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発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−25138(P2007−25138A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−205696(P2005−205696)
出願日 平成17年7月14日(2005.7.14)
代理人 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三
発明者 竹内 一貴
要約 課題
少なくとも1層以上からなるシームレス半導電性ベルトであり、特に従来の転写ベルト及び中間転写ベルトの欠点を解消した半導電性シームレスベルトを具備した画像形成装置を提供する。

解決手段
移動可能な像担持体又は転写材担持体を有し、少なくとも光源(発光素子)と受光素子からなる光学センサで位置検知を行う画像形成装置において、光学センサの光源波長における、前記像担持体又は転写材担持体の透過率が5.0%以上とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
移動可能な像担持体又は転写材担持体を有し、少なくとも光源(発光素子)と受光素子からなる光学センサで位置検知を行う画像形成装置において、
光学センサの光源波長における、前記像担持体又は転写材担持体の透過率が5.0%以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記光源(発光素子)から発する光が前記像担持体又は転写材担持体を透過し、前記受光素子に入射する構成であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像担持体又は転写材担持体の像担持面又は転写材担持面は、テーバ磨耗(磨耗輪CS−10F、荷重500g)を用いて、100回転の磨耗輪試験を行った際に、試験後の透過率が3.0%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記像担持体又は転写材担持体が樹脂組成物からなり、少なくとも1層以上のシームレス状半導電性ベルトであることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記シームレス半導電性ベルトが2層以上である場合、最外周面層の鉛筆硬度(JIS−K−5400)がH以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記樹脂組成物中に無機微粒子が少なくとも1種類以上混合されており、体積固有抵抗率が106〜1013Ω・cmであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記無機微粒子がカーボンナノチューブ又はカーボンナノホーンであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
カーボンナノチューブは短軸径が0.3μm以下であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記像担持体が、電子写真装置用の中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記転写材担持体が、電子写真用の転写ベルトである請求項1〜請求項8の何れかに記載の画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学センサで位置検知・画像濃度検知を行う画像形成装置に関するものである。特に、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置において、各種ローラやベルト駆動時に作像されたトナー担持体を高精度な位置に搬送精度を要求される画像形成装置用の各種ベルト、特に転写ベルト、中間転写ベルト、定着フィルム等に有効に使用する用途にある。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式の画像形成装置における帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、定着ローラ、中間転写ドラム、搬送ドラム等は、軽量化・低コスト化のためチューブやベルト状の部材を用いる。即ち、中間転写ベルト・転写搬送ベルト・定着ベルト等であり、各々半導電性に抵抗値制御された樹脂組成物であることが多い。
【0003】
電子写真方式を用いた画像形成装置において、感光体を一方向に定速で走行(回転/移動)させ、光学情報を露光することでその表面に光学情報静電潜像を形成している。感光体としては、円筒状のドラムを回転させるものが一般的であるが、シームレス状半導電性ベルトを走行させるものがある。
【0004】
特に前記電子写真方式を用いた画像形成装置でもカラーの画像を潜像する場合、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マジェンタ)、K(黒)の4色の潜像画像を記録媒体に混色するための転写材搬送体、中間転写体、連続用紙搬送体等にシームレス状半導電性ベルト搬送装置を用いる方式がある。
【0005】
このように近年、画像形成装置の中で多種多様な半導電性を有する無端(シームレス状)ベルトが用いられるようになってきている。ところで、電子写真で用いられている前記転写材搬送体、中間転写体、連続用紙搬送体等のシームレス状半導電性ベルトには、転写材を搬送する、用紙を搬送すると言う機能の他に、さまざまな機能が要求されるようになってきている。
【0006】
特に、画像の位置調整あるいは濃度調整はベルト表面の光反射を利用して検出されることが多い(例えば特開2003―162117など)。その際、ベルト表面の反射率が大きく、且つその表面反射率が、経時的に変化しない機能が要求される。
【0007】
これらの機能を満たすため、シームレス状半導電性ベルトには
(a) シームレス状半導電性ベルトが単層(1層)であり、単層膜自身が耐磨耗性、耐擦傷性を有しており、且つ、単層膜自身が高反射率である事や、あるいは
(b) シームレス半導電性ベルトが多層であり、最外周面を形成する材料が耐磨耗性、耐擦傷性を有しており、且つ、高反射率である事が所望されている。
【0008】
特許文献1には、(a)の単層(1層)からなるシームレス半導電性ベルトとして、ポリイミド樹脂を画像形成装置用に転写ベルトとして使用した例が記載されている。
【0009】
また、特許文献2及び特許文献3には、前記(b)のような2層以上のベルトを画像形成装置用の転写ベルトとして使用した例が記載されている。
【特許文献1】特開平05―077252号公報
【特許文献2】特開平11―161036号公報
【特許文献3】特開平8―278708号公報
【特許文献4】特開2003―162117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記(a)の例である特許文献1のポリイミド樹脂の耐摩擦性や耐擦傷性では、通紙等の経時的な使用でその表面性が荒れてしまう。つまり全反射率自体はポリイミド樹脂の持つ高い屈折率のため高い数値を維持するが、そのうちの正反射成分は減少し、拡散反射成分が増大する。その結果として画像形成装置においては、良好な位置検知を実現できなくなる。
【0011】
またコストの観点からポリイミド樹脂を使用する事は好ましくない。
【0012】
特許文献2の転写ベルトでは、絶縁性の高い無機微粒子を添加しなければならず、結果として画像特性との両立が困難な場合があった。また、特許文献3の転写ベルトでは高い転写効率が期待でき、高画質化には対応できるが、シームレス状半導電性ベルト表面の高反射率化の実現が困難であり、また経時的にその全反射率も減少する場合があった。
【0013】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の第一の目的は少なくとも1層以上からなるシームレス半導電性ベルトであり、特に従来の転写ベルト及び中間転写ベルトの欠点を解消した半導電性シームレスベルトを具備した画像形成装置を提供することを目的とする。
【0014】
さらに、本発明の第二の目的は、多層構成からなるシームレス状半導電性の転写・中間転写ベルト表面が耐磨耗性、耐擦傷性を有しており、且つ製品での使用前後においての高い位置検知性能を持続したベルトを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有することを特徴とする。
【0016】
すなわち移動可能な像担持体又は転写材担持体を有し、少なくとも光源(発光素子)と受光素子からなる光学センサで位置検知を行う画像形成装置において、光学センサの光源波長における、前記像担持体又は転写材担持体の透過率が5.0%以上とすることを提案する。
【0017】
特に前記光源(発光素子)から発する光が前記像担持体又は転写材担持体を透過し、前記光学センサの受光素子に入射する構成である画像形成装置とすることを提案する。
【0018】
また、前記像担持体又は転写材担持体の像担持面又は転写材担持面は、テーバ磨耗(磨耗輪CS−10F、荷重500g)を用いて、100回転の磨耗輪試験を行った際に、試験後の透過率が3.0%以上となるようにすることを提案する。
また、最表面(外周面)の耐磨耗性、耐擦傷性の向上のため、少なくとも1層以上のシームレス状半導電性ベルトとし、最外周面層の鉛筆硬度(JIS−K−5400)がH以上とすること提案する。
【0019】
また、上記半透明性のシームレス状半導電性ベルトを実現するために、前記樹脂組成物中に無機微粒子が少なくとも1種類以上混合されており、その無機微粒子がカーボンナノチューブ又はカーボンナノホーンであり、且つ得られたベルトの体積固有抵抗率が106〜1013Ω・cmとすることを提案する。
【発明の効果】
【0020】
これにより、画像形成装置の画像を担持する紙等の像担持体を搬送して、感光・転写及び中間転写・定着作用を行う電子写真部材、特に転写・中間転写装置用の高精度な閉ループ状のシームレスベルトにおいて、光学センサを使用して像担持体の位置検知精度を高度に且つ、長時間実現できる転写・中間転写ベルトをより安全且つ低コストに得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【0022】
本発明で使用する画像形成装置のシームレス状半導電性ベルトは少なくとも1層以上を有していれば良い。図7は本発明の好適な例として2層からなるシームレス状半導電性ベルトの断面の一例を示したものである。最外層として第二の半導電性樹脂層31、最内層として第一の半導電性樹脂層35を有する。また、各層には抵抗値制御用の微粒子、イオン導電材料等を添加しても良く、図7には第二の導電性無機微粒子32を添加した例を示している。
【0023】
(第一の半導電性樹脂層)
第一の半導電性樹脂層は樹脂を含む。第一の半導電性樹脂層に含まれる樹脂としてはポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF樹脂)、ポリカーボネート樹脂(PC)及びポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリイミド樹脂(PI)を用いることが好ましい。より好ましくは樹脂の光線透過率が10%以上であることが好適である。
【0024】
またポリフッ化ビニリデン樹脂としてはどのような樹脂を用いても良いが、例えばフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン共重合体等を用いることができる。これらはそれぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの樹脂を用いることによって、最内周面が離型性及び柔軟性に富んだベルトとすることができる。第一の半導電性樹脂層中の樹脂の含量は20〜90wt%であることが好ましい。
【0025】
第一の半導電性樹脂層は導電材を含有することによって半導電性とすることができる。この場合、導電材としては各種の電子導電材、イオン導電材を用いることができる。
【0026】
電子導電材としては、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀などの金属系の粉体や繊維、カーボンブラック、金属粉や酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、硫化銅、硫化亜鉛などの金属化合物、または酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウム、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーを挙げることができるが、導電率の低いものはその添加量を多量に入れないと所望の体積固有抵抗率が得られず、その場合樹脂層の光線透過率を軽減してしまうので注意を要する。
【0027】
また、イオン導電材としてはイオン系の界面活性剤、LiClO4、LiCF3SO3、LiBF4、LiN(CF3SO3)2、NaClO4などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属、有機イオン電解質、アルキル四級アンモニウム塩などが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル四級アンモニウム塩としては、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、ハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等)等を挙げることができる。これらの電子導電材及びイオン導電材は、単独で用いても2種以上を併用して用いても良い。第一の半導電性樹脂層中の導電材の含量は3〜30wt%であることが好ましい。
【0028】
また、第一の半導電性樹脂層中には、本発明の目的・効果を損なわない範囲内において、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、pH調整剤、充填剤などを適宜添加することができる。
【0029】
第一の半導電性樹脂層の厚みは40〜200μmであることが好ましい。第一の半導電性樹脂層の体積固有抵抗率は1×106〜1×1013(Ω・cm)であることが好ましく、1×10〜1×1012(Ω・cm)あることがより好ましい。また、表面硬度は鉛筆硬度で2H以下であることが好ましい。なお、表面硬度はJIS−K−5400の方法によって測定することができる。
【0030】
(第二の半導電性樹脂層)
第二の半導電性樹脂層は第一の半導電性樹脂層よりも高い表面硬度を有することが好適である。第二の半導電性樹脂層の表面硬度を第一の半導電性樹脂層よりも高くするためには、第二の半導電性樹脂層に用いる樹脂の硬度を、第一の半導電性樹脂層に用いる樹脂の表面硬度よりも高くすれば良い。
【0031】
第二の半導電性樹脂層の表面硬度は、鉛筆硬度でH以上であることが好ましい。鉛筆硬度でH以上であることによって、より表面の耐磨耗性、耐擦傷性に優れたシームレス状半導電性ベルトを得ることができる。第二の半導電性樹脂層の厚みは0.5〜20μmであることが好ましい。
【0032】
第二の半導電性樹脂層の体積固有抵抗率は1×106〜1×1013(Ω・cm)であることが好ましく、1×109〜1×1013(Ω・cm)であることがより好ましい。また、第二の半導電性樹脂層中には酸化防止剤、滑剤、可塑剤、pH調整剤、充填剤などを適宜添加することができる。
【0033】
第二の半導電性樹脂層に含まれる樹脂としては硬化性樹脂であることが好ましい。樹脂を硬化させるための方法としては、加熱、光照射、電子線照射などを挙げることができる。樹脂としてはアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを用いることが好ましい。これらの樹脂を用いることによって、本発明のシームレス状半導電性ベルトはより高い耐磨耗性、耐擦傷性を有することができる。アクリル系樹脂としては、アクリル酸及びその誘導体、メタクリル酸及びその誘導体、不飽和脂肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物等を単量体単位として共重合したものであり、これらの化合物の二種以上を使用することもできる。
【0034】
不飽和脂肪酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2―エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル、(メタ)アクリル酸フルオロフェニル、(メタ)アクリル酸クロロフェニル、(メタ)アクリル酸フルオロベンジル、(メタ)アクリル酸クロロベンジル等の(メタ)アクリル酸置換芳香族エステル、(メタ)アクリル酸フルオロメチル、(メタ)アクリル酸フルオロエチル等の(メタ)アクリル酸ハロゲン化アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸エチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」または「メタクリル」を意味する。
【0035】
第二の層中の半導電性高分子の含量は20〜95wt%であることが好ましい。
【0036】
(製造方法)
本発明のシームレス状半導電性ベルトを製造する際には、まず、第一の半導電性樹脂層を形成する。第一の半導電性樹脂層用の形成材料として、樹脂、導電材などを混合する。混合方法としては公知の方法を用いることができるが、2軸スクリューを有する押出機により混合してペレット状原料とすることが好ましい。この後、このペレット原料をシート状に成形する。成形方法としてはプレス成形法、溶融押出法、射出成形法、溶液流延法、塗布法などの公知の方法を用いることができるが、シート熱溶融押出成形機を用いることが好ましい。また、この混合工程とシート成形工程の間に乾燥工程を設け、ペレット状原料の含水率を低くしても良い。乾燥工程は公知の方法を用いることができるが、高温の窒素ガスなど反応性の乏しいガスを循環させることによって乾燥することが好ましい。ペレット状原料の含水率を低くすることによって、水に起因する抵抗率の変動を効果的に抑制することができる。樹脂原料の含水率は0.5質量%以下であることが好ましい。このようにしてシート状材料を成形した後、実施例に記載のように図1〜図5の方法によってベルト状に形成することによって第一の半導電性樹脂層とする。
【0037】
次に、樹脂(例えば、硬化性樹脂)、導電材、任意の無機物質等からなる第二の半導電性樹脂層の形成用材料を有機溶媒に加え、十分に混合して溶解、分散させる。有機溶媒としては、第二の半導電性樹脂層の形成用材料を溶解するものならば何でもよく、特に制限はないが、通常はN−Nジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホシキド、N−メチル−2ピロリドン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ピリジン、ジメチルスルホン等の有機極性溶媒の他に、アセトン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジオキサン、トルエン等の各種有機溶剤を例示できる。
【0038】
この後、この溶液を第一の半導電性樹脂層上に塗布する。塗布方法としては、公知の方法が挙げられ、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ロールコータコーティング法、グラビアコーティング法等が挙げられる。次に加熱、光照射、電子線照射などによって樹脂材料を硬化させる。
【0039】
なお、本発明のシームレス状半導電性ベルトの用途としては特に制限はないが、好ましくは複写機等の感光性ベルト(電子写真感光体)の基材、転写ベルト、中間転写ベルト、定着ベルトやOA機器等各種プリンターの記録体ベルトの基材として用いることができる。好ましくは、転写ベルト又は中間転写ベルトに用いるのが良い。
【0040】
以下に、本発明を図示した実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0041】
図1〜図6に本発明の第1の実施例を示す。
【0042】
本実施例としては、ポリカーボネート樹脂を含む第一の半導電性樹脂層と、アクリル系樹脂を含む第二の半導電性樹脂層の2層からなるシームレス状半導電性ベルトの例を示す。
【0043】
第一の半導電性樹脂層のベースとなる樹脂組成物としてポリカーボネート樹脂組成物(帝人化成:パンライト(登録商標))を用い、上記樹脂組成物中に、電子導電系の抵抗値調整材としてカーボンナノチューブマスターバッチ(ハイペリオン・キャタリシス社製、MB6015-00;ベースレジン ポリカーボネート樹脂)5重量%添加し、窒素ガス雰囲気中で不図示の2軸スクリューを有する押出機を用いてミキシングブレンドを行い、ペレット状の原料を作製した。このペレット状原料を窒素ガスを循環しながら100〜120℃で除湿乾燥し、含水率0.5重量%以下にした。ついで、ペレット状原料をシート熱溶融押出成形機に供給し、シリンダー温度250〜300℃で溶融押出成形を行い、シート状溶融体を押出た後、約35℃の冷却水が循環する筒状体に接触させて冷却し、厚み50μmのシート状フィルムを成膜した。
【0044】
更に得られたシート状フィルムを、2つの金型を使用する成形方法を用いてチューブ状に成形する。以下本工程を詳細に説明する。
【0045】
上記シート状フィルム1を巻く心棒として中空状の円柱部材2を用い、前記シート状フィルム1、円柱部材2を被せる中空状の管状型部材3を用いた。また、前記管状型部材3は前記円柱部材2を挿通する内径を有している。
【0046】
前記円柱部材2としては、肉厚15mmのアルミニウム材を使用した。管状型部材3の材質はステンレス鋼であり、その内面にはシート状フィルム1との離型性を考慮して、ニッケルメッキコート処理等が任意に施されている。
【0047】
使用したアルミニウム材の前記円柱部材2の熱膨張係数は2.40×10-5(/℃)で、前記管状型部材3の熱膨張係数は1.20×10-5(/℃)である。
【0048】
尚、円柱部材2の外径寸法は300.00mm、内径寸法は270.00mm、長さは350mmとした。また、管状型部材3の外径寸法は320.00mm、内径寸法は300.60mm、長さは350mmである。
【0049】
また、本実施例においては、上記円柱部材2と管状型部材3の寸法は、後述する加熱工程での加熱の際、すなわち加熱温度250℃の時に、円柱部材2の外径と管状型部材3の内径寸法の差が100μmになるように予め設計してある。シート状フィルム1を縦、横の寸法を1890.0mm×330mmのシート状に切断したものを用意した。
【0050】
まず、図1に示すように、前記円柱部材2の外周面2aに前記用意したシート状フィルム1を、その両端部1a、1bが図2のように重なり合うように2周巻き付けた。次に、前記シート状フィルム1が巻き付いた前記円柱部材2を、図3のように管状型部材3の中空部分3aに挿入した。円柱部材2、シート状フィルム1、管状型部材3の合体時の様子を図4に示す。
【0051】
そして次に、加熱工程に移行する。前記円柱部材2、シート状フィルム1、管状型部材3を図5に示したような、加熱炉7内に挿入設置する。尚、本実施例においては加熱方法として加熱炉内に放置する方法を採ったが、例えば「特開2001−212876」に示すようなランプヒータを使用し、回転しながら加熱しても良く、前記部材が昇温出来れば如何なる方法でも適当である。
【0052】
前記加熱炉7内の温度は、図示されない温度センサと温度制御装置により制御されており、本実施例では250±5℃であり、加熱時間は60minとした。前記60minの加熱工程後、加熱炉7から上記1、2、3を取り出し、任意の方法で常温付近まで冷却して第一の半導電性樹脂層を形成した。
【0053】
次に、第二の半導電性樹脂層(最外周層)の形成方法を詳細に記載する。
【0054】
ベース樹脂として紫外線(UV)硬化型ハードコート材アクリル系樹脂膜(JSR:商品名デソライト(登録商標)Z7501)を使用し、UV硬化前の状態において抵抗値調整用無機微粒子として、アンチモンドープ酸化スズ微粒子(石原産業:SNシリーズ)を8wt%添加した。
【0055】
これらの混合用液を不図示の超音波振動機(日本精機製作所社製:超音波ホモジナイザー)を使用して10分間攪拌した。超音波振動機を利用して前記微粒子を分散する時間と、その時の混合用液中のアンチモンドープ酸化スズ微粒子の粒度分布の関係を表1に示す。
【0056】
用いた粒度分布計は、大塚電子社製のレーザーゼータ電位計(ELS−8000)である。
【0057】
尚、今回用いたアンチモンドープ酸化スズ微粒子の1次粒子径は20〜40nmであるので、5〜100nm内に分布している割合を単分散(1次分散)比率であると仮定し、その数値を記した。
【0058】
【表1】


【0059】
このように十分攪拌後、ディップコート法により前記に得られたポリカーボネート樹脂製のシームレス状半導電性ベルト表面に厚さ2μm塗装し、500mJ/cm2の紫外線強度で硬化し、1μmの厚みの第二の半導電性樹脂層を得た。
【0060】
このとき得られた、2層の樹脂ベルトの体積固有抵抗率、及び透過率を測定した結果を表2に示す。
【0061】
【表2】


【0062】
なお、体積固有抵抗率は三菱化学社製の抵抗率計(商品名:ハイレスターUP(MCP−HT450))を使用し、100V印加時の値を計測した。また、透過率は分光測定器(U4000:日立製作所製)を使用し、波長800nm〜900nmでの平均値を記載した。
【0063】
表2の結果より本実施例のベルト・シームレスベルトの透過率は従来品(比較例)に対して十分高い数値を有していることが分かる。
【0064】
次に、上記方法により製造したベルト・シームレスベルトの使用形態について説明する。上記方法により製造されたベルト・シームレスベルトを画像形成装置(複写機、レーザービームプリンター等)のトナー担持体の搬送−画像転写用の転写ベルト9として使用する例を示す。
【0065】
図6において、感光ドラム10は矢印の方向にVfなる一定の速度で回転駆動されるようなっていて、その表面は、まず、帯電チャージャー11により一様に帯電させられ、レーザー光を用いた光書込装置12により、静電潜像が形成される。前記光書込装置12に反射光を使用しても差し支えない。感光ドラムの横には、現像器13が配置されている。前記現像器13中にはトナー14が収容されており、前記静電潜像部分に、電荷付与されたトナー14が付着し、トナー像として顕像化される。前記転写ベルト9は4本のローラー15、16、17、18に張架されて横向きに配置されている。前記転写ベルト9は矢印方向にVfなる一定の速度で回転駆動されるようになっている。転写紙19は、前記転写ベルト9上に矢印の方向へ給紙され、不図示の紙吸着帯電器により、転写ベルト9に吸着搬送される。この時、前記転写紙19は転写ベルト9と同速度Vfで搬送される。前記転写紙19が転写領域に達すると、前記感光ドラム10上に顕像化されたトナー14を、転写帯電器20により、前記転写紙19に転写する。転写後転写紙19は、さらに搬送され、定着装置21へと導かれる。
【0066】
また画像濃度制御に関しては、感光体上もしくは転写・中間転写ベルト上に各色の濃度パッチ画像を形成し、透過率の差分を濃度検知、位置検知用の光学センサ(発光素子)23と透過光を受講する光学センサ(受光素子)24で読み取って、高圧条件やレーザパワーといったプロセス形成条件にフィードバックすることによって各色の最大濃度、ハーフトーン階調特性を合わせる手段が用いられている。
【0067】
また、得られたベルト・シームレスベルトをテーバ磨耗(磨耗輪CS−10F、荷重500g、テーバー磨耗試験機:安田精機社製,テイーバー式アプレーションテスター)を用いて、100回転の磨耗輪試験を行った際の試験前と試験後の透過率の測定結果を表3に示す。本実施例で得られたベルト・シームレスベルトは試験前後での透過率が5.2%と3.0%以上であり、実際の実機での耐久試験結果と同様に耐久後も良好な位置検知特性を示した。
【0068】
【表3】


【0069】
以上、本発明による前記転写ベルト9は、耐磨耗性・耐擦傷性が良好なこと、またベルトの光線透過率が良好なことから、任意の使用環境においても位置検知特性が良好で有り、それにより感光ドラム10から転写紙19へのトナー14の転写特性が良好である。且つベルトの寿命も長くなり、長時間にわたり初期の非常に高画質を継続することができた。
【実施例2】
【0070】
実施例2は、第二の半導電性樹脂層が無い場合の例である。
【実施例3】
【0071】
実施例3は、第一の半導電性樹脂層に混合する導電材(カーボンナノチューブ)の混合条件を変えてシームレス状半導電性ベルトを形成した例である。
諸物性の測定結果を表2、3に示す。
【0072】
表2の結果より実施例2、実施例3で製造したベルト・シームレスベルトにおいても高い透過率を有していることが分かる。また、実施例1と同様に画像形成装置の転写ベルトとして使用した場合、表3に示す通り、長時間に渡り安定的に使用することが可能であった。
【0073】
結果を考察すると実施例2では、耐磨耗性を有する第二の半導電性樹脂層が無いため、テーバ磨耗耐久後の透過率の軽減が大きく、また実施例3では、第一の半導電性樹脂層の導電微粒子の添加量が多いため、初期の透過率が少なくなっていることがわかる。
【0074】
各々は例えば、実施例2の場合はよりコストを抑えたい場合、実施例3ではより体積固有抵抗率(本実施例では7.0×108Ω・cm)を低くしたい場合などの使用に好適である。
【0075】
(比較例)
第二の半導電性樹脂混合物を作成する際に、従来良く用いられるケッチェンブラック粒子(ライオン(株)製、EC600)を15wt%混合して第二の半導電性樹脂層を得、また実施例1と同様な処方、方法で第一の半導電性樹脂層を形成し、シームレスベルトを得た。諸物性の測定結果を表2、3に記載する。
【0076】
表2の結果より比較例で製造したベルト・シームレスベルトは透過率が0であり(ほぼ真黒)、光学センサ(受光素子)に光が届かない。即ち位置・濃度検知機能を発揮しないことがわかった。これは、第二の半導電性樹脂層中に混合されている無機微粒子の添加量が多く光を透過しないことに起因すると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】円柱部材にPC樹脂シート状フィルムを2回巻き付けた状態の説明図である。
【図2】円柱部材の外周面に巻き付けたフィルム1,2の両端の重なり部の説明図である。
【図3】管状型部材の説明図である。
【図4】円柱部材に2枚のシート状フィルムを巻き、その上に管状型部材を被せた状態の説明図である。
【図5】本実施例で用いた加熱炉の説明図である。
【図6】本発明の実施例1とその他の実施例/比較例の組合せを表した図である。
【図7】発明を実施するための最良の形態を表した図である。
【符号の説明】
【0078】
1 シート状フィルム
2 円柱部材
3 管状型部材
4 棒状部材
6 加熱炉
8 ヒーター
9 転写ベルト
10 感光ドラム
11 帯電チャージャー
12 光書込装置
13 現像器
14 トナー
15 駆動ローラー
16 駆動ローラー
17 従動ローラー
18 従動ローラー
19 紙(転写紙)
20 帯電器
21 定着装置
22 定着フィルム
23 濃度検知センサ(発光素子)
24 濃度検知センサ(受光素子)
31 第二の半導電性樹脂層
32 導電性微粒子
35 第一の半導電性樹脂層




 

 


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