拠して製造したハロゲン化銀粒子である。
【0154】
ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ化銀のいずれであってもよいが、臭化銀、ヨウ臭化銀又はヨウ化銀であることが特に好ましい。
【0155】
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、画像形成後の白濁を防止するため、及び良好な画質を得るためにハロゲン化銀粒子の粒径を適度に小さくする方が好ましく、平均粒径が0.01μm未満の粒子を計測対象外としたときの値として、0.030μm以上、0.055μm以下であることが好ましい。
【0156】
なお、感光性ハロゲン化銀粒子の総量に対し、粒径が0.01μm以上、0.05μm以下の感光性ハロゲン化銀粒子の占める比率が、銀量換算で50質量%以上であることが好ましい。
【0157】
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、14面体粒子、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、これらの中、特に、立方体、八面体、14面体、平板状ハロゲン化銀粒子が好ましい。
【0158】
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子は、銀イオン供給源として機能し得る脂肪族カルボン酸銀塩1モルに対し0.001〜0.7モル、好ましくは0.03〜0.5モルで使用するのが好ましい。
【0159】
〔熱変換内部潜像型ハロゲン化銀粒子〕
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子は、特開2003−270755号明細書、特願2003−337269号明細書に開示されている熱変換内部潜像型(熱現像後内部潜像型)ハロゲン化銀粒子、すなわち、熱現像によって表面潜像型から内部潜像型に変換することにより表面感度が低下するハロゲン化銀粒子であることが好ましい。換言すると、熱現像前の露光では、現像反応(銀イオン還元剤による銀イオンの還元反応)の触媒として機能し得る潜像を該ハロゲン化銀粒子の表面に形成し、熱現像過程経過後の露光では該ハロゲン化銀粒子の表面より内部に多くの潜像を形成するようになるため、表面における潜像形成が抑制されるハロゲン化銀粒子であることことが、感度及び画像保存性上、好ましい。
【0160】
本発明に係る熱変換内部潜像型ハロゲン化銀粒子は、通常の表面潜像型ハロゲン化銀粒子と同様に、銀イオン供給源として機能し得る脂肪族カルボン酸銀塩1モルに対し0.001〜0.7モル、好ましくは0.03〜0.5モルで使用するのが好ましい。
【0161】
〔ハロゲン化銀粒子分散技術〕
本発明の銀塩光熱写真イメージング材料の製造過程においては、写真性能、色調を改良するという観点から、ハロゲン化銀粒子の凝集を防止し、比較的に均一にハロゲン化銀粒子を分散させ、最終的に現像銀を所望の形状に制御できるようにすることが好ましい。
【0162】
上記の凝集防止、均一分散等のため、本発明において用いられるゼラチンは、使用条件等に応じて、ゼラチンが有するアミノ基やカルボキシル基などの親水性基を化学修飾しゼラチンの特性を改変させたものが好ましい。
【0163】
例えば、ゼラチン分子内のアミノ基の疎水化修飾としては、フェニルカルバモイル化、フタル化、コハク化、アセチル化、ベンゾイル化、ニトロフェニル化などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。またこれらの置換率は95%以上が好ましく、更に好ましくは99%以上である。またカルボキシル基の疎水化修飾を組み合わせてもよく、メチルエステル化やアミド化などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。カルボキシル基の置換率は50〜90%が好ましく、更に好ましくは70〜90%である。ここで、上記の疎水化修飾の疎水基とは、ゼラチンのアミノ基及び/またはカルボキシル基を置換することによって、疎水性が増す基のことをいう。
【0164】
また、本発明に係るハロゲン化銀粒子乳剤は、ゼラチンの代わりに又はゼラチンとの併用において下記のような水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーを使用して、調製することも、目的によって好ましい。例えば、ハロゲン化銀粒子乳剤を有機溶媒系に均一に分散させて塗布するような場合に、特に好ましい。
【0165】
なお、上記有機溶媒としては、アルコール系、エステル系、ケトン系の化合物が挙げられる。特に、ケトン系有機溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が好ましい。
【0166】
前記水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーとしては、天然ポリマー、合成ポリマー及びコポリマーのいずれであっても良い。例えば、ゼラチン類、ゴム類等を改質して本発明の範疇に属するよう改質したものを用いることもできる。又は、以下の分類に属するポリマーを、凝集防止、均一分散等の目的に適する官能基を導入して用いることが可能である。
【0167】
例えば、本発明に係る上記ポリマーとしては、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸およびアクリル酸エステル)類、ポリ(メチルメタクリル酸およびメタクリル酸エステル)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類等が挙げられる。
【0168】
これらのポリマーは数種類がコポリマーとなっていても良いが、特にアクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル類のモノマーを共重合したポリマーが好ましい。
【0169】
本発明に係る当該ポリマーは、同一の状態で水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーでもよいが、pHの制御や温度の制御で水や有機溶媒に溶解させたり、不溶化したりできるものも含まれる。
【0170】
例えば、カルボキシル基のような酸性基を有するポリマーは、種類によっては解離状態では親水性となるが、pHを下げ非解離状態にすると親油性となり溶剤に可溶にできる。逆にアミノ基を有するポリマーはpHを上げると親油性となり、pHを下げるとイオン化し水溶性が上昇する。
【0171】
ノニオン活性剤では曇点の現象が良く知られているが、温度の上昇で親油性になり有機溶媒に可溶となり、温度の低下で親水性すわなち水に溶解できるような性質を有するポリマーも当該ポリマーに含まれる。完全に溶解しなくともミセルを形成し均一に乳化できれば良い。
【0172】
本発明においては、各種のモノマーを組み合わせるため、一概にどのモノマーをどの程度用いるのが良いかは述べられないが、親水性のモノマーと疎水性のモノマーを適当な割合で組み合わせる事で所望のポリマーが得られることは容易に理解できる。
【0173】
前記水と有機溶剤の両方に溶解するポリマーとしては、前記のごときpH等の溶解時の条件の調整により、或いは未調整でもよいが、水に対して少なくとも1質量%以上(25℃)の溶解度を有し、かつ、有機溶剤としてメチルエチルケトンに5質量%以上(25℃)の溶解度を有するものが好ましい。
【0174】
本発明に係る水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーとしては、溶解性の観点から、直鎖のポリマーよりも、いわゆるブロックポリマー、グラフトポリマー、クシ型ポリマー等が適している。特にクシ型ポリマーは好ましい。なお、ポリマーの等電点は、pH6以下であることが好ましい。
【0175】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料の製造過程においては、上記のハロゲン化銀粒子の凝集防止、均一分散等の目的のために、ハロゲン化銀粒子分散液に界面活性剤、特に、非イオン性界面活性剤を含有させることも好ましい。
【0176】
非イオン性界面活性剤に関しては、一般にGriffin W.C.[J.Soc.Cosm.Chem.,1,311(1949)]によると、分子における親水性基及び親油性基の割合を反映するその「HLB」値で定義される親水性/親油性平衡が、−18〜18、好ましくは−15〜0である非イオン性親水性化合物から選択される。
【0177】
本発明に係る感光性ハロゲン化銀乳剤に用いられる非イオン性界面活性剤としては、下記の一般式(NSA1)、一般式(NSA2)で表される活性剤が好ましい。
【0178】
一般式(NSA1) HO−(EO)a−(AO)b−(EO)c−H
一般式(NSA2) HO−(AO)d−(EO)e−(AO)f−H
式中、EOはオキシエチレン基を表し、AOは炭素数3以上のオキシアルキレン基を表わし、a、b、c、d、e及びfは1以上の数を表す。
【0179】
いずれもプルロニック型非イオン性界面活性剤と呼ばれ、一般式(NSA1)または(NSA2)において、AOが表す炭素数3以上のオキシアルキレン基としては、例えば、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシ長鎖アルキレン基等が挙げられるが、オキシプロピレン基が最も好ましい。
【0180】
また、a、b及びcはそれぞれ1以上の数を表し、d、e及びfはそれぞれ1以上の数を表す。a及びcは好ましくはそれぞれ1〜200、より好ましくはそれぞれ10〜100であり、bは好ましくは1〜300、より好ましくは10〜200である。d及びfは好ましくはそれぞれ1〜100、より好ましくはそれぞれ5〜50であり、eは好ましくは1〜100、より好ましくは2〜50である。
【0181】
本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤には、ヘテロ原子を含む大環状化合物が用いられる。ヘテロ原子を含む大環状化合物は、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子の少なくとも1種を含む9員環以上の大環状化合物である。更に12〜24員環が好ましく、更に好ましいのは15〜21員環である。
【0182】
代表的な化合物としては、クラウンエーテルとして知られている化合物であるが、これらの化合物は、C.J.Pederson,Journal of American Chemical Society Vol,86(2495),7017〜7036(1967)、G.W.Gokel,S.H,Korzeniowski,”Macrocyclic polyethr synthesis”,Springer−Vergal,(1982)、小田、庄野、田伏編“クラウンエーテルの化学”化学同人(1978)、田伏編“ホスト−ゲスト”共立出版(1979)、佐々木、古賀“有機合成化学”Vol45(6),571〜582(1987)等に詳細に書かれている。
【0183】
(化学増感)
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子には、従来、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に関する多くの特許公報等に開示されている化学増感を施すことができる。例えば、特開2003−270755号公報、特開2001−249428号公報及び特開2001−249426号公報に記載されている方法等により、硫黄、セレン、テルル等のカルコゲンを放出する化合物や金イオンなどの貴金属イオンを放出する貴金属化合物の利用により、感光性ハロゲン化銀粒子又は当該粒子上の分光増感色素の光励起によって生じた電子又は正孔(ホール)を捕獲することができる化学増感中心(化学増感核)を形成付与できる。特に、カルコゲン原子を含有する有機増感剤により化学増感されているのが好ましい。
【0184】
これらカルコゲン原子を含有する有機増感剤は、ハロゲン化銀へ吸着可能な基と不安定カルコゲン原子部位を有する化合物であることが好ましい。
【0185】
これらの有機増感剤としては、特開昭60−150046号、特開平4−109240号、同11−218874号、同11−218875号、同11−218876号、同11−194447号公報等に開示されている種々の構造を有する有機増感剤を用いることができるが、それらのうち、カルコゲン原子が炭素原子又はリン原子と二重結合で結ばれている構造を有する化合物の少なくとも1種であることが好ましい。特に、複素環基を有するチオ尿素誘導体及びトリフェニルホスフィンサルファイド誘導体等が好ましい。
【0186】
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子の表面に化学増感を施した場合においては、熱現像過程経過後に該化学増感の効果が実質的に消失することが好ましい。ここで、化学増感の効果が実質的に消失するとは、前記の化学増感技術によって得た当該イメージング材料の感度が熱現像過程経過後に化学増感を施していない場合の感度の1.1倍以下に減少することを言う。なお、化学増感効果を熱現像過程において消失させるためには、熱現像時に、化学増感中心(化学増感核)を酸化反応によって破壊できる酸化剤、例えば、前記のハロゲンラジカル放出性化合物等の適当量を当該イメージング材料の乳剤層又は/及び非感光性層に含有含有させておくことが必要である。当該酸化剤の含有量については、酸化剤の酸化力、化学増感効果の減少幅等を考慮して調整することが好ましい。
【0187】
(分光増感)
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子には、分光増感色素を吸着させ分光増感を施すことが好ましい。分光増感技術については、従来、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に関する多くの特許公報等に開示されているシアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を分光増感色素として用いる技術を使用することができる。
【0188】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料において、好ましく使用することができる分光増感技術の具体例としては、例えば、特開2004−309758号公報に記載されている一般式(1)と一般式(2)で表される増感色素のうちから少なくとも1種を選び使用する分光増感技術に準拠した技術である。
【0189】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料に用いられる感光性ハロゲン化銀粒子、脂肪族カルボン酸銀塩粒子を含有する乳剤は、増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感効果を発現する物質を乳剤中に含ませ、これによりハロゲン化銀粒子が強色増感されていてもよい。
【0190】
有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物質は、RD17643(1978年12月発行)第23頁IVのJ項、あるいは特公平9−25500号、同43−4933号、特開昭59−19032号、同59−192242号、特開平5−341432号等に記載されているが、強色増感剤としては、複素芳香族メルカプト化合物が又はメルカプト誘導体化合物が好ましい。
【0191】
上記の強色増感剤の他に、特開2001−330918号明細書に開示されているヘテロ原子を有する大環状化合物も強色増感剤として使用できる。
【0192】
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子の表面には分光増感色素を吸着せしめ分光増感が施されており、かつ熱現像過程経過後に該分光増感効果が実質的に消失することが好ましい。ここで、分光増感効果が実質的に消失するとは、増感色素、強色増感剤等によって得た当該イメージング材料の感度が熱現像過程経過後に分光増感を施していない場合の感度の1.1倍以下に減少することを言う。
【0193】
なお、分光増感効果を熱現像過程において消失させるためには、熱現像時に、熱によってハロゲン化銀粒子より脱離しやすい分光増感色素を使用する又は/および分光増感色素を酸化反応によって破壊できる酸化剤、例えば、前記のハロゲンラジカル放出性化合物等の適当量を当該イメージング材料の乳剤層又は/及び非感光性層に含有含有させておくことが必要である。当該酸化剤の含有量については、酸化剤の酸化力、分光増感効果の減少幅等を考慮して調整することが好ましい。
【0194】
(バインダー)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、本発明に係る感光性層及び非感光性層に種々の目的でバインダーを含有させることができる。
【0195】
本発明に係る感光性層に含まれるバインダーは、有機銀塩、ハロゲン化銀粒子、還元剤、その他の成分を担持しうるものであり、好適なバインダーは高分子化合物であって、透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマーや合成ポリマー、及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、次のものが挙げられる。
【0196】
ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、澱粉、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリビニルアセタール類(ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール等)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテート、セルロースエステル類、ポリアミド類などがある。バインダーは親水性でも非親水性でもよい。
【0197】
光熱写真材料の感光性層に好ましいバインダーはポリビニルアセタール類であり、特に好ましいバインダーはポリビニルブチラールである。詳しくは後述する。又、上塗り層や下塗り層、特に保護層やバックコート層等の非感光層に対しては、より軟化温度の高いポリマーであるセルロースエステル類、特にトリアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のポリマーが好ましい。尚、必要に応じて、上記のバインダーは2種以上を組み合わせて用い得る。
【0198】
上記のバインダーは、少なくとも2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
【0199】
このようなバインダーは、バインダーとして機能するのに効果的な範囲で用いられる。効果的な範囲は当業者が容易に決定し得る。例えば、感光層において少なくとも脂肪族カルボン酸銀塩を保持する場合の指標としては、バインダーと脂肪族カルボン酸銀塩との割合は15:1〜1:2の範囲が好ましい。即ち、感光層のバインダー量が1.0〜10.0g/m2であることが好ましい。1.0g/m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0200】
感光性層のバインダーとしては100℃以上200℃以下の温度で現像処理した後のガラス転移温度(Tg)が、46〜200℃であることが好ましい。ここでガラス転移温度(Tg)とは、示差走査熱量計(DSC)、例えばEXSTAR 6000(セイコー電子社製)、DSC220C(セイコー電子工業社製)、DSC−7(パーキンエルマー社製)等を用いて、熱現像済みの感光層を単離して測定した際の吸熱ピークを指す。一般的に、高分子化合物はガラス転移温度(Tg)を有している。
【0201】
Tgはブランドラップらによる“重合体ハンドブック”III−139〜179頁(1966年,ワイリー・アンド・サン社版)に記載の方法で求めたものであり、バインダーが共重合体樹脂である場合のTgは下記の式で求められる。
【0202】
Tg(共重合体)(℃)=v1Tg1+v2Tg2+・・・+vnTgn
式中、v1、v2・・・vnは共重合体中の単量体の質量分率を表し、Tg1、Tg2・・・Tgnは、共重合体中の各単量体から得られる単一重合体のTg(℃)を表す。上式に従って計算されたTgの精度は±5℃である。
【0203】
本発明の光熱写真材料において、支持体上に脂肪族カルボン酸銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、還元剤等を含有する感光層に含有するバインダーとしては、従来公知の高分子化合物を用いることができる。
【0204】
本発明においては、少なくとも1種のバインダーのTgは、70〜250℃であることが好ましく、特に好ましくは、70〜120℃である。
【0205】
また、質量平均分子量は10,000〜1,500,000の範囲にあるものが少なくとも2種以上混和されていることが好ましく、特に10,000〜80,000のもの及び/又は300,000〜1,500,000のものが少なくとも1種であることが好ましい。
【0206】
このような素材の具体例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル等のエチレン性不飽和モノマーを構成単位として含む重合体又は共重合体よりなる化合物、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。又、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0207】
これらの樹脂については、朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。これらの高分子化合物に、特に制限はなく、誘導される重合体のガラス転移温度(Tg)が70〜250℃の範囲にあれば、単独重合体でも共重合体でもよい。
【0208】
このようなエチレン性不飽和モノマーを構成単位として含む重合体又は共重合体としては、アクリル酸アルキルエステル類、アクリル酸アリールエステル類、メタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸アリールエステル類、シアノアクリル酸アルキルエステル類、シアノアクリル酸アリールエステル類などを挙げることができ、それらのアルキル基、アリール基は置換されてもされなくてもよく、具体的にはメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ベンジル、クロロベンジル、オクチル、ステアリル、スルホプロピル、N−エチル−フェニルアミノエチル、2−(3−フェニルプロピルオキシ)エチル、ジメチルアミノフェノキシエチル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、フェニル、クレジル、ナフチル、2−ヒドロキシエチル、4−ヒドロキシブチル、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メトキシエチル、3−メトキシブチル、2−アセトキシエチル、2−アセトアセトキシエチル、2−エトキシエチル、2−i−プロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−(2−エトキシエトキシ)エチル、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、2−ジフェニルホスホリルエチル、ω−メトキシポリエチレングリコール(付加モル数n=6)、アリル、ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩などを挙げることができる。
【0209】
その他、下記のモノマー等が使用できる。ビニルエステル類:ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル等;N−置換アクリルアミド類、N−置換メタクリルアミド類及びアクリルアミド、メタクリルアミド:N−置換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、ベンジル、ヒドロキシメチル、メトキシエチル、ジメチルアミノエチル、フェニル、ジメチル、ジエチル、β−シアノエチル、N−(2−アセトアセトキシエチル)、ジアセトン等;オレフィン類:ジシクロペンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等;スチレン類:メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル等;ビニルエーテル類:メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテルなど;N−置換マレイミド類:N−置換基として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、ベンジル、ドデシル、フェニル、2−メチルフェニル、2,6−ジエチルフェニル、2−クロルフェニル等を有するもの等;その他として、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、メチレンマロンニトリル、塩化ビニリデンなどを挙げることができる。
【0210】
これらの内、特に好ましい例としては、メタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸アリールエステル類、スチレン類等が挙げられる。このような高分子化合物の中でも、アセタール基を持つ高分子化合物を用いることが好ましい。アセタール基を持つ高分子化合物では、生成する脂肪族カルボン酸との相溶性に優れるため膜の柔軟化を防ぐ効果が大きく好ましい。
【0211】
本発明で用いることのできるポリウレタン樹脂としては、構造がポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示した全てのポリウレタンについて、必要に応じ、−COOM、−SO3M、−OSO3M、−P=O(OM)2、−O−P=O(OM)2(Mは水素原子又はアルカリ金属塩基を表す)、−N(R542、−N+(R543(R54は炭化水素基を表し、複数のR54は同じでも異なってもよい)、エポキシ基、−SH、−CN等から選ばれる少なくとも一つ以上の極性基を共重合又は付加反応で導入したものを用いることが好ましい。このような極性基の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。これら極性基以外に、ポリウレタン分子末端に少なくとも1個ずつ、合計2個以上のヒドロキシル基を有することが好ましい。ヒドロキシル基は硬化剤であるポリイソシアネートと架橋して3次元の網状構造を形成するので、分子中に多数含むほど好ましい。特に、ヒドロキシル基が分子末端にある方が、硬化剤との反応性が高いので好ましい。ポリウレタンは、分子末端にヒドロキシル基を3個以上有することが好ましく、4個以上有することが特に好ましい。ポリウレタンを用いる場合は、ガラス転移温度が70〜105℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.5〜100N/mm2が好ましい。
【0212】
本発明に係る感光性層には上記ポリマーを主バインダーとして用いることが好ましい。ここで言う主バインダーとは「感光性銀塩含有層の全バインダーの50質量%以上を上記ポリマーが占めている状態」を言う。従って、全バインダーの50質量%未満の範囲で他のポリマーをブレンドして用いてもよい。これらのポリマーとしては、本発明のポリマーが可溶となる溶媒であれば、特に制限はない。より好ましくはポリ酢酸ビニル、ポリアクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
【0213】
上記バインダーに対し架橋剤を用いることにより膜付きが良くなり、現像ムラが少なくなることは知られている。
【0214】
(架橋剤)
本発明において用いられる架橋剤としては、従来ハロゲン化銀写真感光材料用として使用されている種々の架橋剤、例えば特開昭50−96216号に記載されているアルデヒド系、エポキシ系、エチレンイミン系、イソシアネート系、ビニルスルホン系、スルホン酸エステル系、アクリロイル系、カルボジイミド系、シラン化合物系架橋剤を用い得るが、本発明においては架橋剤の少なくとも1種が多官能カルボジイミド系化合物であることが好ましい。
【0215】
該カルボジイミド系架橋剤は、カルボジイミド基を少なくとも2個有している化合物及びその付加体(アダクト体)であり、より具体的には、脂肪族ジカルボジイミド類、環状基を有する脂肪族ジカルボジイミド類、ベンゼンジカルボジイミド類、ナフタレンジカルボジイミド類、ビフェニルカルボジイミド類、ジフェニルメタンジカルボジイミド類、トリフェニルメタンジカルボジイミド類、トリカルボジイミド類、テトラカルボジイミド類、及び、これらのカルボジイミド類の付加体及びこれらのカルボジイミド類と2価又は3価のポリアルコール類との付加体が挙げられる。このようなカルボジイミド類は、それぞれ対応するイソシアネート類を燐触媒、例えばホスホレン化合物の存在下で第1級アミンと反応させることによって生成することができる。
【0216】
多官能カルボジイミド化合物とは、分子構造中に2個以上のカルボジイミド基又はカルボジチオイミド基を有する化合物である。更に好ましくは、多官能芳香族カルボジイミド化合物であり、分子構造中に、カルボジイミド基と芳香族基を有する化合物である。
【0217】
一般式(CI)
1−J1−N=C=N−J2−(L)n−(J3−N=C=N−J4−R2v
多官能カルボジイミド化合物としては、2官能以上カルボジイミド基を持っているものであれば何れも好ましく用いることができるが、特に好ましくは、前記一般式(CI)の構造を持つ化合物である。
【0218】
一般式(CI)中、R1,R2で表されるアルキル基、アリール基としては、例えばアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基等であり、アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレン等の残基であり、複素環基としては、フラン、チオフェン、ジオキサン、ピリジン、ピペラジン、モルホリン等の残基であり、これらの基が連結基により結合された基であってもよい。
【0219】
1,J4で表される連結基としては、単なる結合手でも、炭素原子を含んでもよい、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、燐原子等から形成される連結基を表し、例えばO、S、NH、CO、COO、SO、SO2、NHCO、NHCONH、PO、PS等である。J2,J3で表されるアルキレン基もしくはアリーレン基としては、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン等のアルキレン基;フェニレン、トリレン、ナフタレン等のアリーレン基である。
【0220】
Lで表される(v+1)価のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル等であり、アルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブタジエン、ペンタジエン等であり、アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレン等の残基であり、複素環基としては、フラン、チオフェン、ジオキサン、ピリジン、ピペラジン、モルホリン等の残基であり、これらの基が連結基により結合された基でもよい。連結基としては、単なる結合手でも、炭素原子を含んでもよい、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、燐原子等から形成される連結基を表し、例えばO、S、NH、CO、SO、SO2、NHCO、NHCONH、PO、PS等である。vで表される1以上の整数としては、好ましくは1〜6の整数であり、更に好ましく1、2又は3である。
【0221】
多官能カルボジイミド架橋剤は、光熱写真材料のどの部分に加えられてもよい。例えば、支持体(特に支持体が紙の場合、そのサイズ組成中に含ませることができる)、感光性層、表面保護層、中間層、アンチハレーション層、下引層等の支持体の感光層側の任意の層に添加でき、これらの層の中の1層以上に添加することができる。
【0222】
上記架橋剤の使用量は、銀1モルに対して0.001〜2モル、好ましくは0.005〜1モルの範囲である。この範囲にあれば2種以上を併用してもよい。
【0223】
架橋剤として使用できるシラン化合物例としては、特開2001−264930に記載される一般式(1)又は一般式(2)で表せる化合物が挙げられる。
【0224】
架橋剤として用いることができるエポキシ化合物としては、エポキシ基を1個以上有するものであればよく、エポキシ基の数、分子量、その他に制限はない。エポキシ基はエーテル結合やイミノ結合を介してグリシジル基として分子内に含有されることが好ましい。又、エポキシ化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の何れであってもよく、分子内に存在するエポキシ基の数は通常1〜10個程度、好ましくは2〜4個である。エポキシ化合物がポリマーである場合は、ホモポリマー、コポリマーの何れであってもよく、その数平均分子量Mnの特に好ましい範囲は2000〜20000程度である。
【0225】
エポキシ化合物としては特開2003−75953に記載の一般式〔9〕で表される化合物が好ましい。
【0226】
酸無水物は下記の構造式で示される酸無水物基を少なくとも1個有する化合物である。
【0227】
−CO−O−CO−
酸無水物はこのような酸無水基を1個以上有するものであればよく、酸無水基の数、分子量、その他に制限はないが、特開2003−75953に記載の一般式〔B〕で表される化合物が好ましい。
【0228】
(省銀化剤)
本発明に係る感光性層又は非感光性層には、省銀化剤を含有させることができる。ここでいう、省銀化剤とは、一定の銀画像濃度を得るために必要な銀量を低減化し得る化合物をいう。
【0229】
この必要な銀量を低減化する機能の作用機構は種々考えられるが、現像銀の被覆力を向上させる機能を有する化合物が好ましい。ここで、現像銀の被覆力とは、銀の単位量当たりの光学濃度をいう。この省銀化剤は感光性層又は非感光性層、更にはそのいずれにも存在せしめることができる。省銀化剤としては、ヒドラジン誘導体化合物、ビニル化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体、4級オニウム化合物及びシラン化合物が好ましい例として挙げられる。具体例としては、特開2003−270755号公報の段落「0195」〜「0235」に開示されている省銀化剤が挙げられる。
【0230】
本発明に係る省銀化剤として、特に好ましい省銀化剤は、下記一般式(SE1)および(SE2)で表される化合物である。
【0231】
一般式(SE1)
1−NHNH−Q2
式中、Q1は炭素原子部位で−NHNH−Q2と結合する芳香族基、またはヘテロ環基を表し、Q2はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、またはスルファモイル基を表す。
【0232】
【化25】


【0233】
式中、R1はアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基を表す。R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、炭酸エステル基を表す。R3、R4はそれぞれベンゼン環に置換可能な基を表す。R3とR4は互いに連結して縮合環を形成してもよい。
【0234】
一般式(SE2)においてR3とR4が互いに連結して縮合環を形成する場合、縮合環としてはナフタレン環が特に好ましい。一般式(SE2)がナフトール系の化合物であるとき、R1はカルバモイル基であることが好ましい。その中でもベンゾイル基であることが特に好ましい。R2はアルコキシ基、アリールオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
【0235】
(熱溶剤)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料には熱溶剤が含まれていることが好ましい。ここで、熱溶剤とは、熱溶剤含有銀塩光熱写真ドライイメージング材料に対して、熱溶剤を含まない銀塩光熱写真ドライイメージング材料に比べて熱現像温度を1℃以上低くすることができる素材と定義する。さらに好ましくは、2℃以上熱現像温度を低くできる素材であり、特に好ましくは3℃以上低くできる素材である。例えば、熱溶剤を含む光熱写真ドライイメージング材料Aに対して、光熱写真ドライイメージング材料Aから熱溶剤を含まない光熱写真ドライイメージング材料をBとした時に、光熱写真ドライイメージング材料Bを露光し熱現像温度120℃、熱現像時間20秒で処理して得られる濃度を、光熱写真ドライイメージング材料Aで同一露光量、熱現像時間で得るための熱現像温度が119℃以下になる場合を熱溶剤とする。
【0236】
熱溶剤は極性基を置換基として有しており、一般式(TS)で表されるのが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0237】
一般式(TS)
(Y)n
一般式(TS)において、Yはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。Zはヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基、リン酸アミド基、シアノ基、イミド、ウレイド、スルホキシド、スルホン、ホスフィン、ホスフィンオキシドまたは含窒素複素環基から選ばれる基を表す。nは1ないし3の整数を表し、Zが1価の基である場合には1、Zが2価以上の基である場合にはZの価数と同一である。nが2以上の場合、複数のYは同一であっても異なっていても良い。
【0238】
Yは更に置換基を有していても良く、置換基としてZで表される基を有していても良い。Yについてさらに詳しく説明する。一般式(TS)において、Yは直鎖、分岐または環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜40、より好ましくは1〜30、特に好ましくは1〜25であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、t−ブチル、t−オクチル、n−アミル、t−アミル、n−ドデシル、n−トリデシル、オクタデシル、イコシル、ドコシル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜40、より好ましくは2〜30、特に好ましくは2〜25であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜40、より好ましくは6〜30、特に好ましくは6〜25であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、複素環基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えば、ピリジル、ピラジル、イミダゾイル、ピロリジルなどが挙げられる。)を表す。これらの置換基はさらに他の置換基で置換されていても良い。また、これらの置換基は互いに結合して、環を形成していても良い。
【0239】
Yは更に置換基を有していても良く、置換基の例としては、特開2004−21068号公報の「0015」に記載の置換基が挙げられる。熱溶剤を使用することにより現像活性となる理由としては、熱溶剤が現像温度付近で溶融することにより現像に関与する物質と相溶し、熱溶剤を添加しないときよりも低い温度での反応を可能としているためと考えられる。熱現像は、比較的極性の高いカルボン酸や銀イオン輸送体が関与している還元反応であるため、極性基を有している熱溶剤により適度の極性を有する反応場を形成することが好ましい。
【0240】
本発明に好ましく用いられる熱溶剤の融点は50℃以上200℃以下であるが、より好ましくは60℃以上150℃以下である。特に、本発明の目的であるような、画像保存性などの外的環境に対しての安定性を重視した熱現像感光材料では、融点が100℃以上150℃以下の熱溶剤が好ましい。
【0241】
熱溶剤の具体例としては特開2004−21068号公報の「0017」に記載される化合物、米国公開特許US2002/0025498号公報の「0027」に記載の化合物、MF−1〜MF−3、MF6、MF−7、MF−9〜MF−12、MF−15〜MF−22をあげることができる。
【0242】
本発明において熱溶剤の添加量は0.01〜5.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.05〜2.5g/m2で、さらに好ましくは0.1〜1.5g/m2である。熱溶剤は感光性層に含有させることが好ましい。また、上記熱溶剤は単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明において熱溶剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
【0243】
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
【0244】
また、固体微粒子分散法としては、熱溶剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm〜1000ppmの範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
【0245】
(カブリ防止剤・画像安定化剤)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料のいずれかの構成層には、熱現像前の保存時におけるカブリ発生を防止するためのカブリ防止剤、及び熱現像後における画像の劣化を防止するための画像安定化剤を含有させておくことが好ましい。
【0246】
本発明に係る銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、当該イメージング材料に関する多くの特許公報等に開示されているカブリ防止及び画像安定化剤を使用することができる。
【0247】
本発明に係る還元剤として、主にビスフェノール類やスルホンアミドフェノール類のようなプロトンを持った還元剤が用いられているので、これらの水素を安定化し還元剤を不活性化し、銀イオンを還元する反応を防止防止できる化合物が含有されていることが好ましい。また、生フィルムや画像の保存時に生成する銀原子ないし金属銀銀(銀クラスター)を酸化漂白できる化合物が含有されていることが好ましい。
【0248】
これらの機能を有する化合物の具体例としては、例えば、特開2003−270755号公報の段落「0096」〜「0128」に記載されているビイミダゾリル化合物、ヨードニウム化号物及びハロゲン原子を活性種として放出できる化合、特開2003−91054号に開示されているようなハロゲンラジカル放出基を有するモノマーの繰り返し単位を少なくとも1つ有するポリマー、特開平6−208192号公報の段落「0013」に記載のビニルスルホン類及び/又はβ−ハロスルホン類、及び、特願2004−234206号に記載されている電子吸引基を有するビニル型抑制剤等の種々なカブリ防止及び画像安定化剤等が挙げられる。
【0249】
(調色剤)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、熱現像処理にて写真画像を形成するもので、必要に応じて銀の色調を調整する調色剤(トナー)を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有していることが好ましい。
【0250】
本発明に用いられる好適な調色剤の例は、RD17029号、米国特許第4,123,282号、同3,994,732号、同3,846,136号及び同4,021,249号の各明細書に開示されており、例えば、次のものがある。
【0251】
イミド類(例えば、スクシンイミド、フタルイミド、ナフタールイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミド);メルカプタン類(例えば、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);フタラジノン誘導体またはこれらの誘導体の金属塩(例えば、フタラジノン、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジンとフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸)の組合せ;フタラジンとマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸またはo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1つの化合物との組合せ等が挙げられる。特に好ましい調色剤としてはフタラジノンまたはフタラジンとフタル酸類、フタル酸無水物類の組合せである。
【0252】
(フッ素系界面活性剤)
本発明ではレーザイメージャー(熱現像処理装置)でのフィルム搬送性や環境適性(生体内への蓄積性)を改良するために下記一般式(SF)で表されるフッ素系界面活性剤が好ましく用いられる。
【0253】
一般式(SF)
(Rf−(L)n−)p−(Y)m−(A)
〔式中、Rfはフッ素原子を含有する置換基を表し、Lはフッ素原子を有しない2価の連結基を表し、Yはフッ素原子を有さない(p+q)価の連結基を表し、Aはアニオン基またはその塩を表し、n、mは各々0または1の整数を表し、pは1〜3の整数を表し、qは1〜3の整数を表す。但し、qが1の時はnとmは同時に0ではない。〕
前記一般式(SF)において、Rfはフッ素原子を含有する置換基を表すが、該フッ素原子を含有する置換基としては例えば、炭素数1〜25のフッ化アルキル基(例えば、トリフロロメチル基、トリフロロエチル基、パーフロロエチル基、パーフロロブチル基、パーフロロオクチル基、パーフロロドデシル基及びパーフロロオクタデシル基等)またはフッ化アルケニル基(例えば、パーフロロプロペニル基、パーフロロブテニル基、パーフロロノネニル基及びパーフロロドデセニル基等)等が挙げられる。Rfは炭素数2〜8であることが好ましく、より好ましくは炭素数が2〜6である。またRfはフッ素原子数2〜12であることが好ましく、より好ましくはフッ素原子数が3〜12である。
【0254】
Lはフッ素原子を有さない2価の連結基を表すが、当該フッ素原子を有さない2価の連結基としては例えば、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等)、アルキレンオキシ基(メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、ブチレンオキシ基等)、オキシアルキレン基(例えば、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシブチレン基等)、オキシアルキレンオキシ基(例えば、オキシメチレンオキシ基、オキシエチレンオキシ基、オキシエチレンオキシエチレンオキシ基等)、フェニレン基、オキシフェニレン基、フェニルオキシ基、オキシフェニルオキシ基またはこれらの基を組合せた基等が挙げられる。
【0255】
Aはアニオン基またはその塩を表すが、例えば、カルボン酸基またはその塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩)、スルホン酸基またはその塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩)、硫酸ハーフエステル基またはその塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩)、及び燐酸基またはその塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)等が挙げられる。
【0256】
Yはフッ素原子を有さない(p+q)価の連結基を表すが、例えば、フッ素原子を有さない3価または4価の連結基としては、窒素原子または炭素原子を中心にして構成される原子群が挙げられる。n1は0または1の整数を表すが、1であるのが好ましい。
【0257】
一般式(SF)で表されるフッ素系界面活性剤は、フッ素原子を導入した炭素数1〜25のアルキル化合物(例えば、トリフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、パーフロロブチル基、パーフロロオクチル基及びパーフロロオクタデシル基等を有する化合物)及びアルケニル化合物(例えば、パーフロロヘキセニル基及びパーフロロノネニル基等)と、それぞれフッ素原子を導入していない3価〜6価のアルカノール化合物、水酸基を3〜4個有する芳香族化合物またはヘテロ化合物との付加反応や縮合反応によって得られた化合物(一部Rf化されたアルカノール化合物)に、更に例えば硫酸エステル化等によりアニオン基(A)を導入することにより得ることができる。
【0258】
上記3〜6価のアルカノール化合物としては、グリセリン、ペンタエリスリトール、2−メチル−2−ヒドロキシメチル1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンテン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ブタノール)−3、脂肪族トリオール、テトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール等が挙げられる。
【0259】
また、上記水酸基を3〜4個有する芳香族化合物及びへテロ化合物としては、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン及び2,4,6−トリヒドロキシピリジン等が挙げられる。
【0260】
本発明の一般式(SF)で表されるフッ素系界面活性剤を塗布液に添加する方法としては公知の添加法に従って添加することができる。即ち、メタノールやエタノール等のアルコール類、メチルエチルケトンやアセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド等の極性溶媒等に溶解して添加することができる。また、サンドミル分散やジェットミル分散、超音波分散やホモジナイザ分散により1μm以下の微粒子にして水や有機溶媒に分散して添加することもできる。微粒子分散技術については多くの技術が開示されているが、これらに準じて分散することができる。一般式(SF)で表されるフッ素系界面活性剤は、最外層の保護層に添加することが好ましい。
【0261】
本発明の一般式(SF)で表されるフッ素系界面活性剤の添加量は1m2当たり1×10-8〜1×10-1モルが好ましく、1×10-5〜1×10-2モルが特に好ましい。前者の範囲未満では、帯電特性が得られないことがあり、前者の範囲を越えると、湿度依存性が大きく高湿下の保存性が劣化することがある。
【0262】
(表面層・表面物性調整剤等)
銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、塗布、乾燥、加工などの製造工程等における当該感光材料の巻き取り、巻き返し、搬送の際に種々の装置と当該光熱写真ドライイメージング材料との接触、または感光性層側表面とバッキング面との間におけるような当該光熱写真ドライイメージング材料どうしの接触によって好ましからざる影響を受けることが多い。例えば、当該感光材料表面の引っ掻き傷や滑り傷の発生や、現像装置等の中での当該感光材料の搬送性の劣化等である。
【0263】
したがって、本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、上記の表面の傷や搬送性劣化を防止するために、当該材料の構成層のうちのいずれかの構成層、特に、支持体上の最外層に潤滑剤、マット剤等を含有させ、当該材料の表面の物性を調整することが好ましい。
【0264】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、支持体上の最外層に平均粒径1μm〜30μmの有機固体潤滑剤粒子を含有し、この有機固体潤滑剤粒子が高分子分散剤によって分散されていることがこのましい。また、当該有機固体潤滑剤粒子の融点は、熱現像処理温度よりも高いことがより好ましく、80℃以上、より好ましくは110℃以上である。
【0265】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料において用いる有機固体潤滑剤粒子としては、表面のエネルギーを下げる化合物が好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、およびこれらの共重合体などを粉砕して形成した粒子などが挙げることができる。
【0266】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、有機固体潤滑剤粒子として、特に、下記一般式(OL1)で表される化合物であることが好ましい。
【0267】
一般式(OL1)
(R1p−X1−L−X2−(R2q
式中R1、R2は各々炭素数6〜60の置換もしくは無置換アルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基であり、p又はqが2以上である場合、複数存在するR1およびR2は互いに同一でも相違していても良い。X1、X2は各々窒素原子を含む2価の連結基を示す。Lは置換もしくは無置換のp+q価のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、またはアリール基を示す。
【0268】
本発明の感光材料においては、支持体上の少なくとも1層が前記一般式(1)で表される化合物を含有し、かつ非イオン性含フッ素界面活性剤とアニオン性含フッ素界面活性剤とを含有することが好ましい。
【0269】
本発明で用いることのできる非イオン性含フッ素界面活性剤としては、特に制限はないが、下記一般式(SA)で表される化合物が好ましい。
【0270】
一般式(SA)
Rf1−(AO)n−Rf2
式中、Rf1及びRf2はフッ素含有脂肪族基を表し、同じでも異なってもよい。AOは少なくとも一つのアルキレンオキシ基を有する基を表し、nは1〜30の整数を表す。
【0271】
(染料、顔料)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料においては、感光性層を透過する光の量または波長分布を制御するために感光性層と同じ側または反対の側にフィルター層を形成するか、感光性層に染料又は顔料を含有させることが好ましい。
【0272】
用いられる染料としては、感光材料の感色性に応じて種々の波長領域の光を吸収する公知の化合物が使用できる。
【0273】
例えば、本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料材料を赤外光による画像記録材料とする場合には、特開2001−83655号に開示されているようなチオピリリウム核を有するスクアリリウム染料(本明細書ではチオピリリウムスクアリリウム染料と呼ぶ)及びピリリウム核を有するスクアリリウム染料(本明細書ではピリリウムスクアリリウム染料と呼ぶ)、又スクアリリウム染料に類似したチオピリリウムクロコニウム染料、又はピリリウムクロコニウム染料を使用することが好ましい。
【0274】
尚、スクアリリウム核を有する化合物とは、分子構造中に1−シクロブテン−2−ヒドロキシ−4−オンを有する化合物であり、クロコニウム核を有する化合物とは分子構造中に1−シクロペンテン−2−ヒドロキシ−4,5−ジオンを有する化合物である。ここで、ヒドロキシル基は解離していてもよい。以下本明細書ではこれらの色素を便宜的に一括してスクアリリウム染料とよぶ。尚、染料としては特開平8−201959号の化合物も好ましい。
【0275】
(支持体)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料に用いる支持体の素材としては、各種高分子材料、ガラス、ウール布、コットン布、紙、金属(アルミニウム等)等が挙げられるが、情報記録材料としての取扱い上は、可撓性のあるシート又はロールに加工できるものが好適である。従って、本発明の光熱写真ドライイメージング材料における支持体としては、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、セルローストリアセテートフィルム(TAC)又はポリカーボネート(PC)フィルム等のプラスチックフィルムが好ましく、特に2軸延伸したPETフィルムが特に好ましい。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。
【0276】
帯電性を改良するために金属酸化物及び/又は導電性ポリマー等の導電性化合物を構成層中に含ませることができる。これらは何れの層に含有させてもよいが、好ましくはバッキング層又は感光性層側の表面保護層、下引層等に含まれる。米国特許5,244,773号のカラム14〜20に記載された導電性化合物等が好ましく用いられる。中でも、本発明では、バッキング層側の表面保護層に導電性金属酸化物を含有することが好ましい。
【0277】
ここで、導電性金属酸化物とは、結晶性の金属酸化物粒子であり、酸素欠陥を含むもの及び用いられる金属酸化物に対してドナーを形成する異種原子を少量含むもの等は、一般的に言って導電性が高いので特に好ましく、特に後者はハロゲン化銀乳剤にカブリを与えないので特に好ましい。金属酸化物の例としてZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3、V25等、又はこれらの複合酸化物がよく、特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、又、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜30モル%の範囲が好ましいが、0.1〜10モル%であれば特に好ましい。更に又、微粒子分散性、透明性改良のために、微粒子作製時に珪素化合物を添加してもよい。
【0278】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料に用いられる金属酸化物微粒子は導電性を有しており、その体積抵抗率は107Ω・cm以下、特に105Ω・cm以下である。これらの酸化物については特開昭56−143431号、同56−120519号、同58−62647号等に記載されている。更に又、特公昭59−6235号に記載の如く、他の結晶性金属酸化物粒子あるいは繊維状物(酸化チタン等)に上記の金属酸化物を付着させた導電性素材を使用してもよい。
【0279】
利用できる粒子サイズは1μm以下が好ましいが、0.5μm以下であると分散後の安定性が良く使用し易い。又、光散乱性をできるだけ小さくするために、0.3μm以下の導電性粒子を利用すると、透明感光材料を形成することが可能となり大変好ましい。又、導電性金属酸化物が針状あるいは繊維状の場合は、その長さは30μm以下で直径が1μm以下が好ましく、特に好ましいのは長さが10μm以下で直径0.3μm以下であり、長さ/直径比が3以上である。尚、SnO2としては、石原産業社より市販されており、SNS10M、SN−100P、SN−100D、FSS10M等を用いることができる。
【0280】
(構成層)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、支持体上に少なくとも1層の画像形成層である感光性層を有している。支持体上に感光性層のみを形成してもよいが、感光性層の上に少なくとも1層の非感光層を形成することが好ましい。例えば、感光性層の上には保護層が、感光性層を保護する目的で設けられることが好ましく、又、支持体の反対の面には、感光材料間の、あるいは感光材料ロールにおける「くっつき」を防止するために、バックコート層が設けられる。
【0281】
これらの保護層やバックコート層に用いるバインダーとしては、感光性層よりもガラス転位点(Tg)が高く、擦傷や、変形の生じ難いポリマー、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のポリマーが、前記のバインダーの中から選ばれる。
【0282】
尚、階調調整等のために、感光性層を支持体の一方の側に2層以上又は支持体の両側に1層以上設置してもよい。
【0283】
(構成層の塗布)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、上述した各構成層の素材を溶媒に溶解または分散させた塗布液を作り、それら塗布液を複数同時に重層塗布した後、加熱処理を行って形成されることが好ましい。ここで「複数同時に重層塗布」とは、各構成層(例えば、感光性層、保護層)の塗布液を作製し、これを支持体へ塗布する際に各層個別に塗布、乾燥の繰り返しをするのではなく、同時に重層塗布を行い乾燥する工程も同時に行える状態で各構成層を形成しうることを意味する。即ち、下層中の全溶剤の残存量が70質量%以下(より好ましくは90質量%以下)となる前に、上層を設けることである。
【0284】
各構成層を複数同時に重層塗布する方法には特に制限はなく、例えば、バーコーター法、カーテンコート法、浸漬法、エアーナイフ法、ホッパー塗布法、リバースロール塗布法、グラビア塗布法、エクストリュージョン塗布法等の公知の方法を用いることができる。
【0285】
上記の各種方法のうち、より好ましくはスライド塗布法、エクストリュージョン塗布法である。これらの塗布方法は感光性層を有する側について述べたが、バック層を設ける際、下引きと共に塗布する場合についても同様である。光熱写真ドライイメージング材料における同時重層塗布方法に関しては、特開2000−15173号公報に詳細な記載がある。
【0286】
尚、本発明において、塗布銀量は銀塩光熱写真ドライイメージング材料の目的に応じた適量を選ぶことが好ましいが、医療用画像を目的とする場合には、0.3g/m2以上、1.5g/m2以下が好ましく、0.5g/m2以上、1.5g/m2以下がより好ましい。当該塗布銀量のうち、ハロゲン化銀に由来するものは全銀量に対して2〜18%を占めることが好ましい、更には5〜15%が好ましい。
【0287】
また、本発明において、0.01μm以上(球相当換算粒径)のハロゲン化銀粒子の塗布密度は1×1014個/m2以上、1×1018個/m2以下が好ましい。更には1×1015個/m2以上、1×1017個/m2以下が好ましい。
【0288】
更に、前記の非感光性長鎖脂肪族カルボン酸銀の塗布密度は、0.01μm以上(球相当換算粒径)のハロゲン化銀粒子1個当たり、1×10-17g以上、1×10-14g以下が好ましく、1×10-16g以上、1×10-15g以下がより好ましい。
【0289】
上記のような範囲内の条件において塗布した場合には、一定塗布銀量当たりの銀画像の光学的最高濃度、即ち銀被覆量(カバーリング・パワー)及び銀画像の色調等の観点から好ましい結果が得られる。
【0290】
本発明においては、銀塩光熱写真ドライイメージング材料が現像時に溶剤を5〜1,000mg/m2の範囲で含有していることが好ましい。10〜150mg/m2であるように調整することがより好ましい。それにより、高感度、低カブリ、最高濃度の高い熱現像感光材料となる。溶剤としては、特開2001−264930号公報の段落「0030」に記載のものが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。また、これらの溶剤は単独または数種類組合せて用いることができる。
【0291】
尚、熱現像感光材料中の上記溶剤の含有量は塗布工程後の乾燥工程等における温度条件等の条件変化によって調整できる。また、当該溶剤の含有量は、含有させた溶剤を検出するために適した条件下におけるガスクロマトグラフィーで測定できる。
【0292】
(包装体)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料を保存する場合は、経時での濃度変化やカブリ発生を防止するため、もしくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率及び/または水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50ml/atm・m2・day(なお、1atmは1.01325×105Paである)以下であることが好ましく、より好ましくは10ml/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1.0ml/atm・m2・day以下である。水分透過率は0.01g/m2・40℃・相対湿度90%RH・day以下(JIS Z0208カップ法による。)であることが好ましく、より好ましくは0.005g/m2・40℃・相対湿度90%RH・day以下、さらに好ましくは0.001g/m2・40℃・相対湿度90%RH・day以下である。
【0293】
銀塩光熱写真ドライイメージング材料用の包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号、特開2000−206653号、特開2000−235241号、特開2002−062625号、特開2003−015261号、特開2003−057790号、特開2003−084397号、特開2003−098648号、特開2003−098635号、特開2003−107635号、特開2003−131337号、特開2003−146330号、特開2003−226439、特開2003−228152号公報明細書に記載されている包装材料である。また包装体内の空隙率は0.01〜10%、好ましくは0.02〜5%とするのがよく、窒素封入を行って包装体内の窒素分圧を80%以上、好ましくは90%以上とするのがよい。また包装体内の相対湿度は10%以上60%以下、好ましくは40%以上、55%以下とするのが良い。
【0294】
また、断裁工程や包装工程においては、擦り傷や白ヌケ等の画像欠陥を防止するために、例えば特開2004−341145号公報に示されているようにクリーン度が米国連邦基準209dクラス10,000以下の環境下で作業を行うことが好ましい。
【0295】
(露光条件)
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料の露光に用いられる露光、あるいは、本発明の画像形成方法における露光については、目的とする適切な画像を得るために適した光源、露光時間等に関し、種々の条件を採用することができる。
【0296】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、画像記録する際にレーザ光線を用いるのが好ましい。また、本発明においては、当該感光材料に付与した感色性に対し適切な光源を用いることが望ましい。例えば当該感光材料を赤外光に感じ得るものとした場合は、赤外光域ならば如何なる光源にも適用可能であるが、レーザパワーがハイパワーであることや、銀塩光熱写真ドライイメージング材料を透明にできる等の点から、赤外半導体レーザ(780nm、820nm)がより好ましく用いられる。
【0297】
また特に本発明の光熱写真ドライイメージング材料は、好ましくは光量が1mW/mm2以上の高照度の光で短時間露光されることでその特性を発揮する。ここでの照度は熱現像後の感光材料が3.0の光学濃度がでるときの照度を言う。このような高照度で露光を行うと必要な光学濃度を得るために必要な光量(=照度*露光時間)が少なくてすみ、高感度システムを設計できる。より好ましくはその光量は2mW/mm2以上50W/mm2以下であり、さらに好ましくは10mW/mm2以上50W/mm2以下である。
【0298】
上記のような光源であればどのようなものでも構わないが、レーザであることによって好ましく達成できる。本発明の感光材料にこのましく用いられるレーザとしては、ガスレーザ(Ar+、Kr+、He−Ne)、YAGレーザ、色素レーザ、半導体レーザなどが好ましい。また、半導体レーザと第2高調波発生素子などを用いることもできる。また青〜紫発光の半導体レーザ(波長350nm〜440nmにピーク強度を持つもの等)を用いることができる。青〜紫発光の高出力半導体レーザとしては日亜化学のNLHV3000E半導体レーザを挙げることができる。
【0299】
本発明において、露光はレーザ走査露光により行うことが好ましいが、その露光方法には種々の方法が採用できる。例えば、第1の好ましい方法として、感光材料の露光面と走査レーザ光の為す角が実質的に垂直になることがないレーザ走査露光機を用いる方法が挙げられる。
【0300】
ここで、「実質的に垂直になることがない」とは、レーザ光走査中に最も垂直に近い角度として好ましくは55〜88度、より好ましくは60〜86度、更に好ましくは65〜84度、最も好ましくは70〜82度であることを言う。
【0301】
レーザ光が感光材料に走査される時の、感光材料露光面でのビームスポット直径は好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。これは、スポット径が小さい方が、レーザ光入射角度の垂直からの「ずらし角度」を減らせる点で好ましい。尚、ビームスポット直径の下限は10μmである。この様なレーザ走査露光を行うことにより、干渉縞様のムラの発生等のような反射光に係る画質劣化を減じることができる。
【0302】
又、第2の方法として、露光は縦マルチである走査レーザ光を発するレーザ走査露光機を用いて行うことも好ましい。縦単一モードの走査レーザ光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。縦マルチ化するには、合波による、戻り光を利用する、高周波重畳を掛ける、等の方法がよい。尚、縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味し、通常、露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に制限はないが、通常60nm程度である。
【0303】
更に、第3の態様としては、2本以上のレーザ光を用いて、走査露光により画像を形成することも好ましい。この様な複数本のレーザ光を利用した画像記録方法としては、高解像度化、高速化の要求から1回の走査で複数ラインずつ画像を書き込むレーザプリンタやデジタル複写機の画像書込み手段で使用されている技術であり、例えば特開昭60−166916号等により知られている。これは、光源ユニットから放射されたレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、fθレンズ等を介して感光体上に結像する方法であり、これはレーザイメージャー等と原理的に同じレーザ走査光学装置である。
【0304】
レーザプリンタやデジタル複写機の画像書込み手段における感光体上へのレーザ光の結像は、1回の走査で複数ラインずつ画像を書き込むという用途から、一つのレーザ光の結像位置から1ライン分ずらして次のレーザ光が結像されている。具体的には、二つの光ビームは、互いに副走査方向に像面上で数10μmオーダーの間隔で近接しており、印字密度が400dpi(dpiとは、1インチ=2.54cm当たりのドット数を表す)で2ビームの副走査方向ピッチは63.5μm、600dpiで42.3μmである。この様な、副走査方向に解像度分ずらした方法とは異なり、本発明では同一の場所に2本以上のレーザを入射角を変え露光面に集光させ画像形成することが好ましい。この際、通常の1本のレーザ光(波長λ[nm])で書き込む場合の露光面での露光エネルギーがEであり、露光に使用するN本のレーザ光線が同一波長(波長λ[nm])、同一露光エネルギー(En)である場合に、0.9×E≦En×N≦1.1×Eの範囲にするのが好ましい。この様にすることにより、露光面ではエネルギーは確保されるが、それぞれのレーザ光線の画像形成層への反射は、レーザの露光エネルギーが低いため低減され、ひいては干渉縞の発生が抑えられる。
【0305】
尚、上述では複数本のレーザ光の波長をλと同一のものを使用したが、波長の異なるものを用いてもよい。この場合には、λ[nm]に対して(λ−30)<λ1、λ2、・・・・・λn≦(λ+30)の範囲にするのが好ましい。
【0306】
尚、上述した第1、第2及び第3の態様の画像記録方法において、走査露光に用いるレーザとしては、一般によく知られている、ルビーレーザ、YAGレーザ、ガラスレーザ等の固体レーザ;He−Neレーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、CO2レーザ、COレーザ、He−Cdレーザ、N2レーザ、エキシマーレーザ等の気体レーザ;InGaPレーザ、AlGaAsレーザ、GaAsPレーザ、InGaAsレーザ、InAsPレーザ、CdSnP2レーザ、GaSbレーザ等の半導体レーザ;化学レーザ、色素レーザ等を用途に併せて適時選択して使用できるが、これらの中でも、メンテナンスや光源の大きさの問題から、波長が600〜1200nmの半導体レーザによるレーザ光を用いるのが好ましい。尚、レーザイメージャやレーザイメージセッタで使用されるレーザにおいて、銀塩光熱写真ドライイメージング材料に走査される時の該材料露光面でのビームスポット径は、一般に短軸径として5〜75μm、長軸径として5〜100μmの範囲であり、レーザ光走査速度は銀塩光熱写真ドライイメージング材料固有のレーザ発振波長における感度とレーザパワーによって、光熱写真ドライイメージング材料毎に最適な値に設定することができる。
【0307】
(画像形成方法:レーザ・イメージャー・現像条件)
本発明でいうレーザイメージャー(熱現像処理装置)は、構成としては、フィルムトレイで代表されるフィルム供給装置部、レーザ画像記録装置部、銀塩光熱写真ドライイメージング材料の全面に均一で安定した熱を供給する熱現像装置部、フィルム供給部からレーザ記録を経て、熱現像により画像形成された光熱写真ドライイメージング材料を装置外に排出するまでの搬送装置部から構成される。
【0308】
露光処理と熱現像処理の間の時間間隔は短くすることが、迅速処理のために好ましい。更に、露光処理と熱現像処理を同時に進行させることが好ましい。即ち、シート感材の一部分を露光しながら、すでに露光がなされたシートの一部分で現像が開始され、進行させるためには、露光処理を行う露光部と現像部の間の距離が0cm以上50cm以下であることが好ましく、これにより露光・現像の一連の処理時間が極めて短くなる。この距離の好ましい範囲は、3cm以上40cm以下であり、より好ましくは、5cm以上30cm以下である。
【0309】
ここで露光部とは、露光光源からの光が銀塩光熱写真ドライイメージング材料に照射される位置をいい、現像部とは、当該感光材料が熱現像を行うために初めて加熱される位置をいう。
【0310】
尚、銀塩光熱写真ドライイメージング材料の熱現像部における搬送速度は20〜200mm/秒であり、特に好ましくは30〜150mm/秒である。搬送速度をこの範囲とすることにより、熱現像時の濃度むらを改良でき、また処理時間が短縮できるため、緊急時の診断にも対応できて好ましい。
【0311】
銀塩光熱写真ドライイメージング材料の現像条件は、使用する機器、装置、あるいは手段に依存して変化するが、典型的には、適した高温において像様に露光した光熱写真ドライイメージング材料を加熱することにより現像を行うものである。約80〜200℃、好ましくは約100〜140℃、より好ましくは110〜130℃で、好ましくは3〜20秒、より好ましくは5〜12秒であるで現像される。
【0312】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料の現像処理時の加熱は、好ましくは、保護層を有する側の面を加熱手段と接触させ加熱処理することが、均一な加熱を行う上で、又、熱効率、作業性等の観点から好ましく、保護層を有する側の面をヒートローラーに接触させながら搬送し、加熱処理して現像することが好ましい。
【0313】
本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、加熱温度123℃、現像時間12秒で熱現像して得られる画像が、拡散濃度(Y軸)と常用対数露光量(X軸)の単位長の等しい直交座標上に示される特性曲線において、拡散光での光学濃度で0.25〜2.5の平均階調が2.0〜4.0であることが好ましい。このような階調にすることにより、銀量が少なくても診断認識性の高い画像を得ることが可能となる。
【実施例】
【0314】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0315】
実施例1
《支持体の作製》
濃度0.170に青色着色したポリエチレンテレフタレートフィルムベース(厚み175μm)の片方の面に、0.5kV・A・min/m2のコロナ放電処理を施した後、その上に下記の下引塗布液Aを用いて下引層aを、乾燥膜厚が0.2μmになるように塗設した。更にもう一方の面に、同様に0.5kV・A・min/m2のコロナ放電処理を施した後、その上に下記の下引塗布液Bを用い、下引層bを、乾燥膜厚が0.1μmとなるように塗設した。
【0316】
その後、複数のロール群からなるフィルム搬送装置を有する熱処理式オーブンの中で、130℃にて15分熱処理を行った。
【0317】
(下引塗布液A)
n−ブチルアクリレート30質量%、tert−ブチルアクリレート20質量%、スチレン25質量%および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量%の共重合体ラテックス液(固形分30%)270g、界面活性剤(UL−1)0.6gおよびメチルセルロース0.5gを混合した。更に、シリカ粒子(サイロイド350、富士シリシア社製)1.3gを水100gに添加し、超音波分散機(ALEX Corporation(株)製、Ultrasonic Generator、周波数25kHz、600W)にて30分間分散処理した分散液を加え、最後に水で1000mlに仕上げて、下引塗布液Aとした。
【0318】
(コロイド状酸化スズ分散液の調製)
塩化第2スズ水和物65gを、水/エタノール混合溶液2000mlに溶解して均一溶液を調製した。次いで、これを煮沸し、共沈殿物を得た。生成した沈殿物をデカンテーションにより取り出し、蒸留水にて数回水洗した。沈殿物を洗浄した蒸留水中に硝酸銀を滴下し、塩素イオンの反応がないことを確認後、洗浄した沈殿物に蒸留水を添加し、全量を2000mlとする。更に、30%アンモニア水を40ml添加し、水溶液を加温して、容量が470mlになるまで濃縮してコロイド状酸化スズ分散液を調製した。
【0319】
(下引塗布液B)
前記コロイド状酸化スズ分散液37.5g、n−ブチルアクリレート20質量%、tert−ブチルアクリレート30質量%、スチレン27質量%および2−ヒドロキシエチルアクリレート28質量%の共重合体ラテックス液(固形分30%)3.7g、n−ブチルアクリレート40質量%、スチレン20質量%、グリシジルメタクリレート40質量%の共重合体ラテックス液(固形分30%)14.8gと0.1gの界面活性剤UL−1を混合し、水で1000mlに仕上げて下引塗布液Bとした。
【0320】
《バック面側塗布》
メチルエチルケトン(MEK)830gを攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社、CAB381−20)84.2gおよびポリエステル樹脂(Bostic社、VitelPE2200B)4.5gを添加し、溶解した。次に溶解した液に、0.30gの赤外染料1を添加し、更にメタノール43.2gに溶解したF系活性剤(旭硝子社、サーフロンKH40)4.5gとF系活性剤(大日本インク社、メガファッグF120K)2.3gを添加して、溶解するまで十分に攪拌を行った。最後に、メチルエチルケトンに1質量%の濃度でディゾルバ型ホモジナイザにて分散したシリカ(W.R.Grace社、シロイド64X6000)を75g添加、攪拌し、バック面側用の塗布液を調製した。
【0321】
このように調製したバック面塗布液を、上記記載の下引層b上に乾燥膜厚が3.5μmになるように押し出しコーターにて塗布、乾燥を行った。乾燥温度100℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて5分間かけて乾燥した。
【0322】
《感光性ハロゲン化銀粒子乳剤Aの調製》
溶液(A1)
フェニルカルバモイル化ゼラチン 88.3g
化合物(A)(10%メタノール水溶液) 10ml
臭化カリウム 0.32g
水で5429mlに仕上げる
溶液(B1)
0.67mol/L硝酸銀水溶液 2635ml
溶液(C1)
臭化カリウム 51.55g
沃化カリウム 1.47g
水で660mlに仕上げる
溶液(D1)
臭化カリウム 154.9g
沃化カリウム 4.41g
塩化イリジウム(1%溶液) 0.93ml
水で1982mlに仕上げる
溶液(E1)
0.4mol/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量
溶液(F1)
水酸化カリウム 0.71g
水で20mlに仕上げる
溶液(G1)
56%酢酸水溶液 18.0ml
溶液(H1)
無水炭酸ナトリウム 1.72g
水で151mlに仕上げる
化合物(A):
HO(CH2CH2O)n(CH(CH3)CH2O)17(CH2CH2Om
(m+n=5〜7)
特公昭58−58288号、同58−58289号に示される混合攪拌機を用いて溶液(A1)に、溶液(B1)の1/4量および溶液(C1)全量を温度30℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により4分45秒を要して添加し、核形成を行った。1分後、溶液(F1)の全量を添加した。この間pAgの調整を、水溶液(E1)を用いて適宜行った。6分間経過後、溶液(B1)の3/4量および溶液(D1)の全量を、温度30℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により14分15秒かけて添加した。5分間攪拌した後、40℃に降温し、溶液(G1)を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分2000mlを残して上澄み液を取り除き、水を10L加え、攪拌後、再度ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除き、更に水を10L加え、攪拌後、ハロゲン化銀粒子乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除いた後、溶液(H1)を加え、60℃に昇温し、更に120分攪拌した。最後にpHが5.8になるように調整し、銀量1モル当たり1161gになるように水を添加し乳剤を得た。
【0323】
この乳剤は平均粒子サイズ0.040μm、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率92%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。
【0324】
次に上記乳剤に硫黄増感剤S−5(0.5%メタノール溶液)240mlを加え、更にこの増感剤の1/20モル相当の金増感剤Au−5を添加し、55℃にて120分間攪拌して化学増感を施した。これを感光性ハロゲン化銀乳剤Aとする。
【0325】
《粉末脂肪族カルボン酸銀塩Aの調製》
4720mlの純水にベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸2.3gを80℃で溶解した。次に1.5Mの水酸化カリウム水溶液540.2mlを添加し、濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して脂肪酸カリウム溶液を得た。該脂肪酸カリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、45.3gの上記の感光性ハロゲン化銀粒子乳剤Aと純水450mlを添加し5分間攪拌した。
【0326】
次に1モル/リットルの硝酸銀溶液702.6mlを2分間かけて添加し、10分間攪拌し脂肪族カルボン酸銀塩分散物を得た。その後、得られた脂肪族カルボン酸銀塩分散物を水洗容器に移し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて脂肪族カルボン酸銀塩分散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。その後、排水の電導度が50μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施した後、得られたケーキ状の脂肪族カルボン酸銀塩を、気流式乾燥機フラッシュジェットドライヤー(株式会社セイシン企業製)を用いて、窒素ガス雰囲気および乾燥機入り口熱風温度の運転条件により、含水率が0.1%になるまで乾燥して粉末脂肪族カルボン酸銀塩Aを得た。脂肪族カルボン酸銀塩組成物の含水率測定には赤外線水分計を使用した。
【0327】
《予備分散液Aの調製》
14.57gのソルーシア社製ポリビニルブチラール樹脂B−79をメチルエチルケトン1457gに溶解し、VMA−GETZMANN社製ディゾルバDISPERMAT CA−40M型にて攪拌しながら、500gの粉末脂肪族カルボン酸銀塩Aを徐々に添加して十分に混合することにより予備分散液Aを調製した。
【0328】
《感光性乳剤分散液Aの調製》
予備分散液Aをポンプを用いてミル内滞留時間が1.5分間となるように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ製トレセラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機DISPERMAT SL−C12EX型(VMA−GETZMANN社製)に供給し、ミル周速8m/sにて分散を行なうことにより感光性乳剤分散液Aを調製した。
【0329】
《安定剤液の調製》
1.0gの安定剤1、0.31gの酢酸カリウムをメタノール4.97gに溶解し安定剤液を調製した。
【0330】
《赤外増感色素液Aの調製》
19.2mgの赤外増感色素1、1.488gの2−クロロ−安息香酸、2.779gの安定剤2および365mgの5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールを、31.3mlのMEKに暗所にて溶解し、赤外増感色素液Aを調製した。
【0331】
《添加液aの調製》
還元剤(表1に記載の化合物)6.0g×10-3/m2、熱現像時に一般式(D1)で表される色素を形成する化合物(表1に記載の化合物と量)、1.54gの4−メチルフタル酸、0.48gの赤外染料1をMEK110gに溶解し、添加液aとした。
【0332】
《添加液bの調製》
3.56gのカブリ防止剤2、3.43gのフタラジンをMEK40.9gに溶解し、添加液bとした。
【0333】
《感光性層塗布液Aの調製》
不活性気体雰囲気下(窒素97%)において、前記感光性乳剤分散液A(50g)およびMEK15.11gを攪拌しながら21℃に保温し、カブリ防止剤1(10%メタノール溶液)390μlを加え、1時間攪拌した。更に臭化カルシウム(10%メタノール溶液)494μlを添加して20分攪拌した。続いて、安定剤液167mlを添加して10分間攪拌した後、1.32gの前記赤外増感色素液Aを添加して1時間攪拌した。その後、温度を13℃まで降温して更に30分攪拌した。13℃に保温したまま、バインダ樹脂としてソルーシア社製ポリビニルブチラール樹脂B−79を13.31g添加して30分攪拌した後、テトラクロロフタル酸(9.4質量%MEK溶液)1.084gを添加して15分間攪拌した。更に攪拌を続けながら、添加液a(還元剤、熱現像時に一般式(D1)で表される色素を形成する化合物が表1に記載した添加量になるように秤量)、1.6mlのDesmodurN3300/モーベイ社製の脂肪族イソシアネート(10%MEK溶液)、4.27gの添加液bを順次添加し攪拌することにより感光層塗布液Aを得た。
【0334】
以下に本発明の実施例1で用いた化合物の化学構造を示す。
【0335】
【化26】


【0336】
《マット剤分散液の調製》
セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社、7.5gのCAB171−15)をMEK42.5gに溶解し、その中に、炭酸カルシウム(Speciality Minerals社、Super−Pflex200)5gを添加し、ディゾルバ型ホモジナイザにて8000rpmで30min分散し、マット剤分散液を調製した。
【0337】
《表面保護層塗布液の調製》
MEK(メチルエチルケトン)865gを攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社、CAB171−15)を96g、ポリメチルメタクリル酸(ローム&ハース社、パラロイドA−21)を4.5g、ビニルスルホン化合物(VSC)を1.5g、ベンゾトリアゾールを1.0g、F系活性剤(旭硝子社、サーフロンKH40)を1.0g、添加し溶解した。次に上記マット剤分散液30gを添加して攪拌し、表面保護層塗布液を調製した。
【0338】
《銀塩光熱写真ドライイメージング材料試料の作製》
感光層塗布液Aと表面保護層塗布液を、公知のエクストルージョン型コーターを用いて、同時に、下引き層a上に重層塗布することにより各試料を作製した。塗布は感光層が塗布銀量1.5g/m2、表面保護層が乾燥膜厚で2.5μmになる様にして行った。その後、乾燥温度75℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて10分間乾燥を行い各試料を作製した。なお、各試料の特徴的内容は表1に示した。
【0339】
《露光及び現像処理》
上記のように作製した試料の乳剤面側から、高周波重畳にて波長810nm及び814nmの縦マルチモード化された半導体レーザを露光源とした露光機により、レーザ走査による露光を与えた。この際に、試料の露光面と露光レーザ光の角度を75度として画像を形成した。(なお、当該角度を90度とした場合に比べ、ムラが少なく、且つ予想外に鮮鋭性等が良好な画像が得られた。)
その後、ヒートドラムを有する自動現像機を用いて、試料の保護層とドラム表面が接触するようにして、123℃で13.5秒熱現像処理した。その際、露光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋で行った。以上のようにして得られた各画像について、下記の評価を行った。
【0340】
《感度、カブリ、最高濃度の測定》
各波長による露光により得られた各画像について、マクベス濃度計(TD−904)により濃度測定を行い、横軸;露光量、縦軸:画像濃度からなる特性曲線を作成し、未露光部分よりも1.0高い濃度を与えるのに要する露光量の比の逆数を感度と定義し、さらに最小濃度(カブリ)および最高濃度を測定した。810nmの半導体レーザーで露光した試料101の感度を100とする相対値で表した。
【0341】
《画像色調の評価》
得られた画像の色調を観察し、下記基準に基づき、評価した。実用的には、ランク4以上であることが好ましい。
ランク:色調評価基準
5:冷黒調で全く赤みを感じない
4:冷黒調ではないが、ほとんど赤みを感じない
3:部分的にわずかに赤みを感じる
2:全面にわずかに赤みを感じる
1:一見して赤みが感じられる
《画像保存性の評価》
810nmで半導体レーザーで露光して得られた各画像について、下記の方法に従って、最小濃度部および最高濃度部に画像濃度変化率を測定して、画像保存性を評価した。
【0342】
(最小濃度部の画像保存性の評価)
上記の感度、カブリ、最高濃度の測定方法と同様にして作成した熱現像処理済の各試料を、45℃、55%RHの環境下で、市販の白色蛍光灯を試料表面における照度が500luxとなるように配置し、3日間連続照射を施した。蛍光灯照射済み試料の最小濃度(D2)と蛍光灯未照射試料の最小濃度(D1)をそれぞれ測定し、下式より最小濃度変化率(%)を算出し、を最小濃度部の画像保存性の尺度とした。数値が100に近いほど優れていることを表す。
【0343】
最小濃度変化率=D2/D1×100(%)
(最高濃度部の画像保存性の評価)
上記最小濃度変化率の測定と同様の方法にて作製した熱現像処理済の各試料を、25℃および45℃の環境下に3日間放置した後、最高濃度の変化を測定し、下式により画像濃度変化率を測定し、それを最高濃度部の画像保存性の尺度とした。数値が100に近いほど優れていることを表す。
【0344】
画像濃度変化率=45℃保存試料の最高濃度/25℃保存試料の最高濃度×100(%)
さらに、下記の評価基準に従って画像の色調変化を目視評価し、5段階評価した。
ランク:色調変化評価基準
5:ほとんど変化なし
4:わずかに色調変化がみられる
3:一部に色調変化の増大がみられる
2:色調変化がかなりの部分にみられる
1:色調変化の増大が顕著
上記各種評価の結果を表1に示す。
【0345】
【表1】


【0346】
表1から、本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング材料は、比較に比べ、色調が良好であるだけではなく、感度、最高濃度およびカブリが良好であり、さらにレーザー走査露光機を用いて露光した場合に発振波長の変動に対して出力画像の感度および最高濃度が極めて安定していることが分かる。
【0347】
実施例2
(PET支持体の作製)
テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノール/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が175μmになるような厚みの未延伸フィルムを作製した。これを、周速の異なるロールを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンターで4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンターのチャック部をスリットした後、両端にナール加工を行い、4kg/cm2で巻き取り、厚み175μmのロールを得た。
【0348】
(表面コロナ処理)
ピソリッドステートコロナ処理機(ピラー社製、6KVAモデル)を用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロールのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0349】
(下塗り支持体の作製)
(1)下塗層塗布液の作製
処方(感光性層側下塗り層用)
高松油脂(株)製、ペスレジンA−515GB
(30質量%溶液) 234g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数=8.5、10質量%溶液) 21.5g
ポリマー微粒子(綜研化学(株)製、MP−1000、
平均粒径0.4μm) 0.91g
蒸留水 744ml
処方(バック面第1層用)
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(固形分40質量%、スチレン/ブタジエン質量比=68/32) 158g
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩(8質量%水溶液) 20g
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 10ml
蒸留水 854ml
処方(バック面側第2層用)
SnO2/SbO(9/1質量比、平均粒径0.038μm、17質量%分散物) 84g
ゼラチン(10質量%水溶液) 89.2g
信越化学(株)製、メトローズTC−5(2質量%水溶液) 8.6g
ポリマー微粒子(綜研化学(株)製、MP−1000) 0.01g
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 10ml
NaOH(1質量%) 6ml
プロキセル(ICI社製) 1ml
蒸留水 805ml
(下塗り支持体の作製)
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(感光性層面)に上記下塗り塗布液処方をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6ml/m2(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7ml/m2になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方をワイヤーバーでウエット塗布量が7.7ml/m2になるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
【0350】
(バック面塗布液の調製)
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)塩基プレカーサー化合物11を64g、ジフェニルスルホンを28gおよび花王(株)製界面活性剤デモールN10gを蒸留水220mlと混合し、混合液をサンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散し、平均粒子径0.2μmの塩基プレカーサー化合物の固体微粒子分散液(a)を得た。
【0351】
(染料固体微粒子分散液の調製)
シアニン染料化合物13を9.6gおよびp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8gを蒸留水305mlと混合し、混合液をサンドミル(1/4Gallonサンドグラインダーミル、アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散して平均粒子径0.2μmの染料固体微粒子分散液を得た。
【0352】
(ハレーション防止層塗布液の調製)
ゼラチン17g、ポリアクリルアミド9.6g、上記塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)70g、上記染料固体微粒子分散液56g、単分散ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ8μm、粒径標準偏差0.4)1.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.03g、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム2.2g、青色染料化合物14を0.2g、黄色染料化合物15を3.9g、水を844ml混合し、ハレーション防止層塗布液を調製した。
【0353】
(バック面保護層塗布液の調製)
容器を40℃に保温し、ゼラチン50g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.2g、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)2.4g、tert−オクチルフェノキシエトキシエタンスルホン酸ナトリウム1g、ベンゾイソチアゾリノン30mg、フッ素系界面活性剤(F−1:N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−プロピルアラニンカリウム塩)37mg、フッ素系界面活性剤(F−2:ポリエチレングリコールモノ(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−プロピル−2−アミノエチル)エーテル[エチレンオキサイド平均重合度15])0.15g、フッ素系界面活性剤(F−3)64mg、フッ素系界面活性剤(F−4)32mg、アクリル酸/エチルアクリレート共重合体(共重合質量比5/95)8.8g、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)0.6g、流動パラフィン乳化物を流動パラフィンとして1.8g、水を950ml混合してバック面保護層塗布液とした。
【0354】
《ハロゲン化銀粒子乳剤の調製》
蒸留水1421mlに1質量%臭化カリウム溶液3.1mlを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、30℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mlに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.3gとヨウ化カリウム0.8gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンツイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mlに希釈した溶液Cと臭化カリウム44.2gとヨウ化カリウム2.2gを蒸留水にて容量400mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10−4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
【0355】
上記ハロゲン化銀粒子分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5ml加え、40分後に分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で1:1のメタノール溶液を銀1モル当たり増感色素Aと分光増感色素Bの合計として1.2×10-3モル加え、1分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10-5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10-4モル加えて91分間熟成した。N,N’−ジヒドロキシ−N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mlを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンヅイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10-3モル及び1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10-3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作製した。調製できたハロゲン化銀粒子乳剤中の粒子は、平均球相当径0.042μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の{100}面比率は、クベルカムンク法を用いて80%と求められた。
【0356】
《塗布液用混合乳剤Aの調製》
ハロゲン化銀粒子乳剤1を70質量%、ハロゲン化銀乳剤2を15質量%、ハロゲン化銀乳剤3を15質量%溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10−3モル添加した。さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀粒子の含有量が銀として38.2gとなるように加水した。
【0357】
《脂肪酸銀分散物の調製》
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)87.6kg、蒸留水423L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、tert−ブタノール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのtert−ブタノールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
【0358】
ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.14μm、b=0.4μm、c=0.6μm、平均アスペクト比5.2、平均球相当径0.52μm、球相当径の変動係数15%のりん片状の結晶であった(a、b、cは本文の規定)。
【0359】
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−217)19.3kgおよび水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製、PM−10型)で予備分散した。次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1.24×108Paに調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0360】
《還元剤分散物の調製》
銀イオン還元剤(表2に記載の化合物)6.0g×10−3/m2と変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgに、水16kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製し、還元剤−1分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.42μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0361】
《熱現像時に一般式(D1)で表される色素を形成する化合物の分散物の調製》
熱現像時に一般式(D1)で表される色素を形成する化合物(表2に記載の化合物と量)と変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製)、ポバールMP−203の10質量%水溶液 150gに、水75gを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーを0.5mmのジルコニアビーズとサンドミル(1/4Gallonサンドグラインダーミル、アイメックス(株)製)を用いて、回転数1500rpmで10時間ビーズ分散し、メジアン径0.4μmの固体微粒子分散物を得た。得られた分散物を孔径3.0μmのポリプロピレンフィルターにてろ過し、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0362】
《現像促進剤−1の分散物の調製》
現像促進剤−1を75gと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP−203)の10質量%水溶液150gに、水75gを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーを0.5mmのジルコニアビーズとサンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、アイメックス(株)製)を用いて、回転数1500rpmで10時間ビーズ分散し、メジアン径0.35μmの固体微粒子分散物を得た。得られた分散物を孔径3.0μmのポリプロピレンフィルターにてろ過し、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0363】
《水素結合性化合物−2分散物の調製》
水素結合性化合物−2(トリ(4−tert−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が22質量%になるように調製し、水素結合性化合物−2分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.35μm、最大粒子径1.5μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0364】
《有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−1(2−トリブロモメタンスルホニルナフタレン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水16kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が23.5質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.36μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0365】
《有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−2(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0366】
《フタラジン化合物−1溶液の調製》
8kgの変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、MP203)を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgとフタラジン化合物−1(6−イソプロピルフタラジン)の70質量%水溶液14.28kgを添加し、フタラジン化合物−1の5質量%溶液を調製した。
【0367】
《メルカプト化合物−1水溶液の調製》
メルカプト化合物−1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
【0368】
《顔料−1分散物の調製》
C.I.Pigment Blue60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加しよく混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し、顔料−1分散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
【0369】
《SBRラテックス液の調製》
Tg=23℃のSBRラテックスは以下により調製した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム、乳化剤としてアニオン界面活性剤を使用し、スチレン70.5質量部、ブタジエン26.5質量部およびアクリル酸3質量部を乳化重合させた後、80℃で8時間エージングを行った。その後40℃まで冷却し、アンモニア水によりpH7.0とし、さらに三洋化成(株)製サンデットBLを0.22%になるように添加した。次に5%水酸化ナトリウム水溶液を添加しpH8.3とし、さらにアンモニア水によりpH8.4になるように調整した。このとき使用したNa+イオンとNH4+イオンのモル比は1:2.3であった。さらに、この液1kg対してベンゾイソチアゾリンノンナトリウム塩7%水溶液を0.15ml添加しSBRラテックス液を調製した。
【0370】
(SBRラテックス:−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス)Tg23℃、平均粒径0.1μm、濃度43質量%、25℃相対湿度60%における平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.2mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し、ラテックス原液(43質量%)を25℃にて測定)、pH8.4である。
【0371】
Tgの異なるSBRラテックスはスチレン、ブタジエンの比率を適宜変更し、同様の方法により調製した。
【0372】
《乳剤層(感光性層)塗布液の調製》
上記で得た脂肪酸銀分散物1000g、水125ml、還元剤分散物204g、熱現像時に一般式(1)で表される色素を形成する化合物の分散物(種類と量は表2に記載)、顔料−1分散物27g、有機ポリハロゲン化合物−1分散物82g、有機ポリハロゲン化合物−2分散物40g、フタラジン化合物−1溶液173g、SBRラテックス(Tg:20.5℃)液1082g、メルカプト化合物−1水溶液9gを順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀粒子混合乳剤Aを158g添加してよく混合した乳剤層塗布液をそのままコーティングダイへ送液し、塗布した。上記乳剤層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で40[mPa・s]であった。レオメトリックスファーイースト株式会社製RFSフルードスペクトロメーターを使用した25℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒]においてそれぞれ1500、220、70、40、20[mPa・s]であった。
【0373】
《乳剤面中間層塗布液の調製》
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)の10質量%水溶液772g、顔料の20質量%分散物5.3g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液226gにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を2ml、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を10.5ml、総量880gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、10ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で21[mPa・s]であった。
【0374】
《乳剤面保護層第1層塗布液の調製》
イナートゼラチン64gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液80g、フタル酸の10質量%メタノール溶液を23ml、4−メチルフタル酸の10質量%水溶液23ml、0.5mol/L濃度の硫酸を28ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を5ml、フェノキシエタノール0.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.1gを加え、総量750gになるように水を加えて塗布液とし、4質量%のクロムみょうばん26mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを18.6ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で17[mPa・s]であった。
【0375】
《銀塩光熱写真イメージング材料の作製》
上記下塗り支持体のバック面側に、ハレーション防止層塗布液を固体微粒子染料の固形分塗布量が0.04g/m2となるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.7g/m2となるように同時重層塗布し、乾燥し、バック層を作製した。バック面と反対の面に下塗り面から乳剤層、中間層、保護層第1層、保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、銀塩光熱写真イメージングの試料を作製した。このとき、乳剤層と中間層は31℃に、保護層第一層は36℃に、保護層第一層は37℃に温度調整した。乳剤層の各化合物の塗布量(g/m2)は以下の通りである。
【0376】
ベヘン酸銀 6.19g/m2
銀イオン還元剤(種類は表2記載) 6.0×10-3g/m2
熱現像時に一般式(D1)で表される色素を形成する化合物(種類と量は表2記載)
顔料(C.I.Pigment Blue60) 0.032g/m2
ポリハロゲン化合物−1 0.46g/m2
ポリハロゲン化合物−2 0.25g/m2
フタラジン化合物−1 0.21g/m2
SBRラテックス 11.1g/m2
メルカプト化合物−1 0.002g/m2
ハロゲン化銀(Agとして) 0.145g/m2
塗布乾燥条件は以下のとおりである。塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。乾燥後、25℃で相対湿度40〜60%で調湿した後、膜面を70〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。作製された熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で感光性層面側が550秒、バック面が130秒であった。また、感光層面側の膜面のpHを測定したところ6.0であった。
【0377】
以下に本発明の実施例2で用いた化合物の化学構造を示す。
【0378】
【化27】


【0379】
【化28】


【0380】
(写真性能の評価)
富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DPL(最大60mW(IIIB)出力の660nm半導体レーザー搭載)にて写真材料を露光した。露光後は、FM−DPLの熱現像部ユニットを改造して熱現像(112℃−119℃−121℃−121℃に設定した4枚のパネルヒータで合計24秒=標準現像時間は24秒)した。各波長による露光により得られた各画像について、マクベス濃度計(TD−904)により濃度測定を行い、横軸;露光量、縦軸:画像濃度からなる特性曲線を作成し、未露光部分よりも1.0高い濃度を与えるのに要する露光量の比の逆数を感度と定義し、さらに最小濃度(カブリ)を測定した。感度については表2の試料201の感度を100とする相対値で表した。
【0381】
(画像色調の評価)
得られた画像の色調を観察し、下記基準に基づき、評価した。実用的には、ランク4以上であることが好ましい。
ランク:色調評価基準
5:冷黒調で全く赤みを感じない
4:冷黒調ではないが、ほとんど赤みを感じない
3:部分的にわずかに赤みを感じる
2:全面にわずかに赤みを感じる
1:一見して赤みが感じられる
<画像保存性>
(最小濃度部の画像保存性評価)
上記の感度、カブリ、最高濃度の測定方法と同様にして作成した熱現像処理済の各試料を、45℃、55%RHの環境下で、市販の白色蛍光灯を試料表面における照度が500luxとなるように配置し、3日間連続照射を施した。蛍光灯照射済み試料の最小濃度(D2)と蛍光灯未照射試料の最小濃度(D1)をそれぞれ測定し、下式より最小濃度変化率(%)を算出し、これを最小濃度部の画像保存性の尺度とした。数値が100に近いほど優れていることを表す。
【0382】
最小濃度変化率=D2/D1×100(%)
(最高濃度部の画像保存性の評価)
上記最小濃度変化率の測定と同様の方法にて作製した熱現像処理済の各試料を、25℃および45℃の環境下に3日間放置した後、最高濃度の変化を測定し、下式により画像濃度変化率を測定し、それを最高濃度部の画像保存性の尺度とした。数値が100に近いほど優れていることを表す。
【0383】
画像濃度変化率=45℃保存試料の最高濃度/25℃保存試料の最高濃度×100(%)
さらに、下記の評価基準に従って画像の色調変化を目視評価し、5段階評価した。
ランク:色調変化評価基準
5:ほとんど変化なし
4:わずかに色調変化がみられる
3:一部に色調変化の増大がみられる
2:色調変化がかなりの部分にみられる
1:色調変化の増大が顕著
上記各種評価の結果を表2に示す。
【0384】
【表2】


【0385】
【化29】


【0386】
表2の結果から本発明の感光材料は比較試料に比べて、感度が高く低カブリであり、色調も良好であることが分かる。さらに画像保存性についても比較例よりも非常に優れていることが分かる。




 

 


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