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発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−11212(P2007−11212A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−195020(P2005−195020)
出願日 平成17年7月4日(2005.7.4)
代理人 【識別番号】100090103
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 章悟
発明者 藤田 貴史 / 中藤 淳 / 高垣 博光 / 田村 博臣 / 国井 博之 / 上 浩二
要約 課題
転写定着体から像担持体への熱伝導を低減でき、2次転写定着同時方式においては像担持体へのトナーの固着や感光層の劣化などの問題を抑制でき、3次転写定着同時方式においては一層の省エネを図ることができる画像形成装置を提供する。

解決手段
中間転写ベルト2上において、トナーとは別個に粒子供給装置50により透明な粒子51が画像形成領域に点在するように供給される。粒子51は2次転写部位で中間転写ベルト2から転写定着ローラ13にトナー画像とともに転写され、3次転写部位において用紙P上にトナー画像とともに転写・定着される。粒子51は2次転写部位において、非画像部位における中間転写ベルト2と転写定着ローラ13の接触を防止し、転写定着ローラ13からの伝熱を低減する。
特許請求の範囲
【請求項1】
像担持体上のトナー像を加熱された転写定着体に転写するとともに、該転写定着体とこれに対向する部材により形成されるニップに記録媒体を通して定着を行う画像形成装置において、
上記像担持体と上記転写定着体との間に粒子を介在させ、上記転写定着体から上記像担持体への熱伝導を低減させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
上記像担持体が中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
上記トナー像を上記転写定着体に静電力で転写させる転写手段を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちの何れかに記載の画像形成装置において、
上記粒子が透明であり、少なくとも画像形成領域の非画像部位に点在するように供給されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の画像形成装置において、
上記粒子が透明であり、画像形成領域の略全体に存在するように供給されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちの何れかに記載の画像形成装置において、
上記粒子が内部に空気層を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至3のうちの何れかに記載の画像形成装置において、
トナーの色が異なる現像装置を複数有し、これらのトナーのうち最も淡色のトナーを上記粒子として用い、該粒子としてのトナーを画像形成領域の非画像部位に点在するように供給することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至3のうちの何れかに記載の画像形成装置において、
上記粒子の配置が、犯罪防止のための追跡パターンを兼ねることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至3のうちの何れかに記載の画像形成装置において、
上記粒子が磁性体を含有し、該粒子が上記転写定着体に転移しないように磁力で制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置において、
上記粒子が、上記トナー像を形成する現像装置に収容された二成分現像剤の中のキャリアであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置において、
現像バイアスと上記現像装置の現像ローラの磁力との関係を調整して上記キャリアの供給量を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項9乃至11のうちの何れかに記載の画像形成装置において、
所定のタイミングで磁力を調整し、上記像担持体から上記粒子を離脱させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像形成装置において、
磁力を発生する永久磁石を有し、上記磁力の調整が上記永久磁石の移動によってなされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項3に記載の画像形成装置において、
上記粒子の径は、トナー最大付着厚さよりも大きく、且つ、上記転写定着体への転写時におけるトナーチリの発生を抑制できる大きさに設定されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項2又は3に記載の画像形成装置において、
上記粒子が透明であり、上記粒子を画像形成領域の略全体に供給するポスターモード設定手段を有し、ポスターモードが設定されない場合には、画像形成領域の非画像部位に点在するように供給する通常プリントモードを実行することを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置に関し、詳しくは、像担持体上に形成されたトナー像を最終的に記録媒体に転写するとともに同時に定着する、転写定着同時方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やファクシミリ、プリンタ、さらには印刷機等の画像形成装置においては、紙やシート材等の記録媒体上に転写、担持させた未定着画像を加熱定着することによって複写物や記録物を得るようにしたものが多い。
このような装置における画像の定着に際しては、未定着画像を担持しているシート材等の記録媒体をローラ間のニップに挟んで搬送しながら未定着画像を加熱、加圧し、それによって未定着画像中に含まれる現像剤、特にトナーの溶融軟化及びシート材への浸透を行わせることにより、シート材にトナーを定着させている。
しかし、このような画像形成方法においては、最終的な定着後ではトナー層が3〜15μmであるのに対して、紙は60〜200μmと厚さ大で熱容量も大であり、この両者を同時に加熱することは紙を暖めることに大きなエネルギーを費やすことになり、電力を無駄に使っていることとなる。
【0003】
このエネルギーの不経済性を改善すべく、トナーと紙の加熱を分離し、トナーを紙との接触前に十分に加熱して軟化させておき、紙への転写時に同時に定着も行う「転写定着同時方式」が提案されている。
例えば特開平10−63121号公報には、転写定着体としての中間転写ベルトの駆動ローラの内部に熱源を設け、ベルトを介して駆動ローラに加圧ローラを圧接させてニップを形成し、ベルト上においてトナーをニップ手前で加熱し、加熱したトナーをニップで記録媒体に転写するとともに定着する構成が開示されている。
【0004】
この方式(以下、「2次転写定着同時方式」という)では、中間転写ベルトから記録媒体への2次転写が静電気力ではなく、定着の熱によって行われるので、画像品質の劣化が生じにくいという利点を有している。
すなわち、像担持体上に形成されたトナー画像を記録媒体に静電気力で転写する方式では、記録媒体の表面に凹凸があるため、記録媒体と像担持体が完全に密着せず、両者の間に不均一なギャップが生じ、これに起因して転写電界が乱れたり、トナー同士のクーロン反発力を招いたりするため、形成される画像に乱れが生じることがあるが、中間転写体を介した熱転写による「転写定着同時方式」では画像乱れは少ない。
【0005】
しかしながら、特開平10−63121号公報に記載の構成では、トナー加熱時間と同じだけ中間転ベルトも加熱され、しかも内面側からべルト厚み方向全体に加熱されるため、ベルトの熱保持状態が維持され、中間転写ベルトが次に1次転写領域に入る際、ベルト面に沿って配置された複数の像担持体(感光体)もベルト保持熱により加熱され、感光体へのトナーの固着や感光層の劣化などの問題が発生するという懸念があった。
この問題に対処すべく、本出願人は、特開2004−145260号公報において、3次転写形態の転写定着同時方式(以下、「3次転写定着同時方式」という)を提案した。
【0006】
これは、像担持体としての中間転写体上のトナー画像を加熱された転写定着体に2次転写し、該転写定着体上においてトナー単独の加熱工程を確保し、該転写定着体とこれに対向する部材により形成されたニップに記録媒体を通して3次転写及び定着を行う構成となっている。
この3次転写定着方式によれば、中間転写体を直接加熱する必要がないので、省エネルギー(以下、単に「省エネ」という)を図れるとともに、1次転写部位における感光体へのトナーの固着や感光層の劣化などの問題を抑制できる。
【0007】
【特許文献1】特開平10−63121号公報
【特許文献2】特開2004−145260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された2次転写定着同時方式では、上述のように、高画質化を実現できるものの、1次転写部位における感光体へのトナーの固着や感光層の劣化などの問題が発生するという懸念がある。また、紙への加熱量を低減できる代わりに中間転写体への熱量が必要となるため、エネルギーの不経済性についての改善はあまり望めなかった。
特許文献2に開示された3次転写定着同時方式では、1次転写部位を通過しない独立した転写定着体によりトナー加熱工程を確保するため、従来に比べて省エネ及び高画質化を達成できるとともに、2次転写定着同時方式における1次転写部位での感光体へのトナーの固着や感光層の劣化などの問題を抑制できる。
【0009】
しかしながら、3次転写定着同時方式について、本発明者等がさらに鋭意検討を行った結果、中高濃度部においては、トナーを十分に加熱でき且つ紙はあまり加熱しないため省エネが達成できるものの、低濃度部(ハイライト領域)においては中間転写体と転写定着体が接触し、その熱が中間転写体を加熱するため無駄な電力を消費する問題点があることが判った。すなわち、2次転写部位における中間転写体への熱拡散が発生することが判った。
特許文献2では、2次転写部位の接触圧、距離を可変する構成も提案されているが、画像部が通紙方向に帯状に存在する場合などは接触圧を一部弱めることは困難であり、トナーがある部分は、転写定着体、トナー、中間転写体という形で熱が伝わるため、トナーが断熱層として機能するが、トナーがない部分は、転写定着体、中間転写体、という直接の接触で熱が伝導されてしまう。
このため、3次転写定着同時方式において、画像の有無に拘わらず、中間転写体への伝熱による熱損失を低減することは従来困難と考えられてきた。
【0010】
本発明は、転写定着体から像担持体への熱伝導を低減でき、2次転写定着同時方式においては像担持体へのトナーの固着や感光層の劣化などの問題を抑制でき、3次転写定着同時方式においては一層の省エネを図ることができる画像形成装置の提供を、その主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、像担持体上のトナー像を加熱された転写定着体に転写するとともに、該転写定着体とこれに対向する部材により形成されるニップに記録媒体を通して定着を行う画像形成装置において、上記像担持体と上記転写定着体との間に粒子を介在させ、上記転写定着体から上記像担持体への熱伝導を低減させることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の画像形成装置において、上記像担持体が中間転写体であることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の画像形成装置において、上記トナー像を上記転写定着体に静電力で転写させる転写手段を有していることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の画像形成装置において、上記粒子が透明であり、少なくとも画像形成領域の非画像部位に点在するように供給されることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明では、請求項2又は3に記載の画像形成装置において、上記粒子が透明であり、画像形成領域の略全体に存在するように供給されることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明では、請求項1乃至5のうちの何れかに記載の画像形成装置において、上記粒子が内部に空気層を有していることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明では、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の画像形成装置において、トナーの色が異なる現像装置を複数有し、これらのトナーのうち最も淡色のトナーを上記粒子として用い、該粒子としてのトナーを画像形成領域の非画像部位に点在するように供給することを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明では、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の画像形成装置において、上記粒子の配置が、犯罪防止のための追跡パターンを兼ねることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明では、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の画像形成装置において、上記粒子が磁性体を含有し、該粒子が上記転写定着体に転移しないように磁力で制御することを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の画像形成装置において、上記粒子が、上記トナー像を形成する現像装置に収容された二成分現像剤の中のキャリアであることを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の画像形成装置において、現像バイアスと上記現像装置の現像ローラの磁力との関係を調整して上記キャリアの供給量を調整することを特徴とする。
【0022】
請求項12に記載の発明では、請求項9乃至11のうちの何れかに記載の画像形成装置において、所定のタイミングで磁力を調整し、上記像担持体から上記粒子を離脱させることを特徴とする。
【0023】
請求項13に記載の発明では、請求項12に記載の画像形成装置において、磁力を発生する永久磁石を有し、上記磁力の調整が上記永久磁石の移動によってなされることを特徴とする。
【0024】
請求項14に記載の発明では、請求項3に記載の画像形成装置において、上記粒子の径は、トナー最大付着厚さよりも大きく、且つ、上記転写定着体への転写時におけるトナーチリの発生を抑制できる大きさに設定されていることを特徴とする。
【0025】
請求項15に記載の発明では、請求項2又は3に記載の画像形成装置において、上記粒子が透明であり、上記粒子を画像形成領域の略全体に供給するポスターモード設定手段を有し、ポスターモードが設定されない場合には、画像形成領域の非画像部位に点在するように供給する通常プリントモードを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1又は2に記載の発明によれば、転写定着体から像担持体への熱移動を抑制できるので、2次転写定着同時方式においては像担持体へのトナーの固着や感光層の劣化などの問題を抑制でき、3次転写定着同時方式においては一層の省エネを図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、3次転写定着同時方式において、2次転写部位における転写精度を高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、画質に影響を与えることなく伝熱抑制機能を得ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、耐水性に優れた高画質化を実現できるとともに、高い伝熱抑制機能を得ることができる。
【0027】
請求項6に記載の発明によれば、高い伝熱抑制機能を得ることができる。
請求項7に記載の発明によれば、消耗品種を増やすことなく伝熱抑制機能を得ることができる。
請求項8に記載の発明によれば、消耗品量を増やすことなく伝熱抑制機能を得ることができる。
請求項9に記載の発明によれば、消耗品量を極力低減できるとともに、伝熱抑制機能を得ることができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、消耗品量を増やすことなく通常の画像形成動作を利用して伝熱抑制機能を得ることができる。
請求項11に記載の発明によれば、伝熱抑制機能を確実に得ることができる。
請求項12に記載の発明によれば、粒子の滞留によるトラブルを防止できる。
請求項13に記載の発明によれば、簡易な構成によって粒子を制御できる。
請求項14に記載の発明によれば、トナーチリを抑制でき、高画質化を実現できる。
請求項15に記載の発明によれば、ユーザの好みに応じて画質を変えることができ、使用性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて本実施形態における画像形成装置としてのタンデム型のカラー複写機の構成及び動作の概要を説明する。カラー複写機1は、装置本体中央部に位置する画像形成部1Aと、該画像形成部1Aの下方に位置する給紙部1Bと、画像形成部1Aの上方に位置する図示しない画像読取部を有している。
画像形成部1Aには、水平方向に延びる転写面を有する中間転写体としての中間転写ベルト2が配置されており、該中間転写ベルト2の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体3Y、3M、3C、3Bが中間転写ベルト2の転写面に沿って並置されている。
【0030】
各感光体3Y、3M、3C、3Bはそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置4、光書き込み手段としての書き込み装置5、現像装置6、1次転写装置7、及びクリーニング装置8が配置されている。各符号に付記しているアルファベットは、感光体3と同様、トナーの色別に対応している。各現像装置6には、それぞれのカラートナーが収容されている。
中間転写ベルト2は、駆動ローラ9a、転写手段としての転写ブレード9bと、従動ローラ10間に掛け回されて感光体3Y、3M、3C、3Bとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。従動ローラ10と対向する位置には、中間転写ベルト2の表面をクリーニングするクリーニング装置11が設けられている。
感光体3Yのベルト移動方向下流側近傍には、後述する透明な粒子を供給する粒子供給装置50が配置されている。
【0031】
感光体3Yの表面が帯電装置4Yにより一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体3Y上に静電潜像が形成される。該静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置6Yによりトナー像として可視像化され、該トナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置7Yにより中間転写ベルト2上に1次転写される。他の感光体3M、3C、3Bでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が中間転写ベルト2上に順に転写されて重ね合わせられる。
転写後感光体3上に残留したトナーはクリーニング装置8により除去され、また、転写後図示しない除電ランプにより感光体3の電位が初期化され、次の作像工程に備えられる。
【0032】
駆動ローラ9a、転写ブレード9bの近傍には、定着装置12が設けられている。定着装置12は、中間転写ベルト2上の画像としての未定着トナー像を転写される転写定着体としての転写定着ローラ13と、該転写定着ローラ13とニップN(以下、「ニップ」又は「転写ニップ」ともいう)を形成する加圧部材又は対向部材としての加圧ローラ14を有している。転写定着ローラ13は鉄等の金属によりパイプ状に形成された芯金上にシリコーンゴム等の弾性層を設け、その表面に離型層がコーティングしてある。
離型層には、トナーを保持し、転写紙等のシート状記録媒体と加圧接触するための離型性が必要であり、また耐熱性、耐久性に優れたものが好ましい。そのため、転写定着ローラ13の表層は、耐熱離型層(四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、及び四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)等のうち少なくとも一つを成分として含んでいる)で被覆した構成になっている。
【0033】
転写定着ローラ13の内部には転写定着ローラ13上の画像を加熱する加熱手段としてのハロゲンヒータ15が設けてある。そして、転写定着ローラ13の表面温度を測定するための非画像領域(ニップ下流部)に設けた図示しないサーミスタから得られる表面温度に基づいてハロゲンヒータ15のオンオフをコントロールする温度コントローラ(図示しない)を設け、転写定着ローラ13の温度を制御できるように構成してある。
一方、加圧ローラ14は、転写定着ローラ13と同様にアルミニウム等の金属により棒状あるいはパイプ状に形成した芯金14aの外周に、硬度が高いシリコーンゴム等の弾性層14bを設け、その表層にテフロン(登録商標)等の離型層を形成してある。
【0034】
給紙部1Bは、記録媒体としての用紙Pを積載収容する給紙トレイ16と、該給紙トレイ16内の用紙Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して給紙する給紙コロ17と、給紙された用紙Pを搬送する搬送ローラ対18と、用紙Pが一旦停止され、斜めずれを修正された後転写定着ローラ13上の画像の先端と搬送方向の所定位置とが一致するタイミングでニップNに向けて送り出されるレジストローラ対19を有している。
【0035】
感光体3Y、3M、3C、3Bから中間転写ベルト2上に1次転写されたトナー像T(以下、単に「トナー」ともいう)は、図示しないバイアス印加手段により転写ブレード9bに印加されるバイアス(AC、パルスなどの重畳を含む)により転写定着ローラ13に静電気力で、且つ、トナーの軟化による密着力(熱転写)で2次転写される。熱転写のみの転写方式としてもよい。
【0036】
中間転写ベルト2と転写定着ローラ13との間には、転写定着ローラ13から中間転写ベルト2への熱放射(熱移動)を抑制する熱遮蔽部材又は熱移動抑止部材としての断熱プレート20が設けられている。断熱プレート20は、中間転写ベルト2から転写定着ローラ13への2次転写を阻害しない状態で中間転写ベルト2への熱放射を極力抑えるように、開口部を有する形状に形成されており、図示しない定着装置本体、画像形成装置本体のいずれの側に設けてもよい。
中間転写ベルト2の転写定着ローラ13に対する転写部(転写定着ローラ13との対向部)と、最も上流側の感光体3Bに対する転写部との間には、中間転写ベルト2の熱を奪う冷却部材としての冷却ローラ210が設けられている。冷却ローラ210は熱伝導率の高い材料で形成されており、中間転写ベルト2に接触して回転し、転写定着ローラ13からの熱を除去し、各感光体3Y、3M、3C、3Bkが熱により劣化することを防止する。
【0037】
中間転写ベルト2から転写定着ローラ13に転写されたトナー像TはニップNで用紙Pに定着されるまで、転写定着ローラ13上において単独で加熱される。トナーTのみを予め加熱する過程が十分に得られるので、トナーTと用紙Pを同時に加熱する従来方式に比べて加熱温度を低くできる。実験の結果、転写定着ローラ13の温度は110〜120°Cの低温でも十分な画質が得られることが確認された。
【0038】
本発明のトナーに用いる結着樹脂としては、本発明のトナーの特性を満足するものであれば、以下の組成のものを使用することができる。
例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレンーイソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体が挙げられる。
【0039】
図2に示すように、粒子供給装置50は、合成樹脂製の透明な粒子51を収容するケーシング52と、粒子51を掬い上げるスポンジローラ53と、該スポンジローラ53から粒子51を受け取る粒子供給ローラ54と、該粒子供給ローラ54上の粒子層厚みを規制するブレード55と、中間転写ベルト2の内側に配置されたバイアスローラ56等を有している。
粒子51の材料としては、上記トナーの結着樹脂と同様のものを採用することができる。
図3に示すように、粒子51は画像形成領域全面に点在するように供給される。非画像部位のみに供給する訳ではないので、アルファベットの大文字(ABCDEFGHIJKLMN)が形成される画像部位にも点在することになるが、粒子51は透明であるので画質への影響はない。
粒子51を画像形成領域全面に点在するように供給するには、ブレード55による層厚みの規制を調整すればよく、現像ローラによるトナー供給量のバラツキ現象と同様の原理で行うことができる。
バイアスローラ56に印加するバイアスを調整することによっても点在供給は可能である。
本実施形態では粒子51を全面に点在させる供給方式としたので、非画像部位のみに供給する場合に比べて構成、制御が容易となる。
【0040】
転写定着ローラ13の熱が中間転写ベルト2に伝熱すると、転写定着ローラ13の温度維持に無駄なエネルギーが発生する。これによって高速機では100V15Aでの温度維持が困難となり、生産性が低下する。この問題はトナー像がない部分(地肌部、紙間)で顕著である。
オフィス用途の画像形成装置における画像部分は面積率で5〜10%が大半で、地肌部によって伝熱が必然的に発生する。
【0041】
図4に示すように、中間転写ベルト2と転写定着ローラ13との間において、画像部位ではトナーTにより間隔保持部材(スペーサ)としての機能が得られるので隙間gが確保され、断熱機能が得られる。非画像部位においても同様に、粒子51の存在により隙間gが確保され、断熱機能が得られる。
したがって、いわゆる白ベタ等の非画像部位(地肌部)が存在しても、中間転写ベルト2と転写定着ローラ13が直接接触することはなく、転写定着ローラ13から中間転写ベルト2への熱移動が抑制される。紙間(画像形成領域と次の用紙の画像形成領域との間)においても同様に直接接触による熱移動は防止される。
粒子51は、断熱部材としての機能を果たしながらトナーTと同様に転写定着ローラ13へ2次転写され、その後用紙P上にトナーTと同様に3次転写・定着される。
【0042】
中間転写ベルト2と転写定着ローラ13は軽加圧状態で接触している。ここで、「軽加圧」とは、下記の条件下における2次転写ニップ加圧力をいう。
2次転写ニップ加圧力<ギャップ粒子(粒子51、トナーT)を転写定着ローラ13の表面に埋没させる力<ギャップ粒子を破壊する力
【0043】
また、本実施形態では、図5に示すように、粒子51の径t2は、トナー最大付着厚さt1よりも大きく、且つ、転写定着ローラ13への転写時におけるトナーチリの発生を抑制できる大きさに設定されている。具体的には、粒子51の粒径はトナー最大付着厚さt1の2倍以下(t1+50μm以下)としている。
粒子51が大きすぎると断熱性は向上するが、トナーの転写チリが増加し画質が劣化する。上述のように転写定着ローラ13への転写は、熱転写に加えて静電気力も利用している。これは、トナー像の表層は熱転写により転写が可能であるが、下層は静電転写によるところが大きいからである。
静電転写の場合にはギャップgが大きすぎるとトナーのチリが発生するため、これを抑制するための上限値が必要となる。この値は条件に応じて実験により最適値を求めることができ、上記値は一例である。
【0044】
粒子51を画像形成領域略全面に密に供給(配置)するようにしてもよい(第2の実施形態)。このようにした場合、最も熱移動を抑制することができる。これに加えて、光沢性が高く、色再現範囲も広い銀塩写真のような高画質が得られる。また、紙表面が透明樹脂で覆われることになるので、ポスターなど耐水性に優れた印刷物を得ることができる。すなわち、粒子51の供給量を調整するだけで特殊用途への対応が可能となる。
図6に、各種粒径の粒子を0から100%の面積占有率で配置した場合の断熱効果の実験結果を示す。
100%は当然であるが高い断熱性を示す。また、同じ占有面積率では粒子の径が大きい程損失電力は少ない。透明トナーを用いて写真画像のような全面光沢の画像であれば、最も省エネが達成されることになる。
【0045】
図7に示すように、例えば画像形成装置の操作パネル70に、透明な粒子51を画像形成領域の略全体に供給するポスターモード(写真モード)設定手段としてのポスターモード設定キー71を設け、ユーザが任意に選択できるようにしてもよい(第3の実施形態)。
ポスターモード設定キー71が押されると、液晶表示部72に例えば「ポスターモードを実行します。」という旨の表示がなされる。
ポスターモード設定手段71が押されない場合には、粒子51を画像形成領域の非画像部位に点在するように供給する通常プリントモードが実行される。
【0046】
粒子51としては、図8に示すように、内部に空気層57を有する構成としてもよい(第4の実施形態)。このようにすれば、中間転写ベルト2と転写定着ローラ13間の隙間gにおける空気層の比率を高めることができるので、熱移動をさらに抑制することができる。
現在カラー画像形成に用いられるトナーのうち、最も淡色であるイエロートナーは、非画像部位に点在させても視認することは困難で、画質に影響を与えない。
この観点から、画質に影響を及ぼさない最も淡色のトナー(ここではイエロートナー)を粒子51として用いてもよい(第5の実施形態)。
本実施形態では、感光体3Yへの潜像形成時に、非画像部位にも粒子(イエロートナー)の点在パターンが書き込まれ、現像装置6Yにより所定の画像と共に現像される。
このように既存の画像形成手段を用いることとすれば、透明粒子を用いる場合に比べ、消耗品種を増やすことがなく、且つ、粒子51の供給装置を新たに設ける必要がないので構成の容易化、低コスト化を実現できる。
紙間における伝熱抑制においても同様に画像形成手段を利用することができる。
【0047】
透明粒子を用いる場合、上記淡色トナーを用いる場合の何れにおいても、従来より取り入れられている有価証券などの犯罪防止の追跡パターン(どのメーカあるいはロットの機械でコピープリントしたかが解析可能)を、粒子51の配置が兼ねるようにしてもよい(第6の実施形態)。
この場合、本来必要なものとして粒子51が消費されるため、消耗品量をほとんど増やすことなく伝熱を低減できる利点を有している。
【0048】
次に、図9及び図10に基づいて第7の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
図1の構成と異なるのは、転写定着ローラ13を反射板を有する加熱源58により外部から加熱する点、転写定着ローラ13の放熱を抑制するためにプレート59で覆っている点、ニップに進入する前の用紙Pの表面を加熱する記録媒体加熱手段としてのヒータ25を設けた点、転写ブレード9cの近傍に磁力源としての永久磁石60を矢印61方向に移動可能に配置した点等である。
【0049】
また、本実施形態における粒子51’は磁性体を含有するものであり、磁力によってその挙動を制御できるものである。したがって、粒子51’は磁性体そのものであってもよい。以下、粒子51’を「磁性粒子」ともいう。
本実施形態では、磁性粒子51’として、二成分現像剤を用いた画像形成において通常の現像工程で現像装置から流出するキャリアを利用している。すなわち、二成分現像ではいわゆる「キャリア付着」という現象があり、少量のキャリアが流出することを避けられないため、流出したキャリアをそのまま磁性粒子51’として利用しようというものである。
図9に示すように、中間転写ベルト2上に供給される磁性粒子51’は2次転写部位のベルト移動方向上流側近傍に磁力で留まる。永久磁石60の磁力は、磁性粒子51’が転写定着ローラ13へ転写されるのを阻止可能な大きさに設定されている。
2次転写部位における磁性粒子51’の量は時間の経過とともに増加するが、定期的に永久磁石60を図中左側に移動させて磁力を弱め、又は消失させることにより磁性粒子51’が必要以上に滞留しないようにしている。すなわち、永久磁石60の移動により2次転写部位における磁性粒子51’の量を調整することができる。
【0050】
永久磁石60の移動制御は、図10に示す制御手段63により、例えばソレノイド等の磁石移動手段68を介してなされる。
制御手段63は、I/Oインターフェース64、CPU65、ROM66、RAM67を有するマイクロコンピュータであり、ROM66又はRAM67には、予め実験等により求められた、永久磁石60を移動させるための最適時間間隔(例えば所定の通紙枚数間隔)が記憶されている。
磁力が弱められると、磁性粒子51’は間隔保持部材としての役目を終えて中間転写ベルト2上から自重で下方に落下し、受け部材62に収容される。
【0051】
二成分現像のキャリアを用いることで消耗品の種類を増やすことがない。その粒径は20〜50μmで確認したが、50μm以下であれば、画質への影響は極めて少ないことを確認した。磁性粒子51’は回収されるため、透明性は要求されない。
粒子51’の点在配置において、キャリアの量が少ない場合には、現像バイアスを強めにするとともに、現像装置の現像ローラのマグネット力を相対的に弱くし、トナーとともにキャリアが感光体へ移動するように調整し、キャリアの流出量を意図的に多くすればよい。
また、現像装置から出るキャリアを利用せずに、磁性体を含有し、又は磁性体そのものである粒子51’を専用の供給装置により別途供給するようにしてもよい。
【0052】
上記各実施形態では、像担持体を無端ベルト状の中間転写ベルト2としたが、図11に示すように円筒状の中間転写体26を用いる構成においても同様に実施することができる(第8の実施形態)。
また、図12に示すように、ベルト状の転写定着体41を用いる構成においても同様に実施することができる(第9の実施形態)。転写定着体41は、内部にハロゲンヒータ32を有する加熱ローラ33と、芯金42a及び弾性層42bを有するローラ42と、加熱ローラ33とローラ42に掛け回した転写定着ベルト43を有している。
芯金44a及び弾性層44bを有する加圧ローラ44のローラ42に対する圧接によりニップNが形成され、加圧ローラ44に対する転写定着ベルト43の張力により弱加圧部Naが形成される。図12において、符号73は駆動ローラを示す。
また、上記各実施形態では「3次転写定着同時方式」での例を示したが、特許文献1に開示されるような「2次転写定着同時方式」においても同様に実施することができる。この場合、粒子は感光体と中間転写体(中間転写ベルト)との間に供給される。具体的には、粒子供給装置50は、ベルト移動方向最上流側に位置する感光体よりも上流に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置の概要側面図である。
【図2】粒子供給装置の概要断面図である。
【図3】透明な粒子を全面に点在させた状態の出力紙の平面図である。
【図4】2次転写部位における伝熱低減機能を示す図である。
【図5】トナー層の厚みに対する粒子の大きさを示す図である。
【図6】粒子占有面積率と損失電力の関係を示すグラフである。
【図7】第3の実施形態におけるポスターモード設定手段を示す概要平面図である。
【図8】第4の実施形態における粒子の概要断面図である。
【図9】第7の実施形態における要部正面図である。
【図10】第7の実施形態における制御ブロック図である。
【図11】第8の実施形態における要部正面図である。
【図12】第9の実施形態における要部正面図である。
【符号の説明】
【0054】
2 像担持体としての中間転写ベルト
6Y、6M、6C、6B 現像装置
13 転写定着体としての転写定着ローラ
14 対向する部材としての加圧ローラ
51、51’ 粒子
57 空気層
60 永久磁石
71 ポスターモード設定手段
P 記録媒体としての用紙




 

 


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