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発明の名称 画像形成方法および画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−11084(P2007−11084A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−193044(P2005−193044)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100090103
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 章悟
発明者 岩井 貞之
要約 課題
帯電部材に付着した微小物質をクリーニングブレードなどの物理的な作用によらずに除去できるようにして帯電部材の帯電不良を防止して異常画像の発生を防ぐことができる画像形成方法を提供する。

解決手段
潜像担持体を近接または接触して配置された帯電部材により一様帯電した後、画像情報に応じた光書き込みにより形成された静電潜像をトナーにより可視像処理する行程を有する画像形成方法において、帯電部材2aと潜像担持体1との間に、帯電部材2aに付着している帯電物質を帯電部材2aと帯電物質との極性を利用して潜像担持体1に向け飛翔させることができる電界を潜像担持体1の帯電開始電圧未満で形成すること特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
潜像担持体を近接または接触して配置された帯電部材により一様帯電した後、画像情報に応じた光書き込みにより形成された静電潜像をトナーにより可視像処理する行程を有する画像形成方法において、
上記帯電部材と潜像担持体との間に、該帯電部材に付着している帯電物質を潜像担持体に向け飛翔させることができる電界を形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成方法において、
潜像担持体と帯電部材との間の電界形成用電位が、潜像担持体での非画像形成時に設定される帯電開始電位未満となる関係で設定されていることを特徴とする画像形成方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の画像形成方法において、
上記潜像坦持体の表面電位に対して、帯電部材の電位を相対的に高い電位か低い電位の少なくともどちらか一方、もしくは順次両方向に設定することを特徴とする画像形成方法。
【請求項4】
請求項1または2記載の画像形成方法において、
上記潜像坦持体の表面電位に対して、帯電部材の電位を潜像担持体の帯電開始電位未満に保ち続ける時間として、帯電部材の表面が少なくとも全周囲を潜像担持体と対向させることができる時間以上に設定することを特徴とする画像形成方法。
【請求項5】
請求項1または2記載の画像形成方法において、
上記帯電部材に印加する電圧が直流電圧であることを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】
請求項1または2記載の画像形成方法において、
上記帯電部材に印加する電圧として直流電圧に潜像担持体の帯電開始電圧を超えない範囲で交流電圧を重畳したことを特徴としている。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成方法において、
上記帯電部材と潜像担持体との間に形成される電界の方向を順次切り換える際には、切り換えに先立ち電界を生じさせない一定時間の間隔を設定した上で切り換えることを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
請求項6または7記載の画像形成方法において、
上記帯電部材に印加する電界の方向を順次切り換える際には、トナーの正規帯電極性粒子が帯電部材に付着しない側の電界を最後に印加することを特徴とする画像形成方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちの一つに記載の画像形成方法において、
上記潜像担持体を帯電するために近接または接触して配置された帯電部材と潜像担持体との間に電界を形成できる電位差を設定し、電界中で帯電部材に付着している帯電物質を潜像担持体に向けて静電的に飛翔させる際に、この帯電部材に潜像担持体が対向する1周期前に設定された該帯電部材による潜像担持体での帯電電位を除電により消失させることなく電位履歴を残したままで次の周回時に上記電界を形成する電位差を設定することを特徴とする画像形成方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちの一つに記載の画像形成方法において、
電界形成のために帯電部材の電圧印加制御を行う部分に相当する、帯電部材と対向する潜像担持体の領域が転写部位を通過する際には、転写バイアスを通常の作像時とは異なる値とすることを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
請求項1乃至9のうちの一つに記載の画像形成方法において、
上記電界形成は画像形成終了後、規定の間隔で実施されることを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちの一つに記載の画像形成方法を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、
少なくとも作像に係る上記潜像担持体および帯電部材が収納されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電記録方式や電子写真方式の如き作像プロセスを利用した画像形成方法および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、帯電装置の汚損防止に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に静電記録方式や電子写真方式による作像プロセスを用いた画像形成装置にあっては、潜像担持体である感光体に対して一様帯電を行う帯電行程および帯電後の感光体に対して画像情報に応じた光書き込みによる静電潜像形成行程が実行される。
感光体に形成された静電潜像は現像装置から供給されるトナーによって可視像とされ、可視像処理によるトナー像が記録紙などの記録媒体に転写されたのち、そのトナー像を定着することが画像出力を得るようになっている。
【0003】
帯電行程では、長らくコロナ放電を利用したコロトロン帯電器やそれを一定一様帯電し易いように改良されたスコロトロン帯電器が用いられてきた。
これら帯電行程に用いられる帯電装置は、タングステンなどの導電性細線の周囲に5〜10mmほどの間隔をあけて対向電極を配し、導電性細線に高圧電圧を印加することで細線周囲の大気分子を励起しイオン化することで荷電粒子を発生し、その粒子をもって感光体表面に付着させることで感光体の帯電を実現している。
【0004】
しかし、この種の気中放電形式を用いた装置は全面に渡って非接触で均一な帯電を行いやすい反面、大気分子の電離による副作用でオゾンや窒素酸化物(Nox)が発生しやすく、扱いにくい構成である。
このため、コロナ帯電器に変わる帯電方式が模索されて来ており、例えば、導電性のゴムやブラシ繊維、樹脂などを感光体に直接接触させ、感光体への電荷の直接移動、もしくは導電性部材と感光体との間の放電による電荷の移動などを利用した電化注入形式の帯電方式が編み出されている。
【0005】
この種の接触式の帯電装置では近年、表層にゴムを配したローラによる接触帯電器が主に使われている(例えば特許文献1,2,3)。
【0006】
特許文献1には、芯金上に感圧導電ゴムを含有した弾性体層および表層および積層した構成を備え、加圧力を調整することにより長期に亘り被帯電部材に対する所望の帯電電圧を一様に制御するようにした技術が開示されている。
特許文献2には、直流直接帯電法において、感光体暗電位を特定の範囲(比較的低電位、例えば300〜650Vの範囲)にすることにより、帯電が均一となり、スジ等画像欠陥のない良好な画像が得られるようにする技術が開示されている。
特許文献3には、帯電ローラの電気特性変化が生じても、被帯電部材の非画像域に対応しているときに該特性変化を検知し、帯電部材が被帯電体の画像形成領域に対応したときに、上記検知特性に応じた直流電圧印加制御を行い、常に帯電不足がないようにできる技術が開示されている。
【0007】
この種、直接接触方式による帯電装置においては、コロナ放電の場合と違って、気中放電によるオゾンやNox等の放電生成物の発生量を少なくできるという利点がある反面、直接接触していることが原因して、感光体上に残留している付着物(クリーニングで除去できなかった転写残トナーや紙粉、タルク等の紙構成物質)などが帯電部材であるローラに転移し、帯電用ローラ表面が汚損されやすいという欠点がある。
このような欠点である帯電用ローラの表面汚損により、感光体とローラ表面との一様な接触ができないことで接触むらになったり、ローラ表層の抵抗値にムラがでたりと、均一な帯電を行うのが難しくなり、さらには、ローラ表面の汚れが帯電器の寿命を決定する因子となることがあった。
【0008】
そこで、このような不具合を解決するための構成として、感光体との間に微小間隙を設定して非接触な状態で対向配置された帯電ローラを設けて感光体の一様帯電を行う構成が提案されている(例えば、特許文献4)。
【0009】
【特許文献1】特開平6−348110号公報
【特許文献2】特開平6−348112号公報
【特許文献3】特開平6−348114号公報
【特許文献4】特開2002−229307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
感光体と帯電ローラとの接触による残存粒子の物理的な付着により帯電ローラが汚れるという不具合は、特許文献4に開示されているような構成である、感光体と帯電ローラとを非接触にすることによって減ってきている。
【0011】
しかし、クリーニング装置を備えているような場合には、クリーニング装置をすり抜けて感光体上に残留する微小物資の中には帯電している場合もあり、そのような物質は感光体と帯電ローラとの間の電界によって飛翔して帯電ローラに付着する場合がある。
また、帯電ローラにACバイアスを重畳している方式が用いられる場合には、たとえ微小物質が帯電していなくとも電界の作用によって微小粒子に電荷が誘導され、ACバイアスの効果で表面をホッピングする現象も観察され、このようなホッピングの最中に帯電ローラに接触したものがファンデル・ワールス力のような物理的な付着力でローラ表面に付いて汚れてしまうこともある。また、感光体上の物質のみならず、機内を浮遊しているトナーやトナーの外添剤などが電気的に引きつけられてローラが汚れる場合も見受けられる。
【0012】
これらの汚れは接触ローラ帯電でのローラの汚れよりは圧倒的に小さい汚れではあるが、長時間の連続使用では汚れが堆積することにより堆積した汚れによる問題が発生することになる。
非接触方式での帯電装置においては、接触帯電方式と同様に帯電ローラのクリーニング装置は設けられているが、クリーニング装置が回収した汚れを帯電器外へ廃棄する流路などを設けると機械が大きくなるなどの不具合もあり、ローラのクリーニング装置そのものの中で抱え込む方式をとることが一般的である。その場合はローラクリーニング装置が汚れで一杯なった時点で寿命となる。
【0013】
一方、接触帯電方式の場合は一度ローラ表面に汚れが付いた場合でも、再び感光体とローラ表面が接するため、汚れが感光体へ再度排出される効果が期待できるが、これに対して非接触式の場合は接触による物理作用力が使えないため、帯電ローラ側の汚れを感光体側に戻すことが難しい。
【0014】
本発明の目的は、上記従来の画像形成方法、非接触あるいは接触帯電方式を用いる場合の問題に鑑み、帯電部材に付着した微小物質をクリーニングブレードなどの物理的な作用によらずに除去できるようにして帯電部材の帯電不良を防止して異常画像の発生を防ぐことができる画像形成方法および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、帯電部材に付着した転写残トナーなどの異物を、従来用いられていたクリーニングブレードなどの物理的な手法によらないで、感光体との間のバイアス関係により感光体に戻すための手段として、新たなバイアス構造を用いることなく既存のバイアス構造を用いて、帯電部材に付着している帯電した転写残トナーなどの微小物質を静電的に感光体に向けて飛翔させることを特徴としている。
【0016】
特に請求項1記載の発明においては、潜像担持体を近接または接触して配置された帯電部材により一様帯電した後、画像情報に応じた光書き込みにより形成された静電潜像をトナーにより可視像処理する行程を有する画像形成方法において、上記帯電部材と潜像担持体との間に、該帯電部材に付着している帯電物質を潜像担持体に向け飛翔させることができる電界を形成することを特徴としている。
【0017】
請求項2記載の発明においては、上記潜像担持体と帯電部材との間の電界形成用電位が、潜像担持体での非画像形成時に設定される帯電開始電位未満となる関係で設定されていることを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の発明においては、潜像坦持体の表面電位に対して、帯電部材電位を相対的に高い電位か低い電位の少なくともどちらか一方、もしくは順次両方向に設定することを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明においては、帯電部材の電位を潜像担持体の帯電開始電位未満に保ち続ける時間として、帯電部材の表面が少なくとも全周囲が潜像担持体と対向できる時間以上に設定することを特徴としている。
【0020】
請求項5記載の発明においては、帯電部材に印加する電圧は直流電圧であることを特徴としている。
【0021】
請求項6記載の発明においては、帯電部材に印加する電圧として直流電圧に潜像担持体の帯電開始電圧を超えない範囲で交流電圧を重畳したことを特徴としている。
【0022】
請求項7記載の発明においては、帯電部材と潜像担持体との間に形成される電界の方向を順次切り換える際には、切り換えに先立ち電界を生じさせない一定時間の間隔を設定した上で切り換えることを特徴としている。
【0023】
請求項8記載の発明においては、帯電部材に印加する電界の方向を順次切り換える際には、トナーの正規帯電極性粒子が帯電部材に付着しない側の電界を最後に印加することを特徴としている。
【0024】
請求項9記載の発明においては、潜像担持体を帯電するために近接または接触して配置された帯電部材と潜像担持体との間に電界を形成できる電位差を設定し、電界中で帯電部材に付着している帯電物質を潜像担持体に向けて静電的に飛翔させる際に、この帯電部材に潜像担持体が対向する1周期前に設定された該帯電部材による潜像担持体での帯電電位を除電により消失させることなく電位履歴を残したままで次の周回時に上記電界を形成する電位差を設定することを特徴としている。
【0025】
請求項10記載の発明においては、請求項1乃至9のうちの一つに記載の発明において実行される電界形成時において、電界形成のために帯電部材の電圧印加制御を行う部分に相当する、帯電部材と対向する潜像担持体の領域が転写部位を通過する際には、転写バイアスを通常の作像時とは異なる値とすることを特徴としている。
【0026】
請求項11記載の発明においては、請求項1乃至9のうちの一つに記載の発明において実行される電界形成が画像形成終了後、規定の間隔で実施されることを特徴としている。
【0027】
請求項12記載の発明においては、上記した画像形成方法を画像形成装置に用いることを特徴としている。
【0028】
請求項13記載の発明においては、上記画像形成方法を実施するための装置をプロセスカートリッジに備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0029】
請求項1および2記載の発明によれば、帯電部材と潜像担持体との間に帯電部材に付着している帯電物質を潜像担持体に向けて飛翔させることができる電界を形成し、特に請求項2記載の発明においては電界形成電位が潜像担持体の非画像形成時に設定されている帯電開始電位未満とされているので、帯電部材と潜像担持体との間で放電させないようにして帯電部材とこれに付着している帯電物質との間の静電関係を利用することによって、擦り取るような場合と違って帯電部材へのストレスを与えることなく帯電部材の汚れをなくして帯電不良の発生を解消することが可能となる。
【0030】
請求項3記載の発明によれば、帯電部材と潜像担持体との間に形成される電界の方向を変更できるので、帯電部材に付着している帯電物質の極性に合わせた電界形成により帯電部材に付着している帯電物質の帯電極性に合わせた除去作用が可能となり、帯電部材の汚れを確実に解消することができる。
【0031】
請求項4記載の発明によれば、帯電部材の電位を潜像担持体の帯電開始電位未満に保ち続ける時間として、帯電部材の表面が少なくとも全周囲が潜像担持体と対向できる時間以上としているので、帯電部材の全周域での帯電物質の除去が可能となる。
【0032】
請求項5記載の発明によれば、帯電部材に印加する電圧を直流電圧としているので、電界形成の電位差を安定した状態とすることができ、帯電部材の任意の位置が潜像担持体と対向した際の電界強度が常に安定していることにより帯電部材からの帯電物質の除去、いわゆる帯電部材でのクリーニング効率のよい状態とすることが可能となる。
【0033】
請求項6記載の発明によれば、帯電部材に印加する電圧が直流電圧に加えて潜像担持体の帯電開始電位未満の交流電圧を重畳しているので、電界強度を微小に振動させることができ、帯電部材に付着している帯電物質の脱落容易性を確保することが可能となる。
【0034】
請求項7記載の発明によれば、帯電部材と潜像担持体との間に形成される電界の方向を切り換える際に、電界を生じさせない時期を経過した後切り換えるようになっているので、潜像担持体に向けて飛翔している過程の帯電物質が再度帯電部材側に移行する現象を回避することができ、帯電物質の帯電極性に影響されないクリーニング作用を効率よく行うことが可能となる。
【0035】
請求項8記載の発明によれば、例えば、帯電制御材が含有されたトナーを用いた場合を対象として、摩擦帯電などにより正規の帯電状態と異なる状態のトナーが帯電部材に付着しているような場合に帯電部材に付着しない側の電界、換言すれば、潜像担持体側に移行しやすい正規極性の帯電状態とすることができるので、帯電部材に付着しているトナーなどの帯電物質を除去することが可能となる。
【0036】
請求項9記載の発明によれば、帯電物質を潜像担持体に向けて飛翔させる際の条件として、潜像担持体が帯電部材に対向する1周期前に設定された潜像担持体での帯電電位を除電により消失させないことにより、潜像担持体の非画像部と現像バイアスとの電位差を潜像担持体の非画像部にトナーが付着しない電位差を確保して非画像部にトナーなどお帯電物質が付着した場合に帯電部材に対して帯電物質が逆転移するのを防止することが可能となる。
【0037】
請求項10記載の発明によれば、電界形成のために帯電部材の電圧印加制御を行う部分に相当する、帯電部材と対向する潜像担持体の領域が転写部位を通過する際には、転写バイアスを通常の作像時とは異なる値とすることにより、転写バイアスによって電界形成時の電位が低下するのを防止することができる。これにより、転写後の潜像担持体と帯電部材との間の電界形成が維持されて帯電部材から潜像担持体に向けた帯電物質の飛翔を維持することが可能となる。
【0038】
請求項11記載の発明によれば、電界形成による潜像担持体に向けた帯電物質の飛翔を画像形成終了後に行うことにより、画像形成開始時での待機時間をなくすことができる。
【0039】
請求項12記載の発明によれば、帯電部材に付着する帯電物質を潜像担持体に向けて飛翔させることができるので、帯電部材の汚れによる帯電不良を解消することにより異常画像が発生するのを防止することが可能となる。
【0040】
請求項13記載の発明によれば、作像に係る潜像担持体および帯電部材を収納するプロセスカートリッジを用いた場合においても、帯電部材の汚損による帯電不良を発生しにくくできることにより帯電部材の交換サイクルの影響を受けるプロセスカートリッジのメンテナンス間隔を延長することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、図面に示す実施例により本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例】
【0042】
図1は、本発明実施例による画像形成方法を取り入れる画像形成装置の構成を示す概略図であり、図2は、本発明実施例による画像形成方法に用いられる帯電ローラのクリーニング機構を示す潜像担持体周辺部の図である。
【0043】
図1において、画像形成装置100には、潜像担持体としてドラム状の感光体1が設けられており、感光体1の周囲には、作像処理に係る帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5およびクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。感光体1に形成されたトナー像を転写された記録シートの搬送経路には、定着装置7が配置されており、定着後の記録シートを装置本体の排出トレイ100Aに向け排出できるようになっている。
【0044】
感光体1は、光導電性を有するアモルファスシリコン、アモルファスセレン等の非晶質金属、ビスアゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機化合物を用いることができる。環境及び使用後の後処理を考慮すると、有機化合物による感光体を用いることが好ましい。
【0045】
有機感光体(OPC)1の表層には、感光体1の摩耗を防ぐための保護層を設けることが多い。保護層はその物理的な強度を上げるために、酸化珪素(SiO2)や酸化アルミ(アルミナ)、酸化亜鉛、酸化チタン(チタニア)などの無機微粒子を3〜70wt%ほど混入させているものや、保護層の樹脂が架橋構造を有するもの等の形態があり、それらを使用するとクリーニング装置7に装備されているクリーニングブレードなどとの摩擦に対して強度が上がる。
【0046】
図2において帯電装置2は、芯金の外周に少なくとも弾性層や樹脂層を設けて構成され、感光体1に対して近接して配置されている帯電ローラ2aと、帯電ローラ2aに接続される図示しない電源を備える。
感光体1に対して近接して配置されている帯電ローラ2aに高電圧を印加して、曲率を有する帯電ローラ2aと感光体1との間に所定の電圧を印加し、感光体1との間で近接放電を発生させて感光体1の表面を一様に帯電するものである。
帯電ローラ2aが感光体1と接触して使用される場合には、感光体表面との安定した接触を得るために弾性層を設けて用いられることが多く、たとえば弾性層としてJIS−A硬度30〜80度程度の導電性ゴムやasker−C 15〜60度程度の導電性スポンジ形態のものが用いられる。
【0047】
弾性層に用いられる導電性の材料としては、NBRやCR、EPDM、ウレタンゴムなどにカーボンや酸化チタンなどの導電性フィラーを混入させた材料や、エピクロロヒドリンゴムのようなイオン導電性をもつ材料や、それらを複合した材料などが使用される。
【0048】
感光体1に対して帯電ローラ2aが近接配置されて非接触の状態で用いられる場合には、感光体1の表面と帯電ローラ2aの表面との間の間隙を精度よく保つ必要がある。このため、弾性体であっても硬度の高いもの(JIS−Aで70〜90度)や樹脂材料を用いて外径精度を高く加工して用いられる場合が多い。樹脂材量は導電性を確保できれば様々なものが使用可能であり、アクリルやウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、ABS、ポリカーボネート、フッ素系樹脂、などに導電制御剤を混ぜて抵抗値を6〜10logΩcm程度の体積抵抗に調整して使用する。
【0049】
さらに、感光体1および帯電ローラ2aの表面間の間隙を維持するための構成として、図3に示すような構成が用いられている。
図3において、帯電ローラ2aの軸方向両端には、感光体1の表面に当接して上述した間隙寸法(図3において符号Hで示す寸法)が得られる外径を有するスペーサコロ2a1が設けられている。またこれとは別の構成として、帯電ローラ2aの軸方向端部においてローラ外周面に上述した間隙寸法が得られる厚さのテープを巻き付けたり、帯電ローラ2aの回転軸の支持位置を感光体1との間で所定間隙が得られる位置に設定して保持する構成などが用いられる。また、間隙保持のための構成としては、図3において符号50で示すような弾性体を用いた付勢力を利用する場合もある。
本実施例では、感光体1と帯電ローラ2aとの表面感での間隙寸法として、10〜500μmの範囲が設定されているが、できるだけこの間隙を小さくする方が感光体1を一様帯電する際の印加電圧を低くできることでランニングコスト低減において有利となる。しかし、間隙寸法を極端に小さくすると、間隙を保つための構成での機械精度を高めなければならず、加工が難しくなったり、その間隙内に進入してくるトナーや、その他の感光体1上に付着した異物が帯電ローラ2aに接触しやすくなることで帯電ローラ2aが汚れやすくなることから、概ね、30〜60μm程度に設定されることが多い。
【0050】
感光体1に対して接触する場合あるいは非接触の場合に用いられる帯電ローラ2aは、いずれの場合にも表面を汚れにくくするために離型性がよく、かつ平滑な表層が設けられている。表層にはフッ素系やシリコン系の材料を用いることが多い。
【0051】
以上のような構成を備えた画像形成装置100においては、有機化合物で構成された感光体1を帯電装置2において負極性に一様帯電した後、画像情報に応じた光書き込みにより画像部分を露光し、露光部分を負帯電トナーによって現像する方式が用いられる。
帯電装置2で実行される帯電は、ローラ帯電によって行われており、帯電目標電位は−700Vになっている。ローラの帯電方式には電圧の印加形態によって二通りあり、一つは直流バイアス印加方式であり、−700Vに帯電するために帯電ローラに−1400V程度のバイアスを印加し、放電によって感光体を帯電する方式である。この方式は簡便な電源装置ですむ利点がある反面、ローラ表面のわずかな汚れも帯電電位ムラとして現れてしまう。
そこで、これを改良したのが、目標帯電電位のDCバイアス成分にACバイアス成分を重畳して印加する、AC重畳印加方式である。AC重畳印加方式は放電開始電位差の二倍以上の振幅電位(ここでは約1400V以上)を重畳しているため、感光体が帯電ローラ下を通過する間に何回もの放電が生じるため、帯電の均一性に優れており、少々の表面の汚れも影響しない利点がある。その反面放電回数の多さから感光体へ与える静電的なダメージも大きく、また電源装置なども高価である。システムによって使い分けることができる。
【0052】
一方、露光装置3は、読取装置20内のスキャナーで読み取ったデータ及び、図示しないPC等外部より送られた画像信号を変換し、ポリゴンモータでレーザー光3aをスキャンさせ、ミラーを通して読み取られた画像信号を基に感光体1上に静電潜像を形成する。
【0053】
現像装置4は、トナーとキャリアとしての磁性体とを混合した二成分系現像剤が用いられており、現像剤を担持して感光体1に供給する現像剤担持体4aと、トナー供給室等を備えている。
現像剤担持体4aは、中空円筒状の現像剤担持体4aの内部にこれと同軸に固設されたマグネットロールとを備え、回転可能に支持されて、感光体1と微小間隔をおいて配置されている。また、現像装置4には、現像剤担持体4a上の現像剤量を規制する現像剤規制部材が備えられ、現像剤担持体4aの外周面に所定量の現像剤を磁気的に吸着して搬送するようになっている。現像剤担持体4aは導電性で、非磁性部材で構成されており、現像バイアスを印加するための電源が接続されている。現像剤担持体4aと感光体1との間には、電源から電圧が印加され、現像領域に電界が形成される。
【0054】
図1に示す画像形成装置100は、記録シートなどの記録媒体に対して感光体1において可視像処理されたトナー像を直接転写する直接転写方式が用いられている。このため、転写装置6には、図2に示すように、転写ベルト6aと転写バイアスローラ6bとテンションローラ6cとが備えられている。
転写バイアスローラ6bは、鉄、アルミ、ステンレス等の芯金表面に弾性層を設けて構成する。転写バイアスローラ6bには、記録紙を感光体1に密着させるために、感光体1側に必要な圧力がかけられる。
転写ベルト6aは、基材として耐熱性の材料を種々選択することで効果が得られ、例えばシームレスのポリイミドフィルムで構成することができる。その外側には、フッ素樹脂層を設ける構成とすることができる。又、必要に応じてポリイミドフィルムの上にシリコーンゴム層を設け、その上にフッ素樹脂層を設けても良い。転写ベルト6aの内側には、転写ベルト6aを駆動及び張架するためにテンションローラ6cが設けられている。
【0055】
図1に示す画像形成装置100は、感光体1を一つ備えて単一色の画像を形成可能なモノクロ画像形成装置であるが、感光体及び作像用の装置を複数個用意し、直接転写方式を数回繰り返すことによって紙上に複数のトナー画像を形成することでカラー画像を提供することもできる。また、感光体から紙へトナー画像を直接転写するのではなく、中間転写体と称されるベルト体やローラ体に対して一旦トナーを転写し、必要であればそれを複数回繰り返すことによって複数色のトナー画像を形成し、その後、記録シートなどの記録媒体に対して一括して転写する、中間転写方式も利用することができる。
【0056】
定着装置7は、ハロゲンランプ等の加熱手段であるヒータを有する定着ローラと、圧接される加圧ローラとを備えている。定着ローラは、芯金表面にシリコーンゴム等の弾性層を100〜500μm、好ましくは400μmの厚みに設け、更にトナーの粘性による付着を防止する目的で、フッ素樹脂等の離型性の良い樹脂表層が形成されている。樹脂表層は、PFAチューブ等で構成され、その厚みは機械的劣化を考慮して10〜50μm程度の厚みが好ましい。
定着ローラの外周面には、温度検知手段が設けられ、定着ローラの表面温度を約160〜200℃の範囲の中で、ほぼ一定に保つようにヒータが制御されている。
加圧ローラは、芯金表面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなオフセット防止層が被覆されている。定着ローラと同様に、芯金表面にシリコーンゴム等の弾性層を設けても良い。
【0057】
上述のようにローラ形状の定着装置以外にも定着ローラや加圧ローラがベルト形状に置き換わったベルト定着装置なども用いることができる。また定着の熱源としてもハロゲンランプ以外にも外部からの磁力により生じた渦電流によって発熱させるIH(インダクションヒーティング)定着装置なども用いることができる。
【0058】
図2においてクリーニング装置8は、クリーニング手段として、感光体1回転方向上流側から順に、第1クリーニングブレード8a、第2クリーニングブレード8bの2つのブレードを有する。また、クリーニングされたトナーを回収するトナー回収羽根8d、及びそのトナーを搬送する回収コイル8cを備えている。更に、図示されないトナー回収ボックスを備える。
【0059】
第1クリーニングブレード8aは、金属、樹脂、ゴム等の材質からなるが、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム等のゴムが好ましく用いられ、この中でも特にウレタンゴムが好ましい。第1クリーニングブレード8aは、主に転写工程後の感光体1上に残留するトナーを除去する。
第2クリーニングブレード8bは、転写残トナー以外に感光体1上に付着する、トナー添加剤からなるフィルミング等の付着物質を除去する。材質は、第1クリーニングブレード8aと同等であっても良いが、より感光体1上の付着物質を効率的に除去するために、弾性材料に研磨剤粒子を含有させて成形して得られる研磨剤含有ブレードとすることが好ましい。
【0060】
第1クリーニングブレード及び第2クリーニングブレードは両方ともある必要はなく、システムの形態に応じて第1のみ、第2のみ、もしくは両方と組み合わせて使用することが可能である。
【0061】
図2において光除電装置9は感光体1上の電荷を消去するための露光を行う装置であり、ハロゲンランプやLED、LDなどが用いられる。
図2に示す構成においては、第1クリーニングブレード8aと第2クリーングブレード8bとの間で感光体1上にLEDにより均一に光照射されている。
均一に露光するために、クリーニング装置の後に露光することが望ましいが、機械によっては転写後、クリーニング前の部位で行われることもある。また、ここでは光除電が用いられているが、コロナ帯電器やローラやブラシの接触帯電器などによっても行われることがある。
【0062】
次に、帯電ローラクリーニング機構について図2を用いて説明する。
帯電ローラ2aのクリーニング機構は、クリーニング部材として樹脂発泡体からなるクリーニングローラ2bを備える。例えば、芯金に樹脂発泡体を円筒状に巻き付けるなどして形成することができる。
樹脂発泡体としては、その物性値として、密度が5〜15kg/m、引っ張り強度が1.7±0.5kg/cmの範囲を示す連続気泡構造を有する樹脂発泡体が用いられている。
上記の物性値を示す樹脂発泡体の中でも、特にメラミン樹脂発泡体が好ましい。メラミン樹脂で形成された発泡体は、網目状の繊維が硬いため、帯電ローラ2a上の付着物を容易に削り取る、あるいは引っかけ剥ぎ取ることができる。
このようにクリーニング性能に優れると共に、上記の脆い性質を示すことから、常にクリーニングローラ2bのフレッシュな面が帯電ローラ2a表面と接し、良好なクリーニング性能を維持することができる。
【0063】
また、メラミン樹脂発泡体以外にもウレタンやEPDMなどの発泡体や、導電性や絶縁性の繊維によるブラシローラ等を用いることも有効である。ブラシローラとしてはアクリルやナイロンの導電性繊維を5mmほどの毛足長さで織り込んだパイルを芯金に巻き込んだブラシや、アクリル樹脂の1〜3mm程度の短繊維を静電気的に芯金表面へ植毛したブラシなどを用いることも可能である。
【0064】
クリーニングローラ2bは、回動自在に支持され、図2に示す帯電ローラ2aの矢印方向の回転に対し連れ回りする。このように、クリーニングローラ2bを帯電ローラ2aの回転に従動させることにより、クリーニングローラ2bには駆動装置が不要となり、構成を簡易にできる。
クリーニングローラ2bが上記の樹脂発泡体からなることから、帯電ローラ2a表面との接触に特に押圧力を必要としなくとも十分なクリーニング性能を得ることができる。このため、帯電ローラ2a表面の摩耗を抑えることもできる。
更に、クリーニングローラ2bは、帯電ローラ2aの回転に伴って、長手方向に揺動する揺動機構を備えることが好ましい。この機構は、例えば、クリーニングローラ2bの芯軸先端にベアリングを備え、揺動カム付きギヤのカム面に突き当たるようにし、帯電ローラ2aの回転に伴い、揺動カム付きギヤが回転すると、カム面の凹凸に従ってクリーニングローラ2bが長手方向に揺動する機構等を用いることができる。このように、クリーニングローラ2bを揺動させることで、帯電ローラ2a表面のクリーニングを均一にすることができる。特に、紙粉は、記録紙の両端部から発生することが多いため、感光体1上に付着する位置が偏り、従って、帯電ローラ2a表面にも偏って付着する。
そこで、クリーニングローラ2bを揺動させることで、このような付着物の偏りにも対応し、クリーニングを均一にする。
また、図2に示す構成とは別の構成として、クリーニングローラ2bの芯軸端部にワンウェイクラッチを設ける構成としても良い。
画像形成動作中、ワンウェイクラッチはロックされており、これによりクリーニングローラ2bは停止して、帯電ローラ2aの回転によってその表面を摺察することでクリーニングする。
一方、画像形成終了時、感光体1は僅かに逆回転を伴って停止する。このとき、ワンウェイクラッチにより、クリーニングローラ2bが僅かに回転して停止する。
このような構成においては、クリーニングローラ2bの樹脂発泡体部分が帯電ローラ2a表面に過度に強く当たることがないため、帯電ローラ2a表面の摩耗を抑えることができると共に、帯電ローラ2aに対するクリーニングローラ2bの当接位置を順次ずらしていくことができ、良好なクリーニングを行うことができる。
【0065】
次に、本実施例における特徴となる帯電ローラ2aのクリーニング方法について説明する。
本実施例においては、上述のような帯電ローラ2aのクリーニング装置2bによってもすべての汚れが完全には除去できず、長い間使い続けることによってローラの表面に汚れが蓄積し、帯電機能を阻害していくのを防止するために、ローラの表面についた汚れ物質を感光体1に戻すために電界を利用することを特徴としている。
通常、感光体1は光除電装置9によって除電されており、本実施例では、残留電位として約−100V程度の表面電位となって帯電ローラ2aと対向する帯電部に進入するようになっている。
【0066】
本実施例では、帯電ローラ2aと感光体1との間の電位差を一定値に保つことで両者間に電界を形成し、帯電ローラ2aの表面に付着しているトナー粒子などの帯電粒子を帯電ローラ2aから感光体1に向けた電界方向の作用によって静電的に感光体1側へ飛翔させるようになっている。
例えば、帯電ローラ2aの芯金への印加電圧が−700V、感光体1での表面電位が−100Vとなっている場合には、感光体1から帯電ローラ2aへ向かう電位差600Vが生じており、帯電ローラ2a上に付着している帯電物質であるトナー粒子などの負極性粒子は電界の作用で感光体1側へ移動する(ここでいう電位差600Vは便宜上の値である。これは、感光体1の電位は帯電ローラ2aと対向した場合には変化するし、帯電ローラ2aと感光体1が対向している箇所での帯電ローラ2aの表面電位を実測することができないことが理由である。計算上では、ギャップ50μm程度で帯電ローラ表面と感光体表面との間は約250V程度の電位差となっており、電界強度は5×10V/mである)。
【0067】
逆に帯電ローラ2aへの印加バイアスが+500V、感光体1での表面電位が−100Vであれば、同じ電位差600Vでも帯電ローラ2aから感光体1へ向かう逆向きの電界となり、このときは帯電ローラ2a上に付着している帯電物質となる正極性粒子が電界の作用で感光体1側へ移動する。
【0068】
感光体1側へのトナー粒子の移動による帯電ローラ2側の汚れ改善度に関して発明者が実験したところ、表1に示す結果を得た。
表1は、画像形成装置100における感光体1及び帯電ローラクリーニング装置を外した状態でA4サイズのテスト用紙を連続100枚プリントした後のトナーなどで汚れた帯電ローラ2aを、現像装置4を設けない状態で感光体1と一定の電位差を保ったまま帯電ローラ2aを数周回転させたときの帯電ローラ2aの表面の汚れの改善度合いを1から5の段階に分けて評価したものである(表1において数字5が良好、1が悪い)。
【0069】
【表1】


【0070】
表1に示す結果においては、感光体1の非画像部での帯電が開始される際の電位差が約650Vとなっており、感光体1に対して帯電ローラ電位を負極に設定している方が帯電ローラ表面の汚れの改善度合いが高くなっている。この理由としては、使用しているトナーの帯電極性が負であり、転写が終わった時点でも比較的負極性の帯電電位になっているトナーが転写残トナーとなり感光体1に残留し、それが何らかの原因で帯電ローラ2aに付着していることが考えられ、帯電ローラ2a上でも負極性を保っているものが多いためにこのような結果になると思われる。特に、帯電開始電位未満の部分で極値を持たせている点が特徴である。
【0071】
電位差が大きければそれだけ電界強度は高くなるため汚れのクリーニングの効果も高いと考えられるが、放電により感光体1の非画像部を対象とした帯電が開始されてしまうと突然改善度合いが下がる。
これは、帯電ローラ2aの表面に付着したトナー粒子などの帯電物質が感光体1と帯電ローラ2a表面との間で生じる放電にさらされることによって帯電状態が定まらなくなってしまうことが原因として考えられる。
例えば、帯電ローラ2aに−800Vのバイアスを印加した場合、感光体1の非画像部に設定される帯電開始電圧である−100Vとの間で放電が生じると、感光体1側から正の電荷が帯電ローラ2aの表面に移動し、帯電ローラ2aの表面に付着していたトナー粒子などの帯電物質に正の電荷が蓄積することになり、結果として帯電物質が正に帯電することになる。
このため、放電前には負極性であった帯電物質が放電により極性を反転させてしまうことになり、放電前には帯電ローラ2a上で負極性を示していた帯電物質が−600V程度までにおいて帯電ローラ2aと感光体1との間の電界方向により感光体1に向け飛翔していたものの、放電が生じた場合には帯電物質の極性が反転すると電界の作用では飛翔することができなくなり、−800Vのバイアス印加では帯電ローラ2aに付着している帯電物質を除去することができなくなる。
【0072】
このような現象は、DCバイアスを用いた場合のものであるが、DCバイアスにACバイアスを重畳する場合には、放電の影響がより強く現れることになり、帯電ローラ2aでの帯電物質の極性が定まらなくなる。また、ACバイアスを用いた場合には、帯電ローラ2aと感光体1との間の電界方向が短期間の間に正逆反転することになり、帯電ローラ2aから感光体1に向け飛翔して感光体1に付着した帯電物質が電界方向の反転によって再度帯電ローラ2aに戻って再付着することになり、帯電ローラ2aの汚れを解消する清掃効率を下げてしまうことになる。
【0073】
このため、帯電部材である帯電ローラ2aとこれが感光体2と対向する帯電部への進入直前の感光体1表面との電位差は帯電開始電位未満にすることが望ましいことが明らかとなる。この点が請求項1,2記載の発明に対する実施例の特徴となる。
【0074】
図4は、この場合の電圧の推移を示しており、同図において、帯電部材である帯電ローラ2aへの印加電圧は、直流電圧が用いられ、感光体1の非画像部に設定される帯電開始電圧よりも小さい電圧(帯電開始電位未満)に設定されている。この点は請求項5記載の発明に対する実施例の特徴である。
ここでは正負に亘って電位差400〜500V程度が最適な値である。本発明での目的は帯電ローラ2aの汚れを除去することにあるので、帯電ローラ2aの全周囲部分が感光体と一度は向かい合う程度の長さ、電圧条件を維持すべきである。この点が請求項4記載の発明に対する実施例の特徴となる。
例えば、図4において、感光体1と帯電ローラ2aが同方向等速であれば帯電ローラの1周分以上であり、また同方向で線速が半分の場合にはそれよりは長くなり、感光体1に対して相対的に早く動いている場合には掛かる時間は短くなっていく。
【0075】
帯電ローラ2aが非接触の場合は、端部のコロをベアリング形状のものとすることで感光体1とは逆方向に回転させる場合もあり、その際には非常に短い時間の間において電圧を作用させるだけで帯電ローラ全周囲を清掃することが可能である。
【0076】
また、図4に示すように、感光体1との電位差は正電位差でも負電位差でも効果があることから両方の極性を交互にかけるようになっている。たとえば感光体1のクリーニング能力が不十分である場合には、クリーニング装置8からトナーのすり抜けが多くなるので、トナーが負帯電の場合は、感光体1に対して帯電ローラ2aが負電位にされることで帯電ローラ2aに付着したトナーを感光体1に向けて飛翔させることが可能となる。この点が請求項3記載の発明に対する実施例の特徴となる。
【0077】
また、トナーではなく外添剤が付着することによって帯電ローラ2aが汚れている場合には、正に帯電する傾向の強い外添剤などもあるので、感光体1に対して帯電ローラ2aが正電位になっているのが望ましい。
【0078】
特に、一般的にはそのどちらも対応することが望まれるので、交互に極性を反転させた電位差を用いることになるが、実際にクリーニングを行う際には、図5に示すように、より汚れの目立ちやすい帯電物質となるトナー(図5では負傾向の場合を示している)に対応する極性を対象とした電位差(図5において符号Lで示す状態)を最後に設定することが望ましい。この点は請求項8記載の発明に対する実施例の特徴となる。
【0079】
一方、帯電ローラ2aの表面を清掃している間の電界形成用電圧は感光体1に対して一定電位であることが望ましい。特に、感光体1の電位は、その場所場所や直前の作業の影響を受けて微小に変動しているので、ローラの電位を上げすぎると感光体1の電位によっては放電領域に入ってしまう虞れもあるからである。
【0080】
しかしながら放電を起こさない領域内であれば、電界の変動を与えた方が汚れの改善度が高まる。
表2は、本発明者の実験により、ACバイアスを重畳した場合の電位差と改善度を示したものである。
【0081】
【表2】


【0082】
表2に示す結果は、感光体1との電位差−400Vをかけている状態で、ACバイアスを周波数1,0kHzとして次第に振幅電位を大きくして重畳した場合の改善度合いを表1と同様にランクで示している。
この結果において放電により感光体1の帯電が開始される電圧未満の300Vでは改善度合いが向上している。しかし、電位差が700Vを超えた当たりから放電を起こすため、片側振幅の最大幅が700V以上になる振幅電位600V程度重畳した場合には若干改善度が低減し、それ以上の振幅電圧を重畳すると著しく改善度合いが低下する。
【0083】
本実施例ではこのような結果を踏まえ、図6に示すように、AC重畳は汚れの改善に効果があるが、放電開始電圧未満に相当する帯電開始電圧未満で使用するようになっている。この点が請求項6記載の発明に対する実施例の特徴となる。
これにより、ACバイアスの重畳は電界の強弱を付けることによって帯電している汚れ物質が帯電ローラ2aの表面で揺さぶられることによって、さらに帯電ローラ表面から離れやすくなり、帯電ローラ2aからの帯電物質の飛翔効果が出やすくなる。
【0084】
ところで、感光体1と帯電ローラ2aとの間に電界を形成するためのバイアスを切り換える際には、その切り換えタイミングに間隔を空けずに行うと、飛翔したトナーなどの帯電物質が飛翔先に移行するのでなく飛翔元に戻ってしまうことがある。このため、帯電ローラ2aから汚れの一部が極性転換により再度帯電ローラ2aに戻り、帯電ローラ2aに再度汚れが発生する虞がある。
【0085】
本実施例では、このような事態を避ける手法が用いられており、具体的には、バイアス電圧の極性転換を一気に行うのでなく、一度中間的に感光体表面とほぼ同電位にし、そこで一度感光体に移った汚れ物質が再度帯電ローラに戻らないように時間を空けてバイアス電圧の切り換えが行われるようになっている。この点は請求項7記載の発明に対する実施例の特徴である。
【0086】
図7はこの場合の感光体における任意の点での表面電位の推移を示しており、同図において極性を切り換えてバイアス電圧を印加する前に一旦インターバルが設定されており、本実施例では、インターバルとしての間隔が帯電ローラ2aの約1/8回転するよりも長い時間を設定することが望ましい。これは、図8に示すように、帯電ローラ2aの表面に電界が作用しているのは全周囲の約1/8程度であることが計算により確認されていることが根拠となる。
【0087】
ところで、上述した帯電ローラ2aに対するクリーニング方法では、帯電ローラ2aと感光体1との間に電界を形成する際の感光体1側の状態として、光除電されて表面電位が−100Vとなっている場合を前提としている。このため、両者が対向する帯電部を通過する際には電界形成電圧が感光体1の帯電開始電圧未満であることから感光体1の表面が帯電されないで−100Vのまま通過し、作像部に位置する現像領域に達することになる。
【0088】
一方、現像方式には特に制限がないものの、一成分接触現像方式や二成分接触現像方式などではトナーが常に感光体に接する状態にあるため、感光体を現像しないように一定の電位差を保たなければならない。
通常、画像を作像している状態での非画像領域と現像手段との電位差(地肌ポテンシャルと呼ばれる)は最低でも200〜300V程度が必要となる。
しかし、上述した実施例の場合には感光体電位が全面に渡って−100V程度であるため、感光体表面を現像しないためには+100〜200V程度に設定する必要がある。
【0089】
現像バイアスは、感光体1の帯電電位が負極性でトナーも負極性の場合を対象とすると、負極性側に設定されるように電源も用意している。この電源は負極性を発生させるためのものであるが、それを正極性まで発生させるようにするには非常にコストがかかり、実際には0Vとすることでコスト上昇を抑えて使用している。
【0090】
その際には電位差は約100V程度しか取ることができないことから、上述したように、感光体表面を現像しないための条件に見合わなくなることが原因して感光体が望まない状態で現像されてしまう、いわゆる、地汚れが発生する可能性がある。
【0091】
地汚れしたトナーは感光体クリーニング手段によってクリーニングされるが一部クリーニング部を通過して帯電ローラ2aに達し、帯電ローラ2aの汚れを加速してしまう虞れがあり、帯電ローラ2aの表面清浄化することと逆の現象が発生し、帯電ローラ2aが汚された場合の不具合が生じてしまうことになる。
【0092】
そこで、本実施例においては、帯電ローラ2aのクリーニングを実施している間も感光体が負極性に帯電したまま帯電部位を通過するようにして、上記のような問題を発生させないようにしている。
つまり、感光体1は、暗所であれば一度帯電した電位をしばらくの時間保持し続けることができ、実機の中でも同様である。そこで、帯電ローラ2aのクリーニング中に帯電ローラ2aと対向する部分の感光体1の除電を積極的に行わないようにすることで所望の電位を保ったまま帯電領域へ進入させることができることになる。
【0093】
このために、帯電ローラ2aのクリーニングに要する感光体部分への光除電をその部分だけやめるようにしてある。さらに転写バイアスも感光体の表面電位低下の原因となるので、転写バイアスを切るか、低い値に設定することでより確実に感光体の電位を保持することができるようにしてある。これが請求項9,10記載の発明に対する実施例の特徴である。
【0094】
図7は、この条件を説明するために、感光体1上での任意の点が回転するのに伴う表面電位の推移を示している。
【0095】
図7において破線部分は通常行われているように転写バイアスと光除電を実施した場合の感光体における任意の点での表面電位の推移であり、実線は転写と光除電を行わない場合の推移である。
【0096】
実線で示すように、転写バイアスの印加と光除電を行わない場合、感光体1が帯電行程から一周した場合でも、初期帯電電位−700Vに対して−400V程度の電位を保持している。この程度の電位があれば現像領域においても−100Vに現像バイアスを設定することにより、感光体表面を現像しないための電位差としての+100〜200V程度を設定でき、感光体1上で不要な現像が行われてしまうのを十分に避けることが可能となる。
【0097】
図9は、上述した光除電および転写バイアスの印加を行わない状態での帯電ローラ2aに対する電界形成用電圧(帯電バイアス印加電圧)の変化を示している。
同図において、破線は感光体1と帯電ローラ2aとの対向部で構成される帯電部への進入直前の感光体電位、実線は帯電ローラへの印加電圧である。
通常の動作では感光体の線速185mm/secとした場合に、目標帯電電位−700Vに周波数1.2kHz、振幅電圧2.2kVのACバイアスが重畳されている。
あらかじめクリーニング領域の感光体1は帯電領域に進入する前に転写バイアスと光除電照射をやめた状態で約−400Vの電位で進入してくる。その部位の到達に併せてACバイアスの重畳をやめ、まずは帯電バイアスを0Vにしている。これにより感光体と帯電ローラには感光体側への電界が生じ、帯電ローラ表面にいる正帯電した汚れ物質が感光体に移行する。
この状態は帯電ローラ回転1+1/8周分(1回転に1/8周分を加える)相当する時間維持され、帯電ローラ全周分に渡って清掃される。次に帯電ローラ1/8周分に渡り感光体電位と同電位に設定され、その後、−800Vに帯電ローラ2aは設定され、今度は帯電ローラ2a上の負帯電している汚れ物質が感光体へ移行する。
その状態は同じように帯電ローラ回転1+1/8周分相当する時間維持され、最後に同様に帯電ローラ1/8周分に渡り感光体電位と同電位に設定されたのち、今度は動作終了時の除電のためDCバイアスを切った状態でACバイアスのみ印加され、これが感光体一周分に渡って行われ機械は停止する。
【0098】
このような電界形成のための電圧印加は、画像形成終了後に実行されることで画像形成開始時に行われる場合と違って、開始までの待機時間をなくすことができる点で有利となる。この点が請求項11記載の発明に対する実施例の特徴である。
【0099】
また、表面に付着している帯電物質を飛翔させることで表面が清浄化される帯電ローラ2aは、作像に係る感光体1およびこれに対する画像形成処理部に位置する現像装置4やクリーニング装置8とともに画像形成装置100に対して着脱可能に設けられるプロセスカートリッジに装備されている。
プロセスカートリッジは、内部に収納されている部品の寿命に応じて交換される部材であるが、本実施例においては、帯電ローラ2aの交換サイクルを上述したクリーニング方法によって延長することができることから、特別な延命構造を設けることもなくプロセスカートリッジの長寿命化を行えるようになっている。これが請求項13記載の発明に対する実施例の特徴である。
【0100】
なお、上記実施例による画像形成方法が用いられる画像形成装置としては、図1に示した構成に限るものではなく、例えば、感光体1上のトナー像を一旦転写することができる中間転写体を備えた構成あるいは複数の感光体を設けて多色画像を形成可能な構成を対象とすることももちろん可能である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明実施例による画像形成方法が適用される画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した画像形成装置における感光体周辺部の構成を示す図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に用いられる感光体と帯電ローラとの配置構造の一例を示す図である。
【図4】請求項1〜5記載の発明の実施例による画像形成方法での電圧の推移を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】請求項8記載の発明の実施例による画像形成方法での電圧の推移を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】請求項6記載の発明の実施例による画像形成方法での電圧の推移を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】請求項7,9〜11記載の発明の実施例による画像形成方法での感光体における任意の位置での表面電位の推移を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】帯電ローラ表面において電界が作用している範囲を説明するための図である。
【図9】光除電を行わない場合と行った場合との感光体での表面電位の推移を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 感光体
2 帯電装置
2a 帯電ローラ
2b クリーニングローラ
3 露光装置
4 現像装置
6 転写装置
7 定着装置
8 クリーニング装置
9 光除電装置
100 画像形成装置




 

 


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