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発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−11004(P2007−11004A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−191979(P2005−191979)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
発明者 石川 恵美子 / 鈴木 宏克
要約 課題
供給搬送路、攪拌搬送路及び回収搬送路とを備えた現像装置を有し、安定した画像濃度の画像形成を行うことができる画像形成装置を提供する。

解決手段
回収搬送路7、供給搬送路9及び攪拌搬送路10の3つの現像剤搬送路を備えた現像装置4で、供給搬送路9内の矢印136で示す方向の現像剤の移動速度を供給部剤速度U[m/s]、攪拌搬送路10内の矢印137で示す方向の現像剤の搬送速度を攪拌部剤速度U[m/s]としたときに、U<Uの関係を満たしている。
特許請求の範囲
【請求項1】
磁性キャリアとトナーとからなるニ成分現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体と対向する箇所で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、
該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送し、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給搬送部材を備えた現像剤供給搬送路と、
該潜像担持体と対向する箇所を通過後の該現像剤担持体上から回収された該現像剤を該現像剤担持体の軸線方向に沿って、且つ、該現像剤供給搬送部材と同方向に搬送する現像剤回収搬送部材を備えた現像剤回収搬送路と、
現像に用いられずに該現像剤供給搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された余剰現像剤と、該現像剤担持体から回収され該現像剤回収搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された回収現像剤との供給を受け、該現像剤担持体の軸線方向に沿って、且つ、該余剰現像剤と該回収現像剤とを攪拌しながら該現像剤供給搬送部材とは逆方向に搬送する現像剤攪拌搬送部材を備え、該現像剤を該現像剤供給搬送路に供給する現像剤攪拌搬送路とを備え、
該現像剤回収搬送路、該現像剤供給搬送路及び該現像剤攪拌搬送路からなる3つの現像剤搬送路はそれぞれ仕切り部材により仕切られる現像装置を有する画像形成装置において、
該現像剤供給搬送路内を移動する該現像剤の搬送速度(以下、供給部剤速度という)U、該現像剤攪拌搬送路内を移動する該現像剤の搬送速度(以下、攪拌部剤速度という)Uについて、
次の(1)式が成り立つことを特徴とする画像形成装置。
<U・・・・(1)
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記供給部剤速度Uと上記攪拌部剤速度Uとについて、
次の(2)式が成り立つことを特徴とする画像形成装置。
【数1】


ただし、D=ρvW/2、M=Q/W
(ρ:汲み上げ量[kg/m]、v:現像剤担持体線速[m/s]、W:現像領域軸方向長さ[m]、Q:現像剤供給搬送路内剤重量+現像剤攪拌搬送路内剤重量[kg])
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
上記供給部剤速度Uは、上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側ほど小さくなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の画像形成装置において、
上記現像剤供給搬送路内の現像剤の剤面は、上記現像剤担持体の側が高くなるよう、水平面よりも傾いていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の画像形成装置において、
上記現像剤供給搬送部材、上記現像剤回収搬送部材及び上記現像剤攪拌搬送部材の3つの現像剤搬送部材は、回転軸部に螺旋状の羽部を備え、回転することにより現像剤を搬送する現像剤搬送スクリュであり、該3つの現像剤搬送部材はそれぞれ現像剤供給スクリュ、現像剤回収スクリュ及び現像剤攪拌スクリュであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5の画像形成装置において、
上記現像剤供給スクリュのピッチ幅は、上記現像剤攪拌スクリュのピッチ幅よりも短いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5または6の画像形成装置において、
上記現像剤供給スクリュの回転数は、上記現像剤攪拌スクリュの回転数よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項5、6または7の画像形成装置において、
上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側の上記現像剤供給スクリュに上記羽部の半径方向と該供給スクリュの軸方向との辺から成る平面を持ったフィンが取り付けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項5、6、7または8の画像形成装置において、
上記現像剤供給スクリュの上記羽部の半径は一定のまま、上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側ほど該現像剤供給スクリュの部材体積を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項5、6、7、8または9の画像形成装置において、
上記現像剤供給スクリュの上記回転軸部の軸径は、上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側ほど大きくなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項5、6、7、8、9または10の画像形成装置において、
上記現像剤供給スクリュの上記羽部の厚さは、上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側ほど大きくなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項5、6、7、8、9、10または11の画像形成装置において、
上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側の上記羽部を複数条とし、現像剤搬送方向上流側よりも該羽部の条数が多いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項5、6、7、8、9、10、11または12の画像形成装置において、
上記回転軸部よりも上記現像剤担持体の側の上記羽部が下方から上方に向かうように、上記現像剤供給スクリュが回転することを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の画像形成装置において、
上記現像剤回収搬送路を上記現像剤担持体の下方に設け、上記3つの現像剤搬送路をほぼ同じ高さに設けることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項14の画像形成装置において、
上記現像剤供給搬送部材の最上部は上記現像剤担持体の回転中心軸より下方にあり、該現像剤担持体の回転中心軸と該現像剤供給搬送部材の最上部とを通る平面と、該現像剤担持体の回転中心軸を通る水平面とがなす角が10[°]〜40[°]の範囲内となることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の画像形成装置において、
上記現像剤回収搬送路を上記現像剤担持体の下方に設け、上記現像剤供給搬送路を該現像剤回収搬送路よりも高い位置に設け、
上記現像剤攪拌搬送路をその現像剤搬送方向最上流側は該現像剤回収搬送路とほぼ同じ高さに設け、該現像剤攪拌搬送路の現像剤搬送方向最下流側で該現像剤供給搬送路の高さまで現像剤を搬送することを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項16の画像形成装置において、
上記現像剤供給搬送部材の最下部は上記現像剤担持体の最下部より上方にあり、該現像剤担持体の回転中心軸と該現像剤供給搬送部材の最下部とを通る平面と、該現像剤担持体の回転中心軸を通る水平面とがなす角が−20[°]〜20[°]の範囲内となることを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17の画像形成装置において、
上記潜像担持体上に形成された各色に対応した潜像にそれぞれトナーを供給して形成されたトナー像を担持する第一中間転写ベルトと第二像担持体ベルトとを備え、該第一中間転写ベルト上のトナー像を記録体の一方の面に転写し、第二像担持体ベルト上のトナー像を記録体の他方の面に転写することを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファックス、プリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは、トナーと磁性キャリアからなるニ成分現像剤を用いる現像装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤を用いる現像装置として、図18に示す構造ものが知られている。図18に示す現像装置4は不図示の潜像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体である現像ローラ5と、現像剤を搬送しながら現像ローラ5に供給し、現像ローラ5からの現像剤を回収する供給回収スクリュ401とを備えている。さらに、供給回収スクリュ401の下流端まで搬送された現像剤と必要に応じて供給されたトナーとを攪拌しながら供給回収スクリュ401とは逆方向に搬送する攪拌搬送部材としての攪拌スクリュ11を備えている。供給回収スクリュ401と攪拌スクリュ11とは水平方向に配置され、供給回収スクリュ401を備える供給回収搬送路402と攪拌スクリュ11を備える攪拌搬送路10とは仕切り部材である隔壁403で仕切られている。そして、2つの搬送路は隔壁403の軸方向両端部の開口部で連通しており、攪拌搬送路10と供給回収搬送路402とでは現像剤を逆方向に搬送することにより循環搬送されている。
【0003】
図18に示す従来の現像装置4では、現像ローラ5への現像剤の供給と現像済みの現像剤の回収とを供給回収スクリュ401及び供給回収搬送路402で行っている。現像済みの現像剤は現像によりトナーが消費されトナー濃度が現像前よりも低い状態である。現像剤の供給用のスクリュと回収用のスクリュとが同一であり、供給用の搬送路と回収用の搬送路とも同一のため、現像済の回収現像剤と現像前の現像剤とが攪拌される。これにより、現像ローラ5に供給される現像剤のトナー濃度は供給回収スクリュ401の現像剤搬送方向の下流側ほど低下していく。特に、高印字率の画像では現像前に対して現像後のトナー濃度の低下が大きくなり、現像剤搬送方向下流側のトナー濃度低下が大きく、画像品質が維持できなくなる問題を生じる。このようなトナー濃度低下を低減するためには、搬送する現像剤の量を増加する方法で対処可能ではあるが、搬送する現像剤の量を増加すると、現像剤へのストレス増加となり、現像剤寿命低下の一因となる。
【0004】
このような問題は、特許文献1に記載された現像装置のように現像ローラへの現像剤の供給用スクリュと現像済みの現像剤の回収用スクリュとを異なる現像剤搬送路に設けることで解消することができる。以下、特許文献1に記載された現像装置の構成について説明する。
【0005】
特許文献1に記載の現像装置を図19に示す。
図19に示す現像装置4は現像ローラ5と現像剤を搬送しながら現像ローラ5に供給する供給スクリュ8とを備えている。さらに、現像ローラ5上で現像箇所を通過し、回収された回収現像剤を攪拌しながら供給スクリュ8とは逆方向に搬送する回収攪拌スクリュ110を備えている。
供給スクリュ8は回収攪拌スクリュ110の上方に配置されており、供給スクリュ8を備える供給搬送路9と回収攪拌スクリュ110を備える回収攪拌搬送路210とは仕切り部材である隔壁403で仕切られている。そして、2つの搬送路は隔壁403の軸方向両端部の開口部で連通しており、現像に用いられず供給搬送路9の下流端まで搬送された余剰現像剤は、供給搬送路9の下流端側の開口部で落下して回収攪拌搬送路210に供給される。
回収攪拌搬送路210では余剰現像剤と回収現像剤とを攪拌しながら搬送し、下流端で回収攪拌スクリュ110の搬送力によって現像剤を押し込み、盛り上がることで開口部から供給搬送路9に現像剤を供給する。なお、回収攪拌搬送路210には下流端での過剰な現像剤が堆積することを防止するために過剰な現像剤を上流側に搬送する過剰堆積防止スクリュ209が設けられている。
図19に示す現像装置4では、現像済みの現像剤の回収を回収攪拌搬送路210内で行い、供給搬送路9に現像済みの現像剤が混入することがない。これにより、供給搬送路9内の現像剤のトナー濃度が変化することなく、現像ローラ5に供給される現像剤のトナー濃度も一定となる。
【0006】
しかし、特許文献1の現像装置は、回収攪拌搬送路210で回収と攪拌とを行い、現像箇所を通過した回収現像剤が攪拌の途中にも落ちるため、十分に攪拌がなされていない状態の現像剤が供給搬送路9に向かうおそれがある。攪拌が不十分な現像剤が供給搬送路9に供給されると、供給搬送路9内の現像剤全体のトナー濃度の低下や、トナー濃度が不均一になるという問題が生じる。このような問題は、回収現像剤のトナー濃度が低下する高印字率の画像ほど顕著となる。
【0007】
図18及び図19に示した現像装置4ような問題は、特許文献2のように現像ローラへの現像剤の供給用スクリュと現像済みの現像剤の回収用スクリュと現像剤を攪拌する攪拌用スクリュとを異なる現像剤搬送路に設けることで解消することができる。以下、特許文献2に記載された現像装置の構成について説明する。
【0008】
特許文献2に記載の現像装置を図20に示す。
図20に示す現像装置4は現像ローラ5と供給スクリュ8と、現像ローラ5上で現像箇所を通過し、回収された回収現像剤を供給スクリュ8と同方向に搬送する回収スクリュ6とを備えている。さらに、供給スクリュ8の最下流側まで搬送された余剰現像剤と、回収スクリュ6の最下流部まで搬送された回収現像剤とを攪拌しながら供給スクリュ8とは逆方向に搬送する攪拌スクリュ11を備えている。
供給スクリュ8は攪拌スクリュ11の上方に配置されており、供給スクリュ8を備える供給搬送路9と攪拌スクリュ11を備える攪拌搬送路10とは仕切り部材である第一隔壁404で仕切られている。そして、2つの搬送路は第一隔壁404の軸方向両端部の開口部で連通しており、現像に用いられず供給搬送路9の下流端まで搬送された余剰現像剤は、供給搬送路9の下流端側の開口部で落下して攪拌搬送路10に供給される。また、回収搬送スクリュを備える回収搬送路7は攪拌搬送路10の水平方向に並べて設けており、回収搬送路7と攪拌搬送路10とは仕切り部材である第二隔壁405で仕切られている。そして、この2つの搬送路は回収スクリュ6の下流端側で第二隔壁405に設けられた開口部で連通している。回収搬送路7の下流端まで搬送された回収現像剤は水平方向に移送され、攪拌搬送路10に供給される。
攪拌搬送路10に供給された余剰現像剤と回収現像剤とは攪拌搬送路10で攪拌され、下流端で攪拌スクリュ11の搬送力によって押し込まれて、盛り上がることで開口部から供給搬送路9に供給がなされる。
図20に示す現像装置4では、現像済みの現像剤の回収を回収搬送路7内で行い、供給搬送路9に現像済みの現像剤が混入することがない。よって、供給搬送路9内の現像剤のトナー濃度が変化することなく、現像ローラ5に供給される現像剤のトナー濃度も一定となる。
また、回収搬送路7と攪拌搬送路10とを設け、現像剤の回収と攪拌とを回収搬送路7と攪拌搬送路10とに分けて行っている。これにより、攪拌が不十分な現像剤が供給搬送路9に供給されることに起因する、供給搬送路9内の現像剤全体のトナー濃度の低下や、トナー濃度が不均一になるという問題を防止することができる。
【0009】
また、特許文献2と同様に、供給搬送路9、回収搬送路7及び攪拌搬送路10の3つの現像剤搬送経路を設けた現像装置4として、本出願人は特願2005−068659にて図4に示すような現像装置を提案している。
図4に示す現像装置4は現像ローラ5と供給スクリュ8と、現像ローラ5上で現像箇所を通過し、回収された回収現像剤を供給スクリュ8と同方向に搬送する回収スクリュ6とを備えている。さらに、供給スクリュ8の最下流側まで搬送された余剰現像剤と、回収スクリュ6の最下流部まで搬送された回収現像剤とを攪拌しながら供給スクリュ8とは逆方向に搬送する攪拌スクリュ11を備えている。
供給スクリュ8を備える供給搬送路9と攪拌スクリュ11を備える攪拌搬送路10とは略水平方向に配置され、仕切り部材である仕切り壁133で仕切られている。そして、2つの搬送路は仕切り壁133の軸方向両端部の開口部で連通しており、現像に用いられず供給搬送路9の下流端まで搬送された余剰現像剤は、供給搬送路9の下流端側の開口部から攪拌搬送路10に供給される。
また、回収スクリュ6を備える回収搬送路7は供給搬送路9の水平方向に並べて設けており、回収搬送路7と供給搬送路9とは仕切り部材である仕切り板134で仕切られている。そして、この2つの搬送路は回収スクリュ6の下流端側で仕切り板134に設けられた開口部で連通している。回収搬送路7の下流端まで搬送された回収現像剤は水平方向に移送され、供給搬送路9を介して攪拌搬送路10に供給される。
攪拌搬送路10に供給された余剰現像剤と回収現像剤とは攪拌搬送路10で攪拌され、仕切り壁133の開口部から供給搬送路9に供給される。
図4に示す現像装置4では、現像済みの現像剤の回収を回収搬送路7内で行い、供給搬送路9に現像済みの現像剤が混入することがない。よって、供給搬送路9内の現像剤のトナー濃度が変化することなく、現像ローラ5に供給される現像剤のトナー濃度も一定となる。
また、回収搬送路7と攪拌搬送路10とを設け、現像剤の回収と攪拌とを回収搬送路7と攪拌搬送路10とに分けて行っている。これにより、攪拌が不十分な現像剤が供給搬送路9に供給されることに起因する、供給搬送路9内の現像剤全体のトナー濃度の低下や、トナー濃度が不均一になるという問題を防止することができる。
【0010】
【特許文献1】特許3127594号公報(第一図)
【特許文献2】特開平11−167260号公報(第一図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図4及び図20のように3つの搬送路を分けた現像装置4は、図18の現像装置4とは異なり、現像ローラ5に供給され、現像に用いられた現像剤が供給搬送路9に戻らないため、供給搬送路9では下流側に行くに従い現像剤の量が減少する。供給搬送路9の下流側での現像剤量が減少し、必要量より少ない枯渇状態となると、現像ローラ5に現像に必要な現像剤量を供給することができず、供給搬送路の現像剤搬送方向下流側に対応した画像濃度が低下するおそれがある。
【0012】
ここで、供給搬送路9の現像剤搬送方向の最上流部での単位長さ当たりの剤重量を供給部上流剤重量m[kg/m]、供給搬送路9の現像剤搬送方向の最下流部での単位長さ当たりの剤重量を供給部下流剤重量mmin[kg/m]とする。さらに、攪拌搬送路10の単位長さ当たりの剤重量を攪拌部剤重量m[kg/m]とする。そして、供給搬送路9内を移動する現像剤の搬送速度(以下、供給部剤速度という)U1、攪拌搬送路10内を移動する該現像剤の搬送速度(以下、攪拌部剤速度という)Uとすると、供給搬送路9の上流部と攪拌搬送路10の下流部とでの単位時間当たりに移動する剤重量は等しいので、m=mの関係が成り立つ。また、現像ローラ5に供給される適正な現像剤量はほぼ一定であるので、供給部上流剤重量mが大きくすれば供給部下流剤重量mminも大きくすることができる。
そして、供給搬送路9の下流側で現像剤量が枯渇することを防ぐために、供給部上流剤重量mを増加させるよう単純に現像装置4内の総現像剤量を増加させると、供給部上流剤重量m、供給部下流剤重量mminともに増加し供給搬送路9の下流側で現像剤量が枯渇することを防ぐものの、攪拌部剤重量mも増加する。攪拌部剤重量mが増加すると攪拌搬送路10での現像剤量が過剰となり、現像剤の攪拌が不十分となる。攪拌搬送路10の攪拌が不十分な現像剤が供給搬送路9に供給されると、供給搬送路9内の現像剤全体が帯電量不足となり、画像濃度が不均一になるという問題が生じる。
【0013】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、供給搬送路、攪拌搬送路及び回収搬送路とを備えた現像装置を有し、安定した画像濃度の画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、磁性キャリアとトナーとからなるニ成分現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体と対向する箇所で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送し、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給搬送部材を備えた現像剤供給搬送路と、該潜像担持体と対向する箇所を通過後の該現像剤担持体上から回収された該現像剤を該現像剤担持体の軸線方向に沿って、且つ、該現像剤供給搬送部材と同方向に搬送する現像剤回収搬送部材を備えた現像剤回収搬送路と、現像に用いられずに該現像剤供給搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された余剰現像剤と、該現像剤担持体から回収され該現像剤回収搬送路の搬送方向の最下流側まで搬送された回収現像剤との供給を受け、該現像剤担持体の軸線方向に沿って、且つ、該余剰現像剤と該回収現像剤とを攪拌しながら該現像剤供給搬送部材とは逆方向に搬送する現像剤攪拌搬送部材を備え、該現像剤を該現像剤供給搬送路に供給する現像剤攪拌搬送路とを備え、該現像剤回収搬送路、該現像剤供給搬送路及び該現像剤攪拌搬送路からなる3つの現像剤搬送路はそれぞれ仕切り部材により仕切られる現像装置を有する画像形成装置において、該現像剤供給搬送路内を移動する該現像剤の搬送速度(以下、供給部剤速度という)U、該現像剤攪拌搬送路内を移動する該現像剤の搬送速度(以下、攪拌部剤速度という)Uについて、次の(1)式が成り立つことを特徴とするものである。
<U・・・・(1)
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記供給部剤速度Uと上記攪拌部剤速度Uとについて、次の(2)式が成り立つことを特徴とするものである。
【数1】


ただし、D=ρvW/2、M=Q/W(ρ:汲み上げ量[kg/m]、v:現像剤担持体線速[m/s]、W:現像領域軸方向長さ[m]、Q:現像剤供給搬送路内剤重量+現像剤攪拌搬送路内剤重量[kg])
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記供給部剤速度Uは、上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側ほど小さくなることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の画像形成装置において、上記現像剤供給搬送路内の現像剤の剤面は、上記現像剤担持体の側が高くなるよう、水平面よりも傾いていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の画像形成装置において、上記現像剤供給搬送部材、上記現像剤回収搬送部材及び上記現像剤攪拌搬送部材の3つの現像剤搬送部材は、回転軸部に螺旋状の羽部を備え、回転することにより現像剤を搬送する現像剤搬送スクリュであり、該3つの現像剤搬送部材はそれぞれ現像剤供給スクリュ、現像剤回収スクリュ及び現像剤攪拌スクリュであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記現像剤供給スクリュのピッチ幅は、上記現像剤攪拌スクリュのピッチ幅よりも短いことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5または6の画像形成装置において、上記現像剤供給スクリュの回転数は、上記現像剤攪拌スクリュの回転数よりも小さいことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項5、6または7の画像形成装置において、上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側の上記現像剤供給スクリュに上記羽部の半径方向と該供給スクリュの軸方向との辺から成る平面を持ったフィンが取り付けられていることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項5、6、7または8の画像形成装置において、上記現像剤供給スクリュの上記羽部の半径は一定のまま、上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側ほど該現像剤供給スクリュの部材体積を大きくすることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項5、6、7、8または9の画像形成装置において、上記現像剤供給スクリュの上記回転軸部の軸径は、上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側ほど大きくなることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項5、6、7、8、9または10の画像形成装置において、上記現像剤供給スクリュの上記羽部の厚さは、上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側ほど大きくなることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項5、6、7、8、9、10または11の画像形成装置において、上記現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側の上記羽部を複数条とし、現像剤搬送方向上流側よりも該羽部の条数が多いことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項5、6、7、8、9、10、11または12の画像形成装置において、上記回転軸部よりも上記現像剤担持体の側の上記羽部が下方から上方に向かうように、上記現像剤供給スクリュが回転することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の画像形成装置において、上記現像剤回収搬送路を上記現像剤担持体の下方に設け、上記3つの現像剤搬送路をほぼ同じ高さに設けることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14の画像形成装置において、上記現像剤供給搬送部材の最上部は上記現像剤担持体の回転中心軸より下方にあり、該現像剤担持体の回転中心軸と該現像剤供給搬送部材の最上部とを通る平面と、該現像剤担持体の回転中心軸を通る水平面とがなす角が10[°]〜40[°]の範囲内となることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の画像形成装置において、上記現像剤回収搬送路を上記現像剤担持体の下方に設け、上記現像剤供給搬送路を該現像剤回収搬送路よりも高い位置に設け、上記現像剤攪拌搬送路をその現像剤搬送方向最上流側は該現像剤回収搬送路とほぼ同じ高さに設け、該現像剤攪拌搬送路の現像剤搬送方向最下流側で該現像剤供給搬送路の高さまで現像剤を搬送することを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項16の画像形成装置において、上記現像剤供給搬送部材の最下部は上記現像剤担持体の最下部より上方にあり、該現像剤担持体の回転中心軸と該現像剤供給搬送部材の最下部とを通る平面と、該現像剤担持体の回転中心軸を通る水平面とがなす角が−20[°]〜20[°]の範囲内となることを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17の画像形成装置において、上記潜像担持体上に形成された各色に対応した潜像にそれぞれトナーを供給して形成されたトナー像を担持する第一中間転写ベルトと第二像担持体ベルトとを備え、該第一中間転写ベルト上のトナー像を記録体の一方の面に転写し、第二像担持体ベルト上のトナー像を記録体の他方の面に転写することを特徴とするものである。
【0015】
上記請求項1乃至18の画像形成装置においては、供給部剤速度Uと攪拌搬送速Uとが、U<Uの関係にあることにより、m=mの関係より、m>mとなり、現像剤攪拌搬送路内の現像剤量を増やすことなく、現像剤供給搬送路の最上流部の現像剤量を増加することができる。現像剤供給搬送路内の最上流部の現像剤量を増加させることができるので、現像剤供給搬送路の下流側で現像剤量も増加でき、現像剤が枯渇することを防ぐことができ、現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側に対応した画像濃度が低下することを防止することができる。さらに、現像剤攪拌搬送路内の現像剤量を増加させていないので、現像剤攪拌搬送路内の現像剤量が過剰な状態にあることに起因する現像剤の攪拌が不十分となることを防ぐことができ、現像剤の帯電不足によって画像濃度が不均一となることを防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1乃至18の発明によれば、現像剤供給搬送路の現像剤搬送方向下流側に対応した画像濃度が低下することを防止し、現像剤の帯電不足によって画像濃度が不均一となることを防止することができるので、安定した画像濃度の画像形成を行うことができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を画像形成装置である電子写真方式のカラー複写機(以下、単に複写機という)に適用した実施形態(以下、実施形態1とよぶ)について説明する。
図1は、実施形態1に係る複写機を示す概略構成図である。同図において、本複写機は、プリンタ部100、操作・表示ユニット90、給紙装置40、自動画像読取装置200、紙補給装置300等を有している。
【0018】
プリンタ部100は、紙搬送路43Aを境にして、その上方に配設された第一画像形成部と、下方に配設された第二画像形成部とを有している。第一画像形成部は、図中矢印方向に無端移動する第一中間転写ベルトとしての第一中間転写ベルト21を有する第一転写ユニット20を備えている。また、第二画像形成部は図中矢印方向に無端移動する第一中間転写ベルトとしての第二中間転写ベルト31を有する第二転写ユニット30を備えている。第一中間転写ベルト21の上部張架面の上方には、4個の第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)が配置されている。一方、第二中間転写ベルト31の側部の傾斜した張架面の側方には、4個の第二プロセスユニット81(Y,M,C,K)が配置されている。これら第一、第二プロセスユニットの番号に付したY,M,C,Kという添字は、扱うトナーの入りと対応させているもので、Yはイエロー、Cはシアン、Mはマゼンタ、Kはブラックを意味している。プロセスユニット内の各機器にも同様の添字を付している。
【0019】
各プロセスユニット(80(Y,M,C,K)、81(Y,M,C,K))は、それぞれ潜像担持体たる感光体(1(Y,M,C,K))を有している。第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)の感光体1(Y,M,C,K)は等間隔に配設され、少なくとも画像形成時にはそれぞれ第一中間転写ベルト21の上部張架面に接触する。以下、このように接触するベルト面を第一受像面という。
【0020】
一方、第二プロセスユニット81(Y,M,C,K)の感光体1(Y,M,C,K)も等間隔に配設され、少なくとも画像形成時にはそれぞれ第二中間転写ベルト31の側部張架面に接触する。以下、このように接触するベルト面を第二受像面という言う。
【0021】
第一中間転写ベルト21は、複数のローラにより、鉛直方向よりも水平方向にスペースをとる横長の姿勢であり、且つその第一受像面をほぼ水平に延在させる姿勢で張架されている。第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)は、このようなほぼ水平の第一受像面に接するように、互いにほぼ水平な状態で並列配設されている。
【0022】
一方、第二中間転写ベルト31は、複数のローラにより、水平方向よりも鉛直方向にスペースをとる縦長の姿勢であり、且つその第二受像面を図中左上から右下にかけて傾斜させる姿勢で張架されている。第二プロセスユニット81(Y,M,C,K)は、このように傾斜している第二受像面に接するように、第二中間転写ベルト31の図中左側方にて、図中左上から右下にかけての斜めの配列になるように配設されている。
【0023】
図2は、4つの第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)のうちの1つを示す拡大構成図である。4つの第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)は、それぞれ扱うトナーの色が異なる点の他がほぼ同様の構成になっているので、同図では「80」に付すY,M,C,Kという添字を省略している。同図において、感光体1は、プリンタ部100の動作時に、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動される。かかる感光体1の周囲には、帯電手段であるスコロトロンチャージャ3、現像装置4、感光体クリーニング装置2、光除電装置Q等の作像部材や、電位センサS1、画像センサS2等が配設されている。また、感光体1は、潜像形成手段たる不図示の露光装置より照射されたレーザ光Lによりその表面に静電潜像を形成される。
【0024】
ドラム状の感光体1は、例えば直径30〜120[mm]程度のアルミニウム円筒表面に光導電性物質である有機感光層(OPC)が被覆されたものである。アモルファスシリコン(a−Si)層を被覆したものであってもよい。また、ドラム状ではなく、ベルト状のものであってもよい。
【0025】
感光体クリーニング装置2は、クリーニングブラシ2a、クリーニングブレード2b、回収部材2c等を有し、後述の一次転写ニップを通過した後の感光体1表面に残留する転写残トナーなどの異物を除去、回収する。
【0026】
スコロトロンチャージャ3は、回転駆動される感光体1の表面を例えばマイナス極性に一様帯電せしめるものである。かかる一様帯電を行う帯電手段として、スコロトロンチャージャの代わりに、帯電ローラを用いても良い。また、帯電バイアスが印加される帯電バイアス部材を感光体1の表面に接触させる方式のものでもよい。
不図示の露光装置は、各色毎の画像データに対応した光を、帯電手段で一様に帯電済みの各感光体1の表面に走査し、潜像を形成するものである。露光装置としては、発光素子としてLED(発光ダイオード)アレイと結晶素子からなるものや、レーザ光源、ポリゴンミラー等を用い、形成すべき画像データに応じて変調したレーザ光によるレーザスキャン方式のものを採用することができる。
【0027】
プリンタ部100の現像は、トナーとキャリアからなるニ成分現像剤を採用している現像方式である。負荷電の感光体1に対しレーザビームにより各感光体1の表面に形成された色毎の静電潜像は、感光体の帯電極性と同極性(マイナス極性)の所定の色のトナーで現像され顕像となる、いわゆる反転現像が行われる。現像装置4の構成の詳細説明については後述する。
また、Y,M,C,Kの各色トナーは、各色を扱う現像装置4で消費されると、透磁式のトナー濃度センサ127により検知され、プリンタ部100内部のボトル収容部85に備えるトナーボトル86から、不図示のトナー補給制御装置により、各色のトナーが各現像装置4に供給される。
【0028】
図3は、4つの第二プロセスユニット81(Y,M,C,K)のうちの1つを示す拡大構成図である。4つの第二プロセスユニット81(Y,M,C,K)も、それぞれ扱うトナーの色が異なる点の他がほぼ同様の構成になっているので、第二プロセスユニット81は、第一プロセスユニット80と構成部材が同じであるが、感光体1の回転方向が異なっている。しかし互いに、感光体1の回転軸1aを通るy軸に対し対象の形をしている。この形状は、感光体1の周囲に設ける部材の配置にも関係するが、重要な事項である。具体的には、プリンタ部100本体との結合部、たとえば駆動手段との結合部、電気的接続部、トナー供給部、トナー排出部の結合方法を配慮している。これにより、第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)と、第二プロセスユニット81(Y,M,C,K)とに互換性をモータせることができる。従って第一プロセスユニットと第二プロセスユニット用に個別に現像装置、クリーニング装置、部品を製造する必要がなく、部品製造、部品の管理上での効率が高く、全体のコスト低減化を図ることができる。
【0029】
先に示した図1において、第一画像形成部は、複数の第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)と、第一転写ユニット20とから構成されている。また、第二画像形成部は、複数の第二プロセスユニット81(Y,M,C,K)と、第二転写ユニット30とから構成されている。また、プリンタ部100においては、第一転写ユニット20と第二転写ユニット30とにより、両面転写装置が構成されている。
【0030】
第一転写ユニット20は、第一中間転写ベルト21を複数のローラ23,24,25,26(2個),27,28,29によって張架して、第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)の感光体1(Y,M,C,K)に接触させている。そして、第一中間転写ベルト21の内周部の各感光体1(Y,M,C,K)に対向する位置には一次転写ローラ22が設けられている。この接触により、第一転写ユニット20では、感光体1(Y,M,C,K)上のY,M,C,Kトナー像(以下、単色第一トナー像とも言う)を、第一中間転写ベルト21上に重ね合わせて転写するY,M,C,K用の一次転写ニップが形成される。第一中間転写ベルト21は、これら4つの一次転写ニップを形成しながら、図中時計回りに無端移動せしめる。各一次転写ニップでは、図示しない電源によって一次転写バイアスが印加される4つの一次転写ローラ22の何れかが、感光体1(Y,M,C,K)との間に第一中間転写ベルト21を挟み込んでいる。この一次転写バイアスやニップ圧の影響により、各一次転写ニップで単色の単色第一トナー像が第一中間転写ベルト21に重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせにより、像担持体たる第一中間転写ベルト21上に、多色第一トナー像が形成される。
【0031】
第一中間転写ベルト21の外周部には、ローラ23に対向する位置にベルトクリーニング装置20Aが設けられている。このベルトクリーニング装置20Aは、各一次転写ニップを通過した後の第一中間転写ベルト21の表面に残留する転写残トナーや、紙粉などの異物を拭い去る。第一中間転写ベルト21に関連する部材は、第一転写ユニット20として一体的に構成してあり、プリンタ部100に対し着脱が可能となっている。
【0032】
一方、第二転写ユニット30は、第二中間転写ベルト31を複数のローラ32(4つ),33,34,35,36(2つ)によって張架して感光体1(Y,M,C,K)に接触させている。この接触により、第二転写ユニット30では、感光体1(Y,M,C,K)上のY,M,C,K第二トナー像(以下、単色第二トナー像ともいう)を、第二中間転写ベルト31上に重ね合わせて転写するY,M,C,K用の一次転写ニップが形成される。第二中間転写ベルト31は、これら4つの一次転写ニップを形成しながら、図中反時計回りに無端移動せしめる。各一次転写ニップでは、図示しない電源によって一次転写バイアスが印加される4つの一次転写ローラ32の何れかが、感光体1(Y,M,C,K)との間に第二中間転写ベルト31を挟み込んでいる。この一次転写バイアスやニップ圧の影響により、各一次転写ニップでY,M,C,K第二トナー像が第二中間転写ベルト31に重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせにより、像担持体たる第二中間転写ベルト31に、多色第二トナー像が形成される。
【0033】
第二中間転写ベルト31の外周部には、ローラ33に対向する位置にベルトクリーニング装置30Aが設けられている。このベルトクリーニング装置30Aは、各一次転写ニップを通過した後の第二中間転写ベルト31の表面に残留する不要なトナーや、紙粉などの異物を拭い去る。第二中間転写ベルト31に関連する部材も、第二転写ユニット30として一体的に構成してあり、プリンタ部100に対し着脱が可能となっている。
【0034】
2つの中間転写ベルト(21,31)は、それぞれ例えば、基体の厚さが50〜600[μm]の樹脂フィルム或いはゴムを基体とするベルトである。そして、感光体1が担持する可視像たるトナー像を、一次転写ローラ(22,32)に印加される一次転写バイアスによって静電的にベルト表面に転写を可能とする電気抵抗値を発揮する。かかる中間転写ベルトの一例として、ポリアミドにカーボンを分散し、その体積抵抗値は、10〜1012[Ωcm]程度に抵抗が調整されたものを挙げることができる。ベルトの走行を安定させるためのベルト寄り止めリブが、ベルト片側あるいは両側端部に設けられている。ベルトの周長は約1500[mm]である。
【0035】
第一転写ユニット20の一次転写手段たる4つの一次転写ローラ22や、第二転写ユニット30の一次転写手段たる4つの一次転写ローラ32としては、例えば次のような構成のものを用いることができる。即ち、芯金たる金属ローラの表面に、導電性ゴム材料を被覆したもので、芯金部に、不図示の電源からバイアスが印加されるものである。実施形態1では、導電性ゴム材料として、ウレタンゴムにカーボンを分散したものを用い、体積抵抗を10[Ωcm]程度に調整している。
【0036】
プリンタ部100は、Kトナーだけによるモノクロ画像の出力も可能である。モノクロ画像を出力する場合には、第一転写ユニット20におけるY,M,C用のプロセスユニット80Y,M,Cを使用しない。そして、プロセスユニット80Y,M,Cを稼動させないだけでなく、これらと第一中間転写ベルト21とを非接触に保つための機構を備えている。ローラ26と一次転写ローラ22を支持する内部フレーム(不図示)を設けておき、ある点を中心に回動可能に支持している。そして、感光体から遠ざかる方向に回動させることにより、感光体1Kだけを第一中間転写ベルト21と接触させて、作像工程を実行することにより、ブラックトナーによるモノクロ画像を作成する。かかる構成では、感光体の寿命向上の点で有利である。なお、第二転写ユニット30も同様に、モノクロ画像出力時にプロセスユニット81Y,M,Cを第二中間転写ベルト31から待避させるようになっている。
【0037】
第一中間転写ベルト21の外周には、二次転写ローラ46が、第一中間転写ベルト21を裏面で支えながら張架している支持ローラ28との間に第一中間転写ベルト21を挟み込むように配設されている。これにより、第一転写ユニット20においては、第一中間転写ベルト21と二次転写ローラ46とが当接する二次転写ニップが形成されている。支持ローラ28からこの二次転写ニップを経て二次転写ローラ46に至るまでの領域が、両面転写装置における第一転写部になっている。
【0038】
二次転写ローラ46は芯金たる金属ローラの表面に、導電性ゴムを被覆したもので、芯金部に対して、図示しない二次転写バイアス電源から二次転写バイアスが印加される。導電性ゴムはカーボンの分散によって体積抵抗が10[Ωcm]程度に調整されたものである。
【0039】
上述の二次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対45が配設されている。このレジストローラ対45は、プリンタ部100の図中右側方に配設された給紙装置40から送られて来る転写紙Pをローラ間に挟み込んだ後、両ローラの回転を一時中断する。そして、第一中間転写ベルト21上の重ね合わせトナー像である4色トナー像に同期させ得るタイミングで、転写紙Pを二次転写ニップに向けて送り出す。送り出された転写紙Pは、二次転写ニップでその一方の面である第一面(図中上側を向く面)に4色トナー像が密着せしめられる。そして、二次転写バイアスやニップ圧の影響により、第一中間転写ベルト21上の4色トナー像がその第一面に一括二次転写される。二次転写ニップを通過した転写紙Pは、第一中間転写ベルト21や二次転写ローラ46から離れて、第二中間転写ベルト31に受け渡される。
【0040】
第二転写ユニット30においては、第二中間転写ベルト31を張架している上部張架ローラ34によるベルト掛け回し箇所が、第二中間転写ベルト31の上部張架面になっている。この上部張架面の上方には、電荷付与手段たる転写チャージャ47が上部張架面と所定の間隙を介して対向するように配設されている。転写チャージャ47からこの所定の間隙を経由して、上部張架ローラ34に至るまでの領域が、第二転写ユニット30の第二転写部となっている。
【0041】
転写チャージャ47は公知のタイプで、タングステンや金の細い線を放電電極とし、ケーシングで保持し、放電電極に不図示の電源から転写電流が印加される。第二中間転写ベルト31と転写チャージャ47の間に転写紙Pを通過させながら、その第一面に転写チャージャ47から発せられる電荷を付与することで、第二中間転写ベルト31上の4色トナー像を転写紙Pの第二面に一括二次転写する。上述の二次転写バイアスや、転写チャージャ47による付与電荷は、何れもトナーの極性と逆のプラス極性である。
【0042】
プリンタ部100の図中右側方には転写紙Pを供給可能に収納した給紙装置40が配備されている。この給紙装置は、複数の紙収容手段を備えている。具体的には、最も上段に配設された給紙トレイ40a、これの下方に配設された第一給紙カセット40b、これの下方に配設された第二給紙カセット40c、これの下方に配設された第3給紙カセット40dを備えている。これら紙収容手段は、それぞれ紙面に対し直角手前側(操作面側)に引出し可能に配設されている。また、それぞれサイズの異なる転写紙Pを収容している。各紙収容手段において、最上位置の転写紙Pは、対応する給紙・分離手段41A〜41Dにより選択的に給紙、分離され、確実に一枚だけが複数の搬送ローラ対42Bにより紙搬送路43Bや43Aに送られる。
【0043】
紙搬送路43Aには、転写紙Pを両面転写装置の第一転写部や第二転写部へ送り出す給送タイミングをとるための、一対のレジストローラ対45が設けられている。さらに転写紙Pの搬送方向に対し直角方向の位置を正規の位置にするための横レジ補正機構44が、紙搬送路43Aに設けられている。横レジ補正機構44としては、次のものを例示することができる。即ち、図示しない横方向の基準ガイドと斜行コロ対から構成され、転写紙の横方向端部を該基準ガイドに押付けるように転写紙Pをスライド搬送する。そして、転写紙を所定の位置に整合させる。この基準ガイドは転写紙Pのサイズにより、所定の位置に移動、配置される。なお、横レジ補正機構44は転写紙Pの搬送方向に対し転写紙Pの両方の横方向から、転写紙Pの両辺を短時間及び複数回押し、転写紙Pを所定の位置に整合させる規制部材から構成されるジョガー方式でもよい。
【0044】
転写紙Pは、レジストローラ対45から、第一中間転写ベルト21と二次転写ローラ46の当接によって二次転写ニップが形成されている第一転写部に向けて搬送される。その後、第二中間転写ベルト31と転写チャージャ47とが対向している第二転写部に向けて送られる。
【0045】
給紙装置40においては、複数の給紙トレイのうち、最も上に配設されている給紙トレイ40aから排出される転写紙Pが、プリンタ部100の紙搬送路43Aに対して、曲げられることなくほぼ水平に真直ぐ搬送されるようになっている。このため厚い転写紙Pや剛性の高い板紙でも、給紙トレイ40a内に収容すれば、プリンタ部100の紙搬送路43Aに確実に給紙することができる。なお、給紙トレイ40aには、多様な特性の転写紙が収納されても確実に給紙できるよう、バキューム機構からなるエアー給紙を採用すると好都合である。図示を省略しているが、紙搬送路43Aの要所には転写紙Pを検知するためのセンサを設けており、転写紙Pの存在を基準とする各種信号のトリガーとしている。
【0046】
最も上側に配設されている給紙トレイ40aの上方には、第二給紙路43Cが設けられている。この第二給紙路43Cに対しては、給紙装置40の図中右側方に設置されている紙補給装置300から、転写紙Pを供給することができる。
【0047】
第二転写ユニット30の図中左側方には、第二転写部を通過した転写紙Pを、転写紙搬送方向下流側の定着装置60における定着ニップまで、平面状態保って搬送するための紙搬送ユニット50が配置されている。紙搬送ユニット50は、複数の張架ローラ52,53,54,55,56によって紙搬送ベルト51を張架しながら図中反時計回りに無端移動させるものである。紙搬送ベルト51の外側には張架ローラ55に対向させて搬送クリーニング装置50A、ローラ56に対向させて転写紙Pを吸着させるための吸着用チャージャ57、分離ローラ54に対向し対向させて転写紙Pを分離させるための分離用チャージャ58を備えている。
紙搬送ユニット50は、第二転写ユニット30の第二転写部から排出される転写紙Pを、複数の張架ローラの1つである受入ローラ52によるベルト掛け回し箇所にて、紙搬送ベルト51上に受け取る。この受け取りよりも早いタイミングで、紙搬送ベルト51のおもて面には、静電吸着用チャージャ57によってトナーの極性と同極性のマイナスの電荷が付与される。この電荷の付与により、紙搬送ユニット50は、第二転写部から排出されてくる転写紙Pを紙搬送ベルト51のおもて面に静電吸着させることができる。
【0048】
転写紙Pをおもて面に静電吸着させた紙搬送ベルト51は、その無端移動に伴って転写紙Pを図中右側から左側へと搬送する。そして、紙搬送ユニット50の図中左側方に配設されている定着手段たる定着装置60に向けて、転写紙Pを受け渡す。この受け渡しよりも早いタイミングで、紙搬送ベルト51のおもて面に静電吸着せしめられている転写紙Pに対して、分離用チャージャ58によって電荷が付与される。この電荷の付与により、それまで紙搬送ベルト51のおもて面に静電吸着していた転写紙Pがベルトから容易に分離されるようになる。そして、複数の張架ローラのうち、定着装置60の最も近くに配設されている分離ローラ54によるベルト掛け回し箇所で、分離ローラ54の曲率にならって急激に移動方向を変えようとするベルトから転写紙Pが分離して、定着装置60に受け渡される。
紙搬送ベルト51として、金属ベルト、ポリイミドベルト、ポリアミドベルトなどを採用することができる。そして、紙搬送ベルト51は、その表面にトナーとの離型性を与えるとともに、帯電可能の抵抗値を備える。なお、紙搬送ベルト51の移動速度は、定着装置60における転写紙Pの移動速度にあわせる。
【0049】
紙搬送ユニット50の記録紙搬送方向下流側には、加熱手段を有する定着装置60が設けられている。
定着装置60としては、定着ローラ内部にヒータを備える方式のもの、加熱されるベルトを走行させる方式のもの、誘導加熱を採用した方式のものなどを採用することができる。同図においては、2つの定着ローラを当接して形成した定着ニップで、転写紙Pを両面側からそれぞれ加熱して多色第一トナー像及び多色第二トナー像を定着させる方式のものを採用している。転写紙P両面の画像の色合い、光沢度を同じにするため、2つの定着ローラについては、ベルト材質、硬度、表面性などを上下同等にしてある。また、フルカラーとモノクロ画像、あるいは片面か両面かにより、それぞれの面に対して最適な定着条件をつくりだすように、定着装置60の各種パラメータが制御されるようになっている。
【0050】
定着装置60による定着処理が終了した転写紙Pは、排出路に向けて送り出される。この排出路には、定着処理後の転写紙Pを冷却して、不安定なトナーの状態を早期に安定させる目的で、冷却機能を有した冷却ローラ対70が配設されている。この冷却ローラ対70としては、放熱部を有するヒートパイプ構造のローラを採用することができる。
冷却ローラ対70によって冷却された転写紙Pは、排紙ローラ対71により、プリンタ部100の左側に設けられた排紙スタック部75に排紙、スタックされる。この排紙スタック部は、大量の転写紙をスタック可能にすべく、不図示のエレベータ機構により、スタックレベルに応じて、受け部材が上下する機構を採用している。なお排紙スタック部75を通過させ、別の後処理装置に向けて転写紙を搬送させることもできる。別の後処理装置として、穴あけ、断裁、折、綴じなど製本のための装置などを設けることもできる。
【0051】
プリンタ部100の上面には、未使用のトナーが収納された各色のトナーボトル86Y,M,C,Kが、着脱可能にボトル収容部85に収納されている。不図示の供給手段により、各現像装置に必要に応じトナーを供給するようになっている。上下に配設した第一画像形成部と第二画像形成部とで、互いに同色のトナーを扱う現像装置に対しては、共通のトナーボトルからトナーを供給するようになっているが、別々にすることもできる。消耗の多いブラックトナー用のトナーボトル86Kは、特に大容量としておくことも可能である。ボトル収容部85は、プリンタ部100上面で操作方向から見て奥側にあって、プリンタ部100上面の手前側は平面部分が確保されているため、作業台として利用することができる。
【0052】
プリンタ部100の上面に設けられた操作・表示ユニット90には、キーボード等からなる図示しない入力操作部が設けられており、これにより画像形成のための条件などがインプットされる。また、ディスプレイ等からなる図示しない表示部に各種の情報を表示することもでき、操作者とプリンタ部100との情報交換を容易なものとする。
【0053】
プリンタ部100内部に設けられた廃トナー収納部87は、感光体クリーニング装置2や、中間転写ベルトのベルトクリーニング装置20A,30Aなどと連結されている。そして、これらから送られる廃トナーや紙粉等の異物を一括して回収して収納する。これらのクリーニング装置(2,20A,30A,50A)に大容量の廃トナー収納部を備えないため、クリーニング装置が小型にでき、さらに廃トナーの廃棄の操作性も良好となっている。満杯センサ(不図示)を使って廃トナー収納部87内のトナー廃棄、あるいは容器交換などの警告を発する。
【0054】
プリンタ部100内部に設けられた制御部95には、各種電源や制御基板などが板金フレームに保護され収納されている。定着装置60による熱や電装装置からの発熱により、画像形成装置内部は高温になるが、その対策としてファン96を設けて、内部部材の熱による機能低下を防止している。またこのファン96は冷却ローラ対70の放熱部と結合してあり、冷却ローラ対70の冷却効果を確実にしている。
【0055】
給紙装置40の上部には、周知の技術によって原稿を自動搬送しながらその原稿の画像を読み取る自動画像読取装置(ADF)200が設けられており、これによる読取情報が制御部95に送られる。送られた読取情報に基づいて、プリンタ部100が駆動制御されて、原稿と同じ画像が出力される仕組みである。また、プリンタ部100に対しては、図示しないパーソナルコンピュータ等からの画像情報を送って、その画像情報に対応する画像を出力させることもできる。更に、図示しない電話回線から送られてくる画像情報を送って、その画像情報に対応する画像を出力させることもできる。給紙装置40の図中右側方には、上述のように、給紙装置40に転写紙Pを補給する紙補給装置300が配設されている。
【0056】
次にプリンタ部100において、転写紙の片面にフルカラー画像を形成する片面記録時の動作について説明する。
片面記録の方法は基本的に2種類あって、選択が可能となっている。2種類のうちの1つは、第一中間転写ベルト21に転写した4色トナー像を転写紙Pの第一面に一括二次転写する方法である。また、もう1つの方法は、第二中間転写ベルト31に転写した4色トナー像を転写紙Pの第二面に一括二次転写する方法である。プリンタ部100の構成から、第一中間転写ベルト21に担持させた画像を用紙の片面に直接転写する場合には、画像が用紙の上面に、第二中間転写ベルト31に担持させた画像を用紙の片面に直接転写する場合には、画像が用紙の下面に形成される。記録するべきデータが複数の頁になるケースでは、排紙スタック部75上で頁が揃うように作像順序を制御するのが好都合である。
以下、最後の頁の画像データから順に記録して頁順を揃わせるよう、第一中間転写ベルト21に画像を担持させた後、用紙に転写させる方法について説明する。
【0057】
プリンタ部100を稼動させると、第一中間転写ベルト21と第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)における感光体1(Y,M,C,K)が回転する。同時に第二中間転写ベルト31が無端移動するが、第二プロセスユニット81(Y,M,C,K)における感光体1(Y,M,C,K)は第二中間転写ベルト31と離間されるとともに不回転状態にされる。そして、第一プロセスユニット80Yによる画像形成が開始される。LED(発光ダイオード)アレイと結像素子からなる不図示の露光装置の作動により、LEDから出射されたイエロー用の画像データ対応の光が、スコロトロンチャージャ3によって一様帯電された感光体1Yの表面に照射されて静電潜像が形成される。
【0058】
この静電潜像は、Y用の第一プロセスユニット81Yの現像装置によってYトナー像に現像され、Y用の一次転写ニップで第一中間転写ベルト21上に静電的に一次転写される。このような潜像形成、現像、一次転写動作が感光体1M,C,K側でもタイミングをとって順次同様に行われる。そして、第一中間転写ベルト21上のYトナー像に対して、M,C,K用の一次転写ニップでM,C,Kトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、第一中間転写ベルト21上にイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色トナー画像が重なり合ったフルカラートナー画像として担持される。そして、このフルカラートナー画像は第一中間転写ベルト21とともに図中矢印の方向に移動される。
【0059】
一方、給紙装置40は、内部の給紙トレイ40aあるいは給紙カセット40b,c,dから、画像データに対応する転写紙を給紙・分離手段41A,B,C,Dの何れか1つのよって送り出す。そして、搬送ローラ対42B,42Cによってプリンタ部100の紙搬送路43Cに向けて搬送する。そして、横レジ補正機構44に送られる。
【0060】
横レジ補正機構44は、記録体供給手段たる給紙装置40から両面転写装置(第一、第二転写ユニット)に向けて搬送されている途中の転写紙Pにおける搬送方向からの姿勢の傾きを補正する傾き補正手段である。レジストローラ対45よりも搬送方向上流側で、搬送方向に直交する紙面方向に並べられたガイド板対を、転写紙Pの搬送方向に直交する両端に突き当てることで、転写紙Pの姿勢の傾きを補正する。ガイド板対の2つのガイド板は、搬送方向に直交する紙面方向に移動可能になっており、給紙された転写紙Pの幅に合わせて移動することで、板間距離を転写紙Pの幅に合わせることができる。
【0061】
横レジ補正機構44によって姿勢の傾きが補正された転写紙Pは、レジストローラ対45のローラ間に至る。レジストローラ対45は静止しており、転写紙Pの先端はレジストローラ対45のニップに入り込んだ状態で静止する。そして、第一中間転写ベルト21上の画像との位置が正規なものとなるよう、タイミングをとってレジストローラ対45が回転し、用紙を転写領域に搬送する。
第一中間転写ベルト21上のこのフルカラートナー画像は、第一中間転写ベルト21と同期して搬送される用紙Pの第一面に、二次転写ローラ46による転写作用を受けて一括二次転写される。二次転写ローラ46に与えられるバイアスは、トナーの帯電極性と逆のプラス極性である。二次転写ニップを通過した第一中間転写ベルト21の表面は、ベルトクリーニング装置20Aによって転写残トナーがクリーニングされる。
【0062】
また、各第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)では、それぞれ、一次転写ニップを通過した後の感光体1(Y,M,C,K)上に残留する転写残トナーが、感光体クリーニング装置2によってクリーニングされる。この感光体クリーニング装置2は、先に図2に示したように、クリーニングブラシ2aやクリーニングブレード2bによって感光体1(Y,M,C,K)表面から転写残トナーを除去するものである。除去したトナー等の異物については、回収手段2cによって回収部87に送る。なおセンサS1、S2は、感光体表面の露光後の表面電位と、現像工程後の感光体表面に付着しているトナーの濃度が適切なものであるかを検知し、適宜作像条件の設定、制御のために不図示の制御手段に情報を出す。また、クリーニング後の感光体1の表面は除電装置Qによって残留電荷が除電されて初期化せしめられる。
【0063】
第一転写部の二次転写ニップで第一面に4色トナー像が二次転写された転写紙Pは、第二転写ユニット30の第二中間転写ベルト31に受け渡された後、紙搬送ユニット50に送られる。そして、紙搬送ユニット50から定着装置60に受け渡されるが、この受け渡しに先立って、転写紙Pに対して分離用チャージャ58による電荷が付与される。この付与により、第二中間転写ベルト31に静電吸着していた転写紙がベルトから容易に分離されるようになる。
【0064】
定着装置60内では、転写紙Pの第一面に担持されているフルカラー画像中の各色トナーが、加熱によって溶融、混色されて完全なカラー画像となる。なお、転写紙Pはその第一面だけにトナーを有しているので、両面にトナーを有している両面記録時に比べ、定着に要する熱エネルギーが少なくて済む。制御部95が画像に応じて定着装置60の使用する電力を最適に制御する。定着処理が施された後であっても、転写紙P上で完全に固着するまでは、トナー像は搬送路のガイド部材等にこすられ、画像が欠落したり、乱れたりする。この不具合を防止するべく、定着装置60を通過した転写紙は、冷却手段である冷却ローラ対70が設けられているのである。
【0065】
冷却ローラ対70を通過した転写紙Pは、排紙ローラ対71により排紙スタック部75に画像面が上向きとなって排紙される。本複写機は排紙スタック部75で若い頁の転写紙が順次上に重ねられるように、作像順序がプログラムされているので、排紙スタック部75で頁順が揃う。
排紙スタック部75は、排紙される転写紙Pの増加に従って、下降するので、転写紙は整然と確実にスタックでき、頁順が乱れることがない。記録済みの転写紙を排紙スタック部75に直接スタックする代わりに、穴あけ加工処理を実施したり、ソータ、コレータや綴じ装置や折り装置など後処理装置に搬送することもできる。
【0066】
転写紙Pの片面に画像を形成する他の方法では、第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)での画像の形成をおこなわないようにするのと、頁揃えのために若い頁の画像データから順に像形成をさせる点が異なる。しかし、基本的には上述の片面記録の工程と同じなので、説明を省略する。
【0067】
次に転写紙の両面に画像を形成する両面記録時の動作について説明する。
プリンタ部100に画像信号が入力されると、片面記録の動作で説明した第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)の感光体1(Y,M,C,K)に、Y,M,C,Kトナー像が形成される。そして、これらは、Y,M,C,K用の一次転写ニップで第一中間転写ベルト21に順次重ね合わせて一次転写される。この工程とほぼ並行して、第二プロセスユニット81(Y,M,C,K)の感光体1(Y,M,C,K)に、Y,M,C,Kトナー像が形成される。そして、これらは、Y,M,C,K用の一次転写ニップで第二中間転写ベルト31に順次重ね合わせて一次転写される。このようにして、第一中間転写ベルト21、第二中間転写ベルト31上に、それぞれ4色トナー像が形成される。
【0068】
図1に示すように、第二プロセスユニット81(Y,M,C,K)のユニット間隔は、第一プロセスユニット80(Y,M,C,K)のユニット間隔よりも小さくなっている。これにより、第二転写ユニット30では、第一転写ユニット20よりも速く重ね合わせ一次転写が終了する。また、上記第一の画像と第二の画像が、転写紙Pの搬送方向先端で位置的に合致するためには、第一の画像の形成開始より遅れて第二の画像の形成が開始される。
また用紙はレジストローラ対45で静止と再送がおこなわれるので、その時間も見込んで給紙され、横レジ補正機構44で整合される。
レジストローラ対45は、タイミングをとって用紙を第一の二次転写手段である二次転写ローラ46と第一中間転写ベルト21で構成された第一転写部の二次転写ニップに搬送する。
【0069】
タイミングが計られてレジストローラ対45から第一転写部の二次転写ニップに送られた転写紙Pは、二次転写ローラ46にプラス極性の転写電流が印加され、その第一面に第一中間転写ベルト21からにフルカラー画像が転写される。このようにして片面に画像を有した用紙Pは、二次転写ローラ46の搬送作用により、引き続き第二の二次転写手段たる転写チャージャ47のある第二転写部に送られる。そして転写チャージャ47にプラス極性の転写電流が印加されることにより、第二中間転写ベルト31にあらかじめ担持されているフルカラーの第二の画像が、一括して転写紙Pの第二面に二次転写される。
【0070】
このようにして両面にフルカラー画像が形成された転写紙Pは、紙搬送ユニット50の紙搬送ベルト51によって、定着装置60へと移送される。吸着用チャージャ57により紙搬送ベルト51の表面はトナーの極性と同じマイナス極性で帯電される。これにより、転写紙Pの第二面の未定着のトナーが紙搬送ベルト51に移らないようにしている。除電・分離用チャージャ58には、交流が印加され、用紙は紙搬送ベルト51から分離され、定着装置60に受け渡される。
そして、定着装置60内で加熱や加圧による定着処理が行われて、両面のトナー画像がそれぞれ溶融、混合される。更に、冷却ローラ対70と排紙ローラ対71とを経た後、排紙スタック部75上に排紙される。
【0071】
複数の頁の転写紙に両面記録する場合、若い頁の画像が下面となって排紙スタック部75にスタックされるように作像順序を制御する。これにより排紙スタック部75から取り出し、上下面を逆にしたとき記録物は上から順に1頁、その裏に2頁、2枚目が3頁、その裏が4頁となり頁順が揃う。このような作像順序の制御や、定着装置60に入力する電力を片面記録時より増やすなどの制御は、制御部95によって実行される。
【0072】
片面記録動作、両面記録動作に関して、フルカラー記録を実行させる例で説明したが、ブラックトナーだけによるモノクロ記録も可能である。
また、メンテナンスや部品交換等の必要性が生じた場合には、不図示の外装カバー等を開放し、メンテナンスをおこなう。
【0073】
以上の構成のプリンタ部100では、上述した第一画像形成部と制御部95との組合せにより、第一トナー像担持体たる第一中間転写ベルト21の表面に第一トナー像たる多色第一トナー像を形成する第一トナー像形成部が構成されている。また、第二画像形成部と制御部95との組合せにより、第二トナー像担持体たる第二中間転写ベルト31の表面に第二トナー像たる多色第二トナー像を形成する第二トナー像形成部が構成されている。また、第一画像形成部と第二画像形成部と制御部95との組合せにより、トナー像形成手段が構成されている。なお、第一トナー像とは、複数の単色第一トナー像の重ね合わせによる多色第一トナー像と、Y,M,C,K何れかの単色第一トナー像だけからなるトナー像との総称である。また、第二トナー像とは、複数の単色第二トナー像の重ね合わせによる多色第二トナー像と、Y,M,C,K何れかの単色第二トナー像だけからなるトナー像との総称である。
【0074】
次に、現像装置4について説明する。
図4に示すように感光体1は図中矢印G方向に回転しながら、その表面をスコロトロンチャージャ3により帯電される。帯電された感光体1の表面は不図示の露光装置より照射されたレーザ光Lにより静電潜像を形成された潜像に現像装置4からトナーを供給され、トナー像を形成する。
【0075】
現像装置4は、図中矢印I方向に表面移動しながら感光体1の表面の潜像にトナーを供給し、現像する現像剤担持体としての現像ローラ5を有している。また、現像ローラ5に現像剤を供給しながら図4の奥方向に現像剤を搬送する現像剤供給搬送部材としての供給スクリュ8を有している。
現像ローラ5の供給スクリュ8との対向部から表面移動方向下流側には、現像ローラ5に供給された現像剤を現像に適した厚さに規制する現像剤規制部材としての現像ドクタ16を備えている。
現像ローラ5の感光体1との対向部である現像部から表面移動方向下流側には、現像部を通過した現像済みの現像剤を回収し、回収した回収現像剤を供給スクリュ8と同方向に搬送する現像剤回収搬送部材としての回収スクリュ6を備えている。供給スクリュ8を備えた現像剤供給搬送路である供給搬送路9と回収スクリュ6を備えた現像剤回収搬送路としての回収搬送路7とは現像ローラ5の下方に並設されている。供給搬送路9と回収搬送路7との2つの搬送路は仕切り部材としての仕切り板134によって仕切られている。
【0076】
現像装置4は、供給搬送路9の回収搬送路7の反対側に並列して、現像剤攪拌搬送路である攪拌搬送路10を設けている。攪拌搬送路10は、現像剤を攪拌しながら供給スクリュ8とは逆方向である図中手前側に搬送する現像剤攪拌搬送部材としての攪拌スクリュ11を備えている。供給搬送路9と攪拌搬送路10とは仕切り部材としての仕切り壁133によって仕切られている。仕切り壁133の図中手前側と奥側との両端は開口部となっており、供給搬送路9と攪拌搬送路10とが連通している。供給搬送路9内に供給され現像に用いられず供給搬送路9の搬送方向下流端まで搬送された余剰現像剤と、回収スクリュ6によって回収搬送路7の搬送方向下流端まで搬送された回収現像剤とは攪拌搬送路10に供給される。攪拌搬送路10は、供給された余剰現像剤と回収現像剤とを攪拌し、攪拌スクリュ11の搬送方向下流側であり、供給スクリュ8の搬送方向上流側に搬送する。
【0077】
仕切り板134には回収スクリュ6の搬送方向最下流側である図中奥方向の端が開口部となっており、供給搬送路9と回収搬送路7とが連通している。回収スクリュ6の搬送方向下流端と、供給スクリュ8の搬送方向下流端と、攪拌スクリュ11の搬送方向上流端とで3つの搬送路が連通している。
そして、回収搬送路7の搬送方向下流端まで搬送された回収現像剤は供給搬送路9に移送される。また、回収現像剤と供給スクリュ8で搬送される現像ローラ5に供給されなかった現像剤は、連通している攪拌搬送路10に移送される。
攪拌搬送路10では攪拌スクリュ11によって、回収現像剤、余剰現像剤及び移送部で必要に応じて補給されるトナーを、回収搬送路7及び供給搬送路9の現像剤と逆方向に攪拌搬送する。そして、搬送方向下流側で連通している供給搬送路9の搬送方向上流側に攪拌された現像剤を移送する。なお、攪拌搬送路10の下方には、トナー濃度センサ127が設けられ、センサ出力によりトナー補給制御装置(図示せず)を作動し、トナーボトル86から移送部へのトナー補給を行っている。
現像装置4のケーシングは3つの搬送スクリュの軸部で上下に分かれる一体成型された下ケーシング12及び上ケーシング13からなる。仕切り壁133は下ケーシング12の一部であり、仕切り板134は、上ケーシング13に保持され、下ケーシング12と勘合する。
なお、上述のトナー補給制御装置として、公知のモーノポンプを用いる方式のものが採用できる。この方式によればトナーカートリッジの設置場所の制約が少ないため、画像形成装置内部のスペース配分に対し有利である。またトナーを適時補給できるため、現像装置4に大きなトナー貯留スペースを設けなくてすみ、現像装置4の小型化がはかれる。
【0078】
図4に示すように、現像剤供給部材の最上部である供給スクリュ8のスクリュ頂点14が現像ローラ5の回転中心15よりも下方になるように配置されている。現像装置4では現像ローラ5の回転中心15とスクリュ頂点14とを結んだ直線と、回転中心15を通る水平な直線との角度θ1を30[°]に設定した。この角度θ1は供給スクリュ8の直径にも左右されるが、現像装置4の小型化からレイアウト上10[°]〜40[°]が望ましい。
現像ローラ5への現像剤の供給は現像ローラ5内に設けられた磁極が現像剤中の磁性キャリアをひきつけることによって行われる。上述のように、スクリュ頂点14が現像ローラ5の回転中心15よりも下方となるように配置することにより、現像剤の自重が現像ローラ5への現像剤の供給量に影響せず、磁力の大きさが現像剤の供給量に寄与する。これにより、供給搬送路9で搬送される現像剤の上部から確実に供給されるため、供給スクリュ8の搬送方向で供給搬送路9内の現像剤の嵩が均一でなくても、現像ローラ5に適正な量の現像剤を供給することができる。
【0079】
次に、現像ローラ5の磁極配置について説明する。
図5は現像ローラ5の磁極配置の概略説明図である。感光体1と対向する現像領域で現像ローラ5の表面移動方向の最も下流側の位置には現像下流端側S極218、供給スクリュ8と対向する位置には現像剤汲み上げ用S極219を配置している。そして、現像下流端側S極218と現像剤汲み上げ用S極219との間の領域は磁極がない磁極配置となっている。
この磁極がない範囲が現像済みの現像剤を回収する現像剤回収領域となり、現像剤回収領域と対向する現像ローラ5の真下の位置に回収搬送路7を設けている。現像領域を通過した現像済みの現像剤は現像剤回収領域まで搬送されると磁力の影響を受けなくなり、現像ローラ5の回転による遠心力と現像剤の自重とにより、回収搬送路7に落下し、回収され、回収現像剤として搬送される。
現像ローラ5の上方で現像済みの現像剤を回収しようとすると、現像剤が磁力の影響を受けない位置でも、自重により現像ローラ表面に乗ったままの状態になり、表面移動と共に下流側に搬送される現像剤の連れ回りが生じることがある。現像済みの現像剤で連れ回りが生じると、トナー濃度が変化した現像剤が供給位置まで搬送され、再び現像に用いられることになり、現像ローラ上のトナー濃度が低下したり、不均一となったりするおそれがある。
現像装置4では、現像ローラ5の下方の表面を現像剤回収領域とし、その下方に回収搬送路7を設けている。これにより、現像剤の自重は回収に寄与するため、より確実に現像剤を回収することができ、現像済み現像剤の連れ回りを防止することができ、トナー濃度を確実に一定にすることができる。
【0080】
また、現像装置4は回収搬送路7及び回収スクリュ6を現像ローラ5のほぼ真下に設け、供給搬送路9及び供給スクリュ8を横斜め下方に設けた構成である。このような構成により、現像下流端側S極218と汲み上げ用S極219との間隔を広く設定することができる。
従来機の3軸の現像装置では、現像済みの現像剤が汲み上げ側の磁極の影響で現像スリーブから分離せず、そのまま連れ回りとなって、現像ローラ5に担持されたままの状態となることがあった。現像済みの現像剤が現像ローラ5に担持されたままの状態となると、低トナー濃度の現像剤もしくは不均一濃度の現像剤により安定な画像が得られないという問題が生じる。
現像装置4は、現像下流端側S極218と汲み上げ用S極219との間隔を広く設定し、現像済みの現像剤が汲み上げ用S極219の影響を受けにくいため、上述の問題を防止する効果が大きい。
供給と回収とを上下で配置している方式では、現像後の現像剤を横方向まで持ってくるため、搬送用磁極が必要となり、汲み上げ用磁極とその上流側の磁極の間隔が狭い構成となるため、連れ回りによる不具合が発生し易くなっている。プリンタ部100の現像装置4の現像ローラ5では汲み上げ用磁極である汲み上げ用S極219とその上流側の磁極である現像下流端側S極218との角度θ2は113[°]となっている。
【0081】
従来の3軸の現像装置では現像ローラの汲み上げ用磁極とその上流側の磁極との間の角度は角度が大きいものでも、90[°]ぐらいであり、従来の現像ローラに対し20[°]以上広い間隔となる角度(約25[%]増)となっている。汲み上げ用磁極とその上流側の磁極との間隔を広くすると上流側の磁極を通過した現像剤が汲み上げ磁極からの磁力の影響を受けにくく、つれまわり現象が起きにくい。現像装置4では汲み上げ用S極219と現像下流端側S極218との角度θ2を113[°]としている。θ2の値としてはこれに限るものではなく、従来の現像装置よりも大きい、例えば角度θ2は100[°]以上あれば、連れ回りに起因するトナー濃度の不具合をより確実に防止することができる。
また、現像装置4では、現像用磁極が3極のため、最下流の現像用磁極が搬送用磁極もかねるため、専用の搬送用磁極が不必要となっていると考えられる。
【0082】
現像ローラ5の表面に供給された現像剤はその層厚を現像ドクタ16によって規制されることによって現像に最適な層厚となる。現像に最適な層厚とするには現像ドクタ16で規制される必要があるため、現像ローラ5に供給される現像剤の量は、現像ドクタ16を通過する現像剤の量よりも多い状態である。現像ローラ5に供給された現像剤は現像ドクタ16を通過する現像剤よりも多く、現像ドクタ16では常に現像剤が規制されている状態である。これにより、稼動していくうちに現像ドクタ16の上流側のドクタ領域17で規制された被規制現像剤が溜まっていく。
被規制現像剤は、後から現像ローラ5に供給され、ドクタ領域17に到達する現像剤により、持ち上げられ、現像ローラ5に落下し、またドクタ領域17に供給される。このように、ドクタ領域17で対流するような挙動を示す。
現像装置4では、ドクタ領域17で被規制現像剤が滞留し、循環対流を起こさないように、ある程度の量以上になった場合、迂回して供給搬送路9に還流させる被規制現像剤回収部材18が設置されている。また、現像ローラ5の磁力が影響し、還流する現像剤が滞留しないように被規制現像剤回収部材18の位置が設定されている。
【0083】
現像ドクタ16は上ケーシング13に固定された放熱用部材19に密着固定される。現像ドクタ16は現像剤からの熱を放熱用部材19に伝達し、放熱用部材の内側にはフィン120が形成され稼働中の空気流により放熱を行い、現像剤の温度上昇の低減を図っている。また、放熱用部材19は現像装置或いは作像ユニット111のプリンタ部100に対する着脱時に案内ガイドとして使用されるガイド部121を備えている。
また、下ケーシング12には、放熱フィン128が設けられ、プリンタ部100前部から後部へ送られる冷却風により、現像装置4全体の温度上昇を低減、冷却できるようになっている。
【0084】
現像ローラ5の下流側には、現像剤捕捉ローラ122が設置され、感光体1に付着した現像剤及び現像ローラ5から落下した現像剤を捕捉する。そして、現像ローラ5と逆回転させ、現像ローラ5に戻すか、スクレーパ123により回収搬送路7に回収させるようになっている。
攪拌スクリュ11及び攪拌搬送路10の上部の上ケーシング13には開口部124が設けられ、現像剤カートリッジ125が保持されるように構成されている。製品納入時または現像剤交換時現像剤を抜き取った後に、現像剤カートリッジ125をセットし、現像剤カートリッジシール部126を剥離することにより、現像剤が開口部124から現像装置4内に充填補給される。現像剤補給もカートリッジとして行えることで、簡単に交換が可能となっている。
【0085】
次に、3つの現像剤搬送路内での現像剤の循環について説明する。
図6は、現像装置4の上ケーシング13を外した状態を示すものであり、下ケーシング12で構成される各搬送路及び各スクリュの感光体1側から見た斜視図である。
下ケーシング12には、図中手前側より回収スクリュ6、供給スクリュ8、及び攪拌スクリュ11が設置され、それぞれのスクリュによる搬送領域を分けるように、各搬送路が形成されている。但し、供給搬送路9と回収搬送路7とは、上ケーシング13に保持され、下ケーシング12と勘合する仕切り板134により隔離されている。現像剤は、回収スクリュ6及び供給スクリュ8では矢印135、136の方向に、攪拌スクリュ11では逆方向の矢印137の方向に搬送されている。このとき回収スクリュ6及び供給スクリュ8の矢印135及び136は図4中手前から奥側への搬送方向であり、一方、攪拌スクリュ11の矢印137は奥側から手前側への搬送方向である。
【0086】
ここで、スクリュの構成について攪拌スクリュ11を例として説明する。攪拌スクリュ11は、攪拌回転軸170に現像剤搬送方向に向かって現像剤を攪拌搬送する羽部である攪拌搬送羽部138と、現像剤を隣接する供給スクリュ8側に移送する攪拌横移送用パドル139とを取り付けている。さらに、現像剤搬送方向下流端側の軸受部に現像剤を送り込まないように、攪拌搬送路10の搬送方向下流端部の現像剤に搬送方向とは逆方向の搬送力を与える攪拌搬送羽部138とは逆の巻方向の攪拌逆送羽部140が取り付けられている。なお、回収スクリュ6、及び供給スクリュ8も攪拌スクリュ11と同様な構成となっている。
【0087】
攪拌搬送路10での現像剤搬送方向下流側では、仕切り壁133に開口部を設けてあり、攪拌搬送路10の現像剤搬送方向下流側端部と供給搬送路9の現像剤搬送方向上流側端部とが連通している。攪拌搬送路10の搬送方向下流側端部まで搬送された現像剤は攪拌スクリュ11の攪拌横移送用パドル139により、供給スクリュ8側の供給搬送路9の搬送方向上流側端部に移送される。
一方、逆側では、仕切り壁133及び仕切り板134に開口部が設けてあり、回収搬送路7及び供給搬送路9の現像剤搬送方向下流側端部と攪拌搬送路10の現像剤搬送方向上流側端部とが連通し、連通部150を形成している。回収搬送路7に回収された回収現像剤は回収スクリュ6の回収横移送用パドル141により、供給スクリュ8側の供給搬送路9に移送される。現像に用いられず供給搬送路9の搬送方向下流側端部まで搬送された余剰現像剤と回収搬送路7から移送された回収現像剤とは、供給搬送路9内で混合される。余剰現像剤と回収現像剤とは、供給スクリュ8の供給横移送用パドル142により、攪拌スクリュ11側の攪拌搬送路10に移送される。
【0088】
ここで、回収搬送路7及び供給搬送路9の現像剤搬送方向下流側端部と攪拌搬送路10の現像剤搬送方向上流側端部との3つの現像剤搬送路が連通する位置での現像剤の横方向の移送について説明する。
図7は、3つの現像剤搬送路が連通している横移送部の概略断面図である。
現像剤の受け渡し部の仕切り壁133及び仕切り板134にはそれぞれ開口部が設けられている。回収搬送路7、供給搬送路9、及び攪拌搬送路10の回転するパドルのよって横移送されるため、単純に底部をつなげた平面とした場合、回転するパドルに対してデットポイントが生ずるため、うまく引き渡せない場合がある。そのため、各搬送路間にはそれぞれ回収・供給凸部131及び供給・攪拌凸部132が設けられ、それぞれの凸部を乗り越えた現像剤が逆流しないように構成されている。
また、比較的上方に引き渡す必要がある回収横移送用パドル141は、現像剤を押し出す現像剤押し出し面144に角度をモータせ、より外側に押し出すように構成されている。さらに、パドルの数は2枚に限らず、点線141bで示すように、搬送量に応じて羽根の枚数を増やしてもよい。
3つの現像剤搬送路の中間に位置する供給搬送路9の供給横移送用パドル142は、送り込まれた回収現像剤を引き込み、攪拌搬送路に押し出すため、回収横移送用パドル141のような角度を持たせず、ほぼフラットな状態に構成されている。
【0089】
また、攪拌スクリュ11の下側の下ケーシング12にはトナー濃度センサ127を備えている。トナー濃度センサ127からの出力信号により、制御系を含むトナー補給手段(図示せず)によって、供給スクリュ8と攪拌スクリュ11との間の移送部位置143に、上部からトナー補給が行われる。移送部位置143は現像剤を横移送するための供給横移送用パドル142が現像剤を掻き揚げる位置であるので攪拌作用が大きい。このように、攪拌作用が大きい箇所にトナー補給を行うことで、補給されたトナーが短時間で現像剤と攪拌、混合される。トナーを補給する箇所としては、供給スクリュ8と攪拌スクリュ11の間と限らず、回収スクリュ6と供給スクリュ8との間の移送部であってもよい。
【0090】
上述のように現像装置4では、回収スクリュ6、供給スクリュ8及び攪拌スクリュ11と回収搬送路7、供給搬送路9及び攪拌搬送路10とを現像ローラ5の下方に横方向に配置し、現像剤を循環させている。現像剤搬送路間の現像剤の移送が横方向に行われており、現像剤の循環において現像剤を上方向に押し上げる必要がない。これにより、装置内で現像剤を循環搬送する際に現像剤へのストレスを軽減することができ、現像剤の長寿命化を図ることができる。
また、回収スクリュ6及び供給スクリュ8の搬送方向下流端と、攪拌スクリュ11の搬送方向上流端とで3つの搬送路が連通させている。これにより、回収現像剤と余剰現像剤とを簡易な構成で攪拌搬送路10まで移送することができる。
【0091】
また、従来、隣り合う現像剤搬送路に現像剤を移送する構成として、搬送方向下流端部付近でも軸方向に平行な方向の搬送力のみを現像剤に加えて、押出すように開口部から隣の搬送路に移送するものがある。このように軸方向のみの搬送力を現像剤に加える構成では、開口部から押出すために現像剤に圧力を加える状態となり、現像剤に過剰なストレスがかかることになり、現像剤の寿命を低下させるおそれがある。一方、現像装置4では現像剤搬送路の搬送方向下流端部に横方向の搬送力を加えるパドル形状の部材を設けており、押出す構成のように現像剤に圧力を加えることなく移送できるため、現像剤にかかるストレスの軽減を図ることができる。
【0092】
図8は現像装置4の現像ローラ5を取り付けた状態の上ケーシング13の斜視図である。
図に示すように、現像領域よりも軸方向外側にトナー補給手段(図示せず)からのトナーを補給するトナー補給口130を設けている。トナー補給手段(図示せず)からのトナーは、トナー補給口130を通じて図6に示す移送部位置143に補給がなされる。
図8に示すように、回収搬送路7と供給搬送路9との間の移送部の上方には現像ローラ5のローラ回転軸5aが延びている。そして、このローラ回転軸5aの駆動部を設けるため、現像装置4では回収搬送路7と供給搬送路9との間の移送部の上方にトナー補給口130を設けることはできない。この点について、現像ローラ5の駆動部による制約がなければ、回収搬送路7と供給搬送路9との間の移送部の上方にトナー補給口130を設けてもよい。回収搬送路7と供給搬送路9との間でトナーを補給することにより、トナー濃度が低下している回収現像剤にトナーを供給することができるので、攪拌をより効率的に行うことができる。
【0093】
先に述べた図4について、攪拌搬送路10と供給搬送路9とを仕切り、下ケーシング12に形成された仕切り壁133には、供給スクリュ8の現像範囲の中央部以降の現像剤搬送方向下流側には現像剤嵩調節開口部145が設けられている。
現像ローラ5が停止させた場合、もしくは、現像ドクタ16の設定により、現像に用いられる現像剤が減少し、現像剤が滞留して、供給搬送路9内の現像剤の嵩が所望の高さよりも高くなることがある。現像剤の嵩が所望の高さよりも高くなると、供給スクリュ8による搬送状況が異なり、極端に搬送効率が低下や、正常な現像剤循環が保てず、部分的な現像剤劣化などを引き起こすおそれがある。
現像範囲の中央部以降で現像剤の嵩が所望の高さ以上になると、現像剤嵩調節開口部145から攪拌搬送路10へ現像剤をオーバーフローさせ、供給搬送路9内での現像剤高さを制御している。
【0094】
供給搬送路9内の現像剤は現像に用いられていない現像剤であり、そのトナー濃度は現像に適した状態であるので、攪拌搬送路10の途中に供給してもトナー濃度の低下や、濃度の不均一が生じることはない。
なお、現像剤嵩調節開口部145としては、図4に示すように複数箇所に分けて設けたものでも、現像範囲中央部以降全体を一つの開口部として設けたものでもよい。
所定の高さよりも高い位置の仕切り部材に開口部を設けることにより、供給搬送路内の過剰な現像剤をオーバーフローさせ、攪拌搬送路に供給する構成は、供給搬送路と攪拌搬送路とがほぼ同じ高さに並設されているからこそ可能な構成である。例えば、供給搬送路と攪拌搬送路とが上下に並設されている場合、攪拌搬送路が上方にあっては供給搬送路内の現像剤をオーバーフローさせても攪拌搬送路に供給することはできない。供給搬送路が上方にある場合は、一度オーバーフローさせた現像剤を下方の攪拌搬送路に落下させる落下用の経路が必要となり、現像装置の構成が複雑になってしまう。本件のように、供給搬送路と攪拌搬送路とをほぼ同じ高さに並設すると、仕切り部材のある高さに開口部を設けるという簡易な構成で、供給搬送路内の過剰な現像剤を攪拌搬送路へ供給することができる。
【0095】
次に、各現像剤搬送路間の現像剤の搬送量の関係について説明する。図9は各現像剤搬送路での現像剤搬送量(単位時間当たり)及びフローを説明する概略図である。図の横方向はプリンタ部100の奥行き方向、つまり現像装置4内での現像剤搬送路内の現像剤の搬送方向を表わしている。
攪拌搬送路10での現像剤搬送状態を146(以下、攪拌搬送量146と呼ぶ)、供給搬送路9の現像剤搬送状態を147(以下、供給搬送量147と呼ぶ)、回収搬送路7現像剤搬送状態148(以下、回収搬送量148と呼ぶ)と表わす。この時の各奥行き方向位置での搬送量は図中の幅の大きさで示される。また、現像剤の搬送方向は矢印135、136及び137で示される。
【0096】
攪拌搬送路10の現像剤は、搬送方向下流側で供給搬送路9に受け渡される(矢印152)。供給搬送路9の現像剤は現像範囲では、回収搬送路7に現像ローラ5を介し順次移送されることとなる(矢印153)。従って、現像範囲では、供給搬送路9の現像剤は順次減少して、回収搬送路7の現像剤は逆に同じ量増加していくことになる。また、回収搬送路7の現像剤は、搬送方向下流で供給搬送路9に受け渡され(矢印154)、さらに、供給搬送路9の現像剤と共に攪拌搬送路10に受け渡される(矢印155)ことになる。また、図6で説明したように、回収搬送路7の搬送方向下流端から攪拌搬送路10の搬送方向上流端までの連通部150で横方向に移送する過程で行われ、図9では領域Kの範囲で行われる。
【0097】
現像剤が円滑に循環するためには、各搬送路及び各スクリュの搬送能力は、回収スクリュ6の出力搬送量:f、供給スクリュ8の出力搬送量:eとすると、攪拌スクリュ11の入力搬送量:Eとすると、E=e+fを満足する必要がある。
また、攪拌搬送スクリュの出力搬送量=供給搬送スクリュの入力搬送量=攪拌搬送スクリュの入力搬送量=Eとなる。
そして、現像剤の安定供給を考える場合、供給スクリュ8で搬送する供給搬送路9内の現像剤は、ある程度余裕を持たせる必要がある。このとき、供給搬送路9内での現像剤の充填度(高さ)、及び供給スクリュ8の搬送効率が重要である。現像剤の高さは一定ではなく、攪拌方向により傾きを生じ、また、搬送効率も羽根のリード、材質、厚さ、条数により大きく変わって来るため、ある程度余裕をもった量として設定する必要がある。その誤差を±10[%]とし、確実なオーバーフロー量10[%]と設定して、攪拌搬送路10から受け渡される現像剤の量Eの20[%]以上となるように、e>(E/5)が望ましい。
【0098】
また、e→Eとなる(eがEに近づく)ことは、無駄に現像剤を送っていることになり、現像剤に余分なストレスを加えることになる。これは、現像ドクタ16により現像ローラ5の現像領域への供給量は決まり回収量も決まる。つまり、fは現像ドクタ16の通過量によって決定される。よって、e→Eとなるとなることは、供給量に対して余剰現像剤が単に多くなることになり、無駄に攪拌、搬送を行い、現像剤に余分なストレスを与えているだけとなる。また、余剰現像剤が多いと現像済みの回収現像剤の比率が落ちるため、トナー濃度変化に対してトナー濃度センサ127の感度が鈍感になり、トナー濃度制御が難しくなる。
【0099】
実施例としての現像装置4では、以下の式(3)となるように設計を行った。
(E/3)>e>(E/4)・・・・(3)
これは現像剤搬送効率から、余剰現像剤のe→0が理想であるが、確実に現像ローラ上に一定量の現像剤を供給するため、ある程度余剰分が必要である。一方余剰現像剤と回収現像剤の比率により、一般的に攪拌搬送路上流側に位置するトナー濃度センサの感度が大きく影響される。つまり、回収現像剤の比率が大きいと感度が大きく、一方ばらつきも大きい、比率が小さいと感度が小さくなる。また、回収現像剤の比率が大きい場合、トナー補給を受け、トナー濃度均一にするため、攪拌性能に依存される。そのため、余剰現像剤の比率を上げることにより、回収現像剤は補給されたトナー及び余剰現像剤からのトナーも加えられ、大きなトナー濃度ムラを押さえることが可能になる。
以上の点から、現像剤搬送効率確保(現像剤低ストレス化)及びトナー濃度制御(トナー濃度センサの感度及びトナー濃度均一化)の面から、搬送量を式(3)の範囲に設定した。
【0100】
次に、供給搬送路9を移動する現像剤の搬送速度と、攪拌搬送路10を移動する現像剤の搬送速度との関係について説明する。
ここで、供給搬送路9内での図6及び図9中の矢印136で示す方向の現像剤の移動速度を供給部剤速度u[m/s]、攪拌搬送路10内での図6及び図9中の矢印137で示す方向の現像剤の搬送速度を攪拌部剤速度u[m/s]とする。また、供給搬送路9の現像剤搬送方向の最上流部での単位長さ当たりの剤重量を供給部上流剤重量m[kg/m]、供給搬送路9の現像剤搬送方向の最下流部での単位長さ当たりの剤重量を供給部下流剤重量mmin[kg/m]とする。さらに、攪拌搬送路10の単位長さ当たりの剤重量を攪拌部剤重量m[kg/m]とする。
【0101】
図9において、攪拌搬送スクリュの出力搬送量=供給搬送スクリュの入力搬送量=Eであるので、供給搬送路9の上流部と攪拌搬送路10の下流部とでの単位時間当たりに移動する剤重量は等しい。ここで、搬送量Eを、時間あたりの搬送量E[kg/s]とすると、以下の式(4)が成り立つ。
E=m=m・・・・・・・(4)
式(4)より、u<u、の関係を満たせば、m>mとなる。これにより、攪拌搬送路10内の現像剤量を増やすことなく、供給搬送路9内の現像剤量を増加することができる。
つまり、供給搬送路9と攪拌搬送路10との現像剤の速度を式(1)のように設定することにより、現像剤の速度を必要最低限にしたうえで、効果的に供給搬送路9での現像剤容量を増やすことができ、供給搬送路9での現像剤の枯渇を防ぐことができる。よって常に安定した現像剤量を現像ローラ5に供給でき、長期間にわたり安定した画像濃度の画像を得ることができる。
一方、攪拌搬送路10での現像剤容量は減らすことができるため、攪拌スクリュ11径を大きくすることなく現像剤のスクリュ充填率を下げることができ、補給トナーの攪拌を十分に行うことができる。またスクリュ回転数を低減でき、現像剤、スクリュ軸受の長寿命化が達成できる。
【0102】
また、現像ローラ5の単位面積あたりの汲み上げ量をρ[kg/m]、現像ローラ5の回転方向の線速をv[m/s]、現像領域の軸方向の長さをW[m]とすると、以下の式(5)が成り立つ。
min=m−ρvW/u・・・・・(5)
【0103】
また回収搬送路7内の現像剤の移動速度が時間毎に変化しないとする場合、供給搬送路9と攪拌搬送路10とに入っている現像剤の総量は保存するので、以下の式(6)が成り立つ。
−D/u+m=M・・・・・・(6)
ここで、D=ρvL/2であり、M[kg/m]は供給搬送路9内と攪拌搬送路10内とに入っている総量[kg]をW[m]で除した値である。
【0104】
式(4)、(5)及び(6)より、供給部下流剤重量mmin、供給部上流剤重量m及び攪拌部剤重量mは、それぞれ、以下の式(7−1)、(7−2)及び(7−3)のように求められる。
【数2】


【数3】


【数4】


【0105】
図10は、式(7−1)をグラフ化したものである。(ρ=0.4[kg/m]、v=0.2[m/s]、L=0.3[m]、M=0.7[kg])
このグラフのz軸mminがある値mより大きければ、供給スクリュから現像ローラに現像剤の供給が行える。また、ある値mより小さければ、供給部下流で剤が枯渇し、現像ローラに現像剤の供給が十分に行えず、汲み上げ不良が起きてしまうということを意味している。なお、mの値は現像ローラのマグネットの強さや供給スクリュの配置、供給スクリュの形状・回転方向等によって決まってくる。
【0106】
図10より、攪拌部剤速度uに対しては、mminは単調増加していることが分かる。一方、供給部剤速度uに対しては、ある値に対してピークをもつことが分かる。
(7−1)より、ピーク位置での供給部剤速度uと攪拌部剤速度uとの関係は、以下の式(8)のように求められる。
【数5】


図10より、供給搬送路9内の現像剤の移動速度と攪拌搬送路10内の現像剤の移動速度とが式(8)の関係にあるときに供給搬送路9下流部の剤単位長さあたりの重量はピークをとることが分かる。
【0107】
図11は、図10をx−y投影したグラフである。曲線は図10に示したグラフとz=mの面との交線に相当している。このグラフより、u<uのところ(領域1)を満たすことにより、さらには、供給部・攪拌部の剤速度を、式(8)式の関係を満たす値、すなわち図11中の領域2に設定すると、供給・攪拌部剤速度を抑えつつ、現像ローラへの剤供給条件を満たすことができる。
領域2の範囲とすることにより、式(1)の条件の中でも、現像剤の速度を必要最低限にしたうえで特に効果的に供給搬送路9の下流部での剤の重量が増やすことができ供給が安定する条件となっている。よってスクリュ低回転数で常に安定した現像剤量を現像ローラ5に供給でき、長期間にわたり安定した画像濃度の画像を得ることができる。またスクリュ回転数を低減により、現像剤、スクリュ軸受の長寿命化が達成できる。
【0108】
次に、供給搬送路9及び攪拌搬送路10内の現像剤の搬送速度の測定方法について説明する。
図12は、透磁率センサを用いた現像剤速度検知手段の模式図である。攪拌搬送路10内の攪拌スクリュ11の下のA点及びB点に2つの透磁率センサを取り付けているとする。A点がトナー補給位置で現像剤は図中矢印β方向に搬送される。A点上方とB点下方とに示す、X−TCのグラフはそれぞれの点におけるトナー濃度の変化を示す。このグラフよりA点にてトナー補給されB点にてそれが拡散していく様子がわかる。
補給トナーの移動に伴いピークが見られるが、AおよびBにおけるピークの時間差を測定することにより、A〜Bの距離を時間差で除することで攪拌搬送路10内での現像剤の移動速度を測定することができる。
同様の構成で供給搬送路9内での現像剤の移動速度を測定することができる。
透磁率センサとしては、トナー補給の制御に用いるトナー濃度センサ127を共有してもよいが、トナー濃度センサ127とは別に、トナー濃度の分布を検知するための透磁率センサを別途設けても良い。
また、図12では、A点はトナー補給位置と述べたが、補給直後のニュートナーは現像剤の上部にあり、攪拌がなされていない状態であると、攪拌搬送路10の下部に設けた透磁率センサではトナー濃度の変化を検知することを困難である。よって、答辞率センサを設置する位置としては、A点を攪拌搬送路10の中央部とし、B点を攪拌搬送路10の下流部とすることで、A点、B点ともにトナー濃度の変化を検知することが可能となる。
【0109】
供給搬送路9の下流で現像剤重量が減少することにより、現像剤の高さが低くなる。そのため、供給搬送路9の下流では現像ローラ5の磁力が及ぶ範囲に現像剤が存在せず、汲み上げが枯渇しやすくなってしまう。
そこで、供給搬送路9内の現像剤の剤面は、現像ローラ5の側が高くなるように、水平面よりも傾いた状態にしてもよい。
図13は、現像ローラ5及び供給スクリュ8の位置と供給スクリュ8の回転方向との関係を示す図である。図13(a)は、供給スクリュ8の回転軸部よりも現像ローラ5側の羽部が上方から下方に向かうように、供給スクリュ8が回転する構成を示している。また、図13(b)は、供給スクリュ8の回転軸部よりも現像ローラ5側の羽部が下方から上方に向かうように、供給スクリュ8が回転する構成を示している。
【0110】
他の条件は変えずに、供給スクリュ8の回転方向のみを図13(a)から図13(b)へと変更したところ、供給搬送路9から現像ローラ5への汲み上げのために最低限必要な供給搬送路9の下流部での現像剤重量を70[%]ほど減少することが実験により確認できた。
供給搬送路9と攪拌搬送路10との現像剤の搬送速度を適正な値とするとともに、供給スクリュ8の回転方向を図13(b)のように現像ローラ5側の羽部が下方から上方に向かうよう設定することで、現像ローラ5への現像剤の供給をより安定なものとすることができる。
【0111】
このように、現像剤の剤面を水平面よりも現像ローラ5側寄りに傾けることにより、供給搬送路9の下流部に現像剤が少ない状態でも現像ローラ5の磁力の及ぶ範囲に現像剤を持ち上げることができ現像ローラ5へ汲み上げる能力が上がるため、安定して剤の汲み上げを行うことができる。
また、供給搬送路9下流に現像剤が少なくても汲み上げる能力が増すことにより、現像ローラ5への供給量にプラスして余分な剤を搬送する必要がなく、効率のよい搬送を行うことができるようになる。これにより、供給スクリュ8及び攪拌スクリュ11の回転数を減らすことができ現像剤へのストレスを低減できる。
【0112】
[実施例1]
実施例1では、攪拌部剤速度と供給部剤速度を一例として図11中のプロットAの条件に設定するために、供給スクリュ8、攪拌スクリュ11を以下のように設計した。
・供給スクリュ
軸方向長さ:320[mm]、羽部径25[mm]、軸部径5[mm]、ピッチ幅:12[mm]、回転数:300[rpm]
・攪拌スクリュ
軸方向長さ:320[mm]、羽部径25[mm]、軸部径5[mm]、ピッチ幅:20[mm]、回転数:300[rpm]
【0113】
このように、実施例1では、供給スクリュ8と攪拌スクリュ11とでスクリュのピッチ幅を異ならせて、供給スクリュ8のピッチ幅を狭くしている。
供給スクリュ8のピッチ幅を攪拌スクリュ11のピッチ幅よりも狭くすることにより、供給部剤速度Uと、攪拌部剤速度Uについて、U<Uを満たすことができる。また、供給スクリュ8のピッチ間隔を短くすることにより、現像ローラ5上のスクリュピッチムラの低減を図ることができる。
【0114】
[実施例2]
実施例1として、攪拌部剤速度と供給部剤速度を一例として図11中のプロットAの条件に設定するために、供給スクリュ8、攪拌スクリュ11を以下のように設計した。
・供給スクリュ
軸方向長さ:320[mm]、羽部径25[mm]、軸部径5[mm]、ピッチ幅:20[mm]、回転数:180[rpm]
・攪拌スクリュ
軸方向長さ:320[mm]、羽部径25[mm]、軸部径5[mm]、ピッチ幅:20[mm]、回転数:300[rpm]
【0115】
このように、実施例2では、供給スクリュ8と攪拌スクリュ11とでスクリュの回転数を異ならせて、供給スクリュ8の回転数を遅くしている。
供給スクリュ8の回転数を攪拌スクリュ11の回転数よりも小さくすることにより、供給部剤速度Uと、攪拌部剤速度Uについて、U<Uを満たすことができる。また、実施例1では、ピッチ幅を異ならせるために供給スクリュと攪拌スクリュとで異なるスクリュを用いていたが、実施例2では、スクリュの設計を供給スクリュ、攪拌スクリュで統一することができ、生産コストを下げることができる。
【0116】
以上、実施形態1のプリンタ部100では、回収搬送路7、供給搬送路9及び攪拌搬送路10の3つの現像剤搬送路を備えた現像装置4で、供給搬送路9内での図6及び図9中の矢印136で示す方向の現像剤の移動速度を供給部剤速度U[m/s]、攪拌搬送路10内での図6及び図9中の矢印137で示す方向の現像剤の搬送速度を攪拌部剤速度U[m/s]としたときに、U<Uの関係を満たしている。m=mより、m>mとなり、攪拌搬送路10内の現像剤量を増やすことなく、供給搬送路9内の現像剤量を増加することができる。よって、効果的に供給搬送路9での現像剤容量を増やすことができ、供給搬送路9での現像剤の枯渇を防ぐことができる。これにより、常に安定した現像剤量を現像ローラ5に供給でき、長期間にわたり安定した画像濃度の画像を得ることができる。さらに、攪拌搬送路10での現像剤容量は減らすことができるため、攪拌スクリュ11径を大きくすることなく現像剤のスクリュ充填率を下げることができ、補給トナーの攪拌を十分に行うことができる。また、スクリュ回転数を低減でき、現像剤、スクリュ軸受の長寿命化が達成できる。
また、供給スクリュ8のピッチ幅を攪拌スクリュ11のピッチ幅よりも狭くすることにより、供給部剤速度Uと、攪拌部剤速度Uについて、U<Uを満たすことができる。特に、供給スクリュ8のピッチ間隔を短くすることにより、現像ローラ5上のスクリュピッチムラの低減を図ることができる。
また、供給スクリュ8の回転数を攪拌スクリュ11の回転数よりも小さくすることにより、供給部剤速度Uと、攪拌部剤速度Uについて、U<Uを満たすことができる。特に、供給スクリュ8と攪拌スクリュ11とを同じ形状とし、回転数を調節することで所望の現像剤の搬送速度を得ることができるため、スクリュの設計を供給スクリュ、攪拌スクリュで統一することができ、生産コストを下げることができる。
また、供給部剤速度uと攪拌部剤速度uとが式(8)を満たすように設定することにより、式(1)の条件の中でも、現像剤の速度を必要最低限にしたうえで特に効果的に供給搬送路9の下流側での現像剤の重量が増やすことができ現像ローラ5への現像剤の供給が安定する条件となっている。よってスクリュ低回転数で常に安定した現像剤量を現像ローラ5に供給でき、長期間にわたり安定した画像濃度の画像を得ることができる。またスクリュ回転数を低減することにより、現像剤、スクリュ軸受の長寿命化図ることができる。
また、供給スクリュ8の回転方向を、現像ローラ5側の羽部が下方から上方に向かうよう設定することで、現像剤の剤面が水平面よりも現像ローラ5側寄りに傾き、供給搬送路9の下流部に現像剤が少ない状態でも現像ローラ5の磁力の及ぶ範囲に現像剤を持ち上げることができ現像ローラ5へ汲み上げる能力が上がるため、より安定して剤の汲み上げを行うことができる。さらに、供給搬送路9下流に現像剤が少なくても汲み上げる能力が増すことにより、現像ローラ5への供給量にプラスして余分な剤を搬送する必要がなく、効率のよい搬送を行うことができるようになる。これにより、供給スクリュ8及び攪拌スクリュ11の回転数を減らすことができ現像剤へのストレスを低減できる。
また、回収搬送路7を現像ローラ5の下方に設け、回収搬送路7、供給搬送路9及び攪拌搬送路10の3つの現像剤搬送路を略同じ高さに設けており、現像剤の循環部に高低差をなくすことができるので、現像剤へのストレスを低減でき、現像剤の長寿命化を図ることができる。さらに、回収搬送路7が現像ローラ5の直下に位置するため、現像後の現像剤の回収効率が向上し、画像濃度の安定化がなされ、さらに長期にわたり安定した画像濃度の画像を得ることができる。
また、供給スクリュ8の最上部であるスクリュ頂点14が現像ローラ5の回転中心15よりも下方となるように配置することにより、現像剤の自重が現像ローラ5への現像剤の供給量に影響せず、磁力の大きさが現像剤の供給量に寄与する。これにより、供給搬送路9で搬送される現像剤の上部から確実に供給されるため、供給搬送スクリュ8の搬送方向で供給搬送路9内の現像剤の嵩が均一でなくても、現像ローラ5に適正な量の現像剤を供給することができる。特に、現像ローラ5の回転中心軸と供給スクリュ8の最上部とを通る平面と、現像ローラ5の回転中心軸を通る水平面とがなす角が10[°]〜40[°]の範囲内とすることにより、安定した現像剤の供給を行うことができる。
また、プリンタ部100が両面1パスの構成であることにより、長期にわたり画像濃度の安定した画質を得ることができるので、画像濃度の低下などの不具合による作業停止時間がなく、さらに生産性の高い画像形成装置を得ることができる。
【0117】
[変形例1]
実施形態1では、図4に示した3つの現像剤搬送路をほぼ同じ高さとした現像装置4で、供給部剤速度Uと攪拌部速度Uとを、U<Uを満たすように設定したものである。U<Uを満たすことを好ましい構成としては、図4に示した3つの現像剤搬送路をほぼ同じ高さとした現像装置に限らない。回収搬送路と供給搬送路とが別に設けられた構成であれば、供給搬送路の下流側では現像剤量の減少が生じるため、供給部剤速度Uと攪拌部速度Uとを、U<Uを満たすことが好ましい。
以下、図20で示す現像装置4でU<Uを満たすように設定した変形例1について説明する。
【0118】
図20の現像装置4では、供給搬送路9に配置された供給スクリュ8に隣接する現像ローラ5に現像剤が供給され、現像済の現像剤は現像ローラ5の下方に配置された回収搬送路7へ移動される。回収搬送路7に配置された回収スクリュ6は、供給スクリュ8と同方向に現像剤を搬送し、さらに回収搬送路7の搬送方向下流側でほぼ同じ高さに併設された攪拌搬送路10に現像剤を移送している。また、供給搬送路9で現像ローラ5に供給されなかった現像剤は、供給搬送路9の搬送方向の下流側で下方の攪拌搬送路10に移動(落下)する。攪拌搬送路10に配置された攪拌スクリュ11は回収搬送路7から現像済の現像剤、供給搬送路9からの未現像の現像剤、及び補給トナーを攪拌し、供給搬送路9の上流側へと斜め上方に移送する。この攪拌搬送路10における斜め上方への現像剤の持ち上げの際、供給部剤速度Uを攪拌部剤速度Uより小さくして、供給搬送路9に十分な現像剤を収容しつつ、攪拌スクリュ11の剤埋設率を約0.6程度以下に調節したところ、補給トナーの攪拌性を十分に確保することができ、また剤ストレスも低減した。
【0119】
図20に示した現像装置4では、供給搬送路が上方に配置されているため、供給搬送路9の下流部で現像剤が枯渇しやすいという課題は大きな問題とならない。しかし、回収搬送路7から供給搬送路9の高さまで現像剤を持ち上げる攪拌搬送路10で現像剤ストレスが大きくなってしまう課題がある。
<Uとすることで、攪拌搬送路10での剤重量を減らし、攪拌搬送路10での攪拌スクリュ11の現像剤に対する埋設率を下げることができる。これにより、図20に示した現像装置4の課題である攪拌搬送路10での現像剤のストレスを抑えることができる。また、U<Uにより、供給搬送路9の下流部での剤高さが確保できるようになるため、供給搬送路9の剤枯渇を同時に防ぐことができる。
特に、現像ローラ5に回転中心15と供給スクリュ8の最下点114とを通る平面と、回転中心15を通る水平面とがなす角をー20[°]〜20[°]の範囲内とすることにより、供給搬送路9から現像剤へ安定した現像剤の供給を行うことができる。
【0120】
[実施形態2]
実施形態1では、供給搬送路9における現像剤の移動速度が搬送方向について均一であるものについて検討した。次に、実施形態2として、供給部剤速度Uが、供給搬送路9の現像剤搬送方向下流側ほど小さくなるものについて検討する。
なお、供給搬送路9、供給スクリュ8、攪拌搬送路10及び攪拌スクリュ11以外の構成については、実施形態1と共通であるので、共通する部分については説明を省略する。
【0121】
供給搬送路9で供給部剤速度Uを軸方向について一定にした場合、供給搬送路9の上流から下流へかけて、各場所での剤の重量が線形的に減少する。したがって、供給搬送路9の上流側にスクリュ埋設率100%を超える過剰な現像剤を供給しないと下流部で現像剤が枯渇してしまう。供給搬送路9の上流側に剤を過剰に供給することは、剤にストレスを与えることにつながる。そこで、供給搬送路9で上流から下流へかけて各場所での現像剤の重量の減少率を下げることが望まれる。
図14は、3つの現像剤搬送部剤の搬送速度と、供給搬送路位置における現像剤重量との関係を示すグラフである。図14中(a)のグラフは、供給・攪拌・回収スクリュによる剤速度を、ともに0.12[m/s]とした場合のグラフである。
一方、図14中(b)のグラフは攪拌・回収スクリュによる剤速度をともに0.12[m/s]とし、供給スクリュによる剤速度を上流部の0.12[m/s]から下流部の0.06[m/s]まで線形的に減少させた場合の供給部での単位長さあたりの剤重量の計算結果である。
なお、剤速度以外のパラメータは、(a)及び(b)では共通とした。
図14より、(a)よりも(b)の方が、供給スクリュによる剤速度を下流にいくに従って小さくすることにより、供給搬送路の下流部での単位長さあたりの剤重量を増加させることが分かる。そして、(a)よりも(b)の方が、供給搬送路9で上流から下流へかけて各場所での現像剤の重量の減少率が小さいことが分かる。
そして、実施形態1のように供給部剤速度Uと攪拌部剤速度Uとが、U<Uの関係を満たす構成に加え、供給スクリュによる剤速度を下流にいくに従って小さくすることにより、さらに、供給搬送路の下流部での単位長さあたりの剤重量を増加させることができる。
【0122】
[実施例3]
図15は実施例3に適用した供給スクリュ8の概略説明図である。
実施例3では、供給部剤速度Uが、供給搬送路9の現像剤搬送方向下流側ほど小さくなるように、供給スクリュ8を以下のように設計した。
軸方向長さ:320[mm]、羽部径25[mm]、軸部径5[mm]、ピッチ幅:20[mm]
さらに、現像剤搬送方向下流側に、下流側にいくに従って幅の大きくなる6つの攪拌フィン159を取り付けた。
図15に示す供給スクリュ8を用いて画像形成を行った。なお、供給搬送路9の上流側の供給部剤速度Uは攪拌搬送路10の攪拌部剤速度Uと同じ速度で行った。
【0123】
これらの攪拌フィン159の取り付けにより現像剤の流れが阻害され、供給部剤速度Uが下流側で連続的に遅くなった。また、攪拌フィン159がその面に対して垂直に現像剤を搬送する力により、供給搬送路9の下流側の少ない剤を現像ローラ5に持ち上げる能力が増した。これにより、供給搬送路9の下流側に現像剤がほとんど残っていない状態でも現像ローラ5に供給することができ過剰な剤の搬送を行う必要がなくなる。これにより、スクリュ回転数を低減させることができ、剤ストレス、スクリュ軸受ストレスを低減させることができる。
【0124】
以上、実施形態2のプリンタ部100では、供給搬送路9の現像剤の速度である供給部剤速度Uを下流にいくに従い小さくなることにより、供給搬送路9から現像ローラ5へ現像剤を順次供給しても、現像剤の高さの減少を小さくすることができるため、現像ローラ5へ安定した現像剤量を供給できる。また、供給搬送路9の上流側へ過剰な剤の供給する必要がなくなるため、剤ストレスが軽減する。さらに、供給搬送路9と攪拌搬送路10での剤速度が単純に式(1)の条件を満たすように設定し、供給搬送路9の下流側に十分な現像剤が搬送されるように設定した場合、UとUとの差が大きくなり、攪拌搬送路10から供給搬送路9への受け渡し部で現像剤の流れが不連続になるおそれがある。供給搬送路9の供給部剤速度Uを上流から下流にいくにしたがって小さくすることにより、供給搬送路9での現像剤の枯渇を防止しつつ、攪拌搬送路10から供給搬送路9への受け渡し部での剤速度を連続的に変化させることができ、剤のストレスを軽減させることができる。
特に、供給搬送路9の現像剤搬送方向下流側の供給スクリュ8に、羽部の半径方向と供給スクリュ8の軸方向との辺から成る平面を持ったフィンとしての攪拌フィン159を設けることにより、下流部での現像剤の速度を低減させることができ、現像ローラ5へ安定した現像剤量を供給できる。さらに、攪拌フィン159を取り付けることにより、供給搬送路9の下流側に現像剤が少ない状態でも現像ローラ5へ現像剤を汲み上げる能力が増す。そのため、現像ローラ5への供給量にプラスして余分な剤を搬送する必要のなくなり、効率のよい搬送を行うことができるようになる。これにより、供給スクリュ8及び攪拌スクリュ11の回転数を減らすことができ、現像剤のストレスを低減できる。
【0125】
[実施形態3]
実施形態2では、供給部剤速度Uが、供給搬送路9の現像剤搬送方向下流側ほど小さくなるものについて検討した。次に、実施形態3として、供給搬送路9の現像剤搬送方向下流にいくに従って、供給スクリュ8の部材体積を大きくするものについて検討する。
なお、供給スクリュ8以外の構成については、実施形態1と共通であるので、共通する部分については説明を省略する。
【0126】
供給搬送路9の現像剤搬送方向下流側にいくに従って、羽部の半径は一定のまま、供給スクリュ8の部材体積を大きくすることにより、供給搬送路9の下流側に現像剤が少ない状態でも、みかけの現像剤面の高さがほぼ一定になるため、現像ローラ5の磁力が及ぶ範囲に現像剤が常に存在することとなり、現像ローラ5は通常どおり剤の汲み上げを行うことができる。さらに、供給搬送路9の下流側に現像剤が少なくても汲み上げる能力が増すことにより、現像ローラ5への供給量にプラスして余分な剤を搬送する必要がなく、効率のよい搬送を行うことができるようになるため、供給スクリュ8、攪拌スクリュ11の回転数を減らすことができ現像剤へのストレスを低減できる。
そして、実施形態1のように供給部剤速度Uと攪拌部剤速度Uとが、U<Uの関係を満たす構成に加え、供給スクリュ8の部剤体積を下流にいくに従って大きくすることにより、さらに、供給搬送路の下流部での単位長さあたりの剤重量を増加させることができる。
【0127】
次に、実施形態3に適用可能な供給スクリュ8の具体的な形状について説明する。図16は実施形態3に適用可能な供給スクリュ8の概略説明図である。図16(a)は実施例4、図16(b)は実施例5、図16(c)は実施例6そして図16(d)は実施例7の供給スクリュ8の概略説明図である。
なお、図16に示す供給スクリュは、軸方向長さ:320[mm]、羽部径25[mm]、軸部径5[mm]、ピッチ幅:20[mm]のスクリュをベースに、下流部で供給スクリュ8の部材体積をさまざまな方法により増加させた。
【0128】
[実施例4]
図16(a)は、実施例4に適用した供給スクリュ8の概略構成図である。実施例4では、供給スクリュ8の回転軸部である供給軸部157の軸径を、供給搬送路9の現像剤搬送方向下流側ほど大きすることにより、供給スクリュ8の部材体積を大きくしている。
具体的には、供給スクリュ8の軸部径を上流側の5[mm]から下流側の15[mm]まで、現像剤搬送方向下流に行くにしたがって、軸部径を大きくしていったものである。
【0129】
[実施例5]
図16(b)は、実施例5に適用した供給スクリュ8の概略構成図である。実施例5では、供給スクリュ8の羽部である供給羽部158の厚さを、供給搬送路9の現像剤搬送方向下流側ほど大きすることにより、供給スクリュ8の部材体積を大きくしている。
具体的には、供給スクリュ8の供給羽部158について、上流側の1.5[mm]から下流側の4[mm]まで、現像剤搬送方向下流に行くにしたがって、その厚さを大きくしていったものである。
【0130】
[実施例6]
図16(c)は、実施例6に適用した供給スクリュ8の概略構成図である。実施例6では、供給スクリュ8の供給羽部158を供給搬送路9の下流側では複数条とし、供給搬送路9の上流側よりも条数を多くすることにより、供給スクリュ8の部材体積を大きくしている。
具体的には、供給スクリュ8の図中破線Bで示す、上流部1/2までは1条、破線B〜Cまでの間の上流から1/2〜3/4では2条、破線Cより下流側の上流から3/4〜4/4の最下流側では3条と、下流側ほど条数を増やしていくものである。
【0131】
[実施例7]
図16(d)は、実施例7に適用した供給スクリュ8の概略構成図である。実施例dでは、供給スクリュ8の供給羽部158の外側に、直径2[mm]の供給攪拌棒160を2本取り付けることにより、供給スクリュ8の部材体積を大きくしている。
【0132】
以上、実施形態3のプリンタ部100では、供給搬送路9の現像剤搬送方向下流側にいくに従って、供給スクリュ8の部材体積を大きくすることにより、供給搬送路9の下流部に現像剤が少ない状態でもみかけの現像剤面の高さがほぼ一定になるため、現像ローラ5の磁力が及ぶ範囲に現像剤が常に存在することとなり、現像ローラ5は通常どおり剤の汲み上げを行うことができる。さらに、供給搬送路9の下流側に現像剤が少なくても汲み上げる能力が増すことにより、現像ローラ5への供給量にプラスして余分な剤を搬送する必要がなく効率のよい搬送を行うことができるようになるため、供給スクリュ8及び攪拌スクリュ11の回転数を減らすことができ現像剤へのストレスを低減できる。
特に、供給スクリュ8の回転軸である供給軸部157の軸径を現像剤搬送方向下流側ほど連続的に大きくすることにより、供給スクリュ8の体積も連続的に大きくなり、現像ローラ5への現像剤の供給量に合わせた軸径の増加量に設定することにより、供給搬送路9内ので現像剤の高さをほぼ一定にすることができる。
なお、現像剤が少ない供給搬送路9の下流側ではスクリュピッチムラの起こる可能性が高くなると考えられる。特に、供給スクリュ8の羽部である供給羽部158の条数を現像剤搬送方向下流側ほど増やすことにより、そのスクリュピッチムラ低減を図ることができる。
【0133】
[変形例2]
プリンタ部100の構成が異なる変形例2について説明する。
図17は変形例2に係るプリンタ部100の概略構成図である。これは図1に示した両面同時プリントに対して通常の片面のみを一度に作像するカラー方式である、いわゆるタンデム構成である。概略構成を以下に示す。
図17のカラー画像形成装置であるプリンタ部100は、いわゆるタンデム方式といわれ、各色毎のプロセスカートリッジ220が直列に配置された構成になっている。各色毎のプロセスカートリッジ220は、感光体1を中心に帯電装置である帯電ローラ223、現像装置4、感光体クリーニング装置2等から構成される。また4つのプロセスカートリッジ220の上方には露光装置224が配置されており、下方には中間転写装置221が配置されている。その他に、用紙搬送ユニット50、紙転写装置228、定着装置60などを備えている。プリンタ部100において、感光体1、帯電ローラ223、現像装置4及び感光体クリーニング装置2等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジ220として一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジ220をプリンタ部100本体に対して着脱可能に構成する。
図17に示すプリンタ部100の作像動作は前述の図1において裏面(第一面)の作像がないだけであるため、説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】実施形態1に係る複写機の該略構成図。
【図2】同複写機のプリンタ部における4つの第一プロセスユニットの1つを示す拡大構成図。
【図3】同複写機のプリンタ部における4つの第二プロセスユニットの1つを示す拡大構成図。
【図4】同複写機の現像装置の概略構成図。
【図5】現像ローラの磁極配置の概略構成図。
【図6】現像装置の下ケーシングの斜視図。
【図7】現像剤搬送路の連通部の概略断面図。
【図8】現像装置の上ケーシングの斜視図。
【図9】各現像剤搬送路での現像剤搬送量及びフローを説明する概略図。
【図10】供給部剤速度、攪拌部剤速度及び供給部下流剤重量の関係を示す3次元グラフ。
【図11】図10の3次元グラフを切った際の断面をX−Y平面。
【図12】透磁率センサを用いた現像剤速度測定方法の模式図。
【図13】現像ローラの位置と供給ローラの回転方向との関係の説明図。
【図14】3つの現像剤搬送部剤の搬送速度と、供給搬送路位置における現像剤重量との関係を示すグラフ。
【図15】実施例3に適用した供給スクリュの概略説明図。
【図16】実施形態3に適用可能な供給スクリュの概略説明図。(a)は実施例4の供給スクリュ、(b)は実施例5の供給スクリュ、(c)は実施例6の供給スクリュ、(d)は実施例7の供給スクリュ。
【図17】変形例2に係るプリンタ部の概略構成図。
【図18】従来から広く使用されている現像装置の概略構成図。
【図19】特許文献1に記載の現像装置の概略構成図。
【図20】特許文献2に記載の現像装置の概略構成図。
【符号の説明】
【0135】
1 感光体
2 感光体クリーニング装置
3 スコロトロンチャージャ
4 現像装置
5 現像ローラ
6 回収スクリュ
7 回収搬送路
8 供給スクリュ
9 供給搬送路
10 攪拌搬送路
11 攪拌スクリュ
12 下ケーシング
13 上ケーシング
14 スクリュ頂点
15 回転中心
16 現像ドクタ
17 ドクタ領域
18 被規制現像剤回収部材
19 放熱用部材
20 第一転写ユニット
21 第一中間転写ベルト
30 第二転写ユニット
31 第二中間転写ベルト
40 給紙装置
44 横レジ補正機構
45 レジストローラ対
46 二次転写ローラ
47 転写チャージャ
50 紙搬送ユニット
50A 搬送クリーニング装置
51 紙搬送ベルト
54 分離ローラ
57 吸着用チャージャ
58 分離用チャージャ
60 定着装置
70 冷却ローラ対
71 排紙ローラ対
75 排紙スタック部
80 第一プロセスユニット
81 第二プロセスユニット
85 ボトル収容部
90 操作・表示ユニット
95 制御部
100 プリンタ部
110 回収攪拌スクリュ
111 作像ユニット
120 フィン
121 ガイド部
122 現像剤捕捉ローラ
123 スクレーパ
127 トナー濃度センサ
128 放熱フィン
130 トナー補給口
131 回収・供給凸部
132 供給・攪拌凸部
133 仕切り壁
134 仕切り板
138 攪拌搬送羽部
139 攪拌横移送用パドル
140 攪拌逆送羽部
141 回収横移送用パドル
142 供給横移送用パドル
143 移送部位置
144 現像剤押し出し面
145 像剤嵩調節開口部
159 攪拌フィン
200 自動画像読取装置
210 回収攪拌搬送路
300 紙補給装置
401 供給回収スクリュ
402 供給回収搬送路
403 隔壁
404 第一隔壁
405 第二隔壁




 

 


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