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発明の名称 画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−4051(P2007−4051A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−186888(P2005−186888)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
発明者 吉野 美枝 / 黒鳥 恒夫 / 大嶽 英宗 / 竹内 則康
要約 課題
像形成物質を圧縮する1次定着手段と、像形成物質を軟化溶融する2次定着手段との2段階で定着を行う定着装置を有し、より高品質な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供する。

解決手段
トナーの圧縮を主に行う1次定着部310と、トナーの軟化溶融を主に行う2次定着部320との2段階で定着を行う定着装置300を用い、定着性検知手段であるスミア測定装置400の検知結果に基づいて、定着装置300の定着条件を定着条件調節手段で調節する。
特許請求の範囲
【請求項1】
熱可塑性の像形成物質によって形成された画像を担持する記録媒体に、2つの定着部材により形成されるニップ部において所定の温度T1及び所定の圧力P1を加える1次定着手段と、
該1次定着手段で所定の温度T1及び所定の圧力P1が加えられた後の該記録媒体に、2つの定着部材により形成されるニップ部において所定の温度T2及び所定の圧力P2を加える2次定着手段とから構成し、
T1とT2との関係及び、P1とP2との関係が、
T1<T2、
P1>P2、
を満たす定着装置を備えた画像形成装置において、
該2次定着手段で所定の温度T2及び所定の圧力P2が加えられた後の該記録媒体に担持された画像の定着性を検知する定着性検知手段と、
該定着性検知手段の検知結果に基づいて該定着装置の定着条件を調整する定着条件調整手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記定着条件調整手段は上記1次定着手段の圧力P1を調整するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1の画像形成装置において、
上記定着条件調整手段は上記1次定着手段の上記ニップ部のニップ幅を調整するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1の画像形成装置において、
上記定着条件調整手段は上記1次定着手段の定着速度を変更するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1の画像形成装置において、
上記定着条件調整手段は上記1次定着手段の数を変更するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1の画像形成装置において、
上記定着条件調整手段は上記2次定着手段の温度T2を調整するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1の画像形成装置において、
請求項2、3、4、5及び6に記載の上記定着条件調整手段を2つ以上組み合わせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、
2つの定着部材の間に上記像形成物質が上記記録媒体の方向に移動する向きの電荷を形成する電荷形成手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8の画像形成装置において、
上記像形成物質を含有する現像剤がトナーとキャリア液からなる液体現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9の画像形成装置において、
上記1次定着手段通過後で、上記2次定着手段に到達する前の上記記録媒体が担持する上記液体現像剤の固形分率が40%以上、望ましくは45%以上となるように、該1次定着手段の圧力を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項9または10の画像形成装置において、
上記1次定着手段通過後で、上記2次定着手段に到達する前の上記記録媒体が担持する上記液体現像剤のトナー層の表面粗さが、
Ra=0.5[μm]以下、
望ましくは、
Ra=0.3[μm]以下となるように、該1次定着手段の圧力を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項9、10または11の画像形成装置において、
上記1次定着手段の上記定着部材について上記記録媒体上の上記画像に接触する面の表面エネルギーが、0.05[N/m]以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の画像形成装置において、
上記記録媒体上の上記像形成物質を含有する現像剤の温度が、該像形成物質のガラス転移温度よりも高くならないように、上記1次定着手段の温度T1を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の画像形成装置において、
その表面に潜像を担持し、該潜像を現像手段によって現像がなされトナー像を担持する感光体が、アモルファスシリコン系の感光体であることを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性の成分を含有する像形成物質を用いて記録媒体上に作像した画像を、加熱により軟化或いは溶融して該記録媒体上に定着する定着装置を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、熱可塑性の成分を含有する像形成物質を用いて記録媒体上に作像した画像の定着装置としては、熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性エラストマー等の熱可塑性の物質を含有する像形成物質からなる画像を加熱によって軟化或いは溶融し、その像形成物質形状を変形させて定着させるものが知られている。この種の定着装置においては、加熱された像形成物質を記録媒体表面の凹凸に応じて効率よく変形させるために、また像形成物質同士の結合を高めるために、加熱と同時に加圧も行うようになっている。
【0003】
その一例としては、表面移動体として、表面を互いに接触させながら回転する加熱ローラと押圧ローラとを備えるものが知られている。これらローラの少なくとも一方は、その周面に弾性部を有し、これをもう一方のローラとの接触領域で自在に変形させて両ローラの密着性を高めるようになっている。両ローラは、転写紙P等の記録媒体の画像形成面を加熱ローラに接触させるように、記録媒体を互いの接触部に挟み込む。そして、記録媒体上で画像を構成する像形成物質を加熱ローラによって加熱しながら両ローラ間で押圧して記録媒体上に定着させる。このとき、画像の定着性を良好にするためには、両ローラ間の押圧力をある程度大きくする必要がある。
【0004】
このように、両ローラ間の押圧力を大きくするためには、ローラの強度を増加させなければならず、これらローラの芯金の体積を大きくすることが必要となる。例えば、加熱ローラとしてハロゲンヒータを内包した中空の金属ローラの表面に高離型性のフッ素樹脂等をコーティングしたものを用いている場合、金属ローラ芯金の肉厚を厚くする必要が生じる。この結果、加熱ローラ自身の熱容量が増大し、加熱ローラのスイッチを入力してから定着可能な温度に昇温するまでの時間(以下、ウォームアップ時間という)が長くなってしまうという不具合が生じる。
上述のウォームアップ時間の長時間化という不具合は、加熱ローラのようなローラ形状のものに限らず、加熱と加圧とを同時に行う構成の定着装置であれば常に生じる恐れがある。
【0005】
上述の問題を解決するために、本出願人は特許文献1において、定着装置を1次定着手段と2次定着手段との二段階で記録媒体に画像を定着させるように構成した画像形成装置を提案している。
具体的には、所定の温度T1及び所定の圧力P1を加える1次定着手段と、1次定着手段で所定の温度T1及び所定の圧力P1が加えられた後の記録媒体に、所定の温度T2及び所定の圧力P2を加える2次定着手段とから構成する定着装置を備え、T1<T2、P1>P2、の関係を満たす画像形成装置である。
P1>P2の関係より、1次定着手段で主に加圧によって像形成物質層の圧縮を行うと共に、像形成物質と記録媒体表面構造との密着性を高める。そして、T1<T2の関係より、2次定着手段で、1次定着手段より高い温度で像形成物質を加熱軟化溶融し、像形成物質同士あるいは像形成物質と記録媒体との結合力を高めて定着を完了させるものである。
1次定着手段で像形成物質層を圧縮し、2次定着手段で像形成物質を軟化溶融することにより定着性を維持することができる。また、2次定着手段では大きな圧力を必要としないため、ニップを形成するローラに従来のような強度を要せず、加熱するローラの体積を小さくすることができる。これにより、加熱するローラの熱容量を小さくすることが可能になり、定着装置のウォームアップ時間を短縮することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−196598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の画像形成装置を用いることによって、定着性を維持しつつ、ウォームアップ時間を短縮することができる。ところで、本発明者らの研究によれば、装置の環境によって定着性が異なってくるということが分かっている。
【0008】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、像形成物質を圧縮する1次定着手段と、像形成物質を軟化溶融する2次定着手段との2段階で定着を行う定着装置を有し、より高品質な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、熱可塑性の像形成物質によって形成された画像を担持する記録媒体に、2つの定着部材により形成されるニップ部において所定の温度T1及び所定の圧力P1を加える1次定着手段と、該1次定着手段で所定の温度T1及び所定の圧力P1が加えられた後の該記録媒体に、2つの定着部材により形成されるニップ部において所定の温度T2及び所定の圧力P2を加える2次定着手段とから構成し、T1とT2との関係及び、P1とP2との関係が、T1<T2、P1>P2、を満たす定着装置を備えた画像形成装置において、該2次定着手段で所定の温度T2及び所定の圧力P2が加えられた後の該記録媒体に担持された画像の定着性を検知する定着性検知手段と、該定着性検知手段の検知結果に基づいて該定着装置の定着条件を調整する定着条件調整手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記定着条件調整手段は上記1次定着手段の圧力P1を調整するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記定着条件調整手段は上記1次定着手段の上記ニップ部のニップ幅を調整するものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記定着条件調整手段は上記1次定着手段の定着速度を変更するものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記定着条件調整手段は上記1次定着手段の数を変更するものであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記定着条件調整手段は上記2次定着手段の温度T2を調整するものであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1の画像形成装置において、請求項2、3、4、5及び6に記載の上記定着条件調整手段を2つ以上組み合わせることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の画像形成装置において、2つの定着部材の間に上記像形成物質が上記記録媒体の方向に移動する向きの電荷を形成する電荷形成手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の画像形成装置において、上記像形成物質を含有する現像剤がトナーとキャリア液からなる液体現像剤であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、上記1次定着手段通過後で、上記2次定着手段に到達する前の上記記録媒体が担持する上記液体現像剤の固形分率が40%以上、望ましくは45%以上となるように、該1次定着手段の圧力を調整することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項9または10の画像形成装置において、上記1次定着手段通過後で、上記2次定着手段に到達する前の上記記録媒体が担持する上記液体現像剤のトナー層の表面粗さが、Ra=0.5[μm]以下、望ましくは、Ra=0.3[μm]以下となるように、該1次定着手段の圧力を調整することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項9、10または11の画像形成装置において、上記1次定着手段の上記定着部材について上記記録媒体上の上記画像に接触する面の表面エネルギーが、0.05[N/m]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の画像形成装置において、上記記録媒体上の上記像形成物質を含有する現像剤の温度が、該像形成物質のガラス転移温度よりも高くならないように、上記1次定着手段の温度T1を調整することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の画像形成装置において、その表面に潜像を担持し、該潜像を現像手段によって現像がなされトナー像を担持する感光体が、アモルファスシリコン系の感光体であることを特徴とするものである。
【0010】
上記請求項1乃至14の画像形成装置においては、定着装置を通過した後の記録媒体上の画像の定着性を検知し、定着性の検知結果に基づいて定着条件を調節することにより、環境の変化に合わせた定着条件で定着を行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1乃至14の発明によれば、環境の変化に合わせた定着条件で定着を行うことにより、より高品質な画像形成を行うことができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を、を画像形成装置である液体現像剤を用いた電子写真複写機に適用した実施形態について説明する。
図1は本実施形態にかかる液体現像剤を用いた電子写真複写機(以下、プリンタ100という)の概略構成図である。図において、プリンタ100は、画像形成手段として4つの画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Bkを備えている。また、転写部200や定着装置300を備え、定着装置300の記録体搬送方向下流側には定着性検知手段としてのスミア測定装置400を備えている。
【0013】
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Bkは、イエロー画像、マゼンタ画像、シアン画像、ブラック画像を形成するものである(以下、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローをそれぞれBk、C、M、Yと記す)。これらは使用する像形成物質であるトナーの色が異なる点を除いて、その構造は共通であるのでBk、C、M、Yを省略し、画像形成ユニット1として、図2を用いて説明する。
【0014】
図2は画像形成ユニット1の概略構成図である。
画像形成ユニット1は、潜像担持体としての感光体ドラム10のまわりに、帯電装置20、図示しないレーザー書き込みユニット、現像装置40、転写装置50、ドラムクリーニング装置60等が配設されている。感光体ドラム10はその表面がアモルファスシリコン(a−Si)によって形成される。感光体ドラム10の材質としてはOPC等も使用することができる。また、露光装置としてはLEDやレーザー走査光学系等が使用できる。
【0015】
次に、画像形成ユニット1での画像形成動作について説明する。感光体ドラム10は、図示しないモータ等の駆動手段によって複写時には一定速度で矢印方向に回転駆動される。感光体ドラム10表面はその回転移動に伴い、帯電装置20のコロナ放電によって一様に帯電される。なお、帯電装置20としてはこのようなコロナ放電による帯電を実現するものの他、感光体ドラム10に接触させた帯電ローラなどの帯電部材によって所定の帯電バイアスを印加する方式のものを用いてもよい。
帯電装置20によって、一様帯電された感光体ドラム10の表面は画像情報に基づいて、レーザー書き込みユニットからレーザー光Lが照射されて各色の静電潜像を担持する。これら静電潜像は、液体現像剤を用いる現像装置40の現像ローラ42と対向する領域を通過する間に現像される。
【0016】
静電潜像に現像されたトナー像は、感光体ドラム10の回転に伴い、転写装置50との対抗する位置に達する。転写装置50は、中間転写ローラ51によって感光体ドラム10に向けて押圧して1次転写ニップを形成している。中間転写ローラ51にトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスを印加する図示しない電源等を備えており、プリント時には中間転写ローラ51を図中矢印方向に回転移動させる。1次転写ニップには、転写バイアスが印加される中間転写ローラ51と感光体ドラム10の表面との電位差によって転写電界が形成される。感光体ドラム10の回転に伴って1次転写ニップに進入したトナー像は、この転写電界やニップ圧の作用を受けて中間転写ローラ51上に1次転写される。
【0017】
このようにして1次転写されたトナー像は、中間転写ローラ51と2次転写ローラ55との対抗部で、搬送ベルト201によって搬送される記録体としての転写紙Pに2次転写される。トナー像が転写された転写紙Pは、定着装置300で加圧、及び加熱されることによって定着せしめられる。トナー像が定着した転写紙は、定着装置から排紙経路を経て機外へと排出される。
1次転写ニップを通過した感光体ドラム10の表面は除電ランプ70により残留電荷が除電される。除電ランプ70により除殿された感光体ドラム10の表面は、ドラムクリーニング装置60のスポンジローラ61およびクリーニングブレード62によって残留している液体現像剤が掻き取り除去される。この除去により、感光体ドラム10の表面は初期化せしめられ、次の作像を実現することが可能になる。
【0018】
次に、現像装置40の構造について説明する。この装置は現像剤収容タンク41、一対の攪拌スクリュー46、アニロクスローラ44、現像ローラ42、中間ローラ43、ドクターブレード49、現像クリーニングブレード48等を備えている。
【0019】
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Bkの各現像装置40は、それぞれ、キャリア液としての50[mPa・s]の粘度のジメチルポリシロキサンオイル中にY、M、C、Bkトナーが分散された液体現像剤を用いて、各感光体ドラム10表面上のY、M、C、Bk用静電潜像をY、M、C、Bk画像に現像する。
この現像剤の粘度及びトナー固形分率の範囲としては、例えば粘度が50[mPa・s]から5000[mPa・s]、トナー固形分率が5[%]から40[%]のものを用いる。キャリア液としては、シリコーンオイル、ノルマルパラフィン、IsoparM(エクソン商標)、植物油、鉱物油等の絶縁性が高いものを使用する。揮発性、不揮発性については、目的に合わせて選択することができる。
【0020】
有色粒子であるこれらY、M、C、Bkトナーは、それぞれ、約50[℃]で軟化を開始する熱可塑性物質としての変性エポキシ系樹脂に、有色微粒子である着色顔料(ジスアゾイエロー、キナクリドン、銅フタロシアニン又はカーボンブラック等)、電荷制御剤及び分散剤が配合されたものである。その平均粒径は約3[μm]に調整されているが、サブミクロンから6[μm]程度まで目的に合わせて選択してもよい。
【0021】
一対の攪拌スクリュー46は、現像剤収容タンク41内の液体現像剤45中に浸るように互いに平行配設され、図中矢印で示されるように、図示しない駆動手段によって互いに逆方向に回転駆動せしめられる。現像装置40が現像動作に入ると、これら攪拌スクリュー46がこのように互いに逆回転し、現像剤収容タンク41内の液体現像剤45が攪拌せしめられる。この攪拌により、液体現像剤45は、そのトナー濃度や粘度が均一化する。また、攪拌スクリューが互いに逆回転することで、両者の間で図示のように液体現像剤の液面が盛り上がり、その上方に配設されたアニロクスローラ44に付着する。
【0022】
塗布ローラとしてのアニロクスローラ44は、図示しない駆動手段によって図中矢印方向に回転駆動せしめられながら、上述のようにして付着した液体現像剤45を汲み上げる。このアニロクスローラ44の周面には、図示しない複数の凹部が形成されている。アニロクスローラ44によって汲み上げられた液体現像剤45の一部は、この凹部内に収容される。
このアニロクスローラ44の表面にはステンレス等の金属で形成された規制ブレードとしてのドクターブレード49が当接しており、アニロクスローラ44上の余分な液体現像剤45を掻き取る。このこの掻き取りにより、アニロクスローラ44上の液体現像剤45の量が複数の凹部の容量に応じた値に正確に計量される。
【0023】
中間ローラ43は、ドクターブレード49との当接部を通過したアニロクスローラ44表面に接触し、接触部でアニロクスローラと同方向に表面移動するように回転している。中間ローラ43とアニロクスローラ44との接触位置である塗布ニップでは、両ローラが互いに同方向に表面移動しながら接触し、且つ、アニロクスローラ44上の液体現像剤45がその粘度にかかわらず正確に計量されているため、中間ローラ43上に均一な厚みの現像剤薄層を形成することができる。
なお、中間ローラ43を用いてアニロクスローラ44で汲み上げた液体現像剤45を現像ローラ42に供給する構成では、ドクターブレード49を省略してもよい。これは、アニロクスローラ44と中間ローラ43とが当接するニップ部を通過することにより、余分な液体現像剤45が規制されるためである。
【0024】
現像ローラ42は、中間ローラ43に接触しながら接触部で中間ローラ43と逆方向に表面移動するように回転する。中間ローラ43と現像ローラ42との接触位置であるニップでは、両ローラが互いにカウンター方向に表面移動しながら接触し、中間ローラ43上に形成された現像剤薄層が現像ローラ42に転移される。
また、ニップの出口側で現像ローラ42に対する液体現像剤の供給が開始される一方で、現像ローラ42上に移った液体現像剤45が供給方向とは逆方向に移動する。このような塗布により、現像ローラ42の表面には液体現像剤45からなる均一な厚みの現像剤薄層が形成される。
【0025】
現像ローラ42は、その周面に導電性のウレタンゴム等からなる導電弾性層が設けられており、感光体ドラム10と等速に回転しながらこれに接触して現像ニップを形成している。この現像ニップには、図示しない電源からトナーの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加される現像ローラ42と、感光体ドラム10との電位差によって現像電界が形成される。具体的には、現像ニップでは、現像ローラ42、感光体ドラム10の地肌部及び静電潜像がそれぞれトナーと同極性の電位を帯び、その値が地肌部、現像ローラ42、静電潜像の順に低くなっている。このため、地肌部と現像ローラ42との間では、トナーを電位のより低い現像ローラ42に向けて静電的に移動させるような電界が形成される。また、現像ローラ42と静電潜像との間では、トナーを電位のより低い静電潜像に向けて移動させるような電界が形成される。このような現像電界が形成される現像ニップでは、現像剤薄層中のトナーが、現像ローラ42と地肌部との間で現像ローラ42の表面に向けて電気泳動して集結するとともに、現像ローラ42と静電潜像との間で静電潜像に向けて電気泳動して付着する。この付着により、静電潜像が現像されてトナー像となる。
【0026】
現像終了後の現像ローラ42に残留する上記現像液薄層は、現像ローラ42と中間ローラ43とのニップ部で中間ローラ43に受け渡され、現像クリーニングブレード48によって、中間ローラ43の表面から除去され、重力によって現像剤収容タンク41内部に戻る。
【0027】
次に感光体ドラム10の表面の余剰トナーを除去する感光体スイープ部30について説明する。図2に示すように画像形成ユニット1は現像装置40から感光体ドラム10の表面移動方向下流側、且つ、転写装置50から感光体ドラム10の表面移動方向上流側に感光体スイープ部30を備えている。感光体スイープ部30は第1スイープ装置31aと第2スイープ装置31bとからなる。そして、それぞれ第1スイープローラ32a及び第2スイープローラ32b、第1スイープクリーニングブレード33a及び第2スイープクリーニングブレード33b、第1キャリア回収装置34a及び第2キャリア回収装置34b等を備えている。ここでは第1スイープ装置31aと第2スイープ装置31bとはその基本的な構造は共通であるので、以下、部材の名称の第1及び第2の記載と、符号のa及びbの記載は省略する。
【0028】
スイープローラ32は外周面に導電性を有する弾性体の層が設けられている。この弾性体の層の材質としてはウレタンゴムを用いることができる。この弾性体の層のゴム硬度としては、JIS−A硬度で50度以下であることが望ましい。この材質はウレタンゴムに限られるものではなく、導電性を有するものであって、且つ溶剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。また、弾性体の層をスイープローラ32に設ける構成ではなく、弾性体の層を感光体側に設ける構成であってもよい。さらに、感光体を無端ベルト状部材で構成してもよい。また、スイープローラは、コーティングもしくはチューブにより、その表面がRz=3[μm]以下の平滑性を有するように構成されている。
【0029】
スイープローラ32を感光体ドラム10に対して適当な圧力で当接させると、スイープローラ32の弾性体の層が弾性変形し、除去ニップを形成する。当接圧力を調整することでニップ部における表面移動方向の大きさであるニップ幅を調整することができる。
上述したように、現像ニップの現像ローラ42上の地肌部との間において、現像剤薄層中のトナーは、現像ローラの表面に向けて電気泳動して集結するため、理論的には地肌部には付着しない。しかし、通常よりも帯電量の少ないトナーが他のトナーよりも遅れて電気泳動するなどして、地肌部に付着していわゆるカブリ(地汚れともいう)という現象を引き起こす場合がある。
感光体スイープ部30の機能のひとつとして、このようなカブリを引き起こしたカブリトナーを感光体ドラム10から除去する機能がある。具体的には、スイープローラ32は、感光体ドラム10と略等速に回転しながらこれに接触して除去ニップ部を形成し、この除去ニップ部には、図示しない電源からトナーの帯電極性と同極性の除去バイアスが印加され、感光体ドラム10との電位差によってスイープ電界が形成される。
【0030】
次に、転写装置50について説明する。
転写装置50は、感光体ドラム10からトナー像を転写される中間転写ローラ51、中間転写ローラ51から転写紙Pにトナー像を転写する2次転写ローラ55と転写紙Pを搬送する搬送ベルト201とから主に構成されている。また、中間転写ローラ51には、中間転写体スイープローラ53を備えてもよい。
中間転写体スイープローラ53は中間転写体に現像剤を介して接触し、表面が中間転写ローラ51と対向する位置で同方向に移動するよう回転方向を制御している。中間転写体スイープローラ53には、トナーと同極性のバイアスを印加して、現像剤層に接触すると、キャリア液は付着するが、トナーは付着しないようにされている(例えば、プラストナーの時、中間転写体に−300[V]、スイープローラには100[V])。トナーと同極性で放電する程度のバイアスを印加してもよい。また、キャリア液が付着するので、中間転写ローラ51、2次転写ローラ55、及び中間転写体スイープローラ53にはそれぞれ金属ブレードもしくはゴムブレードからなるクリーニング部材が備えられており、それぞれのローラに付着したキャリア液を除去する。各クリーニング部材はブレードに限らずローラ式であってもよい。
【0031】
中間転写体の構成は、金属など導電性のドラムに、ゴムや樹脂などからなる導電性の弾性体層を形成し、それだけでもよいが、望ましくは、さらに表層に、タックや表面凹凸の少なく、抵抗を調節する層を設けるとよい。また導電性のゴムや樹脂などからなるベルト状のものでもよい。ベルト状のものの場合も、表層に、上述のような層を設けても良い。中間転写体がドラム状の場合、回転制度が良く、位置再現性が良い、高圧力をかけやすい等の利点がある。一方、中間転写体がベルト状の場合、カラー用など、複数の感光体から一つの中間転写体に転写する場合や、ニップ幅を広く形成したい場合に有利である。弾性体導電層の材料の例としては、ヒドリン、ウレタン、NBR、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、EPDM等がある。各弾性体の層の材質は上記のものに限られるものではなく、導電性を有するものであって、かつキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。また、その表面が導電性を有し、かつキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であり、その内層にキャリア液・現像剤が接触しないような構成であれば、その内層としての、各弾性体の層の材質は、上述の導電性・膨潤溶解の制約なく、弾性を有していればよい。このとき、中間転写体に印加するバイアス電圧は、中間転写体の軸からではなく、表面から印加する必要がある。弾性体の層のゴム硬度としては、JIS−A硬度で50度以下であることが望ましい。これは転写ニップを設けるためであり、ベルト状の中間転写体を用いる場合は、シートとして駆動、曲げ等、機能する程度の硬度であればよい。
【0032】
中間転写ローラ51の表面粗さは、十点平均粗さで、0〜4[um]がよい。これは、中間転写ローラ51上でのトナー像の厚さは、液体現像剤を用いた場合、5[um]以下、時には2[um]ほどになる場合もあり、トナー像厚さより表面が粗いと、画像が壊されてしまうためである。そして、さらに望ましくは、十点平均粗さ1〜2[um]がよい。また、表面粗さが低すぎるとタックが増える場合がある。
中間転写ローラ51の電気抵抗は、体積抵抗率、1×10〜1×1011[Ω・cm]の範囲内にあれば、感光体ドラム10からの転写(1次転写)、転写紙Pへの転写(2次転写)ともに、良好だが、望ましくは1×10〜1×1010[Ω・cm]の範囲だと転写抜けが少なく、電力も少なくて済む。1×10[Ω・cm]以下では、湿度等の環境によって転写ぬけする場合があり、1×1010[Ω・cm]以上では、環境によって、以上放電を起こす場合や、電力的に無駄な場合がある。表面抵抗率は、1×10〜1×1012[Ω/□]、望ましくは1×1010〜1×1011[Ω/□]である。これらの体積抵抗率、表面抵抗率は、三菱化学、高抵抗計(ハイレスタUP MCP−HT450型、測定用プローブ:UR−SS)を用い、250V印加にて10秒後の値を測定した。
【0033】
中間転写体の材料について、表面粗さ、表面の滑り等の問題がある場合は、表面に別の層(表層)を設けるとよい。弾性体を用いた場合、表面粗さをよくするのは困難になり、タックも強くなってくる。そこで、そのような問題を解決できるように、例えばフッ素系樹脂を用いた厚さ数[um]〜数[mm]のコート層や、フィルム層、別素材の弾性層を設けると良い。この場合、中間転写体は、基体+弾性層+表層の3層から成る。中間転写ドラムで例を挙げると、基体が金属ドラムであり表層を設けた後の中間転写体全体の抵抗率が上記体積抵抗率、表面抵抗率となるように調整し、弾性層の抵抗率は、時定数を下げるために、なるべく低い方がよい。
【0034】
感光体ドラム10から中間転写ローラ51へトナー像を転写するための1次転写バイアスは、トナーとは逆極性(−)で図示しないバイアス電源から印加される。その印加電圧は例えば+100V〜+500Vの範囲である。また、帯電トナーや中間転写ローラ51の材料によってその適正値は変わる。
【0035】
中間転写ローラ51から転写紙Pへの2次転写は、記録体転写部材としての2次転写ローラ55および2次転写ローラ55に接続された不図示の2次転写電源などから構成する2次転写部にて行われる。2次転写ローラ55としては金属ローラや、ヒドリンやNBR等から成るJIS−A硬度30〜70度のゴムローラが用いられる。そして、2次転写ローラ55の体積抵抗率は、1×10〜1×10[Ω・cm]の範囲がよい。体積抵抗率が低すぎると、転写紙Pの抵抗が低い場合や、中間転写ローラ51との間に転写紙Pがない部分で、直接中間転写ローラ51に当接し、電位差を保つことができず、転写率が低下する場合がある。高すぎると高電圧が必要となり、異常放電を起こす等、転写率が低下する場合がある。
【0036】
中間転写ローラ51上に担持されたトナー像を転写紙Pに転写する2次転写工程では、2次転写ローラ55が搬送ベルト201を挟んで中間転写ローラ51に当接し、当接ニップを形成している。そして、図示しない給紙カセットから搬送ベルト201によって搬送された転写紙Pが、中間転写ローラ51と2次転写ローラ55との当接ニップに所定のタイミングで給送され、これに合わせて2次転写バイアスが図示しないバイアス電源から2次転写ローラ55に印加される。この2次転写バイアスにより、中間転写ローラ51から転写紙Pへトナー画像が転写される。
2次転写ローラ55に印加する2次転写電圧は、中間転写ローラ51に印加する電圧に対して、トナーと逆極性で、電位差が+200[V]〜+3000[V]となるように印加する。湿度などの環境や、転写紙P等の記録体の厚さや素材、含水量等の状態、トナーの電荷量、現像剤量、現像剤中のキャリア液量などのいろいろな条件によって適正値は変化する。各種記録体に対応できるように定電流制御するのもよい。定電流制御を行う際の電流の値は条件によって適正値は変わるが約100〜1000[uA]くらいで適正な転写が得られることが多い。本実施形態では、200〜300[uA]の定電流制御で作像した。転写紙Pへの画像転写終了後、中間転写ローラ51上の転写残トナーは、中間転写体クリーニングブレード等が当接されることによりクリーニングされる。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Bkの2次転写ニップを通過し、トナー画像の転写を受けた転写紙Pは、転写部200の1次定着部310へ導入されたのち、2次定着部320にて加熱加圧定着された後、機外へと排出される。
【0037】
次に、定着装置300について説明する。
図3は、定着装置300の概略構成図である。図3において、定着装置300は、転写紙Pを搬送方向上流側で挾持する1次定着手段としての1次定着部310を通過し、その挾持から開放されたところを再び挾持する2次定着手段としての2次定着部320とからなっている。1次定着部310は、1次定着ローラ311と1次加圧ローラ315とからなる1次定着部材によって構成され、2次定着部320は、2次定着ローラ321と2次加圧ローラ325とからなる2次定着部材によって構成され、1次定着ローラ311と1次加圧ローラ315とのニップ部、2次定着ローラ321と2次加圧ローラ325とのニップ部でそれぞれ転写紙Pを挾持搬送しながら画像を定着するようになっている。
【0038】
1次定着部310について説明する。1次定着ローラ311は、その基面を超仕上げした後さらに硬質クロムメッキを施したものである。1次加圧ローラ315の基体は、例えば炭素鋼の表面をバフ研磨仕上げにより円筒度、真円度共に十分な仕上げ加工を施した後、ショットブラストにより表面粗さをRa=0.2以下に加工されている。さらに表面硬化のために浸炭、窒化、熱処理硬化メッキ等を併用しても良い。1次定着ローラ311に対して1次加圧ローラ315を押圧し、その加圧力p1が約30[MPa]となるようにした。また、1次定着ローラ311の表面線速を500[mm/s]とし、1次定着ローラ311と1次加圧ローラ315にはどちらも加熱装置を設けず、両者の温度T1は室温付近のままにした。
【0039】
2次定着部320について説明する。
2次定着部320を構成する、2次定着ローラ321及び2次加圧ローラ325の形状は以下のとおりである。
2次定着ローラ(加熱ローラ):テフロン(登録商標)ローラ(φ70[mm])
2次加圧ローラ:シリコン+PFA(φ70[mm])
2次定着ローラ温度:120℃
ニップ幅:5[mm]
線速:500[mm/s]
加圧:〜0.2[MPa]
2次定着ローラ321内部には加熱手段としての630[w]のハロゲンランプ3つからなる定着ヒータ322を配設している。
【0040】
次に図3に示す定着装置300を用いた定着工程の定着性について説明する。
図4(a)〜(b)は、転写紙P上に画像が定着されていく様子を示した断面説明図であり、図5(a)〜(c)は図4の各断面説明図の状態のトナー層表面を拡大して撮影した画像である。さらに、図6(a)及び(c)は、図4(a)及び(c)の各断面説明図の状態となるトナー層及び転写紙Pの断面を拡大して撮影した画像である。
図4(a)は、フルカラー画像が2次転写された直後の転写紙及びトナー層の断面の概略図であり、図5(a)はそのときのトナー表面を拡大して撮影した画像であり、図6(a)は転写紙及びトナー層の断面を拡大して撮影したものである。2次転写された直後は、着色微粒子としてのトナーTがキャリアCを抱き込む状態となっており、トナー粒子同士、及びトナーと転写紙Pとの密着度がさほど高い状態ではない。そして、図5(a)に示すようにトナー層表面に粒状性を残している。
【0041】
ここで、トナーTがキャリアCを抱き込む状態について説明する。現像に用いる液体現像剤は、現像時には、キャリア液にトナーが分散していると言える状態と言えるが、このとき、トナーはキャリア液に一部膨潤しており、トナーはキャリアを抱き込む状態となっている。そして、現像・スイープ・転写・転写部でのスイープ・二次転写、と各プロセスを経るに従い、次第にトナーに付着しているキャリア液は絞られていく。しかし、トナーはキャリア液に一部膨潤しているため,転写紙上でもまだキャリア液が存在した状態となる。よって、転写紙上では、キャリア液にトナーが分散していると言うよりも、トナーがキャリアを抱き込み、トナーにキャリア液が膨潤している、または付着しているということができる。
そして、上述の転写紙上でトナーに膨潤している、または付着しているキャリア液が定着を阻害していると考えられる。そこで、定着装置300の一次定着部310では上述の複数プロセスでも除去しきれなかった、トナーに付着しつづけるキャリア液をトナーから押し出すものであり、そのため定着性の向上を図るものである。
【0042】
このような状態の転写紙Pが、先ず1次定着部310の1次定着ローラ311と1次加圧ローラ315との間に向けて搬送され、両ローラ間に約30MPaの圧力で挟まれる。
図4(b)は、1次定着部310を通過後、2次定着部320に狭持される前の転写紙及びトナー層の断面の概略図であり、図5(b)はそのときのトナー表面を拡大して撮影したものである。
図4(b)に示すように、1次定着部310での加圧作用によって、トナー同士の凝集度が高まり、画像となった現像剤中に存在していたキャリア液が、加圧の作用によって1次定着ローラや転写紙P側に押し出され、転写紙Pの繊維中にはキャリア液が浸透し、トナー粒間に介在しているキャリア液が限りなく減少する。転写紙Pの粗さによっては、トナーの一部が転写紙Pの繊維中に押し込まれる。そして、図5(b)に示すように現像剤層の表面は粒状性が少なくなり、より平滑になる。この状態になると、次の2次定着部320では特に大きな加圧力を加えなくとも供給される熱エネルギーのみによってトナー同士、或いはトナーと転写紙Pとが結合しやすくなる。
【0043】
この状態の転写紙Pを2次定着部320の2次定着ローラ321と2次加圧ローラ325との間に向けて搬送する。このようにして挟まれた転写紙P上のフルカラー画像中の各色トナーは、2次定着ローラ321によって加熱される。
図4(c)は、2次定着部320を通過後の転写紙及びトナー層の断面の概略図であり、図5(c)はそのときのトナー表面を拡大して撮影したものであり、図6(c)は転写紙及びトナー層の断面を拡大して撮影したものである。図4(c)に示すように、2次定着ローラ321によって加熱され、溶融したトナーTは転写紙Pに定着せしめられる。そして、図5(c)に示すように現像剤層の表面の粒状性はほとんどなくなり、図5(b)の状態よりもさらに平滑になる。また、撮影を行った実験では転写紙Pとしてコート紙を使用したが、写真では図5(b)では、トナーは転写紙上に乗っているだけ、図5(c)ではトナーが転写紙に浸透しているように見える。
【0044】
上述のように、図3に示した定着装置300では、1次定着部310によってトナー同士を圧縮しキャリア液を押し出しているため、2次定着部320では大きな力で加圧しなくても加熱によってトナーを溶融し、良好に定着させることができる。これにより、2次定着ローラ321に要求される機械的強度を十分低減させることができるので、2次定着ローラ321の体積を低減させることができ、定着装置のウォームアップ時間を短縮することができる。
さらに、2次定着ローラ321の温度も下げる事ができた。図7は2次定着ローラ321の温度と、スミア測定装置400による測定結果との関係を示すグラフである。スミア測定装置400を用いた定着性の検知方法の詳細は後述する。図7に示すように、スミア測定方法でスミア値が0.10以下となる定着性を得るためには、2次定着ローラ321のみによる定着では160℃以上の定着ローラの温度が必要だった。一方、加圧を行う1次定着ローラ311と2次定着ローラ321とによる定着では140℃に下げることができた。
なお、図3に示す定着装置300を用いた定着は、トナーやキャリアの材料の選択を含む現像剤の設計条件及び、転写紙P上に形成されるトナー画像の形成条件次第ではさらに低温での定着が可能と思われる。
【0045】
同じ定着条件で定着を行ったとしても、環境によってその定着性は変動することがある。例えば、気温が低い場合、通常と同じ定着ローラ温度でもトナー層への熱伝導が非効率になり、定着性が悪くなるなどである。また、用途によって、より高い定着性が必要な場合や、比較的低い定着性でも良い場合もある。
そこで、プリンタ100では定着性を検知し、その検知結果に基づいて定着装置300における定着条件を調整する。
【0046】
定着装置から排出された定着画像の定着性を評価するためのスミア測定装置400について説明する。
図8は、スミア測定装置400の概略説明図である。
スミア測定装置400は、白綿布からなるウェブ401をシート状としてウェブローラ403に巻きつけて、摩擦子402と転写紙Pとの間を通し、巻取りローラ404で巻き取るような構造である。ウェブ401は摩擦子402によって転写紙P上の画像に当接し、画像を擦る。画像を擦った後のウェブ401の画像濃度(スミア濃度)を画像濃度センサ405で測定する。
スミア測定装置400では、ウェブ401はJIS−L0803染色堅ろう度試験用添付白布白綿布を使用し、ウェブの速度vC=400[mm/s]とし、ウェブの幅は30[mm]とした。また、摩擦子402の転写紙Pへの当接圧=8.8Nとし、摩擦子の幅であるW1=15[mm]とした。なお、この時の転写紙Pの搬送速度vPは1次定着ローラ311の表面線速と同じ速度で、vP=500[mm/s]である。
【0047】
スミア測定方法による定着性の検知は、スミア濃度(Dcrk)から布濃度(Dcls)を差し引いた値を、定着終了後に不図示のセンサで検知した元の画像濃度(Dinit)で除した値Dsmrをスミア法における評価値(=スミア)とし、評価値を定着性の指標とする。上述の関係を式に示すと以下のようになる。
Dsmr=(Dcrk−Dcls)/Dinit
Dsmrの値は小さい程、定着性が良い状態であり、現状の目標値は0.1以下である。
スミア測定装置400によるスミアの測定は所望のプリントを行う前に、テスト画像を作像し、このテスト画像のスミアより定着性を検知し、所望の定着性が得られるように定着装置300の定着条件を調節する。なお、スミア測定はプリント時に、例えば1000枚毎、1万枚毎等、一定枚数毎に行ってフィードバックしても良い。
【0048】
[実施例1]
次に、検知した定着性に基づいて定着条件を調節する一つ目の実施例として、1次定着部310の圧力P1を変化させる実施例1について説明する。
図9は1次定着部の圧力P1を変化させたときの、圧力P1とスミアの値との関係を示すグラフであり、室温25℃、1次定着部310の定着ローラ温度が30℃、2次定着部320の定着ローラ温度が160℃の時の実験結果である。
図9より、圧力P1を高くするに連れ、スミア定着性は良くなることが分かる。これにより、スミア測定装置400のスミア濃度からスミアが悪い時、1次定着部310の圧力を高くすることで、定着性が向上するということができる。なお、あらかじめ、画像濃度と1次定着部310の圧力P1との換算テーブルを用意し、スミア濃度が高い場合は1次定着部310の圧を高くする等の調節を行う。
環境変動により定着性が変動した場合など、スミアを測定して1次定着部310の圧力P1を調整することで、従来の定着性の画像を得ることができる。また特に高い定着性を必要としない時等には、1次定着部310の圧力P1を下げて使用することにより、装置の負担をなるべく減らし、装置の高耐久化につながる。特に高い定着性を必要とする時には1次定着部の圧力P1を上げて、所望の高定着性を示す高画質な画像を得ることもできる。
【0049】
次に、1次定着部310での圧力P1の調節機構について説明する。
図10は、実施例1の1次定着ローラ311と1次加圧ローラ315との間を所望の圧力P1に調節する1次定着部圧力調整機構330の概略説明図である。図10(a)は1次定着部310の側面図であり、図10(b)は図10(a)中の矢印Aの転写紙搬送方向から見た端部説明図である。
図10(a)において、1次定着部圧力調整機構330は、引張バネ331の長さを調整して1次定着ローラ311に対する1次加圧ローラ315の付勢力を調整し、ニップ部の圧力P1を調節できるようになっている。引張バネ331はその一端が調整ネジ332先端部の溝に係合し、他端が加圧ローラユニット側板313に固設されたピン333に係合している。調整ネジ332は定着ローラユニット側板314に設けられた調整ネジ保持部材334と螺合しており、回動させることで調整ネジ332は図中上下方向に移動する。
【0050】
1次加圧ローラ315は加圧軸受ホルダ335を介して加圧ローラユニット側板313に回動可能に保持されており、また1次定着ローラ311は定着軸受ホルダ316を介して定着ローラユニット側板314に回動可能に保持されている。したがって、加圧ローラユニット側板313と定着ローラユニット側板314との距離が変化すると、1次加圧ローラ315と1次定着ローラ311との軸間距離も変化し圧力P1が変化する。
なお、図10(a)中において奥側の加圧ローラユニット側板と奥側の定着ローラユニット側板(いずれも図示せず)との間にも同様の構成の1次定着部圧力調整機構が設けられているものとする。
【0051】
図10(a)において、調整ネジ332を時計回り方向CWに回転させると図中上方に移動し、引張バネ331の長さが短くなって引張力が弱くなり、1次加圧ローラ315は1次定着ローラ311から離れる方向(図中上方)に移動する。この結果、1次加圧ローラ315と1次定着ローラ311との間の圧力P1が小さくなる。
一方、調整ネジ332を反時計回り方向CCWに回転させると図中下方に移動し、引張バネ331の長さが長くなって引張力が大きくなり、1次加圧ローラ315は1次定着ローラ311に近づく方向(図中下方)に移動する。この結果、1次加圧ローラ315と1次定着ローラ311との間の圧力P1が大きくなる。このとき、定着ローラユニット側板314に貼付されたスケール317の目盛を見ながら調整ネジ332の位置決めを行うと調整が行い易い。そして、1次定着部310の圧力P1を所定の大きさに設定したら、固定ナット336をスパナ等の工具で締め付けて調整ネジ332が緩まないようにしておく。
【0052】
加圧ローラユニット側板313にはスペーサ337がネジ止めされており、その先端部が定着ローラユニット側板314に突き当たることでストッパの役割を果たし、あらかじめ圧力P1の最大値を決めておくことができる。なお、互いに長さの異なるスペーサ337を複数用意しておき、定着性に応じて適宜交換し、その先端が定着ローラユニット側板314に突き当たるまで、調整ネジ332を回転させて引張バネ331を引っ張っておくことにより、定着性に応じた所定の圧力P1を容易に得ることもできる。
【0053】
上述のように、簡易な構成で1次定着部310を所望の圧力P1に容易に設定することができ、定着性を調整することができる。また、調整ネジ332を回動させて圧力P1の大きさを調整することで、定着性に応じた最適な圧力P1を設定でき、所望の定着性の画像を得ることができる。また、調整ネジ332の位置を調整することで、1次定着部310の軸方向両端部で加圧力に圧力差がある場合に、軸方向両端部の加圧力を微調整することができ、1次定着部310の軸方向全域にわたって一定の圧力を設定することができる。
【0054】
また、転写紙Pとしてエンボス紙等の加圧によって質感を損ねてしまうと判断されるような材質のものを用いるときにも、1次定着部310での圧力P1を低下させる。これによって、転写紙Pの質感を損ねることなく画像の定着を行うことができる。
但し、1次定着部310の圧力P1を低下させるために定着性が低下してしまう恐れもある。この低下した定着性を補うために、1次定着部310のプロセス線速を遅くしたり、2次定着部320の温度T2を若干高めに設定したりするなどの方法によって対応することが可能である。
【0055】
図10に示す1次定着部310ではスペーサ337を用いて加圧ローラユニット側板313と定着ローラユニット側板314とを所定間隔よりも狭くならないようにして1次定着圧力の最大値をあらかじめ設定しておくものであった。2つのローラの間隔を保つ構成として、1次加圧ローラ315にスペーサ用のローラ部材を設ける構成とすることもできる。
図11は、1次加圧ローラ315にスペーサ用のローラ部材を設ける構成の概略説明図である。図11(a)はスペーサ用のローラ部材を設けた1次加圧ローラ315を1次定着ローラ311に付勢した状態の説明図であり、図11(b)は、スペーサ用のローラ部材を設けた1次加圧ローラ315の概略断面図である。
【0056】
図11(b)において、1次加圧ローラ315は、金属製の芯金361と、外径寸法の等しい一対のスペーサ用ローラ362と、これらのスペーサ用ローラの外径よりも僅かに大きい外径のローラ部315rとから構成されている。一対のスペーサ用ローラ362とローラ部315rとの外径の差の半分が食込み量Dとなる。
この1次加圧ローラ315を1次定着ローラ311に対して付勢して当接すると、図11(a)に示すように、一対のスペーサ用ローラ362が1次定着ローラ311に突き当たり、所定の圧力を設定できる。ここで、付勢力の大きさは、スペーサ用ローラ362が1次定着ローラ311に突き当たって1次加圧ローラ315の移動が規制される以上の大きさに設定している。このように、一対のスペーサ用ローラ362が1次定着ローラ311に突き当たるように付勢しておけば、圧力が一定の大きさに保たれ、安定した圧力に設定することができる。
【0057】
1次定着部310において、転写紙P上の画像と接触する1次定着ローラ311には、トナーが付着することがある。このトナーの付着を防止するために、1次定着ローラ311と1次加圧ローラ315との間に、トナーが1次加圧ローラ315の奉公に移動する向きに、すなわち記録媒体である転写紙Pにトナーを押し付ける向きののバイアスを印加するようにしてもよい。
図12は、1次定着ローラ311と1次加圧ローラ315との間にバイアスを印加する1次定着部310の概略説明図である。プリンタ100ではトナーがキャリア中で保持する電荷極性は正の極性となっている。よって、1次定着部310の1次定着ローラ311芯金から1次加圧ローラ315の芯金361に向けて500[μA]のバイアス電流を流すための電荷形成手段として、1次定着バイアス電源363を設けた。
図12に示す1次定着部310では、1次定着ローラ311と1次加圧ローラ315間に流される電流によって、正電荷を保持するトナーを転写紙P側に押さえつけるような向きの静電気力が形成される。これにより、トナーの1次定着ローラ311への静電的な付着力を十分に低減し、同時に物理的な付着も低減する事ができる。さらに、トナーが転写紙Pの構造内の深層にまで押し込まれ、且つトナーと転写紙Pとの密着性及びトナー同士の凝集度を高める事もできると考えられる。トナー同士の凝集度を高めるにはより高電流を流すと効率がよい。実験では、1000[μA]程度で放電が始まり、放電する程度の電流を流すと、定着性がさらに向上した。
【0058】
加圧作用のみの1次定着部310では極微少量のトナーが1次定着ローラ311に付着してしまう恐れがあるのに対して、図12に示すように1次定着部310の二つのローラ間に電流を流すことにより1次定着ローラ311へのトナーの付着をほぼ皆無とする事ができる。
なお、トナー付着に備えて、1次定着ローラ311表面をクリーニングする1次定着ローラクリーニング手段を設け、トナーの付着を防止してもよい。
【0059】
転写紙P上に形成された現像剤層は、1次定着ローラ311に、静電的にのみでなく、物理的にも付着する。そこで、1次定着ローラ311の表面エネルギーは低い方が望ましい。
以下のローラで1次定着を試したところ、いずれもトナー付着量が許容レベルであった。以下の例に示すもの異常の表面エネルギーとなるものでは試していない。
1次定着ローラ311の材質と表面エネルギーとの関係を以下に示す。
PFAチューブを被覆したもの :0.023[N/m]
フッ素系コート :0.027[N/m]
ポリイミド :0.040[N/m]
鏡面加工金属ドラム :0.046[N/m]
これらの材質からなるローラを用いることによって、トナーの1次定着ローラ311への付着力を十分に低減する事ができた。
【0060】
また、転写紙Pに転写する前の現像剤層中のトナー固形分率を変えて転写し、スミアとの関係を調べたところ、現像剤層の固形分率が高まるとスミア値がよくなることがわかった。そこで、転写前の現像剤層中のトナー固形分率を変えたり、1次定着部を用いて圧力やローラ数を変えたりして、1次定着部通紙後の、転写紙P上での現像剤層固形分率を変え、スミアとの関係を測定した。この時の現像剤層固形分率とスミア値との関係を図13に示す。
図13より、現像剤固形分率が高くなるにつれて、スミア値が良くなることが分かる。なお、1次定着時には、転写紙P上で現像剤層からキャリア液が押し出され、転写紙Pに吸収されると考えられる。このことから、転写紙P上での現像剤固形分率は、測定値より高くなり、圧力による差も大きくなると考えられるが、現状では測定できていない。
圧力が高いほど、1次定着部310を通紙後の、転写紙P上での現像剤層固形分率は高まるので、1次定着部通紙後の、転写紙P上での現像剤層固形分率が40[%]以上、好ましくは45[%]以上となるように1次定着部310での圧力P1を調節する。
【0061】
1次定着部310で加圧することにより定着性が向上することの原因の一つとして、トナー層表面性がよくなることが観察により考えられた。そこで、現像剤層表面を摩擦したり、1次定着部310での圧力やローラ数を変えたりして、1次定着部310通紙後の、転写紙P上での現像剤層表面性を変え、スミア値との関係を測定した。この時の現像剤層の表面粗さRaとスミア値との関係を図14に示す。
図14より、現像剤層の表面粗さが細かいほどスミア値がよくなることが分かる。この結果から、環境や、転写紙P、現像剤の条件によって、違いは出るが、2次定着前の現像剤層表面性を表面粗さRa=0.3[μm]以下とすることは、満足な定着性を得るための条件の一つである。
【0062】
現像剤は、熱を加えることでトナーの状態が変わり、膨順しているキャリア液(正しくは、キャリア液がトナーを膨順させている)を吐き出しやすくなる。そこで、キャリア液を吐き出す働きを持つと考えら得る1次定着部310は加熱したいところだが、実験したところ、現像剤層の温度が、現像剤に使用した樹脂のガラス転移点以上となると、1次定着ローラ311へのトナー及び現像剤の付着が急に多くなった。ガラス転移点を越えると、現像剤中の樹脂が軟化を始め、キャリア液と混合し溶融すると考えられる。このため、1次定着ローラ311の温度は、転写紙P上の現像剤温度が現像剤に使用されている樹脂のガラス転移点以上にあがらないような温度に設定すると良い。
【0063】
[変形例1]
実施例1では、引張バネ331で1次加圧ローラ315を引っ張って1次定着ローラ311に付勢して圧力を設定する構成について説明が、1次加圧ローラ315と1次定着ローラ311との軸間距離を調整して圧力を調整する構成とすることもできる。
図15は1次定着ローラ311と1次加圧ローラ315との軸間距離を調節することにより、二つのローラの間を所望の圧力に調節する変形例1の1次定着部圧力調整機構330の概略説明図である。図15(a)は1次定着部310の側面図であり、図15(b)は図15(a)中の矢印Bの転写紙搬送方向から見た端部説明図である。
【0064】
図15(a)において、1次定着部圧力調整機構330は、タイロッド341を有している。このタイロッド341は、一方の端部(図中左側)に右ネジ341aの加工が施され、他方の端部(図中右側)に一般に逆ネジといわれる左ネジ341bの加工が施されている。タイロッド341の右ネジ341aはロッドエンド342と螺合し、左ネジ341bは左ネジ用ロッドエンド343と螺合している。
これら2つのロッドエンドは、例えばリンクボールの商品名で知られるTHK(株)製のロッドエンドなどを用いることができる。ロッドエンド342は加圧ローラユニット側板313にネジ止めされており、一方、左ネジ用ロッドエンド343は定着ローラユニット側板314にネジ止めされている。
なお、図15(a)中において奥側の加圧ローラユニット側板と奥側の定着ローラユニット側板(いずれも図示せず)との間にも同様の構成の1次定着部圧力調整機構が設けられているものとする。
【0065】
上述の1次定着部圧力調整機構330による圧力P1の調整は、タイロッド341を回動させることにより行う。タイロッド341のネジ加工が施されていない本体部分の断面は六角形をなしており、スパナ等の工具で容易に回動させることができるようになっている。タイロッド341を時計回り方向CWに回転させると、右ネジ341aがロッドエンド342により深く螺合し、また左ネジ341bも左ネジ用ロッドエンド343により深く螺合する。
この結果、ロッドエンド342と左ネジ用ロッドエンド343との距離が近づき、同時に1次加圧ローラ315と1次定着ローラ311との軸間距離が短くなり、圧力P1が大きくなる。
一方、タイロッド341を反時計回り方向CCWに回転させると、右ネジ341aとロッドエンド342との螺合が浅くなり、また左ネジ341bと左ネジ用ロッドエンド343との螺合も浅くなる。この結果、ロッドエンド342と左ネジ用ロッドエンド343との距離が離れ、同時に1次加圧ローラ315と1次定着ローラ311との軸間距離が長くなり、圧力P1が小さくなる。
上述のように、軸間距離の長さを設定したら、タイロッド341が回らないように、固定ナット344及び左ネジ用固定ナット345を締め付けておく。
このように、タイロッド341等で構成された1次定着部圧力調整機構330で圧力P1を調整しておくことで、安定した1次定着の圧力を設定することができる。また、実施例1のようにバネの長さを調節するものに比べて、構成が簡易であり、省スペース化を図ることができる。
【0066】
[変形例2]
次に、変形例1とは異なる構造で1次加圧ローラ315と1次定着ローラ311との軸間距離を調整する変形例2について説明する。図16は、変形例2の1次定着部圧力調整機構330の概略説明図である。
図16に示す1次定着部圧力調整機構330は、一端が1次定着部310の加圧ローラの回転軸に連結され、他端近傍が下方からは本体側に取り付けられたスプリング351に連結された加圧アーム350を備えている。加圧アーム350は、スプリング351によって付勢され長手方向中央部をアーム支点353として本体側に回転可能に支持されており、スプリング351で付勢されている側とは反対の上方からは偏心カム352が接触するようになっている。偏心カム352には図示を省略した回転駆動部材が設けられており、偏心カム352を回転することによって、加圧アーム350の傾きを変化させ、1次加圧ローラ315の1次定着ローラ311への当接圧力P1を変化可能にしている。
【0067】
上述の1次定着部圧力調整機構330による圧力P1の調整は、偏心カム352の回転駆動部材の回転角度を制御することにより行う。これは、画像濃度と1次定着部310の圧との換算テーブルのデータをあらかじめ備えた不図示の制御部に、スミア測定装置400による測定結果を入力し、換算テーブルのデータに基づいて偏心カム352の回転駆動部材の回転角度を制御するものである。
スミア測定装置400による測定でスミア値が所望の値よりも高い場合は、偏心カム352を図中時計回りに回転変位させて、加圧アーム350が偏心カム352に接触する位置が上方に移動する。偏心カム352との接触位置が上方に移動すると加圧アーム350の図中右端はスプリング351により押し上げられ、結果的に1次加圧ローラ315を押し下げる。このようにすることによって、1次加圧ローラ315の1次定着ローラ311への圧力P1が大きくなり、転写性の向上を図ることができる。
また、特に高い定着性を必要としない場合などには、偏心カム352を図中反時計回りに回転変位させることで、偏心カム352が加圧アーム350を押し下げる。これにより、加圧アーム350が1次加圧ローラ315を押し下げ、1次定着部310の圧力P1を下げて使用することができ、装置への負担を減らすことができる。
変形例2の1次定着部圧力調整機構330では偏心カム352の回転駆動部材の回転角度を制御することで、1次定着部310の圧力P1を調節することができるので、実施例1及び変形例1のように手動で調節する必要がなく、ユーザーによる圧力P1の調節作業が不要となる。
【0068】
さらに、1次定着ローラ311を回転駆動していないときは、上述の高い定着性を必要としない場合よりも偏心カム352を反時計回り方向にさらに回転変位させるように制御する。これにより、加圧アーム350の偏心カム352が接する側をさらに押し下げ、結果的に1次加圧ローラ315の回転軸を押し上げさせる。このようにすることによって、1次加圧ローラ315の1次定着ローラ311への加圧力を開放させる。これによって、1次定着ローラ311が回転していないときに1次定着ローラ311の決まった領域が長時間1次加圧ローラ315によって圧接されて局所的な永久変形が生じてしまうことを防止できる。
【0069】
なお、実施例1、変形例1に示した1次定着部圧力調整機構330においても駆動部と接続することで、手動ではなく制御手段による制御が可能となる。
実施例1の1次定着部圧力調整機構330では調整ネジ332の下端部を駆動部と連結させることにより、調整ネジ332の回転を制御することができ、1次定着部圧力調整機構330の圧力P1を調節することができる。
変形例1の1次定着部圧力調整機構330ではタイロッド341に周囲に駆動伝達ギアを設け、この駆動伝達ギアにかみ合うギアを駆動源と接続することで、タイロッド341の回転を制御することができ、1次定着部圧力調整機構330の圧力P1を調節することができる。
【0070】
[実施例2]
実施例1では、1次定着部310の圧力P1を調節することにより所望の定着性を得るものであったが、1次定着部310のニップ幅を変えてもスミア値は向上した。
以下、検知した定着性に基づいて定着条件を調節する2つ目の実施例として、1次定着部310のニップ幅を変化させる実施例2について説明する。
図17は、1次定着部のニップ幅を変化させたときのニップ幅とスミア値との関係を示すグラフであり、室温25℃、1次定着部310の定着ローラ温度が30[℃]、2次定着部320の定着ローラ温度が160[℃]の時の実験結果である。
図17より、ニップ幅を広くするに連れ、スミア定着性は良くなることが分かる。これにより、スミア測定装置400のスミア濃度からスミアが悪い時、1次定着部310のニップ幅を広くすることで、定着性が向上するということができる。なお、あらかじめ、スミア濃度と1次定着部310のニップ幅との換算テーブルを用意し、スミア濃度が高い場合は1次定着部310のニップ幅を広くする等の調節を行う。
なお、ニップ幅の調節方法としては、実施例1、変形例1及び変形例2と同様の調節機構を用いて調節することができる。また、定着部材が2つのローラからなる定着装置ではなく、ベルト上の定着部材を用いる定着装置であれば、ベルトを張架する支持部材の位置を調節することにより、ニップ幅を調節することができる。
【0071】
[実施例3]
1次定着部310で転写紙Pがニップ部を通過する回数を変化させてスミア値を測定したところ、ニップ部を通過する回数(以下、通紙回数と呼ぶ)を変化させてもスミア値は変化した。
以下、検知した定着性に基づいて定着条件を調節する3つ目の実施例として、転写紙Pが1次定着部310の通紙回数を変化させる実施例3について説明する。
図18は、1次定着部での転写紙Pの通紙回数を変化させたときの通紙回数とスミア値との関係を示すグラフである。なお、室温25[℃]、1次定着部310の1次定着ローラ311の温度が30[℃]、1次定着ローラ311での圧力P1が50[MPa]、2次定着部320の2次定着ローラ321の温度が160[℃]の時の実験結果である。
【0072】
図18より、通紙回数を増やすに連れ、スミア値が小さくなり定着性は良くなることが分かる。これにより、スミア測定装置400のスミア濃度からスミアが悪い時、1次定着部310の通紙回数を増やすことで、定着性が向上できることがわかる。なお、あらかじめ、スミア濃度と1次定着部310の通紙回数との換算テーブルを用意し、スミア濃度が高い場合は1次定着部310の通紙回数を増やすように調節を行う。
【0073】
次に、1次定着部310での通紙回数の調節する構成について説明する。
図19は、実施例3に係る定着装置300の概略構成図である。実施例3の定着装置300は、図19に示すように第1定着通紙経路C1と第2定着通紙経路C2がある。そして、1次定着部310は通常1次定着部310aと追加1次定着部310bとから構成され、追加1次定着部310bは第2定着通紙経路C2に設置されている。
この定着装置300を備えたプリンタ100では、スミア測定装置400で定着性を検知し、定着性に応じ、通紙経路を変えて、定着性を調整する。具体的には、通常の定着を行う際には、転写紙Pは第1定着通紙経路C1で通紙を行い、加圧する1次定着は通常1次定着部310aによってのみ行う。第1定着通紙経路C1を用いた定着で定着性の向上が必要な場合は、第2定着通紙経路C2で通紙を行い、加圧する1次定着は通常1次定着部310aと追加1次定着部310bとによって行う。
【0074】
[変形例3]
また、通紙経路を変更することで転写紙Pの通紙回数を調節する構成としては、一つの1次定着ローラ311に対して、複数の1次加圧ローラを当接する構成を採用しても良い。以下、図20を用いて変形例3について説明する。
図20に示すように、変形例3の定着装置300では一つの1次定着ローラ311に対して、通常1次加圧ローラ315aと追加1次加圧ローラ315bとが当接されている。
この定着装置300を備えたプリンタ100では、通常の定着を行う際には、転写紙Pは第1定着通紙経路C1で通紙を行い、加圧する1次定着は1次定着ローラ311と通常1次加圧ローラ315aとのニップによってのみ行う。第1定着通紙経路C1を用いた定着で定着性の向上が必要な場合は、第2定着通紙経路C2で通紙を行い、加圧する1次定着は、1次定着ローラ311と通常1次加圧ローラ315aとのニップ部と、追加1次加圧ローラ315bとのニップ部とによって行う。
【0075】
[変形例4]
実施例3では、転写紙Pの通紙経路を変更することで通紙回数を調節していたが、同じ通紙経路で定着部材が当接する箇所の数を変更する構成としても良い。
以下、変形例4として、定着装置300において通紙経路で定着部材が当接する箇所の数を変更することで通紙回数を調節する構成について説明する。図21は、変形例4に係る定着装置300の概略構成図である。
変形例4の定着装置300の1次定着部310は通常1次定着部310aと追加1次定着部310bとから構成され、追加1次定着部310bは通常の定着を行う場合には定着部材である2つのローラは離間した状態である。
この定着装置300を備えたプリンタ100では、スミア測定装置400で定着性を検知し、定着性に応じて、追加1次定着部310bの定着部材を接離させることにより定着性を調整する。具体的には、通常の定着を行う際には、追加1次定着部310bの定着部材である2つのローラは離間した状態であり、加圧する1次定着は通常1次定着部310aによってのみ行う。通常の定着で定着性の向上が必要な場合は、追加1次定着部310bの定着部材である2つのローラを所定の圧力で当接させ、加圧する1次定着は通常1次定着部310aと追加1次定着部310bとによって行う。
なお、追加1次定着部310bの定着部材である2つのローラを接離擦る接離機構としては、実施例1、変形例1及び変形例2に記載の接離機構と同様の機構を採用することができる。
【0076】
[実施例4]
1次定着部310で通紙速度を変化させてスミア値を測定したところ、通紙速度を変化させてもスミア値は変化した。
以下、検知した定着性に基づいて定着条件を調節する4つ目の実施例として、転写紙Pが1次定着部310を通過する通紙速度を変化させる実施例4について説明する。
図22は、1次定着部での転写紙Pの通紙速度を変化させたときの通紙速度とスミア値との関係を示すグラフである。なお、室温25[℃]、1次定着部310の1次定着ローラ311の温度が30[℃]、1次定着ローラ311での圧力P1が50[MPa]、2次定着部320の2次定着ローラ321の温度が160[℃]の時の実験結果である。
【0077】
図22より、1次定着部の速度を落とすことでスミア値が小さくなり、定着性が向上することが分かる。そこで、特に定着性の高い高品位な画像を得る時には、前もって1次定着部310の通紙速度とスミア等定着性との換算テーブルを作成しておき、1次定着部310の定着ローラ・加圧ローラの速度を落とし、所望の定着性となるような速度に変更する。連続プリントでなければ1次定着部310のみの速度変更機構とすればよいが、連続プリントの場合は、装置全体の通紙速度を変えられるように設計するとよい。
【0078】
[実施例5]
2次定着部320の定着温度を変化させてスミア値を測定したところ、2次定着部320の定着温度を変化させてもスミア値は変化した。
以下、検知した定着性に基づいて定着条件を調節する5つ目の実施例として、2次定着部320の定着温度を変化させる実施例5について説明する。
図7は、2次定着部320の定着温度を変化させたときの2次定着ローラ温度とスミアの値との関係を示すグラフである。なお、室温25[℃]、1次定着部310の1次定着ローラ311の温度が30[℃]、1次定着ローラ311での圧力P1が50[MPa]の時の実験結果である。
【0079】
図7より、2次定着部320の定着温度が高温になるにつれ、スミア値が小さくなり定着性は良くなることが分かる。これにより、スミア測定装置400のスミア濃度からスミアが悪い時、定着ヒータ322を制御して2次定着部320の定着温度を上げることで、定着性が向上できることがわかる。なお、あらかじめ、スミア濃度と2次定着部320の定着温度との換算テーブルを用意し、スミア濃度が高い場合は2次定着部320の定着温度を上昇させるように調節を行う。
なお、定着温度を調節することで定着性を高める場合、従来の一つのニップ部で加圧と加熱とを行う定着装置では場合、定着性を高くするにはウォームアップ時間が多くかかり、消費電力は高くなる。これは、加圧に耐え得る定着ローラとするためには、定着ローラの芯金の体積を大きくする必要があり、体積を大きくすることで定着ローラの熱容量が増加するためである。熱容量が大きいとウォームアップ時間が多くかかり、消費電力が高くなるだけでなく、定着温度を調節する際の反応性も悪くなる。
一方、定着装置300のように主に加圧を行う1次定着部310と、主に加熱を行う2次定着部320とのように、加圧を行うニップ部と加熱を行うニップ部とを分けることにより、加熱を行う定着ローラの熱容量を小さくすることができる。熱容量を小さくすることにより、ウォームアップ時間が短縮でき、消費電力が抑え、転写性に応じて定着温度を調節する際の反応性も良好になる。
【0080】
実施例1乃至5、及び変形例1乃至4では定着条件調節手段を一つずつ備えた構成について説明したが、定着条件調節手段としては一つだけ備えたものに限らず、上述の定着条件調節手段を複数個採用しても良い。
【0081】
上述の実施形態では、トナーとキャリアからなる液体現像剤を用いる液体現像剤を用いた画像形成装置について説明した。この実施形態のようにトナーの圧縮を主に行う1次定着手段と、トナーの軟化溶融を主に行う2次定着手段との2段階で定着を行う定着装置を有し、定着性検知手段の検知結果に基づいて、定着装置の定着条件を定着条件調節手段で調節する画像形成装置は、液体現像剤を用いた画像形成装置に限らず、粉体のトナーを用いる乾式の画像形成装置であっても良い。
【0082】
以上、本実施形態によれば、像形成物質であるトナーの圧縮を主に行う1次定着手段としての1次定着部310と、トナーの軟化溶融を主に行う2次定着手段としての2次定着部320との2段階で定着を行う定着装置300を用いることで、定着性を維持しつつ、ウォームアップ時間を短縮することができる。さらに、定着性検知手段であるスミア測定装置400の検知結果に基づいて、定着装置300の定着条件を定着条件調節手段で調節することにより、所望の定着性に調節することができる。
また、定着条件調節手段としての1次定着部圧力調整機構330によって、圧力を管理して調整することにより、ニップを測定したり、プリント速度を変えたりすることがない。環境変動により定着性が変動した場合など、スミアを測定して定着性を調整し、従来の定着性の画像を得ることができる。また特に高い定着性を必要としない時等には、1次定着部310の圧力を下げて使用することにより、装置の負担をなるべく減らし、装置の高耐久化につながる。特に高い定着性を必要とする時には1次定着部310の圧力を上げて、所望の高定着性を示す高画質な画像を得ることもできる。
また、定着条件調節手段として1次定着部310のニップを調整して、1次定着部310のニップ部の圧力を調整することによって、好みの定着性に調整することができる。ニップを管理して調整することにより、圧力調整用バネの変形などが起きた場合も、効果が劣ることがない。環境変動により定着性が変動した場合など、スミアを測定して定着性を調整し、従来の定着性の画像を得ることができる。また特に高い定着性を必要としない時等には、1次定着部310のニップ幅を狭くして使用することにより、装置の負担をなるべく減らし、装置の高耐久化につながる。特に高い定着性を必要とする時には1次定着部のニップ幅を広く設定し、所望の高定着性を示す高画質な画像を得ることもできる。
また、定着条件調節手段として1次定着部310の1次定着ローラ311及び1次加圧ローラ315との駆動源を制御し、1次定着部310の通紙速度を調整することによって、好みの定着性に調整することができる。速度を調整するため、あまり高圧にする必要がなく、装置の負担が大きくならない。環境変動により定着性が変動した場合など、スミアを測定して定着性を調整し、従来の定着性の画像を得ることができる。また特に高い定着性を必要としない時等には、1次定着部310での通紙速度を上げて使用することにより、生産性の向上につながる。特に高い定着性を必要とする時には1次定着部310の通紙速度を下げて使用することにより、所望の高定着性を示す高画質な画像を得ることができる。
また、定着条件調節手段として1次定着部310は通常1次定着部310aと追加1次定着部310bとを備え、転写紙Pを追加1次定着部310bに通すか通さないかによって、転写紙Pを通紙するニップ部の数を変えて、1次定着部310での通紙回数を調整し、好みの定着性に調整することができる。1次定着部310で通紙するニップ部の数によってトナー層を圧縮する程度を変えるため、あまり高圧にする必要がなく、装置の負担が大きくならない、プリント速度を変えなくて良い、等の利点がある。
また、定着条件調節手段として2次定着ローラ321の内部の加熱手段としての定着ヒータ322を制御して2次定着部320の定着温度T2を調整し、好みの定着性に調節することができる。2次定着部320の定着温度T2を調整するため、1次定着部310での圧力P1をあまり高圧にする必要がなく、装置の負担が大きくならない。さらに、環境変動により定着性が変動した場合など、スミアを測定して定着性を調整し、従来の定着性の画像を得ることができる。また特に高い定着性を必要としない時等には、2次定着部320での定着温度を下げて使用することにより、省エネルギーにつながる。特に高い定着性を必要とする時には2次定着部320の定着温度を上げて使用することにより、所望の高定着性を示す高画質な画像を得ることができる。
また、定着条件調節手段として、複数の手段を組み合わせて調整することによって、好みの定着性に調整することができる。1次定着部310でのトナー層を圧縮する程度及び2次定着部320でのトナーを溶融する程度を、複数の手段を組み合わせて調整するため、それぞれの手段の長所を組み合わせることができ、装置の負担が大きくならない。環境変動により定着性が変動した場合など、スミアを測定して定着性を調整し、従来の定着性の画像を得ることができる。例えば、特に高い定着性を必要としない時等には、1次定着部310の圧力P1を下げて、2次定着部320の定着温度T2を下げて使用することにより、装置の負担をなるべく減らし、装置の高耐久化につながる。特に高い定着性を必要とする時には1次定着部310の圧力を上げて、2次定着部320の定着温度T2を下げて使用することにより、所望の高定着性を示す高画質な画像を得ることもできる。
また、1次定着部310の1次定着ローラ311から1次加圧ローラ315に向けて電流を流すことによって、転写紙P上のトナーが転写し側に押し込まれ、定着性の向上を図ることができる。さらに、1次定着ローラ311へのトナーの付着をほぼ皆無とする事ができ、1次定着ローラ311表面をクリーニングする1次定着ローラクリーニング手段を省略することもできる。
また、1次定着部310を通過後、2次定着部320に到達する前の転写紙Pが担持する液体現像剤の固形分率を40%以上、好ましくは45%以上とすることによって、スミア特性の良い画像を得ることができ、長期にわたって保存性のよい、高画質な画像を得ることができる。
また、1次定着部310を通過後、2次定着部320に到達する前の転写紙Pが担持する液体現像剤層のトナー層の表面粗さがRa=0.5[μm]以下、望ましくは、Ra=0.3[μm]以下となるように、より小さいと、スミア特性の良い画像を得ることができ、長期にわたって保存性のよい、高画質な画像を得ることができる。
また、1次定着部310の画像面に接する面である1次定着ローラ311の表面エネルギーを0.05[N/m]以下とすることによって、トナーの1次定着ローラ311へ付着力を低減する事ができる。
また、1次定着部310での現像剤層の温度が現像剤に使用した樹脂のガラス転移点以下とすることで、現像剤中の樹脂が軟化しにくいため、トナー及び現像剤を1次定着ローラ311に付着しにくくすることができる。
また、アモルファスシリコン系感光体は、耐久性に優れるため、長期間、大量のプリントに使用しても、傷つき難く、不要な斑点やスジ等の異常画像のない高画質画像を、長期間に渡って得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本実施形態にかかる液体現像剤を用いたプリンタの概略構成図。
【図2】同プリンタの画像形成ユニットの概略構成図。
【図3】同プリンタの定着装置の概略構成図。
【図4】転写紙上の画像が定着される様子の断面説明図。(a)は、フルカラー画像が2次転写された直後の転写紙及びトナー層の断面の概略図、(b)は、1次定着部310を通過後、2次定着部320に狭持される前の転写紙及びトナー層の断面の概略図、(c)は、2次定着部320を通過後の転写紙及びトナー層の断面の概略図。
【図5】トナー層表面を拡大して撮影した画像。(a)は、図4(a)の状態のトナー表面を拡大して撮影した画像、(b)は、図4(b)の状態のトナー表面を拡大して撮影した画像、(c)は、図4(c)の状態のトナー表面を拡大して撮影した画像。
【図6】トナー層及び転写紙の断面を拡大して撮影した画像。(a)は図4(a)の状態のトナー層及び転写紙の断面を拡大して撮影した画像、(c)は図4(c)の状態のトナー層及び転写紙の断面を拡大して撮影した画像。
【図7】2次定着ローラの温度と、スミア測定装置よる測定結果との関係を示すグラフ。
【図8】スミア測定装置の概略説明図。
【図9】1次転写部の圧力とスミアの値との関係を示すグラフ。
【図10】実施例1に係る1次定着部圧力調整機構の概略説明図。(a)は、1次定着部の側面図、(b)は、(a)の図中矢印Aの転写紙搬送方向から見た端部説明図。
【図11】1次加圧ローラにスペーサ用のローラ部材を設ける構成の概略説明図。(a)は、スペーサ用のローラ部材を設けた1次加圧ローラを1次定着ローラに付勢した状態の説明図、(b)は、スペーサ用のローラ部材を設けた1次加圧ローラの概略断面図。
【図12】1次定着ローラと1次加圧ローラとの間にバイアスを印加する1次定着部の概略説明図。
【図13】現像剤層固形分率とスミア値との関係を示すグラフ。
【図14】現像剤層の表面粗さRaとスミア値との関係示すグラフ。
【図15】変形例1に係る1次定着部圧力調整機構の概略説明図。(a)は、1次定着部の側面図、(b)は、(a)の図中矢印B方向の転写紙搬送方向から見た端部説明図。
【図16】変形例2に係る1次定着部圧力調整機構の概略説明図。
【図17】ニップ幅とスミア値との関係を示すグラフ。
【図18】通紙回数とスミア値との関係を示すグラフ。
【図19】実施例3に係る定着装置の概略構成図。
【図20】変形例3にかかる定着装置の概略構成図。
【図21】変形例4に係る定着装置の概略構成図。
【図22】通紙速度とスミア値との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0084】
1 画像形成ユニット
10 感光体ドラム
20 帯電装置
30 感光体スイープ部
31a 第1スイープ装置
31b 第2スイープ装置
32a 第1スイープローラ
32b 第2スイープローラ
33a 第1スイープクリーニングブレード
33b 第2スイープクリーニングブレード
34a 第1キャリア回収装置
34b 第2キャリア回収装置
40 現像装置
41 現像剤収容タンク
42 現像ローラ
43 中間ローラ
44 アニロクスローラ
45 液体現像剤
46 攪拌スクリュー
48 現像クリーニングブレード
49 ドクターブレード
50 転写装置
51 中間転写ローラ
53 中間転写体スイープローラ
55 2次転写ローラ
60 ドラムクリーニング装置
61 スポンジローラ
62 クリーニングブレード
70 除電ランプ
100 プリンタ
200 転写部
201 搬送ベルト
300 定着装置
310 1次定着部
310a 通常1次定着部
310b 追加1次定着部
311 1次定着ローラ
313 加圧ローラユニット側板
314 定着ローラユニット側板
315 1次加圧ローラ
315a 通常1次加圧ローラ
315b 追加1次加圧ローラ
316 定着軸受ホルダ
317 スケール
320 2次定着部
321 2次定着ローラ
322 定着ヒータ
325 2次加圧ローラ
330 1次定着部圧力調整機構
331 引張バネ
332 調整ネジ
333 固設されたピン
334 調整ネジ保持部材
335 加圧軸受ホルダ
336 固定ナット
337 スペーサ
341 タイロッド
341a 右ネジ
341b 左ネジ
342 ロッドエンド
343 左ネジ用ロッドエンド
344 固定ナット
345 左ネジ用固定ナット
350 加圧アーム
351 スプリング
352 偏心カム
353 アーム支点
400 スミア測定装置
401 ウェブ
402 摩擦子
403 ウェブローラ
404 巻取りローラ
405 画像濃度センサ




 

 


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