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発明の名称 静電荷現像用トナー及びその製造方法、並びに静電荷現像剤、画像形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−4033(P2007−4033A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−186757(P2005−186757)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
発明者 前畑 英雄 / 吉野 進 / 水谷 則之 / 吉田 聡
要約 課題
スズ系触媒不使用のポリエステル樹脂を用い帯電特性、発色性が良好で、低温定着が可能である静電荷像現像用トナー、及びその製造方法、並びに該静電荷現像用トナーを用いた静電荷像現像剤、画像形成方法を提供する。

解決手段
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を含む多価アルコール成分と、スルフォン酸基を含有する単量体と、を少なくとも含む単量体群をチタン触媒の存在下で共重合して得られた樹脂であり、かつ樹脂全量に対する前記スルフォン酸基を含有する単量体の割合は、0.1mol%以上20mol%以下であり、前記チタンの含有量は、樹脂質量比で1ppm以上1000ppm以下である非結晶性ポリエステル樹脂を含有する静電荷像現像用トナー、及びその製造方法、並びに該静電荷現像用トナーとキャリアからなる静電荷像現像剤、画像形成方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、
前記非結晶性ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を含む多価アルコール成分と、スルフォン酸基を含有する単量体と、を少なくとも含む単量体群をチタン触媒の存在下で共重合して得られた樹脂であり、
かつ、前記非結晶性ポリエステル樹脂全量に対する前記スルフォン酸基を含有する単量体の割合は、0.1mol%以上20mol%以下であり、
チタンの含有量は、樹脂質量比で1ppm以上1000ppm以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【請求項2】
前記非結晶性ポリエステル樹脂のガードナー色数は、3以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項3】
前記非結晶性ポリエステル樹脂は、2次転移温度(Tg)が50℃以上70℃以下であり、軟化温度(フローテスターの(1/2)降下温度、Tm)が90℃以上120℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項4】
前記非結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分としてドデセニルコハク酸を、該非結晶性ポリエステル樹脂の全酸成分中の1mol%以上20mol%以下の割合で共重合していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項5】
更に、3質量%以上50質量%以下の結晶性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項6】
前記結晶性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項7】
少なくとも、1種類以上の非結晶性樹脂を含有する樹脂微粒子分散液と、着色剤を分散した着色剤分散液とを混合し、該樹脂微粒子及び着色剤を水系媒体中でトナー粒子径に凝集させて凝集体を形成し、これを加熱し融合させる請求項1〜6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
前記非結晶性樹脂の少なくとも1種が、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を含む多価アルコール成分と、スルフォン酸基を含有する単量体と、を少なくとも含む単量体群をチタン触媒の存在下で共重合して得られた非結晶性ポリエステル樹脂であり、かつ、該非結晶性ポリエステル樹脂全量に対する前記スルフォン酸基を含有する単量体の割合が0.1mol%以上20mol%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項8】
前記凝集体を形成した後、該凝集体表面に、少なくとも1種類の非結晶性ポリエステル樹脂を付着凝集させ、これを加熱し融合させることを特徴とする請求項7に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項9】
請求項1〜6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤。
【請求項10】
潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、トナーを含む現像剤により前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、
前記トナーは、請求項1〜6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した電子写真装置において、静電荷像の現像の為に使用する静電荷像現像用トナー、及びその製造方法、並びに該静電荷現像用トナーを用いた静電荷像現像剤、画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法等のように、静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在各種の分野で広く利用されている。前記電子写真法においては、帯電工程、露光工程等を経て感光体表面の静電潜像を現像し、転写工程、定着工程等を経て前記静電潜像が可視化される。
【0003】
電子写真法としては、多数の方法が知られている。一般的には、光導電性物質を利用した感光体(潜像保持体)表面に、種々の手段により電気的に潜像を形成し、形成された潜像を、トナーを用いて現像しトナー像を形成した後、このトナー像を、場合により中間転写体を介して、紙等の被転写体表面に転写し、加熱、加圧、加熱加圧により定着する、という複数の工程を経て、画像が形成される。また、感光体表面に残ったトナーは、必要に応じて種々の方法によりクリーニングされ、再びトナー像の現像に利用される場合もある。
【0004】
被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着技術としては、加熱ロールおよび加圧ロールからなる一対のロール間に、トナー像が転写された被転写体を挿入し、定着する熱ロール定着法が一般的である。
【0005】
電子写真用トナー材料としては、一般的にポリエステル樹脂、ポリスチレンをベースとするビニルポリマーがその帯電特性、樹脂強度、着色材を配合した場合の発色性の観点から汎用的に使用に供されている。この中で特にポリエステル樹脂において、その製造においては重縮合触媒の存在下による多価カルボン酸と多価アルコールによる脱水またはエステル交換法により製造される。この場合、重縮合触媒としては有機スズ系触媒がその重合速度、副反応物の生成などの観点で通常用いられてきたが、近年ではその残留有機スズの環境、生体への影響について多くの議論が巻き起こっており、樹脂製造法として触媒を有機スズからチタン、アンチモン、アルミニウムなどのスズ以外の元素から構成される触媒への転換が活発に検討されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0006】
しかしながら、電子写真用トナーとしてこれら触媒を変更したものにおいては、その残留触媒、副反応による帯電障害、樹脂の着色などによる発色性の低下、工業的に重合可能なポリエステル単量体の制限(重合反応性)、特に電子写真用トナーとしての十分な強度と帯電特性の良好なバランスを達成するために必要なビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の使用が困難など実用化へ種々の課題を有しているのが現状である。
【0007】
一方、近年の画像形成に際して必要なエネルギーの省力化への要求の高まりに伴い、電子写真プロセスにおいて、そのエネルギー消費量の最も多い工程の一つである定着工程の省電力化を計るいわゆる低温定着トナーの技術開発が活発に行われている。
【0008】
この場合、通常トナーの定着を低温化させることは同時にトナーのガラス転移点も低下させてしまうことになり、トナーの保存性、最終的に得られたアウトプット画像の保存性(オフセット)との両立が困難となる。これを解決するためには、低温定着化とトナーの保存性とを両立するためには、トナーのガラス転移点を高温に保ったまま、定着温度付近でトナーの粘度が急速に低下する、いわゆるシャープメルト性を持たせることが必要となる。
【0009】
上記技術課題に対して、一つの有望なアプローチとしてシャープメルト性を有する結晶性樹脂を結着樹脂として用いる方法が提案されている。
特に電子写真用フルカラートナーにおいては、その発色性、優れた紙への密着性からポリエステル樹脂がその結着樹脂として古くから使用されており、上記シャープメルト性を有する結晶性樹脂として結晶性ポリエステルの検討が活発に進められている。
【0010】
また昨今の電子写真技術における高画質化要求に伴い溶解懸濁法、乳化重合凝集法、懸濁重合法などのいわゆる化学製法トナー製造方法での小粒子化検討とこれら結晶性樹脂による低温定着技術の組み合わせ検討などが多数報告されている。しかしながら結晶性樹脂特に結晶性ポリエステルを電子写真トナーに応用するにあたっては、下記に示す樹脂の電気特性、画像特性に関する課題を有しており、その実用化に大きな障壁となっている。
【0011】
低温定着を目的とする電子写真トナーにおいて結晶性樹脂を応用する場合には、その選定においては樹脂の融点が重要な要因となる。通常、低温定着を目指す電子写真用トナーの場合、先に述べた様に出きるだけ低温でシャープに溶融する、即ち低い融点を持つ材料の選定が重要であるが、それと共にトナーとしての保管性、定着後の画像ブロッキングとの両立が重要である。よって現在は約80℃前後の結晶性樹脂の検討が広く検討されている。しかしながら、これら低融点の結晶性樹脂はその樹脂の抵抗値が通常電子写真トナーに使用可能な樹脂抵抗に比較して約1/100〜1/1000程度に低く、これらをトナー成分としてトナー中に配合した場合には、トナーとして帯電量が低くまた時間と共に徐々にその帯電電荷を漏洩し、摩擦帯電をその根本原理とする電子写真トナ−においては、低帯電、電荷漏洩による帯電不良が発生し実用上大きな課題となっている。
【0012】
また、一般的に上記に示した80℃前後に融点をもつ結晶性樹脂は、その樹脂骨格の大部分が長鎖のアルキル鎖を主体とする骨格となるため、一般的に樹脂がもろく強靭性にかける。そのために電子写真トナーとして使用するにあたり、その樹脂強度不足から生じるトナーのマシン内つぶれ、感光体上のフィルミングによるクリーニング不良などの問題を生じやすく、最終画像欠陥を引き起こす。
【0013】
これらの課題に対して、近年では電子写真トナーとして結晶性樹脂を使用するにあたり従来から電子写真トナー材料として使用されてきた非結晶性樹脂と混合して用いるいわゆるポリマーブレンド法の検討が活発に行われている。この場合、ポリマーブレンドにおける重要な技術的要件としては、ブレンドに共される樹脂が適度の相溶性を有している事であり、好ましくは半相溶性といわれるUCST(Upper Critical Solution Temperature)を有する事が好ましい。この場合、用いる結晶性樹脂が先にも述べた様にアルキル鎖を主体とする構造であるため、その極性は極めて低い構造でありいわゆる樹脂構造が低SP値を有する。
【0014】
よって、この場合用いる非結晶性樹脂もその相溶性の観点からSP値を低く設計する必要があり、一般に電子写真用トナー材料として上げられる低SP値を有する非結晶性樹脂としては、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を骨格に含む樹脂がより重要になってくる。しかしながら、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の将来の使用にあたって、その製造上の課題、電子写真トナーとして応用するにあたっての技術的課題は前述した通りである。
【0015】
以上のように、上記将来の電子写真用トナーの技術的展望においては、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を単量体成分とするポリエステル樹脂を、帯電特性、その発色性などの画像特性を損なうことなくいかにスズフリー触媒にて重合しトナーとして実用に供することができるかという大きな課題を有している。
【特許文献1】特開2000−302854号公報
【特許文献2】特開2000−284538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前記課題を解決することを目的とする。即ち、本発明は、スズ系触媒を用いずに重合した、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を単量体成分として含むポリエステル樹脂を用いた、帯電特性、その発色性などの画像特性を損なうことなく、さらには低温定着が可能である静電荷像現像用トナー、及びその製造方法、並びに該静電荷現像用トナーを用いた静電荷像現像剤、画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
斯かる実状において、本発明者らは、鋭意研究を行った結果、下記の静電荷現像用トナー及びその製造法、それを用いた静電荷像現像剤、画像形方法を用いる事により、上記課題解決できることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は、
<1> 少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記非結晶性ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を含む多価アルコール成分と、スルフォン酸基を含有する単量体と、を少なくとも含む単量体群をチタン触媒の存在下で共重合して得られた樹脂であり、かつ、前記非結晶性ポリエステル樹脂全量に対する前記スルフォン酸基を含有する単量体の割合は、0.1mol%以上20mol%以下であり、前記チタンの含有量は、樹脂質量比で1ppm以上1000ppm以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【0018】
<2> 前記非結晶性ポリエステル樹脂のガードナー色数は、3以下であることを特徴とする<1>に記載の静電荷像現像用トナーである。
<3> 前記非結晶性ポリエステル樹脂は、2次転移温度(Tg)が50℃以上70℃以下であり、軟化温度(フローテスターの(1/2)降下温度、Tm)が90℃以上120℃以下であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナーである。
【0019】
<4> 前記非結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分としてドデセニルコハク酸を、該非結晶性ポリエステル樹脂の全酸成分中の1mol%以上20mol%以下の割合で共重合していることを特徴とする<1>〜<3>の何れか1つに記載の静電荷像現像用トナーである。
<5> 更に、3質量%以上50質量%以下の結晶性樹脂を含有することを特徴とする<1>〜<4>の何れか1つに記載の静電荷像現像用トナーである。
<6> 前記結晶性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする<5>に記載の静電荷像現像用トナーである。
【0020】
<7> 少なくとも、1種類以上の非結晶性樹脂を含有する樹脂微粒子分散液と、着色剤を分散した着色剤分散液とを混合し、該樹脂微粒子及び着色剤を水系媒体中でトナー粒子径に凝集させて凝集体を形成し、これを加熱し融合させる<1>〜<6>の何れか1つに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記非結晶性樹脂の少なくとも1種が、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を含む多価アルコール成分と、スルフォン酸基を含有する単量体と、を少なくとも含む単量体群をチタン触媒の存在下で共重合して得られた非結晶性ポリエステル樹脂であり、かつ、該非結晶性ポリエステル樹脂全量に対する前記スルフォン酸基を含有する単量体の割合が0.1mol%以上20mol%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
【0021】
<8> 前記凝集体を形成した後、該凝集体表面に、少なくとも1種類の非結晶性ポリエステル樹脂を付着凝集させ、これを加熱し融合させることを特徴とする<7>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<9> <1>〜<6>の何れか1つに記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤である。
【0022】
<10> 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、トナーを含む現像剤により前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、 前記トナーは、<1>〜<7>の何れか1つに記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法である。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、スズ系触媒を用いずに重合した、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を単量体成分として含むポリエステル樹脂を用いた、帯電特性、その発色性などの画像特性を損なうことなく、さらには低温定着が可能である静電荷像現像用トナー、及びその製造方法、並びに該静電荷現像用トナーを用いた静電荷像現像剤、画像形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記非結晶性ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を含む多価アルコール成分と、スルフォン酸基を含有する単量体と、を少なくとも含む単量体群をチタン触媒の存在下で共重合して得られた樹脂であり、かつ、前記非結晶性ポリエステル樹脂全量に対する前記スルフォン酸基を含有する単量体の割合は、0.1mol%以上20mol%以下であり、前記チタンの含有量は、樹脂100質量部に対して1ppm以上1000ppm以下であることを特徴とする。
ここで、前記チタンの含有量は、蛍光X線にて測定し、別途作製した検量線により求められる。
また、本発明において、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)を用いた熱分析測定において0〜150℃の間に明確な吸熱ピークを有する樹脂をいい、非結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)を用いた熱分析測定において明確な融点吸熱ピークを有さない樹脂をいう。
【0025】
本発明において重要な技術的な要件としては、従来電子写真トナーとしてその帯電性、樹脂着色性などによる画像特性の問題から実用が困難であったビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を単量体成分としたポリエステル樹脂をスズ触媒を用いず(スズフリー触媒)に重合し、電子写真トナー用結着樹脂として使用するため、チタン触媒の存在下で樹脂骨格中にスルフォン酸基を含有する単量体を一定量共重合し、そのトナー中にチタンを一定量含有することにある。この場合、樹脂骨格中にスルフォン基を含有させることにより、通常のチタン触媒で問題となる樹脂の着色性を大きく改善できると共に、最終トナーに含有されるチタンにより従来そのスズフリー触媒にて重合したポリエステル樹脂において問題であった帯電特性、特に初期帯電性およびその環境依存性が大きく改善されることを見出し本発明に至った。
【0026】
従来、ポリエステルの重縮合においては、使用される触媒は重合後に触媒が独立して残留するのではなく、その大部分の触媒がある種の遷移状態を経て樹脂の骨格および末端と電子的またはイオン的に結合されていると考えられている。
【0027】
また、高分子材料の摩擦帯電性に関してはその化学構造と帯電性種々の検討がなされており、高分子の帯電性はその化学構造に依存することが分かってきた。現在では、目的とする帯電特性、例えば正帯電、負帯電性など帯電極性の制御に関してどのような構造を導入すれば良いかという事はある程度系統的に整理がなされている(帯電序列)。しかしながら高分子の帯電性(帯電量)の違いが化学構造、即ち構成分子の化学組成、分子配置、空間配置などによる明快な説明は未だになされておらずまだまだ未知の部分も多く現在も尚詳細な検討が行われているのが実情である。一方、電子写真トナーにおいては、その帯電制御法としては、種々の極性基を導入した帯電制御剤をトナー中に配合しトナーの帯電性を制御する手法が用いられているが、その極性基の種類と帯電性の明確な関係においても上述した様にその詳細は不明な点が多い。
【0028】
しかるに、本発明における樹脂の着色性改善、帯電課題改善においてはまだそのメカニズム上不明な点も多いが、樹脂中に組み込まれた強酸基であるスルフォン酸とチタン元素の間のイオン的、電子的な相互作用による帯電制御剤と同様な帯電制御効果、およびこのスルフォン酸との相互作用による樹脂着色性改善が推測される。
【0029】
本発明に用いられるビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物とは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの両末端の水酸基にプロピレンオキサイドを付加した下記式(1)で表される2価アルコールであり、n及びmは1〜5の整数を表し、2以下の整数が好ましい。
【0030】
【化1】


【0031】
本発明においては、前記ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が、前記非結晶性ポリエスル樹脂の全多価アルコール成分の50mol%以上共重合されていることが好ましく、60mol%以上共重合されていることがより好ましい。前記ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の全多価アルコール成分における共重合比率が50mol%に満たないと、電子写真用トナーとして十分な樹脂強度および帯電性を達成することが困難となる場合がある。
【0032】
また、本発明においては、より脆さのない非結晶性ポリエステル樹脂となる点で、前記ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物と共に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物或いはビスフェノールAのブチレンオキサイド付加物(前記式(1)におけるプロピレンオキサイドをエチレンオキサイド或いはブチレンオキサイドに代えたもの)を、前記非結晶性ポリエスル樹脂の全多価アルコール成分として共重合することが好ましい。
【0033】
本発明におけるスルフォン酸基を含有する単量体とは、ポリエステルとして共重合可能な多価カルボン酸または多価アルコールにおいて、その骨格中にスルフォン酸基およびその塩の基を含有するものであり、たとえばスルフォテレフタル酸、5−スルフォイソフタル酸、4−スルフォイソフタル酸、4−スルフォナフタレン−2、7ジカルボン酸およびそれらのアンモニウム塩、Li塩、Na塩、K塩、Mg塩、Ca塩、Cu塩、Fe塩を挙げることが出来、この中でも5−スルフォイソフタル酸の使用が好ましく、特にそのNa塩がより好ましい。 前記スルフォン酸基を含有する単量体の、前記非結晶性ポリエステル樹脂全量に対する割合は、0.1mol%以上20mol%以下であることが必要であり、0.2mol%以上3.0mol%以下であることが好ましく、0.5mol%以上2.0mol%以下であることがより好ましい。前記スルフォン酸基を含有する単量体の割合が0.1mol%より少ない場合は、本発明における電子写真トナーとしての十分な帯電特性、画質特性を得ること出来ない。また、20mol%より多い場合は、電子写真トナーとして樹脂の吸湿性の悪化を引き起こし十分な帯電の安定性を獲得することが出来ない。
【0034】
本発明においては、前記非結晶性ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を含む多価アルコール成分と、スルフォン酸基を含有する単量体と、を少なくとも含む単量体群を少なくとも1種類のチタン触媒の存在下で共重合する。
また、本発明の静電化現像用トナーにおいては、最終的にチタンを質量比で1ppm以上1000ppm以下含有する必要があり、5ppm以上800ppm以下含有することが好ましく、10ppm以上500ppm以下含有することがより好ましい。前記チタンの含有量が1ppmより少ないとトナーの帯電特性が十分でなく、また1000ppmをこえると樹脂の着色などによる画像特性の悪化を招く。
【0035】
前記チタン触媒としては、例えば、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシドが挙げられるが、前記最終トナー中でのチタン含有量を満足する限りにおいては、その他の触媒との併用も可能である。その他の触媒としては、例えばナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、及び、アミン化合物等が挙げられる。
【0036】
前記他の触媒としては、例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
【0037】
前記単量体群における、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物を含む多価アルコール成分及びスルフォン酸基を含有する単量体以外の単量体としては、特に制限はなく、酸成分としては、通常使用される多価カルボン酸が挙げられる。該多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。
【0038】
また、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物以外の多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、これら多価アルコールの1種又は2種以上用いることができる。これら多価アルコールの中、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
【0039】
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合によって得られた非結晶性ポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸、および/またはモノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基、および/またはカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整してもよい。モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
【0040】
更に、本発明における非結晶性ポリエステル樹脂の着色度としては、JIS K0071−2に規定するガードナー色数が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1以下であることが更に好ましい。前記ガードナー色数が3より大きい場合トナー樹脂としてトナーの帯電特性の劣化、画質むら、画質強度低下などの点で問題となる場合がある。さらに本トナーをフルカラートナーとして使用する場合においては、定着画像の色域、色再現性などの画質特性上も問題を生じる場合がある。
本発明においては、既述のようにチタン触媒を用いた場合においても、スルフォン酸基を含有する単量体を共重合させることにより、前記ガードナー色数を3以下とすることができる。
【0041】
本発明における非結晶性ポリエステル樹脂は、電子写真用トナーへの応用、特に低温定着性能を付与する場合においては、2次転移温度(Tg)が50℃以上70℃以下(より好ましくは53℃以上65℃以下)であり、軟化温度(フローテスターの(1/2)降下温度、Tm)が90℃以上120℃以下(より好ましくは100℃以上115℃以下)であることが好ましい。前記Tgが50℃より低いと、トナーとして使用するにあたり、粉体特性特にトナーのブロッキング、定着後の画像のブロッキングなどトナーとしてまた画像信頼性に問題を生じる場合がある。また、前記Tgが70℃より高いと、定着温度の上昇を招き、低温定着性の観点で問題となる場合がある。一方、前記Tmが90℃より低いと、定着での紙の定着機への巻きつき、いわゆるオフセットを引き起こしやすくその信頼性に問題を生じる場合がある。また、前記Tmが120℃より高いと定着温度の上昇を招き、低温定着性の観点で問題となる場合がある。
ここで、2次転移温度(Tg)は、昇温速度3℃/minで測定した値である。
また、軟化温度(Tm)は、高架式フローテスター[CFTー500](島津製作所製)を用い、ダイスの細孔の径1mm、加圧10kg/cm2 、昇温速度3℃/分の条件下で、1cm3 の試料を溶融流出させた時の流出開始点から終了点の高さの1/2に相当する温度である。
【0042】
本発明におけるさらに好ましい形態としては、非結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸単量体成分としてドデセニルコハク酸を、非結晶性ポリエステル樹脂の全酸成分中の1mol%以上20mol%以下(好ましくは3mol%以上15mol%以下)の割合で共重合している形態が挙げられる。長鎖の側鎖を有するドデセニルコハク酸を、全酸成分中の1mol%以上20mol%以下の割合で共重合することにより樹脂の十分な強靭性を付与することが可能であり、定着後の定着画像の紙への高い接着性、密着性、折り曲げ強さなど付与することが可能である。一方、前記ドデセニルコハク酸の共重合量が1mol%より少ないと十分な効果がない場合があり、20mol%より多いと樹脂の過度の内部可塑化により強靭性が低化してしまう場合がある。
【0043】
本発明の静電化現像用トナーにおいて、さらに低温定着性能を付与するためには、既述の非結晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性樹脂を含有させることが好ましい。この場合、用いる結晶性樹脂はトナー全体に対して3質量%以上50質量%以下含有することが好ましい。前記結晶性樹脂の含有量が30質量%より少ないと十分な結晶性樹脂による低温定着効果が得られない場合があり、前記結晶性樹脂の含有量が50質量%より多いとトナーとしての強度を著しく損ねることによるトナーのマシン内つぶれ、結晶性樹脂により引き起こされる電荷漏洩などの帯電課題が生じる場合がある。
【0044】
前記結晶性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂など種々挙げられるが、結晶性ポリエステル樹脂であることが最も好ましい。
【0045】
前記結晶性ポリエステル樹脂の構成成分としては、脂肪族ジオールと、脂肪族ジカルボン酸(酸無水物および酸塩化物を含む)とを反応させて得られる脂肪族ポリエステルが特に好ましい。
【0046】
前記結晶性ポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。2価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸、などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
【0047】
また、3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、酸成分として、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルフォン酸基を持つジカルボン酸成分を使用することもできる。該スルフォン酸基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。さらに、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有することもできる。2重結合を持つジカルボン酸は、2重結合を介して、ラジカル的に架橋結合させ得る点で定着時のホットオフセットを防ぐ為に好適に用いることができる。このようなジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級エステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でもコストの点で、フマル酸、マレイン酸等が好適なものとして挙げられる。
【0049】
結晶性ポリエステル樹脂における多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、主鎖部分の炭素数が2〜20である直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。前記脂肪族ジオールが分岐型では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下してしまう為、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び低温定着性が悪化してしまう場合がある。また、炭素数が20を超えると実用上の材料の入手が困難となり易い。前記炭素数としては14以下であることがより好ましい。
【0050】
結晶性ポリエステルの合成に好適に用いられる脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0051】
本発明の静電化現像用トナーは、結着樹脂成分として、非結晶性ポリエステル樹脂を含有し、さらに好ましい形態としての結晶性樹脂を併用し、これに着色剤、離型剤等を配合することにより得られる。
【0052】
前記着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料があげられる。クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラロゾンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などの種々の顔料などが挙げられ、これらは1種または2種以上を併せて使用することができる。
【0053】
前記離型剤としては、公知の離型剤であれば特に限定されないが、例えば、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス等の合成或いは鉱物・石油系ワックス、脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらの離型剤は、1種単独で用いても良く、2種以上併用しても良い。離型剤の融点は、保存性の観点から、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。また、耐オフセット性の観点から、110℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。
【0054】
その他、本発明の静電化現像用トナーには、必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機微粒子)、有機微粒子等の種々の成分を添加することができる。内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。帯電制御剤としては、例えば4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。また、無機粉体は主にトナーの粘弾性調整を目的として添加され、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム、酸化セリウム等の後記に詳細に列挙するような通常、トナー表面の外添剤として使用されるすべての無機微粒子が挙げられる。
【0055】
本発明の静電荷像現像用トナーは、以下の本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法により製造される。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも、1種類以上の非結晶性樹脂を含有する樹脂微粒子分散液と、着色剤を分散した着色剤分散液とを混合し、該樹脂微粒子及び着色剤を水系媒体中でトナー粒子径に凝集させて凝集体を形成し、これを加熱し融合させる静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記非結晶性樹脂の少なくとも1種が、既述の非結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする。
また、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、前記凝集体を形成した後、該凝集体表面に、少なくとも1種類の非結晶性ポリエステル樹脂を付着凝集させ、これを加熱し融合させることが好ましい。
【0056】
以上のように、本発明の静電荷像現像用トナーは、前記非結晶性ポリエステル樹脂を結着樹脂成分として、さらに好ましい形態としての結晶性樹脂を併用し、更に着色剤等を配合し電子写真用トナーとすることが可能である。具体的には従来からの混錬粉砕法または懸濁重合、乳化重合凝集法、溶解懸濁法など化学製法を用いる事が可能であるが、好ましい形態としてその画質特性の観点から化学製法がより好ましく、さらに好ましくは、粒度分布性に最も優れた乳化重合凝集法を挙げることが可能である。
【0057】
乳化重合凝集法におけるトナー製造においては、その結着樹脂成分を約1μm以下のサブミクロン粒子の水系乳化または分散液とすることが好ましいが、非結晶性ポリエステル樹脂(場合によっては結晶性樹脂も)の乳化、分散液の調製方法としては、予め重合された非結晶性ポリエステル樹脂(場合によっては結晶性樹脂も)をドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムなど通常用いられる界面活性剤、ポリアクリル酸などの高分子分散剤などを用いて水中に高せん断力をかけながら乳化、分散する方法が挙げられ、この際樹脂の融点、ガラス転移点以上に加熱し溶融させながら乳化、分散することもできる。さらに少量の有機溶剤を用いて樹脂を溶解しながら転相乳化を行う方法など通常の樹脂微粒子製造方法を用いることができる。この場合、剪断乳化分散としてはウルトラタラックス、クレアミックス、アルティマイザー、ゴーリンホモジナイザー、超音波分散機、遊星ボールミル、マイクロディスパーザー、キャビトロン等の装置を用いることが出来る。
【0058】
また、ラジカル重合性の非結晶性ポリエステル樹脂(場合によっては結晶性樹脂も)を用いる場合は乳化重合法などの高分子不均一系重合法を適用することも可能である。さらには特にミニエマルジョン法の様に予め重合された高分子樹脂をラジカル重合性ビニルモノマーに溶解後乳化分散しビニルモノマーを重合して樹脂微粒子を調製する方法なども利用可能であり、これら樹脂微粒子乳化分散液を得る手法において本発明はなんら制限されることはない。
【0059】
ここで用いる界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用することが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。アニオン界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。非イオン系界面活性剤としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
【0060】
ミニエマルジョン法においては、通常Ostwald Ripning現象を防ぐためにしばしば、ヘプタノールやオクタノールに代表される高級アルコール類、ヘキサデカンに代表される高級脂肪族炭化水素類が安定助剤として配合される。
乳化安定剤としては、前述の非イオン性界面活性剤が乳化安定剤としてもよく使用される。
【0061】
また、樹脂乳化の際に樹脂微粒子安定性をさらに付与するため乳化分散液のpH調整は有効であり、そのpH調整のために酸やアルカリを用いることもできる。このpHは、好ましくはpH7±2の範囲である。酸性度やアルカリ性度が高すぎると樹脂が加水分解する恐れがある。ここで用いるpH調整剤としては、水溶性の酸あるいはアルカリが挙げられる。例えば、塩酸、硫酸、酢酸、過塩素酸、炭酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0062】
次に本発明の乳化重合凝集法による静電荷現像用トナーの製造方法について詳述する。
本発明の乳化重合凝集法による静電荷現像用トナーの製造方法は、例えば、既述の非結晶性ポリエステル樹脂を含むエマルジョンを、前記着色剤の粒子分散液及び離型剤の粒子分散液と混合し、前記イオン性界面活性剤とは反対の極性を有するイオン性界面活性剤によりヘテロ凝集を生じさせることによりトナー径の凝集粒子を形成し(凝集工程)、その後、樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一し(融合工程)、洗浄、乾燥する(乾燥工程)ことにより得られる。なお、トナー形状は不定形から球形までのものが好ましく用いられる。また、凝集剤としては、該逆極性の界面活性剤のほか、無機塩、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。特に、金属錯体を用いると、界面活性剤の使用量が低減でき、帯電特性が向上するため、好ましい。
【0063】
また、前記凝集工程において、前記エマルジョン、着色剤粒子分散液及び離型剤粒子分散液を混合する初期の段階では、予め各極性のイオン性分散剤の量のバランスをずらしておき、ポリ塩化アルミニウム等の無機金属塩の重合体を添加してイオン的に中和し、その後、ガラス転移点以下の温度で第1段階の母体凝集粒子を形成し、安定した後、第2段階としてイオン的バランスのずれを補填するような極性、量のイオン性分散剤で処理された樹脂微粒子分散液を添加し、さらに必要に応じて凝集粒子中の樹脂微粒子と追加樹脂微粒子に含まれる樹脂のガラス転移点以下でわずかに加熱して、より高い温度で安定化させたのち、ガラス転移点以上に加熱することにより凝集形成の第2段階で加えた粒子を母体凝集粒子の表面に付着させたまま合一させたものでもよい。更にこの凝集の段階的操作は複数回、くり返し実施してもよい。この2段階法は離型剤と着色剤の内包性を向上させるのに有効である。
【0064】
凝集剤としては、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。前記無機金属塩としては、例えば、塩カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
【0065】
融合工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、付着凝集粒子の懸濁液のpHを6.5〜8.5の範囲にすることにより、凝集の進行を止めた後、結着樹脂のガラス転移点以上の温度で加熱を行うことにより付着凝集粒子を融合させる。
融合時の加熱温度は、凝集粒子中に含まれる結着樹脂のガラス転移点以上であれば問題無い。前記加熱の時間としては、融合により凝集粒子表面がなめされる程度行えばよく、0.5〜1.5時間程度行えばよい。それ以上時間を掛けるとコア凝集粒子に含まれる結晶性ポリエステルがトナー表面ヘ露出し易くなってしまう。これは、定着性、ドキュメント保存性には効果的であるが、帯電性に悪影響を及ぼすため、結晶性ポリエステルのトナー表面ヘの露出は好ましくない。
【0066】
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナーの粒子とすることができる。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、洗浄工程において、十分に洗浄することが好ましい。
【0067】
乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、任意の方法を採用することができる。トナーの粒子は、乾燥後の含水分率を1.0%以下、好ましくは0.5%以下に調整することが好ましい。
【0068】
上述のように乾燥工程を経て造粒されたトナー粒子は、その他の成分として、目的に応じて既述したような無機微粒子、有機微粒子等の公知の各種外添剤を添加することができる。
【0069】
外添剤としての無機微粒子として、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。中でも、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子が好ましく、疎水化処理された微粒子が特に好ましい。無機微粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。有機微粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用され、具体的には例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
【0070】
本発明に用いるトナーを磁性トナーとして用いる場合は、結着樹脂中に磁性粉を含有させてもよい。このような磁性粉としては、磁場中で磁化される物質を用いる。具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性粉末、又はフェライト、マグネタイト等化合物を使用できる。特に、本発明では、水層中でトナーを得るために、磁性体の水層移行性に注意を払う必要があり、表面改質、例えば疎水化処理等を施しておくのが好ましい。
【0071】
<静電荷像現像用現像剤>
本発明の静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
【0072】
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0073】
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。 キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
【0074】
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。前記二成分現像剤における本発明のトナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
【0075】
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法において、トナーとして、前記本発明の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする。前記現像剤は、一成分系、二成分系のいずれの態様であってもよい。上記の各工程は、いずれも画像形成方法において公知の工程が利用できる。また、本発明の画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよい。
【0076】
前記潜像保持体としては、例えば、電子写真感光体および誘電記録体等が使用できる。
電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着され、最終的なトナー像が形成される。
尚、前記定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、前記定着機における定着部材に離型剤が供給される。
【0077】
本発明のトナー(二成分現像剤に含まれるものを含む。以下同様。)において、結着樹脂中に架橋構造がある場合には、その効果から離型性に優れ、離型剤の使用量を低減する、若しくは離型剤を使用せずに定着を行うことができる。
前記定着部材に供給される離型剤は、定着後の被転写体および画像へのオイルの付着をなくす観点からは使用しな方が好ましいが、該離型剤の供給量を0mg/cm2にすると、定着時に前記定着部材と紙等の被転写体とが接触した際に、前記定着部材の磨耗量が増大し、前記定着部材の耐久性が低下してしまう場合があるので、必要ならば、前記離型剤の使用量が8.0×10-3mg/cm2以下の範囲で、前記定着部材に微量に供給されていることが好ましい。
前記定着部材に供給される離型剤の供給量が、8.0×10-3mg/cm2を超えると、定着後に画像表面に付着した離型剤のために画質が低下し、特にOHPのような透過光を利用する場合には、かかる現象が顕著に現れることがある。また、被転写体への離型剤の付着が顕著になり、ベタ付きが発生することもある。さらに、該離型剤の供給量は、多くなるほど離型剤を貯蔵しておくタンク容量も大きくしなければならず、定着装置自体の大型化を招く要因ともなる。
【0078】
前記定着部材に供給される離型剤としては、特に制限はないが、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル等の変性オイル等の液体離型剤が挙げられる。中でも、前記定着部材の表面に吸着し、均質な離型剤層を形成しうる観点より、アミノ変性シリコーンオイル等の変性オイルが、前記定着部材に対する塗れ性に優れ、好ましい。また、均質な離型剤層を形成しうる観点より、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルが好ましい。
前記定着部材に供給される離型剤として、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルを使用するのは、本発明の電子写真用トナーを用いない、従来の画像形成方法においては、離型剤自体の供給量を低減し得ないため、コストの面で実用的ではないが、本発明の電子写真用トナーを使用する場合においては、該離型剤の供給量を激減できるのでコスト面でも実用上問題がない。
【0079】
加熱圧着に用いる定着部材であるローラあるいはベルトの表面に、前記定着部材に供給される離型剤を供給する方法としては、特に制限はなく、例えば、液体離型剤を含浸したパッドを用いるパッド方、ウエブ方式、ローラ方式、非接触型のシャワー方式(スプレー方式)等が挙げられ、なかでも、ウエブ方式、ローラ方式が好ましい。これらの方式の場合、前記離型剤を均一に供給でき、しかも供給量をコントロールすることが容易な点で有利である。尚、シャワー方式により前記定着部材の全体に均一に該離型剤を供給するには、別途ブレード等を用いる必要がある。
前記定着部材に供給される離型剤の供給量は、以下のようにして測定できる。即ち、その表面に離型剤を供給した定着部材に、一般の複写機で使用される普通紙(代表的には、富士ゼロックス(株)製の複写用紙、商品名J紙)を通過させると、該普通紙上に離型剤が付着する。この付着した離型剤をソックスレー抽出器を用いて抽出する。ここで、溶媒にはヘキサンを用いる。
このヘキサン中に含まれる離型剤の量を、原子吸光分析装置にて定量することで、普通紙に付着した離型剤の量を定量できる。この量を離型剤の定着部材への供給量と定義する。
【0080】
トナー像を転写する被転写体(記録材)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
本発明の画像形成方法は、本発明の現像剤(本発明のトナー)を用いているため低温定着が可能であると共に、トナーが適正な摩擦帯電量を保持することができる。このため、画像形成に際して省エネルギー性に優れ、トナー飛散等の発生を防止しつつ良好な画像を形成することができる。
【実施例】
【0081】
以下に実施例として本発明を具体的に説明する。また実施例における結晶性樹脂組成、配合量と現像剤特性の比較表を表1にまとめた。しかし、本発明はこれらに実施例に限定されるものではない。
1.非結晶性ポリエステル樹脂の合成およびその分散液の調製
<非結晶性ポリエステル樹脂(1)の作製>
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:30mol%
フマル酸:69mol%
5−イソフタル酸スルフォン酸ナトリウム:1mol%(樹脂全体として0.5mol%)
(多価アルコール成分)
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:34 mol%
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:66 mol%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、上記多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を合計3質量部仕込み、1時間を要して190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、触媒Ti(OBu)4(多価カルボン酸単量体全量に対し、0.003質量%)を投入した。
【0082】
更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに6時間脱水縮合反応を継続し重合を行い、非結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。得られた非結晶性ポリエステル樹脂(1)の樹脂の分子量をGPCにて測定したところ、重量平均分子量9800(東ソー社製 HLC−8 120GPC、スチレン標準物質で換算)であった。また、示差走査熱量計(島津製作所製 DSC−50:昇温速度3℃/min)にて得られた樹脂の熱特性を測定した結果、Tg(2次転移温度)は60℃であった。更に、得られた樹脂の軟化温度(フローテスターの(1/2)降下温度、Tm)を高架式フローテスター[CFTー500](島津製作所製)を用い、ダイスの細孔の径1mm、加圧10kg/cm2 、昇温速度3℃/分の条件下で、1cm3 の試料を溶融流出させた時の流出開始点から終了点の高さの1/2に相当する温度として測定した結果、Tmは110℃であった。更に又、得られた樹脂を厚さ約500μになるようステンレス製スペーサーを用いてスライドグラスに金属性クリップにより挟み込み、ホットプレート上で樹脂を加熱溶融しその着色度をJIS K0071−2に規定されるガートナー色数標準液を用いて目視比較によるガードナー色数を求めたところその色数は1であった。
【0083】
<非結晶性ポリエステル樹脂(1)分散液の調製>
次いで、得られた非結晶性ポリエステル樹脂(1)を溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で160℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂(1)と同時にキャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に移送した。キャビトロンCD1010を回転子の回転速度が60Hz,圧力が5kg/cm2の条件で運転し、平均粒径が160μm体積平均粒子径、以下の平均粒子径は同様に測定)、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂(1)分散液を得た。
【0084】
<非結晶性ポリエステル樹脂(2)の作製>
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更したこと以外、前記非結晶性ポリエステル樹脂(1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(2)を作製用した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:30mol%
フマル酸:60mol%
5−イソフタル酸スルフォン酸ナトリウム:10mol%(樹脂全体として5mol%)
(多価アルコール成分)
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:100mol%
【0085】
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(2)について、非結晶性ポリエステル樹脂(1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が10300、Tgが65℃、Tmが118℃、ガードナー色数が3であった。
【0086】
<非結晶性ポリエステル樹脂(2)分散液の調製>
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂(2)について、非結晶性ポリエステル樹脂(1)分散液の調製と同様にして、平均粒径が150μm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂(2)分散液を調製した。
【0087】
<非結晶性ポリエステル樹脂(3)の作製>
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更したこと以外、前記非結晶性ポリエステル樹脂(1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(3)を作製した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:30mol%
フマル酸:48mol%
5−イソフタル酸スルフォン酸ナトリウム:20mol%(樹脂全体として10mol%)
ドデセニルコハク酸無水物:2mol%
(多価アルコール成分)
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:100mol%
【0088】
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(3)について、非結晶性ポリエステル樹脂(1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が10600、Tgが63℃、Tmが115℃、ガードナー色数が2であった。
【0089】
<非結晶性ポリエステル樹脂(3)分散液の調製>
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂(3)について、非結晶性ポリエステル樹脂(1)分散液の調製と同様にして、平均粒径が155μm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂(3)分散液を調製した。
【0090】
<非結晶性ポリエステル樹脂(4)の作製>
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更したこと以外、前記非結晶性ポリエステル樹脂(1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(4)を作製した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:30mol%
フマル酸:40mol%
5−イソフタル酸スルフォン酸ナトリウム:30mol%(樹脂全体として15mol%)
(多価アルコール成分)
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:100mol%
【0091】
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(4)について、非結晶性ポリエステル樹脂(1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が9000、Tgが59℃、Tmが105℃、ガードナー色数が2であった。
【0092】
<非結晶性ポリエステル樹脂(4)分散液の調製>
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂(4)について、非結晶性ポリエステル樹脂(1)分散液の調製と同様にして、平均粒径が145μm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂(4)分散液を調製した。
【0093】
<非結晶性ポリエステル樹脂(5)の作製>
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更したこと以外、前記非結晶性ポリエステル樹脂(1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(5)を作製した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:60mol%
フマル酸:20mol%
5−イソフタル酸スルフォン酸ナトリウム:10mol%(樹脂全体として5mol%)
ドデセニルコハク酸無水物:10mol%
(多価アルコール成分)
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:100mol%
【0094】
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(5)について、非結晶性ポリエステル樹脂(1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が10100、Tgが55℃、Tmが95℃、ガードナー色数が2であった。
【0095】
<非結晶性ポリエステル樹脂(5)分散液の調製>
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂(5)について、結晶性ポリエステル樹脂(1)分散液の調製と同様にして、平均粒径が148μm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂(5)分散液を調製した。
【0096】
<非結晶性ポリエステル樹脂(6)の作製>
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更したこと以外、前記非結晶性ポリエステル樹脂(1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(6)を作製用した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:60mol%
フマル酸:40mol%
(多価アルコール成分)
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:100mol%
【0097】
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(6)について、非結晶性ポリエステル樹脂(1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が9000、Tgが67℃、Tmが125℃、ガードナー色数が4であった。
【0098】
<非結晶性ポリエステル樹脂(6)分散液の調製>
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂(6)について、非結晶性ポリエステル樹脂(1)分散液の調製と同様にして、平均粒径が184μm、固形分量が30質量部の結晶性ポリエステル樹脂(6)分散液を調製した。
【0099】
2.結晶性ポリエステル樹脂の合成およびその分散液の調製
<結晶性ポリエステル樹脂(7)の作製>
三ッ口フラスコに1,9−ノナンジオール10mol及び1,10−ドデカンニ酸 10molと触媒Ti(OBu)4(酸成分に対し、0.014質量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて未反応のモノマー分を除去し、220℃まで徐々に昇温を行い、12時間攪拌し、粘稠な状態となったところでサンプリングし、結晶性ポリエステル樹脂(7)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(7)をGPCにて分子量を確認したところ、重量平均分子量18000(東ソー社製 HLC−8 120GPC、スチレン標準物質で換算)であった。また、示差走査熱量計(島津製作所製 DSC−50:昇温速度3℃/min)にて樹脂の熱特性を測定した結果75℃の融点を有した。
【0100】
<結晶性ポリエステル樹脂(7)分散液の調製>
次いで、結晶性ポリエステル樹脂(7)を用い、樹脂微粒子分散液を調製した。
結晶性ポリエステル樹脂(7):90質量部
イオン性界面活性剤ネオゲンRK (第一工業製薬):1.8質量部
イオン交換水:210質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、平均粒径が200nm、固形分量が30質量部の結晶性ポリエステル樹脂(7)分散液を得た。
【0101】
3.離型剤分散液の調製
・エステルワックス(日本油脂(株)製:WE−2、融点65℃):50質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):5質量部
・イオン交換水:200質量部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が230nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:20質量%)を調製した。
【0102】
4.着色剤分散液の調製
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):100質量部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):15質量部
・イオン交換水:900質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散して着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の平均粒径は、0.15μm、着色剤粒子濃度は23質量%であった。
【0103】
<実施例1>
「トナー粒子(1)の製造」
・非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):800質量部(固形分240質量部)
・着色剤分散液:22.87質量部(固形分 5.3質量部)
・離型剤分散液:50質量部(固形分 10質量部)
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):0.5質量部
【0104】
上記原料の内、非結晶性ポリエステル樹脂(1)224質量部(固形分67質量部)を残して、を5Lの円筒ステンレス容器に入れ、Ultraturraxにより8000rpmでせん断力を加えながら30分間分散混合する。ついで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液0.14質量部を滴下した。またこの際、原料分散液のpHは4.2〜4.5の範囲に制御した。必要に応じて、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液でpH調整を行った。その後、攪拌装置、温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し加熱し、40℃にて付着凝集粒子の成長を促進させ、体積平均粒子径が5.0μmになった時点で、先に取り分けた非結晶性ポリエステル樹脂(1)224質量部を徐々に添加し、温度を50℃まで昇温させ、粒子径を6.0μmとした。さらにpHを9.0に上げた後、95℃まで昇温させ95℃で6時間保持した後pHを6.5まで徐々に下げた後、加熱を止め、放冷した。その後45μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後凍結乾燥機で乾燥しトナー粒子(1)を得た。コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;コールター社製)を用いて最終トナー粒子の体積平均粒子径を測定した結果、粒径が6.1μm、体積平均粒子径分布が1.21であった。乾燥後のトナー中に含まれるチタン含有量を蛍光X線にて別途作製した検量線を用いて測定したところチタン含有量は10ppmであった。
【0105】
「静電荷像現像剤(1)の作製および評価」
得られたトナー粒子(1) 100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、静電荷像現像用トナー(1)を得た。
一方、フェライト粒子(パウダーテック社製、平均粒径50μm)100部とメタクリレート樹脂(菱レイヨン社製、分子量95000)1部とを、トルエン500部と共に加圧式ニーダーに入れ、常温で15分間混合した後、減圧混合しながら70℃まで昇温し、トルエンを留去した後、冷却し、105μmの篩を用いて分粒することにより、フェライトキャリア(樹脂被覆キャリア)を作製した。このフェライトキャリアと、上記静電荷像現像用トナー(1)とを混合し、トナー濃度が7質量%である二成分系の静電荷像現像剤(1)を作製した。この静電荷像現像剤を用いて80%RH、28℃の環境下での帯電量(μC/g)の絶対値をブロ電量測定装置で測定し評価した結果、そのトナー帯電量は−42μC/gの良好な初期帯電性を示した。また同環境条件で現像剤を1週間保持した後の帯電量を測定した結果、初期帯電量に対して94%の帯電量を保持し良好な帯電維持特性を示した。
【0106】
さらに定着性、画質の評価として、富士ゼロックス社製Docu Centre Color500CP改造機を用いて画像形成を行い、定着温度、初期画質および10000枚後の画質評価を行った。詳しくは、定着温度は定着温度可変な外部定着器を用いて測定した。また、画質特性としてトナーの粒度分布、帯電特性(初期帯電および帯電劣化)に由来する画質欠陥としてトナーの飛び散り、画像濃度、画像濃度むらを目視にて評価した(画質特性)。その結果、定着温度は118℃で従来に比較して低温度で定着可能であり、画質特性としてトナーの飛び散りもなく、十分な画像濃度と均一な画質が得られ実用上問題ない良好な画質特性が得られた。ここで、表1に記載の画質特性評価は下記基準で評価したものである。
尚、富士ゼロックス社製Docu Centre Color500CP改造機による画像記録は、潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを含む画像記録である。
【0107】
(画像特性の評価基準)
○:トナーの飛び散りがなく、画質濃度、画質均一性が良好である。
△:トナーの飛び散り、画質のムラが若干あるが、実用上問題のないレベルである。
×:トナーの飛び散り、画質のムラがあり、実用上問題のあるレベルである。
【0108】
<実施例2>
「トナー粒子(2)の製造」
実施例1におけるトナー粒子(1)の製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1) 800質量部の代わりに、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(2) 672.1質量部を用い、さらに結晶性ポリエステル樹脂分散液(7) 127.9質量部を用いた以外、実施例1と同様にして、トナー粒子(2)を製造した。コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;コールター社製)を用いて最終トナー粒子の体積平均粒子径を測定した結果、粒径が5.8μm、体積平均粒子径分布が1.24であった。またチタン含有量は、100ppmであった。
【0109】
「現像剤の作製および画質評価」
トナー粒子(2)を用いて実施例1と同様に静電荷像現像剤(2)を作製し、実施例1と同様に評価を行った。その結果トナー帯電量は−41μC/g、その1週間の帯電保持率は92%の良好な帯電特性を示した。さらに定着温度は105℃で従来にない低温度で可能であり、画質特性としてトナーの飛び散りもなく、十分な画像濃度と均一な画質が得られ実用上問題ない良好な画質特性が得られた。
【0110】
<実施例3>
「トナー粒子(3)の製造」
実施例1におけるトナー粒子(1)の製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1) 800質量部の代わりに、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(3) 629.5質量部を用い、さらに結晶性ポリエステル樹脂分散液(7) 170.5質量部を用いた以外、実施例1と同様にして、トナー粒子(3)を製造した。コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;コールター社製)を用いて最終トナー粒子の体積平均粒子径を測定した結果、粒径が6.2μm、体積平均粒子径分布が1.24であった。またチタン含有量は、150ppmであった。
【0111】
「現像剤の作製および画質評価」
トナー粒子(3)を用いて実施例1と同様に静電荷像現像剤(3)を作製し、実施例1と同様に評価を行った。その結果トナー帯電量は−47μC/g、その1週間の帯電保持率は96%の良好な帯電特性を示した。さらに定着温度は103℃で従来にない低温度で可能であり、画質特性としてトナーの飛び散りもなく、十分な画像濃度と均一な画質が得られ実用上問題ない良好な画質特性が得られた。
【0112】
<実施例4>
「トナー粒子(4)の製造」
実施例1におけるトナー粒子(1)の製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1) 800質量部の代わりに非結晶性ポリエステル樹脂分散液(4) 586.8質量部を用い、さらに結晶性ポリエステル樹脂分散液(7) 213.2質量部を用いた以外、実施例1と同様にして、トナー粒子(4)を製造した。コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;コールター社製)を用いて最終トナー粒子の体積平均粒子径を測定した結果、6.4μm、体積平均粒子径分布は1.24であった。またチタン含有量は、200ppmであった。
【0113】
「現像剤の作製および画質評価」
トナー粒子(4)を用いて実施例1と同様に静電荷像現像剤(4)を作製し、実施例1と同様に評価を行った。その結果トナー帯電量は−46μC/g、その1週間の帯電保持率は95%の良好な帯電特性を示した。さらに定着温度は98℃で従来にない低温度で可能であり、画質特性としてトナーの飛び散りもなく、十分な画像濃度と均一な画質が得られ実用上問題ない良好な画質特性が得られた。
【0114】
<実施例5>
「トナー粒子(5)の製造」
実施例1におけるトナー粒子(1)の製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1) 800質量部の代わりに非結晶性ポリエステル樹脂分散液(5) 672.1質量部を用い、さらに結晶性ポリエステル樹脂分散液(7)を127.9質量部を用いた以外、実施例1と同様に行った。コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;コールター社製)を用いて最終トナー粒子の体積平均粒子径を測定した結果、5.5μm、体積平均粒子径分布は1.25であった。またチタン含有量は、50ppmであった。
【0115】
「現像剤の作製および画質評価」
トナー粒子(5)を用いて実施例1と同様に現像剤を作製し、画質評価を行った。そのトナー帯電量は−41μC/g、その1週間の帯電保持率は93%の良好な帯電特性を示した。さらに定着温度は100℃で従来にない低温度で可能であり、画質特性としてトナーの飛び散りもなく、十分な画像濃度と均一な画質が得られ実用上問題ない良好な画質特性が得られた。
【0116】
<比較例1>
「トナー粒子(6)の製造」
実施例1におけるトナー粒子(1)の製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の代わりに非結晶性ポリエステル樹脂分散液(6) 800質量部を用いた以外、実施例1と同様に行った。コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;コールター社製)を用いて最終トナー粒子の体積平均粒子径を測定した結果、5.9μm、体積平均粒子径分布は1.24であった。また含有チタン量は、100ppmであった。
【0117】
「現像剤の作製および画質評価」
トナー粒子(6)を用いて実施例1と同様に現像剤を作製し、画質評価を行った。そのトナー帯電量は−10μC/gの低い帯電性を示し、その1週間後の帯電保持率は65%で帯電量の変動が大きく実用上大きな問題を生じた。さらに定着温度は145℃であり、画質特性としてトナーの飛び散りが顕著に観察され、初期画像濃度とその均一性が不充分であり実用上問題であった。
【0118】
<比較例2>
「トナー粒子(7)の製造」
実施例1におけるトナー粒子(1)の製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の代わりに非結晶性ポリエステル樹脂分散液(6) 629.5質量部を用い、さらに結晶性ポリエステル樹脂分散液(7)を170.5質量部を用いた以外、実施例1と同様に行った。コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;コールター社製)を用いて最終トナー粒子の体積平均粒子径を測定した結果、6.1μm、体積平均粒子径分布は1.23であった。また含有チタン量は、100ppmであった。
【0119】
「現像剤の作製および画質評価」
トナー粒子(7)を用いて実施例1と同様に現像剤を作製し、画質評価を行った。そのトナー帯電量は−11μC/gの低い帯電性を示し、その1週間後の帯電保持率は46%で帯電量の変動が大きく実用上大きな問題を生じた。さらに定着温度は120℃であり、従来に比較して低温度での定着は可能であったが、画質特性としてトナーの飛び散りが顕著に観察され、初期画像濃度とその均一性が不充分であり実用上問題であった。
【0120】
【表1】


【0121】
以上の結果より、実施例1〜5は、トナーの定着特性、帯電特性、画質特性において全ての特性を満足し、これまで困難とされてきた低温度定着特性とその他トナーとして重要な帯電性を両立し優れた画質特性を有する画像方法を提供することがわかる。




 

 


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