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発明の名称 画像形成装置用温度制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3720(P2007−3720A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182438(P2005−182438)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
発明者 大渕 健司
要約 課題
定着部の加熱源をオン・オフ制御するためのスイッチング素子を含む、温度制御系のデバイスに関して、正確な寿命判定が可能であり、必要最小限の補償の下で設計する。

解決手段
ハロゲンランプ100のオン・オフ制御を行うスイッチング素子であるトライアック116の寿命の判定として、装置の稼働状態別にトライアック116のオン・オフ回数を累積し、かつ、状態毎に寿命への影響度合いを考慮して、重み付けを行い、何れかの状態で上限値を超えた場合に、異常と判定するようにしたため、従来には見られない正確な寿命判定が可能となる。これにより、必要以上の性能のトライアック116を選択する必要がなく、必要十分な性能のトライアック116ですみ、装置の小型化、コストダウンを図ることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
トナー像が形成された記録媒体に対して、加熱、かつ加圧処理することで、当該トナー像を記録媒体上に定着する定着部を備えた画像形成装置に用いられ、前記定着部には、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する加熱源が設けられ、この加熱源への電源供給をスイッチング素子のオン・オフにより制御して、前記定着部における定着温度を所定温度に維持する画像形成装置用温度制御装置であって、
前記スイッチング素子のオン・オフ回数を、少なくとも前記画像形成装置の立ち上げ時、待機時、画像形成処理時を含む、状態毎に分類して累積する状態別累積手段と、
前記状態毎の前記スイッチング素子のオン・オフ回数のそれぞれの上限値を記憶する状態別上限値記憶手段と、
前記状態別累積手段による各状態毎の累積結果と、前記状態別上限値記憶手段に記憶された各状態毎の上限値と、を比較する比較手段と、
比較手段による比較の結果、累積結果が少なくとも何れか1つの状態で上限値を超えている場合に、異常を判定する判定手段と、
前記判定手段で異常を判定した場合に、警告、強制停止を含む異常時処理を所定の順序で実行する異常時処理実行制御手段と、
を有する画像形成装置用温度制御装置。
【請求項2】
前記各状態でのスイッチング素子の実際のオン・オフ回数に対して、当該状態毎の環境温度に基づいて重み付けして累積することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置用温度制御装置。
【請求項3】
前記状態別累積手段の累積結果を、履歴として記憶する履歴手段をさらに有し、少なくとも前記スイッチング素子の寿命の判定に適用することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像形成装置用温度制御装置。
【請求項4】
前記加熱源が、ハロゲンランプであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の画像形成装置用温度制御装置。
【請求項5】
前記スイッチング素子が、トライアック(TRIAC「triode AC switch」)であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の画像形成装置用温度制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式に係り、トナー像が形成された記録媒体に対して、加熱、かつ加圧処理することで、当該トナー像を記録媒体上に定着する定着部を備えた画像形成装置に用いられ、前記定着部には、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する加熱源が設けられ、この加熱源への電源供給をスイッチング素子のオン・オフにより制御して、前記定着部における定着温度を所定温度に維持する画像形成装置用温度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真技術では、感光体上に形成したトナー像を、直接、或いは中間転写ベルトなどの中間転写体に転写し、記録媒体上にトナー像を形成する画像形成装置では、その最終段に、当該記録媒体上のトナー像に対して、加熱、かつ加圧処理することで、当該トナー像を記録媒体上に定着する定着部が配設されている。
【0003】
定着部には、ヒートローラが備えられている。ヒートローラは、内部が空洞とされ、加熱源(ヒータ)としてのハロゲンランプが収容され、このハロゲンランプが点灯するときに発生する熱によりローラ表面を加熱する構成となっている。
【0004】
すなわち、電気エネルギー(ハロゲンランプへの電源供給)を熱エネルギー(発生する熱)に変換することを利用しており、これにより、ヒートローラの温度調整をハロゲンランプへのオン・オフ制御により行うことができる。
【0005】
前記ハロゲンランプのオン・オフ制御には、半導体デバイスのスイッチング素子であるトライアック(TRIAC)が適用されており、検出される定着部の温度をフィードバック制御している。
【0006】
ここで、特許文献1には、ヒータ点灯回数を平均化しヒータ寿命を延ばし、消費電力を抑えてフリッカの発生を防止する定着ヒータ制御装置が提案されている。
【0007】
この特許文献1には、複数の定着用のヒータが設けられており、それぞれの定着ヒータの点灯回数を記憶し、ヒータ点灯時又は消灯時にその点灯/消灯回数に基づいて平均化するように制御し、異常を検知した場合に定着ヒータ制御装置を停止し、異常を報知することが記載されている。
【特許文献1】特開平10−301441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1等の技術では、ヒータの点灯/消灯回数(或いは、通電時間を含む)をカウントすることで、寿命を判断(予測)するようにしてるが、このような寿命の対象は、ハロゲンランプやヒートローラであり、ハロゲンランプをオン・オフ制御する上記トライアック等のデバイスに関しては、寿命の判断の対象としていない。なお、デバイスには、前記トライアックの他、ヒューズ、電解コンデンサ等の電子部品も含む。
【0009】
このためデバイスに関しては、ハロゲンランプやヒートローラが寿命に達する前に故障する場合がある。また、逆に、過剰な補償の下での設計により、大型、かつ高価なデバイスを選択しておく場合もある。
【0010】
何れにしても、リサイクルの面からも、ハロゲンランプやヒートローラのみの寿命を予測すると共に、当該ハロゲンランプのオン・オフを制御するための制御系のデバイスに関しても、寿命の監視が必要であるが、現状では、このようなデバイスの寿命の監視は確立されていない。
【0011】
特に、トライアックに関しては、装置の待機時や画像形成処理時に比べ、装置のコールドスタート時(立ち上げ時)には、大きな突入電流が発生するため、一概にオン・オフ回数の累積回数のみでの寿命の判定は誤差を招き易い。
【0012】
例えば、定着部の温度が画像形成処理時は160℃であり、このときトライアックには、10A〜20Aの突入電流が流れる。これに対し、待機時は100℃/40A〜50A、立ち上げ時は30℃/70A〜80Aとなり、突入電流に格差があることがわかっている。
【0013】
本発明は上記事実を考慮し、定着部の加熱源をオン・オフ制御するためのスイッチング素子を含む、温度制御系のデバイスに関して、正確な寿命判定が可能であり、必要最小限の補償の下で設計することができる画像形成装置用温度制御装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、トナー像が形成された記録媒体に対して、加熱、かつ加圧処理することで、当該トナー像を記録媒体上に定着する定着部を備えた画像形成装置に用いられ、前記定着部には、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する加熱源が設けられ、この加熱源への電源供給をスイッチング素子のオン・オフにより制御して、前記定着部における定着温度を所定温度に維持する画像形成装置用温度制御装置であって、前記スイッチング素子のオン・オフ回数を、少なくとも前記画像形成装置の立ち上げ時、待機時、画像形成処理時を含む、状態毎に分類して累積する状態別累積手段と、前記状態毎の前記スイッチング素子のオン・オフ回数のそれぞれの上限値を記憶する状態別上限値記憶手段と、前記状態別累積手段による各状態毎の累積結果と、前記状態別上限値記憶手段に記憶された各状態毎の上限値と、を比較する比較手段と、比較手段による比較の結果、累積結果が少なくとも何れか1つの状態で上限値を超えている場合に、異常を判定する判定手段と、前記判定手段で異常を判定した場合に、警告、強制停止を含む異常時処理を所定の順序で実行する異常時処理実行制御手段と、を有している。
【0015】
本発明によれば、画像形成措置の状態として、少なくとも立ち上げ時、待機時、画像形成処理時に分類する。この分類は、主として定着部における環境温度によって分類されており、例えば、立ち上げ時は室温(約20℃〜30℃)、待機時は100℃前後、画像形成処理時は160℃前後とされ、環境温度が異なることで分類することができる。
【0016】
分類された各状態の下で、状態別累積手段では、スイッチング素子のオン・オフ回数を累積する。また、状態別上限値記憶手段には、予め各状態毎の上限値が記憶されており、比較手段で、各状態での累積値と上限値とを比較する。
【0017】
この比較の結果、少なくとも何れか1つの状態で累積値が上限値を超えている場合に、判定手段で異常と判定する。
【0018】
異常と判定されると、異常時処理実行制御手段では、まず、ユーザーに対して警告を発し、それでも稼働が継続された場合は強制的に稼働を停止する。これにより、スイッチング素子の故障による不具合を未然に防止することができる。また、スイッチング素子の温度の違いによる寿命が変化を考慮した上で、寿命を正確に予測することができる。
【0019】
上記発明において、前記各状態でのスイッチング素子の実際のオン・オフ回数に対して、当該状態毎の環境温度に基づいて重み付けして累積することを特徴としている。
【0020】
スイッチング素子は、環境温度によって同じオン・オフでも、突入電流の差によって劣化度合いが異なる。そこで、例えば、立ち上げ時等、環境温度が低い状態でのオン・オフと、画像形成処理時等、環境温度が高い状態でのオン・オフと、の劣化影響度合いの違いを是正するべく、オン・オフ回数に重み付けを行う。上記で言えば、当然環境温度が低い状態でのオン・オフは、環境温度が高い状態でのオン・オフよりも負担が大きいため、所定の係数によって回数を増やすことで、全ての状態で1回のオン・オフによる影響度合いを均等化する。これにより、正確な寿命を得ることができる。
【0021】
また、本発明において、前記状態別累積手段の累積結果を、履歴として記憶する履歴手段をさらに有し、少なくとも前記スイッチング素子の寿命の判定に適用することを特徴としている。
【0022】
履歴手段による履歴を見ることで、リサイクルの観点から、再利用できるか否かの判断を容易に行うことができる。
【0023】
さらに、本発明において、前記加熱源が、ハロゲンランプであることを特徴としている。
【0024】
ハロゲンランプの点灯による発熱(熱エネルギーへの変換)を用いることで、電気的なスイッチング(オン・オフ)による温度制御が容易であり、定着部における加熱源として多く利用されている。
【0025】
また、本発明において、前記スイッチング素子が、トライアック(TRIAC「triode AC switch」)であることを特徴としている。
スイッチング素子としてトライアックを適用する場合、従来では、製造メーカーによる性能試験等において、必要以上(過剰)に耐久性の高いものを適用していた。このため、装置が大型化したり、コストアップにつながっていた。
【0026】
これに対し、装置の状態毎にオン・オフ回数を累積する(重み付けを含む)ことで、正確な寿命を判定することができ、必要以上に耐久性の高いものを適用しなくてもよくなり(必要最小限の補償ですみ)、装置の小型化、コストダウンにつながる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明した如く本発明では、定着部の加熱源をオン・オフ制御するためのスイッチング素子を含む、温度制御系のデバイスに関して、正確な寿命判定が可能であり、必要最小限の補償の下で設計することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0029】
図1に示されるように、本実施形態の画像形成装置10は、装置内の略中央に、図中の矢印A方向(時計回り方向)へ回転駆動する感光体12が設けられている。感光体12の周囲には、感光体12の表面を帯電する帯電ロール14が配置され、さらに装置本体内の下部には、帯電ロール14により帯電された感光体12の表面にレーザ光Lを照射し静電潜像を形成する露光装置16が設けられている。
【0030】
感光体12の図1の左下には、感光体12上に形成された静電潜像をトナー像に現像するロータリ現像装置18が隣接配置されている。このロータリ現像装置18は、イエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)及び黒(Black)の4色のトナー像をそれぞれ形成する現像器20Y、20M、20C、20Kを備えている。
【0031】
感光体12の周面かつ、右上の所定の領域には、ロータリ現像装置18によって可視化されたトナー像が転写される中間転写体としての中間転写ベルト22が巻き掛けられており、ローラ22、24、26によって、巻き掛け状態が保持されるようになっている。
【0032】
この巻き掛け領域が一次転写部T1とされている。
【0033】
中間転写ベルト22は、複数のローラ28A、28B、28Cに巻き掛けられて、略三角形のループを形成しており、前記巻き掛け領域によって感光体12の回転力を受けて回転(すなわち、従動回転)する構成となっている。
【0034】
中間転写ベルト22は、4周回することで、一次転写部T1で感光体12上のトナー像がイエロー、マゼンタ、シアン、黒の順に重ねて一次転写され、この一次転写されたトナー像を下記の二次転写部T2に向けて搬送する。
【0035】
二次転写部T2は、前記中間転写ベルト22が巻き掛けられたローラ28A、28B、28Cの1つ(本実施の形態では、図1の最右端のローラ28A)と、二次転写ローラ30とで構成され、この二次転写ロール30と中間転写ベルト22との間が二次転写位置となっている。
【0036】
画像形成装置10の下部には、用紙Pが収納される給紙トレイ64が設けられている。給紙トレイ64の右側近傍には、給紙トレイ64から用紙Pを搬送路40に送り出すフィードロール66が配置されている。フィードロール66によって用紙Pは給紙トレイ64から持ち出され、所定の搬送経路を通って、前記二次転写部T2へと搬送されるようになっている。
【0037】
二次転写部T2を中間点とする用紙Pの搬送路40には、当該二次転写部T2の下流側に加熱ロール72及び加圧ロール74を備えた定着装置70、さらにこの定着装置70の下流側に一対の排出ロール76、78とが設けられている。この排出ロール76、78の装置左側壁部位には排出口80が形成されており、排出口80から図1の左側方(外側)へ延出された排紙トレイ82が設けられている。
【0038】
ここで、前記定着装置の加熱ロール72は、所謂ヒートローラ構造であり、内部に加熱源としてのハロゲンランプ100(図2参照)が収容されている。このハロゲンランプ100を点灯(電力供給)することで、加熱ロール72の表面が加熱され、この加熱された表面に前記用紙Pが接触(前記加圧ロール74との挟持位置)することで受熱する構成である。
【0039】
ハロゲンランプ100は、装置内における、定着装置70とは離れた位置に配設された定着装置コントローラ102によってオン・オフ制御されるようになっている。すなわち、定着装置70内は極めて高熱の雰囲気となるため、この熱による制御系の電子部品を保護を目的とし、定着装置コントローラ102を定着装置70から離れた位置とし、ハーネス104(図2参照)によってハロゲンランプ100と接続している。
【0040】
図2には、定着装置コントローラ102の回路構成が示されている。
【0041】
ハロゲンランプ100の両端は、ハーネス104(2本の電力供給線104A、104B)により、アース設置された電源部(AC100V)106の出力端子のそれぞれに接続されている。
【0042】
一方の電力供給線104Aには、ヒューズ108が直列に接続されており、過電流時に通電を遮断することができる。
【0043】
また、両方の電力供給線104A、104Bには、パワースイッチ110(所謂両切りタイプ)が介在され、このパワースイッチ110がオンされることで、ハロゲンランプ100の点灯制御が可能となる。
【0044】
また、前記ヒューズ108が直列接続された側の電力供給線104Aには、リレーユニット112のスイッチ部112Aが接続されている。
【0045】
リレーユニット112のコイル部112Bは、装置全体を制御するコントローラ(MCU)114に接続された信号線115(直流24V)によって接続されており、MCU114において、何らかの異常を検知した場合に出力される異常信号によりコイル部112Bを通電し、スイッチ部112Aをオフ状態とする。
【0046】
また、他方の電力供給線104Bには、ハロゲンランプ100の動作(点灯可能)時にオン・オフ制御するためのトライアック116が接続されている。このトライアック116は、MCU114内に設けられた定着装置制御部114Aからの信号に基づいて、前記他方の電力供給線104Bを導通・遮断し、ハロゲンランプ100を点灯・消灯させる役目を有している。
【0047】
図2において、ハロゲンランプ100のみが定着装置70に存在しており、その他のMCU114及び定着装置コントローラ102は、前述の如く定着装置70からは離れた位置に配設されているため、定着装置70から直接熱を受けることはない。
【0048】
ところで、トライアック116におけるオン・オフ制御のための動作寿命は、環境温度に依存することがわかっている。一般に、装置内部の環境温度は、100℃前後(稼働時は160℃前後)であるため、従来は、この環境温度によっても動作寿命とならない余裕を持った補償が可能な性能を強いられていた。
【0049】
これに対して本実施の形態では、前記トライアック116のオン・オフ回数を累積することで、寿命を正確に把握する構成とし、必要十分な性能を持つトライアックを適用可能とした。
【0050】
また、トライアック116に関しては、ハロゲンランプ100が点灯する定着装置70の環境(特に温度)によって突入電流の大きさが異なる。
【0051】
すなわち、装置を立ち上げるとき(すなわち、コールドスタート時)は、装置全体が室温(20℃〜30℃程度)となっているため、定着装置70の加熱ロール72を急速に加熱するため、ハロゲンランプ100には、大きな電流が流れるため、これに伴って、突入電流が最大となる(約70〜80A)。
【0052】
表1は、前述した通常の動作環境(100℃前後、160℃前後)における突入電流を含む、状態別の環境温度と突入電流の関係を示している。
【0053】
【表1】


【0054】
本実施の形態では、前記トライアックのオン・オフ回数を累積する際に、前記表1の状態別に分類し、それぞれの状態毎に累積すると共に、当該状態毎に予め設定された上限値と比較するようにしている。
【0055】
さらに、同じオン・オフであっても、突入電流の大きい方がトライアック116自体への負担が大きいため、互いに、オン・オフ回数の負担が同等となるように重み付けを行っている。具体的には、画像形成処理時のオン・オフ回数を基準として、スタンバイ時では、1回のオン・オフに対して係数K1を掛け、コールドスタート時では、1回のオン・オフに対して係数K2(>K1)を掛けた値をオン・オフ回数とする。係数K1、K2の設定は、適用されるトライアック116の仕様、装置の設置条件等により決定すればよいが、例えば、負担が単純に突入電流に比例するのであれば、表1から、K1は(50A/20A)〜(40A/10A)=2.5〜4となり、K2は(80A/20A)〜(70A/10A)=4〜7となる。
【0056】
図3は、MCU114における前記トライアックオン・オフ回数累積による寿命判定のための制御系を機能的に示したブロック図である。
【0057】
トライアック116のオン・オフ信号は、分岐されて信号振分部150に入力されている。この信号振分部150には、状態判別部152が接続されている。状態判別部152には、MCU114における稼働情報が入力されており、この稼働情報に基づいて、表1に示す3種類の状態に分類され、状態判別信号として信号振分部150へ送出する。
【0058】
信号振分部150では、この状態判別信号に基づいて、前記入力されるトライアック116のオン・オフ信号を、3種類のカウンタ154(画像形成処理カウンタ154A、スタンバイカウンタ154B、コールドスタートカウンタ154C)の何れかへ送出する。
【0059】
各カウンタ154では、オン・オフ信号が入力される毎に、カウント値を+1(インクリメント)していく。
【0060】
画像形成処理カウンタ154Aによるカウント値は、選択部156へ送出される。
【0061】
また、スタンバイカウンタ154Bによるカウント値は、重み付け処理部158に入力され、カウント値にこの重み付け処理部158に予め設定された係数K1が乗算され、選択部156へ送出される。
【0062】
さらに、コールドスタートカウンタ154Cによるカウント値は、重み付け処理部160に入力され、カウント値にこの重み付け処理部160に予め設定された係数K2が乗算され、選択部156へ送出される。
【0063】
選択部156には、状態特定部162が接続されている。状態特定部162では、前記3種類の状態をローテーションで繰り返し特定する役目を有しており、特定された状態信号を前記選択部156へ送出すると共に、上限値読出部164へ送出する。
【0064】
前記選択部156では、状態特定部162からの状態信号に基づく状態カウント値を選択して比較部166へ送出する。
【0065】
また、上限値読出部164には、各状態の上限値を記憶する状態別カウント上限値メモリ168が接続され、前記状態信号に基づく状態の上限値を読み出して、比較部166へ送出する。
【0066】
これにより、比較部166では、前記ローテーションに従って、各状態でのカウント値と上限値とが比較されるようになっている。
【0067】
比較部166の比較結果情報は、異常判定部170へ送出され、この異常判定部170において、異常か否か(寿命を超えているか否か)が判定され、異常の場合には、異常信号を表示制御部172へ送出する。これにより、表示制御部172では、MCU114に接続された表示部174(例えば、既存のUI(ユーザーインターフェイス)であってもよい)を用いて警告する。
【0068】
また、異常信号は、異常時動作監視部176に送出されている。異常時動作監視部176では、異常と判定された後の稼働状態を監視し、例えば、所定時間稼働が実行された場合、或いは、前記上限値よりもさらに上の極限値にカウント値が到達した場合、強制停止指示部178へ過度異常信号を送出する。これにより、強制停止指示部178では、MCU114の本来の稼働制御系に対して、強制停止指示信号を送出する。
【0069】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0070】
まず、本実施形態の画像形成装置10によるカラー画像形成動作について説明する。
【0071】
画像形成装置10に画像形成信号が入力されると、感光体12が帯電装置14により一様に帯電され、この帯電された感光体12には、画像形成信号に基づいて露光装置16からレーザ光Lが照射される。このレーザ光Lにより、感光体12の表面が露光され、静電潜像が形成される。感光体12上に形成された静電潜像は、ロータリ現像装置18の現像器20Y、20M、20C、20Kによってイエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像を現像され、一次転写部T1で中間転写ベルト22に重ねて一次転写される。なお、一次転写後に感光体12上に残留する転写残トナーは、クリーニングブレード等によって掻き取られ除去される。
【0072】
一方、給紙トレイ64に収納された用紙Pは、フィードロール66により送り出され、給紙トレイ64の最上部の用紙Pのみが搬送路40に導かれ、所定のタイミングで二次転写部T2に送り込まれる。この二次転写部T2で、中間転写ベルト22に一次転写されているトナー像が用紙Pに二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは、所定の搬送経路を通って定着装置70に導かれ、加熱ロール72と加圧ロール74とによる熱圧力によってトナー像が定着される。そしてこのトナー像の定着により画像形成された用紙Pは、排出ロール76、78により排出口80から排紙トレイ82へ排出される。
【0073】
ここで、本実施の形態では、定着装置70の加熱ロール72の加熱源として適用されているハロゲンランプ100への通電をトライアック116を用いて制御している。すなわち、トライアック116のオン・オフによってハロゲンランプ100への通電・非通電がなされる。
【0074】
このトライアック116は、半導体素子であり、温度による劣化があり、所定の寿命を持っている。この寿命はトライアック116の種類(性能)によってまちまちであるが、従来は、トライアック116を選択するにあたり、寿命が必要以上に長い性能を持った種類を選択していたため、装置が大型化すると共にコストアップにつながっていた。
【0075】
そこで、本実施の形態では、必要十分な性能のトライアック116を適用し、このトライアック116のオン・オフ回数を装置の稼働状態別に累積し、かつ稼働状態別の上限値と比較し、寿命を正確に判断することで、必要十分な性能のトライアック116を適用可能とした。
【0076】
以下、図4及び図5のフローチャートに従い、トライアック寿命判定制御について説明する。
【0077】
図4は、トライアック116のオン・オフ回数カウント制御ルーチンであり、まず、ステップ200では、トライアック116の交換があったか否かが判断され、肯定判定された場合には、ステップ202へ移行して後述するオン・オフ回数のカウント累積値をリセットして、ステップ202へ移行する。また、ステップ200で否定判定された場合には、ステップ204へ移行する。
【0078】
ステップ204では、トライアック116のオン・オフがあったか否かが判断され、否定判定の場合には、このルーチンは終了する。また、ステップ204で肯定判定されると、ステップ206へ移行して、現在の装置状態を判別する。この状態は、本実施の形態では、画像形成処理時、スタンバイ時、コールドスタート時の3種類に分類した。
【0079】
ステップ206で状態の判別が完了すると、ステップ208へ移行し、判別した状態がコールドスタートか否かが判断される。このステップ208で否定判定された場合には、ステップ210へ移行して、判別した状態がスタンバイか否かが判断される。
【0080】
上記ステップ208、210において、3種類の状態別に処理が実行される。すなわち、ステップ208で否定判定、かつステップ210で否定判定された場合は、画像形成処理時であると判断され、ステップ212へ移行して画像形成処理カウンタ154Aのカウント値をインクリメントして、ステップ222へ移行する。
【0081】
また、ステップ208で否定判定、かつステップ210で肯定判定された場合は、スタンバイ時であると判断され、ステップ214へ移行してスタンバイカウンタ154Bのカウント値をインクリメントして、ステップ216へ移行する。ステップ216では、予め設定された重み付け係数K1をカウント値に乗算し、ステップ222へ移行する。
【0082】
次に、ステップ208で肯定判定された場合には、コールドスタート時であると判断され、ステップ218へ移行してコールドスタートカウンタ154Cのカウント値をインクリメントして、ステップ220へ移行する。ステップ220では、予め設定された重み付け係数K2をカウント値に乗算し、ステップ222へ移行する。
【0083】
ステップ222では、各状態毎にカウント値を保存し、このルーチンは終了する。
【0084】
なお、このステップ222における保存データは、履歴として残すことで、トライアック116がリサイクルされるときに、再利用の可否を判断する情報として適用することができる。
【0085】
次に、図5は、図4で得た各状態の下でのカウント値を用いた異常判定制御ルーチンである。
【0086】
ステップ250では、現在警告が発令中(表示部174における警告表示等)か否かが判断され、肯定判定された場合には、ステップ252へ移行して、警告発令後さらに動作が継続され、過度の動作状態となっているか否かが判断される。このステップ252で肯定判定された場合には、トライアック116が正常に動作しない可能性が高いと判断し、ステップ254へ移行して、MCU114の稼働制御系へ強制停止指示を送出し、このルーチンは終了する。
【0087】
また、ステップ252で否定判定された場合には、警告は発しているが、トライアック116が正常に動作すると判断し、ステップ256へ移行する。また、ステップ250で否定判定された場合も、ステップ256へ移行する。
【0088】
ステップ256では、現在の状態を特定する。この特定は、状態が変化したときはもちろん変化後の状態を特定し、それ以外は、所定のローテーションで状態を特定する。
【0089】
次のステップ258では、特定された状態のカウント値をそれぞれのカウンタ154の何れかから読出し、次いでステップ260へ移行して特定された状態のカウント上限値を読出し、ステップ262へ移行する。
【0090】
ステップ262では、カウント値と上限値とを比較し、ステップ264へ移行する。ステップ264では、比較の結果、異常と判定(肯定判定)された場合には、ステップ266へ移行して、警報を発令(表示部174上に警告を表示等)し、このルーチンは終了する。また、ステップ264で否定判定された場合は、正常であると判断し、このルーチンは終了する。
【0091】
以上説明したように本実施の形態では、ハロゲンランプ100のオン・オフ制御を行うスイッチング素子であるトライアック116の寿命の判定として、装置の稼働状態別にトライアック116のオン・オフ回数を累積し、かつ、状態毎に寿命への影響度合いを考慮して、重み付けを行い、何れかの状態で上限値を超えた場合に、異常と判定するようにしたため、従来には見られない正確な寿命判定が可能となる。これにより、必要以上の性能のトライアック116を選択する必要がなく、必要十分な性能のトライアック116ですみ、装置の小型化、コストダウンを図ることができる。
【0092】
なお、本実施の形態では、トライアック116を対象として寿命判定を行ったが、他の半導体デバイスや電子部品(ヒューズ108や電解コンデンサ等)においても、前記トライアック116のオン・オフ回数に基づく寿命判定を行ってもよい。
【0093】
また、半導体デバイスや電子部品に限らず、機械的な部材の劣化(例えば、加熱ローラの表面劣化)等も併せて寿命判定することで、リサイクルの際の再利用の可否判断を信頼性の高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示す構成図である。
【図2】定着装置コントローラの回路構成図である。
【図3】MCUにおけるトライアックオン・オフ回数累積による寿命判定のための制御系を機能的に示したブロック図である。
【図4】トライアックオン・オフ回数カウント制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図4でカウントしたトライアックオン・オフ回数を利用した異常判定制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
T1 一次転写部
T2 二次転写部
P 用紙
10 画像形成装置
12 感光体
14 帯電ロール
16 露光装置
18 ロータリ現像装置
20Y、20M、20C、20K 現像器
22 中間転写ベルト
23、24、26 ローラ
28A、28B、28C ローラ
30 二次転写ロール
40 搬送路
64 給紙トレイ
66 フィードロール
70 定着装置
72 加熱ロール
74 加圧ロール
76、78 排出ロール
80 排出口
100 ハロゲンランプ
102 定着装置コントローラ
104 ハーネス
104A、104B 電力供給線
106 電源部
108 ヒューズ
110 パワースイッチ
112 リレーユニット
112A スイッチ部
112B コイル部
114 コントローラ(MCU)
115 信号線
116 トライアック(スイッチング素子)
150 信号振分部
152 状態判別部(状態別累積手段)
154 カウンタ(状態別累積手段)
154A 画像形成処理カウンタ(状態別累積手段)
154B スタンバイカウンタ(状態別累積手段)
154C コールドスタートカウンタ(状態別累積手段)
156 選択部
158、160 重み付け処理部
162 状態特定部
164 上限値読出部
166 比較部(比較手段)
168 状態別カウント上限値メモリ(上限値記憶手段)
170 異常判定部(異常時処理実行制御手段)
172 表示制御部(異常時処理実行制御手段)
174 表示部(異常時処理実行制御手段)
176 異常時動作監視部(異常時処理実行制御手段)
178 強制停止指示部(異常時処理実行制御手段)




 

 


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