米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 写真;映画 -> 株式会社リコー

発明の名称 現像剤の定着方法及び装置並びに画像形成方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17784(P2007−17784A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−200468(P2005−200468)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
発明者 片野 泰男 / 黒鳥 恒夫 / 平澤 友康 / 駒井 博道
要約 課題
記録媒体に現像剤を定着させる温度を低下させることが可能な現像剤の定着方法及び現像剤の定着装置等を提供する。

解決手段
未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着方法は、100℃以下の温度における、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤を加熱する加熱手段に供給するステップ、該加熱手段に供給された該定着剤を未定着の現像剤に供給するステップ、及び該加熱手段によって、該定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱するステップを含む。未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着装置は、未定着の現像剤を加熱する加熱手段、及び100℃以下の温度における、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、該加熱手段に供給する供給手段を含む。
特許請求の範囲
【請求項1】
未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着方法において、
100℃以下の温度における、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤を加熱する加熱手段に供給するステップ、
該加熱手段に供給された該定着剤を未定着の現像剤に供給するステップ、及び
該加熱手段によって、該定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱するステップ
を含むことを特徴とする現像剤の定着方法。
【請求項2】
前記定着剤を前記加熱手段に供給するステップは、前記加熱手段に接触し得る接触手段を介して、前記加熱手段に前記定着剤を供給することを含むことを特徴とする請求項1に記載の現像剤の定着方法。
【請求項3】
前記未定着の現像剤を前記記録媒体へ定着させるときにのみ、前記接触手段を前記加熱手段に接触させることを特徴とする請求項2に記載の現像剤の定着方法。
【請求項4】
前記定着剤を前記加熱手段に供給するステップは、前記加熱手段に前記定着液を直接供給することを特徴とする請求項1に記載の現像剤の定着方法。
【請求項5】
前記定着液は、前記加熱手段に吹き付けられることを特徴とする請求項4に記載の現像剤の定着方法。
【請求項6】
未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着方法において、
未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤に直接供給するステップ、及び
該定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱するステップ
を含むことを特徴とする現像剤の定着方法。
【請求項7】
前記定着剤を前記未定着の現像剤に直接供給するステップは、前記未定着の現像剤に前記定着剤を吹き付けることを含むことを特徴とする請求項6に記載の現像剤の定着方法。
【請求項8】
前記定着剤は、液体であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の現像剤の定着方法。
【請求項9】
前記定着剤は、離型剤をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の現像剤の定着方法。
【請求項10】
前記未定着の現像剤を加熱するステップは、前記定着剤が供給された未定着の現像剤に圧力を加えることを含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の現像剤の定着方法。
【請求項11】
未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着装置において、
未定着の現像剤を加熱する加熱手段、及び
100℃以下の温度における、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、該加熱手段に供給する供給手段を含むことを特徴とする現像剤の定着装置。
【請求項12】
前記供給手段は、前記定着剤を該加熱手段に供給すると共に前記加熱手段に接触し得る接触手段をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の現像剤の定着装置。
【請求項13】
前記加熱手段に対する前記接触手段の接触を制御する制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の現像剤の定着装置。
【請求項14】
前記供給手段は、前記加熱手段に前記定着剤を直接供給する手段であることを特徴とする請求項11に記載の現像剤の定着装置。
【請求項15】
前記供給手段は、前記加熱手段に前記定着剤を吹き付ける手段であることを特徴とする請求項14に記載の現像剤の定着装置。
【請求項16】
未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着装置において、
未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤に直接供給する供給手段、及び
前記定着剤が供給された前記未定着の現像剤を加熱する加熱手段を含むことを特徴とする現像剤の定着装置。
【請求項17】
前記供給手段は、前記未定着の現像剤に前記定着剤を吹き付ける手段であることを特徴とする請求項16に記載の現像剤の定着装置。
【請求項18】
未定着の現像剤に圧力を加える加圧手段をさらに含むことを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一項に記載の現像剤の定着装置。
【請求項19】
前記加熱手段は、加熱ローラであることを特徴とする請求項11乃至18のいずれか一項に記載の現像剤の定着装置。
【請求項20】
前記加熱手段は、加熱ベルトであることを特徴とする請求項11乃至18のいずれか一項に記載の現像剤の定着装置。
【請求項21】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の現像剤の定着方法を用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項22】
請求項11乃至20のいずれか一項に記載の現像剤の定着装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤の定着方法、現像剤の定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、ファクシミリ、及び複写装置のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィスで使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が、広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。
【0003】
しかしながら、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が、望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも低下させることが、望まれている。
【0004】
電子写真方式の画像形成装置における熱定着方式を採用する定着装置としては、例えば、特許文献1に、複写機の一方の面に形成されたトナー画像に接触し、該トナー画像を定着する加熱ローラと、該複写機の他方の面側より該複写機を加圧して該加熱ローラに押し付ける加圧ローラと、シリコン・オイルを保持するとともに、該加熱ローラの回転面に接触して該回転面の汚れを払拭捕集するクリーニング部材とからなる電子写真複写機におけるローラ型定着装置において、該クリーニング部材は該加熱ローラの回転面より払拭捕集したトナーを軟化させるトナー軟化剤を含有するシリコン・オイルを保持したことを特徴とする電子写真複写機におけるローラ型加熱定着装置が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されるローラ型加熱定着装置においては、トナー軟化剤を含有するシリコン・オイルが、加熱ローラの回転面の汚れを払拭捕集するクリーニング部材に保持されているため、トナー軟化剤を含有するシリコン・オイルは、クリーニング部材によって加熱ローラの回転面より払拭捕集されたトナーを軟化させるものであり、トナーを定着するためのトナーを加熱する温度を低下させることを意図したものではない。また、クリーニング部材が、加熱ローラの回転面に常時接触しているため、加熱ローラとの継続的な接触によってクリーニング部材の温度が上昇し、クリーニング部材に保持されているトナー軟化剤を含有するシリコン・オイルの温度も上昇する。このため、実際には、クリーニング部材に保持されているシリコン・オイルから、トナー軟化材の多くが、蒸発してしまい、加熱ローラの回転面より払拭捕集されたトナーを軟化させる効率は、低いと考えられる。また、シリコン・オイルから蒸発したトナー軟化剤によって、定着装置内を汚染する可能性もある。
【0006】
また、特許文献2には、互いに転接する定着用回転部材間に画像支持体を通すことにより、その表面に形成された未定着現像剤像を定着するようにした定着装置であって、離型性層をその表面に有するとともに少なくとも一方が弾力性を持ち、加圧状態で転接することによりニップ部を形成する一組の定着用回転部材と、これら一組の定着用回転部材間を通過する画像支持体上の現像剤を溶融もしくは軟化させる現像剤溶融手段とを具備してなることを特徴とする定着装置が開示されている。特許文献2に開示される定着装置は、原則として、熱を全く使用しないものであるが、熱を併用してもよく、その熱源を上側定着ローラ内部に設けてもよいことが、特許文献2に記載されている。
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示される定着装置において、熱は、定着液を蒸気化させるために使用されており、現像剤を定着するために使用されていない。また、上側定着ローラ内部に設けられる熱源は、ヒートローラ方式より格段に低出力であるため、特許文献2に開示される定着装置は、熱を使用したとしても、熱定着方式を採用する定着装置ではない。
【特許文献1】特開昭63−82495号公報
【特許文献2】特開昭61−69086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、記録媒体に現像剤を定着させる温度を低下させることが可能な現像剤の定着方法、現像剤の定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の態様は、未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着方法において、100℃以下の温度における、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤を加熱する加熱手段に供給するステップ、該加熱手段に供給された該定着剤を未定着の現像剤に供給するステップ、及び該加熱手段によって、該定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱するステップを含むことを特徴とする現像剤の定着方法である。
【0010】
本発明の第二の態様は、未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着方法において、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤に直接供給するステップ、及び該定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱するステップを含むことを特徴とする現像剤の定着方法である。
【0011】
本発明の第三の態様は、未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着装置において、未定着の現像剤を加熱する加熱手段、及び100℃以下の温度における、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、該加熱手段に供給する供給手段を含むことを特徴とする現像剤の定着装置である。
【0012】
本発明の第四の態様は、未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着装置において、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤に直接供給する供給手段、及び前記定着剤が供給された前記未定着の現像剤を加熱する加熱手段を含むことを特徴とする現像剤の定着装置である。
【0013】
本発明の第五の態様は、本発明の第一の態様又は本発明の第二の態様である現像剤の定着方法を用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法である。
【0014】
本発明の第六の態様は、本発明の第三の態様又は本発明の第四の態様である現像剤の定着装置を含むことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、記録媒体に現像剤を定着させる温度を低下させることが可能な現像剤の定着方法、現像剤の定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
【0017】
本発明の第一の実施形態は、未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着方法において、100℃以下の温度における、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤を加熱する加熱手段に供給するステップ、加熱手段に供給された定着剤を未定着の現像剤に供給するステップ、及び加熱手段によって、定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱するステップを含むことを特徴とする現像剤の定着方法である。
【0018】
本発明の第二の実施形態は、未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着装置において、未定着の現像剤を加熱する加熱手段、及び100℃以下の温度における、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、加熱手段に供給する供給手段を含むことを特徴とする現像剤の定着装置である。
【0019】
本発明の第三の実施形態は、未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着方法において、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤に直接供給するステップ、及び定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱するステップを含むことを特徴とする現像剤の定着方法である。
【0020】
本発明の第四の実施形態は、未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる現像剤の定着装置において、未定着の現像剤を加熱する加熱手段、及び100℃以下の温度における、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、加熱手段に供給する供給手段を含むことを特徴とする現像剤の定着装置である。
【0021】
ここで、現像剤は、可視の画像を提供するための材料であり、例えば、電子写真方式においては、像担持体に形成された静電潜像を可視化するためのトナーを含む材料である。現像剤は、例えば、トナーを含む一成分現像剤であってもよく、トナー及びトナーを担持するキャリアを含む二成分現像剤であってもよい。トナーは、通常、結着樹脂及び着色剤を含み、結着樹脂及び着色剤の他には、必要に応じて、電荷制御剤、流動性付与剤、離型剤、外添剤などを含んでもよい。トナーの結着樹脂のような、現像剤に含まれる樹脂は、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル系、エポキシ系、ポリオール系の樹脂のいずれでも良い。トナーに含まれる離型剤としては、ポリエチレン等のワックス成分が挙げられ、トナーに含まれる離型剤の含有量は、記録媒体に対するトナーの定着性に問題が生じない程度の量であればよい。
【0022】
記録媒体は、特に限定されず、例えば、紙、布、及び液体透過層を有するOHP用シートのようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。
【0023】
また、未定着とは、現像剤が記録媒体に固定されてない状態を指し、例えば、現像剤が記録媒体に静電気力によって付着している状態であり、定着させることは、現像剤を記録媒体に固定することを指す。
【0024】
定着剤は、記録媒体における未定着の現像剤に直接的又は間接的に(例えば、加熱手段を介して)供給される、未定着の現像剤を記録媒体へ定着させる材料であり、特に限定されない。定着剤の状態は、特に限定されないが、気体(定着剤の蒸気)、液体又は半固体であってもよい。定着剤は、軟化剤を含む。また、定着剤は、軟化剤のみからなっていてもよい。また、定着剤は、軟化剤を溶解させる溶媒又は軟化剤を分散させる分散媒を含んでもよい。すなわち、軟化剤は、定着剤に含まれる溶媒に溶解していてもよく、定着剤に含まれる分散媒に分散していてもよい。しかしながら、定着剤における軟化剤を安定して保存するために、軟化剤は、定着剤に含まれる分散媒に(例えば、コロイド状に)分散しているよりも、定着剤に含まれる溶媒に溶解していることが好ましい。また、軟化剤が、定着剤に含まれる溶媒に溶解している場合には、軟化剤が、未定着の現像剤に容易に接触し、軟化剤が未定着の現像剤を軟化させる速度を向上させることができる。その結果、未定着の現像剤を記録媒体に定着させる速度を向上させることができる。
【0025】
定着剤は、さらに、離型剤を含んでもよい。定着剤に含まれ得る離型剤は、例えば、記録媒体に提供された未定着の現像剤を加熱手段によって加熱する際に、現像剤が記録媒体から加熱手段又は後述する加圧手段へ付着すること(加熱手段又は加圧手段に対する現像剤のオフセット)を低減するための離型剤である。なお、定着剤とは別個に離型剤を加熱手段又は加圧手段に提供してもよい。
【0026】
軟化剤は、未定着の現像剤を軟化させる性質を有する材料であり、定着剤に含まれる。軟化剤は、例えば、現像剤(に含まれる樹脂)の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分であってもよく、この場合には、軟化剤の軟化させる性質は、現像剤(に含まれる樹脂)の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる性質を意味する。ここで、軟化剤は、現像剤(に含まれる樹脂)の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分であればよく、現像剤(に含まれる樹脂)の全てを溶解又は膨潤させることは必ずしも必要ではない。軟化剤が、現像剤(に含まれる樹脂)の全てを溶解又は膨潤させる必要がないので、現像剤を溶解させることによって現像剤を記録媒体に室温で定着させる従来の溶剤定着法と比較して、より速く未定着の現像剤を記録媒体に定着させることができる。すなわち、従来の溶剤定着法よりも速く、従来の熱定着方式よりも低い温度で、未定着の現像剤を記録媒体に定着させることができる。軟化剤は、好ましくは、室温で未定着の現像剤を軟化させる性質を有する材料であるが、未定着の現像剤の温度を室温よりも高い温度まで上昇させたときに未定着の現像剤を軟化させることができる材料であってもよい。なお、室温とは、15℃以上30℃以下の範囲における温度を意味する。軟化剤は、軟化剤が供給されてない現像剤(に含まれる樹脂)の(概略60℃以上80℃以下である)軟化温度以下では、不揮発性であることが好ましい。この場合には、定着剤を、軟化剤が供給されてない現像剤(に含まれる樹脂)の軟化温度以下の温度で保存することによって、定着剤の品質を、結果として定着の性能を、長期の使用にわたって安定させることが可能となる。
【0027】
供給手段は、本発明の第一及び第二の実施形態においては、100℃以下の温度における、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、加熱手段に供給することができる手段であれば、特に限定されない。ここで、供給手段は、100℃以下の温度における、軟化剤を含む定着剤を、加熱手段に直接的に供給する手段であってもよく、100℃以下の温度における、軟化剤を含む定着剤を、他の媒体を介して、加熱手段に間接的に供給する手段であってもよい。すなわち、軟化剤を含む定着剤を、加熱手段に直接的に供給してもよく、間接的に供給してもよい。加熱手段に対する軟化剤を含む定着剤の直接的な供給方法としては、例えば、軟化剤を含む定着剤を加熱手段に吹き付ける方法が挙げられる。加熱手段に対する軟化剤を含む定着剤の間接的な供給方法としては、例えば、軟化剤を含む定着剤を、加熱手段に接触し得る接触手段に供給した後、接触手段に供給された、軟化剤を含む定着剤を加熱手段に供給する方法が挙げられる。
【0028】
また、供給手段は、本発明の第三及び第四の実施形態においては、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤に直接供給することができる手段であれば、特に限定されない。軟化剤を含む定着剤は、好ましくは、100℃以下の温度で、未定着の現像剤に直接供給される。軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤に直接供給する方法としては、例えば、軟化剤を含む定着剤を未定着の現像剤に吹き付ける方法が挙げられる。
【0029】
本発明の第一、第二、第三、及び第四の実施形態において、供給手段は、定着剤を収容する容器から定着剤を、毛管力等によって、自然に供給する構成を有してもよく、定着剤を収容する容器から定着剤を、ポンプ等を使用することによって、強制的に供給する構成を有してもよい。
【0030】
加熱手段は、未定着の現像剤を加熱することができる手段であれば、特に限定されないが、例えば、加熱ローラ及び加熱ベルトなどが挙げられる。加熱手段を用いて、未定着の現像剤を加熱することによって、軟化剤を含む定着剤が供給された未定着の現像剤を熱的に軟化又は変形させる。なお、本発明の第三及び第四の実施形態においては、加熱手段は、定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱する。一方、本発明の第一及び第二の実施形態においては、加熱手段は、定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱するのみならず、加熱手段に、軟化剤を含む定着剤が供給され、加熱手段に供給された定着剤が、加熱手段によって、未定着の現像剤に供給される。なお、加熱手段に、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を供給するときには、供給手段と接触する加熱手段の表面の温度は、100℃以下であることが好ましい。
【0031】
また、加熱手段に加えて、定着剤が供給された未定着の現像剤に圧力を加える手段(加圧手段)をさらに用いてもよく、この場合には、定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱すると共に加圧することができる。加圧手段としては、加圧ローラ及び加圧ベルトが挙げられる。
【0032】
なお、通常、記録媒体に提供された未定着の現像剤に熱を効率良く伝導させるために、加熱手段は、記録媒体における未定着の現像剤が提供された面側に設けられる。一方、加圧手段は、加熱手段によって未定着の現像剤を加熱するのとほぼ又は完全に同時に未定着の現像剤を加圧するために、記録媒体における未定着の現像剤が提供されない面側に加熱手段と対向して設けられる。
【0033】
本発明の第一、第二、第三、及び第四の実施形態においては、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤に直接的又は間接的に供給することによって、未定着の現像剤(に含まれ得る樹脂)の軟化温度を低下させることができる。よって、未定着の現像剤(に含まれ得る樹脂)の軟化に必要なエネルギーを低減することができる。より詳しくは、未定着の現像剤(に含まれ得る樹脂)の構造が、軟化剤の作用によって柔軟になり、未定着の現像剤(に含まれ得る樹脂)の軟化温度が低下する。ここで、未定着の現像剤(に含まれ得る樹脂)の軟化温度とは、未定着の現像剤が軟化剤によって軟化させられる前後の未定着の現像剤が軟化する温度であり、示差熱分析方法によって測定される未定着の現像剤(に含まれ得る樹脂)のガラス転移温度又は融点を表す。その結果、未定着の現像剤の軟化温度が低下しているため、未定着の現像剤を加熱する温度をその低下温度分ほど低下させても、未定着の現像剤を記録媒体へ定着させることが可能となる。すなわち、従来の熱定着方式よりも低い温度で未定着の現像剤を記録媒体へ定着させることが可能となる。
【0034】
また、100℃以下の温度における軟化剤を含む定着剤を、加熱手段又は未定着の現像剤に供給するので、定着剤からの軟化剤の蒸発を低減することができる。逆に、軟化剤を含む定着剤を、100℃を超える温度で加熱手段又は未定着の現像剤へ供給すると、定着剤から軟化剤が急激に蒸発して、煙が生じることがある。このため、100℃以下の温度における軟化剤を含む定着剤を、加熱手段又は未定着の現像剤に供給することによって、定着剤に含まれる軟化剤を、未定着の現像剤に、より効率的に作用させることができる。
【0035】
そして、軟化剤を含む定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱することによって、例えば、軟化剤を含む定着剤が供給された未定着の現像剤に、加熱手段を接触させることによって、軟化剤によって軟化させられた未定着の現像剤を、熱的に溶融させて、現像剤を融着させる。このようにして、現像剤を記録媒体へ定着させることができる。
【0036】
本発明の第一及び第三の実施形態によれば、記録媒体に現像剤を定着させる温度を低下させることが可能な現像剤の定着方法を提供することができる。また、本発明の第二及び第四の実施形態によれば、記録媒体に現像剤を定着させる温度を低下させることが可能な現像剤の定着装置を提供することができる。よって、本発明の第一及び第三の実施形態である現像剤の定着方法又は本発明の第二及び第四の実施形態である現像剤の定着装置によれば、記録媒体に現像剤を定着させる温度を低下させることができるため、定着に必要なエネルギーを低減することが可能になる。
【0037】
なお、未定着の現像剤が記録媒体に定着される温度、すなわち、加熱手段の温度(定着温度)は、定着剤に含まれる軟化剤の種類及び量などに依存する(定着温度は、軟化剤の量が多いほど、低下する)。しかしながら、例えば、本発明の第一、第二、第三、及び第四の実施形態によれば、加熱手段の温度は、従来の熱定着方式における定着温度(160℃〜180℃)に対して40℃〜60℃程度低い温度(100℃〜120℃)であり、また、例えば、軟化剤を含む定着剤は、60℃〜80℃の温度で、加熱手段又は未定着の現像剤に供給される。
【0038】
なお、本発明の第一、第二、第三、及び第四の実施形態によれば、現像剤それ自体の軟化温度を予め低下させておく必要がない。このため、現像剤が高温の環境に放置されても、現像剤の融着が促進されることがない。よって、現像剤を用いて、画像を現像するときに、現像剤の流動性を低下させることがなく、現像剤の現像特性の劣化が、起こらない。すなわち、現像剤それ自体の軟化温度を予め低下させておかなくても、軟化剤によって未定着の現像剤の軟化温度を低下させるため、従来よりも低い温度で未定着の現像剤を記録媒体へ定着させることが可能となる。
【0039】
本発明の第一及び第二の実施形態においては、加熱手段に供給された軟化剤を含む定着剤を未定着の現像剤に供給し、且つ加熱手段によって、定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱することができるので、定着剤に含まれる軟化剤による未定着の現像剤の軟化及び加熱手段による未定着の現像剤の加熱を、一つの工程として行うことができる。また、加熱手段に供給された定着剤を未定着の現像剤に供給するので、記録媒体における未定着の現像剤による画像の乱れを抑制することができる。
【0040】
本発明の第一の実施形態においては、好ましくは、定着剤を加熱手段に供給するステップは、加熱手段に接触し得る接触手段を介して、加熱手段に定着剤を供給することを含む。本発明の第二の実施形態においては、供給手段は、定着剤を加熱手段に供給すると共に加熱手段に接触し得る接触手段をさらに含む。定着剤を加熱手段に供給すると共に加熱手段に接触し得る接触手段としては、例えば、定着剤を含有すると共に定着剤を加熱手段に供給することができるフェルトのパッドなどが挙げられる。加熱手段に接触し得る接触手段は、好ましくは、100℃以下の温度に維持される。これにより、100℃以下の温度における定着剤が、加熱手段に接触し得る接触手段を介して、加熱手段に供給される。定着剤が、加熱手段に接触し得る接触手段を介して、加熱手段に供給される場合には、接触手段に供給された定着剤を、接触手段を介して、より均一に加熱手段に供給することができる。より均一に加熱手段に供給された定着剤は、記録媒体における未定着の現像剤に、より均一に供給される。その結果、未定着の現像剤を、より均一に記録媒体に定着させることができる。
【0041】
本発明の第一の実施形態において、好ましくは、未定着の現像剤を記録媒体へ定着させるときにのみ、接触手段を加熱手段に接触させる。本発明の第二の実施形態において、好ましくは、加熱手段に対する接触手段の接触を制御する制御手段をさらに含む。加熱手段に対する接触手段の接触を制御する手段(制御手段)は、接触手段を加熱手段に接触させること及び接触手段を加熱手段から離すことができる手段であればよい。そして、制御手段を制御することによって、未定着の現像剤を記録媒体に定着させるとき、ここでは、記録媒体における未定着の現像剤が、加熱手段に接近したときにのみ、接触手段を加熱手段に接触させ、接触手段に供給された定着剤を、加熱手段に供給し、加熱手段に供給された定着剤を、記録媒体における未定着の現像剤に供給する。このようにして、接触手段の加熱手段との接触による接触手段の温度の上昇を抑制することができる。その結果、接触手段に供給された定着剤に含まれる軟化剤の蒸発を低減することができる。従って、接触手段に供給される定着剤を、記録媒体における未定着の現像剤の定着に効率良く利用することができる。また、定着剤に含まれる軟化剤の蒸発による定着装置の汚染も低減することができる。
【0042】
本発明の第一の実施形態において、好ましくは、定着剤を加熱手段に供給するステップは、加熱手段に定着液を直接供給する。本発明の第二の実施形態において、好ましくは、供給手段は、加熱手段に定着剤を直接供給する手段である。定着剤が、加熱手段に直接供給される場合には、記録媒体における未定着の現像剤の位置に対応する加熱手段の位置に定着剤を供給することができる。よって、定着剤を未定着の現像剤に効率良く供給することができる。その結果、記録媒体における未定着の現像剤を効率良く定着させることができる。
【0043】
本発明の第一の実施形態において、好ましくは、定着液は、加熱手段に吹き付けられる。本発明の第二の実施形態において、好ましくは、供給手段は、加熱手段に定着剤を吹き付ける手段である。加熱手段に定着剤を吹き付ける手段としては、特に限定されないが、加圧噴霧式、圧電素子を用いた噴霧方式、及び静電的噴霧方式の噴霧手段などが挙げられる。定着液が、加熱手段に吹き付けられる場合には、加熱手段に供給する定着剤の量をより正確に且つより容易に制御することができる。特に、少量の定着剤を加熱手段に供給することができる。
【0044】
本発明の第三及び第四の実施形態においては、軟化剤を含む定着剤を、未定着の現像剤に直接供給するので、定着剤に含まれる軟化剤によって、未定着の現像剤を軟化させた後に、定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱することができる。その結果、未定着の現像剤を記録媒体に、より確実に定着することができる。また、軟化剤を含む定着剤を加熱することなく、例えば室温で、軟化剤を含む定着剤を、記録媒体における未定着の現像剤に供給することができるので、定着剤に含まれる軟化剤の蒸発を大幅に低減することができる。その結果、定着剤を、記録媒体における未定着の現像剤の定着に効率良く利用することができる。また、定着剤に含まれる軟化剤の蒸発による定着装置の汚染も低減することができる。さらに、記録媒体における未定着の現像剤の位置に定着剤を直接供給することができるため、定着剤を未定着の現像剤に効率良く供給することができる。よって、記録媒体における未定着の現像剤を効率良く定着させることができる。
【0045】
本発明の第三の実施形態において、好ましくは、定着剤を未定着の現像剤に直接供給するステップは、未定着の現像剤に定着剤を吹き付けることを含む。本発明の第四の実施形態において、好ましくは、供給手段は、未定着の現像剤に定着剤を吹き付ける手段である。未定着の現像剤に定着剤を吹き付ける手段としては、特に限定されないが、加圧噴霧式、圧電素子を用いた噴霧方式、及び静電的噴霧方式の噴霧手段などが挙げられる。定着液が、未定着の現像剤に吹き付けられる場合には、未定着の現像剤に供給する定着剤の量をより正確に且つより容易に制御することができる。特に、少量の定着剤を未定着の現像剤に供給することができる。
【0046】
本発明の第一、第二、第三、及び第四の実施形態において、好ましくは、定着剤は、液体である。定着剤が、液体である場合には、定着剤が気体(蒸気)である場合と異なり、定着剤の蒸発が少なく、未定着の現像剤に対する定着剤の直接的な供給のみならず、間接的な供給にも有効である。また、定着剤が半固体である場合と異なり、定着剤を、未定着の現像剤に比較的均一に供給すると共に定着剤を未定着の現像剤により速く作用させることができる。
【0047】
本発明の第一、第二、第三、及び第四の実施形態において、好ましくは、定着剤は、離型剤をさらに含む。この場合には、定着剤は、未定着の現像剤を軟化させる軟化剤及び離型剤を含む。特に、定着剤は、軟化剤を含む離型剤であってもよい。ここで、定着剤に含まれる離型剤は、記録媒体に提供された未定着の現像剤を加熱手段によって加熱する際に、未定着の現像剤が記録媒体から加熱手段又は加圧手段へ付着すること(加熱手段又は加圧手段に対する現像剤のオフセット)を低減するための離型剤である。
【0048】
一般に広く使用されるシリコーンオイルのような離型剤は、未定着の現像剤を軟化させる作用を持たず、むしろ、軟化剤による未定着の現像剤の軟化を阻害する阻害剤として作用する。このためシリコーンオイルのような離型剤を含む定着剤を用いると、未定着の現像剤が記録媒体に定着する速度(定着応答性)が、遅くなる傾向がある。しかしながら、本発明の第一、第二、第三、及び第四の実施形態においては、定着剤が、離型剤のみならず軟化剤を含むと共に、軟化剤を含む定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱する。このように、軟化剤を含む定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱するとき、軟化剤によって未定着の現像剤に含まれる樹脂を溶解させる又は膨潤させる速度は、軟化剤を含む定着剤が供給された未定着の現像剤の温度を上昇させることによって、増加させることができる。その結果、定着剤に、軟化剤による未定着の現像剤の軟化を阻害する離型剤が含まれていたとしても、軟化剤を含む定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱することによって、軟化剤による未定着の現像剤に含まれる樹脂の溶解又は膨潤が促進され、未定着の現像剤が記録媒体に定着する速度(定着応答性)を、従来の熱定着方式における未定着の現像剤の定着速度よりも高めることが可能となる。
【0049】
定着剤に含まれる離型剤は、好ましくは、アルキル基又はパーフルオロアルキル基を有する有機化合物である。アルキル基又はパーフルオロアルキル基を有する有機化合物は、特に、軟化剤に含まれ得る脂肪族エステルに対して優れた溶解性を有する。このため、定着剤において、軟化剤を、アルキル基又はパーフルオロアルキル基を有する有機化合物と溶解させることによって、軟化剤を定着剤中に安定して保存することができる。
【0050】
また、定着剤に含まれる離型剤は、200℃以上の沸点を有するジメチルシリコーン又はフッ素オイルである。200℃以上の沸点を有するジメチルシリコーン又はフッ素オイルは、優れた耐熱性を有し、熱酸化されにくい。また、軟化剤に含まれ得る脂肪族エステルに対して優れた溶解性を有する。このため、定着剤において、軟化剤を、200℃以上の沸点を有するジメチルシリコーン又はフッ素オイルと溶解させることによって、軟化剤を定着剤中に安定して保存することができると共に、軟化剤を含む定着剤が供給された未定着の現像剤を加熱するときにも、離型剤の特性が安定して維持される。
【0051】
本発明の第一及び第三の実施形態において、好ましくは、未定着の現像剤を加熱するステップは、定着剤が供給された未定着の現像剤に圧力を加えることを含む。本発明の第二及び第四の実施形態において、好ましくは、未定着の現像剤に圧力を加える加圧手段をさらに含む。
【0052】
軟化剤を含む定着剤が供給された未定着の現像剤に圧力を加えることによって、定着剤に含まれる軟化剤によって軟化させられた未定着の現像剤を変形させ、軟化剤によって軟化させられた未定着の現像剤を記録媒体に密着させることができる。よって、軟化剤によって軟化させられた未定着の現像剤を加熱するのみならず、加圧することによって、現像剤を記録媒体により確実に定着させることができる。軟化剤を含む定着剤が供給された未定着の現像剤に圧力を加える手段(加圧手段)は、例えば、ローラ型の面を有すると共にローラ型の面によって未定着の現像剤に圧力を加えるローラ型の加圧手段(加圧ローラ)であってもよく、ベルト型の面を有すると共にベルト型の面によって未定着の現像剤に圧力を加えるベルト型の加圧手段(加圧ベルト)であってもよい。加圧手段が、加圧ローラである場合には、小型の定着装置を提供することができる。加圧手段が、加圧ベルトである場合には、定着剤が供給された未定着の現像剤に圧力を加える面の面積を大きくすることができるため、定着剤が供給された未定着の現像剤に、圧力を加える時間を長くすることができる。よって、定着剤が供給された未定着の現像剤に有効に圧力を加えることができるため、記録媒体の線速度を高めた高速定着に有利である。
【0053】
本発明の第一、第二、第三、及び第四の実施形態において、好ましくは、加熱手段は、加熱ローラである。ここで、加熱ローラは、ローラ型の面を有すると共にローラ型の面によって未定着の現像剤に熱を加えるローラ型の加熱手段である。加熱ローラの熱源としては、例えば、加熱ローラ内に設けられたハロゲンヒーターなどが挙げられ、このようなハロゲンヒーターは、加熱ローラ内で発熱し、加熱ローラの内部から加熱ローラの表面までの熱伝導によって、加熱ローラの表面を加熱する。なお、熱源は、加熱ローラと一体であってもよく、一体でなくてもよい。加熱手段が、加熱ローラである場合には、比較的軽量且つ小型の加熱ローラを用いて、軟化剤が供給された未定着の現像剤を加熱することができるので、比較的小型の定着装置を提供することができる。
【0054】
本発明の第一、第二、第三、及び第四の実施形態において、好ましくは、加熱手段は、加熱ベルトである。ここで、加熱ベルトは、ベルト型の面を有すると共にベルト型の面によって未定着の現像剤に熱を加えるベルト型の加熱手段である。加熱ベルトは、無端金属ベルト、例えば、ニッケルのシームレスベルト等の表面にシリコーンゴム等を貼り付けた構成を有するものが好ましい。加熱ベルトの熱源としては、例えば、加熱ベルトの内側に設けられたハロゲンヒーターなどが挙げられ、このようなハロゲンヒーターは、加熱ベルトの内側で発熱し、加熱ベルトの内側から加熱ベルトの表面までの熱伝導によって、加熱ベルトの表面を加熱する。加熱手段が、加熱ベルトである場合には、軟化剤を含む定着剤が供給された未定着の現像剤に熱を加える面の面積を大きくすることができるため、定着剤が供給された未定着の現像剤に、熱を加える時間を長くすることができる。よって、定着剤が供給された未定着の現像剤に有効に熱を加えることができるため、記録媒体の線速度を高めた高速定着に有利である。
【0055】
本発明の第一、第二、第三、及び第四の実施形態において、好ましくは、軟化剤は、脂肪族エステルを含む。脂肪族エステルは、現像剤に含まれ得る樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる溶解性又は膨潤性に優れるため、軟化剤は、脂肪族エステルを含むことが好ましい。また、軟化剤については、人体に対する安全性の観点から、その急性経口毒性LD50が3g/kgよりも大きいことが好ましい。脂肪族エステルは、化粧品原料として多用されているように、人体に対する安全性が高い。さらに、記録媒体に対する現像剤の定着は、密閉された環境において頻繁に使用される機器で行われ、軟化剤は、現像剤の記録媒体への定着後にも、現像剤中に残留するため、記録媒体に対する現像剤の定着は、揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の発生を伴わないことが、好ましい。すなわち、軟化剤は、揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の原因となる物質を含まないことが好ましい。脂肪族エステルは、一般に汎用される有機溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)と比較して、高い沸点及び低い揮発性を有し、刺激臭を持たない。また、脂肪族エステルは、水質汚染を引き起こさないという利点も有する。なお、オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数(10×log(物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率))を臭気の指標とすることができる。現像剤に含まれ得る樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は、10以下であることが好ましい。この場合には、通常のオフィス環境では、不快臭を感じなくなる。なお、現像剤に含まれ得る樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる軟化剤のみならず、定着剤に含まれる軟化剤以外の成分も、同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。なお、定着剤に含まれる軟化剤以外の成分の含有量は、多いため、定着剤に含まれる軟化剤以外の成分の臭気指数は、好ましくは、7以下であり、さらに好ましくは、3以下である。
【0056】
上記の脂肪族エステルは、好ましくは、飽和脂肪族エステルを含む。上記の脂肪族エステルが、飽和脂肪族エステルを含む場合には、軟化剤の保存安定性(酸化、加水分解などに対する耐性)を向上させることができる。また、飽和脂肪族エステルは、人体に対する安全性が高い。さらに、多くの飽和脂肪族エステルは、室温でも現像剤に含まれ得る樹脂を1秒以内で溶解又は膨潤させることができるため、多くの飽和脂肪族エステルは、加熱することによって、現像剤に含まれ得る樹脂を数ミリ秒程度の時間で溶解又は膨潤させることができる。加えて、飽和脂肪族エステルは、現像剤に含まれ得る樹脂が溶解又は膨潤した後、記録媒体に提供された現像剤の粘着感を低下させることができる。これは、容易に揮発しない飽和脂肪族エステルが、溶解又は膨潤した現像剤の表面に油膜を形成するためであると考えられる。
【0057】
上記の飽和脂肪族エステルは、好ましくは、一般式
R1COOR2
で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上3以下のアルキル基である。上記の飽和脂肪族エステルが、一般式R1COOR2で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上3以下のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルは、優れた耐熱性及び低い揮発性を有するため、未定着の現像剤を加熱する定着において、軟化剤の劣化が、少なく、よって、未定着の現像剤の定着に関する軟化剤の信頼性を向上させることができる。さらに、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。
【0058】
上記の脂肪族エステルは、好ましくは、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、より短い時間でトナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができる。例えば、60ppm程度の高速印字では、未定着の現像剤が記録媒体に定着するまでの時間は、数十ミリ秒以内であることが望ましい。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、未定着の現像剤が記録媒体に定着するのに要する時間を、数十ミリ秒以内にすることが可能となる。さらに、定着剤に、より少量の軟化剤を用いることによって、現像剤に含まれ得る樹脂を溶解又は膨潤させることができるため、定着剤に含まれる軟化剤の含有量を、低減することができる。例えば、定着剤の媒質としてシリコーンオイルを用いる場合、5重量%以下の含有量の軟化剤を用いて、未定着の現像剤を、加熱によって定着させることができる。また、上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含まない場合と比較して、より未定着の現像剤を定着させる温度を低下させることができる。
【0059】
上記の脂肪族ジカルボン酸エステルは、好ましくは、一般式
R3(COOR4)2
で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が2以上5以下のアルキル基である。上記の脂肪族ジカルボン酸エステルが、一般式R3(COOR4)2で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が2以上5以下のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸エステルは、優れた耐熱性及び低い揮発性を有するため、未定着の現像剤を加熱する定着において、軟化剤の劣化が、少なく、よって、未定着の現像剤の定着に関する軟化剤の信頼性を向上させることができる。さらに、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。すなわち、上記の化合物の臭気は、ほとんどないため、記録媒体に未定着のトナーを定着させる間にも、ユーザーに不快感を与えない。上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えば、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。
【0060】
上記の脂肪族エステルは、好ましくは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合には、記録媒体に対する未定着の現像剤の定着性を向上させることができる。また、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、離型剤との溶解性に優れている。よって、離型剤を含む定着剤に、定着剤に含まれる脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルの含有量を増加させることができる。これにより、未定着の現像剤をより良好に軟化させることができ、未定着の現像剤の定着性を向上させることができる。また、離型剤を含む定着剤に、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを、より均一に溶解させることができる。これにより、未定着の現像剤に、定着剤に含まれる軟化剤を、より均一に供給することができる。さらに、上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合には、上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含まない場合と比較して、より未定着の現像剤を定着させる温度を低下させることができる。
【0061】
上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、好ましくは、一般式
R5(COOR6−O−R7)2
で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である。上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式R5(COOR6−O−R7)2で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である場合には、現像剤に含まれ得る樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、優れた耐熱性及び低い揮発性を有するため、未定着の現像剤を加熱する定着において、軟化剤の劣化が、少なく、よって、未定着の現像剤の定着に関する軟化剤の信頼性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。すなわち、上記の化合物の臭気は、ほとんどないため、記録媒体に未定着のトナーを定着させる間にも、ユーザーに不快感を与えない。上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。
【0062】
図1(a)及び(b)は、定着剤を現像剤に接触手段及び加熱ローラを介して供給する、本発明による現像剤の定着方法及び定着装置の例を説明する図である。図1(a)は、記録媒体における未定着の現像剤を定着させない状態を説明する図であり、図1(b)は、記録媒体における未定着の現像剤を定着させる状態を説明する図である。
【0063】
図1(a)及び(b)に示すように、記録媒体としての記録紙11上に未定着の現像剤としての未定着トナー12が提供され、未定着トナー12は、所定の電荷量に帯電されており、微弱な静電気力によって、記録紙11に付着している。
【0064】
定着装置は、熱源としてのハロゲンヒーター13を内部に備えた、加熱手段としての加熱ローラ14、加圧手段としての加圧ローラ15、軟化剤及び離型剤を含む液体の定着剤を供給する供給手段を含む。ここで、加熱ローラ14及び加圧ローラ15は、対向して設けられると共に加熱ローラ14及び加圧ローラ15の間にニップを形成し、互いに逆方向に回転する。加熱ローラ14の表面は、その内部に設けられたハロゲンヒーター13によって、加熱される。供給手段は、定着剤を収容する定着剤充填タンク16、及び加熱ローラ14の表面に接触することができる接触手段としての定着剤塗布パッド17を含む。定着剤塗布パッド17には、定着剤充填タンク16から毛管力によって供給され、定着剤塗布パッド17は、加熱ローラ14に接触することによって、加熱ローラ14の表面に定着剤を供給することができる。また、定着装置は、加熱ローラ14に対する定着剤塗布パッド17の接触を制御するパッド制御機構18をさらに含む。ここで、定着剤充填タンク16は、室温に維持されており、定着剤塗布パッド17は、100℃以下の温度に維持される。このため、定着剤塗布パッド17に供給された定着剤の温度もまた、100℃以下に維持される。よって、定着剤は、100℃以下の温度で加熱ローラ14に供給される。
【0065】
記録紙11上に付着した未定着トナー12は、加熱ローラ14及び加圧ローラ15の回転によって、加熱ローラ14及び加圧ローラ15の間のニップを通じて搬送される。図1(a)に示すように、加熱ローラ14の付近に未定着トナー12が存在せず、記録紙11における未定着トナー12を定着させないときには、定着剤塗布パッド17は、パッド制御機構18によって、加熱ローラ14に接触していない。そして、図1(b)に示すように、加熱ローラ14の付近に未定着トナー12が存在し、記録紙11における未定着トナー12を定着させるときには、定着剤塗布パッド17を、パッド制御機構18によって、加熱ローラ14に接触させる。
【0066】
定着剤塗布パッド17は、100℃以下の温度に維持されるが、定着剤塗布パッド17の温度が、100℃を超えるときには、パッド制御機構18によって、定着剤塗布パッド17を、加熱ローラ14から離す。特に、図1(a)に示すように、記録紙11における未定着トナー12を定着させないときには、定着剤塗布パッド17を、加熱ローラ14から離しておき、定着剤塗布パッド17の温度を低下させておく。また、図1(b)に示すように、記録紙11における未定着トナー12を定着させるときに、定着剤塗布パッド17の温度が、100℃を超えるときには、定着剤塗布パッド17を、加熱ローラ14から離すと同時に、加熱ローラ14及び加圧ローラ15の回転を停止して、記録紙11の搬送を停止させる。そして、定着剤塗布パッド17の温度が100以下になるまで、定着剤塗布パッド17を、加熱ローラ14から離しておく。あるいは、定着剤塗布パッド17を冷却するための公知の冷却手段を定着装置に設けて、加熱ローラ14から離れた定着剤塗布パッド17を100℃以下の温度まで冷却してもよい。
【0067】
図1(b)に示すように、記録紙11における未定着トナー12を定着させるときには、記録紙11上の未定着トナー12は、加熱ローラ14及び加圧ローラ15の間に挟まれる。そして、定着剤塗布パッド17から加熱ローラ14に供給された定着剤が、加熱ローラ14の回転によって、記録紙11上の未定着トナー12に供給される。なお、定着剤に離型剤が含まれているので、定着剤は、加熱ローラ14から記録紙11上の未定着トナー12へ容易に供給される。そして、記録紙11上の未定着トナー12は、供給された定着剤に含まれる軟化剤によって軟化させられると同時に、加熱ローラ14によって加熱され、さらに加圧ローラ15によって、加圧される。軟化剤によって軟化した未定着トナーの軟化温度は、低下しているため、加熱ローラ14による加熱で容易に融着し、加圧ローラ15による加圧で容易に変形する。このようにして、記録紙11に未定着トナー12が容易に定着し、記録紙11上に定着トナー19による画像が形成される。
【0068】
図2は、定着剤を現像剤に接触手段及び加熱ベルトを介して供給する、本発明による現像剤の定着方法及び定着装置の例を説明する図である。
【0069】
図2に示すように、記録媒体としての記録紙21上に未定着の現像剤としての未定着トナー22が提供され、未定着トナー22は、所定の電荷量に帯電されており、微弱な静電気力によって、記録紙21に付着している。
【0070】
定着装置は、熱源としてのハロゲンヒーター23を内部に備えた、加熱手段としての加熱ベルト24、加圧手段としての二つの加圧ローラ25、軟化剤及び離型剤を含む液体の定着剤を供給する供給手段を含む。ここで、加熱ベルト24及び二つの加圧ローラ25の各々は、対向して設けられると共に加熱ベルト24及び二つの加圧ローラ25の各々の間にニップを形成し、互いに逆方向に回転する。加熱ベル度24は、三つの加熱ベルト駆動ローラによって、一つの方向に回転させられる。加熱ベルト24の表面は、その内側に設けられたハロゲンヒーター23によって、加熱される。供給手段は、定着剤を収容する定着剤充填タンク26、及び加熱ベルト24の表面に接触することができる接触手段としての定着剤塗布パッド27を含む。定着剤塗布パッド27には、定着剤充填タンク26から毛管力によって供給され、定着剤塗布パッド27は、加熱ベルト24に接触することによって、加熱ベルト24の表面に定着剤を供給することができる。また、定着装置は、加熱ベルト24に対する定着剤塗布パッド27の接触を制御するパッド制御機構28をさらに含む。ここで、定着剤充填タンク26は、室温に維持されており、定着剤塗布パッド27は、100℃以下の温度に維持される。このため、定着剤塗布パッド27に供給された定着剤の温度もまた、100℃以下に維持される。よって、定着剤は、100℃以下の温度で加熱ベルト24に供給される。
【0071】
記録紙21上に付着した未定着トナー22は、加熱ベルト24及び二つの加圧ローラ25の回転によって、加熱ベルト24及び二つの加圧ローラ25の各々の間におけるニップを通じて搬送される。加熱ベルト24の付近に未定着トナー22が存在せず、記録紙21における未定着トナー22を定着させないときには、定着剤塗布パッド27は、パッド制御機構28によって、加熱ベルト24に接触していない。そして、加熱ベルト24の付近に未定着トナー22が存在し、記録紙21における未定着トナー22を定着させるときには、定着剤塗布パッド27を、パッド制御機構28によって、加熱ベルト24に接触させる。
【0072】
定着剤塗布パッド27は、100℃以下の温度に維持されるが、定着剤塗布パッド27の温度が、100℃を超えるときには、パッド制御機構28によって、定着剤塗布パッド27を、加熱ベルト24から離す。特に、記録紙21における未定着トナー22を定着させないときには、定着剤塗布パッド27を、加熱ベルト24から離しておき、定着剤塗布パッド27の温度を低下させておく。また、記録紙21における未定着トナー22を定着させるときに、定着剤塗布パッド27の温度が、100℃を超えるときには、定着剤塗布パッド27を、加熱ベルト24から離すと同時に、加熱ベルト24及び二つの加圧ローラ25の回転を停止して、記録紙21の搬送を停止させる。そして、定着剤塗布パッド27の温度が100以下になるまで、定着剤塗布パッド27を、加熱ベルト24から離しておく。あるいは、定着剤塗布パッド27を冷却するための公知の冷却手段を定着装置に設けて、加熱ベルト24から離れた定着剤塗布パッド27を100℃以下の温度まで冷却してもよい。
【0073】
記録紙21における未定着トナー22を定着させるときには、記録紙21上の未定着トナー22は、加熱ベルト24及び二つの加圧ローラ25のいずれかの間に挟まれる。そして、定着剤塗布パッド27から加熱ベルト24に供給された定着剤が、加熱ベルト24の回転によって、記録紙21上の未定着トナー22に供給される。なお、定着剤に離型剤が含まれているので、定着剤は、加熱ベルト24から記録紙21上の未定着トナー22へ容易に供給される。そして、記録紙21上の未定着トナー22は、供給された定着剤に含まれる軟化剤によって軟化させられると同時に、加熱ベルト24によって加熱され、さらに二つの加圧ローラ25によって、加圧される。軟化剤によって軟化した未定着トナーの軟化温度は、低下しているため、加熱ベルト24による加熱で容易に融着し、二つの加圧ローラ25による加圧で容易に変形する。このようにして、記録紙21に未定着トナー22が容易に定着し、記録紙21上に定着トナー29による画像が形成される。
【0074】
図3は、定着剤を加熱ローラに直接供給する、本発明による現像剤の定着方法及び定着装置の例を説明する図である。
【0075】
図3に示すように、記録媒体としての記録紙31上に未定着の現像剤としての未定着トナー32が提供され、未定着トナー32は、所定の電荷量に帯電されており、微弱な静電気力によって、記録紙31に付着している。
【0076】
定着装置は、熱源としてのハロゲンヒーター33を内部に備えた、加熱手段としての加熱ローラ34、加圧手段としての加圧ローラ35、軟化剤及び離型剤を含む液体の定着剤を供給する供給手段を含む。ここで、加熱ローラ34及び加圧ローラ35は、対向して設けられると共に加熱ローラ34及び加圧ローラ35の間にニップを形成し、互いに逆方向に回転する。加熱ローラ34の表面は、その内部に設けられたハロゲンヒーター33によって、加熱される。供給手段は、定着剤を収容する定着剤充填タンク36及び定着剤充填タンク36から供給される定着剤を加熱ローラ34の表面に吹き付けることができるスプレーノズル37を含む。スプレーノズル37には、定着剤充填タンク36から毛管力によって供給され、スプレーノズル37は、加熱ローラ34に定着剤を吹き付けることによって、加熱ローラ34の表面に定着剤を供給することができる。なお、定着装置に、加熱ローラ34に対するスプレーノズル37の位置を制御する手段を設けてもよい。ここで、定着剤充填タンク36及びスプレーノズル37は、100℃以下である室温に維持されている。このため、スプレーノズル37に供給された定着剤の温度もまた、室温に維持されており、定着剤は、100℃以下である室温で加熱ローラ34に供給される。
【0077】
記録紙31上に付着した未定着トナー32は、加熱ローラ34及び加圧ローラ35の回転によって、加熱ローラ34及び加圧ローラ35の間のニップを通じて搬送される。加熱ローラ34の付近に未定着トナー32が存在せず、記録紙31における未定着トナー32を定着させないときには、スプレーノズル37は、加熱ローラ34に定着剤を吹き付けない。そして、加熱ローラ34の付近に未定着トナー32が存在し、記録紙31における未定着トナー32を定着させるときには、スプレーノズル37は、加熱ローラ34に定着剤を吹き付ける。
【0078】
記録紙31における未定着トナー32を定着させるときには、記録紙31上の未定着トナー32は、加熱ローラ34及び加圧ローラ35の間に挟まれる。そして、スプレーノズル37から加熱ローラ34に供給された定着剤が、加熱ローラ34の回転によって、記録紙31上の未定着トナー32に供給される。なお、定着剤に離型剤が含まれているので、定着剤は、加熱ローラ34から記録紙31上の未定着トナー32へ容易に供給される。そして、記録紙31上の未定着トナー32は、供給された定着剤に含まれる軟化剤によって軟化させられると同時に、加熱ローラ34によって加熱され、さらに加圧ローラ35によって、加圧される。軟化剤によって軟化した未定着トナーの軟化温度は、低下しているため、加熱ローラ34による加熱で容易に融着し、加圧ローラ35による加圧で容易に変形する。このようにして、記録紙31に未定着トナー32が容易に定着し、記録紙31上に定着トナー38による画像が形成される。
【0079】
図4は、定着剤を未定着の現像剤に直接供給する、本発明による現像剤の定着方法及び定着装置の例を説明する図である。
【0080】
図4に示すように、記録媒体としての記録紙41上に未定着の現像剤としての未定着トナー42が提供され、未定着トナー42は、所定の電荷量に帯電されており、微弱な静電気力によって、記録紙41に付着している。
【0081】
定着装置は、熱源としてのハロゲンヒーター43を内部に備えた、加熱手段としての加熱ローラ44、加圧手段としての加圧ローラ45、軟化剤を含む液体の定着剤を供給する供給手段を含む。ここで、加熱ローラ44及び加圧ローラ45は、対向して設けられると共に加熱ローラ44及び加圧ローラ45の間にニップを形成し、互いに逆方向に回転する。加熱ローラ44の表面は、その内部に設けられたハロゲンヒーター43によって、加熱される。供給手段は、定着剤を収容する定着剤充填タンク46及び定着剤充填タンク46から供給される定着剤を未定着トナー42に直接吹き付けることができるスプレーノズル47を含む。スプレーノズル47には、定着剤充填タンク46から毛管力によって供給され、スプレーノズル47は、未定着トナー42に定着剤を直接吹き付けることによって、未定着トナー42に定着剤を供給することができる。なお、定着装置に、記録紙41における未定着トナー42の位置に対してスプレーノズル47の位置を制御する手段を設けてもよい。ここで、定着剤充填タンク46及びスプレーノズル47は、100℃以下である室温に維持されている。このため、スプレーノズル47に供給された定着剤の温度もまた、室温に維持されており、定着剤は、100℃以下である室温で未定着トナー42に直接供給される。
【0082】
記録紙41上に付着した未定着トナー42は、加熱ローラ44及び加圧ローラ45の回転によって、加熱ローラ44及び加圧ローラ45の間のニップに向かって搬送される。記録紙41における、スプレーノズル47から定着剤を吹き付けることができる位置に、未定着トナー42が存在せず、記録紙41における未定着トナー42を定着させないときには、スプレーノズル47は、記録紙41に定着剤を吹き付けない。そして、記録紙41における、スプレーノズル47から定着剤を吹き付けることができる位置に、未定着トナー42が存在し、記録紙41における未定着トナー42を定着させるときには、スプレーノズル47は、記録紙41における未定着トナー42に定着剤を吹き付ける。ここで、記録紙41上の未定着トナー42は、供給された定着剤に含まれる軟化剤によって軟化させられる。
【0083】
そして、記録紙41上の、定着剤が供給された未定着トナー42は、加熱ローラ44及び加圧ローラ45の回転によって、加熱ローラ44及び加圧ローラ45のニップまで搬送され、加熱ローラ44及び加圧ローラ45の間に挟まれる。定着剤が供給された未定着トナー42は、加熱ローラ44によって加熱され、さらに加圧ローラ45によって、加圧される。軟化剤によって軟化した未定着トナーの軟化温度は、低下しているため、加熱ローラ44による加熱で容易に融着し、加圧ローラ45による加圧で容易に変形する。このようにして、記録紙41に未定着トナー42が容易に定着し、記録紙41上に定着トナー48による画像が形成される。
【0084】
本発明による第五の実施形態の画像形成方法は、本発明による第一又は第三の実施形態である現像剤の定着方法を用いて画像を形成する。また、本発明による第六の実施形態の画像形成装置は、本発明による第二又は第四の実施形態である現像剤の定着装置を含む。画像形成方法は、例えば、電子写真方式による記録媒体に画像を形成する方法であってもよい。画像形成装置は、例えば、複写機、プリンター、ファクシミリ等の装置であってもよい。本発明による第五の実施形態の画像形成方法及び本発明による第六の実施形態の画像形成装置によれば、それぞれ、上述したように、記録媒体に現像剤を定着させる温度を低下させることが可能な画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
【0085】
図5(a)及び(b)は、本発明による画像形成方法及び画像形成装置の具体例を説明する図である。図5(a)は、複写機又はプリンターであってもよい、カラー電子写真のタンデム方式の画像形成装置を示す図であり、図5(b)は、図5(a)の画像形成装置の画像形成ユニットの一つを示す。
【0086】
図5(a)及び(b)に示す画像形成装置は、トナー像担持体として中間転写ベルト101を有する。この中間転写ベルト101は、三つの支持ローラ102、103及び104に張架されており、時計方向に回転する。この中間転写ベルト101に対しては、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像形成ユニット105BK、105Y、105M及び105Cが配列されている。これら画像形成ユニットの上方には、図示してない露光装置が配置されている。例えば、画像形成装置が、複写機である場合には、スキャナーで原稿の画像情報を読み込み、この画像情報に応じて、各感光体ドラム106上に静電潜像を書き込むための各光Lが露光装置により照射される。
【0087】
中間転写ベルト101の支持ローラ104に対向する位置には、二次転写装置107が設けられている。二次転写装置107は、二つの支持ローラ108及び109の間に張架された二次転写ベルト110で構成されている。なお、二次転写装置107としては、転写ベルト以外に転写ローラを用いてもよい。また、中間転写ベルト101の支持ローラ102に対向する位置には、ベルトクリーニング装置111が配置されている。ベルトクリーニング装置111は、中間転写ベルト101上に残留するトナーを除去するために配置されている。
【0088】
記録媒体としての記録紙112は、一対の給紙ローラ113で二次転写部へ導かれ、トナー像を記録紙112に転写する際に、二次転写ベルト110を中間転写ベルト101に押し当てることによって、トナー像の転写を行う。
【0089】
トナー像が転写された記録紙112は、二次転写ベルト110によって搬送され、記録紙112に転写された未定着のトナー像は、例えば、図1〜図4に示すような、本発明による第二の実施形態に従うトナーの定着装置119によって、定着される。すなわち、本発明による第一の実施形態に従うトナーの定着方法によって、記録紙112に転写された未定着のトナー像には、トナーの定着装置119において供給される定着液が付与され、定着液が付与されたトナー像は、加熱されて、記録紙112に定着する。ここで、定着液に含まれる、トナーを軟化させる軟化剤によって、トナーを軟化させ、トナーが記録紙112に定着する温度を、低下させることができる。よって、定着装置119において、トナーを加熱する温度を低下させることができる。
【0090】
次に、画像形成ユニットについて説明する。図5(b)に示すように、画像形成ユニットには、感光体ドラム106の周辺に、帯電装置114、現像装置115、クリーニング装置116及び除電装置117が配置されている。また、中間転写ベルト101を介して、感光体ドラム106に対向する位置に、一次転写装置118が設けられている。
【0091】
帯電装置114は、帯電ローラを採用した接触帯電方式の帯電装置である。帯電装置114は、帯電ローラを感光体ドラム106に接触させて、感光体ドラム106に電圧を印加することにより、感光体ドラム106の表面を一様に帯電する。この帯電装置114としては、非接触のスコロトロン等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。
【0092】
現像装置115は、現像剤中のトナーを感光体ドラム106上の静電潜像に付着させ、静電潜像を可視化させる。ここで、各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、これらの樹脂材料は、本発明による第一の実施形態の定着液により溶解又は膨潤する。なお、現像装置115は、図示しない攪拌部及び現像部を有し、現像に使用されなかった現像剤は、攪拌部に戻され、再利用される。攪拌部におけるトナーの濃度は、トナー濃度センサーによって検出され、トナーの濃度が、一定であるように制御されている。
【0093】
一次転写装置118は、感光体ドラム106上で可視化されたトナーを中間転写ベルト101に転写する。ここでは、一次転写装置118としては、転写ローラを採用しており、転写ローラを、中間転写ベルト101を挟んで感光体ドラム106に押し当てている。一次転写装置118としては、導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。
【0094】
クリーニング装置116は、感光体ドラム106上の不要なトナーを除去する。クリーニング装置116としては、感光体ドラム106に押し当てられる先端を備えたブレードを用いることができる。ここで、クリーニング装置116によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュー及びトナーリサイクル装置によって、現像装置125に回収され、再利用される。
【0095】
除電装置117は、ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム106の表面電位を初期化する。
【0096】
次に、本発明の実施形態を、実施例を用いて説明する。
【0097】
[実施例1]
以下に示す組成を有する未定着トナーの定着剤を調整した。
【0098】
<定着剤の組成>
ポリジメチルシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社「SH200」100cs):80重量%
ラウリン酸ヘキシル:20重量%
リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)に設けられた、図2に示すような定着剤を接触手段及び加熱ベルトを介して現像剤に供給する定着装置の定着剤充填タンクに、調製した未定着トナーの定着剤を供給した。なお、定着装置の定着剤塗布パッドの温度が、90℃であった。また、加熱ベルトの線速は、100mm/秒とした。リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)の定着装置における加熱ベルトの表面温度を、ハロゲンヒーターの出力を変更することによって、90℃、100℃、110℃、及び150℃に調整して、1枚の画像を記録紙に印刷し、定着トナーの記録紙に対する定着性を試験した。
【0099】
[実施例2]
以下に示す組成を有する未定着トナーの定着剤を調整した。
【0100】
<定着剤の組成>
ポリジメチルシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社「SH200」100cs):80重量%
ミリスチン酸イソプロピル:20重量%
リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)に設けられた、図2に示すような定着剤を接触手段及び加熱ベルトを介して現像剤に供給する定着装置の定着剤充填タンクに、調製した未定着トナーの定着剤を供給した。なお、定着装置の定着剤塗布パッドの温度が、90℃であった。また、加熱ベルトの線速は、100mm/秒とした。リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)の定着装置における加熱ベルトの表面温度を、ハロゲンヒーターの出力を変更することによって、90℃、100℃、110℃、及び150℃に調整して、1枚の画像を記録紙に印刷し、定着トナーの記録紙に対する定着性を試験した。
【0101】
[実施例3]
以下に示す組成を有する未定着トナーの定着剤を調整した。
【0102】
<定着剤の組成>
ポリジメチルシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社「SH200」100cs):80重量%
アジピン酸ジイソブチル:20重量%
リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)に設けられた、図2に示すような定着剤を接触手段及び加熱ベルトを介して現像剤に供給する定着装置の定着剤充填タンクに、調製した未定着トナーの定着剤を供給した。なお、定着装置の定着剤塗布パッドの温度が、25℃であった。また、加熱ベルトの線速は、100mm/秒とした。リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)の定着装置における加熱ベルトの表面温度を、ハロゲンヒーターの出力を変更することによって、90℃、100℃、110℃、及び150℃に調整して、1枚の画像を記録紙に印刷し、定着トナーの記録紙に対する定着性を試験した。
【0103】
[実施例4]
以下に示す組成を有する未定着トナーの定着剤を調整した。
【0104】
<定着剤の組成>
ポリジメチルシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社「SH200」300cs):80重量%
セバシン酸ジブチル:20重量%
リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)に設けられた、図2に示すような定着剤を接触手段及び加熱ベルトを介して現像剤に供給する定着装置の定着剤充填タンクに、調製した未定着トナーの定着剤を供給した。なお、定着装置の定着剤塗布パッドの温度が、60℃であった。また、加熱ベルトの線速は、100mm/秒とした。リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)の定着装置における加熱ベルトの表面温度を、ハロゲンヒーターの出力を変更することによって、90℃、100℃、110℃、及び150℃に調整して、1枚の画像を記録紙に印刷し、定着トナーの記録紙に対する定着性を試験した。
【0105】
[実施例5]
以下に示す組成を有する未定着トナーの定着剤を調整した。
【0106】
<定着剤の組成>
ポリジメチルシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社「SH200」300cs):80重量%
コハク酸ジエトキシエチル:20重量%
リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)に設けられた、図2に示すような定着剤を接触手段及び加熱ベルトを介して現像剤に供給する定着装置の定着剤充填タンクに、調製した未定着トナーの定着剤を供給した。なお、定着装置の定着剤塗布パッドの温度が、90℃であった。また、加熱ベルトの線速は、100mm/秒とした。リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)の定着装置における加熱ベルトの表面温度を、ハロゲンヒーターの出力を変更することによって、90℃、100℃、110℃、及び150℃に調整して、1枚の画像を記録紙に印刷し、定着トナーの記録紙に対する定着性を試験した。
【0107】
[実施例6]
以下に示す組成を有する未定着トナーの定着剤を調整した。
【0108】
<定着剤の組成>
ポリジメチルシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社「SH200」100cs):80重量%
セバシン酸ジエトキシエチル:20重量%
リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)に設けられた、図2に示すような定着剤を接触手段及び加熱ベルトを介して現像剤に供給する定着装置の定着剤充填タンクに、調製した未定着トナーの定着剤を供給した。なお、定着装置の定着剤塗布パッドの温度が、60℃であった。また、加熱ベルトの線速は、100mm/秒とした。リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)の定着装置における加熱ベルトの表面温度を、ハロゲンヒーターの出力を変更することによって、90℃、100℃、110℃、及び150℃に調整して、1枚の画像を記録紙に印刷し、定着トナーの記録紙に対する定着性を試験した。
【0109】
[実施例7]
以下に示す組成を有する未定着トナーの定着剤を調整した。
【0110】
<定着剤の組成>
ポリジメチルシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社「SH200」100cs):80重量%
アジピン酸ジエトキシエチル:20重量%
リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)に設けられた、図2に示すような定着剤を接触手段及び加熱ベルトを介して現像剤に供給する定着装置の定着剤充填タンクに、調製した未定着トナーの定着剤を供給した。なお、定着装置の定着剤塗布パッドの温度が、50℃であった。また、加熱ベルトの線速は、100mm/秒とした。リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)の定着装置における加熱ベルトの表面温度を、ハロゲンヒーターの出力を変更することによって、90℃、100℃、110℃、及び150℃に調整して、1枚の画像を記録紙に印刷し、定着トナーの記録紙に対する定着性を試験した。
【0111】
[実施例8]
以下に示す組成を有する未定着トナーの定着剤を調整した。
【0112】
<定着剤の組成>
フッ素オイル(NOK社「BARRIERTA」J100):80重量%
コハク酸ジエトキシエチル:20重量%
リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)に設けられた、図2に示すような定着剤を接触手段及び加熱ベルトを介して現像剤に供給する定着装置の定着剤充填タンクに、調製した未定着トナーの定着剤を供給した。なお、定着装置の定着剤塗布パッドの温度が、80℃であった。また、加熱ベルトの線速は、100mm/秒とした。リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)の定着装置における加熱ベルトの表面温度を、ハロゲンヒーターの出力を変更することによって、90℃、100℃、110℃、及び150℃に調整して、1枚の画像を記録紙に印刷し、定着トナーの記録紙に対する定着性を試験した。
【0113】
[実施例9]
以下に示す組成を有する未定着トナーの定着剤を調整した。
【0114】
<定着剤の組成>
フッ素オイル(デュポン社「KRYTOX」GLP):80重量%
セバシン酸ジエトキシエチル:20重量%
リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)に設けられた、図2に示すような定着剤を接触手段及び加熱ベルトを介して現像剤に供給する定着装置の定着剤充填タンクに、調製した未定着トナーの定着剤を供給した。なお、定着装置の定着剤塗布パッドの温度が、90℃であった。また、加熱ベルトの線速は、100mm/秒とした。リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)の定着装置における加熱ベルトの表面温度を、ハロゲンヒーターの出力を変更することによって、90℃、100℃、110℃、及び150℃に調整して、1枚の画像を記録紙に印刷し、定着トナーの記録紙に対する定着性を試験した。
【0115】
[比較例1]
以下に示す組成を有する未定着トナーの定着剤を調整した。
【0116】
<定着剤の組成>
ポリジメチルシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社「SH200」100cs):100重量%
リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)に設けられた、図2に示すような定着剤を接触手段及び加熱ベルトを介して現像剤に供給する定着装置の定着剤充填タンクに、調製した未定着トナーの定着剤を供給した。なお、定着装置の定着剤塗布パッドの温度が、100℃以下であった。また、加熱ベルトの線速は、100mm/秒とした。リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)の定着装置における加熱ベルトの表面温度を、ハロゲンヒーターの出力を変更することによって、90℃、100℃、110℃、及び150℃に調整して、1枚の画像を記録紙に印刷し、定着トナーの記録紙に対する定着性を試験した。
【0117】
[比較例2]
以下に示す組成を有する未定着トナーの定着剤を調整した。
【0118】
<定着剤の組成>
フッ素オイル(NOK社「BARRIERTA」J100):100重量%
リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)に設けられた、図2に示すような定着剤を接触手段及び加熱ベルトを介して現像剤に供給する定着装置の定着剤充填タンクに、調製した未定着トナーの定着剤を供給した。なお、定着装置の定着剤塗布パッドの温度は、100℃以下であった。また、加熱ベルトの線速は、100mm/秒とした。リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)の定着装置における加熱ベルトの表面温度を、ハロゲンヒーターの出力を変更することによって、90℃、100℃、110℃、及び150℃に調整して、1枚の画像を記録紙に印刷し、定着トナーの記録紙に対する定着性を試験した。
【0119】
実施例1〜9並びに比較例1及び2における未定着トナーの記録紙に対する定着性に関する試験の結果を表1に示す。
【0120】
【表1】


表1において、「CO」は、コールドオフセットが発生した(粒子状トナーが加熱ベルトに付着した)ことを示し、「HO」は、ホットオフセットが発生した(溶融トナーが加熱ベルトに付着した)ことを示し、「NG」は、トナーの定着が不良であること(布で擦るとトナーが剥離すること)を示し、「OK」は、トナーの定着が良好であることを示す。
【0121】
表1に示すように、比較例1及び2のような従来の離型剤のみからなる定着剤を使用して未定着トナーを定着させるには、加熱ベルトの温度を150℃程度にしなければならない。一方、実施例1〜9のような離型剤のみならず軟化剤を含む定着剤を使用して未定着トナーを定着させるときには、加熱ベルトの温度は、150℃よりも低い110℃であればよい。さらに、加熱ベルトの温度が、100℃、90℃のより低い温度であっても、トナーの定着が良好である場合もある。よって、離型剤のみならず軟化剤を含む定着剤は、従来の離型剤のみからなる定着剤と比較して、40℃〜60℃だけ低い温度で未定着トナーを定着させることを可能にすることを、確認することができた。
【0122】
[実施例10]
実施例5において、通常は、加熱ベルトから定着剤塗布パッドを離しておき、記録紙に印刷を開始する時に、未定着トナーが像担持体から転写された後の未定着トナーが提供された記録紙の先端を検知すると共に加熱ベルトに定着剤塗布パッドを接触させるように、パッド制御機構である、定着剤塗布パッドを回転させるモータによって、加熱ベルトに対する定着剤塗布パッドの接触を制御した。その結果、10000枚の画像を印刷した後にも、1枚目の画像におけるトナーの定着性と同じ品質の定着性を備えた画像を得ることができることが、確認された。
【0123】
[比較例3]
実施例1において、150℃に加熱された加熱ベルトに定着剤を付与した際に、約15秒後に白煙が発生した。
【0124】
[実施例11]
以下に示す組成を有する未定着トナーの定着剤を調整した。
【0125】
<定着剤の組成>
ポリジメチルシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社「SH200」100cs):80重量%
アジピン酸ジイソブチル:20重量%
リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)に設けられた、図3に示すような定着剤を吹き付けるスプレー手段(ノズル径0.2mm、加圧0.05Pa)及び加熱ローラを介して現像剤に供給する定着装置の定着剤充填タンクに、調製した未定着トナーの定着剤を供給した。なお、定着装置の定着剤充填タンクの温度が、25℃であった。また、加熱ローラの線速は、150mm/秒とした。リコー製カラー複写機(ImagioNeo C240)の定着装置における加熱ローラの表面温度を、ハロゲンヒーターの出力を変更することによって、90℃、100℃、110℃、及び150℃に調整して、1枚の画像を記録紙に印刷し、定着トナーの記録紙に対する定着性を試験した。その結果、100℃にて定着性はOKであった。
【0126】
以上、本発明の実施の形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施の形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】(a)及び(b)は、定着剤を現像剤に接触手段及び加熱ローラを介して供給する、本発明による現像剤の定着方法及び定着装置の例を説明する図である。
【図2】定着剤を現像剤に接触手段及び加熱ベルトを介して供給する、本発明による現像剤の定着方法及び定着装置の例を説明する図である。
【図3】定着剤を加熱ローラに直接供給する、本発明による現像剤の定着方法及び定着装置の例を説明する図である。
【図4】定着剤を未定着の現像剤に直接供給する、本発明による現像剤の定着方法及び定着装置の例を説明する図である。
【図5】(a)及び(b)は、本発明による画像形成方法及び画像形成装置の具体例を説明する図である。
【符号の説明】
【0128】
11、21、31、41 記録紙
12、22、32、42 未定着トナー
13、23、33、43 ハロゲンヒーター
14、34、44 加熱ローラ
15、25、35、45 加圧ローラ
16、26、36、46 定着剤充填タンク
17、27 定着剤塗布パッド
18、28 パッド制御機構
19、29、38、48 定着トナー
24 加熱ベルト
37、47 スプレーノズル
101 中間転写ベルト
102、103、104、108、109 支持ローラ
105 画像形成ユニット
106 感光体ドラム
107 二次転写装置
110 二次転写ベルト
111 ベルトクリーニング装置
112 記録紙
113 給紙ローラ
114 帯電装置
115 現像装置
116 クリーニング装置
117 除電装置
118 一次転写装置
119 トナーの定着装置




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013