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発明の名称 画像加熱装置及びこれに用いられるベルト
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−11299(P2007−11299A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2006−141494(P2006−141494)
出願日 平成18年5月22日(2006.5.22)
代理人 【識別番号】100086818
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸雄
発明者 小俣 晴彦
要約 課題
表面に樹脂層を備えた記録材Pに形成されたトナー像をニップ部Nにて加熱するベルト57と、このベルト57と共に移動する加熱後の記録材を冷却する冷却手段56と、を有する画像加熱装置において、記録材Pとベルト57とは熱収縮率の違いに起因する画像が乱れるを防止する。

解決手段
ベルト57の熱膨張率が6〜10×10/度であること。
特許請求の範囲
【請求項1】
画像形成面に樹脂層を備えた記録材に形成された画像を加熱する画像加熱装置において、
高光沢画像を形成するため記録材上の画像を密着して加熱するベルトと、
前記ベルトと共に移動する加熱後の記録材を冷却する冷却手段と、
を有し、前記ベルトの熱膨張率は6×10−5/℃以上、10×10−5/℃以下であることを特徴とする画像加熱装置。
【請求項2】
前記ベルトの熱膨張率は7×10−5/℃以上、9×10−5/℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
【請求項3】
前記ベルトはトナーと共に記録材の樹脂層が軟化するように加熱し、前記冷却手段はトナーのガラス転移点温度よりも低い温度へ冷却することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
【請求項4】
前記ベルトはシロキサン変性ポリイミドより構成された表層を有することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
【請求項5】
前記ベルトは、基層と、この基層上に設けられた弾性層と、この弾性層上に設けられた表層と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
【請求項6】
前記ベルトを懸架し加熱する熱ローラと、前記熱ローラを加熱するヒータと、前記熱ローラに対向配置され前記ベルトとの間で前記ニップ部を形成するローラと、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
【請求項7】
画像形成面に樹脂層を備えた記録材に形成された画像を加熱する画像加熱装置に用いられるベルトにおいて、
高光沢画像を形成するため記録材上の画像を密着して加熱する層を有し、加熱後の記録材と共に移動する際に冷却手段により冷却され、熱膨張率は6×10−5/℃以上、10×10−5/℃以下であることを特徴とするベルト。
【請求項8】
前記層はシロキサン変性ポリイミドより構成されていることを特徴とする請求項7に記載のベルト。
【請求項9】
基層と、この基層上に設けられた弾性層と、を有し、前記加熱する層は前記弾性層上に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のベルト。
【請求項10】
画像形成面に樹脂層を備えた記録材に形成された画像を加熱する画像加熱装置において、
高光沢画像を形成するため記録材上の画像を密着して加熱するベルトと、
前記ベルトと共に移動する加熱後の記録材を冷却する冷却手段と、
を有し、前記記録材の樹脂層の熱膨張率に対する前記ベルトの熱膨張率の比は0.85以上、1.4以下であることを特徴とする画像加熱装置。
【請求項11】
前記比は1.0以上、1.2以下であることを特徴とする請求項10に記載の画像加熱装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材上の画像を加熱する画像加熱装置及び画像加熱用のベルトに関する。
【0002】
この画像加熱装置及びこれ用いられるベルトは、例えば、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置において用いられる。
【背景技術】
【0003】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等、主として電子写真方式を用いた画像形成装置が広く知られている。白黒のみならず、フルカラーの画像形成を行うものも多く商品化されている。また、画像形成装置が様々な分野で使用されるのに伴い、画質に対する要求も益々高度なものとなっている。ここで、特にフルカラー画像の画像品位を上げる要素として、光沢度の均一性の向上が求められている。光沢度を決定付ける要因の一つとしては、出力画像の平滑性が挙げられる。
【0004】
このようなニーズに対して、特許文献1や特許文献2には次のような画像形成装置が提案されている。具体的には、トナー受容層として熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を設けた記録材に、熱可塑性樹脂からなるカラートナーを転写し、加熱、溶融することによりカラー画像を形成する装置が提案されている。
【0005】
それらの画像形成方法においては、望ましい定着装置として、定着ベルトを備えた冷却分離系の定着装置(以下、ベルト定着器と記す)が提案されている。
【0006】
特許文献3や特許文献4にはこのようなベルト定着器が提案されている。具体的には、未定着トナー像を担持した記録材を耐熱フィルムからなる定着ベルトで押圧加熱し、その記録材を定着ベルトに密着させたままの状態で冷却してトナー像を固化させ、トナー像が定着した記録材を定着ベルトから剥離するという構成を取っている。その結果、トナー像は記録材の透明樹脂層に埋め込んだ状態で定着され記録材の透明樹脂層と共にベルトの表面形状にならって凝固し、記録材全面が平滑な面となるので、光沢性に優れたカラー画像を得る事ができる。
【0007】
また、このような画像形成装置に用いられる、樹脂層をもった記録材については、特許文献5において提案されている。
【特許文献1】特開昭64−35452号公報
【特許文献2】特開平05−216322号公報
【特許文献3】特開平04−216580号公報
【特許文献4】特開平04−362679号公報
【特許文献5】特開2003−084477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来の冷却分離系のベルト定着器において、定着器を通過させる前と後の画像を比較すると、定着前のトナー像より定着後のトナー像の方が細かく乱れてガサついてしまうことが判明した。
【0009】
本発明者による詳細な検討の結果、この現象は次のようなメカニズムによるものであると推測される。
【0010】
冷却分離系のベルト定着器では、定着ベルトと密着した条件下において、記録材の透明樹脂層と共にトナー像を加熱し、その後、これらを冷却してから分離する構成となっており、この加熱−冷却過程に問題の原因があることが判明した。
【0011】
つまり、この加熱−冷却過程での温度変化によって、記録材(の透明樹脂層)と共に定着ベルトには熱膨張→熱収縮という現象が生じている。そして、従来は記録材(の透明樹脂層)と定着ベルトの熱膨張率が大きく異なっている為、記録材上のトナー像並びに透明樹脂層が定着ベルトに引っ張られて画像が乱れることが判明した。
【0012】
本発明の目的は画像不良の発生を抑制することができる画像加熱装置および画像加熱用のベルトを提供することである。
【0013】
本発明の更なる目的は添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、画像形成面に樹脂層を備えた記録材に形成された画像を加熱する画像加熱装置において、高光沢画像を形成するため記録材上の画像を密着して加熱するベルトと、前記ベルトと共に移動する加熱後の記録材を冷却する冷却手段と、を有し、前記ベルトの熱膨張率は6×10−5/℃以上、10×10−5/℃以下であることを特徴とする。
【0015】
また、上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置に用いられるベルトの代表的な構成は、画像形成面に樹脂層を備えた記録材に形成された画像を加熱する画像加熱装置に用いられるベルトにおいて、高光沢画像を形成するため記録材上の画像を密着して加熱する層を有し、加熱後の記録材と共に移動する際に冷却手段により冷却され、熱膨張率は6×10−5/℃以上、10×10−5/℃以下であることを特徴とする。
【0016】
また更に、上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の他の代表的な構成は、画像形成面に樹脂層を備えた記録材に形成された画像を加熱する画像加熱装置において、高光沢画像を形成するため記録材上の画像を密着して加熱するベルトと、前記ベルトと共に移動する加熱後の記録材を冷却する冷却手段と、を有し、前記記録材の樹脂層の熱膨張率に対する前記ベルトの熱膨張率の比は0.85以上、1.4以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像不良の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
【実施例1】
【0019】
(1)画像形成装置例
図1は本発明に係る定着装置を搭載させるのに好適な画像形成装置の一例の概略構成を示す模式図である。
【0020】
本例の画像形成装置は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザプリンタである。Aはプリンタ本体である。Bはこのプリンタ本体Aの上面側に配設したリーダ機構である。Cはプリンタ本体Aの図面上右側面側に連設した大容量給紙装置である。
【0021】
プリンタ本体A内において、Pa・Pb・Pc・Pdは、図面上右から左に水平方向に並べて配設(インライン構成、タンデム型)した、第1から第4の4つの画像形成部である。Dは第1から第4の画像形成部Pa・Pb・Pc・Pdの上側に配設した、複数の光走査手段を有するレーザ走査機構(レーザスキャナ)である。Eは第1から第4の画像形成部Pa・Pb・Pc・Pdの下側に配設した転写ベルト機構である。Fは転写ベルト機構Eよりも記録材搬送方向下流側に配設した定着装置である。G1とG2は転写ベルト機構Eよりも下側に上下2段に配設した第1と第2の2つの給紙カセットである。Hはプリンタ本体Aの図面上右側面側に配設した手差し給紙トレイである。この手差し給紙トレイHはプリンタ本体Aに対して実線示のように畳み込んで格納自在である。使用時は2点鎖線示のように開き状態にする。
【0022】
リーダ機構Bはフルカラー原稿の画像情報をCCD等の光電変換素子(固体撮像素子)で色分解読取り処理する。
【0023】
レーザ走査機構Dはリーダ機構Bからの各色分解読取り画像情報に対応して変調したレーザ光を第1から第4の画像形成部Pa・Pb・Pc・Pdに対してそれぞれ出力する。
【0024】
図2は第1から第4の画像形成部Pa・Pb・Pc・Pd部分と転写ベルト機構E部分の拡大図である。第1から第4の画像形成部Pa・Pb・Pc・Pdは互いに同様の構成である。すなわち、それぞれ、像担持体としての電子写真感光体ドラム(以下、感光ドラムと記す)1を有する。そして、この感光ドラム1に作用するプロセス手段である、全面露光ランプ(除電ランプ)2、一次帯電器3、現像器4、転写帯電器5、クリーナ6等が設けられている。第1から第4の画像形成部Pa・Pb・Pc・Pdの現像器4にはそれぞれ供給装置により、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが所定量充填されている。
【0025】
転写ベルト機構Eは、エンドレスの転写ベルト7と、この転写ベルト7を懸回張設した駆動ローラ7aとターンローラ7b・7cを有する。駆動ローラ7aが駆動モータMによりタイミングベルト装置等の動力伝達装置を介して回転駆動されることにより転写ベルト7が矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。転写ベルト7は、ポリエチレンテレフタレート樹脂シート(PET樹脂シート)や、ポリフッ化ビニリデン樹脂シート、ポリウレタン樹脂シートなどの誘電体樹脂のシートによって構成されている。そのシートの両端部を互いに重ね合わせて接合し、エンドレス形状にしたものか、あるいは継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられている。
【0026】
フルカラー画像を形成するための動作は次の通りである。第1から第4の画像形成部Pa・Pb・Pc・Pdが画像形成のタイミングに合わせて順次駆動する。その駆動に応じて各感光ドラム1が矢印の時計方向に回転する。また転写ベルト機構Eの転写ベルト7も回転駆動される。レーザ走査機構Dも駆動される。この駆動に同期して一次帯電器3が感光ドラム1の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。レーザ走査機構Dは各感光ドラム1の表面に画像信号に応じたレーザビーム走査露光を行なう。これによって各感光ドラム1の表面に画像信号に応じた静電潜像が形成される。すなわちレーザ走査機構Dは光源装置から発せられたレーザ光を、ポリゴンミラー8を回転させて走査し、その走査光の光束を反射ミラーによって偏向し、fθレンズにより感光ドラム1の母線上に集光して露光する。これにより、感光ドラム上に画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器4によりトナー画像として現像される。
【0027】
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1の画像形成部Paの感光ドラム1の周面にはフルカラー画像のイエロー色のトナー像が形成される。第2の画像形成部Pbの感光ドラム1の周面にはフルカラー画像のマゼンタ色のトナー像が形成される。第3の画像形成部Pcの感光ドラム1の周面にはフルカラー画像のシアン色のトナー像が形成される。第4の画像形成部Pdの感光ドラム1の周面にはフルカラー画像のブラック色のトナー像が形成される。
【0028】
一方、大容量給紙装置C、第1の給紙カセットG1、第2の給紙カセットG2、手差し給紙トレイH、の内で選択指定された給紙部の給紙ローラが駆動される。これにより、その給紙部に積載収納されている記録材Pが1枚分離給紙される。そして、複数の搬送ローラ、及びレジストローラ9を経て転写ベルト機構Eの転写ベルト7上に供給される。転写ベルト7上に供給された記録材Pは転写ベルト7による搬送で第1〜第4の各画像形成部Pa・Pb・Pc・Pdの転写部に順次に送られる。
【0029】
すなわち、転写ベルト機構Eの転写ベルト7が駆動ローラ7aによって回転駆動されて、所定の位置にあることが確認されると、記録材Pは、レジストローラ9から転写ベルト7に送り出され、第1の画像形成部Paの転写部へ向けて搬送される。これと同時に画像書き出し信号がオンとなり、それを基準としてあるタイミングで第1の画像形成部Paの感光ドラム1に対し画像形成を行う。そして感光ドラム1の下側の転写部で転写帯電器4が電界又は電荷を付与することにより、感光ドラム1上に形成された第1色目のイエロートナー像が記録材P上に転写される。この転写により記録材Pは転写ベルト7上に静電吸着力でしっかりと保持され、引き続いて第2〜第4の画像形成部Pb・Pc・Pdの転写部へ順次に搬送される。そして、記録材Pは各画像形成部の各感光ドラム上に形成された、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像の順次重畳転写を受ける。これにより記録材P上に4色フルカラーのトナー像が合成形成される。
【0030】
4色フルカラーのトナー像が合成形成された記録材Pは、転写ベルト7の搬送方向下流部で分離帯電器10により除電されて静電吸着力が減衰させることによって、転写ベルト7の末端から離脱する。特に、低湿環境では記録材Pが乾燥して電気抵抗が高くなるため、転写ベルト7との静電吸着力が大きくなり、分離帯電器10の効果は大きくなる。通常、分離帯電器10は、トナー像未定着の状態で記録材Pに帯電するため、非接触帯電器が用いられる。
【0031】
転写ベルト7から剥離された記録材Pは定着装置Fへ搬送され、該定着装置Fで加熱・加圧されて各色トナー像の混色及び記録材Pへの固定(定着)が行われ、フルカラー画像形成物となる。
【0032】
片面画像形成モードが選択されている場合には、定着装置Fを出た記録材Pは、第1姿勢に保持されているセレクタ11の上側を通り、排紙ローラ12により排紙口13から機外の排紙トレイI上に排紙される。
【0033】
両面画像形成モードが選択されている場合には、定着装置Fを出た1面目定着済みの記録材Pは、第2姿勢に切換えられたセレクタ11によって反転再給紙機構J側に進路変更される。そしてこの反転再給紙機構Jの反転部(スイッチバック機構)14で表裏反転され、両面搬送パス15に送られ、中間トレイ16に一旦収納される。中間トレイ16に収納された記録材は所定の制御タイミングで駆動された給紙ローラにより中間トレイ16からレジストローラ9に向けて送り出される。そして、その記録材が、レジストローラ9から再度、転写ベルト機構Eの転写ベルト7上に2面目が上向きの状態で給紙される。これにより、記録材の1面目に対する画像形成の場合と同様に、第1〜第4の画像形成部Pa・Pb・Pc・Pdにより記録材の2面目に対する4色フルカラーのトナー画像の合成形成が実行される。
【0034】
2面目に対するトナー像形成を受けた記録材Pは転写ベルト7から分離されて定着装置Fへ搬送され、該定着装置Fで2面目に対するトナー像の定着処理を受ける。そして、その記録材Pは、第1姿勢に切換えられたセレクタ11の上側を通り、排紙ローラ12により排紙口13から機外の排紙トレイI上に両面画像形成物として排紙される。
【0035】
モノクロ画像形成物あるいは単色画像形成物の出力も可能である。この場合は、その画像形成モードを選択すると、第1〜第4の画像形成部Pa・Pb・Pc・Pdのうち選択された画像形成モードに対応した画像形成部だけが画像形成動作する。他の画像形成部は感光ドラムの回転駆動はなされるけれども画像形成動作はなされず、画像形成動作した画像形成部の転写部において、転写ベルト機構Eで搬送される記録材にトナー像を転写するシーケンスが実行される。
【0036】
(2)定着装置F
図3に定着装置Fの拡大模型図を示す。本実施例における定着装置Fはベルト定着器である。このベルト定着器Fは、熱ローラとしての第一定着ローラ(以下、定着ローラと記す)51と、この定着ローラ51から所定間隔を保ち配設された分離ローラとしての回転ローラ(以下、分離ローラと記す)53を有する。また、この分離ローラ53の上側に配設されたテンションローラとしての回転ローラ(以下、テンションローラと記す)54を有する。この3本のローラ51・53・54間にエンドレス(無端状)ベルトとしての定着ベルト57を懸回張設してある。この定着ベルト57を挟み定着ローラ51に対峙して圧接される加圧ローラとしての第二定着ローラ(以下、加圧ローラと記す)52を有する。そして、定着ローラ51と分離ローラ53との間の定着ベルト部分において、分離ローラ53寄りの位置で定着ベルト外面に当接させて配設された補助ローラ55を有する。また、定着ベルト57の内側で、定着ローラ51と分離ローラ53との間に配設され、定着ローラ51と分離ローラ53との間の定着ベルト部分を空冷する冷却手段としての冷却ファン56を有する。上記の定着ローラ51、加圧ローラ52、分離ローラ53、テンションローラ54、補助ローラ55は互いに実質的に並行に配列されている。
【0037】
定着ローラ51は同心円状に3層構造を採用しており、コア部分、弾性層、離型層を有している。コア部分は直径44mm、厚さ5mmのアルミニウム製中空パイプにより構成される。弾性層はJIS−A硬度50度、厚さ300μmのシリコンゴムにより構成される。離型層は厚さ50μmのPFAにより構成される。コア部分の中空パイプ内部には、熱源(ローラ加熱ヒータ)としてのハロゲンランプ58が配設されている。なお、熱源としてはハロゲンヒータに限らず、定着ローラを励磁コイルから生じた磁束により電磁誘導加熱する構成のものを採用しても何ら構わない。
【0038】
加圧ローラ52も同様の構成を採用している。弾性層は厚さ3mmのシリコンゴムを用いる。これは弾性層により定着ニップを稼ぐためである。59は加圧ローラ52のコア部分の中空パイプ内部に配設した熱源(ローラ加熱ヒータ)としてのハロゲンランプである。
【0039】
定着ローラ51と加圧ローラ52は定着ベルト57を挟ませて所定の押圧力で圧接させて記録材搬送方向において所定幅の加熱・加圧部としての定着ニップ部Nを形成させている。加圧ローラ52の加圧力は、総圧で490N(50kgf)とした。このときの定着ニップ部Nの幅は5mmであった。
【0040】
ここで、定着ローラ51の表面硬度は、定着ベルト57に合わせて選ぶ必要がある。定着ローラ51の表面硬度が軟らかいと定着ベルト57が撓んでしまい、トナーを記録材の受容層の中に十分に押し込めずトナー段差が残ったままになってしまう。定着ベルト57の硬度が柔らかい場合は、定着ローラ51の硬度は十分硬くするために、弾性層を薄くしたり、無くしてPFAの表層のみとしたり、さらには、アルミニウムのコアのみで用いたりしてもよい。
【0041】
定着ベルト57は本実施例では後述するようにシロキサン変性ポリイミドの単層のベルトを用いた。図5は該ベルトの断面図である。ベルト表面(記録材Pに形成された画像と密着する面)は高光沢画像を形成するため鏡面状とされている(トナー像との接触面が平滑面化されている)。具体的には、ベルト表面の鏡面度(平滑度)はハンディ型グロスメーターPG−1M(日本電色工業株式会社製)により光沢度(60°)として測定することができる。この光沢度の測定はJIS Z 8741に準拠している。本例では、ベルトの光沢度が80以上110以下であるのが好ましい。このような光沢度であれば、高光沢画像を良好に形成することが可能となる。
【0042】
定着ローラ51は不図示の駆動機構により矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。この定着ローラ51の回転駆動により定着ベルト57が矢印の時計方向に回動状態になる。分離ローラ53・テンションローラ54・加圧ローラ52・補助ローラ55は定着ベルト57の回転に伴い従動回転する。テンションローラ54は定着ベルト57に所定の張力を与えている。
【0043】
定着ローラ51と加圧ローラ52のそれぞれ内部に配設されるハロゲンランプ58・59に電力が供給され、ハロゲンランプ58・59の発熱により定着ローラ51と加圧ローラ52が内部加熱されて表面温度が上昇する。定着ローラ51と加圧ローラ52の表面温度はそれぞれ不図示のサーミスタによって検知され、それらのサーミスタの検知温度が不図示の制御回路にフィードバックされる。制御回路は各サーミスタから入力する検知温度が定着ローラ51と加圧ローラ52とにそれぞれ設定した所定の温度に維持されるようにハロゲンランプ58・59に供給する電力を制御する。すなわち、定着ローラ51と加圧ローラ52を所定の温度に温調管理して定着ニップ部Nの温度を所定の定着温度に温度管理する。
【0044】
転写ベルト機構E側からベルト定着器F側に送られた、表面に未定着トナー画像を有する記録材Pは、定着ニップ部Nの定着ベルト57と加圧ローラ52との間に導入されて定着ニップ部Nを挟持搬送される。このとき記録材Pの未定着トナー画像面側が定着ベルト57の表面に対面する。そして、記録材Pが定着ニップ部Nを挟持搬送されていく過程で、トナー像と共に記録材表面の熱可塑性樹脂層が軟化溶融するように加熱・加圧される。このとき、トナー像と記録材表面の熱可塑性樹脂層を適正に軟化させるため、定着ベルトはトナーのガラス転移点温度(本例では約50度)よりも十分に高い温度、例えば、190度に維持されている。その結果、記録材P上に形成されていた各色の未定着トナー像は溶融混色されると共に記録材Pへの固定(定着)が行われる。同時に、記録材Pは定着ベルト57の表面に密着する。
【0045】
その後、記録材Pは定着ベルト57に密着した状態で定着ベルト57の回転と共に、定着ニップ部Nと分離ローラ53との間である冷却領域(冷却部)Rを搬送される。この冷却領域Rにおいて、記録材Pは冷却ファン(冷却手段)56及びそれを囲むエアダクト56a内を流れるエアフローの作用により強制的に効率よく冷却される。冷却ファン56によって紙面に直交するエアフローが生じている。このような構成により、定着ベルトに密着した状態の記録材P、即ち、トナー像は、トナーのガラス転移点温度よりも低い温度となるように冷却領域において冷却処理される。
【0046】
このように定着ベルト57の表面に密着状態の記録材Pは、冷却領域Rで十分に冷却され、分離ローラ53の位置へ至り、分離ローラ53により定着ベルト57の曲率が変化する領域で定着ベルト57の表面から自らの剛性(こし)により剥離(曲率分離)される。
【0047】
補助ローラ55は、定着ローラ51から分離ローラ53にいたる定着ベルト冷却領域Rの途中において記録材Pが定着ベルト57の表面から剥がれて、画像が乱れたり、搬送できなくなったりすることを防止する。
【0048】
冷却手段56は、ファンに限らず、接触型の冷却方式でも可能なのは言うまでもない。ペルチェ素子、ヒートパイプ、水の循環型冷却装置を用いても良い。
【0049】
上述したように、本例の画像加熱システム(画像加熱装置と後述する専用の高光沢画像形成用の記録材)では、高光沢画像を形成するため、紙製の基層上に熱可塑性樹脂からなる画像形成層(受容層、受像層、光沢化層)が積層された構成の記録材を用いている。この画像形成層はトナー像が形成される画像形成面となる。
【0050】
このような記録材が定着ニップ部Nを挟持搬送される過程において、定着ベルトから付与された熱によりトナーと共に画像形成層が軟化し、さらに定着ニップ部Nの圧力が加わることによりトナーがその高温の樹脂層中に埋没される。同時に、記録材は定着ベルト57の表面に密着される。その後、記録材Pは定着ベルト57に密着した状態で定着ベルト57の回転と共に冷却領域Rにおいて冷却手段により強制的に効率よく十分に冷却される。そして、分離ローラ53により定着ベルト57の曲率が変化する領域で定着ベルト57の表面から曲率分離する。
【0051】
図4の(a)は記録材Pの樹脂層b上に未定着トナー像tが載っている定着前状態の記録材の模式図である。(b)はトナー像が樹脂層中に埋没された定着後状態の記録材の模式図である。トナー像を樹脂層bに埋め込んだ状態で定着させた記録材表面上の樹脂層bと定着トナー像taはともに鏡面状のベルト表面形状にならって凝固し記録材の表面全面が平滑な面となるので、光沢性に優れた画像を得る事ができる。
【0052】
記録材Pは、例えば、接着剤及び顔料を主成分とする顔料塗工層を少なくとも一面に有する基材aと、前記顔料塗工層上に設けられた熱可塑性樹脂を主成分とする受容層としての樹脂層bと、を有する。
【0053】
上記樹脂層(受容層)bは、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を主成分として含有する。熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を混合した混合樹脂層であってもよいし、熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層と熱硬化性樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂層とを含む複数の層で構成されていてもよい。但し、複数の層で構成される場合、最上層は熱硬化性樹脂を主成分として含有する熱硬化性樹脂層である。また、これら混合樹脂層、熱可塑性樹脂層、熱硬化性樹脂層を組み合わせた層構成でもよいが、最上層には、混合樹脂層や熱硬化性樹脂層等の熱硬化性樹脂を含む層である。
【0054】
熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル、スチレン−メタクリル酸エステル等を用いることができるが、特にトナーを主に構成する樹脂と同じであるポリエステル樹脂を用いることが好ましい。これは、本定着装置では、定着後の記録材の画像面が定着ベルトの表面にならって平滑化されるように、記録材に形成されたトナーを加熱、加圧により軟化させるとともに記録材の樹脂層bをも軟化させる構成としているからである。
【0055】
本実施例で用いた、表面に樹脂層bを持つ記録材Pは、基材aとしての坪量170g/mのコート紙(基材)の片面に、樹脂層bとしてポリエステル(熱可塑性樹脂)を主成分とした透明樹脂層を20μmの厚さで設けたものである。このように、透明樹脂層の厚さは、前述したように、平均粒径が5〜10μm程度のトナーが十分埋没できる程度に設定されている。
【0056】
前記透明樹脂層bに用いたポリエステル樹脂単体で試験片を作り、熱膨張率(熱膨張係数とも言う)を測定したところ、7×10−5/℃であった。また、熱膨張率は熱収縮率と呼ぶこともできる。
【0057】
さて、ここで定着ベルト57として、従来のベルト定着器において用いられているポリイミド製のベルトを用いたところトナー像が乱れてガサガサした画像になる画像不良が発生した。
【0058】
さらに詳しく説明すると、記録材上のトナー像が記録材の中央から外側に引っ張られたようにトナーの位置がずれていた。さらに詳しく調べると、記録材Pと定着ベルト57は加熱部である定着ニップ部Nで約190度に加熱され接触する。そして、記録材(トナー像)は、定着ローラ51と、加圧ローラ52とのニップ中で約190度になり、冷却部である冷却領域Rに搬送されて冷却され、分離ローラ部で約40度になり分離する。この温度変化によって、記録材Pと定着ベルト57は加熱により膨張し、冷却によって収縮を起こす。
【0059】
このとき、トナー、及び、樹脂層bのガラス転移温度Tgは190度よりも低いので、加熱部Nから冷却部Rの途中までは溶けた状態にある。そして、記録材Pの収縮が定着ベルト57の収縮よりも大きいため、表面のトナー像は定着ベルト57に接触し、固定された状態で記録材Pが収縮を起こすので、トナー像が外側に引っ張られたような画像不良になることが分かった。この従来のポリイミド製のベルトの熱膨張率は、4×10−5/℃であった。
【0060】
熱膨張率の試験方法としては、ASTM試験法D696で測定できる。この方法では、ある程度の試験片の大きさが必要となる。
【0061】
そこで、熱膨張率の測定は、定着ベルト上に2点マーキングして、定着ローラ上で加熱された状態での2点間距離と分離ローラ53上で冷却された状態での2点間距離との比で求めることもできる。
【0062】
記録材Pは加熱部である定着ニップ部Nを通るときには、定着ベルト57に接触し加圧される。このとき、記録材Pに大きな力が加わり、記録材Pが伸ばされる場合が多い。また、記録材Pの熱膨張率は記録材の水分量でも変化する。一般に紙は、水分を吸収すると膨張して、除湿すると縮む特性をもっている。また、水分が十分少ない紙では、加熱すると伸びで、冷却により縮むといった樹脂に近い特性を示す。
【0063】
樹脂層bをもつ記録材Pの熱膨張を調べるため、オーブンで加熱し、観察したところ、記録材Pは表層の樹脂層bにならって伸び縮みすることが観察できた。
【0064】
したがって、記録材Pの樹脂層bの収縮と定着ベルト57の収縮が異なるためトナー像が乱れていると考えることができ、定着ベルト57の熱収縮率を変化させることによって、画像不良が軽減できると考えられる。
【0065】
それを実証するために、定着ベルト57の熱膨張率を変化させて、実験を行った。すなわち、ポリイミド製ベルトの熱膨張率を変化させるため、本実施例では、定着ベルト57として、ポリイミドにシロキサンを含有させたシロキサン変性ポリイミドの単層のベルトを用いた。この定着ベルト57を用いた場合は、画像不良は発生しなかった。このシロキサン変性ポリイミド製のベルトは、シロキサンをポリイミド樹脂に約20%含有させた結果、熱膨張率は8×10−5/℃であった。
【0066】
さらにシロキサン含有量(%)を異ならせたシロキサン変性ポリイミドの単層ベルトを各種作成し、画像評価した。その各種ベルト1〜6の熱膨張率と画像不良の関係を表1に示す。シロキサン含有量が17〜24%の場合が好ましいことが分かる。
【0067】
【表1】


画像乱れを目視にて評価した結果である表1中の画像評価は、◎が良レベル、○が実用レベル、×は実用レベルにないことを意味している。
【0068】
さらに、ステンレスであるSUS304製のベルトも作り実験したところ、画像不良のレベルが非常に悪くなった。この材料の熱膨張率は1.7×10−5/℃であった。
【0069】
以上の結果より、定着ベルト57の熱膨張率の好ましい範囲は、6×10−5/℃以上、10×10−5/℃以下である。
【0070】
また、記録材の樹脂層bの熱膨張率が7×10−5/℃であることから、定着ベルト57と記録材の樹脂層bの熱膨張率について次のような関係を満たしているのが好ましい。つまり、(定着ベルトの熱膨張率/記録材の樹脂層の熱膨張率)をXとしたとき、0.85≦X≦1.4を満たすのが望ましい。
【0071】
さらに、定着装置の使用環境の変化や記録材の変化を考慮した実験によれば、定着ベルト57の熱膨張率のより好ましい範囲は、7×10−5/℃以上、9×10−5/℃以下である。同様に、1.0≦X≦1.2を満たすのが望ましい。
【0072】
上記の結果からわかるように、記録材上のトナー像が乱れない範囲には上限と下限があることが分かる。これは、上述したように、定着ベルト57の熱膨張率が大きければ大きい程良いというものではなく、また熱膨張率が小さければ小さい程良いというものでもない。つまり、定着ベルト57の熱膨張率(熱収縮率)が記録材Pの熱膨張率(熱収縮率)に対して大きく異なると、記録材と定着ベルトとの間で引っ張り合いが生じ、これに起因して画像乱れが発生するからである。
【0073】
さらに、追加の実験として、熱膨張率12×10−5/℃のPFA単層のベルトを用いたところ、この現象がさらに悪化することも確かめられた。
【0074】
以上のような現象は定着ベルトを用い、かつ、冷却手段による冷却分離のベルト定着器構成で発生する問題である。
【0075】
すなわち、定着ローラの表層にポリイミドを用いても、このような現象は発生しない。その理由は、定着ローラでは、記録材が接触して、分離するまでの温度変化が小さいことが挙げられる。また、定着ローラから分離した後のトナーは十分に温度が高く、粘性を保っているため、定着ローラから分離した後、記録材の収縮ともに自然冷却される過程で徐々に固まり、記録材の収縮に合わせて位置が決まっていくため、画像不良が発生しない。
【0076】
なお、特開2000−56602号公報ではシロキサン変性ポリイミドを定着ローラの表層に用いることが提案されているが、このようなローラ定着装置では記録材を冷却してから分離する構成ではないので画像乱れといった現象は起こり得ない。
【0077】
また、本実施例では、シロキサン変性ポリイミドを用いたが、この材料に限定されるわけではなく、その他の樹脂材料でも、熱膨張率が本発明において特定する範囲内のベルトを構成できれば、同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0078】
たとえば、記録材Pの受容層(表層)bに用いたポリエステルで定着ベルト57を構成すれば良いとも考えられる。しかし、この場合、ベルト形状に成形することが難しかったり、記録材Pと定着ベルト57が接着し、剥がれてこなかったりといった新たな問題が発生する。その他、ベルト材料としての剛性、トナーの離型性といった観点から定着ベルトには様々な要求がある。
【0079】
シロキサン変性ポリイミドは膨張率を変えやすく、離型性、および、剛性が高いということから好ましい材料の一つである。また、フッ素変性ポリイミドを用いても良く、この場合でも同様な効果を得ることができる。
【0080】
以上説明したように、定着ベルト57として熱膨張率が本発明において特定した範囲内にあるものを用いることで、トナー像が乱れてしまうといった画像不良がなく、高光沢な好ましいトナー画像を得ることができた。
【実施例2】
【0081】
実施例1の画像形成装置では定着ベルト57にシロキサン変性ポリイミドの単層のベルトを用いた。本実施例では、図6のように、ポリイミドにより構成されたベース層(基層)57a上にシロキサン変性ポリイミドをコート層57bとしてコーティングした2層構成の定着ベルト57を用いた。このコート層57bが記録材の樹脂層と密着する面となる。
【0082】
定着ベルト57を2層構成57a・57bとした場合、熱膨張率は各層57a・57bの膨張率の差と、厚みを含めた剛性によって決まる。つまり、ベース層57aの厚みを十分薄くして、コート層の厚みを十分持たせると定着ベルト全体としての膨張率が変化して、最適な熱膨張率とすることができる。
【0083】
そこで、ベース層57aのポリイミドの厚みを50〜200μmの間で変化させて、コート層57bのシロキサン変性ポリイミドの厚みも10〜100μmで変化させて、最適な厚みを求めた。定着ベルト57の熱膨張率を本発明において特定した範囲となるように、シロキサンの量を振り適切な含有量をもとめ、実験したところ、実施例1と同様な効果が得られた。
【0084】
またポリイミドをベース層57aとしたことで、定着ベルト57の強度が増して耐久寿命が伸びるといった新たな効果も得られた。
【0085】
以上説明したように、冷却分離系の定着ベルト57として熱膨張率が本発明において特定した範囲内にあるものを用いることで、画像形成を行いトナー像の位置がずれるといった画像不良がなく、高光沢な好ましいトナー画像を得ることができた。
【実施例3】
【0086】
本実施例では、図7のように、ポリイミドの基材57a上にシリコンゴムの弾性層57cを備え、さらに、表層の離型層57dとして、PFA樹脂をコーティングした3層構成の定着ベルト57を用いた。PFA樹脂は四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂である。
【0087】
3層構成であっても、実施例2で説明したように、各層57a・57c・57dの膨張率、剛性によってベルト全体としての熱膨張率がきまる。
【0088】
本実施例の構成では、弾性層57cのシリコンゴム、および、離型層57dのPFAの熱膨張率が大きいので、これらが収縮しないように、基材57aのポリイミドを十分厚くして、剛性を持たせることで、全体の膨張率を調整した。
【0089】
定着ベルト57の熱膨張率が本発明において特定した範囲となるように、弾性層57cと表層の離型層57dの厚みを振り定着ベルト57の適当な厚みをもとめ、実験したところ、実施例1と同様な効果が得られた。
【0090】
離型層57dを設けたことによって、定着ベルト57にトナー等の汚れが付着しにくく、定着ベルト57のクリーニング性が向上するといった新たな効果も得られた。
【0091】
以上説明したように、冷却分離系の定着ベルト57として熱膨張率が本発明において特定した範囲内にあるものを用いることで、画像形成を行いトナー像の位置がずれるといった画像不良がなく、高光沢な好ましいトナー画像を得ることができた。
【0092】
なお、実施例1〜3では、画像加熱装置として、記録材に形成された未定着トナー像を定着する定着装置を例に述べたが、次のような構成であっても本発明を適用することが可能である。例えば、未定着トナー像が記録材に仮定着された状態のものを、画像の光沢度を向上させるために再度加熱、加圧する装置を挙げることができる。
【0093】
また、実施例1〜3では画像形成部として転写ベルト7に担持した記録材Pに直接画像形成を行う多重転写方式を用いた。しかし、これに限らず、感光ドラム上の画像を一度中間転写体上で重ね合わせた後、これを記録材上に一括転写するいわゆる中間転写方式や、カラー画像に限らず、白黒の画像形成装置であっても良いことは言うまでもない。
【0094】
以上説明した各実施例のような構成とすることで、加熱から冷却にいたる温度変化に伴い記録材と定着ベルトが熱収縮しても、定着ベルトの熱膨張率と記録材の熱膨張率の差が小さい為、画像乱れのない高光沢な好ましい画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明に係る定着装置を搭載させるのに好適な画像形成装置の一例の概略構成を示す模式図である。
【図2】第1から第4の画像形成部部分と転写ベルト機構部分の拡大図である。
【図3】定着装置部分の拡大模型図である。
【図4】(a)は記録材の受容層上に未定着トナー像が載っている定着前状態の記録材の模式図、(b)はトナー像が受容層中に埋没された定着後状態の記録材の模式図である。
【図5】実施例1における定着べルトの断面模型図である。
【図6】実施例2における定着べルトの断面模型図である。
【図7】実施例3における定着べルトの断面模型図である。
【符号の説明】
【0096】
Pa〜Pd:第1〜第4の画像形成部、1:感光ドラム、2:ドラム帯電器、F:定着装置(ベルト定着器)、G1・G2:記録材カセット、7:転写ベルト(記録材担持体)、8:ポリゴンミラー、9:レジストローラ、10:分離帯電器、11:セレクタ、I:排紙トレイ、J:両面搬送部、F:定着装置(ベルト定着器)、51:定着ローラ、52:加圧ローラ、53:分離ローラ、54:テンションローラ、55:補助ローラ、56:冷却ファン、57:定着ベルト、58:ヒータ、59:ヒータ




 

 


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