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発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3686(P2007−3686A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181987(P2005−181987)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100086818
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸雄
発明者 椎名 祐偉
要約 課題
定着回転体25と加圧回転体22とで形成される定着ニップ部Tで記録材Pを挟持搬送して記録材上の未定着トナー画像を熱圧定着させる定着装置12を有する画像形成装置において、記録材Pが定着ニップ部Pに挟持されて搬送されている間は常に記録材Pとアース部材11との接触を安定的に確保して、いかなる記録材、環境であっても尾引きや転写抜けが発生しないようにする。

解決手段
転写ニップ部Tと定着ニップ部Nの間にループセンサ9・10を配置して、そのループセンサ出力に基づいて、記録材ループ量が所定範囲内のほぼ一定量に維持されるように制御回路部100により定着ニップ部Nの記録材搬送速度を制御することで、アース部材としての定着入り口ガイド11と記録材Pとの接触の安定性を確保する。
特許請求の範囲
【請求項1】
トナー画像を担持させる画像担持体と、前記画像担持体と転写ニップ部を形成し、前記転写ニップ部で記録材を挟持搬送して前記画像担持体上のトナー画像を前記記録材に転写する転写手段と、定着回転体と加圧回転体とで形成される定着ニップ部で前記記録材を挟持搬送して前記記録材上の転写トナー画像を加熱定着させる定着手段と、前記定着回転体に対する定着バイアス印加手段と、を有する画像形成装置において、
前記転写ニップ部を出た記録材を下に凸のループを持たせて前記定着手段へ向けて案内する搬送ガイド部材と、
前記定着ニップ部よりも記録材搬送方向上流側に配設され、前記転写ニップ部から前記定着手段へ搬送される記録材の裏面に接触して記録材を接地する導電性アース部材と、
前記搬送ガイド部材における記録材ループ量を検知するループ量検知手段と、
前記搬送ガイド部材における記録材ループ量を制御するループ量制御手段と、
を有し、前記ループ量制御手段は、前記記録材が前記転写ニップ部と前記定着ニップ部の両ニップ部に挟持されて搬送されている状態時において、前記記録材と前記導電性アース部材との接触が維持されるように、前記搬送ガイド部材における記録材ループ量を前記ループ量検知手段の検知情報に基づいて制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記導電性アース部材は記録材を前記搬送ガイド部材から定着ニップ部に案内するための定着入り口ガイド部材であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記定着ニップ部よりも記録材搬送方向下流側に配設され、記録材に接触して記録材を接地する導電性アース部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ループ量制御手段は定着ニップ部の記録材搬送速度を切り替えて前記搬送ガイド部材における記録材ループ量を制御することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記定着ニップ部よりも記録材搬送方向上流側の前記導電性アース部材と接地間、または、前記定着ニップ部よりも記録材搬送方向上流側の前記導電性アース部材と接地間および前記定着ニップ部よりも記録材搬送方向下流側の前記導電性アース部材と接地間に抵抗器を介在させたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項請求項1に記載の画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを用いて記録材(紙等の記録媒体)上に永久固着トナー画像を形成する、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、それらの複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子写真方式を用いた画像形成装置は、画像担持体として、一般に回転ドラム型の電子写真感光体を有する。そして、その感光体に、帯電工程、露光工程、現像工程の電子写真プロセスを適用して未定着のトナー画像(現像剤画像)を形成担持させる。その感光体上のトナー画像を転写手段により記録材上に転写する。その記録材を定着手段に導入して、未定着のトナー画像を記録材上に永久固着トナー画像として定着させている。
【0003】
定着手段としては、定着回転体と加圧回転体とで形成される定着ニップ部で記録材を挟持搬送して記録材上の未定着トナー画像を熱圧定着させる、ヒートローラ方式やフィルム加熱方式等の熱圧定着装置が汎用されている。
【0004】
ところで、定着手段として上記のような定着装置を具備させた画像形成装置においては、定着装置に搬送されてきた記録材上の未定着トナー画像のトナーの一部が定着ニップ部直前で記録材搬送方向上流側に向けて吹き飛ばされる現象がある。特に、高温高湿環境でこの現象が生じやすい。吹き飛ばされたトナーは、記録材搬送方向上流側に0.1〜1mm程度ずれて、画像が尾を引いているように見え、尾引きと呼ばれるひげ状の画像不良になる。
【0005】
図7はこの画像不良の発生を説明する模型図である。Aは定着回転体、Bは加圧回転体、Nは上記両者の圧接部である定着ニップ部である。そして、定着ニップ部Nに未定着トナー画像tを担持した記録材Pが導入される。定着ニップ部Nに導入された記録材Pは定着ニップ部Nで挟持搬送され、その挟持搬送過程で定着ニップ部Nの熱と圧により未定着トナー画像tが記録材P面に熱圧定着される。定着ニップ部Nの温度は150℃〜200℃程度に制御され、記録材の定着ニップ部通紙中は記録材に含まれる水分が常に蒸発して蒸気Cが発生している。その蒸気圧により、定着ニップ部Nよりも記録材搬送方向下流側の未定着トナー画像tのトナーの一部taが記録材上を記録材搬送方向下流側に吹き飛ばされることにより、前記の尾引きが発生する。
【0006】
このような画像不良を防止するために、定着回転体に電源部やダイオードで定着バイアスを印加して定着回転体からアースに流れる電流パスを構成することで未定着トナー画像の記録材に対する拘束力を発生させてトナーが吹き飛ばされ難くするのが一般的である。
【0007】
従来、そのようなアース部材として、加圧回転体、定着ニップ部よりも記録材搬送方向下流側にある定着排出ローラ対、定着ニップ部よりも記録材搬送方向上流側にある定着入り口ガイド部材などが用いられている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0008】
定着排出ローラ対を例にとって説明する。定着排出ローラ対をアース部材として導電性排出ローラ対にする。記録材が定着ニップ部より排出されてきた際に、記録材がその導電性排出ローラ対に接触することにより、定着回転体と導電性排出ローラの間に電流回路が形成される。定着回転体はトナーと同極性の電荷が誘起されているため、定着ニップ部と導電性排出ローラ間では電位差が生じ、定着ニップ部から記録材を介して導電性排出ローラにトナーと同極性の電荷の移動が生じる。そのため、記録材の定着ニップ部電位は定着ニップ部では定着回転体表面電位と同じになるが、電流が定着ニップ部で定着回転体離型性層を流れるため電圧降下が生じ、電流が流れていない定着ニップ部近傍の定着回転体表面電位よりも低下する。この結果、記録材の電位と定着ニップ部近傍の定着回転体表面電位に差が生じ記録材にトナーを引きつける方向の電界が働き、尾引きや、オフセットなどの現象を防止できる。
【特許文献1】特開2000−131974号公報
【特許文献2】特開2000−321901号公報
【特許文献3】特開2004−85978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、アース部材とした前記定着排出ローラ対は定着ニップ部から記録材搬送方向下流側に約30mm程度離れたところに位置している。そのため、記録材の先端が定着ニップ部に突入したあと、前記定着排出ローラ対に接触するまでは、電流が流れずトナー拘束力が無いため、記録材の先端部分の尾引きは悪い傾向にある。
【0010】
また前記アースされていない状態では、トナーの帯電極性と同極性の例えばマイナスに帯電している定着回転体と、トナーの帯電極性と逆極性のプラスに帯電している転写手段が記録材を介してつながっているため、転写ニップ部から定着ニップ部に電流が流れてしまい転写ニップ部のプラス電荷が減少し、転写能が低下して転写抜けが発生する場合もある。
【0011】
同様に定着入り口ガイド部材をアース部材とする場合は、定着入り口ガイド部材が定着ニップ部よりも記録材搬送方向上流側に位置しているため記録材後端の尾引きが悪くなる。また記録材と定着入り口ガイド部材は記録材の自重やたわみによるコシなどで接触してアースをとっている。しかし、例えば定着手段が加圧回転体駆動方式である場合には、その加圧回転体が加熱により径が変化して定着ニップ部の記録材搬送速度が変化する。そのため、記録材が定着入り口ガイド部材に継続して接触せず、安定してアースをとれるかという点が懸念される。
【0012】
加圧回転体をアース部材として利用する場合は、尾引きの問題はないが、加圧回転体汚れが発生することが分かっている。
【0013】
本発明は上記従来技術を更に発展させたものである。その目的とするところは、記録材が定着ニップ部に挟持されて搬送されている間は常に記録材とアース部材との接触を安定的に確保することにある。これにより、いかなる記録材、環境であっても尾引きや転写抜けが発生しないようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、
トナー画像を担持させる画像担持体と、前記画像担持体と転写ニップ部を形成し、前記転写ニップ部で記録材を挟持搬送して前記画像担持体上のトナー画像を前記記録材に転写する転写手段と、定着回転体と加圧回転体とで形成される定着ニップ部で前記記録材を挟持搬送して前記記録材上の転写トナー画像を加熱定着させる定着手段と、前記定着回転体に対する定着バイアス印加手段と、を有する画像形成装置において、
前記転写ニップ部を出た記録材を下に凸のループを持たせて前記定着手段へ向けて案内する搬送ガイド部材と、
前記定着ニップ部よりも記録材搬送方向上流側に配設され、前記転写ニップ部から前記定着手段へ搬送される記録材の裏面に接触して記録材を接地する導電性アース部材と、
前記搬送ガイド部材における記録材ループ量を検知するループ量検知手段と、
前記搬送ガイド部材における記録材ループ量を制御するループ量制御手段と、
を有し、前記ループ量制御手段は、前記記録材が前記転写ニップ部と前記定着ニップ部の両ニップ部に挟持されて搬送されている状態時において、前記記録材と前記導電性アース部材との接触が維持されるように、前記搬送ガイド部材における記録材ループ量を前記ループ量検知手段の検知情報に基づいて制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上記本発明によれば、記録材が転写ニップ部と定着ニップ部の両ニップ部に挟持されて搬送されている状態時において、その記録材と、定着ニップ部よりも記録材搬送方向上流側に配設され、転写ニップ部から定着手段へ搬送される記録材の裏面に接触して記録材を接地する導電性アース部材との接触が記録材ループ制御により安定に維持される。したがって、いかなる記録材、環境であっても尾引きや転写抜けが発生しないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
【実施例1】
【0017】
(1)画像形成装置例の全体的概略構成
図1は本実施例における画像形成装置の要部の概略図である。この画像形成装置は電子写真レーザービームプリンター(LBP)である。
【0018】
1は画像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと略記する)である。このドラム1は、導電性のドラム基体の外周面に有機感光層を形成したものであり、矢印の時計方向に所定の速度(プロセススピード)、本例では163mm/secの周速で回転駆動される。そして、ドラム1は回転過程で帯電ローラ2によりその周面が所定の極性・電位、本例では負極性の所定の電位に1次帯電される。そのドラム帯電面に対してレーザースキャナ3で画像情報のレーザー走査露光Lがなされる。これにより、ドラム帯電面の露光明部の電位が減衰して、走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像は現像器4により現像剤像(以下、トナー画像と記す)として現像される。本例においては、静電潜像は負極性に帯電したネガトナーにより反転現像(露光明部にトナーが付着)される。
【0019】
そのトナー画像はドラム1と転写ローラ(転写手段)5との当接部である転写ニップ部Tにおいて、該転写ニップ部に、不図示の給紙機構部から給送され、レジストローラ対6により所定の制御タイミングで導入された記録材Pに順次に転写されていく。記録材Pが転写ニップ部Tを挟持搬送されていく過程において、転写ローラ5には転写バイアス電源E1から所定の転写バイアスが印加されて、ドラム1面のトナー画像が記録材P面に順次に静電転写される。記録材の裏面に接する転写ローラ5に印加する転写バイアスはドラム1面のトナーを記録材表面に電気的に引き寄せるバイアスである。本例では、転写ローラ5に正極性の所定電位のバイアスを印加して記録材裏面を正極性に帯電することで、ドラム1面側の負極性に帯電しているトナーを電荷的に引き寄せて安定して記録材Pに転写させている。
【0020】
上記の不図示の給紙機構部から給送された記録材Pは、その先端がレジストローラ対6に到達すると、その時点では回転停止状態に保持されているレジストローラ対6のニップ部に先端部が受け止められる。これにより記録材は斜行矯正される。その記録材が所定の制御タイミングで回転駆動されたレジストローラ対6により転写ニップ部Tに搬送される。すなわち、ドラム1に形成されたトナー画像の先端が転写ニップ部Tに到達するタイミングで、その転写ニップ部Tに記録材Pのプリント開始位置が到達するようにレジストローラ対6の回転開始タイミングが制御回路部(制御手段)100により制御される。制御回路部100は画像形成装置全体の動作制御を司る。
【0021】
ここで、以下の説明において、上流側と下流側は記録材の搬送方向に関して上流側と下流側である。
【0022】
S1は記録材検知器(以下、トップセンサという)であり、レジストローラ対6の下流側でレジストローラ対6の近傍に配設してある。このトップセンサS1から制御回路部100に記録材先端検知信号等が入力する。
【0023】
転写ニップ部Tを出た記録材はドラム1面から分離されて定着装置(定着手段)12へ搬送される。また、記録材分離後のドラム1面はクリーナ7により転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃されて、繰り返して作像に供される。
【0024】
8は転写ニップ部Tと定着装置12との間に配設した記録材搬送ガイド部材(以下、ガイドと記す)であり、転写ニップ部Tを出た記録材が定着装置12まで搬送されるときの搬送路となっている。このガイド8の記録材ガイド面は、転写ニップ部Tと定着装置12の定着ニップ部Nとの間にまたがって搬送されている記録材部分に下に凸の適度のループ(たるみ)が形成されるように、転写ニップ部Tと定着ニップ部Nを結んだ直線(仮想線)よりも下側に位置させて、凹弧面状にしてある。9・10はガイド8の途中部分に配設した記録材ループ量検知手段(以下、ループセンサと記す)としての、フォトインタラプタとセンサフラグである。これについては後述する。
【0025】
転写ニップ部Tを出た記録材Pは、上記ガイド8の凹弧面状の記録材ガイド面に沿って案内されて定着装置12へ搬送されていく。そして、記録材先端部が定着装置12の定着入り口ガイド部材11に乗り移って定着ニップ部Nに進入する。記録材Pは定着ニップ部Nで挟持搬送され、該記録材上の未定着のトナー画像が定着ニップ部Nの熱と圧力により永久固着画像として熱圧定着される。そして、定着ニップ部Nを出た記録材は定着ニップ部Nの下流側に位置している記録材排出手段としての定着排出ローラ対13に挟持されて定着装置12から排出搬送されていく。定着排出ローラ対13は定着ニップ部Nから約30mm下流側に位置している。
【0026】
(2)定着装置12
本例の定着装置12は、特開平4−44075〜44083、4−204980〜204984号公報等に開示の、定着回転体として、可撓性を有する円筒状(エンドレスベルト状)の定着フィルムを用いた、フィルム加熱方式、加圧回転体駆動方式の加熱装置である。図2はこの定着装置12の要部の斜視模型図である。
【0027】
21はヒータユニット(加熱部材)、22は加圧回転体(加圧部材)としての弾性加圧ローラであり、両者21・22の圧接により定着ニップ部Nを形成させている。ヒータユニット21および加圧ローラ22は図1において紙面に垂直方向を長手とする部材である。
【0028】
ヒータユニット21は、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有するステイホルダー(支持体)23と、このステイホルダーの下面に、該部材の長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定して配設した、加熱体(加熱手段)としてのセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)24と、該ヒータ24を取り付けたステイホルダー23にルーズに外嵌した定着回転体としての、円筒状の定着フィルム25等からなる。
【0029】
定着フィルム25は、図3の層構成模型図のように、耐熱性樹脂や金属の基層25aと、その外周面に導電性プライマー層25bを介して積層した離型層としての表層25cの複合層構成からなる、全体に熱容量が小さく、可撓性を有する、薄肉の耐熱性部材である。
【0030】
加圧ローラ22は芯金22aの両端部を不図示の装置フレームの手前側と奥側の側板間に軸受部材を介して回転自由に軸受保持させて配設してある。ヒータユニット21は、この加圧ローラ22の上側に、ヒータ24側を下向きにして加圧ローラ22に並行に配置し、ステイホルダー23の両端部に嵌着した不図示のフランジ部材をそれぞれバネにて加圧ローラ22の軸線方向に所定の力で押圧附勢する。これにより、ヒータ24の下向き面を定着フィルム25を介して加圧ローラ22の弾性層22bに該弾性層の弾性に抗して圧接させ、所定幅の定着ニップ部Nを形成させてある。加圧ローラ22の弾性層22bの外周には離型層22cを形成してある。
【0031】
加圧ローラ22は芯金22aに固着した駆動ギアGに定着モータMから回転力が伝達されることにより矢印の反時計方向に所定の制御速度で回転駆動される。この加圧ローラ22の回転駆動による該加圧ローラの外面と定着フィルム25との定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により定着フィルム25に回転力が作用する。これにより、定着フィルム25がその内面側がヒータ24の下向き面に密着して摺動しながらステイホルダー23の外回りを矢印の時計方向に従動回転状態になる。ステイホルダー23はヒータ24を支持するとともに、定着フィルム25の回転ガイド部材としても機能している。
【0032】
加圧ローラ22が回転駆動され、それに伴って定着フィルム25が従動回転し、またヒータ24に通電がなされ、該ヒータに対する給電制御により定着ニップ部Nの温度が所定の定着温度に温調された状態において、定着ニップ部Nに記録材Pが導入される。
【0033】
すなわち、定着ニップ部Nの定着フィルム25と加圧ローラ22との間に未定着トナー画像を担持した記録材Pが定着入り口ガイド部材11に沿って案内されて導入され、記録材Pのトナー画像担持面側が定着フィルム25の外面に密着して該フィルムと一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、ヒータ24の熱が定着フィルム25を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー画像が記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。
【0034】
定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着フィルム25の面から曲率分離し、定着排出ローラ対13に挟持されて定着装置12から排出搬送されていく。
【0035】
(3)尾引き・オフセットの低減対策
定着装置12における尾引き・オフセットの低減対策として、本例においては、定着フィルム25にトナーの帯電極性と同極性の定着バイアスを印加している。すなわち、定着フィルム25の導電性プライマー層25bの長手方向の一部は図2のように定着フィルム周方向に露出させてあり、ここに給電ブラシ26を電気的に接触させて設けてある。そして、この給電ブラシ26に定着バイアス電源(定着バイアス印加手段)E2からトナーと同極性の定着バイアスを印加する。本例ではトナーの帯電極性が負極性であるので、給電ブラシ26に負極性の所定電位の転写バイアスを印加している。これにより、定着フィルム25の表面がトナーと同極性の負極性の電位に保持される。
【0036】
定着ニップ部Nの上流側の定着入り口ガイド部材11は導電性材料製にして電極としての機能を持たせている。そしてこの定着入り口ガイド部材11を第1の導電性アース部材(除電部材)として導電性の装置フレームを介してアースしている。
【0037】
定着ニップ部Nの下流側の定着排出ローラ対13も導電性材料製にして電極としての機能を持たせている。そして、この定着排出ローラ対13を第2の導電性アース部材として導電性の装置フレームを介してアースしている。
【0038】
上記のように、定着ニップ部Nを中にして、その上流側と下流側にそれぞれ記録材Pが接する第1と第2の導電性アース部材11・13を設けたことで、記録材Pが定着ニップ部N挟持されている間は常にアースがとれるようになるため、尾引きやオフセットは低減し、また転写ニップ部Tと定着ニップ部Nとの間に導電性アース部材11があるため転写ローラ5に印加した正極性の転写バイアスの正電荷が定着装置に流れ込むのを抑え、転写抜けも低減することが可能となる。
【0039】
(4)記録材のループ制御
ただし、上流側の第1の導電性アース部材とした定着入り口ガイド部材11と記録材Pとの接触の安定性が確保されることが必要がある。
【0040】
すなわち、転写ニップ部Tを出た記録材Pは、ガイド8の凹弧面状の記録材ガイド面に沿って案内されて定着装置12へ搬送されていく。そして、記録材先端部が定着装置12の定着入り口ガイド部材11に乗り移って定着ニップ部Nに進入して定着ニップ部Nで挟持搬送されていく。記録材Pが定着ニップ部Nに突入した時はガイド8の凹弧面状の記録材ガイド面に沿って下に凸の適度の量のループが形成される。そしてそのループがある状態で記録材が搬送されることで、記録材Pは導電性アース部材とした定着入り口ガイド部材11に対して裏面が安定に接触した状態で搬送される。
【0041】
しかし、上記定着装置12においては、回転駆動される加圧ローラ22は加熱によって熱膨張し、ローラ径が増加する。それに従って定着ニップ部Nにおける記録材搬送速度が増加し、転写ニップ部Tにおける記録材搬送速度と定着ニップ部Nにおける記録材搬送速度とにギャップが生まれる。すなわち、転写ニップ部Tにおける記録材搬送速度よりも、定着ニップ部Nにおける記録材搬送速度の方が大きくなる状態が生まれる。そのため、転写ニップ部Tと定着ニップ部Nとの間にまたがって搬送されている記録材部分に当初形成された適度の量のループが徐々に減少し、引張りに近い状態にもなる。そうすると、記録材Pは導電性アース部材とした定着入り口ガイド部材11に対して裏面が離れ傾向となり、記録材Pの定着入り口ガイド部材11に対する接触が不安定化する。
【0042】
このように定着ニップ部Nにおける搬送速度は加熱による加圧ローラ22の熱膨張の影響を受けて変動するため、転写ニップ部T−定着ニップ部N間において適正範囲内の記録材ループ量を維持して記録材Pを定着入り口ガイド部材11に安定して接触させることが重要である。
【0043】
そこで本実施例では、転写ニップ部T−定着ニップ部N間の記録材ループ量を所定のほぼ一定のループ量に制御するループ量制御手段を具備させている。このループ量制御手段によるループ制御により、転写ニップ部T−定着ニップ部N間の記録材ループ量を所定の適正範囲内に維持させて、定着ニップ部Nの上流側の第1の導電性アース部材とした定着入り口ガイド部材11と記録材Pとの接触の安定性を確保している。
【0044】
以下、上記のループ量制御手段とループ制御について詳述する。
【0045】
記録材ループ量検知手段であるループセンサ9・10を構成しているフォトインタラプタ9は定置配設してある。また、センサフラグ10は支軸10aを中心に揺動可能であり、上側のアクチエータ部分10と下側の遮光板部10を有している。該センサフラグ10は支軸10aを中心に起き上がる方向に不図示のバネにより回動付勢されている。そして、該センサフラグ10は、自由状態において、アクチエータ部分10がガイド8の記録材ガイド面から上方に所定量突き出た回動角姿勢に保持されている。この状態において、遮光板部10はフォトインタラプタ9の赤外線光路を遮蔽する位置にあり、フォトインタラプタ9から制御回路部100にセンサ出力Lowの信号が入力する。制御回路部100はこのセンサ出力Lowの信号の入力により、ガイド8上には記録材Pが無い、あるいは転写ニップ部T−定着ニップ部N間の記録材ループ量が所定の許容減少下限状態になった、と判断する。
【0046】
また、転写ニップ部Tを出た記録材Pがガイド8の凹弧面状の記録材ガイド面に沿って案内されて定着装置12へ搬送されていく途中において、記録材Pの先端がガイド8の記録材ガイド面から上方に所定量突き出ているアクチエータ部分10に接触する。そして、センサフラグ10は、引き続き搬送される記録材の搬送力と記録材の自重で、バネによる起き上がり付勢力に抗して支軸10aを中心に押し下げ回動される。このセンサフラグ10の押し下げにより、遮光板部10はフォトインタラプタ9の赤外線光路を開放する位置に変位して、フォトインタラプタ9から制御回路部100にセンサ出力Highの信号が入力する。制御回路部100はこのセンサ出力Highの信号の入力により、ガイド8上に記録材Pが有る、あるいは転写ニップ部T−定着ニップ部N間の記録材ループ量が所定の許容範囲にある、と判断している。
【0047】
図4はループ制御を説明するためのフローチャートである。制御回路部100にプリント信号が入力すると、画像形成装置の作像動作シーケンスをスタートさせる(ステップST1)。定着装置12については、定着モータMを所定の第1回転速度(以下、第1速と記す)V1で回転させて加圧ローラ22を駆動する(ステップST2)。またヒータ24に給電して、定着ニップ部Nの温度を所定の定着温度へ立ち上げて温調状態にする。上記の定着モータMの第1速V1は、加圧ローラ22があまり熱膨張していない状態における定着ニップ部Nでの記録材搬送速度が、転写ニップ部Tでの記録材搬送速度とほぼ同じとなる回転速度である。
【0048】
上記したように、転写ニップ部Tを出た記録材Pは、ガイド8の凹弧面状の記録材ガイド面に沿って案内されて定着装置12へ搬送されていく途中において、ループセンサ9・10のセンサフラグ10を押し下げる。これにより、フォトインタラプタ9から制御回路部100に入力するループセンサ出力がLowからHighになる。記録材は更にガイド8の凹弧面状の記録材ガイド面に沿って案内され、さらに定着入り口ガイド部材11に沿って案内されて記録材先端部が定着ニップ部Nに突入する(ステップST3)。
【0049】
制御回路部100は、記録材先端が定着ニップ部Nへの突入した時点から、記録材の搬送が進行して記録材後端が転写ニップ部Tを通過した時点までの間、すなわち、記録材Pが転写ニップ部Tと定着ニップ部Tとにまたがって搬送されている間、ループセンサ9・10の出力を監視して、ループ制御を実行する(ステップST4、ST5、ST6)。
【0050】
上記の記録材先端が定着ニップ部Nへの突入した時点(ステップST3)、および記録材後端が転写ニップ部Tを通過した時点(ステップST5)は、本例の場合は、制御回路部100が演算で認識する。すなわち、トップセンサS1から記録材先端検知信号が入力した時点を基準にして、予めデータ入力されている、トップセンサS1から定着ニップ部Nまでの記録材搬送経路長、トップセンサS1から転写ニップ部Tまでの記録材搬送経路長、記録材搬送速度(転写ニップ部Tにおける記録材搬送速度)、通紙使用された記録材サイズ(搬送方向の記録材寸法)、から想定時間を演算して認識している。
【0051】
ステップST6のループ制御について説明する。
【0052】
記録材Pが転写ニップ部Tと定着ニップ部Nとにまたがって搬送されている状態時において、転写ニップ部Tと定着ニップ部Nとの間の記録材部分のループ量が少なくなると、ループセンサのセンサフラグ10は起き上がり方向に回動する。そして、所定に設定された検知高さまでセンサフラグ10が起き上がると、フォトインタラプタ9から制御回路部100に入力するループセンサ出力がHighからLowになる。
【0053】
そのループセンサ出力Lowが16msec継続した時点で制御回路部100は定着モータMの回転速度を第1速V1から所定の第2回転速度(以下、第2速と記す)V2に切換える。第2速V2は第1速V1よりも所定に減速させた速度である。これにより、加圧ローラ22の回転数は下がり、定着ニップ部Nでの記録材搬送速度は低下する。そのために、転写ニップ部Nと定着ニップ部Tとの間の記録材部分のループ量は増加する。そのループ量の増加によりループセンサのセンサフラグ10は押し下げられる。そして、センサフラグ10の押し下げが、設定された検知高さを下回ると、フォトインタラプタ9の光路が開放されて制御回路部100に入力するループセンサ出力がLowからHighになる。
【0054】
そのループセンサ出力Highが16msec継続した時点で制御回路部100は定着モータMの回転速度を第2速V2から第1速度V1に切換える。これにより、加圧ローラ22の回転数は上がり、定着ニップ部Nでの記録材搬送速度は増加する。
【0055】
このように、記録材Pが転写ニップ部Tと定着ニップ部Tとにまたがって搬送されている状態時において、ループセンサ出力のHighとLowが短時間の間で繰り返され、定着ニップ部Nにおける記録材搬送速度が適切に変更制御される。これにより、転写ニップ部Nと定着ニップ部Tとの間における記録材部分のループ量を所定範囲内のほぼ一定量に維持させながら記録材を搬送することができる。
【0056】
記録材Pの搬送が進行して、記録材後端が転写ニップ部Tを通過した時点(前記の演算想定時間)で、制御回路部100は、そのとき定着モータMの回転速度が第1速V1に制御されていればそのまま第1速V1を維持させ、第2速V2に制御されていれば第1速V1に切換える(ステップST7)。1枚だけのプリントモードの場合は、制御回路部100は画像形成装置の後回転動作(プロセス終了準備動作)を実行してプリント終了(ステップST8)とする。連続プリントモードの場合は設定枚数分の画像形成動作シーケンスが実行され、各記録材毎の画像形成動作シーケンスにおいて、記録材Pが転写ニップ部Tと定着ニップ部Nとにまたがって搬送されている状態時に、ステップST6のループ制御がなされる。最後の記録材の画像形成動作シーケンス後に後回転動作を実行してプリント終了(ステップST8)となる。
【0057】
以上まとめると、転写ニップ部Tと定着ニップ部Nの間にループセンサ9・10を配置して、そのループセンサ出力に基づいて、記録材ループ量が所定範囲内のほぼ一定量に維持されるように制御回路部100により定着モータMの速度、すなわち、定着ニップ部Nの記録材搬送速度を制御することで、定着入り口ガイド11と記録材Pとの接触の安定性を確保できる。そのため、定着入り口ガイド11をアース部材として活用でき、定着ニップ部Nの上流側の定着入り口ガイド11と定着ニップ部Nの下流側の定着排出ローラ対13の2点でアースすることによって、記録材の印字領域全面において尾引きや転写抜けなどの画像不良を低減することが可能となる。
【0058】
記録材除電部材として導通性の定着入り口ガイド部材11と導電性の定着排出ローラ対13の二つのアース部材を用い、また搬送ガイド部8上に記録材ループ量を検知できるセンサーフラグ9・10を配置してループ制御することで、搬送される記録材は定着入り口ガイド部材11に安定して接触し除電できるため、記録材が定着ニップ部Nに突入すると同時に定着回転体としての定着フィルム25に印加されたバイアスはアースされ、定着ニップ部Nには電界が生じ、尾引きの現象が低減する。また同時にアースされることによって記録材Pが転写ニップ部Tと定着ニップ部Nの両ニップ部に挟持されている状態で転写ニップ部Tから定着ニップ部Nへ電流が流れるのを防止するため、転写ローラ5に印加されたバイアスのロスは減少し、記録材中央帯状部分の転写抜けの現象を低減することができる。
【実施例2】
【0059】
本実施例2は、アース部材の抵抗値を容易に調節することを可能にするため、導電性の装置フレームを介してアースした第1の導電性アース部材としての定着入り口ガイド11について、図5に示すように、定着入り口ガイド11から装置フレームへの接点に抵抗器Rを設けている。
【0060】
これは実施例1に示すように、定着排出ローラ対13と定着入り口ガイド11の2点からアースをとる場合、記録材Pがどちらのアース部材とも接触している時は、より確実な接点が得られる定着排出ローラ対13から優先的にアースをとりたいため、抵抗値を定着排出ローラ対13のほうが定着入り口ガイド11よりも低くする必要がある。しかし材質・形状などの条件から理想の抵抗値にすることは容易なことではない。従って前述のようにアースの電流経路に抵抗器Rを設けることで、その電流経路を容易に調節することが可能となる。
【0061】
抵抗器Rは、図6のように、定着排出ローラ対13側と定着入り口ガイド11側の両方に配設して両者間の抵抗値バランスを所望に調節する構成にすることもできる。
【0062】
[その他]
1)本発明において、画像担持体および該画像担持体に対するトナー画像形成プロセスは、実施例の電子写真感光体および電子写真プロセスに限られないことは勿論である。また画像担持体は中間転写体であってもよい。
【0063】
2)定着手段は、実施例のフィルム加熱方式の装置に限られないことは勿論である。熱ローラを定着回転体とする装置であってもよい。
【0064】
3)定着回転体に対する定着バイアス印加手段はダイオードを用いる構成にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施例1における画像形成装置の要部の概略図である。
【図2】定着装置の要部の斜視模型図である。
【図3】定着回転体としての定着フィルムの層構成模型図である。
【図4】記録材ループ制御を説明するためのフローチャートである。
【図5】実施例2における画像形成装置の要部の概略図である。
【図6】実施例2における画像形成装置の他の構成の要部の概略図である。
【図7】尾引き現象を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0066】
1‥‥ドラム型の電子写真感光体(画像担持体)、5‥‥転写ローラ(転写手段)、N‥‥転写ニップ部、E1‥‥転写バイアス印加電源、8‥‥記録材搬送ガイド部材、9・10‥‥ループセンサ(記録材ループ量検知手段、フォトインタラプタとセンサフラグ)、11‥‥定着入り口ガイド(導電性アース部材)、12‥‥定着手段、13‥‥定着排出ローラ対(導電性アース部材)、21‥‥ヒータユニット、22‥‥加圧ローラ(加圧回転体)、25‥‥円筒状定着フィルム(定着回転体)、N‥‥定着ニップ部、26‥‥定着バイアス印加電源、100‥‥制御回路部(制御手段)P‥‥記録材




 

 


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