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発明の名称 非線形光ファイバおよび非線形光デバイスならびに光信号処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−225734(P2007−225734A)
公開日 平成19年9月6日(2007.9.6)
出願番号 特願2006−44495(P2006−44495)
出願日 平成18年2月21日(2006.2.21)
代理人 【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
発明者 谷口 友規 / 廣石 治郎 / 高橋 正典 / 杉崎 隆一
要約 課題
光学非線形性が高くても、長手方向で波長分散特性が安定しており非線形光学現象を効率よく利用できる非線形光ファイバ、およびこの非線形光ファイバを用いた非線形光デバイス、ならびにこの非線形光ファイバを用いた光信号処理装置を提供すること。

解決手段
中心コア部と、前記中心コア部の周囲に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低いコア層と、前記中心コア部と前記コア層との間に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低くかつ前記コア層よりも屈折率の高い1以上の緩衝コア層と、を有するコアと、前記コア層の周囲に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低くかつ前記コア層よりも屈折率が高いクラッドと、を有し、波長1550nmにおける有効コア断面積が18μm2以下であることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
中心コア部と、
前記中心コア部の周囲に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低いコア層と、
前記中心コア部と前記コア層との間に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低くかつ前記コア層よりも屈折率の高い1以上の緩衝コア層と、
を有するコアと、
前記コア層の周囲に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低くかつ前記コア層よりも屈折率が高いクラッドと、
を有し、波長1550nmにおける有効コア断面積が18μm2以下であることを特徴とする非線形光ファイバ。
【請求項2】
前記コアは、前記コア層と前記クラッドとの間に形成され前記クラッドよりも屈折率が高い付加コア層を有することを特徴とする請求項1に記載の非線形光ファイバ。
【請求項3】
前記中心コア部の直径に対する前記緩衝コア層の外径の比が1.2以上2.0以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の非線形光ファイバ。
【請求項4】
前記中心コア部の前記クラッドに対する比屈折率差が1.8%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項5】
前記中心コア部の直径に対する前記コア層の外径の比が2.5以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項6】
前記コア層の前記クラッドに対する比屈折率差が−1.2以上−0.2%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項7】
前記緩衝コア層の前記クラッドに対する比屈折率差が0.1以上0.6%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項8】
波長1550nmにおける長手方向での波長分散の変動幅が長さ1kmあたり1ps/nm/km以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項9】
長手方向での零分散波長の変動幅が長さ1kmあたり30nm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項10】
波長1550nmにおける波長分散の絶対値が5ps/nm/km以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項11】
波長1550nmにおける波長分散の絶対値が1ps/nm/km以下であることを特徴とする請求項10に記載の非線形光ファイバ。
【請求項12】
波長1550nmにおける波長分散の絶対値が5ps/nm/km以下の範囲において、前記コア層の外径が1%変動したときの波長1550nmにおける波長分散の変動が、0.7ps/nm/km以下であることを特徴とする請求項10に記載の非線形光ファイバ。
【請求項13】
波長1550nmにおける波長分散スロープの絶対値が0.02以上0.06ps/nm2/km以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項14】
波長1550nmにおける非線形係数が40×10-10/W以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項15】
カットオフ波長が1500nm未満であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項16】
波長1550nmにおける伝送損失が1.5dB/km以下であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項17】
波長1550nmにおける偏波モード分散が0.2ps/km1/2以下であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項18】
前記クラッドの前記中心コア部を挟む両側に、応力付与部材が設けられたものであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項19】
波長1550nmにおける偏波クロストークが長さ100mあたり−20dB以下であることを特徴とする請求項18に記載の非線形光ファイバ。
【請求項20】
前記クラッドの外径が100μm以下であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項21】
前記クラッドの周囲に形成された被覆を有し、前記被覆の外径が150μm以下であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一つに記載の非線形光ファイバ。
【請求項22】
光を入力する光入力部と、
光を出力する光出力部と、
前記光入力部と前記光出力部の間に設けられ前記光入力部から入力した光によって非線形光学現象を生じさせて前記光出力部に出力する請求項1〜21のいずれか一つに記載の非線形光ファイバと、
を有することを特徴とする非線形光デバイス。
【請求項23】
光信号を入力する光信号入力部と、
請求項1〜21のいずれか一つに記載の非線形光ファイバを有し、該非線形光ファイバ中で発生した非線形光学現象を用いて前記光信号入力部から入力した光信号を信号処理する光信号処理部と、
前記信号処理された光信号を出力する光信号出力部と、
を有することを特徴とする光信号処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、非線形光ファイバ、およびこの非線形光ファイバを用いた非線形光デバイス、ならびにこの非線形光ファイバを用いた光信号処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットトラフィックの増大に伴い、光ファイバ通信システムを用いた情報通信の更なる高速化、大容量化が求められている。この高速化、大容量化を実現するためには、光ファイバ通信システムにおいて用いられる光信号処理技術の高速化や光増幅技術の広帯域化が必要となる。
【0003】
従来の光信号処理技術としては、光信号を一旦電気信号に変換し、変換された電気信号を電気デバイスにより信号処理して、信号処理した電気信号を再び光信号に変換する方法が一般的である。この方法では光信号を一旦電気信号に変換しなければならないため、信号処理速度が電気デバイスの応答速度に制限される。しかし、近年要求されている信号処理速度の高速化に対して、従来の電子デバイスの応答速度は限界に近づきつつある。
【0004】
これに対して、光信号を光のまま信号処理する全光信号処理技術が注目されている。全光信号処理技術は、光信号を電気信号に変換することなく、光デバイスにより直接信号処理する技術である。光デバイスの応答速度は電子デバイスの応答速度よりも高速であるため、全光信号処理技術を用いれば、信号処理速度の一層の高速化が可能である。
【0005】
全光信号処理技術に用いられる光デバイスには、光信号を伝送する光ファイバ内で発生する非線形光学現象を利用した非線形光デバイスがある。光ファイバ内で発生する非線形光学現象を利用した非線形光デバイスは、非線形光学現象は高速で応答するために光信号の高速処理が可能であると同時に、伝送損失の小さい光ファイバを利用するものであるから光信号の損失も小さくできるため、近年特に注目されており、光信号処理装置への適用が検討されている。
【0006】
光ファイバ内で生ずる非線形光学現象としては四光波混合(FWM)、自己位相変調(SPM)、相互位相変調(XPM)、誘導ブリリュアン散乱(SBS)、誘導ラマン散乱(SRS)などが挙げられる。これらの中でFWMは波長変換器や光パラメトリック増幅器(OPA)などに利用されている。また、SPMを利用したパルス圧縮、波形整形等の光信号処理技術が既に報告されている(特許文献1、2)。
【0007】
このような光ファイバ内での非線形光学現象を利用した非線形光デバイスの実現には、光ファイバ内で効率良く非線形光学現象を発生させることができる光ファイバ、すなわち高い光学非線形性を有する非線形光ファイバの実現が重要となる。光ファイバの光学非線形性を高くするには、例えばコアとクラッドとの比屈折率差を大きくすることで、光ファイバの有効コア断面積Aeffを小さくする方法がある。なお、高い光学非線形性を有する非線形光ファイバとしては、特許文献3、4に開示されたものがある。
【0008】
【特許文献1】特開2004−117590号公報
【特許文献2】特開2005−301009号公報
【特許文献3】特開2002−207136号公報
【特許文献4】特開2003−177266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
FWMやSPMなどの非線形光学現象を効率よく利用するには、高い光学非線形性を有するだけでなく、光信号が光ファイバ中を伝搬する方向、すなわち光ファイバの長手方向において安定した波長分散特性を有する非線形光ファイバが必要である。特に、FWMを利用するには、FWMの発生効率を長い距離に渡って高いものとするために、非線形光ファイバの長手方向で波長分散の絶対値が安定して小さいことが重要である。なお、光ファイバの波長分散特性は、主に、コア及びクラッドの構造や屈折率プロファイルにより定まるものである。
【0010】
しかしながら、従来の光ファイバは、光ファイバの製造時に、製造条件のゆらぎにより光ファイバの長手方向でコアの直径が変動してしまうので、波長分散特性が長手方向で安定した光ファイバを製造するのは困難であった。特に、特許文献3、4に開示された屈折率プロファイルを有する非線形光ファイバは、光学非線形性が高いものの、コアの直径の変化に対する波長分散値の変化が大きい。したがって、特許文献3、4に開示された屈折率プロファイルを有し、かつ波長分散特性が長手方向で安定した非線形光ファイバを製造するのは困難であった。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、長手方向で波長分散特性が安定しており非線形光学現象を効率よく利用できる非線形光ファイバ、およびこの非線形光ファイバを用いた非線形光デバイス、ならびにこの非線形光ファイバを用いた光信号処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る非線形光ファイバは、中心コア部と、前記中心コア部の周囲に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低いコア層と、前記中心コア部と前記コア層との間に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低くかつ前記コア層よりも屈折率の高い1以上の緩衝コア層と、を有するコアと、前記コア層の周囲に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低くかつ前記コア層よりも屈折率が高いクラッドと、を有し、波長1550nmにおける有効コア断面積が18μm2以下であることを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る非線形光ファイバは、上記発明において、前記コアは、前記コア層と前記クラッドとの間に形成され前記クラッドよりも屈折率が高い付加コア層を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る非線形光ファイバは、上記発明において、前記中心コア部の直径に対する前記緩衝コア層の外径の比が1.2以上2.0以下であることを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る非線形光ファイバは、上記発明において、前記中心コア部の前記クラッドに対する比屈折率差が1.8%以上であることを特徴とする。
【0016】
請求項5に係る非線形光ファイバは、上記発明において、前記中心コア部の直径に対する前記コア層の外径の比が2.5以上であることを特徴とする。
【0017】
請求項6に係る非線形光ファイバは、上記発明において、前記コア層の前記クラッドに対する比屈折率差が−1.2以上−0.2%以下であることを特徴とする。
【0018】
請求項7に係る非線形光ファイバは、上記発明において、前記緩衝コア層の前記クラッドに対する比屈折率差が0.1以上0.6%以下であることを特徴とする。
【0019】
請求項8に係る非線形光ファイバは、上記発明において、波長1550nmにおける長手方向での波長分散の変動幅が長さ1kmあたり1ps/nm/km以下であることを特徴とする。
【0020】
請求項9に係る非線形光ファイバは、上記発明において、長手方向での零分散波長の変動幅が長さ1kmあたり30nm以下であることを特徴とする。
【0021】
請求項10に係る非線形光ファイバは、上記発明において、波長1550nmにおける波長分散の絶対値が5ps/nm/km以下であることを特徴とする。
【0022】
請求項11に係る非線形光ファイバは、上記発明において、波長1550nmにおける波長分散の絶対値が1ps/nm/km以下であることを特徴とする。
【0023】
請求項12に係る非線形光ファイバは、上記発明において、波長1550nmにおける波長分散の絶対値が5ps/nm/km以下の範囲において、前記コア層の外径が1%変動したときの波長1550nmにおける波長分散の変動が、0.7ps/nm/km以下であることを特徴とする。
【0024】
請求項13に係る非線形光ファイバは、上記発明において、波長1550nmにおける波長分散スロープの絶対値が0.02以上0.06ps/nm2/km以下であることを特徴とする。
【0025】
請求項14に係る非線形光ファイバは、上記発明において、波長1550nmにおける非線形係数が40×10-10/W以上であることを特徴とする。
【0026】
請求項15に係る非線形光ファイバは、上記発明において、カットオフ波長が1500nm未満であることを特徴とする。
【0027】
請求項16に係る非線形光ファイバは、上記発明において、波長1550nmにおける伝送損失が1.5dB/km以下であることを特徴とする。
【0028】
請求項17に係る非線形光ファイバは、上記発明において、波長1550nmにおける偏波モード分散が0.2ps/km1/2以下であることを特徴とする。
【0029】
請求項18に係る非線形光ファイバは、上記発明において、前記クラッドの前記中心コア部を挟む両側に、応力付与部材が設けられたものであることを特徴とする。
【0030】
請求項19に係る非線形光ファイバは、上記発明において、波長1550nmにおける偏波クロストークが長さ100mあたり−20dB以下であることを特徴とする。
【0031】
請求項20に係る非線形光ファイバは、上記発明において、前記クラッドの外径が100μm以下であることを特徴とする。
【0032】
請求項21に係る非線形光ファイバは、上記発明において、前記クラッドの周囲に形成された被覆を有し、前記被覆の外径が150μm以下であることを特徴とする。
【0033】
また、本発明に係る非線形光デバイスは、光を入力する光入力部と、光を出力する光出力部と、前記光入力部と前記光出力部の間に設けられ前記光入力部から入力した光によって非線形光学現象を生じさせて前記光出力部に出力する本発明に係る非線形光ファイバと、を有することを特徴とする。
【0034】
また、本発明に係る光信号処理装置は、光信号を入力する光信号入力部と、本発明に係る非線形光ファイバを有し、前記非線形光ファイバ中で発生した非線形光学現象を用いて前記光信号入力部から入力した光信号を信号処理する光信号処理部と、前記信号処理された光信号を出力する光信号出力部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る非線形光ファイバによれば、非線形光ファイバの製造時に、製造条件のゆらぎにより光ファイバの長手方向でコアの直径が変動しても、中心コア部とコア層との間に形成され中心コア部よりも屈折率が低くかつコア層よりも屈折率の高い1以上の緩衝コア層を有することによって、長手方向でのコアの直径の変動による波長分散特性の変動が緩和される。したがって、長手方向で波長分散特性が安定しており非線形光学現象を効率よく利用できる非線形光ファイバが実現できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に、図面を参照して本発明に係る非線形光ファイバの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付する。また、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0037】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る非線形光ファイバについて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る非線形光ファイバの断面を模式的に表した図であり、図2は、本発明の実施の形態1に係る非線形光ファイバの屈折率プロファイルを模式的に表した図である。図1および2に示すように、本実施の形態1に係る非線形光ファイバ10は、中心コア部11と、中心コア部11の周囲に形成され中心コア部11よりも屈折率が低いコア層12と、中心コア部11とコア層12との間に形成され中心コア部11よりも屈折率が低くかつコア層12よりも屈折率の高い緩衝コア層14とを有するコア15と、コア層12の周囲に形成され中心コア部11よりも屈折率が低くかつコア層12よりも屈折率が高いクラッド16とを有し、波長1550nmにおける有効コア断面積が18μm2以下である。また、非線形光ファイバ10は、クラッド16の周囲に形成された被覆17を有する。
【0038】
コア15及びクラッド16はSiO2ガラスをベースとするものである。コア15については、屈折率を調整するために添加するGeO2やF元素などの屈折率調整用ドーパントの添加量や半径方向の添加量の分布などを調整して、所望の形状の屈折率プロファイルを形成できる。この際、GeO2を添加すると屈折率を高くし、F元素を添加すると屈折率を低くすることができる。クラッド16については、実質的に純SiO2ガラスからなるが、GeO2やF元素などの屈折率調整用ドーパントを添加して、所望の屈折率としても良い。なお、実質的に純SiO2ガラスからなるとは、屈折率調整用ドーパントを含まないことを意味し、屈折率に影響を及ぼさないCl元素などはふくまれていてもよい。また、被覆17は、通常は2層の紫外線硬化型樹脂からなるものである。
【0039】
クラッド16の外径は通常は125μmであるが、100μm以下にすることもできる。その場合、非線形光ファイバ10をボビンなどに巻回する場合の直径を小さくできる。また、被覆17の外径は通常は250μmであるが、クラッドの外径を小さくすることで、150μm以下にすることもできる。その場合、非線形光ファイバ10の体積が小さくなる。したがって、非線形光ファイバ10を小径のボビンに巻回して筐体に収容すれば、小型の非線形光デバイスが実現できる。
【0040】
また、図2に示すように、非線形光ファイバ10において、中心コア部11は直径がd11であって、屈折率プロファイル11aを有し、最大屈折率はnc11である。コア層12は外径がd12であって、屈折率プロファイル12aを有し、最小屈折率はnc12である。緩衝コア層14は外径がd14であって、屈折率プロファイル14aを有し、最大屈折率はnc14である。クラッド16は屈折率プロファイル16aを有し、屈折率はncl10である。なお、ngは純SiO2ガラスの屈折率である。
【0041】
ここで、非線形光ファイバ10の屈折率プロファイルを特徴づけるプロファイルパラメータを定義する。まず、コア層12の外径d12に対する中心コア部11の直径d11の比であるd11/d12をRa11、コア層12の外径d12に対する緩衝コア層14の直径d14の比であるd14/d12をRa12と定義する。次に、クラッド16に対する中心コア部11の最大比屈折率差をΔ11、クラッド16に対するコア層12の最小比屈折率差をΔ12、クラッド16に対する緩衝コア層14の最大比屈折率差をΔ14と定義する。また、純SiO2ガラスの屈折率に対するクラッドの比屈折率差をΔcladとする。クラッドが実質的に純SiO2ガラスからなる場合は、Δcladは0%である。本明細書においては、Δ11、Δ12、Δ14、Δcladは、式(1)〜(4)で定義する。
【0042】
Δ11=[(nc11−ncl10)/nc11]×100 (%) (1)
【0043】
Δ12=[(nc12−ncl10)/nc12]×100 (%) (2)
【0044】
Δ14=[(nc14−ncl10)/nc14]×100 (%) (3)
【0045】
Δclad=[(ncl10−ng)/ncl10]×100 (%) (4)
【0046】
非線形光ファイバ10においては、中心コア部11の直径に対する緩衝コア層14の外径の比、つまりd14/d11は1.2以上2.0以下である。また、Δ11は1.8%以上であり、より好ましくは2.2%以上である。また、中心コア部11の直径に対するコア層12の外径の比、つまりd12/d11は2.5以上であり、より好ましくは3.0以上である。また、Δ12は−1.2以上−0.2%以下であり、より好ましくは−1.2以上−0.4%以下である。また、Δ14は0.1以上0.6%以下であり、より好ましくは0.3以上0.6%以下である。
【0047】
また、中心コア部11、緩衝コア層14は、いわゆるα型の屈折率プロファイルを有し、α値としてそれぞれα11、α14を有する。α値とは、屈折率プロファイルの形状を表す指数であり、式(5)、式(6)で定義される。α値が大きくなるほど、コアの屈折率プロファイルの中央部が丸みを持つ、すなわち、三角形から四角形に移行していくことになる。
【0048】
2(r)=nc112{1−2(Δ11/100)・(2r/d11)α11} (5)
ただし、0≦r<d11/2
【0049】
2(r)=nc142{1−2(Δ14/100)・((r−r14max)/(d14/2−r14max))α14} (6)
ただし、r14max≦r<d14/2
【0050】
ここで、rは光ファイバの中心からの半径方向の位置を示す。また、r14maxとは、d11/2≦r<d14/2の範囲で、クラッド16に対する比屈折率差が最も大きい点における光ファイバの中心からの半径方向の位置であり、r14maxが1点ではなく広範囲に及ぶ場合は、その中での中心の点とする。図2においては、r14max=d11/2である。また、n(r)は位置rにおける屈折率を表す。
【0051】
また、非線形光ファイバ10の伝送特性については、波長1500nm以上の信号光をシングルモードで伝送させるために、カットオフ波長は1500nm未満である。また、長手方向の零分散波長の変動幅は長さ1kmあたり30nm以下であり、波長1550nmにおいて長手方向での波長分散の変動幅は長さ1kmあたり1ps/nm/km以下であるから、光ファイバ長を長くしても波長分散特性が長手方向で安定しており、非線形光学現象を効率よく利用できる。また、波長1550nmにおいて波長分散の絶対値は5ps/nm/km以下であり、より好ましくは1ps/nm/km以下であるから、FWMなどの非線形光学現象の発生効率が高い。また、波長1550nmにおける波長分散の絶対値が5ps/nm/km以下の範囲において、コア層12の外径が1%変動したときの波長1550nmにおける波長分散の変動は0.7ps/nm/km以下であるから、波長分散の絶対値が長手方向で安定して小さい光ファイバとなる。また、波長1550nmにおいて波長分散スロープの絶対値は0.02以上0.06ps/nm2/km以下であるから、広い波長帯域で波長分散の絶対値が小さい光ファイバとなる。また、波長1550nmにおいて伝送損失は1.5dB/km以下であるから、光の損失が小さく非線形光学現象の発生効率が高い。また、波長1550nmにおいて偏波モード分散は0.2ps/km1/2以下であるから、信号光が短パルス光であっても光ファイバを伝搬する間のパルス波形の劣化が抑制される。また、波長1550nmにおける非線形係数は40×10-10/W以上であるから、非線形光学現象の発生効率が高い。
【0052】
なお、本明細書においては、カットオフ波長(λc)とは、ITU−T(国際電気通信連合)G.650.1で定義するファイバカットオフ波長をいう。その他、本明細書で特に定義しない用語についてはITU−T G.650.1における定義、測定方法に従うものとする。また、本明細書において用いる非線形係数(n2/Aeff)は、XPM法による測定値である。
【0053】
次に、本実施の形態1に係る非線形光ファイバ10の特性を、シミュレーション結果をもとに説明する。最初に、非線形光ファイバの屈折率プロファイルと長手方向での波長分散安定性との関係について説明する。光ファイバの長手方向での波長分散安定性とは、長手方向でコアの直径が変動したときに、波長分散値がどれだけ変動するかということであり、コアの直径の変化に対する波長分散値の変化で見積もることができる。
【0054】
そこで、図2に示す屈折率プロファイルを有する非線形光ファイバ10について、伝搬する光の電界分布から、コア15の直径を変化させたときの波長分散値の変化をシミュレーションにより算出した。このシミュレーションにおいては、コア15の直径は、コア層12の外径d12に対する中心コア部11の直径d11の比であるRa11と、コア層12の外径d12に対する緩衝コア層14の外径d14の比であるRa12とを一定としたまま、コア層12の外径d12を変化させることにより変化させた。
【0055】
ここで、コア層12の外径d12が1%変化したときの波長分散値の変化ΔD[(ps/nm/km)/%]は、式(7)により定義される。
【0056】
ΔD=((D+1−D-1)/(d12+1−d12-1))×d12/100 (7)
【0057】
ここで、D+1はコア層12の外径がd12+1のときの波長分散値であり、D-1はコア層12の外径がd12-1のときの波長分散値をあらわす。ただし、d12+1=d12+δ、d12-1=d12−δである。δはコア層12の外径の変化量である。
【0058】
図3は、シミュレーションにおいて用いるプロファイルパラメータを、Ra11=0.20、Δ11=3.0、α11=3、Ra12=0.25、Δ14=0.3、α14=6、Δ12=−0.6として、波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層12の外径d12を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。図3が示すように、コア層12の外径d12が20.6μmのときに波長分散値Dの絶対値がもっとも小さくなるが、このときの波長分散値の変化ΔDは0.52[(ps/nm/km)/%]であり、後述する従来の非線形光ファイバにおける値よりも十分に小さい値となる。
【0059】
また、図4は、プロファイルパラメータを、Ra11=0.40、Δ11=3.0、α11=3、Ra12=0.55、Δ14=0.3、α14=6、Δ12=−0.6として、波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層12の外径d12を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。図4が示すように、コア層12の外径d12が10.6μmのときに波長分散値Dの絶対値がもっとも小さくなるが、このときの波長分散値の変化ΔDは0.47[(ps/nm/km)/%]であり、後述する従来の非線形光ファイバにおける値よりも十分に小さい値となる。
【0060】
次に、図2に示す屈折率プロファイルを有する非線形光ファイバ10について、さまざまなプロファイルパラメータを用いて、コアの直径を0.1μmずつ変化させ、各直径での波長分散値から波長分散値の変化ΔDを算出し、波長分散の絶対値が最も小さい直径での波長分散値の変化ΔD0を比較した。
【0061】
図5〜9は、Ra11、Ra12以外のパラメータを固定して、Ra11、Ra12を変化させたときの、波長分散の絶対値が最も小さい直径での波長分散値の変化ΔD0を比較した結果を示す図である。図5〜7はΔ11をそれぞれ3.0、2.4、1.8とした場合を示し、図8、9はそれぞれ、図6に示す場合とはΔ12が異なる場合を示し、図10は、図5に示す場合においてΔ14を変化させた場合を示す。これらの結果は、ΔD0は、Ra12とRa11の比、つまり緩衝コア層14の外径d14と中心コア部11の直径d11との比d14/d11に依存して変化し、d14/d11が2.0以下の範囲では、d14/d11が大きいほどΔD0が小さくなることを示す。
【0062】
しかし、d14/d11を大きくするとカットオフ波長が大きくなるというトレードオフの関係があるので、カットオフ波長が信号光波長よりも小さくなるような範囲でd14/d11を大きくする必要がある。また、d14/d11を大きくすると有効コア断面積が大きくなるというトレードオフの関係があるので、高い非線形性を維持するため、有効コア断面積が18μm2以下となるような範囲でd14/d11を大きくする必要がある。一方、d14/d11が1.2未満では、ΔD0はあまり小さくならないので、光ファイバの長手方向での波長分散特性が安定したものとはならない。
【0063】
しかし、本実施の形態1に係る非線形光ファイバ10は、d14/d11が1.2以上2.0以下であるから、ΔD0が十分に小さく光ファイバの長手方向での波長分散特性が安定したものとなり、かつカットオフ波長が小さくなり、さらに有効コア断面積が18μm2以下となり高い非線形性を有するものとなる。
【0064】
また、d14/d11を大きくするとカットオフ波長が大きくなるというトレードオフの関係があるのに加えて、Δ11あるいはΔ12を大きくするとカットオフ波長が大きくなるというトレードオフの関係があるので、所定のΔ11とΔ12に対してカットオフ波長が信号光波長よりも小さくなるような範囲でd14/d11を大きくする必要がある。例えば、Δ11が3.0%、Δ12が−0.6%の場合は、d14/d11が1.4より大きいとカットオフ波長が1500nm以上になってしまうので、d14/d11は1.2以上1.4以下とすることがより好ましい。
【0065】
また、Δ11を小さくしたりRa11を大きくしたりするとΔD0が大きくなるというトレードオフの関係があるので、所定のΔ11とRa11に対してΔD0が十分小さくなるような範囲でd14/d11を大きくする必要がある。例えば、Δ11が2.4%、Δ12が−0.6%、Ra11が0.4の場合は、d14/d11が1.7より大きいとカットオフ波長が1500nm以上になってしまい、d14/d11が1.3より小さいとΔD0が0.7[(ps/nm/km)/%]より大きくなってしまうので、d14/d11は1.3以上1.7以下であることが好ましい。
【0066】
また、Δ11が1.8%未満であると、ΔD0が大きくなるだけでなく、有効コア断面積を18μm2以下にするのが困難となるが、本実施の形態1に係る非線形光ファイバ10はΔ11が1.8%以上であるから、ΔD0が十分に小さく光ファイバの長手方向での波長分散特性が安定したものとなり、かつ有効コア断面積を容易に18μm2以下とでき高い非線形性を維持できる。さらに本実施の形態1に係る非線形光ファイバ10は、好ましくはΔ11が2.2%以上であるから、有効コア断面積が容易に15μm2以下とでき一層高い非線形性を維持でき、非線形光学現象の発生効率を高めることができる。
【0067】
また、Ra11、すなわちd11/d12が0.4より大きいと、ΔD0が大きくなるだけでなく、有効コア断面積も大きくなるが、本実施の形態1に係る非線形光ファイバ10はd12/d11が2.5以上、より好ましくは3.0以上であるから、Ra11が0.4以下となるので、ΔD0が十分に小さく光ファイバの長手方向での波長分散特性が安定したものとなり、かつ有効コア断面積を小さくでき高い非線形性を維持できる。
【0068】
また、Δ12を大きくすると、カットオフ波長が大きくなるだけでなく、有効コア断面積も大きくなる。そしてΔ12が−0.2%より大きいと、カットオフ波長を1500nm未満にするのが困難になる。また、Δ12を−1.2%未満にするのは製造上困難である。しかし、本実施の形態1に係る非線形光ファイバ10は、Δ12が−1.2%以上−0.2%以下、より好ましくは−1.2%以上−0.4%以下であるから、カットオフ波長を容易に1500nm未満にでき、製造も容易であり、かつ有効コア断面積を小さくでき高い非線形性を有するものとなる。
【0069】
また、Δ14を大きくするほどΔD0は小さくなるが、Δ14が0.6%より大きくなると、光ファイバの製造時に緩衝コア層14に気泡が混入し生産性が悪化しやすくなる。また、Δ14が0.1%未満では緩衝コア層14によるΔD0の低減効果が得られなくなる。しかし、本実施の形態1に係る非線形光ファイバ10はΔ14が0.1%以上0.6%以下、より好ましくは0.3%以上0.6%以下であるから、生産性が高く、ΔD0の低減効果が顕著に得られる。
【0070】
次に、比較のため、緩衝コア層を有しない従来型の非線形光ファイバにおける光の電界分布から、コアの直径を変化させたときの波長分散値が0ps/nm/kmになる近傍での波長分散値の変化をシミュレーションにより算出した。この従来型の非線形光ファイバは、図11に示すように、直径がd11´でありα形の屈折率プロファイル11a´を有し最大屈折率がnc11´である中心コア部と、中心コア部の周囲に形成され中心コア部よりも屈折率が低く外径がd12´であり屈折率プロファイル12a´を有し最小屈折率がnc12´であるコア層とを有するコアと、コア層の周囲に形成され中心コア部よりも屈折率が低くかつコア層よりも屈折率が高く屈折率プロファイル16a´を有し屈折率がncl10´であるクラッドとを有するものである。シミュレーションにおいて、コアの直径は、コア層(ディプレストコアとも呼ばれる)の外径d12´に対する中心コア部(センターコアとも呼ばれる)の直径d11´の比であるRa11´を一定としたまま、コア層の外径d12´を変化させることにより変化させた。
【0071】
図12は、シミュレーションにおいて用いるプロファイルパラメータを、図3に示す場合と同様に、Ra11´=0.20、Δ11´=3.0、α11´=3、Δ12´=−0.6として、波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層の外径d12´を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。図12が示すように、コア層の外径d12´が21.1μmのときに波長分散値Dの絶対値がもっとも小さくなるが、このときの波長分散値の変化ΔDは0.68[(ps/nm/km)/%]である。この値は、図3に示した緩衝コア層14を有する本実施の形態1に係る非線形光ファイバ10におけるΔDの値である0.52[(ps/nm/km)/%]より大きい。
【0072】
また、図13は、プロファイルパラメータを、図4に示す場合と同様に、Ra11´=0.40、Δ11´=3.0、α11´=3、Δ12´=−0.6として、波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層の外径d12´を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。図13が示すように、コア層の外径d12´が10.6μmのときに波長分散値Dの絶対値がもっとも小さくなるが、このときの波長分散値の変化ΔDは0.70[(ps/nm/km)/%]である。この値は、図4に示した緩衝コア層14を有する本実施の形態1に係る非線形光ファイバ10におけるΔDの値である0.47[(ps/nm/km)/%]より大きい。
【0073】
以上のことから、本実施の形態1に係る非線形光ファイバ10は、非線形光ファイバの製造時に、製造条件のゆらぎにより光ファイバの長手方向でコアの直径が変動しても、中心コア部とコア層との間に形成され中心コア部よりも屈折率が低くかつコア層よりも屈折率の高い1以上の緩衝コア層を有することによって、長手方向でのコアの直径の変動による波長分散特性の変動が緩和される。したがって、長手方向で波長分散特性が安定しており非線形光学現象を効率よく利用できる非線形光ファイバが実現できる。
【0074】
次に、本発明に係る非線形光ファイバの実施例について、各特性値の実測結果に基づき、具体的に説明する。
【0075】
(実施例1〜6)
実施例1〜6として、本発明に係る非線形光ファイバ101〜106を製造した。これらの非線形光ファイバ101〜106は、いずれも図1、2に示す構造および屈折率プロファイルを有するものであり、プロファイルパラメータとして、Ra11=0.22、Δ11=3.0、α11=3.4、Ra12=0.27、Δ14=0.4、α14=3.6、Δ12=−0.6、Δclad=0を有する同一のコア母材を用いて製造したものである。ただし、製造の際に、クラッドの外径を変化させることにより、コア層の外径d12を変化させて、波長分散値などの諸特性を変化させたものである。
【0076】
図14は、実施例1〜6の非線形光ファイバ101〜106の諸特性の実測値を示す。なお、波長分散、分散スロープ、損失、有効コア断面積、非線形係数および偏波モード分散は、波長1550nmにおける値である。また、有効コア断面積、カットオフ波長、コア層の外径、クラッドの外径および被覆の外径は、製造した非線形光ファイバの両端部において測定した値の平均値である。
【0077】
図14に示すように、非線形光ファイバ101〜106はいずれも、カットオフ波長は1500nm未満であった。また、非線形光ファイバ101〜106はいずれも、波長1550nmにおける特性として、波長分散の絶対値は5ps/nm/km以下であり、波長分散スロープの絶対値は0.02以上0.06ps/nm2/km以下であり、非線形係数は40×10-10/W以上であり、伝送損失は1.5dB/km以下であり、偏波モード分散は0.2ps/km1/2以下であった。また、103〜106のクラッドの外径は100μm以下であり、被覆の外径は150μm以下であった。
【0078】
次に、非線形光ファイバ101〜106のコア層の外径と波長分散値の関係から、式(7)によりコア層の外径が1%変化したときの波長分散値の変化ΔDを計算したところ、いずれの光ファイバにおいても0.7[(ps/nm/km)/%]以下であった。
【0079】
次に、実施例4の非線形光ファイバ106について、非特許文献であるOptics Letters vol.21 pp.1724-1726(1996)に開示されている非線形OTDR法により、光ファイバの長手方向での波長分散の変動を測定した。ファイバ長は3kmであり、測定波長は1550nmとした。図15は非線形光ファイバ106の長手方向での波長分散の変動の測定結果を示すグラフであり、横軸は光ファイバ端部からの位置、縦軸は波長分散を示す。図15が示すように、波長1550nmにおける光ファイバの長手方向の波長分散の変動幅は、最大でも1kmあたり0.6ps/nm/km以下であった。また、図15の測定結果から、光ファイバの長手方向の零分散波長の変動を計算した。図16は非線形光ファイバ106の長手方向での零分散波長の変動の計算結果を示すグラフであり、横軸は光ファイバ端部からの位置、縦軸は零分散波長を示す。図16が示すように、光ファイバの長手方向での零分散波長の変動幅は、最大でも1kmあたり15nm以下であった。
【0080】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る非線形光ファイバについて説明する。本実施の形態2に係る非線形光ファイバは、実施の形態1に係る非線形光ファイバと比べて、コアが、コア層とクラッドとの間に形成されクラッドよりも屈折率が高い付加コア層を有する点が異なる。
【0081】
図17は、本発明の実施の形態2に係る非線形光ファイバの断面を模式的に表した図であり、図18は、本発明の実施の形態2に係る非線形光ファイバの屈折率プロファイルを模式的に表した図である。図17および18に示すように、本実施の形態2に係る非線形光ファイバ20は、実施の形態1に係る非線形ファイバ10と同様の構造を有するが、コア25はさらに、コア層22とクラッド26との間に形成されクラッド26よりも屈折率が高い外径がd23の付加コア層23を有する。
【0082】
また、図18に示すように、非線形光ファイバ20において、実施の形態1に係る非線形光ファイバ10と同様の屈折率プロファイルを有するが、さらに、付加コア層23は外径がd23であって、屈折率プロファイル23aを有し、最大屈折率はnc23である。
【0083】
ここで、実施の形態1に係る非線形光ファイバ10と同様に、d21/d22をRa21、d24/d22をRa22とし、クラッド26に対する中心コア部21の比屈折率差をΔ21、クラッド26に対するコア層22の比屈折率差をΔ22、クラッド26に対する緩衝コア層24の比屈折率差をΔ24とする。さらに、コア層22の外径d22に対する付加コア層23の外径d23の比であるd23/d22をRa23とし、クラッド26に対する付加コア層23の最大比屈折率差をΔ23とする。Δ21、Δ22、Δ24についてはΔ11、Δ12、Δ14と同様に式(1)〜(3)と同様の式が成り立つ。また、Δ23については式(8)が成り立つ。
【0084】
Δ23=[(nc23−ncl20)/nc23]×100 (%) (8)
【0085】
非線形光ファイバ20において、非線形光ファイバ10と同様に、d24/d21は1.2以上2.0以下である。また、Δ21は1.8%以上であり、より好ましくは2.2%以上である。また、d22/d21は2.5以上であり、より好ましくは3.0以上である。また、Δ22は−1.2以上−0.2%以下であり、より好ましくは−1.2以上−0.4%以下である。また、Δ24は0.1以上0.6%以下であり、より好ましくは0.3以上0.6%以下である。さらに、Ra23、すなわちd23/d22は1.2以下であり、Δ23は0.3%以下であるから、付加コア層の面積が小さいので、カットオフ波長を信号光波長より小さい所定の値にすることが容易になる。
【0086】
また、非線形光ファイバ20の伝送特性については、非線形光ファイバ10と同様に、波長1500nm以上の信号光をシングルモードで伝送させるために、カットオフ波長は1500nm未満である。また、長手方向の零分散波長の変動幅は長さ1kmあたり30nm以下である。また、波長1550nmにおいて、長手方向での波長分散の変動幅は長さ1kmあたり1ps/nm/km以下であり、波長分散の絶対値は5ps/nm/km以下であり、より好ましくは1ps/nm/km以下である。また、波長分散の絶対値が5ps/nm/km以下の範囲において、コア層12の外径が1%変動したときの波長1550nmにおける波長分散の変動は0.7ps/nm/km以下である。さらに、波長1550nmにおいて、波長分散スロープの絶対値は0.02ps/nm2/km以上0.06ps/nm2/km以下であり、伝送損失は1.5dB/km以下であり、偏波モード分散は0.2ps/km1/2以下である。また、光学非線形性については、波長1550nmにおける非線形係数は40×10-10/W以上である。
【0087】
次に、本実施の形態2に係る非線形光ファイバ20の特性を、シミュレーション結果をもとに説明する。最初に、非線形光ファイバの屈折率プロファイルと光ファイバの長手方向での波長分散安定性との関係について説明する。図18に示す屈折率プロファイルを有する非線形光ファイバ20を伝搬する光の電界分布から、コア25の直径を変化させたときの波長分散値の変化をシミュレーションにより算出した。このシミュレーションにおいては、コア25の直径は、コア層22の外径d22に対する中心コア部21の直径d21の比Ra21と、コア層22の外径d22に対する緩衝コア層24の外径d24の比Ra22と、コア層22の外径d22に対する付加コア層23の外径d23の比Ra23とを一定としたまま、コア層22の外径d22を変化させることにより変化させた。
【0088】
図19は、シミュレーションにおいて用いるプロファイルパラメータを、Ra21=0.20、Δ21=3.0、α21=3、Ra22=0.25、Δ24=0.4、α24=4、Δ22=−0.6、Ra23=1.2、Δ23=0.2として、波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層22の外径d22を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。図19が示すように、コア層22の外径d22が20.2μmのときに波長分散値Dの絶対値がもっとも小さくなるが、このときの波長分散値の変化ΔDは0.53[(ps/nm/km)/%]であり、後述する従来の非線形光ファイバにおける値よりも十分に小さい値となる。
【0089】
また、図20は、プロファイルパラメータを、Ra21=0.40、Δ21=3.0、α21=3、Ra22=0.55、Δ24=0.4、α24=4、Δ22=−0.6、Ra23=1.2、Δ23=0.2として、波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層22の外径d22を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。図20が示すように、コア層22の外径d22が10.4μmのときに波長分散値Dの絶対値がもっとも小さくなるが、このときの波長分散値の変化ΔDは0.48[(ps/nm/km)/%]であり、後述する従来の非線形光ファイバにおける値よりも十分に小さい値となる。
【0090】
次に、比較のため、緩衝コア層を有しない従来型の非線形光ファイバにおける光の電界分布から、コアの直径を変化させたときの波長分散値が0ps/nm/kmになる近傍での波長分散値の変化をシミュレーションにより算出した。この従来型の非線形光ファイバは、図21に示すように、図11に示す従来の非線形光ファイバと同様の構造と屈折率プロファイルを有し、コアはさらに、コア層とクラッドとの間に形成されクラッドよりも屈折率が高く外径がd23´であり屈折率プロファイル23a´を有し最大屈折率はnc23´である付加コア層を有する。シミュレーションにおいて、コアの直径は、コア層の外径d22´に対する中心コア部の直径d21´の比であるRa21´と、コア層の外径d22´に対する付加コア層の外径d23´の比Ra23´とを一定としたまま、コア層の外径d22´を変化させることにより変化させた。
【0091】
図22は、シミュレーションにおいて用いるプロファイルパラメータを、図19に示す場合と同様に、Ra21´=0.20、Δ21´=3.0、α21´=3、Δ22´=−0.6、Ra23´=1.2、Δ23´=0.2として、波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層の外径d22´を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。図22が示すように、コア層の外径d22´が21.1μmのときに波長分散値Dの絶対値がもっとも小さくなるが、このときの波長分散値の変化ΔDは0.69[(ps/nm/km)/%]である。この値は、図19に示した緩衝コア層を有する本実施の形態2に係る非線形光ファイバ20におけるΔDの値である0.53[(ps/nm/km)/%]より大きい。
【0092】
また、図23は、プロファイルパラメータを、図20に示す場合と同様に、Ra21´=0.40、Δ21´=3.0、α21´=3、Δ22´=−0.6、Ra23´=1.2、Δ23´=0.2として、波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層の外径d22´を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。図23が示すように、コア層の外径d22´が10.6μmのときに波長分散値Dの絶対値がもっとも小さくなるが、このときの波長分散値の変化ΔDは0.71[(ps/nm/km)/%]である。この値は、図20に示した緩衝コア層を有する本実施の形態2に係る非線形光ファイバ20におけるΔDの値である0.48[(ps/nm/km)/%]より大きい。
【0093】
以上のことから、本実施の形態2に係る非線形光ファイバ20についても、実施の形態1に係る非線形光ファイバ10と同様に、長手方向で波長分散特性が安定しており非線形光学現象を効率よく利用できる非線形光ファイバが実現できる。
【0094】
(実施例7〜9)
実施例7〜9として、本発明に係る非線形光ファイバ201〜203を製造した。これらの非線形光ファイバ201〜203は、いずれも図17、18に示す構造および屈折率プロファイルを有するものであり、プロファイルパラメータとして、Ra21=0.21、Δ21=3.0、α21=3.4、Ra22=0.26、Δ24=0.4、α24=3.6、Δ22=−0.6、Ra23=1.15、Δ23=0.2、Δclad=0を有する同一のコア母材を用いて製造したものである。ただし、製造の際に、クラッドの外径を変化させることにより、コア層の外径d22を変化させて、波長分散値などの諸特性を変化させたものである。
【0095】
図24は、実施例7〜9の非線形光ファイバ201〜203の諸特性の実測値を示す。なお、波長分散、分散スロープ、損失、有効コア断面積、非線形係数および偏波モード分散は、波長1550nmにおける値である。また、有効コア断面積、カットオフ波長、コア層の外径、クラッドの外径および被覆の外径は、製造した非線形光ファイバの両端部において測定した値の平均値である。
【0096】
図24に示すように、非線形光ファイバ201〜203はいずれも、カットオフ波長は1500nm未満であった。また、非線形光ファイバ201〜203はいずれも、波長1550nmにおける特性として、波長分散の絶対値は5ps/nm/km以下であり、波長分散スロープの絶対値は0.02ps/nm2/km以上0.06ps/nm2/km以下であり、非線形係数は40×10-10/W以上であり、伝送損失は1.5dB/km以下であり、偏波モード分散は0.2ps/km1/2以下であった。
【0097】
次に、非線形光ファイバ201〜203のコア層の外径と波長分散値の関係から、式(7)によりコア層の外径が1%変化したときの波長分散値の変化ΔDを計算したところ、いずれの光ファイバにおいても0.7[(ps/nm/km)/%]以下であった。
【0098】
次に、実施例9の非線形光ファイバ203について、前述の非線形OTDR法により、光ファイバの長手方向での波長分散の変動を測定した。ファイバ長は2kmであり、測定波長は1550nmとした。図25は非線形光ファイバ203の長手方向での波長分散の変動の測定結果を示すグラフであり、横軸は光ファイバ端部からの位置、縦軸は波長分散を示す。図25が示すように、波長1550nmにおける光ファイバの長手方向の波長分散の変動幅は、最大でも1kmあたり0.1ps/nm/km以下であった。また、図25の測定結果から、光ファイバの長手方向の零分散波長の変動を計算した。図26は非線形光ファイバ203の長手方向での零分散波長の変動の計算結果を示すグラフであり、横軸は光ファイバ端部からの位置、縦軸は零分散波長を示す。図26が示すように、光ファイバの長手方向での零分散波長の変動幅は、最大でも1kmあたり2.5nm以下であった。
【0099】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る非線形光ファイバについて説明する。本実施の形態3に係る非線形光ファイバは、実施の形態2に係る非線形光ファイバと比べて、クラッドの中心コア部を挟む両側に、応力付与部材が設けられたものである点が異なる。
【0100】
図27は、本発明の実施の形態3に係る非線形光ファイバの断面を模式的に表した図であり、図28は、本発明の実施の形態3に係る非線形光ファイバの屈折率プロファイルを模式的に表した図である。図27および28に示すように、本実施の形態3に係る非線形光ファイバ30は、実施の形態2に係る非線形光ファイバ20と同様の構造を有し、さらに、クラッド36の中心コア部31を挟む両側に、直径Rの応力付与部材(応力付与母材)38が間隔rで設けられたものである。応力付与部材38を設けたことによってコア35には応力付与部材38が設けられている方向に応力が付与されるので、非線形光ファイバ30は偏波保持型の光ファイバとなる。
【0101】
応力付与部材38はボロンを含むシリカガラスからなるものとできる。ボロンを含むシリカガラスは純粋なシリカガラスに比べて大きな熱膨張係数を有するので、光ファイバ部材を線引きして光ファイバを製造する際に応力付与部材38に引っ張り応力が生じるので、この引っ張り応力によりコア35の応力付与部材38が設けられている方向に応力が付与される。
【0102】
応力付与部材38のクラッド36に対する最小または最大比屈折率差をΔBとすると、ΔBはクラッド36の屈折率ncl30と応力付与部材38の最小または最大屈折率nCBを用いて式(9)によって定義される。
【0103】
ΔB=[(ncB−ncl30)/ncB]×100 (%) (9)
【0104】
ΔBが−0.1%より大きく0.1%より小さいと、応力付与部材38とクラッド36との屈折率差が小さすぎるため、応力付与部材38の位置を光学的に認識しにくくなる。本実施の形態3に係る非線形光ファイバ30を応力付与部材を有する他の偏波保持型光ファイバと接続する際には、偏波を保持しながら信号光を伝送するために光ファイバ同士の応力付与部材の位置を一致させて接続する必要がある。したがって、本実施の形態3に係る非線形光ファイバ30では、他の光ファイバとの接続の際に応力付与部材38の位置を光学的に認識しやすくするために、ΔBは−0.1%以下もしくは0.1%以上であり、より好ましくは−0.8%以上−0.2%以下である。
【0105】
また、非線形光ファイバ30は、波長1550nmにおける偏波クロストークが長さ100mあたり−20dB以下であるから、良好な偏波保持特性を有するものである。
【0106】
(実施例10〜12)
実施例10〜12として、本発明に係る非線形光ファイバ301〜303を製造した。これらの非線形光ファイバ301〜303は、いずれも図27、28に示す構造および屈折率プロファイルを有するものである。そして、実施の形態2と同様に定義されるプロファイルパラメータとして、Ra31=0.37、Δ31=3.0、α31=3.4、Ra32=0.46、Δ34=0.4、α34=3.6、Δ32=−0.6、Ra33=1.21、Δ33=0.2、Δclad=0を有する同一のコア母材を用いて製造したものである。ただし、製造の際に、クラッドの外径を変化させることにより、コアの外径d32を変化させて、波長分散値などの諸特性を変化させたものである。
【0107】
図29は、実施例10〜12の非線形光ファイバ301〜303の諸特性の実測値を示す。なお、波長分散、分散スロープ、損失、有効コア断面積、非線形係数およびクロストークは、波長1550nmにおける値である。また、クロストークは、測定値を長さ100mあたりの値に換算したものである。また、有効コア断面積、カットオフ波長、コア層の外径、クラッドの外径および被覆の外径は、製造した非線形光ファイバの両端部において測定した値の平均値である。
【0108】
図29に示すように、非線形光ファイバ301〜303はいずれも、カットオフ波長は1500nm未満であった。また、非線形光ファイバ301〜303はいずれも、波長1550nmにおける特性として、波長分散の絶対値は5ps/nm/km以下であり、波長分散スロープの絶対値は0.02ps/nm2/km以上0.06ps/nm2/km以下であり、非線形係数は40×10-10/W以上であり、伝送損失は1.5dB/km以下であり、偏波クロストークは長さ100mあたり−20dB以下であった。
【0109】
次に、非線形光ファイバ301〜303のコア層の外径と波長分散値の関係から、式(7)によりコア層の外径が1%変化したときの波長分散値の変化ΔDを計算したところ、いずれの光ファイバにおいても0.7[(ps/nm/km)/%]以下であった。
【0110】
次に、実施例12の非線形光ファイバ303について、前述の非線形OTDR法により、光ファイバの長手方向での波長分散の変動を測定した。ファイバ長は1kmであり、測定波長は1550nmとした。図30は非線形光ファイバ303の長手方向での波長分散の変動の測定結果を示すグラフであり、横軸は光ファイバ端部からの位置、縦軸は波長分散を示す。図30が示すように、波長1550nmにおける光ファイバの長手方向の波長分散の変動幅は、最大でも1kmあたり0.13ps/nm/km以下であった。
【0111】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係る非線形光デバイスについて説明する。図31は、本発明の実施の形態4に係る非線形光デバイスを模式的に表した図である。本実施の形態4に係る非線形デバイス40は、特許文献1に開示されるものと同様の波形整形デバイスであり、光入力部41と、光出力部42と、光入力部41と光出力部42の間に設けられ、光入力部41から入力したパルス光によってSPMを生じさせてパルス光をソリトン変換し、波形整形されたソリトン光を光出力部42に出力する本発明に係る非線形光ファイバ43a〜43eとを有する。また、通常の光伝送路に用いられる光学非線形性の低い光ファイバ44a〜44eが、非線形光ファイバ43a〜43eと交互に配置される。そして、各光ファイバの長さを調整して非線形性と波長分散とを釣り合わせ、ソリトン変換による波形整形機能を実現する。非線形デバイス40は、波長分散特性が光ファイバの長手方向で安定している本発明の非線形光ファイバ43a〜43eを用いているので、SPMが効率的に発生し、非線形光ファイバの長さが短くても効率的に波形整形を行うことができる。
【0112】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5に係る光信号処理装置について説明する。図32は、本発明の実施の形態5に係る光信号処理装置を模式的に表した図である。本実施の形態5に係る光信号処理装置50は、特許文献2に開示されるものと同様の波長変換装置であり、光信号入力部51と、光信号処理部56と、光信号出力部52とを有する。光信号処理部56は、本発明の非線形光ファイバ53と、励起光を出力する励起光源55と、励起光と信号光とを合波して非線形光ファイバに入力させる光合波器54とを有する。そして、信号光入力部51から入力した信号光は、光信号処理部56に入力する。光信号処理部56において、信号光は光合波器54により励起光と合波されて非線形光ファイバ53に入力し、励起光により非線形光ファイバ53中で発生したFWMを用いて信号光を異なる波長へと波長変換し、波長変換された信号光が光信号出力部52より出力される。光信号処理装置50は、波長分散値が光ファイバの長手方向で安定して小さい本発明の非線形光ファイバ53を用いているので、非線形光ファイバの長さが短くても効率的に波長変換を行うことができる。
【0113】
なお、上記実施の形態1〜3に係る非線形光ファイバでは、緩衝コア層14〜34は1つだけ形成されているが、2つ以上形成されていてもよい。また、中心コア部および緩衝コア層はα型の屈折率プロファイルを有するものとしたが、ステップ型の屈折率プロファイルを有するものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態1に係る非線形光ファイバの断面を模式的に表した図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る非線形光ファイバの屈折率プロファイルを模式的に表した図である。
【図3】波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層の外径を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。
【図4】波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層の外径を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。
【図5】Ra11、Ra12以外のパラメータを固定して、Ra11、Ra12を変化させたときの波長分散値の変化ΔD0を比較した結果を示す図であって、Δ11を3.0とした場合を示す図である。
【図6】Ra11、Ra12以外のパラメータを固定して、Ra11、Ra12を変化させたときの波長分散値の変化ΔD0を比較した結果を示す図であって、Δ11を2.4とした場合を示す図である。
【図7】Ra11、Ra12以外のパラメータを固定して、Ra11、Ra12を変化させたときの波長分散値の変化ΔD0を比較した結果を示す図であって、Δ11を1.8とした場合を示す図である。
【図8】図6に示す場合とはΔ12が異なる場合を示す図である。
【図9】図6に示す場合とはΔ12が異なる場合を示す図である。
【図10】図5に示す場合においてΔ14を変化させた場合を示す図である。
【図11】従来型の非線形光ファイバの屈折率プロファイルを模式的に表した図である。
【図12】波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層の外径を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。
【図13】波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層の外径を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。
【図14】本発明の実施例1〜6の非線形光ファイバの特性を示す図である。
【図15】非線形光ファイバの長手方向での波長分散の変動の測定結果を示すグラフであり、横軸は光ファイバ端部からの位置、縦軸は波長分散を示す。
【図16】非線形光ファイバの長手方向での零分散波長の変動の計算結果を示すグラフであり、横軸は光ファイバ端部からの位置、縦軸は零分散波長を示す。
【図17】本発明の実施の形態2に係る非線形光ファイバの断面を模式的に表した図である。
【図18】本発明の実施の形態2に係る非線形光ファイバの屈折率プロファイルを模式的に表した図である。
【図19】波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層の外径を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。
【図20】波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層の外径を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。
【図21】従来型の非線形光ファイバの屈折率プロファイルを模式的に表した図である。
【図22】波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層の外径を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。
【図23】波長分散値Dが0ps/nm/kmになる近傍でコア層の外径を1%変化させたときの波長分散値の変化ΔD、波長分散スロープS、有効コア断面積Aeff、カットオフ波長λcを算出した結果を示す図である。
【図24】本発明の実施例7〜9の非線形光ファイバの特性を示す図である。
【図25】非線形光ファイバの長手方向での波長分散の変動の測定結果を示すグラフであり、横軸は光ファイバ端部からの位置、縦軸は波長分散を示す。
【図26】非線形光ファイバの長手方向での零分散波長の変動の計算結果を示すグラフであり、横軸は光ファイバ端部からの位置、縦軸は零分散波長を示す。
【図27】本発明の実施の形態3に係る非線形光ファイバの断面を模式的に表した図である。
【図28】本発明の実施の形態3に係る非線形光ファイバの屈折率プロファイルを模式的に表した図である。
【図29】本発明の実施例10〜12の非線形光ファイバの特性を示す図である。
【図30】非線形光ファイバの長手方向での波長分散の変動の測定結果を示すグラフであり、横軸は光ファイバ端部からの位置、縦軸は波長分散を示す。
【図31】本発明の実施の形態4に係る非線形光デバイスを模式的に表した図である。
【図32】本発明の実施の形態5に係る光信号処理装置を模式的に表した図である。
【符号の説明】
【0115】
10〜30 非線形光ファイバ
11〜31 中心コア部
12〜32 コア層
23、33 付加コア層
14〜34 緩衝コア層
15〜35 コア
16〜36 クラッド
17〜37 被覆
38 応力付与部材
40 非線形光デバイス
41 光入力部
42 光出力部
43a〜43e 非線形光ファイバ
44a〜44e 光ファイバ
50 光信号処理装置
51 光信号入力部
52 光信号出力部
53 非線形光ファイバ
54 光合波器
55 励起光源
56 光信号処理部




 

 


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