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発明の名称 画像読取装置及び画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17869(P2007−17869A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−201712(P2005−201712)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
発明者 崎野 和弘
要約 課題
共振特性を改善して、制御安定性を向上させることにより、高精度の搬送制御を実現し、高画質な画像読取装置及び画像形成装置を提供する.

解決手段
画像読取装置は、輝尽性蛍光体プレートPに蓄積された画像情報を読み取る光学ユニット1を直線上に搬送させるリニアモータ7と、光学ユニット1の直線運動をワイヤロープ6を介して回転するプーリ52により回転運動に変換する変換手段と、回転運動を検出するロータリエンコーダ51とを備えている。プーリ52の慣性モーメントは3×10-6kg/m2以下である。
特許請求の範囲
【請求項1】
画像が記録された記録媒体上から画像を読み取る画像読取装置において、
画像が記録された記録媒体又は前記記録媒体に記録された画像を読み取る読取部のうち少なくともいずれか一方の搬送体を、他方の搬送体に対して相対的に直線上に搬送させる搬送手段と、
前記搬送体の移動を検出する検出手段として、搬送体の直線運動をワイヤロープを介して回転する回転体により回転運動に変換する変換手段と、
回転運動を検出する回転検出手段とを備え、
以下の(1)〜(3)の全ての条件を満たしていることを特徴とする画像読取装置。
(1)慣性モーメントが3×10-6kg・m2以下であること
(2)前記ワイヤロープのバネ定数がワイヤロープ長さ100mmに対して60N/mm以上であること
(3)前記ワイヤロープの張力が5N以上であること
【請求項2】
前記搬送手段としてリニアモータを使用したことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
所定の記録媒体上に画像を記録する画像形成装置において、
前記記録媒体又は前記記録媒体に画像を記録する記録部のうち少なくともいずれか一方の搬送体を、他方の搬送体に対して相対的に直線上に搬送させる搬送手段と、
前記搬送体の移動を検出する検出手段として、搬送体の直線運動をワイヤロープを介して回転する回転体により回転運動に変換する変換手段と、
回転運動を検出する回転検出手段とを備え、
以下の(1)〜(3)の全ての条件を満たしていることを特徴とする画像形成装置。
(1)慣性モーメントが3×10-6kg・m2以下であること
(2)前記ワイヤロープのバネ定数がワイヤロープ長さ100mmに対して60N/mm以上であること
(3)前記ワイヤロープの張力が5N以上であること
【請求項4】
前記搬送手段としてリニアモータを使用したことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を担持する記録媒体上から、画像を読み取る画像読取装置及び所定の媒体に、所定の画像を記録する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線画像のような放射線画像は、病気診断などに多く用いられている。従来では、このような放射線画像を得るために、被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視光を通常の写真を撮るときと同じように銀塩を使用したフィルムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用されていた。しかし、近年銀塩を塗布したフィルムを使用しないで蛍光体層から直接画像を取り出す手法が工夫されるようになった。
この手法の一例としては、患者などの被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる後、この蛍光体を例えば、光又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出して画像化するものがある。支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した輝尽性蛍光体プレートを使用するもので、この輝尽性蛍光体プレートの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて、被写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて潜像を形成し、しかる後に、この輝尽性蛍光体層を輝尽励起光で走査することによって、各部の蓄積された放射線エネルギーを放射させて、これを光に変換し、この光の強弱をフォトマルなどの光電変換手段を介して画像信号に変換して、デジタル画像データとして放射線画像を得るものである。
このようなデジタル画像データに基づいて、銀塩フィルムに画像形成が行われ、あるいはCRT等に画像が出力されて可視化される。また、デジタル画像データは、半導体記憶装置、磁気記憶装置、光ディスク記憶装置等の画像記憶装置に格納され、その後、必要に応じてこれら画像記憶装置から取り出されて銀塩フィルム、CRT等を介して可視化されることができる。
【0003】
ところで、輝尽性蛍光体プレートを輝尽励起光で走査する場合に、輝尽性蛍光体プレートに対して画像読取部(光学ユニット)を一定の速度で精密に相対移動させなければならない。そのため、従来技術においては、リニアモータによって搬送体を搬送させ、ロータリエンコーダ、ロータリエンコーダの回転軸に連結されたプーリ、プーリに巻き付けられたワイヤロープ等によって搬送体の位置又は速度を検出してフィードバック制御する方法が示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平9−222318号公報
【特許文献2】特開2005−70533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献2に記載の放射線画像読取装置の位置検出手段に上記特許文献1に記載の位置検出手段であるロータリエンコーダとプーリとワイヤロープによって回転位置を検出することで直線搬送位置を検出する方法を適用した場合に、直線運動を回転運動に変換する回転変換系の固有振動により共振が発生する。そのため、共振により制御安定性が低下して、搬送性能が低下するという問題があった。
一方、このような共振による制御安定性の低下を改善するための方法として、フィードバック制御器に共振点を減衰させるフィルタを挿入することにより、制御安定性を向上させ、搬送性能を向上させる方法が一般的である。
しかしながら、フィードバック制御器にフィルタを挿入する方法にも限界があり、また、フィルタを挿入することによってフィードバック制御器の設計が難しくなるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、共振特性を改善して、制御安定性を向上させることにより、高精度の搬送制御を実現し、高画質な画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、画像が記録された記録媒体上から画像を読み取る画像読取装置において、
画像が記録された記録媒体又は前記記録媒体に記録された画像を読み取る読取部のうち少なくともいずれか一方の搬送体を、他方の搬送体に対して相対的に直線上に搬送させる搬送手段と、
前記搬送体の移動を検出する検出手段として、搬送体の直線運動をワイヤロープを介して回転する回転体により回転運動に変換する変換手段と、
回転運動を検出する回転検出手段とを備え、
以下の(1)〜(3)の全ての条件を満たしていることを特徴とする画像読取装置。
(1)慣性モーメントが3×10-6kg・m2以下であること
(2)前記ワイヤロープのバネ定数がワイヤロープ長さ100mmに対して60N/mm以上であること
(3)前記ワイヤロープの張力が5N以上であること
【0006】
請求項3の発明は、所定の記録媒体上に画像を記録する画像形成装置において、
前記記録媒体又は前記記録媒体に画像を記録する記録部のうち少なくともいずれか一方の搬送体を、他方の搬送体に対して相対的に直線上に搬送させる搬送手段と、
前記搬送体の移動を検出する検出手段として、搬送体の直線運動をワイヤロープを介して回転する回転体により回転運動に変換する変換手段と、
回転運動を検出する回転検出手段とを備え、
以下の(1)〜(3)のうち全ての条件を満たしていることを特徴とする画像形成装置。
(1)慣性モーメントが3×10-6kg・m2以下であること
(2)前記ワイヤロープのバネ定数がワイヤロープ長さ100mmに対して60N/mm以上であること
(3)前記ワイヤロープの張力が5N以上であること
【0007】
請求項1、3の発明によれば、上記(1)の条件を備えることによって、回転体の慣性モーメントが3×10-6kg/m2以下であり、慣性モーメントが小さくなるので、固有振動数を高くすることができる。よって、共振周波数を高くすることができ、制御の安定性が向上して搬送性能を向上させることができる。回転体の慣性モーメントを小さくする手段としては、例えば、回転体に回転対称となるように複数の穴を形成することが好ましい。これによって、重心位置を変えずに回転体の慣性モーメントを小さくすることができる。
また、上記(2)の条件を備えていれば、ワイヤロープのバネ定数がワイヤロープ長さ100mmに対して60N/mm以上であるので、ワイヤロープの剛性が上がり、固有振動数を高くすることができる。よって、共振周波数を高くすることができ、制御の安定性が向上して搬送性能を向上させることができる。
さらに、上記(3)の条件を備えていれば、ワイヤロープの張力が5N以上となるので、共振周波数がワイヤロープの張力の対数に比例することから、ワイヤロープの張力を上げる程共振周波数が高くなる。
そして、上記(1)〜(3)の全ての条件を備えることにより、さらに、上述の効果を高めることができる。その結果、共振を抑制でき、搬送性能を向上させることができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像読取装置において、
前記搬送手段としてリニアモータを使用したことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記搬送手段としてリニアモータを使用したことを特徴とする。
【0010】
請求項2、4の発明によれば、搬送手段としてリニアモータを使用するので、高周波領域までリニアモータが追随でき、応答が可能となり、搬送性能を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置によれば、位置検出手段の共振特性を改善して制御安定性を向上させることにより、高精度の搬送制御を実現し、高品質な画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の第1〜第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、本発明において、輝尽性蛍光体シートは単体では剛性が無く、装置内での取り扱いが難しいため、輝尽性蛍光体シートを単体で扱うことは少なく、多くの場合は金属板や樹脂板などの支持体に貼付したり、カセッテと呼ばれる着脱自在のケースに収納してカセッテ内面に接着するなどして支持している。このように、輝尽性蛍光体シートが上記支持体やカセッテに支持された構成を以下の説明では輝尽性蛍光体プレートと呼ぶこととする。また、この輝尽性蛍光体プレートは、その支持体側がラバーマグネット等で固定板に取り付けられることにより支持されている。
この輝尽性蛍光体プレートは、撮影時に被写体を透過した放射線が吸収され、そのエネルギーの一部が輝尽性蛍光体中の放射線画像の情報として蓄積される。本発明に係る画像読取装置は、このような輝尽性蛍光体中に蓄積された放射線画像の情報を読み取る装置である。
【0013】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態の画像読取装置における搬送機構の斜視図、図2は、図1におけるX−Z平面図、図3は、図1におけるX−Y平面図、図4は、図1におけるY−Z平面図、図5は、フィードバック制御部を示すブロック図である。
図1〜図5に示すように、画像読取装置は、輝尽性蛍光体プレート(記録媒体)Pにレーザ光照射装置(図示しない)からのレーザ光を走査しながら照射して輝尽性蛍光体プレートPから発せられる輝尽発光光を集光し、光電変換させて画像情報を読み取る光学ユニット(読取部)1と、基台4上に設けられた支持部材2により、光学ユニット1を水平方向に移動を案内するガイドレール31が支持(固定)され、光学ユニット(搬送体)1を移動させるリニアモータ(搬送手段)7とを備えている。
また、光学ユニット1が取り付けられた移動板33に連結し、光学ユニット1とともに移動する位置検出手段であるロータリエンコーダユニット5を備えている。ロータリエンコーダユニット5は、移動板33の直線運動を回転運動に変換するためのプーリ(回転体)52と、このプーリ52に巻き付けられたワイヤロープ6とからなる変換手段と、回転運動の回転位置を検出するロータリエンコーダ51(回転検出手段)とを備えている。
【0014】
ワイヤ6は、プーリ52に1回転以上巻き付けられて後述の固定部材91で固定されており、光学ユニット1とともに移動するロータリエンコーダユニット5が移動することで、ワイヤ6が巻き付けられたプーリ52が回転するように構成され、プーリ52の回転位置を検出するロータリエンコーダ51により回転移動量(位置)を検出し、時間微分することによって移動速度が求められる。また、フィードバック制御により、検出された移動速度と予め設定された設定速度(目標速度)とを比較してリニアモータ7を制御するフィードバック制御部100を備えている。
以下、各構成部材について詳細に説明する。
【0015】
基台4は、略矩形板状をなしており、輝尽性蛍光体プレートPを支持する固定板8が基台4上に固定されることによって、基台4の上面に対して輝尽性蛍光体プレートPのレーザ光照射面が略垂直となるように、輝尽性蛍光体プレートPは基台4上に保持されている。
また、この輝尽性蛍光体プレートPに対向して光学ユニット1が配置されており、光学ユニット1は、下面に取り付けられた移動板33が基台4に対して移動可能に設けられ、これによって光学ユニット1は基台4に対して移動可能とされている。
【0016】
基台4上面の略中央には、水平方向に延在する長尺な板状の支持部材2が略水平となるように固定されている。支持部材2の上面には、光学ユニット1を水平方向に案内するガイドレール31が設けられている。
ガイドレール31は断面視略矩形状の棒状部材であって、図4に示すように、ガイドレール31に案内される断面視略コ字型状の被ガイド部材32が係合している。そして、被ガイド部材32は移動板33の下面に取り付けられている。
このように、光学ユニット1は、支持部材2、ガイドレール31、被ガイド部材32、移動板33等によって基台4上に移動可能に支持されており、輝尽性蛍光体プレートPに対向して配置されている。
【0017】
また、基台4上面で、支持部材2の側方には、リニアモータ7を構成するマグネット部71を保持するためのリニアモータ保持部72が設けられている。マグネット部71は、断面円形状の永久磁石のN極同士あるいはS極同士を規則的に対向させて複数連結してシャフト状に形成されている。
また、マグネット部71には、リニアモータ7を構成する可動コイル73が設けられている。可動コイル73は円筒状に形成されたコイルを有しており、コイルは箱状のカバー部材により覆われている。そして、可動コイル73が移動板33の下面に設けられており、リニアモータ7は可動コイル73の中心をマグネット部71が貫通するように構成されている。
【0018】
さらに、基台4上面で、リニアモータ保持部72の側方には、支持部材2と平行して水平方向に延在する長尺な板状の保持部材9が略水平となるように固定されている。保持部材9の上面の長手方向両端部には、図1に示すように、断面視略L字型の固定部材91a、91bがそれぞれ設けられており、これら固定部材91a、91bにワイヤロープ6の両端部が固定され、ロータリエンコーダユニット5のプーリ52にワイヤロープ6が1回転以上巻き付いて連結されている。
【0019】
ロータリエンコーダユニット5は、移動板33に固定されて移動板33とともに移動可能な支持台53と、支持台53上に設けられたロータリエンコーダ51と、ロータリエンコーダ51の回転軸51aに連結されて支持台53の下面に取り付けられたプーリ52とを備えている。
【0020】
ここで、上記ロータリエンコーダ51、プーリ52、ワイヤロープ6等からなる回転変換系の共振を抑制するための手段として、プーリ52やワイヤロープ6は以下のように構成されている。
プーリ52は、比重の小さい材料であるアルミニウム、プラスチック、POM等の樹脂材料又はセラミックで構成されている。特にアルミニウムを使用する場合には、ワイヤロープ6との擦れによる表面の削れを防止するために、強度の高い硬質のアルマイト加工をしたり、ジュラルミンで製造することが好ましい。このようにしてプーリ52の質量を小さくすることにより、慣性モーメントを小さくすることができる。具体的に、慣性モーメントは3×10-6kg・m2以下であることが好ましい。特に、リニアモータ7で搬送する場合には、1.5×10-6kg・m2以下にすることが更に好ましい。また、ロータリエンコーダ51とプーリ52の強度を得るために慣性モーメントは2×10-7kg・m2以上とすることが好ましい。
【0021】
また、プーリ52には、図6(a)に示すように、回転軸51a方向に貫通するように複数の穴52aが回転対称となるように形成されており、これによって重心の位置を回転中心に保ったまま慣性モーメントを小さくすることができる。
さらに、図6(b)に示すように、ロータリエンコーダ51の回転軸51aには、プーリ52が形成されており、片持ち構成となっている。これによって、図6(c)の一般的な構成であるプーリ152の両軸にベアリング153で回転自在に保持されてカップリング154を介してロータリエンコーダ151の回転軸151aに取り付けられる両持ちの構成に比べて、慣性モーメントを小さくすることができる。従って、共振周波数を高くすることができ、制御の安定性が向上して搬送性能を向上させることができる。
また、ロータリエンコーダ51の回転軸51aに、プーリ52を一体に形成することで、回転軸51aの偏芯を小さくすることができ、精度良く位置を検出することができる。
【0022】
また、プーリ52の直径は、所望の位置検出分解能が得られるようにロータリエンコーダ51の分解能と併せて決定することが好ましく、プーリ52の直径は8〜30mm程度が好ましい。
【0023】
さらに、ワイヤロープ6は、そのバネ定数が、ワイヤロープ6の長さ100mmに対して60N/mm以上となるものを使用することが好ましい。特にバネ定数を大きくして、ワイヤロープ6の剛性を上げる程、共振周波数を改善することができるため好ましい。また、ワイヤロープ6のバネ定数は、ワイヤロープ6の取付時のずれによって生じるロータリエンコーダ51の回転軸51aにかかるラジアル荷重によってロータリエンコーダ51の寿命が短くなるので、300N/mm以下とすることが好ましい。特に、リニアモータ7で搬送する場合には、100N/mm以上にすることが更に好ましい。
ワイヤロープ6のバネ定数とは、横軸にワイヤロープ6の長さ100mmに換算したワイヤロープ6の伸び量とし、縦軸にワイヤロープ6を伸ばす方向に加えた力(張力)とした場合の傾きを示す。
また、ワイヤロープ6の素線の断面積と素線の総本数を掛け合わせた全素線の断面積が大きい方がより好ましい。ワイヤロープ6の断面構成としては、素線径が0.04mmの7×7構造よりも、素線径0.03mmの7×7+(1×19)×8構造の方が好ましく、さらには、素線径0.04mmの7×19構造のものがより好ましい。特に、素線径は、プーリ52の直径の1/250倍以下のものを選定することが、ワイヤロープ6の寿命を延ばす点で好ましい。
また、同じワイヤロープ6であっても、ワイヤロープ6の剛性を上げるために、ワイヤロープ6の初期伸びを取り除くようプリテンション加工等を施しておくことが好ましい。
【0024】
さらに、共振周波数は、実験的にワイヤロープ6の張力の対数に比例するため、張力は高い方が良く、ワイヤロープ6の張力は5N以上50N以下が好ましい。50N以下としたのは、ワイヤロープ6が巻き付けられているプーリ52及びロータリエンコーダ51の回転軸51aにラジアル軸荷重がかかり、これによって回転軸51aにラジアル荷重(軸を倒す方向の力)が加わることで回転軸51aが傾いたり、ロータリエンコーダ51の寿命が短くなるからである。また、ワイヤロープ6の張力によって、プーリ52の表面やワイヤロープ6の表面が削れてしまうこともあり、プーリ52やワイヤロープ6やロータリエンコーダ51の寿命を考慮したものである。特に、20N以上30N以下であることが好ましい。
【0025】
また、ワイヤロープ6の張力を上記範囲で保持するため、例えば、図6(d)に示すように、固定部材91aにバネ92の一端部が取り付けられている。そして、バネ92の他端部は、ワイヤロープ6の端部に連結されたリング状部材93に引っ掛けられている。さらに、ワイヤロープ6の端部とリング状部材93との間には、所定張力に調整されたワイヤロープ6を固定するための取付部材94が設けられている。これによって、バネ92により所定張力に調整されたワイヤロープ6を、その剛性を上げた状態で確実に固定でき、メンテナンス時にワイヤロープ6の張力を再調整し易くすることができる。なお、図面の関係上、図1〜図4にはバネ92、リング状部材93、取付部材94は示していない。
その他、図6(e)に示すように、固定部材91aの上端部先端に、左右に貫通するネジ状部材95を螺合して、このネジ状部材95の左右両端を固定部材91aに固定し、さらに、ネジ状部材95の先端部にワイヤロープ6の端部をネジ96止めによって固定するようにしても良い。このようにネジ状部材95にネジ96止めし、ネジ状部材95を固定部材91aに左右両側からナット97で固定することにより、ネジ状部材95を固定部材91aに強固に固定することができ、固定強度を増加させることができるため、固定強度の低下による共振周波数の低下を抑制することができる。なお、ナット97はネジ状部材95の片側のみでも良い。また、固定部材91aと反対側の固定部材91bも同様の構成としても良い。
【0026】
プーリ52の材質としては、磁石に吸い付かない又は吸い付け難い軟磁性材であるアルミ材等が好ましく、ワイヤロープ6は、例えばステンレス材上にナイロン等の樹脂をコーティングしたものを使用することが好ましい。プーリ52の材質はワイヤロープ6の表面硬度以上の材料が更に好ましい。アルマイト加工を施したり、ジュラルミン、ステンレスを使用することが好ましい。このようにプーリ52の材質の表面硬度をワイヤロープ6の材質の表面硬度以上とすることにより、プーリ52の摩耗を抑制することができ、プーリ52自身の耐久性を向上させることができるとともに摩耗による等速回転の悪化を抑制することができる。
【0027】
このようにプーリ52に巻き付けられたワイヤロープ6は、光学ユニット1及び移動板33の移動に連動してロータリエンコーダ51が移動することで、プーリ52が回転するように構成され、ロータリエンコーダ51がプーリ52の回転位置を検出する。そして、検出された回転情報がリニアモータ7の速度を制御するフィードバック制御部100に出力されるようになっている。
【0028】
フィードバック制御部100は、図5に示すように、速度演算部103と差分回路101と制御器104とモータ駆動回路102とを備えている。
速度演算部103では、ロータリエンコーダ51から入力された回転位置を位置信号に変換し、位置信号を時間微分することで搬送体(光学ユニット1と移動板33)の速度を演算する。差分回路101には上記演算した速度と予め設定された設定速度を差分出力することで、速度誤差信号を生成する。
制御器104では、速度制御信号に基づいて、例えばPID制御演算しモータに出力するトルク指令信号を生成し、モータ駆動回路102にてトルク指令信号と搬送体の位置に応じてリニアモータ7に駆動電力を供給する。
なお、速度フィードバック制御の例を示したが、速度の代わりに位置をフィードバックする位置フィードバック制御で構成しても良いし、制御器104としてPID制御の例を挙げたが、H∞制御のような現代制御器で構成してもフィードバック制御できる構成であれば特に限定するものではない。
【0029】
一方、光学ユニット1は、レーザ光L1を輝尽性蛍光体プレートPの移動方向と直交する方向に走査させながら輝尽性蛍光体プレートPに対して照射するレーザ光照射装置と、レーザ光照射装置により輝尽性蛍光体プレートPにレーザ光L1が照射されることで励起された輝尽発光光L2を導く導光板13と、導光板13により導かれた輝尽発光光L2を集光する集光管11と、集光管11により集光された輝尽発光光L2を電気信号に変換する光電変換器12とを有している。
【0030】
なお、本発明の画像読取装置には、図示しないが光学ユニット1により放射線エネルギーの読取処理がなされた後、輝尽性蛍光体プレートPに残留する放射線エネルギーを放出させるために輝尽性蛍光体プレートPに対して消去光を照射する消去装置が設けられている。
【0031】
次に、上述の構成からなる画像読取装置の動作について説明する。
搬送手段によって輝尽性蛍光体プレートPが画像読取装置の内部に取り込まれて、固定板8に固定される。画像の読取処理を行う際には、まず、リニアモータ7を駆動させて、光学ユニット1を支持する移動板33をガイドレール31に沿って水平方向に移動させる。
これにより、光学ユニット1が輝尽性蛍光体プレートPのレーザ照射面に対向する位置まで移動され、輝尽性蛍光体プレートPの水平方向に沿って移動しながら、レーザ光照射装置からレーザ光が走査される。このときレーザ光は光学ユニット1の移動方向と直交する方向に走査させながら照射される。その結果、励起された輝尽発光光が導光板13により導かれて集光管11に集光され、光電変換器12によって電気信号に変換される。
このように光学ユニット1が水平方向に移動することによって、移動板33に設けられたロータリエンコーダユニット5の支持台53を介してワイヤロープ6にその移動が伝達されて、プーリ52及び回転軸51aが回転する。これに伴って回転軸51aに連結されたロータリエンコーダ5でその回転速度が検出され、その検出結果は速度制御部100に出力される。
【0032】
ロータリエンコーダ51によって検出された回転速度は、差分回路101にて予め設定された設定速度から得られた設定速度信号と比較され、その結果に応じてモータ駆動回路102がリニアモータ7の駆動を制御する。
【0033】
なお、リニアモータ7の駆動方法は、周知の駆動方法が用いられる。例えば、インバータ制御により交流の駆動電流の周波数と電圧とを変更することによりリニアモータ7の移動速度を制御することができる。また、PWM制御により、リニアモータ7の可動コイル73に入力するパルス電圧のパルス幅によって制御するものとしても良い。
このようにロータリエンコーダ51の回転速度を常に検出し、その検出結果に基づいてリニアモータ7の移動速度を制御することによって、光学ユニット1の移動速度を一定に保つことができる。よって、輝尽性蛍光体プレートPに蓄積された放射線エネルギーを等間隔に励起して、搬送方向(移動方向)に画像ムラが極めて少ない、良好な画像を得ることができる。
【0034】
また、リニアモータ7の代わりにステッピングモータやDCモータなどの回転モータの回転運動をプーリとスチールベルトを介して直線運動に変換した搬送機構で実現しても良い。
輝尽性蛍光体プレートPの一方の端部まで光学ユニット1による読取処理が完了すると、リニアモータ7を停止させる。
その後、図示しない消去装置によって、輝尽性蛍光体プレートPに対して消去光を照射させ、これにより輝尽性蛍光体プレートPに残存する放射線画像を消去させる。そして、さらに搬送手段によって輝尽性蛍光体プレートPを画像読取装置の外部へと搬送させる。
【0035】
以上、本発明の第1の実施の形態の画像読取装置によれば、プーリ52をロータリエンコーダ51の回転軸51aに直接固定して片持ち構成にし、プーリ52の材質をアルミ材料又はPOM等の樹脂材料にして軽量化をすることで、プーリ52の慣性モーメントを3×10-6kg/m2以下にし、共振点を高周波側に改善させて、制御安定性を向上させ、搬送性能を向上させることができる。
さらに、プーリ52に回転対称となるように複数の穴52aを形成し、プーリ52の慣性モーメントを小さくすると、さらに共振点を高周波側に改善させて、制御安定性を向上させ、搬送性能を向上させることができるのでより好ましい。
また、ロータリエンコーダ51の回転軸51aとプーリ52を一体に形成することで、プーリ52の強度を上げることができ、更に、プーリ52の偏芯を小さくできることで回転の等速性を向上でき、搬送性能を向上させることができるのでより好ましい。
【0036】
また、ワイヤロープ6の構成を7×19の構成で、更にワイヤロープ素線の撚り密度が小さいワイヤロープ6にすることで、ワイヤロープ6のバネ定数がワイヤ長さ100mmに対して60N/mm以上であるので、共振点を高周波側に改善させて、制御安定性を向上させ、搬送性能を向上させることができる。
【0037】
また、本実施の形態では、リニアモータ7を使用しているので、高周波領域までリニアモータ7が追随でき、応答が可能となり、更に、回転検出手段の共振点が比較的低い周波数にあると制御安定性の低下によりリニアモータ7が持っている搬送性能を引き出すことができなかったものを共振点の改善により制御安定性を向上させ、リニアモータ7の搬送性能を引き出すことができることで搬送性能を向上させることができる。
【0038】
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態の画像読取装置における搬送機構の斜視図、図8は、図7におけるX−Z平面図、図9は、図7におけるX−Y平面図、図10は、図7におけるY−Z平面図である。
本発明の第2の実施の形態の画像読取装置は、第1の実施の形態と異なり、光学ユニット1が基台4に固定され、輝尽性蛍光体プレート(搬送体)Pが水平方向に移動するように構成されている。
すなわち、図7〜図10に示すように、基台4の上面に対向して光学ユニット1が配置され、基台4と光学ユニット1との間に輝尽性蛍光体プレートPが配置されている。輝尽性蛍光体プレートPは、その下面に取り付けられた固定板8が、基台4に対して移動可能な移動板(搬送体)33に取り付けられており、これによって輝尽性蛍光体プレートPは基台4に対して移動可能とされている。
【0039】
なお、以下に説明する第1の実施の形態と同様の構成部分については、同様の符号を付すこととする。
基台4の上面の略中央に、支持部材2、支持部材2上にガイドレール31が設けられている。また、ガイドレール31には被ガイド部材32が係合し、被ガイド部材32は移動板33の下面略中央に取り付けられている。
このように、輝尽性蛍光体プレートPは、支持部材2、ガイドレール31、被ガイド部材32、移動板33等によって基台4上に支持されており、光学ユニット1に対向して配置されている。
【0040】
また、基台4上面には、第1の実施の形態と同様のリニアモータ7、リニアモータ保持部72、マグネット部71、可動コイル73が設けられ、さらに、保持部材9、固定部材91a、91bが設けられている。そして、固定部材91a、91bにワイヤロープ6の両端部が高さが異なるように固定され、ロータリエンコーダユニット5のプーリ52にワイヤロープ6が1回転以上巻き付いて連結されている。
【0041】
ロータリエンコーダユニット5も、第1の実施の形態と同様に、移動板33に固定されて移動可能な支持台53と、ロータリエンコーダ51と、プーリ52とを備えている。そして、ロータリエンコーダ51、プーリ52、ワイヤロープ6等からなる回転駆動系の共振を抑制するための手段として、プーリ52やワイヤロープ6は、上述した第1の実施の形態と同様に、慣性モーメントを小さくし、ワイヤロープ6のバネ定数や張力を上記範囲に規定されている。
【0042】
その他、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様のフィードバック制御部100を備え、また、光学ユニット1も第1の実施の形態と同様の機能を有する。
【0043】
次に、上述の構成からなる画像読取装置の動作について説明する。
搬送手段によって輝尽性蛍光体プレートPが画像読取装置の内部に取り込まれて、固定板8に固定される。画像の読取処理を行う際には、まず、リニアモータ7を駆動させて、輝尽性蛍光体プレートPを支持する移動板33をガイドレール31に沿って水平方向に移動させる。
これにより、輝尽性蛍光体プレートPが光学ユニット1のレーザ照射面に対向する位置まで移動され、光学ユニット1の水平方向に沿って移動しながら、レーザ光照射装置からレーザ光が走査される。このときレーザ光は光学ユニット1の移動方向と直交する方向に走査させながら照射される。その結果、励起された輝尽発光光が導光板13により導かれて集光管11に集光され、光電変換器12によって電気信号に変換される。
このように輝尽性蛍光体プレートP及び移動板33が水平方向に移動することによって、移動板33に設けられたロータリエンコーダユニット5のロータリエンコーダ51が連動して移動することで、プーリ52及び回転軸が回転する。これによって、ロータリエンコーダ51がプーリ52の回転位置を検出し、検出された回転速度情報がリニアモータ7のフィードバック制御部100に出力される。
【0044】
ロータリエンコーダ51によって検出された回転速度は、差分回路101にて予め設定された設定速度から得られた設定速度信号と比較され、その結果に応じてモータ駆動回路102がリニアモータ7の駆動を制御する。
このようにロータリエンコーダ51の回転速度を常に検出し、その検出結果に基づいてリニアモータ7の移動速度を制御することによって、輝尽性蛍光体プレートPの移動速度を一定に保つことができる。よって、輝尽性蛍光体プレートPに蓄積された放射線エネルギーを等間隔に励起して、搬送方向(移動方向)に画像ムラが極めて少ない、良好な画像を得ることができる。
【0045】
輝尽性蛍光体プレートPの一方の端部まで光学ユニット1による読取処理が完了すると、リニアモータ7を停止させ、その後、図示しない消去装置によって、輝尽性蛍光体プレートPに対して消去光を照射させ、輝尽性蛍光体プレートPに残存する放射線画像を消去させる。そして、さらに別のプレート搬送手段(図示しない)によって輝尽性蛍光体プレートPを画像読取装置の外部へと搬送させる。
【0046】
なお、本発明の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができるので、その説明を省略する。
【0047】
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限り適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態において、輝尽性蛍光体プレートPと光学ユニット1を互いに対向する方向に両方を搬送させて画像を読み取るように構成しても良い。
また、上記実施の形態では、輝尽性蛍光体プレートPに蓄積された放射線画像の情報を、レーザ光を照射して画像を読み取る画像読取装置を例に挙げて説明したが、輝尽性蛍光体プレートPの代わりに、感光材料(記録媒体(記録対象))にレーザ光を照射して、感光材料に画像を形成する画像形成装置に適用しても構わない。
また、紙などの記録媒体にインクを吐出する画像形成装置に適用しても構わない。主走査としてレーザ光を搬送方向に垂直に走査させて照射せずに、ドラムに輝尽性蛍光体シートや感光材料や紙を巻き付けて主走査する機構でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すためのもので、画像読取装置における搬送機構の斜視図である。
【図2】図1の搬送機構におけるX−Z平面図である。
【図3】図1の搬送機構におけるX−Y平面図である。
【図4】図1の搬送機構におけるY−Z平面図である。
【図5】画像読取装置のフィードバック制御部を示すブロック図である。
【図6】(a)は、プーリの回転軸方向から見た際の正面図であり、(b)は、片持ち構成であるロータリエンコーダとプーリとを示した斜視図、(c)は、両持ち構成であるロータリエンコーダとプーリ等を示した斜視図、(d)、(e)は、ワイヤロープと固定部材との取付状態を示した概略図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示すためのもので、画像読取装置における搬送機構の斜視図である。
【図8】図7の搬送機構におけるX−Z平面図である。
【図9】図7の搬送機構におけるX−Y平面図である。
【図10】図7の搬送機構におけるY−Z平面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 光学ユニット(読取部、搬送体)
6 ワイヤロープ(変換手段)
7 リニアモータ(搬送手段)
51 ロータリエンコーダ(回転検出手段)
52 プーリ(変換手段、回転体)
P 輝尽性蛍光体プレート(記録媒体、搬送体)




 

 


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