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発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3963(P2007−3963A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185953(P2005−185953)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100086298
【弁理士】
【氏名又は名称】船橋 國則
発明者 宍倉 俊一郎 / 塚田 茂 / 山▲崎▼ 直哉 / 荒武 正幸
要約 課題
現像器等の状態検知を通じて良好な形成画像を行うことを可能にしつつ、その場合であっても装置構成の複雑化や画像形成の生産性低下等を抑制する。

解決手段
ロータリユニット4の回転により複数の現像器11が順次像担持体1と対向する現像位置へ移動するとともに、前記現像位置にある現像器11が前記像担持体1上の静電潜像を顕像化する画像形成装置において、各現像器11のそれぞれに、当該現像器11の状態または当該現像器11の構成ユニットの状態の少なくとも一方を検知する状態検知手段14を備える。そして、各現像器11が備える状態検知手段14は、いずれも、当該状態検知手段14を備える現像器11が前記現像位置にあるときに状態検知を行うようにする。
特許請求の範囲
【請求項1】
回転軸周りに複数の現像器を装備するロータリユニットを備え、当該ロータリユニットの回転により前記複数の現像器が順次像担持体と対向する現像位置へ移動するとともに、前記現像位置にある現像器が前記像担持体上の静電潜像を顕像化するように構成された画像形成装置において、
前記複数の現像器は、それぞれが、当該現像器の状態または当該現像器の構成ユニットの状態の少なくとも一方を検知する状態検知手段を備えており、
各現像器が備える状態検知手段は、いずれも、当該状態検知手段を備える現像器が前記現像位置にあるときに状態検知を行うものである
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の現像器のいずれか一つが前記現像位置にある状態で、当該現像位置にある現像器における状態検知手段と信号授受を行うための電極を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の現像器は、前記ロータリユニットの周上における配置ピッチが不均一ピッチで当該ロータリユニットに装備されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記状態検知手段は、前記現像位置にて前記像担持体上の静電潜像顕像化のために駆動中である現像器または当該現像器の構成ユニットについて、その状態検知を行うものである
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ロータリユニットを回転させる駆動手段を備えるとともに、
前記駆動手段は、前記像担持体上の静電潜像顕像化のためとは別に、状態検知の対象となる現像器または状態検知の対象となる構成ユニットを有する現像器を、前記現像位置へ移動し当該現像位置に位置させるものである
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記現像器または当該現像器の構成ユニットについての状態変化を予測する予測手段を備えるとともに、
前記状態検知手段は、前記予測手段による予測結果を前記現像器または当該現像器の構成ユニットに対する状態検知の実行条件の一つとする
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体上の静電潜像を現像器で顕像化することで、記録媒体上への可視画像の印刷出力を行うことを可能にする画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー画像に対応可能な画像形成装置が広く普及している。カラー画像に対応する画像形成装置としては、YMCKの各色成分に対応した四つの現像器を備えるとともに、各現像器を回転軸周りに装備したロータリ(回転体)ユニットを備えたものがある。このような構成の画像形成装置では、ロータリユニットの回転に伴って各現像器が一体的に回転し、これにより各現像器が順次像担持体である感光体ドラムと対向する現像位置に移動することになる。したがって、現像位置にある現像器が感光体ドラム上の静電潜像をトナー像によって顕在化した後そのトナー像を中間転写体等に転写し、これを各現像器によるトナー像について中間転写体等の上で重ね合わせるように順次繰り返せば、その中間転写体等の上にカラー画像に対応した転写像が形成されるのである。
【0003】
ところで、一般に、電子写真方式の画像形成装置では、トナー像によって感光体ドラム上の静電潜像を顕在化するため、トナー濃度やトナー残量等が形成画像の画質に大きな影響を与える。このことから、従来、ロータリユニットを備えてカラー画像に対応する画像形成装置においては、トナー濃度、トナー残量、現像器のロータリユニット内所定位置へ装着有無、現像器の構成ユニットであるトナーカートリッジの装着有無等について、これらを専用センサ等で検知して監視し、これにより形成画像の画質を良好に維持することが提案されている。具体的には、例えばロータリユニットの外周面に近接する固定位置に専用センサ等を配し、その固定位置に対向する現像器について、その状態検知を行ったり(例えば、特許文献1〜6)、あるいはロータリユニットにおける現像器にトナー濃度等を検知するセンサを配し、光通信手段およびカレントトランスを用いてそれぞれのセンサとの信号授受および電力供給を行うことが提案されている(例えば、特許文献7)。また、ロータリーユニット内現像器の現像を行うための駆動は、モーターのスペース確保・電力供給等の制限から、通常現像位置に回転移動して停止した現像機に対してのみロータリー外部に配置されたモータ等の駆動源から行われる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−175131号公報
【特許文献2】特開2000−227707号公報
【特許文献3】特許第3170500号公報
【特許文献4】特許第3170500号公報
【特許文献5】特開平4−349480号公報
【特許文献6】特開平7−225513号公報
【特許文献7】特開2000−231255号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のロータリユニットを備えた画像形成装置では、トナー濃度、トナー残量、現像器の装着有無等といった現像器の状態若しくはトナーカートリッジの装着有無等といった現像器の構成ユニットの状態についての検知、またはこれらの検知結果についての信号取り出しを、感光体ドラム上の静電潜像を顕像化する位置にない現像器に対して行うようになっている。すなわち、現像器またはその構成ユニットについての状態検知を、現像位置以外の位置にある現像器に対して行う。
【0006】
そのため、静電潜像顕像化の最中にある現像器については、その状態検知を行うことができず、例えばトナー濃度のように、現像器の駆動状態にて検知を行うことで高精度な情報を得られる性質の物理量に対して、必ずしも十分な検知精度が得られるとは限らない。
【0007】
また、ロータリユニットを備えた画像形成装置の中には、そのロータリユニットの外周上において、各現像器の配置ピッチが不均一となっているものもある。カラー画像の形成のみならず白黒画像の形成にも対応する場合には、YMCKの各色成分のトナーの消費量が必ずしも一律とはならず、トナー消費量の多い色成分の現像機におけるトナーカートリッジの容量を増大させれば、トナー補給の頻度を軽減させ得るからである。
ところが、不均一ピッチで各現像器が配置されていると、全ての現像器が必ず停止する同一位置が現像位置のみとなる。したがって、現像位置以外の位置にて状態検知を行う場合には、各現像器に対する状態検知を行うために、専用センサやその検知信号授受手段等を複数箇所に配するか、あるいはいずれの現像器も現像位置にない場合にロータリユニットを停止させる必要が生じてしまう。つまり、不均一ピッチの現像器配置に対応するためには、装置構成の複雑化や画像形成の生産性低下等を招いてしまうおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、現像器等の状態検知を十分な検知精度で行うことによって良好な画像形成を実現可能にしつつ、その場合であっても装置構成の複雑化や画像形成の生産性低下等を招いてしまうことのない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために案出された画像形成装置である。すなわち、回転軸周りに複数の現像器を装備するロータリユニットを備え、当該ロータリユニットの回転により前記複数の現像器が順次像担持体と対向する現像位置へ移動するとともに、前記現像位置にある現像器が前記像担持体上の静電潜像を顕像化するように構成された画像形成装置において、前記複数の現像器は、それぞれが、当該現像器の状態または当該現像器の構成ユニットの状態の少なくとも一方を検知する状態検知手段を備えており、各現像器が備える状態検知手段は、いずれも、当該状態検知手段を備える現像器が前記現像位置にあるときに状態検知を行うものであることを特徴とする。
【0010】
上記構成の画像形成装置では、ロータリユニットに装備された各現像器が状態検知手段を備えており、その状態検知手段が当該現像器の状態または当該現像器の構成ユニットの状態の少なくとも一方を検知する。「現像器の状態」とは、静電潜像の顕像化に影響を及ぼす事項についての状態をいい、具体的には静電潜像の顕像化に用いるトナーの濃度や残量、現像器自体のロータリユニットへの装着有無、現像器が記憶憶保持する属性情報の内容等についての状態が挙げられる。「現像器の構成ユニットの状態」も同様に、静電潜像の顕像化に影響を及ぼす事項についての状態をいい、具体的には現像器を構成するトナーカートリッジの装着有無等についての状態が挙げられる。また、「少なくとも一方」を検知すればよいので、上記の事項のいずれか一つを検知するものであっても、あるいは複数の事項を併せて検知するものであってもよい。
さらに、上記構成の画像形成装置では、各現像器の備える状態検知手段が、当該現像器が現像位置にあるときに状態検知を行うようになっている。「現像位置」は、像担持体と対向する位置で、その像担持体上の静電潜像を顕像化するために各現像器が順次移動して停止する位置である。したがって、現像器が静電潜像顕像化を行っている最中にも状態検知を行い得るようになる。しかも、唯一の位置である現像位置での状態検知が行えればよいため、現像器が現像位置以外にある場合にその現像器について状態検知を行うための構成を要することもない。しかも、例えばロータリユニット外周上での各現像器の配置ピッチが均一であっても、あるいは不均一であっても、現像位置には各現像器が必ず停止することから、いずれの現像器も現像位置にない場合に状態検知を行うべくロータリユニットの回転を停止させる、といったことが必要ない。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明に係る画像形成装置では、現像器が現像位置にあるときに状態検知を行うことから、静電潜像顕像化を行っている最中にも状態検知を行うことが可能となり、例えばトナー濃度のように現像器駆動状態にて検知を行うことで高精度な情報を得られる性質の物理量に対しても十分な検知精度を得ることが可能となる。また、唯一の位置である現像位置での状態検知が行えればよいため、ロータリユニットの周上の複数箇所にて状態検知を行うといった必要がなく、その状態検知のための装置構成の複雑化を抑制することができる。さらには、ロータリユニット外周上での各現像器の配置ピッチが均一であっても、あるいは不均一であっても、現像器が現像位置にあるときに状態検知を行えばよいことから、現像器を現像位置以外に位置させるためのロータリユニットの回転停止を行う必要がなく、画像形成の生産性低下を招くこともない。
したがって、本発明に係る画像形成装置によれば、現像器等の状態検知を十分な検知精度で行うことによって良好な画像形成を実現可能にしつつ、その場合であっても装置構成の複雑化や画像形成の生産性低下等を招いてしまうのを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づき本発明に係る画像形成装置について説明する。
【0013】
〔基本的構成の一例の説明〕
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例における要部構成を示す説明図である。図例のように、ここで説明する画像形成装置は、感光体ドラム等からなる像担持体1と、像担持体1を帯電させる帯電器2と、像担持体1上への露光を行って静電潜像を書き込むROS(Raster Output Scanner)3と、像担持体1上の静電潜像をトナー像によって顕在化するための現像器を装備したロータリユニット4と、像担持体1上のトナー像を中間転写体ベルト5上に転写する転写器6と、像担持体1上の残留トナーを除去するクリーニング器7と、を備えて構成されている。
【0014】
このうち、ロータリユニット4は、カラー画像の形成に対応すべく、YMCKの各色成分に対応した四つの現像器11を備えるとともに、各現像器11を回転軸12周りに装備している。そして、回転軸12を中心にして回転することで、各現像器11が一体的に回転するように構成されている。ロータリユニット4の回転は、図示せぬモータ等の駆動源によって行われるとともに、同じく図示せぬモータコントローラ等の回転制御手段によってその回転駆動が制御されるようになっている。すなわち、回転制御手段の駆動制御によって、ロータリユニット4は、回転を開始するとともに、所望位置での回転停止を行うのである。なお、回転制御手段によるロータリユニット4の駆動制御の手法は、公知技術を利用すればよいため、ここではその説明を省略する。
【0015】
ロータリユニット4に装備される各現像器11は、いずれも、例えば周知の二成分現像剤であるトナーを用いて、像担持体1上の静電潜像を顕像化するのものである。そのために、各現像器11は、その構成ユニットとして、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)またはK(クロ)の各色成分に対応したトナーを収納するトナーカートリッジ13を有している。このトナーカートリッジ13は、トナー補給の容易化のため、現像器11に対して着脱可能に構成されている。また、現像器11についても、その保守の容易化のために、ロータリユニット4に対して着脱可能に構成されているものとする。なお、着脱を可能とする機構については、公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその説明を省略する。
【0016】
また、ロータリユニット4に装備される各現像器11は、そのロータリユニット4の周上における配置ピッチが均一ピッチとなるように、そのロータリユニット4に装備されている。つまり、ロータリユニット4に装備される現像器11は四つなので、これらの現像器11によってロータリユニット4の外周長さは均等に四分割されている。
【0017】
ただし、各現像器11のロータリユニット4の周上における配置ピッチは、必ずしも均一ピッチである必要はなく、不均一ピッチでそのロータリユニット4に各現像器11が装備されていてもよい。
一般に、カラー画像に対応する画像形成装置は、カラー画像の形成のみならず、白黒画像の形成を行うこと可能性もある。そのため、YMCKの各色成分のトナーの消費量は、必ずしも一律ではない。そのため、トナー消費量の多い各色成分について、現像機におけるトナーカートリッジの容量を増大させれば、トナー補給の頻度を軽減させる上で有効なものとなる。このことから、トナー消費量の多い色成分、具体的にはK色成分に対応した現像器11については、そのトナーカートリッジ13の容量を、他の色成分に対応した現像器11より大型化することが考えられる。
このように、K色成分に対応した現像器11のトナーカートリッジ13の容量を大型化すれば、各現像器11の配置ピッチは、ロータリユニット4への装備状態で不均一ピッチとなるのである。
【0018】
ロータリユニット4の周上における各現像器11の配置ピッチが均一ピッチのものであっても、あるいは不均一ピッチのものであっても、そのロータリユニット4に装備された現像器11は、現像位置にて駆動されるようになっている。「現像位置」とは、像担持体1と対向する位置で、その像担持体1上の静電潜像を顕像化するために各現像器11が順次移動して停止する位置である。すなわち、現像位置にある現像器11は、その現像位置で駆動されて、その現像位置にて像担持体1上の静電潜像を顕像化するのである。なお、このときの現像器11の駆動には、トナーカートリッジ13内のトナー搬送のために設けられたオーガ(羽根式等)の駆動等も含まれる。
【0019】
ところで、トナー像によって像担持体1上の静電潜像の顕像化する場合には、トナー濃度やトナー残量等が形成画像の画質に大きな影響を与える。このことから、ロータリユニット4に装備された各現像器11には、それぞれに、当該現像器11の状態または当該現像器11の構成ユニットの状態の少なくとも一方を検知するための状態検知手段14が付設されている。
【0020】
ここで、状態検知手段14が検知する現像器11の状態とは、静電潜像の顕像化に影響を及ぼす事項についての状態をいい、具体的には静電潜像の顕像化に用いるトナーの濃度や残量、現像器11自体のロータリユニット4への装着有無、現像器11が記憶保持する属性情報の内容等についての状態が挙げられる。
また、状態検知手段14が検知する現像器11の構成ユニットの状態とは、現像器11の状態との場合と同様に、静電潜像の顕像化に影響を及ぼす事項についての状態をいい、具体的には現像器11を構成するトナーカートリッジ13の装着有無についての状態が挙げられる。
なお、状態検知手段14は、現像器11の状態または当該現像器11の構成ユニットの状態の少なくとも一方を検知するものであればよい。すなわち、上記の事項のいずれか一つを検知するものであっても、あるいは複数の事項を併せて検知するものであってもよい。
【0021】
具体的には、状態検知手段14として、以下に述べるようなものが挙げられる。
例えば、検知対象事項がトナー濃度であれば、状態検知手段14として、透磁率型のセンサを用いることが考えられる。また、透磁率型センサに付随してピーク検出回路を設けることが望ましい。ピーク検出回路では、透磁率型センサによる検知信号に対するサンプリングを行って、オーガ周期で発生する信号のピーク値をトナー濃度の検知結果とする。また、ピーク検出回路は、ハードウエア構成のみからなるものではなく、オーガ複数周期分の多数データをサンプリング後にピーク値を演算で算出するソフトウエア構成を含むものであってもよい。なお、透磁率型センサおよびピーク検出回路の詳細については、公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその説明を省略する。また、トナー濃度の検知については、透磁率型センサおよびピーク検出回路以外の他の公知技術を利用して行ってもよいことは勿論である。
【0022】
また、例えば、検知対象事項がトナー残量であれば、状態検知手段14として、透過型光センサを用いることが考えられる。具体的には、各現像器11に透過型光センサを設けるとともに、各現像器11におけるトナーカートリッジ13のそれぞれに透明窓と、その透明窓から覗けるカートリッジ内側壁面に反射面とを設け、非接触でトナーカートリッジ内のトナー残量を検知する。また、一般に使用される残量検知センサで、検知面の振動を検知し得るとともにし、その検知面に接触する粉体(トナー)があると振動が抑制されることを利用して、電気的抵抗として接触体の有無を判定するものを用いることも考えられる。すなわち、トナー残量の検知についても、透過型光センサ以外の他の公知技術を利用して行ってもよい。
【0023】
また、例えば、検知対象事項が現像器11自体の装着有無またはトナーカートリッジ13の装着有無であれば、状態検知手段14として、反射型光センサを用いることが考えられる。具体的には、各現像器11に反射型光センサを配するとともに、検知対象となる各現像器11または各トナーカートリッジ13の装着箇所壁面等に反射板を設けることで、各現像器11または各トナーカートリッジ13について、非接触でその有無を検知することが考えられる。この装着有無の検知についても、他の公知技術を利用して行ってもよい。
【0024】
さらに、例えば、検知対象事項が現像器11についての属性情報の内容であれば、状態検知手段14として、各現像器11または各トナーカートリッジ13が有するメモリとの間のデータ授受手段を用いることが考えられる。データ授受手段としては、電磁的な通信手段(アンテナ手段)を設け、その通信手段から発せられる電波をエネルギーに変換することで、現像器11が有するメモリとの間でのデータ授受を非接触で行い、これによりメモリ内に格納されている属性情報を検知することが考えられる。ここで、メモリ内に格納されている属性情報としては、トナーカートリッジ13内におけるトナーの製造ロット、充填量、製造年月日、トナーの形状係数、平均粒径、初期物理特性(帯電性)等の製造情報が挙げられる。これらの製造情報は、工場出荷時等には既にメモリ内に書き込まれているものである。また、その他にも、属性情報としては、画像形成装置(現像機またはトナーカートリッジ)が処理した画像形成頁数、駆動時間、温湿度履歴等の履歴情報が挙げられる。これらの履歴情報は、装置稼働状況に応じて、適宜、通信手段を介してメモリ内に書き込まれるものとする。なお、通信手段を介したデータ授受については、公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその説明を省略する。
【0025】
以上のような状態検知手段14に対する電源供給のために、また状態検知手段14による検知結果の画像形成装置本体側への出力のために、各現像器11には、それぞれに付設された状態検知手段14と導通する第一の電極15が設けられている。
一方、画像形成装置本体側には、その第一の電極15と対をなす第二の電極16が設けられている。
これら第一の電極15と第二の電極16とが対をなすように、それぞれが近接位置で対向すると、これらの間では、上述した電磁的な通信手段の場合と同様に、動作電圧または検知結果データの授受(以下、単に「信号授受」という)を行い得るようになっている。なお、この電圧またはデータの授受についても、公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその説明を省略する。
【0026】
ただし、第二の電極16は、現像位置にある現像器11が有する第一の電極15と対をなすように一つのみが配されている。すなわち、第二の電極16は、複数の現像器11のいずれか一つが現像位置にある状態で、その現像位置にある現像器11における状態検知手段14と信号授受を行うためのものである。したがって、各現像器11のそれぞれに状態検知手段14が付設され、各状態検知手段14のそれぞれに第一の電極15が導通している場合であっても、現像位置にある現像器11における第一の電極15のみが、第二の電極16との間で信号授受を行うようになっている。
【0027】
〔処理動作例の説明〕
次に、本発明に係る画像形成装置での特徴的な処理動作例について説明する。
図2は、本発明に係る画像形成装置での特徴的な処理動作例による状態遷移の具体例を示す説明図であり、図3は、その処理動作例の概要手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、各現像器11が不均一ピッチで構成されている場合の処理動作を例に挙げて説明し、図1のように各現像器11が均一ピッチである場合については、不均一ピッチの場合と大きな相違がないことから、その説明を省略する。
【0028】
ここで説明する画像形成装置では、装置停止時には、像担持体1等の負担を軽減するために、各現像器11のいずれもが像担持体1とは対向しない状態にあるホームポジションでロータリユニット4が停止している(図2(a)参照)。
【0029】
その後、画像形成動作を開始すると、回転制御手段による駆動制御に従いつつ、ロータリユニット4が例えば図3中時計回り方向に回転を開始し、その回転をK色成分に対応した現像器11Kが現像位置に到達するまで継続して行う(図2におけるS101参照)。そして、K色成分に対応した現像器11Kが現像位置へ移動し、その現像位置にて像担持体1と対向する状態で停止すると(図2(b)参照)、その現像位置にある現像器11Kの駆動を開始して(図3におけるS102参照)、像担持体1上の静電潜像をトナー像によって顕在化する(図3におけるS103参照)。
【0030】
また、現像位置にある現像器11Kでは、静電潜像の顕像化と併せて、その現像器11Kの状態検知手段14による状態検知をも行う(図3におけるS103参照)。すなわち、現像器11Kが現像位置にあることから、第二の電極16は、その現像器11Kにおける第一の電極15と対をなし、その第一の電極15との間で信号授受を行い得る状態にある。したがって、この電極15,16の対を介して、現像器11Kの状態検知手段14への電源供給を行って、その状態検知手段14に現像器11Kまたはそのトナーカートリッジ13Kの状態検知を行うとともに、その検知結果についてのデータ授受を行うのである。なお、このときの状態検知の結果は、第二の電極16を通じて、画像形成装置全体の操作制御を行う制御部へ送られ、形成画像の画質維持のために供されることになる。
【0031】
K色成分についての静電潜像の顕像化が終了すると、現像位置にある現像器11Kの駆動を停止して(図3におけるS104参照)、K色成分についての静電潜像の顕像化を終了する。この顕在化によって像担持体1上に形成されたトナー像は、その後、転写器6により中間転写体ベルト5上に転写される。
【0032】
静電潜像顕像化の終了後は、その静電潜像顕像化の終了に係る色成分が最終色成分であるか否か、具体的には例えばKYMCの順に合成する各色成分のうちで最終C色のものか否かを判断する(図3におけるS105参照)。その結果、最終色成分でなければ、ロータリユニット4の回転制御手段は、ロータリユニット4の回転を再開し、その回転を次色成分に対応した現像器11が現像位置に到達するまで継続して行う(図3におけるS106参照)。例えば、K色成分についての静電潜像顕像化の終了後であれば、ロータリユニット4の回転再開により、Y色成分に対応した現像器11Yが現像位置へ移動し、その現像位置にて像担持体1と対向する状態で停止することになる(図2(c)参照)。そして、現像位置にあるY色成分に対応した現像器11Yに対して、上述の処理を繰り返して行う(図3におけるS102〜S106参照)。
【0033】
画像形成装置では、このような処理を、各色成分について全て終了するまで繰り返して行う。すなわち、Y色成分についての静電潜像顕像化の終了後は、続いてM色成分について同様の処理を行い(図2(d)参照)、さらにC色成分について同様の処理を行う(図2(e)参照)。このとき、ロータリユニット4の回転、像担持体1の回転、中間転写体ベルト5上への像転写等は、その中間転写体ベルト5上で前色のトナー像と次色のトナー像が正しく重なり合うタイミングで行う。
【0034】
そして、各色成分の全てについて、静電潜像のトナー像による顕在化および形成されたトナー像の中間転写体ベルト5上への転写合成が終了すると、次いで、その形成画像に係る頁が画像形成要求の最終頁であるか否かを判断し(図3におけるS107参照)、形成画像に係る全頁について終了するまで、上述した一連の処理を繰り返して行う(図3におけるS101〜S107参照)。
【0035】
以上に説明したように、本実施形態における画像形成装置では、各現像器11の備える状態検知手段14が、当該現像器11が現像位置にあるときに状態検知を行うようになっている。したがって、現像器11が静電潜像顕像化を行っている最中にも状態検知手段14による状態検知を行い得るようになり、例えばトナー濃度のように現像器11の駆動状態にて検知を行うことで高精度な情報を得られる性質の物理量に対しても十分な検知精度を得ることが可能となる。
しかも、本実施形態における画像形成装置では、各現像器11について、唯一の位置である現像位置での状態検知が行えればよい。そのため、例えばロータリユニット4外周上での各現像器11の配置ピッチが均一であっても、あるいは不均一であっても、現像位置には各現像器11が必ず停止することから、現像器11が現像位置以外にある場合にその現像器11について状態検知を行うための構成を要することがなく、これにより状態検知のための装置構成の複雑化を抑制し得る。さらには、いずれの現像器11も現像位置にない場合に状態検知を行うべくロータリユニット4の回転を停止させるといったことも必要なく、これにより画像形成の生産性低下を招くのを抑制し得る。
したがって、本実施形態における画像形成装置によれば、現像器11またはそのトナーカートリッジ13の状態検知を十分な検知精度で行うことによって良好な画像形成を実現可能にしつつ、その場合であっても装置構成の複雑化や画像形成の生産性低下等を招いてしまうのを回避することができるのである。
【0036】
また、本実施形態の画像形成装置では、複数の現像器11のいずれか一つが現像位置にある状態で、当該現像位置にある現像器11における状態検知手段14と信号授受を行うための第二の電極16が設けられている。つまり、各現像器11には第一の電極15が設けられているが、現像位置に停止した現像器11における第一の電極15が、第二の電極16と対をなし、これらの間で信号授受を行うようになっている。
これにより、本実施形態の画像形成装置では、現像位置にある現像器11について、状態検知手段14が状態検知を行うことが可能となるのである。しかも、状態検知手段14は各現像器11に付随して配設するが、現像位置の近傍では、その現像位置にある現像器11における第一の電極15と対をなす位置に一つの第二の電極16を配するだけでよく、他にセンサ等の構成部品の配設を要しない。したがって、例えば現像位置の近傍にスペース上での制約があっても、現像位置にある現像器11に対する状態検知を行うことが可能となるのである。
さらには、唯一の位置である現像位置に現像器11が位置する状態で、その現像器11に配される第一の電極15と、画像形成装置装置本体側に配された第二の電極16とが対をなせばよいため、各電極15,16間の位置関係および距離がある程度限定されることとなり、各電極15,16間にて非接触で信号授受を行う場合であっても、その信号授受の精度を高く保つことが可能となる。
【0037】
また、本実施形態の画像形成装置は、ロータリユニット4の周上において、各現像器11の配置ピッチが不均一ピッチである場合に、特に有効なものとなる。
図4は、現像器の配置ピッチとその停止位置との関係の一具体例を示す説明図である。図4(a)では、いずれか一つの現像器が現像位置にあるときの他の現像器の位置を、各現像器が現像位置にある場合をそれぞれ重ね合わせて示している。この図例および図4(b)に示す一覧からも明らかなように、各現像器11の配置ピッチが不均一ピッチである場合には、全現像器11が停止する唯一の位置が現像位置のみである。
したがって、特に各現像器11が不均一ピッチでロータリユニット4に装備されている場合には、現像器11が現像位置にあるときに状態検知手段14による状態検知を行うようにすることは、装置構成の複雑化や画像形成の生産性低下等を回避する上で非常に有効なものとなる。
【0038】
また、本実施形態の画像形成装置では、単に現像位置にある現像器11またはそのトナーカートリッジ13について状態検知手段14が状態検知を行うだけではなく、その状態検知手段14による状態検知を現像器11の駆動中に行うので、現像器駆動状態にて検知を行うことで高精度な情報を得られる性質の物理量に対しても十分な検知精度が得られる。
図5は、トナー濃度を検知する際のセンサ出力の一具体例を示す説明図である。
検知対象事項がトナー濃度である場合には、既に述べたように透磁率型のセンサを用いて検知を行うことが考えられる。この場合において、検知対象となる現像器11におけるオーガの羽根等がトナーを搬送させると、透磁率型センサのセンシング面前を羽根が通り過ぎた直後は、そのセンシング面前のトナーが無くなり、透磁率型センサが空気を検知することになる瞬間がある。そのため、現像器11の停止中に状態検知をしようとすると、例えば透磁率型センサが空気を検知することになる可能もあるため、必ずしも十分な検知精度が得られるとは限らない。
これに対して、現像器11の駆動中に状態検知を行えば、十分な検知精度を得ることが可能となる。つまり、現像器11の駆動中であれば、図例のように、透磁率型センサによるセンサ出力が、その現像器11内のオーガ動作周期に応じて変動することになるが、そのセンサ出力のサンプリングを行い、オーガ周期で発生する出力ピーク値をピーク検出回路により抽出して、これをトナー濃度の検知結果とすれば、センサ出力の変動の影響を受けることなく、十分な検知精度が得られるようになるのである。
【0039】
なお、本実施形態では、種々の構成例および処理動作例を挙げて、本発明の好適な実施具体例を説明したが、本発明はその内容に限定されるものではない。
【0040】
例えば、本実施形態では、各現像器11による像担持体1上の静電潜像顕像化と併せて、その静電潜像顕像化のための駆動中の現像器11について、状態検知手段14による状態検知を行う場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、現像位置にある現像器11について状態検知を行うものであれば、静電潜像顕像化とは離れて状態検知を行うものであってもよい。すなわち、ロータリユニット4は、静電潜像顕像化のための回転ではなく、その静電潜像顕像化のためとは別に、状態検知の対象となる現像器11またはそのトナーカートリッジ13を、現像位置へ移動し当該現像位置に位置させるためだけに回転を行うものであってもよい。
【0041】
また、画像形成装置は、現像器11またはそのトナーカートリッジ13についての状態変化を予測する予測手段を備えていることが多い。具体的には、例えばトナー残量であれば、処理した形成画像の画素数や媒体頁数、装置稼働累計時間等についての履歴情報を保持蓄積するとともに、その履歴情報に基づいてトナーの残量予測を行い、予測した残量が許容量よりも低下したらアラーム出力を行う、といったものがある。このような予測手段を備えた画像形成装置であれば、その予測手段による予測結果を状態検知の実行条件の一つとすることが考えられる。すなわち、装置稼働時に常に状態検知手段14が状態検知を行うのではなく、予測手段により現像器11またはそのトナーカートリッジ13の状態が要監視状態(例えば、トナー残量であれば予測残量が許容量よりも低下した状態)に変化したと予測された後に、状態検知手段14が状態検知を行うことが考えられる。要監視状態となる以前は状態検知手段14による状態検知の必要性が乏しいため、要監視状態となった後に初めて状態検知手段14による状態検知を行うようにすることで、その要監視状態となるまでの間の処理負荷軽減が図れるからである。
【0042】
さらには、予測手段が各現像器11のそれぞれに個別に対応して設けられている場合であれば、各現像器11の全てについて一律に状態検知手段14による状態検知を行うのではなく、予測手段により要監視状態に変化したと予測された現像器またはその構成ユニットについてのみ、状態検知手段14が状態検知を行うようにすることも考えられる。要監視状態でないものについては状態検知手段14による状態検知の必要性が乏しいからであり、状態検知手段14による状態検知の対象を限定することで、その状態検知のための処理負荷軽減が図れるからである。
【0043】
また、例えば、カラー画像に対応可能な画像形成装置であっても、白黒画像の画像形成を行うモードを実行することがある。すなわち、複数の現像器11のうちのいずれか一つ、具体的にK色成分に対応したものだけが静電潜像顕像化を行うモードに対応する場合がある。その場合には、各現像器11の全てについて一律に状態検知手段14による状態検知を行うのではなく、静電潜像顕像化を担う現像器またはその構成ユニット、具体的にはK色成分に対応したものについてのみ、状態検知手段14による状態検知を行うようにすることが考えられる。このように状態検知手段14による状態検知の対象を限定すれば、その状態検知のための処理負荷軽減が図れるからである。
【0044】
これらのように、本発明は、本実施形態での説明に対し、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例における要部構成を示す説明図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置での特徴的な処理動作例による状態遷移の具体例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置での特徴的な処理動作例の概要手順を示すフローチャートである。
【図4】現像器の配置ピッチとその停止位置との関係の一具体例を示す説明図である。
【図5】トナー濃度を検知する際のセンサ出力の一具体例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1…像担持体、2…帯電器2、3…ROS、4…ロータリユニット、5…中間転写体ベルト5、6…転写器、7…クリーニング器、11,11Y,11M,11C,11K…現像器、12…回転軸、13…トナーカートリッジ、14…状態検知手段、15…第一の電極、16…第二の電極




 

 


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