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発明の名称 光ファイバテープ心線およびその心線の密着力測定法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−256466(P2007−256466A)
公開日 平成19年10月4日(2007.10.4)
出願番号 特願2006−78856(P2006−78856)
出願日 平成18年3月22日(2006.3.22)
代理人 【識別番号】100064447
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 正夫
発明者 田中 広樹 / 中島 康雄 / 新子谷 悦宏 / 鈴木 哲雄 / 祐乗坊 邦彦
要約 課題
単心分離性に優れ、かつ光ファイバテープ心線の加工時にも剥離を生じることのない作業性に優れた光ファイバテープ心線を提供すること。

解決手段
本発明の光ファイバテープ心線は、樹脂からなる被覆層を有する複数の光ファイバ心線を並列に配置し、当該複数の光ファイバ心線のまわりに紫外線硬化樹脂を一括被覆層として形成することにより構成されており、光ファイバテープ心線の一括被覆層と光ファイバ心線の最外層との密着力が10N/cm以上 20N/cm以下であることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
樹脂からなる被覆層を有する複数の光ファイバ心線を並列に配置し、該複数の光ファイバ心線のまわりに紫外線硬化樹脂を一括被覆層として形成してなる光ファイバテープ心線において、該光ファイバテープ心線の該一括被覆層と該光ファイバ心線の最外層との密着力が10N/cm以上 20N/cm以下であることを特徴とする光ファイバテープ心線。
【請求項2】
該密着力は、光ファイバテープ心線の状態で、該複数の光ファイバ心線のうちの一つを該光ファイバテープ心線から引き抜くのに要する力を引き抜かれた部分の長さで割ることにより算出されることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバテープ心線。
【請求項3】
樹脂からなる被覆層を有する複数の光ファイバ心線を並列に配置し、該複数の光ファイバ心線のまわりに紫外線硬化樹脂を一括被覆層として形成してなる光ファイバテープ心線の製造方法において、該光ファイバテープ心線の該一括被覆層と該光ファイバ心線の最外層との密着力が10N/cm以上 20N/cm以下となるように、該一括被覆層及び該最外層の少なくとも一方の硬化度を調整することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項4】
該密着力は、光ファイバテープ心線の状態で、該複数の光ファイバ心線のうちの一つを該光ファイバテープ心線から引き抜くのに要する力を引き抜かれた部分の長さで割ることにより算出されることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項5】
樹脂からなる被覆層を有する複数の光ファイバ心線を並列に配置し、該複数の光ファイバ心線のまわりに紫外線硬化樹脂を一括被覆層として形成してなる光ファイバテープ心線において該光ファイバテープ心線の一括被覆層と前記光ファイバ心線の最外層との密着力を測定する方法であって、光ファイバテープ心線の状態で、該複数の光ファイバ心線のうちの一つを該光ファイバテープ心線から引き抜くのに要する力を引き抜かれた部分の長さで割ることによって、該密着力を算出することを特徴とする方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本の光ファイバをテープ状に一体化した光ファイバテープ心線の作業性に関するもので、特に、容易に光ファイバテープ心線から着色心線を取り出すことが可能な光ファイバテープ心線に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバテープ心線の一般的構造は、光ファイバ心線を横一列に配置し、その外周に紫外線硬化樹脂からなる一括被覆層を施して一体化したものである。光ファイバ心線は、例えば、直径125μmのガラス光ファイバに、紫外線硬化樹脂からなる被覆層を施して外径250μmとした光ファイバ素線を作製し、該光ファイバ素線の外周に識別のために着色層を施したものである。光ファイバ心線を構成するガラス光ファイバとしては、シングルモードファイバ、マルチモード光ファイバ、分散シフト光ファイバ等があり、基本的にシリカガラスを基本に構成されている。そして、この光ファイバテープ心線を多数枚集合してケーブル化することにより光ファイバケーブルが構成される。
【0003】
近年、インターネットの急速な普及や企業ネットワークの拡張により急激に通信需要が増大しており、特に、高速な情報通信環境を各家庭まで整備するため、FTTH(Fiber To The Home)が急速に普及し始めている。FTTHに対応した光ファイバケーブルを敷設するためには、幹線からの中間分岐や、加入者宅までの配線といった作業が必要となってくる。すなわち、地下や架空にある光ファイバケーブルを分岐するため光ファイバケーブル内にある光ファイバテープ心線を取り出し、光ファイバテープ心線内から光ファイバ心線を取り出す作業すなわち単心分離する作業が必要となってくる。
【0004】
このような光ファイバテープ心線の作業性を高めるものとして、例えば特許文献1では、優れた一括除去性と単心分離性を得るために、ガラスファイバと保護被覆層との間のプルアウト力を300g以上1700g以下とし、保護被覆層と一括被覆層との密着力を0.4g/cm以上10g/cm以下とし、更に、70℃〜110℃における一括被覆層の損失正接を0.05以上とすることが提案されている。
【特許文献1】特開2000-155248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1において測定している保護被覆層と一括被覆層との密着力は、光ファイバテープ心線そのもので測定したものではなく、被覆に用いる樹脂にてサンプルシート作製し、そのサンプルシートを用いて測定した、被覆材料としての密着力であるため、光ファイバテープ心線を製造する際の照射条件等による影響は反映されていない。したがって、特許文献1に記載された保護被覆層と一括被覆層との密着力の条件は、光ファイバテープ心線の状態での望ましい密着力とは異なる場合があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、単心分離性に優れ、かつ光ファイバテープ心線の加工時にも剥離を生じることのない作業性に優れた光ファイバテープ心線を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の光ファイバテープ心線は、樹脂からなる被覆層を有する複数の光ファイバ心線を並列に配置し、当該複数の光ファイバ心線のまわりに紫外線硬化樹脂を一括被覆層として形成することにより構成されており、光ファイバテープ心線の一括被覆層と光ファイバ心線の最外層との密着力が10N/cm以上 20N/cm以下であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の光ファイバテープ心線の製造方法は、樹脂からなる被覆層を有する複数の光ファイバ心線を並列に配置し、該複数の光ファイバ心線のまわりに紫外線硬化樹脂を一括被覆層として形成することにより光ファイバテープ心線を製造し、当該光ファイバテープ心線の一括被覆層と光ファイバ心線の最外層との密着力が10N/cm以上 20N/cm以下となるように、一括被覆層及び最外層の少なくとも一方の硬化度を調整することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の光ファイバテープ心線の一括被覆層と光ファイバ心線の最外層との密着力を測定する方法は、樹脂からなる被覆層を有する複数の光ファイバ心線を並列に配置し、複数の光ファイバ心線のまわりに紫外線硬化樹脂を一括被覆層として形成してなる光ファイバテープ心線において、光ファイバテープ心線の状態で、複数の光ファイバ心線のうちの一つを光ファイバテープ心線から引き抜くのに要する力を引き抜かれた部分の長さで割ることによって、該密着力を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光ファイバテープ心線によれば、光ファイバテープ心線の安定した単心分離性が得られるとともに、作業等において光ファイバテープ心線を取り扱う際にも光ファイバ心線と一括被覆層界面が剥離しない光ファイバテープ心線を得ることができる。これによって、光ファイバ心線の分岐や引き込み等における施工性や作業の効率化することが可能となる。
【0011】
また、本発明の光ファイバテープ心線の製造方法によれば、光ファイバテープ心線の安定した単心分離性が得られるとともに、作業等において光ファイバテープ心線を取り扱う際にも光ファイバ心線と一括被覆層界面が剥離しない光ファイバテープ心線を製造することができる。
【0012】
また、本発明の光ファイバテープ心線の一括被覆層と光ファイバ心線の最外層との密着力の測定方法によれば、光ファイバテープ心線の一括被覆層と光ファイバ心線の最外層との密着力を直接測定でき、これにより、光ファイバテープ心線の単心分離性、剥離性を精度良く推定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
光ファイバテープ心線の着色層と一括被覆層界面の密着力は、着色層に用いる紫外線硬化樹脂の材質や着色層の表面硬化度、さらに一括被覆層に用いる材質や光ファイバテープ心線の製造時の照射条件等によって、影響を受ける。したがって、着色層が同一材質であっても、表面硬化度の差により密着力は影響を受ける。また、一括被覆層が同一材質であっても、その照射条件によって、下地である着色層との密着力は影響を受けることになる。
【0014】
本発明は、光ファイバ心線が入った光ファイバテープ心線の状態で、該光ファイバ心線を該光ファイバテープ心線内から引き抜く力を求めて引き抜き長さで割った値と、光ファイバテープ心線の単心分離性や加工した際における光ファイバ心線と一括被覆層界面の剥離性との間に相関があることを見出し、完成されたものである。そこで、該光ファイバ心線を該光ファイバテープ心線内から引き抜く力を求めて引き抜き長さで割った値を、該光ファイバ心線と該光ファイバテープ心線界面の密着力として取り扱うことにした。
【0015】
また、光ファイバテープ心線の単心分離性について、上記方法を用いて鋭意検討した結果、光ファイバテ−プ心線の着色層とテープ層との密着力を10N/cm以上 20N/cm以下にすることによって光ファイバテ−プ心線の単心分離が良好で、かつ着色層と一括被覆層の剥離に関しても良好であることを見出したものである。
【実施例】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。直径125μmのガラス光ファイバ11上にウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂よりなるプライマリ層12とセカンダリ層13からなる被覆層を形成して光ファイバ素線を得た。さらに、得られた光ファイバ素線に着色層14の材料を塗布し、引続き、紫外線を照射して、着色層14を硬化させ、図1に示す外径250μmの光ファイバ心線15を作製した。このとき、着色層14を紫外線を照射して硬化させる際に、紫外線ランプのパワー、線速およびランプ内の酸素濃度を調整することで、着色層14の表面状態を変化させた光ファイバ心線15を8種類作製した。
【0017】
得られた8種類の光ファイバ心線に対して、密着力および単心分離特性、剥離性の評価を行った。光ファイバ心線と光ファイバテープ心線界面の密着力は以下の方法にて測定した。
【0018】
(密着力の測定方法)
図2に示した光ファイバテープ心線を用いて、図3のように、長さ300mmの光ファイバテ−プ心線中の10mm部分以外の一括被覆層をすべて剥がし、さらに、3番心線を引き出し、片端末で3番心線が飛び出した試料を作成する。このとき3番心線の引き出す長さは、3番心線のみをチャッキングするために充分な長さがあればよい。残す一括被覆層の長さは、密着力の大きさにより適宜選択する。具体的には3番心線を引き出す際にガラス光ファイバが折れない範囲で選択すればよく、本実施例においては、5mm〜15mmが好適であった。
【0019】
次いで、図3に示した光ファイバテープ心線を図4に示すように引張試験機の上部チャックに1,2,4,番心線を束ねてチャッキングし、下部チャックに3番心線をチャッキングする。そして、下部チャックを引張速度10mm/minにて下方に移動させ、3番心線を引き抜いていく。この時、発生する力の最大値を引き抜き長さで割った値を着色光ファイバ心線と一括被覆層の密着力として求めた。なお、本測定は、常温(23℃)雰囲気にて行った。
【0020】
本実施例は、引き出す光ファイバとして3番心線を選択したが、両端以外の心線であればよく、4心テープにおいては2番心線を引き出してもよい。8心テープの場合は、2〜7番心線であればいいが、引っ張る力が(ファイバの並び方向の)両端に均等にかかる方がガラス光ファイバを引き出しやすいため、より中央に近い心線を選択することが好ましい。さらに、試料として長さ300mmの光ファイバテ−プ心線を用いたが、試料の長さはチャッキング方法などにより適宜調整可能である。
【0021】
着色層14として使用した硬質の紫外線硬化型インキは、エポキシアクリレート系樹脂を用い、離型剤の種類と量を調整することでC-1,C-2,C-3を試作した。さらに、各種類の着色光ファイバ心線15を4本ずつ用意し、並列に並べた上にウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂を一括被覆するとともに、紫外線ランプのパワーおよび線速を種々に変化させ、一括被覆層21の硬化状態を変化させた8種類の厚さ0.32mm、幅1.1mmの光ファイバテープ心線を得た。
【0022】
なお、密着力は、着色剤に添加する離型剤の種類と量、そして、着色光ファイバ心線と光ファイバテープ心線の製造時における紫外線の照射条件、すなわち、紫外線強度と線速と硬化時の酸素濃度を変えることによって変化する。たとえば、密着力を高めるためには、着色層14の硬化度を下げるか、一括被覆層21の硬化度を上げればよい。
【0023】
表1に得られた光ファイバテープ心線の単心分離性能を比較した。単心分離性の評価は、テープ心線の先端部50mmについて常温状態で一括被覆層を除去した時、着色層が剥離したり、一括被覆層のカスが着色層の表面に残留したりしないことを基準として良否を判定した。
【0024】
光ファイバ心線と一括被覆層界面の剥離性の評価は、180°捻り試験にて評価した。180°捻り試験系の概略図を図5に示す。180°捻り試験は、光ファイバテープ心線を光ファイバテ−プ心線用ホルダ−51にて両端を把持し、一定の標線間距離で固定した後、2sec以内に180°の増分で捻りを加え、10秒間保持した後、2秒以内に捻りを開放する。そして、標線間距離を変化させながら、剥離が発生する距離を求めた。光ファイバ心線と光ファイバテープ心線との界面で剥離が観察された標線間距離を剥離開始点と判断し、その剥離開始点で剥離性の良否を判定した。剥離開始点が20mm以下であれば、テープ心線を輸送する際や光ファイバ心線の分岐や引き込み等における施工作業での剥離性は問題ないことが確認されている。
【表1】


【0025】
表1に示したように、光ファイバ心線と一括被覆層界面の密着力が10N/cm以上、 20N/cm以下であれば、光ファイバ心線と光ファイバテープ心線界面における単心分離性と剥離性ともに良好であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の光ファイバ心線の断面図である。
【図2】本発明の光ファイバテ−プ心線の断面図である。
【図3】光ファイバテ−プ心線の密着力測定用試料の図である。
【図4】本発明の光ファイバテープ心線の密着力測定系の概略図である。
【図5】光ファイバテープ心線の180°捻り試験系の概略図である。
【符号の説明】
【0027】
11 ガラス光ファイバ
12 プライマリ層
13 セカンダリ層
14 着色層
15 着色光ファイバ心線
21 一括被覆層
22 光ファイバテープ心線
31 密着力測定部位
41 ロードセル
42 チャック
51 光ファイバテ−プ心線用ホルダ−
52 標線間距離




 

 


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