米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 写真;映画 -> キヤノン株式会社

発明の名称 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3800(P2007−3800A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−183452(P2005−183452)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100065385
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 穣平
発明者 北村 航 / 平野 秀敏 / 久野 純平 / 奥田 篤 / 関谷 道代
要約 課題
耐摩耗性及び耐傷性の機械的強度が強く、かつ、低温低湿下においても繰り返し安定性に優れた電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。

解決手段
本発明は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の少なくとも1種は、特定の構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質であり、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して、特定の構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質が占める割合が、90質量%〜100質量%であることを特徴とする電子写真感光体において、
特許請求の範囲
【請求項1】
導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の少なくとも1種は、下記式(1)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質であり、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して、下記式(1)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質が占める割合が、90質量%〜100質量%である電子写真感光体において、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
該正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、
、Vおよびdが下記式(A)
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.18 ・・・(A)
を満足することを特徴とする電子写真感光体。
【化1】



(式中、Ar101〜Ar108はそれぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z15はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
【請求項2】
導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の少なくとも1種は、下記式(2)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質であり、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して、下記式(2)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質が占める割合が、90質量%〜100質量%である電子写真感光体において、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
該正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、
、Vおよびdが下記式(A)
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.18 ・・・(A)
を満足することを特徴とする電子写真感光体。
【化2】



(式中、Ar201〜Ar209はそれぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z21〜Z26はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
【請求項3】
導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の少なくとも1種は、下記式(3)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質であり、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して、下記式(3)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質が占める割合が、90質量%〜100質量%である電子写真感光体において、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
該正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、
、Vおよびdが下記式(A)
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.18 ・・・(A)
を満足することを特徴とする電子写真感光体。
【化3】



(式中、Ar301〜Ar310は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z31〜Zはそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
【請求項4】
導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の少なくとも1種は、下記式(4)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質であり、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して、下記式(4)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質が占める割合が、90質量%〜100質量%である電子写真感光体において、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
該正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、
、Vおよびdが下記式(A)
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.18 ・・・(A)
を満足することを特徴とする電子写真感光体。
【化4】



(式中、Ar401〜Ar411は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z41〜Zはそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
【請求項5】
導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の少なくとも1種は、下記式(5)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質であり、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して、下記式(5)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質が占める割合が、90質量%〜100質量%である電子写真感光体において、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
該正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、
、Vおよびdが下記式(A)
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.18 ・・・(A)
を満足することを特徴とする電子写真感光体。
【化5】



(式中、Ar501〜Ar512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z51〜Zはそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
【請求項6】
、Vおよびdが、下記式(B)を満足する請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.15 ・・・(B)
【請求項7】
、Vおよびdが、下記式(C)を満足する請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.13 ・・・(C)
【請求項8】
該電荷発生層が電子輸送物質を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体。
【請求項9】
該電子輸送物質がナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物である請求項8に記載の電子写真感光体。
【請求項10】
該電子写真感光体が、電荷発生層の直下に中間層を有し、該中間層が、電子輸送物質を含有する請求項8または9に記載の電子写真感光体。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真感光体と、
帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳しくは、特定の正孔輸送物質を正孔輸送層中に含有する電子写真感光体、その電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置に用いられる像保持部材として、電子写真感光体があり、高生産性、材料設計の容易性および将来性の観点から、有機光導電性物質による有機電子写真感光体の開発が盛んに行われている。電子写真感光体としての機能性に関しては、無機電子写真感光体より優れた電子写真感光体が生産されるに至ったが、有機電子写真感光体における高感度化や繰り返し使用時の画像の安定性、耐久性という点において更なる改善が望まれている。
【0003】
これらの課題に対し、正孔輸送物質の改善による提案がなされてきている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。特許文献1及び特許文献2の中では、正孔輸送物質の分子内に、窒素原子にフェニル基が結合した3級アミンを有する構造(以下、トリフェニルアミン構造とする)を3個または4個有する正孔輸送物質を電子写真感光体に使用することで、高感度化を達成しており、この優れた正孔輸送特性が正孔輸送物質中にトリフェニルアミン構造を3個または4個有することにより発現していると記載されている。しかしながら、窒素原子に置換または無置換の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の芳香族複素環基のいずれかが結合した3級アミンを有する構造(以下、トリアリールアミン構造とする)を5個以上有する正孔輸送物質に関しては記載されていない。また、電子写真感光体の機械的強度における耐久性に関しても記載されていない。
【0004】
同様に特許文献3では、正孔輸送物質中にトリフェニルアミン構造を2個〜4個有するものが挙げられている。この特許文献3では、トリフェニルアミン構造を2個〜4個有する正孔輸送物質により、正孔輸送層のガラス転移温度が上昇することが記載されているが、この正孔輸送物質を含有することだけでは耐久性の向上を図ることができないことが比較例で挙げられている。
【0005】
このように、正孔輸送物質を改良することにより、優れた正孔輸送特性を達成しているが、低分子量正孔輸送物質を結着樹脂中に混合して用いるため、必ずしも結着樹脂本来の機械的強度を十分に活かせているわけではない。
【0006】
低分子量正孔輸送物質の添加による機械的強度の低下を改善する目的で、特許文献4及び特許文献5には、トリアリールアミン構造を多数個含有するポリマー型の高分子量正孔輸送物質が提案されている。これらの特許文献中では、トリアリールアミン構造を多数個含有するポリマー型の高分子量正孔輸送物質を電子写真感光体に使用することで、繰り返し使用に対する耐久性が良好になることが記載されている。これら特許文献中では重合反応により高分子量正孔輸送物質を合成しているため、さまざまな分子量の正孔輸送物質を含む混合体として生成している。しかしながら、特許文献5には、繰り返し構造単位の繰り返し回数が10回以下であれば、分子量分布を持たない高分子量正孔輸送物質とほとんど差がないとも記載されている。
【0007】
同様にポリマー型の高分子量正孔輸送物質を電子写真感光体に使用する例としては、特許文献6および特許文献7が挙げられる。特許文献6に記載されている高分子量正孔輸送物質は、低分子量モノマーの重合反応により製造される分子量分布を有するポリマー型の高分子量正孔輸送物質であり、この正孔輸送物質を電子写真感光体に使用することにより、耐久性の向上と正孔輸送特性の向上による高感度化を達成できることを示している。
【0008】
さらに、特許文献6にはトリフェニルアミン構造を多数個含有するポリマー型の高分子量正孔輸送物質を分子量フラクションに分離する方法が提案されており、さらに分子量フラクションに分離することで正孔輸送特性が向上することが記載されている。さらに、特許文献7では、ポリマー型の高分子量正孔輸送物質を使用することで、電子写真感光体の耐久性が向上すると記載されており、高い正孔輸送能と高い耐久性を有する電子写真感光体が提案されている。
【0009】
しかしながら、繰り返し構造単位の繰り返し回数が少ないものであったとしても、また、分子量フラクションに分離したとしても、ポリマー型の高分子量正孔輸送物質は分子量分布を有しており、さまざまな分子量の正孔輸送物質を同時に含んでいるため、より高性能な正孔輸送物質が求められるなか、ポリマー型の高分子量正孔輸送物質すべてが必ずしも十分な機械的強度や電子写真特性を有しているわけではない。また、ある程度の機械的強度を有する場合でも、製造コストが非常に高く、実用には向かないなどの欠点がある。
【0010】
これらの課題に対して、特定の構造を有し、かつ、特定の分子量を有する正孔輸送物質を含有することで従来と比べて耐摩耗性及び耐傷性の機械的強度が強く、かつ、繰り返し安定性に優れた電子写真感光体が提案されている(特許文献8参照)。
【0011】
しかしながら、耐摩耗性が向上すると、摩耗量が減少するため、感光層寿命が長期化し、感光層が受ける帯電、画像露光、トナー現像、転写工程からの電気的外力の影響が相対的に大きくなるため、繰り返し使用した際に、その影響が出やすくなる。例えば、低温低湿下で繰り返し使用したときの暗部電位の低下や帯電部材の汚れによる画像ムラなどが挙げられる。このように、電子写真感光体の耐久性との両立が必須な解決すべき問題点も生じてきている。
【特許文献1】特開平9−292724号公報
【特許文献2】特開2001−133994号公報
【特許文献3】特開2000−206721号公報
【特許文献4】特開昭61−151545号公報
【特許文献5】特公平5−49106号公報
【特許文献6】国際公開番号 WO00/078843
【特許文献7】国際公開番号 WO99/32537
【特許文献8】特開2004−109999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決し、特定の正孔輸送物質を正孔輸送層中に含有する感光体において、特定の規定を満足することにより、耐摩耗性及び耐傷性の機械的強度が強く、かつ、低温低湿下においても繰り返し使用したときの暗部電位の低下、及び帯電部材の汚れによる画像ムラが生じ難い電子写真感光体を提供することにある。
【0013】
さらに、本発明の目的は上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真感光体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
すなわち、本発明は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の少なくとも1種は、下記式(1)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質であり、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して、下記式(1)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質が占める割合が、90質量%〜100質量%である電子写真感光体において、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
該正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、
、Vおよびdが下記式(A)
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.18 ・・・(A)
を満足することを特徴とする電子写真感光体である。
【0015】
【化6】


【0016】
(式中、Ar101〜Ar108はそれぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z11〜Z15はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
【0017】
また、本発明は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の少なくとも1種は、下記式(2)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質であり、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して、下記式(2)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質が占める割合が、90質量%〜100質量%である電子写真感光体において、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
該正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、
、Vおよびdが下記式(A)
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.18 ・・・(A)
を満足することを特徴とする電子写真感光体である。
【0018】
【化7】


【0019】
(式中、Ar201〜Ar209はそれぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z21〜Z26はそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
【0020】
また、本発明は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の少なくとも1種は、下記式(3)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質であり、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して、下記式(3)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質が占める割合が、90質量%〜100質量%である電子写真感光体において、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
該正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、
、Vおよびdが下記式(A)
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.18 ・・・(A)
を満足することを特徴とする電子写真感光体である。
【0021】
【化8】


【0022】
(式中、Ar301〜Ar310は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z31〜Zはそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
【0023】
また、本発明は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の少なくとも1種は、下記式(4)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質であり、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して、下記式(4)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質が占める割合が、90質量%〜100質量%である電子写真感光体において、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
該正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、
、Vおよびdが下記式(A)
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.18 ・・・(A)
を満足することを特徴とする電子写真感光体である。
【0024】
【化9】


【0025】
(式中、Ar401〜Ar411は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z41〜Zはそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
【0026】
また、本発明は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の少なくとも1種は、下記式(5)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質であり、該正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して、下記式(5)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質が占める割合が、90質量%〜100質量%である電子写真感光体において、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
該正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、
、Vおよびdが下記式(A)
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.18 ・・・(A)
を満足することを特徴とする電子写真感光体である。
【0027】
【化10】


【0028】
(式中、Ar501〜Ar512は、それぞれ独立して置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の一価の芳香族複素環基を示し、Z51〜Zはそれぞれ独立して置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基を示す。)
【0029】
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0030】
また、本発明は、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
【発明の効果】
【0031】
本発明により、上記電子写真感光体を使用することにより、高い機械的強度、高い耐摩耗性、更には、低温低湿下での繰り返し使用時においても暗部電位の低下や画像ムラが生じ難く、長期にわたり良好な品質の画像を形成する電子写真感光体を提供可能となる。
【0032】
さらに、本発明により、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真感光体を提供可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0034】
まず、電子写真感光体が、本発明の上記規定を満足するか否かを判定する判定法(以下「本発明の判定法」ともいう。)について説明する。
【0035】
本発明の判定法は、常温常湿(23℃、50%RH)環境下で行われる。
【0036】
図1に、本発明の判定法を実施するための判定装置の概略構成の一例を示す。
【0037】
図1中、101は判定対象の電子写真感光体であり、103は帯電装置の帯電ローラーであり、104はキセノンランプ、モノクロメーターおよびNDフィルターを備える露光装置であり、104Lは光(露光光)であり、105は電子写真感光体の表面電位を測定する(読み取る)ための電位計(電位プローブ)である。電子写真感光体101は矢印方向に回転駆動される。また、図1には、直径が60mmの電子写真感光体を例示している。
【0038】
本発明の判定法において、電子写真感光体の回転速度は、該電子写真感光体の表面の移動速度が30π[mm/s](94.25[mm/s])になる速度に設定される。
【0039】
帯電ローラー103による帯電位置、光104Lが照射される位置すなわち露光位置および電位計105による電位測定位置は、帯電と光照射との間の時間が0.25秒かつ光照射と電位測定との間の時間が0.25秒になるように、設定される。
【0040】
図1においては、電子写真感光体101の直径は60mmであるから、
{(30π×0.25)/60π}×360°=45°
より、帯電位置と電子写真感光体中心と露光位置とがなす角度および露光位置と電子写真感光体中心と電位測定位置とがなす角度は、図1に示すとおり、どちらも45°となる。
【0041】
図2に、本発明の判定法を実施するための判定装置の概略構成の別の例を示す。101’は判定対象の電子写真感光体であり、他の符号は図1と同様である。図2には、直径が30mmの電子写真感光体を例示している。
【0042】
上述のとおり、本発明の判定法においては、電子写真感光体の回転速度は、該電子写真感光体の表面の移動速度が30π[mm/s]になる速度であり、また、帯電位置、露光位置および電位測定位置は、帯電と光照射との間の時間が0.25秒かつ光照射と電位測定との間の時間が0.25秒になるように設定されるから、図2のように、電子写真感光体の直径が30mmの場合、帯電位置と電子写真感光体中心と露光位置とがなす角度および露光位置と電子写真感光体中心と電位測定位置とがなす角度は、どちらも90°となる。
【0043】
帯電ローラー103には、低温低湿(15℃、10%RH)環境、常温常湿(23℃、50%RH)環境、高温高湿(30℃、80%RH)環境のいずれの環境下においても長手方向(帯電ローラの回転軸方向)長さ1cm当たりの抵抗が5×10〜5×10Ωの範囲に収まるものが用いられる。この抵抗は、以下のように測定される。
【0044】
すなわち、各環境に24時間放置した帯電ローラーを、それぞれアースに接続した金属製ドラムと当接させる(金属製ドラムの両端にそれぞれ7.8N、計15.6Nの力がかかるように押しあてる。)次に、金属製ドラムを100mm/sの速度で回転させながら、帯電ローラーは従動で回転させ、帯電ローラーの芯金の部分にアースに接続した電源から−500Vの電圧を印加して抵抗値を測定する。測定した抵抗値、測定時の当接部の幅(ニップ幅)および帯電ローラーの芯金上に形成された層の厚みから、帯電ローラの抵抗を算出することができる。
【0045】
本発明の判定法において、電子写真感光体の表面を帯電する際は、帯電ローラーには、電源から直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。このうち、直流電圧の値は、上記および下記の各帯電条件に合わせて決定される。交流電圧のピーク間電圧は1800V、周波数は870Hzとする。
【0046】
光104Lには、キセノンランプからの光をモノクロメーターを用いて分光した780nmの単色光を用い、光量の調整はNDフィルターによって行う。
【0047】
以下、本発明の判定法についてより詳細に説明する。
【0048】
図3は上記「V」を説明するための図であり、図4は上記「V」を説明するための図である。図3、4中、C1は帯電条件Cでの帯電、C2は帯電条件Cでの帯電、E1は光量Eの光照射、Dは電位測定を示す。
【0049】
本発明の判定法において、電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させる(以下「5回転帯電」ともいう。)のは、電子写真感光体に帯電履歴や露光履歴が残存していた場合であっても、それらを消失させるためである。
【0050】
以下、上記の帯電条件CおよびCならびに光量Eについて説明する。これら帯電条件および光量は、電子写真感光体が本発明の上記規定を満足するか否かを判定する前に決定しておく。
【0051】
・帯電条件C
判定対象の電子写真感光体の表面を5回転帯電した結果として、この電子写真感光体の表面電位が−600[V]になるよう、帯電ローラーに印加する電圧のうち直流電圧の値を調整する。
【0052】
・光量E
帯電条件Cによって5回転帯電された判定対象の電子写真感光体の表面電位(−600[V])が−150[V]に減衰するよう、光の光量をNDフィルターによって調整する。
【0053】
・帯電条件C
判定対象の電子写真感光体の表面を5回転帯電した結果として、この電子写真感光体の表面電位が−150[V]になるよう、帯電ローラーに印加する電圧のうち直流電圧の値を調整する。
【0054】
以上のようにして、電子写真感光体のVおよびVが導き出される。
【0055】
上記式(A)(A)中の│−600−V│は、前回転時に露光を受けた電子写真感光体すなわち露光履歴がある電子写真感光体について、その表面を−600[V]に帯電しようとしたとき、実際の表面電位がどれだけ−600[V]に近づくかを意味する式である。
【0056】
本発明者らは、鋭意検討した結果、│−600−V│と、露光履歴がない電子写真感光体の表面を−600[V]に帯電しようとしたとき、実際の表面電位がどれだけ−600[V]に近づくかを意味する式│−600−V│との差(│−600−V│−│−600−V│)が、式(1)〜(5)のいずれかの構造式で示される正孔輸送物質を含有する電子写真感光体を低温低湿下で繰り返し使用したときの暗部電位の低下、および帯電部材の汚れによる画像ムラの発生に影響していることを見いだした。
【0057】
また、(│−600−V│−│−600−V│)との暗部電位の低下、および帯電部材の汚れによる画像ムラの発生との関係は、正孔輸送層の膜厚によって異なることがわかった。具体的には、正孔輸送層の膜厚が厚いほど、繰り返し使用したときの暗部電位の低下、および帯電部材の汚れによる画像ムラが現れにくかった。
【0058】
これらの知見に基づき、検討を進めた結果、正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、(│−600−V│−│−600−V│)/dが0.18以下であれば、良好に暗部電位の低下、および帯電部材の汚れによる画像ムラを抑制できることがわかった。(│−600−V│−│−600−V│)/dが0.18より大きいと、繰り返し使用したときの暗部電位の低下、および帯電部材の汚れによる画像ムラが発生しやすくなる。
【0059】
なお、(│−600−V│−│−600−V│)/dは0.01以上であることが好ましい。(│−600−V│−│−600−V│)/dが0.01より小さいと、繰り返し使用したときに帯電部材の汚れによる画像ムラが発生しやすくなる場合がある。
【0060】
次に、本発明に用いられる正孔輸送物質について詳細に説明する。
【0061】
本発明における正孔輸送物質は、特定の化学構造式で記述できる高分子量の正孔輸送物質(Macro−Molecular Charge Transfer Materials)を指す。
【0062】
正孔輸送層に含有される正孔輸送物質は、上記式(1)〜(5)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質に加えて、低分子量の正孔輸送物質や高分子量の正孔輸送物質を同時に含有しても良いが、電子写真感光体の機械的強度や電子写真特性の点から、上記式(1)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質の占める割合が、正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であり、好ましくは95質量%〜100質量%であり、より好ましくは100質量%である。
【0063】
または、上記式(2)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質の占める割合が、正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であり、好ましくは95質量%〜100質量%であり、より好ましくは100質量%である。
【0064】
または、上記式(3)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質の占める割合が、正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であり、好ましくは95質量%〜100質量%であり、より好ましくは100質量%である。
【0065】
または、上記式(4)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質の占める割合が、正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であり、好ましくは95質量%〜100質量%であり、より好ましくは100質量%である。
【0066】
または、上記式(5)で示される構造を有し、かつ、分子量が1500〜4000である正孔輸送物質の占める割合が、正孔輸送層に含有される正孔輸送物質の全質量に対して90質量%〜100質量%であり、好ましくは95質量%〜100質量%であり、より好ましくは100質量%である。
【0067】
上記式(1)中のAr101〜Ar108、上記式(2)中のAr201〜Ar209、上記式(3)中のAr301〜Ar310、上記式(4)中のAr401〜Ar411、及び、上記式(5)中のAr501〜Ar512で示される置換または無置換の一価の芳香族炭化水素環基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基などが挙げられ、置換または無置換の一価の芳香族複素環基としては、ピリジル基、インドール基、キノリニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾチオフェニル基などが挙げられる。なかでも、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基が好ましい。これらが有する置換基としては、水素原子、炭素数が1〜8のいずれかであるアルキル基、炭素数が3〜12のいずれかである芳香族炭化水素環基、炭素数が1〜8のいずれかであるアルコキシ基、ハロゲン原子、フッ化アルキル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0068】
上記式(1)中のZ11〜Z15、上記式(2)中のZ21〜Z26、上記式(3)中のZ31〜Z37、上記式(4)中のZ41〜Z48、及び、上記式(5)中のZ51〜Z59で示される置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、フルオレニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、ピレニレン基、などが挙げられ、置換または無置換の二価の芳香族複素環基としては、ピリジニレン基、インドーリレン基、キノリニレン基、ベンゾフラニレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾチオフェンニレン基などが挙げられる。また、上述の二価の芳香族炭化水素環または二価の芳香族複素環基が、単結合、置換または無置換の炭素数が1〜4のいずれかであるアルキレン基、アルキリデン基、置換または無置換のケイ素数が1〜4のいずれかであるシリレン基、酸素原子、硫黄原子により連結することで形成されるものも置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基として挙げられる。置換または無置換の二価の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の二価の芳香族複素環基のうち、ビフェニレン基、フルオレニレン基、ピリジニレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基が好ましい。
【0069】
より好ましくは、上記式(1)中のZ11〜Z15が置換または無置換のビフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であり、
あるいは、上記式(2)中のZ21〜Z26が置換または無置換のビフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であり、
あるいは、上記式(3)中のZ31〜Z37が置換または無置換のビフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であり、
あるいは、上記式(4)中のZ41〜Z48が置換または無置換のビフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であり、
あるいは、上記式(5)中のZ51〜Z59が、置換または無置換のビフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基である。
【0070】
更に好ましくは、上記式(1)中のZ11〜Z15のうち、1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ11〜Z15が置換または無置換のビフェニレン基であり、
あるいは、上記式(2)中のZ21〜Z26のうち、1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ21〜Z26が置換または無置換のビフェニレン基であり、
あるいは、上記式(3)中のZ31〜Z37のうち、1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ21〜Z26が置換または無置換のビフェニレン基であり、
あるいは、上記式(4)中のZ41〜Z48のうち、1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ21〜Z26が置換または無置換のビフェニレン基であり、
あるいは、上記式(5)中のZ51〜Z59のうち、1つが置換または無置換のジベンゾフラニレン基、または、置換または無置換のジベンゾチオフェニレン基であって、その他のZ11〜Z59が置換または無置換のビフェニレン基である。
【0071】
これらの二価の芳香族炭化水素環基または二価の芳香族複素環基が有する置換基としては、水素原子、炭素数が1〜8のいずれかであるアルキル基、炭素数が3〜12のいずれかである芳香族炭化水素環基、炭素数が1〜8のいずれかであるアルコキシ基、ハロゲン原子、フッ化アルキル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0072】
次に、本発明に用いる正孔輸送物質の具体的な例を挙げるが、必ずしも提示した構造に限定されない。
【0073】
【化11】


【0074】
【化12】


【0075】
【化13】


【0076】
【化14】


【0077】
【化15】


【0078】
【化16】


【0079】
【化17】


【0080】
【化18】


【0081】
【化19】


【0082】
【化20】


【0083】
【化21】


【0084】
【化22】


【0085】
【化23】


【0086】
【化24】


【0087】
【化25】


【0088】
【化26】


【0089】
【化27】


【0090】
【化28】


【0091】
【化29】


【0092】
【化30】


【0093】
【化31】


【0094】
【化32】


【0095】
【化33】


【0096】
【化34】


【0097】
【化35】


【0098】
【化36】


【0099】
【化37】


【0100】
【化38】


【0101】
【化39】


【0102】
【化40】


【0103】
【化41】


【0104】
【化42】


【0105】
【化43】


【0106】
【化44】


【0107】
【化45】


【0108】
【化46】


【0109】
【化47】


【0110】
【化48】


【0111】
【化49】


【0112】
【化50】


【0113】
【化51】


【0114】
【化52】


【0115】
【化53】


【0116】
【化54】


【0117】
【化55】


【0118】
【化56】


【0119】
【化57】


【0120】
【化58】


【0121】
【化59】


【0122】
【化60】


【0123】
【化61】


【0124】
【化62】


【0125】
【化63】


【0126】
【化64】


【0127】
【化65】


【0128】
【化66】


【0129】
【化67】


【0130】
【化68】


【0131】
【化69】


【0132】
【化70】


【0133】
【化71】


【0134】
【化72】


【0135】
本発明における正孔輸送物質の分子量は、1500〜4000であり、好ましくは1500〜3500である。分子量が1500より小さいと、感度特性および強度特性に対する効果が不十分であり、一方、4000より大きいと、本発明の規定内であっても、低温低湿下において繰り返し使用したときの暗部電位の低下が生じる。
【0136】
本発明における正孔輸送物質は、特定の化学構造式のみによって示される単一性の高い高分子量の正孔輸送物質であることを特徴としているため、モノマーの繰り返し重合反応による製造法では製造困難である。従って、低分子量正孔輸送物質の製造で使用していた合成法を繰り返し行う逐次合成法によって合成された正孔輸送物質を用いることが好ましい。逐次合成法とは、原材料と反応対象物との化学反応により主生成物として単一の化合物を生成する反応を多段階で行う合成法であり、重合反応により分子量分布を有する化合物を合成する製造法とは異なり、分子量分布を持たないほどの単一性の高い正孔輸送物質が選択的に製造できる。
【0137】
逐次合成法に用いられる合成反応は、従来からの低分子量正孔輸送物質の製造で使用していた合成反応が用いられる。すなわち、ウルマン反応や金属触媒による合成方法が利用される。また、多段階の合成を順次連続して製造してもよく、また、合成の一工程終了後、次段階の合成までの工程の間に精製工程をいれてもよい。また、最終工程終了後、従来から一般に用いられている精製方法を使用することができる。すなわち、活性白土、活性炭、シリカ、アルミナといった吸着剤による処理や、シリカまたはアルミナなどによるカラムクロマトグラフィー、ポリスチレン微粒子などを利用したゲルパーミッションカラムクロマトグラフィーなどの精製、再結晶や晶析などの結晶化による精製手法を使用してもよい。
【0138】
次に、本発明における正孔輸送物質の製造例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0139】
(製造例1)正孔輸送物質の例示化合物(CT−10)の製造
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、2,4−ジメチルフェニルアミン133g(1.1mol)、1−ブロモ−2,4−ジメチルベンゼン185g(1.0mol)、酢酸パラジウム11.2g(0.05mol)、2−tert−ブチルフォスフィノイル−2−メチルプロパン32.4g(0.2mol)、リン酸三カリウム212g(1.0mol)、ジメチルホルムアミド500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、12時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)アミンを得た。得られた化合物の収量は189g、収率は84%であった。得られた化合物を元素分析器(CHNコーダー MT−5、YANACO(株)製)を用いて測定した。なお、以下の元素分析による実測値及び計算値の単位は質量%である。実測値:C,85.24、H,8.53、N,6.63(計算値:C,85.28、H,8.50、N,6.22)。
【0140】
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(ブロモフェニル)フェニル]アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(2,4−ジメチルフェニル)アミン112.5g(0.5mol)、4,4’−ジブロモビフェニル156g(0.5mol)、酢酸パラジウム5.6g(0.025mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン27.7g(0.05mol)、tert−ブトキシナトリウム63.7g(0.7mol)、キシレン800mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的の(ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(ブロモフェニル)フェニル]アミンを得た。得られた化合物の収量は155.2g、収率は68質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,73.44、H,5.62、N,2.98(計算値:C,73.68、H,5.74、N,3.07)。
【0141】
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)(4−{4−[(2,4−ジメチルフェニル)アミノ]フェニル}フェニル)アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、(ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(ブロモフェニル)フェニル]アミン91.3g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン36.3g(0.3mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン11.1g(0.02mol)、tert−ブトキシナトリウム26.9g(0.28mol)、キシレン500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、3時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)(4−{4−[(2,4−ジメチルフェニル)アミノ]フェニル}フェニル)アミンを得た。得られた化合物の収量は83.4g、収率は84質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,87.03、H,7.26、N,5.71(計算値:C,87.05、H,7.31、N,5.64)。
【0142】
<ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、ビス(2,4−ジメチルフェニル)(4−{4−[(2,4−ジメチルフェニル)アミノ]フェニル}フェニル)アミン49.7g(0.1mol)、4,4’−ジブロモビフェニル31.2g(0.1mol)、酢酸パラジウム1.13g(0.005mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン5.54g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム13.4g(0.14mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的のビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミンを得た。得られた化合物の収量は50.9g、収率は70質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて実測値を測定した。実測値:C,79.26、H,5.98、N,3.83(計算値:C,79.22、H,5.96、N,3.85)。
【0143】
<(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b、d]フラン−2−イル}アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、2,8−ジブロモジベンゾフラン65.2g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン、および溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的の(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b、d]フラン−2−イル}アミンを得た。得られた化合物の収量は71.5g、収率は88質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,82.68、H,6.44、N,6.92(計算値:C,82.73、H,6.45、N,6.89)。
【0144】
<正孔輸送物質の例示化合物(CT−10)の製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミン36.4g(0.05mol)、(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b、d]フラン−2−イル}アミン10.2g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、例示化合物(CT−10)で示された目的の正孔輸送物質を得た。得られた化合物の収量は39.1g、収率は89質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,84.80、H,5.81、N,4.83(計算値:C,84.85、H,5.85、N,4.79)。また、得られた化合物の質量分析をレーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI−TOF−MASS)装置(REFLEXIII、BRUKER社製、マトリックス;9−ニトロアントラセン)を用いて行った。このとき得られた質量スペクトルの測定結果を図5に示す。なお、この質量スペクトルの横軸は質量電荷比(生成イオンの質量(m)/生成イオンの電荷の価数(z))、縦軸は検出した生成イオンの強度を示す。
【0145】
(製造例2)正孔輸送物質の例示化合物(CT−17)の製造
<(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}アミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、2,8−ジブロモジベンゾチオフェン68.4g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン、および溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的の(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}アミンの製造を得た。得られた化合物の収量は71.0g、収率は84質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,79.60、H,6.24、N,6.52(計算値:C,79.58、H,6.20、N,6.63)。
【0146】
<正孔輸送物質の例示化合物(CT−17)の製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、ビス(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−{(2,4−ジメチルフェニル)[4−(4−ブロモフェニル)フェニル]アミノ}フェニル)フェニル]アミン36.4g(0.05mol)、(2,4−ジメチルフェニル){8−[(2,4ジメチルフェニル)アミノ]ジベンゾ[b]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}アミン10.6g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、例示化合物(CT−17)で示された目的の正孔輸送物質を得た。得られた化合物の収量は37.3g、収率は87質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,86.80、H,6.40、N,4.86(計算値:C,86.78、H,6.46、N,4.90)。また、得られた化合物の質量分析を上述と同様の装置を用いて行った。このとき得られた質量スペクトルの測定結果を図6に示す。
【0147】
(製造例3)正孔輸送物質の例示化合物(CT−39)の製造
<(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、2,4−ジメチルフェニルアミン133g(1.1mol)、1−ブロモ−4−メチルベンゼン171g(1.0mol)、酢酸パラジウム11.2g(0.05mol)、2−tert−ブチルフォスフィノイル−2−メチルプロパン32.4g(0.2mol)、リン酸三カリウム212g(1.0mol)、ジメチルホルムアミド500mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、12時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、目的の(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンを得た。得られた化合物の収量は189.5g、収率は88質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,85.27、H,8.09、N,6.64(計算値:C,85.26、H,8.11、N,6.63)。
【0148】
<(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンの製造>
空気冷却管、およびメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミン105.7g(0.5mol)、4’−ブロモ−4−ヨードビフェニル215.4g(0.6mol)、銅粉50g、炭酸カリウム60g、o−ジクロロベンゼン600mLを入れ、オイルバスにて12時間加熱した。反応終了後、室温まで放冷し、ろ過により固形物を除去後、トルエン/水により抽出。有機層より溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的の(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミンを得た。得られた化合物の収量は165.9g、収率は75質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,73.33、H,5.48、N,3.17(計算値:C,73.30、H,5.47、N,3.17)。
【0149】
<N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−(2,4−ジメチルフェニル)−p−トリルアミン88.5g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン26.7g(0.22mol)、酢酸パラジウム2.2g(0.01mol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン11.1g(0.02mol)、tert−ブトキシナトリウム26.8g(0.28mol)、キシレン400mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧蒸留し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、目的のN,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンを得た。得られた化合物の収量は71.4g、収率は74質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,87.05、H,7.14、N,5.81(計算値:C,87.10、H,7.10、N,5.80)。
【0150】
<N’−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンの製造>
空気冷却管、およびメカニカルスターラーを付した2Lの3口反応容器に、(N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミン48.3g(0.1mol)、4’−ブロモ−4−ヨードビフェニル39.5g(0.11mol)、銅粉20g、o−ジクロロベンゼン200mLを入れ、オイルバスにて12時間加熱した。反応終了後、室温まで放冷し、ろ過により固形物を除去後、トルエン/水により抽出。有機層より溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=2:1)にて精製を行い、目的のN’−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミンを得た。得られた化合物の収量は45.0g、収率は63質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,78.88、H,5.69、N,3.96(計算値:C,79.09、H,5.79、N,3.92)。
【0151】
<N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−ビフェニル−4,4’−ジアミンの製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した1Lの3口反応容器に、4、4’−ジブロモビフェニル62.4g(0.2mol)、2,4−ジメチルフェニルアミン72.6g(0.6mol)、酢酸パラジウム2.24g(0.01mol)、トリ(o−トリル)ホスフィン12.2g(0.04mol)、tert−ブトキシナトリウム51.8g(0.54mol)、キシレン300mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、5時間還流させた。反応終了後、減圧蒸留により過剰量の2,4−ジメチルフェニルアミン、および溶媒を留去、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去、再結晶により目的のN,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−ビフェニル−4,4’−ジアミンを得た。得られた化合物の収量は62.7g、収率は80質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,85.66、H,7.18、N,7.16(計算値:C,85.67、H,7.19、N,7.14)。
【0152】
<正孔輸送物質の例示化合物(CT−39)の製造>
冷却管、およびメカニカルスターラーを付した500mLの3口反応容器に、N’−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミン35.7g(0.05mol)、N,N’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−ビフェニル−4,4’−ジアミン9.8g(0.025mol)、酢酸パラジウム0.57g(0.0025mol)、ビフェニル−2−イル−ジ−tert−ブチルフォスフィン3.0g(0.01mol)、tert−ブトキシナトリウム6.7g(0.07mol)、キシレン200mLを入れ、窒素ガス雰囲気下、オイルバスで加熱、4時間還流させた。反応終了後、室温まで放冷し、トルエン/水により抽出、塩酸水で洗浄し、その後、有機層を減圧により溶媒留去し、シリカゲルカラム(展開溶媒ヘキサン/トルエン=1:1)にて精製を行い、例示化合物(CT−39)で示された目的の正孔輸送物質を得た。得られた化合物の収量は34.4g、収率は83質量%であった。得られた化合物を上述と同様の元素分析器を用いて測定した。実測値:C,88.40、H,6.51、N,5.09(計算値:C,88.37、H,6.56、N,5.07)。また、得られた化合物の質量分析を上述と同様の装置を用いて行った。このとき得られた質量スペクトルの測定結果を図7に示す。
【0153】
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
【0154】
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生層、および、該電荷発生層上に設けられた正孔輸送物質を含有する正孔輸送層を有する電子写真感光体である。
【0155】
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であればよく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着することによって形成された被膜からなる層を有する上記金属製支持体やプラスチック(ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂やポリイミド樹脂など)製支持体やガラス製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体などを用いることもできる。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状などが挙げられるが、円筒状が好ましい。
【0156】
また、支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理(ホーニング処理やブラスト処理など)、アルマイト処理などを施してもよいし、アルカリリン酸塩やリン酸やタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物またはフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理を施してもよい。
【0157】
ホーニング処理としては、乾式ホーニング処理と湿式ホーニング処理とがある。湿式ホーニング処理は、水などの液体に粉末状の研磨剤を懸濁させ、高速度で支持体の表面に吹き付けて支持体の表面を粗面化する方法であり、表面粗さは、吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重および懸濁温度などによって制御することができる。乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーによって高速度で支持体の表面に吹き付けて支持体の表面を粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。ホーニング処理に用いられる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、鉄、ガラスビーズなどの粒子が挙げられる。
【0158】
支持体と電荷発生層または後述の中間層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
【0159】
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。好適な金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛や酸化チタンの粒子が挙げられる。また、導電性粒子として、硫酸バリウムの粒子を用いることもできる。導電性粒子には、被覆層を設けてもよい。
【0160】
導電性粒子の体積抵抗率は0.1〜1000Ω・cmの範囲が好ましく、特には1〜1000Ω・cmの範囲がより好ましい(この体積抵抗率は、三菱油化(株)製の抵抗測定装置ロレスタAPを用いて測定して求めた値である。測定サンプルは49MPaの圧力で固めてコイン状としたもの。)。また、導電性粒子の平均粒径は0.05〜1.0μmの範囲が好ましく、特には0.07〜0.7μmの範囲がより好ましい(この平均粒径は、遠心沈降法により測定した値である。)。導電層中の導電性粒子の割合は、導電層全質量に対して1.0〜90質量%の範囲が好ましく、特には5.0〜80質量%の範囲がより好ましい。
【0161】
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは単独で、または、2種以上の混合物もしくは共重合体として用いることができる。これらは、支持体に対する接着性が良好であるとともに、導電性粒子の分散性を向上させ、かつ、成膜後の耐溶剤性が良好である。これらの中でも、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂が好ましい。
【0162】
導電層の膜厚は0.1〜30μmであることが好ましく、特には0.5〜20μmであることがより好ましい。
【0163】
導電層の体積抵抗率は1013Ω・cm以下であることが好ましく、特には10〜1012Ω・cmの範囲であることがより好ましい(この体積抵抗率は、測定対象の導電層と同じ材料によってアルミニウム板上に被膜を形成し、この皮膜上に金の薄膜を形成して、アルミニウム板と金薄膜の両電極間を流れる電流値をpAメーターで測定して求めた値である。)。
【0164】
また、導電層には、必要に応じてフッ素あるいはアンチモンを含有させてもよいし、導電層の表面性を高めるために、レベリング剤を添加してもよい。
【0165】
また、支持体または導電層と電荷発生層との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層(下引き層、接着層とも呼ばれる。)を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
【0166】
中間層は、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂などの樹脂や、酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。
【0167】
上記式(A)の規定を満足する電子写真感光体を製造する方法の1つとして、中間層に電子輸送物質を含有させるという方法が挙げられる。
【0168】
電子輸送物質としては、例えば、トリニトロフルオレノンなどのフルオレノン化合物、ピロメリットイミド、ナフチルイミドなどのイミド化合物、ベンゾキノン、ジフェノキノン、ジイミノキノン、ナフトキノン、スチルベンキノン、アントラキノンなどのキノン化合物、フルオレニリデンアニリン、フルオレニリデンマロノニトリルなどのフルオレニリデン化合物、フタル酸無水物などのカルボン酸無水物、チオピランジオキシドなどの環状スルホン化合物、オキサジアゾール化合物、トリアゾール化合物などが挙げられる。これらの中でも、イミド化合物がより好ましい。
【0169】
中間層の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、特には0.3〜1μmであることがより好ましい。
【0170】
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩、チアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
【0171】
上記の各種電荷発生物質の中でも、高感度である反面、本発明がより有効に作用するという点で、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましく、特にはフタロシアニン顔料が好ましい。
【0172】
フタロシアニン顔料の中でも、金属フタロシアニン顔料が好ましく、特には、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンがより好ましく、その中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが特に好ましい。
【0173】
オキシチタニウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶が好ましい。
【0174】
クロロガリウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5および28.2°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の6.8°、17.3°、23.6°および26.9°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.7〜9.2°、17.6°、24.0°、27.4°および28.8°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
【0175】
ジクロロスズフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.3°、12.2°、13.7°、15.9°、18.9°および28.2°に強いピークを有する結晶形のジクロロスズフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.5、11.2°、14.5°および27.2°に強いピークを有する結晶形のジクロロスズフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.7°、9.9°、10.9°、13.1°、15.2°、16.3°、17.4°、21.9°および25.5°に強いピークを有する結晶形のジクロロスズフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.2°、12.2°、13.4°、14.6°、17.0°および25.3°に強いピークを有する結晶形のジクロロスズフタロシアニン結晶が好ましい。
【0176】
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
【0177】
電荷発生物質の粒径は0.5μm以下であることが好ましく、特には0.3μm以下であることがより好ましく、さらには0.01〜0.2μmであることがより一層好ましい。
【0178】
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、セルロース樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、メラミン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルメタクリレート樹脂、ポリビニルアクリレート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ブチラール樹脂などが好ましい。これらは単独で、または、2種以上の混合物もしくは共重合体として用いることができる。
【0179】
上記式(A)の規定を満足する電子写真感光体を製造する方法の1つとして、電荷発生層に電子輸送物質を含有させるという方法が挙げられる。
【0180】
電子輸送物質としては、例えば、トリニトロフルオレノンなどのフルオレノン化合物、ピロメリットイミド、ナフチルイミドなどのイミド化合物、ベンゾキノン、ジフェノキノン、ジイミノキノン、ナフトキノン、スチルベンキノン、アントラキノンなどのキノン化合物、フルオレニリデンアニリン、フルオレニリデンマロノニトリルなどのフルオレニリデン化合物、フタル酸無水物などのカルボン酸無水物、チオピランジオキシドなどの環状スルホン化合物、オキサジアゾール化合物、トリアゾール化合物などが挙げられる。これらの中でも、イミド化合物が好ましく、特には下記式(6)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物がより好ましい。
【0181】
【化73】


【0182】
上記式(6)中、R101およびR104は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、エーテル基で中断された置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、エーテル基で中断された置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、アルキル基で置換されたカルボニル基、アルキル基で置換されたスルホニル基、または、1価の置換もしくは無置換の複素環基を示す。R102およびR103は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアルコキシ基を示す。
【0183】
上記のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などの鎖状のアルキル基や、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの環状のアルキル基が挙げられる。上記のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基などが挙げられる。上記のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基などが挙げられる。上記のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。上記の1価の複素環基としては、ヒリジル基、フラル基などが挙げられる。上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。上記のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
【0184】
上記各基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのアルキル基や、ビニル基、アリル基などのアルケニル基や、ニトロ基や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子や、パーフルオロアルキル基などのハロゲン化アルキル基や、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基などのアリール基や、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基などが挙げられる。
【0185】
上記式(6)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の中でも、R101およびR104の少なくとも一方が、置換もしくは無置換の直鎖のアルキル基、または、置換のアリール基であるものが好ましい。また、置換もしくは無置換の直鎖のアルキル基の中でも、ハロゲン原子置換の直鎖のアルキル基が好ましく、置換のアリール基の中でも、ハロゲン原子置換のアリール基、アルキル基置換のアリール基、または、ハロゲン化アルキル基置換のアリール基が好ましい。また、上記式(6)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物は、溶剤への溶解性の観点から、非対称形の構造であること(例えば、R101とR104とが異なる基。)が好ましい。
【0186】
電荷発生層に含有させる電子輸送物質としては、その還元電位(飽和カロメル電極による還元電位)が−0.80〜0.00Vの範囲にあるものが好ましく、特には−0.65〜−0.25Vの範囲にあるものがより好ましく、さらには−0.60〜−0.25Vの範囲にあるものがより一層好ましい。
【0187】
以下に、上記式(6)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0188】
【化74】


【0189】
【化75】


【0190】
【化76】


【0191】
上記式(6−1)〜(6−13)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の還元電位はそれぞれ以下のとおりである。
【0192】
(6−1):−0.59V
(6−2):−0.51V
(6−3):−0.58V
(6−4):−0.46V
(6−5):−0.48V
(6−6):−0.47V
(6−7):−0.58V
(6−8):−0.58V
(6−9):−0.57V
(6−10):−0.49V
(6−11):−0.59V
(6−12):−0.45V
(6−13):−0.59V
【0193】
電荷発生層中の電子輸送物質の割合は、電荷発生層中の電荷発生物質に対して10〜60質量%であることが好ましく、特には21〜40質量%であることがより好ましい。
【0194】
電荷発生層は、電荷発生物質、必要に応じて電子輸送物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、1:0.5〜1:4(質量比)の範囲が好ましい。
【0195】
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
【0196】
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜2μmであることがより好ましく、さらには0.05〜0.3μmであることがより一層好ましい。
【0197】
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
【0198】
機能分離型(積層型)感光層の場合、電荷発生層の上には正孔輸送層が形成される。
【0199】
正孔輸送層は、機械的強度や電子写真特性の観点から、感光層に結着樹脂を含有していることが好ましい。また、結着樹脂は絶縁性であることが好ましい。
【0200】
また、該正孔輸送層は電子写真感光体の表面層であることが好ましい。
【0201】
正孔輸送層は上記正孔輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解させ塗布液とし、この塗布液を電荷発生層上に塗布後、乾燥することによって作製される。
【0202】
塗布液中の正孔輸送物質と結着樹脂の比率(正孔輸送物質/結着樹脂)は、質量比で1/10〜10/10が好ましく、電子写真感光体の強度、あるいは低温低湿下における暗部電位の低下および帯電部材の汚れによる画像ムラに対する効果が得られやすいといった点から、2/10〜7/10がより好ましい。
【0203】
結着樹脂としては、通常、正孔輸送層に使用できる樹脂ならば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂など、いずれの樹脂においても使用可能であるが、樹脂の透過性、成膜性の観点から、また、正孔輸送層が電子写真感光体の表面層である場合には耐摩耗性の観点からも、ポリカーボネートまたはポリアリレート樹脂が好ましい。
【0204】
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、20000〜80000であることが好ましい。
【0205】
ポリカーボネート樹脂を構成する二価の有機残基部分は、置換または無置換の二価のビフェニル残基、置換または無置換の二価のビスフェニル残基、置換または無置換の二価のビフェニルエーテル残基、置換または無置換の二価のビフェニルチオエーテル残基など、二価の有機残基であればどのよう構造であっても可能であるが、置換または無置換の二価のビフェニル残基、置換または無置換の二価のビスフェニル残基、または、置換または無置換の二価のビフェニルエーテル残基であることが好ましい。
【0206】
また、生産性の向上などのために、ポリカーボネート樹脂中の二価の有機残基部分に異種の二価の有機残基を使用する共重合樹脂を使用することも可能である。混合の効果を効率よく発現させるためには、混合比率は、5/95〜95/5であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましい。
【0207】
ポリアリレート樹脂の重量平均分子量(Mw)は、50000〜200000であることが好ましく、強度、生産性などの面から、80000〜150000であることがより好ましい。
【0208】
ポリアリレート樹脂に用いられるフタル酸部位の構造に関しては、イソフタル酸またはテレフタル酸が使用される。樹脂中におけるテレフタル酸とイソフタル酸の比率(イソフタル酸/テレフタル酸)は質量比で0/100〜100/0まで任意に可能であるが、ポリアリレート樹脂の溶媒に対する溶解性の観点から、イソフタル酸/テレフタル酸=20/80〜80/20であることが好ましい。さらには、ポリアリレート樹脂の強度の観点より、イソフタル酸/テレフタル酸=30/70〜70/30が好ましい。
【0209】
ポリアリレート樹脂を構成する二価の有機残基部分は、置換または無置換の二価のビフェニル残基、置換または無置換の二価のビスフェニル残基、置換または無置換の二価のビフェニルエーテル残基、置換または無置換の二価のビフェニルチオエーテル残基など、二価の有機残基であればどのよう構造であっても可能であるが、置換または無置換の二価のビフェニル残基、置換または無置換の二価のビスフェニル残基、または、置換または無置換の二価のビフェニルエーテル残基であることが好ましい。
【0210】
また、溶解性の向上などのために、ポリアリレート樹脂中の二価の有機残基部分に異種の二価の有機残基を使用する共重合樹脂を使用することも可能である。混合の効果を効率よく発現させるためには、混合比率は、5/95〜95/5であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましい。
【0211】
さらに、生産性の向上などのために、ポリカーボネート樹脂、またはポリアリレート樹脂に、他構造のポリアリレート樹脂やポリカーボネート樹脂をブレンドすることも可能である。混合の効果を効率よく発現させるためには、混合比率は質量比で、5/95〜95/5であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましい。
【0212】
また、正孔輸送層中に酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加してもよい。
【0213】
正孔輸送層が電子写真感光体の表面層である場合、必要に応じて、潤滑剤や微粒子を使用してもよい。潤滑剤あるいは微粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン微粒子、ポリスチレン微粒子といった樹脂微粒子、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化スズ微粒子といった金属酸化物微粒子、およびそれら微粒子に表面処理を施した微粒子、ステアリン酸亜鉛といった固体潤滑剤、アルキル基により置換されたシリコーン、フッ化アルキル基を有する脂肪族系オイル、ワニスなどが挙げられる。
【0214】
正孔輸送層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、10〜30μmが好ましい。
【0215】
電子写真感光体の各層の形成工程において、使用する溶剤としては、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、単独で用いても複数の溶剤を用いてもよい。
【0216】
また、上記塗布の方法としては、浸漬塗布法、スプレー塗布法、バーコート法など通常知られている方法が使用できる。
【0217】
次に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置について説明する。
【0218】
図8に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
【0219】
図8において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0220】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。
【0221】
像転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリントまたはコピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0222】
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が図8のように帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0223】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化し、装置本体のレール12などの案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0224】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
【0225】
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンターおよびレーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0226】
以下、実施例にしたがって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
【0227】
(実施例1)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーの表面を湿式ホーニング処理し、超音波水洗浄したものを支持体とした。
【0228】
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
【0229】
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
【0230】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、下記式(7)で示される構造を有する化合物0.1部、
【0231】
【化77】


【0232】
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、ならびに、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散し、これに下記式(8)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.47V)3部
【0233】
【化78】


【0234】
を溶解させ、その後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
【0235】
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
【0236】
次に、例示化合物(CT−1)で示される正孔輸送物質4部と、下記構造式で示される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量120000)10部とを、モノクロロベンゼン80部とジメトキシメタン10部の混合溶媒に溶解し、正孔輸送層用塗布液を調製した。これを電荷発生層上に浸漬塗布法で塗布し、120℃、1時間乾燥して、膜厚が20μmの正孔輸送層を形成した。
【0237】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0238】
【化79】


【0239】
このようにして作製した電子写真感光体を、常温常湿下(23℃、50%)で(|−600−V|−|−600−V|)/dを求め、更に低温低湿環境下(15℃、10%)において耐久評価を行った。
【0240】
次に、本発明の電子写真感光体の耐久評価方法について説明する。
【0241】
評価装置はキヤノン(株)製LBP−2510(一次帯電:直流電圧のみを印加する接触帯電方式、プロセススピード:94.2mm/sec)のプロセススピードを188.4mm/secとし、電子写真感光体の帯電電位および像露光量を調整できるように改造して用いた。評価は、低温低湿環境下(15℃、10%)で行った。作製した電子写真感光体の暗部電位(Vd)、電子写真感光体の繰り返し使用時の暗部電位の低下(ΔVd)の評価は、電子写真感光体面上での初期暗部電位が−550V、明部電位が−120Vとなるように設定して行った。電子写真感光体の繰り返し使用による暗部電位の低下の評価は、A4サイズの普通紙を連続して画像出力を20000枚行い、その前後での表面電位を測定した。電子写真感光体の表面電位の測定は、電子写真感光体上端より130mmの位置に電位測定用プローブが位置するように固定された冶具と現像器とを交換して、現像器位置で行った。
【0242】
また、A4サイズの普通紙を1枚画像出力ごとに1度停止する間欠モードにて40000枚の画像出力を行い、画像評価を1000枚ごとに実施し、ハーフトーン画像上に画像ムラがあるかどうかを確認した。
【0243】
(実施例2)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(8)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)3部を下記式(9)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.49V)3部
【0244】
【化80】


【0245】
に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0246】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0247】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した.評価結果を表1に示す。
【0248】
(実施例3)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(8)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)3部を下記式(10)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.51V)3部
【0249】
【化81】


【0250】
に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0251】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0252】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0253】
(実施例4)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
【0254】
次に、10質量%酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粒子50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メトキシプロパノール30部、メタノール30部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、重量平均分子量3000)0.002部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散することによって、導電層用塗布液を調製した。
【0255】
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間140℃で硬化させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
【0256】
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部中に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
【0257】
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
【0258】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、上記式(7)で示される構造を有する化合物0.1部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、ならびに、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散し、これに下記式(11)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.52V)3部
【0259】
【化82】


【0260】
を溶解させ、その後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
【0261】
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
【0262】
次いで実施1と同様に正孔輸送層を形成した。
【0263】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0264】
(実施例5)
実施例4において、電荷発生層に用いた上記式(11)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)3部を下記式(12)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.52V)3部
【0265】
【化83】


【0266】
に変更した以外は、実施例4と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0267】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0268】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0269】
(実施例6)
実施例4において、電荷発生層に用いた上記式(11)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)3部を下記式(13)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.56V)3部
【0270】
【化84】


【0271】
に変更した以外は、実施例4と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0272】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0273】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0274】
(実施例7)
実施例4において、電荷発生層に用いた上記式(11)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)3部を下記式(14)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.25V)3部
【0275】
【化85】


【0276】
に変更した以外は、実施例4と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0277】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0278】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0279】
(実施例8)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(8)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)の添加量を2.5部に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
【0280】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0281】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0282】
(実施例9)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(8)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)の添加量を6部に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
【0283】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0284】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0285】
(実施例10)
実施例8において、電荷発生層の膜厚を0.12μmに変更した以外は、実施例8と同様に電子写真感光体を作製した。
【0286】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0287】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0288】
(実施例11)
実施例8において、電荷発生層の膜厚を0.20μmに変更した以外は、実施例8と同様に電子写真感光体を作製した。
【0289】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0290】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0291】
(実施例12〜16)
実施例1において、例示化合物(CT−1)で示される正孔輸送物質を表1に記載した正孔輸送物質に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
【0292】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0293】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0294】
(実施例17)
実施例1において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0295】
すなわち、下記式(15)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、
【0296】
【化86】


【0297】
および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
【0298】
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
【0299】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0300】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0301】
(実施例18)
実施例2において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0302】
すなわち、上記式(15)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
【0303】
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
【0304】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0305】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0306】
(実施例19)
実施例3において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0307】
すなわち、上記式(15)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
【0308】
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
【0309】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0310】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0311】
(実施例20〜24)
実施例17において、例示化合物(CT−1)で示される正孔輸送物質を表1に記載した正孔輸送物質に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
【0312】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0313】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0314】
(実施例25)
実施例8において、電荷発生層に用いた上記式(8)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)2.5部を下記式(16)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位−0.68V)2.5部
【0315】
【化87】


【0316】
に変更した以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0317】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0318】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0319】
(比較例1)
実施例1において、電荷発生層に上記式(8)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)を含有させないこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0320】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0321】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0322】
(比較例2)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーの表面を湿式ホーニング処理し、超音波水洗浄したものを支持体とした。
【0323】
次に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−2、積水化学工業(株)製)8部をn−ブチルアルコール152部に溶解させた。次に、トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネートを50質量%含むトルエン溶液(商品名:ZC−540、松本交商社)100部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名A1100、日本ユニカー(株)製)10部、および、n−ブチルアルコール130部を混合した溶液を、上記のポリビニルブチラール樹脂をn−ブチルアルコールに溶解させてなる液に加え、攪拌することによって、中間層用塗布液を調製した。
【0324】
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを10分間150℃で乾燥させることによって、膜厚が1.0μmの中間層を形成した。
【0325】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5および28.2°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)4部、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体(ユニオンカーバイド社製)4部、ならびに、酢酸−n−ブチル100部を、直径1mmのガラスビーズを用いたダイノーミル装置で12時間分散し、電荷発生層用塗布液を調製した。
【0326】
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.25μmの電荷発生層を形成した。
【0327】
次に、実施例1と同様にして正孔輸送層を形成した。
【0328】
このようにして、支持体、中間層、電荷発生層および正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
【0329】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0330】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0331】
(比較例3)
実施例4において、電荷発生層の膜厚を0.16μmから0.3μmに変更した以外は、実施例4と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0332】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0333】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0334】
(参考例1)
正孔輸送物質として、特許文献6に記載されている重合反応によって下記式(17)で示される化合物を作製した。下記式(17)で示される化合物は通常のGPCによる測定(使用カラム:昭和電工(株)製KF−802、展開溶媒:メタノール/テトラヒドロフラン=7/3、検出器:RI検出器、サンプルの分子量はポリスチレン換算法により決定)のピーク面積比により、繰り返し回数(n=4):(n=5):(n=6):(n=7):(n=8)が7:23:50:17:3の比率で混合されている正孔輸送物質であった。この下記式(17)で示される化合物を使用した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0335】
【化88】


【0336】
(nは正の整数である。)
【0337】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0338】
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0339】
(参考例2)
正孔輸送物質として、特許文献6に記載されている重合反応によって上記式(17)で示される化合物を作製した。上記式(17)で示される化合物は通常のGPCによる測定(使用カラム:昭和電工(株)製KF−802、展開溶媒:メタノール/テトラヒドロフラン=7/3、検出器:RI検出器、サンプルの分子量はポリスチレン換算法により決定)のピーク面積比により、繰り返し回数(n=4):(n=5):(n=6):(n=7):(n=8)が7:23:50:17:3の比率で混合されている正孔輸送物質であった。この上記式(17)で示される化合物を使用した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0340】
作製した電子写真感光体について、上記式(A)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
【0341】
作製した電子写真感光体を比較例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
【0342】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0343】
【図1】本発明の判定法を実施するための判定装置の概略構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の判定法を実施するための判定装置の概略構成の別の例を示す図である。
【図3】「V」を説明するための図である。
【図4】「V」を説明するための図である。
【図5】本発明の例示化合物(CT−10)のMALDI−TOF−MASSスペクトルである。
【図6】本発明の例示化合物(CT−17)のMALDI−TOF−MASSスペクトルである。
【図7】本発明の例示化合物(CT−39)のMALDI−TOF−MASSスペクトルである。
【図8】本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
【0344】
1 電子写真感光体
2 軸
3 一次帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013