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発明の名称 電子写真装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17876(P2007−17876A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−201855(P2005−201855)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三
発明者 高木 進司 / 中村 一成 / 平野 秀敏 / 上杉 浩敏 / 雲井 郭文 / 阿部 幸裕 / 三浦 大祐 / 久野 純平
要約 課題
支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体を有する電子写真装置であっても、帯電ムラや帯電不良に起因する画像不良が抑制された電子写真装置を提供する。

解決手段
直流成分のみのバイアスを印加して電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、現像バイアスの印加によりトナーを前記感光体上の静電潜像に転移させて現像する非接触ジャンピング現像方式を用いる現像手段を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該導電層が結着樹脂及び導電性粒子を含有し、該導電性粒子が酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子であり、該導電層の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1011Ω・cm以下である。
特許請求の範囲
【請求項1】
直流成分のみのバイアスを印加して電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、現像バイアスの印加によりトナーを前記電子写真感光体上の静電潜像に転移させて現像する非接触ジャンピング現像方式を用いる現像手段を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該導電層が結着樹脂及び導電性粒子を含有し、該導電性粒子が酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子であり、該導電層の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1011Ω・cm以下であることを特徴とする電子写真装置。
【請求項2】
該導電層の体積抵抗率が8×10Ω・cmを超え1×1011Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
【請求項3】
前記導電層における前記導電性粒子(P)と前記結着樹脂(B)との質量比(P/B)が2.3/1〜3.3/1である請求項1又は2に記載の電子写真装置。
【請求項4】
該導電層の膜厚が、10〜25μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真装置。
【請求項5】
サイクルタイムが、1サイクルあたり1.0秒以上であるプロセスサイクルの電子写真プロセスを用いる請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体(有機電子写真感光体)の研究開発が盛んに行われている。
【0003】
電子写真感光体は、基本的には、支持体と該支持体上に設けられた感光層とから構成されている。しかしながら、現状は、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良などのために、支持体と感光層との間に各種層を設けることが多い。したがって、支持体と感光層との間に設けられる層には、被覆性、接着性、機械的強度、導電性、電気的バリア性などの多くの機能が要求される。
【0004】
支持体と感光層との間に設けられる層としては、従来、以下のタイプのものが知られている。
(i)導電性材料を含有しない樹脂層。
(ii)導電性材料を含有した樹脂層。
(iii)上記(ii)の層の上に、上記(i)の層を積層したもの。
【0005】
上記(i)の層は、導電性材料を含有しないため、層の抵抗が高い。しかも、表面平滑化処理が施されていない支持体表面の欠陥を被覆するためには、その厚さ(膜厚)を厚くしなければならない。
【0006】
しかしながら、抵抗が高い上記(i)の層の膜厚を厚くすると、初期および繰り返し使用時の残留電位が高くなるという問題が生じる。
【0007】
したがって、上記(i)の層の実用化のためには、支持体表面の欠陥を少なくし、かつ、その膜厚を薄くする必要がある。
【0008】
一方、上記(ii)の層は、導電性粒子などの導電性材料を樹脂中に分散した層であり、層の抵抗を小さくすることが可能であるため、層の膜厚を厚くして、導電性の支持体や非導電性の支持体(樹脂製の支持体など)の表面の欠陥を被覆することが可能である。
【0009】
しかしながら、上記(ii)の層の膜厚を厚くする場合は、薄くする上記(i)の層に比べて、層に十分な導電性を付与する必要があるため、上記(ii)の層は体積抵抗率の低い層となり、そのため、低温低湿から高温高湿の幅広い環境条件において、画像欠陥の原因となる支持体、上記(ii)の層から感光層への電荷注入を阻止するためには、電気的バリア性を有する層を上記(ii)の層と感光層との間に別途設けることが好ましい。電気的バリア性を有する層とは、上記(i)の層のように、導電性粒子を含有しない樹脂層である。
【0010】
つまり、支持体と感光層との間に設けられる層は、上記(i)の層と上記(ii)の層とを積層した上記(iii)の構成であることが好ましい。
【0011】
上記(iii)の構成は、複数の層を形成する必要があるため、それだけ工程が増えるが、支持体表面の欠陥の許容範囲が大きくなるため、支持体の使用許容範囲が大幅に広がり、生産性の向上が図れるという利点がある。
【0012】
一般的に、上記(ii)の層は導電層と呼ばれ、上記(i)の層は中間層(下引き層、バリア層)と呼ばれる。
【0013】
また、押し出し工程および引き抜き工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管や、押し出し工程およびしごき工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管は、表面切削することなく無切削管として良好な寸法精度や表面平滑性が得られるうえ、コスト的にも有利な電子写真感光体用の支持体として用いられているが、これらの無切削のアルミニウム管の表面にはササクレ状の凸状欠陥が生じやすく、このような支持体の表面欠陥の隠蔽の観点からも、上記(iii)の構成が好ましい。
【0014】
導電層に用いる導電性材料としては、各種の金属、金属酸化物、導電性ポリマーなどがある。その中でも、抵抗特性に優れる酸化スズ(以下、SnO)には、通常の粉体抵抗率10〜10Ω・cmのものから、SnOの導電性材料の製造時に、酸化アンチモンなどのスズとは異なる価数の金属の化合物や非金属元素などを混合して(ドープして)、粉体抵抗率を1/1000〜1/100000に小さくしたものや、構成元素を増やさずにノンドープでSnOの抵抗をアンチモンドープと同程度に小さくした酸素欠損型SnOの導電性材料がある。
【0015】
酸素欠損型SnOに関連する先行技術として、例えば、特開平07−295245号公報(特許文献1)には、酸素欠損型SnOを導電層に用いる技術が開示されており、特開平06−208238号公報(特許文献2)には、硫酸バリウム粒子に酸素欠損型SnOを被覆して、SnOだけを用いる場合よりも分散性を向上させる技術が開示されており、特開平10−186702号公報(特許文献3)には、酸素欠損型SnOの実施形態までは開示されていないものの、分散性を向上させるために、硫酸バリウム粒子を用いて、その上に白色度を向上させるために、酸化チタン(TiO)を被覆し、さらにその上に導電性を付与するために、SnOを被覆する技術が開示されている。
【0016】
また、近年、電子写真感光体に接触配置した帯電部材(接触帯電部材)に電圧を印加し、電子写真感光体を帯電する接触帯電方式を採用した電子写真装置が広く普及している。特に、ローラー形状の接触帯電部材(帯電ローラー)を電子写真感光体の表面に接触させ、これに直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することにより電子写真感光体の帯電を行う方式(AC/DC接触帯電方式)、あるいは、これに直流電圧のみの電圧を印加することにより電子写真感光体の帯電を行う方式(DC接触帯電方式)が主流となっている。
【0017】
AC/DC接触帯電方式の場合、直流電源および交流電源が必要となり、電子写真装置自体のコストアップを招く、直流電圧のみの電圧を用いる場合に比べて電子写真装置のサイズが大きくなる、交流電流を多量に消費することによって接触帯電部材および電子写真感光体の耐久性が低下する、などのデメリットがある。
【0018】
したがって、電子写真装置のコスト削減および小型化ならびに高耐久性を考慮すると、DC接触帯電方式がより好ましいといえる。
【0019】
しかしながら、DC接触帯電方式を採用した電子写真装置は、AC/DC接触帯電方式を採用した電子写真装置に比べて、帯電時の電子写真感光体の表面電位の均一性(帯電均一性)が劣るため、ハーフトーン画像などで帯電ムラに起因する不良画像が問題となりやすい。
【0020】
帯電ムラに対しては、従来、帯電部材の表面粗さや電流値の制御など、帯電部材の面から改良の提案がなされており、例えば、特開2004−061640号公報(特許文献4)には、帯電ローラーの表面粗さを制御することにより帯電均一性を確保する技術が開示されており、特開2004−038056号公報(特許文献5)には、帯電ローラーの表面粗さと電子写真感光体の表面摩擦係数を制御することにより帯電均一性を確保する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平07−295245号公報
【特許文献2】特開平06−208238号公報
【特許文献3】特開平10−186702号公報
【特許文献4】特開2004−061640号公報
【特許文献5】特開2004−038056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、上記のDC接触帯電方式を採用し、かつ現像方式として現像バイアスの印加によりトナーを電子写真感光体上の静電潜像に転移させて現像するジャンピング現像方式を有する電子写真装置においては、現像性確保のために重畳されている現像AC成分が帯電部に波及した結果帯電ムラが発生しやすく、また高温高湿環境下においては、帯電ムラの影響が画像上に発生しやすくなり、その対策が望まれている。
【0022】
本発明の目的は、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良を図るために、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体を有する電子写真装置であっても、帯電ムラや帯電不良に起因する画像不良が抑制された電子写真装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、以下のとおりである。
【0024】
(1)直流成分のみのバイアスを印加して電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、現像バイアスの印加によりトナーを前記感光体上の静電潜像に転移させて現像する非接触ジャンピング現像方式を用いる現像手段を有する電子写真装置において、該電子写真感光体が支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該導電層が結着樹脂及び導電性粒子を含有し、該導電性粒子が酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子であり、該導電層の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1011Ω・cm以下であることを特徴とする電子写真装置。
【0025】
(2)該導電層の体積抵抗率が8×10Ω・cmを超え1×1011Ω・cm以下であることを特徴とする(1)に記載の電子写真装置。
【0026】
(3)該導電層における導電性粒子(P)と結着樹脂(B)との質量比(P/B)が2.3/1〜3.3/1である(1)又は(2)に記載の電子写真装置。
【0027】
(4)該導電層の膜厚が、10〜25μmであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真装置。
【0028】
(5)サイクルタイムが、1サイクルあたり1.0秒以上であるプロセスサイクルの電子写真プロセスを用いる(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真装置。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良を図るために、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体においても、帯電ムラや帯電不良に起因する画像不良が抑制された電子写真装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0031】
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体である。そして、該導電層は結着樹脂および導電性粒子を含有する。
【0032】
また、本発明では、導電性粒子として、酸素を欠損させることにより低抵抗化(粉体抵抗率で1/10000)を図ったSnOを被覆したTiO粒子を用いた。酸素欠損型SnOは、アンチモンなどの異元素をドープしたSnOに比べてリユース性に優れる。また、低湿環境下での抵抗率の上昇や高湿下での抵抗率の低下が少なく、環境安定性にも優れている。
【0033】
また、本発明に用いられる導電性粒子が、酸素欠損型SnOのみから構成される粒子ではなく、酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子である理由は以下のとおりである。
【0034】
まず、芯材粒子を用いたのは、導電層における導電性粒子の分散性の向上を図るためである。導電性粒子として酸素欠損型SnOのみを用いて導電層用塗布液を作製した場合、特に酸素欠損型SnOの含有比率が高い場合に、酸素欠損型SnOの凝集が発生しやすい。
【0035】
また、芯材粒子としてTiO粒子を用いたのは、酸素欠損型SnOの酸素欠損部位とTiO粒子表面の酸化物部位の親和力により、酸素欠損型SnOの被覆層と芯材の結合が強化されるからであり、また、酸素欠損型SnOの酸素欠損部位が保護されるからである。酸素欠損型は、ドープ型と異なり、酸素存在下で酸化して酸素欠損部位が消失し、導電性が低下(粉体抵抗率が増加)してしまう場合がある。
【0036】
また、芯材粒子であるTiO粒子は、露光光(画像露光光)がレーザー光である場合、レーザー露光の際、支持体表面で反射した光が干渉して出力画像に干渉縞が発生することを抑制することができる。
【0037】
なお、酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の製造方法(酸素欠損型SnOを作製する方法やTiO粒子に酸素欠損型SnOを被覆する方法)は、特開平07−295245号公報や特開平04−154621号公報に開示されている。
【0038】
また、酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子を導電層に含有させる導電性粒子として用いた場合、帯電ムラや帯電不良に起因する画像不良の発生を抑制するためには、該導電層の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上、1×1011Ω・cm以下である必要がある。
【0039】
まず、導電層の体積抵抗率に関して説明する。
【0040】
導電層の抵抗は低いことが好ましいが、帯電不良に起因する画像不良の発生を抑制するためには、導電層の体積抵抗率が1×1011Ω・cm以下である必要があることがわかった。
【0041】
一方、直流成分のみのバイアスを印加して電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、現像バイアスの印加によりトナーを前記感光体上の静電潜像に転移させて現像する非接触ジャンピング現像方式を用いる現像手段を有する電子写真装置においては、導電層の体積抵抗が低すぎると現像バイアスの作用により帯電が不安定になり、ポチ等の画像不良が発生する場合がある。
【0042】
具体的には、導電層の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上であることが好ましく、より好ましくは8×10Ω・cmを超えることである。
【0043】
本発明における導電層の体積抵抗率の測定方法は以下のとおりである。
【0044】
まず、アルミニウムシート上に測定対象の導電層を10〜15μm程度の膜厚で形成し、さらに、この導電層上に金の薄膜を蒸着により形成して、アルミニウムシートと金薄膜の両電極間を流れる電流値をpAメーターで測定した。測定環境は23℃、60RH%であり、印加電圧は0.1Vである。電流値測定開始1分後の安定した値を読み取り、導電層の体積抵抗率を導き出した。
【0045】
導電層の体積抵抗率を上記範囲に収めるためには、導電性粒子である酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の粉体抵抗率は、1〜500Ω・cmであることが好ましく、特には1〜250Ω・cmであることがより好ましい。粉体抵抗率が高すぎると導電層の体積抵抗率を上記範囲の収めることが難しくなり、一方、粉体抵抗率が低すぎると帯電能が低下する場合がある。
【0046】
粉体抵抗率が上記範囲にある酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子を安定して得るためには、該粒子を製造する際の原材料配合比率を制御すればよい。例えば、スズ原材料から100%のSnOが得られると計算して、酸素欠損型SnOを被覆したTiOに対して30〜60質量%のSnOを生成するのに必要なスズ原材料を該粒子製造時に配合すればよい。換言すれば、TiOへの酸素欠損型SnOの被覆率は30〜60質量%が好ましい。
【0047】
本発明における粉体抵抗率の測定方法は以下のとおりである。
【0048】
測定装置は、三菱化学(株)製の抵抗測定装置ロレスタAP(LorestaAp)を用いた。測定対象の粉体(=粒子)は、500kg/cmの圧力で固めて、ペレット状の測定用サンプルとした。測定環境は23℃、60%RHであり、印加電圧は100Vである。
【0049】
次に、導電性粒子である酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径に関して説明する。
【0050】
導電層の組成が同一であっても、導電性粒子の平均粒径が大きくなるにしたがって該導電性粒子の粉体抵抗率が低下し、それとともに、導電層の体積抵抗率が低下する。
【0051】
導電性粒子である酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径が0.2μm未満の場合、導電層の体積抵抗率を上記範囲の収めるには、導電性粒子の使用量を増やす必要があるが、導電性粒子の使用量を増やした場合、導電層表面で反射した光が干渉して出力画像に干渉縞が発生することを抑制するために好適な導電層の表面粗さ(Rzjis:1〜3μm)を達成することが難しくなる。なお、Rzjisとは、JISB0601(1994年)でRzと定義されていたものである。JISB0601は、2001年の規格改訂でRzが改訂され、1994年時のRy(最大高さ)に置き換わった。1994年時のRzは区別のために、2001年にRzjisと名称変更された。
【0052】
また、導電性粒子の使用量を増やした場合、導電層の膜厚を厚くするとクラックが発生しやすくなり、成膜性が低下する場合がある。
【0053】
一方、導電性粒子である酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径が0.6μmを超える場合、導電層の体積抵抗率を上記範囲の収めることは可能であるが、導電層表面が極端に荒れてしまい、感光層への局所的な電荷注入が起こりやすくなり、出力画像中の白地におけるポチが目立つようになる。
【0054】
本発明における平均粒径、粒度分布の測定方法は以下のとおりである。
【0055】
分散粒子は導電性粒子のみの組成の導電層用塗布液を液相沈降法にて測定した。具体的には、導電層用塗布液をそれに用いた溶剤で希釈して、(株)堀場製作所製の超遠心式自動粒度分布測定装置(CAPA700)を用いて平均粒径、粒度分布を測定した。
【0056】
本発明において、導電層は、平均粒径0.2〜0.6μmの酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる導電層用塗布液を支持体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。
【0057】
導電層用塗布液に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールや、アセトン、メチルエチルケトン、シクロへキサノンなどのケトンや、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテルや、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステルや、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。
【0058】
支持体の表面欠陥を隠蔽するという観点から、導電層の膜厚は10〜25μmであることが好ましく、特には15〜20μmであることがより好ましい。
【0059】
なお、本発明において、導電層を含む電子写真感光体の各層の膜厚は、(株)フィッシャーインストルメンツ社製のFISHERSCOPE mmsで測定した。
【0060】
導電層の結着樹脂としては、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリビニールアセタール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは1種または2種以上用いることができる。また、各種樹脂の中でも、他層へのマイグレーション(溶け込み)の抑制、支持体への密着性、導電性粒子の分散性・分散安定性、成膜後の耐溶剤性などの観点から、導電層の結着樹脂は硬化性樹脂が好ましく、特には熱硬化性樹脂がより好ましい。具体的には、熱硬化性フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂などが好ましい。
【0061】
また、導電性粒子(P)である平均粒径0.2〜0.6μmの酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子と結着樹脂(B)との質量比(P/B)は、2.3/1〜3.3/1であることが好ましい。質量比(P/B)が小さすぎると、導電層の体積抵抗率を上記範囲に収めることが難しくなり、質量比(P/B)が大きすぎると、導電層における平均粒径0.2〜0.6μmの酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の結着が難しくなり、クラックが発生しやすくなる。
【0062】
また、導電層表面で反射した光が干渉して出力画像に干渉縞が発生することを抑制するために、導電層に、結着樹脂および平均粒径0.2〜0.6μmの酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子に加えて、導電層表面を粗面化するための表面粗し付与材を添加することも可能である。表面粗し付与材としては、平均粒径1〜3μmの樹脂粒子が好ましく、例えば、硬化性ゴム、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、アクリル−メラミン樹脂などの硬化性樹脂の粒子などが挙げられる。これらの中でも、凝集しにくいシリコーン樹脂の粒子が好ましい。樹脂粒子の比重(0.5〜2)は、酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の比重(4〜7)に比べて小さいため、導電層形成時に効率的に該導電層の表面を粗面化することができる。ただし、導電層中の表面粗し付与材の含有量が多いほど、導電層の体積抵抗率が上昇する傾向にあるため、導電層の体積抵抗率を上記範囲に収めるためには、導電層中の表面粗し付与材の含有量は、導電層中の結着樹脂に対して15〜25質量%であることが好ましい。
【0063】
また、導電層の表面性を高めるためにレベリング剤を添加してもよく、また、導電層の隠蔽性を向上させるために、顔料粒子を導電層に含有させてもよい。
【0064】
導電層から感光層への電荷注入を阻止するために、電気的バリア性を有する中間層を導電層と感光層との間に設ける必要があるが、中間層の体積抵抗率は1×10〜1×1013Ω・cmであることが好ましい。中間層の体積抵抗率が小さすぎると、電気的バリア性が乏しくなり、導電層からの電荷注入に起因するポチやカブリの発生が顕著になる傾向にある。一方、中間層の体積抵抗率が大きすぎると、画像形成時に電荷(キャリア)の流れが滞り、残留電位の上昇(電位安定性の欠如)が顕著になる傾向にある。
【0065】
本発明における中間層の体積抵抗率の測定方法は以下のとおりである。
【0066】
まず、アルミニウムシート上に測定対象の中間層を2〜5μm程度の膜厚で形成し、さらに、この中間層上に金の薄膜を蒸着により形成して、アルミニウムシートと金薄膜の両電極間を流れる電流値をpAメーターで測定した。測定環境はRH%であり、印加電圧は100Vである。電流値測定開始1分後の安定した値を読み取り、中間層の体積抵抗率を導き出した。
【0067】
中間層は、結着樹脂を含有する中間層用塗布液を導電層上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
【0068】
中間層の結着樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリグルタミン酸、カゼイン、でんぷんなどの水溶性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリグルタミン酸エステル樹脂などが挙げられる。電気的バリア性を効果的に発現させるためには、また、塗工性、密着性、耐溶剤性、抵抗などの観点から、中間層の結着樹脂は熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、熱可塑性ポリアミド樹脂などが好ましい。ポリアミド樹脂としては、溶液状態で塗布できるような低結晶性または非結晶性の共重合ナイロンなどが好ましい。また、中間層の膜厚は0.1〜2μmであることが好ましい。
【0069】
また、中間層において電荷(キャリア)の流れが滞らないようにするために、中間層には、電子輸送物質(アクセプターなどの電子受容性物質)を含有させてもよい。
【0070】
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
【0071】
図1に示すように、本発明の電子写真感光体は、支持体101上に導電層102、中間層103、感光層104(電荷発生層1041、電荷輸送層1042)をこの順に有する電子写真感光体である。
【0072】
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層104であっても(図1(a)参照)、電荷発生物質を含有する電荷発生層1041と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層1042とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよいが、電子写真特性の観点からは積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層には、支持体101側から電荷発生層1041、電荷輸送層1042の順に積層した順層型感光層(図1(b)参照)と、支持体101側から電荷輸送層1042、電荷発生層1041の順に積層した逆層型感光層(図1(c)参照)があるが、電子写真特性の観点からは順層型感光層が好ましい。
【0073】
また、感光層104(電荷発生層1041、電荷輸送層1042)上に、保護層105を設けてもよい(図1(d)参照)。
【0074】
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製の支持体を用いることができる。アルミニウム、アルミニウム合金の場合は、押し出し工程および引き抜き工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管や、押し出し工程およびしごき工程を含む製造方法により製造されるアルミニウム管や、これらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨)、湿式または乾式ホーニング処理したものも用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成された層を有する上記金属製支持体や樹脂製支持体(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、フェノール樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン樹脂など)を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を樹脂や紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチックなどを用いることもできる。
【0075】
導電層の電荷(キャリア)をアースに流すためには、導電性の支持体の体積抵抗率、または支持体の表面が導電性を付与するために設けられた層である場合はその層の体積抵抗率は、1×1010Ω・cm以下であることが好ましく、特には1×10Ω・cm以下であることがより好ましい。
【0076】
なお、支持体が非導電性の支持体である場合には、本発明の電子写真感光体の導電層からアースを取る構成を採る必要がある。
【0077】
支持体上には導電層が設けられ、導電層上には中間層が設けられる。導電層および中間層に関しては上述のとおりである。
【0078】
中間層上には感光層が設けられる。
【0079】
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これらの中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニンが好ましい。
【0080】
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられる。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
【0081】
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、10:1〜1:10(質量比)の範囲が好ましく、特には3:1〜1:1(質量比)の範囲がより好ましい。
【0082】
電荷発生層用塗布液に用いる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
【0083】
電荷発生層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
【0084】
また、電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1〜2μmであることがより好ましい。
【0085】
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。また、電荷発生層において電荷(キャリア)の流れが滞らないようにするために、電荷発生層には、電子輸送物質(アクセプターなどの電子受容性物質)を含有させてもよい。
【0086】
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。
【0087】
感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和樹脂などが挙げられる。特には、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
【0088】
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、2:1〜1:2(質量比)の範囲が好ましい。
【0089】
電荷輸送層用塗布液に用いる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタンなどのエーテル、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが用いられる。
【0090】
電荷輸送層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
【0091】
電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜20μmであることが帯電均一性の観点からより好ましい。
【0092】
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
【0093】
感光層が単層型感光層である場合、該単層型感光層は、上記電荷発生物質および上記電荷輸送物質を上記結着樹脂および上記溶剤と共に分散して得られる単層型感光層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
【0094】
また、感光層上には、該感光層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した各種結着樹脂を溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
【0095】
保護層の膜厚は0.5〜10μmであることが好ましく、特には1〜5μmであることが好ましい。
次に、本発明の非接触ジャンピング現像方式の一例として、非接触現像器1の構成を図2を用いて説明する。
【0096】
非接触現像器1を構成する枠体内の空間は、現像剤Tを内包するための現像剤収容部2として利用される。
【0097】
現像剤収容部2に充填された現像剤Tは、図1中矢印D方向に回転する撹拌部材3によって、供給ローラー4側へと搬送される。この時、現像剤収容部2と供給ローラー4の間は仕切り板5によって隔てられているので、撹拌部材3の押圧によって仕切り板5を乗越えた現像剤Tが、略一定量ずつ供給ローラー4へと搬送される。
【0098】
供給ローラー4は、現像剤担持体である現像ローラー6に接触しながら、それとカウンタ方向である図2中矢印E方向へと回転することによって、現像剤Tを現像ローラー6に供給する。
【0099】
矢印F方向に回転する現像ローラー6に担持された現像剤Tは、規制部材である現像ブレード7によって所定の層厚に形成され、電子写真感光体9に対向した、電子写真感光体9と現像ローラー6との間隙dに位置する現像領域αへと搬送される。ここで、現像ローラー6と電子写真感光体9とは、対向部で同方向に移動する順方向に回転している。
【0100】
間隙dまで搬送された現像剤Tは、現像用電源から現像ローラー6に印加されるAC電圧とDC電圧を重畳した振動電圧によって、電子写真感光体9と現像ローラー6間を往復する間に、電子写真感光体9表面に形成された静電潜像に付着して現像が行われる。本発明の実施例における非接触現像器では、ピーク間電圧:2.0kVpp、周波数:2.5kHzのAC電圧に対し、−300VのDC電圧を重畳させたものを現像電圧として用いたが、これらの値は電子写真感光体9上に形成された静電潜像のコントラストや、現像器1の置かれた環境等の諸条件に応じて適宜調整を行うことも出来る。
【0101】
また、電子写真感光体9表面に転移しなかった現像剤Tは、再び現像ローラー6に回収されて次回の現像に用いられる。
現像ローラー6両端部には、内径部で現像ローラー6に接触し、その外径部を電子写真感光体9に当接することにより現像ローラー6表面と感光体9表面を所定の間隔に保つ働きをする、リング状の規制コロ8が設けられる。
【0102】
非接触現像器1では、樹脂溶液中にカーボン等を配合して抵抗調整を行った後、外径15mmのアルミニウム素管上に塗工を行ったものを現像ローラー6として使用した。
【0103】
尚、現像ローラー6表面と電子写真感光体9表面の間隔が、規制コロ8によって300μmに保たれるように調節を行った。
【0104】
現像剤Tとしては、負極帯電される非磁性一成分トナーを用いたが、非接触現像に適したもので有れば、粉砕トナー・重合トナーのどちらでも使用可能である。
【0105】
又、トナー飛散等の問題を抑制するために、電子写真感光体と現像ローラーの間隙にシート状の部材を配置してもよい。
【0106】
本発明においては、図2で示されるように、電子写真感光体9と現像ローラー6とで構成される間隙d、そしてその間隙dに存在する現像に作用する領域である現像領域内に侵入するように、絶縁材質から構成されるシート状の部材11を、現像ローラー6の回転方向上流側より配置した。
非接触現像器1では、現像ブレード7に支持部材としての台座10を固定し、台座10に対し厚さ60μm程のPETシート11の貼付けを行った。この貼り付け部分がシート11の固定端となる。なお、本発明の画像形成装置においてはPETシートを用いたが、例えばウレタン等のように絶縁性を有するものであれば、同様の効果が得られる。
【0107】
台座10に固定されていないPETシート11の固定端に対してもう一方の自由端は、現像ローラー6と電子写真感光体9の間隙dにある現像領域に侵入し、台座10から垂れ下がるようにして配置される。
【0108】
但し、現像ローラー6表面と電子写真感光体9表面の間隙は300μmと非常に狭く、一方が自由端であるPETシート11は現像ローラー6表面に接触し易い。PETシート11が現像ローラー6表面に接触すると、現像ローラー6上の現像剤コート層が乱され、濃度むら等の出力画像の欠陥が生じ易くなる。
【0109】
そこで、非接触現像器1が電子写真感光体9に対向した際、PETシート11の自由端が電子写真感光体9に接触し、且つ現像ローラー6表面に接触しないよう、台座10の高さhを充分高くして位置決めを行った。前述の通り、PETシート11を所定の押圧力をもって積極的に電子写真感光体9に押付けることで、現像剤ローラー6側へシート部材11の倒れが抑えられ、現像ローラー3表面へのPETシート接触を防止する。
【0110】
回転駆動される電子写真感光体9の周面は、帯電手段12により、負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段13から出力される露光光(画像露光光)を受ける。こうして電子写真感光体9の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。本発明においては、帯電手段12に印加するバイアスは直流成分のみである。
【0111】
図3に、フルカラー画像の形成が可能な多色電子写真装置の一例を示す。この電子写真装置は、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの4色に分解した画像データにより、各色について帯電、露光、現像の各工程を行ってトナー像を形成し、それらを順次、記録用紙などの記録媒体上に重ね合わせて転写してフルカラー画像を得るものである。
【0112】
フルカラー電子写真装置は、略垂直方向(略重力方向)に4個並設された、図中矢印R1方向に回転可能な円筒状の電子写真感光体101(101A〜101D)を備える。電子写真感光体101の周囲には、電子写真感光体101の表面を均一に帯電するための帯電手段102(102A〜102D)、画像情報に基づきレーザーを照射し、電子写真感光体101上に静電潜像を形成するスキャナ103(103A〜103D)、静電潜像をトナー像として現像する現像装置104(104A〜104D)、電子写真感光体101上のトナー像を記録媒体105に転写するための転写装置106、転写後の電子写真感光体101表面に残った転写残トナーを除去するクリーナ107(107A〜107D)などが配設されている。
【0113】
転写装置106は、記録媒体105を静電吸着して搬送する静電搬送ベルト109と、その内側に4個の電子写真感光体101に対応して当接配置されるローラー状の転写部材である転写ローラー110(110A〜110D)とを備えている。これら転写ローラー110は、電子写真感光体101と対向して転写部T1〜T4を形成する。例えば、現像剤として負帯電性のトナーを用いる場合、これら転写ローラー110から静電搬送ベルト109を介して正極性の電荷が記録媒体105に印加される。この電荷による電界によって、電子写真感光体101に接触中の記録媒体105に、電子写真感光体101上の負極性トナーが転写される。記録媒体105に転写された複数色のトナー像は、その後、定着装置108によって定着されて画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0114】
上述の電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。
【実施例】
【0115】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
【0116】
(実施例1)
押し出し・引き抜き工程により製造された、長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体とした。
【0117】
次に、導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率100Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は40%)55部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分60%)36.5部、溶剤としてのメトキシプロパノール35部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散して、分散液を調整した。
【0118】
この分散液における酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.36μmであった。
【0119】
この分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)3.9部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.001部を添加して攪拌し、導電層用塗布液を調整した。
【0120】
この導電層用塗布液を、23℃、60%RH環境下で、支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。導電層表面のRzjisを測定したところ、1.5μmであった。
【0121】
本発明において、Rzjisの測定は、JIS−B0601(1994)に準じ、(株)小坂研究所製の表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用い、送り速度0.1mm/s、カットオフλc0.8mm、測定長さ2.50mmの設定で行った。
【0122】
また、別途、この導電層用塗布液をマイヤーバーでアルミニウムシート上に膜厚15μmの厚さに塗布し、これを乾燥させることによって、導電層体積抵抗率測定用サンプルを作製した。この導電層上に金の薄膜を蒸着により形成して、導電層の体積抵抗率を測定したところ、1.5×1010Ω・cmであった。
【0123】
次に、導電層上に、N−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学産業(株)製)4.5部および共重合ナイロン樹脂(アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、メタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶媒に溶解して得られた中間層用塗布液を浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
【0124】
また、別途、この中間層用塗布液をマイヤーバーでアルミニウムシート上に膜厚3μmの厚さに塗布し、これを乾燥させることによって、中間層体積抵抗率測定用サンプルを作製した。この中間層上に金の薄膜を蒸着により形成して、中間層の体積抵抗率を測定したところ、2×1011Ω・cmであった。
【0125】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で1時間分散し、次に、酢酸エチル250部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。
【0126】
この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
【0127】
次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物10部、および、
【0128】
【化1】


【0129】
ポリカーボネート樹脂(商品名:Z400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部を、ジメトキシメタン30部/クロロベンゼン70部の混合溶媒に溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。
【0130】
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、これを30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
【0131】
このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
【0132】
作製した電子写真感光体を、15℃、10%RHおよび30℃、80%RHの環境下にて、初期と5000枚通紙耐久後の画像の評価を行った。
評価装置として、キヤノン(株)製レーザービームプリンターLBP−2510(DC接触帯電方式、サイクルタイム1.00秒)を用いたが、その現像器を非接触ジャンピング現像方式に改造して評価を行なった。
【0133】
LBP−2510の現像器シアン色用のプロセスカートリッジに、作製した電子写真感光体を装着してシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、評価を行った。
【0134】
通紙時は各色の印字率2%の文字画像をレター紙にて20秒毎に1枚出力する間欠モードでフルカラープリント操作を行い、5000枚の画像出力を行った。
【0135】
そして、評価開始時と5000枚終了時に3枚(ベタ白、ベタ黒、1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像)の画像評価用のサンプルを出力した。
【0136】
なお、画像の評価の基準は以下のとおりである。
【0137】
帯電不良に起因するポチ等の画像不良の有無は、桂馬パターンのハーフトーン画像から、A:画像不良が全くなし、B:画像不良がほとんどなし、C:画像不良がわずかに観測される、D:画像不良が観測される、E:画像不良がはっきりわかる、とした。
【0138】
結果を表1に示す。
【0139】
(実施例2)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0140】
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の使用量を53部に、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を40部に変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.6μmに、導電層の体積抵抗率は5×1010Ω・cmとなった。
【0141】
(実施例3)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0142】
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の使用量を56.7部に、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を33.5部に変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.5μmに、導電層の体積抵抗率は4.5×10Ω・cmとなった。
【0143】
(実施例4)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0144】
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の使用量を59.4部に、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を17.4部に変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.3μmに、導電層の体積抵抗率は8.5×10Ω・cmとなった。
【0145】
(実施例5)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0146】
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の使用量を61.3部に、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を17.4部に変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.3μmに、導電層の体積抵抗率は6.2×10Ω・cmとなった。
【0147】
(実施例6)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0148】
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率500Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は30%)55部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.23μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.3μmに、導電層の体積抵抗率は1×1011Ω・cmとなった。
【0149】
(実施例7)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0150】
導電層の膜厚を9μmに変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.2μmとなった。
【0151】
(実施例8)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0152】
導電層の膜厚を12μmに変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.3μmとなった。
【0153】
(実施例9)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0154】
導電層の膜厚を23μmに変更した。その結果、導電層表面のRzjisは1.7μmとなった。
【0155】
(実施例10)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0156】
導電層の膜厚を30μmに変更した。その結果、導電層表面のRzjisは2.3μmとなった。
【0157】
【表1】


【0158】
(比較例1)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0159】
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率0.8Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は70%)74.6部に変更し、また、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を32部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.68μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.7μmに、導電層の体積抵抗率は6×10Ω・cmとなった。
【0160】
(比較例2)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0161】
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率120Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は40%)53.2部に変更し、また、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を42.6部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.35μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.2μmに、導電層の体積抵抗率は3×1011Ω・cmとなった。
【0162】
(比較例3)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0163】
導電層の導電性粒子について酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率950Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は30%)50部に変更した。この酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径は0.18μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは0.9μmに、導電層の体積抵抗率は5×1011Ω・cmとなった。
【0164】
(比較例4)
実施例1において、以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0165】
導電層の導電性粒子についてドープ処理も酸素欠損処理もされていないSnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率200000Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は40%)55部に変更した。このドープ処理も酸素欠損処理もされていないSnOを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.34μmであった。その結果、導電層表面のRzjisは1.5μmに、導電層の体積抵抗率は5×1012Ω・cmとなった。
【0166】
(比較例5)
実施例1において、中間層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0167】
【表2】


【0168】
以上の結果からわかるように、本発明によれば、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良を図るために、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体を有する電子写真装置であっても、帯電ムラ,帯電不良に起因する画像不良が抑制された電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す。
【図2】本発明の非接触ジャンピング現像方式の概略構成の一例を示す。
【図3】多色電子写真装置の一例を示す。
【符号の説明】
【0170】
101 支持体
102 導電層
103 中間層
104 感光層
1041 電荷発生層
1042 電荷輸送層
105 保護層
1 非接触現像器(現像装置)
6 現像ローラー(現像剤担持体)
7 現像ブレード(規制部材)
8 規制コロ
9 感光体
10 台座
11 シート部材
d 間隙
T 現像剤




 

 


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