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発明の名称 トナー製造装置、トナー及び現像剤、プロセスカートリッジ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3780(P2007−3780A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−183254(P2005−183254)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100105681
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 秀彦
発明者 築出 昇 / 大谷 伸二
要約 課題
重合開始剤を含有した分散乃至溶解液と、重合開始剤を含有していない分散乃至溶解液を別々の経路で搬送し、液滴を形成する直前に重合反応を行うことによって、搬送性がよい、高分子成分を持ったトナーの作成。

解決手段
それぞれ接触することなく供給される各成分液の混合物からなる被吐出液を格納するための混合槽と、該混合槽から供給される被吐出液を吐出するための吐出孔を有する吐出部材と、該吐出部材に振動を与える振動印加手段と、該被吐出液が吐出された後、該被吐出液を乾燥する空洞部を有する溶媒除去手段とを有するトナー製造装置。
特許請求の範囲
【請求項1】
それぞれ接触することなく供給される各成分液の混合物からなる被吐出液を格納するための混合槽と、該混合槽から供給される被吐出液を吐出するための吐出孔を有する吐出部材と、該吐出部材に振動を与える振動印加手段と、該被吐出液が吐出された後、該被吐出液を乾燥する空洞部を有する溶媒除去手段とを有するトナー製造装置であって、前記被吐出液は、乾燥により粉体に固化する材料をその中に含む分散液又は溶液であり、前記振動印加振動手段は、その振動により、前記吐出部材が、その吐出孔から前記被吐出液を前記溶媒除去手段に液滴状に吐出するか又は少なくとも吐出補助するものであり、該溶媒除去手段は、前記被吐出液の液滴を少なくとも部分的に乾燥することによって粉体トナーを生成するための空洞部を有するものであり、前記複数の貯液槽は、それぞれ異なる液輸送手段を介して前記混合槽と接続されていることを特徴とするトナー製造装置。
【請求項2】
前記各成分液を、それぞれ接触することなく別個に格納するための複数の貯液槽をさらに有し、前記各貯液槽は、それぞれの送液手段を介して前記混合槽と接続されていることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造装置。
【請求項3】
前記複数の貯液槽は、重合開始剤を含有した第1の成分液を格納する第1の貯液槽と、重合開始剤を含有していない第2の成分液を格納した第2の貯液槽を含むことを特徴とする請求項2に記載のトナー製造装置。
【請求項4】
前記重合開始剤または伸長剤を含有した第1の成分液が、エポキシ基、かつ/または、酸無水基を有する化合物を含有したものであることを特徴とする請求項3に記載のトナー製造装置。
【請求項5】
前記重合開始剤または伸長剤を含有した第1の成分液が、油溶性ラジカル重合開始剤を含有したものであることを特徴とする請求項3に記載のトナー製造装置。
【請求項6】
前記重合開始剤または伸長剤を含有していない第2の成分液は、活性水素化合物と反応可能な複素環を含有するプレポリマーを含有することを特徴とする請求項3に記載のトナー製造装置。
【請求項7】
前記振動印加手段は圧電体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー製造装置。
【請求項8】
前記吐出部材が、厚み5〜50μmの金属板で形成され、かつ、吐出孔の開口径が3〜35μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー製造装置。
【請求項9】
前記吐出孔から吐出される液滴に、誘導荷電により、正電荷又は負電荷を与える電荷付与手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー製造装置。
【請求項10】
前記電荷付与手段が、直流電圧が印加された一対の電極を有するものであり、前記誘導荷電が、前記吐出孔から吐出される液滴を、該一対の電極間を通過させることにより行われることを特徴とする請求項9に記載のトナー製造装置。
【請求項11】
液滴吐出方向と同方向に乾燥気体を流すことにより気流を発生させ、該気流により、液滴を溶媒除去設備内で搬送させると共に、該搬送中に前記液滴中の溶媒を除去させることにより、トナーを形成することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のトナー製造装置。
【請求項12】
前記乾燥気体が、空気又は窒素ガスであることを特徴とする請求項11に記載のトナー製造装置。
【請求項13】
前記溶媒除去設備が、液滴の電荷とは逆極性に帯電された静電カーテンで周囲が覆われた搬送路を有してなり、該搬送路内に液滴を通過させることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー製造装置。
【請求項14】
一つの前記圧電体により振動される吐出部材の吐出孔の個数が1乃至300であることを特徴とする請求項7乃至13のいずれかに記載のトナー製造装置。
【請求項15】
前記吐出孔を複数個有し、各吐出孔から吐出される液滴を、一の溶媒除去設備で乾燥させることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナー製造装置。
【請求項16】
前記周波数が、50kHz乃至50MHzであることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー製造装置。
【請求項17】
前記周波数が、100kHz乃至10MHzであることを特徴とする請求項16に記載のトナー製造装置。
【請求項18】
前記溶媒除去手段は、前記生成された液滴粒子及び/又は固体粒子を搬送するための搬送路、及び、前記生成された粉体トナーを捕集するためのトナー捕集部を有し、該液滴粒子及び/又は固体粒子を、該搬送路内に通過させることにより形成した粒子の電荷を、除電器により一時的に中和させた後、粉体トナーを該トナー捕集部に収容させることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載のトナー製造装置。
【請求項19】
前記除電器による除電が、軟X線照射により行われることを特徴とする請求項18に記載のトナー製造装置。
【請求項20】
前記除電器による除電が、プラズマ照射により行われることを特徴とする請求項18に記載のトナー製造装置。
【請求項21】
前記トナー捕集部が、開口径が漸次縮小するテーパー面を有してなり、該開口径が入口部より縮小した出口部から、粒子を、乾燥気体を用い、該乾燥気体の流れを形成し、該乾燥気体の流れにより、トナーをトナー貯蔵容器に移送させるものであることを特徴とする請求項18乃至20のいずれかに記載のトナー製造装置。
【請求項22】
前記乾燥気体の流れが渦流であることを特徴とする請求項21に記載のトナー製造装置。
【請求項23】
粉体トナーをトナー貯蔵容器に移送させるトナー移送手段、及びトナー貯蔵容器を有し、前記トナー捕集部、トナー移送手段、及びトナー貯蔵容器が、導電性の材料で形成され、かつ、これらがアース接続されたことを特徴とする請求項21又は22に記載のトナー製造装置。
【請求項24】
防曝仕様であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載のトナー製造装置。
【請求項25】
請求項1乃至24のいずれかに記載のトナー製造装置によって製造されたことを特徴とする粉体トナー。
【請求項26】
請求項25に記載されたトナーを格納したことを特徴とする収納体。
【請求項27】
吐出孔を有し液体と接触して配置している吐出部材に対して振動を与えた後、前記液体を液滴として吐出孔から吐出させ、前記液滴を乾燥させることによって粉体トナーを得るトナー製造方法において、前記液体は、異なる搬送経路から搬送された2種以上の液体を混合させたものであることを特徴とするトナー製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーの製造装置、トナー及び現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
微小紛体を利用した産業製品が従来から存在する。例を挙げると、化粧品、医薬品、電子写真、静電記録、静電印刷等の画像形成装置に用いるキャリア粒子やトナー粒子といった現像剤などがある。
化粧品についてはファウンデーションの微粒子化が進めることにより光がより拡散されるようになり、結果として肌の凸凹が目立ちにくくなるとされている。このため最近では数μmから数十nmの均一な粒子をファウンデーションとして用いる技術が開発されている。
医薬品については、肺や気管支に薬を到達させるのに数μmの粒子を作成する必要があり、狙いの径を粒子を精度良く作成することができれば、治療効果が高い医薬品の製造が可能となるとともに、製造コストの削減ひいては医薬品の低コスト化に寄与することができる。
液体から乾燥により粉粒体を生じる技術としては、例えば牛乳の噴霧乾燥による粉ミルクの製造、尿素水溶液の噴霧乾燥により固体尿素粒子を得るための造粒塔(プリリングタワー)等が知られているが、これらは、反応性のある複数の成分液を合わせて反応しつつ又は反応途中で噴霧乾燥するものではなく、かつ、乾燥媒体は、流下する液滴と向流方向に上昇させられる。
【0003】
電子写真、静電記録、静電印刷等において使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている静電潜像担持体等の像担持体に一旦付着し、次に転写工程において静電潜像担持体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像を現像するための現像剤として、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤、及びキャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。現像工程や転写工程を静電気力を用いて行なう場合には、狙いのトナー粒径に対して粒径分布幅が大きいと帯電量にばらつきが生じやすく、画像の均一性に問題が生じる。また粘着方式の転写工程を用いる場合や定着工程では、粒径分布幅が大きい場合にはトナー粒子と転写体、定着部材との接触にばらつきが生じ、やはり均一性に欠けた画像となる。またキャリア粒子の粒径分布幅が大きい場合には磁気ブラシ先端と感光体との間の電界均一性に欠け、やはり画像の均一性に課題が生じる。
その他の例を挙げると、列車のブレーキについて、車輪とレールの間に微粒子を噴霧することによって急ブレーキ時の制動性を向上する技術も既に実用化されている。
【0004】
このように微小紛体を使用した各種製品においては、用いる粒子の粒径やその分布をコントロールすることが製品の機能実現や安定性にとって重要となる。このため、従来より均一な径の粒子を作成するために様々な製造装置が用いられてきた。
例えば従来、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる乾式トナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂などのトナーバインダーを着色剤などと共に溶融混練し、微粉砕したもの、いわゆる粉砕型トナーが広く用いられている。
また最近では、懸濁重合法、乳化重合凝集法によるトナー製造法、いわゆる重合型トナーが検討されている。この他にも、ポリマー溶解懸濁法と呼ばれる体積収縮を伴う工法も検討されている(特許文献1参照)。この方法はトナー材料を低沸点有機溶媒などの揮発性溶剤に分散、溶解させ、これを分散剤の存在する水系媒体中で乳化、液滴化した後に揮発性溶剤を除去するものである。この方法は懸濁重合法、乳化重合凝集法と異なり、用いることのできる樹脂に汎用性が広く、特に透明性や定着後の画像部の平滑性が要求されるフルカラープロセスに有用なポリエステル樹脂を用いることができる点で優れている。
しかしながら、上記の粉砕型トナーにおいては、トナーの粒径を均一にコントロールすることが困難である。
また、上記の重合型トナーにおいても、トナーの粒径の均一性という点では完全ではなく、更なる改善が求められている。また水系媒体中で分散剤を使用することを前提としているために、トナーの帯電特性を損なう分散剤がトナー表面に残存して環境安定性が損なわれるなどの不具合が発生したり、これを除去するために非常に大量の洗浄水を必要とすることが知られており、必ずしも製法として満足のいくものではない。
【0005】
上述の各方式に代わるトナーの製造方法として、圧電パルスを利用して微小液滴を形成し、さらにこれを乾燥固化してトナー化する工法が提案されている(特許文献2参照)。更に、ノズル内の熱膨張を利用し、やはり微小液滴を形成し、さらにこれを乾燥固化してトナー化する工法が提案されている(特許文献3参照)。更には、音響レンズを利用し、同様の処理をする方法が提案されている(特許文献4参照)。
【0006】
しかしながらこれらの方法では、液滴同士の合一による粒度分布の広がりが発生する恐れがあり、(粒径の)単一分散性という点においても課題がある。この課題を解決するため、特許文献4ではその段落[0085]において、また特許文献3ではその段落[0083]において、隣接するヘッド部から吐出された液滴が合着するのを防止すべく各ヘッド部での吐出タイミングを異ならせることを開示している。しかし、この方法ではヘッドごとに振動源または加熱源を設ける必要が生じ、装置コストが高くなるという問題があると同時に、各ヘッドが均一に動作することを前提としているため、製造装置としての信頼性にも課題が発生する。またヘッドの一部が故障した場合には粒子の製造量に影響が出てしまうという問題もある。
【0007】
本発明者は、更に信頼性が高い粒子径コントロールを目的として、トナー用材料の溶解乃至分散液などの液体に吐出部材を接触させ、この吐出部材を振動させることによって該吐出部材に設けた吐出孔から液体を吐出させて液滴とし、該液滴を乾燥させるトナー製造装置を検討してきた。この方式と特許文献4に記載された方式との違いの1つは、特許文献4に記載された方式では吐出孔を有する吐出部材自体は振動せず、別の部材を振動させて液滴を吐出するのに対し、本方式では吐出孔を有する吐出部材自体を振動部材として振動させる点である。これにより振動源が単一化され、経済性、信頼性に優れたトナー製造装置が実現できる。
【0008】
また、2種以上の液体同士を混合させて搬送すると流動性が悪い液体に影響されて、液体の流動性が低下する場合がある。
特に重合反応や伸長反応によってトナーを製造する場合に、あらかじめ重合性単量体やプレポリマーが分散または溶解された溶液中に重合開始剤(伸長反応開始剤)を添加してしまうと、重合反応が進行してしまい、高分子成分ができてしまい、溶液の粘性が上がってしまうため、移送がしにくくなってしまうということが起こりうる。
【0009】
【特許文献1】特開平7−152202号公報
【特許文献2】特開2003−262976号公報
【特許文献3】特開2003−280236号公報
【特許文献4】特開2003−262977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、従来のトナー製造装置を更に改良することであり、液滴の合着を抑制することによる粒径の均一性確保や、粒径分布の緻密なコントロールを、簡単で信頼性の高い手法で実現し、さらに、重合開始剤を含有した分散乃至溶解液と、重合開始剤を含有していない分散乃至溶解液を別々の経路で搬送し、液滴を形成する直前に重合反応を行うことによって、搬送性がよい、高分子成分を持ったトナーを作成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、本発明の(1)〜(27)によって解決される。
(1)「それぞれ接触することなく供給される各成分液の混合物からなる被吐出液を格納するための混合槽と、該混合槽から供給される被吐出液を吐出するための吐出孔を有する吐出部材と、該吐出部材に振動を与える振動印加手段と、該被吐出液が吐出された後、該被吐出液を乾燥する空洞部を有する溶媒除去手段とを有するトナー製造装置であって、前記被吐出液は、乾燥により粉体に固化する材料をその中に含む分散液又は溶液であり、前記振動印加振動手段は、その振動により、前記吐出部材が、その吐出孔から前記被吐出液を前記溶媒除去手段に液滴状に吐出するか又は少なくとも吐出補助するものであり、該溶媒除去手段は、前記被吐出液の液滴を少なくとも部分的に乾燥することによって粉体トナーを生成するための空洞部を有するものであり、前記複数の貯液槽は、それぞれ異なる液輸送手段を介して前記混合槽と接続されていることを特徴とするトナー製造装置。」
(2)「前記各成分液を、それぞれ接触することなく別個に格納するための複数の貯液槽をさらに有し、前記各貯液槽は、それぞれの送液手段を介して前記混合槽と接続されていることを特徴とする前記第(1)項に記載のトナー製造装置。」
(3)「前記複数の貯液槽は、重合開始剤を含有した第1の成分液を格納する第1の貯液槽と、重合開始剤を含有していない第2の成分液を格納した第2の貯液槽を含むことを特徴とする前記第(2)項に記載のトナー製造装置。」
(4)「前記重合開始剤または伸長剤を含有した第1の成分液が、エポキシ基、かつ/または、酸無水基を有する化合物を含有したものであることを特徴とする前記第(3)項に記載のトナー製造装置。」
(5)「前記重合開始剤または伸長剤を含有した第1の成分液が、油溶性ラジカル重合開始剤を含有したものであることを特徴とする前記第(3)項に記載のトナー製造装置。」
(6)「前記重合開始剤または伸長剤を含有していない第2の成分液は、活性水素化合物と反応可能な複素環を含有するプレポリマーを含有することを特徴とする前記第(3)項に記載のトナー製造装置。」
(7)「前記振動印加手段は圧電体であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載のトナー製造装置。」
(8)「前記吐出部材が、厚み5〜50μmの金属板で形成され、かつ、吐出孔の開口径が3〜35μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載のトナー製造装置。」
(9)「前記吐出孔から吐出される液滴に、誘導荷電により、正電荷又は負電荷を与える電荷付与手段を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のトナー製造装置。」
(10)「前記電荷付与手段が、直流電圧が印加された一対の電極を有するものであり、前記誘導荷電が、前記吐出孔から吐出される液滴を、該一対の電極間を通過させることにより行われることを特徴とする前記第(9)項に記載のトナー製造装置。」
(11)「液滴吐出方向と同方向に乾燥気体を流すことにより気流を発生させ、該気流により、液滴を溶媒除去設備内で搬送させると共に、該搬送中に前記液滴中の溶媒を除去させることにより、トナーを形成することを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載のトナー製造装置。」
(12)「前記乾燥気体が、空気又は窒素ガスであることを特徴とする前記第(11)項に記載のトナー製造装置。」
(13)「前記溶媒除去設備が、液滴の電荷とは逆極性に帯電された静電カーテンで周囲が覆われた搬送路を有してなり、該搬送路内に液滴を通過させることを特徴とする前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載のトナー製造装置。」
(14)「一つの前記圧電体により振動される吐出部材の吐出孔の個数が1乃至300であることを特徴とする前記第(7)項乃至第(13)項のいずれかに記載のトナー製造装置。」
(15)「前記吐出孔を複数個有し、各吐出孔から吐出される液滴を、一の溶媒除去設備で乾燥させることを特徴とする前記第(1)項乃至第(14)項のいずれかに記載のトナー製造装置。」
(16)「前記周波数が、50kHz乃至50MHzであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(15)項のいずれかに記載のトナー製造装置。」
(17)「前記周波数が、100kHz乃至10MHzであることを特徴とする前記第(16)項に記載のトナー製造装置。」
(18)「前記溶媒除去手段は、前記生成された液滴粒子及び/又は固体粒子を搬送するための搬送路、及び、前記生成された粉体トナーを捕集するためのトナー捕集部を有し、該液滴粒子及び/又は固体粒子を、該搬送路内に通過させることにより形成した粒子の電荷を、除電器により一時的に中和させた後、粉体トナーを該トナー捕集部に収容させることを特徴とする前記第(1)項乃至第(17)項のいずれかに記載のトナー製造装置。」
(19)「前記除電器による除電が、軟X線照射により行われることを特徴とする前記第(18)項に記載のトナー製造装置。」
(20)「前記除電器による除電が、プラズマ照射により行われることを特徴とする前記第(18)項に記載のトナー製造装置。」
(21)「前記トナー捕集部が、開口径が漸次縮小するテーパー面を有してなり、該開口径が入口部より縮小した出口部から、粒子を、乾燥気体を用い、該乾燥気体の流れを形成し、該乾燥気体の流れにより、トナーをトナー貯蔵容器に移送させるものであることを特徴とする前記第(18)項乃至第(20)項のいずれかに記載のトナー製造装置。」
(22)「前記乾燥気体の流れが渦流であることを特徴とする前記第(21)項に記載のトナー製造装置。」
(23)「粉体トナーをトナー貯蔵容器に移送させるトナー移送手段、及びトナー貯蔵容器を有し、前記トナー捕集部、トナー移送手段、及びトナー貯蔵容器が、導電性の材料で形成され、かつ、これらがアース接続されたことを特徴とする前記第(21)項又は第(22)項に記載のトナー製造装置。」
(24)「防曝仕様であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(23)項のいずれかに記載のトナー製造装置。」
(25)「前記第(1)項乃至第(24)項のいずれかに記載のトナー製造装置によって製造されたことを特徴とする粉体トナー。」
(26)「前記第(25)項に記載されたトナーを格納したことを特徴とする収納体。」
(27)「吐出孔を有し液体と接触して配置している吐出部材に対して振動を与えた後、前記液体を液滴として吐出孔から吐出させ、前記液滴を乾燥させることによって粉体トナーを得るトナー製造方法において、前記液体は、異なる搬送経路から搬送された2種以上の液体を混合させたものであることを特徴とするトナー製造方法。」
【発明の効果】
【0012】
本発明により、液滴の合着を抑制することによる粒径の均一性確保や、粒径分布の緻密なコントロールを、簡単で信頼性の高い手法で実現し、さらに、重合開始剤を含有した分散液乃至溶液と、重合開始剤を含有していない分散液乃至溶液を用いる場合、これらを別々の経路で搬送し、液滴を形成する直前に重合反応を行うことによって、2種以上の液体同士を混合させて搬送すると流動性が悪い液体に影響されて液体の流動性が低下することを避け、所望の液滴を形成することが可能となり、搬送性がよい、高分子成分を持ったトナーを作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を電子写真用の乾式トナーに用いた例で説明を行なう。
(トナー製造方法)
〔製造装置〕
本発明の実施形態の1例としてのトナー製造装置は、重合開始剤あるいは伸長反応開始剤を含有した溶解液(溶液)乃至分散液と、重合開始剤あるいは伸長反応開始剤を含有していない溶液乃至分散液とを吐出する直前に混合し、トナー用材料の溶液乃至分散液として該混合液を吐出孔から吐出させて液滴を形成する液滴形成手段と、該液滴中に含まれる溶媒を除去することにより前記液滴を乾燥させ、トナー粒子を形成するために必要な各手段を有する。
したがって、混合液は、吐出口から吐出される前に、例えば混合液吐出部材の近隣に、充分な均一混合又は分散のため所望により設けられる液溜め手段としての混合槽(10)中で、又は特に該混合槽(10)が別個に設けられてないときには吐出部材自身の中で、従来と同様に重合反応が起こっている。
なお、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、実施形態として示される製造装置例以外の構成を採用することも可能である。
【0014】
具体的には、図1に示す例の製造装置においては、各成分液の混合物からなる混合液(被吐出液)を収納するための混合槽(10)と、混合槽(10)内に格納された混合液と非接触状態で、図示されてない振動印加手段により振動させられ、又は有利(液の均一混合・分散を維持又は促進するため)には接触しつつ振動させられる吐出部材(11)と、前記吐出部材(11)に設けられた液滴形成手段としての吐出孔(以下、説明を簡潔化するため便宜的に「ノズル」と記載)(1)と、電極(2)と、前記トナー粒子形成手段としての溶媒除去手段(3)を有し、溶媒除去手段(3)は、その空洞部(3a)に除電器(4)、空洞部(3a)の端部にトナー捕集部(5)を有する。振動印加手段は、その振動により、吐出部材(11)を振動させて、混合液を液滴状に吐出又は少なくとも吐出補助(例えば吐出させるための圧が印加されている場合)する。
また、混合槽(10)は、重合開始剤を含有した溶液または分散液(第1の成分液(13A))を格納した第1の貯液槽(13a)と、重合開始剤を含有していない溶液または分散液(第2の成分液(13B))を格納した第2の貯液槽(13b)からそれぞれ送液するための送液手段としての搬送チューブ(14),(15)で貯液槽(13a)(13b)と接続されている。この例の製造装置においては、搬送チューブ(14),(15)は、混合槽(10)に至るまで別個に分かれているが、例えば、重合等の反応速度が充分高くなく、かつ少なくとも一方の混合成分液が高粘度であるため、噴霧前の分散・混合に比較的長時間を要するときには、送液途中で混合が生じるように、搬送チューブ途中の適切な箇所で合管できるように調節されてもよい(本発明において、例えば、粘稠な一方の成分液の粘度を1/2に低下させるためには、他方の低粘度成分液の量を例えば7倍程度加えて希釈しなければならず、粘度を1/3に低下させるためには例えば50倍程度加えて希釈しなければならないことが知見されており、少なくとも一方の成分液が粘稠であるときには、反応性と均一混合性の双方のバランスが重要である)。
【0015】
図1に示したトナー製造装置の例では、第1の貯液槽(13a)の溶解または分散液と、第2の貯液槽(13b)の溶解または分散液を、混合槽(10)によって、混合し、ノズル(1)から液滴(6)として吐出させ、該液滴(6)を、電極(2)により帯電した後、溶媒除去手段(3)で溶媒を除去することによりトナー粒子(7)とし、該トナー粒子(7)を、除電器(4)による除電後、トナー捕集部(5)に捕集して、トナー貯蔵器に搬送するようになっている。貯液槽(13a),(13b)は、本発明において必ずしも不可欠でなく、例えば、それぞれの成分液(13A),(13B)を調合するための各調合手段から、直接、搬送チューブ(14),(15)を介して混合槽(10)に送液するようにしてもよい。
【0016】
以下、前記トナー製造装置について、各部材毎にさらに詳述する。
〔吐出部材のノズル(1)〕
前記ノズル(1)は、先にも述べたように、トナー用材料の溶解乃至分散液を、吐出させて液滴(6)とする部材である。
前記吐出部材(11)の材質及び形状としては特に制限はなく、適宜選択した形状とすることができるが、例えば吐出部材(11)が厚み5〜50μmの金属板で形成され、かつ、その開口径が3〜35μmであることが、ノズル(1)から溶液を噴射させるときにノズル(1)自体に振動を与えることによりせん断力が付与され、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から好ましい。なお前記開口径は、ここでは、開口面積と同じ面積の真円を想定した場合にその直径に相当する長さとする。
【0017】
〔振動印加手段〕
本発明における振動印加手段は、各成分液の混合・分散に寄与し、かつ、混合液の吐出または吐出補助を行なうことができるという2つの役割を同時に遂行できるもの(さらには、各成分液の混合・分散に寄与する結果として、成分液が反応性のものであるときは各成分液中の反応成分の迅速・均一反応にも寄与する)であるが、前記ノズル(1)に振動を与える振動印加手段としては、想定した振動を安定して与えることができるものが望ましく、本実施形態では圧電体の伸縮により振動させる形態を採用する。ただし本発明における振動印加手段は圧電体による振動に限定されるものではない。
圧電体は、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する機能を有する。具体的には、電圧を印加することにより伸縮し、この伸縮によりノズルを振動させることができる。
前記圧電体としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスが挙げられるが、一般に変位量が小さいため、積層して使用されることが多い。この他にも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子や、水晶、LiNbO、LiTaO、KNbO等の単結晶などが挙げられる。
【0018】
ノズル(1)に与える振動の周波数には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出手段がノズル(1)であるとき、振動印加手段の振動は50kHz乃至50MHzが好ましく、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から、100kHz乃至10MHzがより好ましい。また、回転偏心カム部材により混合槽(10)の外壁円周の例えば3ケ所(ノック位置は120°間隔)をノックすることにより液の振動を介して液中に浸漬されている吐出手段を震度させる場合等、電磁式振動印加手段を用いるときや併用するときには、0.5〜10kHzであってもよい。
本発明においては、前記ノズル(1)が複数個設けられており、各ノズルから吐出される液滴(6)を一の溶媒除去設備、図示の例では、溶媒除去設備(3)で乾燥させる。
【0019】
〔電極(2)〕
前記電極(2)は、ノズルから吐出される液滴(6)を帯電させて粒径の単分散粒子とするための部材である。
前記電極(2)は、ノズル(1)に対向して設置された一対の部材であり、その形状としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、例えば、リング状に形成するのが好ましい。
前記電極(2)による帯電方法としては、特に制限はないが、ノズルから吐出される液滴(6)に、常に一定の帯電量を与えることができることから、例えば、該液滴(6)に、誘導荷電により、正電荷又は負電荷を与えることが好ましい。より具体的には、該誘電荷電が、前記液滴を直流電圧が印加された一対の電極(2),(2)間に通過させることにより行われるのが好ましい。気流中の液滴が高荷電状態となることは、エレクトロスプレー法や静電噴霧による微粒子製造などでもすでに実証されている。この場合、揮発成分の蒸発による液滴の表面積縮小作用から、固体への帯電よりも高い帯電量を維持させることが原理的には可能であり、さらに高荷電な粉体トナーを得ることができる。
【0020】
〔混合槽(10)〕
本発明における混合槽(10)は、複数の成分液を混合して均一な被吐出液を調製し、この被吐出液を収納し、各成分液中の反応成分の反応を少なくとも部分的に進行させ、かつ、ノズル(1)からの安定な吐出のための液圧調整に寄与するという複数の機能を発揮する。この混合槽(10)は、(イ)ノズル(1)孔を有する吐出部材の上流側(換言すれば、ノズル(1)は混合槽(10)の下流側)に設けて混合液の振動を介してノズル(1)を振動させることができ、(ロ)また、混合液(被吐出液)の振動を介してノズル(1)に振動を伝播するため吐出部材を浸漬できるように中心部付近に置かれた吐出部材を囲繞して配置(図1に示される製造装置例ではこれが図示されている)することができ、(ハ)またはさらに、吐出部材と壁―壁接触する配置とすることにより、混合液の振動を介さず直接、振動伝播させるように配置することができる。
また、図1に示される製造装置例では、混合槽(10)に液の攪拌手段(分散手段)を設けてないが、前記(ハ)に示す構造のタイプの混合槽(10)の場合には、各成分液の均一・迅速な混合のため、例えば成分液中に反応性材料成分を含むときに例えば重合反応を速やかに齎らすため、分散手段(例えば回転式インペラ)を配置することができる。いずれにしても、反応成分の例えば部分重合反応程度や増粘程度、噴霧された液滴の乾燥速度即ち溶媒含有率は、つぎの噴霧乾燥工程の円滑化のため重要であるが、本発明においては、主に、混合槽(10)での滞留・分散の態様如何によりこれらを知り、かつ、調節することができる。主なる重合反応又は伸張反応は、混合液(被吐出液)の混合後に進行し、かつ、吐出前に終了していること(その後の粘度変化がほとんどないこと)が好ましい。その場合、当該混合槽(10)への溶媒添加による希釈は、次工程の噴霧及び乾燥の点からは、あまり好ましいものではないが、混合槽(10)へ添加することを妨げるものではない。
即ち、本発明における被吐出液としては、上記のように、溶液乃至分散液が挙げられる。溶液には、例えば重合開始剤または伸長剤を含有した第1の溶液と、第1の溶液と反応可能な複素環を含有するプレポリマーを含有する第2の溶液からなり、このいずれかの溶液の中には適宜、着色剤及びワックス成分が含有していても良い。また分散液としては、サスペンジョン及び好ましくはエマルションが挙げられる。エマルションとしては、親油性分散質の微粒子を親水性分散媒体中に分散しており該親油性分散質微粒子が液状のトナー樹脂前駆体又はこれを親油性有機溶媒中に溶解した液体微粒子分散質又はトナー樹脂自体を親油性有機溶媒中に溶解した液体微粒子分散質を、親水性分散媒液中に分散しているO/W型の分散液、又は逆相タイプ(W/O型)の分散液が挙げられ、したがって、このようなエマルションを、ノズル(1)から噴霧することにより生じる液滴は、親水性分散媒(親油性分散媒)相中に単数又は大抵の場合複数の親油性分散質微粒子(親水性分散質微粒子)を含み、1個の噴霧液滴中に含まれる複数の分散質微粒子は、乾燥の進行により合体されて固体粒子を生じることになるが、しかし、本発明によれば、乾燥中に他の噴霧液滴中の複数の分散質微粒子とはほとんど合体しないことが、生成粉体トナーの粒径等の結果から推測されている。
また、図1に示される製造装置例では、搬送チューブ(14),(15)は、混合槽(10)に結合しており、混合槽(10)内を満たす混合液は、搬送チューブ(14),(15)を介して印加される送液圧により、吐出部材の上部からノズル(1)に流入する。ノズル(1)上部から送液される各溶液はノズル先端の吐出部に到る経路でも重合等の反応を続けることができる。また、反応時間を考慮して、ノズル先端の吐出部に到るまでの各反応液の滞留時間を長くしたり、反応空間を延長するため、吐出部材のサイズを大きくし、混合槽(10)とノズル(1)を同一材料中に形成することにしてもよい。さらに、吐出部材のノズルに至るまでの間の空洞径が大きい場合、その空洞(またはその一部)を混合槽(10)としてもよい。
【0021】
〔溶媒除去設備(3)〕
本発明における前記溶媒除去設備(3)は、この例の製造装置の場合、縦型の円筒形ケーシングであるが、液滴の会合を生じず充分な乾燥期間又は充分な乾燥熱量を与える他の形のケーシングであってもよい。前記溶媒除去設備(3)としては、液滴(6)の溶媒を除去することができれば特に制限はないが、トナー粒子製造の場合には、液滴(6)吐出方向と同方向に乾燥気体を流すことにより気流を発生させ、該気流により、液滴(6)を溶媒除去設備(3)内で搬送させると共に、該搬送中に前記液滴(6)中の溶媒を除去させることにより、トナー粒子(7)を形成するのが好ましい(本発明は、無論、充分な乾燥/反応時間を与えるための通気速度の調節、或いは極端には「向流式通気」も、考慮外とする訳ではない)。なお、ここで、「乾燥気体」とは、大気圧下の露点温度が−10℃以下の状態の気体を意味する。この溶媒除去設備(3)において、液滴の乾燥は、少なくとも、トナーを、設備末端のトナー捕集部(5)から溶媒除去設備(3)外へ排出できる程度に流動性を有するものにすることが必要で、具体的には、指乾を実際に認識できる程度のサラサラ感を与えるものにまで溶媒除去することが必要である。樹脂材料中の溶媒を除去する場合、材料表面膜部分は、乾燥による固化が進む程、内部の溶媒放出を阻止する傾向が強くなるので、表面が乾燥固化しているように見えても、瞬時に、材料内部の溶剤まで完全に除去することは難かしいためであり、本発明において、単に「乾燥」と云わず、「少なくとも部分的に乾燥」としているのはこのような意味である。
前記乾燥気体としては、液滴(6)を乾燥可能な気体であれば特に制限はなく、例えば、空気、窒素ガス、などが好適に挙げられる。
後述する本発明の適用例の一部で記載するような、粒径が異なるトナーを同時に製造する場合には、粒径の相違による粒子間での飛翔経路のばらつきを抑制する観点から、上記気流が存在することが好ましい。
また、図示の例のように、前記溶媒除去設備(3)の内壁面には、液滴(6)が、前記溶媒除去設備(3)の壁面に付着することを防止する観点から、液滴(6)の電荷とは逆極性に帯電された静電カーテン(8)を設け、前記静電カーテンで周囲が覆われた搬送路を形成し、該搬送路内に液滴を通過させるのが好ましい。
【0022】
〔除電器(4)〕
前記除電器(4)は、液滴(6)を、搬送路内に通過させることにより形成した/又は形成されつつあるトナー粒子(7)の電荷を、一時的に中和させた後、該トナー粒子(7)をトナー捕集部(5)に収容させるための部材である。
前記除電器(4)による除電の方法としては、特に制限はなく、通常知られている方法を適宜選択して使用することができるが、効率的に除電が可能であることから、例えば、軟X線照射、プラズマ照射などにより行うのが好ましい。
【0023】
〔トナー捕集部(5)〕
前記トナー捕集部(5)は、トナーを効率的に捕集し、搬送する観点から、トナー製造装置の底部に設けられた部材である。
前記トナー捕集部(5)の構造としては、トナーを捕集できれば特に制限はなく、適宜選択することができるが、上述の観点から、図示の例のように、開口径が漸次縮小するテーパー面を有してなり、該開口径が入口部より縮小した出口部から、トナー粒子(7)を、乾燥気体を用い、該乾燥気体の流れを形成し、該乾燥気体の流れにより、トナー粒子をトナー貯蔵容器に移送させるのが好ましい。
前記移送方法および手段としては、図示の例のように、圧送チューブ(9)を介した乾燥気体により、トナー粒子(7)をトナー貯蔵容器に圧送してもよいし、トナー貯蔵容器側からトナー粒子(7)を吸い込んでもよい。
前記乾燥気体の流れとしては、特に制限はないが、遠心力を発生させて確実にトナー粒子(7)を移送できる観点から、渦流であることが好ましい。
さらに、該トナー粒子(7)の搬送をより効率的に行う観点から、トナー捕集部(5)、圧送チューブ(9)、及びトナー捕集容器が、導電性の材料で形成され、かつ、これらがアースに接続されているのがより好ましい。また、前記トナー製造装置は、防曝仕様であることが好ましい。
【0024】
〔液滴(6)〕
前記液滴(6)は、先に述べたように、特定の物質を含有するトナー用材料の溶解乃至分散液を、一定の周波数で振動させたノズル(1)から吐出させることにより発生させる。なお、前記トナー用材料については、後程の「トナー」の項の中で詳述する。
前記トナー用材料の溶解乃至分散液としては、トナー用材料を、溶解及び分散の少なくともいずれかを行ってさえいれば特に制限はなく、適宜選択して使用することができるが、高い帯電量を維持させる観点から、電解伝導率が1.0×10−7S/m以上であることが好ましい。
同様の観点から、前記溶解乃至分散液の、溶媒としての電解伝導率も、1.0×10S/m以上であるのが好ましい。
前記トナー用材料を、溶解乃至分散する方法としては、特に制限はなく、通常使用される方法を適宜選択することができる。具体的には、スチレンアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂、エポキシ系樹脂等のトナーバインダーを、着色剤等と共に溶融混練し、微粉砕しても良いし、この製造途中で得られた混練物を、樹脂成分が可溶な有機溶媒に一度溶解させ、これを微小液滴として処理しても良い。
【0025】
〔図1の例の製造装置の作用〕
以上の詳細に説明したトナー製造装置によれば、ノズルの(1)吐出孔から発生する液滴の粒子数を1秒当たり数万乃至数百万個と非常に多くすることもでき、生産性という観点から優れている。
また、本方式によれば粒子径を極めて精度良く制御することができる。粒子径のばらつきが少なければ粒子自体の流動性が高くなるため、製造装置等への付着抑制を目的として外添剤を加える場合においても、極めて少量でその効果を発揮することができる。外添剤剥離による信頼性低下や、剥離した微粒子の人体への安全性を考えると、外添剤を少なく制御することが可能となれば利点がある。
【0026】
ところで本発明者の検討によれば、本製造装置では最終的に得られるトナー粒子の粒径を、下記計算式(1)または(2)により精度良く決定することができる。式に現われるパラメータの値が同じであれば、使用する材料の分子構造などによる粒径の変化は殆どない。これまでの製造装置の中には使用する材料によって粒径が大きく変化するものもあったが、本製造装置では下記2つの式に現われるパラメータを適切に制御することによって、設定した通りの粒径を有するトナーを連続して得ることが可能になる。
〔計算式〕
Dp=(6×Q×C/π/f)の(1/3)乗・・・(1)
但し、Dp:固体粒子径、Q:液流量(ポンプ流速とノズル径で決まる)、f:振動周波数、C:固形分の体積濃度、π:円周率である。
粒子径は上記計算式(1)で計算することが可能であるが、下記計算式(2)によっても求めることができる。
〔計算式〕
固形分体積濃度(体積%)=(トナー粒子径/液滴径)の3乗・・・(2)
すなわち、本発明により得られる粉体トナーの直径は、液滴径と固形分濃度を調整することによっても制御することが可能である。
本発明はこれらの性質を利用し、所定の粒径分布を有するトナーを簡易に製造するものである。
【0027】
〔トナー〕
本発明のトナーは、先に述べた、本発明のトナー製造方法により製造されたトナーである。
該トナーは、前記トナー製造方法により、粒度分布が単分散なものが得られる。
具体的には、前記トナーの粒度分布(重量平均粒径/数平均粒径)としては、1.00〜1.05の範囲にあるのが好ましい。また、重量平均粒径としては、1〜20μmであるのが好ましい。
前記トナー製造方法により得たトナーは、静電反発効果により、容易に気流に再分散、すなわち浮遊させることができる。このため、従来の電子写真方式で利用されるような搬送手段を用いなくても、現像領域まで容易にトナーを搬送することができる。すなわち、微弱な気流でも充分な搬送性があり、簡単なエアーポンプでトナーを現像域まで搬送し、そのまま現像することができる。現像は、いわゆるパワークラウド現像となり、気流による像形成の乱れがないことから、極めて良好な静電潜像の現像が行える。また、本発明のトナーは、従来の現像方式であっても問題なく応用することができる。このとき、キャリアや現像スリーブ等の部材は、単にトナー搬送手段として使用することになり、従来、機能分担していた摩擦帯電機構を考慮する必要が全くない。したがって、材料の自由度が大きく増すことから、耐久性を大きく向上させたり、安価な材料を使用することもでき、コストの低減を図ることもできる。
【0028】
本発明で使用されるトナー材料は、従来の重合トナーの製造の際、使用されるトナー材料が使用される。ただし、混合槽(10)で混合する前に重合反応及び伸長反応がおきないように、第1の貯液槽(13a)中の重合開始剤または伸長剤を含有した分散乃至溶解した第1の成分液(13A)と、第2の貯液槽(13b)中の開始剤または伸長剤を含有していない第1の成分液(13B)を別々に調整し、後者に重合性単量体や、プレポリマーを含有させる必要がある。
【0029】
〔トナー用材料〕
前記トナー用材料としては、少なくとも樹脂と着色剤とを含有し、必要に応じて、キャリア、ワックス等のその他の成分を含有する。
以下、それぞれの重合法に沿って説明する。
【0030】
(懸濁重合)
懸濁重合法においては、前記第1の成分液(13A)の重合開始剤は油溶性の重合開始剤である。
(油溶性重合開始剤)
油溶性重合開始剤の具体例について例示すると、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジ−クロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド系;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジ−カーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジ−カーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシジ−カーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジ−カーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジ−カーボネート、ジ−メトキシブチルパーオキシジ−カーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジ−カーボネート等のパーオキシジ−カーボネート類;(α,α−ビス−ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類;などが挙げられる。
また、油溶性重合開始剤としては、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物類が挙げられる。
【0031】
一方、分散安定剤を含む水系分散媒体中に、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を加えて、懸濁させる。これを前記第2の成分液(13B)とする。
本発明で使用する重合性単量体組成物は、着色剤、重合性単量体、及び離型剤を必須成分として含有するものである。重合性単量体としては、通常、ビニル系単量体が使用される。重合性成分としては、この他に、架橋性モノマーやマクロモノマーを含有させることが好ましい。着色剤と離型剤以外に、必要に応じて、例えば、帯電制御剤、滑剤、分散助剤等の添加剤、分子量調整剤などを加えることができる。
【0032】
(重合性単量体)
本発明では、重合性単量体として、通常、ビニル系単量体を使用する。ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル酸またはメタクリル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物;等のモノビニル系単量体を挙げることができる。
【0033】
これらのビニル系単量体は、単独で用いてもよいし、複数の単量体を組み合わせて用いてもよい。これらビニル系単量体のうち、スチレン系単量体、及びアクリル酸またはメタクリル酸の誘導体が、好適に用いられる。特に、スチレンとアクリル酸ブチル(すなわち、n−ブチルアクリレート)、スチレンとアクリル酸2−エチルヘキシル(すなわち、2−エチルヘキシルアクリレート)など、スチレンとアクリル酸エステルとの組み合わせが、重合体粒子のガラス転移温度を所望の範囲に調製しやすく、かつ、良好な特性を有する重合トナーが得られやすいので、好ましい。なお、シェル用重合性単量体としては、コア粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度の重合体を形成し得るものを使用する。
【0034】
(架橋性単量体)
ビニル系単量体と共に、架橋性単量体を用いると、耐ブロッキング性やオフセット防止などに効果的である。架橋性単量体としては、通常、2以上の重合可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物が用いられる。架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;などを挙げることができる。これらの架橋性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。架橋性単量体は、ビニル系単量体100重量部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いられる。架橋性単量体の使用量が多すぎると、重合トナーのトルエン不溶解分が多くなりすぎて、定着性が低下する傾向を示す。
【0035】
(マクロモノマー)
本発明においては、マクロモノマーを重合性単量体(ビニル系単量体)と共重合させることが、重合トナーの保存性と低温定着性とのバランスを向上させるために好ましい。マクロモノマーを共重合させるには、マクロモノマーを、着色剤や重合性単量体、離型剤などと共に、重合性単量体組成物中に含ませる。マクロモノマー(マクロマーともいう)は、分子鎖の末端に重合可能な官能基(例えば、炭素−炭素二重結合のような不飽和基)を有する比較的長い線状分子である。マクロモノマーとしては、分子鎖の末端にビニル重合性官能基を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000のオリゴマーまたはポリマーが好ましい。数平均分子量が小さすぎるマクロモノマーを用いると、重合体粒子の表面部分が柔らかくなり、保存性が低下する傾向を示す。数平均分子量が大きすぎるマクロモノマーを用いると、マクロモノマーの溶融性が低下し、低温定着性が低下するようになる。マクロモノマー分子鎖の末端に有するビニル重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基などを挙げることができ、共重合のしやすさの観点からメタクリロイル基が好適である。
【0036】
本発明に用いるマクロモノマーは、重合性単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度(Tg)を有するものが好適である。重合性単量体を重合して得られる重合体と、マクロモノマーとの間のTgの高低は、相対的なものである。例えば、重合性単量体がTg=70℃の重合体を形成するものである場合には、マクロモノマーは、Tgが70℃を越えるものであればよい。重合性単量体がTg=50℃の重合体を形成するものである場合には、マクロモノマーは、例えば、Tg=60℃のものであってもよい。本発明で使用するマクロモノマーのTgは、80℃以上であることが特に好ましい。マクロモノマーのTgは、通常の示差走査熱量計(DSC)等の測定機器で測定される値である。
【0037】
マクロモノマーの具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を単独で、または2種以上を重合して得られる重合体;ポリシロキサン骨格を有するマクロモノマー;特開平3−203746号公報の第4頁〜第7頁に開示されているものなどを挙げることができる。これらのマクロモノマーのうち、親水性のもの、特にメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルを単独で、またはこれらを組み合わせて重合して得られる重合体が、本発明に好適である。マクロモノマーを使用する場合、その使用量は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.02〜5重量部、より好ましくは0.03〜1重量部である。マクロモノマーの使用量が少なすぎると、保存性の改善効果が小さく。マクロモノマーの使用量が多すぎると、低温定着性が低下するようになる。
【0038】
(分子量調整剤)
本発明においては、必要に応じて、分子量調整剤を使用することができる。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタンなどのメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類;などを挙げることができる。分子量調整剤は、通常、重合開始前に重合性単量体組成物中に含ませて使用するが、場合によっては、重合途中に反応系に添加することができる。分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
【0039】
重合性単量体組成物は、各成分をビーズミル等の混合分散機で混合して調製する。分散安定剤を含有する水系分散媒体を予め調製しておき、その中に、重合性単量体組成物を投入して、攪拌し、液滴を形成する。この段階では、液滴の粒径が安定して均一な大きさになるまで攪拌することが好ましい。そこに、油溶性重合開始剤を添加し、さらに液滴を微細化して、重合後に、所望の粒径の重合トナーが得られるように微小な液滴を造粒する。この造粒工程で、油溶性重合開始剤は、重合性単量体組成物の液滴中に吸収される。重合性単量体組成物の液滴を微細化するには、通常、高剪断力を有する混合装置を用いて分散させる。好ましい造粒方法としては、例えば、高速回転する回転子と、それを取り囲み、かつ、小孔または櫛歯を有する固定子との間隙に、懸濁液を流通させて造粒する方法がある。
【0040】
<活性水素基含有化合物とそれと反応可能な重合体との反応>
(トナー)
本発明のトナーの一例としては、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を反応させて水系媒体中で接着性基材を生成しつつ粒子状に得られ、顔料等の色材を含み、更に必要に応じて、離型剤、樹脂微粒子、非反応性ポリエステル樹脂、帯電制御剤等のその他の成分を含むものであり、活性水素基含有化合物を含有した溶解または分散液と、活性水素基含有化合物を含有していない活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の溶解または分散液を別々に調整し、液槽(10)において伸長反応が開始し高分子成分を持った樹脂を含有したトナーを最終的に製造するものである。
【0041】
〔活性水素基含有化合物と反応可能な重合体〕
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、などが挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
【0042】
イソシアネート基を含有するポリエステル系プレポリマーは、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(PIC)と反応させることによって得ることができる。この場合、ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
前記ポリオール(PO)としては、ジオール(DIO)及び3価以上のポリオール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、又は(DIO)と少量の(TO)の混合物が好ましい。ジオール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)及び3価以上のポリカルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、及び(DIC)と少量の(TC)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(DIO)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(PO)と反応させてもよい。
ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げられる。
イソシアネート基を有するポリエステル系プレポリマーを得る場合、ポリイソシアネート(PIC)と活性水素を有するポリエステル系樹脂(PE)との比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]との当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。0.5質量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40質量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステル系プレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、得られるウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0043】
〔活性水素基含有化合物〕
前記活性水素基含有化合物は、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、該イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、前記アミン類(B)が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基、が特に好ましい。
【0044】
前記アミン(B)としては、ポリアミン及び/又は活性水素含有基を有するモノアミンが用いられる。この場合の活性水素含有基には、水酸基やメルカプト基が包含される。このようなアミンには、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)及び(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
【0045】
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノー3,3’ジメチルジシコロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)が挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミノ類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン(B)のうち好ましいものは、(B1)及び(B1)と少量の(B2)の混合物である。
【0046】
さらに、プレポリマー(A)とアミン(B)とを反応させる場合、必要により伸長停止剤を用いてポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、活性水素含有基を有しないモノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。その添加量は、生成するウレア変性ポリエステルに所望する分子量との関係で適宜選定される。
【0047】
アミン(B)とイソシアネート基を有するプレポリマー(A)との比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン(B)中のアミノ基[NHx](xは1〜2の数を示す)の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1/1.5〜1.5/1、さらに好ましくは1/1.2〜1.2/1である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0048】
本発明においては、水系媒体中でイソシアネート基含有プレポリマー(A)とアミン(B)とを反応させる際に、該水系媒体中には、必要に応じ、アミンと非反応性のポリエステル系樹脂(D)を存在させることができる。
【0049】
このポリエステル系樹脂(D)において、そのTgは35〜65℃、好ましくは45〜60℃であり、そのMnは2000〜10000、好ましくは2500〜8000である。このポリエステル系樹脂(D)としては、ウレア変性ポリエステル(UMPE)を用いることができるが、このポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0050】
ウレア変性ポリエステル(UMPE)は、ワンショット法などの公知の方法により製造される。ウレア変性ポリエステル(UMPE)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜50万、さらに好ましくは3万〜10万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。
【0051】
本発明においては、必要に応じて用いる前記ウレア結合で変性されたポリエステル系樹脂(UMPE)は単独使用だけでなく、このものと共に、変性されていないポリエステル系樹脂(PE)を結着樹脂成分として含有させることもできる。(PE)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、(UMPE)の単独使用の場合よりも好ましい。(PE)としては、前記(UMPE)のポリエステル成分と同様なポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいPEの分子量は(UMPE)の場合と同様である。また、(PE)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(UMPE)と(PE)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(UMPE)のポリエステル成分と(PE)は類似の組成が好ましい。(PE)を含有させる場合の(UMPE)と(PE)の質量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(UMPE)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0052】
(PE)の水酸基価は5以上であることが好ましい。(PE)の酸価(mgKOH/g)は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには紙への定着時紙とトナーの親和性がよく、低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性特に環境変動に対し悪化傾向がある。プレポリマー(A)とアミン(B)との重付加反応においては酸価がふれると造粒工程でのぶれにつながり乳化における制御がむずかしくなる。
【0053】
本発明において、結着樹脂のガラス転移点(Tg)は通常40〜60℃、好ましくは45〜60℃である。40℃未満では耐熱性が悪化し60℃を超えると低温定着性が不十分となる。
本発明で使用できる磁性体としては、例えば、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄、(2)鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金、(3)及びこれらの混合物、などが用いられる。
磁性体として具体的に例示すると、Fe、γ−Fe、ZnFe、YFe12、CdFe、GdFe12、CuFe、PbFe12O、NiFe、NdFeO、BaFe1219、MgFe、MnFe、LaFeO、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも特に、四三酸化鉄、γ−三二酸化鉄の微粉末が好適に挙げられる。
また、異種元素を含有するマグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄、又はその混合物も使用できる。異種元素を例示すると、例えば、リチウム、ベリリウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、ゲルマニウム、ジルコニウム、錫、イオウ、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウムなどが挙げられる。好ましい異種元素としては、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、又はジルコニウムから選択される。異種元素は、酸化鉄結晶格子の中に取り込まれていてもよいし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれていてもよいし、又は表面に酸化物あるいは水酸化物として存在していてもよいが、酸化物として含有されているのが好ましい。
前記異種元素は、磁性体生成時にそれぞれの異種元素の塩を混在させ、pH調整により、粒子中に取り込むことができる。また、磁性体粒子生成後にpH調整、あるいは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより、粒子表面に析出することができる。
前記磁性体の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、磁性体10〜200質量部が好ましく、20〜150質量部がより好ましい。これらの磁性体の個数平均粒径としては、0.1〜2μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。前記個数平均径は、透過電子顕微鏡により拡大撮影した写真をデジタイザー等で測定することにより求めることができる。
また、磁性体の磁気特性としては、10Kエルステッド印加での磁気特性がそれぞれ、抗磁力20〜150エルステッド、飽和磁化50〜200emu/g、残留磁化2〜20emu/gのものが好ましい。
前記磁性体は、着色剤としても使用することができる。
【0054】
〔着色剤〕
前記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、トナーに対して1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
【0055】
本発明で用いる着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先に挙げた変性、未変性ポリエステル樹脂の他に、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0056】
前記マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の、水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため、乾燥する必要がなく、好適に使用される。混合混練するには、3本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に使用される。
前記マスターバッチの使用量としては、結着樹脂100量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。
また、前記マスターバッチ用の樹脂は、酸価が30mgKOH/g以下、アミン価が1〜100で、着色剤を分散させて使用することが好ましく、酸価が20mgKOH/g以下、アミン価が10〜50で、着色剤を分散させて使用することがより好ましい。酸価が30mgKOH/gを超えると、高湿下での帯電性が低下し、顔料分散性も不十分となることがある。また、アミン価が1未満であるとき、及びアミン価が100を超えるときにも、顔料分散性が不十分となることがある。なお、酸価はJIS K0070に記載の方法により測定することができ、アミン価はJIS K7237に記載の方法により測定することができる。
また、分散剤は、顔料分散性の点で、結着樹脂との相溶性が高いことが好ましく、具体的な市販品としては、「アジスパーPB821」、「アジスパーPB822」(味の素ファインテクノ社製)、「Disperbyk−2001」(ビックケミー社製)、「EFKA−4010」(EFKA社製)、などが挙げられる。
前記分散剤は、トナー中に、着色剤に対して0.1〜10質量%の割合で配合することが好ましい。配合割合が0.1質量%未満であると、顔料分散性が不十分となることがあり、10質量%より多いと、高湿下での帯電性が低下することがある。
前記分散剤の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにおけるスチレン換算重量での、メインピークの極大値の分子量で500〜100000が好ましく、顔料分散性の観点から、3000〜100000がより好ましい。特に、5000〜50000が好ましく、5000〜30000が最も好ましい。分子量が500未満であると、極性が高くなり、着色剤の分散性が低下することがあり、分子量が100000を超えると、溶剤との親和性が高くなり、着色剤の分散性が低下することがある。
前記分散剤の添加量は、着色剤100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。1質量部未満であると分散能が低くなることがあり、50質量部を超えると帯電性が低下することがある。
【0057】
〔その他の成分〕
<キャリア>
本発明のトナーは、キャリアと混合して2成分現像剤として使用してもよい。前記キャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイト等のキャリアも樹脂コートキャリアも使用することができる。
前記樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子とキャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆材からなる。
該被覆材に使用する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル系樹脂、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が好適に挙げられる。この他にも、アイオモノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等のキャリアの被覆(コート)材として使用できる樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型のキャリアコアも用いることができる。
樹脂コートキャリアにおいて、キャリアコアの表面を少なくとも樹脂被覆剤で被覆する方法としては、樹脂を溶剤中に溶解若しくは懸濁せしめて塗布したキャリアコアに付着せしめる方法、あるいは単に粉体状態で混合する方法が適用できる。
前記樹脂コートキャリアに対する樹脂被覆材の割合としては、適宜決定すればよいが、樹脂コートキャリアに対し0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
2種以上の混合物の被覆(コート)剤で磁性体を被覆する使用例としては、(1)酸化チタン微粉体100質量部に対してジメチルジクロロシランとジメチルシリコンオイル(質量比1:5)の混合物12質量部で処理したもの、(2)シリカ微粉体100質量部に対してジメチルジクロロシランとジメチルシリコンオイル(質量比1:5)の混合物20質量部で処理したものが挙げられる。
前記樹脂中、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、含フッ素樹脂とスチレン系共重合体との混合物、シリコーン樹脂が好適に使用され、特にシリコーン樹脂が好ましい。
含フッ素樹脂とスチレン系共重合体との混合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンとスチレン−メタクリ酸メチル共重合体との混合物、ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メタクリル酸メチル共重合体との混合物、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合(共重合体質量比10:90〜90:10)とスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体(共重合質量比10:90〜90:10)とスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体質量比20〜60:5〜30:10:50)との混合物が挙げられる。
シリコーン樹脂としては、含窒素シリコーン樹脂及び含窒素シランカップリング剤と、シリコーン樹脂とが反応することにより生成された、変性シリコーン樹脂が挙げられる。
キャリアコアの磁性材料としては、例えば、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄等の酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルのような金属、又はこれらの合金を用いることができる。
また、これらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムが挙げられる。これらの中でも特に、銅、亜鉛、及び鉄成分を主成分とする銅−亜鉛−鉄系フェライト、マンガン、マグネシウム及び鉄成分を主成分とするマンガン−マグネシウム−鉄系フェライトが好適に挙げられる。
前記キャリアの抵抗値としては、キャリアの表面の凹凸度合い、被覆する樹脂の量を調整して106〜1010Ω・cmにするのがよい。
前記キャリアの粒径としては、4〜200μmのものが使用できるが、10〜150μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。特に、樹脂コートキャリアは、50%粒径が20〜70μmであることが好ましい。
2成分系現像剤では、キャリア100質量部に対して、本発明のトナー1〜200質量部で使用することが好ましく、キャリア100質量部に対して、トナー2〜50質量部で使用するのがより好ましい。
【0058】
<ワックス>
また、本発明では、結着樹脂、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。
本発明のワックスとしては、特に制限はなく、通常使用されるものを適宜選択して使用することができるが、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
【0059】
前記ワックスの例としては、更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に直鎖のアルキル基を有する直鎖アルキルカルボン酸類等の飽和直鎖脂肪酸、プランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪酸、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウピルアルコール、セリルアルコール、メシリルアルコール、あるいは長鎖アルキルアルコール等の飽和アルコール、ソルビトール等の多価アルコール、リノール酸アミド、オレフィン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド、メチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセパシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス、ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化合物、植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0060】
より好適な例としては、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン、高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生成物を精製したポリオレフィン、低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒の如き触媒を用いて重合したポリオレフィン、放射線、電磁波又は光を利用して重合したポリオレフィン、高分子量ポリオレフィンを熱分解して得られる低分子量ポリオレフィン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィツシャートロプシュワックス、ジントール法、ヒドロコール法、アーゲ法等により合成される合成炭化水素ワックス、炭素数1個の化合物をモノマーとする合成ワックス、水酸基又はカルボキシル基の如き官能基を有する炭化水素系ワックス、炭化水素系ワックスと官能基を有する炭化水素系ワックスとの混合物、これらのワックスを母体としてスチレン、マレイン酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸の如きビニルモノマーでグラフト変性したワックスが挙げられる。
【0061】
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は溶液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや、低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
前記ワックスの融点としては、定着性と耐オフセット性のバランスを取るために、70〜140℃であることが好ましく、70〜120℃であることがより好ましい。70℃未満では耐ブロッキング性が低下することがあり、140℃を超えると耐オフセット効果が発現しにくくなることがある。
【0062】
また、2種以上の異なる種類のワックスを併用することにより、ワックスの作用である可塑化作用と離型作用を同時に発現させることができる。
可塑化作用を有するワックスの種類としては、例えば、融点の低いワックス、分子の構造上に分岐のあるものや極性基を有する構造のものなどが挙げられる。
離型作用を有するワックスとしては、融点の高いワックスが挙げられ、その分子の構造としては、直鎖構造のものや、官能基を有さない無極性のものが挙げられる。使用例としては、2種以上の異なるワックスの融点の差が10℃〜100℃のものの組み合わせや、ポリオレフィンとグラフト変性ポリオレフィンの組み合わせなどが挙げられる。
2種のワックスを選択する際には、同様構造のワックスの場合は、相対的に、融点の低いワックスが可塑化作用を発揮し、融点の高いワックスが離型作用を発揮する。このとき、融点の差が10〜100℃の場合に、機能分離が効果的に発現する。10℃未満では機能分離効果が表れにくいことがあり、100℃を超える場合には相互作用による機能の強調が行われにくいことがある。このとき、機能分離効果を発揮しやすくなる傾向があることから、少なくとも一方のワックスの融点が70〜120℃であることが好ましく、70〜100℃であることがより好ましい。
【0063】
前記ワックスは、相対的に、枝分かれ構造のものや官能基の如き極性基を有するものや主成分とは異なる成分で変性されたものが可塑作用を発揮し、より直鎖構造のものや官能基を有さない無極性のものや未変性のストレートなものが離型作用を発揮する。好ましい組み合わせとしては、エチレンを主成分とするポリエチレンホモポリマー又はコポリマーとエチレン以外のオレフィンを主成分とするポリオレフィンホモポリマー又はコポリマーの組み合わせ、ポリオレフィンとグラフト変成ポリオレフィンの組み合わせ、アルコールワックス、脂肪酸ワックス又はエステルワックスと炭化水素系ワックスの組み合わせ、フイシャートロプシュワックス又はポリオレフィンワックスとパラフィンワックス又はマイクロクリスタルワックスの組み合わせ、フィッシャートロプシュワックスとポルリオレフィンワックスの組み合わせ、パラフィンワックスとマイクロクリスタルワックスの組み合わせ、カルナバワックズ、キャンデリラワックス、ライスワックス又はモンタンワックスと炭化水素系ワックスの組み合わせが挙げられる。
いずれの場合においても、トナー保存性と定着性のバランスをとりやすくなることから、トナーのDSC測定において観測される吸熱ピークにおいて、70〜110℃の領域に最大ピークのピークトップ温度があることが好ましく、70〜110℃の領域に最大ピークを有しているのがより好ましい。
前記ワックスの総含有量としては、結着樹脂100質量部に対し、0.2〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
本発明では、DSCにおいて測定されるワックスの吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度をもってワックスの融点とする。
前記ワックス又はトナーのDSC測定機器としては、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるものを用いる。
【0064】
<流動性向上剤>
本発明のトナーには、流動性向上剤を添加してもよい。該流動性向上剤は、トナー表面に添加することにより、トナーの流動性を改善(流動しやすくなる)するものである。
前記流動性向上剤としては、例えば、カーボンブラック、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤若しくはシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ,処理酸化チタン,処理アルミナ、などが挙げられる。これらの中でも、微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナが好ましく、また、これらをシランカップリング剤やシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカが更に好ましい。
前記流動性向上剤の粒径としては、平均一次粒径として、0.001〜2μmであることが好ましく、0.002〜0.2μmであることがより好ましい。
【0065】
前記微粉末シリカは、ケイ素ハロゲン化含物の気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。
ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば、AEROSIL(日本アエロジル社商品名、以下同じ)−130、−300、−380、−TT600、−MOX170、−MOX80、−COK84:Ca−O−SiL(CABOT社商品名)−M−5、−MS−7、−MS−75、−HS−5、−EH−5、Wacker HDK(WACKER−CHEMIEGMBH社商品名)−N20 V15、−N20E、−T30、−T40:D−CFineSi1ica(ダウコーニング社商品名):Franso1(Fransi1社商品名)、などが挙げられる。
【0066】
更には、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体を疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が好ましくは30〜80%の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。疎水化は、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的あるいは物理的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する方法がよい。
【0067】
有機ケイ素化合物としては、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルビニルクロロシラン、ジビニルクロロシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、へキサメチルジシラン、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ブロモメチルジメチルクロロシラン、α−クロルエチルトリクロロシラン、β−クロロエチルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフエニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し、未端に位置する単位にそれぞれSiに結合した水酸基を0〜1個含有するジメチルポリシロキサン等がある。更に、ジメチルシリコーンオイルの如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0068】
流動性向上剤の個数平均粒径としては、5〜100nmになるものが好ましく、5〜50nmになるものがより好ましい。
BET法で測定した窒素吸着による比表面積としては、30m/g以上が好ましく、60〜400m/gがより好ましい。
表面処理された微粉体としては、20m/g以上が好ましく、40〜300m/gがより好ましい。
これらの微粉体の適用量としては、トナー粒子100質量部に対して0.03〜8質量部が好ましい。
【0069】
本発明のトナーには、他の添加剤として、静電潜像担持体・キャリアーの保護、クリーニング性の向上、熱特性・電気特性・物理特性の調整、抵抗調整、軟化点調整、定着率向上等を目的として、各種金属石けん、フッ素系界面活性剤、フタル酸ジオクチルや、導電性付与剤として酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化アンチモン等や、酸化チタン、酸化アルミニウム、アルミナ等の無機微粉体などを必要に応じて添加することができる。これらの無機微粉体は、必要に応じて疎水化してもよい。また、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデン等の滑剤、酸化セシウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、ケーキング防止剤、更に、トナー粒子と逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子とを、現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0070】
これらの添加剤は、帯電量コントロール等の目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤、又は種々の処理剤で処理することも好ましい。
現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。外添剤の混合は、一般の粉体の混合機を適宜選択して使用することができるが、ジャケット等を装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次外添剤を加えていけばよいし、混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよく、はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
使用できる混合機の例としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、などが挙げられる。
【0071】
得られたトナーの形状をさらに調節する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、結着樹脂、着色剤からなるトナー材料を溶融混練後、微粉砕したものをハイブリタイザー、メカノフュージョン等を用いて、機械的に形状を調節する方法や、いわゆるスプレードライ法と呼ばれるトナー材料をトナーバインダーが可溶な溶剤に溶解分散後、スプレードライ装置を用いて脱溶剤化して球形トナーを得る方法、水系媒体中で加熱することにより球形化する方法などが挙げられる。
【0072】
前記外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
前記無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、5mμ〜500mμであることがより好ましい。
前記BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。
前記無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、0.01〜2.0質量%であることがより好ましい。
この他、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0073】
このような外添剤は、表面処理剤により、疎水性を上げ、高湿度下においても外添剤自身の劣化を防止することができる。
前記表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが好適に挙げられる。
【0074】
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5mμ〜2μmであることが好ましく、5mμ〜500mμであることがより好ましい。また、BET法による比表面積としては、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合としては、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、0.01〜2.0重量%であることがより好ましい。
【0075】
静電潜像担持体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合によって製造されたポリマー微粒子などを挙げることができる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
本発明のトナーには、従来の電子写真法に使用する静電潜像担持体が全て使用できるが、例えば、有機静電潜像担持体、非晶質シリカ静電潜像担持体、セレン静電潜像担持体、酸化亜鉛静電潜像担持体、などが好適に使用可能である。
【0076】
これらトナーを用いて作像を行なう画像形成装置やプロセスカートリッジについて次に説明する。
図2は本発明を適用可能な画像形成装置の一例である。
通常の画像形成動作においては、給紙装置(25)から供給される記録用紙等の転写材は吸着ローラ(22a)に所定の電圧が印加されることで転写体である転写材搬送ベルト(22)に吸着させられる。転写材は転写材搬送ベルト(22)に担持された状態で転写材搬送ベルトとともに移動し、移動中に作像手段であるプロセスカートリッジ(21K)、(21M)、(21C)、(21Y)からトナー像が転写させられる。転写材が搬送ベルト(22)を通過して定着装置(23)に到達すると、転写材上のトナー像は加熱ローラ(23a)および加圧ローラ(23b)に挟まれつつ加熱されることで転写材上に定着させられ、転写材上に可視像が形成される。
また、各色トナー像の色ずれやトナー濃度の調整を行なうモードにおいては、プロセスカートリッジ(21K)、(21M)、(21C)、(21Y)から転写材搬送ベルト(22)上に直接所定パターンのトナー像が形成され、Pセンサ(22b)によってかかるトナーパターンが検出され、その検出結果に基づいて書込タイミングや現像バイアスの変更などが行なわれ、最適なカラー画像を得ることができる状態に調整させられる。その後転写材搬送ベルト(22)上のトナーパターンがプロセスカートリッジ(21K)、(21M)、(21C)、(21Y)に回収されることで転写材搬送ベルト(22)の清掃が行なわれる。かかる清掃動作については後述する。
【0077】
ここで(21K)、(21M)、(21C)、(21Y)はそれぞれブラック、マゼンタ、シアン、イエローのトナー像を形成するためのトナーカートリッジである。特にこの場合には、トナーカートリッジ内にプロセス部材も含まれているのでプロセスカートリッジということになる。そこで以下、「プロセスカートリッジ」という用語を用いて、このトナーカートリッジを説明する。すなわち本明細書では、「プロセスカートリッジ」とは「トナーカートリッジ」の下位概念である。
そして「トナーカートリッジ」は、請求項に記載の「トナーを格納した収納体」の下位概念である。本発明においてはトナー粒子でない粒子も製造可能であり、またトナー粒子でない粒子にも特徴ある粒径分布を持たせることができるので、「粒子群を格納した収納体」は「トナーカートリッジ」には限定されず、医薬品等を格納したカプセルなども該当する。フレキシブルなものでも良い。
【0078】
かかるプロセスカートリッジは、図3に示すように転写材搬送ベルト(22)が退避することで開放された空間から着脱可能となっており、ユーザーによる交換が可能となっている。画像形成時には書込装置(24K)、(24M)、(24C)、(24Y)からプロセスカートリッジ(21K)、(21M)、(21C)、(21Y)に対して、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの画像情報に応じた書込光がそれぞれ照射させられ、各プロセスカートリッジはこの書込光に応じたトナー像を形成して転写材に転写する。
書込装置(24K)、(24M)、(24C)、(24Y)は画像情報に従って帯電後の像担持体(31)に潜像を書き込むための装置である。ポリゴンを用いた光走査装置やLEDアレイ等、種々のものを使用することができる。
【0079】
次に、図3を用いて本例のプロセスカートリッジを説明する。なおプロセスカートリッジ(21K)、(21M)、(21C)、(21Y)は同一構造であるので1つのみを説明する。
像担持体(31)は負帯電の有機感光体であり、図示を省略した回転駆動機構によって矢印方向すなわち反時計回り方向に回転されるようにして備えられている。
クリーニング装置(34)は像担持体(31)の回転方向に対してカウンターで当接させられたクリーニングブレード(34a)と、クリーニングされたトナー粒子を廃トナーとして収納する廃トナー格納部(34b)とを有する。
接触帯電部材(32)は、芯金(32a)上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層(32b)をローラ状に形成した可撓性の帯電ローラである。帯電ローラ(32)において芯金上に形成される中抵抗層の材質としては、上記に限定するものではなく、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることができる。
【0080】
現像手段(33)は時計回りに回転させられ像担持体(31)と接触する現像ローラ(33a)と、現像ローラ(33a)に対してトナー粒子をコートする供給ローラ(33b)と、現像ローラ(33a)上にコートされたトナー粒子の厚みを規制しつつ摩擦によりトナー粒子を負帯電させる弾性ブレード(33c)と、プロセスカートリッジ内のトナー粒子を攪拌しつつ供給ローラに向けて移動させる攪拌部材(33d)とを有している。また画像形成装置本体にプロセスカートリッジが装着された状態において現像ローラ(33a)に対して後述する電源から直流バイアスが印加可能に構成されている。
具体的には、プロセスカートリッジ(21K)、(21M)、(21C)、(21Y)側面に設けられた電気的接点と画像形成装置本体側の電気的接点とが接触することで装置本体側の電源から現像ローラに直流バイアスが印加される。また、未使用トナー格納部を兼ねる現像手段(33)内には、図示せぬトナー粒子が格納されている。
転写材搬送ベルトを介して像担持体(31)と対向する転写ローラ(26)は、少なくとも芯金と芯金を被覆する導電性弾性層とを有し、導電性弾性層はポリウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)等の弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ等の導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を10〜1010Ω・cmの中抵抗に調整した弾性体である転写ローラである。
【0081】
次に、かかるプロセスカートリッジの動作を説明する。
本発明の画像形成装置は、複写機およびプリンタとして機能することができる画像形成装置である。複写機として機能する際にはスキャナから読み込まれた画像情報がA/D変換、MTF補正、階調処理等の種々の画像処理を施されて書込みデータに変換される。プリンタとして機能する際にはコンピュータ等から転送されるページ記述言語やビットマップ等の形式の画像情報に対して画像処理が施され書込みデータに変換される。
画像形成に先駆けて、像担持体(31)は表面の移動速度が所定の測度となるように図3の矢印方向すなわち反時計回り方向に回転を始める。また帯電ローラ(32)は像担持体(31)に対してつれまわり回転させられる。このとき帯電ローラ(32)の芯金には帯電バイアス印加電源から−1000Vの直流電圧が印加され、これにより像担持体(31)の表面が約−400Vに帯電させられる。
帯電させられた像担持体(31)に対して書込装置(24C)、(24m)、(24Y)、(24K)は書込みデータに応じた露光を行なう。すなわち、光照射によって画像部の電位を変化させることで光照射されなかった非画像部の電位との差を発生させ、この電位コントラストによる静電潜像を形成する。
書込装置(24C)、(24m)、(24Y)、(24K)によって像担持体上に形成された静電潜像は現像装置(33)によって1成分現像され、画像部にトナー粒子が付着することによってトナー像として像担持体(31)上に可視化される。本例の現像手段(33)は接触型の非磁性1成分現像方式によって像担持体(31)上にトナー像を形成する。具体的には、現像ローラ(33a)を時計回りに回転させ、時計回りに回転する弾性体からなる供給ローラ(33b)を現像ローラ(33a)と接触させることで供給ローラ上のトナー粒子を現像ローラ(33a)上にコートさせる。現像ローラ(33a)上にコートされたトナー粒子は弾性ブレード(33c)によって厚みを規制されながら弾性ブレード(33c)との摩擦により負帯電させられ、その後現像ローラ(33a)の回転に従って像担持体(31)との対向部に搬送させられる。
現像ローラ(33a)と像担持体(31)との対向部においては現像ローラ(33a)に対して後述する電源から−300Vの直流バイアスが印加されることで現像ローラ(33a)と像担持体(31)との間に直流電界が形成され、負帯電させられたトナー粒子はこの直流電界によって像担持体上の画像部にのみ選択的に付着してトナー像となる。
像担持体(31)上に形成させられたトナー像が転写ローラ(26)と像担持体(31)との対向部である転写部に到達するのとタイミングを合わせて給紙装置(25)から転写材が搬送され、像担持体(31)上のトナー像は転写ローラに印加された電圧により転写材へと転写される。転写されたトナー像は定着装置(23)によって転写材に定着され画像が出力される。
一方、転写されずに像担持体(31)上に残留したトナー(転写残トナー)はクリーニング装置(34)によって清掃され、清掃後の像担持体表面は次回の画像形成のために使用される。
【実施例】
【0082】
本願発明を実施例を用いて説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
−トナーの作製−
有機微粒子エマルションの合成(製造例1)
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は15万であった。
【0083】
水相の調整(製造例2)
水990部、[微粒子分散液1]99部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)35部、酢酸エチル70部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
【0084】
低分子ポリエステルの合成(製造例3)
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で1.8時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、ピーク分子量5000、Tg43℃、酸価25であった。
【0085】
プレポリマーの合成(製造例4)
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
【0086】
マスターバッチの作製(製造例5)
水1200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕540部、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
【0087】
油相の作製(製造例6)
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバワックス110部、CCA(サリチル酸金属亜鉛塩E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
【0088】
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
次いで、該分散液に「低分子ポリエステル1」の65質量%酢酸エチル溶液1324部を添加した。上記同様の条件のビーズミルで1パスし、分散させ、「有機溶媒相1」を調製した。
得られた「有機溶媒相1」1324部を第2の貯液槽(13b)に移した。
【0089】
ケチミンの合成(製造例7)
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
得られたケチミン化合物を第1の貯液槽(13a)に移した。
第1の貯液槽(13a)と第2の貯液槽(13b)を異なる搬送チューブによって混合槽(10)まで搬送し、伸長反応を行った。
混合槽(10)では伸長反応を行いながら、吐出部から液滴として吐出され、乾燥固化、除電されたのち、伸長反応が終わった。
乾燥固化したトナー粒子は、1μmの細孔を有するフィルターで吸引捕集した。捕集した粒子の粒度捕集した粒子の粒度分布をフロー式粒子像解析装置(FPIA−2000)で測定したところ、重量平均粒径は6.0μm、個数平均粒径も6.0μmであり、完全に単分散であるトナー母体粒子が得られた。
また、搬送経路で流動性が悪くなることが無く、高分子成分の樹脂成分を含有したトナーを製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明のトナー製造装置の一例を示す図である。
【図2】本発明のトナー製造装置が用いられる画像形成装置の一例を示す図である。
【図3】本発明のプロセスカートリッジの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1 吐出孔(ノズル)
2 電極
3 溶媒除去手段(設備)
3a 空洞部
4 除電器
5 トナー捕集部
6 液滴
7 トナー粒子
8 静電カーテン
9 圧送チューブ
10 混合槽
11 吐出部材
13A 第1の成分液
13B 第2の成分液
13a 第1の貯液槽
13b 第2の貯液槽
14 搬送チューブ
15 搬送チューブ
21K プロセスカートリッジ
21M プロセスカートリッジ
21C プロセスカートリッジ
21Y プロセスカートリッジ
22 転写材搬送ベルト
22a 吸着ローラ
22b Pセンサ
23 定着装置
23a 加熱ローラ
23b 加圧ローラ
24K 書込装置
24M 書込装置
24C 書込装置
24Y 書込装置
25 供給装置
26 転写ローラ
26K 転写ローラ
26M 転写ローラ
26C 転写ローラ
26Y 転写ローラ
31 像担持体
32 接触帯電部材(帯電ローラ)
32a 芯金
32b 発泡ウレタン層
33 現像手段
33a 現像ローラ
33b 供給ローラ
33c 弾性ブレード
33d 撹拌部材
34 クリーニング装置
34a クリーニングブレード
34b 廃トナー格納部




 

 


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