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発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3814(P2007−3814A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−183698(P2005−183698)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
発明者 新宅 寛治 / 重崎 聡 / 奥山 浩江
要約 課題
トナーと磁性キャリアとを含むいわゆる二成分現像剤を用いて電子写真方式によって画像を形成する、複写機、プリンタ、複合機等の画像形成装置に関し、像担持体表面から磁性キャリアを十分に除去する。

解決手段
像担持体10の、被転写面Pにトナー像が転写された後の表面11に残留した残留トナーTを表面11から除去するクリーニング手段61と、クリーニング手段61よりも像担持体表面11の循環移動方向上流側で像担持体10の、被転写面Pにトナー像が転写された後の表面11に接し、表面11に磁界を作用させる板状若しくはフィルム状の磁性キャリア除去部材62とを備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
中心軸の周りを所定方向に循環移動する像担持体表面に形成された静電潜像を、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を内部に保持した現像装置を用いて該現像剤中のトナーで現像して該像担持体上にトナー像を形成し、該トナー像を、所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
前記像担持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留トナーを該表面から除去するクリーニング手段と、
前記クリーニング手段よりも前記像担持体表面の循環移動方向上流側で前記像担持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に接し、該表面に磁界を作用させる板状若しくはフィルム状の磁性キャリア除去部材とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーと磁性キャリアとを含むいわゆる二成分現像剤を用いて電子写真方式によって画像を形成する、複写機、プリンタ、複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、所定方向に循環移動する像担持体表面に形成された静電潜像を、トナーと磁性キャリアとを含むいわゆる二成分現像剤を用いて現像することで像担持体表面にトナー像を形成し、そのトナー像を、所定の被転写面(記録媒体や中間転写体)に転写し最終的に記録媒体上に定着する画像形成プロセスによって、定着トナー像からなる画像を形成することが行われている。
【0003】
記録媒体や中間転写体に転写を終えた像担持体表面には、未転写のトナーなどの残留物が存在するため、これらの残留物を次の画像形成プロセスに先立ってクリーニング手段により除去することが必要になる。
【0004】
残留物を除去するクリーニング方式としては、残留物を、静電的に除去する方式や、機械的に除去する方式が提案されているが、ここでは、板状のクリーニングブレード先端を像担持体表面に圧接させ、像担持体表面の残留物を機械的に掻き取る方式を例にあげて説明する。このクリーニングブレードを用いた方式では、像担持体表面とクリーニングブレード先端との間に摺擦が生じるが、この摺察が好適に保たれないと、ブレード先端が欠けてしまったり、像担持体表面が必要以上に磨耗してしまったり、像担持体表面が傷ついてしまったりする。
【0005】
ところで、トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤を用いてトナー像形成を行った場合、上記残留物の中に磁性キャリアが含まれていることがある。磁性キャリアは通常トナーに対して逆極性に帯電することでトナーを帯電させ、磁気ブラシを形成して現像を行う働きを持っており、それ自身が像担持体表面へ付着することはないはずであるが、例えば、像担持体上の非画像領域(トナー像が形成されていない領域)における電位が通常に比べて高くなったりすると、マイナスの電界が強くなり、結果として正電荷を帯びたキャリアが静電的に像担持体へ移行してしまう。また、現像バイアスによる現像電界が非常に大きくなった場合にも、キャリアへの電荷注入という現象が起こり、キャリアがトナーとともに像担持体へ移行してしまう。一方、キャリアが移行した像担持体表面上、特に非画像領域においては、その表面電位が高い状態になっている。また、キャリア自身が持つ電荷は高く、これらの結果として、キャリアの、像担持体表面への付着力がより高いものになる。
【0006】
残留物に含まれている磁性キャリアは、トナーよりは大きいものの砕けて小さくなったものが多く、クリーニングブレードの先端と像担持体表面との間に挟まりやすい。ブレード先端と像担持体表面との間に挟まったキャリアは、ブレード先端のカケを引き起こしたり、あるいは像担持体表面を必要以上に磨耗させたり、さらには、像担持体表面を傷つける。
【0007】
そこで、キャリアを像担持体表面から除去する方法として、クリーニングブレードよりも、像担持体の循環方向上流側にブラシローラを配置し、このブラシロールによって磁性キャリアを像担持体表面から機械的に除去する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ブラシロールの回転軸にマグネットを内蔵させておき、磁性キャリアをブラシロールに磁気的に引き寄せる作用も加えて磁性キャリアを像担持体表面から除去する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、ブラシロールに代えて、マグネットを内蔵した回転スリーブを像担持体表面から離間した位置に配置し、磁性キャリアを像担持体表面から磁気的に除去する技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平5−107989号公報
【特許文献2】特開2002−278403号公報
【特許文献3】特開平6−35372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ブラシロールによる除去を行うと、磁性キャリアの他に、像担持体表面に残留したトナー粒子や外添剤粒子までもがブラシの毛に移行してくる。ブラシロールの除去能力は、ブラシの毛の汚染状態に依存してしまう傾向があり、形成されたトナー像の画像密度が高い場合やトナー形成回数が増えてくると、毛のリフレッシュをいくら行ってもリフレッシュが追いつかず、トナー粒子や外添剤粒子などによって毛が汚染されブラシロールの除去能力は徐々に低下する。また、経時的に見て、ブラシの毛にはへたりが発生するため、このへたりによっても除去能力は低下する。除去能力が低下したブラシロールでは、磁性キャリアを像担持体表面から十分に除去することができず、上記特許文献2に示すような、マグネットを内蔵した回転軸にしたとしても、ブラシ本来の問題である除去能力の低下は避けられない。また、ブラシの毛は数ミリ程度あるため、回転軸に内蔵したマグネットの磁力は像担持体表面では弱まり、磁性キャリアをブラシロールに磁気的に引き寄せる効果もさほど期待できない。同じく、上記特許文献3に示す、マグネットを内蔵した回転スリーブを用いたとしても、その回転スリーブは、像担持体表面から離間した位置に配置されたものであるため、回転スリーブに内蔵したマグネットの磁力は像担持体表面では弱まり、磁性キャリアを十分に除去することができない。
【0009】
本発明は上記事情に鑑み、像担持体表面から磁性キャリアを十分に除去することができる工夫が施された画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を解決する本発明の画像形成装置は、中心軸の周りを所定方向に循環移動する像担持体表面に形成された静電潜像を、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を内部に保持した現像装置を用いてその現像剤中のトナーで現像してその像担持体上にトナー像を形成し、そのトナー像を、所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
上記像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留トナーをその表面から除去するクリーニング手段と、
上記クリーニング手段よりも上記像担持体表面の循環移動方向上流側で上記像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に接し、その表面に磁界を作用させる板状若しくはフィルム状の磁性キャリア除去部材とを備える。
【0011】
ここにいう被転写面とは、中間転写体の、上記像担持体表面に接する面であってもよいし、あるいは記録媒体の記録面であってもよい。また、ここにいう板状とフィルム状との違いは、剛性の差であり、相対的に剛性が高いものが板状であり相対的に剛性が低いものがフィルム状である。
【0012】
本発明の画像形成装置によれば、上記磁性キャリア除去部材によって、磁性キャリアは堰き止められる。像担持体表面には、磁性キャリア除去部材がその表面に接していることで十分に磁力が働き、上記磁性キャリア除去部材によって堰き止められた磁性キャリアの他、堰き止められる前の磁性キャリアも磁性キャリア除去部材に引き寄せられる。また、上記磁性キャリア除去部材に衝突し、その衝撃で浮かび上がった磁性キャリアも磁性キャリア除去部材に引き寄せられる。したがって、本発明の画像形成装置は、像担持体表面から磁性キャリアを十分に除去することができる。
【0013】
また、上記クリーニング手段は、残留物を静電的に除去する方式が採用されたものや、機械的に除去する方式が採用されたもの等、特に限定されないが、例えば、上記像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物を掻き取る、その表面に先端を圧接させたクリーニングブレードであってもよい。
【0014】
このようなクリーニングブレードを備えた本発明の画像形成装置においては、上記磁性キャリア除去部材は、先端が上記像担持体表面に、上記クリーニングブレード先端の、上記像担持体表面への押付圧力よりも弱い押付圧力で押し付けられたものである態様や、あるいは、
上記磁性キャリア除去部材が、上記クリーニングブレードよりも弾性に富んだものである態様であることが好ましい。
【0015】
上記クリーニングブレードを用いた場合には、クリーニングブレード先端と上記像担持体表面との間を、粒径の小さなトナー粒子やトナー粒子に外添された外添剤粒子がすり抜けることで潤滑効果が生じ、像担持体表面とブレード先端との間の摺擦が好適に保たれるが、上記磁性キャリア除去部材がこれら粒子をあまりにも堰き止めてしまうと、上記間をすり抜ける粒子がなくなり、潤滑効果が生じなくなって、ブレード先端のカケ等が生じる恐れがある。このため、上記磁性キャリア除去部材が、トナー粒子よりは大きな磁性キャリアは堰き止めるが、残留物中のトナー粒子や外添剤粒子は堰き止めてしまうことがないように、押付圧力や弾性を調整したものであることが好ましい。上記の前者の態様にすることでも後者の態様にすることでも、トナー粒子よりは大きな磁性キャリアは上記磁性キャリア除去部材によって堰き止められるが、残留物中のトナー粒子や外添剤粒子は上記磁性キャリア除去部材をすり抜けやすくなる。
【0016】
また、本発明の画像形成装置において、上記磁性キャリア除去部材が、磁性材料を分散させたものであってもよい。
【0017】
さらに、本発明の画像形成装置において、上記磁性キャリア除去部材は、上記像担持体表面に接する部分が非磁性材料からなるものであることが好ましく、より具体的には、
上記磁性キャリア除去部材が、上記像担持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面に先端を接触させその表面から垂直に立ち上がる垂線に対してその像担持体循環移動方向上流側若しくは下流側に傾いた姿勢で配備されたものであり、相対的にその像担持体側に位置する非磁性部材層と、相対的にその像担持体とは反対側に位置する磁性部材層とを有するものであることが好ましい。
【0018】
こうすることで、上記磁性キャリア除去部材の先端で堰き止められた磁性キャリアが、その先端で滞留してしまうことが防止される。すなわち、トナー粒子や外添剤粒子は上記先端の下をすり抜けて行くが、磁性キャリアは上記先端に衝突し、その衝撃で浮かび上がって上記磁性部材層に引き寄せられる。この結果、磁性キャリアがその先端に滞留し、先端と像担持体表面との間に入り込んでしまうことが低減される。
【0019】
また、本発明の画像形成装置において、上記磁性キャリア除去部材の先端近傍に配備された、上記像担持体表面の循環移動における中心軸と平行な回転軸を有する磁気を帯びた磁性キャリア回収ローラと、
上記磁性キャリア回収ローラ周面に当接した板状の掻き取り部材とを備えたものでることも好ましい。
【0020】
上記磁性キャリア除去部材の先端に滞留しがちな磁性キャリアが上記磁性キャリア回収ローラによって回収されるため、この構成でも、磁性キャリアがその先端に滞留し、先端と像担持体表面との間に入り込んでしまうことが低減される。また、上記掻き取り部材によって、上記像担持体表面から除去された磁性キャリアが最終的に処理される。
【0021】
また、上記像担持体が、最表面に、電荷輸送機能を有する構造単位を持ち、かつ架橋構造を有する樹脂を含有した保護層を有するものであってもよく、さらには、
上記保護層が、架橋構造を有する樹脂としてメチロール基を有するフェノール誘導体またはシロキサン系樹脂で構成し、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料を含有するものであってもよい。
【0022】
上記像担持体が上記保護層を有するものであると、像担持体表面が硬くなり、上記像担持体のロングライフが実現される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、像担持体表面から磁性キャリアを十分に除去することができる工夫が施された画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。
【0026】
図1に示す画像形成装置1は、回転軸10aを中心にして時計回りに回転するドラム状の感光体10を備え、この感光体10の周囲には、帯電器20、露光器30、現像器40、転写ロール50、クリーニング装置60、および除電ランプ70も備えられている。
【0027】
図1に示す感光体10は、円筒上の導電性支持体の上に、電荷発生層と電荷輸送層を含む感光層および保護層101を積層してなるものである。保護層101は、この感光体10の最表層になる層であって、この図1では、この保護層101が模式的に示されている。感光体10が回転軸10aを中心にして回転することで、最表層(感光体表面)は、回転軸10aの周りを循環移動する。ここでは感光体10についてのこれ以上の説明は省略し、詳細については後述する。
【0028】
図1では、記録用紙Pが図の右から左に向かって搬送されてくる。搬送されてきた記録用紙は、感光体10と転写ロール50の間に送り込まれる。図1に示す画像形成装置1では、感光体10と転写ロール50によって挟み込まれた領域が転写領域になる。
【0029】
帯電器20は、感光体10の表面に接触した状態で回転する帯電ロール21と、その帯電ロール21に電力を供給する帯電器用電源22を備えている。この帯電器用電源22は、帯電ロール21に、直流電圧に交流電圧を重畳させた帯電バイアスを印加する。帯電ロール21は、感光体10に接触して回転する半導電性のものであり、感光体10との接触部近傍の微小空隙で放電を発生させることにより感光体10を帯電させる。感光体10は、この帯電ロール21によって一様に帯電される。なお、帯電ロール21に代えてブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材、磁気ブラシ状の帯電部材などが適応可能である。
【0030】
帯電ロール21、ブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材は帯電部材として有効な電気抵抗(103Ω〜108Ω)に調整された材料から構成される物であり、単層又は複数の層から構成されていても構わない。材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、EPDM、エピクロルヒドリンゴム等の合成ゴムやポリオレフィン、ポリスチレン、塩化ビニル等からなるエラストマーを主材料とし、導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合し、帯電部材として有効な電気抵抗を発現させ用いることができる。さらにナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン等の樹脂を塗料化し、そこに導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合し、得られた塗料をデイッピング、スプレー、ロールコート等の任意の手法により、積層して用いる事ができる。
【0031】
また、帯電ロール21やブレード状の帯電部材については感光体10に対し、接触状態に限らずある程度の空隙(100μm以下)を有した近接状態として配置しても構わない。
【0032】
なお、図1に示す帯電器20は、接触帯電方式を採用したものであるが、その他の公知の帯電方式(コロトロン帯電方式等)を採用したものであってもよい。
【0033】
露光器30は、感光体の表面に向けて、画像情報に基づくレーザ光を照射するものである。この画像情報は、画像読み取り装置31にて読み取った情報を処理部32で処理することにより得られたものである。
【0034】
現像器40は、トナー粒子と磁性キャリアとを含む二成分現像剤を収容した現像剤収容体41と、現像剤収容体41中の現像剤を担持して感光体10の表面に対向した状態で回転する現像ロール42を有する。磁性キャリアは通常トナーに対して逆極性に帯電することでトナーを帯電させ、現像ロール42の表面に磁気ブラシを形成して現像を行う働きを担っており、トナー粒子は、感光体10の表面に静電的に移行する。
【0035】
図1に示す画像形成装置1において画像形成が行われる際には、まず、感光体表面にトナー像を形成するトナー像形成サイクルが実行される。このトナー像形成サイクルでは、感光体10の表面が、帯電器20によって一様に帯電された後、露光器30によって画像情報に基づくレーザー光が照射され、感光体10の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器40によって現像され、感光体10の表面にはトナー像が形成され、トナー像形成サイクルが終了する。
【0036】
トナー像形成サイクルによって感光体表面に形成されたトナー像は、転写領域において、感光体10の表面から記録用紙Pに転写される。図1に示す画像形成装置では、転写ロール50を用いた直接転写方式が採用されているが、転写ロール50に代えて転写コロトロンを用いてもよい。また、記録陽子Pを静電的に吸着して搬送し感光体上のトナー像を転写する転写ベルト方式を採用してもよい。さらに、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いた中間転写方式を採用してもよい。
【0037】
また、図1に示す画像形成装置1は、筐体1a内の、転写領域よりも用紙搬送方向下流側に定着器80を備えている。この定着器80は、加熱機構を有する定着ロール81と、定着ロール81に対向するように設けられた圧力ロール82とを備えている。互いに対向する定着ロール81と圧力ロール82の間には、転写領域を通過した記録用紙Pが搬送されてくる。記録用紙P上のトナー像を構成するトナーは、定着ロール81の加熱機構により溶融され圧力ロール82からの圧力を受けて記録用紙Pに定着し、定着トナー像からなる画像が形成される。
【0038】
一方、感光体10の、転写領域を通過した表面には、転写領域において記録用紙Pへ移行することができなかった残留トナーや、その残留トナーに付着していた外添剤粒子が残留している。さらに、感光体10の、転写領域を通過した表面には、トナー粒子よりは大きいものの砕けて小さくなった磁性キャリアも残留している。磁性キャリアは、本来、感光体10の表面へ付着することはないが、例えば、像担持体上の非画像領域(トナー像が形成されていない領域)における電位が通常に比べて高くなったりすると、マイナスの電界が強くなり、結果として正電荷を帯びた磁性キャリアが静電的に感光体10へ移行してしまう。また、現像バイアスによる現像電界が非常に大きくなった場合にも、磁性キャリアへの電荷注入という現象が起こり、磁性キャリアがトナー粒子とともに感光体10へ移行してしまう。
【0039】
図1に示すクリーニング装置60は、これらの残留物を除去するための装置であって、転写領域よりも感光体回転方向下流側であって帯電ロール21よりも感光体回転方向上流側の位置に配備されたものである。
【0040】
図2は、図1に示すクリーニング装置が残留物を除去している様子を模式的に示す図である。
【0041】
図2には、矢印R方向に回転する感光体10が示されている。また、図2には、感光体10の、転写領域を通過した表面に残留した、トナー粒子Tや外添剤粒子Aの他、トナー粒子Tよりは大きいものの砕けて小さくなった磁性キャリアCも示されている。
【0042】
本実施形態のクリーニング装置60は、クリーニングブレード61、磁性キャリア除去部材62、磁性キャリア回収ローラ63、および掻取部材64も備えている。
【0043】
クリーニングブレード61は、感光体10の表面11に先端エッジ部611を接触させた状態で、感光体10の回転軸10a(図1参照)の延在方向に延びる板状のものである。先端エッジ部611は、感光体10の表面11に、所定の押付圧力(19.6(mN/cm)より大きく588(mN/cm)以下の圧力)によって押し付けられている。また、クリーニングブレード61は、感光体10の、先端エッジ部611が接した部位から垂直に立ち上がる垂線Lに対して感光体回転方向下流側に60〜78(°)傾いた姿勢で配備されたものである。すなわち、クリーニングブレード61の感光体表面11に対する当接セット角度は12〜30(°)であり、以下、このような下流側に傾いた配置方式をドクター方式と称する。
【0044】
このクリーニングブレード61の材質としては、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等のゴム材料があげられる。これらの材料の中でも、耐磨耗性に優れているポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。ポリウレタン弾性体としては、一般にイソシアネートとポリオール及び各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンが用いられている。ポリウレタン弾性体は、ポリオール成分として、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールや、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを用い、ポリイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートを用いてウレタンプレポリマーを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造される。上記硬化剤としては、通常、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。
【0045】
クリーニングブレード61の物性としては、例えば硬度(JISAスケール)50〜90,ヤング率(kg/cm2)40〜90,100%モジュラス(kg/cm2)20〜65,300%モジュラス(kg/cm2)70〜150,引っ張り強さ(kg/cm2)240〜500,伸(%)が290〜500,反発弾性(%)30〜70,引裂強さ(kg/cm2)25〜75,永久伸(%)が4.0以下の物が使用可能である。
【0046】
磁性キャリア除去部材62も、クリーニングブレード61と同じく、感光体10の表面11に先端621を接触させた状態で、感光体10の回転軸10a(図1参照)の延在方向に延びたものである。磁性キャリア除去部材62の先端621は、感光体10の表面11に、クリーニングブレード61の押付圧力よりも弱い、19(mN/cm)の押付圧力で押し付けられている。磁性キャリア除去部材62の押付圧力は、20(mN/cm)以下であることが好ましい。また、図2に示す磁性キャリア除去部材62は、クリーニングブレード61とは反対に、感光体10の、先端621が接する部位から垂直に立ち上がる垂線L’に対して感光体回転方向上流側に傾いた姿勢で配備されたものである。以下、このような上流側に傾いた配置方式をワイパー方式と称する。一般的に、下流側に傾いたドクター方式で配置するよりも、このワイパー方式で配置した方が、粒子がすり抜けやすい。
【0047】
図2示す磁性キャリア除去部材62は、フェライト磁石を分散させたポリウレタンゴムからなる板状の弾性ブレードである。すなわち、磁性キャリア除去部材62は感光体表面11に磁界を作用させるものであり、図2に示す磁性キャリア除去部材62の磁力は800ガウスである。また、磁性キャリア除去部材62の厚さは2mmである。磁性キャリア除去部材62は、クリーニングブレード61よりも弾性に富んだものであることが好ましい。
【0048】
ここで、ポリウレタンゴムに代えて、NBR(ニトリルゴム)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、EPDM(エチレン・プロプレンゴム)等を用いてもよい。また、分散する磁性材料としては、磁化率が高いケイ素−鉄合金、パーマロイ(鉄−ニッケル合金)などを用いてもよい。さらに、磁性キャリア除去部材62としては、フィルム状のものであってもよい。フィルム状のものを用いる場合は、板状のものほど剛性はないにしろ、ある程度剛性があるものが好ましく、材質としてはPP、PET(マイラ)、ポリウレタンが好ましい。
【0049】
図2に示すように、残留物中の磁性キャリアCは、この磁性キャリア除去部材62によって堰き止められる。感光体表面11には、磁性キャリア除去部材62がその表面11に接していることで十分に磁力が働き、磁性キャリア除去部材62によって堰き止められた磁性キャリアCの他、堰き止められる前の磁性キャリアCも磁性キャリア除去部材62に引き寄せられる。また、磁性キャリア除去部材62に衝突し、その衝撃で浮かび上がった磁性キャリアCも磁性キャリア除去部材62に引き寄せられる。したがって、磁性キャリア除去部材62によって、磁性キャリアCが感光体表面11から十分に除去される。
【0050】
一方、トナー粒子Tや外添剤粒子Aは、粒径が磁性キャリアCよりも小さいことも相まって、粒子がすり抜けやすいワイパー方式で配置された磁性キャリア除去部材62をすり抜け、クリーニングブレード61に向かう。すなわち、磁性キャリア除去部材62は、磁性キャリアCと、トナー粒子Tおよび外添剤粒子Aとを篩い分けする機能を有する。
【0051】
クリーニングブレード61の先端エッジ部611に到達したトナー粒子Tの多くは、磁性キャリア除去部材62よりも強い押付圧力で押し付けられているクリーニングブレード61によって掻き取られるが、外添剤粒子Aや粒径の小さなトナー粒子は、クリーニングブレード61をもすり抜け潤滑効果を発揮し、感光体表面11と先端エッジ部611との間の摺擦が好適に保たれる。
【0052】
磁性キャリア回収ローラ63は、磁性キャリア除去部材62の接触部621近傍に配備されたものであって、感光体10の回転軸10aと平行な回転軸631を有するマグネットローラである。マグネットローラは、磁石を内蔵したスリーブに比べ、磁力を効率的に利用できる上、大きなスペースを必要としない。磁性キャリア回収ローラ63の回転軸631の端部にはギヤが配備され、磁性キャリア回収ローラ63は、このギヤを介して感光体10を回転駆動する不図示の回転モータの回転に同期して回転する。磁性キャリア除去部材62の先端621に滞留しがちな磁性キャリアCは、この磁性キャリア回収ローラ63に引き寄せられ、磁性キャリア回収ローラ63の周面に磁気的に移行する。すなわち、磁性キャリアCが、磁性キャリア除去部材62から積極的に磁性キャリア回収ローラ63へ移行する。この結果、磁性キャリアCがその先端621に滞留し、先端621と感光体表面11との間に入り込んでしまうことが低減される。また、磁性キャリア除去部材62に磁性キャリアが過剰に堆積してしまうことも防止される。
【0053】
掻取部材64も、感光体10の回転軸10a(図1参照)の延在方向に延びる板状のものである。この掻取部材64は、磁性キャリア回収ローラ63の周面に当接している。図2に示すように、磁性キャリア回収ローラ63の周面に移行した磁性キャリアCは、この掻取部材64によってその周面から機械的に弾き飛ばされる。弾き飛ばされた磁性キャリアCは、自重で落下し、クリーニング装置60の蓄積スペースに蓄積される。
【0054】
クリーニング装置60によってクリーニングされた感光体10は、除電ランプ70によって除電され、次のトナー像形成サイクルが実行される。
【0055】
続いて、図1に示す感光体10について詳述する。
【0056】
導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いた金属板、金属ドラム、金属ベルト、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、あるいはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。また、露光器30からレーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、支持体表面は、中心線平均粗さRaで0.04μm〜0.5μmに粗面化することが好ましい。Raが0.04μmより小さいと、鏡面に近くなるので干渉防止効果が得られなくなり、Raが0.5μmより大きいと、後述する保護層を形成しても画質が粗くなってしまう。非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止の粗面化は特に必要なく、支持体表面の凹凸による欠陥の影響も受けない。
【0057】
粗面化の方法としては、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、あるいは、回転する砥石に支持体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化などが好ましい。
【0058】
陽極酸化処理はアルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、そのままの多孔質陽極酸化膜は化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、陽極酸化膜の微細孔を加圧水蒸気または沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行う。
【0059】
陽極酸化膜の膜厚については0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しく効果が十分でない。また、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く場合がある。。
【0060】
リン酸、クロム酸及びフッ酸からなる酸性処理液による処理は以下の様に実施される。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、リン酸が、10〜11重量%の範囲、クロム酸が3〜5重量%の範囲、フッ酸が0.5〜2重量%の範囲であって、これらの酸全体の濃度は、13.5〜18重量%の範囲が好ましい。処理温度は、42〜48℃であるが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜を形成することができる。被膜の膜厚については0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しく効果が十分でない。また、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く場合がある。
【0061】
ベーマイト処理は、90〜100℃の純水中に5〜60分間浸漬するか、90〜120℃の加熱水蒸気に5〜60分間接触させることにより行うことができる。被膜の膜厚については0.1〜5μmが好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩などの皮膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
【0062】
また、導電性支持体と感光層の間に下引層(中間層)を設けてもよい。この下引層に用いられる材料としては、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物、とくに有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。また、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。さらに、従来より下引層に用いられるポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることもできる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。
【0063】
また、下引層中には電子輸送性顔料を混合/分散して使用することもできる。電子輸送性顔料としては、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が上げられる。これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが、電子移動性が高いので好ましく使用される。また、これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上記カップリング剤や、バインダーなどで表面処理しても良い。電子輸送性顔料は多すぎると下引層の強度が低下し、塗膜欠陥を生じるため95重量%以下、好ましくは90重量%以下で使用される。混合/分散方法は、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等を用いる常法が適用される。混合/分散は有機溶剤中で行われるが、有機溶剤としては、有期金属化合物や樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合/分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであれば如何なるものでも使用できる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。下引層の厚みは一般的には、0.1〜30μm、好ましくは0.2〜25μmが適当である。また、下引層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。塗布したものを乾燥させて下引層を得るが、通常、乾燥は溶剤を蒸発させ、製膜可能な温度で行われる。特に、酸性溶液処理、ベーマイト処理を行った基材は、基材の欠陥隠蔽力が不十分となり易いため、下引層を形成することが好ましい。
【0064】
次に電荷発生層について説明する。この電荷発生層に用いる電荷発生材料は、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料や、三方晶セレン、酸化亜鉛などの無機顔料など既知のもの全て使用することができるが、特に380nm〜500nmの露光波長を用いる場合には無機顔料が好ましく、700nm〜800nmの露光波長を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、特開平5−263007号及び、特開平5−279591号に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472号及び、特開平5−140473号に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号及び、特開平5−43813号に開示されたチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
【0065】
結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0066】
電荷発生材料と結着樹脂の配合比は(重量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。またこれらを分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができるが、この際、分散によってその結晶型が変化しない条件が必要とされる。さらにこの分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。またこれらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0067】
電荷発生層の厚みは一般的には、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0068】
次いで、電荷輸送層について説明する。この電荷輸送層に用いる電荷輸送材料はとしては、公知の技術によって形成されたものを使用することができる。電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成される。
【0069】
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いることができるが、モビリティーの観点から、以下に示す構造式(I)から構造式(III)のものが好ましい。
【0070】
【化1】


【0071】
(式中、R14は、水素原子またはメチル基を示す。また、nは1又は2を意味する。Ar6及びAr7は置換又は未置換のアリール基、あるいは−C(R18)=C(R19)(R20)、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表わし、置換基としてはハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、又は炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。)
【0072】
【化2】


【0073】
(式中R15、R15'は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、を表わす。R16、R16'、R17、R17'は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基、あるいは、−C(R18)=C(R19)(R20)、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表わし、R18、R19、R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表す。mおよびnは0〜2の整数である。)
【0074】
【化3】


【0075】
(式中R21は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、置換又は未置換のアリール基、または、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表す。Arは、置換又は未置換のアリール基を表す。R22、R23は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基を表す。)
さらに、電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材などの高分子電荷輸送材を用いることもできる。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(重量比)は10:1〜1:5が好ましい。
【0076】
また、電荷輸送層の厚みは一般的には、5〜50μm、好ましくは10〜30μmが適当である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0077】
さらに、電荷輸送層を設けるときに用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0078】
また、複写機中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体があげられる。また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。この電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等や、一般式(I)で示される化合物をあげることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl,CN,NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
【0079】
次いで、感光体10の最表面層になる保護層について説明する。
【0080】
感光体10の表面には、傷などに対する耐性を持たせ長寿命化をはかるため高強度な保護層を設けることが好ましい。この高強度な保護層としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたもの、シリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、膜強度の観点から、架橋構造を有するものが好ましい。感光体の表面(保護層)に架橋構造を有する樹脂が含まれていると、表面の硬度が高く耐磨耗性に優れ、キャリア進入抑制効果とあわせることでクリーニングブレード61の摺擦により起こる表面の傷を大幅に抑制させることが出来る。
【0081】
架橋構造を形成するものとしては種々の材料を用いることが出来るが、特性上フェノール樹脂、シロキサン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく、特にフェノール樹脂またはシロキサン系樹脂からなるものが好ましい。なお、保護層には、架橋構造を有する樹脂以外にも必要に応じて、架橋構造を有さないバインダー樹脂や、導電性微粒子、また、フッ素樹脂やアクリル樹脂などからなる潤滑性微粒子が含まれていてもよく、保護層の形成に際しては、必要に応じてシリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができる。また、保護層の形成方法の詳細については後述するが、保護層の形成には架橋構造を有する樹脂を構成する前駆体を少なくとも含む保護層形成用溶液が用いられる。
【0082】
さらに電気特性や画質維持性などの観点からは、架橋構造を有する樹脂は、電荷輸送性を持ったものである(電荷輸送能を有する構造単位を含む)ことが好ましい。このような電荷輸送能を有する構造単位を含み、且つ、架橋構造を有する樹脂としては、架橋構造を有する樹脂としてメチロール基を有するフェノール誘導体またはシロキサン系樹脂と、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料とを含有するものがより好ましい。さらに当該フェノール誘導体含有層の赤外吸収スペクトルが下記式で示される条件を満たすことで電気特性に優れ高画質化が図れる為より好ましい。
(P2/P1)≦0.2
[式中、P1は1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を示し、P2は1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピークの吸光度を示す。]
上記式で上述の効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、メチロール基を有するフェノール誘導体を用いて塗膜を形成する過程において、フェノール誘導体のメチロール基のうちの一部は、ホルミル基等の酸化物になると考えられる。このようなホルミル基等の酸化物は、感光体中の電荷輸送を妨げるキャリアトラップとして作用し、感光体の電気特性を低下させると考えられる。ここで、赤外吸収スペクトルにおいて、1560cm-1〜1640cm-1に存在する最大吸収ピーク(P1)は、フェノール誘導体の芳香族C−C伸縮振動に相当する。また、1645cm-1〜1700cm-1に存在する最大吸収ピーク(P2)は、ホルミル基等の酸化物に由来すると考えられる。つまり、吸光度比(P2/P1)が小さい感光体は、感光体中のホルミル基等の酸化物が少なく、キャリア輸送性に優れると考えられる。したがって、上記特定の材料を用い且つ吸光度比(P2/P1)を0.2以下することで、電気特性に優れ、高画質化が達成できる。なお、吸光度比(P2/P1)は、0.18以下が好ましく、0.17以下がより好ましい。吸光度比(P2/P1)が0.2を超えると、キャリア輸送性が低下し、感光体の電気特性が不十分となり、画質が低下する。
【0083】
上記メチロール基を有するフェノール誘導体としては、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類若しくはトリメチロールフェノール類のモノマー、それらの混合物、それらがオリゴマー化されたもの、又はそれらモノマーとオリゴマーの混合物が挙げられる。このようなメチロール基を有するフェノール誘導体は、レゾルシン、ビスフェノール等、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール等の水酸基を1個含む置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の水酸基を2個含む置換フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールZ等のビスフェノール類、ビフェノール類等、フェノール構造を有する化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等とを、酸触媒又はアルカリ触媒下で反応させることで得られるもので、一般にフェノール樹脂として市販されているものも使用できる。なお、本明細書では、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子をオリゴマーといい、それ以下のものをモノマーという。
【0084】
上記酸触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等が用いられる。また、アルカリ触媒としては、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒が用いられる。
【0085】
アミン系触媒としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塩基性触媒を使用した場合には、残留する触媒によりキャリアが著しくトラップされ、電子写真特性を悪化させる傾向がある。そのため、酸で中和するか、シリカゲル等の吸着剤や、イオン交換樹脂等と接触させることにより不活性化又は除去することが好ましい。
【0086】
また、メチロール基を有するフェノール誘導体としては、フェノール樹脂が好ましく、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。
【0087】
水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種を有する電荷輸送材料としては、下記一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で示される化合物であることが好ましい。
F−[(X1)m1−(R1)m2−Y]m3 (I)
上記一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X1は酸素原子又は硫黄原子を、R1はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Yは水酸基、カルボキシル基(−COOH)、チオール基(−SH)又はアミノ基(−NH2)を示し、m1及びm2はそれぞれ独立に0又は1を、m3は1〜4の整数を示す。
F−[(X2)n1−(R2)n2−(Z)n3G]n4 (II)
上記一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zはアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n1、n2及びn3はそれぞれ独立に0又は1を、n4は1〜4の整数を示す。
F−[D−Si(R3)(3−a)Qa]b (III)
上記一般式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、Dは可とう性を有する2価の基を、R3は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)又は置換若しくは未置換のアリール基(炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましい)を、Qは加水分解性基を、aは1〜3の整数を、bは1〜4の整数を示す。
【0088】
また、上記可とう性を有する2価の基Dは、具体的には、光電特性を付与するためのFの部位と3次元的な無機ガラス質ネットワークの構築に寄与する置換ケイ素基とを結びつける働きを担う2価の基である。また、Dは、堅い反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークの部分に適度な可とう性を付与し、膜としての機械的強靱さを向上させる働きを担う有機基構造を表す。Dとして具体的には、−CαH2α−、−CβH2β−2−、−CγH2γ−4−で表わされる2価の炭化水素基(ここで、αは1〜15の整数を表し、βは2〜15の整数を表し、γは3〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C64−、−N=CH−、−(C64)−(C64)−、及び、これらの特性基を任意に組み合わせた構造を有する特性基、更にはこれらの特性基の構成原子を他の置換基と置換したもの等が挙げられる。また、上記加水分解性基Qとしては、アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜15のアルコキシ基がより好ましい。
F−[(X2)n1−(R2)n2−(Z)n3G]n4 (IV)
上記式(IV)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を、X2は酸素原子又は硫黄原子を、R2はアルキレン基(炭素数は1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい)を、Zはアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを、Gはエポキシ基を、n1、n2及びn3はそれぞれ独立に0又は1を、n4は2〜4の整数を示す。
【0089】
上記一般式(I)〜(IV)で示される化合物における正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基Fとしては、下記一般式(VI)で示される化合物が好ましい。
【0090】
【化4】


【0091】
上記一般式(VI)中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5のうち1〜4個は、上記一般式(I)〜(IV)で示される化合物における−[(X1)m1−(R1)m2−Y]、−[(X2)n1−(R2)n2−(Z)n3G]、又は、−[D−Si(R3)(3−a)Qa]で示される部位と結合手を有する。
【0092】
また、保護層には、残留電位を下げるために導電性粒子を添加してもよい。導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。これらの中でも、金属又は金属酸化物がより好ましい。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。導電性粒子の平均粒径は保護層の透明性の観点から、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。
【0093】
また、保護層には、保護層の強度、膜抵抗等の種々の物性をコントロールするために、下記一般式(VII−1)で示される化合物を添加することもできる。

Si(R30)(4−c)Qc (VII−1)
上記一般式(VII−1)中、R30は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、cは1〜4の整数を示す。
【0094】
上記一般式(VII−1)で示される化合物の具体例としては以下のようなシ
ランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等を挙げることができる。膜の強度を向上させるためには3及び4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、成膜性を向上させるためには1及び2官能のアルコキシシランが好ましい。
【0095】
また、主にこれらのカップリング剤より作製されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、及びAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等を用いることができる。
【0096】
また、保護層には、その強度を高めるために、下記一般式(VII−2)に示すような2つ以上のケイ素原子を有する化合物を用いることも好ましい。
B−(Si(R31)(3−d)Qd)2 (VII−2)
上記式(VII−2)中、Bは2価の有機基を、R31は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、aは1〜3の整数を示す。
【0097】
また、保護層には、ポットライフの延長、膜特性のコントロール、トルク低減、塗布膜表面の均一性向上のため、下記一般式(VII−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、若しくはその化合物からの誘導体を含有させることもできる。
【0098】
【化5】


【0099】
上記一般式(VII−3)中、A1及びA2は、それぞれ独立に一価の有機基を示す。
【0100】
一般式(VII−3)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物としては、市販の環状シロキサンを挙げることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素原子含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等を挙げることができる。これらの環状シロキサン化合物は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0101】
さらに、感光体表面の耐汚染物付着性、潤滑性、硬度等を制御するために、各種微粒子を添加することもできる。それらは、単独で用いることもできるが、2種以上を併用してもよい。
【0102】
微粒子の一例として、ケイ素原子含有微粒子を挙げることができる。ケイ素原子含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素原子含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径が好ましくは1〜100nm、より好ましくは10〜30nmであり、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、或いはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。保護層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、成膜性、電気特性、強度の面から保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜50質量%の範囲、より好ましくは0.1〜30質量%の範囲で用いられる。
【0103】
ケイ素原子含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、平均粒子径が好ましくは1〜500nm、より好ましくは10〜100nmであり、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子及びシリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、感光体の表面性状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、感光体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐磨耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。保護層中のシリコーン微粒子の含有量は、保護層の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜30質量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。
【0104】
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や”第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集 p89”に示される様な、フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In23、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物を挙げることができる。また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。
【0105】
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等を挙げることができる。これらは、保護層形成用塗布液に予め添加してもよいし、感光体を作製後、減圧、或いは加圧下等で含浸処理してもよい。
【0106】
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。保護層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
【0107】
酸化防止剤としては以下のような化合物が挙げられる。例えば、ヒンダートフェノール系としては、「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上住友化学社製、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上チバスペシャリティーケミカルズ社製、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上旭電化製。ヒンダートアミン系としては、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」、チオエーテル系としては、「スミライザーTP−D」、ホスファイト系としては、「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」が挙げられ、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。さらに、これらは架橋膜を形成する材料と架橋反応可能な例えばアルコキシシリル基等の置換基で変性してもよい。
【0108】
また、保護層には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を含有させてもよい。この場合、絶縁性樹脂は、所望の割合で添加することができ、これにより、電荷輸送層との接着性、熱収縮やハジキによる塗布膜欠陥等を抑制することができる。
【0109】
保護層は、上述した構成材料を含有する保護層形成用塗布液を、電荷輸送層上に塗布して硬化させることで形成される。ここで、保護層形成用塗布液に触媒を添加すること、又は保護層形成用塗布液作製時に触媒を用いることが好ましい。用いられる触媒としては、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸等の無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸等の有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミン等のアルカリ触媒、さらに系に不溶な固体触媒を用いることもできる。
【0110】
また、メチロール基を有するフェノール誘導体から、合成時の触媒を除去するために、フェノール誘導体をメタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解させ、水洗、貧溶剤を用いた再沈殿等の処理を行うか、イオン交換樹脂、又は無機固体を用いて処理を行うことが好ましい。
【0111】
例えば、イオン交換樹脂としては、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)等の陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)等の陰イオン交換樹脂が挙げられる。
【0112】
また、無機固体としては、Zr(O3PCH2CH2SO3H)2,Th(O3PCH2CH2COOH)2等のプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサン等のプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸等のヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸等のイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgO等の単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類等複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイト等の粘土鉱物;LiSO4,MgSO4等の金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタン等の金属リン酸塩;LiNO3,Mn(NO32等の金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体等のアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂等のアミノ基を含有するポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
【0113】
保護層形成用塗布液には、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等の他、種々の溶媒が使用できる。なお、感光体の生産に一般的に使用されるディップコーティング法を適用するためには、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましい。また、使用される溶媒の沸点は50〜150℃のものが好ましく、それら任意に混合して使用することができる。
【0114】
なお、溶剤としてアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、又はそれらの混合系溶剤が好ましいことから、使用される保護層の形成に使用される電荷輸送材料としては、それらの溶剤に可溶であることが好ましい。
【0115】
また、溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると構成材料が析出しやすくなるため、保護層形成用塗布液中に含まれる固形分の合計1質量部に対し好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部とすることが好ましい。
【0116】
保護層形成用塗布液を用いて保護層を形成する際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。なお、複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なってもよいし、複数回重ね塗布した後でもよい。
【0117】
電荷輸送層上に保護層形成用塗布液を塗布後には、硬化処理を行う。通常、硬化処理の際には、フェノール誘導体の架橋反応を促進し、保護層の機械強度を上げるためには硬化温度は高く、硬化時間長いほど好ましい。しかし、そうした場合には、吸光度比(P2/P1)が0.2を超えやすく、電気特性が著しく悪化してしまう。そこで、保護層のIRスペクトルが上記条件を満たすように、硬化温度、硬化時間、架橋雰囲気又は硬化触媒で制御することが好ましい。すなわち、保護層のIRスペクトルが(P2/P1)≦0.2で示される条件を満たすようにするために、硬化処理の際の硬化温度は100〜170℃が好ましく、100〜150℃が、さらに100〜140℃がより好ましい。また、硬化時間は、30分〜2時間が好ましく、30分〜1時間がより好ましい。
【0118】
また、硬化処理(架橋反応)を行う雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の、いわゆる酸化に対して不活性なガス雰囲気(不活性ガス雰囲気)下が吸光度比(P2/P1)を小さくするのに効果的である。不活性ガス雰囲気下で架橋反応を行う場合には、空気雰囲気(酸素含有雰囲気)下よりも硬化温度を高く設定することができ、硬化温度は100〜160℃(好ましくは110〜150℃)とすることが可能である。また、硬化時間は30分〜2時間(好ましくは30分〜1時間)とすることが可能である。また、上記一般式(I)で示される化合物において、(−(X1)m1−(R1)m2−Y)で示される部位が−CH2−OHの場合が最も硬化温度による電気特性の影響が大きい傾向があり、酸化に対して敏感であるので、上記好ましい温度範囲で硬化処理を行うことが好ましい。
【0119】
さらに、硬化処理の際には、硬化触媒を使用することが好ましい。硬化触媒としては、例えば、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタンのようなビススルホニルジアゾメタン類、メチルスルホニルp−トルエンスルホニルメタンのようなビススルホニルメタン類、シクロヘキシルスルホニルシクロヘキシルカルボニルジアゾメタンのようなスルホニルカルボニルジアゾメタン類、2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロピオフェノンのようなスルホニルカルボニルアルカン類、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートのようなニトロベンジルスルホネート類、ピロガロールトリスメタンスルホネートのようなアルキル及びアリールスルホネート類(g)ベンゾイントシレートのようなベンゾインスルホネート類、、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミドのようなN−スルホニルオキシイミド類、(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−3,4,6−トリメチル−2−ピリドンのようなピリドン類、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−(3−ビニルフェニル)−エチル−4−クロロベンゼンスルホネートのようなスルホン酸エステル類、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートのようなオニウム塩類等の光酸発生剤や、プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、オニウム化合物、無水カルボン酸化合物等が挙げられる。
【0120】
プロトン酸或いはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル類等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2500X、4167、X−47−110、3525、5225(商品名、キングインダストリー社製)等が挙げられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えば、BF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2等のルイス酸を上記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。
【0121】
オニウム化合物としては、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
【0122】
無水カルボン酸化合物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ラウリン酸、無水オレイン酸、無水ステアリン酸、無水n−カプロン酸、無水n−カプリル酸、無水n−カプリン酸、無水パルミチン酸、無水ミリスチン酸、無水トリクロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水モノクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ヘプタフルオロ酪酸等が挙げられる。
【0123】
ルイス酸の具体例としては、例えば、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズ等の金属ハロゲン化物、トリアルキルホウ素、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニウム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、テトラアルキルスズ等の有機金属化合物、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジブチル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(アセチルアセトナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コバルト等の金属キレート化合物、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズエステルマレート、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石鹸が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0124】
これら硬化触媒の使用量は特に制限されないが、保護層形成用塗布液に含まれる固形分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜10質量部が特に好ましい。
【0125】
また、保護層を形成する際に、有機金属化合物を触媒として用いる場合には、ポットライフ、硬化効率の面から、多座配位子を添加することが好ましい。このような多座配位子としては、以下に示すようなもの及びそれらから誘導されるものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0126】
具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等を挙げることができる。さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子を挙げることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、下記一般式(VII−4)で示される2座配位子が挙げられる。
【0127】
【化6】


【0128】
上記一般式(VII−4)中、R32及びR33はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、フッ化アルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。
【0129】
ここで、上記一般式(VII−4)中のR32とR33が同一のものが特に好ましい。R32とR33とを同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、保護層形成用塗布液のさらなる安定化を図ることができる。
【0130】
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、有機金属化合物の使用量1モルに対し、好ましくは0.01モル以上、より好ましくは0.1モル以上、さらに好ましくは1モル以上である。
【0131】
保護層の25℃における酸素透過係数は、4×1012fm/s・Pa以下であることが好ましく、3.5×1012fm/s・Pa以下であることがより好ましく、3×1012fm/s・Pa以下であることがさらに好ましい。
【0132】
ここで、酸素透過係数は層の酸素ガス透過のし易さを表す尺度であるが、見方を変えると、層の物理的な隙間率の代用特性と捕らえることもできる。なお、ガスの種類が変われば透過率の絶対値は変わるものの、検体となる層間で大小関係の逆転は殆どない。したがって、酸素透過係数は、一般的なガス透過のし易さを表現する尺度と解釈して良い。
【0133】
つまり、保護層の25℃における酸素透過係数が上記条件を満たす場合には、保護層においてガスが浸透しにくい。したがって、画像形成プロセスにより生じる放電生成物の浸透が抑制され、保護層に含有される化合物の劣化が抑制され、電気特性を高水準に維持することができ、高画質化、長寿命化に有効である。
【0134】
保護層の膜厚は、0.5〜15μmが好ましく、1〜10μmがさらに好ましく、1〜5μmがより好ましい。
【0135】
続いて、現像器40の現像剤収容体41に収容されている、トナー粒子と磁性キャリアとを含む二成分現像剤について詳述する。
【0136】
トナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、例えば結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られるものが使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
【0137】
トナー粒子の体積平均粒径は、2〜12μmの範囲が好ましく、3〜9μmの範囲がより好ましい。また、トナーの形状係数SF1が100〜145の範囲のものを用いることにより、高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。この形状係数SF1は、例えば、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーの最大長(ML)の2乗と投影面積(A)から以下の式により求めることができる。
SF1=(ML2/A)×(100π/4)
ただし、πは円周率を表す。
この形状係数は、さらに好ましくは125〜145である。
【0138】
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
【0139】
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
【0140】
トナーの離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
【0141】
また、必要に応じて添加される帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
【0142】
さらに、トナーには、感光体表面の付着物、劣化物除去の目的等で、無機微粒子、有機微粒子、該有機微粒子に無機微粒子を付着させた複合微粒子などを加えることができるが、研磨性に優れる無機微粒子が特に好ましい。無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。また、上記無機微粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理も好ましく行うことができる。
【0143】
有機微粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。これらの粒子径としては、小さすぎると研磨能力に欠け、また、大きすぎると電子写真感光体表面に傷を発生しやすくなるため、平均粒子径で5〜1000nmの範囲、好ましくは5〜800nmの範囲、より好ましくは5〜700nmの範囲のものが使用される。また、前記滑性粒子の添加量との和が、0.6質量%以上であることが好ましい。
【0144】
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等のため、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を、更に付着力低減や帯電制御のため、それより大径の無機酸化物を挙げることができる。これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用することができるが、精密な帯電制御を行うためには、シリカと酸化チタンとを併用することが好ましい。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を向上させる効果が大きくなる。
【0145】
さらに、感光体表面11およびクリーニングブレード61の先端エッジ部611の双方に潤滑剤被膜を形成し先端エッジ部611の磨耗を抑えるため、トナーに潤滑剤成分を添加してもよい。この潤滑成分としては、脂肪酸金属塩および高級アルコールのうちの少なくともいずれか一方を含んだものがあげられる。
【0146】
脂肪酸金属塩としてはステアリン酸のカドミウム、バリウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅、アルミニウム、マグネシウム等の金属塩;二塩基性ステアリン酸鉛;オレイン酸の亜鉛、マグネシウム、鉄、コバルト、銅、鉛、カルシウム等の金属塩;パルミチン酸とアルミニウム、カルシウム等の金属塩;カプリル酸鉛;カプロン酸鉛;リノール酸亜鉛;リノール酸コバルト;リシノール酸カルシウム;リシノレイン酸と亜鉛、カドミウム等の金属塩;及びこれらの混合物等が挙げられるが、中でもステアリン酸亜鉛が潤滑効果が高く好ましい。
【0147】
また、潤滑剤成分として、比重1.3〜1.9、一次粒子径80〜300nm(好ましくは100〜200nm)の単分散球形シリカを用いてもよい。粒径80nm以上の単分散球形シリカは、先端エッジ部611に供給されることにより、該粒子が先端エッジ部611と感光体表面11との間に介在し易いと共に、転がることで潤滑剤となり先端エッジ部611の変形量増加及びスティック&スリップを抑制することができる。単分散球形シリカの粒径が80nmよりも小さい場合は先端エッジ部611に留まり難く安定的な潤滑効果が発揮できない。一方、粒径300nm以下の単分散球形シリカは、単分散かつ球形であることよりトナー表面に均一分散が可能となることより該粒子の現像器40内のメカニカルストレスによる剥がれを有効に抑制することが可能である。単分散球形シリカの粒径が300nmよりも大きくなると現像器40内での攪拌ストレスで容易に該粒子の剥がれが発生し、有効にクリーニングブレード61への供給ができなくなり長期に渡り安定してクリーニングブレード挙動安定効果を発揮させることができない。また、比重が、1.9より大きくなると現像器40内での攪拌ストレスで該粒子の剥がれが加速され有効にクリーニングブレード61への供給ができなくなり、1.3より小さくなると凝集分散が起こり、該粒子の穂立ちが不均一になり凸部分に選択的にストレスが加わることから該粒子の剥がれが加速され、やはり有効にクリーニングブレード61への供給ができなくなる。
【0148】
また、単分散球形シリカは、屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下、特にOHP上への画像作成時のPE値等に影響を及ぼさないため好適である。
【0149】
ここで、単分散の定義としては凝集体を含め一次平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差としてD50が0.22以下であることが望ましい。一次粒子径およびその標準偏差測定は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)を用いて行う。
【0150】
球形化度は、Wadellの真の球形化度を採用し、以下の式に準じて計算した。
【0151】
球形化度Ψ=S’/S
上記式中、S’は、実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積を表し、平均粒径の値から計算により求めた。また、Sは、実際の粒子の表面積であり、島津粉体比表面積測定装置SS−100型を用いて測定されるBET比表面積の値を代用させた。
この球形化度は0.6以上、好ましくは0.8以上であることが望ましい。
【0152】
また、比重測定はルシャテリエ比重瓶を用いJIS K0061の5−2−1に準拠して比重を測定した。具体的な操作は、次の通り行う。
【0153】
1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
【0154】
2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る(読み取り精度は0.025mlとする)。
【0155】
3)試料を約100g量り取り、その質量をWとする。量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
【0156】
4)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る(読み取り精度は0.025mlとする)。
【0157】
5)次式により比重を算出する。
【0158】
D=W/(L2−L1) ・・・式A
S=D/0.9982 ・・・式B
上記式AおよびB中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm3)、Sは試料の比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm3)である。
【0159】
また、その他の潤滑成分として、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸等の固体潤滑剤;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;及びそれらの変性物も使用でき、これらは併用してもよい。
【0160】
トナーは、上記トナー粒子及び上記添加物をヘンシェルミキサー、あるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
【0161】
磁性キャリアとしては、磁性を有するものであればよく、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉、またはそれ等の表面に樹脂コーテイングを施したものが使用される。
【0162】
トナーと磁性キャリアの混合割合は、適宜設定することができる。
【0163】
続いて、図2に示すクリーニング装置の変形例について説明する。以下、図2に示すクリーニング装置の構成要素名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明する。
【0164】
図3は、変形例のクリーニング装置が残留物を除去している様子を模式的に示す図である。
【0165】
図3に示す変形例のクリーニング装置60は、図2に示すクリーニング装置とは、磁性キャリア除去部材62の配置方式が異なる。図3に示す変形例のクリーニング装置60では、磁性キャリア除去部材62が、感光体10の、先端621が接した部位から垂直に立ち上がる垂線L’に対して感光体回転方向下流側に傾いた姿勢で配備されている。すなわち、図3に示す磁性キャリア除去部材62は、クリーニングブレード61と同じくドクター方式で配置されている。しかしながら、磁性キャリア除去部材62は、クリーニングブレード61よりも感光体回転方向下流側に傾いており、磁性キャリア除去部材62の当接セット角度は、クリーニングブレード61の当接セット角度よりも小さい。この変形例においては、配置方式から見れば、磁性キャリア除去部材62もクリーニングブレード61も粒子のすり抜けやすさは同じであるが、当接セット角度の違いにより、磁性キャリア除去部材62の方がクリーニングブレード61よりも粒子がすり抜けやすい。
【0166】
さらに、本発明の画像形成装置の第2実施形態について説明する。第1実施形態の画像形成装置と第2実施形態の画像形成装置とでは、磁性キャリア除去部材の構成が異なるだけであり、他の構成は、両者同じである。以下、図1に示す画像形成装置の構成要素名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して、磁性キャリア除去部材について説明し、重複する説明は省略する。
【0167】
図4は、第2実施形態の画像形成装置に組み込まれた磁性キャリア除去部材が磁性キャリアを除去している様子を模式的に示す図である。
【0168】
図4には、矢印方向に回転する感光体10が示されているが、その表面11は本来曲面であるが、ここでは模式的に平面で示されている。図4に示す磁性キャリア除去部材62は、図3に示す変形例の磁性キャリア除去部材と同じく、ドクター方式で配置されている。この図4に示す磁性キャリア除去部材62は、相対的に感光体10側に位置する非磁性部材層6201と、相対的に感光体10とは反対側に位置する磁性部材層6202とを有する2層構造のものである。すなわち、磁性キャリア除去部材62は、感光体表面11に接する部分(先端621)が非磁性材料からなるものである。図4に示す非磁性部材層6201の厚みは、磁性キャリアCの粒径よりも大きな500μmであり、磁性部材層6202の厚みは1.5mmである。
【0169】
第2実施形態においては、磁性キャリア除去部材62の先端621に衝突し、その衝撃で浮かび上がった磁性キャリアCは、磁性部材層6202の、磁性キャリア除去部材62の先端側端面部分(図4中の62b)に引き寄せられ、この部分(図4中の62b)と磁性キャリア除去部材62の、相対的に感光体10とは反対側で感光体10の回転軸の延在方向に延びた面(図4中の62c)との双方に保持される。すなわち、磁性キャリアが、非磁性部材層6201の、磁性キャリア除去部材62の先端側端面部分(図4中の62a)に滞留することがなく、磁性キャリアCが先端621と感光体表面11との間に入り込んでしまうことが低減される。
(実施例)
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
−感光体の作製−
[感光体A]
4重量部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170重量部に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30重量部および有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量部を添加、混合撹拌して下引層形成用の塗布液を得た。この塗布液を、ホーニング処理により粗面化された外径40mmのアルミニウム支持体の上に浸漬塗布し、室温で5分間風乾を行った後、支持体を10分間で50℃に昇温し、50℃、85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れて、20分間加湿硬化促進処理を行った。その後、熱風乾燥機に入れて170℃で10分間乾燥を行い下引層を形成した。
【0170】
電荷発生材料として、塩化ガリウムフタロシアニンを用い、その15重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10重量部およびn−ブチルアルコール300重量部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を、上記下引層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0171】
次に、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン40部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60重量部とをテトロヒドロフラン235重量部及びモノクロロベンゼン100重量部に十分に溶解混合して得られた塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、乾燥することにより、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。得られた感光体を感光体Aとした。この感光体Aの最表層は電荷輸送層である。
[感光体B]
下記に示す化合物を5部、イソプロピルアルコールを15部、テトラヒドロフランを9部、及び蒸留水を0.9部混合し、それにイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)を0.5部加え、室温で攪拌することにより2時間加水分解を行った。さらに、ブチラール樹脂を0.5部、レゾール型フェノール樹脂(PL−2211、群栄化学社製)を5部、サノールLS2626を0.2部、及びネイキュア4167を0.5部加え保護層形成用塗布液を調製した。この保護層形成用塗布液を浸漬コーティング法で感光体Aの上に塗布して130℃で30分乾燥し、膜厚3μmの保護層を形成した。得られた感光体を感光体Bとした。この感光体Bの最表層は保護層である。
【0172】
【化7】


【0173】
−磁性キャリア除去部材の作製−
[磁性ゴムブレード]
図3に示す、フェライト磁石を分散させたポリウレタンゴムの単層構造である厚さが2mmであって磁力が800ガウスの磁性ゴムブレードを作製した。
[磁性フィルムスクレーパ]
磁力が800ガウスの2種類の磁性フィルムスクレーパを作製した。一つは、フェライト磁石を分散させたPETの単層構造である厚さ2mmの磁性フィルムスクレーパAであり、もう一つは、フェライト磁石を分散させていないPETからなる厚さが500μmの非磁性部材層と、フェライト磁石を分散させたPETからなる厚さが1.5mmの磁性部材層とを有する2層積層型の磁性フィルムスクレーパBである。
[実施例1]
FUJI XEROX製Docu Center Color500機を、図1に示す画像形成装置1と同様な構成に改造した。感光体には、最表層が電荷輸送層である感光体Aを組み込んだ。現像器には、磁性キャリアと重合法で作成されたトナーとを含むFUJI XEROX製Docu Center Color500製品現像剤を収容した現像剤収容体を有するものを用いた。また、FUJI XEROX製Docu Center Color400製品クリーニングブレードと同じ材質のクリーニングブレードを、ドクター方式で配置した。クリーニングブレードの押付圧力は39.2(mN/cm)とし、当接セット角度は12.6(°)とした。
【0174】
さらに、磁性キャリア除去部材としては、磁性ゴムブレードを、押付圧力を19.6(mN/cm)とし、下流側に傾斜したドクター方式にて配置した。すなわち、磁性ゴムブレードAの押付圧力は、クリーニングブレードの押付圧力よりも小さい。
【0175】
また、クリーニング装置から、図2に示す磁性キャリア回収ローラ63および掻取部材64は取り外した。すなわち、磁性キャリア除去部材からの磁性キャリアの回収手段は設けなかった。
【0176】
本実施例における画像形成装置の構成の概略を表1に示す。
【0177】
【表1】


【0178】
以上の構成の画像形成装置を用いて、高温高湿下(28℃、80%RH)、低温低湿下(10℃、15%RH)の順で各5万枚、計10万枚の走行試験を行った後、クリーニングブレードに関する評価、および感光体に関する評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0179】
【表2】


【0180】
クリーニングに関する評価では、ストレス条件下で、クリーニングブレードの先端エッジ部の磨耗量と、クリーニングブレードによるクリーニング性能について評価を行った。磨耗量は、レーザー顕微鏡(キーエンス(株)製)により測定を行った。判断基準は以下の通りである。
◎:クリーニング性能問題なし、先端エッジ部磨耗ほとんどなし
○:クリーニング性能問題なし、先端エッジ部磨耗量小
△:クリーニング性能問題なし、先端エッジ部磨耗量中
×:クリーニング性能問題あり(感光体上の回転軸方向において、局所的にクリーニング不良が発生)、先端エッジ部磨耗量大
感光体に関する評価では、感光体表面の磨耗量及び傷について評価を行った。磨耗量については、走行試験前後での感光体の膜厚を渦電流式で計測しその差分にて判断した。傷については、Rzを指標にし以下の判断基準に基づいて判断した。
◎:Rz 2.5μm以下
○:Rz 2.5〜3.5μm
×:Rz 3.5μm以上(ハーフトーン画像に濃度ムラ発生)
[実施例2]
磁性ゴムブレードを単層構造の磁性フィルムスクレーパAに交換した以外は、実施例1と同様にして画像形成および評価を行なった。画像形成装置の構成の概略を表1に示し、評価結果を表2に示す。
[実施例3]
単層構造の磁性フィルムスクレーパAを二層構造の磁性フィルムスクレーパBに交換した以外は、実施例2と同様にして画像形成および評価を行なった。画像形成装置の構成の概略を表1に示し、評価結果を表2に示す。
[実施例4]
磁性キャリア回収ローラ63および掻取部材64からなる回収手段を設けた以外は、実施例3と同様にして画像形成および評価を行なった。画像形成装置の構成の概略を表1に示し、評価結果を表2に示す。
[実施例5]
最表層が電荷輸送層である感光体Aを最表層が保護層である感光体Bに交換した以外は、実施例4と同様にして画像形成および評価を行なった。画像形成装置の構成の概略を表1に示し、評価結果を表2に示す。
[実施例6]
二層構造の磁性フィルムスクレーパBを単層構造の磁性フィルムスクレーパAに交換するとともに、クリーニング装置から磁性キャリア回収ローラおよび掻取部材からなる回収手段を取り外した以外は、実施例5と同様にして画像形成および評価を行なった。画像形成装置の構成の概略を表1に示し、評価結果を表2に示す。
[比較例1]
磁性ゴムブレードを取り外した以外は、実施例1と同様にして画像形成および評価を行なった。画像形成装置の構成の概略を表1に示し、評価結果を表2に示す。
[比較例2]
磁性フィルムスクレーパAを取り外した以外は、実施例6と同様にして画像形成および評価を行なった。画像形成装置の構成の概略を表1に示し、評価結果を表2に示す。
[比較例3]
磁性ゴムブレードを回転軸にマグネットを内蔵させたブラシロールに交換するとともに磁性キャリア回収ローラおよび掻取部材からなる回収手段を設けた以外は、実施例1と同様にして画像形成および評価を行なった。画像形成装置の構成の概略を表1に示し、評価結果を表2に示す。
【0181】
比較例1では、クリーニング性能は問題ないものの、感光体表面に大きなダメージが与えられている。その反対に、比較例2では、感光体表面へのダメージは抑えられているもののクリーニング性能が劣る。この違いは、比較例1では保護層のない相対的に柔らかい表面の感光体Aを用い、比較例2では保護層のある相対的に硬い表面の感光体Aを用いたことによるものと考える。すなわち、感光体とクリーニングブレードの先端エッジ部との間に挟まった磁性キャリアが、比較例1では、相対的に柔らかい表面の感光体Aを必要以上に磨耗させたり傷つけたりし、比較例2では、相対的に硬い表面の感光体Bであったことからクリーニングブレードの先端エッジ部が磨耗しクリーニング性能が悪化したと考える。したがって、比較例1及び比較例2においては、残留物中の磁性キャリアが感光体表面から除去されていないことになる。また、比較例3では、比較例1と比較して感光体表面へのダメージは幾分かは抑えられているものの、そのダメージの程度は許容範囲ではなく、残留物中の磁性キャリアが感光体表面から十分に除去されていないことになる。
【0182】
これらの比較例に対して、各実施例では、クリーニング性能は良好であり、クリーニングブレードの先端エッジ部の磨耗も抑えられている。また、感光体表面のダメージも抑えられている。これは、残留物中の磁性キャリアが感光体表面から、その表面に接触した磁性ゴムブレードあるいは磁性フィルムスクレーパによって十分に除去されたことによるものと考える。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示すクリーニング装置が残留物を除去している様子を模式的に示す図である。
【図3】変形例のクリーニング装置が残留物を除去している様子を模式的に示す図である。
【図4】第2実施形態の画像形成装置に組み込まれた磁性キャリア除去部材が磁性キャリアを除去している様子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0184】
1 画像形成装置
10 感光体ドラム
11 表面
20 帯電器
30 露光器
40 現像器
50 転写ロール
60 クリーニング装置
61 クリーニングブレード
62 磁性キャリア除去部材
63 磁性キャリア回収ローラ
64 掻取部材
70 除電ランプ
80 定着器




 

 


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