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省エネ性能評価方法 - キヤノン株式会社
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発明の名称 省エネ性能評価方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17859(P2007−17859A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−201616(P2005−201616)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100066061
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 宏之
発明者 寺内 耕一 / 増田 義隆 / 道脇 直樹
要約 課題
ユーザビリティも考慮した省エネ性能の評価指標を提供する。

解決手段
待ち時間(X軸)と消費電力(Y軸)の図上における各機種のプロット点の原点からの距離を基本とする指標UEを用い、各機種の性能を数値で表す。X軸の目盛倍率をY軸に対して、所定の値としてUEの精緻化を図る。
特許請求の範囲
【請求項1】
電子写真方式の画像形成装置の所定性能を評価する省エネ性能評価方法であって、
前記画像形成装置の印刷開始指令から画像形成の開始又は終了までの時間Aと、所定条件下での当該画像形成装置の消費電力Bを求め、
上記時間Aと消費電力Bとに所定の演算処理を施すことにより、当該画像形成装置の所定性能の評価指数を算出することを特徴とする省エネ性能評価方法。
【請求項2】
下記の指標UE、
UE={f(A)+B1/2
(f(A)は、消費電力Bと時間Aの関係より導かれるAの関数である。)
を用いることを特徴とする請求項1に記載の省エネ性能評価方法。
【請求項3】
画像形成装置の省電力待機時からの復帰時間をA(秒)とし、省電力待機時の消費電力をB(W)としたとき、下記の指標UE、
UE={(α*A)+B1/2
(ここにαは評価対象の母集団における(C−B)/Aの平均値:Cは通常
待機時の消費電力(W)とする。)
を用いることを特徴とする、請求項2に記載の省エネ性能評価方法。
【請求項4】
画像形成装置の省電力待機時からの復帰時間をA(秒)、通常待機時のファーストプリント時間をD(秒)とし、省電力待機時の消費電力をB(W)としたとき、下記の指標UE、
UE=〔{α*(A+D)}+B1/2
(ここにαは評価対象の母集団における(C−B)/Aの平均値:Cは通常
待機時の消費電力(W)とする。)
を用いることを特徴とする、請求項2に記載の省エネ性能評価方法。
【請求項5】
画像形成装置の電源オン時のウェイト時間をE(秒)とし、通常待機時の消費電力をC(W)としたとき、以下の指標UE、
UE={(β*E)+C1/2
(ここにβは評価対象の母集団におけるC/Eの平均値とする。)
を用いることを特徴とする、請求項2に記載の省エネ性能評価方法。
【請求項6】
画像形成装置のエネルギー消費効率算定試験における1時間当たりの1ジョブに要する時間をF(秒)とし、エネルギー消費効率をG(Wh/h)としたとき、下記の指標UE、
UE={(γ*F)+G1/2
(ここにγは評価対象の母集団におけるG/Fの平均値とする。)
を用いることを特徴とする、請求項2に記載の省エネ性能評価方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真技術を応用した画像形成装置の省エネ性能評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真技術を応用した画像形成装置では、待機時のエネルギー消費を抑制するために省電力モードを有するのが一般的である。これは、国際エネルギースタープログラムに代表されるエコマーク付与基準に、待機時の消費電力値を一定以下とする低電力モードが求められることにも依る。
【0003】
待機時の消費電力を構成する要素としては、特に定着器の予熱通電に用いられるものが大きいが、印刷開始指令に即応できるようにコントローラへの通電が行われているものや、機内の過昇温を防ぐためのファン回転に使われるもの等がある。
【0004】
省電力モード時には、定着器の消費電力はスタンバイモード時よりも抑制されるので、省電力モードにおいて印刷指令が出された場合、スタンバイモードになるまでの待ち時間(=リカバリ時間)を要する。
【0005】
国際エネルギースタープログラムでは、複写機/複合機の一部においてリカバリ時間が30秒以下であることが課せられているけれども、20枚/分以下の複写機/複合機のリカバリ時間は「問わない」とされ、プリンタに関してはリカバリ時間の規定がない、という現状である。
【0006】
省エネの観点からは、省電力モード時の定着器の通電はオフするのが良いけれども、例えば、ウォームアップに長時間を要する定着器の場合、長いリカバリ時間を要すことになり、ユーザの利便性(=ユーザビリティ)が損なわれる問題がある。
【0007】
これは、省エネ規制がエネルギー(消費電力)削減一辺倒となっており、ユーザビリティへの配慮が十分になされていなかった為である。
【0008】
図2に、省電力モード時の消費電力とリカバリ時間の関係を2つの異なる画像形成装置について示した。実線は画像形成装置1、破線は画像形成装置2のデータである。同一の消費電力で比較すれば、画像形成装置1の方がリカバリ時間は短く、同一のリカバリ時間で比較すれば画像形成装置1の方が消費電力は少なく、省エネの観点でもユーザビリティの観点でも画像形成装置1の方が画像形成装置2よりも優れていることは明らかである。
【0009】
実際の画像形成装置としては、それぞれの線上のいずれかの点に相当するリカバリ時間と消費電力がデフォルト設定となり、例えば画像形成装置1は点[1]、画像形成装置2は点[2]の設定となる。この場合、両機種ともに消費電力は同じと表示され、リカバリ時間の差はユーザに判らないという問題があった。
【特許文献1】特開平11−7343号公報
【特許文献2】特開2002−62709号公報
【非特許文献1】国際エネルギースタープログラム(財団法人/省エネルギーセンター発行)、日本画像学会誌 第43号 第6号 46頁 「カラーIH定着方式の開発」 Fig1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上説明したように、従来、省エネの観点とユーザビリティの観点は別々に評価されており、いずれか一方の観点からの評価では、図2に示されるようなユーザビリティも考慮した省エネ性能の総合的評価は困難であった。従って、ユーザビリティも考慮した省エネ性能を表す指標により、相互の機種の性能比較が出来るようにすることが本発明の課題である。
【0011】
尚、本発明の記述中、各種の待ち時間と待機モードについての用語はJEITA(社団法人 電子情報技術産業協会)発行の「プリンタカタログ用語集」(平成16年3月改定)により、以下の用語/定義を用いる。
【0012】
「リカバリ時間」−−省電力モードで印刷指令が出た時点から、装置がスタンバイモードになるまでの時間。印刷指令からプリントアウトが完了するまでの時間Tfとスタンバイ時のファーストプリント時間Tfの差(Tf−Tf)として求められる。同義語として、「復帰時間」「再スタート時間」「ウォームアップ時間」等がある。
【0013】
「ウェイト時間」−−室温に馴染んだ状態から電源オンした時点から、装置がスタンバイモードになるまでの時間。電源オンと同時に印刷指令を出した時点からプリントアウトが完了するまでの時間Tfとスタンバイ時のファーストプリント時間Tfの差(Tf−Tf)として求められる。同義語として「ウォームアップ時間」がある。
【0014】
「ファーストプリント時間」−−第1枚目のデータを受信開始してから印刷を終え、用紙を機外に排出完了させるまでに必要な時間。通常、製品カタログに記載されているのは、スタンバイモードにおけるファーストプリント時間であるが、省電力モードや電源オン時のファーストプリント時間も定義できる。
【0015】
「省電力モード」−−スタンバイモードよりも電力を低く抑えた省エネルギーモード。同義語として「スリープモード」「パワーセーブモード」「節電モード」「予熱モード」「省エネモード」「低電力モード」等がある。
【0016】
「スタンバイモード」−−装置が印刷データを受信してから最小の待ち時間(通例0秒)で、画像形成工程を開始出来る状態。同義語として「通常待機モード」がある。
【0017】
「エネルギー消費効率」−−所定枚数の複写を繰り返した時に消費される単位時間平均エネルギー(Wh/h)を示すもの。通商産業省告示代193号(1991年3月31日付け)で複写機に関して規定されている。以下の実施例4では、これに準拠してプリンタに適用した例を示す。
【課題を解決するための手段】
【0018】
1.画像形成装置への印刷指令開始から画像形成開始または終了までの時間をA、該画像形成装置の所定条件下の消費電力をBとして、以下の指標UEを用いる。
UE=〔{f(A)+B1/2 : f(A)は、消費電力と待ち時間の関係を表す式である。
【0019】
以下、各印刷モードにおける待ち時間と消費電力に関する具体例を記す。
【0020】
1.1.画像形成装置の省電力モード時からのリカバリ時間をA(秒)とし、省電力モード時の消費電力をB(W)としたとき、以下の指標UEを用いる。
UE={(α*A)+B1/2
ここにαは評価対象の母集団における(C−B)/Aの平均値:Cは通常待機時の消費電力(W)とする。
【0021】
1.2.画像形成装置の省電力モード時からのリカバリ時間をA(秒)、通常待機時のファーストプリント時間をD(秒)とし、省電力モード時の消費電力をB(W)としたとき、以下の指標UEを用いる。
UE=〔{α*(A+D)}+B1/2
ここにαは評価対象の母集団における(C−B)/Aの平均値:Cは通常待機時の消費電力(W)とする。
【0022】
1.3.画像形成装置の電源オン時のウェイト時間をE(秒)とし、スタンバイ時の消費電力をC(W)としたとき、以下の指標UEを用いる。
UE={(β*E)+C1/2 ここにβは評価対象母集団におけるC/Eの平均値とする。
【0023】
1.4.画像形成装置のエネルギー消費効率測定における1ジョブに要する時間をF(秒)とし、エネルギー消費効率をG(Wh/h)としたとき、以下の指標UEを用いる。
UE={(γ*F)+G1/2 ここにγは、評価対象の母集団におけるG/Fの平均値とする。
【0024】
なお、さらに説明すれば、前記課題を解決するため、本発明の第一の発明について下記のように示す。
【0025】
(1)電子写真方式の画像形成装置の所定性能を評価する省エネ性能評価方法であって、
前記画像形成装置の印刷開始指令から画像形成の開始又は終了までの時間Aと、所定条件下での当該画像形成装置の消費電力Bを求め、
上記時間Aと消費電力Bとに所定の演算処理を施すことにより、当該画像形成装置の所定性能の評価指数を算出することを特徴とする省エネ性能評価方法。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザビリティを考慮した省エネ性能が1つの指標値として提供されるので、ユーザにとっては、機種比較において利便性のよい省エネ製品の選定が可能となる。又、製品設計上、この指標値を参照することで、ユーザビリティも考慮した省エネ設計の最適化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図2のように、問題とされる機種(複数)の点を図上に表示し、言わばパターン認識により、相互の優劣関係を大まかに知ることは出来るが、本発明の目的は、各点に対応した指標値を算出することにより、相互の優劣関係を正確に把握できるようにすることである。以下、指標値を表す記号としてUE(=User−friendly Energy−saving)を用いる。
【0028】
図2を見れば、プロットされた点が原点に近いほど待ち時間が少なく、ユーザの利便性(以下、ユーザビリティ)に優れており、同時に消費電力が少なく省エネに優れているのは明らかである。そこで、図上にプロットされた点の原点からの距離をUEとすることが最初に考えられる。つまり、復帰時間をA(秒)とし、省電力待機時の消費電力をB(W)として、以下を指標値とするものである。
UE=(A+B1/2 −−− 式(1)
【0029】
この式(1)では、原点からの距離が大きく異なる2点を指標値として区別することが出来る。つまり、図2における点[1](A、B)は、点[2](A、B)よりも原点から遠く、UE[1]<UE[2]となり点[1]の機種の方が優れていることが数値的に明示される。しかし、例えば、点(10、50)と点(50、10)のように図2上では原点から同じ距離にある機種は、式(1)では同性能と判定されるが、これは正しいであろうか。
【0030】
本発明では、式(1)を基本骨格として、図2のX軸(時間軸)とY軸(電力軸)の尺度を適正化することにより、式(1)の精緻化を図る。これを一般式として表すと以下のようになる。
UE={f(A)+B1/2 −−− 式(2): f(A)は、消費電力と待ち時間の関係から導かれるAの関数である。
以下、各モードに沿って式(2)の具体例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0031】
図1は、本発明の第一実施例を説明する図である。X軸はリカバリ時間(図中、RCTと表記する。)、Y軸は省電力モード時消費電力(図中、SleepWと表記する。)で、それぞれ秒とWを単位とする。画像形成装置1に対応するプロット点(50秒、10W)を[1]、画像形成装置2に対応するプロット点(10秒、50W)を[2]とする。
【0032】
図3は、X軸とY軸を同じ尺度として描いた図であり、ここでは1秒と1Wは同じスケールとされているので、上述したとおり、[1]と[2]の原点からの距離は式(1)により、ともにUE=(50+101/2=51となる。
【0033】
図1では、X軸の単位目盛はY軸の単位目盛の2倍とされているので、図上での原点からの距離は、各点について以下のようになる。
[1] : UE={(2×50)+101/2=100
[2] : UE={(2×10)+501/2=54
【0034】
このように、図3では等価とされた画像形成装置1と画像形成装置2のUE値には2倍程度の開きがあり、利便性も考慮した省エネ性能としては画像形成装置2の方が勝っていると評価される。
【0035】
ここで問題となるのは、X軸とY軸の目盛の倍率αをどのように設定するかである。図1の例では、α=2(W/秒)であり、1秒は2Wに相当するという設定であるが、これは以下のように求めたものである。
【0036】
図2において、プロット点[1]は画像形成装置1の省電力モード時の(RCT、SleepW)を示すものである。これに対して、プロット点[1]’は画像形成装置1のスタンバイ時の動作点を示すもので、便宜的に、スタンバイ時の動作点[1]’の座標を(0、StbyW)とする。つまり、スタンバイ時には待ち時間は0秒であるが、その際の消費電力StbyWはSleepWよりは大きくなる。
【0037】
そこで、[1]と[1]’を比較すると、待ち時間RCT(秒)を0(秒)とするために、余剰電力ΔW=StbyW−SleepWが投入されていることが判る。RCT→0のためにΔWを使うことが正当化されると見て、これより上の倍率αを以下のとおり定義する。
α=ΔW/RCT
αの値は、どのような定着器やコントローラが搭載されているかにより機種毎のばらつきがある。図1には説明の便宜上、α=2の例を示したが、多数の機種の比較を行う場合には、各機種のαの平均値を採用するのが良い。
【0038】
実際の例として、JEITAの2004年新製品調査で収集された電子写真製品80機種のRCTとSleepWのプロットを図4−1(全体80機種)、図4−2(部分72機種)に示す。又、各機種のαを表1に示す。これより80機種のα平均値=5(W/秒)が得られ、ユーザビリティも考慮した省エネ指標UEの算定式(3)が求まる。
UE={(5×A)+B1/2 −−− 式(3)
表2には、式(3)により算定された各機種のUE値を示す。
【0039】
[表1]
2004年JEITA新製品調査を母集団とした、係数αの計算例


【0040】
[表2]
2004年JEITA新製品調査を母集団とした、リカバリ時間と
省電力モード時消費電力に基づく指標UEの計算例


【0041】
以上説明したように、各機種の図4−1或いは図4−2における分布を見て、個々の機種の優劣を知るのは困難であるが、それぞれの機種に対応する指標UEを算定することで、ユーザビリティも考慮した各機種の性能比較が簡単に行える利点がある。又、図2に示すように1つの機種の(RCT、SleepW)をどのポイントとするかを設計時点で決める場合、指標UE値が最も小さくなる(RCT、SleepW)の組合わせを選択すれば良く、最適設計が容易に行える利点もある。
【実施例2】
【0042】
実施例1では、待ち時間として省電力モード時に印刷信号を受けた場合に、スタンバイ状態になるまでのリカバリ時間を採った。つまり、印刷信号を受けてから画像形成工程が開始される迄を問題としたが、本実施例では、省電力モード時に印刷信号を受けてから、1枚目のプリントが出力されるまで、つまり画像形成工程が終了するまでの時間を待ち時間と定義し、ユーザビリティを考慮した省エネ性能を評価する。つまり、スタンバイ時におけるファーストプリント時間TfをD(秒)とすれば、省電力モード時のファーストプリント時間Tfは以下のように定義される。
Tf=Tf+RCT=D+A(秒)
【0043】
本実施例では、各機種の(Tf、SleepW)について以下の指標UEを算定する。
UE={(α*TfB)+B1/2=〔{α×(D+A)}+B1/2 −−− 式(4)
ここにαは、実施例1と同じく、Δ/RCTより算出される係数である。
【0044】
図1に示した画像形成装置1及び画像形成装置2のスタンバイ時におけるファーストプリント時間Tfがそれぞれ、10秒、20秒であるとした場合、本実施例の式(4)による指標UEは、それぞれの装置について以下のように算出される。
[1] 〔{2×(10+50)}+101/2=120
[2] 〔{2×(20+10)}+501/2=78
【0045】
図5には、X軸をTf、Y軸をSleepWとして、上の[1]と[2]の関係を示した。図1に比べて、ファーストプリント時間Tfが評価された分、[1]と[2]の差は縮まっていることが判る。
【0046】
表3には、JEITAの2004年新製品調査で収集された電子写真製品○○機種の(TfB、SleepW)をもとに式(5)により、ユーザビリティを考慮した省エネ指標UEの計算結果を示す。
UE=〔{5×(D+A)}+B1/2 −−− 式(5)
【0047】
[表3]
2004年JEITA新製品調査を母集団とした、省電力モードから
のファーストプリント時間と省電力モード時消費電力に基づく指標UE
の計算例


【実施例3】
【0048】
実施例1と実施例2では、省電力モード時に印刷信号が出された場合の待ち時間と消費電力からユーザビリティを考慮した省エネ指標UEを算定した。本実施例では、画像形成装置の電源オン時にスタンバイとなるまでのウェイト時間E(秒)を待ち時間とし、スタンバイ時の消費電力C(W)より以下の式(6)により、ユーザビリティを考慮した省エネ指標UEを算定する。
UE={(β×E)+C1/2 −−− 式(6) ここに、βは評価対象の母集団のC/Eの平均値とする。
【0049】
画像形成装置が室温に馴染んでいる状態で、電源をオンする場合にはウェイト時間としてE(秒)待たねばならない。この待ち時間を嫌って、スタンバイ時の消費電力C(W)を投入することで、印刷指令が出ればすぐに画像形成工程が開始できるように図られている。つまり、E(秒)をキャンセルするのに、C(W)を使うことを良しとされており、これから時間と電力の係数β=C/Eが定義される。
【0050】
具体例として、画像形成装置3と画像形成装置4のウェイト時間とスタンバイ時消費電力の組合わせが、それぞれ(30秒、300W)、(80秒、100W)である場合を、図6にX軸/Y軸を等倍の尺度で示した。図上、ウェイト時間をWUT、スタンバイ消費電力をStbyWと表記する。β=5を用いた場合には以下の式(7)により、それぞれのUE値が求められる。
UE={(5×E)+C1/2 −−− 式(7)
[3] : UE={(5×30)+3001/2=335
[4] : UE={(5×80)+1001/2=412
【0051】
このケースでは、消費電力のみに着目すると[4]の方が省エネであるけれども、ウェイト時間が長い分、ユーザビリティも考慮すると[3]の方が優れているとの評価になる。
【0052】
表4には、JEITAの2004年新製品調査で収集された電子写真製品○○機種の(WUT、StbyW)をもとに算定したβ(総平均値:a)、表5には式(8)により、ユーザビリティを考慮した省エネ指標UEの計算結果を示す。
UE={(a×E)+C1/2 −−− 式(8)
【0053】
[表4]
2004年JEITA新製品調査を母集団とした、係数βの計算例


【0054】
[表5]
2004年JEITA新製品調査を母集団とした、ウェイト時間と
スタンバイ時消費電力に基づく指標UEの計算例


【実施例4】
【0055】
図7に、エネルギー消費効率の測定例を示す。X軸は、電源オンからの時間を示し、Y軸は消費電力を示す。電源オンと同時に印刷指令が出され、所定枚数の連続印刷(1ジョブ)が行われた後、スタンバイモードを経て、省電力モードに入る。図示したのは最初の1時間分の電力プロファイルであり、この後、省電力モードからスタートして1時間毎に所定枚数の連続印刷(1ジョブ)を、都合7回繰り返し、トータル8時間の間に消費される総電力量(Wh)を測定し、1時間当たりの平均値を採り、エネルギー消費効率G(Wh/h)とする。
【0056】
図8には、X軸に印刷指令から1ジョブの連続印刷が終わるまでの平均時間F(秒)、Y軸にエネルギー消費効率G(Wh/h)を、画像形成装置5、及び画像形成装置6について(F、G)の値をプロットした。画像形成装置5については(150秒、50Wh/h)、画像形成装置6については(100秒、100Wh/h)である。
【0057】
この2つの画像形成装置のユーザビリティを考慮した省エネ指標UE値は、式(9)により、以下のように計算される。
UE={(γ×F)+G1/2 −−− 式(9)
γ=G/Fであり、ここではγ=2とする。
[5] : UE={(2×150)+501/2=304
[6] : UE={(2×100)+1001/2=224
【0058】
つまり、この場合、[6]の方が[5]よりも原点からの距離は近くなり、ユーザビリティを考慮した省エネ性能が優れていると評価される。
【0059】
上では、例示の目的でγ=2としたが、実際に諸機種のデータを分析する場合には、γの値としては、評価対象となるデータの母集団における平均値を採用すれば良い。
【0060】
以上、4つの実施例では、X軸とY軸の倍率換算は、それぞれに定義された係数α、β、γの対象母集団における平均値を採ったが、X軸(待ち時間)の目盛を一様の倍率で換算するのではなく、原点付近の領域では倍率を大きく(ex.10)、原点から離れた(待ち時間の長い)領域では倍率を小さく(ex.2)とするなど、待ち時間に応じて非線形に変化する倍率の換算テーブルを作ることも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第一実施例を説明するリカバリ時間(RCT)と省電力モード時消費電力(SleepW)の関係図(RCT軸の目盛倍率=SleepW軸の2倍)
【図2】2つの画像形成装置におけるリカバリ時間(RCT)と省電力モード時消費電力(SleepW)の軌跡を示す図
【図3】本発明の第一実施例を説明するリカバリ時間(RCT)と省電力モード時消費電力(SleepW)の関係図(RCT軸の目盛倍率=SleepW軸の目盛倍率)
【図4−1】2004年JEITA新製品調査における全80機種のリカバリ時間(RCT)と省電力モード時消費電力(SleepW)の分布図
【図4−2】2004年JEITA新製品調査における部分72機種のリカバリ時間(RCT)と省電力モード時消費電力(SleepW)の分布図
【図5】本発明の第二実施例を説明する省電力モードからのファーストプリント時間(RCT+Tf)と省電力モード時消費電力(SleepW)の関係図
【図6】本発明の第三実施例を説明するウェイト時間(WUT)とスタンバイ時消費電力(StbyW)の関係図
【図7】エネルギー消費効率の測定方法を説明する図
【図8】本発明の第四実施例を説明する1ジョブの時間とエネルギー消費効率の関係図
【符号の説明】
【0062】
[1] 画像形成装置1のリカバリ時間と省電力モード時消費電力を示す点。
[2] 画像形成装置2のリカバリ時間と省電力モード時消費電力を示す点。
[3] 画像形成装置3のウェイト時間とスタンバイ時消費電力を示す点。
[4] 画像形成装置4のウェイト時間とスタンバイ時消費電力を示す点。
[5] 画像形成装置5の1ジョブ時間とエネルギー消費効率を示す点。
[6] 画像形成装置6の1ジョブ時間とエネルギー消費効率を示す点。




 

 


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