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発明の名称 磁性キャリア及び二成分系現像剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17838(P2007−17838A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−201318(P2005−201318)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100096828
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敬介
発明者 梅田 宜良 / 井田 哲也 / 石上 恒 / 岡本 直樹 / 小松 望 / 中 毅 / 大津 剛 / 馬場 善信 / 板倉 隆行
要約 課題
長期間使用する場合にも、カブリやトナー飛散を抑制させることである。さらに、環境変動の大きい場合にも、安定して帯電特性を維持することができる磁性キャリアを提供することにある。

解決手段
少なくとも磁性体粒子、バインダー樹脂とを含有する磁性キャリアにおいて、
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも磁性体粒子、バインダー樹脂とを含有する磁性キャリアにおいて、
該磁性体粒子は、(1)相対蒸気圧50%における吸着水分量が、磁性体粒子総量に対して0.25乃至0.80質量%であり、(2)28℃において水の相対蒸気圧を増加させる吸着過程と、水の相対蒸気圧を低減させる脱着過程を経る吸脱着過程において、吸脱着の吸着水分量差の値が最大となる相対蒸気圧における吸着過程の吸着水分量と、脱離過程の吸着水分量との差が、磁性体粒子総量に対して0.1質量%以下であり、(3)ゼータ電位がゼロになる等電点がpHで4.1乃至8.0であることを特徴とする磁性キャリア。
【請求項2】
該磁性体粒子の等電点がpHで4.5乃至7.0であることを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリア。
【請求項3】
該磁性体粒子が、チタン化合物を含有し、その含有量が、磁性体粒子総量に対して、TiO2換算で0.1乃至10.0質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性キャリア。
【請求項4】
該磁性体粒子の透過電子顕微鏡で撮影した該磁性体粒子100個の個数平均粒径が0.08μm乃至0.45μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性キャリア。
【請求項5】
該磁性体粒子を、空気中において160℃で1時間熱処理したときに、磁性体粒子中に10質量%以上のFe2+が含有されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁性キャリア。
【請求項6】
該磁性キャリアは重合法によって得られたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁性キャリア。
【請求項7】
トナー粒子と外添剤を有するトナーと磁性キャリアとを少なくとも有する二成分系現像剤において、
該磁性キャリアは、請求項1乃至6のいずれかに記載の磁性キャリアであり、
該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有し、重量平均粒径が3.0乃至8.0μmであり、円相当径2μm以上のトナーに含まれる粒子の平均円形度が0.930乃至0.975であることを特徴とする二成分系現像剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法,静電記録法、静電印刷法に用いられる磁性キャリア及び該磁性キャリアとトナーを有する二成分系現像剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真法は、光導電層に原稿に応じた光像を照射することにより静電荷像を形成し、次いで該静電荷像上にトナーを付着させて該静電荷像を現像し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、熱、圧力、加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着し複写物又はプリントを得るものである。
【0003】
電子写真法において静電荷像を現像する工程は、帯電させたトナー粒子を静電荷像の静電相互作用を利用して静電荷像上に画像形成を行うものである。静電荷像をトナーを用いて現像するための現像剤のうち、磁性体を樹脂中に分散してなる磁性トナーを用いる一成分系現像剤と、非磁性トナーを弾性ブレードの如き帯電付与部材で帯電せしめて、現像させる非磁性一成分現像剤と、非磁性トナーを磁性キャリアと混合した二成分系現像剤があり、特に高画質を要求されるフルカラー複写機又はフルカラープリンタには後者が好適に用いられている。
【0004】
二成分系現像剤は、比較的大きなキャリア粒子表面上に微小なトナー粒子が、両粒子の摩擦により発生した静電気力により保持されており、静電潜像に接近すると、静電潜像が形成する電界によるトナー粒子に対する該潜像方向への吸引力が、トナー粒子とキャリア粒子間の結合力に打ち勝ってトナー粒子は静電潜像上に吸引付着されて現像し、静電潜像が可視化されるものである。そして、現像剤は現像によって消費されたトナーを補充しながら反復使用される。
【0005】
この場合、トナー粒子は必ず静電潜像担持体上の所望の像領域へ優先的に引きつけられるような正確な帯電性および電荷の大きさを有していなければならない。また、キャリアは長期間の使用中、常にトナー粒子を所望とする極性で、かつ、充分な帯電量に摩擦帯電していなければならない。特にキャリアを磁気ブラシ現像法で用いる場合には、キャリアは適切な磁性も帯びなければならない。
【0006】
そこで、磁気ブラシ現像法で用いるキャリアとして、鉄粉キャリア、フェライトキャリアあるいはバインダー型キャリア(磁性体微粒子を分散させた樹脂粒子)等が開発され、実用化されている。
【0007】
鉄粉キャリアには、形状がフレーク状、スポンジ状、球状のものがあるが、真比重が7から8であって嵩密度も3g/cm3から4g/cm3と大きいために、現像器中で撹拌するためには大きな駆動力を必要とし、機械的な損耗が多く、トナーのいわゆるスペント化、キャリア自体の帯電性劣化や感光体の損傷を招きやすい(例えば特許文献1、2)。
【0008】
また、フェライトキャリアは球状であって、真比重は4.5から5.5ぐらいであり、嵩密度は2g/cm3から3g/cm3ぐらいであるため、鉄粉キャリアの欠点である重さをある程度解消し得るが、現像スリーブ又はスリーブ内の磁石の回転数が大きい高速複写機や汎用コンピューターの高速レーザビームプリンタ等に対応するためにはトナースペント化が十分ではない場合がある(例えば特許文献3)。
【0009】
このようなスペント化の問題を解決するため、鉄粉キャリアやフェライトキャリアより真比重やかさ密度が小さく、摩耗によって特性の変化しにくい磁性体分散型キャリアの開発が進められている(例えば特許文献4〜6)。
【0010】
磁性体分散型キャリアに用いられる樹脂には熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とがあるが、複写機中の温度上昇、ストレスに耐えるために熱硬化性樹脂が用いられることが多い。樹脂分散型キャリアは真比重とかさ密度はフェライト型キャリア、樹脂コートしてなるコアシェル型キャリア(コーティングキャリア)より小さくなっているため、現像剤にかかる機械的ストレスは軽減され、トナースペントが起きにくくなる。
【0011】
一方、磁性体分散型キャリアはコアシェル型キャリアに比較して表面の微小凹凸が多いこと、また磁性体と樹脂との界面がフェライトキャリアに対して多いために、水分吸着性が高くなりやすい。特にモノマーが水性溶媒に溶けた状態から重合して得られる重合型キャリアの場合、重合するモノマーの水親和性が高く、生成過程で水と接触するため、粉砕式の磁性体キャリアや、疎水性溶媒中で重合される磁性体分散型キャリアと比較しても水分吸着量が多くなる傾向にある。
【0012】
このため静電荷像現像用のキャリアとして用いられる際、特に高温高湿環境下において水分吸着量が多く、それゆえ複写した画像が悪化する場合がある。具体的には極端な帯電性付与能の低下により、トナー飛散を引き起こしてしまいやすいといった課題がある。
【0013】
また、磁性体分散型キャリアは、低湿度から高湿度の吸着過程、また高湿度から低湿度の脱離過程において、ある相対蒸気圧における水分吸着量の差が大きくなるため、帯電制御の入らない安価な装置においては環境変動による影響を受けやすく、帯電性付与能が安定しないといった課題がある。
【0014】
さらに近年は、高速化、高画質化の要望から、感光体上に静電潜像を形成する過程において、小径レーザービーム等を用い、感光体へ露光を行う技術が発達して静電潜像が細密化してきている。
【0015】
これに伴い、静電潜像に対して忠実に現像を行い、より高画質出力を得るため、トナー粒子及びキャリア粒子ともに小粒径化が進んでいる。特に、トナーの粒径を小さくして画質を改善することがしばしば行われている。
【0016】
トナーの粒径を小さくすると、トナーの帯電量分布が広がりやすく、特に低湿環境下でのチャージアップと共にトナーへの帯電付与が不十分となって、非画像部へトナーが飛翔してしまう「カブリ」という現象が発生しやすくなる。
【0017】
以上のように、磁性キャリアに要求される特性は多様であるが、長期にわたって、トナーに適切な電荷量や電荷分布を安定して付与し続けることが求められ、キャリアが好適な電気的性質を有し、また、温湿度等の環境変動に対する耐性、トナーやキャリア、現像部材に対する耐衝撃性、耐摩擦性に優れ、長期使用においても、帯電性付与能が変化しないことが重要となる。
【0018】
【特許文献1】特開昭61−158339号公報
【特許文献2】特開平01−133067号公報
【特許文献3】特開平02−093546号公報
【特許文献4】特開昭59−31967号公報
【特許文献5】特開昭59−24416号公報
【特許文献6】特開昭58−136052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、上述のごとき問題点を解決した磁性キャリア及び二成分系現像剤を提供するものである。
【0020】
即ち、本発明の目的は、長期間使用する場合にも、カブリやトナー飛散を抑制させることである。さらに、環境変動の大きい場合にも、安定して帯電特性を維持することができる磁性キャリア及び二成分系現像剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、下記の本発明の構成にすることで、上記要求を満足できることを見いだし、本発明に至った。
(1)本願に係る第1の発明は、少なくとも磁性体粒子、バインダー樹脂とを含有する磁性キャリアにおいて、
該磁性体粒子は、相対蒸気圧50%における吸着水分量が、磁性体粒子総量に対して0.25質量%乃至0.80質量%であり、28℃において水の相対蒸気圧を増加させる吸着過程と、水の相対蒸気圧を低減させる脱着過程を経る吸脱着過程において、吸脱着の吸着水分量差の値が最大となる相対蒸気圧における吸着過程の吸着水分量と、脱離過程の吸着水分量との差が、磁性体粒子総量に対して0.1質量%以下であり、ゼータ電位がゼロになる等電点がpHで4.1乃至8.0であることを特徴とする磁性キャリア。
(2)本願に係る第2の発明は、該磁性体粒子の等電点がpHで4.5乃至7.0であることを特徴とする(1)に記載の磁性キャリア。
(3)本願に係る第3の発明は、該磁性体粒子が、チタン化合物を含有し、その含有量が、磁性体粒子総量に対して、TiO2換算で0.1乃至10.0質量%であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の磁性キャリア。
(4)本願に係る第4の発明は、該磁性体粒子の透過顕微鏡で撮影した該磁性体粒子100個の個数平均粒径が0.08μm乃至0.45μmであることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の磁性キャリア。
(5)本願に係る第5の発明は、該磁性体粒子を、空気中において160℃で1時間熱処理したときに、磁性体粒子中に10質量%以上のFe2+が含有されていることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の磁性キャリア。
(6)本願に係る第6の発明は、該磁性キャリアは重合法によって得られたものであることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の磁性キャリア。
(7)本願に係る第7の発明は、トナー粒子と外添剤を有するトナーと磁性キャリアとを少なくとも有する二成分系現像剤において、該磁性キャリアは、(1)乃至(6)のいずれかに記載の磁性キャリアであり、該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有し、重量平均粒径が3.0乃至8.0μmであり、円相当径2μm以上のトナーに含まれる粒子の平均円形度が0.930乃至0.975であることを特徴とする二成分現像剤。
【発明の効果】
【0022】
本発明の磁性キャリアによれば、長期間使用した場合にも、カブリやトナー飛散を抑制させることができる。さらに、環境変動の大きい場合にも、安定して帯電特性を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明者らは、鋭意検討の結果、磁性体表面の水分の吸脱着挙動及び等電点をそれぞれ上述の範囲になるように制御し、磁性体表面に優先的にチタン化合物を存在させることにより、本発明の目的とする効果を最大限に発揮しうることを見出した。
【0024】
具体的には、相対蒸気圧50%における吸着水分量が、磁性体粒子総量に対して0.25乃至0.80質量%であり、28℃において水の相対蒸気圧を増加させる吸着過程と、水の相対蒸気圧を低減させる脱着過程を経る吸脱着過程において、吸脱着の吸着水分量差の値が最大となる相対蒸気圧における吸着水分量と、脱離過程の吸着水分量との差が、磁性体粒子総量に対して0.1質量%以下であることが重要である。
【0025】
ここで、吸脱着の吸着水分量差の値が大きいほど、磁性体粒子表面が、吸着した水を脱着しにくい性状、もしくは構造を有することを意味する。すなわち、相対蒸気圧50%における吸着水分量が0.25質量%乃至0.80質量%であり、吸着過程において吸脱着の吸着水分量差の値が最大となる相対蒸気圧における吸着水分量と、同蒸気圧における脱離過程の吸着水分量の差が、0.1質量%以下であるということは、水分の吸脱着に履歴がなくなることで、磁性体表面に適度な水分を保持し、環境が変わった場合でも、樹脂キャリアの帯電付与能の環境順応性が優れている。そのため、環境変動下において、安定した帯電特性を保つことが可能となる。さらに、低湿環境下におけては、チャージアップ、カブリを抑えることができ、高湿環境下において、帯電の低下によるカブリやトナー飛散を抑えることが可能となる。
【0026】
相対蒸気圧50%における吸着水分量が0.25質量%未満の場合、適度な吸着水分量がないためチャージアップが生じやすく、画質劣化の原因となる。
【0027】
一方、相対蒸気圧50%における吸着水分量が0.80質量%を超える場合、長期使用により、帯電が下がってしまうため、トナー飛散が起こりやすくなる。また、相対蒸気圧50%における吸着水分量が0.80質量%を超えたり、相対蒸気圧50%における吸着水分量が0.25質量%乃至0.80質量%であっても、吸脱着の吸着水分量差の値が最大となる相対蒸気圧における吸着過程の吸着水分量と、同蒸気圧における脱離過程の吸着水分量の差が、0.1質量%を超えてしまうと、本発明の磁性体を含有する磁性キャリアは、帯電特性が安定しにくくなる。具体的には、低湿下から高湿下、または高湿下から低湿下での水分吸着履歴があると、低湿下から高湿下の環境変動では、急に帯電量が下がりトナー飛散が生じやすくなり、高湿下から低湿下の環境変動では、カブリが悪化する場合がある。
【0028】
相対蒸気圧50%における本発明の磁性体粒子の吸着水分量は、該磁性体粒子の平均粒径やチタン化合物の含有量によって調整することができる。また、吸着過程の磁性体粒子の吸着水分量と、脱離過程の磁性体粒子の脱離水分量との差は、チタン化合物の含有量やチタン化合物を含有させる際の懸濁水溶液のpHによって調整することが可能である。
【0029】
本発明における吸着水分量は、対象とする気体(本発明の場合は水)のみが存在する条件下で固−気平衡に到達させ、このときの固体質量と蒸気圧を測定する装置によって測定することができる。このような装置として、例えば吸着平衡測定装置(EAM−02;JTトーシ株式会社製)が挙げられる。後述する実施例では、この装置によって磁性体粒子の吸着水分量を測定する。
【0030】
実際の吸・脱着等温線の測定は、以下に示す乾物質量の測定、水中の溶存空気の脱気から、吸・脱着等温線の測定まで、全てコンピューターによって自動的に行われる。測定の概略は、JTトーシ株式会社発行の操作マニュアルに記載されているが、以下の通りである。
【0031】
まず、吸着管内の試料容器に磁性体粒子を約5g充てん後、恒温槽温度、試料部温度を28℃に設定する。その後、空気弁V1(主バルブ)、V2(排気バルブ)を開き真空排気部を作動させ、試料容器内を0.01mmHg程度に真空引きすることにより、試料の乾燥を行う。試料の質量変化がなくなった時点の質量を「乾物質量」とする。
【0032】
溶媒液(本発明においては水)中には空気が溶解しているため、脱気を行う必要がある。まず、溶媒液(以下、水)を液だめに入れ、真空排気部を作動させ、V3バルブを開き、V2〜V3間に空気を導入し、その後、V3バルブを閉じ、続いてV2バルブを開き、脱気したのち、V2バルブを閉じる。上記操作を数回繰り返し、水中に気泡が見られなくなった時点で脱気終了とする。
【0033】
乾物質量の測定、水中の溶存空気の脱気に続いて、試料容器内を真空下に保持したまま空気弁V1(主バルブ)、V2(排気バルブ)を閉じ、空気弁(V3バルブ)を開くことによって、液だめから水蒸気をV1〜V3間に導入し、V3(液だめバルブ)を閉める。
【0034】
ついで、V1(主バルブ)を開くことによって、水蒸気を試料容器内に導入し、その圧力を圧力センサーにより測定する。試料容器内の圧力が設定圧力に達しない場合は、上記操作を繰り返すことにより試料容器内の圧力を設定圧力にする。平衡に達すると、試料容器内の圧力と質量が一定になるので、そのときの圧力と温度、及び試料質量を平衡データとして測定する。
【0035】
以上のように操作して、水蒸気の圧力を変更することにより、吸・脱着等温線を測定することができる。実際の測定においては、あらかじめ、吸着量を測定する相対蒸気圧を設定する。設定圧として、たとえば、5%、30%、60%、80%、90%とした場合、本発明における「吸着過程」とは、5%から順に水分吸着量を測定し等温線を測定していく過程であり、「脱離過程」とは、吸着過程に引き続き行う、吸着過程とは逆に90%から相対蒸気圧を下げていきながら水分吸着量を測定していく過程を示す。上述のようなヒステリシスを示す磁性体においては、通常、吸着過程の吸着等温線よりもそれに続く脱離過程の吸着等温線が、吸着水分量が多い側へシフトしたようなループが得られる。
【0036】
本装置では、圧力の設定は相対蒸気圧(%)で行い、吸・脱着等温線は、吸着量(%)と相対蒸気圧(%)で表示される。吸着量と相対蒸気圧の計算式を以下に示す。
M=(Wk−Wc)/Wc×100
Pk=Q/Q0×100
【0037】
ここで、Mは吸着量(%)、Pkは相対蒸気圧(%)、Wk(mg)は試料質量、Wc(mg)は試料の乾物質量、Q0(mmHg)は、吸・脱着平衡時の温度Tk(℃)からAntoineの式により求められる水の飽和蒸気圧、Q(mmHg)は平衡データとして測定した圧力、をそれぞれ示す。
【0038】
さらに、本発明においては、該磁性体の等電点がpHで4.1乃至8.0の範囲に調整することが重要であり、pHで4.5乃至7.0の範囲であることがより好ましい。なお、本発明における等電点とは、磁性体粒子を水中に分散させたときに測定させるゼータ電位がゼロになるときの水素イオン濃度である。
【0039】
等電点が4.1未満の場合、磁性体粒子表面の吸着水分の吸脱着挙動を本発明の目的を達成するうえで好ましいものに制御することが困難になる場合がある。
【0040】
等電点が8.0より大きいと、やはり吸着水分の吸脱着挙動を本発明の目的を達成するうえで好ましいものに制御することが困難であるだけでなく、流動性が低下するために、キャリア中での磁性体の分散性が悪化する場合がある。そのため磁性体の凝集により異形粒子が生成しやすくなり、ドラムへのキャリア付着が起こりやすい。
【0041】
磁性体粒子の等電点は、以下の方法により測定する。
【0042】
まず、磁性体粒子を25℃のイオン交換水に溶解あるいは分散させ、試料濃度が1.8体積%になるように調製する。超音波方式ゼータ電位測定装置DT−1200(Dispersion Technology社製)を使用して、1N HClで滴定し、ゼータ電位を測定する。ゼータ電位が0mVのpHを等電点とする。
【0043】
さらに、本発明の磁性キャリアに用いられる磁性体は、チタン化合物を含有し、その含有量が、磁性体粒子総量に対して、TiO2換算で0.1乃至10.0質量%であることが重要であり、0.5乃至9.0質量%であることがより好ましい。
【0044】
チタン化合物の含有量がTiO2換算で0.1質量%未満である場合、水分の吸脱着挙動及び等電点を上述の範囲に制御することができず、磁性キャリア化した際に、高温高湿下、低温低湿下の帯電量差が大きくなり、制御するのが困難になりやすい。また、チタン化合物の含有量が、TiO2換算で10質量%より大きい場合には、水分の吸脱着挙動の制御が困難になるだけでなく、磁性キャリアにコート樹脂を被覆させた場合には、耐久によりキャリア被覆剤が剥がれやすくなる場合がある。
【0045】
本発明における磁性体粒子のチタン化合物の含有量は、蛍光X線分析装置SYSTEM3080(理学電機工業社製)を使用し、JIS K0119「蛍光X線分析通則」に従って、蛍光X線分析を行うことにより測定する。
【0046】
また、本発明の磁性キャリアで使用する磁性体粒子は、個数平均粒子径が0.08乃至0.45μmであることが分散性及び磁気特性等の点で好ましい。個数平均粒子径が0.08μm未満となる場合、磁性トナー中における磁性体粒子の再凝集等による分散不良を引き起こす場合があり好ましくない。平均粒子径が0.45μmを超える場合、磁性キャリア中の分散悪化の原因となる場合があり好ましくない。
【0047】
ここで、磁性体粒子の個数平均粒子径は、透過電子顕微鏡写真(倍率30000倍)より写真上の粒子を無造作に100個選び、その粒子の長径を計測し、その平均値をもって、個数平均粒子径とすることで求めることができる。また、磁性体粒子の個数平均粒径は、例えば、初期アルカリ濃度或いは酸化反応による粒子生成過程の制御によって調整することができる。
【0048】
本発明における磁性体は、磁気特性としては磁場795.8kA/m下で飽和磁化が40〜100Am2/kg、より好ましくは50〜80Am2/kg、残留磁化が0〜20Am2/kg、より好ましくは0〜10Am2/kg、保持力が0〜30kA/m、より好ましくは0〜15kA/mであるものが好ましく用いられる。このような磁気特性を有することで、磁性キャリアが画像濃度とカブリのバランスのとれた良好な現像性を得る観点から好ましい。
【0049】
磁性キャリア及び、磁性体の磁気特性は、例えば「振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30」(理研電子(株)社製)を用いて、外部磁場795.8kA/mの下で測定することができる。また、磁性体粒子の磁気特性は、例えば磁性体粒子の種類や平均粒径、磁性体粒子に配合される非磁性体材料の種類及び配合量によって調整することができる。
【0050】
本発明における磁性体としては、異種元素を含有するマグネタイト、フェライト等の磁性酸化鉄およびその混合物がいずれも使用可能であるが、好ましくはFeO含有量の高いマグネタイトを主成分とするものである。マグネタイト粒子は、一般的に第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して得られた水酸化第一鉄スラリーを酸化することにより得られる。
【0051】
該磁性体粒子は、磁性体粒子を含む母体磁性体粒子と、母体磁性体粒子の表面に付着する化合物とから構成することができる。本発明における磁性体粒子の母体となる母体磁性体粒子は、さらにSi元素を含有していることがより好ましい。Si元素は、母体磁性体粒子の内表面両方に存在することが好ましく、母体磁性体粒子製造過程において、Si元素を段階的に添加することにより、表面に優先的に存在させることがより好ましい。
【0052】
母体磁性体粒子表面がSi元素を含有することにより、表面に多数の細孔が生成しやすくなるため、さらにその外殻にチタン化合物を被覆処理する際に、母体磁性体粒子表面とチタン化合物との固着力をより一層向上させることができる。
【0053】
Si元素の含有量は、Fe元素に対して、好ましくは0.1乃至1.5質量%、より好ましくは、0.2乃至1.0質量%である。0.1質量%未満の場合、チタン化合物との固着力が不十分となることがあり、1.5質量%より多い場合には、チタン化合物の表面の平滑性が失われやすい。
【0054】
本発明で用いられる磁性体粒子は、一般的なマグネタイト粒子の製造方法を用いて母体磁性体粒子を得たのち、本発明の目的を達成しうる吸着水分量、等電点に調整すべく、好ましくはチタン化合物を含有させることによって得られる。
【0055】
チタン化合物を含有させる前段階の母体磁性体粒子は、公知の磁性体粒子製造方法を用いても、特に問題は無いが、本発明において好ましい、Siを表面に優先的に有する母体磁性体粒子は、例えば、下記方法で製造される。
【0056】
第一鉄塩水溶液と、該第一鉄水溶液中のFe2+に対し0.90〜0.99当量の水酸化アルカリ水溶液とを反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に、酸素含有ガスを通気することによりマグネタイト粒子を生成させるにあたり、前記水酸化アルカリ水溶液または前記水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩のいずれかにあらかじめ水可溶性ケイ酸塩を鉄元素に対してSi元素換算で、全含有量(0.1〜1.5質量%)の50〜99%を添加し、85〜100℃の温度範囲で加熱しながら、酸素含有ガスを通気して酸化反応することにより、前記水酸化第一鉄コロイドからSi元素を含有する磁性酸化鉄粒子を生成させる。その後、酸化反応終了後の懸濁液中に残存するFe2+に対して1.00当量以上の水酸化アルカリ水溶液及び残りの水可溶性ケイ酸塩〔全含有量(0.1〜1.5質量%)の1〜50%〕を添加して、さらに85〜100℃の温度範囲で加熱しながら、酸化反応してSi元素を含有した磁性体粒子を生成させる。
【0057】
次いで公知の方法により、濾過、水洗、乾燥、解砕することにより、本発明に係る母体磁性体粒子を得る。さらに、平滑度、比表面積を好ましい範囲に調整する方法として、例えばミックスマーラー等を用いて圧縮、せん断することが好ましい。
【0058】
本発明に使用する母体磁性体粒子に添加するケイ酸化合物は、市販のケイ酸ソーダ等のケイ酸塩類、加水分解等で生じるゾル状ケイ酸等のケイ酸が例示される。
【0059】
第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン製造で副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生する硫酸鉄の利用が可能である。さらに塩化鉄等の使用も可能である。
【0060】
一方、本発明に使用する母体磁性体粒子は、Al、P、S、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mgの総含有量が少ない事が好ましい。上記成分は磁性体粒子製造時に原料由来の不可避成分として含有される場合が多い。本発明用の母体磁性体粒子においては、上記成分の総含有量は低い方がより磁気特性の維持しやすく、1質量%以下であることが好ましい。
【0061】
本発明の磁性体に対してチタニアは、酸化鉄結晶格子の中に取り込まれても良いし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれても良いが、本発明の目的を達成する上でより好ましい形態は、表面に酸化物あるいは水酸化物として存在していることである。
【0062】
特に、以下に示す方法により、TiO2として母体磁性体粒子を平滑に被覆することにより、本発明の目的とする効果を最大限に発揮することができる。
【0063】
50乃至200g/lの濃度でマグネタイト粒子を含む懸濁水溶液を60乃至80℃に保持する。水酸化ナトリウム水溶液あるいは希硫酸を加えて懸濁水溶液のpHを4乃至6とする。この懸濁水溶液を撹拌しながら、これに約1時間をかけて、TiO2として50乃至150g/lの濃度の硫酸チタン水溶液をTiO2/Fe34として0.1乃至10.0質量%相当分添加する。この際に、懸濁水溶液のpHを4乃至6に保つように水酸化ナトリウム水溶液を同時に添加する。ついで水酸化ナトリウム水溶液を添加して、懸濁水溶液のpHを中性とする。これを洗浄、ろ別、乾燥、解砕して、チタニア被覆処理マグネタイトを得る。
【0064】
また、磁性体粒子が、熱処理前においては、17質量%以上のFe2+の含有量を有し、該熱処理したときのFe2+の含有量が10質量%以上であることが好ましい。ここで、熱処理とは、空気中において160℃で1時間熱処理することである。
【0065】
磁性体粒子が、熱処理前に17質量%以上のFe2+の含有量を有することにより、十分な磁気特性を有する観点からより一層効果的であり、かつ、熱処理後のFe2+の含有量が10質量%以上であることにより、耐熱性に優れる。
【0066】
熱処理後のFe2+の含有量が10質量%未満の場合、磁気特性が低下するため、キャリア付着が発生しやすくなる。
【0067】
Fe2+の含有量は、例えば試料を硫酸にて溶解し、過マンガン酸カリウム標準溶液を使用して酸化還元滴定にて測定することができる。また、Fe2+の含有量は、例えば磁性体粒子の種類や磁性体粒子に配合される非磁性材料の種類及び配合量、磁性体粒子を被覆する材料の種類及び被覆量や被覆状態の制御によって調整することができる。
【0068】
更に本発明においてその目的を達成するに好ましい磁性キャリアの構成を以下に詳述する。
【0069】
本発明の磁性キャリアは、磁性体を含有して用いる。前記樹脂キャリアに用いる磁性体の量としては、前記磁性キャリアに対して60乃至95質量%(より好ましくは、70乃至92質量%)含有することが好ましい。95質量%を超えると、結着樹脂が不足するため磁性キャリアの機械的強度が弱くなる。また、60質量%未満の場合は、磁性キャリアの粒径によっては磁気力が小さくなるため、キャリア付着が発生してしまうことがある。
【0070】
本発明の磁性キャリアに用いるコアは、本発明の磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散型樹脂キャリア、いわゆる樹脂キャリアを使用できる。
【0071】
該バインダー樹脂としては、ポリマー鎖中にメチレンユニットを有するビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂及びポリエーテル樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、混合して使用しても良い。
【0072】
該ビニル樹脂を形成するためのビニル系モノマーとしては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン及び不飽和モノオレフィン;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ジオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等の如きハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン等が挙げられる。これらの中から一種又は二種以上使用して重合させたものが、前記ビニル樹脂として用いられる。
【0073】
また、フェノール樹脂を生成するためのフェノール類としては、フェノール自体の他、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類及びベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類の如きフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。中でもフェノール(ヒドロキシベンゼン)が、より好ましい。
【0074】
磁性体分散型樹脂コア粒子を製造する方法としては、バインダー樹脂のモノマーと磁性体を混合し、前記モノマーを重合して磁性体分散型コア粒子を得る方法がある。このとき、重合に用いられるモノマーとしては、前述したビニル系モノマーの他に、エポキシ樹脂を形成するためのビスフェノール類とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂を形成するためのフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂を形成するための尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類が用いられる。例えば、硬化系フェノール樹脂を用いた磁性体分散型コア粒子の製造方法としては、水性媒体に磁性体を入れ、この水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で重合して磁性体分散型コア粒子を得る方法がある。
【0075】
磁性体分散樹脂コア粒子を製造する他の方法としては、ビニル系又は非ビニル系の熱可塑性樹脂、磁性体、その他の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き混練機を用いて溶融・混練して、これを冷却後、粉砕・分級を行って磁性体分散型コア粒子を得る方法がある。この際、得られた磁性体分散型コア粒子を熱あるいは機械的に球形化して前記樹脂キャリア用の磁性体分散型コア粒子として用いることが好ましい。本発明において、特にすぐれるコアの製法に用いられるバインダー樹脂としては、前述したなかでも、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂の如き熱硬化性樹脂が、耐久性、耐衝撃性、耐熱性に優れる点で好ましい。バインダー樹脂は、本発明の特性をより好適に発現せしめるためには、フェノール樹脂がより好ましい。
【0076】
フェノール樹脂を生成するためのフェノール類としては、フェノール自体の他、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類及びベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類の如きフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。中でもフェノール(ヒドロキシベンゼン)が、より好ましい。
【0077】
アルデヒド類としては、ホルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド及びフルフラール等が挙げられる。中でもホルムアルデヒドが特に好ましい。
【0078】
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は、1.0乃至4.0が好ましく、特に好ましくは1.2乃至3.0である。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1.0より小さいと、粒子が生成し難かったり、生成したとしても樹脂の硬化が進行し難いために、生成する粒子の強度が弱くなる傾向がある。一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が4よりも大きいと、反応後に水系媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。
【0079】
フェノール類とアルデヒド類とを縮重合させる際に使用する塩基性触媒としては、通常のレゾール型樹脂の製造に使用されているものが挙げられる。このような塩基性触媒としては、例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアルキルアミンが挙げられる。これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は、0.02乃至0.3が好ましい。
【0080】
本発明の磁性キャリアは、キャリアと共に用いるトナーの帯電量に合わせて、更に、その表面が適当なコート樹脂で被覆されているものであることが好ましい。
【0081】
この際に使用するコート樹脂としては、絶縁性樹脂であることが好ましい。この場合に使用し得る絶縁性樹脂としては、熱可塑性の樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。具体的には、例えば、熱可塑性の樹脂としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートやスチレン−アクリル酸共重合体等のアクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートと言った芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等を挙げることができる。
【0082】
また、熱硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、或いは、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
【0083】
上述した樹脂は、単独でも使用できるが、夫々を混合して使用してもよい。また、熱可塑性樹脂に硬化剤等を混合し硬化させて使用することもできる。
【0084】
特に好ましい形態は、シリコーン系の硬化樹脂であることである。帯電量をコントロールするために、アミノ基を含有するシラン化合物等を混合して用いるとより好ましい。
【0085】
(現像剤)
本発明の二成分系現像剤に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有したものであり、結着樹脂として、通常の熱可塑性の樹脂を用いることができるが、ポリエステルユニットを有する樹脂が好ましく用いられる。また、重量平均粒径が3.0乃至8.0μmであり、円相当径2μm以上のトナーに含まれる粒子の平均円形度が0.930乃至0.975であることが転写性と現像性を両立させる上で好ましい。トナーの平均円形度が0.930より低い場合には、トナーと磁性キャリアの接触が不均一になり、帯電量の分布がブロードになり、トナー飛散やカブリが生じやすい。トナーの平均円形度が0.975を超えると、転写効率はかなり良くなる反面、耐久が進むとトナーが徐々に劣化し、転写性も劣るようになるとクリーニング不良を起こしやすくなることがある。トナーの平均円形度は、トナー粒子の製造方法や、トナー粒子に機械的な力や熱をかけることによる公知の球形化処理方法によって調整することが可能である。
【0086】
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、下記式を用いて算出する。
【0087】
【数1】


【0088】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは前記トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の周囲長を用いる。
【0089】
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0090】
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をm、頻度をfciとすると、次式から算出される。
【0091】
【数2】


【0092】
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4乃至1.0を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度の算出を行う。
【0093】
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、前記分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26乃至27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
【0094】
トナー粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000乃至1万個/μlとなる様に前記分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナー粒子の平均円形度を求める。
【0095】
さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)によりトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な補足を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状を測定する必要がある場合には、より正確に形状に関する情報が得られるFPIA2100の方が有用である。
【0096】
前記トナーの重量平均粒径が、3.0乃至8.0μmであり、5.0μm乃至7.0μmであることが、ハンドリング性を良好にしつつ、ドットの再現性十分に満足する上でより好ましい。トナーの重量平均粒径が3.0μmより小さいと、トナーの比表面積が大きくなることから、帯電量をコントロールすることが難しくなり、現像性を低下させる場合がある。トナーの重量平均粒径が8.0μmを超えると、ドットの再現性に劣り、高画質化に課題を残す。トナーの重量平均粒径は、製造時におけるトナー粒子の分級や、分級品の混合等によって調整することが可能である。
【0097】
トナーの粒度分布測定装置としては、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、約1%NaCl水溶液を用いる。電解液には、1級塩化ナトリウムを用いて調製された電解液や、例えば、ISOTON(登録商標)−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
【0098】
測定方法としては、前記電解水溶液100乃至150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン塩酸)を、0.1乃至5mlを加え、さらに測定試料を2乃至20mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で3分間分散処理し、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記測定装置により、試料の体積及び個数を各チャンネルごとに測定して、試料の体積分布と個数分布とを算出する。得られたこれらの分布から、試料の重量平均粒径を求める。チャンネルとしては、2.00乃至2.52μm;2.52乃至3.17μm;3.17乃至4.00μm;4.00乃至5.04μm;5.04乃至6.35μm;6.35乃至8.00μm;8.00乃至10.08μm;10.08乃至12.70μm;12.70乃至16.00μm;16.00乃至20.20μm;20.20乃至25.40μm;25.40乃至32.00μm;32乃至40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0099】
本発明の二成分現像剤に用いられるトナーに好ましく用いられる結着樹脂は、(a)ポリエステル樹脂、又は(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、又は(c)ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、又は(d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、及びもしくは(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、及び(f)ポリエステルユニットとハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物のいずれかから選択される樹脂である。
【0100】
なお、本発明において「ポリエステルユニット」とはポリエステルに由来する部分を示し、「ビニル系重合体ユニット」とはビニル系重合体に由来する部分を示す。ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーとしては、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分であり、ビニル系重合体ユニットとは、ビニル基を有するモノマー成分であり、モノマー中に多価カルボン酸成分とビニル基を有するモノマー、または多価アルコール成分とビニル基を有するモノマーについては「ポリエステルユニット」成分として定義する。
【0101】
本発明の二成分現像剤に用いられるトナーに用いられる結着樹脂は、樹脂成分のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布が、メインピークを分子量3500乃至30000の領域に有しており、好ましくは、分子量5000乃至20000の領域に有しており、Mw/Mnが5.0以上であることが好ましい。
【0102】
メインピークが3500未満である場合には、トナーの耐高温オフセット性が不十分となる。一方、メインピークが、分子量30000を超えると十分な低温定着性が得られなくなり、高速機での適用が難しくなる。また、Mw/Mnが5.0未満である場合には、シャープメルトとなり、高いグロスは得られやすくなるが、耐高温オフセット性が得られなくなる。
【0103】
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定する。
【0104】
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05乃至0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50乃至200μl注入して測定する。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、103乃至2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組み合わせるのが良く、例えば、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせや、昭和電工社製のshodex KA−801、802、803、804、805、806、807の組み合わせが好ましい。
【0105】
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業東ソー(株)社製の、分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
【0106】
トナー用樹脂は、THFに濃度10質量%となるようにトナー用樹脂を入れ、一昼夜浸潤させた後、撹拌・静置して、上澄み液を目開き0.2μmのメンブランフィルタで濾過し測定に供する。
【0107】
結着樹脂としてポリエステル系の樹脂を用いる場合は、アルコールとカルボン酸、もしくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0108】
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0109】
酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6乃至12のアルキル基で置換された琥珀酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
【0110】
それらの中でも、特に、下記一般式(1)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、カラートナーとして、良好な帯電特性を有するので好ましい。
【0111】
【化1】


〔式(1)中、Rはエチレン、プロピレン基であり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2乃至10である。〕
【0112】
また、非線形状ポリエステル樹脂を形成するための三価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸および、これらの無水物やエステル化合物が挙げられる。三価以上の多価カルボン酸成分の使用量は、全モノマー基準で0.1乃至1.9mol%が好ましい。
【0113】
さらに結着樹脂として、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂を用いる場合、さらに良好な離型剤分散性と、低温定着性、耐オフセット性の向上が期待できる。本発明に用いられる「ハイブリッド樹脂成分」とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)を形成するものである。
【0114】
ビニル系重合体を生成するためのビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0115】
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0116】
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
【0117】
本発明の二成分現像剤に用いられるトナーにおいて、結着樹脂のビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
【0118】
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0119】
本発明ではビニル系重合体成分及び/又はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
【0120】
ビニル系重合体とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系重合体及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
【0121】
本発明のビニル系重合体を製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
【0122】
本発明の二成分現像剤に用いられるトナーに用いられるハイブリッド樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の<1>乃至<6>に示す製造方法を挙げることができる。
【0123】
<1>ビニル系重合体、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去して製造される。尚、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行なって合成されるエステル化合物を用いることができる。
【0124】
<2>ビニル系重合体ユニット製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0125】
<3>ポリエステルユニット製造後に、これの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/またはビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。
【0126】
<4>ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハイブリッド樹脂成分を製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0127】
<5>ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイブリッド樹脂成分は上記<2>乃至<4>の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0128】
<6>ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0129】
上記<1>乃至<5>の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステルユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
【0130】
尚、本発明の二成分現像剤に用いられるトナーに含有される結着樹脂は、上記ポリエステル樹脂と上記ハイブリッド樹脂との混合物を使用しても良い。
【0131】
本発明の二成分現像剤に用いられるトナーに含有される結着樹脂は、上記ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物を使用しても良い。
【0132】
本発明の二成分現像剤に用いられるトナーに含有される結着樹脂は、上記ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物を使用しても良い。
【0133】
本発明の二成分現像剤に用いられるトナーは、公知の荷電制御剤と組み合わせて使用することもできる。このような荷電制御剤としては、例えば、有機金属錯体、金属塩、キレート化合物で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体等が挙げられる。その他には、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類等のカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体等も挙げられる。また、荷電制御剤としては、ビスフェノール類、カリックスアレーン等のフェノール誘導体等も用いられる。本発明では、芳香族カルボン酸の金属化合物を用いることが、帯電の立ち上がりを良好にする上で好ましい。
【0134】
本発明においては、荷電制御剤は、結着樹脂100質量部に対する含有量が0.1乃至10質量部であることが好ましく、0.2乃至5質量部であることがより好ましい。0.1質量部より少ないと高温高湿から低温低湿までの環境でのトナーの帯電量の変化が大きくなる場合がある。10質量部より多いとトナーの低温定着性に劣る場合がある。
【0135】
本発明の二成分現像剤に用いられるトナーの着色剤としては、公知の顔料及び染料を単独で、又は併せて用いることができる。例えば染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等が挙げられる。
【0136】
顔料としては、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
【0137】
また、フルカラー画像形成用トナーとして使用する場合には、マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
【0138】
係る顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1の如き油溶染料;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料が挙げられる。
【0139】
シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、16、17;C.I.アシッドブルー6;C.I.アシッドブルー45又はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0140】
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、83、93、97、155、180、185、C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。
【0141】
黒色の顔料として、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが用いられ、また、マグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0142】
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して1乃至15質量部であることが好ましく、3乃至12質量部であることがより好ましく、4乃至10質量部であることがさらに好ましい。着色剤の含有量が15質量部より多い場合には、透明性が低下し、加えて人間の肌色に代表されるような中間色の再現性も低下し易くなり、さらにはトナーの帯電性の安定性が低下し、また低温定着性も得られにくくなる。着色剤の含有量が1質量部より少ない場合には、着色力が低くなり、濃度を出すためにトナーを多く使用しなければならなくなり、低温定着性に劣る場合がある。
【0143】
本発明に用いられる離型剤は、トナーの示差熱分析測定における吸熱曲線において、吸熱ピーク中の最大吸熱ピークの温度が60℃乃至110℃であるトナーが、色再現性に優れ、低温定着性を可能にすることから好ましく用いることができる。最大吸熱ピークの温度が60℃未満では、高速現像を行う場合にトナーが現像スリーブ、キャリアにスペントしやすくなる場合が生じる場合がある。110℃を超えると低温定着ができなくなり、高速現像に適応できなくなる場合がある。
【0144】
具体的に離型剤としては、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。さらにベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等が挙げられる。特に好ましく用いられるワックスとしては、分子鎖が短く、かつ立体障害が少なくモビリティに優れるパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスである。
【0145】
本発明に用いられる離型剤は、結着樹脂100質量部に対する含有量が1乃至10質量部であることが好ましく、2乃至8質量部であることがより好ましい。前記含有量が1質量部より少ないと、オイルレス定着時にうまく離型性を発揮できなかったり、低温定着性を満足できなかったりすることがある。10質量部を超えると、トナー表面へ離型剤が滲み出しやすくなり、現像性が悪化したり、耐スペント性が悪化する場合がある。
【0146】
本発明の二成分系現像剤に用いられるトナーは、流動性や現像性を制御するために公知の外添剤を添加することができる。外添剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム等の各種無機酸化微粒子、必要に応じて疎水化処理した微粒子、ビニル系重合体、ステアリン酸亜鉛、樹脂微粒子等が使用できる。外添剤の添加量は、トナー粒子に対して0.02乃至5質量%の範囲が好ましい。
【0147】
さらには、帯電特性、流動性及び転写性向上を目的として酸化チタンの添加が好ましく、さらに好ましくは、シリカと酸化チタンを併用することが好ましい。
【0148】
酸化チタンを用いる理由としては、トナーの帯電特性を損ねることなく、流動性付与が十分に行われるためである。シリカのみを添加した場合、ネガ性が強いことから表面チャージアップを生じやすい。一方、その他の金属酸化物の場合、耐久時に帯電を低下させる。
【0149】
また、本発明に用いられる外添剤の一次粒径は、10乃至200nmであることが、流動性付与と耐久時におけるキャリアへの付着による帯電能劣化防止を両立させるために好ましい。
【0150】
本発明において無機微粒子の平均一次粒径の測定は、走査型電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所 S−4700)により10万倍に拡大したトナー粒子表面の写真を撮影し、その拡大写真を必要に応じてさらに拡大を行い、それぞれの粒子について50個以上の粒子について定規、ノギス等を用い、その個数平均粒径一次粒径を測定する。
【0151】
本発明の二成分現像剤における該トナーの含有量としては、通常、前記静電荷像現像剤100質量部に対して2乃至15質量部である。
【実施例】
【0152】
以下実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0153】
(磁性体粒子の製造例1)
硫酸第一鉄溶液中に、Fe2+に対して、0.95当量の水酸化ナトリウム水溶液を混合した後、Fe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液の生成を行った。
【0154】
その後、ケイ酸ソーダをFe元素に対してSi元素換算で、0.3質量%となるように添加した。次いで、Fe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃において空気を通気してpH6乃至7の条件下で酸化反応をすることにより、Si元素を含有する母体磁性体粒子を生成した。
【0155】
さらに、この懸濁液に(Fe元素に対してSi元素換算)0.1質量%のケイ酸ソーダを溶解した水酸化ナトリウム水溶液を残存Fe2+に対して、1.05当量添加して、さらに温度90℃で加熱しながら、pH8乃至10.5の条件下で酸化反応してSi元素を含有した母体磁性体粒子を生成させた。生成した磁性体粒子を常法により洗浄、ろ過、乾燥し、母体磁性体粒子Aを得た。
【0156】
次いで、母体磁性体粒子Aを水中に分散させ、100g/lの濃度とした懸濁水溶液を60乃至80℃に保持した。水酸化ナトリウム水溶液あるいは希硫酸を加えて懸濁水溶液のpHを4乃至6に調整した。この懸濁水溶液を撹拌しながら、これに約1時間をかけて、TiO2として80g/lの濃度の硫酸チタン水溶液を、TiO2/Fe34として1.0質量%相当分添加した。この際に、懸濁水溶液のpHを4乃至6に保つように水酸化ナトリウム水溶液を同時に添加した。ついで水酸化ナトリウム水溶液を添加して、懸濁水溶液のpHを中性とした。これを、常法により洗浄、ろ過、乾燥、解砕処理して、TiO2被覆処理磁性体粒子1を得た。磁性体粒子1の平均粒子径は0.25μmであった。磁性体粒子の物性を表1に示す。
【0157】
(磁性体粒子の製造例2)
磁性体粒子の製造例1において、硫酸チタン水溶液を、TiO2/Fe34として5.3質量%相当分添加した以外は、製造例1と同様にして、TiO2被覆処理磁性体粒子2を得た。磁性体粒子2の平均粒子径は0.25μmであった。磁性体粒子2の物性を表1に示す。
【0158】
(磁性体粒子の製造例3)
磁性体粒子の製造例1において、TiO2被覆処理前の母体磁性体粒子製造過程におけるpHを調整し、硫酸チタン水溶液を、TiO2/Fe34として9.0質量%相当分添加した以外は、製造例1と同様にして、TiO2被覆処理磁性体粒子3を得た。磁性体粒子3の平均粒子径は0.18μmであった。磁性体粒子3の物性を表1に示す。
【0159】
(磁性体粒子の製造例4)
磁性体粒子の製造例1において、TiO2被覆処理前の母体磁性体粒子製造過程におけるpHを調整し、硫酸チタン水溶液を、TiO2/Fe34として0.5質量%相当分添加した以外は製造例1と同様にしてTiO2被覆処理磁性体粒子4を得た。磁性体粒子4の平均粒子径は0.41μmであった。磁性体粒子4の物性を表1に示す。
【0160】
(磁性体粒子の製造例5〜7)
磁性体粒子の製造例1において、TiO2被覆処理前の母体磁性体粒子の平均粒子径を調整し、硫酸チタン水溶液の添加量を変更した以外は同様にして、TiO2被覆処理磁性体粒子5〜7を得た。磁性体粒子5〜7の物性を表1に示す。
【0161】
(磁性体粒子の製造例8〜9)
磁性体粒子の製造例1において、TiO2被覆処理前の母体磁性体粒子の平均粒子径を調整し、硫酸チタン水溶液の添加量を変更した以外は同様にして、TiO2被覆処理磁性体粒子8〜9を得た。磁性体粒子8〜9の物性を表1に示す。
【0162】
(磁性体粒子の製造例10)
磁性体粒子の製造例4において、硫酸チタン水溶液を、TiO2/Fe34として9.8質量%相当分添加した以外は製造例4と同様にしてTiO2被覆処理磁性体粒子10を得た。磁性体粒子10の物性を表1に示す。
【0163】
(磁性体粒子の製造例11)
磁性体粒子の製造例1において、母体磁性体粒子を製造する過程において、TiO2/Fe34を添加しないこと以外は製造例1と同様にして、比較用磁性体粒子11を得た。磁性体粒子11の物性を表1に示す。
【0164】
なお表1において、「A」は「相対蒸気圧50%における吸着水分量」を表し、「ΔA」は「吸着過程の任意の相対蒸気圧における吸着水分量と、同蒸気圧における脱離過程の吸着水分量との差」を表し、「B」は「磁性体粒子中のチタン化合物を磁性体粒子の総量に対してTiO2で換算した値」を表す。
【0165】
【表1】


【0166】
(磁性キャリアの製造例1)
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液 5質量部
・被覆処理磁性体粒子1 85質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合をしながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。
【0167】
その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗いした後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、50〜60℃の温度で乾燥して、球状の粒子を得た。
【0168】
上記で得られた粒子の表面に、以下の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂をコートした。その際、キャリアコア表面粒子のシリコーンコート樹脂量が1.0質量%になるように、トルエンを溶媒として10質量%のキャリアコート溶液を作製した。このコート溶液をせん断応力を連続して加えながら溶媒を70℃で揮発させて、キャリアコア表面へのコートを行った。このコート磁性粒子を180℃で3時間撹拌しながら熱処理し、冷却後、解砕した後、200メッシュの篩で分級して、磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリア1の個数平均径は30.8μmであった。
【0169】
(磁性キャリアの製造例2)
被覆処理磁性体粒子2に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア2を得た。得られた磁性キャリア2の個数平均径は32.5μmであった。
【0170】
(磁性キャリアの製造例3)
被覆処理磁性体粒子3に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア3を得た。得られた磁性キャリア3の個数平均径は35.9μmであった。
【0171】
(磁性キャリアの製造例4)
・スチレン樹脂 23質量部
・被覆処理磁性体粒子4 77質量部
上記材料を溶融混練して、粉砕し、風力分級を行って、磁性粒子を得た。
【0172】
上記で得られた粒子の表面に、以下の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂をコートした。その際、キャリアコア表面粒子のシリコーンコート樹脂量が1.0質量%になるように、トルエンを溶媒として10質量%のキャリアコート溶液を作製した。このコート溶液をせん断応力を連続して加えながら溶媒を70℃で揮発させて、キャリアコア表面へのコートを行った。このコート磁性粒子を180℃で3時間撹拌しながら熱処理し、冷却後、解砕した後、200メッシュの篩で分級して、磁性キャリア4を得た。得られた磁性キャリア4の個数平均径は28.4μmであった。
【0173】
(磁性キャリアの製造例5)
被覆処理磁性体粒子5に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア5を得た。得られた磁性キャリア5の個数平均径は31.7μmであった。
【0174】
(磁性キャリアの製造例6)
被覆処理磁性体粒子6に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア6を得た。得られた磁性キャリア6の個数平均径は34.1μmであった。
【0175】
(磁性キャリアの製造例7)
被覆処理磁性体粒子7に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア7を得た。得られた磁性キャリア7の個数平均径は37.7μmであった。
【0176】
(磁性キャリアの製造例8)
被覆処理磁性体粒子8に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア8を得た。得られた磁性キャリア8の個数平均径は29.5μmであった。
【0177】
(磁性キャリアの製造例9)
被覆処理磁性体粒子9に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア9を得た。得られた磁性キャリア9の個数平均径は31.7μmであった。
【0178】
(磁性キャリアの製造例10)
被覆処理磁性体粒子10に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア10を得た。得られた磁性キャリア10の個数平均径は36.6μmであった。
【0179】
(磁性キャリアの製造例11)
被覆処理磁性体粒子11に変更した以外は製造例1と同様にして、磁性キャリア11を得た。得られた磁性キャリア11の個数平均径は32.3μmであった。
【0180】
(トナー製造例1)
ビニル系重合体として、スチレン1.9mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.15mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れた。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフタル酸3.0mol、無水トリメリット酸2.0mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂の単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応させてハイブリッド樹脂を得た。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量測定の結果、重量平均分子量Mwが、32000であり、数平均分子量Mnは2800であった。
【0181】
・ハイブリッド樹脂 100質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
・ノルマルパラフィンワックス(最大級熱ピーク:78℃) 5質量部
・ジ−ターシャリブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤) 2質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合し、二軸押出し混練機で任意のバレル温度にて溶融混練した。冷却後ハンマーミルを用いて約1乃至2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。さらにコアンダ効果を利用した多分割分級機により分級を行い、さらにハイブリタイザー(奈良機械製作所)により表面改質を行い、粒度分布における重量平均粒径5.9μmの着色粒子としてシアン系樹脂粒子(分級品)を得た。
【0182】
得られたシアン粒子100質量部に、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した一次平均粒子径50nmの酸化チタン微粒子を1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合して、2μm以上の粒子における平均円形度0.940のトナー1を得た。
【0183】
(トナー製造例2、3)
トナー製造例1において、微粉砕物をハイブリタイザー(奈良機械製作所)による表面改質処理を行う装置において、処理サイクル時間を延長し、トナー製造例1よりも、より球形化されやすい条件で製造した以外は、上記トナー製造例1と同様にしてトナー2、トナー3を作製した。トナー2の重量平均粒径は6.6μm、2μmより大きい粒子による平均円形度は、0.965であり、トナー3の重量平均粒径は5.4μm、2μmより大きい粒子による平均円形度は、0.976である。実施例1よりも、さらに球形化されていることを確認した。
【0184】
(トナー製造例4)
トナー製造例1において、微粉砕物を分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を同時に行う装置にて分級および球形化を行わず、得られた微粉砕物を多分割分級機を用いて分級処理を行った以外は、上記トナー製造例1と同様にして重量平均粒径8.2μmのシアン系樹脂微粒子を得た。トナー製造例1と同様にして、平均円形度0.917のトナー3を作製した。
【0185】
【表2】


【0186】
<二成分現像剤の調製>
磁性キャリアの製造例1〜7で製造した本発明の磁性キャリア1〜7、磁性キャリアの製造例8〜11で製造した比較用磁性キャリア8〜11の各キャリアについて、トナー1〜4と表3に示すように組み合わせた。トナー濃度が8質量%になるように混合し、これをポリビンに入れてヤヨイ式振とう器により2.5s-1で180秒間振とうすることにより、本発明の現像剤1〜8、比較用現像剤9〜14を作製した。
【0187】
【表3】


【0188】
〔実施例1〜8、比較例1〜6〕
本実施例に用いた画像形成装置について説明する。図1は本実施例に適用される画像形成装置の概略図である。
【0189】
感光体ドラム28は、350〜500nmの短波長レーザー光に有効感度領域のある特性を有するものが用いられており、基材上に有機光半導体を有する感光層を有している。感光体ドラム28は帯電器21により一様に帯電された後、露光手段22により解像度2400dpiの静電潜像が感光体ドラム上に形成される。露光手段22は、400〜450nmに主たる発振波長を有する青色光半導体レーザー発光素子を用い、発光された光束をコリメータレンズで略平行光にし、シリンドリカルレンズにて回転反射体であるポリゴンミラーに集光、反射、偏向させ、これをfθレンズ群により感光体ドラム上にスポット径10.6μmに集光、走査し、デジタル画像情報に応じてこれをオン−オフさせる。
【0190】
次いで、現像器1を用いてトナーを感光体ドラム28上に反転現像で現像する。尚、ここで使用する感光体ドラム28は、直径が20mmΦであり、現像時には2.6s-1の速度で回転駆動されている。感光体ドラム28上のトナー画像は、中間転写ベルト24a上に転写され、感光体ドラム28上の転写残トナーはクリーナー26により廃トナーとして回収される。
【0191】
中間転写ベルト24a上に転写されたトナー像は、転写ローラー(2次転写帯電器)によって転写材27上に各色一括して転写される。中間転写ベルト24aは、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、カーボンブラック、および過塩素酸リチウムからなる組成物を、肉厚120μmに成型加工したものである。
【0192】
加熱定着装置25にはオフセット防止用液体の塗布機能の無い、熱ロール方式の定着装置を用いた。この時上部ローラー、下部ローラー共にフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用し、ローラーの直径は55mmであった。定着温度を175℃、ニップ幅を8mmに設定した。
【0193】
前記した現像剤1〜8、比較用現像剤9〜14を各々200g現像器に充填した後、それぞれの環境下に一晩放置した。その後、トナー濃度が一定となるようにトナーを逐次補給しながら、転写材として複写機用普通紙(80g/m2)を用いて以下の評価を行った。評価結果を表4に示した。
【0194】
現像条件は、現像スリーブと感光体を現像領域において順方向で回転させ、感光体に対して現像スリーブを2.0倍とし、Vd:−600V、Vl:−110V、Vdc:−450Vとし、Vpp:2kV、周波数:1.8kHzとした。画出し評価の項目と評価基準を以下に示す。
【0195】
(1)トナー飛散
高温高湿下(35℃/80%)で、5万枚画出し後、現像器のスリーブ真下を中心にA4の紙を置き、10分間スリーブを回転させる。紙上に落ちたトナーの質量を測定し、以下の基準により評価した。
【0196】
(評価基準)
A:3mg未満 (優)
B:3mg以上〜6mg未満 (良)
C:6mg以上〜10mg未満 (可)
D:10mg以上 (不可)
【0197】
(2)トリボ変動
低温低湿下(15℃,10%)で、画像面積10%のオリジナル画像を使用し、1000枚の複写テストを行い、初期からの現像剤の帯電量変化を評価した。評価は、空回転2分間を行った後、画出しを開始し、その時の帯電量と1000枚時の帯電量の変化幅を%で表わし、以下の基準で行った。
A:帯電量の変化幅が、0%以上〜10%未満 (優)
B:帯電量の変化幅が、10%以上〜20%未満 (良)
C:帯電量の変化幅が、20%以上〜30%未満 (可)
D:帯電量の変化幅が、30%以上 (不可)
【0198】
(3)カブリ
低温低湿下(15℃,10%)で、5万枚画出しした時の、反射濃度計(densitometer TC6MC:(有)東京電色技術センター)を用いて、白紙の反射濃度、及び複写機の紙の非画像部の反射濃度を測定し、両者の反射濃度の差を白紙の反射濃度を基準として評価した。
【0199】
(評価基準)
A:0.5%未満 (優)
B:0.5%以上〜1.0%未満 (良)
C:1.0%以上〜1.5%未満 (可)
D:1.5%以上 (不可)
【0200】
(4)環境トリボ差
低温低湿下(15℃,10%)で空回転し、摩擦帯電量を測定する。その後、この剤を高温高湿下(35℃/80%)に持って行き、1日放置後、現像スリーブをプロセススピード300mm/secの速度で15分間空回転させた後の摩擦帯電量値差を求めた。摩擦帯電量値の測定法は図面を用いて詳述する。
【0201】
図2は二成分トナーの摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。先ず、底にメッシュ目開き30μmのスクリーン31のある金属製の測定容器32に、スリーブ上から採取した二成分現像剤0.5乃至1.5gを入れ金属製の蓋33をする。このときの測定容器32全体の質量を秤りW1(g)とする。次に、吸引機34(測定容器32と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口35から吸引し風量調節弁36を調整して真空計37の圧力を4KPaとする。この状態で充分、好ましくは約2分間吸引し、トナーを吸引除去する。このときの電位計38の電位をV(ボルト)とする。ここで39はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く計算される。
二成分トナーの摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1−W2)
【0202】
(評価基準)
A:低温低湿下と高温高湿下のトリボ差がΔ7以内。(優)
B:低温低湿下と高温高湿下のトリボ差がΔ7乃至13以内。(良)
C:低温低湿下と高温高湿下のトリボ差がΔ13乃至20以内。(可)
D:低温低湿下と高温高湿下のトリボ差がΔ20以上で帯電安定性に問題あり。(不可)
【0203】
(5)キャリア付着
常温常湿下(23℃/50%NN)で、画像面積10%のオリジナル画像を使用し、5万枚の複写テストを行った後、ベタ白画像を画出しし、現像部とクリーナ部との間の感光ドラム上の部分を透明な粘着テープを密着させてサンプリングし、5cm×5cm中の感光ドラム上に付着していた磁性キャリア粒子の個数を算出する。
【0204】
(評価基準)
A:5個未満/cm2 (優)
B:5〜10個未満/cm2 (良)
C:10〜20個未満/cm2 (可)
D:20個以上/cm2 (不可)
【0205】
【表4】


【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】本発明の実施例に用いた二成分現像剤用の画像形成装置の概略的説明図である。
【図2】トナーの摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。
【符号の説明】
【0207】
1Y,M,C,K:現像器
21Y,M,C,K:帯電器
22Y,M,C,K:露光手段
28Y,M,C,K:感光体ドラム
23Y,M,C,K:転写ブレード(1次転写帯電器)
23a:転写ローラー(2次転写帯電器)
26Y,M,C,K:クリーナー
24a:中間転写ベルト
25:定着装置(定着ローラー)
27:転写材
31導電性スクリーン
32測定容器
33金属製の蓋
34吸引機
35吸引口
36風量調節弁
37真空計
38電位計
39コンデンサー




 

 


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