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発明の名称 感光性平版印刷版材料の製造方法および感光性平版印刷版材料
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−65127(P2007−65127A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−249021(P2005−249021)
出願日 平成17年8月30日(2005.8.30)
代理人
発明者 梶原 茂
要約 課題
本発明の目的は、耐刷性、耐傷性が良好で、汚れ性に優れる感光性平版印刷版材料の製造方法および感光性平版印刷版材料を提供することである。

解決手段
支持体上にアルカリ水可溶性樹脂を主成分とし、光重合開始剤を含有し、有機溶剤を使用して塗布される画像形成層を第1層とし、高分子化合物を含む層を第2層としてこの順に設ける感光性平版印刷版材料の製造方法において、第1層を塗布した後の乾燥初期に熱風乾燥と遠赤外線乾燥を併用した乾燥方式により乾燥処理し、該乾燥処理は残留溶剤が100mg/m2になるまでの時間が2秒以上5秒未満になるように行なわれることを特徴とする感光性平版印刷版材料の製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
支持体上にアルカリ水可溶性樹脂を主成分とし、光重合開始剤を含有し、有機溶剤を使用して塗布される画像形成層を第1層とし、高分子化合物を含む層を第2層としてこの順に設ける感光性平版印刷版材料の製造方法において、第1層を塗布した後の乾燥初期に熱風乾燥と遠赤外線乾燥を併用した乾燥方式により乾燥処理し、該乾燥処理は残留溶剤が100mg/m2になるまでの時間が2秒以上5秒未満になるように行なわれることを特徴とする感光性平版印刷版材料の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の感光性平版印刷版材料の製造方法で製造されたことを特徴とする感光性平版印刷版材料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な感光性平版印刷版材料(以下単に、平版印刷版材料または版ともいう。)の製造方法および感光性平版印刷版材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフセット印刷用の平版印刷版の作製技術において、画像のデジタルデータをレーザー光源で直接感光性印刷版材料に記録するCTPに用いられる感光性印刷版材料が開発され、実用化が進んでいる。
【0003】
一般的に、感光性平版印刷版材料を作製するには、アルミニウム基板表面を粗面化し、陽極酸化層を設け、必要に応じ親水化処理等の処理をしたのち、画像形成層の構成成分を溶剤に溶解、あるいは分散した塗工液を支持体上に塗布後、乾燥処理を施して形成することが行われている。この際、乾燥処理時の感光性皮膜の形成状態が、現像性、汚れ性、耐刷性能に大きな影響を与えるため、これまでも多くの検討が行われてきている。その際、残留溶剤量は、乾燥の程度を捉える指標として広く用いられている。残留溶剤量が多い場合には、汚れ性は問題ないが、耐傷性低下、耐刷性低下、等が問題となるため、残留溶剤量を少なくすることが提案されている。
【0004】
残留溶剤量が100mg/m2となるような条件で行なう製造法が提案されており(特許文献1参照)、また、支持体に感光性組成物を塗布後100〜300℃の加熱ロールに0.5〜5秒間接触させ、残留溶剤量を50mg/m2以下にする製造法が開示されている(特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、残留溶剤量を少なくするだけでは汚れ性が良好なまま、耐傷性、耐刷性を向上させるのには不十分である。乾燥処理時に5秒以上の時間をかけて乾燥する方法では、感光性皮膜中の構成成分の移動が起こり、均質な皮膜形成ができず、更に、陽極酸化の際に形成される微細構造に画像形成層構成成分が必要以上に入り込み、現像時に抜け切れず、汚れ性が劣化する。塗布後に加熱ロールを接触させる方法では、残留溶剤量を減少させることはできるが、既に形成されている非均質な感光性皮膜中の構成成分の配置を変更させることはできない。
【0006】
短時間の乾燥を熱風乾燥単独で行なおうとした場合は、熱風温度を上げる、熱風の流速を上げるといった手段がとられるが、画像形成層構成成分の熱分解、乾燥面のムラ不良が発生するという問題が発生する。短時間の乾燥を遠赤外線乾燥単独で行なおうとした場合は、画像形成層にかかる温度の制御が難しく、容易に温度が上昇してしまうため、やはり、画像形成層構成成分が熱分解してしまうという問題があった。
【特許文献1】特開平10−312054号公報
【特許文献2】特開平4−70837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、耐刷性、耐傷性が良好で、汚れ性に優れる感光性平版印刷版材料の製造方法および感光性平版印刷版材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、熱風乾燥と遠赤外線乾燥を組み合わせて急速に乾燥させることで本発明の目的を達成することができることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
即ち、本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
【0010】
(1)支持体上にアルカリ水可溶性樹脂を主成分とし、光重合開始剤を含有し、有機溶剤を使用して塗布される画像形成層を第1層とし、高分子化合物を含む層を第2層としてこの順に設ける感光性平版印刷版材料の製造方法において、第1層を塗布した後の乾燥初期に熱風乾燥と遠赤外線乾燥を併用した乾燥方式により乾燥処理し、該乾燥処理は残留溶剤が100mg/m2になるまでの時間が2秒以上5秒未満になるように行なわれることを特徴とする感光性平版印刷版材料の製造方法。
【0011】
(2)前記(1)項に記載の感光性平版印刷版材料の製造方法で製造されたことを特徴とする感光性平版印刷版材料。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、耐刷性、耐傷性が良好で、汚れ性に優れる感光性平版印刷版材料の製造方法および感光性平版印刷版材料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
(支持体)
本発明の平版印刷版材料に用いることができる支持体は、アルミニウム板が使用され、この場合、純アルミニウム板及びアルミニウム合金板等であってもかまわない。
【0016】
支持体のアルミニウム合金としては、種々のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられ、各種圧延方法により製造されたアルミニウム板が使用できる。また、近年普及しつつあるスクラップ材およびリサイクル材などの再生アルミニウム地金を圧延した再生アルミニウム板も使用できる。また本発明ではMgを0.05〜0.4質量%含有していることがより好ましい。
【0017】
本発明の平版印刷版材料用支持体は、電気化学的粗面化するに先立って表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。
【0018】
脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。
【0019】
又、脱脂処理には、苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。
【0020】
次いで粗面化処理が施されるが、本発明に係る電気化学的粗面化処理に先立ち、機械的粗面化処理、硝酸を主体とする電解粗面化処理などによるプレ粗面化を施しても良い。
【0021】
機械的プレ粗面化方法は特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が好ましい。ブラシ研磨法による粗面化は、例えば、直径0.2〜0.8mmのブラシ毛を使用した回転ブラシを回転し、支持体表面に、例えば、粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させたスラリーを供給しながら、ブラシを押し付けて行うことができる。ホーニング研磨による粗面化は、例えば、粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させ、ノズルより圧力をかけ射出し、支持体表面に斜めから衝突させて粗面化を行うことができる。又、例えば、支持体表面に、粒径10〜100μmの研磨剤粒子を、100〜200μmの間隔で、2.5×103〜10×103個/cm2の密度で存在するように塗布したシートを張り合わせ、圧力をかけてシートの粗面パターンを転写することにより粗面化を行うこともできる。
【0022】
上記の機械的粗面化法で粗面化した後は、支持体の表面に食い込んだ研磨剤、形成されたアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でも、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。アルカリ水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0023】
硝酸を主体とするプレ電解粗面化処理は、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。
【0024】
電流密度は、10〜200A/dm2の範囲を用いることができるが、20〜100A/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dm2の範囲を用いることができるが、100〜2000c/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気化学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液における硝酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、しゅう酸、アルミニウムイオン等を加えることができる。
【0025】
上記の硝酸を主体とする電解粗面化処理後は、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。
【0026】
表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0027】
本発明に係る電気化学的粗面化処理としては、塩酸を主体とする電解液中での交流電解粗面化処理が好ましく用いられる。
【0028】
塩酸を主体とする電解液中での交流電解粗面化処理は、塩酸濃度は5〜20g/lであり、好ましくは6.5〜16g/lである。電解液の温度は15〜35℃であり、好ましくは18〜38℃である。
【0029】
電解液中のアルミニウムイオン濃度は0.5〜15g/lであり、好ましくは0.7〜10g/lである。電解液中には酢酸または硼酸を含有することが好ましく濃度は1〜20g/lであり、好ましくは3〜15g/lである。また塩酸濃度との比は0.5〜1.5が好ましい。電流密度は15〜120A/dm2であり、好ましくは20〜90A/dm2である。電気量は400〜2000C/dm2であり、好ましくは500〜1200C/dm2である。周波数は40〜150Hzの範囲で行うことが好ましい。
【0030】
本発明の平版印刷版材料用支持体は、上記の電気化学的粗面化処理の電解条件を上記の範囲の中で調整することにより得られ、例えば、電解液中のアルミニウムイオン濃度が3〜7g/l、電解液中の酢酸または硼酸の濃度が7〜13g/lで塩酸濃度との比が0.7〜1.2、電流密度が15〜90A/dm2、電気量が500〜1200C/dm2の範囲の中で調整することが好ましい。
【0031】
交流電解処理は、数段階に分けてもよく、例えば、電流密度を多段階的に変化させる方法、交流波形を多段階に変化させる方法、周波数を多段階に変化させる方法、酸性電解液濃度を多段階に変化させる方法、が使用できる。
【0032】
上記の塩酸を主体とする電解液中で電解粗面化処理、即ち本発明に係る電気化学的粗面化処理を施した後は、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でも燐酸または水酸化ナトリウムの水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.1〜2g/m2が好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0033】
電気化学的粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行う。
【0034】
陽極酸化処理の方法は特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理により支持体上には酸化皮膜が形成される。陽極酸化処理は、一般的には、電解液として、硫酸またはリン酸または両者の混合水溶液を用い、直流電解することにより行われる。本発明においては、陽極酸化処理は、電解液として硫酸を用いて行うことが好ましい。硫酸の濃度は、5〜50質量%が好ましく、10〜35質量%が特に好ましい。温度は10〜50℃が好ましい。処理電圧は18V以上であることが好ましく、20V以上であることが更に好ましい。電流密度は1〜30A/dm2が好ましい。電気量は100〜500C/dm2が好ましい。
【0035】
形成される陽極酸化被覆量は、1〜50mg/dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2である。陽極酸化被覆量は、例えばアルミニウム板を燐酸クロム酸溶液(燐酸85%液:35ml、酸化クロム(IV):20gを1Lの水に溶解して作製)に浸積し、酸化被膜を溶解し、板の被覆溶解前後の質量変化測定等から求められる。陽極酸化皮膜にはマイクロポアが生成されるが、マイクロポアの密度は、400〜700個/μm2が好ましく、400〜600個/μm2が更に好ましい。
【0036】
陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
【0037】
更に、本発明では、これらの処理を行った後に、親水化処理を施すことが好ましい。親水化処理は特に限定されないが、水溶性の樹脂、たとえばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えばホウ酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものが使用できる。更に、特開平5−304358号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起し得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も用いられる。好適なのは、ポリビニルホスホン酸で支持体表面を親水化処理を行うことである。処理としては、塗布式、スプレー式、ディップ式等限定されないが、設備を安価にするにはディップ式が好適である。ディップ式の場合には、ポリビニルホスホン酸を0.05〜3%の水溶液で処理することが好ましい。処理温度は20〜90℃、処理時間は10〜180秒が好ましい。処理後、過剰に積層したポリビニルホスホン酸を除去するため、スキージ処理または水洗処理を行うことが好ましい。更に乾燥処理を行うことが好ましい。乾燥温度としては、90〜250℃が好ましい。
【0038】
(画像形成層)
本発明の平版印刷版材料は、上記の平版印刷版材料用支持体の粗面化面を有する側に画像形成層を有する。
【0039】
本発明に係る画像形成層は、画像露光によって画像を形成し得る層であり、従来平版印刷版材料の画像形成層として用いられているネガ型、ポジ型どちらの画像形成層も用いることができる。
【0040】
本発明に係る上記光重合型画像形成層は、重合開始剤、重合可能な不飽和基含有化合物及び光増感色素を含有する画像形成層である。
【0041】
(重合開始剤)
光重合型画像形成層に用いられる、光重合開始剤としては、チタノセン化合物、モノアルキルトリアリールボレート化合物、鉄アレーン錯体化合物、トリハロアルキル化合物などが好ましく用いられる。
【0042】
チタノセン化合物としては、特開昭63−41483、特開平2−291に記載される化合物等が挙げられるが、更に好ましい具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ジ−クロライド、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−フェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル(IRUGACURE727L:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム(IRUGACURE784:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウムビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(2−5−ジメチルピリ−1−イル)フェニル)チタニウム等が挙げられる。
【0043】
モノアルキルトリアリールボレート化合物としては、特開昭62−150242、特開昭62−143044に記載される化合物等挙げられるが、更に好ましい具体例としては、テトラ−n−ブチルアンモニウム n−ブチル−トリナフタレン−1−イル−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム n−ブチル−トリフェニル−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム n−ブチル−トリ−(4−tert−ブチルフェニル)−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム n−ヘキシル−トリ−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウムn−ヘキシルートリ−(3−フルオロフェニル)−ボレート等が挙げられる。
【0044】
鉄アレーン錯体化合物としては、特開昭59−219307に記載される化合物等挙げられるが、更に好ましい具体例としては、η−ベンゼン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−クメン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−フルオレン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−ナフタレン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−キシレン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−ベンゼン−(η−シクロペンタジエニル)鉄テトラフルオロボレート等が挙げられる。
【0045】
トリハロアルキル化合物としては、上記のトリハロアルキル化合物を使用することができる。
【0046】
その他に、前記と同様に任意の光重合開始剤の併用が可能である。
【0047】
重合開始剤としては、例えば特開平8−129258号公報のB−1からB−22のクマリン誘導体、特開2003−21901号公報のD−1からD−32のクマリン誘導体、特開2002−363206号公報の1から21のクマリン誘導体、特開2002−363207号公報の1から40のクマリン誘導体、特開2002−363208号公報の1から34のクマリン誘導体、特開2002−363209号公報の1から56のクマリン誘導体等も好ましく使用可能である。
【0048】
(重合可能な不飽和基含有化合物)
重合可能な不飽和基含有化合物は分子内に、重合可能な不飽和基、を有する化合物であり、一般的なラジカル重合性のモノマー類、紫外線硬化樹脂に一般的に用いられる分子内に付加重合可能なエチレン性二重結合を複数有する多官能モノマー類や、多官能オリゴマー類を用いることができる。
【0049】
これらの重合可能なエチレン性二重結合含有化合物に特に限定は無いが、好ましいものとして、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
【0050】
また、プレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよいし、上述の単量体及び/又はオリゴマーと混合して用いてもよい。
【0051】
プレポリマーとしては、例えばアジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価のアルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例えば、エチレングリコール・アジピン酸・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート・キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げられる。
【0052】
この画像形成層には、ホスファゼンモノマー、トリエチレングリコール、イソシアヌール酸EO(エチレンオキシド)変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等の単量体及び該単量体から形成される構成単位を有する付加重合性のオリゴマー及びプレポリマーを含有することができる。
【0053】
更に、併用可能な化合物として、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有するリン酸エステル化合物が挙げられる。該化合物は、リン酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物である。
【0054】
その他に、特開昭58−212994号公報、同61−6649号公報、同62−46688号公報、同62−48589号公報、同62−173295号公報、同62−187092号公報、同63−67189号公報、特開平1−244891号公報等に記載の化合物などを挙げることができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報社、286頁〜294頁に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会、11頁〜65頁に記載の化合物なども本発明においては好適に用いることができる。これらの中で、分子内に2以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分子量が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが好ましい。
【0055】
また分子内に三級アミノ基を含有する付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体も好ましく用いることができる。構造上の限定は特に無いが、水酸基を有する三級アミン化合物を、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリド等で変性したものが好ましく用いられる。具体的には、特開平1−165613号公報、公開平1−203413号公報、公開平1−197213号公報記載の重合可能な化合物等が好ましく用いられる。
【0056】
更に本発明では、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物も好ましく用いられる。特に、3級アミノ基及びアミド結合を有する化合物が好ましく用いられる。
【0057】
ここでいう、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコールとしては、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−tert.−ブチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン、N,N,N′,N′−テトラ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、p−トリルジエタノ−ルアミン、N,N,N′,N′−テトラ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン、アリルジエタノールアミン、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオ−ル、N,N−ジ(n−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、N,N−ジ(iso−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、3−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)−1,2−プロパンジオ−ル等が挙げられるが、これに限定されない。
【0058】
ジイソシアネート化合物としては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタン−1,8−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアナートメチル−シクロヘキサノン、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,5−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート等が挙げられる。
【0060】
これらの反応は、通常のジオール化合物、ジイソシアネート化合物、ヒドロキシル基含有アクリレート化合物の反応で、ウレタンアクリレートを合成する方法と同様に行うことが出来る。
【0061】
これらの分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物において具体例を以下に示す。
【0062】
M−1:トリエタノールアミン(1モル)、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート(3モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(3モル)の反応生成物
M−2:トリエタノールアミン(1モル)、イソホロンジイソシアネート(3モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(3モル)の反応生成物
M−3:N−n−ブチルジエタノ−ルアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物
M−4:N−n−ブチルジエタノ−ルアミン(1モル)、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物
M−5:N−メチルジエタノールアミン(1モル)、トリレン−2,4−ジイソシアネート(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート(2モル)の反応生成物
M−6:トリエタノールアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(3モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(3モル)の反応生成物
M−7:エチレンジアミンテトラエタノール(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(4モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(4モル)の反応生成物
この他にも、特開平1−105238号公報、特開平2−127404号公報記載の、アクリレートまたはアルキルアクリレートが用いることが出来る。
【0063】
重合可能な不飽和基含有化合物の添加量は、画像形成層層に対して、5〜80質量%が好ましく15〜60質量%であることがより好ましい。
【0064】
上記の重合成分を含む感熱画像形成層は、アルカリ可溶性高分子化合物を含むことが好ましい。
【0065】
アルカリ可溶性高分子化合物は、酸価を有する高分子化合物であり、具体的には以下の様な各種の構造を有する共重合体を好適に使用することが出来る。
【0066】
上記共重合体として、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、その他の天然樹脂等が使用出来る。これらを2種以上併用してもかまわない。
【0067】
これらのうちカルボキシ基、水酸基を有するポリマーが好ましく用いられ、特にカルボキシ基を有するポリマーが好ましく用いられる。
【0068】
これらのうちアクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましく用いられる。更に、共重合組成として、(a)カルボキシル基含有モノマー、(b)メタクリル酸アルキルエステル、またはアクリル酸アルキルエステルの共重合体であることが好ましい。
【0069】
カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、α,β−不飽和カルボン酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。その他、フタル酸と2−ヒドロキシメタクリレートのハーフエステル等のカルボン酸も好ましい。
【0070】
メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等の無置換アルキルエステルの他、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等の環状アルキルエステルや、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等の置換アルキルエステルも挙げられる。
【0071】
更に、他の共重合モノマーとして、下記(1)〜(14)に記載のモノマー等を用いたものも使用できる。
【0072】
1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えばo−(又はp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−(又はp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート等。
【0073】
2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
【0074】
3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えばm−(又はp−)アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(又はp−)アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
【0075】
4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
【0076】
5)アクリルアミド又はメタクリルアミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
【0077】
6)弗化アルキル基を含有するモノマー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
【0078】
7)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
【0079】
8)ビニルエステル類、例えばビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
【0080】
9)スチレン類、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
【0081】
10)ビニルケトン類、例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
【0082】
11)オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
【0083】
12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
【0084】
13)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−(又はm−,p−)シアノスチレン等。
【0085】
14)アミノ基を有するモノマー、例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
【0086】
更に、これらのモノマーと共重合し得る他のモノマーを共重合してもよい。
【0087】
又、上記ビニル系共重合体の分子内に存在するカルボキシル基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物を付加反応させることによって得られる、不飽和結合含有ビニル系共重合体も好ましく用いられる。
【0088】
分子内に不飽和結合とエポキシ基を共に含有する化合物としては、具体的にはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、特開平11−271969号に記載のあるエポキシ基含有不飽和化合物等が挙げられる。
【0089】
これらのアルカリ可溶性高分子化合物の中でも、酸価が30〜200の化合物が好ましく、このうち特に質量平均分子量が15,000〜500,000であるものが、更に好ましい。
【0090】
これらのうち重合可能な不飽和基を有するものが好ましく、特に重合可能な不飽和基を有する単位の割合が、高分子化合物全体の繰り返し単位に対して、5〜50%であるものが好ましい。
【0091】
重合性不飽和基を有するアルカリ可溶性高分子化合物は、公知の方法を制限無く使用できる。
【0092】
例えば、カルボキシル基にグリシジル基を反応させる方法、水酸基にイソシアネート基を反応させる方法等を挙げることができる。
【0093】
具体的には、カルボキシル基を有するモノマー単位を有する共重合体に、例えば、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマール酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、又は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基、不飽和基含有化合物を、該カルボキシル基と反応させることにより得られた反応生成物である。本発明においては、該カルボキシル基とエポキシ基、不飽和基含有化合物が反応したモル%をユニット比率とし、感度、耐刷性の面で反応した単位が5〜50モル%であることが好ましく、特に好ましくは10〜30モル%である。
【0094】
カルボキシル基を有するモノマー単位を有する共重合体とエポキシ基、不飽和基含有化合物との反応は、例えば、80〜120℃程度の温度、1〜50時間程度で反応させることができる。該反応生成物の合成方法としては、一般的に知られた重合方法にて合成することができ、例えば、「高分子合成実験法」東京化学同人、W.R.Sorenson、T.W.Campbell共著等の文献や特開平10−315598号、同11−271963号等に記載された方法等及びこれに準じて合成することができる。
【0095】
アルカリ可溶性高分子化合物の添加量は、画像形成層に対して、10〜90質量%が好ましく15〜70質量%であることがより好ましい。特に好ましくは20〜50質量%である。
【0096】
又、上記カルボキシル基を有するモノマー単位を有する共重合体として、下記(1)〜(17)のモノマーの少なくとも1種を構成要素として有する共重合体が挙げられる。
【0097】
(1)芳香族水酸基を有するモノマー、
(2)脂肪族水酸基を有するモノマー、
(3)アミノスルホニル基を有するモノマー、
(4)スルホンアミド基を有するモノマー、
(5)α,β−不飽和カルボン酸類、
(6)置換又は無置換のアルキルアクリレート、
(7)置換又は無置換のアルキルメタクリレート、
(8)アクリルアミド又はメタクリルアミド類、
(9)弗化アルキル基を含有するモノマー、
(10)ビニルエーテル類、
(11)ビニルエステル類、
(12)スチレン類、
(13)ビニルケトン類、
(14)オレフィン類、
(15)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等、
(16)シアノ基を有するモノマー、
(17)アミノ基を有するモノマー。
【0098】
具体的な化合物としては、例えば2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル;例えばエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル;例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、及びこれらのEO変性体、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
【0099】
(光増感色素)
光重合型画像形成層に用いられる増感色素としては、使用する光源の波長付近に吸収極大波長を有する増感色素が好ましく用いられる。
【0100】
可視光から近赤外までの波長増感させる化合物、すなわち、350nmから1300nmの間に吸収極大有する色素としては、例えばシアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、キサンテン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、クマリン誘導体、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等、ケトアルコールボレート錯体が挙げられ、更に欧州特許568,993号、米国特許4,508,811号、同5,227,227号、特開2001−125255号、特開平11−271969号等に記載の化合物も用いられる。
【0101】
上記の光重合開始剤と増感色素の組合せの具体例としては、特開2001−125255号、特開平11−271969号に記載のある組合せが挙げられる。
【0102】
増感色素の、画像形成層中への添加量は、露光光源波長における、版面の反射濃度が、0.1から1.2の範囲となる量であることが好ましい。この範囲となる、色素の画像形成層中における質量比率は、各色素の分子吸光係数と、画像形成層中における結晶性の程度により、大幅に異なるが、一般的には、0.5質量パーセントから、10質量パーセントの範囲であることが多い。
【0103】
光重合型画像形成層は、高分子結合剤として、前記の高分子結合材を含むことができる。
【0104】
(各種添加剤)
本発明に用いられる光重合型画像形成層には、上記した成分の他に、平版印刷版材料の製造中或いは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合単量体の不要な重合を阻止するために、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物およびその他の重合防止剤を添加してもよい。
【0105】
ヒンダードアミン系化合物の例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン等が挙げられる。
【0106】
その他の重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン誘導体等のヒンダードアミン類等が挙げられる。
【0107】
重合防止剤の添加量は、上記組成物の全固形分の質量に対して、約0.01%〜約5%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加したり、塗布後の乾燥の過程で光重合型層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5%〜約10%が好ましい。
【0108】
本発明に用いることができる光重合型画像形成層には、上記した成分の他に、上記と同様に、着色剤も使用することができる。
【0109】
(塗布)
本発明に係る画像形成層を形成するための画像形成層用塗布液を調製する際に使用する有機溶剤としては、例えば、アルコール類:sec−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール等;エーテル類:プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等;ケトン類、アルデヒド類:ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等;エステル類:乳酸エチル、乳酸ブチル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル等;が好ましく挙げられる。
【0110】
調製された塗布組成物(画像形成層用塗布液)は、従来公知の方法で支持体上に塗布することができる。塗布液の塗布方法としては、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤーバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出しコータ法等を挙げることができる。
【0111】
(画像形成層の乾燥)
塗布後の乾燥は、熱風乾燥と遠赤外線乾燥とを同時に用いることで行なわれる。乾燥条件は、使用する溶剤、塗布液量により設定されるが、本発明においては塗布から残留溶剤量が100mg/m2以下になるまでの時間が2秒以上5秒未満となるような条件で行なうことが必要である。好ましくは3秒以上5秒未満である。2秒未満では、均一に乾燥させることが難しく、部分的に熱が強くかかる部分が生じ、構成成分の熱分解が起こるために、やはり、汚れ性が悪化する懸念がある。一方、5秒以上では、感光性皮膜中の構成成分の移動が起こり、均質な皮膜形成ができず、更に、陽極酸化の際に形成される微細構造に画像形成層構成成分が必要以上に入り込み、感光層の抜け性が悪く、汚れ性が悪化する懸念がある。
【0112】
5秒未満で残留溶剤量を100mg/m2にしたのち、更に、熱風で30〜100秒乾燥し、画像形成層中の構成成分の配置調整を行なうことが望ましい。画像形成層の乾燥温度は、60〜160℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜140℃、特に好ましくは90〜120℃の範囲である。遠赤外線乾燥装置として用いられる遠赤外線ヒーターとしては、パネル状、管状、ランプ状のものが用いられるが、乾燥面全面を均一に乾燥する点から、パネル状のセラミック遠赤外線ヒーターが好ましい。
【0113】
(高分子化合物を含む層)
本発明に係る画像形成層層の上側には、高分子化合物を含む層(以下、保護層ともいう。)が設けられる。保護層は、現像液(一般にはアルカリ水溶液)への溶解性が高いことが好ましい。
【0114】
保護層を構成する素材として好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド等が挙げられる。これらの化合物を単独又は2種以上併用し保護層塗布組成物とし用いることができる。特に好ましい化合物としてはポリビニルアルコールが挙げられる。
【0115】
保護層塗布組成物を調製するには、上記の素材を適当な溶剤に溶解して塗布液とすることができ、この塗布液を本発明に係る光重合型画像形成層上に塗布し、乾燥して保護層を形成することができる。保護層の厚みは0.1〜5.0μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0μmである。保護層には、更に必要に応じて界面活性剤、マット剤等を含有することができる。
【0116】
保護層の塗布方法としても、上記画像形成層用塗布液の塗布において挙げた公知の塗布方法を好適に用いることができる。保護層の乾燥温度は、画像形成層の乾燥温度よりも低い方が好ましく、好ましくは画像形成層乾燥温度との差が10℃以上、より好ましくは20℃以上であり、上限はせいぜい50℃程度である。
【0117】
また、保護層の乾燥温度が、画像形成層が含有するバインダーのガラス転移温度(Tg)より低いことが好ましい。保護層の乾燥温度と、画像形成層が含有するバインダーのガラス転移温度(Tg)の差は20℃以上であることが好ましく、より好ましくは40℃以上であり、上限はせいぜい60℃程度である。
【0118】
(製版−印刷)
本発明の平版印刷版材料は、レーザー露光により画像形成され必要に応じ現像処理を施されて、印刷に供される。
【0119】
レーザーの走査方法としては、円筒外面走査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査としレーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、ドラムの内面に記録材料を固定し、レーザービームを内側から照射し、光学系の一部又は全部を回転させることにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は全部をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザー光の主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円筒外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記録には適している。
【0120】
現像処理が必要な場合には、自動現像機を用いて平版印刷版材料を現像処理する方法が好ましい態様である。
【0121】
印刷は、一般的な平版印刷機を用いて行うことができる。印刷インキとしては大日本インキ化学工業社製の大豆油インキ“ナチュラリス100”、東洋インキ社製のVOCゼロインキ“TKハイエコーNV”、東京インキ社製のプロセスインキ“ソイセルボ”等が挙げられる。
【実施例】
【0122】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断りない限り、実施例中の「部」は「質量部」を示す。
【0123】
実施例1
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板(表1に記載)を50℃に保たれた3%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、30秒間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた5%硝酸水溶液中に10秒間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、表1に記載の条件の酸性溶液中で交流正弦波形を用いて、電解粗面化処理を行った。電解粗面化した後には、55℃に保たれた75g/l燐酸水溶液中で12秒間浸漬しデスマット処理を行い、水洗した。次いで、直流電源を使用し、濃度200g/l、溶存アルミ濃度1.5g/l、温度25℃の硫酸水溶液中で、電流密度5A/dm2で皮膜質量20mg/dm2の陽極酸化処理を行い、水洗した。更に、0.2%のポリビニルホスホン酸水溶液に、60℃、40秒間ディップ処理を行い、次いで蒸留水で水洗し、150℃の熱風で30秒間乾燥し、支持体を作製した。
【0124】
(FD−YAGレーザー光源(532nm)対応フォトポリマータイプ感光性平版印刷版材料の作製)
前記支持体に、下記組成の光重合性画像形成層塗布液を乾燥時1.6g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、ノズル噴出し方式の熱風乾燥装置にノリタケエンジニアリング製遠赤外線セラミックヒーターを組み込み、両装置について表1記載の「乾燥方法」で同表1記載の「残留溶剤が100mg/m2になるまでの時間」になるように使用して乾燥し、その後、更に該画像形成層上に、下記組成の保護層塗布液を乾燥時1.7g/m2になるようにアプリケーターで塗布し、95℃で1.5分間乾燥して、画像形成層上に保護層を有する光重合性感光性平版印刷版材料101〜107を作製した。
【0125】
(光重合性画像形成層塗布液)
高分子結合剤B−1(下記) 40.0部
増感色素D−1とD−2を1:1(下記) 3.0部
光重合開始剤η−クメン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート 4.0部
付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合含有単量体M−3(前記) 40.0部
付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合含有単量体
NKエステル4G(新中村化学社製ポリエチレングリコールジメタクリレート)
15.0部
ヒンダードアミン系化合物(LS−770:三共社製) 0.1部
トリハロアルキル化合物E−1(下記) 1.0部
フタロシアニン顔料(MHI454:御国色素社製) 4.0部
弗素系界面活性剤(F178K:大日本インキ化学工業社製) 0.5部
メチルエチルケトン 80部
シクロヘキサノン 820部
(高分子結合材B−1の合成)
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メチルメタクリレート(125部:1.25モル)、エチルメタクリレート(12部:0.10モル)、メタクリル酸(63部:0.73モル)、シクロヘキサノン(240部)、イソプロピルアルコール(160部)及びα,α′−アゾビスイソブチロニトリル(5部)を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させて高分子重合体を得た。その後、該重合体に、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド4部及びグリシジルメタクリレート(52部:0.73モル)を加えて、温度25℃で3時間反応させて高分子結合剤B−1を得た。重量平均分子量は約55,000(GPC:ポリスチレン換算)であった。
【0126】
【化1】


【0127】
(保護層塗布液)
ポリビニルアルコール(GL−05:日本合成化学社製) 84部
ポリビニルピロリドン(K−30:ISPジャパン社製) 15部
界面活性剤(サーフィノール465:日信化学工業社製) 0.5部
水 900部
(画像形成)
このようにして作製した光重合性感光性平版印刷版材料について、FD−YAGレーザー光源を搭載したCTP露光装置(Tigercat:ECRM社製)を用いて2400dpi(dpiとは1インチ即ち2.54cm当たりのドット数を表す。)の解像度で175線の画像を150μJ/cm2で露光を行った。露光した画像はベタ画像と1〜99%の網点画像とを含むものである。次いで、現像前に、加熱装置部、保護層を除去する前水洗部、下記現像液組成の現像液を充填した現像部、版面に付着した現像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)を備えたCTP自動現像機(RaptorPolymer:Glunz&Jensen社製)で現像処理を行い、平版印刷版I−1〜I−7を得た。このとき加熱装置部は、版面温度105℃、版滞在時間15秒となるように設定した。また露光終了から自現機の加熱装置部への版挿入は30秒以内に行った。
【0128】
(現像液組成(下記添加剤を含有する水溶液))
珪酸カリウム水溶液(SiO2:26%、K2O:13.5%) 40.0g/L
水酸化カリウム 4.0g/L
エチレンジアミンテトラ酢酸 0.5g/L
ポリオキシエチレン(13)ナフチルエーテルスルホン酸塩 20.0g/L
水にて1Lとした。pHは12.3であった。
【0129】
実施例2
(violet光源対応フォトポリマータイプ感光性平版印刷版材料の作製)
前記支持体に、下記組成の光重合性画像形成層塗布液を乾燥時1.6g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、ノズル噴出し方式の熱風乾燥装置にノリタケエンジニアリング製遠赤外線セラミックヒーターを組み込み、両装置について表2記載の「乾燥方法」で同表2記載の「残留溶剤が100mg/m2になるまでの時間」になるように使用して乾燥し、その後、更に該画像形成層上に、下記組成の保護層塗布液を乾燥時1.7g/m2になるようにアプリケーターで塗布し、95℃で1.5分間乾燥して、画像形成層上に保護層を有する光重合性感光性平版印刷版材料201〜207を作製した。
【0130】
(光重合性画像形成層塗布液)
高分子結合剤B−1(前記) 40.0部
光重合開始剤η−クメン−(η−シクロペンタジエニル)鉄 ヘキサフルオロホスフェート 3.0部
増感色素D−3とD−4を1:1(下記) 4.0部
付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合含有単量体M−3(前記) 40.0部
付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合含有単量体
NKエステル4G(新中村化学社製ポリエチレングリコールジメタクリレート)
7.0部
カチオン重合可能な基を有する化合物C−1(下記) 8.0部
ヒンダードアミン系化合物(LS−770:三共社製) 0.1部
トリハロアルキル化合物E−1(前記) 5.0部
フタロシアニン顔料(MHI454:御国色素社製) 7.0部
弗素系界面活性剤(F178K:大日本インキ化学工業社製) 0.5部
メチルエチルケトン 80部
シクロヘキサノン 820部
【0131】
【化2】


【0132】
(画像形成)
このようにして作製した光重合性感光性平版印刷版材料について、408nm、30mW出力のレーザーを備えた光源を備えたプレートセッター(タイガーキャット:ECRM社製改造品)を用いて2400dpi(dpiとは1インチ即ち2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で175線の画像を50μJ/cm2で露光を行った。露光した画像はベタ画像と1〜99%の網点画像とを含むものである。次いで、現像前に、加熱装置部、保護層を除去する前水洗部、前記現像液組成を充填した現像部、版面に付着した現像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)を備えたCTP自動現像機(RaptorPolymer:Glunz&Jensen社製)で現像処理を行い、平版印刷版II−1〜II−7を得た。このとき加熱装置部は、版面温度105℃、版滞在時間15秒となるように設定した。また露光終了から自現機の加熱装置部への版挿入は30秒以内に行った。
【0133】
(印刷方法)
露光、現像して作製した平版印刷版を、印刷機(DAIYA1F−1:三菱重工業製)で、コート紙、マゼンタ印刷インキ(大豆油インキ ナチュラリス100:大日本インキ化学工業社製)及び湿し水(H液SG−51、濃度1.5%:東京インク社製)を用いて印刷を行った。
【0134】
(汚れ性)
露光、現像して作製した平版印刷版の非画像部の残膜の度合いを目視で評価した。
【0135】
(耐刷性)
上記露光方法をリニア補正して行い、平版印刷版面上に1〜99%の網点画像をリニアに再現した。上記印刷を行い、5%網点が再現しなくなった印刷枚数を耐刷性を示す指標として示す。印刷枚数が多いほど高耐刷性であることを表す。
【0136】
比較例2,4,6,8は汚れ性が悪く、印刷に適さないため、耐刷性の評価を行わなかった。
【0137】
結果を表1に示す。
【0138】
【表1】


【0139】
表1から、本発明の場合に、耐刷性、耐傷性が良好で、汚れ性に優れる感光性平版印刷版材料の製造方法を提供できることがわかる。
【0140】
尚、熱風乾燥単独で5秒未満(4秒)に乾燥した場合や、遠赤外線単独で2秒よりも短い時間(1秒)で乾燥した場合には、汚れ性が悪くなっていることがわかる。
【0141】
更に、熱風乾燥と遠赤外線乾燥との組み合わ併用せ両者併用においても2秒よりも短い時間で乾燥した場合には、汚れ性が悪くなっている。また、5秒よりも長い時間で乾燥した場合には、汚れ性が若干悪く、耐刷性に劣ることがわかる。




 

 


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