米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 写真;映画 -> 株式会社リコー

発明の名称 定着装置及び定着装置を有する画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17728(P2007−17728A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−199689(P2005−199689)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100110386
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 敏雄
発明者 高橋久雄
要約 課題
画像形成装置の定着装置について、加熱ローラ(3)と定着ベルト(5)の密着を十分にし、加熱ローラ(3)から定着ベルト(5)への給熱を効果的に行うこと。

解決手段
電子写真方式を採用した画像形成装置の定着部に用いられるもので、対をなす2本の定着ローラ(1)及び加圧ローラ(2)と、ハロゲンヒータまたはIH(高周波誘導加熱)機構等による発熱手段(H)を有する加熱ローラ(3)と、上記定着ローラ(1)と加熱ローラ(3)間に巻き掛けられた樹脂を基材とする定着ベルト(5)により構成された定着装置であって、
特許請求の範囲
【請求項1】
電子写真方式を採用した画像形成装置の定着部に用いられ、
対をなす2本の定着ローラ(1)と加圧ローラ(2)と、
ハロゲンヒータまたはIH(高周波誘導加熱)機構等による発熱手段(H)を有する加熱ローラ(3)と、
上記定着ローラ(1)と加熱ローラ(3)間に巻き掛けられた樹脂を基材とする定着ベルト(5)により構成された定着装置において、
定着ベルト(5)を押圧ローラ(6)により押圧して加熱ローラに密着させながら回転させることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
上記押圧ローラ(6)は、定着ベルト(5)の回転方向に対し、加熱ローラ(3)の入口側に設置されていることを特徴とする請求項1の定着装置。
【請求項3】
上記押圧ローラ(6)は、金属等の剛性を有する芯金上に、芯金より熱伝導率の小さい物体を被覆していることを特徴とする請求項1の定着装置。
【請求項4】
上記押圧ローラ(6)の回転線速Vpと定着ベルトの回転線速VbはVp=Vbであることを特徴とする請求項1の定着装置。
【請求項5】
上記押圧ローラ(6)の押圧部長さLp、加熱ローラのローラ部長さLh、通過させる紙の最大幅Wは、W<Lp<Lh関係であることを特徴とする請求項1の定着装置。
【請求項6】
上記押圧ローラ(6)の押圧面端部は、曲率半径R0.5mm以上の曲面であることを特徴とする請求項1の定着装置。
【請求項7】
上記押圧ローラ(6)表面の硬度Hpと定着ベルト表面の硬度Hbは、Hp<Hbの関係であることを特徴とする請求項1の定着装置。
【請求項8】
トナー像を画像担持体(9)上に形成する作像手段と画像担持体(9)上のトナー像を画像担持体(9)上に融着させる定着装置を備えた画像形成装置であって、前記定着装置が請求項1乃至請求項7のいずれかの定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
上記画像担持体が紙である請求項8の画像形成装置。
【請求項10】
電子写真方式を採用した画像形成装置の定着部による定着方法であって、
対をなす2本の定着ローラ(1)と加圧ローラ(2)との間を、画像担持体とともに定着ベルトを通過させ、
加熱ローラ(3)を内蔵した発熱手段(H)で加熱し、
上記定着ローラ(1)と加熱ローラ(3)間に巻き掛けられた樹脂を基材とする定着ベルト(5)を加熱ローラ(3)で加熱し、
加圧ローラ(2)と定着ベルト(5)との間のニップ部(4)で画像担持体に画像を定着させる画像定着方法において、
加熱ローラの入口側(8)の端部で定着ベルト(5)を押圧手段(6)で押圧してそのしわやうねりを除去し、
しわやうねりが除去された定着ベルト(5)をその幅方向において加熱ローラに均一に密着させ、当該密着状態で定着ベルトを加熱ローラとともに回転させて、定着ベルトをその幅方向においてむらなく均一に加熱することを特徴とする、画像形成装置の定着部による定着方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ等の静電複写機等の画像形成装置に用いられる定着装置に関するものであり、定着ベルトの微細しわによるトナー定着の不均一を解消できるものである。
【背景技術】
【0002】
トナー像を画像担持体(例えば紙)の上に形成する作像手段と画像担持体上のトナー像を画像担持体上に融着させる定着装置を備えた画像形成装置であり、その定着装置は、定着ローラと加熱ローラとの間に巻き掛けられた定着ベルトを加圧ローラで定着ローラに押しつけてあり、当該加圧ローラと定着ベルトとの間にニップ部を形成し、紙などの画像担持体を上記ニップ部を通過させて画像を画像担持体に定着させるものであり、このような定着装置は周知である。
上記の定着装置においてその立上がり時間を短くすることを課題とする発明が、特開2002−123111号公報(特許文献1)に記載されており、また、上記加熱ローラによって加熱された定着ベルトの幅方向温度勾配を均一にし、かつ、立上がり時間を短縮した発明が特開2004−205877号公報(特許文献2)に記載されている。
【0003】
定着ローラと定着ベルトによる定着装置の具体的な機構は様々であるが、特許文献2に記載されているもの概要は図3に示すとおりであり、定着ローラ(1)と加熱ローラ(3)とに巻き掛けた定着ベルト(5)を加熱手段Hを内蔵した加圧ローラ(2)で定着ローラ(1)に押しつけ、補助ローラ(a)で定着ベルト(5)を加圧ローラ(2)に押しつけてあり、加熱ローラ(3)に熱拡散部材(ヒートパイプ)(A)を設け、加熱ローラ(3)と熱拡散部材(ヒートパイプ)(A)の間を定着ベルト(5)を通過させ、熱拡散部材(ヒートパイプ)(A)の加熱均一化作用で、加熱ローラ(3)の幅方向熱勾配に関わらず、定着ベルト(1)を幅方向において均一に加熱するものである。なお、符号(S)はスクレーパである。
【特許文献1】特開2002−123111号公報
【特許文献2】特開2004−205877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置に用いられる上記定着装置は、加熱ローラ(3)がハロゲンヒータまたはIH(高周波誘導加熱)による加熱機構を有し、定着ベルト(5)に給熱し、その定着ベルト(5)が対を成す定着ローラ(1)と加圧ローラ(2)間を画像担持体(紙)とともに通過して、画像担持体を加熱押圧することにより、画像担持体(紙)にトナー画像を定着させるものである。
しかし、この定着方法では、定着ベルト(5)が樹脂(耐熱性樹脂)をその基材とするものであるとき、加熱中の回転によって定着ベルト(5)に「しわ」または「うねり」が生じ、この「しわ」や「うねり」のため、加熱ローラ(3)と定着ベルト(5)との密着性が不十分になり、定着ベルト(5)に加熱ローラ(3)から十分に熱が供給されなくなり、このために、画像担持体(紙)へのトナー画像定着が良好に行えなくなるという不具合が生じる。
本発明は、上記不具合を防止するために加熱ローラ(3)と定着ベルト(5)の密着を十分にし、加熱ローラ(3)から定着ベルト(5)への給熱を効果的に行うことを主目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段は、電子写真方式を採用した画像形成装置の定着部に用いられるもので、対をなす2本の定着ローラ(1)及び加圧ローラ(2)と、ハロゲンヒータまたはIH(高周波誘導加熱)機構等による発熱手段(H)を有する加熱ローラ(3)と、上記定着ローラ(1)と加熱ローラ(3)間に巻き掛けられた樹脂を基材とする定着ベルト(5)により構成された定着装置であって、
上記定着ベルトを押圧ローラ(6)により加熱ローラに押圧して密着させながら回転させる構成。
なお、一対の定着ローラ及び加圧ローラは、そのいずれか、または両方が、ハロゲンヒータまたはIH(高周波誘導加熱)機構等による発熱手段を有するものである。
【0006】
さらに、押圧ローラによる加熱ローラに対する押圧力は、押圧ローラと加熱ローラとの間に挟まれる定着ベルトの上記しわやうねりが延ばされて、定着ベルトがその幅方向においてほぼ均等に加熱ローラに密着される程度の押圧力である。
定着ベルトは、所定の張力をかけられた状態で上記定着ローラと上記加熱ローラ間を循環し、上記張力によって加熱ローラに圧接されて密着し、これによって加熱ローラから熱が伝わり加熱される。しかし、加熱中の回転によって生じるしわやうねりは、定着ベルトに掛る張力だけでは解消されず、したがって、定着ベルトの加熱ローラ表面に対する密着が幅方向において不均一であり、加熱ローラから定着ベルトへの熱伝達が局部的にばらつき、そのために熱伝達が不均一になるのであるが、定着ベルトを押圧ローラにより加熱ローラに押圧して密着させながら回転させる構成により、定着ベルトが押圧ローラと加熱ローラの間を通過するとき、強制的に加熱ローラに押しつけられ、そのしわやうねりが押しつぶされて、全面がほぼ均等な密着力で密着されるから、その幅方向において均等に加熱ローラ表面に密着させられ、加熱ローラ表面からの熱伝達は均一になされる。
【0007】
〔実施態様〕
(1)上記押圧ローラの配置については、「押圧ローラが、定着ベルトの回転方向に対し、加熱ローラの入口側に設置されていること」である。
加熱ローラに対する押圧ローラの配置は、上記作用を十分に奏する配置であれば基本的には問題はないが、押圧ローラは定着ベルトのしわやうねりを解消して、その幅方向において均等に加熱ローラ表面に密着さ、加熱ローラからの熱伝達の局部的ばらつきを解消するものであるから、この作用が最も効果的に奏されるのは、その配置が加熱ローラから定着ベルトが離れてゆく出口側ではなく、加熱ローラに巻き込まれてゆく入口側であることであり、しかも、加熱ローラに接し始める位置が最も望ましい。
【0008】
また、押圧ローラの構成については、「押圧ローラは、金属等の剛性を有する芯金上に、ゴム等の芯金より熱伝導率の小さい物体を被覆していること」である。
上記押圧ローラは単なる押圧手段であるから、定着ベルトに対する押圧作用が効果的で、かつ、そのしわやうねりを延ばす作用がその幅方向においてほぼ均等になされるものであればよく、そのためには、押圧ローラ本体が金属等の剛性を有する物である必要があり、また、押圧ローラからの放熱による熱損失を低減するには、押圧ローラを熱伝導率の低い材料で被覆して加熱ローラから押圧ローラへの熱伝達をできるだけ抑制するのが望ましい。
また、押圧ローラ本体は金属製に限られないからこれをセラミック製とし、その外周面を熱伝導率の低い材料で被覆したものでもよい。
【0009】
また、押圧ローラの回転線速と定着ベルトの回転線速の関係については、「押圧ローラの回転線速Vp、定着ベルトの回転線速Vbとするとき、Vp=Vbであること」が必要であり、そのために、押圧ローラを無駆動にして、定着ベルトに連れ回りさせて、押圧ローラの回転線速Vpが定着ベルトの回転線速Vbと等しくなるように構成するのが簡便で確実であり、もっとも好ましい。
【0010】
また、押圧ローラの押圧部長さ(有効長)については、「押圧ローラの押圧部長さLp、加熱ローラのローラ部長さLh、通過させる紙の最大幅Wが、W<Lp<Lh関係である」必要がある。
押圧ローラの押圧部長さLpが通過させる紙の最大幅Wよりも大きいから、紙を加熱する範囲よりも広い範囲で、定着ベルトのしわやうねりを解消して、加熱ローラに均等に密着させることができる。また、押圧ローラの押圧部長さLpは、加熱ローラのローラ部長さLhよりも短いので、押圧ローラの全長によって定着ベルトがむらなく加熱ローラに押圧される。
【0011】
押圧ローラの押圧面端部の形状構造について、当該「押圧面端部が曲面であって、当該曲面の曲率半径Rが0.5mm以上である」必要がある。
押圧ローラの押圧面端部が鋭角的であると、押圧面端部が接している部分において、定着ベルトを損傷するおそれがあるが、押圧面端部が曲率半径Rが0.5mm以上の曲面であることにより、上記損傷の発生が未然に防止される。
【0012】
押圧ローラ表面硬度と定着ベルト表面硬度との関係については、押圧ローラ表面硬度をHpとし、定着ベルト表面硬度をHbとするとき、Hp<Hbの関係であることが好ましい。
押圧ローラ表面硬度Hpが定着ベルト表面硬度Hbよりも高いと、押圧ローラの回転線速と定着ベルトの回転線速間の微小速度差(微小スリップ)があると、これが繰り返されることにより定着ベルト表面が擦傷することになる。しかし、Hp<Hbとすることにより、押圧ローラによる定着ベルト表面の上記擦傷を回避することができる。
【発明の効果】
【0013】
1)請求項1の発明の効果
押圧ローラ(6)により定着ベルト(5)を加熱ローラ(3)表面に均等に押圧、密着させているので、加熱ローラ(3)から定着ベルト(5)への給熱が均等になされ、定着ベルト(5)が均等に加熱されて温度むらは生じていないから、定着ベルト(5)による紙(9)の加熱にむらを生じることがない。したがって、紙(9)へのトナー定着が均等、良好に行われるとともに、加熱ローラ(3)の過剰な昇温を防止できる。
【0014】
2)請求項2の発明の効果
押圧ローラ(6)を加熱ローラ(3)の入口側(8)に設置することによって、確実に定着ベルト(5)を加熱ローラ(3)表面に密着させられるので、加熱ローラ(3)による定着ローラへの伝熱の均一性が向上する。
【0015】
3)請求項3の発明の効果
押圧ローラ(6)の芯金として金属等の剛体を用いているため、押圧ローラ(6)が撓みなく定着ベルト(5)を押圧できるので、定着ベルト(5)を均一に加熱ローラ(3)表面に密着させることができる。
また、押圧ローラ(6)表面を熱伝導率の低いゴムで被覆しておくことにより、定着ベルト(5)から押圧ローラ(6)への熱の移動が低減され、定着ベルト(5)表面の温度低下が抑制される。
【0016】
4)請求項4の発明の効果
押圧ローラ(6)の回転線速Vpと定着ベルト(5)の回転線速VbをVp=Vbとすることにより、双方の表面の摺擦がなくなるため、押圧ローラ(6)の押圧による定着ベルト(5)表面の磨耗が低減されるので、定着ベルト(5)表面劣化が低減される。
【0017】
5)請求項5の発明の効果
押圧ローラ(6)の押圧部長さLp、加熱ローラ(3)のローラ部長さLh、通過させる紙(9)の最大幅Wが、W<Lp<Lhであることにより、少なくとも定着ベルト(5)の通紙部は加熱ローラ(3)に確実に密着させることができ、定着ベルト(5)の表面温度低下を防止できるとともに、押圧ローラ(6)の押圧により、加熱ローラ(3)のローラ面端部(31)で定着ベルト(5)内周面を傷付けることはなく、したがって、定着ベルト(5)内周面が損傷することを防止できる。
【0018】
6)請求項6の発明の効果
押圧ローラ(6)の押圧面端部(61)は曲率半径Rが0.5mm以上であることにより、押圧ローラ(6)の押圧面端部による定着ベルト(5)表面への押圧痕の発生を低減でき、定着ベルト(5)の損傷を防止できる。
【0019】
7)請求項7の発明の効果
押圧ローラ表面の弾性体の硬度Hpが定着ベルト表面硬度Hbより小さいことにより、画像異常を来す劣化や損傷を定着ベルト(5)表面に生じさせることなしに、定着ベルト(5)を押圧ローラで押圧しつづけることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次いで、本考案の実施の形態を図1、図2によって説明する。
図1は本考案による定着装置の実施例を概念的に示すものであるが、この定着装置は定着ローラ(1)と加熱ローラ(3)の間に定着ベルト(5)を巻き掛けてあり、加熱ローラ3で所定温度に加熱しながら定着ベルト(5)を循環させるものである。そして、加熱ローラ(3)は内部に装着されたヒータ(図では省略)により加熱され、矢印(7)方向に回転している定着ベルト(5)に給熱する。また、定着ローラ(1)に対向して設置された加圧ローラ(2)により、定着ベルト(5)と加圧ローラ(2)との間にニップ部を形成し、紙(9)等の画像担持体はこのニップ部を通過する際に加熱加圧されトナーが定着される。
加熱ローラ(3)の、矢印(7)で示す定着ベルト(5)の回転方向の入口側(8)の端に、定着ベルト(5)外周側表面に接しさせて押圧ローラ(6)を設置してあり、この押圧ローラ(6)を、ばね(図では省略)により20Nで定着ベルト(5)に押しつけ、定着ベルト(5)を加熱ローラ(3)に押圧、密着させている。なお、押圧ローラ(6)を定着ベルト(5)に押し付ける押圧手段は、コイルばね、板ばね等のばね、ゴムブロック、ウエイトなどが単純でよく、電磁力、空気圧力によるものでもよい。電磁力、空気圧力によいが、いずれの場合も、その押圧力を容易に微調整できるようにしたものが好ましい。
この実施例は、最大の通紙サイズをA3としているものである。そして、その主要な構成部材の詳細は次のとおりである。
【0021】
〔定着ローラについて〕
定着ローラ(1)は、鉄製の芯金にシリコーンゴムを主材料とした弾性体を加硫発泡、接着した構成で作製したものである。特に加熱機構を設けていない。
【0022】
〔加圧ローラ(2)について〕
加圧ローラ(2)は、鉄製の芯金にシリコーンゴムを主材料とした弾性体を加硫接着した構成のものである。
立上がり時間を短縮するために、定着ローラ、加圧ローラのいずれかに加熱手段を設けるのが一般的であり、図3の従来例は、加圧ローラ(2)に加熱手段Hを備えている。この実施例の場合、定着ローラ、加圧ローラのいずれかに加熱手段を設けてはいないが、いずれかに加熱手段を設けるのが実際的であり、そうであれば、加圧ローラ(2)に設けるのが好ましい。
【0023】
〔加熱ローラについて〕
加熱ローラ(3)は、アルミ製の中空芯金内部にヒータを挿入した構成のもので、そのローラ部長さLh=315mmである。
定着ベルト(5)は、ポリイミド樹脂を主材料とした厚さt=0.1mmの円筒状の基材の外周にシリコーンゴムを主材料とした硬度20度(JIS−A)弾性体を厚さt=0.2mmで塗布し、これを加硫接着してあり、また、その内周両端部に寄止めガイド(51)を接着して固定した構成である。
【0024】
〔押圧ローラについて〕
押圧ローラ(6)は、アルミ製の芯金の押圧部長さLp=310mm、押圧面端部(61)の曲面の曲率半径R=0.5mmであり、シリコーンゴムを主材料とした硬度15度(JIS−A)、熱伝導率=0.5W/mkの弾性体を厚さt=0.2mmで押圧面端部(61)まで塗布し、これを加硫接着している。
また、押圧ローラ(6)には回転駆動源を設けておらず、ベアリングにより回転自在に支承させてあって、定着ベルト(5)の回転によって連れ回る構成にしている。したがって、押圧ローラ(6)の回転線速が定着ベルトの回転線速にほぼ等速になる。
【0025】
以上の実施例の定着装置について種々に性能を確認し結果は以下のとおりである。
〔確認事項1〕
実施例における定着ベルト(5)と加圧ローラ(2)との間のニップ部の直前位置(4)での定着ベルト(5)表面温度を、加圧ローラ(2)の軸方向(定着ベルト(5)の幅方向)に5箇所測定し、押圧ローラ(6)を備えていない比較例(比較対象の定着装置)での同様の測定による温度ばらつきを比較した。その結果は表1に示すとおりである。

【表1】


表1の結果から、押圧ローラ(6)を設置することにより、定着ベルト表面の温度低下が低減されているといえる。
【0026】
〔確認事項2〕
押圧ローラ(6)表面に厚さt=0.2mmの弾性体を有する場合と、有しない場合とについて定着ベルト(5)表面温度を上記方法で測定し、比較した。その結果は表2に示すとおりである。

【表2】


表2の結果から、押圧ローラ(6)表面を弾性体で被覆したことによって、定着ベルト(5)表面の温度ばらつきが低減されるだけでなく、温度低下も低減される効果があることが明らかである。
【0027】
〔確認事項3〕
押圧面端部(61)の曲面の曲率半径Rが0.1,0.2,0.3,・・・・1.0mmである10個の押圧ローラ(6)について、定着ベルト(5)の表面に押圧面端部(61)による損傷が生じるまでの時間比較を比較した。その結果は表3に示すとおりである。

【表3】


ただし、表3における※は、押圧ローラの端部接触部の他の部分との接触部における損傷である。
表3の結果から、押圧面端部(61)の曲面形状が曲率半径R=0.5mm以上であれば、押圧面端部(61)が接触している部分の損傷発生時間は差異がなく、また押圧ローラ(6)の設置が定着ベルト(5)の損傷を早めることはないといえる。
【0028】
なお、この実施例では、押圧ローラ(6)が回転駆動源を有しておらず、定着ベルト(5)の回転に引きずられて連れ回るようになっているが、このことによってこの発明の構成が規定されるものではない。
【0029】
通紙する紙最大幅(W)を298mm(A3サイズの幅)として、押圧ローラ(6)の長さLp=310mm、加熱ローラ(3)の長さLh=315mmにしている(W<Lp<Lh)ため、押圧ローラ(6)は紙(9)幅以上の領域について、定着ベルト(5)を加熱ローラ(3)に押し付けており、紙端部の温度低下を発生させることがなく、均一な定着性能が得られている。
【0030】
また、加熱ローラ面端部(31)は、押圧ローラ(6)により押圧されないように配置できるため、定着ベルト(5)の特に内周面が加熱ローラ面端部(31)によって損傷を受けることを防止できる。
【0031】
定着ベルト(5)の表面硬度Hbと押圧ローラ(6)の表面硬度Hpを変更した場合の定着ベルト(5)の表面損傷状況を表4に示す。
なお、押圧ローラ面端部(61)はその曲面の曲率半径R=0.5mm、定着ベルト(5)の表面硬度を20度として比較した。

【表4】


表4の結果から、押圧ローラ(6)表面硬度Hpと定着ベルト(5)表面硬度Hbの関係がHp<Hbであることにより、定着ベルト(5)の表面損傷を防止できるといえる。
なお、押圧ローラ(6)の表面硬度Hpが15度の場合、押圧ローラ(6)の表面に、定着ベルト(5)による若干の摺擦痕が生じていたが、押圧ローラ(6)は剛性のある芯金が存在しているため、Hp>Hbの場合に定着ベルト(5)の表面に生じる損傷より僅かであり、また押圧ローラ(6)は画像担持体(9)の表面には接しないため、押圧ローラ(6)上の摺擦痕が画像の不具合を生じさせることはない。
【0032】
上記のように構成したことにより、加熱ローラと定着ベルトの密着を十分にし、加熱ローラから定着ベルトへの給熱が効果的に行われ、構成部品の寿命を短くすることなしに、従来技術では防止できなかった定着ベルトの温度むらに起因する画像不具合の発生が防止できるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】は、実施例の定着装置を概念的に示す側面図である。
【図2】は、通紙する紙最大幅(W)、押圧ローラ(6)の長さ(Lp)、加熱ローラ(3)の長さ(Lh)の関係、W<Lp<Lhを示す模式図である。
【図3】は、従来例の定着装置を概念的に示す側面図である。
【符号の説明】
【0034】
(1):定着ローラ
(2):加圧ローラ
(3):加熱ローラ
(4):ニップ部
(5):定着ベルト
(6):押圧ローラ
(8):加熱ローラの入口側
(9):画像担持体
(H):発熱手段





 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013