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発明の名称 非磁性一成分補給系電子写真用トナー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17486(P2007−17486A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−195887(P2005−195887)
出願日 平成17年7月5日(2005.7.5)
代理人 【識別番号】100096828
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敬介
発明者 五十嵐 友昭 / 河本 恵司 / 森木 裕二 / 勝田 恭史 / 鏑木 武志
要約 課題
非磁性一成分補給系の画像形成装置において、トナーは、低温定着可能、また画像グロスがでるようなトナーでありながら、常に安定した帯電特性を維持し、補給トナーと現像に関わらなかった現像器内トナーの物性差を少なくする。

解決手段
トナー粒子は、 a)80℃と100℃の各温度における貯蔵弾性率G’から求めたG’(80)/G’(100)が8以上、かつ160℃におけるG’が500〜1×104[dN/m2]であり、 b)重量平均粒径(D4)が3〜10μmであり、 c)平均円形度が0.950〜0.995であり、 疎水性外添剤を有し、全シリカ量に対し、0.1〜1.0%未満のアルミニウム、チタン、あるいはマグネシウムを含有するシリカ系複合酸化物である。
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも、非磁性一成分のトナーを補給する補給系接触現像方式に用いられるトナーであって、
該トナー粒子は、
a)80℃と100℃の各温度における貯蔵弾性率G’(80)、G’(100)から求めたG’(80)/G’(100)が8以上、かつ160℃におけるG’が500〜1×104[dN/m2]であり、
b)重量平均粒径(D4)が3〜10μmであり、
c)平均円形度が0.950〜0.995であり、
該トナーは、少なくとも疎水性外添剤を有し、その疎水性外添剤は、全シリカ量に対し、0.1〜1.0%未満のアルミニウム、チタン、あるいはマグネシウムを含有するシリカ系複合酸化物であることを特徴とするトナー。
【請求項2】
前記複合酸化物である疎水性外添剤の比表面積が、50〜300[m2/g]であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
該トナーに対して、少なくとも2種類以上のシリカ粒子を外添剤として使用した場合、該複合酸化物である疎水性外添剤の電気抵抗値が、他のシリカ粒子の外添剤よりも低いことを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項4】
前記複合酸化物である疎水性外添剤の電気抵抗値が、1.0×109〜1.0×1016[Ω・cm]であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
【請求項5】
該トナー粒子の表面オキシカルボン酸量が、0.5〜2.0mg/トナー粒子1gであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法及び静電記録法において、静電潜像を可視化する為のトナーに関し、安定な帯電特性を有し、且つ転写特性に優れ、高精細、高画質を発現する一成分現像による電子写真用トナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ及びマルチメディアの発達により、オフィスから家庭まで幅広い分野で、更なる高精細フルカラー画像を出力する手段が要望されている。ヘビーユーザーは、多数枚の複写又はプリントによっても画質低下のない高耐久性を要求し、スモールオフィスや家庭では、高画質な画像を得ると共に省スペース、省エネルギーの観点から装置の小型化、廃トナーの再利用又は廃トナーレス(クリーナーレス)、定着温度の低温化が要望されており、これらの目的を達成するため各々の観点から種々の検討が行われている。
【0003】
電子写真法において、静電荷像を現像する工程は、帯電させたトナーを静電荷像の静電相互作用を利用して静電荷像上に画像形成を行うものである。トナーを用いて静電荷像を現像するための現像剤のうち、磁性体を樹脂中に分散してなる磁性トナーや磁性体を分散しない非磁性トナーを用いる一成分系現像方式と、非磁性トナーを磁性キャリアと混合した二成分系現像方式とがあり、特に高画質を要求されるフルカラー複写機又はフルカラープリンタの如きフルカラー画像形成装置では、後者が好適に用いられている。
【0004】
しかしながら、一成分現像方式は二成分現像方式のようにガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要なため、現像装置自体を小型化・軽量化できる。さらには、二成分現像方式はキャリア中のトナーの濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要である。よって、ここでも現像装置が大きく重くなる。一成分現像方式ではこのような装置は必要とならないため、相対的には、小さく軽くできるのが一般的である。
【0005】
一方で、カートリッジシステムとしては、トナーが使用され画像形成装置のトナーが消費された場合、画像形成装置に着脱自在な現像剤補給容器たるトナー補給容器を新たなトナー補給容器に交換することにより装置にトナーを補給する画像形成装置が知られており、実用に供されている。
【0006】
補給の方式としては、前記一括補給する方式とともに、現像ローラ等の現像剤担持体を内包する現像室の現像剤の量を検知又は推測し、逐次補給するもの(例えば 特許文献1、2、3参照)が提案されている。
【0007】
以上のような一連の動作によって、従来の画像形成装置は画像を形成する。
【0008】
しかしながら、例えば上記従来の画像形成装置のように、トナーを像担持体に接触させた状態で現像を行う構成を有する画像形成装置では、以下のような問題点がある。
【0009】
即ち、トナーは図2に示すような現像容器406から搬送される順に、供給ローラ403と現像ローラ401との間の摺擦、現像ローラ401とブレード402との間でトナーの層厚を規制される際の摺擦、及び感光ドラム100と現像ローラ401との間で現像の際の摺擦をそれぞれ受けて現像に供される。更に、現像に寄与しなかったトナーは、現像ローラ401から剥ぎ取られて現像容器406に回収されるために、供給ローラ403による摺擦を再び受ける。
【0010】
このように、画像形成動作に伴うこれら一連の動作は、いずれもトナーと部材との接触を伴うものであり、このような接触の度にトナーは負荷を繰り返し受ける。このような負荷により、現像容器406内のトナーの一部或は全部が損傷を受けて、トナー表面に付着されたシリカなどの添加剤がトナー粒子自体に埋め込まれたり、或は遊離したりすることによって、トナーは現像剤として求められる流動性、帯電性などの性能が次第に劣化してくる。この事は、トナー補給方式の画像形成方法を用いることによって、逐次、劣化していないトナーが現像器内に補給されることから、トナーの劣化スピードとしては緩和される方向にある。
【0011】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、逐次補給をした場合においても、現像に寄与しなかったトナーは現像器内で劣化し、その結果帯電性、流動性などが低下することによって、劣化していないトナーを補給した際に、相互のトナーによる凝集を引き起こし、画像上において濃度ムラ、カブリ、トナーボタ落ち(斑点上にトナー塊が画像上に落下する)が発生する場合があった。
【0012】
特にこの現象は、近年の画像形成装置におけるプリントスピードの高速化、画像上グロスの高グロス化、それに加え省エネルギー化に対する要求により、トナー特性としてシャープメルトな溶融特性を有する結着樹脂を用いたり、トナーに離型剤が添加されるような場合により顕著に現れてきている。これは、離型剤の十分な染み出しを得る為に、離型剤はコアシェル構造かつトナー表面付近にも分散径を持って存在することが必要となってくる。その様な状態であると、トナー表面で外添剤が埋没し易くなり、不安定な表面状態になることから帯電特性の変化は、より大きいものとなってしまう。
【0013】
また、従来の外添剤として、広くは微細なシリカ、チタニアやアルミナ等に代表される無機酸化物を中心とした外添剤が用いられており、特にシリカ等は、高い流動性付与の他にそれ自身が高い絶縁性を有する為、長時間摩擦帯電させると電荷が蓄積しチャージアップと言われる状態になり、特に安定な帯電を維持し難いという問題があった。
【0014】
外添剤に関して、帯電安定性と優れたトナー流動性を得ると言った観点では、焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素混合酸化物粒子を外添剤に用いることが提案されているが、外添剤がトナー表面から遊離することから、必ずしも安定な帯電性が恒常的に得られないと考えられる(特許文献4参照)。
【0015】
上記課題に省みて、トナー表面における外添剤の遊離率を規定した提案件もあるが、外添剤がトナー表面から遊離し難い状態を作り出す具体的な方策が不明なままである(特許文献5参照)。
【0016】
更に、帯電安定性が良好な外添剤としては、アルミナをドープして疎水化処理したシリカ微粒子が提案されている(特許文献6、7参照)。アルミナがドープされていないものに対して帯電付与能が低く、帯電性が安定していることが特徴とされるが、トナーに対する外添量の依存性や、疎水化処理条件と電子写真特性への効果が明確ではなく、特にフルカラー現像剤の様に、帯電安定性の他に高画質を求められる様な電子写真プロセスにおいて好適であるか推定出来ない。
【0017】
【特許文献1】特開平09−80894号公報
【特許文献2】特開平10−20640号公報
【特許文献3】特開2002−40776号公報
【特許文献4】特開2000−181130号公報
【特許文献5】特開2003−76057号公報
【特許文献6】特開2003−81626号公報
【特許文献7】特開2000−143028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、非磁性一成分補給系の画像形成装置において、トナーは、低温定着可能、また画像グロスがでるようなトナーでありながら、画像形成を通してトナーが各摺擦域にて負荷を受け、機械的損傷及び/又は劣化が生じた場合においても、常に安定した帯電特性を維持し、補給トナーと現像に関わらなかった現像器内トナーの物性差を少なくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
すなわち本発明は、少なくとも、非磁性一成分のトナーを補給する補給系接触現像方式に用いられるトナーであって、
該トナー粒子は、
a)80℃と100℃の各温度における貯蔵弾性率G’から求めたG’(80)/G’(100)が8以上、かつ160℃におけるG’が500〜1×104[dN/m2]であり、
b)重量平均粒径(D4)が3〜10μmであり、
c)平均円形度が0.950〜0.995であり、
該トナーは、少なくとも疎水性外添剤を有し、その疎水性外添剤は、全シリカ量に対し、0.1〜1.0%未満のアルミニウムあるいはチタンを含有するシリカ系複合酸化物であることを特徴とするトナーにより達成されるものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、非磁性一成分補給系の接触現像方式の画像形成方法において、溶融温度の低い、省エネルギー対応のトナーを用いても、画像形成を通して、補給トナーと現像器内に蓄積する現像に寄与しなかった劣化したトナーとの物性差を無くし、かつ外添剤としてアルミニウムもしくはチタンを含有するシリカ系複合酸化物を用いることにより、トナー補給時の画像不良(濃度ムラ、カブリ、トナーボタ落ち)を発生させないことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明者らは鋭意検討した結果、省エネの観点から低温定着性、尚且つ高グロスを達成するトナーを用いながら、画像形成耐久を通して、現像に関わらなかったトナーと補給される新トナーとの物性差を極力無くし、常に安定した帯電特性を示すことのできるトナーを見出した。
【0022】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0023】
本発明者らは、本発明のトナーが前述のような効果を発現する理由として次のように考えている。
【0024】
非磁性一成分補給系においては、補給トナーと現像器内の現像に関わらなかったトナーとの帯電差が顕著であることにより、かぶりが発生しやすくなる。補給トナーを供給しないとその現象が発生しないことから、補給時かぶりと呼んでいるが、前述したように、補給時カブリを発生させない為には、いかに耐久劣化したトナーと補給したトナーの物性差、特に帯電量差を少なくするかにある。
【0025】
そこで、本発明者が鋭意検討した結果、省エネの観点から低温定着性、尚且つ高グロスを達成するトナーを用いつつ、トナーの外添剤として、強ネガ性材料として知られているシリカ粒子の−Si−Si−結合中に弱ネガ性のアルミニウム(アルミナ)もしくはチタンを導入することにより、画像耐久を通して、トナーに安定な帯電特性を付与することが出来ることを見出した。また、そのメカニズムは検討中であるが、アルミニウム、チタンもしくはマグネシウムが−Si−Si−の結合阻害等を生じ、アルミニウムもしくはチタンを含有しない疎水化シリカよりも凝集粒子が少なく、1次粒子径に近い形で、トナー表面に均一に分散されることでトナー粒子間におけるスペーサー効果が好適に作用し、帯電安定性が得られる。また、アルミニウム、チタン、もしくはマグネシウムをシリカ粒子に導入することにより、所謂導電性物質を導入することでシリカ粒子自体の抵抗値が下がる。これにより、電荷が極端に蓄積することなく、チャージアップを防ぐことが可能となる。
【0026】
本発明におけるシリカ粒子−アルミニウム、チタン、もしくはマグネシウムの複合酸化物粒子中におけるアルミニウム、チタン、もしくはマグネシウムの含有量は0.1%〜1.0%未満であることが好ましく、更に好ましくは0.1%〜0.5%であることが良い。0.1%よりも少なくなると、粒子同士の凝集性が高まり、トナーに対して均一な帯電特性を付与し難くなったり、低湿度環境下において極端なチャージアップ現象を招く恐れがある。一方1.0%を超えると帯電量が低下し、電子写真プロセスにおける所望の帯電特性を得難くなる。
【0027】
一般にトナー用外添剤としてのシリカ粒子としては、有機シランやシリコーンオイル等で表面改質したフュームドシリカが多く用いられている。
【0028】
これらフュームドシリカは一般に外添剤として用いた場合、非常に凝集性が高く、1次粒子としての機能が得られ難くいのが現状である。しかしながら、シリカ粒子に0.1〜1.0%未満のアルミニウム、チタン、もしくはマグネシウムを含有させることによって、凝集体を作り出し難く、従来フュームドシリカにおいては達成し得なかった高い分散性を得ると共に流動性と帯電安定性との両立が可能となったのである。
【0029】
凝集体が少なくなる理由としては以下の様なことが考えられる。
【0030】
例えば、アルミニウムを含有させる場合、フュ−ムドシリカはハロゲン化ケイ素の燃焼加水分解により製造されるが、少量のアルミニウムが元々のシリカ粒子の強固な−Si−Si−結合中に入り、−Si−Si−結合を阻害するものと考えられる。結合阻害を引き起こすことで、アルミニウムを含有しない疎水化シリカよりも凝集粒子が少なく、1次粒子径に近い形で、トナー表面に均一に分散される。
【0031】
また、アルミニウムの結合阻害による分散性の差異は、含有される疎水性外添剤の比表面積が、50〜300[m2/g]に近傍の比表面積において、より顕著な効果が得られる。疎水性外添剤の比表面積が50[m2/g]以下であるとトナー自体のスペーサー効果は得られ、流動性が良くなることにより現像器内でのトナー劣化はやわらげられるが、アルミニウムやチタンが含有しにくく、十分な含有効果が得られなくなり、帯電安定性に欠ける。また、300[m2/g]以上であると、外添剤の粒子径が小さくなることにより、外添剤のトナー埋没が発生しやすくなる。よって、現像器内でのトナー劣化が促進されてしまい、いくらアルミニウム、チタン、もしくはマグネシウムを含有したシリカ粒子でも、帯電が低下し、劣化トナーと補給トナーとの物性差が顕著になってしまう。
【0032】
該トナー粒子100質量部に対して、このアルミニウム、チタン、もしくはマグネシウムが含有されているシリカ粒子は、0.1〜3質量部添加されていることが非常に好ましい使用形態である。0.1質量部未満であるとアルミニウム、チタン、もしくはマグネシウム含有のシリカ粒子効果が得られない。また、3質量部超であると現像器内の部材汚染が発生し、画像弊害が起こりやすい。
【0033】
また、疎水性外添剤に含有されたアルミニウム、チタン、もしくはマグネシウム含有シリカ粒子は、含有しないシリカ粒子よりも抵抗値が低くなるという特徴がある。所謂導電性物質を所定量含有することによってトナーに蓄積した電荷が、適度にリークし、チャージアップを引き起こしにくくなる。このことで、補給トナーと現像器内に蓄積した現像に関わらないトナーとの帯電差が狭まり、帯電差による反転かぶり、すなわち補給時かぶりが発生しにくくなるという特徴を見出すことができた。この抵抗値は、すなわちアルミニウム、チタン、もしくはマグネシウムの複合酸化物粒子中におけるアルミニウム、チタン、もしくはマグネシウムの含有量が0.1%〜1.0%である時、その複合酸化物自体の抵抗値としては、印加電圧250V・荷重1000kg時の値として、1.0×109〜1.0×1016[Ω・cm]が好ましい。複合酸化物の抵抗値が、1.0×109[Ω・cm]よりも小さいと、トナー放置による帯電リークが顕著になりすぎ、朝一放置かぶりなどの弊害が発生しやすい。逆に1.0×1016[Ω・cm]以上であると、チャージアップを起こし易い。
【0034】
前記外添剤の電気抵抗値を求めるに当たって、図1に示す粉体用絶縁抵抗測定器を用いて測定した。
【0035】
まず23℃,50%条件下に24時間以上放置した外添剤サンプルを1cmアルミリング内にあふれない程度に入れ、そのまま上から200kg(1960N)の力で押しつぶし、ペレット状にした。そのペレットに接するように電極21,22を配し、該電極21,22間に電圧を印加し、そのとき流れる電流を測定することにより電気抵抗を求める方法を用いた。この測定方法においては、アルミリングに電極棒が接しないように注意をはらう。その時の電極21,22との接触面積S=約2.3cm2、厚みd=約1mm、上部電極22の荷重180g(1.77N)、印加電圧を200Vから400V・600V・800V・1000Vと200Vづつ上げ、その後1000Vから800V・600V・400V・200Vと印加電圧を下げた時の比抵抗値を読み取り、その250V時の値を測定した。尚、図1において、23は絶縁物、24は電流計、25は電圧計、26は定電圧装置、27は外添剤サンプル、28はガイドリングである。
【0036】
本発明におけるシリカ粒子−アルミニウム、チタン、もしくはマグネシウムの複合酸化物を製造する方法としては、特に制約されるものではないが、以下にアルミニウム含有シリカ複合酸化物の製造例を示す。
【0037】
一般に公知な乾式製法シリカとしては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、所謂乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるもので、従来公知の技術によって製造されるものである。
【0038】
例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0039】
また、この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含される。
【0040】
本発明におけるシリカ粒子―酸化アルミニウムの複合酸化物は以下の工程にて製造される。
【0041】
まず、ケイ素ハロゲン化物とアルミニウムハロゲン化物をガス化させ、混合ユニット等の中で酸素及び水素等と均一混合される。次に混合ガスを火炎中に供給して焔内反応させる。これによりシリカ粒子―アルミニウムの複合酸化物が生成される。冷却後、生成物に付着した副生成物(ハロゲン化物残分)を熱処理等で分離した後、所望の複合酸化物が得られる。
【0042】
該複合酸化物中のAl23とSiO2の組成比については、原料の供給量、水素供給量等の反応条件によって適宜調整されるものである。
【0043】
また、該複合酸化物は焔内反応にて粒子化した段階時に非晶質であり、シリカ粒子とアルミニウムが混合した混合酸化物とは異なる。
【0044】
本発明におけるシリカ粒子―アルミニウムの複合酸化物粒子は疎水化処理を施してトナー用疎水性外添剤として用いることが、高い帯電特性を有する。
【0045】
疎水化処理を施す処理剤としては、公知のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニアルミネートカップリング剤の如きカップリング剤や、シリコーンオイル処理剤、シリコーンワニス処理剤、シラザン処理剤等が用いられるが、これら処理剤を1種又は2種以上併用して用いることが出来る。
【0046】
例えば、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン等のようなアルキルアルコキシシランや、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン等のシランカップリング剤を用いることが出来る。
【0047】
また、帯電調整の意味ではアミノ基含有カップリング剤、アミノ基含有シリコーンオイル処理剤等を用いても構わない。
【0048】
本発明のシリカ粒子―アルミニウムの複合酸化物粒子においてはシリコーンオイル処理剤を疎水化処理剤として用いることが特に好ましい。
【0049】
オイル処理剤量としては、粒子の凝集を防ぎ、処理剤の特性を最大限に引き出す為、該複合酸化物粒子(体積)に対し5%〜15%の処理剤量、更に好ましくは5%〜10%で表面処理を行うことが好ましい。5%未満であると粒子表面におけるコート安定性が得られない。一方、15%超の処理剤を用いると、帯電付与性が著しく低下し、表面処理を施していない複合シリカ粒子と同程度の帯電付与性しか得られない。
【0050】
本発明における複合酸化物粒子の表面処理を行うには、湿式法、乾式法等の方法があるが、本発明は特にこれらの方法に制約されるものではない。
【0051】
本発明においては上述の疎水性外添剤以外にも、その特性を損ねることがなければ、他の外添剤を併用することに関しても何ら問題なく、例えば無機微粒子としては、トナーに添加することにより、添加前後を比較し効果が得られるものであれば、どの様なものでも使用可能である。但し、前述のシリカ粒子の複合酸化物とそれ以外の無機微粒子を併用する場合は、該複合酸化物シリカ粒子である疎水性外添剤の電気抵抗値が、他の無機微粒子よりも低いことが好ましい。これは、該複合酸化物単独でも本発明は達成できるが、それ以外の無機微粒子を併用した場合、その粒子の電気抵抗が複合酸化物シリカ粒子よりも低い場合、トナーに蓄積する電荷が必要以上にリークしてしまい、トナーの帯電特性を維持できなくなる。そのため、無機微粒子を併用する場合は、該複合酸化物シリカ粒子よりも抵抗が高い物を使用することが好ましい。
【0052】
併用する無機微粒子として平均一次粒径4〜80nmが、トナー全体に対し0.1〜4質量%添加されていることも非常に好ましい使用形態である。併用する無機微粒子は、更なるトナーの流動性の改良及びトナー粒子の帯電の均一化のために添加されるが、無機微粒子を疎水化処理する等の処理によってトナーの帯電量の調整、環境安定性の向上等の機能を付与することも好ましい。
【0053】
併用する無機微粒子の平均一次粒径が80nmよりも大きい場合、無機微粒子がトナー粒子に付着しにくく、所謂遊離無機微粒子が増加する。良好なトナーの流動性が得られず、トナー粒子への帯電付与が不均一になり易く、低湿下での摩擦帯電性の不均一化につながるため、カブリの増大、画像濃度の低下或いは耐久性の低下等の問題が生じやすくなる。
【0054】
無機微粒子の平均一次粒径が4nmよりも小さい場合には、無機微粒子同士の凝集性が強まり、一次粒子ではなく、解砕処理によっても解れ難い強固な凝集性を持つ粒度分布の広い凝集体として挙動し易く、トナー粒子の帯電分布が不均一になる。帯電分布をより均一とするためには、無機微粒子の平均一次粒径は6〜35nmであることがより好ましい。
【0055】
無機微粒子の平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影したトナーの写真で、更に走査型電子顕微鏡に付属させたXMA等の元素分析手段によって無機微粒子の含有する元素でマッピングされたトナーの写真を対照しつつ、トナー粒子の表面に付着或いは遊離して存在している無機微粒子の一次粒子を100個以上測定し、個数平均粒径を求めることで測定することができる。また、無機微粒子の含有量は、蛍光X線分析を用い、標準試料から作成した検量線を用いて定量できる。
【0056】
前記無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタン化合物、マグネシウム化合物、フッ素含有微粒子等から少なくとも1種類以上から選ばれることが好ましい。例えば、シリカとしては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO32-等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において、例えば塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能である。前記乾式シリカは、それらも包含する。
【0057】
平均一次粒径が4〜80nmの無機微粒子の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜4.0質量部であることが好ましい。添加量が0.1質量部未満ではその効果が十分ではなく、4.0質量部を超えると定着性が悪くなることがある。
【0058】
前記無機微粒子は、疎水化処理されたものであることが、高湿環境下での特性を向上させる。
【0059】
疎水化処理の処理剤としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物の如き処理剤等が挙げられる。このような処理剤は、を単独で、或いは併用して用いることができる。
【0060】
その中でも、シリコーンオイルにより処理したものが好ましく、より好ましくは、無機微粒子を疎水化処理すると同時に、或いは処理した後に、シリコーンオイルにより処理したものが、高湿環境下でもトナーの帯電量を高く維持し、選択現像性を低減する上で好ましい。
【0061】
無機微粒子の処理条件としては、例えば第一段反応としてシリル化反応を行い、無機微粒子の表面の活性水素基を化学結合により消失させた後、第二段反応としてシリコーンオイルにより表面に疎水性の薄膜を形成する条件が挙げられる。シリル化剤の使用量としては、無機微粒子100質量部に対し5〜50質量部が好ましい。5質量部未満では無機微粒子表面の活性水素基を消失させるのに十分でなく、50質量部を超えると、余分なシリル化剤同士の反応で生成するシロキサン化合物が糊の役割となって、無機微粒子同士の凝集が起こり、画像欠陥を生じ易くなる。
【0062】
上記シリコーンオイルは、25℃における粘度が10〜200,000mm2/sのものが好ましく、さらには3,000〜80,000mm2/sのものがより好ましい。シリコーンオイルの25℃における粘度が10mm2/s未満では、無機微粒子に安定性が無く、熱及び機械的な応力により、画質が劣化する傾向がある。200,000mm2/sを超える場合は、均一な処理が困難になる傾向がある。
【0063】
シリコーンオイルの処理方法としては、例えばシラン化合物で処理された無機微粒子とシリコーンオイルとを、ヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合しても良いし、無機微粒子にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いても良い。或いは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解或いは分散せしめた後、無機微粒子を加え混合し溶剤を除去する方法でも良い。無機微粒子の凝集体の生成が比較的少ない点で、噴霧機を用いる方法がより好ましい。
【0064】
シリコーンオイルの処理量は、無機微粒子100質量部に対し1〜23質量部、好ましくは5〜20質量部が良い。シリコーンオイルの量が少なすぎると良好な疎水性が得られず、多すぎるとやはり無機微粒子の凝集が起こりやすい。
【0065】
本発明に用いられるトナーには、クリーニング性の向上等の目的で、一次粒径30nmを超える(好ましくは比表面積が50m2/g未満)、より好ましくは一次粒径50nm以上(好ましくは比表面積が30m2/g未満)の無機又は有機の球状に近い微粒子をさらに添加することも好ましい形態のひとつである。このような微粒子紙としては、例えば球状シリカ粒子、球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子、球状樹脂粒子等が好ましく用いられる。
【0066】
本発明に用いられるトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤を添加することができる。このような他の添加剤としては、例えばフッ素樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;或いは酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末等の研磨剤;或いは例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末等の流動性付与剤;ケーキング防止剤;また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。これらの添加剤も表面を疎水化処理して用いることも可能である。
【0067】
例として、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末、酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等の微粉末シリカ、それらをシラン化合物、及び有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ等がある。
【0068】
また、酸化チタン微粉体であれば、硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物例えばチタンアルコキシド,チタンハライド,チタンアセチルアセトネートの低温酸化(熱分解,加水分解)により得られる酸化チタン微粒子が用いられる。結晶系としてはアナターゼ型,ルチル型,これらの混晶型,アモルファスの何れのものも用いることが出来る。
【0069】
そしてアルミナ微粉体であれば、バイヤー法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法、水中火花放電法、有機アルミニウム加水分解法、アルミニウムミョウバン熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、塩化アルミニウムの火焔分解法により得られるアルミナ微粉体が用いられる。結晶系としてはα,β,γ,δ,ξ,η,θ,κ,χ,ρ型、これらの混晶型、アモルファスの何れのものも用いられ、α,δ,γ,θ,混晶型,アモルファスのものが好ましく用いられる。
【0070】
次に粒度に関して説明する。
【0071】
高精細な画像を得るためには小粒径トナーが有利である。また、帯電性を均一にするためにはトナーの円形度が高い方が有利である。以上の2点により、高精細な画質が達成される。しかし、小粒径で円形度の高いトナーは、比表面積が大きく、それに伴う外添剤付着量も多いことから、帯電的にチャージアップ傾向であり、低温低湿下での画像弊害も発生しやすい。
【0072】
しかしながら、本発明のトナーでは、トナー粒子に外添する疎水性外添剤に対してアルミニウムもしくはチタンなどを所定量含有するシリカ系複合酸化物を用いることによって、その小粒径・高円形度のトナーのチャージアップを防ぐ事ができる。
【0073】
すなわち、本発明のトナー粒径は、高画質化達成による微小な潜像ドットを忠実に現像するためには、重量平均粒径が3〜10μmであることが必要である。
【0074】
重量平均粒径が3μm未満のトナーにおいては、特に低湿環境下において顕著なチャージアップの如き問題が起こり易く、また高温高湿下では、トナーの比表面積が大きいことにより水分がトナー表面に吸着しやすく、粉体としての流動性及び撹拌性の低下、さらには帯電のリークが発生しやすく、個々のトナー粒子を均一に帯電させることが困難となる。このことから、低温低湿下でも高温高湿下においても補給トナーとの帯電差が大きくなり、画像不良が発生しやすい。さらに、トナー自身としても粉体としてのハンドリング性が低いことからも、本発明で使用するトナーには好ましくない。トナーの重量平均粒径が10μmを超えると、特に高温高湿下において、飛散及びカブリの如き問題が起こり易く、トナー粒子1個が大きくなるために、解像度の高い、緻密な画像が得られ難く、さらに、静電的な転写を行なうと、トナーの飛び散りが生じ易くなる。
【0075】
前記トナーの重量平均粒径は、コールターカウンターTA−II型或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の測定装置での測定から求めることができる。これらの測定装置を用いると、トナーの個数平均粒径を求めることも可能である。具体的には、下記のように測定できる。
【0076】
コールターマルチサイザー(コールター社製)と、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)と、PC9801パーソナルコンピューター(NEC製)とを接続し、一方で1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。このように調製される電解液の代わりに、例えばISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を用いても良い。
【0077】
測定手順は以下の通りである。前記電解液を100〜150ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーにより、アパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して、体積分布と個数分布とを算出する。それから、本発明に係わる所の体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)を求める。なお、個数平均粒径は、個数分布から求めた個数基準の平均粒径として求められる。
【0078】
前記重量平均粒径は、トナーの分級や、所定の粒径について前記トナーを分級した分級品の混合によって調整することが可能であり、後述する重合法によって得られる粒子であれば、その分散安定剤の量により調整が可能である。
【0079】
次に本発明に用いられるトナーの形状について述べる。
【0080】
本発明に用いられるトナーは、平均円形度が0.950〜0.995である。平均円形度が0.950〜0.995のトナーは、紙への転写効率が高く、感光体上に乗せるトナー量が少なくても有利である。また円形度が高いトナーは、それだけトナー一粒に与えられる現像器内での劣化が少なく、また無機微粒子も均一に付着しやすい。
【0081】
一方、0.950未満のトナーは、無機微粒子の付着偏析が発生し、帯電的にも流動性的にもムラが生じる。そのため、劣化した時の帯電量分布がよりブロードになり、補給トナー補給時の画像弊害が発生しやすくなる。
【0082】
平均円形度が0.995を超えるトナーから構成されるトナーは、円形度が非常に高いために、トナーが細密充填、所謂パッキングされることにより、画像形成を通したトナーの劣化が激しくなり、長期の耐久試験において帯電量の変化を起こし易い。また、画像形成装置における感光体等のクリーニング性が落ちてしまうことがあり、好ましくない。
【0083】
トナーの平均円形度は、トナーの投影像に基づいて以下の式(1)より求められる円形度の、以下の式(2)より求められる平均値である。前記平均円形度は、トナーの表面形状の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合は1.000を示し、トナーの表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値を示す。
【0084】
【数1】


【0085】
【数2】


【0086】
前記平均円形度は、例えば東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」を用いて測定することができる。
【0087】
具体的な測定方法としては、界面活性剤を約0.1mg溶解している水10mlにトナー約5mgを分散させて分散液を調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5,000〜2万個/μlとして、前記装置により測定を行い、3μm以上の円相当径粒子群の円形度を測定し、平均円形度を求める。
【0088】
なお、この測定方法において、3μm以上の円相当径の粒子群についてのみ円形度を測定する理由は、3μm未満の円相当径の粒子群にはトナー粒子とは独立して存在する前記無機微粒子の粒子群も多数含まれ、その影響によりトナー粒子群についての円形度が正確に見積もれないことを防止するためである。
【0089】
また、前記「FPIA−1000」では、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出に当たって、円形度0.40〜1.00を上記の如く61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて粒子の円形度を求め、平均円形度を算出している。この算出法で算出される平均円形度の各値と、上述した式(1)及び(2)から算出される平均円形度の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視出来る程度のものであるので、本発明においては、前述したような算出方法を用いても良い。このように、前記平均円形度の測定では、算出時間の短絡化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いても良い。
【0090】
前記平均円形度は、トナー粒子の製造方法として重合法を採用することや、機械的衝撃や熱的衝撃等によってトナー粒子の円形度を制御する処理を行うこと等により調整することが可能である。
【0091】
次に表面オキシカルボン酸量について説明する。
【0092】
本発明の用いられるトナーは、トナー1g中から強アルカリ性水溶液にて抽出される表面オキシカルボン酸の質量が、0.5〜2.0mg/gであることが好ましい。更には、0.5〜1.5mg/gであることが好ましい。
【0093】
表面に存在するオキシカルボン酸を規定量に制御することによって、トナーの帯電立ち上がりを良好にし、トナー劣化が進んだ場合においても補給トナーとの帯電差を少なくすることができる。
【0094】
この表面オキシカルボン酸量が0.5mg/g以下であると、帯電の立ち上がりが鈍く、たとえ補給トナーと現像器内における現像に関わらなかったトナーとの帯電差が少なくとも、高温高湿下で放置したときの帯電立ち上がりが鈍く、更には、前述した複合酸化物を用いた場合、トナーに蓄積した電荷のリークが進んでいる為、帯電不足によるカブリが発生しやすくなる。
【0095】
一方で表面オキシカルボン酸量が2.0mg/g超であると、低湿環境下におけるチャージアップが発生しやすくなり、画像濃度薄や帯電差による補給時かぶりなどが発生してしまう。なお、本発明のトナーは、トナーの帯電速度や帯電量を微調整することを目的として、前記のオキシカルボン酸やその金属錯化合物と共に、公知の荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して併用することができる。
【0096】
トナー1gあたりの表面オキシカルボン酸量は、下記に示す条件によって行う。
【0097】
分散剤としてコンタミノンN(和光純薬工業社製)0.04gを加えた0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を容器に50ml用意し、その中にトナー1gを秤量して加え、スターラーを用いて50rpmで撹拌し、均一に分散させる。3時間分散処理を行った後、メンブランフィルター(ポアサイズ:0.45μm)を用いて濾過し、得られた濾液の吸収スペクトルを分光光度計により測定し、オキシカルボン酸の呈する最大吸収ピークの最大値とベースラインとの差を求める。得られた結果から、所定の検量線を用いてトナー表面のオキシカルボン酸量を算出した。オキシカルボン酸の吸収スペクトルは、例えば280〜350nmの範囲にあらわれる。
【0098】
本発明に係るオキシカルボン酸としては、公知のものを用いることが可能であるが、帯電付与能力の観点から下記式(1)や(2)で示される化合物が好ましく用いられる。
【0099】
【化1】


上記式(1)中、(A)は下記の群より選ばれ、X1は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムを示す。
【0100】
【化2】


【0101】
【化3】


上記式(2)中、X2は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム、又は脂肪族アンモニウムを示し、R4は、C1〜C22のアルキル基又はアルケニル基、アリール基を示し、R5は、水素原子、C1〜C22のアルキル基又はアルケニル基、アリール基、アルコキシ基を示す。
【0102】
上記式(1)や式(2)で示されるオキシカルボン酸の中でも、本発明に好ましく用いられるものとしては、芳香族環を有するオキシカルボン酸であり、モノアルキル芳香族オキシカルボン酸、又はジアルキル芳香族オキシカルボン酸が挙げられる。特に、サリチル酸、ジtert−ブチルサリチル酸や5−tert−オクチルサリチル酸に代表されるアルキルサリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、ベンジル酸等はトナー表面への固定化が容易であるため、本発明に好ましく用いられる。
【0103】
以下に代表的な具体化合物例を列挙する。
【0104】
【化4】


【0105】
【化5】


【0106】
【化6】


【0107】
【化7】


【0108】
【化8】


【0109】
本発明に用いられるトナーは、80℃と100℃の各温度における貯蔵弾性率G’(80)、G’(100)から求めたG’(80)/G’(100)が8以上、かつ160℃における貯蔵弾性率G’(160℃)が500〜1×104dN/m2であることが好ましい。
【0110】
ここで、トナーの80℃及び100℃における貯蔵弾性率G’の比、及び160℃における貯蔵弾性率G’の範囲について説明する。
【0111】
現像器内の現像に関わらなかったトナーは、粒子間の衝突や機械的衝突が長期に渡って発生し、かつ長期に渡るプリントによる昇温によって、トナーはよりダメージを受けやすくなる。また近年の省エネの観点から低温定着性、尚且つ高グロスを達成するトナーを用いる要望が高いため、前記トナーに対するダメージはより大きなものとなる。本発明の基本は、省エネ対応の低温定着、且つ高グロスを達成するトナーを用いてもアルミニウムまたはチタンを含有した複合酸化物無機微粒子を用いると補給系の品質問題である補給時かぶりが改善できることにある。本発明に用いるトナーを最も良くあらわす数値として、
80℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’(80)と100℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’(100)の比G’(80)/G’(100)かつ160℃における貯蔵弾性率G’(160)を用いることが有効であることが分かった。
【0112】
本発明においては、80℃と100℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’の比、G’(80)/G’(100)は8以上であることが重要である。G’(80)/G’(100)が8未満の場合は、トナー粒子表面に付着した無機微粒子等がしっかり付着せず、遊離しやすくなり、現像器内の部材を汚染し易いため、好ましくない。また、定着工程における観点から、クイックスタート定着における初期のトナーの溶融粘度が低いため、低温定着不良を起こしやすい。また、定着工程初期におけるトナー粒子の変形が不十分となるため、定着工程初期においてトナー粒子表面に好適に埋没されない無機微粒子が出現し、定着部材を傷つけてしまうことがある。
【0113】
G’(80)/G’(100)が8以上であると、トナー粒子表面に付着している無機微粒子等がしっかりと付着することができ、無機微粒子の遊離を抑えることができる。定着工程において、低温域においても瞬時にトナーが溶融し、かつ光沢度安定性に対して非常に優れた特性を示す。
【0114】
一方で高温側である160℃における貯蔵弾性率G’(160)が500〜1×104dN/m2の範囲内にあることも重要である。これは、80℃と100℃の貯蔵弾性率の比 G’(80)/G’(100)が無機微粒子の遊離程度を見る指標であるのに対して、より高温(160℃)における貯蔵弾性率は、トナーの耐久劣化を見る上で重要な指標であることが分かった。この値が規定範囲内にあることで、低印字で多数枚印刷して現像機内に残存するトナーがあったとしても、トナー劣化せず、補給されるトナーとの物性差が極力低減される。一方で、画像光沢度安定性や耐高温オフセット性の観点からも良好な特性を示す。規定範囲外であると、トナー耐久性が乏しい。
【0115】
トナーの貯蔵弾性率G’(80)、G’(100)及びG’(160)を測定する方法について、以下に示す。
【0116】
本発明におけるトナーの貯蔵弾性率は、所定の温度における貯蔵弾性率を測定可能な測定装置によって測定することができる。ただし、本発明においては、貯蔵弾性率を測定するにあたり、加圧成型体等の測定可能な特定の形態に成型したものの貯蔵弾性率を測定する。具体的には、前記貯蔵弾性率は、粘弾性測定装置(レオメーター)RDA−II型(レオメトリック社製)を用いて、下記の条件で60〜210℃の温度範囲において測定することにより求められる。
・測定治具 :直径25mmの円形パラレルプレートを使用する。アクチュエーター
(actuator)側には円形パラレルプレートに対応するシャロー
カップを使用する。シャローカップの底面と円形プレートの間隙は約
2mmである。
・測定試料 :1gのトナーを、直径約25mm、高さ約2mmの円盤状試料となる
よう、加圧成型したものを使用する。
・測定周波数 :6.28ラジアン/秒
・測定歪の設定 :初期値を0.1%に設定した後、自動測定モードにて測定を行う。
・試料の伸長補正:自動測定モードにて調整する。
・測定温度 :60〜210℃まで毎分2℃の割合で昇温する。
【0117】
上記の方法により、60〜210℃の温度範囲において貯蔵弾性率G’を測定した際の80℃、100℃及び160℃における貯蔵弾性率G’の値を、それぞれG’(80)、G’(100)及びG’(160)とする。これらの貯蔵弾性率は、結着樹脂の種類や重合度を変更することによって調整は可能だが、後述する重合法によって得られる粒子であれば、その際の重合性単量体組成比や重合開始剤量、または重合反応温度等によって調整することが可能である。
【0118】
本発明に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス成分、表面オキシカルボン酸を含有するトナー粒子と無機微粒子とを有する。前記トナーの物性を実現することができるものであれば、前記トナーの材料には特に限定はなく、公知の材料を用いることができる。
【0119】
前記結着樹脂は、スチレン−アクリル化合物を主成分とする。結着樹脂は、スチレン−アクリル化合物を最も多く含有するのであれば、その組成は特に限定されず、スチレン−アクリル化合物のみから構成されていても良いし、その他の樹脂を副成分として含むものであっても良い。
【0120】
前記スチレン−アクリル化合物としては、スチレン及びその誘導体と、(メタ)アクリル酸及びそのエステル等の誘導体とが化学的に結合してなる化合物であれば特に限定されない。このようなスチレン−アクリル化合物としては、例えばスチレン系化合物とアクリル酸系化合物とを単量体とするオリゴマーやコポリマー等が挙げられる。
【0121】
前記トナー粒子には、着色力を付与するために着色剤を含有してもよい。本発明に好ましく用いられる着色剤としての有機顔料又は有機染料としては以下のものが挙げられる。
【0122】
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66等が挙げられる。
【0123】
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254等が挙げられる。
【0124】
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物等が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194等が挙げられる。
【0125】
これらの着色剤は、単独又は混合した状態、さらには固溶体の状態で用いることができる。前記着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナーへの分散性の点から選択される。前記着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1〜20質量部である。
【0126】
黒色着色剤としては、カーボンブラック、上記イエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたもの等が用いられる。
【0127】
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、結着樹脂100質量部に対し30〜200質量部が添加される。
【0128】
本発明において、後述する重合法を用いてトナーを得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは、表面改質、例えば重合阻害のない物質による疎水化処理、を施しておいたほうが良い。特に、染料系やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので、使用の際に注意を要する。染料系を表面処理する好ましい方法としては、あらかじめこれら染料の存在下で重合性単量体を重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体系に添加する。
【0129】
また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えば、ポリオルガノシロキサン等で処理を行っても良い。
【0130】
前記トナー粒子には、ワックス成分が含まれる。転写材上に転写されたトナー像は、その後、熱及び圧力等のエネルギーにより転写材上に定着され、半永久的画像が得られる。この際、熱ロール式定着やフィルム式定着が一般に良く用いられるが、トナー粒子に前記ワックス成分を含有させることにより、グロスムラ等のムラを発生しない画像を提供できる。
【0131】
前記ワックス成分としては、各種のワックス等、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス及びその誘導体等が挙げられる。これらの誘導体には、酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、或いはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス等が挙げられる。
【0132】
前記ワックス成分の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.5〜50質量部の範囲が好ましい。含有量が0.5質量部未満では低温オフセット抑制効果に乏しく、50質量部を超えてしまうと長期間の保存性が悪化すると共に、他のトナー材料の分散性が悪くなり、トナーの流動性の悪化や画像特性の低下につながることがある。
【0133】
本発明に用いられるトナー粒子には、荷電特性を安定化するために荷電制御剤を配合しても良い。荷電制御剤は、その種類等に応じて、トナー粒子中に添加することもできるし、トナー粒子に外添することもできる。荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できるオキシカルボン酸などの荷電制御剤が、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールを実現する上で好ましい。さらに、直接重合法を用いてトナーを製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
【0134】
本発明に用いられるトナー粒子は、重合法によって得られる粒子であるのが好ましい。本発明に用いられるトナーは、粉砕法によって製造することも可能であるが、この粉砕法で得られるトナー粒子は一般に不定形のものであり、本発明に用いられるトナーの必須要件である平均円形度が0.950〜0.995という物性を得るためには、機械的、熱的或いは何らかの特殊な処理を行うことが必要となる。
【0135】
そこで、上述の諸問題を解決するため、本発明に用いられるトナーにおいては、トナー粒子を重合法により製造することが好ましい。トナー粒子の重合法としては、直接重合法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化会合重合法、シード重合法等の公知の重合法が挙げられるが、これらの中では、粒径と粒子形状のバランスのとりやすさという点で、特に懸濁重合法が好ましい。
【0136】
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を、分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を用いて分散し、同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものである。この懸濁重合法で得られるトナー粒子は、個々のトナー粒子の形状がほぼ球形に揃っているため、平均円形度が0.950〜0.995という物性要件を満たすトナーが得られやすく、さらにこういったトナーは帯電量の分布も比較的均一となるため、高い転写性を有している。
【0137】
さらに、懸濁重合して得られた微粒子に再度、重合性単量体と重合開始剤を添加して表面層を設けるコア・シェル構造も必要に応じて設計することが可能である。
【0138】
次に本発明に用いられるトナーの懸濁重合法による製造方法を説明する。
【0139】
本発明に用いられるトナーを懸濁重合法で製造する場合、使用される重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
【0140】
前記重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類;その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の単量体等が挙げられる。
【0141】
これらの重合性単量体は、単独、又は混合して使用し得る。上述の重合性単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独で、或いはほかの重合性単量体と混合して使用することが、トナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
【0142】
懸濁重合法でのトナー粒子の製造においては、重合性単量体系に樹脂を添加して重合しても良い。
【0143】
例えば、単量体では水溶性のため、水性懸濁液中では溶解して乳化重合を起こすので使用できないアミノ基、カルボン酸基、水酸基、グリシジル基、ニトリル基等、親水性官能基を有する単量体成分をトナー粒子中に導入したい時には、これらとスチレン或いはエチレン等ビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体或いはグラフト共重合体等、共重合体の形にして、或いはポリエステル、ポリアミド等の重縮合体、ポリエーテル、ポリイミン等重付加重合体の形で使用が可能となる。こうした極性官能基を含む高分子重合体をトナー粒子中に共存させると、前述のワックス成分を相分離させ、より内包化が強力となり、耐オフセット性、耐ブロッキング性、低温定着性の良好なトナーを得る上でより好ましい。
【0144】
また、材料の分散性や定着性、或いは画像特性の改良等を目的として、上記以外の樹脂を重合性単量体系中に添加しても良い。このような場合に用いられる樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で、或いは混合して使用することができる。
【0145】
これらの樹脂の添加量としては、重合性単量体100質量部に対し1〜20質量部が好ましい。1質量部未満では添加効果が小さく、一方20質量部を超えるとトナー粒子の種々の物性設計が難しくなることがある。
【0146】
さらに、前記重合性単量体を重合して得られるトナー粒子の分子量範囲とは異なる分子量の重合体を単量体中に溶解して重合すれば、分子量分布の広い、耐オフセット性が高く、また耐久性の良いトナー粒子を得ることができる。
【0147】
前記懸濁重合法において使用される重合開始剤としては、重合反応時に半減期0.5〜30時間であるものを、重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部の添加量で重合反応を行うと、分子量1万〜10万の間に極大を有する重合体を得、トナーに望ましい強度と適当な溶融特性を与えることができる。重合開始剤例としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0148】
前記懸濁重合法でトナー粒子を製造する際は、架橋剤を添加しても良い。好ましい添加量としては、0.001〜15質量%である。省エネの観点から低温定着性、尚且つ高グロスを達成するトナーを作成するためには、0.001〜5質量%であることが好ましい。
【0149】
前記懸濁重合法でトナー粒子を製造する際は、分子量調整剤を使用することができる。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;α−メチルスチレンダイマー等を挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前或いは重合途中に添加することができる。分子量調整剤は、重合性単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いられる。
【0150】
前記懸濁重合法では、一般に前述したトナー粒子の原料、すなわち重合性単量体中に、スルホン酸基を有する重合体、磁性体、ワックス成分、荷電制御剤、架橋剤等のトナー粒子として必要な成分及びその他の添加剤、例えば重合反応で生成する重合体の粘度を低下させるために入れる有機溶媒、高分子重合体、分散剤等を適宜加えて、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機によって均一に溶解又は分散せしめた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。
【0151】
この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとなるように重合性単量体組成物を分散すると、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤を添加する時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、重合性単量体組成物を水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体組成物或いは溶媒に重合開始剤を溶解して加えることもできる。
【0152】
造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され、且つ粒子の浮遊、沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
【0153】
懸濁重合法でトナー粒子を製造する場合には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機或いは無機の分散剤を用いることができる。中でも無機分散剤が、有害な超微粉を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得ているので、反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナーに悪影響を与え難いので、好ましく使用できる。こうした無機分散剤の例としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナ等の無機酸化物等が挙げられる。
【0154】
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜20質量部を単独で使用しても良く、粒度分布を調整する目的で0.001〜0.1質量部の界面活性剤と併用しても良い。界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。
【0155】
これら無機分散剤を用いる場合には、そのまま使用しても良いが、水系媒体中にて前記無機分散剤粒子を生成させると、より細かい粒子を得ることができる。例えば、リン酸カルシウムの場合、高速撹拌下、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、水不溶性のリン酸カルシウムを、より均一で細かく分散した状態で生成させることができる。
【0156】
この時、同時に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶解が抑制されて、乳化重合による超微粒トナーが発生し難くなるので、より好都合である。
【0157】
しかしながら前記水溶性塩は、重合反応終期に、残存する重合性単量体を除去する時には障害となることから、水系媒体を交換するか、イオン交換樹脂で脱塩する等により除去することが好ましい。無機分散剤は、重合終了後に、酸或いはアルカリで溶解することができ、ほぼ完全に取り除くことができる。
【0158】
重合性単量体組成物の重合においては、重合温度は40℃以上、一般には50〜90℃に設定される。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられるべきワックス成分が相分離により析出して、ワックス成分の内包化がより完全となる。残存する重合性単量体を消費するために、重合反応終期ならば、反応温度を90〜150℃にまで上げることは可能である。本発明に用いられるトナーは、重合終了後、得られたトナーを公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、無機微粒子を混合し、トナー粒子の表面に付着させることで得ることができる。また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカットすることも、望ましい形態の一つである。
【0159】
次に本発明に関わる画像形成装置について図を用いて説明する。
【0160】
図2は、本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成を示す。本発明において、単色の画像形成を行う画像形成装置にて具現化されているが、本発明は図4などのフルカラー画像形成装置によっても実施でき、またこれらに限定されるものではない。
【0161】
本発明の画像形成装置は、その概略中心部に、像担持体としてのドラム状の電子写真感光体、即ち、感光ドラム110を、矢印方向に回転可能に支持している。画像形成動作が開始すると、感光ドラム110の表面を帯電手段210が一様に帯電させる。その後、この感光ドラム110表面に、露光手段としてのレーザー照射ユニット310が画像情報に対応した露光を行い、感光ドラム110上に静電潜像が形成する。本発明によると、感光ドラム110の帯電電荷は負極性であり、レーザー照射ユニット310からの露光によってこの負極性の帯電電荷が減衰した部分が画像部を形成する。
【0162】
静電潜像はその後、感光ドラム110の回転に伴って、現像装置410が供給する現像剤であるトナーにより可視化されて、感光ドラム110上に所謂トナー像が形成される。本実施例では現像は反転現像にて行い、帯電電荷と同極性(負極性)のトナーが、感光ドラム110上の負極性帯電が減衰した画像部に付着する。又、現像装置410へは、現像剤収容手段としてのトナーホッパー510から現像剤が逐次補給される。
【0163】
一方、不図示のカセットに収容された記録材Pは、給紙ローラ910によって感光ドラム1と転写手段としての転写ローラ610とが当接する転写領域へと、感光ドラム110上のトナー像が転写領域に至るのに同期して搬送されてくる。
【0164】
こうして、感光ドラム110上のトナー像と記録材Pとが転写領域に至ると、転写ローラ610によって転写領域に形成される転写電界の作用で、トナー像が記録材P上に転写される。その後、未定着トナー像を担持した記録材Pは定着装置810の備える定着手段(ヒートローラ)810aによる加熱、及び加圧手段810bによる加圧を受けて、未定着トナー像は記録材P上に定着され、永久画像が形成する。
【0165】
また、トナー像の転写を終了した感光ドラム110は、ブレード状のクリーニング手段を備えるクリーニング装置710によって感光ドラム1表面に残留する転写残トナーの除去を受けて、続く画像形成動作に備える。
【0166】
次に、本発明の画像形成装置に備えられる現像装置410、トナーホッパー510について更に説明する。図3は、本発明に従う現像装置410、トナーホッパー510の概略構成とその近傍を示す。
【0167】
本発明によると、現像装置410は、現像剤担持体としての現像ローラ411を感光ドラム110に当接させ、現像剤を感光ドラム110と「接触」させた状態で現像を行う接触現像方式を採用している。
【0168】
現像装置410において、現像容器416は、感光ドラム110と対向する側の一部が開口しており、この開口部から一部露出するように現像剤担持体としての現像ローラ411が矢印方向に回転可能に現像容器416に支持されている。現像ローラ411は弾性体を含み所定の当接圧にて感光ドラム110に当接している。又、現像容器416の開口部には、現像ローラ411の下部からのトナーの飛散を防止するために、吹き出し防止シート417が設けられている。
【0169】
現像ローラ411は、カーボンなどの導電剤を分散させたシリコーン、ウレタンなどの低硬度のゴム材或は発泡体、及びその組み合わせにより構成された半導電性弾性体ローラである。
【0170】
現像容器416の開口部と反対側の上部に現像剤撹拌手段としての撹拌部材414が矢印方向に回転可能に設けられ、現像容器416内のトナーとトナーホッパー510から補給されるトナーを撹拌する撹拌領域Rを形成している。
【0171】
撹拌領域Rを挟んだ現像容器416及びその外側には、撹拌領域Rのトナー面の高さを検知する為の、発光部415a、透過窓415b、受光部415cからなる光学方式を用いたトナー面検知手段415が配置されており、撹拌部材414の回転に伴ってトナーの剤面が変化するときの光の透過時間の割合を測定し、撹拌領域Rにおけるトナーの面の高さ情報を得ている。
【0172】
撹拌領域Rの下方には、現像剤供給及び回収手段としての供給ローラ413が現像ローラ411に当接して配置される。供給ローラ413は弾性発泡体からなる弾性ローラであり、現像ローラ411に対し当接点において逆方向に回転している。
撹拌領域Rにおいて撹拌部材414により十分に撹拌され、その後、主に重力による移動により供給ローラ413近傍に供給されたトナーは、供給ローラ413により搬送され、現像ローラ411に供給される。
【0173】
現像容器416には、現像ローラ411に加圧するように現像剤層厚規制部材としてのブレード412が設けられている。ブレード412は板バネ状の金属薄板412aに現像ローラ411当接面側表面に絶縁層411bを設けた弾性規制部材であり、現像ローラ411上に供給されたトナーは、このブレード412によって層厚を規制され、且つ、塗布されて現像ローラ411上にトナーの薄層が形成する。更に、このときの現像ローラ411及びブレード412それぞれの表面との摩擦によって、トナーには現像に供するのに十分な電荷が付与される。
【0174】
その後、現像ローラ411上のトナーの薄層は、現像ローラ411の回転に伴って、感光ドラム1と現像ローラ411とが当接する現像領域(現像ニップ)へと搬送され、トナーは感光ドラム1に接触した状態で現像に供される。即ち、感光ドラム1と現像ローラ411との間に現像電界が形成されるように、電源(図示せず)が接続されており、この現像電界の作用により現像ローラ411上のトナーは感光ドラム1上の静電潜像に転移し、感光ドラム111上には、トナー像が形成して静電潜像が可視化する。
【0175】
また、現像ローラ411上に塗布され、現像ニップへと担持搬送されたが、現像には寄与せず、現像ローラ411上に更に担持されたままのトナーは、供給ローラ413による摺擦で現像ローラ411上から剥ぎ取られ、その一部は新たに供給ローラ413上に供給されたトナーと共に再び供給ローラ413によって現像ローラ411上へと供給され、残りは現像容器416内へと戻される。尚、本発明では、供給ローラ403は現像剤供給及び回収手段として2つの機能を兼ねているが、本発明はこれに限定されるものではなく、現像剤供給手段と現像剤回収手段とを別個に設けることも可能である。
【0176】
本発明における画像形成装置のプロセススピードは150mm/secであり、これに対する、現像ローラ411の周速は225mm/secである。
【0177】
また、現像装置4は画像形成装置に対し着脱可能に構成されており、所定寿命(本実施例ではA4サイズ換算にて3万枚に設定されている)により、交換される構成となっている。
【0178】
各構成要素の配置において、前記撹拌部材414は、その可動範囲の鉛直方向下端γを、供給ローラ413の鉛直方向上端α、または後述する規制手段としてのブレード412の現像ローラ411との接点βのいずれか高い方(本実施例ではブレード412の現像ローラ411との接点βである)よりも上方に配置している。また、画像形成装置は、トナー面検知手段415からのトナー面の高さ情報を得ることにより、後述する制御手順により前記撹拌部材414の可動範囲の鉛直方向下端γから現像容器416の上面の容器壁の高さδ未満の範囲内の図中γ’からδ’の一定範囲にトナー面が保たれるように、トナーホッパー510からの補給を制御している。
【0179】
トナーホッパー510内には、トナーホッパー510内のトナーを解す為の撹拌部材514と、トナーホッパー510から現像装置410にトナーを補給するための補給ローラ513が配置されており、現像装置からの補給指令により、所定駆動時間当たり一定量のトナーを現像装置410に補給できるように構成されている。
【0180】
次に、トナー量の検出及びトナーの補給動作について説明する。
【0181】
前記のように、本実施例において、現像装置410の現像容器416内には撹拌部材414が矢印方向に回転可能に設けられ、現像容器416内のトナーとトナーホッパー510から補給されるトナーを撹拌する撹拌領域Rを形成している。
【0182】
また、撹拌領域Rを挟んだ現像容器416及びその外側には、撹拌領域Rのトナー面の高さを検知する為の光学方式のトナー面検知手段415が配置されており、撹拌部材414の回転に伴ってトナーの剤面が変化するときの光の透過時間の割合を測定し、撹拌領域Rにおけるトナー面の高さ情報を得ている。
【0183】
画像形成装置は、トナー面検知手段415からのトナー面の高さ情報を受けて、トナー面のレベルが図中γ’まで減少した際に、トナー補給指令を発しトナーホッパー5の補給ローラ513の駆動を開始する。このトナー補給指令により、補給ローラ513は所定駆動時間当たり一定量のトナーを現像装置410に補給する。また、この補給動作を継続し、トナー面検知手段415がトナー面のレベルが図中δ’まで上昇した事を検知すると、画像形成装置はトナー補給指令を停止し、補給ローラ513によるトナーの補給を停止する。
【0184】
これにより現像装置内のトナー面の高さは、前記撹拌部材414の可動範囲の鉛直方向下端γから現像容器416の上面の容器壁の高さδ未満の範囲内の図中γ’からδ’の一定範囲に保たれるように制御される。
【0185】
本実施例ではγ’は撹拌部材414の可動範囲の中心より高い位置、δ’は撹拌部材414の可動範囲の鉛直方向上端以下に設定されている。
【0186】
補給ローラ513は前記撹拌部材414の形成する撹拌領域Rの鉛直上方に配置されており、補給されたトナーが撹拌領域Rを確実に通過するように構成されている。
【0187】
この様な構成より、前記したように現像装置内の撹拌領域Rにおいてトナー面が撹拌部材414による現像装置内トナーと補給トナーの混合撹拌が十分に行われる様に制御されており、また、トナーは前記混合撹拌が十分なされた後に、撹拌領域Rと供給ローラ413、ブレード412の位置関係から画像形成によるトナー消費と主に重力による移動により供給ローラ413近傍にゆっくりと供給される。これにより、供給されたトナーが現像装置内のトナーと十分に混合されない状態で現像ローラに供給されてしまうことがなく、そのために発生していた濃度ムラ、カブリ、トナーボタ落ちの発生を防止することが可能である。また、トナー面の高さは現像容器416の上面の容器壁に当たらない様に制御される為、補給過剰により現像容器416内にトナーが満タン状態となりトナー圧力が上がることも無く、それによるトナー劣化の促進、トナー漏れ、トナーコートムラ起因の濃度ムラ、駆動トルクアップ等の問題の発生も防止することが出来る。
【0188】
本発明のトナーを用いて画像形成を行うことにより、画像耐久を通してトナーの耐久劣化が抑えられ、画像耐久における後半で、逐次トナーが補給されても補給時かぶりや濃度ムラ、ボタ落ちなどの画像不良がなく、常に安定した画像を提供することができる。
【実施例】
【0189】
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。
【0190】
トナー製造例1
イオン交換水400質量部に、0.1M−Na3PO4水溶液450質量部を投入し、50℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68質量部を添加し、リン酸カルシウム塩を含む水系媒体を得た。
【0191】
一方、
スチレン 83質量部
n−ブチルアクリレート 17質量部
カーボンブラック(BET60m2/g) 7.5質量部
飽和ポリエステル 10質量部
(酸価10mgKOH/g、ピーク分子量11,000)
エステルワックス(吸熱ピーク=66℃) 12質量部
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸の金属化合物) 1質量部
上記処方を67℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0192】
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて11,000rpmで撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。
【0193】
その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、5時間経過時に昇温速度40℃/hrで80℃に昇温し、5時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、6時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解した。その後、ろ過、イオン交換水による水洗、乾燥をして、トナー粒子(1)を得た。
【0194】
このトナー粒子100質量部に対し、シリカ粒子に対して0.5%アルミニウムを含有した複合酸化物粒子に、ヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:200m2/g、平均一次粒径30nm)1.5質量部とマグネシウム化合物0.1質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で4000rpm×5分間乾式混合して、本発明のトナー1とした。
【0195】
東亜医用電子株式会社製のフロー式粒子像測定装置を用いて、トナー1の重量平均粒径及び平均円形度を算出したところ、それぞれ6.7μm及び0.97であった。
【0196】
表1にトナーの物性値を示す。
【0197】
トナー製造例2
シリカ粒子に対して0.5%チタンを含有した複合酸化物粒子に、ヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:200m2/g、平均一次粒径30nm)1.5質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー2とした。得られたトナーの物性を表1に示す。
【0198】
トナー製造例3
シリカ粒子に対して0.5%のアルミニウムを含有した複合酸化物粒子を1.5質量部用い、かつヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:300m2/g)を0.5質量部併用して用いたこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー3とした。得られたトナーの物性を表1に示す。
【0199】
トナー製造例4
シリカ粒子に対して0.5%のアルミニウムを含有した複合酸化物粒子を1.0質量部用い、かつヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:300m2/g)を0.5質量部併用して用いたこと以外は製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー4とした。得られたトナーの物性を表1に示す。
【0200】
トナー製造例5
シリカ粒子に対して1.0%マグネシウムを含有した複合酸化物粒子に、ヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:200m2/g、平均一次粒径30nm)1.5質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー5とした。得られたトナーの物性を表1に示す。
【0201】
トナー製造例6
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸の金属化合物)を1.5質量部に変更させてトナー製造例1と同様にトナー粒子を作成し、本発明のトナー粒子(2)を得た。その後、シリカ粒子に対して1.0%マグネシウムを含有した複合酸化物粒子に、ヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:45m2/g、平均一次粒径30nm)1.5質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー6とした。得られたトナーの物性を表1に示す。
【0202】
トナー製造例7
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸の金属化合物)を0.5質量部に変更させてトナー製造例1と同様にトナー粒子を作成し、本発明のトナー粒子(3)を得た。その後、シリカ粒子に対して1.0%マグネシウムを含有した複合酸化物粒子に、ヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:200m2/g、平均一次粒径30nm)1.5質量部、かつヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:300m2/g)を0.5質量部併用に変更したこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー7とした。得られたトナーの物性を表1に示す。
【0203】
トナー製造例8
ヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:300m2/g)を併用しないこと以外は、製造例7と同様にした。本製造例によるトナーをトナー8とした。得られたトナーの物性を表1に示す。
【0204】
トナー製造例9
カーボンブラックの替わりに、C.I.ピグメントイエロー174を10質量部使用し、トナー粒子(4)を得た。その後、シリカ粒子に対して0.5%のアルミニウムを含有した複合酸化物粒子を1.5質量部用い、かつヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:300m2/g)を0.5質量部併用して用いたこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー9とした。得られたトナーの物性を表1に示す。
【0205】
トナー製造例10
カーボンブラックの替わりに、C.I.ピグメントレッド122を10質量部使用し、トナー粒子(5)を得た。その後、シリカ粒子に対して0.5%のアルミニウムを含有した複合酸化物粒子を1.5質量部用い、かつヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:300m2/g)を0.5質量部併用して用いたこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー10とした。得られたトナーの物性を表1に示す。
【0206】
トナー製造例11
カーボンブラックの替わりに、C.I.ピグメントブルー15:3を10質量部使用し、トナー粒子(6)を得た。その後、シリカ粒子に対して0.5%のアルミニウムを含有した複合酸化物粒子を1.5質量部用い、かつヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:300m2/g)を0.5質量部併用して用いたこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー11とした。得られたトナーの物性を表1に示す。
【0207】
トナー製造例12
トナー製造例1で得られたトナー粒子(1)に対し、シリカ粒子に対して1.3%のアルミニウムを含有した複合酸化物粒子を1.5質量部用いたこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー12とした。得られたトナーの物性を表2に示す。
【0208】
トナー製造例13
トナー製造例1で得られたトナー粒子(1)に対し、シリカ粒子に対して1.1%のアルミニウムを含有した複合酸化物粒子を1.5質量部用いたこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー13とした。得られたトナーの物性を表2に示す。
【0209】
トナー製造例14
トナー製造例1で得られたトナー粒子(1)に対し、シリカ粒子に対して0.08%のアルミニウムを含有した複合酸化物粒子を1.5質量部用いたこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー14とした。得られたトナーの物性を表2に示す。
【0210】
トナー製造例15
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸の金属化合物)を0.4質量部に変更させ、TK式ホモミキサーにて7,000rpmに変更した以外は、トナー製造例1と同様にトナー粒子を作成し、本発明のトナー粒子(7)を得た。その後、シリカ粒子に対して0.5%アルミニウムを含有した複合酸化物粒子に、ヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:200m2/g、平均一次粒径30nm)1.5質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー15とした。得られたトナーの物性を表2に示す。
【0211】
トナー製造例16
負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸の金属化合物)を2.5質量部に変更させ、TK式ホモミキサーにて20,000rpmに変更した以外は、トナー製造例1と同様にトナー粒子を作成し、本発明のトナー粒子(8)を得た。その後、シリカ粒子に対して0.5%アルミニウムを含有した複合酸化物粒子に、ヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:200m2/g、平均一次粒径30nm)1.5質量部に変更したこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー16とした。得られたトナーの物性を表2に示す。
【0212】
トナー製造例17
スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(質量比80/20) 80質量部
(Mn=24300 Mw/Mn=3.0)
飽和ポリエステル樹脂4.5質量部(Mn=17000 Mw/Mn=2.4)3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 3質量部
カーボンブラック(BET60m2/g) 10質量部
製造例1で用いたエステルワックス 5質量部
上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級して重量平均粒径7.2μmのトナーを得た。その後バッチ式の衝撃式表面処理装置で球形化処理を行った(処理温度45℃、回転式処理ブレード周速80m/sec、処理時間3分)。得られたトナー粒子をトナー粒子9とする。
【0213】
このトナー粒子100質量部に対し、シリカ粒子に対して0.5%アルミニウムを含有した複合酸化物粒子に、ヘキサメチルジシラザンで処理した後にシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:200m2/g、平均一次粒径30nm)1.5質量部とマグネシウム化合物0.1部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で4000rpmで5分間乾式混合して、本発明のトナー17とした。得られたトナーの物性を表2に示す。
【0214】
トナー製造例18
トナー製造例1で得られたトナー粒子1に対し、シリカ粒子に対して0.05%のアルミニウムを含有した複合酸化物粒子を1.0質量部用い、かつシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:380m2/g)を0.5質量部併用して用いたこと以外は、製造例1と同様にした。本製造例によるトナーをトナー18とした。得られたトナーの物性を表2に示す。
【0215】
<実施例1>
トナー(1)を非磁性一成分系現像剤(1)とし、当該現像剤を図2に示すような画像形成装置を用い、高温高湿度条件下(温度30℃,湿度80%RH)および低温低湿条件下(温度15℃,湿度10%RH)において画像評価を行った。画像形成装置について、以下に説明する。
【0216】
図2は、非磁性一成分接触現像方式の電子写真プロセスを利用した、1200dpiレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−840)改造機の概略図である。本実施例では、現像装置に対し、逐次トナーを補給するトナーホッパー部を追加し、更に下記(a)〜(h)の条件を追加改造した装置を使用した。
【0217】
(a)装置の帯電方式をゴムローラーを当接して行う直接帯電とし、印加電圧を直流成分(−1200V)とした。
【0218】
(b)トナー担持体をカーボンブラックを分散したシリコーンゴムからなる中抵抗ゴムローラー(直径16mm、硬度ASKER−C45度、抵抗105Ω・cm)に変更し、感光体に当接した。
【0219】
(c)該トナー担持体の回転周速は、感光体との接触部分において同方向であり、該感光体回転周速に対し140%となるように駆動した。
(d)本発明における画像形成装置のプロセススピードは150mm/secであり、これに対する、現像ローラ411の周速は225mm/secである。
【0220】
(e)感光体を以下のものに変更した。
【0221】
ここで用いる感光体としてはAlシリンダーを基体としたもので、これに以下に示すような構成の層を順次浸漬塗布により積層して、感光体を作製した。
・導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚15μm。
・下引き層:変性ナイロン及び共重合ナイロンを主体とする。膜厚0.6μm。
・電荷発生層:長波長域に吸収を持つチタニルフタロシアニン顔料をブチラール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚0.6μm。
・電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂(オストワルド粘度法による分子量2万)に8:10の質量比で溶解したものを主体とする。膜厚20μm。
【0222】
(f)トナー担持体にトナーを塗布する手段として、現像器内に発泡ウレタンゴムからなる塗布ローラーを設け、該トナー担持体に当接させた。塗布ローラーには、約−550Vの電圧を印加する。
【0223】
(g)該トナー担持体上トナーのコート層制御のために、樹脂をコートしたステンレス製ブレードを用いた。
【0224】
(h)現像時の印加電圧をDC成分(−450V)のみとした。
【0225】
該画像形成装置に用いられるトナー担持体と同径、同硬度、同抵抗を有するゴムローラー表面に市販の塗料をごく薄く塗布し、画像形成装置を仮組みしたあと該ゴムローラーを取り外し、光学顕微鏡によりステンレスブレード表面を観察し、NE長を測定した。
【0226】
NE長は1.05mmであった。
【0227】
(I)クリーニングブレードの当接圧を初期設定の85%にした。
【0228】
これらのプロセスカートリッジの改造に適合するよう電子写真装置に以下のように改造及びプロセス条件設定を行った。
【0229】
改造された装置はローラー帯電器(直流のみを印加)を用い像担持体を一様に帯電する。帯電に次いで、レーザー光で画像部分を露光することにより静電潜像を形成し、トナーにより可視画像とした後に、電圧を+700V印加したローラーによりトナー像を転写材に転写するプロセスを持つ。
【0230】
感光体帯電電位は、暗部電位を−600Vとし、明部電位を−150Vとした。
【0231】
以上の条件で、高温高湿環境(30℃,80%RH)および低温低湿環境(15℃,10%RH)の環境下にて2%の印字比率の画像を30000枚までプリントアウトに際して、1000枚ごとにハーフトーン画像を出力し、画像上の補給時かぶり、画像濃度ムラ、放置かぶり、トナーボタ落ち、部材汚染の評価を行った。
【0232】
(1)補給時かぶり
「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、耐久評価終了時の画像カブリを評価した。フィルターは、シアンの場合はアンバーライト、イエローの場合はブルー、マゼンタ及びブラックではグリーンフィルターを用いた。
A:非常に良好 0.5%未満
B:良好 0.5%以上乃至1.0%未満
C:実用上問題なし 1.0%以上乃至1.5%未満
D:やや難あり 1.5%以上
E:難あり 2.0%以上
【0233】
(2)放置かぶり
A:非常に良好 0.5%未満
B:良好 0.5%以上乃至1.0%未満
C:実用上問題なし 1.0%以上乃至1.5%未満
D:やや難あり 1.5%以上
E:難あり 2.0%以上
【0234】
(3)濃度ムラ
通常の複写機用普通紙(75g/m2)の転写材を用いて、画出し試験において初期と耐久評価終了時にベタ画像を出力し、その濃度を測定することにより評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定し、原稿濃度がMAXの部分とMINの部分の差分を評価した。
A:非常に良好 0.03未満
B:良好 0.05以上、0.08未満
C:実用上問題なし 0.08以上、0.12未満
D:やや難あり 0.12以上、0.15未満
E:難あり 0.15以上、0.20未満
【0235】
(4)ボタ落ち
1000枚おきのサンプリングにて、ベタ画像1枚・ハーフトーン画像1枚を出力し、ハーフトーン画像におけるトナーボタ落ち個数、大きさからボタレベルを判別した。
A:非常に良好 未発生
B:良好 非常に軽微なボタが非画像部分に1個確認
C:実用上問題なし 非常に軽微なボタが非画像部分に2〜3個確認
D:やや難あり 非常に軽微なボタが画像部分に2〜3個確認
E:難あり 画像部に明らかにボタ発生が確認される
【0236】
(5)部材汚染
トナー現像容器内のトナー規制ブレード、感光体等に付着した汚染レベルを判断した。
A:非常に良好 汚染なし
B:良好 トナー規制部材、感光体、トナー担持体に目視で若干汚染が確認で
きるが、画像には表れていない程度。
C:実用上問題なし トナー規制部材、感光体、トナー担持体に目視で汚染が確認できる が、画像には表れていない程度。
D:やや難あり トナー規制部材、感光体、トナー担持体に目視で汚染が確認でき、 かつ画像に軽微に表れている程度。
E:難あり 画像部に部材汚染由来の欠陥が見受けられる
【0237】
本発明では、Cランク以上が許容範囲内である。
【0238】
<実施例1、2>
上記条件でトナー1、2を評価したところ、上記項目に関しては、高温高湿環境での放置かぶりが0.8%でB評価であったものの、その他の項目に関しては良好な結果であった。評価結果を表3に示す。
【0239】
<実施例3、4>
上記条件でトナー3、4を評価したところ、上記項目に関しては、すべての項目に関して良好な結果であった。評価結果を表3に示す。
【0240】
<実施例5、6>
上記条件でトナー5,6を評価したところ、上記項目に関して、両環境での部材汚染と高温高湿環境での放置かぶりがBランクであったが、その他の項目に関してはすべて良好な結果であった。評価結果を表3に示す。
【0241】
<実施例7>
上記条件で、トナー7を評価したところ、部材汚染が両環境ともに許容範囲レベルであったものの、それ以外の項目に関しては、良好な結果であった。評価結果を表3に示す。
【0242】
<実施例8〜11>
上記条件で、トナー8〜11を評価したところ、良好な結果であった。評価結果を表3に示す。
【0243】
<実施例12>
画像形成装置が、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のプロセスカートリッジが一列に並び、画像を形成するインラインフルカラー画像形成装置であること以外は、実施例1と同様の条件で、トナー3、トナー9、トナー10、トナー11をフルカラーで評価した。
【0244】
図4に示す画像形成装置はフルカラーレーザービームプリンタであり、感光ドラム上に形成された各色トナー像を多重転写しフルカラートナー像を形成する第二の像担持体である中間転写体620が配置されている。
【0245】
また、実施例1と同形態の現像装置420(Y、M、C、K)が、感光ドラム120、帯電ローラ220、クリーナーユニット720と一体的に構成され、所定の耐久寿命で画像形成装置に対し交換可能とされたプロセスカートリッジとして構成され、画像形成本体に着脱可能なイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを各収容した4つのプロセスカートリッジPC(Y、M、C、K)(図6にブラックのプロセスカートリッジを示す)を備えている。各プロセスカートリッジPC(Y、M、C、K)内の感光ドラム、現像ローラ、帯電ローラ等の構成、動作等は実施例1と同じ為説明を省略する。
【0246】
感光ドラム120表面に形成されたトナー像はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのプロセスカートリッジPC(Y、M、C、K)の配置順に従い中間転写体620上に多重形成され、給紙ローラ920により搬送される転写材に転写され、次いで不図示の定着装置によって加熱・加圧定着されフルカラー画像となって排出される。
【0247】
この条件で評価したところ、すべての評価項目において、良好な結果が得られた。評価結果を表3に示す。
【0248】
<比較例1>
実施例1と同条件で、トナー12を評価したところ、アルミニウム含有量が多すぎる為、抵抗値が低下し、放置かぶり等が悪化し、実用許容レベルを外れた。詳細な結果を表4に示す。
【0249】
<比較例2>
実施例1と同条件で、トナー13を評価したところ、まだアルミニウム含有量が多く、抵抗値が下がり、放置かぶりなどが悪化した。詳細な結果を表4に示す。
【0250】
<比較例3>
実施例1と同条件で、トナー14を評価したところ、アルミニウム含有量が少なすぎた為、抵抗値が上がり、補給時かぶりの改善効果が見られなかった。詳細な結果を表4に示す。
【0251】
<比較例4>
実施例1と同条件で、トナー15を評価したところ、トナー粒子が大きくなり、それに伴う表面オキシカルボン酸量が減少したことにより、転写が悪くなり、また補給時かぶりも耐久後半悪化した。詳細な結果を表4に示す。
【0252】
<比較例5>
実施例1と同条件で、トナー16を評価したところ、トナー粒子が小さくなり、それに伴う表面オキシカルボン酸量が増加したことにより、補給時かぶりは耐久初期から悪化した。放置かぶりは良好な結果を示した。
【0253】
<比較例6>
実施例1と同条件で、トナー17を評価したところ、トナーの円径度が低下したことにより、転写が悪くなり、それに伴う現像に関わらなかったトナーが増え、補給した時の補給時かぶりが悪化した。詳細な結果を表4に示す。詳細な結果を表4に示す。
【0254】
<比較例7>
実施例1と同条件で、トナー18を評価したところ、アルミニウムの含有量が少ないため、無機微粒子を併用しても補給時かぶりに関しては良好な結果は得られなかった。詳細な結果を表4に示す。
【0255】
【表1】


【0256】
【表2】


【0257】
【表3】


【0258】
【表4】


【図面の簡単な説明】
【0259】
【図1】抵抗測定装置の概略図である。
【図2】本発明の画像形成装置の概略断面図である。
【図3】本発明の現像装置、トナーホッパーの概略断面図である。
【図4】本発明の実施例12の画像形成装置の概略断面図である。
【符号の説明】
【0260】
110、120、100 感光ドラム
210、220、200 帯電手段
310、300 露光手段
410、420、400 現像手段
414、424 撹拌手段
415、425 トナー面検知手段
510、520、500 トナーホッパー
610、620、600 転写手段
710、720、700 クリーニング手段




 

 


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