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発明の名称 熱現像感光材料及びそれを用いた画像形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−47375(P2007−47375A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−230690(P2005−230690)
出願日 平成17年8月9日(2005.8.9)
代理人
発明者 若杉 靖浩
要約 課題
レーザー光の波長を500nm以下で露光しても、黒ポツが少なく、生保存性に優れ、且つ、塗布液の塗布適性を改善し、スジやハジキ・ムラの発生を抑え、熱現像処理時の搬送性に優れた熱現像写真感光材料を提供する。

解決手段
透明支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、熱現像剤およびバインダーを含有する熱現像感光材料において、該感光性ハロゲン化銀の沃化銀含量が5モル%以上40モル%以下であり、下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、且つ特定のフッ素化合物を含有し、波長350nm〜450nmにピーク強度を持つ光で、1mW/mm2以上の照度で露光されることを特徴とする熱現像感光材料。
特許請求の範囲
【請求項1】
透明支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、熱現像剤およびバインダーを含有する熱現像感光材料において、該感光性ハロゲン化銀の沃化銀含量が5モル%以上40モル%以下であり、下記一般式(1)〜(5)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、且つ下記一般式(a1)で表されるフッ素化合物(A)あるいは炭素原子数が2以上でフッ素原子数が11以下のフッ化アルキル基を2つ以上有しかつアニオン性またはノニオン性の親水性基の少なくとも一方を有するフッ素化合物(B)のうち少なくとも1つのフッ素化合物を含有し、波長350nm〜450nmにピーク強度を持つ光で、1mW/mm2以上の照度で露光されることを特徴とする熱現像感光材料。
【化1】


〔式中、Xはアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、またはアルキルアミノ基を表し、Yはアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、Mは水素イオン以外のカチオンを表す。〕
【化2】


〔式中、Y1およびY2は、ヒドロキシ基またはその塩、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、メルカプト基またはその塩、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基またはヘテロ環基を表し、Z1およびZ2は、これらを含んで5員から7員の環構造を形成し得る非金属原子団を表し、W1、W2およびW3は、それぞれ電子求引性基を表す。〕
【化3】


〔式中、Zはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Wはアリール基または電子求引性基で置換されたアルキル基を表し、Mはカウンターカチオンを表す。〕
【化4】


〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表し、X1は酸素原子、硫黄原子または窒素原子を表し、Y1は−C(=O)−、−C(=S)−、−SO−、−SO2−、−C(=NR3)−または−C(R4)=N−で表される基を表し、R3およびR4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1はX1およびY1とともに5〜7員環を形成し得る非金属原子団を表す。ただし、R1およびR2が互いに結合して環状構造を形成することはない。〕
【化5】


〔式中、Rは置換または無置換のアルキル基を表し、Rafはパーフルオロアルキレン基を表す。Wは水素原子またはフッ素原子を表し、Laは置換もしくは無置換のアルキレン基または置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価基を表す。AおよびBは、一方が水素原子を、もう一方が−Lb−SO3Mを表し、Mはカチオンを表す。Lbは、単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。〕
【請求項2】
前記フッ素化合物(B)が下記一般式(b1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。
【化6】


〔式中、R1およびR2はそれぞれ炭素原子数が2以上でフッ素原子数が11以下のフッ化アルキル基を表し、R3およびR4はそれぞれ水素原子か置換または無置換のアルキル基を表す。AおよびBは、一方が水素原子を、もう一方が−Lb−SO3Mを表し、Mは水素原子またはカチオンを表す。Lbは、単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。〕
【請求項3】
前記フッ素化合物(B)が下記一般式(b2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。
【化7】


〔式中、R1およびR2はそれぞれ炭素原子数が2以上でフッ素原子数が11以下のフッ化アルキル基を表す。Xは−Lb−SO3Mを表し、Mは水素原子またはカチオンを表す。Lbは、単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。〕
【請求項4】
前記感光性ハロゲン化銀の粒子サイズが5nm以上80nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【請求項5】
前記感光性ハロゲン化銀が有機銀塩の存在しない状態で形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱現像感光材料を用いて形成したことを特徴とする画像形成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は熱現像写真感光材料(以下、熱現像感光材料ともいう)に関し、更に詳しくは、塗布性に優れ、黒ポツが少なく、生保存性に優れ、熱現像時の搬送性に優れた熱現像写真感光材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から広範囲に用いられているハロゲン化銀感光材料は、その優れた写真特性により、より広範囲且つ高品質な素材として画像形成分野に利用されているが、画像を形成するために現像、定着、水洗、乾燥というプロセスが必要であり、しかも処理工程が湿式であるため、作業が煩雑であるという欠点があった。その為、現像工程を熱処理で行う熱現像感光材料が開発、実用化され、近年、印刷業界或いは医用業界を中心に急速に普及してきている。
【0003】
これらの熱現像感光材料は露光光源としてレーザー光源が用いられてきており、レーザー光源として、アルゴン、ヘリウム−ネオン、ヘリウム−カドミウム等のコヒーレント光が用いられている。しかしながら、これらのレーザー管は、いずれも寿命が短く、高圧電源の専用のドライバーを用いる必要があり、大型化を免れない等の欠点を有している。また、最近では半導体レーザーの普及が著しい。半導体レーザーの短所としては、これまでは発光波長が650nm以上の長波長のため、この領域に感光性を持たせた熱現像感光材料は保存安定性に劣り、保存中にカブリや減感しやすい。その理由としては、分光増感色素の不安定要因が挙げられている。ここにきて、SHG(Second Hermonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。従って、青色レーザーに対応した高感度の熱現像レーザー光記録材料が求められている。
【0004】
500nm以下のレーザーで露光するには、高感度化のためにヨウ化銀の含有率を40〜100mol%にする方法が開示されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【0005】
しかし、ヨウ化銀含有率を40〜100mol%にすると黒ポツの発生、生保存性が劣化するという問題があることが分かった。
【0006】
また、これらの熱現像感光材料は、これまでのゼラチンを主たるバインダーとして使用したハロゲン化写真銀感光材料に比べて塗布が難しく、特に高速で塗布しようとするとスジやハジキ・ムラの発生が起こり塗布性の改良が望まれていた。これらを改善する方法として、フッ素系界面活性剤を用いて塗布する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
しかしながら、これらの技術を高沃化銀含有の熱現像感光材料に適用した例はなく、適用した結果、驚くべき効果を見いだすことができたものである。
【特許文献1】特開2003−149764号公報
【特許文献2】特開2003−149762号公報
【特許文献3】特開2003−295386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、レーザー光の波長を500nm以下で露光しても、黒ポツが少なく、生保存性に優れ、且つ、熱現像感光材料の塗布液の塗布適性を改善しスジやハジキ・ムラの発生を抑え、熱現処理時の搬送性に優れた熱現像写真感光材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ハロゲン化銀の沃化銀含量を特定の範囲とし、勝つ特定の構造を有するフッ素系化合物を用いることにより、黒ポツが少なく、生保存性に優れ、塗布性に優れ、且つ熱現処理時の搬送性に優れた熱現像感光材料を提供し得ることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
(1)透明支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、熱現像剤およびバインダーを含有する熱現像感光材料において、該感光性ハロゲン化銀の沃化銀含量が5モル%以上40モル%以下であり、下記一般式(1)〜(5)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、且つ下記一般式(a1)で表されるフッ素化合物(A)あるいは炭素原子数が2以上でフッ素原子数が11以下のフッ化アルキル基を2つ以上有しかつアニオン性またはノニオン性の親水性基の少なくとも一方を有するフッ素化合物(B)のうち少なくとも1つのフッ素化合物を含有し、波長350nm〜450nmにピーク強度を持つ光で、1mW/mm2以上の照度で露光されることを特徴とする熱現像感光材料。
【0011】
【化1】


【0012】
〔式中、Xはアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、またはアルキルアミノ基を表し、Yはアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、Mは水素イオン以外のカチオンを表す。〕
【0013】
【化2】


【0014】
〔式中、Y1およびY2は、ヒドロキシ基またはその塩、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、メルカプト基またはその塩、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基またはヘテロ環基を表し、Z1およびZ2は、これらを含んで5員から7員の環構造を形成し得る非金属原子団を表し、W1、W2およびW3は、それぞれ電子求引性基を表す。〕
【0015】
【化3】


【0016】
〔式中、Zはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Wはアリール基または電子求引性基で置換されたアルキル基を表し、Mはカウンターカチオンを表す。〕
【0017】
【化4】


【0018】
〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表し、X1は酸素原子、硫黄原子または窒素原子を表し、Y1は−C(=O)−、−C(=S)−、−SO−、−SO2−、−C(=NR3)−または−C(R4)=N−で表される基を表し、R3およびR4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Z1はX1およびY1とともに5〜7員環を形成し得る非金属原子団を表す。ただし、R1およびR2が互いに結合して環状構造を形成することはない。〕
【0019】
【化5】


【0020】
〔式中、Rは置換または無置換のアルキル基を表し、Rafはパーフルオロアルキレン基を表す。Wは水素原子またはフッ素原子を表し、Laは置換もしくは無置換のアルキレン基または置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価基を表す。AおよびBは、一方が水素原子を、もう一方が−Lb−SO3Mを表し、Mはカチオンを表す。Lbは、単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。〕
(2)前記フッ素化合物(B)が下記一般式(b1)で表される化合物であることを特徴とする前記1に記載の熱現像感光材料。
【0021】
【化6】


【0022】
〔式中、R1およびR2はそれぞれ炭素原子数が2以上でフッ素原子数が11以下のフッ化アルキル基を表し、R3およびR4はそれぞれ水素原子か置換または無置換のアルキル基を表す。AおよびBは、一方が水素原子を、もう一方が−Lb−SO3Mを表し、Mは水素原子またはカチオンを表す。Lbは、単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。〕
(3)前記フッ素化合物(B)が下記一般式(b2)で表される化合物であることを特徴とする前記1に記載の熱現像感光材料。
【0023】
【化7】


【0024】
〔式中、R1およびR2はそれぞれ炭素原子数が2以上でフッ素原子数が11以下のフッ化アルキル基を表す。Xは−Lb−SO3Mを表し、Mは水素原子またはカチオンを表す。Lbは、単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。〕
(4)前記感光性ハロゲン化銀の粒子サイズが5nm以上80nm以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【0025】
(5)前記感光性ハロゲン化銀が有機銀塩の存在しない状態で形成されたものであることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【0026】
(6)前記1〜5のいずれか1項に記載の熱現像感光材料を用いて形成したことを特徴とする画像形成方法。
【発明の効果】
【0027】
レーザー光の波長を500nm以下で露光しても、黒ポツが少なく、生保存性に優れ、且つ、熱現像感光材料の塗布液の塗布適性を改善しスジやハジキ・ムラの発生を抑え、熱現処理時の搬送性に優れた熱現像写真感光材料を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の熱現像感光材料について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
【0029】
[1]熱現像感光材料
本発明の熱現像感光材料は,支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、熱現像剤およびバインダーを含有する画像形成層を有し、さらに好ましくはこの層の上に非感光性保護層を有する。
【0030】
次に、本発明の熱現像感光材料材料に含有される一般式(1)〜(5)で表される化合物について説明する。
【0031】
一般式(1)において、Xはアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、またはアルキルアミノ基を表し、Yはアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、Mは水素イオン以外のカチオンを表す。
【0032】
一般式式(1)において、Xはアルコキシ基(好ましくは総炭素数1〜30、さらに好ましくは総炭素数1〜20、特に好ましくは総炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ等の各基)、アリールオキシ基(好ましくは、総炭素数6〜30、さらに好ましくは総炭素数6〜20、特に好ましくは総炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、4−メチルフェノキシ、4−tert−ブチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ、4−ジメチルアミノフェノキシ)、無置換のアミノ基、またはアルキルアミノ基(好ましくは総炭素数1〜30、さらに好ましくは総炭素数1〜20、特に好ましくは総炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基で、飽和の環状のものを含む、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ピロリジノ、モルホリノ、2−ヒドロキシエチルアミノ、2−メトキシエチルアミノ、ビス(2−メトキシエチル)アミノ等の各基)を表す。一般式(1)において、Xは好ましくは、アルコキシ基またはアルキルアミノ基である。
【0033】
一般式(1)のXにおいて、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基の置換基としては、例えば、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基などが挙げられる。
【0034】
一般式(1)において、Yは直鎖、分岐、環状又はそれらの組み合わせの置換もしくは無置換のアルキル基を表す。具体的には、アルキル基(好ましくは総炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル等の各基)、シクロアルキル基(好ましくは、総炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル等の各基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、総炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基(総炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を1個取り去った1価の基である。)例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造など各基も包含するものである。以下に置換基として説明するアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)も上記で述べたアルキル基と同義である。
【0035】
アリール基(好ましくは総炭素数6から50の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル等の各基)、またはヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基であり、更に好ましくは、総炭素数3から50の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル等の各基)を表す。尚、一般式(1)において、Yは好ましくはアリール基である。
【0036】
一般式(1)において、Yが示すアルキル基、アリール基、ヘテロ環基の置換基としては、Xについての置換基として挙げたものと同様の基が使用できるが、最も好ましい置換基は総炭素数が8〜50のアシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基である。
【0037】
一般式(1)において、Mは水素イオン以外のカチオン、すなわち酸素アニオンのカウンターカチオンを表し、これらは金属イオンでも非金属イオンでもよい。水素イオン以外のカチオンとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銀、4級アンモニウム(例えば、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム等の各カチオン)等が挙げられる。一般式式(1)において、Mは好ましくは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、亜鉛塩、4級アンモニウム塩である。
【0038】
次に、本発明の一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
【化8】


【0040】
【化9】


【0041】
【化10】


【0042】
【化11】


【0043】
【化12】


【0044】
【化13】


【0045】
一般式(1)で表される化合物は、公知の方法により、例えば下記の5−ピラゾロン化合物を合成し、ビルスマイヤー試薬等によってホルミル化後、アルカリ条件で処理することにより容易に得ることが出来る。
【0046】
【化14】


【0047】
本発明の一般式(1)で表される化合物は、支持体に対して画像形成層側のどの層に添加してもよいが、銀塩を含有する層あるいはそれに隣接する層に添加することが好ましい。
【0048】
本発明の一般式(1)で表される化合物の添加量は写真有用性基の種類によるが、銀1モルに対し1×10-6〜1モルが好ましく、1×10-5〜5×10-1モルがより好ましく、2×10-5〜2×10-1モルが最も好ましい。一般式(1)の化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
前記一般式(2)および一般式(3)において、Y1およびY2は、ヒドロキシル基またはその塩、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、メルカプト基またはその塩、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基またはヘテロ環基を表し、Z1およびZ2は、これらを含んで5員から7員の環構造を形成しうる非金属原子団を表し、W1、W2およびW3は、それぞれ電子求引性基を表す。
【0050】
一般式(2)又は一般式(3)で表される化合物の少なくとも1種を造核剤として含有させることによって、十分満足な硬調性を達成し、低カブリで現像湿度依存性を小さくし、また、Dmaxを高く、高感度にすることができる。
【0051】
次に、本発明に用いられる一般式(2)又は一般式(3)で表される化合物について更に詳しく説明する。
【0052】
一般式(2)および一般式(3)において、Y1およびY2は、ヒドロキシル基またはその塩、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、セチルオキシ基、tert−ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基、p−tert−ペンチルフェノキシ基、p−tert−オクチルフェノキシ基等)、ヘテロ環オキシ基(例えばベンゾトリアゾリル−5−オキシ基、ピリジニル−3−オキシ基等)、メルカプト基またはその塩、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基、ドデシルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、p−ドデシルフェニルチオ基等)、ヘテロ環チオ基(例えば1−フェニルテトラゾイル−5−チオ基、2−メチル−1−フェニルトリアゾリル−5−チオ基、メルカプトチアジアゾリルチオ基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(例えばメチルアミノ基、プロピルアミノ基、オクチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、アリールアミノ基(例えばアニリノ基、ナフチルアミノ基、o−メトキシアニリノ基等)、ヘテロ環アミノ基(例えばピリジルアミノ基、ベンゾトリアゾール−5−イルアミノ基等)、アシルアミノ基(例えばアセトアミド基、オクタノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、ドデシルスルホンアミド基等)、またはヘテロ環基を表す。
【0053】
ここでヘテロ環基とは、芳香族または非芳香族の、飽和もしくは不飽和の、単環もしくは縮合環の、置換もしくは無置換のヘテロ環基で、例えば、N−メチルヒダントイル基、N−フェニルヒダントイル基、スクシンイミド基、フタルイミド基、N,N’−ジメチルウラゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、インダゾリル基、モルホリノ基、4,4−ジメチル−2,5−ジオキソ−オキサゾリル基等が挙げられる。
【0054】
ここで塩とは、酸に含まれている1つ以上の解離しうる水素イオンを金属イオンやアンモニウムイオンなどの陽イオンで置換した化合物をいう。
【0055】
一般式(2)において、Z1は、一般式(2)を構成する[−C(=CHY1)−C(=CW12)−]の構造式中のZ1が結合する2つの炭素原子と共に5員〜7員の環構造を形成しうる非金属原子団を表す。Z1は好ましくは、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子および水素原子から構成される原子団で、これらの中から選ばれる数個の原子が、互いに単結合ないしは2重結合によって連結されて、一般式(2)を構成する[−C(=CHY1)−C(=CW12)−]の構造式中のZ1が結合する2つの炭素原子と共に5員〜7員の環構造を形成する。Z1は置換基を有していてもよく、またZ1自体が、芳香族もしくは非芳香族の炭素環、又は芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環の一部であってもよく、この場合、Z1が一般式(2)を構成する[−C(=CHY1)−C(=CW12)−]の構造式中のZ1が結合する2つの炭素原子と共に形成する5員〜7員の環構造は、縮環構造を形成することになる。
【0056】
一般式(3)において、Z2は、一般式(3)を構成する[−C(=CHY2)−CH=CW3−]の構造式中のZ2が結合する2つの炭素原子と共に5員〜7員の環構造を形成しうる非金属原子団を表す。Z2は好ましくは、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子および水素原子から構成される原子団で、これらの中から選ばれる数個の原子が、互いに単結合ないしは2重結合によって連結されて、一般式(3)を構成する[−C(=CHY2)−CH=CW3−]の構造式中のZ2が結合する2つの炭素原子と共に5員〜7員の環構造を形成する。Z2は置換基を有していてもよく、またZ2自体が、芳香族もしくは非芳香族の炭素環、又は芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環の一部であってもよく、この場合、Z2が一般式(3)を構成する[−C(=CHY2)−CH=CW3−]の構造式中のZ2が結合する2つの炭素原子と共に形成する5員〜7員の環構造は、縮環構造を形成することになる。
【0057】
1およびZ2が置換基を有する場合、その置換基の例としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0058】
即ち、代表的な置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、エキソメチレン基、複素環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基またはその塩、スルホニルカルバモイル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、チオカルバモイル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、N−置換の含窒素ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレイド基、アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基またはその塩、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む基、シリル基、スタニル基等が挙げられる。これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。
【0059】
一般式(2)および一般式(3)において、W1、W2およびW3で表される電子求引性基とは、ハメットの置換基定数σpが正の値をとりうる置換基のことであり、具体的には、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルカンアミド基、スルホンアミド基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、カルボキシ基またはその塩、スルホ基またはその塩、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ基、またはこれら電子求引性基で置換されたアリール基等である。ここでいうヘテロ環基としては、飽和もしくは不飽和のヘテロ環基で、例えばピリジル基、キノリル基、ピラジニル基、キノキサリニル基、ベンゾトリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンツイミダゾリル基、ヒダントイン−1−イル基、スクシンイミド基、フタルイミド基等が挙げられる。
【0060】
1、W2およびW3で表される電子求引性基は、さらに置換基を有していてもよく、その置換基としては、一般式(2)および一般式(3)におけるZ1およびZ2が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
【0061】
次に一般式(2)および一般式(3)で表される好ましい化合物の範囲について更に詳細に説明する。
【0062】
一般式(2)および一般式(3)において、Y1およびY2は、好ましくは、ヒドロキシル基またはその塩、アルコキシ基、メルカプト基またはその塩、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、スルホンアミド基またはヘテロ環基であり、さらに好ましくは、ヒドロキシル基またはその塩、アルコキシ基、メルカプト基またはその塩、アルキルチオ基、アミノ基、またはヘテロ環基であり、特に好ましくは、ヒドロキシル基またはその塩、アルコキシ基、またはヘテロ環基である。Y1およびY2がアルコキシ基を表すとき、その総炭素数は1〜18が好ましく、さらに1〜12が好ましく、特に1〜5が好ましい。また、Y1およびY2がヘテロ環基を表すとき、その総炭素数は2〜20が好ましく、さらに2〜16が好ましい。
【0063】
ここでいう塩として好ましくは、アルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム、リチウム等の各金属塩)もしくはアルカリ土類金属塩(マグネシウム、カルシウム等の各金属塩)の塩、銀塩、亜鉛塩または4級アンモニウム塩(テトラエチルアンモニウム塩、ジメチルセチルベンジルアンモニウム塩等)もしくは4級ホスホニウム塩等を表す。
【0064】
一般式(2)において、Z1は好ましくは、5員もしくは6員の環状構造を形成しうる原子団であり、その具体例としては、窒素原子、炭素原子、硫黄原子および酸素原子から構成される原子団である。例えば、−O−C−,−N−N−,−N−N=,−N−C−,−C−C−,−C=C−,−S−C−,−C=C−N−,−C=C−O−,−C=C−N−,−N=C−N−,−C−C−C−,−C=C−C−,−O−C−O−,−N−N=C−,−O−C=C−,−O−C=N−,カルボニル基,スルホニル基等、またはこれらの組み合わせから構成される原子団が一般式(2)を構成する[−C(=CHY1)−C(=CW12)−]の構造式中のZ1が結合する2つの炭素原子と共に環状構造を形成し、さらに置換基を有している場合が挙げられる。
【0065】
1は、より好ましくは、−O−C−,−N−N−,−N−N=,−N−C−,−C−C−,−C=C−,−S−C−,−N−C−N−,−C=C−N−,−N−N=C−,カルボニル基,スルホニル基等、もしくはこれらの組み合わせから構成される原子団が一般式(A)[−C(=CHY1)−C(=CW12)−]の構造式中のZ1が結合する2つの炭素原子と共に環状構造を形成し、さらに置換基を有している場合が挙げられる。特に好ましくは、−O−C−,−N−C−,−C=C−,−N−N=C−,カルボニル基、スルホニル基等、またはこれらの組み合わせから構成される原子団が一般式(2)を構成する[−C(=CHY1)−C(=CW12)−]の構造式中のZ1が結合する2つの炭素原子と共に環状構造を形成し、さらに置換基を有している場合が挙げられる。
【0066】
一般式(3)において、Z2は好ましくは、5員もしくは6員の環状構造を形成しうる原子団であり、その具体例としては、窒素原子、炭素原子、硫黄原子および酸素原子から構成される原子団である。例えば、−CO−C−CO−、−CO−N−CO−、−CO−S−CO−、−SO2−N−CO−、−C−C−CO−より選ばれる原子団が一般式(3)を構成する[−C(=CHY2)−CH=CW3−]の構造式中のZ2が結合する2つの炭素原子と共に環状構造を形成し、さらに置換基を有している場合が挙げられる。
【0067】
1およびZ2これ自体が、芳香族もしくは非芳香族の炭素環、または芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環の一部となって、Z1が一般式(2)を構成する[−C(=CHY1)−C(=CW12)−]の構造式中のZ1が結合する2つの炭素原子と共に、またZ2が一般式(3)を構成する[−C(=CHY2)−CH=CW3−]の構造式中のZ2が結合する2つの炭素原子と共に形成する5員〜7員の環構造に対して縮環構造を形成する場合もまた好ましい。この場合に形成される縮合環は、芳香族もしくは非芳香族の炭素環、或いは芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環であって、その例としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、シクロヘキサン環、ピペリジン環、ピラゾリジン環、ピロリジン環、1,2−ピペラジン環、1,4−ピペラジン環、オキサン環、オキソラン環、チアン環、チオラン環等が挙げられる。
【0068】
1およびZ2が有する置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、エキソメチレン基、ハロゲン原子、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基またはその塩、スルホニルカルバモイル基、シアノ基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アミノ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシまたはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基等が挙げられる。
【0069】
またZ1およびZ2それ自体が、芳香族もしくは非芳香族の炭素環、または芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環の一部となって、縮環構造を形成する場合に、その縮合環(芳香族もしくは非芳香族の炭素環、または芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環)は置換基を有していてもよく、その置換基としては、上記と同じ範囲から選ばれるものが好ましい。Z1およびZ2は、その置換基を含めて、総炭素数1〜50であることが好ましく、2〜30であることが特に好ましい。
【0070】
一般式(2)または一般式(3)で表される化合物は、その総炭素数が6以上であることが好ましい。総炭素数の上限には特に制限はないが、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物の総炭素数は、50以下が好ましく、30以下がさらに好ましい。
【0071】
一般式(2)および一般式(3)で表される化合物には、感光性ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込まれていてもよい。
【0072】
そのような吸着基としては、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、メルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第4,385,108号明細書、同4,459,347号明細書、特開昭59−195233号公報、同59−200231号公報、同59−201045号公報、同59−201046号公報、同59−201047号公報、同59−201048号公報、同59−201049号公報、特開昭61−170733号公報、同61−270744号公報、同62−948号公報、同63−234244号公報、同63−234245号公報、同63−234246号公報に記載された基が挙げられる。またこれら感光性ハロゲン化銀への吸着基は、プレカーサー化されていてもよい。そのようなプレカーサーとしては、特開平2−285344号公報に記載された基が挙げられる。
【0073】
一般式(2)および一般式(3)で表される化合物は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において常用されているバラスト基またはポリマーが組み込まれているものでもよい。特にバラスト基が組み込まれているものは本発明において好ましい例の1つである。バラスト基は8以上の炭素数を有する、写真性に対して比較的不活性な基であり、例えばアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基などの中から選ぶことができる。またポリマーとしては、例えば特開平1−100530号公報に記載のものが挙げられる。
【0074】
一般式(2)および一般式(3)で表される化合物は、その中にカチオン性基(具体的には、4級のアンモニオ基を含む基、または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基等)、エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、または塩基により解離しうる解離性基(カルボキシ基、スルホ基、アシルスルファモイル基、カルバモイルスルファモイル基等)が含まれていてもよい。特にエチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、または(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基が含まれているものは、本発明において好ましい例の1つである。これらの基を有する化合物の具体例としては、例えば特開平7−234471号公報、特開平5−333466号公報、特開平6−19032号公報、特開平6−19031号公報、特開平5−45761号公報、米国特許4994365号公報、米国特許第4988604号明細書、特開平73−259240号公報、特開平7−5610号公報、特開平7−244348号公報、独国特許4006032号明細書等に記載の化合物が挙げられる。
【0075】
以下に一般式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物の具体例を示す。ただし、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
【0076】
【化15】


【0077】
【化16】


【0078】
【化17】


【0079】
【化18】


【0080】
【化19】


【0081】
本発明における一般式(2)および一般式(3)で表される化合物は、支持体に対して画像形成層側のいずれの層に添加してもよいが、該画像形成層あるいはそれに隣接する層に添加することが好ましい。本発明における一般式(2)および一般式(3)で表される化合物の添加量は銀1モルに対し、1×10-6〜5×10-1モルが好ましく、1×10−5〜2×10-1モルがより好ましく、1×10-4〜1×10-1モルが最も好ましい。
【0082】
本発明の一般式(2)及び(3)で表される化合物は、公知の方法により容易に合成することができる。
【0083】
前記一般式(4)において、Zはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Wはアリール基または電子求引性基で置換されたアルキル基を表し、Mはカウンターカチオンを表す。
【0084】
以下、本発明で用いる一般式(4)で表される化合物について詳細に説明する。
【0085】
一般式(4)において、Zはアルキル基(直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を1個取り去った1価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基)、さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。);アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、oまたはmまたはp−メタンスルホニルフェニル基、3,5−ビストリフルオロメチル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基);ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から1個の水素原子を取り去った1価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)を表す。
【0086】
Zは好ましくは、アルキル基またはアリール基であり、特に好ましくはアリール基である。
【0087】
Zはさらに他の置換基で置換されていても良く、置換基としてはハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。特に好ましい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基である。また、2以上の置換基が存在する場合は、置換基同士が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0088】
一般式(4)において、Wはアリール基または電子求引性基で置換されたアルキル基を表す。
【0089】
Wで表されるアリール基は上記のZで説明したアリール基と同義である。該アリール基は、さらに他の置換基で置換されていてもよく、この置換基としてはZの置換基として例示したものを挙げることができる。Wで表されるアリール基には電子求引性基が少なくとも1つ置換していることが好ましい。電子求引性基とは、ハメットの置換基定数σpが正の値を取りうる置換基のことであり、具体的には、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルカンアミド基、スルホンアミド基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、カルボキシ基、スルホ基(またはその塩)、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ基、またはこれら電子求引性基で置換されたアリール基等である。
【0090】
Wで表されるアルキル基は上記のZで説明したアルキル基と同義であるが、少なくとも1つ以上の電子求引性基が置換している。電子求引性基の定義は前述の通りである。
【0091】
Wは好ましくは、電子求引性基で置換されたアルキル基であり、さらに好ましくは、フッ素原子で置換されたアルキル基であり、特に好ましくはトリフルオロメチル基である。WはZと互いに結合して環状構造を形成しても良い。
【0092】
一般式(4)において、Mはカウンターカチオンを表す。例えば水素イオン、金属カチオン(例えばNa、K、Ca、Mg、Zn、Ag等)、アンモニウムカチオン(例えばNH4、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム等)などが挙げられる。好ましくは、金属カチオン、アンモニウムカチオンである。
【0093】
本発明の一般式(4)で表される化合物には、さらに以下に記載される基が置換されていてもよい。
【0094】
これらの基は、一般式(4)で表される化合物の置換可能な部位のいずれかに組み込まれていてもよいし、あるいはWまたはZの一部として組み込まれていてもよい。
【0095】
本発明の一般式(4)で表される化合物には、感光性ハロゲン化銀に吸着する吸着性の基が組み込まれていてもよい。かかる吸着基としては、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、メルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第4,385,108号明細書、同4,459,347号明細書、特開昭59−195233号公報、同59−200231号公報、同59−201045号公報、同59−201046号公報、同59−201047号公報、同59−201048号公報、同59−201049号公報、特開昭61−170733号公報、同61−270744号公報、同62−948号公報、同63−234244号公報、同63−234245号公報、同63−234246号公報に記載された基が挙げられる。またこれら感光性ハロゲン化銀への吸着基は、プレカーサー化されていてもよい。その様なプレカーサーとしては、特開平2ー285344号公報に記載された基が挙げられる。
【0096】
本発明の一般式(4)で表される化合物は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において常用されているバラスト基またはポリマーが組み込まれているものでもよい。
【0097】
特にバラスト基が組み込まれているものは本発明の好ましい例の1つである。バラスト基は8以上の炭素数を有する、写真性に対して比較的不活性な基であり、例えばアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基などの中から選ぶことができる。またポリマーとしては、例えば特開平1−100530号公報に記載のものが挙げられる。
【0098】
本発明の一般式(4)で表される化合物、その中にカチオン性基(具体的には、4級のアンモニオ基を含む基、または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基等)、エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、あるいは塩基により解離しうる解離性基(カルボキシ基、スルホ基、アシルスルファモイル基、カルバモイルスルファモイル基等)が含まれていてもよい。特にエチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、あるいは(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基が含まれているものは、本発明の好ましい例の1つである。これらの基の具体例としては、例えば特開平7−234471号公報、特開平5−333466号公報、特開平6−19032号公報、特開平6−19031号公報、特開平5−45761号公報、米国特許第4994365号明細書、米国特許第4988604号明細書、特開平73−259240号公報、特開平7−5610号公報、特開平7−244348号公報、独国特許第4006032号明細書等に記載のものが挙げられる。本発明の一般式(4)で表される化合物の分子量は、好ましくは50〜10,000であり、さらに好ましくは100〜2,000であり、特に好ましくは300〜1,000である。
【0099】
以下に、本発明の一般式(4)で表される化合物の具体例を示すが、本発明の化合物はこれらに限定されるものではない。
【0100】
【化20】


【0101】
【化21】


【0102】
本発明の一般式(4)で表される化合物は、既知の方法によって対応するアニリン誘導体を経由して合成することができる。本発明の一般式(4)で表される化合物は、水あるいは適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブなどに溶解して用いることができる。
【0103】
また、既によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいは固体分散法として知られている方法によって、粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、サンドグラインダーミル、マントンゴーリン、マイクロフルイダイザーあるいは超音波によって分散し用いることができる。
【0104】
本発明の一般式(4)で表される化合物は、支持体に対して画像形成層側のどの層に添加してもよいが、銀塩を含有する画像形成層あるいはそれに隣接する層に添加することが好ましい。
【0105】
本発明の一般式(4)で表される化合物の添加量は、画像形成層側の銀1molに対し1×10-5〜1molが好ましく、1×10-4〜5×10-1molがより好ましく、2×10-4〜2×10-1molが最も好ましい。本発明で用いる式(1)の化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい
次に、前記一般式(5)で表される化合物について述べる。
【0106】
前記一般式(5)において、X1は酸素原子、硫黄原子または窒素原子を表す。X1が窒素原子の場合にはX1とZ1の結合は単結合でも2重結合でもよく、単結合の場合には窒素原子は水素原子あるいは任意の置換基を有していてもよい。この置換基としては例えばアルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、(アルキル、アリールまたはヘテロ環)スルホニル基等が挙げられる。
【0107】
前記一般式(5)において、Y1は−C(=O)−、−C(=S)−、−SO−、−SO2−、−C(=NR3)−または−(R4)C=N−を表す。
【0108】
前記一般式(5)において、Z1はX1およびY1とともに5〜7員環を形成し得る非金属原子団を表す。その環を形成する原子団は2〜4個の金属原子以外の原子からなる原子団で、これらの原子は単結合あるいは2重結合で結合されていてもよく、これらは水素原子あるいは任意の置換基(例えばアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アミノ基、アルケニル基)を有していてもよい。Z1、X1およびY1によって形成される5〜7員の環は、飽和または不飽和のヘテロ環であり、該へテロ環は単環であっても縮合環を有していてもよい。前記縮合環は、Y1が−C(=NR3)−または−(R4)C=N−を表す場合、R3またはR4がZ1の有する置換基と結合して形成された環であってもよい。
【0109】
前記一般式(5)においてR1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表す。ただし、R1とR2とが互いに結合して環状構造を形成することはない。
【0110】
1およびR2が1価の置換基を表す時、1価の置換基としては、以下の基が挙げられる。例えば、ヒドロキシル基またはその塩、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、セチルオキシ基、tert−ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基、p−tert−ペンチルフェノキシ基、p−tert−オクチルフェノキシ基等)、ヘテロ環オキシ基(例えばベンゾトリアゾリル−5−オキシ基、ピリジニル−3−オキシ基等)、メルカプト基またはその塩、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基、ドデシルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、p−ドデシルフェニルチオ基等)、ヘテロ環チオ基(例えば1−フェニルテトラゾイル−5−チオ基、2−メチル−1−フェニルトリアゾリル−5−チオ基、メルカプトチアジアゾリルチオ基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(例えばメチルアミノ基、プロピルアミノ基、オクチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、アリールアミノ基(例えばアニリノ基、ナフチルアミノ基、o−メトキシアニリノ基等)、ヘテロ環アミノ基(例えばピリジルアミノ基、ベンゾトリアゾール−5−イルアミノ基等)、アシルアミノ基(例えばアセトアミド基、オクタノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、ドデシルスルホンアミド基等)、またはヘテロ環基を表す。
【0111】
ここでヘテロ環基とは、芳香族または非芳香族の、飽和もしくは不飽和の、単環もしくは縮合環の、置換もしくは無置換のヘテロ環基で、例えば、N−メチルヒダントイル基、N−フェニルヒダントイル基、スクシンイミド基、フタルイミド基、N,N’−ジメチルウラゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、インダゾリル基、モルホリノ基、4,4−ジメチル−2,5−ジオキソ−オキサゾリル基等が挙げられる。
【0112】
ここで塩とは、酸に含まれている1以上の解離しうる水素イオンを金属イオンやアンモニウムイオンなどの陽イオンで置換した化合物をいう。
【0113】
次にR3およびR4が置換基を表す時、置換基としては以下の基が挙げられる。R3およびR4はさらにZ1と連結して縮合した環を形成していてもよい。例えば、アルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環(ヘテロ環)基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基またはその塩、スルホニルカルバモイル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、チオカルバモイル基、水酸基(ヒドロキシル基)またはその塩、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、N−置換の含窒素ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレイド基、アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト基またはその塩、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスホリル基、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む基、シリル基、スタニル基等が挙げられる。これら置換基は、これら1価の置換基でさらに置換されていてもよい。
【0114】
尚、前記一般式(5)で表される化合物は、前記一般式(5)で表される部分構造を2以上含む構造であってもよく、例えば、Z1、X1およびY1によって形成されるヘテロ環上の置換基が前記一般式(A)で表される部分構造を含む構造であってもよい。
【0115】
次に一般式(5)で表される化合物のうち、好ましいものについて説明する。一般式(1)においてZ1により表される非金属原子団は、炭素原子、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる2〜4個の原子からなる原子団であるのが好ましく、少なくとも1つの炭素原子を含む原子団であるのがより好ましい。Z1がX1およびY1とともに形成するヘテロ環(ヘテロ環を構成している原子に結合した置換基も含む)は、総炭素数が3〜100であるのが好ましく、3〜80であるのがより好ましく、3〜50であるのが最も好ましい。
【0116】
前記一般式(5)において、Y1は、−C(=O)−、−C(=S)−、−SO2−または−(R4)C=N−であるのが好ましく、−C(=O)−、−C(=S)−または−SO2−であるのがより好ましく、−C(=O)−であるのが最も好ましい。
【0117】
前記一般式(5)においてR1およびR2が1価の置換基を表す場合には、R1およびR2で表される1価の置換基としては、ヒドロキシル基もしくはその塩、アルコキシ基、メルカプト基もしくはその塩、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、スルホンアミド基またはヘテロ環基であるのが好ましく、ヒドロキシル基もしくはその塩、アルコキシ基、メルカプト基もしくはその塩、アルキルチオ基、アミノ基またはヘテロ環基であるのがより好ましく、ヒドロキシル基もしくはその塩、アルコキシ基またはヘテロ環基であるのが最も好ましい。R1およびR2で表される置換基の総炭素数は0〜50であるのが好ましく、0〜30であるのがより好ましく、0〜20であるのが特に好ましい。
【0118】
尚、ここでいう塩としては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウム)もしくはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム)の塩、銀塩、亜鉛塩、または4級アンモニウム塩(テトラエチルアンモニウム塩、テトラ−N−ヘプチルアンモニウム塩、ジメチルセチルベンジルアンモニウム塩等)、4級ホスホニウム塩等の塩が好ましい。
【0119】
前記一般式(5)において、R3が置換基を表す場合、好ましくは総炭素数1〜50のアルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アルケニル基、アリール基、複素環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホスルファモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基等が挙げられる。特に好ましくはアルキル基、アリール基である。
【0120】
前記一般式(5)においてR4が置換基を表す場合には、好ましくは総炭素数1〜50のアルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アリール基、複素環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホスルファモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基等が用いられる。特に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基等が挙げられる。なお、Y1が−C(R4)=N−を表すとき、X1およびY1により置換された炭素原子と結合するのはY1中の炭素原子である。
【0121】
前記一般式(5)で表される化合物の中でも、下記一般式(6)で表される化合物が好ましい。
【0122】
【化22】


【0123】
前記一般式(6)において、X2は酸素原子、窒素原子または硫黄原子を表し、これは一般式(1)のX1と同義の基である。前記一般式(6)において、R5およびR6は、前記一般式(6)のR1およびR2と各々同義の基である。R5およびR6は、一方が水素原子で、かつ他方がヒドロキシル基もしくはその塩、アルコキシ基またはヘテロ環基であるのが好ましい。
【0124】
前記一般式(5)において、Z2はX2およびカルボニル基の炭素原子とともに、5〜7員環を形成し得る非金属原子団を表す。前記非金属原子団は、炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる原子からなる原子団であり、これらは単結合あるいは2重結合で連結されていて、水素原子あるいは任意の置換基を有していてもよい。また、Z2、X2およびカルボニル基の炭素原子によって形成される5〜7員環は、飽和もしくは不飽和ヘテロ環であり、単環であっても縮合環を有していてもよい。特に、前記ヘテロ環は5員環であるのが好ましい。また、前記ヘテロ環(ヘテロ環を構成している原子に結合した置換基も含む)は、総炭素数3〜100であるのが好ましく、3〜80であるのがより好ましく、3〜50であるのが最も好ましい。
【0125】
以下に、一般式(5)で表される化合物の具体例を例示するが、本発明はこれらの具体例によって限定されるものではない。
【0126】
【化23】


【0127】
【化24】


【0128】
【化25】


【0129】
【化26】


【0130】
また、前記一般式(5)で表される化合物は、公知の方法に準じて容易に合成することができる。
【0131】
本発明では、分子量が480以上である前記一般式(5)で表される化合物を用いることが好ましい。分子量が480未満であると現像時の湿度依存性が大きくなる傾向があり、また感度およびDmaxも低下する傾向がある。分子量の上限値については特に制限はないが、一般的には3000以下であるのが好ましく、2000以下であるのがより好ましい。
【0132】
本発明において、前記一般式(5)で表される化合物は、支持体の画像形成層を有する側と同一面上に含有される。前記一般式(5)で表される化合物は前記画像形成層中またはそれに隣接する層中に添加することが好ましい。
【0133】
前記一般式(5)で表される化合物は、画像形成層中に含有される銀1mol当たり、1×10-6〜1mol含有させるのが好ましく、1×10-5〜5×10-1mol含有させるのがより好ましく、2×10-5〜2×10-1mol含有させるのが最も好ましい。
【0134】
次に、本発明の熱現像感光材料に用いられるフッ素化合物について説明する。
【0135】
本発明の熱現像感光材料には、フッ素化合物(A)或いはフッ素化合物(B)のうち少なくとも1つのフッ素化合物を含有することを特徴とする。なお、以下の説明ではフッ素化合物(A)或いはフッ素化合物(B)を本発明のフッ素化合物と呼ぶことがある。
【0136】
以下、本発明のフッ素化合物について説明する。
【0137】
フッ素化合物(A)は前記一般式(a1)で表される化合物である。
【0138】
前記一般式(a1)中、Rは置換または無置換のアルキル基を表す。Rで表される置換または無置換のアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、また環状構造を有していてもよい。前記置換基としては、どんな置換基でもよいが、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(好ましくはCl)、カルボン酸エステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が好ましい。Rは、置換基としてフッ素を有さない方が好ましく、無置換アルキル基がより好ましい。Rは、炭素数が2以上であるのが好ましく、4以上がより好ましく、6以上がさらに好ましい。
【0139】
afはパーフルオロアルキレン基を表す。ここで、パーフルオロアルキレン基とは、アルキレン基の水素原子が全てフッ素置換された基をいう。前記パーフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、また環状構造を有していてもよい。Rafは、炭素数が10以下であるのが好ましく、8以下であるのがより好ましい。最も好ましくは炭素数4のパーフルオロアルキレン基である。
【0140】
Wは、水素原子またはフッ素原子を表すが、フッ素原子であることが好ましい。Laは、置換もしくは無置換のアルキレン基または置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価基を表す。置換基はRで挙げたものが好ましい。Laは、炭素数が4以下であるのが好ましく、また、無置換アルキレンであるのが好ましい。
【0141】
本発明のフッ素化合物が、Rafの炭素数が異なる化合物の混合物であるときは、Rafの炭素数が4である化合物(C4体)の割合が多い方が好ましい。C4体の混合物中の割合は好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。一般に、C6以上のRafを有する化合物が多く含まれると、水に対する溶解性が悪くなるため、C6以上の成分は少ないほうが好ましい。また、C3以下の成分が含まれると、静的表面表力を下げる効果がC4体に比べて小さくなるため、C3以下の成分は少ないほうが好ましい。
【0142】
AおよびBは、一方が水素原子を、もう一方が−Lb−SO3Mを表し、Mはカチオンを表す。ここで、Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく例示される。これらのうち、より好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはアンモニウムイオンであり、さらに好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンであり、一般式(a1)で表されるフッ素化合物(A)の総炭素数や置換基、アルキル基の分岐の程度等により適切に選択することができる。
【0143】
R、LaおよびRafの炭素数の合計が16以上の場合、Mがリチウムイオンであることが溶解性(特に水に対して)と帯電防止能または塗布均一性の両立の観点で優れている。Lbは、単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。置換基はRで挙げたものが好ましい。Lbがアルキレン基である場合、C数は2以下であるのが好ましく、無置換であるのが好ましく、メチレン基であるのがより好ましい。Lbは、単結合であるのが最も好ましい。
【0144】
上記一般式(a1)は、上記のそれぞれの好ましい態様を組み合わせることが、より好ましい。一般式(a1)は、さらに下記一般式(a2)で表されるのが好ましい。
【0145】
【化27】


【0146】
前記一般式(a2)中、R1は総炭素数6以上の置換または無置換のアルキル基を表す。但し、R1はフッ素原子で置換されたアルキル基になることはない。R1で表される置換または無置換のアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、また環状構造を有していてもよい。前記置換基としては、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素以外のハロゲン原子、カルボン酸エステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が挙げられる。
【0147】
1で表される置換または無置換のアルキル基は、総炭素数が6〜24であるのが好ましい。炭素数6〜24の無置換アルキル基の好ましい例としては、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−オクチルドデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、2−デシルテトラデシル基、トリコシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。また、置換基の炭素も含めた総炭素数が6〜24の置換アルキル基の好ましい例としては、2−ヘキセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基、ベンジル基、β−フェネチル基、2−メトキシエチル基、4−フェニルブチル基、4−アセトキシエチル基、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、18−フェニルオクタデシル基、12−(p−クロロフェニル)ドデシル基、2−(燐酸ジフェニル)エチル基等を挙げることができる。
【0148】
1で表される置換または無置換のアルキル基は、総炭素数が6〜18であるのがより好ましい。炭素数6〜18の無置換アルキル基の好ましい例としては、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。また、置換基の炭素数を含む総炭素数が6〜18の置換アルキル基の好ましい例としては、フェネチル基、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられる。
【0149】
中でも、R1としては、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基であるのがさらに好ましく、炭素数8〜16の直鎖、環状または分岐の無置換アルキル基であるのが特に好ましい。
【0150】
前記一般式(a2)中、Rfは炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を表す。ここで、パーフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子が全てフッ素置換された基をいう。前記パーフルオロアルキル基中のアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、また環状構造を有していてもよい。Rfで表されるパーフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、ウンデカフルオロ−n−ペンチル基、トリデカフルオロ−n−ヘキシル基、ウンデカフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。中でも、炭素数2〜4のパーフルオロアルキル基(例えば、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基等)が好ましく、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基が特に好ましい。
【0151】
前記一般式(a2)中、nは1以上の整数を表す。好ましくは1〜4の整数であり、特に好ましくは1または2である。また、nとRfの組合せとして、n=1の場合にはRfがヘプタフルオロ−n−プロピル基またはノナフルオロ−n−ブチル基、n=2の場合にはRfがノナフルオロ−n−ブチル基であることがさらに好ましい。
【0152】
前記一般式(a2)中、X1およびX2は、一方が水素原子を、もう一方がSO3Mを表し、Mはカチオンを表す。ここで、Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく例示される。これらのうち、特に好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンである。
【0153】
前記一般式(a1)で表されるフッ素化合物(A)の好ましい具体例を以下に例示するが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。尚、以下では便宜上、BがSO3Mであり、Aが水素原子である例示化合物を示すが、下記の例示化合物においてBが水素原子であり、AがSO3Mであってもよく、それらの化合物も本発明のフッ素化合物(A)の具体例として挙げられる。下記例示化合物の構造表記の中で特に断りのない限り、アルキル基、パーフルアロアルキル基は直鎖構造を有する基を意味する。さらに、構造表記中の略号のうち、2−EHは2−エチルヘキシル基を表し、2−BOは2−ブチルオクチル基を表す。
【0154】
【化28】


【0155】
【化29】


【0156】
前記一般式(a1)で表されるフッ素化合物(A)は、一般的なエステル化反応およびスルホン化反応を組み合わせて容易に合成することができる。
【0157】
本発明においてフッ素化合物(B)とは、炭素原子数が2以上でフッ素原子数が11以下のフッ化アルキル基を2つ以上有しかつアニオン性またはノニオン性の親水性基の少なくとも一方を有する化合物である。フッ素化合物(B)は、上記フッ化アルキル基2つ以上と、アニオン性親水基またはノニオン性親水基の少なくともいずれかを有していれば、その他の構造は特に制限されない。本発明の上記フッ化アルキル基はフッ素原子数が11以下であるが、好ましくは3〜9の範囲で、より好ましくは5〜9の範囲である。また、炭素原子数は2以上であるが、好ましくは2〜16、より好ましくは4〜12の範囲である。
【0158】
本発明のフッ化アルキル基は好ましくは下記一般式(c)で表される基である。
【0159】
一般式(c)
−La−Raf−W
一般式(c)においてLaは、置換もしくは無置換のアルキレン基または置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基、あるいはこれらを組み合わせてできる2価基を表す。前記の置換基としては、どのような基でもよいが、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(好ましくはCl)、カルボン酸エステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、リン酸エステル基が好ましい。Laは、炭素数が8以下であるのが好ましく、4以下がより好ましい。また、無置換アルキレン基であるのが好ましい。Rafは炭素数1〜5パーフルオロアルキレン基を表し、好ましくは炭素数2〜4のパーフルオロアルキレン基、最も好ましくは炭素数4のパーフルオロアルキレン基である。ここでパーフルオロアルキレン基とはアルキレン基のすべての水素原子がフッ素原子で置き換えられたアルキレン基を言う。前記パーフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、また環状構造を有していてもよい。Wは水素原子、フッ素原子またはアルキル基を表し、好ましくは水素原子またはフッ素原子である。本発明に係わるフッ素化合物が、Rafの炭素数が異なる化合物の混合物であるときは、Rafの炭素数が4である化合物(C4体)の割合が多い方が好ましい。C4体の混合物中の割合は好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。一般に、C6以上のRafを有する化合物が多く含まれると、水に対する溶解性が悪くなるため、C6以上の成分は少ないほうが好ましい。また、C3以下の成分が含まれると、静的表面表力を下げる効果がC4体に比べて小さくなるため、C3以下の成分は少ないほうが好ましい。
【0160】
本発明で用いられるフッ化アルキル基の具体例としては、−C25基、−C37基、−C49基、−C511基、−CH2−C49基、−C48−H基、−C24−C49基、−C48−C49基、−C612−C49基、−C816−C49基、−C48−C25基、−C48−C37基、−C48−C511基、−C816−C25基、−C24−C48−H基、−C48−C48−H基、−C612−C48−H基、−C612−C24−H基、−C816−C24−H基、−C612−C48−CH3基、−C24−C37基、−C24−C511基、−C48−CF(CF32基、−CH2CF3基−C48−CH(C252基、−C48−CH(CF32基、−C48−C(CF33基が挙げられるが、本発明で採用しうるフッ化アルキル基はこれらに限定されるものではない。
【0161】
アニオン性の親水基とはpKaが7以下の酸性基およびそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を言う。具体的には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホン酸基、カルバモイルスルファモイル基、スルファモイルスルファモイル基、アシルスルファモイル基およびこれらの塩類などが挙げられる。このうち、好ましくはスルホ基、カルボキシル基、ホスホン酸基およびその塩類で、より好ましくはスルホ基およびその塩類である。塩類を形成するカチオン種としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルピリジニウムなどが挙げられるが、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムである。ノニオン性の親水基の具体例としては水酸基、ポリアルキレンオキシ基が挙げられ、ポリアルキレンオキシ基が好ましい。
【0162】
ポリアルキレンオキシ基と上記のアニオン性親水基を同一分子内に同時に有していてもよく、本発明においては好ましい構造である。また、アニオン性の化合物とノニオン性の化合物を併用するのも効果的な使い方で特に好ましい。本発明においてより好ましいフッ素化合物(B)は下記一般式(b1)で表される。
【0163】
【化30】


【0164】
前記一般式(b1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素原子数が2以上でフッ素原子数が11以下のフッ化アルキル基を表し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子または置換または無置換のアルキル基を表す。R1およびR2で表されるフッ化アルキル基の具体例は前述の基があげられ、好ましい構造も同様に前述の一般式(c)で表される構造である。また、その中での好ましい構造も前述のフッ化アルキル基の記載と同様である。R3およびR4で表される置換または無置換のアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、また環状構造を有していてもよい。前記置換基としては、どんな置換基でもよいが、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(好ましくはCl)、カルボン酸エステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が好ましい。AおよびBは、一方が水素原子を、もう一方が−Lb−SO3Mを表し、Mはカチオンを表す。ここで、Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく例示される。これらのうち、より好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはアンモニウムイオンであり、さらに好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンであり、一般式(B)の化合物の総炭素数や置換基、アルキル基の分岐の程度等により適切に選択することができる。R1、R2、R3およびR4の炭素数の合計が16以上の場合、リチウムイオンであることが溶解性(特に水に対して)と帯電防止能または塗布均一性の両立の観点で優れている。Lbは、単結合または置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。置換基はR3およびR4の説明で挙げたものが好ましい。Lbがアルキレン基である場合、炭素数は2以下であるのが好ましく、無置換であるのが好ましく、メチレン基であるのがより好ましい。Lbは、単結合であるのが最も好ましい。上記一般式(b1)は、上記のそれぞれの好ましい態様を組み合わせることが、より好ましい。一般式(b1)は、さらに下記一般式(b2)で表されるのが好ましい。
【0165】
【化31】


【0166】
前記一般式(b2)中、R1およびR2はそれぞれ独立に上記一般式(c)で表されるフッ化アルキル基を表す。R1およびR2で表されるフッ化アルキル基の具体例は前述の基があげられ、好ましい構造も同様に前述の一般式(c)の説明で記載した好ましい構造と同じである。
【0167】
前記一般式(b2)中、XはSO3Mを表し、Mはカチオンを表す。ここで、Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく例示される。これらのうち、特に好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンである。
【0168】
フッ素化合物(B)の具体例を以下に例示するが、本発明で用いることができるフッ素化合物(B)は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。下記例示化合物の構造表記の中で特に断りのない限りアルキル基、パーフルオロアルキル基は直鎖の構造を有する基を意味する。
【0169】
【化32】


【0170】
【化33】


【0171】
【化34】


【0172】
前記一般式(b1)および(b2)で表されるフッ素化合物は、一般的なエステル化反応およびスルホン化反応を組み合わせて容易に合成することができる。本発明で用いるフッ素化合物は、界面活性剤として、熱現像感光材料を構成している層(特に、保護層や下塗り層、バック層など)を形成するための塗布組成物に好ましく用いられる。中でも、熱現像感光材料の最上層の親水性コロイド層の形成に用いると、効果的な帯電防止能と塗布の均一性を得ることができるので特に好ましい。
【0173】
(A)画像形成層
画像形成層は、一層または複数の層より構成することができ、非感光性有機銀塩、該銀塩の還元剤、感光性ハロゲン化銀、および有機バインダーを含み、有機硬調化剤を実質的に含まない。さらに好ましく含まれ得る素材として、ハロゲンプレカーサー、フタラジンあるいはその誘導体が挙げられる。画像形成層を複数の層を積層した構成にして、これらの素材を互いに異なる層に添加し、熱現像時に溶融して互いに相互作用しあう状態にすることもできる。あるいは一つの素材を異なる層に分配して添加してもよい。
【0174】
画像形成層を塗布法により形成する場合、水性塗布液については塗布液のpHを5.5〜7.8に調整するのが好ましく、調整の際に用いる酸はハロゲンを含まないことが好ましい。有機溶媒を主溶媒にした塗布液を用いる場合は粘度を調整することが重要で1mPa・s〜100mPa・sで保護層より低粘度に調整するのが好ましい。水性塗布、有機溶剤塗布いずれの場合でも、保護層を含めて複数の層を同時重層塗布することが好ましい。以下、画像形成層の各構成要素、および層構成について詳述する。
【0175】
(1)感光性ハロゲン化銀
本発明では、感光性ハロゲン化銀として、沃化銀含量が5モル%以上40モル%以下であるハロゲン化銀であり、塩沃化銀、塩沃臭化銀、沃臭化銀を用いることができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子形成については、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法で粒子形成することができるが、特にこの方法に限定されるものではない。本発明においては、感光性ハロゲン化銀は有機銀塩の存在しない系で形成されることが好ましい。
【0176】
感光性ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、十四面体、平板状、球状、棒状、ジャガイモ状等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子あるいは平板状粒子が好ましい。粒子のアスペクト比、面指数など粒子形状の特徴については、特開平11−119374号公報の段落番号0225に記載されているものと同じである。
【0177】
本発明で用いる感光性ハロゲン化銀の粒子サイズ分布は、単分散度の値が好ましくは30%以下であり、より好ましくは1〜20%であり、さらに好ましくは5〜15%である。ここで単分散度は、粒子サイズの標準偏差を平均粒子サイズで割った値の百分率(%)(変動係数)として定義されるものである。なお感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、便宜上、立方体粒子の場合は稜長で表し、その他の粒子(八面体、十四面体、平板状など)は投影面積円相当直径で算出する。
【0178】
本発明のハロゲン化銀の沃化銀含量は、5モル%以上40モル%以上であるが、より好ましい平均沃化銀含量は10モル%以上40モル%以下、更に好ましくは10モル%以上35モル%以下である。
【0179】
本発明の感光性ハロゲン化銀は、350nm〜450nmの間の波長に沃化銀結晶構造に由来する直接遷移吸収を示すことが好ましい。これらハロゲン化銀が直接遷移の光吸収を持っているかどうかは、400nm〜430nm付近に直接遷移に起因する励起子吸収が見られるかどうかで容易に区別することができる。感光性ハロゲン化銀の吸収は、フィルム上に塗布したハロゲン化銀乳剤を分光光度計で測定することによって容易に得ることができる。
【0180】
この様な直接遷移光吸収型高沃化銀相は、臭化銀、塩化銀、または沃臭化銀、沃塩化銀およびこれらの混晶のような350nm〜450nmの波長域において間接遷移吸収を示すハロゲン化銀からなる相に接合して存在してもよく、このような接合粒子も好ましく用いられる。このような接合粒子の場合のトータルの沃化銀含量(総沃化銀含量)は5モル%以上40モル%以下である。より好ましい総沃化銀含量は10モル%以上40モル%以下、さらに好ましくは10モル%以上35モル%以下である。
【0181】
この様な直接遷移によって光を吸収するハロゲン化銀相は一般に強い光吸収を示すが、弱い吸収しか示さない間接遷移のハロゲン化銀相に比べて低感度であり工業的には利用されていなかった。本発明は、このような直接遷移光吸収型のハロゲン化銀相を有する熱現像感光材料を、350nm〜450nmの露光波長にて、露光照度を1mW/mm2以上で露光することによって、好ましい感度が得られることを見出したものである。露光する波長としては、より好ましくは370nm〜430nmであり、更に好ましくは390nm〜430nmであり、特に好ましくは390nm〜420nmである。
【0182】
本発明のハロゲン化銀はその粒子サイズが5nm以上80nm以下であるとより好ましい特性を発揮する。特に直接遷移吸収を有する相が存在するハロゲン化銀粒子において、その粒子サイズが80nm以下と小さいことによって感度が出るようになることを見出した。
【0183】
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤の粒子サイズは、5nm〜90nmであることが好ましく、5nm〜70nmであることがより好ましく、5nm〜55nmであることがさらに好ましく、10nm〜45nmであることが特に好ましい。ここでいう粒子サイズとは、電子顕微鏡により観察した投影面積と同面積の円像に換算したときの直径の平均をいう。この様なハロゲン化銀粒子の塗布量は、後述する有機酸銀の銀molに対して0.001〜1.0mol%、好ましくは0.005〜0.5mol%、さらに好ましくは0.01〜0.2mol%である。
【0184】
また、本発明の熱現像感光材料は、銀イオン濃度の高い、すなわち膜面pAgが低い状態で露光されることによって、好ましい特性を示す。好ましい膜面pAgは1以上5.5以下である。さらに好ましくは2以上5以下、特に好ましくは3以上4.5以下である。この様な低pAgの状態で、大照度・短時間露光されることは、さらに好ましい感度を得る上で重要である。本発明の熱現像感光材料の膜面pAgは、以下のような方法で求めることができる。すなわち、感光材料1cm2に蒸留水300μlをたらし、ハロゲン化銀乳剤を塗布した膜面を破壊して30分放置後、pAg電極によって電位を測定し、得られた電位からpAgを計算することができる。
【0185】
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号明細書に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物およびハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627号公報、特開2000−347335号公報記載の方法も好ましい。
【0186】
本発明においては、六シアノ金属錯体を粒子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子が好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)64-、[Fe(CN)63-、[Ru(CN)64-、[Os(CN)64-、[Co(CN)63-、[Rh(CN)63-、[Ir(CN)63-、[Cr(CN)63-、[Re(CN)63-などが挙げられる。本発明においては六シアノFe錯体が好ましい。六シアノ金属錯体の添加量は、銀1mol当たり1×10-5mol〜1×10-2molが好ましく、より好ましくは1×10-4mol〜1×10-3molである。
【0187】
本発明で用いる感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第8族〜第10族の金属または金属錯体を含有することができる。周期律表の第8族〜第10族の金属または金属錯体の中心金属として好ましくは、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属および異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1molに対し1×10-9mol〜1×10-3molの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体およびそれらの添加法については特開平7−225449号公報、特開平11−65021号公報段落番号0018〜0024、特開平11−119374号公報段落番号0227〜0240に記載されている。
【0188】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、金増感法、カルコゲン増感法、還元増感法の少なくとも1つの方法で化学増感されていることが高感度の熱現像感光材料を設計する点から好ましい。特に好ましくは、本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は還元増感されている。カルコゲン増感法としては、硫黄増感法、セレン増感法もしくはテルル増感法が挙げられる。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法のカルコゲン増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物、例えば、特開平7−128768号等に記載の化合物等を使用することができる。特に本発明においてはテルル増感が好ましく、特開平11−65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5−313284号中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物がより好ましい。金増感剤としては、金の価数が+1価または+3価が好ましく、金増感剤として通常用いられる金化合物が好ましい。代表的な例としては塩化金酸、臭化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムブロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジルトリクロロゴールドなどが好ましい。また、米国特許第5,858,637号、特開2002−278016号に記載の金増感剤も好ましく用いられる。
【0189】
還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、二酸化チオ尿素が好ましく、その他に塩化第一スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることが好ましい。還元増感剤の添加は、結晶成長から塗布直前の調製工程までの感光乳剤製造工程のどの過程でもよい。また、乳剤のpHを7以上またはpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することが好ましく、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することも好ましい。
【0190】
本発明においては、化学増感は粒子形成後で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、脱塩後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、(3)分光増感後、(4)塗布直前等があり得る。特に分光増感後に行われることが好ましい。本発明で用いられる硫黄、セレンおよびテルルなどのカルコゲン増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モル程度を用いる。同様に、本発明で用いられる金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10-7モル〜10-3モル、より好ましくは10-6モル〜5×10-4モルである。還元増感剤の添加量としては、同様に種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10-7モル〜10-1モル、より好ましくは10-6モル〜5×10-2モルである。本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40〜95℃程度である。
【0191】
本発明では、感光性ハロゲン化銀は1種のみを用いてもよいし、2種以上(例えば平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの等)を併用してもよい。感光性ハロゲン化銀の使用量は、有機銀塩に対して好ましくは0.1〜100mol%、より好ましくは0.5〜50mol%、特に好ましくは1.0〜30mol%である。本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持するために、分子量は、500〜60,000の低分子量ゼラチンを使用することが好ましい。これらの低分子量ゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、脱塩処理後の分散時に使用することが好ましい。
【0192】
(2)還元剤
本発明に用いられる還元剤は、少なくとも1つのフェノール性水酸基を有し、そのオルト位が水素以外の置換基で置換されているヒンダードフェノール化合物である。フェノール環が一つでもよいし、複数個を一分子内に有してもよいが、好ましいのは二つのヒンダードフェノール基をメチレン基、メチン基、チオ基で連結したビス型のヒンダードフェノール化合物である。好ましい還元剤の具体例は、特開平9−274274号公報の[0062]〜[0074]に記載されている一般式(Ia),(Ib),(IIa),(IIb),(III)、(IVa),(Ib)で表される化合物である。
【0193】
還元剤は溶液、粉末、固体微粒子分散物、乳化物、オイルプロテクト分散物等のいかなる状態で画像記録層に添加してもよい。水性塗布液の場合は、水中に平均粒子サイズ0.01μm〜10μmに固体分散された微粒子として添加するのが好ましい。固体微粒子分散は公知の微細化手段(ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル等)で行うことができる。固体微粒子分散する際には分散助剤を用いてもよい。有機溶媒塗布液の場合は、還元剤を有機溶媒に溶解して用いられる。還元剤の添加量は、画像形成層の有機銀塩1mol当たり0.01〜100mol倍、より好ましくは0.1〜10mol倍用いるのが望ましい。還元剤は、画像形成層の他、保護層にも添加してよい。また、還元剤は現像時のみ有効に機能するように誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよい。
【0194】
本発明では、還元剤として、芳香族性の水酸基(−OH)と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。水酸基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
【0195】
本発明で、特に好ましい水素結合性化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
【0196】
【化35】


【0197】
一般式(D)においてR21〜R23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。R21〜R23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などが挙げられ、置換基として好ましいのはアルキル基またはアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基などが挙げられる。
【0198】
21〜R23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェノキシプロピル基などが挙げられる。アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−tert−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
【0199】
21〜R23としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点ではR21〜R23のうち少なくとも一つ以上がアルキル基またはアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基またはアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手する事ができるという点ではR21〜R23が同一の基である場合が好ましい。
【0200】
以下に一般式(D)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を例示するが、本発明で用いることができる水素結合性化合物はこれらに限定されるものではない。
【0201】
【化36】


【0202】
水素結合性化合物の具体例は上述の他に特開2001−281793号公報、特開2002−14438号に記載のものが挙げられる。
【0203】
一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、感光材料中で使用することができる。一般式(D)の化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と一般式(D)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
【0204】
一般式(D)の化合物は還元剤に対して、1〜200mol%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10〜150mol%の範囲で、さらに好ましくは30〜100mol%の範囲である。
【0205】
(3)有機銀塩
本発明で用いる有機銀塩は、通常、光に対して比較的安定であり、現像核(感光性ハロゲン化銀の露光によって生成した潜像等)や還元剤等の存在下で80℃程度、或いはそれ以上に加熱されると銀画像を形成する。有機銀塩は、還元可能な銀イオンを供給しうる有機銀化合物であれば特に限定されないが、好ましくは有機酸の銀塩、より好ましくはカルボキシル基を有する有機化合物の銀塩である。また、配位子が4.0〜10.0の錯安定度定数を有する有機または無機銀塩の錯体も好ましく使用できる。
【0206】
カルボキシル基を有する有機化合物の銀塩としては脂肪族カルボン酸の銀塩、芳香族カルボン酸の銀塩等が使用できる。脂肪族カルボン酸銀塩は好ましくは炭素数10〜30、より好ましくは炭素数15〜28であり、その好ましい例としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、リノール酸銀、酪酸銀および樟脳酸銀、これらの混合物等が挙げられる。
【0207】
有機銀塩として、メルカプト基またはチオン基を含む化合物の銀塩およびこれらの誘導体を使用することもできる。このような銀塩の好ましい例としては、3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−トリアゾールの銀塩、2−メルカプトベンズイミダゾールの銀塩、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾールの銀塩、2−(エチルグリコールアミド)ベンゾチアゾールの銀塩、S−アルキルチオグリコール酸(アルキル基の炭素数は好ましくは12〜22)の銀塩等のチオグリコール酸の銀塩、ジチオ酢酸の銀塩等のジチオカルボン酸の銀塩、チオアミドの銀塩、5−カルボキシル−1−メチル−2−フェニル−4−チオピリジンの銀塩、メルカプトトリアジンの銀塩、2−メルカプトベンズオキサゾールの銀塩、米国特許第4,123,274号明細書に記載の銀塩(例えば3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−チアゾールの銀塩等の1,2,4−メルカプトチアゾール誘導体の銀塩)、米国特許第3,301,678号明細書に記載の3−(3−カルボキシエチル)−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオンの銀塩等のチオン化合物の銀塩等が挙げられる。
【0208】
有機銀塩として、イミノ基を含む化合物も使用することができる。その好ましい例としては、ベンゾトリアゾールの銀塩およびそれらの誘導体、メチルベンゾトリアゾール銀等のベンゾトリアゾールの銀塩、5−クロロベンゾトリアゾール銀等のハロゲン置換ベンゾトリアゾールの銀塩、米国特許第4,220,709号明細書に記載の1,2,4−トリアゾールまたは1H−テトラゾールの銀塩、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体の銀塩等が挙げられる。また、米国特許第4,761,361号明細書および同4,775,613号明細書に記載の銀アセチリド化合物も使用することができる。
【0209】
有機銀塩の形状は特に限定されず、針状、鱗片状、塊状等の種々の形状であってよいが、針状または鱗片状であるのが好ましい。有機銀塩の形状は有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像等より求めることができる。針状結晶の場合、その大きさは短軸が0.01〜0.20μm、長軸が0.10〜5.0μmであるのが好ましく、短軸が0.01〜0.15μm、長軸が0.10〜4.0μmであるのがより好ましい。有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。
【0210】
有機銀塩は脱塩をして用いるのが好ましい。脱塩を行う方法は特に制限されず、遠心濾過、吸引濾過、限外濾過、凝集法によるフロック形成水洗等の公知の濾過方法を好ましく用いることができる。
【0211】
有機銀塩の使用量は、画像記録層の面積に対して、銀量として0.1〜5.0g/m2とするのが好ましく、0.3〜2.5g/m2とするのがより好ましい。
【0212】
本発明では超硬調画像形成のために、硬調化促進剤を併用することができる。例えば、米国特許第5,545,505号明細書に記載のアミン化合物、具体的にはAM−1〜AM−5、米国特許第5,545,507号明細書に記載のヒドロキサム酸類、具体的にはHA−1〜HA−11、米国特許第5,545,507号明細書に記載のアクリロニトリル類、具体的にはCN−1〜CN−13、米国特許第5,558,983号明細書に記載のヒドラジン化合物、具体的にはCA−1〜CA−6、特開平9−297368号公報に記載のオニューム塩類、具体的にはA−1〜A−42、B−1〜B−27、C−1〜C−14などを用いることができる。
【0213】
(4)超硬調化剤
本発明においては、前記一般式(1)の化合物とともによく知られている超硬調化剤を併用することも出来る。超硬調化剤の種類は特に限定されないが、特開2000−284399号公報に記載の式(H)で表されるヒドラジン誘導体(具体的には同公報の表1〜表4に記載のヒドラジン誘導体)、特開平10−10672号公報、特開平10−161270号公報、特開平10−62898号公報、特開平9−304870号公報、特開平9−304872号公報、特開平9−304871号公報、特開平10−31282号公報、米国特許第5,496,695号明細書、欧州特許公開EP第741,320A号公報に記載のすべてのヒドラジン誘導体を挙げることができる。また、特に好ましく用いられる超硬調化剤としては、特開2000−284399号公報に記載の式(1)〜(3)で表される置換アルケン誘導体、置換イソオキサゾール誘導体および特定のアセタール化合物であり、さらに好ましくは同公報に記載の式(A)または式(B)で表される環状化合物、具体的には同公報の化8〜化12に記載の化合物1〜72を用いることができる。さらに、これら超硬調化剤を複数併用してもよい。
【0214】
上記超硬調化剤は、水または適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用いることができる。また、既によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいは固体分散法として知られている方法によって、超硬調化剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によって分散して用いることもできる。超硬調化剤は、支持体に対して画像形成層側のいずれの層に添加してもよいが、該画像形成層あるいはそれに隣接する層に添加することが好ましい。超硬調化剤の添加量は銀1molに対し1×10-6〜1molが好ましく、1×10-5〜5×10-1molがより好ましく、2×10-5〜2×10-1molが最も好ましい。
【0215】
また上記の化合物の他に、米国特許第5,545,515号明細書、同5,635,339号明細書、同5,654,130号明細書、国際公開WO97/34196号公報、米国特許第5,686,228号明細書に記載の化合物、或いはまた特開平11−119372号公報、特開平11−133546号公報、特開平11−119373号公報、特開平11−109546号公報、特開平11−95365号公報、特開平11−95366号公報、特開平11−149136号公報に記載の化合物を用いてもよい。
【0216】
(5)有機バインダー
有機バインダーは通常、天然ポリマー、合成樹脂ポリマー、コポリマー、その他のフィルムを形成する媒体等からなり、その例としては疎水性に変性されたゼラチン、変性ポリビニルアルコール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート類、ポリメチルメタアクリレート類、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリビニルアセタール類(例えばポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテート、ポリアミド類等が挙げられる。有機バインダーは水または有機溶媒の溶液、またはエマルションから被覆形成してもよい。
【0217】
本発明で用いる有機バインダーは、好ましくは疎水性で熱可塑性の有機ポリマーである。ここでいう「熱可塑性」とは、物理化学的用語の熱可塑性の厳密な定義より広義であり、ポリマーがある温度以上に加熱されたときに、そのポリマーの有する特性によって軟化または溶融する性質を意味する。これは熱可塑性樹脂を意味する「プラスチック」が実用的には線状ポリマーだけでなく3次元架橋されたゴム弾性ポリマーにも用いられているのと同様である。従って、例えばその架橋度によってはゴム弾性を有するSBRポリマー等の、熱現像温度に加熱されると軟化または溶融し、物質の移動拡散が容易になり現像反応が起こり得る状態を形成するものは、有機バインダーとして使用できる。
【0218】
有機バインダーはポリマーラテックスであるのが好ましく、水中に分散されたポリマーラテックスであるのが特に好ましい。ポリマーラテックスは有機溶剤を使用せずに塗布できるので、塗布膜を乾燥するときに有機溶剤ガスを大気中に発散したり、熱現像の際にガス化して飛散する等の害がない。有機バインダー中のポリマーラテックス含量は、有機バインダー全体に対して50質量%以上であることが好ましい。また、ポリマーラテックスは画像記録層だけではなく、保護層やバック層に添加してもよい。特に、寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の熱現像感光材料を用いる場合には、保護層やバック層にもポリマーラテックスを用いるのが好ましい。なお、本発明において「ポリマーラテックス」とは、水に不溶の疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものをいう。
【0219】
上記ポリマーラテックスは、上記疎水性ポリマーが分散媒中で乳化したもの、乳化重合したものまたはミセル分散したもの、疎水性ポリマーが部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したもの等であってもよい。ポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン」(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978年))、「合成ラテックスの応用」(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993年))、「合成ラテックスの化学」(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970年))等に記載されている。
【0220】
上記ポリマーラテックスにおいて、分散粒子の平均粒子サイズは好ましくは1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nmである。分散粒子の粒子サイズ分布は特に制限は無く、広い粒子サイズ分布を持つものでも単分散の粒子サイズ分布を持つものでもよい。
【0221】
ポリマーラテックスは通常の均一構造のポリマーラテックスであっても、いわゆるコア/シェル型のラテックスであってもよい。後者の場合、必要に応じてコアとシェルのガラス転移温度を変えるのが好ましい。
【0222】
画像記録層に用いるポリマーラテックスのポリマーのガラス転移温度(TG)は、熱現像時に写真有用素材の拡散を促すためには、40℃以下であるのが好ましく、−30〜40℃とするのがより好ましい。また、ポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)は好ましくは−30〜90℃、より好ましくは0〜70℃である。最低造膜温度をコントロールするために造膜助剤(可塑剤)を添加してもよい。造膜助剤はポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)であり、前述の「合成ラテックスの化学」(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970年))等に記載されている。
【0223】
ポリマーラテックスに用いるポリマーの具体例としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、これらの共重合体等が挙げられる。このポリマーは直鎖ポリマーであっても分枝ポリマーであってもよく、また架橋ポリマーであってもよい。また該ポリマーは単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーであってもよいし、2種以上のモノマーが重合したコポリマーであってもよい。コポリマーである場合はランダムコポリマーであってもブロックコポリマーであってもよい。コポリマーの例としては、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマー、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリマー、スチレン/ブタジエン/ジビニルベンゼン/メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマー、塩化ビニリデン/エチルアクリレート/アクリロニトリル/メタクリル酸コポリマー等が挙げられる。これらのポリマーは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上をブレンドして用いてもよい。
【0224】
上記ポリマーとして市販のものを使用してもよく、市販のポリマーの例としては、セビアンA4635、46583および4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820および857(以上日本ゼオン(株)製)等のアクリル樹脂;FINETEX ES650、611、675および850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−sizeおよびWMS(以上イーストマンケミカル製)等のポリエステル樹脂;HYDRAN AP10、20、30および40(以上大日本インキ化学(株)製)等のポリウレタン樹脂;LACSTAR 7310K、3307B、4700Hおよび7132C(以上大日本インキ化学(株)製);Nipol Lx416、410、438Cおよび2507(以上日本ゼオン(株)製)等のゴム系樹脂;G351およびG576(以上日本ゼオン(株)製)等の塩化ビニル樹脂;L502およびL513(以上旭化成工業(株)製)、アロンD7020、D504およびD5071(以上三井東圧(株)製)等の塩化ビニリデン樹脂;ケミパールS120およびSA100(以上三井石油化学(株)製)等のオレフィン樹脂等が挙げられる。
【0225】
ポリマーの数平均分子量は好ましくは5000〜1000000、より好ましくは10000〜100000である。数平均分子量が5000未満であると画像記録層の力学強度が不十分であり、1000000を超えると製膜性が悪く好ましくない。
【0226】
バインダーの添加量は、画像記録層の面積に対して好ましくは0.2〜30g/m2であり、より好ましくは1〜15g/m2である。
【0227】
(6)ハロゲンプレカーサー
本発明ではハロゲンプレカーサーを用いることが好ましい。本発明で用いられるハロゲンプレカーサーは、熱、光等によってハロゲンを放出しうる化合物である。ハロゲンプレカーサーは好ましくはハロゲン原子を2つ以上同一炭素原子上に有する有機ポリハロゲン化物であり、その例としては特開昭50−119624号公報、同50−120328号公報、同51−121332号公報、同54−58022号公報、同56−70543号公報、同56−99335号公報、同59−90842号公報、同61−129642号公報、同62−129845号公報、特開平6−208191号公報、同6−208193号公報、同7−5621号公報、同7−2781号公報、同8−15809号公報、米国特許第5,340,712号明細書、同5,369,000号明細書、同5,464,737号明細書等に開示されているものが挙げられる。ハロゲンプレカーサーは2種類以上を併用してもよい。
【0228】
本発明に用いるハロゲンプレカーサーは水または適当な有機溶媒に溶解して塗布液に添加し、乾燥後、膜中で微結晶状態に存在させてよい。有機溶媒としてはアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が使用できる。また、既によく知られている乳化分散法に従って、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテート、ジエチルフタレート等のオイルや、酢酸エチル、シクロヘキサノン等の補助溶媒を用いてハロゲンプレカーサーを溶解し、機械的に乳化分散物を作製して使用してもよい。或いは、ボールミル、コロイドミル、サンドミル等の公知の分散機、或いは超音波を利用した分散機によって、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、ジルコン・シリケートビーズ等の分散メディアを用いて、ハロゲンプレカーサーを水等の適当な溶媒中に分散させ、微細な固体状分散物を作製して塗布液に添加してもよい。
【0229】
ハロゲンプレカーサーは水中に固体分散された微粒子として添加するのが好ましい。予め微細な固体状分散物を調製して添加すると、均一な粒子サイズで安定して添加できるため、塗布液中で凝集を起こしたり、性能が変動したりすることが無い。熱可塑性樹脂の水分散物をバインダーとして用いる場合は、固体状分散物として添加することが特に好ましい。固体状分散物におけるハロゲンプレカーサー粒子の平均粒子サイズは、好ましくは0.05〜5μmであり、より好ましくは0.1〜1μmである。
【0230】
ハロゲンプレカーサーの添加量は、画像形成層の有機銀塩1molに対して10-4mol〜1.0mol以下添加するのが好ましく、特に1×10-3〜5×10-1molがより好ましい。添加量がこの範囲より超えて多すぎると画像濃度が低下し、また少なすぎると画像のカブリ防止や画像安定性が不充分になる。
【0231】
ハロゲンプレカーサーは画像形成層だけではなく、後述する下塗り層、中間層や保護層に添加してもよい。
【0232】
(7)銀キャリアー
本発明の熱現像感光材料には、ドライシルバー方式と呼ばれる熱現像画像記録方式の分野で従来は「色調剤」と呼ばれていた、現像を促進するための添加剤を用いることが好ましい。この添加剤は、熱現像時に非感光性有機銀に作用して拡散性銀錯体を形成し、潜像核に運搬し潜像核を触媒とした物理現像が進行するのを助ける役割を有するので、ここでは銀キャリアーと称する。銀キャリアーは支持体の画像形成層を有する面側のいずれかの層に非感光性有機銀1mol当たり好ましくは0.1〜50mol%、より好ましくは0.5〜20mol%添加する。また、銀キャリアーは現像時のみ有効に機能を持つように誘導化されたプレカーサーとして添加してもよい。銀キャリアーは、特開昭46−6077号公報、同47−10282号公報、同49−5019号公報、同49−5020号公報、同49−91215号公報、同50−2524号公報、同50−32927号公報、同50−67132号公報、同50−67641号公報、同50−114217号公報、同51−3223号公報、同51−27923号公報、同52−14788号公報、同52−99813号公報、同53−1020号公報、同53−76020号公報、同54−156524号公報、同54−156525号公報、同61−183642号公報、特開平4−56848号公報、特公昭49−10727号公報、同54−20333号公報、米国特許第3,080,254号明細書、同3,446,648号明細書、同3,782,941号明細書、同4,123,282号明細書、同4,510,236号明細書、英国特許第1,380,795号明細書、ベルギー特許第841,910号明細書等に色調剤として開示されている。
【0233】
上記銀キャリアーの具体例としては、フタルイミドおよびN−ヒドロキシフタルイミド;スクシンイミド、ピラゾリン−5−オン、キナゾリノン、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン、2,4−チアゾリジンジオン等の環状イミド;N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド等のナフタルイミド;コバルトヘキサミントリフルオロアセテート等のコバルト錯体;3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2,4−ジメルカプトピリミジン、3−メルカプト−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等のメルカプタン;(N,N−ジメチルアミノメチル)フタルイミド、N,N−(ジメチルアミノメチル)−ナフタレン−2,3−ジカルボキシイミド等のN−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド;ブロック化ピラゾール、イソチウロニウム誘導体等の光退色剤(N,N’−ヘキサメチレンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−(3,6−ジアザオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)、2−(トリブロモメチルスルホニル)−ベンゾチアゾール等);3−エチル−5−[(3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)−1−メチルエチリデン]−2−2,4−オキサゾリジンジオン;4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノン、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン。それらの誘導体等のフタラジノンおよびその誘導体または金属塩;フタラジノンとフタル酸誘導体(フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸等)との組み合わせ;4−(1−ナフチル)フタラジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−イソブチルフタラジン、6−tert−ブチルフタラジン、5,7−ジメチルフタラジン、2,3−ジヒドロフタラジン等のフタラジンおよびその誘導体または金属塩;フタラジンまたはその誘導体とフタル酸誘導体(フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸等)との組み合わせ;キナゾリンジオン、ベンズオキサジンおよびナフトオキサジン誘導体;ヘキサクロロロジウム(III)酸アンモニウム、臭化ロジウム、硝酸ロジウムおよびヘキサクロロロジウム(III)酸カリウム等の、色調調節剤としてだけでなくハロゲン化銀生成のためのハライドイオン源としても機能するロジウム錯体;過酸化二硫化アンモニウム、過酸化水素等の無機過酸化物および過硫酸塩;1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン、8−メチル−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン、6−ニトロ−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン等のベンズオキサジン−2,4−ジオン;2,4−ジヒドロキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−アミノピリミジン等のピリミジンおよび不斉トリアジン;3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン、1,4−ジ(o−クロロフェニル)−3,6−ジメルカプト−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン等のアザウラシルおよびテトラアザペンタレン誘導体等が挙げられる。
【0234】
特に好ましいのは、フタラジンまたはその誘導体とフタル酸誘導体(フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸等)との組み合わせである。
【0235】
これらの銀キャリアーは水溶液として添加することが好ましいが、水不溶性である場合はメタノール溶液、粉末、固体微粒子分散物等、いかなる状態で添加してもよい。固体微粒子分散は公知の微細化手段(ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル等)で行うことができる。固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0236】
(8)添加剤
本発明の熱現像感光材料は以下に述べる添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は画像形成層以外の層、例えば中間層、保護層、バック層、下塗り層等に添加してもよい。
【0237】
(a)分散安定剤
通常、分散安定剤は分散物の調製時に添加され、また塗布液調製時に追加添加される。分散安定剤の一例は親水性ポリマーであり、好ましい親水性ポリマーとしてはポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。親水性ポリマーの添加量は、分散物固形分に対して70質量%以下とするのが好ましく、50質量%以下とするのがより好ましい。この添加量の下限は特に限定されないが、通常1質量%程度である。
【0238】
分散安定剤として界面活性剤を用いることもできる。界面活性剤の添加量は、分散物固形分に対して50質量%以下とするのが好ましく、30質量%以下とするのがより好ましい。この添加量の下限は特に限定されないが、通常1質量%程度である。
【0239】
(b)染料および顔料
本発明の熱現像感光材料の任意の層には、色調調整、あるいはイラジエーション防止の目的で染料や顔料を添加してもよい。これら染料および顔料は特に限定されないが、例えばカラーインデックス記載のものが使用可能であり、その具体例としてはピラゾロアゾール染料、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチリル染料、トリフェニルメタン染料、インドアニリン染料、インドフェノール染料、フタロシアニンをはじめとする有機顔料、無機顔料等が挙げられる。中でも、アントラキノン染料(特開平5−341441号公報に記載の化合物1〜9、特開平5−165147号公報に記載の化合物3−6〜18および3−23〜38等)、アゾメチン染料(特開平5−341441号公報に記載の化合物17〜47等)、インドアニリン染料(特開平5−289227号公報に記載の化合物11〜19、特開平5−341441号公報に記載の化合物47、特開平5−165147号公報に記載の化合物2−10〜11等)およびアゾ染料(特開平5−341441号公報に記載の化合物10〜16)が好ましく使用できる。
【0240】
染料および顔料の使用量は、目的の吸収量に応じて選択すればよいが、一般的には露光波長での光学吸収濃度が0.1〜2.0、好ましくは0.2〜1.0になるように添加される。染料および顔料は溶液状、乳化物状、固体微粒子分散物状、高分子媒染剤に媒染した状態等、いかなる状態で添加してもよいが、染料および顔料が水溶性物質であれば水溶液として添加するのが好ましく、水不溶性物質であれば水を分散媒とした固体微粒子分散物として添加するのが好ましく、画像形成層、画像形成層と支持体との間の層、あるいは保護層に添加される。
【0241】
(c)増感色素
画像形成層に増感色素を添加してもよい。増感色素は感光性ハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域で感光性ハロゲン化銀粒子を分光増感できるものであればいかなるものでもよく、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等が使用できる。RESEARCH DISCLOSURE Item17643IVA項(1978年12月、23頁)、同Item1831X項(1979年8月、437頁)およびこれらにおいて引用された文献に記載の増感色素も、本発明で使用できる。
【0242】
本発明にとって好ましい増感色素は、ハロゲン化銀粒子に吸着した際、500nm以下の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるものであり、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
【0243】
これらの増感色素のうち、下記一般式(SD−1)および一般式(SD−2)で表される増感色素を用いることが好ましい。
【0244】
【化37】


【0245】
一般式(SD−1)中、Z1およびZ2は無置換またはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくはフェニル基で置換されたピロリン環、チアゾリン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環またはピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、R11およびR12は炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基またはスルホアルキル基を表し、n1およびn2は0または1を表し、X-はアニオンを表し、m1は1または2を表す。
【0246】
上記Z1およびZ2の非金属原子群は、相互に同じかまたは異なって上述のベンゾチアゾール環などを完成できるものであればよく、ベンゾチアゾール環としては、例えばベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−6−メチルベンゾチアゾール、5,6−ジメチルベンゾチアゾール、5−エトキシ−6−メチルベンゾチアゾール、5−ヘニルベンゾチアゾール、5−カルボキシベンゾチアゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール、5−ジメチルアミノベンゾチアゾール、5−アセチルアミノベンゾチアゾールなどが挙げられる。そしてベンゾセレナゾール環としては、例えばベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−メチルベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、5,6−ジメチルベンゾセレナゾール、5,6−ジメトキシベンゾセレナゾール、5−エトキシ−6−メチルベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシ−6−メチルベンゾセレナゾール、5−ヘニルベンゾセレナゾールなどが挙げられ、さらにナフトチアゾール環としては、例えばβ−ナフトチアゾール、β,β−ナフトチアゾールなどが挙げられ、さらにまたナフトセレナゾール環としては、例えばβ−ナフトセレナゾールなどが挙げられる。
【0247】
ピロリン環としては、例えばピロリン、1−メチルピロリンなどが挙げられ、チアゾリン環としては、例えばチアゾリン、4−メチルチアゾリンなどが挙げられ、チアゾール環としては、例えばチアゾール、4−メチルチアゾール、4−フェニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4−メチル−5−フェニルチアゾールなどが挙げられ、セレナゾール環としては、例えばセレナゾール、4−メチルセレナゾール、4−フェニルセレナゾール、4,5−ジメチルセレナゾールなどが挙げられ、オキサゾール環としては、例えばオキサゾール、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4,5−ジメチルオキサゾール、4−p−トリルオキサゾールなどが挙げられ、ベンゾオキサゾール環としては、例えばベンゾオキサゾール、5−フルオロベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5−ブロモベンゾオキサゾール、5−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5−メチル−6−フェニルベンゾオキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、5,6−ジメトキシベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾール、5−カルボキシベンゾオキサゾール、5−メトキシカルボニルベンゾオキサゾール、5−アセチルベンゾオキサゾールなどが挙げられ、ナフトオキサゾール環としては、例えばβ−ナフトオキサゾールなどが挙げられ、イミダゾール環としては、例えば1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾールなどが挙げられ、ベンゾイミダゾール環としては、例えば1−メチルベンゾイミダゾール、1−フェニルベンゾイミダゾール、5−クロロ−1−エチルベンゾイミダゾール、5−トリクロロメチル−1−エチルベンゾイミダゾール、5,6−ジクロロ−1−エチルベンゾイミダゾール、5,6−ジクロロ−1−フェニルベンゾイミダゾール、5−メトキシカルボニル−1−エチルベンゾイミダゾール、5−N,N−ジメチルカルバモイル−1−メチルベンゾイミダゾール、5−N,N−ジエチルスルファモイル−1−フェニルベンゾイミダゾール、5−シアノ−1−エチルベンゾイミダゾール、5−シアノ−1−β−ヒドロキシエチルベンゾイミダゾールなどが挙げられ、ピリジン環としては、例えばピリジン、5−メチルピリジンなどが挙げられる。
【0248】
上記R11およびR12の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基などのアルキル基、β−ヒドロキシエチル基、β−カルボキシエチル基、γ−カルボキシプロピル基、γ−スルホプロピル基、γ−スルホブチル基、δ−スルホブチル基、δ−スルホエトキシエチル基などの置換アルキル基を挙げることができる。
【0249】
上記X-で示されるアニオンの具体例としては、例えばハロゲンイオン、過塩素環イオン、チオシアン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオンなどを挙げることができる。
【0250】
一般式(SD−2)中、Z3は無置換またはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくはフェニル基で置換されたオキサゾール環、ベンゾオキサゾール、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環またはピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、Z4は2−チオヒダトイン環、2−チオオキサゾリジン−2,4’−ジオン環またはローダニン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、R14は炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシアルキル基または水素原子を表し、R15は炭素数1〜4のアルキル基または水素原子を表し、n3は0または1を表す。
【0251】
具体的に、Z3はオキサゾール、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4,5−ジメチルオキサゾール、4−p−トリルオキサゾール、ベンゾオキサゾール、5−フルオロベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5−ブロモベンゾオキサゾール、5−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5−メチル−6−フェニルベンゾオキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、5,6−ジメトキシベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾール、5−カルボキシベンゾオキサゾール、5−メトキシカルボニルベンゾオキサゾール、5−アセチルベンゾオキサゾール、セレナゾール、4−メチルセレナゾール、4−フェニルセレナゾール、4,5−ジメチルセレナゾール、ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−ブロモベンゾセレナゾール、5−メチルベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5,6−ジメチルベンゾセレナゾール、チアゾール、4−メチルチアゾール、4−フェニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4−メチル−5−フェニルチアゾール、ベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾール、5−カルボキシベンゾチアゾール、5−アセチルベンゾチアゾール、5−メトキシカルボニルベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、5−トリフルオロメチルベンゾチアゾール、5−シアノベンゾチアゾール、5,6−ジメチルベンゾチアゾール、5−アセチルアミノベンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5,6−ジクロロベンゾチアゾール、ナフト〔1,2−d〕チアゾールなどが挙げられる。
【0252】
次に、本発明で用いられる一般式(SD−1)および(SD−2)で示される化合物の具体例を示すが、本発明で用いることができる一般式(SD−1)および(SD−2)で示される化合物はこれらに限定されるものではない。
【0253】
【化38】


【0254】
【化39】


【0255】
これら増感色素の添加については、特開平11−119374号公報の段落番号0106に記載されている方法で添加することができるが、特に、この方法に限定されるものではない。本発明における増感色素の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量にすることができるが、感光性ハロゲン化銀1mol当たり10-6〜1molが好ましく、さらに好ましくは10-4〜10-1molである。
【0256】
本発明は分光増感効率を向上させるため、強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開EP第587,338A号公報、米国特許第3,877,943号明細書、同4,873,184号明細書に開示されている化合物、複素芳香族あるいは脂肪族メルカプト化合物、複素芳香族ジスルフィド化合物、スチルベン、ヒドラジン、トリアジンから選択される化合物などが挙げられる。特に好ましい強色増感剤は、特開平5−341432号公報に開示されている複素芳香族メルカプト化合物、複素芳香族ジスルフィド化合物、特開平4−182639号公報の一般式(I)あるいは(II)で表される化合物、特開平10−111543号公報の一般式(I)で表されるスチルベン化合物、特開平11−109547号公報の一般式(I)で表される化合物である。具体的には特開平5−341432号公報のM−1〜M−24の化合物、特開平4−182639号公報のd−1)〜d−14)の化合物、特開平10−111543号公報のSS−01〜SS−07の化合物、特開平11−109547号公報の31、32、37、38、41〜45、51〜53の化合物である。これらの強色増感剤の添加量は、感光性ハロゲン化銀1mol当たり10-4〜1molの範囲が好ましく、ハロゲン化銀1mol当たり0.001〜0.3molの範囲がより好ましい。
【0257】
(d)カブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆体
本発明では、カブリ防止剤、安定剤または安定剤前駆体を用いることによってカブリの生成をさらに抑えることができ、熱現像感光材料を安定化し、在庫貯蔵中における感度の低下を抑制することができる。カブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆体は単独で使用しても組み合わせて使用してもよく、それらの例としては、米国特許第2,131,038号明細書および同2,694,716号明細書に記載のチアゾニウム塩;米国特許第2,886,437号明細書および同2,444,605号明細書に記載のアザインデン;米国特許第2,728,663号明細書に記載の水銀塩;米国特許第3,287,135号明細書に記載のウラゾール;米国特許第3,235,652号明細書に記載のスルホカテコール;英国特許第623,448号明細書に記載のオキシム、ニトロソおよびニトロインダゾール;米国特許第2,839,405号明細書に記載の多価金属塩;米国特許第3,220,839号明細書に記載のチウロニウム塩;米国特許第2,566,263号明細書および同2,597,915号明細書に記載のパラジウム塩、白金塩および金塩;米国特許第4,108,665号明細書および同4,442,202号明細書に記載のハロゲン置換有機化合物;米国特許第4,128,557号明細書、同4,137,079号明細書、同4,138,365号明細書および同4,459,350号明細書に記載のトリアジン;並びに米国特許第4,411,985号明細書に記載のリン化合物が挙げられる。
【0258】
(e)メルカプト化合物、ジスルフィド化合物およびチオン化合物
本発明には、現像を抑制または促進させ現像を制御すること、分光増感効率を向上させること、現像前後の保存性を向上させること等を目的として、メルカプト化合物、ジスルフィド化合物またはチオン化合物を用いてもよい。
【0259】
上記メルカプト化合物はAr−SMまたはAr−S−S−Arで表されるのが好ましい。ここで、Mは水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素原子、イオウ原子、酸素原子、セレニウム原子またはテルリウム原子を有する芳香環または縮合芳香環を含む基である。Arは好ましくはベンズイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、ベンズオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、ベンゾセレナゾール環、ベンゾテルラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、テトラゾール環、トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、プリン環、キノリン環またはキナゾリノン環を含む。これらの環はハロゲン原子(Br、C1等)、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アルキル基(好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)、アルコキシ基(好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)およびアリール基(さらに置換基を有してもよい)からなる群から選択される置換基を有してもよい。
【0260】
メルカプト化合物の具体例としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2,2’−ジチオビス−(ベンゾチアゾール)、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4,5−ジフェニル−2−イミダゾールチオール、2−メルカプトイミダゾール、1−エチル−2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリノン、7−トリフルオロメチル−4−キノリンチオール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−アミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジンモノヒドレート、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−ヒドキロシ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプトピリミジン、4,6−ジアミノ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−メチルピリミジンヒドロクロリド、3−メルカプト−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、3−(5−メルカプトテトラゾール)−ベンゼンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N’−{3−(5−メルカプトテトラゾリル)フェニル}ウレア、2−メルカプト−4−フェニルオキサゾール、2−[3−(9−カルバゾリル)プロピルイミノ]−3−(2−メルカプトエチル)ベンゾチアゾリン等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。これらのメルカプト化合物の使用量は、画像記録層中の銀1mol当たり0.0001〜1.0molとするのが好ましく、0.001〜0.3molとするのがより好ましい。
【0261】
(f)可塑剤
本発明には、可塑剤として多価アルコール(米国特許第2,960,404号明細書に記載のグリセリンおよびジオール等)等を用いてもよい。
【0262】
(g)硬膜剤
本発明には硬膜剤を用いてもよい。硬膜剤は画像形成層、保護層、バック層、下塗層等に添加してもよい。硬膜剤の例としては、米国特許4,281,060号明細書、特開平6−208193号公報等に記載のポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号明細書等に記載のエポキシ化合物類、特開昭62−89048号公報等に記載のビニルスルホン系化合物類およびオキサゾリン化合物等が挙げられる。
【0263】
(h)安息香酸類
本発明には、高感度化やカブリ防止を目的として安息香酸類を含有してもよい。安息香酸類は本発明の熱現像感光材料のいかなる層に添加してもよいが、支持体の画像形成層側に設置される層に添加することが好ましく、画像形成層または保護層に添加するのが好ましい。本発明で用いる安息香酸類は特に限定されないが、好ましい例としては、米国特許4,784,939号明細書、同4,152,160号明細書、特開平9−329865号公報、同9−329864号公報、同9−291637号公報等に記載の化合物が挙げられる。
【0264】
安息香酸類は塗布液調製のいかなる工程で添加してもよく、画像記録層に添加する場合は、有機銀塩調製工程〜塗布液調製工程のいかなる工程で添加してもよく、好ましくは有機銀塩調製後〜塗布直前に添加する。安息香酸類は粉末状、溶液状、微粒子分散物状等、いかなる状態で添加してもよい。また、安息香酸類は増感色素、還元剤、色調剤等の添加物と混合した溶液として添加してもよい。安息香酸類の添加量は、非感光性有機銀と感光性ハロゲン化銀のトータルの銀1mol当たり1μmol〜2molが好ましく、1mmol〜0.5molがより好ましい。
【0265】
(i)滑り剤
本発明においては支持体の画像形成層を有する面および/またはその反対面の最表面層に滑り剤を含有させることが好ましい。本発明に用いる滑り剤は物体表面に存在させた時に、表面の摩擦係数を減少させる化合物であれば特に限定されない。
【0266】
滑り剤の具体例としては、米国特許第3,042,522号明細書、英国特許第955,061号明細書、米国特許第3,080,317号明細書、同4,004,927号明細書、同4,047,958号明細書、同3,489,567号明細書、英国特許第1,143,118号明細書等に記載のシリコーン系滑り剤;米国特許第2,454,043号明細書、同2,732,305号明細書、同2,976,148号明細書、同3,206,311号明細書、独国特許第1,284,295号明細書、同1,284,294号明細書等に記載の高級脂肪酸系滑り剤、アルコール系滑り剤および酸アミド系滑り剤;英国特許第1,263,722号明細書、米国特許第3,933,516号明細書等に記載の金属石けん;米国特許第2,588,765号明細書、同3,121,060号明細書、英国特許第1,198,387号明細書等に記載のエステル系滑り剤およびエーテル系滑り剤;米国特許第3,502,473号明細書、同3,042,222号等明細書に記載のタウリン系滑り剤等が挙げられる。好ましく用いられる滑り剤の具体例としては、セロゾール524(主成分カルナバワックス)、ポリロンA、393およびH−481(主成分ポリエチレンワックス)、ハイミクロンG−110(主成分エチレンビスステアリン酸アマイド)、ハイミクロンG−270(主成分ステアリン酸アマイド)(以上、中京油脂(株)製)等が挙げられる。滑り剤の使用量は、添加する層中のバインダー量の好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%である。
【0267】
(B)支持体
本発明で用いる支持体の材質は特に限定されず、その典型的な例としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、硝酸セルロース、セルロースエステル、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中で、二軸延伸したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)が、強度、寸法安定性、耐薬品性等の観点から好ましい。
【0268】
支持体の厚みは後述する下塗り層を除いたベース厚みで90〜500μmであることが好ましい。支持体は透明または半透明であっても、白色反射支持体であってもよい。白色反射支持体としては、白色無機顔料を練り込んだポリエステルフィルム等からなるものが使用できる。
【0269】
支持体の両面には、塩化ビニリデン共重合からなる下塗り層、または防湿層を設けることが好ましい。塩化ビニリデン共重合体は単独で用いても2種以上併用してもよい。下塗り層には架橋剤やマット剤等を含有させてもよく、また必要に応じてバインダーとしてSBR、ポリエステル、ゼラチン等を添加してもよい。さらに下塗り層は上記含フッ素界面活性剤を含んでいてもよい。下塗り層の厚みは好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05〜1μmである。また下塗り層中の塩化ビニリデン共重合体の厚みは好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.3〜4μmである。
【0270】
上述した二軸延伸したポリエステルを支持体として用いる場合、二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像中に発生する熱収縮歪みをなくすために、ポリエステルに130〜185℃での熱処理を施すのが好ましい。熱処理は一定の温度で行っても昇温しながら行ってもよく、またロール状で行ってもウエッブ状で搬送しながら行ってもよい。ウエッブ状で搬送しながら熱処理する場合、処理時の支持体の搬送張力は比較的低い方が好ましく、具体的には7kg/cm2以下とするのが好ましく、4.2kg/cm2以下とするのがより好ましい。このときの搬送張力の下限には特に制限はないが、通常0.5kg/cm2程度である。熱処理は、支持体に画像形成層やバック層との接着性を向上させる処理、下塗り層の設層等を施した後に行うことが好ましい。また熱処理後における支持体の熱収縮率は、120℃、30秒の加熱条件の場合、縦方向(MD)が−0.03〜+0.01%、横方向(TD)が0〜0.04%であることが好ましい。
【0271】
(C)バック層
バック層は、ポリマーバインダー中に下記一般式(7)、もしくは(8)で表される染料、塩基発生剤、必要に応じて下記の各添加剤を含有する。さらにバック層は上記含フッ素界面活性剤を含んでいてもよい。染料は、支持体のバック面側の層、あるいは画像記録層側の層に添加することができるが、好ましいのはバック面側の層に添加する場合である。
【0272】
(1)染料
本発明の熱現像感光材料には、下記一般式(7)、もしくは(8)で表される塩基消色型染料を用いることが好ましい。
【0273】
【化40】


【0274】
上記一般式(7)、(8)中、R1は水素原子、脂肪族基、芳香族基、−NR2126、−OR21または−SR21であり、R21およびR26はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基または芳香族基であるか、あるいはR21とR26とが結合して含窒素複素環を形成する;R2は水素原子、脂肪族基または芳香族基であり;L1およびL2は、それぞれ独立に置換または無置換のメチン基であって、メチン基の置換基同士が結合して不飽和脂肪族環または不飽和複素環を形成してもよい;Z1は5員または6員の含窒素複素環を完成するのに必要な原子団であって、含窒素複素環には芳香族環が縮合していてもよく、含窒素複素環およびその縮合環は置換基を有していてもよい;Aは酸性核を表し、Bは芳香族基、不飽和へテロ環基、もしくは下記一般式(9)を表す。n、mは、それぞれ1または2を表す。
【0275】
【化41】


【0276】
上記一般式(9)中、L3は置換または無置換のメチン基であって、L2と結合して不飽和脂肪族環または不飽和複素環を形成してもよい。R3は脂肪族基または芳香族基を表す。Z2は5員または6員の含窒素複素環を完成するのに必要な原子団であって、含窒素複素環には芳香族環が縮合していてもよく、含窒素複素環およびその縮合環は置換基を有していてもよい。
【0277】
1は、−NR2126、−OR21、または−SR21であることが好ましい。R21は、脂肪族基または芳香族基であることが好ましく、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基または置換アリール基であることがさらに好ましい。R26は、水素原子または脂肪族基であることが好ましく、水素原子、アルキル基または置換アルキル基であることがさらに好ましい。R21とR26とが結合して形成する含窒素複素環は、5員環または6員環であることが好ましい。含窒素複素環は、窒素以外のヘテロ原子(例、酸素原子、硫黄原子)を有してもよい。
【0278】
本明細書において、「脂肪族基」とは、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキルまたは置換アラルキル基を意味する。本発明では、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキルまたは置換アラルキル基が好ましく、アルキル基、置換アルキル基、アラルキルまたは置換アラルキル基がさらに好ましい。環状脂肪族基よりも鎖状脂肪族基が好ましい。鎖状脂肪族基は分岐を有してもよい。アルキル基の炭素原子数は、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜15であることがさらに好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、アルキル基の場合と同様である。
【0279】
アルケニル基およびアルキニル基の炭素原子数は、2〜30であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、2〜15であることがさらに好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分、および置換アルキニル基のアルキニル部分は、それぞれアルケニル基およびアルキニル基と同様である。アラルキル基の炭素原子数は、7〜35であることが好ましく、7〜25であることが7〜25であることがより好ましく、7〜20であることがさらに好ましい。置換アラルキル基のアラルキル部分は、アラルキル基と同様である。脂肪族基(置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、置換アラルキル基)の置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルチオカルボニル基、ヘテロ環基、シアノ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、およびシリル基が含まれる。カルボキシル基とスルホ基は、塩の状態であってもよい。カルボキシル基およびスルホ基と塩を形成するカチオンはアルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
【0280】
本明細書において、「芳香族基」とは、アリール基または置換アリール基を意味する。アリール基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜20であることがより好ましく、6〜15であることがさらに好ましい。置換アリール基のアリール部分は、アリール基と同様である。芳香族基(置換アリール基)の置換基の例には、脂肪族基および脂肪族基の置換基の例で挙げたものを挙げることができる。
【0281】
一般式(7)、(8)において、R2は、水素原子、脂肪族基、または芳香族基である。脂肪族基と芳香族基の定義は、前述した通りである。R2は、水素原子または脂肪族基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましく、水素原子または炭素数が1〜15のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
【0282】
一般式(7)、(8)、(9)において、L1、L2、およびL3は、それぞれ独立に置換されていてもよいメチンである。メチンの置換基の例には、ハロゲン原子、脂肪族基、および芳香族基が含まれる。脂肪族基と芳香族基の定義は前述した通りである。メチンの置換基が結合して不飽和脂肪族環または不飽和複素環を形成してもよい。不飽和複素環よりも不飽和脂肪族環のほうが好ましい。形成する環は、5員環または6員環であることが好ましく、シクロペンテン環またはシクロヘキセン環であることがさらに好ましい。メチンは、無置換であるか、あるいはシクロペンテン環またはシクロヘキセン環を形成することが特に好ましい。一般式(7)において、nは、1または2を表すが、好ましくは1である。nが2の時、メチン基が繰り返されるが同一である必要はない。一般式(8)において、mは、1または2を表すが、好ましくは1である。mが2の時、メチン基が繰り返されるがそれらは同一である必要はない。
【0283】
一般式(7)、(8)において、Z1は、5員または6員の含窒素複素環を形成する原子団である。含窒素複素環の例には、オキサゾール環、チアゾール環、セレナゾール環、ピロール環、ピロリン環、イミダゾール環、およびピリジン環が含まれる。6員環よりも5員環のほうが好ましい。含窒素複素環には、芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環)が縮合していてもよい。含窒素複素環およびその縮合環は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、前述の芳香族基の置換基を挙げることができるが、好ましくはハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、スルホ、アルコキシ、アリール基、およびアルキル基である。カルボキシルとスルホは塩の状態であってもよい。カルボキシルおよびスルホと塩を形成するカチオンは、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
【0284】
一般式(7)において、Bは芳香族基、不飽和へテロ環基、もしくは一般式(9)を表す。芳香族基の定義は、前述の通りである。Bで表される芳香族基としては、置換あるいは無置換のフェニル基が好ましく、置換基としては、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、アルキルチオ基、アリール基が好ましく、4位にアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アルキル基が特に好ましい。Bで表される不飽和へテロ環としては、炭素、酸素、窒素、硫黄原子から構成された5または6員のヘテロ環基が好ましい。中でも5員環が特に好ましい。好ましい例としては、置換、無置換のピロール、インドール、チオフェン、およびフランを挙げることができる。
【0285】
一般式(9)におけるZ2は、5員または6員の含窒素複素環を形成する原子団であり、Z1と同じであっても異なっていてもよい。含窒素複素環の例は、上記のZ1と同じ物を挙げることができる。R3は、脂肪族基、または芳香族基を表すが、脂肪族基が好ましく、特に一般式(7)の窒素原子上の置換基である−CHR2(COR1)である場合が最も好ましい。
【0286】
一般式(8)において、Aは酸性核を表す。酸性核としては、環状のケトメチレン化合物または電子吸引性基によって挟まれたメチレン基を有する化合物が好ましい。環状のケトメチレン化合物の例としては、2−ピラゾリン−5−オン、ロダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、2,4−オキサゾリジンジオン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、インダンジオン、ジオキソピラゾロピリジン、メロドラム酸、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、2,5−ジヒドロフラン−2−オン、ピロリン−2−オンを挙げることができる。これらは置換基を有してもよい。
【0287】
電子吸引性基によって挟まれたメチレン基を有する化合物はZ1CH22と表すことができ、ここにZ1,Z2は各々−CN、−SO21,−COR1、−COOR2、−CONHR2、−SO2NHR2、−C{=C(CN)2}R1、−C{=C(CN)2}NHR1を表し、R1はアルキル基、アリール基、複素環基を表し、R2は水素原子、R1で表される基を表し、そしてR1,R2はそれぞれ置換基を有してもよい。
【0288】
これらの酸性核の中でも2−ピラゾリジン−5−オン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、インダンジオン、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、ジオキソピラゾロピリジンがより好ましい。
【0289】
一般式(7)で表される染料は、アニオンと塩を形成していることが好ましい。一般式(7)で表される染料が置換基として、カルボキシルやスルホのようなアニオン基を有する場合は、染料が分子内塩を形成することができる。それ以外の場合は、染料は分子外のアニオンと塩を形成することが好ましい。アニオンは一価または二価であることが好ましく、一価であることがさらに好ましい。アニオンの例には、ハロゲンイオン(Cl,Br,I)、p−トルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、1,5−ジスルホナフタレンジアニオン、PF6、BF4、およびClO4が含まれる。
【0290】
以下に、一般式(7)、(8)で表される塩基消色型染料の具体例を示すが、本発明で用いることができる化合物はこれらの具体例によって制限されるものではない。
【0291】
【化42】


【0292】
【化43】


【0293】
【化44】


【0294】
【化45】


【0295】
【化46】


【0296】
【化47】


【0297】
(2)塩基プレカーサー
本発明で用いる塩基消色型染料またはその塩は、加熱条件下で塩基を作用させることにより消色させることができる。本発明で用いる染料は、塩基の作用により染料中の活性メチレン基が脱プロトン化され、それにより発生する求核種が分子内のメチレン鎖を求核攻撃し、分子内閉環体を形成することにより消色することが見出された。従って、この反応に利用可能な塩基としては、染料中の活性メチレン基を脱プロトン化させることができる塩基であればいかなるものでもよい。分子内閉環反応により新しく形成される環の環員数は限定されないが、5〜7員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。このようにして形成される実質的に無色の化合物は、安定な化合物であり元の染料に戻ることは無い。従って、本発明では、消色方法によって消色した物質が復色することに問題は無い。
【0298】
消色反応における加熱温度は、40℃〜200℃であることが好ましく、80℃〜150℃であることがより好ましく、100℃〜130℃であることがさらに好ましい。加熱時間は1〜120秒であることが好ましく、5〜60秒であることがより好ましく、10〜30秒がさらに好ましい。
【0299】
バック層に染料とともに塩基を添加すると保存中に互いに反応して消色してしまい、ハレーション防止の機能を失ってしまうので、塩基は熱分解型のプレカーサーにして用いるのが望ましい。従って、熱現像温度と時間は画像形成に要する時間、塩基発生と消色に要する時間を考慮して決定される。
【0300】
消色反応に必要な塩基は広義の塩基であって、狭義の塩基に加えて求核剤(ルイス塩基)も含まれる。塩基が染料と共存すると室温であっても消色反応が若干進行する。従って、塩基を染料から物理的または化学的に隔離しておき、加熱時に塩基と染料とを接触(反応)させることが望ましい。塩基の物理的隔離としては、マイクロカプセルの使用、熱溶融性物質の微粒子内への封入、あるいは互いに異なる層に添加することなどがある。マイクロカプセルには、圧力により破裂するものと、加熱により破裂するものとがある。消色反応は加熱条件下で実施するため、加熱により破裂するマイクロカプセル(熱応答型マイクロカプセル)を用いると都合がよい。隔離のためには、塩基か染料のどちらか一方をマイクロカプセルに封入する。マイクロカプセルの外殻が不透明の場合は塩基を封入するのが好ましい。熱応答型カプセルについては、森賀弘之、入門・特殊紙の化学(昭和50年)や特開平1−150575号公報に記載がある。ワックスなど熱溶融性物質の微粒子内に塩基または染料を添加してもよい。熱溶融性物質の融点は、室温と前述の熱現像加熱温度との間にある。感光材料において、染料を含む層と塩基を含む層とを分離する場合、それらの層の間に熱溶融性物質を含むバリアー層を設けることが好ましい。
【0301】
物理的な隔離手段よりも、化学的隔離手段の方が実施が容易で好ましい。化学的な隔離手段としては、塩基プレカーサーの使用が代表的である。塩基プレカーサーには様様な種類があるが、消色反応は加熱条件下で実施するため、加熱により塩基を生成(または放出)する種類のプレカーサーを用いると都合がよい。加熱により塩基を生成するプレカーサーとしては、カルボン酸と塩基の塩からなり熱分解型(脱炭酸型)塩基プレカーサーが代表的である。脱炭酸型塩基プレカーサーを加熱すると、カルボン酸のカルボキシル基が脱炭酸反応し、有機塩基が放出される。カルボン酸としては、脱炭酸しやすいスルホニル酢酸やプロピオール酸を用いる。スルホニル酢酸やプロピオール酸は、脱炭酸を促進する芳香性を有する基(アリールや飽和複素環基)を置換基として有することが好ましい。スルホニル酢酸塩の塩基プレカーサーについては、特開昭59−168441号公報に、プロピオール酸の塩基プレカーサーについては特開昭59−180537号公報にそれぞれ記載されている。脱炭酸型塩基プレカーサーの塩基側成分としては、有機塩基が好ましく、アミジン、グアニジンまたはそれらの誘導体であることがさらに好ましい。有機塩基は、二酸塩基、三酸塩基、または四酸塩基であることが好ましく、二酸塩基であることがさらに好ましく、アミジン誘導体、グアニジン誘導体であることが最も好ましい。
【0302】
アミジン誘導体の二酸塩基、三酸塩基または四酸塩基のプレカーサーについては、特公平7−59545号公報に記載がある。グアニジン誘導体の二酸素塩基、三酸塩基または四酸塩基のプレカーサーについては、特公平8−10321号公報に記載がある。アミジン誘導体またはグアニジン誘導体の二酸塩基は、(A)二つのアミジン部分またはグアニジン部分、(B)アミジン部分またはグアニジン部分の置換基、および(C)二つのアミジン部分またはグアニジン部分を統合する二価の連結基からなる。(B)の置換基の例には、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基および複素環残基が含まれる。二個以上の置換基が結合して含窒素複素環を形成してもよい。(C)の連結基は、アルキレン基またはフェニレン基であることが好ましい。以下に、アミジン誘導体またはグアニジン誘導体の二酸塩基プレカーサーの例を示す。
【0303】
【化48】


【0304】
【化49】


【0305】
【化50】


【0306】
【化51】


【0307】
【化52】


【0308】
塩基消色型染料は、分子状、乳化分散状または固体微粒子分散状で画像記録材料中に含ませることができる。分子状に分散する場合は、染料の溶液を塗布液に添加する。固体微粒子状に分散して添加する場合は、染料の固体微粒子の分散物を作製し、その後に塗布液に添加される。
【0309】
塩基消色型染料の添加量は、一般に目的とする波長で測定した時の光学濃度(吸光度)が0.1を超える量である。実用的には、光学濃度が好ましくは0.3〜3.0、より好ましくは0.3〜2.0、さらに好ましくは0.3〜1.5になるように添加量を調整するのがよい。
【0310】
塩基プレカーサーの使用量は、mol比で、塩基消色型染料の1倍〜100倍であることが好ましく、3〜30倍であることがさらに好ましい。塩基プレカーサーは固体微粒子状で添加するのが好ましい。
【0311】
塩基消色型染料も塩基プレカーサーも2種類以上の化合物を併用してもよい。特に融点を所望の領域に調整するため、異なる融点のものを混合するのが好ましい。
【0312】
(3)バック層のバインダー
バック層はバインダーを含んでよく、バック層に用いるバインダーは好ましくは透明または半透明で無色である。該バインダーは天然ポリマー、合成樹脂、合成ポリマー、合成コポリマー、フィルムを形成する媒体等であってよく、その例としては、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルピロリドン、カゼイン、デンプン、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリビニルアセタール類(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテート、セルロースエステル類、ポリアミド類等が挙げられる。
【0313】
バック層は上記画像記録層に用いるポリマーラテックスを含んでいてもよく、バック層(特に最外層)に用いるポリマーラテックスのポリマーのガラス転移温度は25〜100℃であることが好ましい。バック層中のバインダー量は、好ましくは0.01〜10g/m2であり、より好ましくは0.5〜5g/m2である。
【0314】
(4)バック層のマット剤
ベック秒を低くするために、バック層にマット剤を添加するのが好ましい。ベック平滑度は好ましくは10〜2000秒、より好ましくは50〜1500秒であり、このようなベック平滑度を得るためにマット剤の粒子サイズや添加量を変更してよい。ベック平滑度はJIS P8119またはTAPPIT479により求められる。
【0315】
(D)その他
本発明の熱現像感光材料は、上記画像形成層の他に、中間層、保護層等の非感光層を有してよい。また支持体の画像形成層と反対の側にバック層等の種々の補助層を設置してもよい。
【0316】
(1)中間層
本発明の熱現像感光材料は、直接保護層を画像形成層を設ける場合の問題を解決するために中間層を設けるのが好ましい。保護層と画像形成層とのpH差が大きいために界面が乱れる塗布故障の解決や、画像形成層に添加すると互いに不利益な相互作用を有する添加剤の一部を内包するのに中間層を好ましく利用することができる。添加しうる薬剤としては、還元剤、ハロゲンプレカーサー、銀キャリアー、染料、顔料、現像促進剤、現像抑制剤、画像安定化剤、分散安定剤、架橋剤、可塑剤、安息香酸類等の添加剤が挙げられる。中間層のバインダーとしては上記の画像記録層に用いる有機溶剤に可溶なポリマーや水性ポリマーラテックスの他に、ゼラチン、ポリビニルアルコール、その他の合成ポリマー等が使用可能である。中間層の厚みは好ましくは0.01〜30μm、より好ましくは0.05〜10μmである。
【0317】
(2)保護層
本発明の熱現像感光材料には該材料の表面を保護するためにポリマーバインダー等からなる保護層を設けるのが好ましい。保護層は支持体の画像形成層を有する面の外層に設けられる。
【0318】
ポリマーバインダーとしては、上記の画像形成層に用いる有機溶剤可溶ポリマー、水性ポリマーラテックスが使用できる。ポリマーラテックスの場合、ポリマーのガラス転移温度は25〜100℃であることが好ましい。ポリマーラテックスの他に、ゼラチン、ポリビニルアルコール、その他の合成ポリマー等も保護層のバインダーとして使用可能である。バインダーの添加量は、保護層の面積に対して好ましくは0.2〜10g/m2であり、より好ましくは1〜5g/m2である。
【0319】
保護層は、還元剤、ハロゲンプレカーサー、分散安定剤、架橋剤、塗布性改良や帯電性調整のための界面活性剤、安息香酸類、硬膜剤、滑り剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤の好ましい態様は、基本的には上記画像記録層の場合と同様である。保護層の厚みは好ましくは0.01〜30μm、より好ましくは0.05〜10μmとする。
【0320】
保護層には、熱現像感光材料を重ね合わせたときの接着故障防止のために無機もしくは有機のマット剤を添加することが望ましい。マット剤の例としては、米国特許第1,939,213号明細書、同2,701,245号明細書、同2,322,037号明細書、同3,262,782号明細書、同3,539,344号明細書、同3,767,448号明細書等に記載の有機マット剤や、同1,260,772号明細書、同2,192,241号明細書、同3,257,206号明細書、同3,370,951号明細書、同3,523,022号明細書、同3,769,020号明細書等に記載の無機マット剤等が挙げられる。具体的には、水分散性ビニル重合体(ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリビニルアセテート、ポリエチレンカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン等)、セルロース誘導体(メチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等)、澱粉誘導体(カルボキシ澱粉、カルボキシニトロフェニル澱粉、尿素−ホルムアルデヒド−澱粉反応物等)、公知の硬化剤で硬化したゼラチンおよびコアセルベート硬化して微少カプセル中空粒体とした硬化ゼラチン等の有機化合物や、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、公知の方法で減感した塩化銀や臭化銀、ガラス、珪藻土等の無機化合物がマット剤として好ましく用いることができる。マット剤は単独で用いても、複数混合して用いてもよい。形状も球形、棒状、針状、鱗片状、あるいは不定形など種々のものが選べる。
【0321】
マット剤は保護層の表面に凹凸を形成し接触面積を小さくして、接着故障を防止する効果を有する。従って、その平均粒子サイズは保護層の厚みよりも大きいことが好ましいが、小さくても凝集体を形成して表面に突き出るものであればよい。マット剤の平均粒子サイズは1〜20μmが好ましい。平均粒子サイズが1μm未満であると実用的でなく、20μmを超えると画像形成層に沈みこんで画像形成を妨げピンホールを与える危険性が高くなる。また、マット剤の粒子サイズ分布は狭い方が望ましく、単分散度が10%以下であるのが好ましい。保護層が複数ある場合、マット剤は好ましくは最外表面層、または外表面にできるだけ近い層に添加する。
【0322】
保護層は上記含フッ素界面活性剤を含むのが好ましい。マット剤と含フッ素界面活性剤は、バック層に添加しても所望の効果を得る事ができる。上記保護層とバック層のどちらか一方または両方にこれらを添加してよいが、少なくとも含フッ素界面活性剤は画像形成層側に添加するのが好ましい。保護層の上に含フッ素界面活性剤をオーバーコートして用いることもできる。
【0323】
保護層のpHは添加剤によって異なるが、2〜7と比較的低い。複数の保護層を形成する場合、画像形成層に近い層はpH4〜7、遠い層はpH2〜5とすることが好ましい。保護層は複数の層から構成されてもよい。例えば、有機ポリマーを主体とした画像を保護するための保護下層と、マット剤、滑り剤、含フッ素界面活性剤等を含む接着を防止したり表面の滑り性を向上するための保護上層から構成してよい。
【0324】
(3)下塗り層
本発明の熱現像感光材料は米国特許第5,051,335号明細書等に記載の下塗り層を有してもよい。
【0325】
(4)コーティング
浸漬コーティング、エアナイフコーティング、フローコーティング、米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパーを用いる押出コーティング等のコーティング操作により、本発明の熱現像感光材料を被覆してもよい。米国特許第2,761,791号および英国特許第837,095号明細書に記載の方法により2層以上の層を同時に被覆することもできる。
【0326】
[2]熱現像画像形成方法
本発明の熱現像感光材料は、波長500nm以下の光で露光後熱現像することにより画像を形成することができる。好ましくは380nm〜500nmの領域に波長ピークを有するレーザー光が用いられる。好ましくは、走査型レーザー露光装置によって露光され、100℃〜150℃の温度で熱現像される。本発明の熱現像感光材料は、印刷製版用に適した超硬調画像形成に利用され得る。
【0327】
本発明の熱現像感光材料が熱現像後において、PS版により刷版を作製する際にマスクとして用いられる場合、熱現像後の熱現像感光材料は、製版機においてPS版に対する露光条件を設定するための情報や、マスク原稿およびPS版の搬送条件等の製版条件を設定するための情報を画像情報として担持している。従って、前記のイラジエーション染料、ハレーション染料、フィルター染料の濃度(使用量)は、これらを読み取るために制限される。これら情報はLEDあるいはレーザーによって読み取られるため、センサーの波長域のDmin(最低濃度)が低い必要があり吸光度が0.3以下である必要がある。例えば、富士写真フイルム(株)社製、製版機S−FNRIIIはトンボ検出のための検出器およびバーコードリーダーとして670nmの波長の光源を使用している。また、清水製作社製、製版機APMLシリーズのバーコードリーダーとして670nmの光源を使用している。すなわち670nm付近のDmin(最低濃度)が高い場合にはフィルム上の情報が正確に検出できず搬送不良、露光不良など製版機で作業エラーが発生する。従って、670nmの光源で情報を読み取るためには670nm付近のDminが低い必要があり、熱現像後の660〜680nmの吸光度が0.3以下である必要がある。より好ましくは0.25以下である。その下限に特に制限はないが、通常は0.10程度である。
【0328】
本発明において、像様露光に用いられる露光装置は、一般的にはレーザダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)を光源に使用した露光装置が好ましく用いられる。特に、LDは高出力、高解像度の点でより好ましい。これらの光源は目的波長範囲の電磁波スペクトルの光を発生することができるものであればいずれでもよい。例えばLDであれば、色素レーザー、ガスレーザー、固体レーザー、半導体レーザーなどを用いることができる。中でも注目されるのは、SHG(Second Hermonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーである。高照度で、一般的には10-7秒以下の短い露光時間で行われる。
【0329】
本発明における露光は光源の光ビームをオーバーラップさせて露光する。オーバーラップとは副走査ピッチ幅がビーム径より小さいことをいう。オーバーラップは、例えばビーム径をビーム強度の半値幅(FWHM)で表したとき、FWHM/副走査ピッチ幅(オーバーラップ係数)で定量的に表現することができる。本発明ではこのオーバーラップ係数が0.2以上であることが好ましい。
【0330】
本発明に使用する露光装置の光源の走査方式は特に限定はなく、円筒外面走査方式、円筒内面走査方式、平面走査方式などを用いることができる。また、光源のチャンネルは単チャンネルでもマルチチャンネルでもよいが、高出力が得られ、書き込み時間が短くなるという点でレーザーヘッドを2機以上搭載するマルチチャンネルが好ましい。特に、円筒外面方式の場合にはレーザーヘッドを数機から数十機以上搭載するマルチチャンネルが好ましく用いられる。
【0331】
本発明の熱現像感光材料は露光時のヘイズが低く、干渉縞が発生しやすい傾向にある。この干渉縞の発生防止技術としては、特開平5−113548号公報などに開示されているレーザー光を感光材料に対して斜めに入光させる技術や、国際公開WO95/31754号公報などに開示されているマルチモードレーザーを利用する方法が知られており、これらの技術を用いることが好ましい。
【0332】
本発明に用いる画像形成方法の加熱現像工程はいかなる方法であってもよいが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。用いられる熱現像機の好ましい態様としては、熱現像感光材料をヒートローラーやヒートドラムなどの熱源に接触させるタイプとして特公平5−56499号公報、特開平9−292695号公報、特開平9−297385号公報および国際公開WO95/30934号公報に記載の熱現像機、非接触型のタイプとして特開平7−13294号公報、国際公開WO97/28489号公報、同97/28488号公報および同97/28487号公報に記載の熱現像機がある。特に好ましい態様としては非接触型の熱現像機である。好ましい現像温度としては80〜250℃であり、さらに好ましくは100〜150℃である。現像時間としては1〜180秒が好ましく、5〜90秒がさらに好ましい。ラインスピードは140cm/min以上、さらには150cm/min以上が好ましい。
【0333】
熱現像時における熱現像感光材料の寸法変化による処理ムラを防止する方法として、80℃以上115℃未満の温度で画像が出ないようにして、5秒以上加熱した後、110℃〜140℃で熱現像して画像形成させる方法(いわゆる多段階加熱方法)を採用することが有効である。
【0334】
本発明の熱現像感光材料を熱現像処理するとき、100℃以上の高温にさらされるため、該材料中に含まれている成分の一部、あるいは熱現像による分解成分の一部が揮発してくる。これらの揮発成分は現像ムラの原因になったり、熱現像機の構成部材を腐食させたり、温度の低い場所で析出し異物として画面の変形を引起こしたり、画面に付着して汚れとなる種々の悪い影響があることが知られている。これらの影響を除くための方法として、熱現像機にフィルターを設置し、また熱現像機内の空気の流れを最適に調整することが知られている。これらの方法は有効に組み合わせて利用することができる。国際公開WO95/30933号公報、同97/21150号公報、特表平10−500496号公報には、結合吸収粒子を有し揮発分を導入する第一の開口部と排出する第二の開口部とを有するフィルターカートリッジを、フィルムと接触して加熱する加熱装置に用いることが記載されている。また、国際公開WO96/12213号公報、特表平10−507403号公報には、熱伝導性の凝縮捕集器とガス吸収性微粒子フィルターを組み合わせたフィルターを用いることが記載されている。本発明ではこれらを好ましく用いることができる。また、米国特許第4,518,845号明細書、特公平3−54331号公報には、フィルムからの蒸気を除去する装置とフィルムを伝熱部材へ押圧する加圧装置と伝熱部材を加熱する装置とを有する構成が記載されている。また、国際公開WO98/27458号公報には、フィルムから揮発するカブリを増加させる成分をフィルム表面から取り除くことが記載されている。これらについても本発明では好ましく用いることができる。
【実施例】
【0335】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
【0336】
実施例1
[下引済みの支持体の作製]
テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノール/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中、25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥した後、300℃で溶融後T型ダイから、静電印加した50℃のキャスティングドラム上に押し出し、熱固定後の膜厚が120μmになるような厚みの未延伸フィルムを作製した。これを、周速の異なるロールを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンターで4.5倍に横延伸を実施した、この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンターのチャック部をスリットした後、両端に厚み10μmのナーリングを幅1cmで施し、PET支持体を得た。
【0337】
上記PET支持体(PETフィルム、厚さ120μm)の両面に、8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液aを乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層Aとし、また反対側の面に下記帯電防止加工した下引塗布液bを乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて帯電防止加工下引層Bとした。
【0338】
《下引塗布液a》
固形分30%の共重合体ラテックス液(ブチルアクリレート/tert−ブチルアクリレート/スチレン/2−ヒドロキシエチルアクリレート=30/20/25/25(質量%)) 270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g
コロイダルシリカ(平均粒径90μm) 0.1g
水を加えて合計で1リットルにした。
【0339】
《下引塗布液b》
SnO2/Sb(9/1(質量比)、平均粒径0.18μm)
200mg/m2になる量
固形分30%の共重合体ラテックス液(ブチルアクリレート/スチレン/グリシジルアクリレート=30/20/40(質量%)) 270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水を加えて合計で1リットルにした。
【0340】
(支持体の熱処理)
〈低張力熱処理〉
上記の下引済みの支持体の下引乾燥工程において、加熱温度180℃、張力0.15MPa条件で、45秒間の低張力熱処理を施した。
【0341】
〈後熱処理〉
上記低張力熱処理に引き続き、40℃のゾーンに15秒間通して後熱処理を行い、巻き取った。この時の巻き取り張力は1.0MPaであった。
【0342】
(スリッティング)
上記処理を行ったPET支持体(幅2.5m)を、幅1.2m、オフセット量16%でスリッティングを行った。次いで、スリット後の両端に、幅10mm、高さ10μmのナーリングを付与して、下引済みの支持体を作製した。
【0343】
[熱現像感光材料の作製]
〔バック層及びバック保護層の形成〕
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物(BP−41)を64g、ジフェニルスルホンを28gおよび界面活性剤(花王(株)製、デモールN)10gを蒸留水220mlと混合し、混合液をサンドミル(アイメックス(株)製、1/4 Gallonサンドグラインダーミル)を用いてビーズ分散し、平均粒子径0.2μmの塩基プレカーサー化合物の固体微粒子分散液(a)を得た。
【0344】
(塩基消色型染料の固体微粒子分散液の調製)
塩基消色型染料(一般式(7)または(8)で表される染料の例示化合物(1))を19.6gおよびp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8gを蒸留水305mlと混合し、混合液をサンドミル(アイメックス(株)製、1/4 Gallonサンドグラインダーミル)を用いてビーズ分散して平均粒子径0.2μmの染料固体微粒子分散液を得た。
【0345】
(バック層塗布液の調製)
下記の各添加剤を順次混合して、バック層塗布液の調製した。
【0346】
ゼラチン 17g
ポリアクリルアミド 9.6g
塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a) 70g
塩基消色型染料〔一般式(7)または(8)で表される染料の例示化合物(1)〕の固体微粒子分散液 56g
マット剤:単分散ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒子サイズ8μm)1.5g
防腐剤:ベンゾイソチアゾリノン 0.03g
ポリエチレンスルホン酸ナトリウム 2.2g
水 844ml
(バック保護層塗布液の調製)
容器を40℃に保温し、下記の各添加剤を順次混合して、バック保護層塗布液を調製した。
【0347】
ゼラチン 50g
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 0.2g
N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド) 2.4g
tert−オクチルフェノキシエトキシエタンスルホン酸ナトリウム 1g
ベンゾイソチアゾリノン 30mg
フッ素系界面活性剤(F−1:N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−プロピルアラニンカリウム塩) 37mg
フッ素系界面活性剤(F−2:ポリエチレングリコールモノ(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−プロピル−2−アミノエチル)エーテル[エチレンオキサイド平均重合度15]) 0.15g
フッ素系界面活性剤(F−3) 64mg
フッ素系界面活性剤(F−4) 32mg
アクリル酸/エチルアクリレート共重合体(共重合質量比:5/95) 8.8g
エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製) 0.6g
流動パラフィン乳化物 流動パラフィンとして1.8g
水 950ml
【0348】
【化53】


【0349】
(バック層及びバック保護層の塗布)
上記作製した下引き済の支持体のバック面側に、上記バック層塗布液を固体微粒子染料の固形分塗布量が0.04g/m2となるように、また、バック保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.7g/m2となるように同時重層塗布、乾燥して、バック層及びバック保護層を設けた。
【0350】
《画像記録層及び保護層の形成》
(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)
水700mlにアルカリ処理ゼラチン(カルシウム含有量として2700ppm以下)11gおよび臭化カリウム30mg、4−メチルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.3gを溶解して温度40℃にてpHを6.5に合わせた後、硝酸銀18.6gを含む水溶液159ml及び臭化カリウムを1mol/L、(NH42RhCl5(H2O)を5×10-6mol/LおよびK3IrCl6を2×10-5mol/Lで含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で6分30秒間かけて添加した。ついで、硝酸銀55.5gを含む水溶液476ml及び臭化カリウムと沃化カリウムの比率をI:4mol%になるようにして、K3IrCl6を2×10-5mol/L、pAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で28分30秒間かけて添加した。その後pHを下げて凝集沈降させて脱塩処理をし、平均分子量15,000の低分子量ゼラチン(カルシウム含有量として20ppm以下)51.1g加え、pH5.9、pAg8.0に調整した。得られたハロゲン化銀粒子は平均粒子サイズ0.08μm、投影面積変動係数9%、(100)面比率90%の立方体粒子であった。
【0351】
こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に昇温して銀1mol当たりベンゼンチオスルホン酸ナトリウム76μmolを添加し、3分後にトリエチルチオ尿素71μmolを添加した後、100分間熟成し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを5×10-4mol、化合物Aを0.17g、加えた後、40℃に降温させた。その後、40℃に温度を保ち、ハロゲン化銀1molに対してベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液で7×10-3mol、4.7×10-2molの臭化カリウム(水溶液として添加)と3.0×10-3molの増感色素I−1をメタノール溶液として添加し攪拌しながら添加して、20分後に30℃に急冷した。さらに水を加えて1kg当たり含まれる銀量が38.2gとなるようにして、ハロゲン化銀乳剤A(沃臭化銀乳剤)を調製した。
【0352】
【化54】


【0353】
(脂肪酸銀分散物の調製)
ベヘン酸(ヘンケル社製、製品名Edenor C22−85R)87.6kg、蒸留水423L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、tert−ブタノール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのtert−ブタノールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調整した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調整した。
【0354】
ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
【0355】
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均投影面積0.52μm、平均粒子厚み0.14μm、球相当径の変動係数15%のりん片状の結晶であった。
【0356】
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3kgおよび水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、さらにパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
【0357】
次に、予備分散済みの原液を、分散機(マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション社製、商品名:マイクロフルイダイザーM−610、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を123MPaに調節して、3サイクルの処理を行い、脂肪酸銀分散物を得た。冷却操作は、蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0358】
(還元剤分散物Aの調製)
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサンを10kg、及び変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水7.2kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて4時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調整し、還元剤分散物Aを得た。
【0359】
こうして得た還元剤分散物Aに含まれる還元剤粒子は、メジアン径0.46μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去した。
【0360】
(有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒子分散物の調製)
有機ポリハロゲン化合物Aを10kgと、変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の20質量%水溶液を10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液を639gと、サーフィノール104E(日信化学(株)製)を400gと、メタノール640gと水16kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて5時間分散したのち、水を加えて有機ポリハロゲン化合物Aの濃度が25質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒子分散物を得た。こうして得た有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒子分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子は、メジアン径0.36μm、最大粒子径2.0μm以下、平均粒子径の変動係数18%であった。得られた分散物は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0361】
(有機ポリハロゲン化合物Bの固体微粒子分散物の調製)
有機ポリハロゲン化合物Bの5kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の20質量%水溶液の2.5kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液の213gと、水10kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩2.5gと水を加えての有機ポリハロゲン化合物Bの濃度が23.5質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物Bの固体微粒子分散物を得た。こうして得た有機ポリハロゲン化合物Bの固体微粒子分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子は、メジアン径0.38μm、最大粒子径2.0μm以下、平均粒子径の変動係数20%であった。得られた分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0362】
【化55】


【0363】
(6−イソプロピルフタラジン化合物の分散物の調製)
室温で水62.35gを攪拌しながら変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)2.0gが塊状にならない様に添加し、10分間攪拌混合した。その後、加熱して内温が50℃になるまで昇温した後、内温50〜60℃の範囲で90分間攪拌し、均一に溶解させた。次いで、内温を40℃以下に降温し、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−217)の10質量%水溶液25.5g、トリプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.0g、及び6−イソプロピルフタラジン(70質量%水溶液)7.15gを添加し、30分攪拌し透明分散液100gを得た。得られた分散物は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0364】
(現像促進剤Wの固体微粒子分散物の調製)
現像促進剤Wの5kgと、変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の20質量%水溶液の10kgと、水20kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて5時間分散したのち、水を加えて現像促進剤Wの濃度が20質量%になるように調整し、現像促進剤Wの固体微粒子分散物を得た。こうして得た現像促進剤Wの固体微粒子分散物に含まれる現像促進剤粒子は、メジアン径0.4μm、最大粒子径2.5μm以下、平均粒子径の変動係数21%であった。得られた分散物は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0365】
【化56】


【0366】
(超硬調化剤Hの固体微粒子分散物の調製)
超硬調化剤H(比較化合物)の4kgに対し、クラレ(株)製、ポバールPVA−217の1kgと水36kgとを添加してよく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて12時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩4gと水を加えて、超硬調化剤Hの濃度が10質量%になるように調製し、超硬調化剤Hの固体微粒子分散物を得た。こうして得た超硬調化剤Hの固体微粒子分散物に含まれる超硬調化剤の粒子は、メジアン径0.34μm、最大粒子径3.0μm以下、粒子径の変動係数19%であった。得られた分散物は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0367】
【化57】


【0368】
(サリチル酸誘導体分散物Aの調製)
サリチル酸誘導体Aの30gと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)、MP−203)の30g、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(竹本油脂(株)、商品名:レオポールBX)の0.6gに水210gを添加し、よく混合しスラリーを調製した。このスラリーを、分散ビーズ(平均直径0.5mmのジルコニア粒)960gとともにベッセルに入れ、分散機サンドミル(アイメックス(株)製、1/4Gサンドグラインダーミル)で5時間分散した。次いで、水105gで希釈して分散物を取り出し、平均粒子サイズ0.4μmのサリチル酸誘導体分散物Aを得た。
【0369】
【化58】


【0370】
(塗布液の調製)
〈画像形成層塗布液の調製〉
下記各添加剤を順次混合して、画像形成層塗布液を調製した。調製後、該塗布液の減圧脱気(圧力55kPa)を45分間行った。塗布液のpHは7.5、粘度は25℃で45mPa・sであった。
【0371】
脂肪酸銀分散物 72g
バインダー:例示ラテックスポリマーP−1(塩化物イオン濃度:9ppm)41g
還元剤分散物A 17.3g
有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒子分散物 6.5g
有機ポリハロゲン化合物Bの固体微粒子分散物 2.2g
サリチル酸誘導体分散物A 4.2g
エチルチオスルホン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 1.4g
ベンゾトリアゾール(5質量%水溶液) 1.2g
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−235、5質量%水溶液)
9.9g
6−イソプロピルフタラジン化合物の分散物 12.7g
ハロゲン化銀乳剤A 18.6g
超硬調化剤Hの固体微粒子分散物 6.8g
防腐剤:化合物A(塗布液中に40ppm) 2.5mg/m2
尚、画像形成層塗布液において、脂肪酸銀に対するラテックスポリマーP−1に含有される塩化物イオン濃度は、150ppmである。
【0372】
(保護層塗布液の調製)
メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=58.9/8.6/25.4/5.1/2(質量%)のポリマーラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度46℃(計算値)、固形分濃度として21.5質量%、化合物Aを100ppm含有させ、更に造膜助剤として化合物Bをラテックスの固形分に対して15質量%含有させ、溶液のガラス転移温度を24℃とした、平均粒子径116nm)の943gに水を加え、これにBSF−2を1.62g、オルトリン酸二水素ナトリウム・二水和物を固形分として0.69g、現像促進剤Wの固体微粒子分散物を固形分として11.55g、マット剤(ポリスチレン粒子、平均粒子サイズ7μm、平均粒子サイズの変動係数8%)を1.58g及びポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−235)を29.3g加え、更に水を加えて保護層塗布液(メタノール溶媒を0.8質量%含有)を調製した。調製後、減圧脱気(圧力47kPa)を60分間行った。塗布液のpHは5.5、粘度は25℃で45mPa・sであった。
【0373】
(オーバーコート第1層塗布液の調製)
メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=58.9/8.6/25.4/5.1/2(質量%)のポリマーラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度46℃(計算値)、固形分濃度として21.5質量%、化合物Aを100ppm含有させ、更に造膜助剤として化合物Bをラテックスの固形分に対して15質量%含有させ、溶液のガラス転移温度を24℃とした、平均粒子径74nm)の625gに水を加え、これに化合物Dを11.7g、化合物Fを2.7g及びポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−235)を11.5g加え、更に水を加えてオーバーコート第1層塗布液(メタノール溶媒を0.1質量%含有)を調製した。調製後、減圧脱気(圧力47kPa)を60分間行った。塗布液のpHは2.6、粘度は25℃で30mPa・sであった。
【0374】
【化59】


【0375】
(塗布)
前記のバック層を設けた支持体を用いて、バック層とは反対側の面に、特開2000−2964号公報の明細書の図1で開示されているスライドビート塗布方式を用いて、上記画像形成層塗布液を塗布銀量として1.5g/m2、更にその上に、前記保護層塗布液をポリマーラテックスの固形分塗布量が1.29g/m2になるように同時重層塗布した。その後、保護層の上に前記オーバーコート第一層塗布液をポリマーラテックスの固形分塗布量が1.97g/m2になるように塗布、乾燥して、熱現像感光材1を作製した。
【0376】
熱現像感光材料1の沃臭化銀の沃素の含有量、一般式(1)〜(5)で表される化合物、フッ素化合物を表1に記載の様に変更した以外は熱現像感光材1と同様にして各熱現像感光材料2〜15を作製した。
【0377】
《熱現像感光材料の評価》
〔塗布性評価〕
各塗布試料の先頭部分及び後尾部分について各々約5m2(合計10m2)を目視観察し、塗布故障(スジ、ハジキ・ムラ)の発生数について、各試料1m2当たりの塗布故障発生数を数えた。
【0378】
〔搬送性評価〕
大四切りサイズ1セット50枚で5セットの試料を、23℃、20%RHで2時間調湿し、同条件にて、レーザーイメージャDryPro752(コニカミノルタエムジー(株)製)を用いて搬送し、搬送トラブルの発生回数を測定した。尚、レーザーイメージャの全ての搬送ローラーのニップ圧力を通常の60〜70%に調整して搬送テストを行った。
【0379】
〈露光及び熱現像処理〉
各試料について、410nmにピークを持つ干渉フィルターを介し、ステップウェッジを通して発光時間10-6秒のキセノンフラッシュ光で露光した後、117℃で20秒の熱現像処理を行った。
【0380】
《写真性能の評価》
(露光及び現像処理)
得られた各熱現像感光材料を、ビーム径(ビーム強度の1/2のFWHM)12.56μm、レーザー出力30mW、出力波長410nmの半導体レーザーを搭載した単チャンネル円筒内面方式のレーザー露光装置を使用し、ミラー回転数60000rpm、露光時間1.2×10-8秒の露光を実施した。この時のオーバーラップ係数は0.449にし、熱現像感光材料面上のレーザーエネルギー密度は45μJ/cm2とした。
【0381】
上記のレーザー露光装置を用いて175線/インチで光量を変えながらテストステップを出力した。現像処理は121℃で20秒で行った。
【0382】
濃度測定はマクベスTD904濃度計(可視濃度)により行った。結果を表1に示した。感度は濃度1.5を与える露光量の対数をもって表し、S1.5とし試料No.1を基準として相対値で示した。値が大きいほど高感度である。
【0383】
(生保存性の評価)
得られた試料を2分し、一方を55℃、3日強制劣化させ、もう一方は常温で放置した。各試料を露光、現像処理を行い、常温と強制劣化試験後の感度の変動から生保存性を下記により評価した。
【0384】
○:感度変動が±5%未満である
△:感度変動が±5%以上±10%未満である
×:感度変動が±10%以上である。
【0385】
(黒ポツの評価)
上記作製した熱現像処理済みの各試料の未露光部分を100倍のルーペで目視観察して、黒ポツの評価を1〜5のランク評価を行った。全く黒ポツが見られないものを5ランクとし、黒ポツの量と大きさが増すにつれ4、3、2、1と評価を下げていった。3ランク以上が実用上問題ないレベルである。
【0386】
【表1】


【0387】
表1から明らかなように、本発明の試料が比較の試料に比して、黒ポツが少なく、感度が高く、生保存性にも優れ、熱現像時の搬送性にも優れていることが分かる。




 

 


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