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発明の名称 ローラ・定着装置・画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−11085(P2007−11085A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−193052(P2005−193052)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100090103
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 章悟
発明者 町田 秀則 / 安瀬 徳彦 / 長谷川 基和
要約 課題
管材の吸液性の優劣に拘わらず管材と外層との接着強度を画一的に強めることができ、長期に亘って断熱性と良好なローラ機能を維持できるローラ、該ローラを有する定着装置及び画像形成装置を提供する。

解決手段
加圧ローラ65は、紙管66と、該紙管66の表面付近に設けられたポリイミドシートからなる表下層67と、紙管66の表面層66aに固定されたシリコーンゴムからなる耐熱性弾性層68を有している。紙管66は、シート状のセルロース繊維からなる紙にバインダー(接着剤)を塗布し、一定荷重を掛けながら巻き付けてローラ状に形成していき、表層付近に下層67を一層挿入し、さらに紙を巻き付けて紙−ポリイミド−紙の積層ローラとしている。
特許請求の範囲
【請求項1】
多孔質材料で形成された管材の表面に接着剤により外層を固定した複層構造を有し、画像形成装置に用いられるローラにおいて、
上記管材の表面付近に、上記管材への上記接着剤の浸透を妨げる表下層を設けたことを特徴とするローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のローラにおいて、
上記表下層は吸液性の低い材料で形成されていることを特徴とするローラ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のローラにおいて、
上記管材は紙管であることを特徴とするローラ。
【請求項4】
請求項3に記載のローラにおいて、
上記紙管は紙を連続的に積層した構成を有していることを特徴とするローラ。
【請求項5】
請求項4に記載のローラにおいて、
上記紙管の嵩密度は0.77g/cm以上であることを特徴とするローラ。
【請求項6】
請求項3、4又は5に記載のローラにおいて、
上記紙管には難燃性物質を含浸していることを特徴とするローラ。
【請求項7】
請求項4に記載のローラにおいて、
上記表下層はシート状であり、該表下層を上記紙管を製造する際に紙層と紙層との間に挟み込んで形成したことを特徴とするローラ。
【請求項8】
請求項3、4、5、6又は7に記載のローラにおいて、
上記外層は弾性層であることを特徴とするローラ。
【請求項9】
請求項3、4、5、6又は7に記載のローラにおいて、
上記外層は離型性の高い材料で形成されていることを特徴とするローラ。
【請求項10】
請求項9に記載のローラにおいて、
上記離型性の高い材料は、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂であることを特徴とするローラ。
【請求項11】
定着ローラと、他のローラと、これらのローラ間に掛け渡され加熱される無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して該定着ローラに対向して配置された加圧ローラとを有する定着装置において、
上記定着ローラと上記加圧ローラのうち少なくとも一方が請求項3、4、5、6、7又は8に記載のローラであることを特徴とする定着装置。
【請求項12】
定着ローラと、他のローラと、これらのローラ間に掛け渡され加熱される無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して上記定着ローラに対向して配置された加圧ローラと、上記定着ベルトに当接し該定着ベルトの緩みを規制するテンションローラとを有する定着装置において、
上記テンションローラが、請求項3、4、5、6、7、8、9又は10に記載のローラであることを特徴とする定着装置。
【請求項13】
加熱される定着ローラと、該定着ローラに対向して配置され該定着ローラとの間でニップを形成する加圧ローラを有する定着装置において、
上記加圧ローラが請求項3、4、5、6、7又は8に記載のローラであることを特徴とする定着装置。
【請求項14】
外面側から加熱される定着ローラと、該定着ローラに対向して配置され該定着ローラとの間でニップを形成する加圧ローラを有する定着装置において、
上記定着ローラが請求項3、4、5、6、7、9又は10に記載のローラであることを特徴とする定着装置。
【請求項15】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載のローラを有する画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラ、該ローラを有し記録媒体にトナーよりなる画像を定着する定着装置、該定着装置を有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタあるいはそれらの少なくも2つの機能を有する複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置には、転写材、例えば記録紙上に付着(転写)されたトナー像を加熱溶融して記録紙上に定着する定着装置が用いられている。定着装置としては、内部にハロゲンランプ等の加熱手段を有する加熱ローラと、この加熱ローラに圧接する加圧ローラとを有するいわゆる「熱ローラ定着方式」のものがよく知られている。
この方式の定着装置によれば、トナー像が形成された記録紙を加熱ローラと加圧ローラとのニップ部に通過させて、加熱手段による熱により記録紙上のトナーを溶融するとともに加圧し、トナー像を記録紙に定着している。
【0003】
また、例えば特許第2892381号公報に開示されているように、「ベルト定着方式」の定着装置も知られている。この方式の定着装置は、転写紙を搬送する定着ベルトと、定着ベルトを張架する加熱ローラ及び定着ローラと、定着ベルトを介して定着ローラに対向して配置される加圧ローラと、定着ベルトを一定の力で張架するテンションローラを有している。
加熱ローラは、熱伝導率が良好なアルミニウムあるいは鉄等の薄肉金属からなる芯金と、この芯金の内部に設けられたハロゲンヒータを有する構成となっている。定着ローラは、アルミニウムあるいは鉄等の芯金の外側に断熱層を有する構成となっている。断熱層は耐熱性が必要であり、シリコーンゴムや多孔質セラミックスなどが使用されている。
【0004】
加圧ローラは、芯金の外周にフッ素系樹脂、シリコーンゴム等の耐熱性弾性層を設け、さらのその表面にフッ素樹脂等からなる離型層を形成した構成となっている。テンションローラには、アルミニウム製の芯金が用いられている。
ベルト定着方式の定着装置では、加熱ローラによって定着ベルトが加熱され、転写紙上のトナーを加熱溶融させて転写紙上に定着している。
熱ローラ定着方式の定着装置では、転写紙上のトナーは、ハロゲンランプにより加熱された加熱ローラと対向する加圧ローラの間を通過することにより定着される。熱ローラ定着方式の場合、加熱ローラは加圧ローラに対向して圧力をかけるため、ベルト定着方式の加熱ローラよりも厚い芯金が必要になる。
【0005】
上述した従来の定着装置では、電源投入後加熱手段によって加熱ローラを加熱しても定着ベルト(ベルト定着方式の場合)や加熱ローラ(熱ローラ定着方式の場合)がトナーの溶融に必要な温度まで昇温するまでに数分の時間を要するため、定着装置は画像形成装置における他の手段(現像手段、転写手段等)よりも長い立ち上り時間を必要とし、ユーザーの待ち時間が長いという問題があった。
また、画像形成装置の待機時において、記録動作を行う時、操作開始から記録動作(コピーやプリント)を速やかに開始するためには、すなわち、加熱ローラをトナーの溶融に必要な温度まで昇温するためには、記録動作を行っていない待機時においても、その加熱手段に電力を供給し、加熱ローラの温度を常時一定温度に維持する必要がある。
しかしながら、加熱手段に常時電力を供給する定着装置は、画像形成装置全体の消費電力量に対する電力量の占める割合が大きく、画像形成装置の低消費電力化の妨げとなっている。
【0006】
上記の不具合を防止するため、加圧ローラを断熱化して加熱ローラや定着ベルトから加圧ローラに奪われる熱量を少なくし、立ち上り時間を短縮する方法が提案されている。
断熱化の手段としては、例えば特開2004−86219号公報に開示されているように、結合された繊維間に多数の気孔が形成されている多孔質形成体、多孔質セラミックス、多孔質樹脂等が知られている。
特許第2999740号公報には、加圧ローラの断熱化として紙管を使用する例が開示されている。具体的には、金属製の軸の表面に紙管を設け、その表面に弾性ゴム層を設け、さらにその表面に離型層を設ける構成となっている。
【0007】
【特許文献1】特許第2999740号公報
【特許文献2】特開平3−46450号公報
【特許文献3】特開2004−354670号公報
【特許文献4】特許第2892381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ローラの断熱性を向上させるために、多孔質材料で形成された紙管等の管材を用い、その表面に弾性層をあるいは離型層を設ける場合、一般的には管材の表面に接着剤を塗布し、その接着力により固定するようになっている。
しかしながら、多孔質材料で形成された管材に接着剤を塗布する場合、管材の多孔質構造による吸液性により接着剤が管材の表面下に染込み、接着性(固定強度)が低下するという問題があった。
管材の吸液性が特に高い場合には、本来の目的である接着固定に供される前に接着剤のほとんどが管材に浸透し、飽和するまで接着に有効な量が得られず、その結果大量の接着剤が必要になるという問題があった。
この場合、管材の気孔部が接着剤で埋まるため、断熱性が却って低下するという副作用が強まることになる。
【0009】
接着剤の多くは粘度が低く、紙に浸透してしまう。このため、例えば紙管上に離型性に優れたPFA(四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)を接着する場合、紙管に接着剤を塗布しても接着剤は紙管表面にほとんど残らず、PFAチューブを被せても早期に剥がれてしまう不具合があった。
同様に、紙管と弾性層としてのシリコーンゴムとの接着性を向上させるため、紙管とシリコーンゴム間に接着剤を塗布しても良好な接着強度が得られないという問題があった。
上述のように、画像形成装置の定着装置等においては外層として弾性層や離型層を有するローラが使用されており、ローラの機能の安定維持は定着装置等の機能に影響を及ぼすため、その断熱材(管材)と外層間の接着強度の重要性は極めて大きい。
しかしながら、紙管等の採用により断熱性を高めても、紙管等と外層との接着強度が低下して早期にローラ機能が損なわれ、断熱化の利点を十分に活かせない状況にあった。
【0010】
本発明は、管材の吸液性の優劣に拘わらず管材と外層との接着強度を画一的に強めることができ、長期に亘って断熱性と良好なローラ機能を維持できるローラ、該ローラを有する定着装置及び画像形成装置の提供を、その主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、多孔質材料で形成された管材の表面に接着剤により外層を固定した複層構造を有し、画像形成装置に用いられるローラにおいて、上記管材の表面付近に、上記管材への上記接着剤の浸透を妨げる表下層を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のローラにおいて、上記表下層は吸液性の低い材料で形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載のローラにおいて、上記管材は紙管であることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載のローラにおいて、上記紙管は紙を連続的に積層した構成を有していることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載のローラにおいて、上記紙管の嵩密度は0.77g/cm以上であることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明では、請求項3、4又は5に記載のローラにおいて、上記紙管には難燃性物質を含浸していることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明では、請求項4に記載のローラにおいて、上記表下層はシート状であり、該表下層を上記紙管を製造する際に紙層と紙層との間に挟み込んで形成したことを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明では、請求項3、4、5、6又は7に記載のローラにおいて、上記外層は弾性層であることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明では、請求項3、4、5、6又は7に記載のローラにおいて、上記外層は離型性の高い材料で形成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の発明では、請求項9に記載のローラにおいて、上記離型性の高い材料は、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂であることを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載の発明では、定着ローラと、他のローラと、これらのローラ間に掛け渡され加熱される無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して該定着ローラに対向して配置された加圧ローラとを有する定着装置において、上記定着ローラと上記加圧ローラのうち少なくとも一方が請求項3、4、5、6、7又は8に記載のローラであることを特徴とする。
【0022】
請求項12に記載の発明では、定着ローラと、他のローラと、これらのローラ間に掛け渡され加熱される無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して上記定着ローラに対向して配置された加圧ローラと、上記定着ベルトに当接し該定着ベルトの緩みを規制するテンションローラとを有する定着装置において、上記テンションローラが、請求項3、4、5、6、7、8、9又は10に記載のローラであることを特徴とする。
【0023】
請求項13に記載の発明では、加熱される定着ローラと、該定着ローラに対向して配置され該定着ローラとの間でニップを形成する加圧ローラを有する定着装置において、上記加圧ローラが請求項3、4、5、6、7又は8に記載のローラであることを特徴とする。
【0024】
請求項14に記載の発明では、外面側から加熱される定着ローラと、該定着ローラに対向して配置され該定着ローラとの間でニップを形成する加圧ローラを有する定着装置において、上記定着ローラが請求項3、4、5、6、7、9又は10に記載のローラであることを特徴とする。
【0025】
請求項15に記載の発明では、画像形成装置において、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載のローラを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、管材と外層の固定を少量の接着剤で確実に行うことができ、ローラの断熱性とローラ機能を長期に亘って安定させることができる。
特に請求項3に記載の発明によれば、断熱性の高いローラを安価に製造することができる。
特に請求項4に記載の発明によれば、断熱性の高いローラを一層安価に製造することができる。
特に請求項5に記載の発明によれば、紙管のみで剛性を得ることができ、金属芯金が不要となるので断熱性をさらに高めることができる。
特に請求項6に記載の発明によれば、単体では耐熱性が低いセルロース繊維を使用することができ、一般的な故紙を使用できるために、安価で環境にやさしいローラとすることができる。
特に請求項7に記載の発明によれば、製造の容易性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図6に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて本実施形態における画像形成装置としてのタンデム型直接転写方式のカラー画像形成装置(カラープリンタ)の概略構成を説明する。
カラープリンタは、1つの手差しトレイ20と、2つの給紙カセット21、22の3つの給紙トレイを有しており、手差しトレイ20より給紙されたシート状記録媒体としての図示しない転写紙は給紙手段23により最上のものから順に1枚ずつ分離され、レジストローラ対8へ向けて搬送される。給紙トレイ21又は22から給紙された転写紙Pは、給紙手段24により最上のものから順に1枚ずつ分離され、搬送ローラ対25を介してレジストローラ対8へ向けて搬送される。
【0028】
給紙された転写紙Pは、レジストローラ対8で一旦停止され、スキューを修正された後、後述する最上流に位置する感光体(感光体ドラム)1M上に形成された画像の先端と転写紙Pの搬送方向の所定位置とが一致するタイミングで、図示しないレジストクラッチのオン制御によるレジストローラ対8の回転動作により転写体としての転写ベルト52へ向けて搬送される。
転写紙Pは、転写ベルト52とこれに当接した図示しない紙吸着ローラとで構成される紙吸着ニップを通過する際、紙吸着ローラに印加されるバイアスにより転写ベルト52に静電力で吸着され、所定のプロセス線速にて搬送される。
【0029】
転写ベルト52に吸着された転写紙Pには、転写ベルト52を挟んで各色の像担持体としての感光体1M、1C、1Y、1Bkに対応した位置に配置された転写バイアス印加部材としての転写ローラ51M、51C、51Y、51Bkに、トナーの帯電極性と逆極性の転写バイアスが印加されることにより、各感光体1M、1C、1Y、1Bkに作像された各色のトナー像がマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の順で転写される。
【0030】
各色の転写工程を経た転写紙Pは、下流側の駆動ローラ26の部位で転写ベルト52から曲率分離され、定着装置30へ搬送される。定着装置30における定着ベルト63と加圧ローラ65により構成される定着ニップを通過することにより、トナー像が熱と圧力により転写紙Pに定着される。定着がなされた転写紙Pは、片面印刷モードの場合には、装置本体上面に形成された排紙トレイ33へと排出される。
予め両面印刷モードが選択されている場合には、定着装置30を出た転写紙Pは、図示しない反転ユニットへ送られ、該ユニットにて表裏を反転されてから転写ユニット34の下部に位置する両面搬送ユニット35に搬送される。転写紙Pは該両面搬送ユニット35から再給紙され、搬送ローラ対36、25を経てレジストローラ対8へ搬送される。以降は、片面印刷モード時と同様の動作を経て定着装置30を通過し、排紙トレイ33へと排出される。
【0031】
4つの感光体1M、1C、1Y、1Bkの周囲には、それぞれ帯電手段2、露光手段3、現像手段4、クリーニング手段6等が配置されている。これらは色別の欧文字で区別しているだけで、同様の構成を有している。露光手段3は、1つのユニットとして形成され、各感光体1M、1C、1Y、1Bkに対してそれぞれ露光光3M、3C、3Y、3Bkを射出する。
感光体1M、1C、1Y、1Bkは、転写ベルト52に当接し、転写ベルト52を挟んで感光体1M、1C、1Y、1Bkにそれぞれ対応する位置に転写ローラ51M、51C、51Y、51Bkが配置されている。
【0032】
転写ベルト52は複数の支持部材としての支持ローラ26、27、28、29間に掛け回されて張架されている。本実施形態では、転写バイアス印加部材51として転写ローラを採用したが、ブラシ、ブラシローラ、ブレード等他の形状であってもよい。本発明では、特に、感光体1と転写ベルト52、転写ベルト52と転写バイアス印加部材51との接触の幅及びかかる圧力を規定する構成であることから、図1に記載の転写ローラが好適である。
【0033】
図2に基づいて定着装置30を詳細に説明する。定着装置30は、内部に熱源としてのハロゲンヒータ60を有する加熱ローラ61と、定着ローラ62と、加熱ローラ61と定着ローラ62間に掛け回された無端状の定着ベルト63と、定着ベルト63に一定の張力を付与するテンションローラ64と、定着ベルト63を介して定着ローラ62に対向して配置される加圧ローラ65を有している。符号Gは、転写紙Pを定着ニップNに向けて案内するガイドを示す。
定着ベルト63の基体には、SUSやニッケル等の金属、あるいは耐熱性樹脂から形成した無端状のベルト状基体を用いる。耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等を使用できる。また基体の厚さは、熱伝導と強度のバランスから30〜100μmのものが望ましい。定着ベルト63の表面は、転写紙P及びトナーTと加圧接触するため、耐熱性、耐久性に優れた表面離型層としてフッ素系樹脂等の表面離型層を被覆した構成としてある。
また、画像の均一性を得るために表面離型層の下に100〜300μm程度のシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムによる弾性層を設けている。
【0034】
加熱ローラ61は、例えば径がφ30mmで、芯金は熱伝導率が良好なアルミニウムあるいは鉄等の薄肉金属であり、その厚さはたわみ・つぶれ等の機械的強度と立ち上り時間の短縮から考えて0.3〜0.8mmである。芯金の内面にはハロゲンヒータ60からの熱吸収を向上させるため、黒体塗装を行ってもよい。
定着ローラは、一般的には、アルミニウムあるいは鉄等の芯金の外側に断熱層を有する。断熱層は耐熱性が必要であり、シリコーンゴムや多孔質セラミックスなどが使用される。断熱層に使用される材料の熱伝導率は低ければ低い方が効果的で、概ね0.2W/m/K以下が望ましい。
加圧ローラは、一般的には、芯金の外周にフッ素系樹脂、シリコーンゴム等の耐熱性弾性層と、フッ素樹脂等からなる表面離型層を形成している。
【0035】
転写紙Pの定着ベルト63からの剥離性を良くするため、加圧ローラ65の表面硬度を定着ローラ62よりも硬くし、定着ベルト63と加圧ローラ65の間に下向きの定着ニップ部Nを形成している。
加圧ローラ65の硬度を比較的高くし、ニップを狭くして面圧を高くする高圧狭ニップでも定着されるため、加圧ローラ65の弾性層の厚さは、0から数mm程度である。
本実施形態における定着ローラ62、加圧ローラ65、テンションローラ64は、定着ベルト63の熱を奪いにくい断熱ローラとして構成されている。
加圧ローラ65は、図3に示すように、従来のローラの芯金に相当する、多孔質材料で形成された管材としての紙管66と、該紙管66の表面付近に設けられた表下層67と、紙管66の表面層66aに固定されたシリコーンゴムからなる耐熱性弾性層68を有している。
【0036】
紙管66は、シート状のセルロース繊維からなる紙にバインダー(接着剤)を塗布し、一定荷重を掛けながら巻き付けてローラ状に形成してゆき、表層付近にポリイミドシートからなる表下層67を一層挿入し、さらに紙を巻き付けて紙−ポリイミド−紙の積層ローラとしている。
巻き付けて形成した紙管を乾燥した後、機械加工により胴部65a、ジャーナル部65bの形状を得ている。この紙管66を難燃剤中に浸漬し、減圧することで含浸量を調整している。難燃化剤はシロキサンを使用した。
紙管66の表面層66aに接着剤69を塗布し、耐熱性弾性層68を固定している。
【0037】
紙管66の表面層66aに接着剤69を塗布した場合、紙管66は多孔質であるので接着剤69は内部に浸透してゆく。しかしながら、本実施形態では表面層66aの下に吸水性(吸液性)の低いポリイミド製の表下層67が存在するので、塗布された接着剤69は表面層66aのみに染み込み、それ以上の内部への浸透を阻止される。
このため、塗布された接着剤69は薄肉の表面層66aにおいて直ちに飽和状態となり、耐熱性弾性層68を接着固定するに十分な接着剤量が保持される。接着剤69が固化した後は十分な接着強度が得られる。
したがって、接着剤69を塗布後、接着剤69のほとんどが紙管66内に浸透してゆき、耐熱性弾性層68の固定(接着強度)が早期に低下するという心配がない。
【0038】
図2に示すように、定着ローラ62も紙管70の表面に耐熱性弾性層71を固定した断熱ローラ構造となっているが、加圧ローラ65と同様に表下層を有する構造を有している。
テンションローラは、一般的にはアルミニウム製の芯金が用いられる。本実施形態におけるテンションローラ64は、定着ローラ62や加圧ローラ65と同様に定着ベルト63の熱を奪いにくい断熱ローラとして構成されている。
図4に示すように、定着ローラ62は、加圧ローラ65と同様に、紙管72の表層付近に表下層67を挿入し、表面層72aに接着剤69を塗布して離型層としてのPFAチューブ73を接着固定した構造となっている。
本実施形態において、加圧ローラ65の耐熱性弾性層68の表面にさらに離型層(例えばPFAチューブ)を形成してもよく、テンションローラ64の断熱ローラ構成を加圧ローラ65に適用してもよい。
【0039】
図5に基づいて、ローラ条件を変えた場合の実験結果を説明する。
[比較例1]
シート状のセルロース繊維からなる紙(故紙、厚さ0.2mm、嵩密度0.67g/cm)にバインダーを塗布し、一定荷重を掛けながら巻き付ける。この時一枚のシートで巻き付けているため、紙は連続的に積層され、外径φ40、内径φ10、長さ380mmの紙管が得られた。巻き付けた紙管を乾燥した後、胴部、ジャーナル部の形状を機械加工する。
この表層に接着剤を塗布し、PFAチューブを被せて離型層を形成した。
この紙管の嵩密度は、紙巻き付け後の外径より換算すると0.72g/cmであった。
また、紙管の両端を支持し、片側300Nの荷重を掛けた場合のたわみ量を測定した。たわみ量は0.7mmであり、加圧ローラとして使用できない状態であった。さらに、PFAと紙管の接着力が弱く、PFAが剥がれてしまった。
また、150°Cで連続加熱した場合には紙管から焦げる臭いが発生した。
【0040】
[比較例2]
比較例1と同様にシート状のセルロース繊維からなる紙(故紙、厚さ0.2mm、嵩密度0.67g/cm)にバインダーを塗布し、一定荷重を掛けながら巻き付ける。この時一枚のシートを巻き付けているため、紙は連続的に積層され、外径φ40、内径φ10、長さ380mmの紙管が得られた。巻き付けた紙管を乾燥した後、胴部、ジャーナル部の形状を機械加工する。
前記紙管を難燃剤中に浸漬し、減圧することで含浸量を調整する。難燃化剤はシロキサンを使用した。この表層に接着剤を塗布し、PFAチューブを被せて離型層を形成した。
この紙管の嵩密度は、紙巻き付け後の外径より換算すると0.72g/cmであった。
また、紙管の両端を支持し、片側300Nの荷重を掛けた場合のたわみ量を測定した。たわみ量は0.7mmであり、加圧ローラとして使用できない状態であった。さらに、PFAと紙管の接着力が弱く、PFAが剥がれてしまった。
しかし、比較例1と異なり、150°Cで連続加熱した場合も紙管から焦げる臭い等は発生しなかった。
【0041】
[比較例3]
比較例2と同様に紙管ローラを製作した。但し比較例2よりも紙管の巻き付けトルクを大きくした。その結果この紙管の嵩密度は、紙巻き付け後の外径より換算すると0.77g/cmであり、比較例2よりも大きくなった。
比較例2同様の方法でたわみ量を測定したら0.2mmであり、金属芯金入り紙管ローラと同等であり、加圧ローラとして使用が耐えられることが判った。150°Cで連続加熱した場合も紙管から焦げる臭い等は発生しなかったが、PFAの剥がれは発生した。
【0042】
[比較例4]
比較例3と同様に耐熱性が高いアラミド繊維(全芳香族ポリアミド、厚さ0.2mm、嵩密度0.67g/cm)をシート状にした紙にバインダーを塗布し、一定荷重(比較例3と同等)を掛けながら巻き付けた。但し、難燃化剤の浸漬は行わなかった。同様に表層に接着剤を塗布し、PFAチューブを被せて離型層を形成した。アラミド繊維でも故紙と同等の嵩密度0.77g/cmが得られ、たわみ量も同等の0.2mmであり、金属芯金入り紙管ローラと同等であり、加圧ローラとして使用が耐えられることが判った。
また、150°Cで連続加熱した場合も紙管から焦げる臭い等は発生しなかったが、PFAの剥がれは発生した。
アラミド繊維を積層して紙管を製作しても構わないが、高価である。一般的な紙であるセルロースは安価でリサイクルできるため環境にもやさしい。但し、セルロースは耐熱性が低いため、そのまま使用することができない。そこで、セルロースに難燃性物質を含浸させることで加圧ローラに使用できるようにした。難燃処理を行うことでセルロースでも耐熱性が得られた。
【0043】
[実施例]
比較例3と同様にシート状のセルロース繊維からなる紙(故紙、厚さ0.2mm、嵩密度0.67g/cm)にバインダーを塗布し、一定荷重(比較例3と同等)を掛けながら巻き付けてローラを形成するが、表層付近に厚さ0.025mmのポリイミドシートを一層挿入し、さらに紙を巻き付けて紙−ポリイミド−紙の積層ローラを形成した。
難燃剤を含浸したのち、表層に接着剤を塗布し、PFAチューブを被せて離型層を形成した。このローラのたわみ量は0.2mmで金属芯金入り紙管ローラと同等であり、加圧ローラとして使用が耐えられることが判った。
また、150°Cで連続加熱した場合も紙管から焦げる臭い等は発生せず、PFAの剥がれも発生しなかった。
紙管の表層近くに低吸水性のポリイミドシートがあることで表層付近が接着剤リッチな状態になったためPFAは剥がれなかった。
【0044】
本実施形態における加圧ローラ65をベルト定着装置に搭載し、定着可能温度までの立ち上り時間と、芯金入り紙管ローラ及び芯金なしで嵩密度の低いローラの立ち上り時間の測定結果を図6に示す。
金属芯金なしの断熱ローラを加圧ローラに使用した定着装置では電源投入後28秒で定着可能温度に立ち上った。一方、芯金を有する加圧ローラは立ち上るのに32秒かかっており、本発明の加圧ローラは断熱性が高いことがわかる。
また、本実施形態では、紙管による断熱ローラを加圧ローラのみならず、テンションローラ64や定着ローラ62にも使用しているので、立ち上り時間の一層の短縮が見込まれる。
本実施形態では紙管で強度を確保し、金属芯金を使用しないことで断熱効果をより一層向上させているが、芯金に金属や樹脂材料を使用しても構わない(以下の実施形態において同じ)。
【0045】
図7に基づいて、第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
本実施形態では熱ローラ方式の定着装置への適用例を示している。定着装置74は、内部に熱源としてのハロゲンヒータ75を有する加熱ローラ(定着ローラ)76と、該加熱ローラ76に対向して圧接する加圧ローラ77を有している。
加熱ローラ76は、アルミニウム等からなる芯金78と、その表面に設けられた離型層としてのPFAチューブ89からなる2層構造を有している。
加圧ローラ77は、上記実施形態における加圧ローラ65と同様に、紙管66と、該紙管66の表面付近に設けられた表下層(図示せず)と、紙管66の表面層(図示せず)に固定されたシリコーンゴムからなる耐熱性弾性層68を有している。
本実施形態においても同様に、加圧ローラ77について上述した接着強度及び断熱機能を得ることができる。
熱源をローラ外部に配置して加熱する構成においては、定着ローラにも上記断熱ローラ構成を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置の概要正面図である。
【図2】定着装置の概要正面図である。
【図3】加熱ローラの側面断面図である。
【図4】テンションローラの側面断面図である。
【図5】ローラ条件を変えた場合の実験結果を示す図である。
【図6】立ち上がり時間の比較を示す図である。
【図7】第2の実施形態における定着装置の概要正面図である。
【符号の説明】
【0047】
30、74 定着装置
61 他のローラとしての加熱ローラ
62 定着ローラ
63 定着ベルト
64 テンションローラ
65 ローラとしての加圧ローラ
66 管材としての紙管
67 表下層
68 外層としての耐熱性弾性層
69 接着剤
76 定着ローラ
77 加圧ローラ




 

 


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