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発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−24990(P2007−24990A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−203566(P2005−203566)
出願日 平成17年7月12日(2005.7.12)
代理人 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
発明者 田村 聡
要約 課題
記録材周縁の余白部を裁断することなく、また転写部材を汚染することなく、記録材の全面にトナー像を形成する。

解決手段
感光ドラム1上に形成した複数色のトナー像を、中間転写ベルト5に一次転写した後、二次転写ローラ10に対して高圧電源12から転写バイアスを印加することで記録材P上に一括して二次転写する。記録材全面にトナー像を形成する場合には、記録材帯電ローラ16,17に、高圧電源18から転写バイアスと同極性の帯電バイアスを印加し、二次転写ローラ10をアースする。中間転写ベルト5上の記録材Pよりも大きいトナー像は、二次転写部T2に搬送された帯電された記録材Pに発生する誘起電流により記録材P全面に転写され、記録材Pからはみ出したトナー像が二次転写ローラ10を汚染することはない。
特許請求の範囲
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体のトナー像形成部にて、所定の極性に帯電されたトナー像を前記像担持体に形成するトナー像形成手段と、
当接部にて、前記像担持体に対して記録材を介して接し、前記像担持体に担持されたトナー像を前記記録材へ転写する転写部材と、
前記記録材が前記当接部へ搬送される搬送路とを有し、
前記当接部にて、前記記録材が存在する領域の、記録材搬送方向の外側又は前記記録材搬送方向に直交する方向の外側に、前記像担持体に担持されるトナー像が存在する画像形成装置において、
前記記録材の搬送方向にて、前記当接部の上流側に配設され、
前記記録材の前記トナー像の転写される面の反対の面を前記所定の極性と反対の極性に帯電する記録材帯電手段を有し、
前記記録材帯電手段に帯電された前記記録材が前記当接部に存在するとき、
前記転写部材は電気的に接地される、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記録材搬送方向に沿っての前記記録材帯電手段の上流側に、前記記録材を加熱する加熱手段が配設されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記録材の種類に関する情報を入力する記録材種類入力手段を備え、
前記記録材種類入力手段によって入力された記録材の種類に関する情報に応じて、
前記記録材帯電手段が前記記録材を帯電する、又は帯電しないことを選択する選択手段を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記録材の前記種類とは、実質的に、前記記録材の厚さ方向の抵抗値である、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体上のトナー像を帯電するトナー像帯電手段を備え、
前記トナー像帯電手段が、前記像担持体上の前記トナー像形成部と、前記当接部との間に配設されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の複写機,プリンタ,ファクシミリ等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやパーソナルコンピュータが普及し、また複写機やプリンタのデジタル化・カラー化が進んでいる。これにより、カラーのデジタル複写機やデジタルプリンタを用いてデジタル写真データを出力したり、パーソナルコンピュータから様々な出力を行ったりしている。この際、記録材の全面に、余白部無しで、画像をプリントしたいというニーズが高まりつつある。
【0003】
このような場合、記録材全面に余白部なしで画像がプリントされた出力を得るためには、主に大き目のサイズの記録材に画像を出力し、その周縁の余白部を後で裁断するなどの手法が用いられる。
【0004】
ところが、上述の余白部を裁断する方法では、プリント作成に際して、記録材周縁の余白部は切り落とさなければならないため、結果的に記録材は無駄に消費されることになる。さらに、出力物を別工程にて処理することが必要となるために、生産性が落ちるという問題点がある。
【0005】
そこで、像担持体としての中間転写体上に記録材よりも大きいトナー像を形成し、このトナー像を記録材に転写する方式が用いられている。
【0006】
【特許文献1】特開平09−171278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし上述の中間転写体上に記録材よりも大きいトナー像を形成する方法では、中間転写体に接する転写部材を用いて記録材にトナー像を転写する際に、トナー像のうちの記録材の周縁から外側にはみ出した部分が転写部材に転写されてトナーが付着する。ここで、後に画像の形成される後続の記録材の裏面にトナーが付着する問題が生ずる。
【0008】
そこで、本発明は、像担持体に接する転写部材を用いる画像形成装置において、記録材の全面にトナー像を形成する際の転写部材へのトナー付着を軽減し、後続の記録材の裏面へのトナー付着の軽減を可能にすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体のトナー像形成部にて、所定の極性に帯電されたトナー像を前記像担持体に形成するトナー像形成手段と、当接部にて、前記像担持体に対して記録材を介して接し、前記像担持体に担持されたトナー像を前記記録材へ転写する転写部材と、前記記録材が前記当接部へ搬送される搬送路とを有し、前記当接部にて、前記記録材が存在する領域の、記録材搬送方向の外側又は前記記録材搬送方向に直交する方向の外側に、前記像担持体に担持されるトナー像が存在する画像形成装置において、前記記録材の搬送方向にて、前記当接部の上流側に配設され、前記記録材の前記トナー像の転写される面の反対の面を前記所定の極性と反対の極性に帯電する記録材帯電手段を有し、前記記録材帯電手段に帯電された前記記録材が前記当接部に存在するとき、前記転写部材は電気的に接地される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、像担持体上のトナー像を記録材に転写するに先立ち、記録材帯電手段によって記録材を帯電し、かつ転写部材をアースすることにより、像担持体と転写部材とが当接する当接部に搬送された記録材に誘起電流が誘起される。したがって、像担持体上に記録材よりも大きいトナー像が形成されている場合、このトナー像のうちの記録材に対応する部分は、誘起電流により記録材の全面に転写される一方、トナー像のうちの記録材からはみ出す部分は、転写部材がアースされていることにより、転写部材に転写されることはない。つまり、転写部材へのトナー付着を軽減し、後続の記録材の裏面へのトナー付着を軽減することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<実施の形態1>
図1に、本発明を適用することができる画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、像担持体としての中間転写体と、中間転写体上にトナー像を形成するトナー像形成手段を備えた、電子写真方式の4色フルカラーのプリンタ(以下「画像形成装置」という。)である。これは、記録媒体としての記録材上に4色フルカラーのトナー像(画像)を形成するものである。同図はその概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【0012】
同図に示す画像形成装置は、感光体として矢印R1方向に回転駆動される感光ドラム1を備えている。
【0013】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向(矢印R1方向)に沿ってほぼ順に、帯電手段としての帯電ローラ2、露光手段としてのレーザスキャナ3、現像手段としての現像装置4、中間転写体としての中間転写ベルト5、感光ドラム用のクリーニング手段としてのドラムクリーナ6が配設されている。
【0014】
上述の現像装置4は、回転可能なロータリ4aに搭載された4個(4色)の現像器、すなわちイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色のトナーを収納した現像器4Y,4M,4C,4Kを有している。
【0015】
また、上述の中間転写ベルト5は、無端状に整形された樹脂フィルムによって形成されている。この樹脂フィルムの材質としてはポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン等が用いられている。中間転写ベルト5は、その内側に配設された3本のローラに掛け渡されている。中間転写ベルト5は、図中矢印R5方向に回転する。3本のローラは、転写部材としての一次転写ローラ7、二次転写対向ローラ8、バックアップローラ9である。中間転写ベルト5の外側におけるこれらローラに対向する位置には、それぞれ感光ドラム1、転写部材としての二次転写ローラ10、中間転写ベルト用のクリーニング手段としてのベルトクリーナ13が配設されている。中間転写ベルト5は、一次転写ローラ7によって感光ドラム1に押圧されて感光ドラム1との間に一次転写部(一次転写ニップ部)T1を形成している。二次転写ローラ10及びベルトクリーナ13は、中間転写ベルト5に対して離接可能に配設されている。二次転写ローラ10が中間転写ベルト5に当接された際には、二次転写ローラ10と中間転写ベルト5との間には、二次転写部(二次転写ニップ部、当接部)T2が形成される。二次転写ローラ10は、二次転写用の高圧電源12の接続又はアースへの接続が選択的に切換可能となっている。
【0016】
ここで、上述の感光ドラム1、帯電ローラ2、レーザスキャナ3、現像装置4、ドラムクリーナ6、一次転写ローラ7により、トナー像形成手段が形成される。トナー像形成手段により、トナー像形成位置としての一次転写部T1にて、中間転写ベルト5にトナー像が形成される。
【0017】
また、記録材Pが搬送される搬送路の搬送方向(矢印Kp方向)に沿っての二次転写ローラ10の上流側には、記録材帯電手段としての記録材帯電ローラ16,17が配設される。さらに上流側にはレジストローラ14,15が配設されている。帯電ローラ17には、帯電バイアス印加手段としての高圧電源18が接続されている。また、二次転写ローラ10の下流側には、定着ローラ19aとこれに加圧された加圧ローラ19bとを有する定着手段としての定着器19が配設されている。
【0018】
つづいて、上述構成の画像形成装置の動作を説明する。
【0019】
まず、感光ドラム1が矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動され、感光ドラム1の表面が帯電ローラ2によって所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0020】
ここでは、感光ドラム1は負極性に帯電される。この一様帯電された感光ドラム1に対し、レーザスキャナ3がコントローラ(不図示)から出力された画像データに基づいてレーザ光Lを照射して、露光部分の電荷を除去し、感光ドラム1の表面に1色目の静電潜像を形成する。この1色目の静電潜像は、例えばイエロー現像器4Yによって、負極性に帯電されたイエロートナーによって現像されて、感光ドラム1上に1色目のイエローのトナー像が形成される。このイエローのトナー像は、高圧電源(転写バイアス印加手段:不図示)から一次転写ローラ7に印加された転写バイアスによって、一次転写部T1において中間転写ベルト5に一次転写される。このとき中間転写ベルト5に転写されずに感光ドラム1上に残ったトナー(一次転写残トナー)は、感光ドラムクリーナ6によって除去される。
【0021】
つづいて、上述の1色目(イエロー)と同様に、2色目(マゼンタ),3色目(シアン),4色目(ブラック)の静電潜像が形成される。つづいて、これら静電潜像をそれぞれのマゼンタ現像器4M、シアン現像器4C、ブラック現像器4Kにより、負極性に帯電されたマゼンタ,シアン,ブラックのトナーで現像される。その後、これらのトナー像は、中間転写ベルト5上に順次、一次転写される。こうして、中間転写ベルト5上で、負極性に帯電されたイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの4色のトナー像が重ね合わされる。
【0022】
中間転写ベルト5上で重ねられ、中間転写ベルト5に形成された4色のトナー像は、二次転写部T2において二次転写される。給紙部(不図示)から給紙された記録材Pは、搬送路Aに設けられたレジストローラ14,15により中間転写ベルト5上のトナー像とタイミングを合わせて二次転写部T2に搬送される。このとき、二次転写ローラ10には、高圧電源(転写バイアス印加手段)12から正極性の転写バイアスが印加され、これにより中間転写ベルト5上の4色のトナー像は、記録材P上に一括で二次転写される。
【0023】
4色トナー像の二次転写後に中間転写ベルト5表面に残ったトナー(二次転写残トナー)は、ベルトクリーナ13によって除去される。
【0024】
一方、4色のトナー像が転写された記録材Pは、定着器19に搬送され、ここで定着ローラ19a、加圧ローラ19bにより加熱加圧されて表面にトナー像が溶融固着(定着)される。
【0025】
トナー像定着後の記録材Pは、画像形成装置本体(不図示)外部に排出される。これにより、1枚の記録材Pの一方の面に対する4色フルカラーの画像形成が終了する。
【0026】
次に、記録材帯電手段について詳述する。
【0027】
通常の画像形成、すなわち記録材Pの周縁に余白がある場合の画像形成時における動作は上述のおとりである。
【0028】
以下に説明する動作は、画像形成装置の操作部又はプリントを指示するコンピュータなどによって、記録材Pのサイズよりも大きな画像を感光ドラム1表面に形成し、中間転写ベルト5に記録材Pの全面に画像を形成するモード(以下「余白無しモード」という。)が指定された時に行われるものである。
【0029】
まず、上述の工程により、中間転写ベルト5上にトナー像が形成される。
【0030】
このとき、中間転写ベルト5上に形成されるトナー像は、中間転写ベルト5の回転方向R5方向又は回転方向R5に直交する方向にて、このトナー像が転写される記録材Pよりも大きい。つまり、当接部としての二次転写部T2において、記録材Pが存在する領域の、記録材の搬送方向(Kp)外側又は記録材の搬送方向に直交する方向の外側に、中間転写ベルト5上に形成されたトナー像は存在する。
【0031】
上述のレジストローラ14,15と二次転写ローラ10との間には、記録材帯電手段としての一対の記録材帯電ローラ16,17が設置されており、高圧電源18により通常の画像形成における二次転写ローラ10に印加されるものと同極性の正極性のバイアスが印加される。
【0032】
記録材帯電ローラ16,17によって帯電された記録材Pは二次転写部T2に搬送される。このとき、二次転写ローラ10は、二次転写部T2に記録材Pが搬送される直前に中間転写ベルト5に当接される。余白無しモードの場合、二次転写ローラ10は接地されている。
【0033】
本実施の形態では、上述の記録材帯電ローラ16,17によって帯電された記録材Pにより、二次転写部T2において電流が誘起され、これにより中間転写ベルト5上のトナー像が記録材Pに転写されるようになっている。なお、電流の誘起については、後に詳述する。
【0034】
本発明においては、二次転写部T2においては、帯電された記録材Pによって誘起される電流によりトナー像の転写を行っているので、二次転写部T2における、記録材Pのない部分では電流が流れない。したがって、中間転写ベルト5上の、記録材Pのない部分に対応するトナー像のトナーは、二次転写ローラ10にほとんど付着しない。すなわち、中間転写ベルト5上に記録材Pより大きなトナー像が形成された場合であっても、このトナー像のうち、記録材P全面に対応する部分は、漏れなく記録材Pに転写され、しかも中間転写ベルト5上のトナー像のうち、記録材Pからはみ出た部分は、二次転写ローラ10に転写されてしまうことがほとんどなく、後に、ベルトクリーナ13によって除去される。したがって、二次転写ローラ10や後続の記録材Pの裏面にトナーを付着させることなく、記録材P上には、余白のない全面画像を形成することができる。
【0035】
次に、本発明で採用した、誘起電流を用いた転写システムについて、その原理を説明する。なお、以下では、二次転写に先立って行う、記録材帯電ローラ16,17による記録材Pの帯電を適宜「プレ帯電」という。
【0036】
〔原理説明〕
図2は、本発明における一次転写部T1の直後の中間転写ベルト5及び帯電直後の記録材Pの電荷の状態を回路によって表現したモデル図である。
【0037】
図2に示すように、絶縁の誘電体であるトナーtはコンデンサとして機能し、中抵抗〜高抵抗の中間転写ベルト5及び記録材Pは、コンデンサと電気抵抗の並列回路として表現することができる。コンデンサとしてのトナーt、中間転写ベルト5、記録材Pの両極にはそれぞれ電荷量Qs、、Q(なお、これらの符号は、電荷量以外に、電荷を示す符号としても適宜使用する。)の電荷が充電されている。
【0038】
図3は、二次転写時の記録材P及び中間転写ベルト5の電荷モデルである。回路全体の両端は接地されているため、中間転写ベルト5及び記録材Pの接地面に充電されていた電荷Q,Qは直ちにアースに流れて0となる。一方、図中に*を付けた電荷Q,Q,Qは、その減衰量が中間転写ベルト5と記録材Pの体積抵抗や誘電率によって、あるいは充電されてからの時間などによって影響される。
【0039】
中間転写ベルト5とトナーtとの界面にある電荷(Q−Qs)間、及びトナーtと記録材Pとの界面にある電荷(Q−Qp)間には静電的な引力が生じる。
【0040】
すなわち、中間転写ベルト5はトナーtの電荷Qを電荷Q分だけ引きつける力を持っており、同様に記録材Pはトナーtの電荷Qを電荷Q分だけ引きつける力を持っている。つまり、二次転写の時点でQ>Qであれば、トナーtは記録材Pへと移動し、かつ、その差分(Q−Qt)が移動可能なトナーtの電荷量となる。
【0041】
以下に、中間転写ベルト5と記録材Pの電荷量と転写可能か否かを判断するための計算式を示し説明を行う。
【0042】
図4は、本実施の形態における二次転写部T2近傍の断面を示しており、記録材帯電ローラ16,17のニップ部Nから二次転写部T2までのニップ間距離をLとする。なお、ニップ部N及び二次転写部T2は、いずれも記録材Pの搬送方向に沿った幅を有しているので、それぞれの下流側の端部(下流端)間の距離をニップ間距離Lと規定している。
【0043】
計算に必要な変数の定義一覧を以下に示す。また、図5には、本実施の形態における記録材Pの諸条件、中間転写ベルト(中間転写体)5の諸条件、その他の諸条件や、これらの諸条件に基づく以下の算出結果をまとめて示す。
【0044】
記録材Pの体積抵抗率(ρ)=R[Ω・m]
中間転写ベルト5の体積低効率(ρ)=R[Ω・m]
記録材Pの比誘電率(Kε)=ε
中間転写ベルトの比誘電率(kε)=ε
真空の誘電率=ε
プロセススピード=V[m/sec]
ニップ間距離=L[m]
中間転写ベルト5の一次転写部T1から二次転写部T2までの移動距離=L[m]
記録材Pが移動距離L[m]を移動するのに要する時間=t
中間転写ベルト5が移動距離L[m]を移動するのに要する時間=t
二次転写部T2直前の中間転写ベルト5上のトナーの電荷量=Q
二次転写時の中間転写ベルト5裏面の電荷量=Q
一次転写直後の中間転写ベルト5裏面の電荷量=Q
二次転写時の記録材P表面の電荷量=Q
プレ帯電後の記録材P表面の電荷量=Q
中間転写ベルト5裏面の初期電荷量=Q
記録材Pの時定数=τ
中間転写ベルト5の時定数=τ
【0045】
以下に、本実施の形態における中間転写ベルト5と記録材Pの電荷量をそれぞれ計算していく。
【0046】
図5に、本実施の形態における各種パラメータの数値を示す。
【0047】
記録材Pの時定数τの求め方は、
τ=(ε×ε)×R[sec]
であるから、本実施の形態のτは、
τ=(5.0×8.854×10−12)×1.0×1013
=4.43×10[sec]
となる。
【0048】
さらに、二次転写時の記録材P表面の電荷量Q
=Q−[Q×{1−exp(−t/τ)}]
であり、
t=L/V
=(帯電電圧[V])×(帯電幅[m])×V×ε×ε/(記録材厚み[m])
で計算できるので、
本実施の形態のQは、
=8.85×10−4−[8.85×10−4×{1−exp(−0.2/4.43×1012)}]
=8.85×10−4
となる。
【0049】
また、中間転写ベルト5の時定数τの求め方は、
τ=(ε×ε)×R[sec]
であるから、本実施の形態のτ
τ=(4.8×8.854×10−12)×5.0×10
=2.12×10−3[sec]
となる。
【0050】
さらに、二次転写時の中間転写ベルト5表面の電荷量Q
=Q−[Q×{1−exp(−t/τ)}]
であり、
=L/V
で計算できるので、本実施の形態のQ
=3.19×10−4−[3.19×10−4×{1−exp(−0.8/2.12×10−3)}]=0
となる。
【0051】
さらに、二次転写部T2直前の中間転写ベルト5上のトナーtの電荷量Qであるが、これは実際にクーロンメーターによって中間転写ベルト5上のトナーを測定した結果、
=7.5×10−4
であった。
【0052】
ここで、前述したように、転写を行うための必要条件を満たしているか否かを見てみると、必要条件は、
≧Q+Q
なので、本実施の形態においては、
8.85×10−4≧7.5×10−4+0
となり条件を満たすことが明らかである。
【0053】
これらの計算式が示すように、本発明を適用するに当たっては、中間転写ベルト5の体積抵抗率は低いほうが好ましく、また、記録材Pの抵抗率は高いほうが好適な結果が得られる。また、使用するトナーtの帯電量は少ない方が好ましい。
【0054】
なお、上述した各数値は、一例をあげたものであり、これらの数値は画像形成装置によって種々に異なる。そして、本発明は、上述の数値が異なる画像形成装置に対しても適用できることはもちろんである。
【0055】
また、本実施の形態では、図1に示すように、記録材種類入力手段としての操作部30が設けられている。ユーザは、操作部30を操作し、使用する記録材の種類に関する情報を入力することができる。ここで、入力される記録材の種類に関する情報とは、実質的に、記録材の厚み方向の抵抗値である。そして、操作部30に入力された記録材の種類に関する情報に応じ、選択手段31は、前述の記録材帯電手段が記録材を帯電する、又は帯電しないことを選択する。
【0056】
この場合には、余白無しモードが実行不可能な記録材Pに対して余白無しモードが指定された場合に、この記録材に対する余白無しモードを未然に中止することができる。ここで、上述の誘起電流によるトナー像の記録材への転写が可能であるか否かは、実質的に、使用される転写材の厚さ方向の抵抗値に依存する。
【0057】
<実施の形態2>
図6に、実施の形態2の画像形成装置を示す。同図は、画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。同図に示す画像形成装置は、上述の実施の形態1の図1に示す画像形成装置に対し、記録材搬送方向に沿っての記録材帯電ローラ16,17の上流側に、記録材Pを乾燥させるための加熱手段としてプレヒートローラ20を付加したものである。なお、他の構成については、図1に示すものと同様であるので、重複部分の説明は適宜省略する。
【0058】
実施の形態1において詳述したように、本発明の転写システムにおいては、中間転写ベルト5の体積抵抗率は低いほうが好ましく、また、記録材Pの抵抗率は高く、誘電率も高いほうが好適な結果が得られる。ここで、中間転写ベルト5の体積抵抗率は、材質としてカーボンを分散させた樹脂フィルムなどを用いることによって、安定的に低いものが供給できる。これに対して、記録材P、特に記録材Pが紙である場合、湿度(水分量)などによる体積低効率の変動が激しく、実施の形態1の画像形成装置では余白無しモードが使用できない範囲が大きくなってしまう。
【0059】
そこで、本実施の形態においては、記録材Pを記録材帯電ローラ16,17によってプレ帯電する直前に、プレヒートローラ20によってあらかじめ記録材Pを加熱し、記録在中の水分を蒸発させて記録材Pの体積抵抗を上昇させるようにした。これにより、記録材Pは、常に安定した体積抵抗をもって画像形成(転写)されるので、余白無しモードを適用することができる記録材種を増やすことを可能となる。ここで、記録材種とは、厚さの異なる記録材や材質の異なる記録材や抵抗の異なる記録材をいう。
【0060】
図6に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置は、記録材Pの搬送方向に沿っての記録材帯電ローラ16,17の上流側に加熱手段としてのプレヒートローラ20が配設されている。なお、同図に示す例では、プレヒートローラ20は、さらにレジストローラ16,17の上流側に配設されているが、記録材帯電ローラ16,17の上流側であれば、レジストローラ14,15の下流側であってもよい。
【0061】
本実施の形態において、例えば、記録材Pが紙であって、ユーザにより余白無しモードが指定された場合、プレヒートローラ20内のハロゲンランプ20aが点灯し、プレヒートローラ20を加熱する。この際、プレヒートローラ20は、ローラ表面温度が約180℃になるように温度調節されている。なお、プレヒートローラ20全体の構成は、例えば、上述の定着器19と同様の構成にすることもできる。
【0062】
以下に、本実施の形態におけるプレヒートローラ20による物理特性の変化の一例を示す。
【0063】
坪量:90g/mの一般的なコピー用紙において、プレヒートローラ20の通過前には、体積抵抗率:1×1011[Ω・m]、誘電率:4.0で合ったものが、プレヒートローラ20の通過後には、体積抵抗率:1×1013[Ω・m]、誘電率:4.6
と、体積抵抗率と誘電率の双方が高くなった。なお、画像形成装置の他の諸条件は実施の形態1と同様である。
【0064】
上述のプレヒートローラ20通過前の条件においては、良好な転写が行われないのは、実験的にも確認され、また、実施の形態1で示した計算式においても転写能力が不十分であるのに対して、プレヒートローラ20通過後には、良好な転写像を得ることができた。
【0065】
以上説明したように、記録材帯電手段の上流側に加熱手段としてのプレヒートローラ20を配設し、記録材Pを帯電するに先立って記録材Pを加熱して水分を蒸発させることにより、余白無しモードを適用することができる記録材Pの種類や厚さを大幅に増やすことができる。さらにこのことにより、高抵抗・高誘電体の、いわゆるOHPフィルムのような記録材Pに加え、一般的に使用されるコピー用紙などにおいてもこのモードの適用が可能となった。
【0066】
<実施の形態3>
図7に、実施の形態3の画像形成装置を示す。同図は、画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。同図に示す画像形成装置は、上述の実施の形態1の図1に示す画像形成装置に対し、中間転写ベルト5の二次転写部T2の上流側に、中間転写ベルト5上のトナー像を帯電するトナー像帯電手段としてのトナー像帯電器(ポスト帯電器)22、及びこれに帯電バイアスを印加する高圧電源(帯電バイアス印加手段)21を付加したものである。なお、他の構成については、図1に示すものと同様であるので、重複部分の説明は適宜省略する。
【0067】
上述の実施の形態1において詳述したように、本発明の転写システムは、中間転写ベルト5の体積抵抗率は低いほうが好ましく、また、記録材Pの抵抗率は高く、誘電率も高いほうが好適な結果が得られる。さらに、転写されるトナー像の帯電量が少ない方が、本発明の転写システムを適用可能な記録材Pの条件が広げられることは、実施の形態1中で説明した原理によっても明らかである。
【0068】
そこで、実施の形態3における画像形成装置においては、以上のことに鑑み、中間転写ベルト5上のトナー像を帯電するトナー像帯電手段を設けることにより、中間転写ベルト5上のトナー像の帯電状態をより好適な状態に制御することを特徴としたものである。
【0069】
本実施の形態においては、図7に示すように、中間転写ベルト5の回転方向(矢印R5方向)に沿っての二次転写部T2の上流側で、かつ一次転写部T1の下流側において、中間転写ベルト5表面に対向するように、中間転写ベルト5上のトナー像を帯電するための帯電手段として、トナー像帯電器22を設けた。
【0070】
このトナー像帯電器22としては、図7では、金属製のシールド内に放電ワイヤを配設したコロナ帯電器を使用し、この帯電器に高圧電源21から帯電バイアスを印加することで電荷を発生させて中間転写ベルト5上のトナー像の電荷を低下させるようにしている。なお、中間転写ベルト5上のトナー像を有効に帯電することができるものであれば、上述のコロナ放電器に限定されるものではなく、他の方式を採用するようにしてもよい。
【0071】
図8に、トナー像帯電器(ポスト帯電器)22に印加する電流と、トナー帯電量との関係を示す。本実施の形態においては、同図に示す直流成分(DC電流)に加えて、12kVppの交流成分(AC電圧)を重畳して出力している。ただし、交流成分は図示していない。同図から、直流成分を変化させることで、中間転写ベルト5上のトナー像のトナー帯電量を変化させることができることがわかる。例えば、直流成分の絶対値を低下させれば、それに従いトナー帯電量の絶対値を低下させることができる。
【0072】
本実施の形態においては、例えば一次転写直後の中間転写ベルト5上のトナーの電荷量(帯電量)
=7.5×10−4[C]
(25μC/cmに相当する)
に対して、このトナー像帯電器22にDC電流値100[μA]を印加することで
=4.5×10−4[C]
(15μC/cmに相当する)
にすることができ、
=7.5×10−4[C]
の場合には、約6.0×1010[Ω・m]以上の記録材Pでないと余白無しモードを行えなかったのに対し、
=4.5×10−4[C]
の場合には、約8.3×10[Ω・m]以上の記録材Pにおいても余白無しモードを実行することができるようになり、本発明における余白無しモードを実施できる記録材Pの種類を大幅に増やす特徴的な効果が得られた。なお、実施の形態3で説明した本実施の形態に、さらに実施の形態2で説明した加熱手段を併用すれば、さらに効果が高まることは明白である。
【0073】
以上説明した実施の形態1〜3では、中間転写体が中間転写ベルト5である場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、中間転写体としてドラム形の中間転写ドラムを使用することもでき、この場合も同様の効果をあげることができる。
【0074】
また、以上の実施の形態1〜3においては、感光ドラム(感光体)1上のトナー像を一旦、像担持体としての中間転写ベルト(中間転写体)5上に一次転写し、その後、中間転写ベルト5上のトナー像を記録材Pに二次転写する構成の画像形成装置に対して、本発明を適用した例を説明した。本発明はこれに限定されるものではなく、中間転写体を有していない画像形成装置、すなわち像担持体としての感光ドラム上のトナー像を直接、記録材P上に転写する構成の画像形成装置に対してもほぼ同様に適用することができる。
【0075】
以上説明した実施の形態1〜3においては、余白なしモードにおいて、二次転写ローラ10は接地状態に切り替える構成をとっているが、図9に示すように、二次転写ローラ10を接地状態に切り替える際に、二次転写ローラ10とアースとの間に10Ω〜1kΩの抵抗40を介して接地しても全く同等の効果が得られる。なお、図9に示すこれらの構成は、前述の実施の形態1を例に描かれているが、実施の形態2,3に対しても同様の構成を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施の形態1の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】本発明における一次転写部直後の中間転写ベルト及び帯電直後の記録材の電荷の状態を回路によって表現したモデル図である。
【図3】本発明における二次転写時の記録材及び中間転写ベルトの電荷モデル図である。
【図4】本実施の形態1における二次転写部近傍の拡大図である。
【図5】本発明を適用した実施の形態1における諸条件を示す図である。
【図6】実施の形態2の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図7】実施の形態3の画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図8】実施の形態3における、トナー像帯電器(ポスト帯電器)に印加する電流とトナー帯電量との関係を示す図である。
【図9】実施の形態1〜3の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電ローラ(帯電手段)
3 レーザスキャナ(露光手段)
4 現像装置(現像器)
5 中間転写ベルト(中間転写体、像担持体)
6 ドラムクリーナ(クリーニング手段)
7 一次転写ローラ
8 二次転写対向ローラ
9 バックアップローラ
10 二次転写ローラ(転写部材)
12 高圧電源(転写バイアス印加手段)
16,17 記録材帯電ローラ(記録材帯電手段)
18 高圧電源(帯電バイアス印加手段)
20 プレヒートローラ(加熱手段)
21 高圧電源(帯電バイアス印加手段)
22 トナー像帯電器(ポスト帯電器、トナー像帯電手段)
Kp 記録材の搬送方向
P 記録材
T1 一次転写部(転写部)
T2 二次転写部(転写部)




 

 


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