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静電潜像担持体、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - 株式会社リコー
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発明の名称 静電潜像担持体、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17636(P2007−17636A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−198078(P2005−198078)
出願日 平成17年7月6日(2005.7.6)
代理人 【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
発明者 杉野 顕洋 / 池上 孝彰 / 高田 毅
要約 課題
繰り返し使用においても、耐摩耗性に優れ、異常画像が発生しない静電潜像担持体、及び該静電潜像担持体を用いた画像形成方法、該静電潜像担持体を搭載した画像形成装置、プロセスカートリッジの提供。

解決手段
支持体と、該支持体上に少なくとも感光層及び保護層をこの順に有してなり、該保護層が、水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物を架橋させてなる硬化性シロキサン樹脂と、該硬化性シロキサン樹脂と架橋していない非架橋電荷輸送性物質とを含むことを特徴とする静電潜像担持体である。該静電潜像担持体を用いた画像形成方法、該静電潜像担持体を搭載した画像形成装置、及びプロセスカートリッジである。
特許請求の範囲
【請求項1】
支持体と、該支持体上に少なくとも感光層及び保護層をこの順に有してなり、該保護層が、水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物を架橋させてなる硬化性シロキサン樹脂と、該硬化性シロキサン樹脂と架橋していない非架橋電荷輸送性物質とを含むことを特徴とする静電潜像担持体。
【請求項2】
硬化性シロキサン樹脂と、非架橋電荷輸送性物質との質量比(硬化性シロキサン樹脂/非架橋電荷輸送性物質)が、6/4〜3/7である請求項1に記載の静電潜像担持体。
【請求項3】
非架橋電荷輸送性物質が、下記構造式(1)で表される化合物を含有する請求項1から2のいずれかに記載の静電潜像担持体。
【化1】


ただし、前記構造式(1)中、Ar及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリール基を表し、該アリール基は更に置換基により置換されていてもよい。Rは、アリール基、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、これらは更に置換基により置換されていてもよい。nは1〜4の整数であり、nが2以上の場合、前記Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていても構わない。
【請求項4】
保護層が、微粒子を含有する請求項1から3のいずれかに記載の静電潜像担持体。
【請求項5】
微粒子が、コロイダルシリカ、酸化チタン及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である請求項4に記載の静電潜像担持体。
【請求項6】
保護層の厚みが、1〜15μmである請求項1から5のいずれかに記載の静電潜像担持体。
【請求項7】
感光層が、単層型感光層である請求項1から6のいずれかに記載の静電潜像担持体。
【請求項8】
感光層が、支持体上に、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する積層型感光層である請求項1から6のいずれかに記載の静電潜像担持体。
【請求項9】
静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像担持体が、請求項1から8のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置が、静電潜像担持体表面に当接し、該静電潜像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
静電潜像形成手段が、帯電器と、露光器とを有し、該帯電器が静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電する請求項9から10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
帯電器が、静電潜像担持体にギャップを付与する手段によって非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電する請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
画像形成装置が、複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成する請求項9から12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
画像形成装置が、少なくとも静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、及び転写手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型である請求項9から13のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
画像形成装置が、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写する請求項9から14のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記静電潜像担持体が、請求項1から8のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成方法。
【請求項17】
請求項1から8のいずれかに記載の静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段を一体に有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、静電印刷、プリンタ、静電記録などに用いられる静電潜像担持体(以下、「感光体」、「電子写真感光体」と称することもある)、並びに該静電潜像担持体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、一様に帯電された感光体上に、画像データにより変調された書き込み光を照射して、感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像が形成された感光体に現像手段によりトナーを供給してトナー画像を感光体上に形成する。次いで、感光体上のトナー画像を転写手段で記録媒体(記録紙)に転写した後、定着手段で記録媒体上に転写したトナーを加熱及び加圧して定着させ、感光体表面に残留したトナーをクリーニングブレードにより掻き取って回収している。
【0003】
このような電子写真方式を利用した画像形成装置では、前記感光体として有機光導電性物質を含む有機感光体が最も広く用いられている。前記有機感光体は、可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いこと、等が他の感光体に対して有利な点である。しかし、前記有機感光体は、機械的強度が弱く、長期間使用することで感光層が摩耗し、該感光層が一定量削り取られると、感光体の電気特性が変化して、適正な作像プロセスを行えなくなるという問題がある。この感光体の摩擦は、前記作像プロセスにおいて、感光体と他の作像部である現像手段や転写手段等の接触する部位の全てにおいて発生する。
【0004】
このため、感光層の摩耗を低減することにより感光体寿命を向上させることが検討されており、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、感光体の表面保護層として、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂を用いることが提案されている。しかし、前記コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂の表面層は耐摩耗特性については改善されているが、繰り返し使用時の電子写真特性が不十分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、また、近年要求される高寿命感光体としての耐久性に対しては不十分である。
【0005】
また、特許文献2及び特許文献3には、有機ケイ素変性正孔輸送性化合物を硬化性有機ケイ素系高分子化合物中に結合させた樹脂層を表面に有する感光体が提案されている。しかし、これらの感光体の樹脂層は、画像ボケが発生しやすく、実用化のためには、ドラムヒーター等の機構を搭載するなどして画像ボケの発生を抑制する必要があり、装置の大型化、コストアップを招いている。また、露光部の残留電位低減が不十分であり、帯電電位を抑えて作像する低電位現像プロセスにおいては、画像濃度の低下などが問題となる。
【0006】
また、特許文献4には、電荷輸送性付与基を有する硬化性シロキサン樹脂を三次元網目構造状に硬化させる方法が提案されている。しかし、この提案の方法では、体積収縮に起因すると考えられる塗膜の亀裂が生じることがあり、特に、安価で取り扱いの容易な市販のコーティング剤との組み合わせでは、上記問題が発生する。また、露光部の残留電位に厚み依存性があり、低電位現像プロセスにおける画像濃度低下が問題となる。また、電荷輸送性付与基の含有量を増加すると、塗膜強度が低下し、十分な耐久性が得られないことがある。更に、画像ボケを引き起こすことがあり、長期間繰り返し、良好な画像が出力される電子写真感光体を、安価にかつ容易に得ることは困難である。
【0007】
したがって繰り返し使用においても、耐摩耗性に優れ、異常画像が発生しない静電潜像担持体、及び該静電潜像担持体を用いた画像形成方法、該静電潜像担持体を搭載した画像形成装置、プロセスカートリッジは、未だ得られておらず、その速やかな提供が望まれているのが現状である。
【0008】
【特許文献1】特開平6−118681号公報
【特許文献2】特開平9−124943号公報
【特許文献3】特開平9−190004号公報
【特許文献4】特開2000−171990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高い耐摩耗性と良好な電子写真特性を有し、長期的に安定した画像形成を行うことができる高耐久な静電潜像担持体、並びに、該静電潜像担持体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【0010】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体と、該支持体上に少なくとも感光層及び保護層をこの順に有してなり、該保護層が、水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物を架橋させてなる硬化性シロキサン樹脂と、該硬化性シロキサン樹脂と架橋していない非架橋電荷輸送性物質とを含むことを特徴とする静電潜像担持体である。
<2> 硬化性シロキサン樹脂と、非架橋電荷輸送性物質との質量比(硬化性シロキサン樹脂/非架橋電荷輸送性物質)が、6/4〜3/7である前記<1>に記載の静電潜像担持体である。
<3> 非架橋電荷輸送性物質が、下記構造式(1)で表される化合物を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
【化2】


ただし、前記構造式(1)中、Ar及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリール基を表し、該アリール基は更に置換基により置換されていてもよい。Rは、アリール基、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、これらは更に置換基により置換されていてもよい。nは1〜4の整数であり、nが2以上の場合、前記Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていても構わない。
<4> 保護層が、微粒子を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<5> 微粒子が、コロイダルシリカ、酸化チタン及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である前記<4>に記載の静電潜像担持体である。
<6> 保護層の厚みが、1〜15μmである前記<1>から<5>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<7> 感光層が、単層型感光層である前記<1>から<6>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<8> 感光層が、支持体上に、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する積層型感光層である前記<1>から<6>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<9> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像担持体が、前記<1>から<8>のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成装置である。
<10> 画像形成装置が、静電潜像担持体表面に当接し、該静電潜像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する前記<9>に記載の画像形成装置である。
<11> 静電潜像形成手段が、帯電器と、露光器とを有し、該帯電器が静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電する前記<9>から<10>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<12> 帯電器が、静電潜像担持体にギャップを付与する手段によって非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電する前記<11>に記載の画像形成装置である。
<13> 画像形成装置が、複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成する前記<9>から<12>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<14> 画像形成装置が、少なくとも静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、及び転写手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型である前記<9>から<13>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<15> 画像形成装置が、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写する前記<9>から<14>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<16> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記静電潜像担持体が、前記<1>から<8>のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成方法である。
<17> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段を一体に有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0011】
本発明の静電潜像担持体は、支持体と、該支持体上に少なくとも感光層及び保護層をこの順に有してなり、該保護層が、水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物を架橋させてなる硬化性シロキサン樹脂と、該硬化性シロキサン樹脂と架橋していない非架橋電荷輸送性物質とを含むので、高い耐摩耗性と良好な電子写真特性を有し、長期間にわたって安定した画像形成を行うことができる高耐久な静電潜像担持体を提供できる。
【0012】
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有してなり、前記静電潜像担持体が、本発明の前記静電潜像担持体であるので、長期間にわたって良好な画像を安定に形成することができる。
【0013】
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含んでなり、前記静電潜像担持体が、本発明の前記静電潜像担持体であので、長期間にわたって良好な画像を安定に形成することができる。
【0014】
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像形成手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段の少なくとも1つと、本発明の前記静電潜像担持体とを有する。その結果、利便性に優れ、長期間にわたって良好な画像を安定に形成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、従来における問題を解決することができ、繰り返し使用においても、耐摩耗性に優れ、異常画像が発生しない静電潜像担持体、及び該静電潜像担持体を用いた画像形成方法、該静電潜像担持体を搭載した画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(静電潜像担持体)
本発明の静電潜像担持体は、支持体と、該支持体上に少なくとも感光層及び保護層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
【0017】
<保護層>
前記保護層は、水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物を架橋させてなる硬化性シロキサン樹脂と、該硬化性シロキサン樹脂と架橋していない非架橋電荷輸送性物質とを含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
【0018】
前記保護層が、非架橋電荷輸送性物質を含んでいることは、静電潜像担持体をテトラヒドロフラン中に浸漬させて抽出した時に非架橋電荷輸送性物質が抽出されることから確認できる。
【0019】
−硬化性シロキサン樹脂−
前記硬化性シロキサン樹脂は、水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物を架橋させてなり、更に必要に応じて触媒、架橋剤、オルガノシリカゾル、シランカップリング剤、アクリルポリマー等の重合体などを含んでなる。
前記架橋は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加熱架橋が好ましい。
【0020】
前記水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物としては、例えば、アルコキシシリル基を有する化合物、アルコキシシリル基を有する化合物の部分加水分解縮合物、又はこれらの混合物などが挙げられる。
前記アルコキシシリル基を有する化合物としては、例えば、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;フェニルトリエトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、などが挙げられる。なお、これらの化合物に、エポキシ基、メタクリロイル基、又はビニル基を導入したものも使用可能である。
前記アルコキシシリル基を有する化合物の部分加水分解縮合物は、前記アルコキシシリル基を有する化合物に所定量の水、触媒等を添加して反応させる公知の方法により製造可能である。
【0021】
前記硬化性シロキサン樹脂の原料としては、市販品を用いることができ、具体的には、GR−COAT(ダイセル化学工業社製)、Glass Resin(オーエンスコーニング社製)、ヒートレスグラス(大橋化学工業社製)、NSC(日本精化社製)、ガラス原液GO150SX、GO200CL(ファイングラステクノロジー社製)、アルコキシシリル化合物にアクリル樹脂やポリエステル樹脂を共重合したものとして、MKCシリケート(三菱化学社製)、シリケート/アクリルワニスXP−1030−1(大日本色材工業社製)、などが挙げられる。
得られる硬化性シロキサン系樹脂は、非常に高密度な三次元架橋構造を形成することから、耐摩耗性が著しく向上することが知られており、保護層のバインダー樹脂とすることで、電子写真感光体の大幅な長寿命化が達成できる。
【0022】
−非架橋電荷輸送性物質−
前記硬化性シロキサン樹脂と架橋していない非架橋電荷輸送性物質としては、例えば、下記構造式(1)で表される化合物が、硬化性シロキサン樹脂との相溶性が良好であり、電子写真特性にも優れている点から好適に用いられる。
【化3】


ただし、前記構造式(1)中、Ar及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリール基を表し、該アリール基は更に置換基により置換されていてもよい。Rは、アリール基、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表し、これらは更に置換基により置換されていてもよい。nは1〜4の整数であり、nが2以上の場合、前記Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていても構わない。
【0023】
前記アリール基としては、例えば、縮合多環式炭化水素基、非縮合炭素環式基、複素環基、などが挙げられる。
前記縮合多環式炭化水素基としては、環を形成する炭素数が18個以下のものが好ましく、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、等が挙げられる。
前記非縮合炭素環式基としては、例えば、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基;ビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、ポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基;9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基などが挙げられる。
前記複素環基としては、例えば、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾール等の1価基が挙げられる。
【0024】
前記アリール基は、例えば、以下に示すような置換基により更に置換されていてもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
(2)トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)下記構造式で表される置換基である。
【化4】


ただし、前記構造式中、R及びRは、各々独立に水素原子、置換又は無置換のアルキル基、又はアリール基を表す。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらは炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。なお、R及びRは、互いに連結して環を形成してもよい。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(6)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等である。
(7)下記構造式で表されるアルキレン、ビニレンで連結された置換又は無置換のアリール基である。
【化5】


ただし、前記構造式中、Rは、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、アリール基アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニルアミノ基、ジトリルアミノフェニル基等が挙げられる。iは2〜4、kは1又は2を表す。
前記置換アルキル基としては、アルキル基にフッ素原子、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、更にアルキル基やアルコキシ基で置換されたフェニル基等を表す。具体的にはトリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基、テトラヒドロフルフリル基、等が挙げられる。
【0025】
前記構造式(1)で表される非架橋電荷輸送性物質としては、具体的には、下記構造式で表される化合物が好適である。
【化6】


【化7】


【化8】


【化9】


【化10】


【化11】


【化12】


【化13】


【化14】


【化15】


【化16】


【0026】
前記保護層における前記硬化性シロキサン樹脂と、前記非架橋電荷輸送性物質との混合質量比(硬化性シロキサン樹脂/非架橋電荷輸送性物質)は、6/4〜3/7が好ましい。これにより、体積収縮を伴う架橋反応を起こすことなく十分な電荷移動特性を有していると考えられる。また、前記非架橋電荷輸送性物質は、硬化性シロキサン樹脂との相溶性が悪く塗膜が白濁する場合もあるが、硬化性シロキサン樹脂、例えば前述の市販のコーティング剤と組み合わせや、塗工液を作成する場合の溶媒、加熱硬化する条件等を選択することで改善する場合がある。例えば、硬化性シロキサン樹脂が可溶なアルコール系溶媒と非架橋電荷輸送性物質が可溶なケトン系溶媒を適当な比率で混合した混合溶媒を用いたり、加熱温度や時間を好適に選択するなどの方法がある。これらの手段を用いることで、前記非架橋電荷輸送性物質を硬化性シロキサン樹脂に混合した混合系での加熱硬化においても、塗膜の亀裂や白濁などを起こすことなく、良好な塗膜品質を得ることができる。
前記非架橋電荷輸送性物質の含有量が6/4よりも少ない場合には、露光部の電位低下が不十分となってしまい、特に低温環境下においては、画像濃度低下などの異常画像の要因となってしまうことがある。一方、前記非架橋電荷輸送性物質の含有量が3/7よりも多い場合には、硬化性シロキサン樹脂の硬化が不十分となってしまうことに起因すると思われる耐摩耗性の低下が見られることがある。
【0027】
前記保護層中には、前記硬化性シロキサン樹脂及び前記非架橋電荷輸送性物質以外にも、更なる耐摩耗性向上を目的として、微粒子を添加することが好ましい。
前記微粒子としては、有機微粒子、又は無機微粒子が挙げられる。
前記有機微粒子としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂微粒子;シリコ−ン樹脂微粒子、グアナミンホルムアルデヒド樹脂微粒子、などが挙げられる。
前記無機微粒子としては、例えば、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属粉末;コロイダルシリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物;フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物;チタン酸カリウム、窒化硼素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、耐摩耗性向上のためには、無機微粒子が好ましく、電子写真特性とのバランスがよい、コロイダルシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムが特に好ましい。
前記微粒子の前記保護層における含有量は、0.1〜30質量%が好ましい。
【0028】
前記保護層には、シロキサン樹脂の硬化を阻害しない程度に、接着性、平滑性、化学的安定性を向上させる目的で、種々の添加剤を加えても構わない。
前記保護層は、前記各成分を含む保護層形成塗工液を用いて浸漬塗工、スプレー塗工、ブレード塗工、ナイフ塗工等の常法の塗工方法を用いて感光層上に形成される。特に、量産性、塗膜品質などの面から浸漬塗工、スプレー塗工が有利である。
前記保護層形成塗工液に用いられる有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0029】
前記保護層の厚みは1〜15μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。前記厚みが1μm未満であると、耐摩耗性が不十分となることがある。
【0030】
前記静電潜像担持体は、第一の形態では、支持体上に単層型感光層と、該単層型感光層上に保護層を設けてなり、更に必要に応じて、中間層、その他の層を有してなる。
また、前記静電潜像担持体は、第二の形態では、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層と、該積層型感光層上に保護層とを設けてなり、更に必要に応じて、保護層、その他の層を有してなる。なお、前記第二形態では、電荷発生層、及び電荷輸送層は逆に積層しても構わない。
【0031】
ここで、図1は、本発明の静電潜像担持体の模式断面図であり、支持体201上に感光層202を設けた構成のものである。また、図2、図3、図4、及び図5は、各々本発明の他の静電潜像担持体の層構成例を示すものであり、図2は、感光層が電荷発生層(CGL)203と、電荷輸送層(CTL)204より構成される機能分離型タイプのものである。図3は、支持体201と、機能分離型タイプの感光層の電荷発生層(CGL)203と、電荷輸送層(CTL)204の間に下引き層205を入れたものである。図4は、電荷輸送層204の上に保護層206を積層したタイプのものである。図5は、下引き層205と電荷発生層203との間に中間層207を設けたタイプのものである。なお、本発明の静電潜像担持体は、支持体201上に感光層202を少なくとも有していれば、上記のその他の層、及び感光層のタイプは任意に組み合わされていても構わない。
【0032】
<複層型感光層>
前記複層型感光層は、上述したように、電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有し、更に必要に応じて、その他の層を有してなる。
【0033】
−電荷発生層−
前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
【0034】
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、無機系材料と有機系材料とのいずれかを用いることができる。
【0035】
前記無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、などが挙げられる。
【0036】
前記有機系材料としては、特に制限はなく、公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン又はトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン又はナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
なお、必要に応じて、電荷輸送物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送物質を添加することもできる。
【0039】
前記電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層塗工液を用いて、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行うことができる。
【0040】
前記電荷発生層塗工液に用いられる有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、沸点が40℃〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることから特に好適である。
前記電荷発生層塗工液は、上記有機溶媒中に前記電荷発生物質と、バインダー樹脂を分散、溶解して製造する。有機顔料を有機溶媒に分散する方法としては、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどの分散メディアを用いた分散方法や、高速液衝突分散方法などが挙げられる。
【0041】
前記電荷発生層の厚みに応じて、電子写真特性、特に光感度が変化し、一般的に厚みが厚いほど光感度が高くなる。従って、前記電荷発生層の厚みは、要求される画像形成装置のスペックによって好適な範囲に設定することが好ましく、電子写真方式の感光体として要求される感度を得るためには、通常、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましい。
【0042】
−電荷輸送層−
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
【0043】
前記電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0044】
前記電荷輸送物質としては、正孔輸送物質、電子輸送物質、高分子電荷輸送物質、などが挙げられる。
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0045】
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0046】
前記高分子電荷輸送物質としては、以下のような構造を有するものが挙げられる。
(a)カルバゾール環を有する重合体としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体としては、例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体としては、例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体としては、例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体としては、例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
【0047】
また、前記高分子電荷輸送物質としては、上記以外にも、例えば、トリアリールアミン構造を有するポリカーボネート樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリウレタン樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエステル樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエーテル樹脂、などが挙げられる。前記高分子電荷輸送物質としては、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報、等に記載の化合物が挙げられる。
【0048】
また、電子供与性基を有する重合体としては、上記重合体だけでなく、公知の単量体との共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマー、更には、例えば、特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることもできる。
【0049】
前記バインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
【0050】
前記電荷輸送層は、これらの電荷輸送物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。前記電荷輸送層には、更に必要に応じて、前記電荷輸送物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等などの添加剤を適量添加することもできる。
【0051】
前記電荷輸送層の厚みは、5〜100μmが好ましく、近年の高画質化の要求から、電荷輸送層を薄膜化することが図られており、1200dpi以上の高画質化を達成するためには、5〜30μmがより好ましい。
【0052】
<単層型感光層>
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂を含み、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂としては、前記積層型感光層と同様な材料を用いることができる。
【0053】
キャスティング法により単層型感光層を設ける場合、多くの場合、かかる単層型感光層は、電荷発生物質と低分子並びに高分子電荷輸送物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。また、前記単層型感光層には、更に必要により、可塑剤、バインダー樹脂を含有することができる。前記バインダー樹脂としては、前記電荷輸送層と同様のバインダー樹脂を用いることができ、その他として、前記電荷発生層と同様のバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
【0054】
前記単層型感光層の厚みは、5〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。前記厚みが5μm未満であると帯電性が低下することがあり、100μmを超えると感度の低下をもたらすことがある。
【0055】
−支持体−
前記支持体としては、導電性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電体又は導電処理をした絶縁体が好適であり、例えば、Al、Ni、Fe、Cu、Au等の金属、又はそれらの合金;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、Ag、Au等の金属、あるいはIn、SnO等の導電材料の薄膜を形成したもの;樹脂中にカーボンブラック、グラファイト、Al、Cu、Ni等の金属粉、導電性ガラス粉などを均一に分散させ、樹脂に導電性を付与した樹脂基体、導電処理をした紙、などが挙げられる。
【0056】
前記支持体の形状、大きさとしては、特に制約はなく、板状、ドラム状あるいはベルト状のいずれのものも使用できるが、ベルト状の支持体を用いると、内部に駆動ローラ、従動ローラを設ける必要があるなど装置が複雑化したり、大型化する反面、レイアウトの自由度が増すなどのメリットがある。一方、ドラム状の支持体は剛性が高い点から好適である。
【0057】
前記支持体と前記感光層との間には、必要に応じて、下引き層を設けてもよい。前記下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
【0058】
前記下引き層は、一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂は、その上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが好ましい。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂、などが挙げられる。
また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。
【0059】
なお、前記下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層、Alを陽極酸化にて設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法により設けたもの、などを用いることもできる。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
【0060】
前記静電潜像担持体(感光体)においては、必要に応じて前記支持体上に、接着性、電荷ブロッキング静を向上させるために中間層を設けてもよい。該中間層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
【0061】
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
【0062】
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
【0063】
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体としては、本発明の前記静電潜像担持体を用いる。
【0064】
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
【0065】
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
【0066】
前記帯電部材の形状としてはローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。又はブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電器とする。
前記帯電器としては、上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
前記帯電器が静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
【0067】
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
【0068】
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
【0069】
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
【0070】
前記現像器に収容させる現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
【0071】
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
【0072】
前記中間転写体の静止摩擦係数は、0.1〜0.6が好ましく、0.3〜0.5がより好ましい。
前記中間転写体の体積抵抗は数Ωcm以上10Ωcm以下であることが好ましい。体積抵抗を数Ωcm以上10Ωcm以下とすることにより、中間転写体自身の帯電を防ぐとともに、電荷付与手段により付与された電荷が該中間転写体上に残留しにくくなるので、二次転写時の転写ムラを防止できる。また、二次転写時の転写バイアス印加を容易にできる。
【0073】
前記中間転写体の材質は、特に制限はなく、公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)ヤング率(引張弾性率)の高い材料を単層ベルトとして用いたものであり、PC(ポリカーボネート)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PCのブレンド材料、ETFE/PATのブレンド材料、PC/PATのブレンド材料、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミド、などが挙げられる。これらヤング率の高い単層ベルトは画像形成時の応力に対する変形量が少なく、特にカラー画像形成時にレジズレを生じにくいとの利点を有している。(2)上記のヤング率の高いベルトを基層とし、その外周上に表面層又は中間層を付与した2〜3層構成のベルトであり、これら2〜3層構成のベルトは単層ベルトの硬さに起因し発生するライン画像の中抜けを防止しうる性能を有している。(3)ゴム及びエラストマーを用いたヤング率の比較的低いベルトであり、これらのベルトは、その柔らかさによりライン画像の中抜けが殆ど生じない利点を有している。また、ベルトの幅を駆動ロール及び張架ロールより大きくし、ロールより突出したベルト耳部の弾力性を利用して蛇行を防止するので、リブや蛇行防止装置を必要とせず低コストを実現できる。
【0074】
前記中間転写ベルトは、従来からフッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されてきていたが、近年ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写は以下の課題がある。
カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、二次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば、和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために二次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
前記弾性ベルトは、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることができる。
【0075】
前記弾性ベルトの樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン樹脂、クロロポリスチレン樹脂、ポリ−α−メチルスチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(例えば、シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂等)、ポリ塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0076】
前記弾性材ゴム、エラストマーとしては、例えば、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えば、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0077】
前記抵抗値調節用導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではないことは当然である。
表面層材料としては、弾性材料による感光体への汚染防止と、転写ベルト表面への表面摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくしてクリーニング性、二次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の少なくとも1種の組み合わせを使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を少なくとも1種、又は粒径が異なるものの組み合わせを分散させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
前記ベルトの製造方法は限定されるものではなく、例えば、回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、液体塗料を噴霧し膜を形成させるスプレー塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法、内型,外型の中に注入する注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付け,加硫研磨を行う方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することが一般的である。
【0078】
前記弾性ベルトとして伸びを防止する方法として、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特定の製法に限定されるものではない。
伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば、綿、絹、等の天然繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維,ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維等の合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維等の無機繊維;鉄繊維、銅繊維等の金属繊維、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これら材料を単独又は組み合わせて、織布状又は糸状としたものも用いられる。
糸は1本又は複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよいし、糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。一方、織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
前記芯体層を設ける製造方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることができる。
前記弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。又、伸縮量が大きくなることから画像に伸び縮みが大きくなること等から厚すぎる(およそ1mm以上)ことは好ましくない。
【0079】
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
【0080】
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
【0081】
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
【0082】
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
【0083】
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
【0084】
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
【0085】
ここで、本発明の画像形成装置について、図を参照して説明する。
図6は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。この図6の画像形成装置は、本発明の前記静電潜像担持体(電子写真感光体)を用いた画像形成装置であり、ドラム状の感光体10と、帯電チャージャ3と、転写前チャージャ7と、転写チャージャ111と、分離チャージャ111と、クリーニング前チャージャ113と、から構成されている。
前記感光体10の形状は、ドラム状の形状に限定されるものではなく、例えば、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。また、各種チャージャとしては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド ステート チャージャ)、接触配置、又はギャップテープや端部に段差を設けるなどの手段によって静電潜像担時体との間にギャップを有して近接配置された帯電ローラを始めとする公知の手段を用いることができる。
【0086】
近接配置された帯電ローラは、接触配置された帯電ローラと比較して、帯電ムラが低減されたり、帯電ローラの汚れに起因する帯電不良などに対する余裕度が大きく、メンテナンスフリーで用いることができるという大きなメリットがある反面、印可電圧を高くしなければならないなど、電子写真感光体表面に対するハザードが大きく、従来の高分子バインダーを用いる最表面層(電荷輸送層又は保護層)に対して、著しい摩耗を引き起こしていた。また、近接配置された帯電ローラは、直流電圧の印可だけでは放電が不安定になり、画像濃度ムラなどにつながるため、直流電圧に交流電圧を重畳印可することが好ましい。
【0087】
その結果、電子写真感光体表面へのハザードは非常に高くなるため、電子写真感光体寿命が短くなり、コストアップやメンテナンス頻度の増加などの不具合が発生していたが、本発明の電子写真感光体は、該帯電手段においても、ほとんど摩耗することがなく、安定して帯電が行われる。その上、露光部の残留電位低減、画像ボケ抑制も達成されているため、長期間の繰り返し使用時においても、安定して良好な画像を出力することができる。
転写手段としては、一般には上記の帯電器が使用できるが、図示するような転写チャージャと分離チャージャとを併用したものが効果的である。
【0088】
また、画像露光部5、除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
かかる光源等は、図6に示される工程の他に、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光を照射することができる。
【0089】
現像ユニット6により感光体10上に現像されたトナーは、記録媒体9に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体10上にトナーが残存する。このような残存トナーがクリーニングされずに、次の複写プロセスが行われる場合、帯電不良や露光による潜像形成時の不具合が発生してしまう。そのため、一般的にはクリーニング手段を用いて残留トナーを除去する必要がある。クリーニング手段としては、クリーニングブラシ114又はブレード115単独又は組み合わせて行われることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0090】
クリーニングブレード115は、摩擦係数の低い弾性体としては、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマー、などが挙げられる。このクリーニングブレード115としては、熱硬化性のウレタン樹脂が好ましく、特に、ウレタンエラストマーが、耐摩耗性、耐オゾン性、耐汚染性の観点から好ましい。エラストマーには、ゴムも含まれる。クリーニングブレード115は、硬度(JIS−A)が、65〜85度の範囲が好ましい。また、クリーニングブレード15は、厚さが0.8〜3.0mmで、突き出し量が3〜15mmの範囲にあることが好ましい。更に、その他の条件として当接圧、当接角度、食い込み量等は適宜決定することができる。
このような静電潜像担持体(電子写真感光体)に当接するクリーニング手段は、トナー除去性能は高いが、当然のことながら、電子写真感光体に機械的ハザードを与え、電子写真感光体表面層の摩耗を引き起こす。
本発明の静電潜像担持体は、保護層の耐摩耗性が著しく高いため、表面に当接するクリーニング手段を有する画像形成装置においても、安定して良好な画像を出力することができる。
【0091】
図7は、本発明による画像形成装置を用いた別のプロセスの例を示す概略図である。この図7において、感光体122は、本発明の前記静電潜像担持体であり、駆動ローラ123により駆動され、帯電チャージャ220による帯電、像露光光源121による像露光、現像(図示せず)、転写チャージャ帯電器125を用いる転写、クリーニングブラシ126によるクリーニング、除電光源127による除電が繰返し行われる。
【0092】
図8は、本発明の電子写真感光体を適用したフルカラー画像形成装置の概略構成図である。図8において、感光体156は、図中反時計回りに回転駆動されながら、その表面がコロトロンやスコロトロンなどを用いる帯電チャージャ153によって一様に帯電した後、図示しないレーザ光学装置から発せられるレーザ光Lの走査を受けて静電潜像を担持する。この走査はフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報に基づいてなされるため、感光体ドラム156上にはイエロー、マゼンタ、シアン又はブラックという単色用の静電潜像が形成される。
感光体ドラム156の図8中左側には、リボルバ現像ユニット250が配設されている。これは、回転するドラム状の筺体の中にイエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器を有しており、回転によって各現像器を感光体ドラム156に対向する現像位置に順次移動させる。なお、イエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器は、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを付着せしめて静電潜像を現像するものである。感光体ドラム156上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の静電潜像が順次形成され、これらはリボルバ現像ユニット250の各現像器によって順次現像されてイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像となる。
【0093】
前記現像位置よりも感光体ドラム156の回転下流側には中間転写ユニットが配設されている。これは、張架ローラ159a、転写手段たる中間転写バイアスローラ157、二次転写バックアップローラ159b、ベルト駆動ローラ159cによって張架している中間転写ベルト158を、ベルト駆動ローラ159cの回転駆動によって図中時計回りに無端移動せしめる。感光体ドラム156上で現像されたイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像は、感光体ドラム156と中間転写ベルト158とが接触する中間転写ニップに進入する。そして、中間転写バイアスローラ157からのバイアスの影響を受けながら、中間転写ベルト158上に重ね合わせて中間転写されて、4色重ね合わせトナー像となる。このような中間転写ベルトを用いてトナー像を重ね合わせる中間転写方式は、電子写真感光体と中間転写体との相対的な位置決めが比較的容易でかつ正確に行えるため、色ずれに対して有利であることから、高画質なフルカラー画像を得るには有効な手段であるといえる。
【0094】
そして、回転に伴って中間転写ニップを通過した感光体ドラム156表面は、ドラムクリーニングユニット155によって転写残トナーがクリーニングされる。このクリーニングユニット155は、クリーニングバイアスが印加されるクリーニングローラによって転写残トナーをクリーニングするものであるがファーブラシ、マグファーブラシ等からなるクリーニングブラシや、クリーニングブレードなどを用いるものであってもよい。
【0095】
転写残トナーがクリーニングされた感光体ドラム156表面は、除電ランプ154によって除電せしめられる。除電ランプ154には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などが用いられている。また、上記レーザ光学装置の光源には半導体レーザが用いられている。これら発せられる光については、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターにより、所望の波長域だけを用いるようにしてもよい。
【0096】
中間転写ユニットの図8中下側には、転写ベルトと転写バイアスローラ、駆動ローラ等各種ローラからなる転写ユニットが配設されており、これの図8中左側には、搬送ベルト164、定着ユニット165が配設されている。転写ユニットは、無端移動する転写ベルトは、図示しない移動手段によって、図8中上下方向に移動するようになっていてもよく、少なくとも、中間転写ベルト158上の1色トナー像(イエロートナー像)や、2色又は3色重ね合わせトナー像が紙転写バイアスローラ163との対向位置を通過する際には、中間転写ベルト158に接触しない位置まで待避移動する。そして、中間転写ベルト158上の4色重ね合わせトナー像の先端が紙転写バイアスローラ163との対向位置に進入してくる前に、中間転写ベルト158との接触位置まで移動して二次転写ニップを形成する。
【0097】
一方、図示しない給紙カセットから送られてきた記録媒体160を2つのローラ間に挟み込んでいるレジストローラ対161は、記録媒体160を中間転写ベルト158上の4色重ね合わせトナー像に重ね合わせ得るタイミングで上記二次転写ニップに向けて送り込む。中間転写ベルト158上の4色重ね合わせトナー像は、二次転写ニップ内で紙転写バイアスローラ163からの二次転写バイアスの影響を受けて記録媒体160上に一括して二次転写される。この二次転写により、記録媒体160上にはフルカラー画像が形成される。
【0098】
そして、フルカラー画像が形成された記録媒体160は、転写ベルト162によって紙搬送ベルト164に送られる。
搬送ベルト164は、転写ユニットから受け取った記録媒体160を定着装置165内に送り込む。
定着装置165は、送り込まれた記録媒体160を加熱ローラとバックアップローラとの当接によって形成された定着ニップに挟み込みながら搬送する。
記録媒体160上のフルカラー画像は、加熱ローラからの加熱や、定着ニップ内での加圧力の影響を受けて記録媒体160上に定着せしめられる。
【0099】
なお、図示を省略しているが、転写ベルト162や搬送ベルト164には、記録媒体Pを吸着させるためのバイアスが印加されている。また、記録媒体160を除電する紙除電チャージャや、各ベルト(中間転写ベルト158、転写ベルト162、搬送ベルト164)を除電する3つのベルト除電チャージャが配設されている。また、中間転写ユニットは、ドラムクリーニングユニット155と同様の構成のベルトクリーニングユニットも備えており、これによって中間転写ベルト158上の転写残トナーをクリーニングする。
【0100】
ここで、図9に示す画像形成装置は、本発明の静電潜像担持体(電子写真感光体)を用いたタンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置120は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図9中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。
なお、タンデム画像形成装置100においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行うために該記録媒体を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
【0101】
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
【0102】
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
【0103】
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図10に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図10中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像器61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
【0104】
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
【0105】
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
【0106】
前記タンデム方式では、各色の潜像形成や現像を並行して行うことができるため、リボルバ式よりも画像形成速度を遙かに高速化させることができる。更に、図9のプリンタは中間転写方式も採用しており、本発明の電子写真感光体を搭載することで、色ずれの少ない高品質なフルカラー画像を非常に高速に、長期間繰返し、安定して出力することができる。
【0107】
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の前記静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段を一体に有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、その他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
【0108】
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図11に示すように、感光体101を内蔵し、帯電器102、現像手段104、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。なお、103は露光手段、105は記録媒体、108は搬送ローラである。
前記感光体101としては、上述した本発明の前記静電潜像担持体を用いる。
前記露光器103としては、高解像度で書き込みを行うことのできる光源が用いられる。
前記帯電器102としては、任意の帯電部材が用いられる。
【0109】
本発明の画像形成装置としては、前記静電潜像担持体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを静電潜像担持体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
これにより、静電潜像担持体やその他プロセス部材の交換を短時間に、容易に行うことができるようになるので、メンテナンスに要する時間が短縮でき、コストダウンにつながる。また、プロセス部材と静電潜像担持体が一体となっているので、相対的な位置の精度向上などの利点もある。
【実施例】
【0110】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0111】
(実施例1)
−静電潜像担持体の作製−
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、大日本インキ化学工業社製)15質量部、及びメラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業社製)10質量部をメチルエチルケトン150質量部に溶解した。これに、酸化チタン粉末(タイペールCR−EL、石原産業社製)90質量部を加え、ボールミルで12時間分散し、下引層塗工液を作製した。これを直径30mmの円筒状アルミニウム基体に浸漬塗工法によって塗工し、130℃にて20分間乾燥し、厚み3.5μmの下引き層を形成した。
【0112】
次に、ポリビニルブチラール樹脂(XYHL、UCC社製)4質量部をシクロヘキサノン150質量部に溶解した。これに、下記構造式(A)で表されるビスアゾ顔料10質量部を加え、ボールミルで48時間分散した後、シクロヘキサノン210質量部を加えて3時間分散を行った。この分散液を容器に取り出し固形分が1.5質量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈した。得られた電荷発生層塗工液を前記下引き層上に塗工し、130℃にて20分間乾燥して、厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
【化17】


【0113】
次に、テトラヒドロフラン100質量部に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂10質量部、シリコーンオイル(KF−50、信越化学工業社製)0.002質量部を溶解した。この溶液に、下記構造式(B)で表される電荷輸送物質10質量部を加えて電荷輸送層塗工液を調製した。
得られた電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に浸漬塗工法によって塗工し、110℃にて20分間乾燥し、厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
【化18】


【0114】
次に、メチルトリメトキシシラン7質量部をフラスコに入れ、氷水で0℃近傍に冷却した後、1質量%の酢酸水溶液3質量部を1時間かけて滴下し、その後、攪拌しつつ6時間かけて25℃まで昇温した。この溶液にシクロヘキサノン18質量部、エタノール18質量部を加え攪拌した。次いで、下記構造式(C)で表される非架橋性電荷輸送物質7質量部を添加して溶解した。次いで、トリス(2,4ペンタンジオナト)アルミニウム(III)を0.5質量部、及びアセチルアセトン0.15質量部を加えて保護層塗工液を調製した。
【化19】


【0115】
得られた保護層塗工液を前記電荷輸送層上にスプレー塗工法によって塗工した。その後、円筒状アルミニウム基体を回転させた状態で10分間放置して指触乾燥を行った後、130℃にて30分間加熱硬化させて、厚み2μmの保護層を形成した。以上により、実施例1の静電潜像担持体を作製した。
【0116】
(実施例2)
−静電潜像担持体の作製−
実施例1において、保護層塗工液を以下のようにして調製した保護層塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の静電潜像担持体を作製した。
<保護層塗工液の調製>
メチルトリメトキシシラン3質量部、フェニルトリメトキシシラン4質量部をフラスコに入れ、氷水で0℃近傍に冷却した後、1質量%の酢酸水溶液3質量部を1時間かけて滴下し、その後、攪拌しつつ6時間かけて25℃まで昇温した。この溶液に、シクロヘキサノン18質量部、エタノール18質量部を加え攪拌した。次いで、上記構造式(C)で表される非架橋性電荷輸送物質7質量部を添加して溶解した。更に、トリス(2,4ペンタンジオナト)アルミニウム(III)を0.5質量部、及びアセチルアセトン0.15質量部を加えて、保護層塗工液を調製した。
【0117】
(実施例3)
−静電潜像担持体の作製−
実施例1において、保護層塗工液を以下のようにして調製した保護層塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の静電潜像担持体を作製した。
<保護層塗工液>
硬化性シロキサン樹脂(NSC1274、日本精化社製)10質量部、及び上記構造式(C)で表される非架橋電荷輸送性物質7質量部をシクロヘキサノン18質量部、及びエタノール18質量部の混合溶媒に溶解して保護層塗工液を調製した。
【0118】
(実施例4)
−静電潜像担持体の作製−
実施例1において、保護層塗工液を以下のようにして調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
コロイダルシリカを含む硬化性シロキサン樹脂(NSC1500N、日本精化社製)10質量部、及び上記構造式(C)で表される非架橋電荷輸送性物質7質量部をシクロヘキサノン18質量部、及びエタノール18質量部の混合溶媒に溶解して保護層塗工液を調製した。
【0119】
(実施例5)
−静電潜像担持体の作製−
実施例1において、保護層塗工液を以下のようにして調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の静電潜像担持体を作製した。
<保護層塗工液>
コロイダルシリカを含む硬化性シロキサン樹脂(NSC2319、日本精化社製)10質量部、及び上記構造式(C)で表される非架橋電荷輸送性物質7質量部をシクロヘキサノン18質量部、及びエタノール18質量部の混合溶媒に溶解して保護層塗工液を調製した。
【0120】
(実施例6)
−静電潜像担持体の作製−
実施例3において、上記構造式(C)で表される非架橋性電荷輸送物質の添加量を4質量部に変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例6の静電潜像担持体を作製した。
【0121】
(実施例7)
−静電潜像担持体の作製−
実施例3において、上記構造式(C)で表される非架橋性電荷輸送物質の添加量を20質量部に変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例7の静電潜像担持体を作製した。
【0122】
(比較例1)
−静電潜像担持体の作製−
実施例3において、上記構造式(C)で表される非架橋性電荷輸送物質の代わりに下記構造式(F−2)で表される架橋性電荷輸送物質を用いた以外は、実施例3と同様にして、比較例1の静電潜像担持体を作製した。
【化20】


【0123】
<摩耗量及び耐久画像の評価>
得られた各静電潜像担持体をフルカラー複合機(Imagio Color5100、株式会社リコー製)の改造機(画像露光光源を655nmの半導体レーザーに交換し、更に潤滑剤塗布手段を除去、クリーニングブレード当接圧を2倍にして、感光体の摩耗に対して負荷を加えたもの)に搭載して、非露光部電位(VD)が−700Vになるように帯電器の電圧を調節した後、600dpi相当の書き込みによって、A4サイズ、画像面積率5%となるテスト画像を出力するランニング試験を5万枚行い、ランニング試験前後の感光層の厚みの差から、摩耗量を測定した。結果を表1に示す。なお、感光層の厚みは、渦電流式厚み計フィッシャースコープMMS(フィッシャー社製)を用いて測定した。
また、ランニング試験後の感光体を10℃の環境下、100枚のランニング試験、耐久画像出力を実施し、画像品質について評価を行った。結果を表1に示す。
【0124】
<総合評価>
以上の結果を総合的に判断して、下記基準により評価した。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
○:良好
△:やや不良(実使用可能なレベル)
×:不良(実使用不能なレベル)
【0125】
【表1】


【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明の静電潜像担持体は、耐摩耗性に非常に優れ、かつ初期、及び実機ランニングによる耐久試験後においても、良好な画像を安定して出力することができるので、長期間にわたって高画質画像を形成可能な画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】図1は、本発明の静電潜像担持体の層構成の一例を示す模式断面図である。
【図2】図2は、本発明の静電潜像担持体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。
【図3】図3は、本発明の静電潜像担持体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。
【図4】図4は、本発明の静電潜像担持体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。
【図5】図5は、本発明の静電潜像担持体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。
【図6】図6は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図7】図7は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
【図8】図8は、本発明の画像形成装置の更に他の一例を示す概略構成図である。
【図9】図9は、本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。
【図10】図10は、図9に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
【図11】図11は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0128】
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電器
103 露光器
104 現像手段
107 クリーニング手段
110 ベルト式画像定着装置
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
201 支持体
202 感光層
203 電荷発生層
204 電荷輸送層
205 下引き層
206 保護層
207 中間層
210 画像定着装置
220 加熱ローラ
230 加圧ローラ
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)




 

 


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