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発明の名称 プロセスカートリッジ、並びに画像形成装置及び画像形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−11135(P2007−11135A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−193941(P2005−193941)
出願日 平成17年7月1日(2005.7.1)
代理人 【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
発明者 高橋 宏明 / 左近 洋太 / 梅村 和彦 / 内海 知子
要約 課題
像担持体上へのワックスフィルミングを抑制し、良好な画像特性を得ることが可能なプロセスカートリッジ、並びに画像形成装置及び画像形成方法の提供。

解決手段
像担持体と、少なくともワックス及びバインダー樹脂を含有するトナーにより前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記クリーニング手段は、前記像担持体の回転方向に対し、逆方向に当接するクリーニングブレードを有し、該ブレードは、前記像担持体の当接部において、軸方向の切断面と前記像担持体表面とのなす角度が、前記像担持体の回転上流方向に対する角度として90〜120度の範囲にあり、前記クリーニングブレードの23℃における反発弾性が60%以上であり、かつ前記ブレードの前記像担持体に対する当接圧が0.2N/cm以下である画像形成装置である。
特許請求の範囲
【請求項1】
像担持体と、少なくともワックス及びバインダー樹脂を含有するトナーにより前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有するプロセスカートリッジであって、
前記クリーニング手段が、前記像担持体の回転方向に対し、逆方向に該像担持体表面に当接するクリーニングブレードを有し、該ブレードは、前記像担持体の当接部において、軸方向の切断面と該像担持体表面とのなす角度が、前記像担持体の回転上流方向に対する角度として90〜120度の範囲にあり、前記クリーニングブレードの23℃における反発弾性が60%以上であり、かつ該ブレードの前記像担持体に対する当接圧が0.2N/cm以下であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
クリーニングブレードの300%モジュラスが、200kg/cm以上である請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
トナーのワックスの含有量が、DSC(示差走査熱量法)により求められるワックスの吸熱量を質量換算した値で、全トナー質量の20質量%以下である請求項1から2のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
トナー内部におけるワックス分散径0.1〜3μmである粒子が70個数%以上である請求項1から3のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
トナーの体積平均粒径が8μm以下である請求項1から4のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
トナーの体積平均粒径が5.5μm以下である請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
トナーの平均円形度が0.92以上である請求項1から6のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
トナーの平均円形度が0.95以上である請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のプロセスカートリッジを画像形成装置内に着脱可能に搭載してなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
像担持体と、少なくともワックス及びバインダー樹脂を含有するトナーにより前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記クリーニング手段が、前記像担持体の回転方向に対し、逆方向に該像担持体表面に当接するクリーニングブレードを有し、該ブレードは、前記像担持体の当接部において、軸方向の切断面と該像担持体表面とのなす角度が、前記像担持体の回転上流方向に対する角度として90〜120度の範囲にあり、前記クリーニングブレードの23℃における反発弾性が60%以上であり、かつ該ブレードの前記像担持体に対する当接圧が0.2N/cm以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
クリーニングブレードの300%モジュラスが200kg/cm以上である請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
トナーのワックスの含有量が、DSC(示差走査熱量法)により求められるワックスの吸熱量を質量換算した値で、全トナー質量の20質量%以下である請求項10から11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
トナー内部におけるワックス分散径0.1〜3μmである粒子が70個数%以上である請求項10から12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
トナーの体積平均粒径が8μm以下である請求項10から13のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
トナーの体積平均粒径が5.5μm以下である請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
トナーの平均円形度が0.92以上である請求項10から15のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項17】
トナーの平均円形度が0.95以上である請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
少なくともワックス及びバインダー樹脂を含有するトナーにより前記像担持体上にトナー像を形成する現像工程と、前記像担持体表面に残留したトナーを除去するクリーニング工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記クリーニング工程では、前記像担持体の回転方向に対し、逆方向に該像担持体表面に当接するクリーニングブレードを用い、該ブレードは、前記像担持体の当接部において、軸方向の切断面と該像担持体表面とのなす角度が、前記像担持体の回転上流方向に対する角度として90〜120度の範囲にあり、前記クリーニングブレードの23℃における反発弾性が60%以上であり、かつ該ブレードの前記像担持体に対する当接圧が0.2N/cm以下であることを特徴とする画像形成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成に用いられ、特に、像担持体表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置を搭載したプロセスカートリッジ並びに画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カールソンプロセスや、このカールソンプロセスの種々の変形プロセスを用いた電子写真方法が、複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真分野において広く使用されている。
【0003】
この電子写真方法に用いられる電子写真感光体(「像担持体」、「感光体」と称することもある)としては、安価、大量生産性、無公害性等の利点から、近年、有機系の感光材料が汎用され、かつ、保護層の追加等、耐久性についても種々の対策が施されるようになっている。
【0004】
また、電子写真方法に用いられるトナーとしては、高画質化の課題に対し、帯電の安定化に加えて、トナーの小粒径化や球形化への要求が大きくなっている。また、電子写真の機能向上に対し、この電子写真の機能向上にかかわる構成部材についても高耐久、高画質を達成する高機能化、最適化が必要とされるようになってきている。なかでも、クリーニングにかかわる技術は、電子写真プロセスの各要素との関連性が深く、出力画像への影響も非常に大きい。
【0005】
このようなクリーニング装置としては、クリーニングブレードを用いたクリーニング装置、導電性又は絶縁性の繊維からなるファーブラシローラを用いたクリーニング装置、研磨能力を有するクリーニングローラを用いたクリーニング装置、潤滑剤物質を自ら内包したクリーニングローラを用いたクリーニング装置、磁性体粉末をローラ表面に配した磁気ブラシローラを用いたクリーニング装置、吸引器を用いたクリーニング装置などの各種方式のクリーニング装置が一般的に知られている。これらの中でも、最も一般的に用いられているクリーニング装置の方式としては、クリーニングブレードを用いる方式がある。このクリーニングブレードを用いる方式は、トナーの除去性が高く、簡潔な構造で、装置の小型化を図ることが容易であるという特長がある。
【0006】
一方、近年の省エネルギー化、高速化を図るため、低エネルギーで定着可能なトナーが要求されている。このため、低温定着化のために分子量の小さい柔らかい樹脂が使用されている。しかし、このような分子量の小さい柔らかい樹脂は、ホットオフセットの発生が問題となり、その結果、トナーにワックスを含有することになる。
【0007】
しかしながら、ワックス含有するトナーを使用した場合には、トナー中のワックス成分が感光体に付着する、いわゆる、感光体へのワックスフィルミングが発生することになる。このようなワックスフィルミングは、クリーニングブレードを具備するクリーニング装置において、クリーニングブレードのエッジ部分に滞留したトナーが、感光体に押しつけられ、トナー中のワックス成分が感光体に移行してしまうことが原因の1つと考えられている。
【0008】
感光体へのワックスフィルミングが発生すると、様々な異常画像が発生することになる。例えば、高温高湿化、あるいは、NOxやオゾンなどの酸化ガスの雰囲気化において、画像の輪郭がぼけて解像度が大幅に低下する画像ボケが、ワックスフィルミングにより助長されることになる。
また、感光体の露光部の電位が十分に低下しないため、地汚れが発生したり、更に、画像部も濃度部が低くなり、プアな画像となり、画像上重大な欠陥を生じたりしてしまう。特に、近年では環境問題の観点から、省エネルギー化の要求化が大変強く、トナーの低温定着化が加速する方向にあり、トナーのワックス含有量も増加しているため、ワックスフィルミングに対する対策が必要となる。
【0009】
また、近年では高画質化のためにトナーを球形化、小径化しているのが現状である。このようにトナーを球形化することで、現像性、転写性が上がり、また、トナーを小径化することによって、潜像に忠実な高精細な画像を得ることが可能となる。しかし、球形化、小径化したトナーはクリーニングが難しく、クリーニングブレードで良好なクリーニングを行うには大きなブレード当接圧が必要となり、その結果、フィルミングが発生しやすくなる。このため、球形化、小径化したトナーを使用しつつ、かつ高画質とフィルミングとの両立を行うことは極めて困難である。
【0010】
前記課題を解決するため、先行技術として、例えば、ワックスの含有量を0.1〜40質量%とし、トナー表面に露出するワックスの存在割合がトナー表面に露出する構成化合物の1〜10質量%であり、ワックスの形状が薄片状であり、且つ、該ワックスの数平均分散径が0.1〜2μmとし、フィルミングの問題を解決したものがある(特許文献1参照)。
また、少なくとも樹脂とワックスを含む電子写真用トナーであって、樹脂がポリエステル樹脂等の縮合系樹脂であり、ワックスがトナー粒子に内包されかつ粒子の表面近傍に局在化している電子写真用トナーがある(特許文献2参照)。
これら特許文献1及び2は、いずれもトナー表面に露出するワックス量を少なくし、ワックスフィルミングを抑える方法が提案されている。
【0011】
しかしながら、前記特許文献1及び2では、感光体に押しつけるクリーニングブレードの圧力により、クリーニングブレードのエッジ部分に滞留するトナーにも圧力が加わることになり、最表面にワックスが存在しない場合でも、表面近傍や内部のワックス成分が染み出し、ワックスフィルミングが発生し、異常画像になる場合があるため、十分な耐ワックスフィルミングを得ることができないという問題がある。
【0012】
【特許文献1】特許第3225889号公報
【特許文献2】特開2002−6541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、像担持体上へのワックスフィルミングを抑制し、良好な画像特性を得ることができるプロセスカートリッジ、並びに画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 像担持体と、少なくともワックス及びバインダー樹脂を含有するトナーにより前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有するプロセスカートリッジであって、
前記クリーニング手段が、前記像担持体の回転方向に対し、逆方向に該像担持体表面に当接するクリーニングブレードを有し、該ブレードは、前記像担持体の当接部において、軸方向の切断面と該像担持体表面とのなす角度が、前記像担持体の回転上流方向に対する角度として90〜120度の範囲にあり、前記クリーニングブレードの23℃における反発弾性が60%以上であり、かつ該ブレードの前記像担持体に対する当接圧が0.2N/cm以下であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
<2> クリーニングブレードの300%モジュラスが、200kg/cm以上である前記<1>に記載のプロセスカートリッジである。
<3> トナーのワックスの含有量が、DSC(示差走査熱量法)により求められるワックスの吸熱量を質量換算した値で、全トナー質量の20質量%以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のプロセスカートリッジである。
<4> トナー内部におけるワックス分散径0.1〜3μmである粒子が70個数%以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載のプロセスカートリッジである。
<5> トナーの体積平均粒径が8μm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のプロセスカートリッジである。
<6> トナーの体積平均粒径が5.5μm以下である前記<5>に記載のプロセスカートリッジである。
<7> トナーの平均円形度が0.95以上である前記<1>から<6>のいずれかに記載のプロセスカートリッジである。
<8> トナーの平均円形度が0.98以上である前記<7>に記載のプロセスカートリッジである。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のプロセスカートリッジを画像形成装置内に着脱可能に搭載してなることを特徴とする画像形成装置である。
<10> 像担持体と、少なくともワックス及びバインダー樹脂を含有するトナーにより前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記クリーニング手段が、前記像担持体の回転方向に対し、逆方向に該像担持体表面に当接するクリーニングブレードを有し、該ブレードは、前記像担持体の当接部において、軸方向の切断面と該像担持体表面とのなす角度が、前記像担持体の回転上流方向に対する角度として90〜120度の範囲にあり、前記クリーニングブレードの23℃における反発弾性が60%以上であり、かつ該ブレードの前記像担持体に対する当接圧が0.2N/cm以下であることを特徴とする画像形成装置である。
<11> クリーニングブレードの300%モジュラスが200kg/cm以上である前記<10>に記載の画像形成装置である。
<12> トナーのワックスの含有量が、DSC(示差走査熱量法)により求められるワックスの吸熱量を質量換算した値で、全トナー質量の20質量%以下である前記<10>から<11>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<13> トナー内部におけるワックス分散径0.1〜3μmである粒子が70個数%以上である前記<10>から<12>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<14> トナーの体積平均粒径が8μm以下である前記<10>から<13>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<15> トナーの体積平均粒径が5.5μm以下である前記<14>に記載の画像形成装置である。
<16> トナーの平均円形度が0.92以上である前記<10>から<15>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<17> トナーの平均円形度が0.95以上である前記<16>に記載の画像形成装置である。
<18> 少なくともワックス及びバインダー樹脂を含有するトナーにより前記像担持体上にトナー像を形成する現像工程と、前記像担持体表面に残留したトナーを除去するクリーニング工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記クリーニング工程では、前記像担持体の回転方向に対し、逆方向に該像担持体表面に当接するクリーニングブレードを用い、該ブレードは、前記像担持体の当接部において、軸方向の切断面と該像担持体表面とのなす角度が、前記像担持体の回転上流方向に対する角度として90〜120度の範囲にあり、前記クリーニングブレードの23℃における反発弾性が60%以上であり、かつ該ブレードの前記像担持体に対する当接圧が0.2N/cm以下であることを特徴とする画像形成方法である。
【0015】
本発明のプロセスカートリッジは、像担持体と、少なくともワックス及びバインダー樹脂を含有するトナーにより前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有してなり、
前記クリーニング手段が、前記像担持体の回転方向に対し、逆方向に当接するクリーニングブレードを有し、該ブレードは、前記像担持体の当接部において、軸方向の切断面と前記像担持体表面とのなす角度が、前記像担持体の回転上流方向に対する角度として90〜120度の範囲にあり、前記クリーニングブレードの23℃における反発弾性が60%以上であり、かつ前記ブレードの前記像担持体に対する当接圧が0.2N/cm以下である。
本発明のプロセスカートリッジによれば、上記構成を備えていることにより、像担持体上へのワックスフィルミングを抑制し、良好な画像特性を得ることができる。
【0016】
本発明の画像形成装置は、第1形態では、本発明の前記プロセスカートリッジを画像形成装置内に着脱可能に搭載してなる。
本発明の画像形成装置は、第2形態では、像担持体と、少なくともワックス及びバインダー樹脂を含有するトナーにより前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有してなり、
前記クリーニング手段は、前記像担持体の回転方向に対し、逆方向に当接するクリーニングブレードを有し、該ブレードは、前記像担持体の当接部において、軸方向の切断面と前記像担持体表面とのなす角度が、前記像担持体の回転上流方向に対する角度として90〜120度の範囲にあり、前記クリーニングブレードの23℃における反発弾性が60%以上であり、かつ前記ブレードの前記像担持体に対する当接圧が0.2N/cm以下である。
本発明の第1形態及び第2形態のいずれかに記載の画像形成装置によれば、像担持体上へのワックスフィルミングを抑制し、良好な画像特性を有する画像を形成することができる。
【0017】
本発明の画像形成方法は、少なくともワックス及びバインダー樹脂を含有するトナーにより前記像担持体上にトナー像を形成する現像工程と、前記像担持体表面に残留したトナーを除去するクリーニング工程とを少なくとも含んでなり、
前記クリーニング工程では、前記像担持体の回転方向に対し、逆方向に当接するクリーニングブレードを用い、該ブレードは、前記像担持体の当接部において、軸方向の切断面と前記像担持体表面とのなす角度が、前記像担持体の回転上流方向に対する角度として90〜120度の範囲にあり、前記クリーニングブレードの23℃における反発弾性が60%以上であり、かつ前記ブレードの前記像担持体に対する当接圧が0.2N/cm以下である。
本発明の画像形成方法によれば、像担持体上へのワックスフィルミングを抑制し、良好な画像特性を有する画像を形成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、従来の課題を解決することができ、像担持体上へのワックスフィルミングを抑制し、良好な画像特性を得ることができるプロセスカートリッジ、並びに画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、現像工程と、クリーニング工程とを少なくとも含み、静電潜像形成工程と、転写工程と、定着工程、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、現像手段と、クリーニング手段とを少なくとも有してなり、静電潜像形成手段と、転写手段と、定着手段、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
【0020】
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、像担持体上へのワックスフィルミングを抑制でき、良好な画像特性を得ることが可能となる。
【0021】
本発明の画像形成装置の具備するクリーニング装置は、ワックスフィルミングの発生を抑制できるクリーニング方法である。
前記ワックスフィルミングは、クリーニング装置の具備するクリーニングブレードのエッジ部分に滞留したトナーが、像担持体上に押し付けられ、トナー中のワックス成分が像担持体に移行してしまうことが原因の1つと考えられることから、滞留するトナーを減少させ、ワックスフィルミングを抑制することができる。
【0022】
前記静電潜像形成工程は、像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
<像担持体(感光体、電子写真感光体)>
前記像担持体としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。なお、前記像担持体としては、感光体ドラム、感光ベルト、中間転写ベルト等が挙げられ、感光体ドラムが好適である。
【0023】
前記像担持体は、支持体上に、感光層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記像担持体としては、第一の形態では、支持体と、該支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
また、前記像担持体としては、第二の形態では、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。なお、前記第二形態では、電荷発生層、及び電荷輸送層は逆に積層しても構わない。
【0024】
−支持体−
前記支持体は、体積抵抗1010Ωcm以下の導電性を示す支持体であり、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状又は円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、又は、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板又はそれらを素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理したもの等が挙げられる。
【0025】
−複層型感光層−
前記複層型感光層は、電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有し、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
【0026】
ここで、図1は、本発明の積層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。また、図2は、本発明の積層型電子写真感光体の他の一例を示す概略断面図である。
図1及び図2に示すように、導電性支持体(導電性基体)101上に感光層102が設けられており、この感光層102は、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層103と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層104と、の積層で形成されている。そして、電子写真感光体の表面層として保護層105が形成されている。
【0027】
前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
【0028】
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、無機系材料及び有機系材料のいずれかを用いることができる。
【0029】
前記無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、などが挙げられる。
【0030】
前記有機系材料としては、特に制限はなく、公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスC.I.21180)、シーアイピグメントレッド41(C.I.21200)、シーアイシッドレッド52(C.I.45100)、シーアイベーシックレッド3(C.I.45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料等のアゾ顔料;シーアイピグメントブルー16(C.I.74100)等のフタロシアニン系顔料;シーアイバットブラウン(C.I.73410)、シーアイバットダイ(C.I.730.50)等のインジゴ系顔料;アルゴールスカーレット5(バイエル社製)、インダスレンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン系顔料;スクエリック染料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
なお、必要に応じて、電荷輸送物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送物質を添加することもできる。
【0033】
前記電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層形成用塗工液を用いて、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行うことができる。
【0034】
前記電荷発生層形成用塗工液に用いられる有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、沸点が40〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることから特に好適である。
前記電荷発生層形成用塗工液は、上記有機溶媒中に前記電荷発生物質と、バインダー樹脂を分散、溶解して製造する。有機顔料を有機溶媒に分散する方法としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどの分散メディアを用いた分散方法、高速液衝突分散方法などが挙げられる。
【0035】
前記電荷発生層の厚みは、通常、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましい。
【0036】
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
【0037】
前記電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0038】
前記電荷輸送物質としては、正孔輸送物質、電子輸送物質、高分子電荷輸送物質、などが挙げられる。
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0039】
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0040】
前記高分子電荷輸送物質としては、以下のような構造を有するものが挙げられる。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が挙げられる。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が挙げられる。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が挙げられる。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が挙げられる。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が挙げられる。
【0041】
また、前記高分子電荷輸送物質としては、上記以外にも、例えば、トリアリールアミン構造を有するポリカーボネート樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリウレタン樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエステル樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエーテル樹脂、などが挙げられる。前記高分子電荷輸送物質としては、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報、等に記載の化合物が挙げられる。
【0042】
また、電子供与性基を有する重合体としては、上記重合体だけでなく、公知の単量体との共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマー、更には、例えば、特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることもできる。
【0043】
前記バインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
【0044】
前記電荷輸送層は、これらの電荷輸送物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。前記電荷輸送層には、更に必要に応じて、前記電荷輸送物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等などの添加剤を適量添加することもできる。
【0045】
前記電荷輸送層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5〜30μmが好ましく、所望の感光体特性に応じて適宜選択することが可能である。なお、高精細化の点から電荷輸送層は薄膜化することが図られており、レーザー露光を考慮して、厚みは、20μm以下が好ましく、15〜18μmが好ましい。
ここで、1200dpi以上の高画質化を達成するためには、5〜30μmがより好ましい。厚みの下限値は、膜の均一性、帯電性、更には現像工程で必要とされる電界等から総合的に決定されるものである。いずれにしても薄膜化を実現するためには耐摩耗性を大きく高めることが好ましい。
【0046】
−単層型感光層−
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂としては、上述した材料を用いることができる。
前記その他の成分としては、例えば、可塑剤、微粒子、各種添加剤、などが挙げられる。
【0047】
前記単層型感光層の厚みは、5〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。前記厚みが5μm未満であると、帯電性が低下することがあり、100μmを超えると感度が低下することがある。
【0048】
前記感光層上には、感光層の保護、及び耐久性の向上を目的として、必要に応じて保護層を設けてもよい。該保護層は、少なくともバインダー樹脂、電荷輸送物質、フィラー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記バインダー樹脂としては、例えば、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0049】
また、保護層には、耐摩耗性及び耐フィルミング性を向上させる目的でフィラーが添加されることになる。保護層に添加されるこれらのフィラーの量は、質量基準で通常は、10〜40%、好ましくは、20〜30%である。フィラーの量が10%未満では、摩耗が大きく、耐久性に劣り、40%を超えると、露光時における明部電位の上昇が著しくなり、感度低下が無視できなくなるので好ましく。
前記フィラーの粒径は、平均1次粒径として0.3〜1.2μmが好ましく、0.3〜0.7μmがより好ましく、粒径が小さい場合には耐摩耗性が充分でなく、また、粒径が大きい場合には書き込み光を散乱させることがある。
【0050】
前記保護層には、フィラーの分散性を向上させるために分散助剤を添加することが可能である。添加される分散助剤は、塗料等に使用されるもの(例えば、変性エポキシ樹脂縮合物、不飽和ポリカルボン酸低分子量ポリマー等)が適宜利用でき、その量は、質量基準で通常は、含有するフィラーの量に対して0.5〜4質量%が好ましく、1〜2質量%がより好ましい。
【0051】
また、前記保護層には、電荷輸送材料を添加することもきわめて有効であり、その添加量も電荷輸送層(104)と同様でよく、残留電位の低減等、露光に対する特性を向上させることが可能となる。
電荷輸送材料の添加量としては、質量基準で低分子電荷輸送材料の場合、フィラーを除
いた固形分の20〜60質量%が好ましく、保護層の機械的特性が損なわれない範囲で、露光特性を向上させる程度に添加することになる。
高分子電荷輸送材料の場合は、それ自体で、バインダーとしての機能を有しているので、添加量をさらに高くでき、フィラーを除いた固形分の20〜95質量%とすることができる。
【0052】
一般に、バインダー樹脂に低分子電荷輸送材料が添加された膜は、その添加量に従って膜強度が低下することが知られている。さらに、無機微粒子が添加されるときバインダとの接着性は良好に保つ必要があり、特に、表層での無機微粒子の保持性は耐摩耗性の点から重要である。通常、無機微粒子が表面処理されたものを用いると、バインダとの親和性が向上し、膜自体の強度を向上させることが可能となる。さらに酸化防止剤も必要に応じて添加することができることになる。なお、酸化防止剤については後述する。
前記保護層には、更に必要に応じて接着性、平滑性、化学的安定性を向上させる目的で、種々の添加剤を加えても構わない。
前記保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10μmが好ましく、4〜6μmがより好ましい。
【0053】
前記支持体と前記感光層との間には、必要に応じて、下引き層を設けてもよい。前記下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
【0054】
前記下引き層は、少なくとも樹脂、及び微粉末を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂、などが挙げられる。
前記微粉末としては、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物、金属硫化物、又は金属窒化物などが挙げられる。
前記下引き層の厚みについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
【0055】
前記感光体においては、必要に応じて前記基体上に、接着性、電荷ブロッキング性を向上させるために中間層を設けてもよい。該中間層は樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
前記樹脂としては、上記下引き層と同様のものの中から適宜選択して用いることができる。
【0056】
また、本実施形態においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位
の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷
輸送物質、及び、レベリング剤を添加することが可能である。
【0057】
前記各層に添加できる酸化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロール類等が挙げられる。
【0058】
また、パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−N,N−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
【0059】
また、ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等が挙げられる。
【0060】
また、有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3−チオジプロピオネート等が挙げられる。
【0061】
また、有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン等が挙げられる。
【0062】
各層に添加できる可塑剤としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤として、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル等が挙げられる。
【0063】
また、フタル酸エステル系可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル等が挙げられる。
【0064】
また、芳香族カルボン酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチル等が挙げられる。
【0065】
また、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチル等が挙げられる。
【0066】
また、脂肪酸エステル誘導体系可塑剤としては、例えば、オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリン等が挙げられる。
【0067】
また、オキシ酸エステル系可塑剤としては、例えば、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。
【0068】
また、エポキシ系可塑剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシル等が挙げられる。
【0069】
また、二価アルコールエステル系可塑剤としては、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラート等が挙げられる。
【0070】
また、含塩素系可塑剤としては、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチル等が挙げられる。
【0071】
また、ポリエステル系可塑剤としては、例えば、ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステル等が挙げられる。
【0072】
また、スルホン酸誘導体系可塑剤としては、例えば、p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミド等が挙げられる。
【0073】
また、クエン酸誘導体系可塑剤としては、例えば、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシル等が挙げられる。
【0074】
その他、ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチル等が挙げられる。
【0075】
なお、各層に添加できる紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2,4,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0076】
また、サルシレート系紫外線吸収剤として、例えば、フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0077】
また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ3−ターシャリブチル5−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0078】
また、シアノアクリレート系紫外線吸収剤として、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレート等が挙げられる。
【0079】
また、クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤として、例えば、ニッケル(2,2チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェート等が挙げられる。
【0080】
また、HALS(ヒンダードアミン)系紫外線吸収剤として、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
【0081】
次に、前記静電潜像の形成は、例えば、前記感光体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記感光体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記感光体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
【0082】
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記感光体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
【0083】
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
【0084】
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像をトナー乃至現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
【0085】
<トナー>
前記トナーは、少なくともワックスを含有し、バインダー樹脂、着色剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。また、公知の粉砕法、重合法等の各種のトナー製法により作製されたトナーを用いることも可能である。
【0086】
−ワックス−
前記ワックスとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックス等);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。該カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリエステル酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1、18−オクタデカンジオールジステアレート等);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミド等);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミド等);ジアルキルケトン(ジステアリルケトン等)、などが挙げられる。
【0087】
本発明においては、前記トナー中のワックスの含有量が、DSC(示差走査熱量法)により求められるワックスの吸熱量を質量換算した値で、全トナー質量の20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
前記ワックスの含有量を20質量%以下とすることで、ワックスフィルミングの抑制が顕著に認められることになる。なお、前記ワックス含有量の下限値は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、十分な離型性を得るためには、3質量%程度が好ましい。
前記含有量が20質量%を超えると、ワックスフィルミングの抑制効果が得られなくなることがある。
【0088】
ここで、前記トナー中のワックス含有量(総量)は、DSC(示差走査熱量計)法により求めることができる。
具体的には、以下に示す測定条件により、トナー試料とワックス単体試料とをそれぞれ測定し、それぞれ得られるワックスの吸熱量の比から求めることが可能となる。
【0089】
〔測定条件〕
・測定装置:DSC装置(DSC60、島津製作所製)
・試料量:約5mg
・昇温温度:10℃/min
・測定範囲:室温〜150℃
・測定環境:窒素ガス雰囲気中
【0090】
なお、前記トナーにおけるワックスの総量は、以下の数式1により算出することが可能となる。
<数式1>
ワックス総量(質量%)=(トナー試料のワックス吸熱量(J/g)×100)/(ワックス単体の吸熱量(J/g))
【0091】
上記DSCの分析の結果から、トナー製造中にワックスが流出し、仕込んだ全てのワックスがトナーに含有されない場合であっても、トナー中のワックス総量を容易に測定することが可能となる。
【0092】
また、前記トナーは、トナー内部に存在するワックス分散径0.1〜3μmの粒子が70個数%以上を占めることが好ましい。トナー内部に存在するワックス分散径を3μm以下にすることで、表面近傍に存在するワックスの割合が減少し、ワックスフィルミングのさらなる抑制を行うことが可能となる。また、0.1μmより小さい粒子が多い場合は、十分な離型効果が得られない場合があるので、更に好ましくは、トナー内部に存在するワックス分散径が0.1〜3μmの粒子が75個数%以上であることが好ましい。
【0093】
ここで、前記ワックス分散径は、ワックスの最大方向の粒径をもってワックス分散径とした。具体的には、トナーをエポキシ樹脂に包埋して、約100nmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率10,000倍で観察を行い、写真撮影をし、この写真を画像評価することでワックス分散状態と分散径とを測定した。
【0094】
−バインダー樹脂−
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−o−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソブチレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0095】
これらの中でも、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が特に好ましい。該ポリエステル樹脂は、アルコールと酸との重縮合反応によって得られる。前記アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ジエチルグリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単量体、その他の2価のアルコール単量体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上の高級アルコール単量体を挙げることができる。
【0096】
前記酸としては、カルボン酸が特に好ましい。該カルボン酸としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸からの二量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボン酸−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体、これらの酸の無水物等の3価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
【0097】
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの重縮合物等があり、例えば、エポミックR362、R364、R365、R366、R367、R369(以上、三井石油化学工業社製)、エポトートYD−011、YD−014、YD−904、YD−017(以上、東都化成社製)、エポコート1002、1004、1007(以上、シェル化学社製)等の市販のものがある。
【0098】
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
【0099】
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0100】
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
【0101】
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0102】
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
【0103】
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
【0104】
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
【0105】
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
【0106】
前記無機微粒子は、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用することができる。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、20〜500m/gが好ましい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
【0107】
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、有機樹脂微粒子、金属石鹸など、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂、ステアリン酸亜鉛のごとき滑剤、或いは酸価セリウム、炭化ケイ素などの研磨剤、一般に流動性改質の目的に用いられる公知の金属酸化物、代表的には酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの酸化金属微粒子、及び、その表面を疎水化した粒子などである。これらのいずれの微粉末もその表面を疎水化することは流動性の面で優れた効果をもたらすことになる。なお、表面を疎水化処理するためには、例えば、シランカップリング剤やシリル化剤として一般に知られる珪素化合物を粒子表面と接触、反応させることになる。
【0108】
前記疎水化剤としては、例えば、クロロシラン類として代表的なトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、エチルジクロロシラン、ジエチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、プロピルジクロロシラン、ジプロピルジクロロシラン、トリプロピルクロロシランなどアルキルクロロシラン、フェニルクロロシランなどが挙げられる。そのフッ素置換体としてフルオロアルキルクロロシラン、パーフルオロアルキルクロロシランの類が挙げられる。
【0109】
また、シリルアミン類としては、代表的なヘキサメチルジシラザン、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジエチルアミノトリメチルシランなどが挙げられる。また、シリルアミド類としては、代表的なN,O−ビストリメチルシリルアセトアミド、N−トリメチルシリルアセトアミド、ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミドなどが挙げられる。また、アルコキシシラン類として、メチルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルアルコキシシラン、エチルジアルコキシシラン、ジエチルアルコキシシラン、トリエチルアルコキシシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ジプロピルジアルコキシシラン、トリプロピルアルコキシシランなど、アルキルクロロシランや、フェニル基を有するフェニルアルコキシシランなどが挙げられる。また、そのフッソ置換体としてフルオロアルキルアルコキシシランの類、パーフルオロアルキルアルコキシシランの類、シリコーンオイルとして、ジメチルシリコーンオイル又はその誘導体、フッ素置換体、ジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサンなどシロキサンの類など、一般公知の疎水化剤として用いられる化合物を使用することが可能となる。
【0110】
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
【0111】
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、粉砕分級法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させて、トナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等が挙げられる。
【0112】
前記粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂とワックスとを含有するトナー材料を溶融及び混練し、粉砕、分級等することにより、前記トナーの母体粒子を得る方法である。なお、該粉砕法の場合、前記トナーの平均円形度を0.92以上の範囲にする目的で、得られたトナーの母体粒子に対し、機械的衝撃力を与えて形状を制御してもよい。この場合、前記機械的衝撃力は、例えば、ハイブリタイザー、メカノフュージョンなどの装置を用いて前記トナーの母体粒子に付与することができる。なお、トナーに、流動性改質剤として、無機粉末を添加するにはスーパーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いることとする(特開2002−278135号公報参照)。
【0113】
前記懸濁重合法は、油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で後に述べる乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行い粒子化した後に、本発明におけるトナー粒子表面に無機微粒子を付着させる湿式処理を行えばよい。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
前記重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有すアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有すものを選ぶことよって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
【0114】
前記乳化重合法としては、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後、後述する無機微粒子の湿式処理を行えばよい。ラテックスとして懸濁重合法に使用されうる単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
【0115】
これらの中でも、樹脂の選択性が高く、低温定着性が高く、また、造粒性に優れ、粒径、粒度分布、形状の制御が容易であるため、前記トナーとしては、トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させてトナーを造粒してなるものが好ましい。
【0116】
前記トナー材料の溶解液は、前記トナー材料を溶媒中に溶解させてなり、前記トナー材料の分散液は、前記トナー材料を溶媒中に分散させてなる。
前記トナー材料としては、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、結着樹脂と、離型剤と、着色剤とを反応させて得られる接着性基材などを少なくとも含み、更に必要に応じて、樹脂微粒子、帯電制御剤などのその他の成分を含む。前記接着性基材は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを少なくとも含み、更に公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。
【0117】
前記トナーは、その形状、大きさ等の諸物性については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、体積平均粒径、平均円形度、等を有していることが好ましい。
【0118】
前記トナーの体積平均粒径は、8μm以下が好ましく、5.5μm以下がより好ましい。前記体積平均粒径が8μm以下の小径化することにより、潜像に忠実な高精細な画像を得ることが可能となる。
また、前記トナーの平均円形度は、0.92以上が好ましく、0.95以上がより好ましく、0.98以上が更に好ましい。前記平均円形度が0.92以上であると、現像性、転写性が向上し、高画質な画像を得られる。
ここで、前記トナーの体積平均粒径、及び、平均円形度は、例えば、Sysmex製FPIA−2100を用いて測定することができる。
【0119】
<現像剤>
前記現像剤は、前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像器の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像器における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
【0120】
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
【0121】
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
【0122】
前記芯材の粒径としては、平均粒径(体積平均粒径(D50))で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
【0123】
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0124】
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
【0125】
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セロソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
【0126】
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
【0127】
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部が好ましい。
【0128】
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
【0129】
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
【0130】
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
【0131】
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
【0132】
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記感光体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
【0133】
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から目的に応じて適宜選択することができる。
【0134】
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
【0135】
前記除電工程は、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
【0136】
<クリーニング工程(クリーニング手段)>
前記クリーニング工程は、前記感光体上に残留するトナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができるが、簡単な構造でありながら、トナー除去性が高い点からクリーニングブレードが用いられる。
【0137】
本発明のクリーニング装置を用いることにより、ワックスフィルミングの発生を抑制できる。即ち、ワックスフィルミングは、クリーニング装置の具備するクリーニングブレードのエッジ部分に滞留したトナーが、像担持体上に押しつけられ、トナー中のワックス成分が像担持体に移行してしまうことが原因の1つと考えられることから、クリーニングブレードのエッジの形状及びブレード物性を適正化することにより、滞留するトナーを減少させ、ワックスフィルミングを抑制することができる。
【0138】
このように像担持体の回転方向上流側から軸方向の切断面と、像担持体表面とのなす角度を考えた場合、その角度に対して像担持体へのワックスフィルミングが強く影響するので、前記ブレードエッジ形状については像担持体と、クリーニングブレードとのなす角度(例えば、図4中θ1)が、90〜120度であり、90〜110度が好ましい。
前記感光体上流側から軸方向の切断面と、感光体表面とのなす角度が、90度未満であると、ワックスフィルミングが発生しやすく、クリーニングブレードのエッジに滞留するトナー量が多くなることがあり、120度を超えると、トナーのクリーニングそのものができなくなることがある。クリーニングブレードは、感光体の当接部において、軸方向の切断面と、感光体表面と、のなす角度が、感光体の回転上流方向に対する角度として90〜120度の範囲とすることで、ワックスフィルミングが抑制される。
また、クリーニングブレードのエッジ角度(例えば、図4中θ2)は、60〜110度が好ましい。
【0139】
また、ブレード物性については、高反発ブレードを低当接圧で当接すると、ワックスフィルミングの抑制に効果があり、ブレードの23℃における反発弾性が60%以上であり、像担持体に対する当接圧が0.2N/cm以下の条件で効果がある。
このようにエッジ形状、及びブレード物性を組み合わせることで、長期にわたりワックスフィルミングが抑制され、良好な画像維持が可能となる。
前記反発弾性が高すぎると高温下では鳴きが発生しやすくなるため、反発弾性の上限とてしては75%以下が好ましい。
ここで、前記反発弾性は、例えば、JIS K6255による測定器を用いて測定することができる。
また、クリーニングブレードの当接圧の下限としては、当接圧が低すぎるとクリーニング不良が発生し易くなるので、0.1N/cm以上の当接圧は必要である。
【0140】
また、前記クリーニングブレードの300%モジュラスが200kg/cm以上が好ましく、250kg/cm以上がより好ましい。前記300%モジュラスを200kg/cm以上と大きくすることで、クリーニングブレードのエッジ部分の食い込みが減少し、滞留するトナーが減少して、ワックスフィルミングを抑制することができる。
ここで、前記300%モジュラスは、例えば、JIS K6251による測定器を用いて測定することができる。
【0141】
また、クリーニングするトナーが、クリーニングブレードのエッジ部分に突入するときの角度として考えることで理解すると、トナーがクリーニングブレードのエッジ部分において、クリーニングブレードに食い込みにくくなる角度であり、該角度が鈍角になることで、その食い込みが減少したと考えられる。このクリーニングブレードのエッジ部分の食い込み部分に、トナーが滞留すると考えられ、食い込み部分が減少したことで、像担持体に滞留するトナーが減少し、ワックスフィルミングが抑制されることになる。
なお、高反発のクリーニングブレードを低い当接圧で当接させると、ブレードエッジが微少に振動するいわゆるスティックスリップ運動が促進することにより、トナーの排出が促進され、ブレードエッジに滞留するトナーが減少し、ワックスフィルミングが抑制されると考えられる。
【0142】
なお、小径化、球形化したトナーは、上述した方法により食い込み部分が減少したことで、トナーのすり抜けが発生しにくくなり、良好なクリーニング特性を得るために大きな当接圧を必要としないことになる。このため、同等のクリーニング特性を得る場合に、通常のブレードに比べ、当接圧を低く設定することが可能となり、滞留トナーの像担持体への押しつけが小さくなり、ワックスフィルミングの抑制がより顕著に現れることになる。
【0143】
なお、このような角度を取るための手段としては、クリーニングブレードの切断面の角度を設定するように構築することも可能である。
【0144】
前記クリーニングブレードの反発弾性が高くなり、かつ、クリーニングブレードの感光体に対する当接圧が低くなるとクリーニング性が良くなることから、クリーニングブレードエッジが小刻みに振動する、いわゆるスティックスリップの振動がはやくなり、ブレードエッジの位置変動が少なくなるためにクリーニング条件の変動が無くなり、ブレードエッジの振動によりトナーがはじき返されることからクリーニング性が改善されると考えられる。
【0145】
前記クリーニングブレードとしては、汎用性のあるウレタンゴムブレードが好ましいが、場合によってはシリコーンゴム等も有効に用いることができる。また、ブレード取り付け部に対して、感光体に接触するブレードエッジ部が回転方向逆側に位置するカウンター配置とすることで、ブレードエッジの角度によるクリーニング性の向上が達成される。
【0146】
前記クリーニングブレードは、従来公知の組成、工法で製造することができる。一般的に本発明に使用されるクリーニングブレードは、高弾性の得られやすいウレタンゴム(ポリウレタンエラストマー)などを用いることが出来る。前記ポリウレタンエラストマーは、通常、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させて得られる。このようなポリオール成分としてポリエチレンアジペートエステルやポリカプロラクトンエステルを用い、ポリイソシアネート成分として4,4’−ジフエニルメタンジイソシアネートを用いてプレポリマーを調製し、これに硬化剤及び必要に応じて触媒を加えて、所定の型内で架橋させ、炉内で後架橋させた後に、常温で放置して熟成することによって製造される。
【0147】
前記ポリオール成分としては、高分子量のポリオールを用いてもよく、また、高分子量ポリオールと、低分子量ポリオールの2種類のポリオールを用いてもよい。このような高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール、例えば、エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオールのようなアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール、カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール、などが挙げられる。
【0148】
その他の低分子量ポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノン−ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフエニルメタン、4,4'−ジアミノジフエニルメタン等の二価アルコールや、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の三価及びそれ以上の多価アルコールを挙げることができる。
【0149】
ポリウレタンエラストマーの合成の際に使用可能な硬化触媒としては、例えば、2−メチルイミダゾールや1,2−ジメチルイミダゾールを挙げることができるが、特に、1,2−ジメチルイミダゾールが好ましく用いられる。このような触媒は、通常、主剤(ポリオール成分とポリイソシアネート成分)100質量部に対して、0.01〜0.5質量部が好ましく、0.05〜0.3質量部がより好ましい。
【0150】
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
【0151】
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
【0152】
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、像担持体と、少なくともワックス及びバインダー樹脂を含有するトナーにより前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
【0153】
前記プロセスカートリッジは、本発明の前記画像形成装置と同様に、前記クリーニング手段が、前記像担持体の回転方向に対し、逆方向に当接するクリーニングブレードを有し、該ブレードは、前記像担持体の当接部において、軸方向の切断面と前記像担持体表面とのなす角度が、前記像担持体の回転上流方向に対する角度として90〜120度の範囲にあり、前記クリーニングブレードの23℃における反発弾性が60%以上であり、かつ前記ブレードの前記像担持体に対する当接圧が0.2N/cm以下である。
【0154】
前記現像手段としては、前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
【0155】
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図8に示すように、感光体1を内蔵し、他に帯電手段2、現像手段4、クリーニング手段7を含み、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。なお、図8中3は、プロセスカートリッジが装着される画像形成装置の露光手段を示す。前記露光手段3としては、高解像度で書き込みが行うことのできる光源が用いられる。
前記感光体1としては、上述した画像形成装置と同じものを用いることができる。
前記帯電手段2としては、任意の帯電部材が用いられる。
前記クリーニング手段としては、上述した画像形成装置と同じものを用いることができる。
【0156】
本発明の画像形成装置としては、前記感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
【0157】
ここで、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図3を参照しながら、本発明の画像形成装置について説明する。なお、図3は、本実施形態における画像形成装置の概略構成を示す図である。
【0158】
本発明の画像形成装置は、図3に示すように、感光体106と、転写前チャージャ107と、クリーニング前チャージャ108と、帯電部材109と、転写ベルト110と、画像露光部111と、除電ランプ112と、現像ユニット113と、ファーブラシ115と、クリーニングブレード116と、レジストローラ117と、分離爪118と、を有して構成される。
【0159】
上記構成からなる画像形成装置において、感光体106は、ドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。なお、感光体106の周囲には、必要に応じて、転写前チャージャ107、転写チャージャ、分離チャージャ、クリーニング前チャージャ108が配置され、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド ステート チャージャ)、帯電ローラをはじめとする公知の手段が配置されることになる。
【0160】
帯電部材109は、感光体106と当接していてもよいが、両者の間に適当なギャップ(10〜200μm程度)を設けた近接配置とすることで、両者の摩耗量が低減できると共に帯電部材109へのトナーフィルミングを抑制でき、好ましく使用することが可能となる。特に、前記感光体106においては、50μm程度のギャップを設けることにより、良好な特性を維持することができる。これは、感光体106の具備する保護層105の表面状態の影響を小さくすることが可能なためである。
【0161】
帯電部材109に印加する電圧は、帯電の安定化と帯電ムラの抑制とのため、直流成分に交流成分を重畳したものとすることが効果的である。しかしながら、帯電が安定化される反面、直流成分のみ印加した場合に比べ、プロセス中に使用した感光体106の表面層が摩耗しやすいことになる。本実施形態における感光体106は、耐摩耗性の高さから全く問題なく、良好な特性を維持することが可能となる。
【0162】
なお、転写手段には、図3に示すように転写ベルト110を使用したものが有効である。
【0163】
また、画像露光部111、除電ランプ112等の光源は、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般を用いることができる。
【0164】
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることが可能である。
【0165】
なお、これらの光源は、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、又は、前露光等の工程に用いられ、感光体106に光が照射されることになる。
【0166】
現像ユニット113により感光体106上に現像されたトナーは、転写紙114に転写されることになるが、全部が転写紙114に転写されるわけではなく、感光体106上に残存するトナーも存在する。この感光体106に残存するトナーは、ファーブラシ115、及び、クリーニングブレード116により感光体106から除去されることになる。
【0167】
なお、クリーニングは、クリーニングブレード116のみで行うことも可能であるが、ファーブラシ115等のクリーニングブラシを組み合わせて用いることが多い。
【0168】
次に、クリーニングブレード116に関し、感光体106との当接状態を図4に示す。図4に示すように、感光体106は、右から左に移動し、感光体106上に残留したトナーが、カウンター方向に当接するクリーニングブレード(116)によりかきとられることになる。ここで、θ1であらわした感光体106と、クリーニングブレード116とのなす角度θ1は、感光体106の回転方向上流側に対する角度として90〜120度の範囲が好ましく、90〜110度がより好ましい。このように、鈍角となることで、クリーニングブレード116のエッジ部分に対するトナーのもぐりこみを抑制することが可能となる。また、図4中、θ2で表されるブレードエッジ角度は60〜110度の範囲が好ましい。
【0169】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成されることになる。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られ、また、正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られることになる。
【0170】
この現像手段には、公知の方法を適用することが可能であり、また、除電手段も公知の方法を適用することが可能である。
【0171】
以上、図3に示す画像形成手段に電子写真感光体を用いた第1実施形態に係る画像形成装置について説明したが、上記画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態で、それら装置内に組み込まれ、着脱可能としたものであってもよい。
【0172】
<第2実施形態>
以下、図5〜図7を参照しながら、本発明の第2実施形態に係るクリーニング装置を搭載したプロセスカートリッジの一例について説明する。
【0173】
前記プロセスカートリッジ1は、図5〜図7に示すように、プロセスカートリッジ枠体2a,2bに、潜像担持体である感光体ドラム3と、各プロセス手段を構築する帯電手段である帯電モジュール4と、現像手段である現像モジュール5と、クリーニング手段であるクリーニングモジュール6(本実施形態の特徴となるクリーニング装置)と、を有して構成されている。なお、プロセスカートリッジ1は、感光体ドラム3と、帯電モジュール4と、現像モジュール5と、クリーニングモジュール6と、をモジュール単位で新しいものと交換可能となるように構築されている。
【0174】
プロセスカートリッジ枠体2a,2bは、第1のプロセスカートリッジ枠体2aと、第2のプロセスカートリッジ枠体2bと、が係合部2cを軸として、開放位置と閉塞位置との間を回転可能に係合している。なお、閉塞位置のときには、感光体ドラム3が取り外せないように、第1のプロセスカートリッジ枠体2aと、第2のプロセスカートリッジ枠体2bと、が感光体ドラム3を囲むように構成されている。係合部2cは、突起部と穴部とを、第1のプロセスカートリッジ枠体2aと第2のプロセスカートリッジ枠体2bとに設け、穴部に突起部を挿入して係合させ、突起部にCリングで抑えて抜けないように構築している。更に、閉塞位置において、第1のプロセスカートリッジ枠体2aと、第2のプロセスカートリッジ枠体2bと、がオーバーラップしている個所に設けられた穴部に対して、枠体位置決部材74(図7参照)に植立された2本のピンで貫通させることで、第1のプロセスカートリッジ枠体2a、又は、第2のプロセスカートリッジ枠体2bを位置決めすると同時に固定することになる。これにより、第1のプロセスカートリッジ枠体2aと第2のプロセスカートリッジ枠体2bとを一体に形成することなくプロセスカートリッジを組み立てることで、容易にプロセスカートリッジを分離することが可能となり、感光体ドラム3と、帯電モジュール4と、現像モジュール5と、クリーニングモジュール6と、の各ユニットを個別に交換可能となるように構築することが可能となる。
【0175】
また、プロセスカートリッジ1は、検知手段を設けるように構成することも可能であり、図6に示すように、検知手段として、プロセスカートリッジ1内の温湿度を検知するための温湿度センサ21と、感光体ドラム3の電位を検知する電位センサ22と、現像後の感光体ドラム3上の現像されたトナー量を検知するトナー濃度センサ23と、を配設することも可能である。
【0176】
温湿度センサ21は、第2プロセスカートリッジ枠体2bに配置され、正の温度特性を有する、例えば、白金、タングステン、ニクロム、カンタル、又は負の湿度特性を有する、例えば、SiC(炭化珪素)、TaN(窒化タンタル)等の微細線もしくは、薄膜、サーミスタ等の微小感温素子による検出素子により検知することになる。なお、本実施形態における温湿度センサ21は、図6に示すように、第2枠体2bの上部に配設することとしたが、この位置に限定するものではなく、種々変更して配置することは可能である。
【0177】
電位センサ22は、第2のプロセスカートリッジ枠体2bに配置され、電位検知部と制御部とで構成されている。電位センサ22は、被測定物の感光体ドラム3の表面から1〜3mmの間隔に配設することで、感光体ドラム3の表面電位を検知することが可能となるものである。なお、電位センサ22は、図6に示すように、第1のプロセスカートリッジ枠体2aの上部で、尚且つ、帯電モジュール4と、現像モジュール5との間であり、且つ、感光するレーザー光の下流側になるように配設することとする。この位置で、パッチ状のベタ黒部になる潜像を形成した感光体ドラム3の電位を検知し、その検知した信号が信号線を通じて画像形成装置本体に送信されることになり、画像形成装置本体の具備する制御部にて現像モジュール5が印加する現像バイアスの大きさを決定し、電源を制御して電圧を印加することになる。なお、この電位センサ22は、白地背景部となる感光体ドラム3の電位を検知して、ベタ黒部を形成するレーザー光の光量、露光時間を制御するように構築することも可能である。
【0178】
トナー濃度センサ23は、第1のプロセスカートリッジ枠体2aに配置され、感光体ドラム3上の画像形成領域外に形成されたベタ黒部の潜像をトナーで可視像化し、このベタ黒部のトナー付着量を画像濃度として光学的に検知し、検知結果を信号として、画像形成装置本体の具備する制御部に送信することになる。なお、トナー濃度センサ23は、発光素子(例えば、LED)と受光素子とで構成されており、ベタ黒部から反射した発光素子の光量を受光素子が受信し、感光体ドラム3上のトナー量を検出することになる。そして、トナー濃度センサ23は、感光体ドラム3上のトナー量を検出し、画像形成装置本体の具備する制御部に記録されているテーブルから、現像モジュール5内に収容されている現像剤のトナー濃度を決定することになる。なお、本実施形態におけるトナー濃度センサ23は、現像モジュール5内の下流側に設けることになる。
【0179】
なお、感光体ドラム3に関連する各センサは、プロセスカートリッジ枠体2a,2bに配置することで、各プロセス手段の交換を容易にすることが可能となる。また、交換可能な各プロセス手段を安価にすることも可能となる。
【0180】
また、本実施形態におけるプロセスカートリッジ1は、図6に示すように、転写前除電装置25と、クリーニング前除電装置26と、を配設することも可能である。転写前除電装置25は、転写領域の上流側に、クリーニング前除電装置26は、転写領域から下流側でクリーニング装置の上流側に設け、感光体ドラム3上の電荷を滅衰させることで、転写、又は、クリーニングが容易となる。特に、クリーニング前除電装置26は、感光体ドラム3上に転写されなかった残留トナーをクリーニングしやすくすることになる。なお、転写前除電装置25と、クリーニング前除電装置26とは、発光手段として、発光ダイオード(LD)、LED、エレクトロルミネッセンス(EL)、蛍光灯等を配設しており、いずれも、感光体ドラム3を露光して感光体ドラム3上の電荷を滅衰させることになる。前記発光手段としては、EL、又は、LDが好ましい。更に、構造が簡単であり、ELを用いることがより好ましい。また、帯電装置の上流側に帯電前除電装置を設けることも可能である。これにより、感光体ドラム3の残留電位を消去して、感光体ドラム3を一様に帯電させることが可能となる。
【0181】
なお、図6に示すように、プロセスカートリッジ1は、感光体ドラム3と、帯電モジュール4と、現像モジュール5と、クリーニングモジュール6と、の何れのサブユニットを取り外して分離し、交換することが可能となるように構成されている。また、特に、帯電モジュール4と、現像モジュール5と、クリーニングモジュール6と、のいずれもが、他のモジュールとは独立して取り外し、装着を行うことができるように構築されている。
【0182】
このように、第1の実施形態の画像形成装置に搭載したクリーニングモジュール6(クリーニング装置)を、プロセスカートリッジに搭載することも可能である。このプロセスカートリッジを画像形成装置に搭載することで、第1の実施形態と同様な効果を得ることになる。
【0183】
本発明は、このような画像形成手段に電子写真感光体を用いる画像形成方法及び画像形成装置である。上記画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態で、それら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。
【実施例】
【0184】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。
【0185】
(実施例1)
<試験条件>
複写機(株式会社リコー製、imagio MF3530)改造機を使用して評価を行った。
【0186】
−ブレード−
改造箇所としては、クリーニングブレードのエッジ角度が70度となるようにブレード成型を行った。ブレードのゴム物性は硬度75°、23℃における反発弾性は63%、300%モジュラスは150kg/cmであり、感光体に対する当接圧が0.20N/cmとなるようにクリーニングブレードAを装着した。クリーニングブレードAを実機への装着状態で、当接する軸方向切断面と感光体とのなす角度が感光体の回転方向上流側から見て90度となるものである。
なお、前記ブレードの反発弾性は、JIS K6255による測定器を用いて測定した。また、前記ブレードの300%モジュラスは、JIS K6251による測定器を用いて測定した。
【0187】
−トナー−
トナーとして、DSC法によるワックス含有量が22質量%であり、ワックスの分散径が0.3〜3μmの粒子が65個数%であり、ポリエステル樹脂中にカルナバワックス、カーボンブラック、及び帯電制御剤が分散され、体積平均粒径が7.5μm、平均円形度が0.92である粉砕法により作製し、流動性改質剤としてシリカを外添したトナーAを用意した。
【0188】
<DSC法によるワックス含有量の測定>
トナー中のワックス含有量(総量)は、DSC(示差走査熱量計)法により求めることができる。
具体的には、以下に示す測定条件により、トナー試料とワックス単体試料とをそれぞれ測定し、それぞれ得られるワックスの吸熱量の比から求めることができる。
〔測定条件〕
・測定装置:DSC装置(DSC60、島津製作所製)
・試料量:約5mg
・昇温温度:10℃/min
・測定範囲:室温〜150℃
・測定環境:窒素ガス雰囲気中
前記トナーにおけるワックスの総量は、以下の数式1により算出することができる。
<数式1>
ワックス総量(質量%)=(トナー試料のワックス吸熱量(J/g)×100)/(ワックス単体の吸熱量(J/g))
【0189】
<ワックスの分散径が0.3〜3μmの粒子の個数%の測定>
前記ワックス分散径は、ワックスの最大方向の粒径をもってワックス分散径とした。具体的には、トナーをエポキシ樹脂に包埋して、約100nmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率10,000倍で観察を行い、写真撮影をし、この写真を画像評価することでワックス分散状態と分散径とを測定した。
【0190】
<トナーの体積平均粒径及び平均円形度の測定>
トナーの体積平均粒径、及び、平均円形度は、Sysmex製FPIA−2100を用いて測定した。
【0191】
次に、体積平均粒径が55μmのCu−Znフェライト芯材にシリコーンコートを行ったキャリアと、前記トナーAとを、トナーとキャリアとの質量比が4部:96部になるように混合した現像剤を作製し、複写機(株式会社リコー製、imagio MF3530)改造機の現像ユニットに充填した。
【0192】
(評価方法)
この評価機を、30℃、85%RHの環境下で、印字率6%のチャートのランニングを300K(300,000)枚行った。初期、50K(50,000)枚、150K(150,000)枚、及び300K(300,000)枚において、以下のようにして、感光体上のフィルミング性、及び画質を評価した。結果を表3及び表4に示す。
【0193】
<フィルミング性の評価>
ランニング後の各感光体を取り出し、感光体表面をレーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK−8500)によりフィルミング状態を観察した。5段階のランク評価を行い、全くフィルミングがなく、初期と変わらない状態を5とし、劣悪を1とする。なお、画像に影響が出て実用上問題となるレベルは2である。結果を表3及び表4に示す。
【0194】
<画質の評価>
ランニングを行っていた30℃、85%RHの環境下で、下記の1〜3の項目について画質の評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0195】
−1.細線の解像度−
S−3チャートの細線部を目視、及び、ルーペで観察し、判別できるか否かで判断した。2.0本/mm、2.2本/mm、2.5本/mm、2.8本/mm、3.2本/mm、3.6本/mm、4.0本/mm、4.5本/mm、5.0本/mm、5.6本/mm、6.3本/mm、及び7.1本/mmの細線があり、ワックスフィルミングにより画像ボケが発生した場合、読み取りができる細線の解像度が落ちることになる。どの細線まで読み取れたかで判断した。
【0196】
−2.地肌汚れ−
S−3チャートの複写を行い、地肌部のトナー付着具合を目視、及び、ルーペで観察し、ランク評価を行った。5が最良で、1が劣悪である。実用上問題となるランクは2以下である。
【0197】
−3.ハーフトーン均一性−
コダック社製グレースケールの複写を行い、明度の高い方から5段目のハーフトーン画像部の均一性を評価した。評価方法はランク評価で、目視にて行った。ランク5は濃度ムラが見られず特に良好な画像で、ランク1はハーフトーンのムラがひどい画像であり、実用上問題になるのはランク2以下である。結果を表3及び表4に示す。
【0198】
(実施例2)
実施例1において、クリーニングブレードとしてはブレードエッジ角度が70度となるように成型を行った。ブレードのゴム物性は硬度73°、23℃における反発弾性が60%、300%モジュラスが210g/cmであり、感光体に対する当接圧が0.20N/cmとなるようにクリーニングブレードBを装着した。このクリーニングブレードBを実機へ装着した状態で、当接する軸方向切断面と感光体とのなす角度が感光体回転方向上流側から見て90度となるものである。
クリーニングユニットを上記のものとした以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0199】
(実施例3)
実施例2において、トナーとして、DSC法によるワックス含有量15質量%であり、ワックスの分散径0.3〜3μmの粒子が63個数%であり、ポリエステル樹脂中にカルナバワックス、カーボンブラック、及び帯電制御剤が分散され、体積平均粒径が7.6μm、平均円形度が0.92である粉砕法により作製し、流動性改質材としてシリカを外添したトナーBを使用した以外は、実施例2と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0200】
(実施例4)
実施例2において、トナーとして、DSC法によるワックス含有量14質量%であり、ワックスの分散径が0.3〜3μmの粒子が75個数%であり、ポリエステル樹脂中にカルナバワックス、カーボンブラック、及び帯電制御剤が分散され、体積平均粒径が7.5μm、平均円形度が0.93である粉砕法により作製したトナーCを使用し、流動性改質材としてシリカを外添したトナーを使用した以外は、実施例2と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0201】
(実施例5)
実施例2において、トナーとして、DSC法によるワックス含有量15質量%であり、ワックスの分散径が0.3〜3μmの粒子が76個数%であり、ポリエステル樹脂中にカルナバワックス、カーボンブラック、及び帯電制御剤が分散され、体積平均粒径が6.8μm、平均円形度が0.93である粉砕法により作製し、流動性改質材としてシリカを外添したトナーDを使用した以外は、実施例2と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0202】
(実施例6)
実施例2において、トナーとして、DSC法によるワックス含有量14質量%であり、ワックスの分散径が0.3〜3μmの粒子が74個数%であり、ポリエステル樹脂中にカルナバワックス、カーボンブラック、及び帯電制御剤が分散され、体積平均粒径が5.5μm、平均円形度が0.93である粉砕法により作製し、流動性改質材としてシリカを外添したトナーEを使用した以外は、実施例2と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0203】
(実施例7)
実施例2において、トナーとして、重合法により作製され、DSC法によるワックス含有量13質量%であり、ワックスの分散径が0.3〜3μmの粒子が74個数%であり、ポリエステル樹脂中にカルナバワックス、及びカーボンブラックが分散され、表面に帯電制御剤が吸着している、体積平均粒径が5.3μm、平均円形度が0.95であるトナーを作製し、流動性改質材としてシリカを外添したトナーFを使用した以外は、実施例2と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0204】
(実施例8)
実施例2において、トナーとして、重合法により作製され、DSC法によるワックス含有量14質量%であり、ワックスの分散径が0.3〜3μmの粒子が75個数%であり、ポリエステル樹脂中にカルナバワックス、カーボンブラックが分散され、表面に帯電制御剤が吸着している、体積平均粒径が5.5μm、平均円形度が0.98であるトナーを作製し、流動性改質材としてシリカを外添したトナーGを使用した以外は、実施例2と同様にして、実施例1と同様に評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0205】
(比較例1)
実施例1において、ブレードエッジ角度を90度とした以外のブレード物性が実施例1と同じブレードであるブレードCを使用し、その他トナーなどの条件も、実施例1と同じ条件で、同様に評価を行った。このブレードブレードCを実機に装着した場合は感光体回転方向上流側から見て70度となった。
この比較例1では、50K(50,000)枚ラン終了時に、感光体のワックスフィルミングがひどく、画像が劣悪になったため、50K(50,000)枚でランニングを中止した。
【0206】
(比較例2)
実施例1において、クリーニングブレードのエッジ角度が70度となるようにブレード成型を行い、ブレード物性が硬度75°、23℃における反発弾性率が50%、300%モジュラスが180g/cmであり、感光体に対する当接圧が0.22N/cmとなるようにクリーニングブレードDを装着した。このクリーニングブレードDを実機への装着状態で、当接する軸方向切断面と感光体とのなす角度が感光体回転方向上流側から見て90度となるものである。
上記以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0207】
【表1】


【0208】
【表2】


【0209】
【表3】


【0210】
【表4】


【0211】
(比較例3)
実施例1において、クリーニングブレードのエッジ角度を35度とした以外は、ブレード物性が実施例1と同じブレードを使用し、トナーの条件も実施例1と同じ条件で、実施例1と同様の評価を行った。
この比較例3のクリーニングブレードを実機に装着した場合には、感光体回転方向上流側から見て125度となった。この比較例3のブレードを実機に搭載して評価したところ、クリーニング不良が初期から発生したので、以後の評価を中止することにした。
【産業上の利用可能性】
【0212】
本発明のプロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置は、クリーニングの余裕度を高めることにより、特に球状や小粒径のトナーを用いた場合であっても、フィルミング性、ハーフトーン均一性に優れ、地汚れがなく、高画質の画像が得られるので、直接又は間接電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0213】
【図1】図1は、本実施形態に用いられる第1の積層型電子写真感光体の概略断面図である。
【図2】図2は、本実施形態に用いられる第2の積層型電子写真感光体の概略断面図である。
【図3】図3は、本実施形態における画像形成装置を示す概略構成図である。
【図4】図4は、本実施形態におけるクリーニングブレードの形状概略図である。
【図5】図5は、本発明のクリーニング装置を搭載した場合のプロセスカートリッジの一例を示す構成図である。
【図6】図6は、本発明のクリーニング装置を搭載した場合のプロセスカートリッジの他の例を示す概略断面図である。
【図7】図7は、本発明のクリーニング装置を搭載した場合のプロセスカートリッジを構成する各サブユニットをプロセスカートリッジ枠体から開放する際の状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0214】
1 プロセスカートリッジ
2a プロセスカートリッジ枠体
2b プロセスカートリッジ枠体
2c 係合部
3 感光体ドラム(感光体)
4 帯電モジュール(帯電器)
5 現像モジュール(現像器)
6 クリーニングモジュール(クリーニングブレード)
21 温湿度センサ
22 電位センサ
23 トナー濃度センサ
25 転写前除電装置
26 クリーニング前除電装置
101 導電性支持体
102 感光層
103 電荷発生層
104 電荷輸送層
105 保護層
106 感光体
107 転写前チャージャ
108 クリーニング前チャージャ
109 帯電部材
110 転写ベルト
111 画像露光部
112 除電ランプ
113 現像ユニット
114 転写紙
115 ファーブラシ
116 クリーニングブレード
117 レジストローラ
118 分離爪




 

 


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