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発明の名称 転写ベルトおよび画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−11311(P2007−11311A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2006−149844(P2006−149844)
出願日 平成18年5月30日(2006.5.30)
代理人 【識別番号】100064447
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 正夫
発明者 江川 紀章
要約 課題
スティックスリップやブレードめくれを有効に抑制できる摩擦特性・密着特性と、光センサーを用いたトナー像の濃度・位置検知を良好に行うことのできる高い反射率とを両立した転写ベルト、および該転写ベルトを有する画像形成装置の提供。

解決手段
単一または複数の層から構成される転写ベルトにおいて、該単一層または該転写ベルトを構成する複数の層のうち最も表面側に位置する表層が、平均粒径が20nm以下かつ波長800nmの光に対する屈折率が2.3以上の粒子を含有する高分子組成物からなる層であり、該転写ベルトの表面粗さが、最大高さRzで0.3μm以下であることを特徴とする転写ベルト、ならびに該転写ベルトを有する画像形成装置。
特許請求の範囲
【請求項1】
単一または複数の層から構成される転写ベルトにおいて、
該単一層または該転写ベルトを構成する複数の層のうち最も表面側に位置する表層が、平均粒径が20nm以下かつ波長800nmの光に対する屈折率が2.3以上の粒子を含有する高分子組成物からなる層であり、
該転写ベルトの表面粗さが、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.3μm以下である
ことを特徴とする転写ベルト。
【請求項2】
前記屈折率2.3以上の粒子が酸化チタン粒子である請求項1に記載の転写ベルト。
【請求項3】
前記高分子組成物が結着材料としてアクリル樹脂を含有する請求項1に記載の転写ベルト。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の転写ベルトを有する画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真装置などの画像形成装置に用いられる転写材搬送ベルトや中間転写ベルトなどの転写に用いられるベルト、すなわち転写ベルトに関し、また、該転写ベルトを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置として、例えば、以下に説明するような電子写真方式を採用した画像形成装置(電子写真装置)がよく知られている。
まず、像担持体としての電子写真感光体の表面を帯電し、次いで、該表面に露光光(画像露光光)を照射することにより、電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する。次に、該静電潜像をトナーで現像することにより、電子写真感光体の表面にトナー像を形成し、次いで、該トナー像を紙などの転写材に転写することによって画像が得られる。トナー像を転写材に転写する際、転写材は、転写位置まで転写材搬送ベルトにより搬送される。
【0003】
また、電子写真感光体の表面のトナー像を転写材に転写する方式として、電子写真感光体の表面のトナー像を中間転写ベルトの表面に一次転写し、さらに、中間転写ベルトの表面のトナー像を転写材に二次転写する中間転写方式もよく知られている。
【0004】
転写材搬送ベルトや中間転写ベルトなどの転写ベルトを用いた画像形成装置においては、トナー像の濃度や位置の検知を行う方法として、転写ベルトの表面にトナーパッチを形成し、光センサーを用いて該検知を行う方法が採用されることがある。この方法は転写ベルトの表面の光の反射を利用する方法であるため、転写ベルトの表面の光の反射率が高いことが求められる。
【0005】
一方、この検知方法を採用する場合には、トナーパッチのトナーやトナーパッチ形成時に飛散したトナーなどの残トナーを転写ベルトから除去するクリーニング(ベルトクリーニング)が必要となる。
転写材搬送ベルトのクリーニングには、ベルトクリーニング用部材を別途用意する必要がないという利点から、残トナーを転写材搬送ベルトから電子写真感光体へ転写し、電子写真感光体用の残トナー容器に回収するという方法が多く採用されている。
【0006】
このベルトクリーニング方法においては、転写材搬送ベルトの周速と電子写真感光体の周速とに差をつけて回転させることによってクリーニング効率を向上させることが多い。ところが、転写材搬送ベルトと電子写真感光体との密着性が高く、静摩擦係数と動摩擦係数との間に大きな差があると、スティックスリップが起き、転写材搬送ベルトや電子写真感光体の回転や接触が安定せず、クリーニング効率の向上が図れなくなる。
【0007】
中間転写ベルトのクリーニングには、上記の残トナーに加えて、二次転写の際に転写されずに残ったトナー(二次転写残トナー)を除去する必要もあるため、ブレードを用いて中間転写ベルトの残トナーを掻き取り、除去する方法が多く採用されている。
【0008】
このベルトクリーニング方法においては、中間転写ベルトとブレードとの密着性が高いと、スティックスリップが起きたり、ブレードがめくれたり(ブレードめくれ)して、クリーニング効率が低下してしまう。
すなわち、転写材搬送ベルトや中間転写ベルトなどの転写ベルトの表面は、摩擦特性や密着特性を好適な範囲に収めなければならないという課題がある。
【0009】
この課題に対して、例えば特許文献1には、フッ素樹脂やシリコン樹脂などの樹脂粒子を転写ベルトに含有させる技術が開示されている。また、特許文献2には、摩擦係数や表面粗さを規定した転写ベルトが開示されている。
すなわち、従来から、転写ベルトの摩擦係数をある一定レベル以下に抑えるためには、転写ベルトの表層に表面エネルギーの小さい樹脂を用いる必要があること、あるいは、転写ベルトの表面を粗面にすることが知られている。
【0010】
しかしながら、上述した先行技術では、転写ベルトの表面の摩擦特性や密着特性を満足させると、反射率が低下してしまう場合がある。具体的には、フッ素樹脂やシリコン樹脂は屈折率が低いため、これらを含有させた転写ベルトの表面の反射率は低くなりやすい。また、樹脂粒子を含有させると、転写ベルトの表面にボイドが生じることがあるが、このボイドも転写ベルトの表面の反射率を低下させる要因となる。また、転写ベルトの表面を粗面にすると、上述の光センサーを用いたトナー像の濃度・位置検知方法においてノイズ成分となる拡散反射が大きくなる、といった課題がある。
【0011】
【特許文献1】特開平08−202064号公報
【特許文献2】特開2002−287528号公報
【特許文献3】特開平07−205274号公報
【特許文献4】特許第3441860号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上述のスティックスリップやブレードめくれを有効に抑制できる摩擦特性・密着特性と、上述の光センサーを用いたトナー像の濃度・位置検知を良好に行うことのできる高い反射率とを両立した転写ベルト、および、該転写ベルトを有する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち、本発明は、単一または複数の層から構成される転写ベルトにおいて、
該単一層または該転写ベルトを構成する複数の層のうち最も表面側に位置する表層が、平均粒径が20nm以下かつ波長800nmの光に対する屈折率が2.3以上の粒子を含有する高分子組成物からなる層であり、
該転写ベルトの表面粗さが、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.3μm以下である
ことを特徴とする転写ベルトである。
また、本発明は、上記転写ベルトを有する画像形成装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上述の光センサーを用いたトナー像の濃度・位置検知方法を採る場合、光センサーからの光としては、近赤外領域(波長700乃至2500nm)や可視光領域の光が用いられることが多く、近赤外領域の光が用いられることが特に多い。よって、転写ベルトの表面はこれら波長領域の光に対する反射率が高いことが求められる。
このため、本発明の転写ベルトの表層に用いられる粒子は、波長800nmの光に対する屈折率が2.3以上であるものである。
ここで粒子の屈折率とはその粒子から作られた物質の屈折率を意味する。従って、「波長800nmの光に対する屈折率が2.3以上である粒子」は、波長800nmの光に対する屈折率が2.3以上である物質から作られた粒子を意味する。
【0015】
また、転写ベルトの表層に用いられる粒子と表層の結着材料(高分子材料)の均一性が悪いと拡散反射が大きくなるので、本発明の転写ベルトの表層に用いられる粒子の平均粒径は20nm以下である。本発明において、粒子の平均粒径は、粒子の断面をTEMで観察し、一次粒径を数平均したものである。
【0016】
また、転写ベルトの表面の粗さが大きいと拡散反射が大きくなるので、本発明の転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0μmより大きく0.3μm以下である。本発明において、転写ベルトの表面粗さは、(株)小坂研究所の触針式表面粗さ計(Surfcorder SE−30C)を使用して測定した(基準長さ:0.25mm,評価長さ:1.25mm)。
【0017】
本発明の転写ベルトの表層に用いられる粒子としては、上記条件を満足するものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、高屈折率であり、平均で20nm以下の粒径が安定して得られ、比較的安価な酸化チタン粒子が好ましい。一方、粒径の安定性の観点から、本発明の転写ベルトの表層に用いられる粒子の平均粒径は5nm以上が好ましい。
【0018】
本発明の転写ベルトは単層構成であってもよいし、複数の層からなる構成であってもよいが、表層に上記粒子を含有させると転写ベルトの耐屈曲性が低下する場合があるため、粒子を含有させた表層を含む複数の層で構成されていることが好ましい。具体的には、本発明の転写ベルトは、図1に示すような基層101と表層102とからなる2層構成が好ましい。
【0019】
転写ベルトが複数の層で構成されている場合、表層の結着材料として用いられる高分子材料は、転写ベルトの摺動時においても割れや削れが発生せず、長期の使用に耐えられることが求められる。これらの特性を満たし、かつ、製造する上で下の層(基層)の上に表層を形成しやすい結着材料(高分子材料)としては、アクリル樹脂やアクリルウレタン樹脂が好ましい。
【0020】
転写ベルトが複数の層で構成されている場合の表層以外の層や、転写ベルトが単層構成である場合の該単層に用いられる材料(結着材料)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリサルホン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルニトリル、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、サーモトロピック液晶ポリマー、非熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリアミドなどが挙げられる。
【0021】
転写ベルトを用いた画像形成装置において好適な画像を出力するためには、転写ベルトには適切な導電性が求められる。転写ベルトに導電性を付与するためには、導電性フィラーを添加することがよく行われるが、導電性フィラーとしては、各種公知のものを用いることができる。具体的には、カーボンブラック、カーボンファイバーおよびグラファイト粉末などのカーボン系フィラーや、金属系導電性フィラーや、金属酸化物系導電性フィラーなどを用いることができる。
【0022】
次に、本発明の転写ベルトの使用形態について説明する。
図2は、本発明の転写ベルトを中間転写ベルトとして用いた画像形成装置(電子写真装置)の概略説明図である。
すなわち、図2において、1はドラム状の電子写真感光体(以下「感光ドラム」ともいう)であり、矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。感光ドラム1は、回転過程において、一次帯電器2により所定の極性および所定の電位に帯電処理され、次いで不図示の像露光器からの露光3を受ける。S1は一次帯電器の電源である。このようにして、目的のカラー画像の第1の色成分(例えばイエロー成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0023】
次に、その静電潜像が第1現像器41(イエローY現像器)により第1色であるイエロー成分像に現像される。このとき、第2、第3および第4の現像器、すなわち、マゼンタM現像器42、シアンC現像器43およびブラックBK現像器44は作動しておらず、感光ドラム1には作用しない。よって、第1色のイエロー成分像は、マゼンタ現像器42、シアン現像器43およびブラック現像器44による影響を受けない。
【0024】
中間転写ベルト7は、ローラー群64、65および66に張架され、かつ、感光ドラム1に接するように配置され、矢印Bの方向に感光ドラム1と同じ周速度で回転駆動される。そして、感光ドラム1上に形成された第1色のイエロー成分像が、感光ドラム1と中間転写ベルト7とのニップ部を通過する過程で、中間転写ベルト7の表面に一次転写される。一次転写は、バイアス電源S4から一次転写ローラー62に印加される一次転写バイアス(トナーとは逆極性)によって形成される電界により行われる。
【0025】
一次転写されずに感光ドラム1上に残留したイエロートナーは、クリーニング装置13でクリーニングされる。以下同様に、第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像および第4色のブラックトナー画像が順次中間転写ベルト上に重畳転写され、目的とするフルカラー画像に対応した合成カラートナー像が形成される。
【0026】
中間転写ベルト7上に形成された合成カラートナー像は、転写材Pに二次転写される。すなわち、転写材Pは、不図示のカセットから転写材供給ローラー10および転写材ガイド11を通過して中間転写ベルト7と二次転写ローラー63とのニップ部に供給される。同時に二次転写バイアスがバイアス電源S5から二次転写ローラー63に印加されることにより、転写材Pに中間転写ベルト7上の合成カラートナー像が二次転写される。合成カラートナー像が転写された転写材Pは定着器14へ導入され、合成カラートナー像が転写材Pに定着され目的のフルカラー画像が形成される。
また、中間転写ベルト7上に残留したトナーはベルトクリーニング用のクリーニング装置8’により回収される。
【0027】
図3は、本発明の転写ベルトを転写材搬送ベルト12に用いた画像形成装置(電子写真装置)の概略断面図である。
すなわち、図3においては、各色のトナー画像を形成するための感光ドラム1が4つ搭載され、各感光ドラムが転写材搬送ベルト12とニップを形成するように配置されている。転写材Pは、不図示のカセットから転写材供給ローラー10および転写材ガイド11を通過して転写材搬送ベルト12上に供給される。そして転写材Pは、転写材搬送ベルト12に担持され、順次搬送されて、各感光ドラム1と転写材搬送ベルト12とのニップを通過し、そのときに感光ドラム1上に形成された各色のトナー画像が転写材P上に重畳転写される。なお、各感光ドラム1上に各色のトナー画像が形成されるまでは、図2の画像形成装置と同様である。6は転写バイアス印可手段であり、S3はその電源である。4色のトナー画像が重畳転写され、目的とするフルカラー画像に対応した合成カラートナー像が形成された転写材Pは定着器14へ導入され、合成カラートナー像が転写材Pに定着されフルカラー画像が形成される。
【0028】
また、転写材搬送ベルト12上に残留したトナーはベルトクリーニング用の帯電装置8により帯電され、感光ドラム1と転写材搬送ベルト12とのニップ部で感光ドラム1に移り、クリーニング装置13により回収される。
【0029】
また、図2および3の画像形成装置のどちらの場合においても、トナー像の濃度の制御に関しては、中間転写ベルト7または転写材搬送ベルト12上に各色のトナーパッチを形成し、この濃度をセンサー50で検知している。そして、その検知結果を、印加電圧やレーザーパワーなどのプロセス条件にフィードバックすることによって、各色のトナー像の最大濃度やハーフトーン階調特性などを合わせている。トナー像の位置の制御についても、濃度の制御と同様である。
【実施例】
【0030】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の「部」はすべて「質量部」を意味する。
【0031】
(実施例1)
ポリフッ化ビニリデン(呉羽(株)製)にケッチェンブラックEC600(商品名:ライオン(株)製)粒子を10質量%添加して混練し、得られた組成物をシート状に押し出し、厚さ100μmのシートを得た。このシートの両端を繋ぎ合わせて円筒状(エンドレスベルト状)に成形し、転写ベルトの基層とした。
シートを円筒状に成形する方法としては、その繋ぎ目の段差が使用する用途に対して、影響がない程度に繋ぎ合わせられ、かつ、使用する用途に十分耐える強度を有していれば、いかなる方法でもよい。例えば、シート状プラスチックを円筒状に成形する方法として、特許文献3にはシート両端部のみを溶着する方法が記載されている。また、特許文献4には、熱膨張係数の異なる2つの円筒金型の間にシート状プラスチックの端部を略合わせるような状態で配置し、金型を含む全体を加熱してエンドレスベルトを得る方法が記載されている。本実施例では、特許文献4の方法を利用して転写ベルトの基層を得た。
【0032】
次に、以下の表層用高分子組成物をメチルイソブチルケトン(溶媒)100部に溶解させてなる表層材料を上記基層にスリットコートし、これに紫外線を照射して厚さ1μmの表層を形成した。
・表層用高分子組成物
紫外線硬化性アクリル樹脂(JSR製) 100部
酸化チタン粒子(平均粒径:20nm、触媒化成製) 50部
このようにして、基層および表層からなる転写ベルトを作製した。
作製した転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.2μmであった。
【0033】
(実施例2)
実施例1において、表層用高分子組成物に用いた酸化チタン粒子の使用量を50部から25部に変更した以外は、実施例1と同様にして転写ベルトを作製した。
作製した転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.2μmであった。
【0034】
(比較例1)
実施例1において、表層用高分子組成物に用いた酸化チタン粒子50部をアンチモン酸亜鉛粒子(平均粒径:20nm、日産化学製)50部に変更した以外は、実施例1と同様にして転写ベルトを作製した。
作製した転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.2μmであった。
【0035】
(比較例2)
比較例1において、表層用高分子組成物に用いたアンチモン酸亜鉛粒子の使用量を50部から25部に変更した以外は、比較例1と同様にして転写ベルトを作製した。
作製した転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.2μmであった。
【0036】
(比較例3)
実施例1において、表層用高分子組成物に用いた酸化チタン粒子50部をフッ素樹脂粒子(平均粒径:20nm、ヘキスト社製)50部に変更した以外は、実施例1と同様にして転写ベルトを作製した。
作製した転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.2μmであった。
【0037】
(比較例4)
比較例3において、表層用高分子組成物に用いたフッ素樹脂粒子の使用量を50部から25部に変更した以外は、比較例3と同様にして転写ベルトを作製した。
作製した転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.3μmであった。
【0038】
(比較例5)
実施例1において、表層用高分子組成物に用いた酸化チタン粒子50部をシリコーン樹脂粒子(平均粒径:20nm、東レ・ダウコーニング・シリコーン製)50部に変更した以外は、実施例1と同様にして転写ベルトを作製した。
作製した転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.3μmであった。
【0039】
(比較例6)
比較例5において、表層用高分子組成物に用いたシリコーン樹脂粒子の使用量を50部から25部に変更した以外は、比較例5と同様にして転写ベルトを作製した。
作製した転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.3μmであった。
【0040】
〔評価1〕
実施例1および2ならびに比較例1乃至6の転写ベルトのスティックスリップの発生の有無の確認と、波長800nmの光に対する反射率の測定を行った。結果を表1に示す。なお、転写ベルトの反射率は、分光光度計(商品名:U4000、日立製作所製)により入射角5°の際の正反射を測定したものである。
【0041】
【表1】


【0042】
表1から明らかなように、実施例1および2の転写ベルトは、スティックスリップが抑制された良好な摩擦特性・密着特性と、高い反射率とを、高次元で両立することができた。
【0043】
(実施例3)
実施例1と同様にして転写ベルトを作製した。作製した転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.2μmであった。
【0044】
(比較例7)
実施例3において、表層用高分子組成物に用いた酸化チタン粒子を平均粒径が20nmであるものから平均粒径が30乃至50nmの範囲にあるもの(石原産業製)に変更した以外は、実施例3と同様にして転写ベルトを作製した。
作製した転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.3μmであった。
【0045】
(比較例8)
実施例3において、表層用高分子組成物に用いた酸化チタン粒子を平均粒径が20nmであるものから平均粒径が50乃至90nmの範囲にあるもの(石原産業製)に変更した以外は、実施例3と同様にして転写ベルトを作製した。
作製した転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.3μmであった。
【0046】
〔評価2〕
実施例3ならびに比較例7および8の転写ベルトのスティックスリップの発生の有無の確認と、波長800nmの光を利用した光センサーによる位置検知精度の優劣を確認した。結果を表2に示す。
【0047】
【表2】


【0048】
表層に用いた粒子の平均粒径が小さいほどノイズ成分が少なくなり、位置検知精度が良好になった。
【0049】
(実施例4)
実施例1と同様にして転写ベルトを作製した。
作製した転写ベルトの表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601(2001))で0.2μmであった。
【0050】
(実施例5)
実施例1と同様にして転写ベルトを作製した。
次に、ラッピングペーパーを用いて転写ベルトの表面を粗面化し、表面粗さの最大高さRz(JIS B 0601(2001))が0.3μmになるように調整した。
【0051】
(比較例9)
実施例1と同様にして転写ベルトを作製した。
次に、ラッピングペーパーを用いて転写ベルトの表面を粗面化し、表面粗さの最大高さRz(JIS B 0601(2001))が0.4μmになるように調整した。
【0052】
(比較例10)
実施例1と同様にして転写ベルトを作製した。
次に、ラッピングペーパーを用いて転写ベルトの表面を粗面化し、表面粗さの最大高さRz(JIS B 0601(2001))が0.5μmになるように調整した。
【0053】
〔評価3〕
実施例4および5ならびに比較例9および10の転写ベルトのスティックスリップの発生の有無の確認と、波長800nmの光を利用した光センサーによる位置検知精度の優劣を確認した。結果を表3に示す。
【0054】
【表3】


【0055】
転写ベルトの表面粗さ(Rz)が小さいほどノイズ成分が少なくなり、位置検知精度が良好になった。
なお、酸化チタン粒子の溶媒への分散性、溶媒量、塗付時の温湿度環境などの諸条件により表層の表面状態は変化するが、ここでは一定条件のもと塗布を行い、ラッピングペーパーにより調整するという方法をとった。
なお、上述の、波長800nmの光を利用した光センサーによる位置検知精度の優劣は、いずれも、温度23℃、湿度50%RHの環境下、図2に示す構成の中間転写方式の画像形成装置(電子写真装置)を用い、フルカラー画像を出力して確認した。
【0056】
以上のとおり、本発明によれば、スティックスリップやブレードめくれを有効に抑制できる摩擦特性・密着特性と、光センサーを用いたトナー像の濃度・位置検知を良好に行うことのできる高い反射率とを両立した転写ベルト、および、該転写ベルトを有する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】転写ベルトの層構成の例を示す図である。
【図2】転写ベルトを中間転写ベルトとして使用した画像形成装置(電子写真装置)の説明図である。
【図3】転写ベルトを転写材搬送ベルトとして使用した画像形成装置(電子写真装置)の説明図である。
【符号の説明】
【0058】
101 基層
102 表層
1 ドラム状の電子写真感光体(感光ドラム)
2 一次帯電器
3 露光
6 転写バイアス印可手段
7 中間転写ベルト
8 帯電装置
8’ クリーニング装置
10 転写材供給ローラー
11 転写材ガイド
12 転写材搬送ベルト
13 クリーニング装置
14 定着器
41 第1現像器(イエローY現像器)
42 第2現像器(マゼンタM現像器)
43 第3現像器(シアンC現像器)
44 第4現像器(ブラックBK現像器)
50 センサー
62 一次転写ローラー
63 二次転写ローラー
64、65、66 ローラー
S1 一次帯電器の電源
S3 電源
S4、S5 バイアス電源
P 転写材




 

 


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