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発明の名称 画像加熱装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3968(P2007−3968A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−186030(P2005−186030)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三
発明者 長谷川 和弘 / 林 康弘 / 松浦 大悟 / 中本 育生 / 高田 成明
要約 課題
小型化を維持しつつ高速定着が可能で、且つ、面内の光沢均一性に優れた画像ずれの無い定着画像を得ることができるとともに、安定したベルト搬送性と記録材の分離性を確保することができる画像加熱装置を提供すること。

解決手段
記録材P上の画像をニップ部にて加熱する定着ベルト(ベルト)1と、この定着ベルト1を駆動する定着ローラ(駆動ローラ)2と、定着ベルト1の内側に固定配置されニップ部を形成するための定着パッド(ニップ形成部材)3と、を有する定着装置(画像加熱装置)において、前記定着ローラ2には、前記定着ベルト1との接触領域に高摩擦層、定着パッド3との接触領域に低摩擦層が設けられている。
特許請求の範囲
【請求項1】
記録材上の画像をニップ部にて加熱するベルトと、このベルトを駆動する駆動ローラと、ベルトの内側に固定配置されニップ部を形成するためのニップ形成部材と、を有する画像加熱装置において、
前記駆動ローラには、前記ベルトとの接触領域に高摩擦層、ニップ形成部材との接触領域に低摩擦層が設けられていることを特徴とする画像加熱装置。
【請求項2】
前記駆動ローラは、芯金の外周に弾性層を有し、前記ニップ形成部材との接触領域には離型層が積層されていることを特徴とする請求項1記載の画像加熱装置。
【請求項3】
前記駆動ローラは、前記ベルトから記録材を分離する位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像加熱装置。
【請求項4】
前記ベルトとの間で記録材を挟持搬送する加圧ベルトを有し、前記加圧ベルトの内側には前記駆動ローラと前記ニップ形成部材にそれぞれ対向するようローラとニップ形成部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の画像加熱装置。
【請求項5】
前記ベルトを電磁誘導加熱する手段を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像加熱装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材上にトナー画像を定着するための定着装置等の画像加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用した画像形成装置において、未定着トナー画像を加熱溶融定着する定着装置として種々の方式のものが提案されている。定着方式として現在最も一般的な方法としては熱ローラによる圧着加熱方式がある。この加熱ローラによる圧着加熱方式は、加熱ローラの表面に加圧ローラを加圧接触させた領域(以下、「ニップ」と称する)に、被定着シートのトナー像面を通過せしめることによりトナー像の定着を行うものである。尚、加熱ローラは、トナーに対して高い離型性を有するシリコーンゴムやフッ素樹脂等の材料でその表面が形成されている。
【0003】
しかし、この方式ではローラ対でニップを形成するため、ニップを大きくするためにはローラ自体を大きくしなければならない。そのため、装置を高速化する場合や高光沢画像を得ようとした場合に定着ニップを十分大きく設定すると、定着装置自体が大きくなるという問題があった。
【0004】
そこで、近年、定着若しくは加圧部材としてベルトを使用することによって定着装置の大型化を招くことなく、十分大きなニップを形成することができる定着方法が注目されている。このようなベルトを使用した定着装置が例えば特許文献1〜3等に開示されている。
【0005】
特許文献1には、定着ローラに対する加圧ローラの圧接によって形成される通常の定着ニップに加えて、定着ニップの入口側において、定着ベルトの内側から補助ローラにより定着ベルトを加圧ローラへ巻き付けてニップ幅を広くする技術が開示されている。
【0006】
又、特許文献2には、定着ベルト内に加熱ローラと剥離ローラを配置し、加圧ベルト内には加圧ローラと剥離ローラを配置し、加熱ローラと加圧ローラ及び剥離ローラ同士を圧接し、且つ、押し圧ガイド部材によりニップを形成することによって高光沢なカラー画像を得ることができる画像加熱装置が開示されている。
【0007】
更に、特許文献3には、駆動ローラと従動ローラに掛かったエンドレス定着ベルトとそれぞれのローラに圧接するローラ対に掛かったエンドレス加圧ベルトでニップ形成し、シートのトナー面に対向する出口側のローラを曲率分離を可能とする程度に小さくすることによってシートの分離性を高めた画像加熱装置が開示されている。
【特許文献1】特開平9−160405号公報
【特許文献2】特開平5−072926号公報
【特許文献3】特開平5−127551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示された定着装置にはそれぞれ以下のような問題がある。
【0009】
即ち、特許文献1に開示された定着装置では、定着ベルト内の定着ローラと補助ローラとの間のニップ内の無加圧状態の領域では定着ベルトと加圧ローラの密着性が安定しない。そのため、トナー画像とベルト表面が接触面が安定せず、場合よってはトナー面とベルト表面が部分的に離れてしまい、光沢ムラや画像ズレが発生するという欠点がある。
【0010】
又、特許文献2に開示された定着装置では、ニップ内の無加圧状態を無くすために押し圧ガイド部材を配置しているが、シート入り側の加熱ローラと加圧ローラから押し圧ガイド部材の間の無加圧部で同様に光沢ムラや画像ズレが発生する可能性が十分にある。
【0011】
更に、特許文献3に開示された定着装置では、シートのトナー面に対向する出口側のローラ径がシートの曲率分離を可能とする程度に小さく設定されているため、ローラの強度が下がってしまい、出口側でのローラ対に十分な圧力が掛けられない。このため、圧力が弱くなってローラ対によるニップが不安定になり、ベルト及びシートの搬送性に問題が生じる可能性があった。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、小型化を維持しつつ高速定着が可能で、且つ、面内の光沢均一性に優れた画像ずれの無い定着画像を得ることができるとともに、安定したベルト搬送性と記録材の分離性を確保することができる画像加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、記録材上の画像をニップ部にて加熱するベルトと、このベルトを駆動する駆動ローラと、ベルトの内側に固定配置されニップ部を形成するためのニップ形成部材と、を有する画像加熱装置において、前記駆動ローラには、前記ベルトとの接触領域に高摩擦層、ニップ形成部材との接触領域に低摩擦層が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記駆動ローラは、芯金の外周に弾性層を有し、前記ニップ形成部材との接触領域には離型層が積層されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記駆動ローラは、前記ベルトから記録材を分離する位置に設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記ベルトとの間で記録材を挟持搬送する加圧ベルトを有し、前記加圧ベルトの内側には前記駆動ローラと前記ニップ形成部材にそれぞれ対向するようローラとニップ形成部材が設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記ベルトを電磁誘導加熱する手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明によれば、ニップ形成部材から駆動ローラに至るニップ部を連続して形成する構成としながらも、ベルトの駆動に要する負荷を可及的に小さくすることが可能となる。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、ニップ部を簡易に形成することができる。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、駆動ローラの弾性層の変形により記録材の分離性を安定させることが可能となる。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、加圧ベルトを用いることで、更に小スペースでワイドなニップ部の形成が可能となる。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、ウォーミングアップ時間を更に短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
<実施の形態1>
以下に本発明に係る定着装置について詳述する。尚、本発明に係る定着装置を備える画像形成装置の全体構成及び作用についての詳しい説明は省略し、以下、本発明の特徴部分である定着装置についてのみ説明する。
【0025】
図1は本発明に係る画像加熱装置としての定着装置の断面図である。
【0026】
定着装置は、図1に示すように、用紙Pの搬送方向と直交状態で配置された加圧ローラ9と定着ベルト1を介して加圧ローラ9の上方に対向して配置された直線状に延びる定着パッド3及び定着ローラ2と定着ベルト1を張架し、内部に熱源を有するテンションローラ6を有する。
【0027】
定着ベルト1は無端状のベルトであって、この定着ベルト1は、内径がφ50mmの高耐熱性樹脂(本実施の形態では、ポリイミド)を基層とする厚み70μmのベルトである。この定着ベルト1の基層の外周には、弾性層として耐熱性シリコーンゴム層が100μm〜1000μmの範囲で形成されている。この弾性層は、当該定着ベルト1の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムの短縮化を考慮し、且つ、カラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮し、本実施の形態では500μmの厚みで形成されている。尚、弾性層を構成するシリコーンゴムは、JIS−A20°の硬度を持ち、その熱伝導率は0.8W/mKである。
【0028】
更に、弾性層の外周には、表面離型層としてフッ素樹脂層(例えば、PFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。
【0029】
定着ローラ2は、不図示の駆動部より回転駆動力が伝達されており、その外径がφ20mmであって、金属製(本実施の形態では、ステンレス製)の芯金から成り、外周に高摩擦層と更にその外周に低摩擦層を設けることが本発明の特徴的な構成となっている。
【0030】
各摩擦層は、摩擦摩耗試験機「FPR−2100」((株)レスカ製)を用いる金属(ステンレス)を相手とした摩擦係数を測定することで定着ベルト1の内面との十分な摩擦力を維持する高摩擦層と、定着パッド3との接触時に定着ローラ2の回転トルクを上げることのない低摩擦層を設定した。
(測定条件)
・方式:ポール・オン・ディスク方式
・モード回転モード
・ボール(圧子)素子:SU304
・押付荷重:50gf
・回転半径:10.0mm
・回転速度:15rpm
・摩擦係数の測定:90sec
本実施の形態では、後摩擦層として高摩擦であるとともに、弾性及び耐熱性を有するシリコーンコム層を0.5mm〜3.0mm(本実施の形態では、1.0mm)の厚みで形成した。ここで、シリコーンゴムは、JIS−A30°の硬度を有し、その熱伝導率は0.5W/mKである。2mmの平板サンプル片を用いて上記測定条件において測定した摩擦係数は1.0〜1.1である。
【0031】
又、低摩擦層としてフッ素樹脂層(例えば、PFAやPTFE)を50μmの厚みで定着ローラ2の全長よりも短い長手幅で形成した。2mmの平板ゴムサンプル片上にPFAシートを設置し上記測定条件おいて測定した摩擦係数は0.1〜0.2である。
【0032】
上記構成により定着ローラ2の表面は長手方向両端部に高摩擦層は、中央部に低摩擦層を有することとなる。
【0033】
ニップ形成部材としての定着パッド3は樹脂製であり、本実施の形態ではPPS製である。定着ベルト1の内面及び定着ローラ2の低摩擦層との摩擦抵抗を減らすため、この定着パッド3には図1に示す定着パッドカバー4を設けることが望ましい。この定着パッドカバー4には、定着パッド3にビスで固定されたガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたものや、凹凸を設けて接触面積を減らすよう工夫したポリイミドのシート等が用いられる。尚、本実施の形態では定着パッドカバー4として前者を採用している。
【0034】
定着ベルト1の内面には、定着ベルト1の加熱源としてのヒートローラ6が回転可能に配されている。このヒートローラ6は、外径がφ25mmで、厚みが2mmのアルミニウム製ローラであって、その内部にはハロゲンヒータ7が配置されている。尚、本実施の形態では、ハロゲンヒータ7として出力800W/hのものを使用している。
【0035】
又、定着ベルト1の外部からヒートローラ6に対向して温度センサ8が設置されている。この温度センサ8としては、非接触タイプのものが使用され、該温度センサ8の出力(検知温度)に基づいてハロゲンヒータ7への電力供給がフィードバック制御される。
【0036】
定着ローラ2には定着ベルト1を介して加圧ローラ9が圧接されている。加圧ローラ9は、その外径がφ40mmで、鉄合金製芯金の外周にはシリコーンゴム層を1mm〜10mmの範囲(本実施の形態では、3mm)で形成されている。このシリコーンゴムは、JIS−A30°の硬度を持ち、その熱伝導率は0.5W/mKである。更に、シリコーンゴム層の外周には低摩擦層としてフッ素樹脂層(例えば、PFAやPTFE)が50μmの厚みで設けられている。
【0037】
加圧ローラ9は、不図示のモータに連結されたカム機構によって、定着ベルト1に密着している状態と離脱している状態を選択することができる。このカム機構によって、
定着動作時以外は加圧ローラ9は定着ベルト1と離間している脱状態になっている。
【0038】
次に、定着ローラ2及びこの定着ローラ2の外周に設けられた低摩擦層と定着パッド3の長手幅について説明する。
【0039】
定着ローラ長L1とその低摩擦層長L2、定着パッド3の定着ローラ2との接触領域L3及び最大画像幅L4との間には、図2に示すように、
L1>L2>L3>L4
なる大小関係が成立している。
【0040】
そのため、定着ローラ2の端部のシリコーンゴム(高摩擦層)を利用して定着ベルト1の安定搬送が可能である。
【0041】
又、弾性層を有する定着ローラ2表面の低摩擦層により、接触部Sにおいて定着パッド3と接触した状態での配置が可能となる。従って、定着ローラ2及び定着パッド3が定着ベルト1を介して加圧ローラ9に圧接することによって形成されるニップ部を通過する記録材Pは、連続的な加圧を受けることが可能となる。尚、図3は記録材Pの搬送方向におけるニップ内の圧力分布図である。
而して、定着ベルト1は、少なくとも画像形成実行時には、不図示のモータによって定着ローラ2が回転駆動されることにより、図1の矢印X方向に所定の周速度で回転駆動される。このとき、定着ベルト1は、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pの画像転写部側(転写ドラム側)からの搬送速度とほぼ同じ周速度でシワ無く回転駆動される。尚、本実施の形態では、定着ベルト1は周速160mm/secで回転し、フルカラー画像を1分間にA4サイズの記録材40枚に定着することが可能である。
【0042】
又、定着ベルト1が所定の定着温度に立ち上がって温度調節された状態において、圧接部であるニップ部に、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pがそのトナー画像担持面側を定着ベルト1側に向けて導入される。このとき、記録材Pは、ニップ部において定着ベルト1の外周面に密着し、該定着ベルト1と共に圧接部を挟持搬送されていくことにより、主に定着ベルト1の熱が付与される。そして、この熱によって未定着トナー画像Tが溶融して記録材P上に定着される。
【0043】
更に、排紙部においては、定着ベルト1の外周に形成された弾性層が加圧ローラ9と定着ローラ2によって局所的に変形されるため、記録材Pが定着ベルト1から自己分離され、更に、定着ローラ2の弾性層の変形によって記録材Pが定着装置外へと水平に搬送される。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態によれば、定着ベルト1の内側に配置された定着ローラ2の弾性層の外周に低摩擦層を設け、該定着ローラ2の定着パッド3に対する接触配置を可能にしたため、定着ローラ2と定着パッド3間のニップ面での距離を最小に抑えることができる。このため、定着ベルト1表面では実質的に連続的な面を形成することが可能となり、定着ベルト1により定着を行う場合でも画像ずれや光沢ムラを発生させることなくトナー画像Tを記録材Pに安定的に定着することができる。
【0045】
又、定着ローラ2をその機能に分解して配置することで、安定した定着画像と分離、搬送性を実現することが可能となる。
【0046】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0047】
本実施の形態は、実施の形態1において用いた熱源であるハロゲンヒータ7による加熱方式に代えて誘導加熱方式を採用したことを特徴とする。具体的には、誘導加熱方式は、定着ベルトの基体を金属で構成し、加熱源として誘導加熱コイルを用いる方式であって、この方式によれば熱効率を高めてウォーミングアップ時間を短縮し、前記効果を損なうことなく省エネルギー対応が可能となる。
【0048】
又、定着ベルトの基体が金属であるため、定着ローラと定着パッドの間に発生する微小なギャップ部での圧抜け部を更に効果的に改善することができる。
【0049】
以下に本実施の形態に係る定着装置を図4に基づいて具体的に説明する。
【0050】
図4は本実施の形態に係る定着装置の断面図であり、本図においては図1に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0051】
本実施の形態に係る定着装置においては、定着ベルト1は、その内径がφ40mmであって、電気鋳造法によって製造したニッケルを基層としており、その基層の厚みは50μmに設定されている。そして、基層の外周には弾性層として耐熱性シリコーンゴム層が100〜1000μmの厚みで設けられている。
【0052】
本実施の形態では、定着ベルト1の熱容量を小さく抑えてウォーミングアップタイムを短縮するとともに、カラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、耐熱性シリコーンゴム層の厚みを500μmとしている。尚、シリコーンゴムは、JIS−A20°の硬度を有し、その熱伝導率は0.8W/mKである。
【0053】
定着ベルト1を張架するテンションローラ6は、その外径がφ20mmであって、熱容量を下げるための中空の鉄合金製の芯金に、熱伝導率を小さくして定着ベルト1からの熱伝導を少なくするためにシリコーンゴムスポンジ層が設けて構成されている。ここで、芯金はテーパ状に成形されており、その長手方向中央部の径はφ16mm、両端部の径はφ14mmにそれぞれ設定されている。このように、芯金にテーパ状に成形しているのは、定着ベルト1に張力を与えたときにテンションローラ6が撓んでも、該テンションローラ6の定着ベルト1との当接部の幅が長手方向に亘って均一になるようにするためである。尚、テンションローラ6の長手方向中央部での硬度はASK−C硬度計での測定値で約40°である。
【0054】
定着ベルト1の加熱源としての誘導加熱コイル11は、該誘導加熱コイル11によって発生した磁界が定着ベルト1の金属層以外に漏れないように磁性体コア12で覆われており、誘導加熱コイル11と磁性体コア12は、電気絶縁性の樹脂によって一体にモールドされている。定着ベルト1と誘導加熱コイル11とは厚み0.5mmのモールドにより電気絶縁の状態を保ち、定着ベルト1と誘導加熱コイル11との間隔は1.5mm(モールド表面と定着ベルト1表面の距離は1.0mm)で一定であり、定着ベルト1は、均一に加熱される。
【0055】
誘導加熱コイル11の記録材Pの通紙幅方向(記録材Pの搬送方向に直交する方向)に沿う長さ(図4の紙面垂直方向の長さ)は、画像形成に供される最大通紙幅の記録材Pのその通紙幅よりも長く設定されている。
【0056】
而して、上記誘導加熱コイル11に20kHz〜50kHzの高周波電流が流されると、定着ベルト1の金属層が誘導発熱して該定着ベルト1の温度が目標温度に達する。即ち、温度センサ13の検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させて誘導加熱コイル11に入力する電力を制御することによって、定着ベルト1の温度が目標温度である170℃の一定になるよう温度調節される。
【0057】
又、テンションローラ6のシリコーンゴムスポンジ層の厚みは最も薄いところでも2mm程度であり、誘導加熱コイル11によって芯金が発熱することは殆どないため、誘導加熱コイル11によって定着ベルト1のみを効率良く加熱することができる。
【0058】
又、温度センサ13は、定着ベルト1の内面の誘導加熱コイル11による発熱量が最も高い位置に接触しており、その部分の温度を検出している。定着ベルト1の金属層が発熱するので、本実施の形態のように温度センサ13を配置すれば、極めて正確、且つ、応答性良く定着ベルト1の温度を検出することができる。尚、定着ベルト1の発熱量が最も高い位置は、誘導加熱コイル11のベルト回転方向それぞれの部分の中央部である。
【0059】
而して、少なくとも画像形成実行時には、不図示の駆動手段によって定着ローラ2が回転駆動されるとともに、該定着ローラ2に定着ベルト1を介して圧接された加圧ローラ9が回転駆動されると、定着ベルト1は、図5の矢印X方向に回転駆動される。即ち、定着ベルト1は、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pの画像転写部側からの搬送速度とほぼ同一の周速度でシワ無く回転駆動される。尚、本実施の形態の場合、定着ベルト1と定着ローラ2は、表面回転速度160mm/secで回転し、フルカラーの画像を1分間にA4サイズの記録材40枚に定着することが可能である。
【0060】
又、定着ベルト1が所定の定着温度に立ち上がって温度調節された状態において、圧接部であるニップ部に、未定着トナー画像Tを有する記録材Pがそのトナー画像担持面側を定着ベルト1側に向けて導入される。すると、記録材Pは、ニップ部において定着ベルト1の外周面に密着し、定着ベルト1と共に圧接部を挟持搬送されていくことにより、主に定着ベルト1の熱が付与され、未定着トナー画像Tが記録材P上に定着される。
【0061】
以上説明したように、定着ベルト1の内側に定着ローラ2を配し、該定着ローラ2の弾性層の外面に摺動層を設け、定着ローラ2を定着パッド3に接触するよう配置することによって、定着ローラ2と定着パッド3間のニップ面での距離を最小にすることができ、更に、定着ベルト1の基層を金属することでベルト剛性が上がるため、定着ベルト1ニップ部表面では実質的に連続的な面を形成することが可能となる。このため、定着ベルト1により定着を行う場合でも、画像ずれや光沢ムラを発生させることなくトナー画像Tを記録材Pに安定的に定着することが可能となる。
【0062】
更に、本実施の形態では、加熱源を誘導加熱方式にしたため、目的の性能を失うことなくウォーミングアップタイムを短縮することが可能となる。
【0063】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
【0064】
本実施の形態は、実施の形態1、2において用いた加圧部材である加圧ローラに代えて加圧ベルトを用いることによって、装置全体を大きくすることなく、更に大きなニップの形成を可能とするとともに、高速化を実現したことを特徴としている。
【0065】
以下、本実施の形態を図5に基づいて説明する。
【0066】
図5は本実施の形態に係る定着装置の断面図であり、本図においては図1〜図4に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0067】
本実施の形態に係る定着装置においては、加圧部材として加圧ベルト14が使用されている。この加圧ベルト14は、内径がφ40mmで、厚みが70μmのポリイミドを基層とし、その表面には離型層としてフッ素樹脂であるPFAチューブが30μmの厚みで設けられている。尚、この加圧ベルト14は、摺動摩擦を小さく抑えるために、基層であるポリイミドにフッ素樹脂の微粒子を分散させておくと良い。
【0068】
15は加圧パッドであって、これは金属板を基体とするゴム材で構成されたものであり、ゴム材の硬度はJIS−A10°であり、厚さは3mmである。そして、この加圧パッド15は、定着パッド3と定着ローラ2が形成する準連続面と加圧ローラ17の隙間に入り込むような形状に成形されている。
【0069】
又、加圧パッド15の表面には、加圧ベルト14の内面及び加圧ローラ17との摩擦抵抗を減らすために加圧パッドカバー18が設けられている。この加圧パッドカバー18としては、定着パッド15を支持するステイにビスで固定されたガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたものや、凹凸を設けて接触面積を減らすよう工夫したポリイミドのシート等が用いられる。尚、本実施の形態では加圧パッドカバー18として前者を採用している。
【0070】
又、加圧パッド15は、定着ベルト1と加圧ベルト14のニップ内での浮きを抑える一方、静止状態で加圧ベルト14に圧力を掛けるために該加圧ベルト14の回転時にはブレーキとなる。そのため、定着ベルト1と加圧ベルト14間の浮きが発生しない程度の加圧力で加圧パッド15を加圧することが望ましい。本実施の形態では、加圧パッド15は定着ベルト1(定着パッド3)に対して20kgfで加圧されている。定着ベルト1(定着パッド3)と加圧パッド15との圧接部の回転方向の幅は15mmである。
【0071】
加圧パッド15の下流側に近接して配置された加圧ローラ17は、長手方向中央部の径がφ18mmで、正クラウン量200〜1000μmの鉄合金製で構成されている。本実施の形態では、正クラウン量を400μmに設定した。このように加圧ローラ17を正クラウンのテーパ形状に成形したのは、加圧時に該加圧ローラ17が撓んでも定着パッド3との圧接部の幅が長手方向に亘って均一になるようにするためである。
【0072】
加圧ローラ17は、加圧パッド15とは異なり、局所的に高い圧力を掛けることによって定着ベルト1の弾性を変形させ、表面の歪みによりトナー面と定着ベルト1との分離を行っている。そのため、本実施の形態では、加圧ローラ16の加圧力を定着ベルト1(定着パッド3)に対して30kgfに設定している。定着ベルト1と加圧ローラ17との圧接部の回転方向の幅は約3mmであり、加圧パッド15部と比較し圧接部の単位面積当たりの圧力が高いことが分かる。
【0073】
加圧ベルト14を張架する加圧テンションローラ19は、定着ベルト1の内側に配されたテンションローラ6と同様、外径がφ20mmで、鉄合金製の芯金に、熱伝導率を小さくして定着ベルト1からの熱伝導を抑えるためにシリコーンゴムスポンジ層を設けて構成されている。ここで、芯金の長手方向中央部の径はφ16mm、両端部の径はφ14mmであって、該芯金は、その熱容量を下げるために中空状に成形されている。
【0074】
ここで、加圧テンションローラ19の長手方向中央部での硬度はASK−C硬度計での測定値で約40°である。加圧テンションローラ19の芯金をテーパ形状に形成しているのは、定着ベルト1に張力を与えたときに該加圧テンションローラ19が撓んでも定着ベルト1との当接部の幅が長手方向に亘って均一になるようにするためである
而して、少なくとも画像形成実行時には、不図示の駆動手段によって駆動ローラ5と加圧ローラ6がそれぞれ回転駆動されると、定着ベルト1と加圧ベルト14は、それぞれ図示矢印X,Y方向に所定の周速度で回転駆動される。即ち、定着ベルト1と加圧ベルト14は、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pの画像転写部側からの搬送速度とほぼ同一の周速度でシワ無く回転駆動される。本実施の形態の場合、定着ベルト1と加圧ベルト14は表面回転速度180mm/secで回転し、フルカラーの画像を1分間にA4サイズの記録材45枚に定着することが可能である。
【0075】
定着ベルト1が所定の定着温度に立ち上がって温度調節された状態において、圧接部であるニップ部に、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pがそのトナー画像担持面側を定着ベルト1側に向けて導入される。すると、記録材Pは、ニップ部において定着ベルト1の外周面に密着し、定着ベルト1と共に圧接部を挟持搬送されていくことにより、主に定着ベルト1の熱が付与される。そして、ニップ部での定着パッド3と加圧パッド15により加圧力を受けて未定着トナー画像Tが記録材Pの表面に熱圧定着される。
【0076】
その後、ニップ部を通過した記録材Pは、定着ローラ2と加圧ローラ16の圧接部へ連続的な加圧を受けたまま定着ベルト1に密着しながら加圧ローラ17による加圧部へ搬送される。加圧ローラ17による加圧部では、定着ベルト1の外周に形成された弾性層が加圧ローラ17により局所的に変形されるため、記録材Pは、定着ベルト1から自己分離して定着装置外へと搬送される。
【0077】
ところで、加圧ローラ16及び加圧パッド15は、不図示のモータに連結されたカム機構によって、定着ベルト1に密着している状態と離脱している状態を選択することができる。このような機構によって、
定着動作時以外は加圧ローラ16と加圧パッド15は定着ベルト1から離間している脱状態になっている。このようにすることによって定着ベルト1の熱が加圧ベルト14や加圧ローラ16、加圧パッド15等に伝導しないため、定着ベルト1の温度が速やかに所定温度に達し、当該定着装置のウォームアップタイムが短縮される。尚、定着ベルト1と加圧ベルト14が離間している状態では、例えば誘導加熱コイル11に電力1200Wを入力すると定着ベルト1の温度は約30秒で目標温度である170℃に到達する。
【0078】
以上説明したように、本実施の形態では、加圧手段として加圧ベルト14を用いたため、目的とする性能を損なうことなく生産性の向上を図ることができる。
【0079】
尚、本発明の画像加熱装置は、上述した定着装置の例の他に、記録材に定着された画像を再加熱することによって画像の光沢性を向上させる光沢付与装置としても使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態1に係る定着装置の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る定着装置の定着ローラと加圧パッドの長手方向長さを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る定着装置のニップ内圧力分布を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る定着装置の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る定着装置の断面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 定着ベルト
2 定着ローラ(駆動ローラ)
3 定着パッド(ニップ形成部材)
4 定着パッドカバー
5 駆動ローラ
6 ヒートローラ
7 ハロゲンヒータ
8 温度センサ
9 加圧ローラ
11 誘導加熱コイル
12 磁性体コア
13 温度センサ
14 加圧ベルト
15 加圧パッド
17 加圧ローラ
18 加圧パッドカバー
19 加圧テンションローラ
P 記録材
S 接触部
T トナー画像




 

 


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