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画像形成装置 - 富士ゼロックス株式会社
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発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−4081(P2007−4081A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−187438(P2005−187438)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
発明者 原 幸雄
要約 課題
2段階の中間転写体で構成されている画像形成装置であって、バンディング、カラーレジ、白抜け等の画像欠陥や、トナー飛び散りによる画像欠陥を抑制し、高品質の転写画質を得ることができる画像形成装置を提供する。

解決手段
トナー像形成手段によりそれぞれトナー像が形成される複数の像担持体と、該複数の像担持体の少なくとも1つ以上に接するロール状の中間転写体上に、前記トナー像を1次転写する1次転写手段と、該ロール状の中間転写体に接するベルト状の中間転写体上に、1次転写された前記トナー像を2次転写する2次転写手段と、該ベルト状の中間転写体上に2次転写された前記トナー像を記録材へと3次転写する3次転写手段と、を備える画像形成装置であって、 前記ベルト状の中間転写体が、ヤング率が2,000〜8,000MPaの基材と、該基材上に設けられた光導電層と、を有することを特徴とする画像形成装置。
特許請求の範囲
【請求項1】
トナー像形成手段によりそれぞれトナー像が形成される複数の像担持体と、該複数の像担持体の少なくとも1つ以上に接するロール状の中間転写体上に、前記トナー像を1次転写する1次転写手段と、該ロール状の中間転写体に接するベルト状の中間転写体上に、1次転写された前記トナー像を2次転写する2次転写手段と、該ベルト状の中間転写体上に2次転写された前記トナー像を記録材へと3次転写する3次転写手段と、を備える画像形成装置であって、
前記ベルト状の中間転写体が、ヤング率が2,000〜8,000MPaの基材と、該基材上に設けられた光導電層と、を有することを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置においては、先ず、無機又は有機材料からなる光導電性感光体からなる像担持体表面に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで前記静電濳像を現像して可視化したトナー像が形成される。そして、該トナー像を中間転写体を介して、或いは、直接、記録紙等の記録材に静電的に転写し、そして、転写されたトナー像を記録材に定着することにより所要の再生画像が得られる。
【0003】
このような画像形成装置を構成する中間転写体としては、ポリイミド樹脂が被覆されているものが用いられることが多い。このような樹脂被覆された中間転写体はその表面硬度が高すぎるために、像担持体上のトナー像を中間転写体へと転写する1次転写部においては、像担持体との間に異物を挟んだ場合に像担持体を傷つけてしまい、白抜けが発生することがあった。また、表面硬度の影響で、ニップ圧が大きくなり、ソリッド部の白抜け(ホロキャラクター)が発生する問題も有していた。更に、中間転写体上のトナー像を記録材へと転写する2次転写部では、多重ブラー(トナーの飛び散り)の悪化が見られ、画像欠陥を発生する問題を有していた。
【0004】
一方、中間転写体を備えた画像形成装置の一例として、像担持体に形成したトナー像を、2段階に設けられた中間転写体を介して、記録材に転写するという、3回の転写工程を含む方式を採用した画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この画像形成装置では、前記のような、異物の混入による白抜けや、ソリッド部の白抜け(ホロキャラクター)を改善する手段として、表面が弾性化されたロール状或いはドラム状の中間転写体を用いている。しかしながら、このような弾性を有する中間転写体は、外径バラツキが大きいことより、画像濃度が周期的に変動する、所謂バンディングと呼ばれる画質欠陥や、カラーレジ(色ずれ)が発生する問題が生じる。また、この画像形成装置では、弾性を有するロール状或いはドラム状の中間転写体に対して、3次転写部に転写ロールを用いていることにより、用紙の姿勢や用紙の表面形状(凹凸)によっては、トナーの飛び散りが発生する問題が生じることがあった。
【0005】
更に、近年の高品質の転写画像を得るために、小径の球状トナーを用いる傾向にあり、このようにトナーが小径化、球状化されることで、転写電界によって、容易にトナーが移動し易いためにトナーが飛び散ってしまう問題が発生し易い。
このようなトナーの飛び散りを抑制する方法として、中間転写体の体積抵抗率を高くして、トナーへの電界付与の効率を向上させることで、トナー画像の転写を良好にする方法がある。しかしながら、この方法では、トナー画像の転写後に中間転写体に蓄積した電荷を除電する工程が必要となり、また、除電工程で中間転写体を均一に除電することが困難なため、実用化が困難であることが実状である。
【特許文献1】特許3033502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、中間転写体を2段階で設置されている構成の画像形成装置であって、バンディング、カラーレジ、白抜け等の画像欠陥や、トナーの飛び散りに起因する画像欠陥を抑制し、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明者らは、以下の本発明を見出した。
即ち、本発明は、
<1> トナー像形成手段によりそれぞれトナー像が形成される複数の像担持体と、該複数の像担持体の少なくとも1つ以上に接するロール状の中間転写体上に、前記トナー像を1次転写する1次転写手段と、該ロール状の中間転写体に接するベルト状の中間転写体上に、1次転写された前記トナー像を2次転写する2次転写手段と、該ベルト状の中間転写体上に2次転写された前記トナー像を記録材へと3次転写する3次転写手段と、を備える画像形成装置であって、
前記ベルト状の中間転写体が、ヤング率が2,000〜8,000MPaの基材と、該基材上に設けられた光導電層と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
<2> 前記ベルト状の中間転写体が、前記基材と前記光導電層との間に中間層を有し、該中間層のデュロメータ硬さがA40/S〜A70/Sであることを特徴とする<1>に記載の画像形成装置である。
【0009】
<3> 前記ベルト状の中間転写体上に2次転写された前記トナー像を記録材ヘと転写した後に、当該中間転写体を光照射により除電する光除電手段を更に備えることを特徴とする<1>又は<2>に記載の画像形成装置である。
【0010】
<4> 前記トナーの下記式(1)で規定される形状係数(SF)が、140〜100である球状トナーを用いることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1に記載の画像形成装置である。
式(1)
(SF)=[(トナー粒子の最大長)2×π×100]/[(トナー粒子の投影面積)×4]
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、中間転写体を2段階で設置されている構成の画像形成装置であって、バンディング、カラーレジ、白抜け等の画像欠陥や、トナーの飛び散りに起因する画像欠陥を抑制し、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の画像形成装置について詳細に説明する。
本発明の画像形成装置は、トナー像形成手段によりそれぞれトナー像が形成される複数の像担持体と、該複数の像担持体の少なくとも1つ以上に接するロール状の中間転写体上に、前記トナー像を1次転写する1次転写手段と、該ロール状の中間転写体に接するベルト状の中間転写体上に、1次転写された前記トナー像を2次転写する2次転写手段と、該ベルト状の中間転写体上に2次転写された前記トナー像を記録材へと3次転写する3次転写手段と、を備える画像形成装置であって、
前記ベルト状の中間転写体が、ヤング率が2,000〜8,000MPaの基材と、該基材上に設けられた光導電層と、を有することを特徴とする。
【0013】
〔ベルト状の中間転写体〕
まず、この画像形成装置に用いられるベルト状の中間転写体(以下、「中間転写ベルト」と称する場合がある。)について説明する。
本発明における中間転写ベルトは、ヤング率が2,000〜8,000MPaの基材と、該基材上に設けられた光導電層と、を有する。
このような中間転写ベルトを構成する各部材について以下に説明する。
【0014】
[光導電層]
本発明における中間転写ベルトの光導電層は、(A)光が照射されない状態では誘電体層であり体積抵抗率が高く、かつ、光が照射された状態では負極性の電子又は正極性のホールのいずれかのキャリアにより電荷を輸送する電荷輸送層、及び、該電荷輸送層の裏面側に設けられ、光が照射された状態で電荷を発生する電荷発生層を有する多層構造の光導電層(以下、多層型光導電層を称する。)、又は、(B)光が照射されない状態では誘電体であり体積抵抗率が高く、かつ、光が照射されると導電性を示す単層構造の光導電層(以下、単層型光導電層を称する。)であることが好ましい。
このように、本発明における光導電層は、いずれも、光未照射時には、誘電体の体積抵抗率を有し、光照射時には導電性を示すことになり、光の照射により、抵抗率が変化する層である。
【0015】
このような中間転写ベルトは、光導電層の存在により、2次転写及び3次転写時は光未照射状態で行う。この時、中間転写ベルトは、誘電体並の高体積抵抗率である。そのため、このような高い体積抵抗率を有する中間転写ベルトを使用し、転写電圧を印加した場合、転写電界の広がりがなく、トナーの飛散を抑制することができ、良好な転写像を得ることができる。また、この中間転写ベルトは、光照射されると導電性を示すことになり、3次転写が終了した後、光照射されることで、容易に除電が可能となる。
ここで、本発明における「体積抵抗率が高く(高い)」とは、光導電層に対し、光が照射されてない状態での体積抵抗率が1×1013.5Ωcm〜1×1016Ωcmであることを指し、好ましくは、体積抵抗率が1×1014Ωcm〜1×1016Ωcmである。
【0016】
まず、上記(A)の、電荷輸送層、及び、該電荷輸送層の基材側に設けられる電荷発生層を有する多層型光導電層について、詳細に説明する。
このような多層型光導電層を備える中間転写ベルトは、基材上に、電荷発生層と電荷輸送層とがこの順に設けられている構成であれば、必要に応じて、任意の層、例えば、下引層、中間層や表面保護層を含んでいてもよい。
以下に、図1を用いて、この多層型光導電層を備える中間転写ベルトの構成例を示し、それについて説明する。
【0017】
ここで、図1(A)乃至(C)は、本発明におけるベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)の構成例を示す概略部分断面図である。
図1(A)に示されるように、本発明における中間転写ベルト1aの構成としては、基材10と、下引層20と、電荷発生層32及び電荷輸送層34からなる光導電層30と、をこの順に含む。
また、図1(B)に示されるように、本発明における中間転写ベルト1bの構成としては、基材10と、中間層40と、下引層20と、電荷発生層32及び電荷輸送層34からなる光導電層30と、をこの順に含む。
更に、図1(C)に示されるように、本発明における中間転写ベルト1cの構成としては、基材10と、下引層20と、電荷発生層32及び電荷輸送層34からなる光導電層30と、表面保護層50と、をこの順に含む。
下記に、各層について説明する。
【0018】
(電荷発生層)
電荷発生層は、基材と電荷輸送層との間に設けられる層であって、光が照射された状態で電荷を発生する機能を有する。かかる電荷発生層は、電荷発生物質を真空蒸着により形成するか、電荷発生物質を有機溶剤及び結着樹脂と共に分散し、塗布することにより形成される。
【0019】
電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、非晶質セレン,結晶性セレン,セレン−テルル合金,セレン−ヒ素合金,その他のセレン化合物及びセレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電体及びこれらを色素増感したもの、無金属フタロシアニン,チタニルフタロシアニン,銅フタロシアニン,錫フタロシアニン,ガリウムフタロシアニンなどの各種フタロシアニン顔料、スクエアリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料及び染料が用いられる。また、これらの有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特に、フタロシアニン顔料ではα型、β型などをはじめとしてさまざまな結晶型が知られているが、目的にあった感度その他の特性が得られる顔料であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることが可能である。
【0020】
本発明において、優れた性能が得られる電荷発生物質として以下の化合物が特に好適である。即ち、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、7.6°,10.0°,25.2°,28.0°の位置に回折ピークを有する結晶型に代表されるヒドロキシガリウムフタロシアニン、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、7.3°,16.5°,25.4°,28.1°の位置に回折ピークを有する結晶型に代表されるクロルガリウムフタロシアニン、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、9.5°,24.2°,27.3°の位置に回折ピークを有する結晶型に代表されるチタニルフタロシアニン、などを挙げることができる。
なお、結晶の形状や測定方法によりこれらのピーク強度の位置が微妙にこれらの値から外れることも有るが、X線回折パターンが基本的に一致しているものであれば同じ結晶型であると判断できる。
また、これらの電荷発生物質は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。
【0021】
電荷発生層において用いられる結着樹脂としては、以下のものを例示することができる。即ち、ビスフェノールAタイプ或いはビスフェノールZタイプなどのポリカーボネート樹脂及びその共重合体;ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾールなどである。
これらの結着樹脂は、単独或いは2種以上混合して用いることが可能である。
【0022】
上記の電荷発生物質と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:10の範囲が望ましい。
電荷発生物質を結着樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法を用いることができる。
また、電荷発生層の厚みは、一般には、0.01〜5μm、好ましくは、0.05〜2.0μmの範囲に設定される。
【0023】
なお、電荷発生層の膜厚を変えることにより電荷発生層での光吸収が異なるが、電荷発生層での膜厚を厚くすることにより光の吸収が多くなり、光導電層全体での膜厚分布があったとしても、光に対する感度のばらつきを少なくすることができ、転写効率の面内均一性を高めることができる。
なお、電荷発生層の反射光量は、単に膜厚のみならず、照射光に対する顔料の吸収係数、顔料と結着樹脂との配合比、及び顔料の分散状態によっても影響を受けるために、単に膜厚からでは規定されない。
【0024】
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、上述した電荷発生層表面に設けられる層であって、光が照射されない状態では誘電体層であり体積抵抗率が高く、かつ、光が照射された状態では負極性の電子又は正極性のホールのいずれかのキャリアにより電荷を輸送する機能を有する。かかる電荷輸送層は、電荷発生物質及び結着樹脂を適当な溶媒に溶解し、それを塗布することにより形成される。
【0025】
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、下記に示すものが例示できる。即ち、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニルピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチルフェニル)アミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミンなどの芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジンなどの1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン、1−ピレンジフェニルヒドラゾン、9−エチル−3−[(2メチル−1−インドリニルイミノ)メチル]カルバゾール、−(2−メチル−1−インドリニルイミノメチル)トリフェニルアミン、9−メチル−3−カルバゾールジフェニルヒドラゾン、1,1’−ジ(4,4’−メトキシフェニル)アクリルアルデヒドジフェニルヒドラゾン、β,β−ビス(メトキシフェニル)ビニルジフェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリンなどのキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ−(p−メトキシフェニル)−ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体などの正孔輸送物質。
クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン、3,5−ジメチル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジフェノキノン等のジフェノキノン化合物など、或いは、以上に示した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。
これらの電荷輸送物質は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。
【0026】
電荷輸送物質の電荷輸送極性により光導電層の帯電極性が異なるため、中間転写ベルトの帯電極性は、電荷輸送物質の電荷輸送極性により決定される。正孔輸送物質を用いた場合には、中間転写ベルトは負帯電で用いられ、電子輸送物質を用いた場合には、中間転写ベルトは正帯電で用いられる。また、電荷輸送物質として両者を混合した場合には、中間転写ベルトは両帯電極性となる。
【0027】
電荷輸送層に用いられる結着樹脂には任意のものを用いることができるが、特に電荷輸送物質と相溶性を有し、適当な強度を有することが望ましい。
結着樹脂の例として、ビスフェノールAやビスフェノールZ,ビスフェノールC,ビスフェノールTPなどからなる各種のポリカーボネート樹脂やその共重合体;ポリアリレート樹脂やその共重合体;ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、アチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられる。
これらの結着樹脂は単独或いは2種以上の混合物として使用することができる。
本発明で用いられる結着樹脂の分子量は、電荷輸送層の膜厚や溶剤などの成膜条件によって適宜選択されるが、通常は、粘度平均分子量で3000〜30万、より好ましくは2万〜20万の範囲が適当である。
【0028】
電荷輸送層は、上に示した電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶媒に溶解させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
電荷輸送層の形成に使用される溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル;或いはこれらの混合溶剤などを用いることができる。
また、塗布液には、塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤として、シリコーンオイルを微量添加することもできる。
【0029】
塗布方法としては、中間転写ベルトの形状や用途に応じて、浸漬塗布法、リング塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレード塗布法、ローラー塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法などの塗布法を用いて行うことができる。また、乾燥は、室温での指触乾燥の後に加熱乾燥するのが好ましい。加熱乾燥は、30℃〜200℃の温度で5分〜2時間の範囲の時間で行うことが望ましい。
電荷輸送物質と結着樹脂との配合比は10:1〜1:5が好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、一般に5〜50μm、好ましくは、10〜40μmの範囲に設定される。
【0030】
電荷輸送層には、電子写真方式の画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、或いは、光・熱による劣化を防止する目的で、酸化防止剤・光安定剤・熱安定剤などの添加剤を添加することができる。
例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
【0031】
また、酸化防止剤の具体的な化合物例を下記に示す。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチル−フェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]−メタン、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルなどが挙げられる。
【0032】
ヒンダードアミン系化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物などが挙げられる。
【0033】
有機イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
有機燐系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィートなどが挙げられる。
有機硫黄系及び有機燐系酸化防止剤は、2次酸化防止剤と言われフェノール系或いはアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
【0034】
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
また、光安定剤の具体的な化合物例を下記に示す。
ベンゾフェノン系光安定剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系光安定剤としては、2−(−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(−2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
その他の化合物としては、2,4,ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケルジブチル−ジチオカルバメートなどがある。
【0035】
また、電荷輸送層には、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有することができる。
本発明における電荷輸送層に用いられる電子受容性物質としては、例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸などを挙げることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
【0036】
(下引層)
本発明における下引層は、図1に示されるように、基材10と電荷発生層32との間に設けられる層であって、電気的なブロッキング層の役割と、上層である電荷発生層との濡れ性改善の役割と、を果たす。
かかる下引層は、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物の他に、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などの材料から形成される。これらの化合物は単独に或いは複数の化合物の混合物或いは重縮合物として用いることができる。中でも、ジルコニウム原子若しくはシリコン原子を含有する有機金属化合物は、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。有機金属化合物は単独・混合で、或いは上述の樹脂と混合して用いることが可能である。
【0037】
シリコン原子を含む有機金属化合物の例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどである。これらの中でも、特に好ましく用いられるシリコン化合物は、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
【0038】
ジルコニウム原子を含む有機金属化合物の例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
【0039】
チタン原子を含む有機金属化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
【0040】
アルミニウム原子を含む有機金属化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
【0041】
本発明における下引層は、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引き起こす。したがって、上述の構成の下引層を形成する場合には、0.1〜3μmの膜厚範囲に設定される。
【0042】
[中間層]
本発明における中間層は、中間転写ベルトが良好なニップを形成しえるための弾性を付与するために設けられる層であって、デュロメータ硬さがA40/S〜A70/Sであることが好ましく、より好ましくはA45/S〜A65/Sの範囲である。
中間層のデュロメータ硬さを上記範囲とすることで、中間転写ベルトのニップの形成性が良好になることに加え、色紙やエンボス加工等の表面に凹凸を付けた特殊な紙への追従性も良くなるので、通常用いられる紙のみならず、これら特殊な紙へのトナー転写性をも改善することができ、高画質の転写画質を安定して得ることができる。
ここで、デュロメータ硬さとは、JIS K 6253に準拠した硬さを意味し、本発明においては、シート形状の中間層を積層して6mmの厚みとして測定試料を作製し、タイプAデュロメータを用いて測定試料の標準硬さを測定する。
【0043】
本発明における中間層を構成する弾性材料としては、デュロメータ硬さを上記範囲に構成することができ、また、後述する基材と同等の体積抵抗率を有していれば、特に制限されるものではなく、これらの硬度や体積抵抗率は、下記弾性材料の選択、及び導電剤や低分子量成分等の添加量により調整することができる。
弾性材料として、具体的には、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料に、導電剤を分散したものが挙げられる。
また、導電剤としては、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を付与する導電剤を用いることができる。
電子伝導性系導電剤として、カーボンブラック、グラファイト、アルミニュウム、ニッケル、銅合金などの金属又は合金、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリム、酸化錫−酸化インジウム又は酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物などを挙げることができる。
また、イオン伝導性導電剤としては、スルホン酸塩やアンモニア塩など、また、カチオン系、アニオン系、ノニオン系などの各種の界面活性剤等が用いられる。
これらのゴム材料、導電剤は、それぞれ、単独或いは2種以上を混合して使用することができる。
【0044】
なお、これらの弾性材料として、液状ゴム材料を用いることが好ましい。液状ゴム材料として用いることで、上層となる層との濡れ性が良好になり、層間の密着性が向上する。
このような液状ゴム材料を用いた中間層の形成は、通常、カーボンブラック等の導電剤を分散した液状ゴム材料を、そのまま、又は、適当な溶媒により粘度を調整して、基材上に塗布、焼付け・加硫を行うことができる。
【0045】
また、液状ゴム材料以外の弾性材料を用いた場合、中間層は下記のようにして形成される。
まず、上記の原料の弾性材料にカーボンブラック等の導電剤を添加したものをバンバリー等の練り機を用いて、混練をする。混練した材料を、プレス加工してゴムシートを成形する。そのゴムシートを基材上に巻きつけた状態で、加硫・接着することで中間層が形成される。
【0046】
このようにして得られる中間層の厚さは、0.01〜0.5mmの範囲が好ましく、より好ましくは、0.05〜0.2mmの範囲である。
0.01mm未満であると、弾性層としての効果がすくなくなり、中間転写ベルトが良好なニップを形成できなくなるなどの問題を生じる場合がある。
また、0.5mmより大きいと、弾性層の影響によるマイクロスリップの発生、変形による色ずれの問題の発生などの問題を生じる場合がある。
【0047】
[表面保護層]
本発明においては、ライン画像が中抜けする画質欠陥を改善したり、中間転写ベルトの耐磨耗性を向上させ寿命を延ばしたり、電荷輸送層の化学的変化を防止するなどの目的から、図1(C)に示されるように、電荷輸送層上に表面保護層を形成することも可能である。また、この目的を達成するために、表面保護層の表面微小硬度が1〜10度の範囲であることが好ましい。
本発明に好適は表面保護層として、具体的には、(1)絶縁性樹脂からなる絶縁性表面保護層、(2)金属酸化物などの抵抗制御剤を分散した抵抗制御型表面保護層、(3)電荷輸送性を付与した高分子化合物などによる電荷輸送性表面保護層などが挙げられる。
【0048】
(1)絶縁性樹脂からなる絶縁性表面保護層に用いられる、絶縁性樹脂としては、層の表面微小硬度を1〜10度の範囲にすることができれば、特に限定されないが、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の縮合樹脂や、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂のようなビニル重合体等が挙げられ、中でも、表面微小硬度の制御容易性からポリウレタン樹脂が好ましい。
【0049】
次に、(2)抵抗制御剤を分散した抵抗制御型表面保護層について説明する。
抵抗制御剤としては、カーボンブラックや金属、金属酸化物などの粒子を用いることができる。粒子径は、100nm以下であることが好ましい。
金属酸化物の例として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン被覆酸化スズ、酸化ケイ素、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化タングステン、硫酸バリウムと酸化アンチモンとの固溶体、上記金属酸化物の混合物、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を混合したもの、或いは、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子に上記の金属酸化物を被覆したものが挙げられる。
また、N,N’−ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物などを抵抗制御剤(粒子)の調整剤として用いることができる。
更に、これらの金属酸化物は、必要に応じて分散性等諸特性の改善のためシランカップリング剤やチタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤などの有機化合物で表面処理を行うことも可能である。
【0050】
これらの中でも、抵抗制御型表面保護層には、粒子径が100nm以下の金属酸化物を用いることが好ましい。これにより、抵抗制御型表面保護層は、透明性に富み、厚膜を形成しても透過率の低下が少ないために感度の減少を抑制することができる。そのため、耐摩耗強度が高いのに加えて、厚膜化が可能な効果を併せて、中間転写ベルト寿命の向上が一層可能である。
【0051】
抵抗制御型表面保護層は、層の表面微小硬度を1〜10度の範囲にすることができれば、特に限定されないが、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの結着樹脂に、上記抵抗制御剤(粒子)を分散して成膜される。これらの結着樹脂の中でも、表面微小硬度の制御容易性からポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
抵抗制御剤は、結着樹脂に分散して成膜されるが、適当な塗膜抵抗を得るために抵抗制御剤の添加量は調整される。抵抗制御剤の添加量としては、結着樹脂固形分中に、10〜60体積%、好ましくは20〜50体積%が含有される。
【0052】
続いて、(3)電荷輸送性を付与した高分子化合物などによる電荷輸送性表面保護層について説明する。
電荷輸送性表面保護層としては、分子内に電荷輸送性を付与した高分子化合物(以下、電荷輸送性高分子化合物と称する場合がある。)を用いることや、シリコーンハードコート剤等の強靭なコート剤中に低分子の電荷輸送剤を分子レベルで分散させるなどして電荷輸送機能をもたせた樹脂成分を用いることができる。
電荷輸送性高分子化合物の例としては、シリコーンポリマーの分子内に電荷輸送性基を付与したものが挙げられる。また、ポリビニカルバゾール等の電荷輸送能を有する基を側鎖に含む高分子化合物、特開平5−232727号公報等に開示されているような電荷輸送能を有する基を主鎖に含む高分子化合物、及びポリシラン等も挙げることができる。
また、電荷輸送性高分子化合物として、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックよりなるブロック共重合体又はグラフト共重合体を使用することもできる。電荷輸送性高分子化合物が、トリアリールアミン構造を繰り返し単位として含有する場合は、高い電荷輸送能と好ましい機械的特性を有しているので好ましく、また、トリアリールアミン構造がペンダント型ではなく、主鎖中に含有している場合は、更に好ましい。ペンダント型であると、ペンダント同士が会合し、電荷トラップを形成し電荷輸送性を悪化する場合が多いが、主鎖中に含有されていることでこのような問題を回避できる。
更に、電荷輸送性高分子化合物が、主鎖中にトリアリールアミン構造が含有されているものである場合には、主鎖中には下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される構造の少なくとも1種以上を繰り返し単位として含むトリアリールアミン構造が含有されていることが好ましい。
【0053】
【化1】


【0054】
但し、上記一般式(1)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、X1は芳香族環構造を有する2価の炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を示し、X2及びX3はそれぞれ独立に置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、L1は枝分れ若しくは環構造を含んでもよい2価の炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を示し、m及びnは、それぞれ0又は1から選ばれる整数を意味する。
【0055】
【化2】


【0056】
但し、上記一般式(2)中、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、L2は芳香族環構造を有する3価の炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を示す。
【0057】
前記一般式(1)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基から選ばれるが、このアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられる。また、置換基としては、メチル基、エチル基、メトキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0058】
1は芳香族環構造を有する2価の炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基から選ばれる。X1の具体例としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、メチレンジフェニル基、シクロヘキシリデンジフェニル基、オキシジフェニル基、チオジフェニル基等、及びこれらのメチル置換体、エチル置換体、メトキシ置換体、又はハロゲン置換体等が挙げられ、この中でも特に置換若しくは未置換のビフェニレン基が電荷輸送性の点で、特に好ましい。
【0059】
2及びX3はそれぞれ独立に置換若しくは未置換のアリーレン基から選ばれ、具体的には、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基等、及びこれらのメチル置換体、エチル置換体、メトキシ置換体、又はハロゲン置換体等が挙げられる。
【0060】
1は、枝分れ若しくは環構造を含んでもよい2価の炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基から選ばれ、上記の好ましい特性の少なくとも1つを発揮するかぎり任意であるが、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、シロキサン結合等から選ばれる結合基を含み、且つ、炭素数が20以下であるものが好ましい。L1の具体例としては、下記(3−1)〜(3−9)で示される2価の連結基が挙げられる。
【0061】
【化3】


【0062】
上記一般式(2)中、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基から選ばれ、該アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられる。また、置換基としては、炭素数1〜12個のアルキル基又はアルコキシ基、ジアリールアミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0063】
2は芳香族環構造を有する3価の炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基から選ばれ、上記の好ましい特性の少なくとも1つを発揮するかぎり任意であるが、炭素数が20以下のものが好ましい。その具体例としては、下記(3−10)〜(3−14)で示される連結基が挙げられる。
【0064】
【化4】


【0065】
また、前記一般式(1)中のL1、又は、一般式(2)中のL2がエステル結合を有する場合が、機械的特性及び電荷輸送能の点で特に好ましい。
【0066】
この電荷輸送性高分子化合物を用いる場合の結着樹脂としては、層の表面微小硬度を1〜10度の範囲にすることができれば、特に限定されないが、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。また、これらは必要に応じて互いに架橋させて使用することもできる。これらの結着樹脂の中でも、表面微小硬度の制御容易性からポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
【0067】
(潤滑性充填剤)
本発明における表面保護層には、表面の潤滑性向上のために、テトラフロロエチレン樹脂などのフッ素系樹脂粒子や、フッ素原子を含有する化合物からなる潤滑性充填剤を含有させることが好ましい。
【0068】
−フッ素系樹脂粒子−
フッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体の中から1種或いは2種以上を適宜選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
フッ素系樹脂粒子の表面保護層中の含有量は、表面保護層全量に対し、0.1〜30質量%が適当であり、特に1〜25質量%が好ましい。含有量が1質量%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による改質効果が十分でなく、一方、30質量%を越えると表面保護層が高硬度になる上、光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくる。
前記フッ素系樹脂粒子の一次粒子径は、0.05〜1μmがよく、更に好ましくは0.1〜0.5μmが好ましい。一次粒子径が0.05μmを下回ると分散時の凝集が進みやすくなる。一方、1μmを上回ると画質欠陥が発生し易くなる。
【0069】
また、表面保護層には、フッ素系樹脂粒子に加えて、更に、無機粒子を加えてもよい。
無機粒子の表面保護層中の含有量は、表面保護層全量に対し、0.1〜30質量%が適当であり、特に1〜20質量%が好ましい。含有量が1質量%未満では無機粒子の分散による改質効果が十分でなく、一方、30質量%を越えると繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくる。
無機粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ(二酸化珪素)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸銅、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ニッケル、アンチモン、二酸化マンガン、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、これらのうち1種を、又は必要に応じて2種以上が用いられるが、好ましくはシリカが用いられる。シリカ粒子としては、化学炎CVD法により製造されるのが好ましく、具体例としては、クロルシランガスを酸素−水素混合ガス又は炭化水素−酸素混合ガスの高温火炎中で気相反応させて、シリカ微粒子を得る方法が好ましい。
【0070】
また、無機粒子としては、粒子表面を疎水化されたものが好ましい。疎水化処理剤としては、例えば、シロキサン化合物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高分子脂肪酸又はその金属塩等が用いられる。シロキサン化合物としては、ポリジメチルシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、また、シランカップリング剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0071】
また、無機粒子の一次粒子径は、0.005〜2.0μmがよく、更に好ましくは0.01〜1.0μmが好ましい。無機微粒子の一次粒子径が0.005μmを下回ると中間転写ベルト表面の十分な機械的強度が得られず、また、分散時の凝集が進みやすくなる。一方、2μmを上回ると中間転写ベルトの表面粗さが大きくなり、該中間転写ベルトのクリーニング装置として、クローニングブレードを用いた場合には、クリーニングブレードが摩耗、損傷してクリーニング特性が悪化し、プアクリーニングなどの問題が発生し易くなる。
【0072】
−フッ素原子を含有する化合物−
フッ素原子を含有する化合物としては、分子構造の一部がフッ素原子又はフッ素原子団で置換された、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタンなどを挙げることができる。具体的には、例えば、メチルメタクリレート−パーフルオロアルキルメタクリレート共重合体の主鎖に、ポリメチルメタクリレート側鎖をグラフト処理してなる化合物が好適であり、この化合物は、綜研科学(株)製のケミトリーLF−700として入手可能である。
このようなフッ素原子を含有する化合物は、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
【0073】
このようなフッ素原子を含有する化合物の添加量は、表面保護層全量に対して、5〜30質量%の範囲が好ましく、好ましくは10〜25質量%の範囲である。添加量が5質量%未満の場合には潤滑性が発現しない場合があり、30質量%を超える場合には、表面保護層が軟化してしまい、表面保護層の硬度が得られないなどの問題が発生する場合がある。
【0074】
(表面保護層の形成)
本発明において、表面保護層は、上記の各成分を含む塗布液を調製し、これを上述の電荷輸送層上に塗布することで形成される。
塗布液を調製する際に用いられる溶媒としては、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン、アルコール等の通常の有機溶剤を単独或いは2種以上混合して用いることができるが、できるだけこの塗布液が塗布される光導電層を溶解しにくい溶剤を用いることが好ましい。
【0075】
塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、リングコーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0076】
また、表面保護層を形成するための塗布液には、フッ素系樹脂粒子や無機粒子が分散していてもよい。フッ素系樹脂粒子や無機粒子を分散させる場合には、塗布液を単に混合する方法ととってもよいが、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機を利用することもできる。更に、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
また、電荷発生物質を結着樹脂中に分散させる方法として、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法を用いることができる。
【0077】
なお、表面保護層を形成するための塗布液に上記のような分散物が含有されている場合、各種分散物の分散安定性を向上させるため、及び、塗膜形成時の凝集を防止するために分散助剤を少量添加することも有効である。
分散助剤として、フッ素系界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。中でも、フッ素系ポリマー、特に、フッ素系クシ型グラフトポリマーが分散助剤として有効であり、フッ素系クシ型グラフトポリマーとしては、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、スチレン化合物等からなるマクロモノマー及びパーフルオロアルキルエチルメタクリレートよりグラフト重合された樹脂が好ましい。
【0078】
本発明における表面保護層は、所定の表面微小硬度を達成するために、ポリウレタン樹脂を結着樹脂として用いることが好ましい。このようにポリウレタン樹脂を含む表面保護層を形成する場合、予め合成されたポリウレタン樹脂を用いてもよいし、また、塗布液中に、イソシアネートとポリオールとを含有させておき、その塗布液を塗布・乾燥させる際に、ポリウレタン樹脂を合成する方法を用いることもできる。
なお、イソシアネートとポリオールとを含有する塗布液を用いる場合には、ポリウレタン樹脂の合成のために、塗布液を塗布した後、乾燥させる際に、80〜150℃で、1〜3時間程度保持することが好ましい。
【0079】
このようにして得られる表面保護層の厚みは、0.1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは1.0〜8.0μmに設定される。
0.1μm未満であると、表面保護層が、像担持体、クリーニング部材との摩擦磨耗により、膜減りするなどの問題が発生する場合がある。また、10μmより大きいと、光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくるなどの問題が発生する場合がある。
【0080】
(表面保護層の表面微小硬度)
本発明における中間転写ベルトにおいて、上述のように表面保護層の表面微小硬度が1〜10度であることが好ましく、3〜10度であることがより好ましい。本発明者らは、表面保護層の表面微小硬度と、ホロキャラクターの発生レベルには極めて正確な相関があることを発見した。即ち、本発明の中間転写ベルトは、表面保護層の表面微小硬度が1〜10度の場合には、後述する画像形成装置に用いた場合、バイアスローラの押圧力によって転写面(表面保護層)の変形が起こり、これにより半導電性のトナーに集中していた押圧力は分散される。このためトナーは凝集せず、ライン画像が中抜けするホロキャラクター等の画質欠陥が発生しない。
なお、表面微小硬度を上記範囲とするためには、表面保護層に用いる上記結着樹脂成分を適宜選択し、潤滑性充填剤を上記範囲で適宜調整すればよい。
【0081】
前記表面微小硬度は、圧子が試料にどれだけ侵入したかを測定する方法によって求めることができる。表面微小硬度の測定方法について説明する。図2は、表面保護層の表面微小硬度の測定原理を示す模式図であり、図2中、60は針状圧子を、50は表面保護層を表し、矢印Pは、針状圧子60に加わる荷重を意味する。
表面微小硬度の測定に際しては、表面保護層50の最表面部分に所定形状の針状圧子60の先端を、荷重PmNを荷重0から所定荷重Pとなるまで押圧する。このときの針状圧子60の表面保護層50中への垂直方向の食い込み深さをD(μm)とした場合、表面微小硬度DHは下式(2)で表される。
式(2) DH≡αP/D2
ここで、αは圧子形状による定数で、α=3.8584(使用圧子:三角錐圧子の場合)である。
この表面微小硬度は、圧子を押し込んで行く過程の過重と押し込み深さから得られる硬さで、試料の塑性変形だけでなく、弾性変形をも含んだ状態での材料の強度特性を表すものである。なおかつ、その計測面積は微小であり、トナー粒径に近い範囲でより正確な硬度の測定が可能になる。
【0082】
なお、本発明において、表面保護層の表面微小硬度は、下記の方法によって求めた。
まず、中間転写ベルトに設けられる表面保護層と同様の材料を用い、表面保護層と同じ厚さの測定シートを作製する。その測定シートを5mm角程度に切り、その小片を瞬間接着剤で硝子版に固定する。この試料の表面の表面微小硬度を超微小硬度計DUH−201S(株式会社島津製作所製)を用いて測定する。測定条件は、以下の通りである。
測定環境:23℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:6.9×10-3N(0.70gf)
負荷速度:0.142×10-3N(0.0145gf/sec)
保持時間:5sec
【0083】
次に、上記(B)単層型光導電層について説明する。単層型光導電層としては、光が照射されない状態では誘電体であり体積抵抗率が高く、かつ、光が照射されると導電性を示せばよく、具体的には、光導電物質を添加した層であってもよいし、電子写真用感光体に用いられる感光層であってもよい。
単層型光導電層としては、電荷輸送物質、電荷発生物質、及び結着樹脂を含有する層であることが好ましい。
以下に、単層型光導電層を構成する各成分について説明する。
【0084】
(電荷輸送物質)
本発明において、単層型光導電層を構成する電荷輸送材料としては、上記電荷輸送層を構成する電荷輸送物質と同じものを用いることができる。この電荷発生物質は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における単層型光導電層には、これらの電荷輸送物質は、結着樹脂100質量部に対して、40〜200質量部含有することが好ましく、50〜150質量部含有することがより好ましい。
【0085】
(電荷発生物質)
本発明において、単層型光導電層を構成する電荷発生物質としては、上記電荷発生層を構成する電荷発生物質と同じものを用いることができる。この電荷発生物質は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における単層型光導電層には、これらの電荷発生物質は、結着樹脂100質量部に対して、2〜20質量部含有することが好ましく、5〜15質量部含有することがより好ましい。
【0086】
(結着樹脂)
本発明において、単層型光導電層を構成する結着樹脂としては、任意のものを用いることができるが、特に上記電荷輸送物質と相溶性を有し、適当な強度を有するものが望ましい。
具体的には、以下のものを例示することができる。例えば、ビスフェノールAタイプ或いはビスフェノールZタイプなどのポリカーボネート樹脂及びその共重合体、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾールなどである。
このような結着樹脂の分子量は、光導電層の膜厚や溶剤などの成膜条件によって適宜選択されるが、通常は、粘度平均分子量で3000〜30万、より好ましくは2万〜20万の範囲が適当である。
これらの結着樹脂は、単独或いは2種以上混合して用いることが可能である。
【0087】
(その他の成分)
単層型光導電層が最表面層となる場合には、表面の潤滑性向上のために、上述の表面保護層に添加させるフッ素系樹脂粒子やフッ素原子を含有する化合物からなる潤滑性充填剤、更には、無機粒子などを含有させることができる。
【0088】
また、単層型光導電層には、電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、或いは、光・熱による劣化を防止する目的で、酸化防止剤・光安定剤・熱安定剤などの添加剤を添加することができる。これらの添加剤の具体的な化合物例については、上記の電荷輸送層に添加される各種添加剤と同様であり、また、その添加量の好ましい範囲も同様である。
【0089】
(単層型光導電層の形成)
本発明において、単層型光導電層は、上記の各成分を含む塗布液を調製し、これを所望の基材上に塗布することで形成される。
塗布液を調製する際に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル、或いはこれらの混合溶剤などを用いることができる。
なお、電荷発生物質を結着樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法を用いることができる。
【0090】
また、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布法、リング塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレード塗布法、ローラー塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法などの塗布法を用いて行うことができる。また、乾燥は、室温での指触乾燥の後に加熱乾燥するのが好ましい。加熱乾燥は、30℃〜200℃の温度で5分〜2時間の範囲の時間で行うことが望ましい。
【0091】
このようにして得られた単層型光導電層の厚さは、光導電層としての機能の発現性の観点から、10〜200μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは15〜100μmの範囲である。
【0092】
このような単層型光導電層を備える中間転写ベルトは、基材上に、単層型光導電層と上述の表面層とがこの順に設けられた構成であれば、必要に応じて、任意の層、例えば、上述の下引層や中間層、表面保護層を含んでいてもよい。このように、単層型光導電層を備える中間転写ベルトの場合には、下引層は、電気的なブロッキング層の役割と、上層である単層型光導電層との濡れ性改善の役割と、を果たし、また、中間層は、ニップの形成を良好にする役割を果たすものである。更に、単層型光導電層を備える中間転写ベルトの場合、表面保護層は、ライン画像が中抜けする画質欠陥を改善したり、中間転写ベルトの耐磨耗性を向上させ寿命を延ばしたり、単層型光導電層の化学的変化を防止するなどの役割を果たすことができる。
【0093】
[基材]
次に、本発明における中間転写ベルトを構成する基材について説明する。
本発明における基材は、ヤング率が2,000〜8,000MPaの範囲の機械特性を満足させる必要があり、より好ましくは、ヤング率2500〜4500MPaの範囲である。
ヤング率が2,000〜8,000MPaの範囲の基材を用いると、ベルト駆動時の外乱(負荷変動)によるベルトの変位量が少なくなるので、駆動時の応力に対するベルト変形が小さくなり、良好な画質を安定して得ることができる。
基材のヤング率は、使用する樹脂材料の化学構造を選択することで上記範囲に制御することができ、芳香環構造を含むものほどヤング率を高くすることができる。
ここで、ヤング率は、JIS K 7127に準じて引張試験を行い、得られた応力・歪曲線の初期ひずみ領域の曲線に接線を引き、その傾きにより求める。
【0094】
また、本発明における基材は、体積抵抗率が1×106〜1×1013Ωcmの半導電性であることが好ましく、より好ましい体積抵抗率は、1×109〜1×1012Ωcmである。基材の体積抵抗率が1×106Ωcm未満であれば、2ケ以上の転写部位の間で電流が流れ、転写電流が得られず、転写不良が起きる問題が発生する場合がある。また、1×1013Ωcmを超える場合には、電荷の除去が十分にできないなどの問題が発生する場合がある。
【0095】
基材を構成する樹脂材料としては、上記のようなヤング率を満足することができれば、特に限定はないが、具体的には、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリアミド(PA)等が挙げられる。これらは単独で若しくは2種以上併せて用いられる。これらの中でも、上述した、電荷輸送層、電荷発生層、下引層を被覆乾燥する時の乾燥温度による影響がなく、構成強度と屈曲疲労性の両面に優れている点で、ポリイミド樹脂が好適に用いられる。
【0096】
基材に好適なポリイミド樹脂としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分と、を有機極性溶媒中で反応させて得られるものである。芳香族テトラカルボン酸成分としては、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、2,3,5,6−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−アゾベンゼンテトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルポキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルポキシフェニル)メタン、β,β−ビス(3,4−ジカルポキシフェニル)プロパン、β,β−ビス(3,4−ジカルポキシフェニル)ヘキサフオロプロパン等があり、これらのテトラカルボン酸類の混合物でもよい。また、芳香族ジアミン成分としては、特に制限はなく、m−フェニルジアミン、p−フェニルジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4’−ジアミノナフタレビフェニル、ベンジジン、3,3−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(オキシ−p,p’−ジアニリン;ODA)、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、β,β−ビス(4−アミンフェニル)プロパン等が挙げられる。また、上記有機極性溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド等を挙げることができる。
これらの有機極性溶媒には、必要に応じて、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類を混合することができる、これらの溶剤も、単独で、又は2種類以上の混合物として用いられる。
本発明における基材は、下記の導電剤を分散してなるポリイミド樹脂から構成され、上記の体積抵抗率を有するものであることが好ましい態様である。
【0097】
(導電剤)
本発明における基材には、上記の体積抵抗率(電気抵抗)を得るために、必要に応じて、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を付与する導電剤が、1種類又は2種類以上を組み合わせて添加される。
【0098】
電子伝導性系導電剤として、カーボンブラック、グラファイト、アルミニュウム、ニッケル、銅合金などの金属又は合金、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリム、酸化錫−酸化インジウム又は酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物などを挙げることができる。また、イオン伝導性導電剤としては、スルホン酸塩やアンモニア塩など、また、カチオン系、アニオン系、ノニオン系などの各種の界面活性剤がある。
更には、導電性ポリマーをブレンドする方法があり、導電性ポリマーとしては、例えば、カルボキシル基に4級アンモニユム塩基を結合する(メタ)アクリレートとの各種(例えばスチレン)共重合体、4級アンモニウム塩基と結合するマレイミドとメタアクリレートとの共重合体等の4級アンモニウム塩基を結合するポリマー、ポリスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸のアルカリ金属塩を結合するポリマー、分子鎖中に少なくともアルキルオキシドの親水性ユニットを結合するポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール系ポリアミド共重合体、ポリエチレンオキド−エピクロルヒドリン共重合体ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルを主セグメントとするブロック型のポリマー、更には、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレンなどを挙げることができ、これらの導電性ポリマーを脱ドープ状態、又はドープ状態で用いることができる。上記、導電剤又は導電性ポリマー、又は、界面活性剤を1種又は2種以上を組み合わせ用いることによって、前記した電気抵抗を安定して得ることができる。
【0099】
本発明における導電剤としては、樹脂組成物中への分散性がよく、良好な分散安定性が得られ、抵抗バラツキを小さくすることができると共に、電界依存性も小さくなり、更に、転写電圧による電界集中が生じ難くなることにより電気抵抗の経時での安定性が向上することから、pH5以下の酸性カーボンブラックが好ましい。
【0100】
−pH5以下の酸性カーボンブラック−
pH5以下の酸性カーボンブラックは、カーボンブラックを酸化処理することで、カルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して製造することができる。この酸化処理は、高温雰囲気下で、空気と接触され、反応させる空気酸化法、常温下で窒素酸化物やオゾンと反応させる方法、及び高温下での空気酸化後、低い温度下でオゾン酸化する方法などにより行うことができる。具体的には、pH5以下の酸性カーボンブラックは、コンタクト法により製造することができる。このコンタクト法としては、チャネル法、ガスブラック法等が挙げられる。また、酸性カーボンブラックは、ガス又はオイルを原料とするファーネスブラック法により製造することもできる。更に必要に応じて、これらの処理を施した後、硝酸などで液相酸化処理を行ってもよい。なお、酸性カーボンブラックは、コンタクト法で製造することができるが、密閉式のファーネス法によって製造するのが通常である。ファーネス法では通常高pH・低揮発分のカーボンブラックしか製造されないが、これに上述の液相酸処理を施してpHを調整することができる。このため本発明においては、ファーネス法製造により得られるカーボンブラックで、後工程処理によりpHが5以下となるように調節されたカーボンブラックも、pH5以下の酸性カーボンブラックに含まれるとみなす。
【0101】
本発明における酸性カーボンブラックのpH値は、pH5.0以下であることが好ましく、pH4.5以下であることがより好ましく、pH4.0以下であることが更に好ましい。pH5.0以下の酸性カーボンは、外にカルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基などの酸素含有官能基があるので、樹脂中への分散性がよく、良好な分散安定性が得られ、中間転写ベルトの抵抗バラツキを小さくすることができると共に、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中が生じ難くなる。
【0102】
前記カーボンブラックのpHは、水性懸濁液を調整し、ガラス電極で測定することで求められる。また、前記カーボンブラックのpHは、酸化処理工程での処理温度、処理時間等の条件によって、調整することができる。
【0103】
pH5.0以下の酸化処理カーボンブラックは、その揮発成分の含有量が1〜25%であることが好ましく、3〜20%であることがより好ましく、3.5〜15%含まれていることが更に好ましい。前記揮発成分の含有量が1%未満である場合には、外に付着する酸素含有官能基の効果がなくなり、結着樹脂への分散性が低下する場合がある。一方、前記揮発成分の含有量が25%より高い場合には、樹脂組成物に分散させる際に分解してしまう場合や、外の酸素含有官能基に吸着された水などが多くなるなどによって、本発明における基材の外観が悪くなる場合がある。
これに対し前記揮発成分の含有量を1〜25%とすることで、前記樹脂組成物中への分散をより良好とすることができる。尚、前記揮発成分の含有は、カーボンブラックを950℃で7分間加熱したときに、出てくる有機揮発成分(カルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基等)の割合により求めることができる。
【0104】
本発明における中間転写ベルトにおける基材には、カーボンブラックは2種類以上含有してもよい。そのとき、これらのカーボンブラックは実質的に互いに導電性の異なるものであると好ましく、例えば、酸化処理の度合い、DBP吸油量、窒素吸着を利用したBET法による比表面積等の物性が異なるものを用いる。このように導電性の異なる2種類以上のカーボンブラックを添加する場合、例えば、高い導電性を発現するカーボンブラックを優先的に添加した後、導電率の低いカーボンブラックを添加して表面抵抗率を調整すること等が可能である。このように2種類以上のカーボンブラックを含有させる場合も、少なくとも、そのうちの1種類にpH5.0以下の酸化処理カーボンブラックを使うことによって、両方のカーボンブラックの混合や分散を高めることができる。
【0105】
pH5.0以下の酸性カーボンブラックとして、具体的には、デグサ社製の「プリンテックス150T」(pH4.5、揮発分10.0%)、同「スペシャルブラック350」(pH3.5、揮発分2.2%)、同「スペシャルブラック100」(pH3.3、揮発分2.2%)、同「スペシャルブラック250」(pH3.1、揮発分2.0%)、同「スペシャルブラック5」(pH3.0、揮発分15.0%)、同「スペシャルブラック4」(pH3.0、揮発分14.0%)、同「スペシャルブラック4A」(pH3.0、揮発分14.0%)、同「スペシャルブラック550」(pH2.8、揮発分2.5%)、同「スペシャルブラック6」(pH2.5、揮発分18.0%)、同「カラーブラックFW200」(pH2.5、揮発分20.0%)、同「カラーブラックFW2」(pH2.5、揮発分16.5%)、同「カラーブラックFW2V」(pH2.5、揮発分16.5%)、キャボット社製「MONARCH1000」(pH2.5、揮発分9.5%)、キャボット社製「MONARCH1300」(pH2.5、揮発分9.5%)、キャボット社製「MONARCH1400」(pH2.5、揮発分9.0%)、同「MOGUL−L」(pH2.5、揮発分5.0%)、同「REGAL400R」(pH4.0、揮発分3.5%)等が挙げられる。
【0106】
前記pH5.0以下の酸性カーボンブラックは、一般的なカーボンブラックに比べ、前述したように表面に存在する酸素含有官能基の効果により、樹脂組成物中への分散性がよいため、導電性微粉末としての添加量を高くすることが好ましい。これにより、基材中のカーボンブラックの量が多くなるため、前記電気抵抗値の面内バラツキを押えることができる等の酸化処理カーボンブラックを用いることの効果を最大限発揮することができる。
【0107】
本発明における基材に対する前記pH5.0以下の酸性カーボンブラックの含有量としては、上記の好ましい体積抵抗率(電気抵抗)を満たすことができればよいが、具体的には、10〜30質量%であると、中間転写ベルトの表面抵抗率の面内バラツキを抑制するなど、酸性カーボンブラックの効果が発揮できるため、好ましい。前記pH5.0以下の酸性カーボンブラックが10質量%未満であると電気抵抗の均一性が低下し、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性が大きくなる場合がある。一方、前記pH5.0以下の酸化処理カーボンブラックの含有量が30質量%を超えると所望の抵抗値が得られ難くなる場合がある。更に、前記pH5.0以下の酸化処理カーボンブラックを18〜30質量%含有させることがより好ましい、前記pH5.0以下の酸化処理カーボンブラックを18〜30質量%含有させることにより、その効果を最大限発揮させることができ、抵抗の面内ムラや電界依存性を少なくさせることができる。
【0108】
このような基材の厚みは、画像形成装置に形状やサイズに合わせて、また、中間転写ベルトに求められる物性に合わせて、適宜、決定することができるが、一般的には、基材の厚みは、0.05〜0.5mmの範囲であることが好ましく、0.1〜0.3mmの範囲であることがより好ましい。
【0109】
[中間転写ベルトの体積抵抗率]
本発明において、上述した光導電層は、光が照射されない状態では誘電体であることから、上述したように、体積抵抗率は1×1013.5〜1×1016Ωcm、好ましくは1×1014〜1×1016Ωcmである。また、光が照射された状態では、抵抗率が変化して、導電性を示す。
一方、光導電層が電荷輸送層及び電荷発生層からなる場合にも、光が照射されない状態では、電荷輸送層が誘電体として機能することから、上述したように、体積抵抗率は1×1013.5〜1×1016Ωcm、好ましくは1×1014〜1×1016Ωcmである。また、光が照射された状態では、電荷発生層が電荷を発生することから、抵抗率が変化して、導電性を示す。
ここで、上記「導電性を示す」とは、光が照射された状態での中間転写ベルトの体積抵抗率が1×108〜1×1013Ωcmとなることを意味する。
【0110】
本発明における中間転写ベルトの体積抵抗率は、円形電極(例えば、(株)ダイヤインスツルメント製ハイレスタUPMCP−450型URプローブ)を用いて、JIS K 6911に従って測定することができる。前記体積抵抗率の測定方法を図を用いて説明する。図3は、円形電極の一例を示す概略平面図(A)及び概略断面図(B)である。
図3に示す円形電極は、第一電圧印加電極A’と第二電圧印加電極B’とを備える。第一電圧印加電極A’は、円柱状電極部C’と、該円柱状電極部C’の外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部C’を一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部D’とを備える。第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’及びリング状電極部D’と第二電圧印加電極B’との間に中間転写ベルト1を挟持し、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(3)により、中間転写ベルト1の体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(3)中、tは、中間転写ベルト1の厚さを示す。
式(3) ρv=19.6×(V/I)×t
なお、同様の方法により、上記光導電層や基材の体積抵抗率を測定することもできる。
【0111】
[中間転写ベルトの厚み]
本発明における中間転写ベルトの厚みは、総厚みで0.03〜1.0mmの範囲内であることが好ましく、0.05〜0.8mmの範囲内であることがより好ましく、0.1〜0.5mmの範囲内であることが更に好ましい。
総厚みが0.03mm未満の場合には、ベルト駆動時の外乱(負荷変動)によるベルトの伸び・縮み(変位量)が大きくなり、良好な画質を安定して得ることができない場合がある。また、総厚みが1.0mmを超える場合には、駆動系ロールなどのベルト屈曲部でのベルトの外側表面の変形量が大きくなり、良好な画質を得られない場合がある。また、ベルトの外側と内側との変形量が大きくなり、局部的な繰り返し応力のためにベルトが破断するなどの問題が生じる場合がある。
なお、光導電層の厚みは、中間転写ベルトの総厚みの10〜80%の範囲内であることが好ましく、20〜60%の範囲内であることがより好ましい。
【0112】
〔画像形成装置の構成〕
続いて、本発明の画像形成装置の構成について説明する。
本発明の画像形成装置は、トナー像形成手段によりそれぞれトナー像が形成される複数の像担持体と、該複数の像担持体の少なくとも1つ以上に接するロール状の中間転写体上に、前記トナー像を1次転写する1次転写手段と、該ロール状の中間転写体に接するベルト状の中間転写体(上述の中間転写ベルト)上に、1次転写された前記トナー像を2次転写する2次転写手段と、該ベルト状の中間転写体上に2次転写された前記トナー像を記録材へと3次転写する3次転写手段と、を備える。このような構成であれば、その他の部材の構成については特に限定されるものではない。
【0113】
上記のような構成の画像形成装置は、2次転写及び3次転写を行う中間転写体が、可とう性を有するベルト形状の部材(上述の中間転写ベルト)であることから、その転写領域に異物が進入して発生する白抜けや、また、転写領域の高いニップ圧により発生する白抜け(ホロキャラクター)を抑制することができる。また、可とう性を有する中間転写ベルトは、弾性層を備えたロール状やドラム状の中間転写体とは異なり、弾性層の外径のバラツキが生ることがないため、バンディングやカラーレジの発生を抑制することができる。
更に、2次転写及び3次転写を行う中間転写ベルトが光導電層を備えることで、ベルト表面の電荷保持力が大きくすることができ、トナーの飛び散りを効果的に抑制することから、更に、転写画質は向上する。
【0114】
本発明の画像形成装置の構成について図面を参照して説明する。
図4は、本発明の画像形成装置の例示的一態様を示す概略断面図である。ここで、上述の光導電層を備える中間転写ベルトは、図4中の中間転写ベルト106に相当する。
図4に示すように、この画像形成装置は、感光体(像担持体)101K,101Y,101M,101Cと、帯電器102K,102Y,102M,102Cと、画像書込装置103K,103Y,103M,103Cと、現像器104K,104Y,104M,104Cと、中間転写ドラム(ローラ状の中間転写体、1次転写手段)105A,105Bと、中間転写ベルト106(ベルト状の中間転写体)と、2次転写ローラ(2次転写手段)107A,107B、バックアップローラ108と、ベルトローラ109と、3次転写ローラ110(3次転写手段)と、除電ランプ(光除電手段)111と、除電用導電部材112と、クリーニング装置113と、を備える。
【0115】
この画像形成装置の構成とその動作について順次説明する。
ブラック(K),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の4色に対応するドラム状の感光体101K,101Y,101M,101Cの周囲には、それぞれ、これらの感光体をそれぞれ一様に帯電する帯電器102K,102Y,102M,102Cと、一様に帯電された感光体にそれぞれ像光を照射して静電潜像を形成する画像書込装置103K,103Y,103M,103Cと、K,Y,M,Cの各色の現像剤を収容し、その現像剤を対応する静電潜像が形成された感光体へと付与する4つの現像器104K,104Y,104M,104Cと、から構成されるトナー像形成手段が配置されている。また、図示されていないが、感光体101K,101Y,101M,101Cの周囲には、中間転写ドラム105A,105Bと接する箇所、つまり、1次転写領域より回転方向の下流側に、除電ランプや感光体クリーナーが設けられていてもよい。
ここで、感光体101Kを例にとり、トナー像が形成されるまでの動作について説明する。まず、帯電器102Kにより感光体101Kの表面が一様に帯電される。帯電された感光体101Kに対して、画像書込装置103Kが画像情報に応じた露光を行い、静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像器103Kによって現像・可視化される。これにより、感光体K101には、その色情報及び画像情報に対応する黒色のトナー像が形成される。他の感光体101Y,101M,101Cも、同様の方法で、色情報及び画像情報に対応するトナー像が形成される。
【0116】
上記4つの感光体101K,101Y,101M,101Cのうちの2つの感光体101K,101Yは、中間転写ドラム105Aに接しており、また、別の2つの感光体101M,101Cは、中間転写ドラム105Bに接している。
感光体101K,101Y上に形成されたトナー像は、中間転写ドラム105Aとの接触領域(1次転写領域)において、その中間転写ドラム105Aから印加された電界の作用により、中間転写ドラム105A上に1次転写される。これにより、中間転写ドラム105A上には、K,Yの2色の多重トナー像が形成される。
同様に、感光体101M,101Cに形成されたトナー像は、中間転写ドラム105B上へと1次転写される。これにより、中間転写ドラム105B上には、M,Cの2色の多重トナー像が形成される。
【0117】
中間転写ドラム105A,105Bは、上述の光導電層を備える中間転写ベルトからなる中間転写ベルト106に接している。また、この接触領域、つまり、2次転写領域には、中間転写ベルト106を挟んで、中間転写ドラム105A,105Bに圧接するように、2次転写ローラ107A,Bが配置されている。
上述のように、中間転写ドラム105A上に形成されたK,Yの2色の多重トナー像、及び、中間転写ドラム105B上に形成されたM,Cの2色の多重トナー像は、中間転写ベルト106とのそれぞれの接触領域(2次転写領域)において、2次転写ローラ107A,Bから印加された電界の作用により、中間転写ドラムベルト106上に2次転写される。これにより、中間転写ベルト106上には、K,Y,M,Cの4色の多重トナー像が形成される。
【0118】
中間転写ベルト106は、バイアスローラ108及びベルトローラ109により張架されている。また、中間転写ベルト106を挟んでバックアップローラ108の反対側には、そのバックアップローラ108に圧接するように3次転写ロール110が配置されている。
更に、中間転写ベルト106の周囲には、3次転写ロール110との接触領域、つまり、3次転写領域よりも回転方向の下流に、除電ランプ(光除電手段)111と、除電用導電部材112と、クリーニング装置113と、が設けられる。
上述のように、中間転写ベルト106上に形成されたK,Y,M,Cの4色の多重トナー像は、3次転写ロール110との接触領域(3次転写領域)に、記録材Pが搬送されてきた際に、その3次転写ロール110からに印加された電界の作用により、記録材P上に3次転写される。
【0119】
また、3次転写領域を通過した中間転写ベルト106は、更に回転を続け、除電ランプ11と除電用導電部材112とにより蓄積した電荷が、除電される。その後、更に、クリーニング装置113により外周面がクリーニングされ、次のトナー像の転写に備えることなる。
一方、記録材Pに3次転写された多重トナー像は、1対の定着ロール等により構成される定着部(図示せず)において、加圧加熱されることにより定着され、記録材Pに画像が形成された後に、画像形成装置外へと排出される。
【0120】
以下、中間転写ベルト106を用いた転写機構と、中間転写ベルト106の除電機構について、再び、図4を参照して、より詳細に説明する。ここで、中間転写ベルト22の電荷は、除電ランプ91により光導電層に光を照射して導電性を発現させることで、光除電される。
図4に示される中間転写ベルト106は、中間転写ドラム105A,105Bに接触する2次転写領域Q1A,Q1B、3次転写ロール110(記録材P)に接触する3次転写領域Q2、及び、除電ランプ91による除電部位Q3を順次通過するように矢印方向に回転する。ここで、中間転写ベルト106は、2次転写領域Q1A,Q1Bの通過時、また、3次転写領域Q2の通過時は、光照射されず、誘電体の状態である。
このように、中間転写ベルト106は、光導電層の存在により、光が照射されない状態では誘電体であり体積抵抗率が高いので、2次転写及び3次転写する際には誘電体(絶縁体)の状態で転写を行うことができる。この際、中間転写ベルト106の表面に沿った電荷の移動が少ないので、2次転写領域Q1A,Q1B及び3次転写領域Q2において、トナー像の飛散の少ない良好な転写を行うことができる。
【0121】
また、中間転写ベルト106は、その光導電層の存在により、3次転写後に除電ランプ111により光照射することで、蓄積した電荷を容易に光除去することができる。これは、中間転写ベルト106内の光導電性物質(電荷発生物質)が光を吸収して発生した自由キャリアが、表面に存在する対向する電荷を中和させることによるものである。
除電ランプ111については、光導電層に添加されている光導電性物質(電荷発生物質)の光感度領域波長の光源を有しているものであればよく、その強度、光除電位置は随時決めていけばよい。除電ランプ111としては、例えば、赤色光LEDを用いることができる。
【0122】
また、中間転写ベルト106に蓄積した電荷は、除電ランプ111により光除電された後、更に、中間転写ベルト106の内周部に当接している、アースされた除電用導電部材112によって、中間転写ベルト106の外へ排出されることが好ましい。そのため、中間転写ベルト106の回転方向において、除電用導電部材112は除電ランプ111よりも下流側に設けられることが好ましい。また、除電用導電部材112は、中間転写ベルト106の裏面側又は表面側のいずれにも配置可能であり、中間転写ベルト106に接触することで電荷の排出(除去)が行なわれる。
除電用導電部材112としては、体積抵抗率が1×105〜1×1010Ωに調整してなる導電剤を分散してなる弾性ロール(例えば、カーボンブッラク分散のエピクロルヒドリンゴムロールなど)を用いることができる。このように、除電用導電部材112は、ロール状であってもよいし、ブレード状、ブラシ状であってもよい。
【0123】
以上のことから、本発明の画像形成装置は、2段階目の中間転写体として、光導電層を備え、更に、可とう性を有する中間転写ベルトを用いていており、従来の画像形成装置において発生していた各種の画質欠陥の発生が抑制され、高品質の転写画質を安定して得ることができる。
特に、図4に示される本発明の画像形成装置は、各色(Y,M,C,K)のトナーを、2色毎、ロール状の中間転写体(中間転写ドラム105A,105B)に転写する。ロール状の中間転写体は、像担持体(感光体101K,101Y,101M,101C)の形状に沿って接触配置されている構成であり、1次転写での画質劣化がより抑制されることが分かる。
また、2次転写では、ロール状の中間転写体(中間転写ドラム105A,105B)からベルト形状の中間転写体(中間転写ベルト106)に、2色毎、トナーを転写する、2色の一括転写の方式を用いている。この方式の場合、トナーの総電荷量が少なく、かつ、ロール状の中間転写体にベルトの形状の中間転写体を密着させてから転写電界を印加する構成とすることで、2次転写での画質劣化がより抑制されることが分かる。
【0124】
以上、本発明の画像形成装置の例示的一態様を説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、図4に示される画像形成装置において、4つの感光体に対して2つの中間転写ドラムが接触配置された構成であったが、4つの感光体に対して1つの中間転写ドラムを接触配置した構成であってもよいし、更に、4つの感光体に対して4つの中間転写ドラムをそれぞれ接触配置した構成であってもよい。
また、4つ以上の感光体、4つ以上の中間ドラムを組み合わせたような構成であってもよい。
【0125】
本発明の画像形成装置には、球状トナーを用いることが好ましい。これは、飛び散りやすい球状トナーであっても、光導電層を備える中間転写ベルトと組み合わせることにより、その飛び散りを抑制し、高品質の転写画質を得ることができるためである。
【0126】
ただし、当該球状トナーとは、その形状係数(SF)が、140〜100であることを意味する。該形状係数としては、130〜100であることが好ましく、120〜100であることがより好ましい。この平均形状係数(SF)が140より大きくなると転写効率が低下してしまい、プリントサンプルの画質の低下が目視で確認できてしまう。
ここで、前記形状係数(SF)は、下記の式(1)で規定される係数である。
式(1)
(SF)=[(トナー粒子の最大長)2×π×100]/[(トナー粒子の投影面積)×4]
なお、トナー粒子の最大長、及び、トナー粒子の投影面積の測定は、ルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いてスライドガラス上に散布したトナー1000個についての光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、画像処理することにより実施した。
【0127】
球状トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる。この球状トナーの体積平粒子径は、2〜12μmの粒子であり、好ましくは2.5〜9μmの粒子であり、更に好ましくは3〜6μmを用いることができる。
【0128】
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体及び共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーアクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンー無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
【0129】
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして挙げられる。
【0130】
球状トナーには、帯電制御剤、離型剤、他の無機微粒子等の公知の添加剤を内添加処理や外添加処理してもよい。離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして挙げられる。
【0131】
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
【0132】
他の無機微粒子としては、粉体流動性、帯電制御等の目的で、平均1次粒子径が40nm以下の小径無機微粒子を用い、更に必要に応じて、付着力低減の為、それより大径の無機或いは有機微粒子を併用してもよい。これらの他の無機微粒子は公知のものを使用できる。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、メタチタン酸、酸化亜鉛、ジルコニア、マグネシア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。
また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を上げる効果が大きくなるため有効である。
【0133】
球状トナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法により得ることができる。具体的には、例えば結着樹脂及び着色剤と、必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、球状トナーを得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂及び着色剤と必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が挙げられる。また上記方法で得られた球状トナーをコアにして、更に凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。外添剤を添加する場合、球状トナー及び外添剤をヘンシェルミキサー或いはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、球状トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
【実施例】
【0134】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0135】
<実施例1>
[ベルト状基材の作製]
(ポリアミド酸溶液(A)の調製)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチルー2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS(固形分18質量%)に、この溶液中のポリイミド系樹脂を形成することが可能な原料の固形分100質量部に対して、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%))を23質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を得た。
【0136】
(基材の形成)
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を、円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して塗膜の厚みが0.5mmとなるように塗布し、金型を1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する塗膜を形成した後、金型を250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、その後、室温にまで冷却して皮膜を形成した。
その後、金型の内面に形成された皮膜を剥離して、この皮膜を金属芯体の外周を覆うように被覆して400℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に400℃で30分加熱し、皮膜に残留する溶媒及び脱水閉環水を除去すると共に、イミド転化反応を完結させた。その後、金属芯体を室温にまで冷却した後に、金属芯体表面に形成されたポリイミドフィルムを剥離することにより、厚みが0.08mmの無端ベルト状の基材を得た。
得られた基材のヤング率は3,800Mpaであり、体積抵抗率は1×109.5Ωcm、表面抵抗率は1×1012Ω/□であった。
【0137】
なお、得られた基材の体積抵抗率及び表面抵抗率の測定は以下のように行った。
(体積抵抗率)
得られた基材を、上述したように、図3に示す円形電極((株)ダイヤインスツルメント製ハイレスタUPMCP−450型URプローブ)の所定の位置に挟持し、22℃/55%RH環境下にて、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧100(V)を印可し、10秒後の電流値を基に、前記式(3)により体積抵抗率ρv(Ωcm)を求めた。
【0138】
(表面抵抗率)
得られた基材を、図3に示す円形電極((株)ダイヤインスツルメント製ハイレスタUPMCP−450型URプローブ)の所定の位置に挟持し、22℃/55%RH環境下にて、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’とリング状電極部D’との間に電圧100(V)を印可し、10秒後の電流値を基に、下記式(4)により表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出した。
式(4) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
ここで、上記式(4)中、d(mm)は円柱状電極部C’の外径を示す。D(mm)はリング状電極部D’の内径を示す。
【0139】
[下引層の形成]
酸化亜鉛(MZ300:テイカ社製:比表面積値30m2/g)を150℃にて5時間加熱乾燥後、酸化亜鉛100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM403:信越化学社製)5質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、150℃で2時間焼き付けを行った。
前記表面処理を施した酸化亜鉛60質量部と硬化剤ブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15質量部とブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部とを、メチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部とメチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、シリコーンオイルSH29PA(東レダウコーニングシリコーン社製):0.01質量部を添加し、下引層用塗布液を得た。
この下引層用塗布液を浸漬塗布法にて、無端ベルト状の基材表面に塗布し、160℃、100分の乾燥硬化を行い、膜厚20μmの下引層を得た。
【0140】
[電荷発生層の形成]
次に、電荷発生物質として、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°,25.1°,28.1°の位置に明瞭な回折ピークが得られるヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としてのブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)10質量部、n−ブチルアルコール300質量部からなる混合物を、サンドミルにて4時間分散した。
得られた分散液を電荷発生層用塗布液として、上記下引層表面に浸漬塗布し、乾燥し膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0141】
[電荷輸送層の形成]
次に、ジ(3,4−ジメチルフェニル)(4−フェニルフェニル)アミン2質量部とN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン2質量部とビスフェノールZポリカーボネート(分子量4万)6質量部とに、テトラヒドロフラン80質量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を加えて溶解した。得られた液を電荷輸送層用塗布液として、上記電荷発生層表面に浸漬塗布し、120℃40分の乾燥を行うことにより膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
これにより、図1(A)に記載の層構成を有する中間転写ベルトを得た。
また、実施例1における中間転写ベルトの光照射されていない状態での体積抵抗率を、上記基材の測定方法と同様の方法で測定したところ、1×1013.8Ωcmであった。
【0142】
<実施例2>
実施例1において、基材と下引層との間に下記に示す中間層を設けた他は、実施例1と同様にして、実施例2における中間転写ベルトを作製した。
【0143】
[中間層の形成]
(中間層用塗布液の調製)
イソシアネートとして、コロネート4028(日本ポリウレタン工業(株)製)100質量部と、ポリオールとして、ニッポラン4599(日本ポリウレタン工業(株)製)93質量部と、更に、導電剤として、カーボンブラック(商品名:プリンテックス140U(pH4.5):デグサ・ジャパン社製)22質量部と、を混合して、中間層用塗布液を調製した。
【0144】
(中間層の形成)
実施例1に記載の方法で得られた、円筒状金型の外周を覆うように被覆した無端ベルト状の基材上に、中間層用塗布液を塗布して、温度80℃,120分間加熱して、熱硬化性のポリウレタン層を形成し、厚さ0.5mmの中間層を形成した。得られた中間層のデュロメータ硬さは、A45/Sであった。また、中間層が設けられた状態の基材の体積抵抗率は、3×1010Ωcmであった。
これにより、図1(B)に記載の層構成を有する中間転写ベルトを得た。
また、実施例2における中間転写ベルトの光照射されていない状態での体積抵抗率を、実施例1における基材の測定方法と同様の方法で測定したところ、1×1013.5Ωcmであった。
【0145】
<実施例3>
実施例1と同じ無端ベルト状の基材の上に、実施例1と同じ下引層、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に形成し、その後、下記に示す表面保護層を形成した。
【0146】
[表面保護層の形成]
イソシアネートとして、コロネート4028(日本ポリウレタン工業(株)製)100質量部と、ポリオールとして、ニッポランN−4599(日本ポリウレタン工業(株)製)93質量部と、導電剤として、カーボンブラック(商品名:プリンテックス140U(pH4.5%):デグサ・ジャパン社製)18部と、潤滑性充填剤として、平均粒子径0.2μmのフッ素樹脂粉末(ルブロンL−5:ダイキン工業(株)製)45質量部と、を混合して、表面保護層用塗布液を調製した。得られた表面保護層用塗布液中に、上記電荷輸送層が設けられた基材を浸漬して塗布した後、150℃1時間の乾燥を行うことにより膜厚3μmの表面保護層を得た。
これにより、図1(C)に記載の層構成を有する本発明の中間転写体を得た。本実施例の表面層の表面微小硬度を、前述の方法で測定したところ、8度であった。
また、実施例3における中間転写体の光照射されていない状態での体積抵抗率を、上記基材の測定方法と同様の方法で測定したところ、1×1013.5Ωcmであった。
【0147】
<比較例1>
下記のようにして、比較例1における中間転写ベルトを作製した。
(ポリアミド酸溶液(B)の調製)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS(固形分18質量%)に、この溶液中のポリイミド系樹脂を形成することが可能な原料の固形分100質量部に対して、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%)を25質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(B)を得た。
【0148】
(基材の形成)
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(B)を、円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して塗膜の厚みが0.5mmとなるように塗布し、金型を1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する塗膜を形成した後、金型を250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、室温にまで冷却して皮膜を形成した。
その後、金型の内面に形成された皮膜を剥離して、この皮膜を金属芯体の外周を覆うように被覆して400℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に400℃で30分加熱し、皮膜に残留する溶媒及び脱水閉環水を除去すると共に、イミド転化反応を完結させた。その後、金属芯体を室温にまで冷却した後に、金属芯体表面に形成されたポリイミドフィルムを剥離することにより、厚みが0.08mmの無端ベルト状の基材を得た。
得られた基材のヤング率は3,800Mpaであり、体積抵抗率は1×109.2Ωcm、表面抵抗率は5×1011Ω/□であった。
得られたポリイミド樹脂からなる無端ベルトを、中間転写ベルトとした。
【0149】
<比較例2>
下記のようにして、比較例2における中間転写ドラムを作製した。
[基材の作製]
長さ248mm、外径32mmのアルミニウムパイプ素管の両端近傍を旋盤加工し、この加工部分に回転軸を有するフランジを圧入した。更に、フランジの回転軸を基準とし、アルミニウム素管の表面を旋盤加工と研磨加工により、外径公差0.01mm以下、外径フレ精度0.01mmに仕上げたものを基材とした。
【0150】
[弾性層の形成]
このパイプ表面をブラスト処理し、プライマーを塗布した後、金型内に挿入設置し、JIS−A硬度が15度、圧縮歪み量が5%である低温硬化タイプの体積抵抗率105Ωcmの導電性液状シリコーンゴムを注入・硬化し成型した。これを金型から取り出し、更に200℃で30分二次硬化させ、ゴム弾性層を形成した。このゴム弾性層の厚さは5mmであった。
【0151】
[表面層の形成]
次に、表面層として、アミノ基を有するシランカップリング剤であるγ−アミノプロピルジエトキシシラン(信越化学社製、商品名:KBE902)をアルコールで10倍に希釈して、パッドを用いて前記ゴム弾性層の表面に塗布して、その後、オーブンで120℃で1時間乾燥させ、厚み1μmの表面層を形成した。これにより、比較例2における中間転写ドラム(中間転写体)が作製された。
【0152】
得られた中間転写ドラムの体積抵抗率は、該中間転写ドラムを金属板に荷重1kgで押し当て、金属板と中間転写ドラムの金属基材に500V電圧を印加して、10秒後の電流値より求めた。その結果、体積抵抗率は、5×108.0Ωであった。
【0153】
<転写画質の評価>
得られた実施例1、実施例2、実施例3、及び比較例1の中間転写ベルトを、図4に示す構成の画像形成装置に、中間転写ベルト106として装着し、更に、中間転写ベルト106の光除電手段として、除電ランプ111及び除電用導電部材112も図4に示すように装着した。ここで、除電ランプ111としては、赤色光LED(波長720nm)を用いた。除電用導電部材112としては、体積抵抗を106Ωに調整してなる導電剤を分散してカーボンブッラク分散のエピクロルヒドリンゴムロールを用いた。
なお、ここで用いた画像形成装置は、富士ゼロックス(株)DocuPrintC1616において、2次転写及び3次転写を行う中間転写ドラムを、図3に示すように中間転写ベルト106に代えた改造機である。
また、比較例2の中間転写ドラムは、富士ゼロックス(株)DocuPrintC1616において、2次転写及び3次転写を行う中間転写ドラムに代えて装着した。
【0154】
このような画像形成装置を用いて転写画質や紙適性について評価した。
なお、ここで用いた記録紙Pは、富士ゼロックスオフィスサプライ(株)フルカラー複写機用紙J紙である。
トナーとしては、形状係数(SF)125、体積平均粒子径5.5μmの球状トナーを用いた。
また、プリントサンプルは、画像パターンとして、1枚目は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各単色、2次色、3次色の2cm角大のソリッド、及びライン画像で構成されている。
【0155】
[転写画質の評価]
転写画質(ホロキャラクター、ブラー)評価基準は以下の通りである。また、評価結果を下記表1に示す。
【0156】
−転写画質(ブラー)−
初期画像におけるブラーの発生状況について、以下の基準により評価した。
◎:ブラーの発生なし。
○:ブラーの発生は、わずかであり、画質上での問題なし。
△:ブラーの発生は、少しあるが、画質上での問題は少ない。
×:ブラーの発生があり、画質上での問題あり。
【0157】
−転写画質(ホロキャラクター)−
初期画像におけるホロキャラクターの発生状況について、以下の基準により評価した。
◎:画質上の問題なし。
○:ホロキャラクターの発生がわずかであり、画質上の問題はない。
△:ホロキャラクターの発生は少しあるが、画質上の問題は少ない。
×:ホロキャラクターの発生があり、画質上の問題あり。
【0158】
−転写画質(バンディング)−
初期画像におけるバンディングの発生状況について、以下の基準により評価した。
◎:画質上の問題なし。
○:バンディングの発生がわずかであり、画質上の問題はない。
×:バンディングの発生があり、画質上の問題あり。
【0159】
−転写画質(カラーレジ)−
初期画像におけるカラーレジの発生状況について、以下の基準により評価した。
○:カラーレジの発生がわずかであり、画質上の問題はない。
×:カラーレジの発生があり、画質上の問題あり。
【0160】
[エンボス適性の評価]
記録紙Pとして、富士ゼロックスオフィスサプライ(株)フルカラー複写機用紙レザック66(15/gsm)を用いて、富士ゼロックス(株)画像濃度測定装置IQM(Image Quality Meter)のDenstyモードで測定した青色(シアン)及び黒色の画質濃度差より、転写効率の評価を行った。また、評価結果を下記表1に示す。
◎:画質上の問題なし。
○:エンボス紙により画質上の濃度差があるが、画質上の問題はない。
×:エンボス紙により画質上の濃度差があり、画質上の問題あり。
【0161】
【表1】


【0162】
(評価結果)
実施例1〜3では、1枚目のプリントサンプルにおいて、上記各種の画像欠陥の無い均一な画像が得られた。ここで、3次転写直後では、実施例1〜3における中間転写ベルト106の表面電位は、いずれも、−300V〜−400V程度の画像パターンに応じていると思われる表面電位ムラがあったが、除電ランプ111の点灯照射後に、除電用導電部材112による除電が行なわれると、中間転写ベルト106の表面電位は−10V〜−30Vの間で、ほぼ均一となった。
続いて、連続して、プリントサンプルを1000枚出力したが、画像欠陥は見られず、良好な画像が得られた。
【0163】
対して、比較例1では、中間転写ベルト(106)の表面硬度が硬いために、凹凸の段差のあるエンボス紙への転写において、トナーの飛び散りが発生し、その結果、濃度の均一な転写画像が得られなかった。また、比較例2の場合は、2次転写及び3次転写を行う中間転写体として弾性ロールを用いていることから、ロール外径のバラツキ、走行時の弾性層の変形などのより、バンディングの問題が発生した。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本発明のベルト状の中間転写体の構成例を示す概略断面図であり、 (A)は本発明の中間転写体1aの構成を示す概略断面図であり、 (B)は本発明の中間転写体1bの構成を示す概略断面図であり、 (C)は本発明の中間転写体1cの構成を示す概略断面図である。
【図2】表面保護層の表面微小硬度の測定原理を示す模式図である。
【図3】円形電極の一例を示す概略平面図(A)及び概略断面図(B)である。
【図4】本発明の画像形成装置の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0165】
1、1a、1b 中間転写ベルト(ベルト状の中間転写体)
10 基材
20 下引層
30 光導電層
32 電荷発生層
34 電荷輸送層
40 中間層
50 表面保護層
60 針状圧子
101K,101Y,101M,101C 感光体(像担持体)
102K,102Y,102M,102C 帯電器
103K,103Y,103M,103C 画像書込装置
104K,104Y,104M,104C 現像器
105A,105B 中間転写ドラム(ローラ状の中間転写体、1次転写手段)
106 中間転写ベルト(ベルト状の中間転写体)
107A,107B 2次転写ローラ(2次転写手段)
108 バックアップローラ
109 ベルトローラ
110 3次転写ローラ(3次転写手段)
111 除電ランプ(光除電手段)
112 除電用導電部材
113 クリーニング装置
P 記録材
T トナー像
1A、Q1B 2次転写領域
2 3次転写領域
3 除電領域




 

 


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