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発明の名称 定着ベルト及びそれを有する画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−11277(P2007−11277A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2006−18324(P2006−18324)
出願日 平成18年1月27日(2006.1.27)
代理人 【識別番号】100105681
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 秀彦
発明者 名取 潤一郎 / 谷内 將浩
要約 課題
ベルト基材、弾性層、離型層を有する定着ベルトにおいて、弾性層が酸化劣化され難く、且つ端部において層間剥離が発生し難い定着ベルト、及びそれを有する画像形成装置を提供すること。

解決手段
耐熱性のベルト基材、該ベルト基材上に設けた耐熱性のゴム状弾性体で構成された弾性層、及び前記弾性層上に設けたフッ素系樹脂で構成された離型層を有する定着ベルトにおいて、ベルト基材がベルトの幅方向両端面及び外周面に露出せず、弾性層が該ベルトのいずれの面にも露出せず、離型層が内周面まで被覆しておらず、且つ離型層とベルト基材とが接着されていることを特徴とする定着ベルト。
特許請求の範囲
【請求項1】
耐熱性のベルト基材、該ベルト基材上に設けた耐熱性のゴム状弾性体で構成された弾性層、及び前記弾性層上に設けたフッ素系樹脂で構成された離型層を有する定着ベルトにおいて、ベルト基材がベルトの幅方向両端面及び外周面に露出せず、弾性層が該ベルトのいずれの面にも露出せず、離型層が内周面まで被覆しておらず、且つ離型層とベルト基材とが接着されていることを特徴とする定着ベルト。
【請求項2】
前記離型層が外周面から端面にかけて連続的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着ベルト。
【請求項3】
耐熱性のベルト基材、該ベルト基材上に設けた耐熱性のゴム状弾性体で構成された弾性層、及び前記弾性層上に設けたフッ素系樹脂で構成された離型層を有し、且つ、少なくともフッ素系樹脂を含む保護層がベルト基材、弾性層、及び離型層とは独立してベルト端部に形成されたベルトにおいて、ベルト基材がベルトの幅方向両端面及び外周面に露出せず、弾性層がベルトのいずれの面にも露出せず、離型層が内周面まで被覆しておらず、且つ保護層と離型層及び/またはベルト基材とが接着されていることを特徴とする定着ベルト。
【請求項4】
前記保護層が、少なくともフッ素系樹脂を含む耐熱性のゴム状弾性体で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の定着ベルト。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の定着ベルトを有することを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置に用いられる定着ベルト及び該定着ベルトを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、複写機やプリンタ等の画像形成装置はカラー化の傾向にあり、その割合は徐々に高まりつつあると言える。カラー画像形成装置としてのカラーレーザープリンタは4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のトナーを記録材に定着させるものであり、中間色を作り出す際にはニップ部(定着部)においてトナーを均一に溶融させた状態で混合する必要がある。そのためには、記録材に熱を与えるのに必要なニップ部を設け、ある程度の圧力を確保することが必要となり、定着ローラ、加圧ローラ間に大きな圧接力が必要となる。
【0003】
上記圧接力に耐えるようにするためには、定着ローラや加圧ローラのローラ径を大きくする一方で、金属パイプの肉厚を厚くする必要があるが、すると定着ローラや加圧ローラの熱容量が増し、定着装置の立ち上げ時間、すなわち、ウォームアップ時間が長くなるという欠点が現れる。また、熱容量が増すために、定着装置を所定の温度に維持するための消費電力も大きくなるという欠点がある。
【0004】
そこで、このような欠点に対応するため、ヒータを内蔵したローラを大型化させずに済む定着ベルトを使用した装置が提案されている(例えば特許文献1)。
その具体例を図1に基づいて説明する。図1に示すように、金属パイプ表面に耐熱性のゴム状弾性体で構成された弾性層を有する定着ローラ(3)と、金属パイプの内側に第1のハロゲンヒータ(5a)を内蔵した加熱ローラ(2)とを設け、該2本の加熱ローラ(2)、定着ローラ(3)間に定着ベルト(1)を張架する。該定着ローラ(3)には、定着ベルト(1)を介して加圧ローラ(4)が圧接されている。加圧ローラ(4)は金属パイプ表面に耐熱性のゴム状弾性体で構成された弾性層を設け、内側に第2のハロゲンヒータ(5b)を内蔵した構成である。
【0005】
定着ベルト(1)は、加熱ローラ(2)を定着ローラ(3)から離間する方向に付勢したり、図示しないテンションローラを別途設けたりすることによって弛み無く張架される。加熱ローラ(2)や加圧ローラ(4)の表面温度はセンサー(6a)、(6b)によって検知され、所定の設定温度(例えば約170℃)となるように制御されている。また、加熱ローラ(2)の表面温度検知は、2本の加熱ローラ(2)、定着ローラ(3)間に張架した定着ベルト(1)上の温度をセンサー(6c)によって検知することにより行なうこともある。
【0006】
更に、図2に従来の典型的な定着ベルト(1)の断面図を示す。
ベルト定着装置に使用されている定着ベルト(1)は、耐熱性のベルト基材(7)の表面に耐熱性のゴム状弾性体で構成された弾性層(8)を設け、更にその上に離型層(9)を設けた3層構成としている。一般に各々の接着面はプライマー処理されているが、ここでは図示していない。なお、本発明の定着ベルトにおいては、紙等の記録材が接する面を外周面、その相対する面を内周面、それ以外の部分を端面と記している。
【0007】
このような定着ベルト(1)を作製するためには、前記耐熱性のベルト基材(7)の表面に、前記耐熱性のゴム状弾性体をコーティングして弾性層(8)を設け、更に、その上面に前記フッ素系樹脂をコーティングして離型層(9)を設ける。その後、装置の構成等に合わせてベルトの幅を揃えたり、塗工面端緒を整えたりするために、ベルトの幅方向両端を切断して定着ベルト(1)とする。
【0008】
定着ベルト(1)における弾性層(8)の作製方法としては、ベルト基材(7)上にシリコーンゴム溶液をブレード塗装によってコーティングして塗布層を形成し、その後ゴムを加硫して弾性層(8)を作製することができる。また、溶剤等による希釈を行なうことで、スプレー塗装、ディッピング塗装などでも作製可能である。
【0009】
定着ベルト(1)における離型層(9)の作製方法としては、弾性層(8)上にフッ素系樹脂分散液をスプレー塗装によってコーティングして塗布層を形成し、その後フッ素系樹脂を焼成して離型層(9)を作製することができる。また、フッ素系樹脂の粉体を用いて電着塗装などでも作製可能である。
【0010】
また、該定着ベルト(1)は張架された定着ローラ(3)と加熱ローラ(2)によって、あるいは加圧ローラ(4)に連れ回って回転するように構成されている。この場合、問題になるのがベルトの寄り及び蛇行である。
【0011】
ベルトの寄りや蛇行を防止する方法としては、2つの方法が考えられる。第1の方法は、定着ベルトの端面を固定型の端部規制用寄り止め部材で受け止めて定着ベルトの寄りや蛇行を規制するものであり、第2の方法は定着ベルトの寄りをセンサーで検知し、ローラ軸心を調整することで定着ベルトの寄りや蛇行を防止するものである。構造の簡素化やコスト面でのメリットを考慮した場合、簡単な構成でコスト的に有利な第1の方法を採用することが望ましい。
【0012】
そこで、定着ベルトの寄りや蛇行を規制するための第1の方法として、ベルト部材の端面を固定型の端部規制用寄り止め部材で受け止める構造が提案されている(例えば特許文献2)。また、寄り止め部材との摺動から定着ベルト端部(弾性層)を保護するために、ベルト基材や寄り止め部材を定着ベルトの端面にまで突出させる構造も提案されている(例えば特許文献3、4及び5)。
【0013】
【特許文献1】特許第2813297号公報
【特許文献2】特開2004−333750号公報
【特許文献3】特開2003−337487号公報
【特許文献4】特開2002−62748号公報
【特許文献5】特開2004−109650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、前記製法による定着ベルト(1)は幅方向両端面に弾性層が露出しているため、画像形成装置に組み込んで使用する際には高温下での空気(酸素)による酸化劣化が起こり、端部が硬くなることで折れやシワ及び亀裂等が発生することがある。そのままの状態で使用を続けた場合には、そこを起点として各層間が剥がれてしまうこともある。
【0015】
また、定着ベルトの端面を寄り止め部材で受け止めた構造では、定着ベルトはニップ部での屈曲を繰り返しながら、且つ端面が寄り止め部材に密着した状態で駆動/停止を繰り返し行なう断続回転駆動を行なうことになるので、定着ベルトの端面と寄り止め部材との摺動により、定着ベルトの端部は常に負荷を受けて疲労し易くなり、折れやシワ、亀裂及び層間の剥離等が発生して長期間の耐久性を維持することが難しい。さらに、定着ベルト端面を、硬化ゴムやゴム弾性体、或いは、一般的な接着材で単に保護する構成では、保護する部材の摩擦係数が大きいために該部材が磨耗したり剥離したりすることがあることが見い出された。
【0016】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、ベルトにおける弾性層が酸化劣化され難く、且つベルト端面において層間剥離が発生し難い定着ベルト、及びそれを有する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題は、以下の本発明の(1)〜(5)によって解決される。
(1)「耐熱性のベルト基材、該ベルト基材上に設けた耐熱性のゴム状弾性体で構成された弾性層、及び前記弾性層上に設けたフッ素系樹脂で構成された離型層を有する定着ベルトにおいて、ベルト基材がベルトの幅方向両端面及び外周面に露出せず、弾性層が該ベルトのいずれの面にも露出せず、離型層が内周面まで被覆しておらず、且つ離型層とベルト基材とが接着されていることを特徴とする定着ベルト」
(2)「前記離型層が外周面から端面にかけて連続的に形成されていることを特徴とする前記第(1)項に記載の定着ベルト」
(3)「耐熱性のベルト基材、該ベルト基材上に設けた耐熱性のゴム状弾性体で構成された弾性層、及び前記弾性層上に設けたフッ素系樹脂で構成された離型層を有し、且つ、少なくともフッ素系樹脂を含む保護層がベルト基材、弾性層、及び離型層とは独立してベルト端部に形成されたベルトにおいて、ベルト基材がベルトの幅方向両端面及び外周面に露出せず、弾性層がベルトのいずれの面にも露出せず、離型層が内周面まで被覆しておらず、且つ保護層と離型層及び/またはベルト基材とが接着されていることを特徴とする定着ベルト」
(4)「前記保護層が、少なくともフッ素系樹脂を含む耐熱性のゴム状弾性体で構成されていることを特徴とする前記第(3)項に記載の定着ベルト」
(5)「前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の定着ベルトを有することを特徴とする画像形成装置」
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載された発明によれば、耐熱性のベルト基材、前記ベルト基材上に設けた耐熱性ゴムで構成される弾性層、及び前記弾性層上に設けたフッ素系樹脂で構成される離型層を有するベルトにおいて、ベルト基材がベルトの幅方向両端面及び外周面に露出せず、弾性層が該ベルトのいずれの面にも露出せず、離型層が内周面まで被覆しておらず、且つ離型層とベルト基材とが接着されているので、各層間での接着における信頼性が向上して長期に亘ってベルト各層間での剥離を防ぐことができる。また、定着ベルトとして高温下で使用する際に弾性層が空気(酸素)に触れないので弾性層の酸化劣化に由来する端部の破損を防ぐことができる。よって、長寿命/高信頼性の定着ベルトが提供できる。
【0019】
請求項2に記載された発明によれば、請求項1に記載の定着ベルトにおいて、前記離型層が外周面から端面にかけて連続的に形成されているので、端面の摩擦係数が低下して寄り止め部材との摺動によるストレスを軽減することができ、長期に亘って端部の破損及びベルト各層間での剥離を防ぐことができる。よって、長寿命/高信頼性の定着ベルトが提供できる。
【0020】
請求項3に記載された発明によれば、耐熱性のベルト基材、該ベルト基材上に設けた耐熱性のゴム状弾性体で構成された弾性層、及び前記弾性層上に設けたフッ素系樹脂で構成された離型層を有し、且つ、少なくともフッ素系樹脂を含む保護層がベルト基材、弾性層、及び離型層とは独立して形成されているので、装置の構成等に合わせてベルトの幅を揃えたり塗工面端緒を整えたりするためにベルトの幅方向両端を切断してからでも、離型層とは異なった材料からなる保護層によってもベルト端部の破損を防ぐことができる。よって、長寿命/高信頼性の定着ベルトが提供できる。また、保護層を構成する材料の選択肢が広がり、様々な作製方法を採用することも可能となる。
【0021】
請求項4に記載された発明によれば、請求項3に記載の保護層が、少なくともフッ素系樹脂を含む耐熱性のゴム状弾性体で構成されているので、端部の摩擦抵抗を低減しつつ柔軟性が向上することで折れ、シワ及び亀裂の発生を防ぐことができる。よって、長寿命/高信頼性の定着ベルトが提供できる。
【0022】
請求項5に記載された発明によれば、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着ベルトを有する画像形成装置としたので、経時で安定した画像品質を維持でき、部品やユニット交換頻度が少ない長寿命/高信頼性の画像形成装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図3は本発明の第1の実施形態における定着ベルトの構成を示す端部の断面図である。図3(a)において、定着ベルト(1)は耐熱性のベルト基材(7)上に、耐熱性のゴム状弾性体で構成された弾性層(8)、及びフッ素系樹脂で構成された離型層(9)を順次設けてあり、且つ、離型層(9)は該ベルトの外周面から幅方向両端面にかけて連続的に形成されており、ベルト基材(7)の端面及び弾性層(8)を被覆している。例えば、このような構成はベルト基材(7)上に弾性層(8)を設けた後に端部をカットしてから、離型層(9)を設けることで実現可能である。
【0024】
また、ベルト基材(7)と弾性層(8)の相対的な位置関係は、ベルト基材(7)の端面と弾性層(8)が離型層(9)に被覆されており、且つ、ベルト基材(7)と離型層(9)とが接着されていれば、例えば図3(b)のように端面が揃っていなくとも同様の効果が得られる。これら相対的な位置関係は前記例に限定されるものではなく、要件が満たされていれば如何なる位置関係であっても同様の効果が得られる。
【0025】
図4は本発明の第2の実施形態における定着ベルトの構成を示す端部の断面図である。図4(a)において、定着ベルト(1)は耐熱性のベルト基材(7)上に、耐熱性のゴム状弾性体で構成された弾性層(8)、及びフッ素系樹脂で構成された離型層(9)を順次設けてあり、且つ、少なくともフッ素系樹脂を含む保護層(10)によって、ベルト基材(7)、弾性層(8)及び離型層(9)の端面が被覆されている。例えば、このような構成はベルト基材(7)上に弾性層(8)及び離型層(9)を設けた後に端部をカットしてから、保護層(10)を設けることで実現可能である。なお、本発明の定着ベルトにおける保護層(10)とは、ベルト基材(7)、弾性層(8)及び離型層(9)とは独立してベルト端部に形成された部分のことを指す。
【0026】
また、ベルト基材(7)、弾性層(8)及び離型層(9)の相対的な位置関係は、例えば図4(b)のようにベルト基材(7)と弾性層(8)の端面が表面に露出せず、且つ、保護層(10)とベルト基材(7)及び/または離型層(9)とが接着されていれば、端面が揃っていなくとも、あるいは保護層(10)と弾性層(9)とが接していなくとも同様の効果が得られる。これら相対的な位置関係は前記例に限定されるものではなく、要件が満たされていれば如何なる位置関係であっても同様の効果が得られる。
【0027】
なお、図3及び図4において、一般に各々の接着面はプライマー処理(本発明においては、プライマー層の膜厚は、概ね1μm以下である)されているが、ここでは図示していない。
プライマー層形成のためのプライマーは、油系のもの、ラッカー系のもの、ウオッシュプライマー等があるが、本発明においてはラッカー系のものまたはウオッシュプライマーが好ましく、うち特に、乾燥型(固化型)のものが好ましく、シリコン系(シランの縮合物によるもの、或いは、シランと例えばポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリレート共重合体等のフィルム形成能をもつポリマーとを組み合わせたもののようなシラン系を含む)、エポキシ系、ポリアミド系、エポキシ系、ポリビニルブチラール系等のものが好適に用いられ、これらは、混合物や共重合物であってよい。このように、本発明の定着ベルトにおいては、プライマー層は、表面が露出して装置の他部材と摺擦されることがないためか、ベルト基材の幅方向両端面を被覆する材料と異なり、より材料選択の自由度が高い。
【0028】
耐熱性のベルト基材(7)としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素系樹脂等の耐熱性樹脂、またはニッケルやステンレス等の金属が、厚さ30μmから200μmで好ましく用いられる。
【0029】
弾性層(8)を構成する耐熱性のゴム状弾性体としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等が、厚さ100μmから300μmで好ましく用いられる。
【0030】
離型層(9)を構成するフッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)、またはこれらの樹脂の混合物、耐熱性樹脂及び/または前記耐熱性のゴム状弾性体にこれらフッ素系樹脂を分散させたもの等が、厚さ1μmから50μmで好ましく用いられる。
【0031】
保護層(10)としては、前記離型層(9)を構成するフッ素系樹脂等と同様のものを用いることができるが、柔軟性及び摩擦抵抗の低減という観点から前記弾性層(8)を構成する耐熱性のゴム状弾性体に該フッ素系樹脂を分散させたものが、厚さ100μmから300μmで好ましく用いられる。
【実施例】
【0032】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(a−1)φ60mm、幅350mm、厚さ0.1mmのポリイミド樹脂製シームレスベルトの外周面にプライマー(東レダウコーニング社製、DY39−051)をスプレー塗装後、150℃で30分間乾燥して第1のプライマー層を形成する工程、
(b−1)この第1のプライマー層の上に耐熱性シリコーンゴム(東レダウコーニング社製、DY35−2083)のペーストを200μmの膜厚にブレードコート法により塗布し、該シリコーンゴムを120℃×15分間の1次加硫後、200℃×4時間の2次加硫を経て弾性層を形成する工程、
(c−1)ベルトの両端部をカットする工程、
(d−1)この弾性層の上面、及びベルトの両端面にフッ素系樹脂含有プライマーをスプレー塗装後、150℃で30分間乾燥して、第2のプライマー層を形成する工程、及び
(e−1)この第2のプライマー層全面にPFA分散液をスプレー塗装後、120℃で15分間乾燥して30μm厚の塗布層を形成し、この塗布層を340℃で30分間焼成して離型層を形成する工程、
を順次経て定着ベルトとした。
【0033】
実施例2
前記(b−1)の工程に引き続いて、
(c−2)この弾性層の上面、及びベルトの両端面に前記(d−1)と同様の方法で第2のプライマー層を形成する工程、
(d−2)この第2のプライマー層全面に前記(e−1)と同様の方法で離型層を形成する工程、
(e−2)ベルトの両端部をカットする工程、及び
(f−2)このベルトの両端面に、前記(b−1)で用いたシリコーンゴムにPTFE添加剤(三洋貿易社製、アルファフレックス101を2重量部、及びアルファフレックス202を10重量部)を配合したペーストをブレードコート法により塗布して30μm厚の塗布層を形成し、この塗布層を120℃×15分間および200℃×4時間加硫して保護層を形成する工程、
を順次経て定着ベルトとした。
【0034】
比較例1
前記(b−1)の工程に引き続いて、
(c−3)この弾性層の上に前記(d−1)と同様の方法で第2のプライマー層を形成する工程、
(d−3)この第2のプライマー層の上に前記(e−1)と同様の方法で離型層を形成する工程、及び
(e−3)ベルトの両端部をカットする工程、
を順次経て定着ベルトとした。
【0035】
比較例2
前記(e−2)の工程に引き続いて、
(f−4)ベルトの両端面に2液形可撓性エポキシ接着剤(EP008、セメダイン社製)をブレードコート法により塗布して200μm厚の塗布層を形成し、この塗布層を常温で12時間以上硬化させて可撓性エポキシ樹脂からなる保護層を形成する工程、
を順次経て定着ベルトとした。
【0036】
以上、前記実施例1、2及び比較例1、2で得た定着ベルトを用いて複写を行なった際に、複写枚数が「1枚」、「10万枚」、及び「20万枚」となった時点での定着ベルトを観察し、端部の折れ、シワ、亀裂、及び層間剥離といった異常の有無を確認した。
【0037】
評価基準は次の通りとした。
○:特に問題とならないレベル
△:部品の破損に繋がる可能性があるレベル
×:部品の破損につながり、直ちに交換が必要なレベル
−:評価を行わなかった項目
【0038】
評価結果は、次の表1の通りであった。
【0039】
【表1】


【0040】
実施例1及び2については、20万枚の複写を終えても定着ベルトに異常は見られなかった。また、比較例1については、10万枚の複写を終えた時点で折れ・シワ、亀裂、及び層間剥離が見られたが、部品は破損していなかったので評価を継続した。しかし、20万枚の複写を終えると、もはや定着ベルトとして使用できないレベルまで部品が破損した。なお、比較例2については、1枚の複写を終えた時点で端部のエポキシ樹脂が砕け、あるいは剥離して定着ベルトの外周面に付着してしまったので、評価を終了した。
また、表1には特記してないが、比較例で用いたエポキシ系接着剤に代えて、いずれも硬化型であるシアノアクリレート系接着剤、ウレタン系接着剤、メラミン系接着剤、尿素系接着剤、フェノール系接着剤を用いて同様に作製した定着ベルトについて、それぞれ、上と同様な複写を繰り返し、結果を検討したところ、これらはそれぞれ、一長一短が示されたものの、いずれも、実施例1、2のような好結果が得られなかったため、途中で評価を中止した。そして、これらの結果から、単に硬度が高い樹脂や接着強度の高いとされる樹脂、靭性の高い樹脂でベルトの幅方向両端面を塗工処理したものに比し、本発明の定着ベルトは、非常に優れた結果を齎すものであることが理解された。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】従来のベルト定着装置の構成図である。
【図2】従来の定着ベルトの端部断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す定着ベルトの端部断面図であって、(a)は本発明の第1の実施形態を示す構成図である。(b)は第1の実施形態におけるベルト基材と弾性層の相対的な位置関係が異なる一例を示す構成図である。
【図4】本発明の他の一実施形態を示す定着ベルトの端部断面図であって、(a)は本発明の第2の実施形態を示す構成図である。(b)は第2の実施形態におけるベルト基材と弾性層、及び離型層の相対的な位置関係が異なる一例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0042】
1 定着ベルト
2 加熱ローラ
3 定着ローラ
4 加圧ローラ
5a、5b ハロゲンヒータ
6a、6b、6c 温度センサー
7 ベルト基材
8 弾性層
9 離型層
10 保護層
P 記録材
T トナー




 

 


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