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発明の名称 光波形成型器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−72071(P2007−72071A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−257662(P2005−257662)
出願日 平成17年9月6日(2005.9.6)
代理人 【識別番号】100101764
【弁理士】
【氏名又は名称】川和 高穂
発明者 味村 裕 / 井上 崇
要約 課題
光ファイバ通信システムで用いられる光パルス発生技術や、材料加工用途に用いられる超短光パルス発生技術などに適用される光波形成型器について、小型化が可能であり、正常動作する波長範囲が従来より広く、かつ位相シフト誤差を小さくすること。

解決手段
波長1550nmにおける分散値がシングルモードファイバより大きい分散媒体用光ファイバ3Bと、前記分散媒体用光ファイバに接続される非線型媒体用光ファイバ3Aとを有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
波長1550nmにおける分散値がシングルモードファイバより大きい分散媒体用光ファイバと、
前記分散媒体用光ファイバに接続される非線型媒体用光ファイバと
を有することを特徴とする光波形成形器。
【請求項2】
波長1550nm付近の任意の波長範囲を設定し、前記波長範囲内のある波長における2次分散を前記波長範囲内での2次分散の偏差で割った値の絶対値がシングルモードファイバより大きい分散媒体用光ファイバと、
前記分散媒体用光ファイバに接続される非線型媒体用光ファイバと
を有することを特徴とする光波形成形器。
【請求項3】
前記分散媒体用光ファイバは、ノンゼロ分散シフトファイバであることを特徴とする請求項2に記載の光波形成形器。
【請求項4】
波長1550nmにおける非線形定数がシングルモードファイバより小さい分散媒体用光ファイバと、
前記分散媒体用光ファイバに接続される非線型媒体用光ファイバと
を有することを特徴とする光波形成形器。
【請求項5】
波長1550nmでの曲げ半径15mmにおける曲げ損失がシングルモードファイバより小さい分散媒体用光ファイバと、
前記分散媒体用光ファイバに接続される非線型媒体用光ファイバと
を有することを特徴とする光波形成形器。
【請求項6】
前記分散媒体用光ファイバは、コア領域の周囲のクラッドに複数の空孔が形成された構造を有していることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4、請求項5のいずれか1つに記載の光波形成形器。
【請求項7】
前記非線形媒体用光ファイバとして非線形定数が25/W/kmより大きい光ファイバを用いることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の光波形成形器。
【請求項8】
前記非線形媒体用光ファイバは、コア領域の周囲のクラッドに空孔が形成された構造を有していることを特徴とする請求7に記載の光波形成形器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光波形成型器に関し、より詳しくは、光ファイバ通信システムで用いられる光パルス発生技術や、材料加工用途に用いられる超短光パルス発生技術などに適用される光波形成型器に関する。
【背景技術】
【0002】
高非線形ファイバ(HNLF)と異常分散ファイバを交互に組み合わせて構成される光波形成形器については、下記の非特許文献1などに記載されているようにこれまでに様々な技術開発が行われてきている。そのような構成を有する光波形成形器は、ファイバの非線形定数と分散値の両方が長手方向に櫛状のプロファイルを形成していることから、Comb-like Profiled Fiber(CPF)光波形生成器と呼ばれ、光パルスを最適に圧縮するように動作される。
【0003】
CPF光波形成形器の特徴は、全長が短いにもかかわらず、高効率で高品質な光パルス成形が可能なことである。ここでいう高品質なパルス成形とは、高次ソリトン圧縮の際に生じるようなペデスタル増大現象や変調不安定利得による著しい雑音増幅現象、及びそれに伴うタイミングジッタ付加が発生しないパルス成形を意味する。CPF光波形成形器によって成形された短光パルスは、通信用途の他に、高精度計測や多光子吸収過程による加工に用いられる。
CPF光波形成形器を構成する異常分散ファイバとして、従来は通常の伝送用シングルモードファイバ(SMF)が用いられていた。ここでいうシングルモードファイバ(SMF)は,ITU−T勧告におけるG652型光ファイバのことを指している。
【非特許文献1】T. Inoue et al., “Design of comb-like profiled fiber for efficient pulse compression based on stationary rescaled-pulse propagation,” Proc. OFC2005, JWA7 (2005).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、CPF光波形成形器は、作成し易さや取り扱い等を考慮してより小型化を図る必要がある。
また、CPF光波形成形器では、伝搬光が光波形成型器の設計波長から離れると異常分散ファイバの2次分散βの波長依存性により累積分散値が異なるので、従来の構造では光波形成型器が正常動作する波長範囲がかなり狭まかった。ここで、分散値Dは、群遅延量βが波長λに対して変化する値でありdβ/dλで定義されるが、正確には,光波形成型器の特性は,群遅延量βが周波数ωに対して変化する量、つまりdβ/dωで定義される2次分散βの累積値で特性が決定されるので、パルス圧縮動作の波長依存性を議論する場合には、2次分散βの波長依存性で議論する。
一方、高非線形ファイバの分散の波長依存性は、それ自体の分散が非常に小さいため、パルス圧縮動作の波長依存性にほぼ無関係である。
【0005】
さらに、従来のCPF光波形成形器では、異常分散ファイバについて非線形効果がないものとして設計を行っているが、非線形効果により位相シフトなどの誤差が生じている。これに対して、異常分散ファイバの非線形効果を考慮して設計を行えば従来の設計理論を使用できなくなって計算が煩雑になる。
【0006】
本発明は、小型化が可能であり、正常動作する波長範囲が従来より広く、かつ位相シフト誤差を小さくすることができる光波形成型器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための本発明の第1の態様は、波長1550nmにおける分散値がシングルモードファイバより大きい分散媒体用光ファイバと、前記分散媒体用光ファイバに接続される非線型媒体用光ファイバとを有することを特徴とする光波形成形器である。
本発明の第2の態様は、波長1550nm付近の任意の波長範囲を設定し、前記波長範囲内のある波長における2次分散値を前記波長範囲内での2次分散の偏差で割った値の絶対値がシングルモードファイバより大きい分散媒体用光ファイバと、前記分散媒体用光ファイバに接続される非線型媒体用光ファイバとを有することを特徴とする光波形成形器である。
【0008】
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記分散媒体用光ファイバは、ノンゼロ分散シフトファイバであることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、波長1550nmにおける非線形定数がシングルモードファイバより小さい分散媒体用光ファイバと、前記分散媒体用光ファイバに接続される非線型媒体用光ファイバとを有することを特徴とする光波形成形器である。
本発明の第5の態様は、波長1550nmでの曲げ半径15mmにおける曲げ損失がシングルモードファイバより小さい分散媒体用光ファイバと、前記分散媒体用光ファイバに接続される非線型媒体用光ファイバとを有することを特徴とする光波形成形器である。
【0009】
本発明の第6の態様は、第1、第2、第4又は第5において、前記分散媒体用光ファイバは、コア領域の周囲のクラッドに複数の空孔が形成された構造を有していることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第1乃至第6のいずれかの態様において、前記非線形媒体用光ファイバとして非線形定数が25/W/kmより大きい光ファイバを用いることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記非線形媒体用光ファイバは、コア領域の周囲のクラッドに空孔が形成された構造を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、非線形媒体と分散媒体を有する光波形成形器において、分散媒体として従来のシングルモードファイバよりも分散値の大きい光ファイバを使用しているので、光波形成形器を構成する分散媒体を短尺化することができ、光成形器の作成が容易になる。
また、波長1550nm付近に設定された任意の波長範囲内のある波長における2次分散をその波長範囲内での2次分散の偏差で割った値の絶対値が従来のシングルモードファイバよりも大きな光ファイバを光波形成形器の分散媒体として用いているので、光波形成形器の広帯域動作が可能となる。
【0011】
さらに、従来のシングルモードファイバよりも非線定数の小さい光ファイバを光波形成形器の分散媒体として用いているので、光波形成形器の設置誤差が小さくなり、入力光パルスのピークパワーが大きくなった場合でも取り回し長が長くできる。
また、従来のシングルモードファイバよりも曲げ損失が小さい光ファイバを光波形成形器の分散媒体として用いているので、光波形成形器を構成する分散媒体のファイバボビンの小型化が可能になり、光波形成形器を小さくすることが可能になる。
【0012】
以上のような分散媒体となる光ファイバは、コアの周囲に空孔を有するクラッドを持つ光ファイバにより実現できる。また、任意に設定した波長範囲内である波長における2次分散をその波長範囲内での2次分散の偏差で割った値の絶対値が大きい光ファイバとしてノンゼロ分散シフトファイバがあり、曲げ損失の小さい光ファイバはコアに高い屈折率を持たせる構造により実現できる。
さらに、光波形成形器の非線形媒体として、従来よりも非線形定数の大きい光ファイバを用いることにより、ファイバ長が従来よりも短くなり、これにより光波形成形器の作成が容易になる。そのような光ファイバとして、コアの周囲に空孔を有する光ファイバがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光波形成形器を含むパルス発生器の構成図である。
図1において、パルス発生器1はパルス供給器2と光波形成形器3を有している。
【0014】
パルス供給器2は、波長可変で光パルスを発生するパルス光源4と、パルス光源4で発生した光パルスを増幅する光増幅器5と、光増幅器5により増幅された光パルスに含まれる自然放出光雑音を除去する帯域通過光フィルタ(BPF:Band Pass Filter)6とを有している。なお、パルス供給器2は、光増幅器5と帯域通過光フィルタ6を含まない構成としてもよい。
【0015】
パルス光源4としては、周波数の異なる2つのレーザー光を合波して得られるビート光を圧縮して光パルスを出力する構成や、1つのレーザ光を強度変調器により変調して光パルスを出力する構成や、直接変調DFB(Distributed Feedback)レーザに正弦波電気信号を入力してレーザの利得スイッチ動作によって光パルスを出力する構成や、1つの波長可変光源とZカットLN−MZI強度変調器からなる構成や、その他の構成を採用することができる。
光波形成形器3は、図2に示すように、高非線形媒体3Aである高非線形ファイバと分散媒体3Bである異常分散ファイバを接続した構成を一段として、これを複数段、例えば図1に示すように4段で接続した櫛状プロファイルファイバ(CPF)3a〜3dから構成されている。
【0016】
次に、光波形成形器3を構成する分散媒体として採用される光ファイバについて以下に説明する。
まず、従来のCPFについて考察する。
従来構造の光波形成形器を構成するシングルモードファイバ(SMF)と高非線形ファイバ(HNLF)について波長1550nmの入力光における分散値、分散スロープ、非線形定数、損失を表1に示す。
【表1】


また、表1の特性に基づいて波長1550nmでパルス圧縮動作を最適化する光波形成形器3は、表2に示すような長さで4段構成となる。
【表2】


【0017】
分散媒体として、従来使用されているシングルモードファイバの分散値は+17ps/nm/km程度であり、正の符号で絶対値の大きな光ファイバとしては伝送用シングルモードファイバが上限であって、例えば1550nm帯域では+17ps/nm/km程度より大きな光ファイバは存在しなかった。
【0018】
分散媒体として使用される光ファイバは、累積分散値が設計値になる長さで切り割って使用されるが、その分散値に上限があることはファイバ長に下限があることになり、設計によっては光ファイバが長くなってしまう。
例えば、分散媒体として分散値が+17ps/nm/kmのシングルモードファイバを使用する場合に、累積分散値+10ps/nmを得るためには588mのファイバ長が必要となってしまい、損失が大きくなったり、コストがかかったり、さらに、光ファイバを収納するためのスペースが大きくなってしまう。
【0019】
また、光ファイバには分散スロープが存在し、通常、波長が異なると分散も異なるので、同じファイバ長の同じ光ファイバであっても波長によって累積分散値が異なってくる。
累積分散値は設計値にある程度近くなければならないが、波長が設計波長から離れるにしたがって累積分散値も設計値から離れることになり、累積分散値がある誤差に達した時に、光波形成形器が正常に動作しなくなる。
【0020】
光波形成形器が正常動作する範囲を、光波形成型器の「帯域」と定義すると、その帯域は、設計波長における2次分散(β)を、2次分散の設計波長に対する偏差(Δβ)で割った値(β/Δβ)の絶対値がある値以上である波長範囲により決定される。
分散媒体として使用される従来のシングルモードファイバでは、設計波長1550nmの2次分散を、設計波長1550nmと1575nmの2次分散の偏差で割った値(β/Δβ)の絶対値は13程度が上限である。累積分散値の誤差の絶対値は、13の逆数である7.7%となり、例えば、累積分散値の誤差が7.7%以内で光波形成形器が正常動作するとすれば、設計波長から長波長側の帯域は15nmと狭くなる。
【0021】
また、光波形成形器における分散媒体については、設計を簡単にするために、通常、その分散媒体については非線形効果がないとして設計される。
しかし、分散媒体における非線型定数の下限は、1/W/km程度であり、特に、光パルスのピークパワーが大きくなってくると、非線形効果が無視できず、設計値との誤差が大きくなる。さらに、光パルスのピークパワーが特に大きくなった場合には、非線形効果が特に大きくなり、光波形成形器として動作させるための必要な分散値も特に大きくなるが、分散媒体自身による非線形効果が、分散による効果より大きくなってしまった場合には、もはや光波形成形器を構成することができなくなる。つまり、異常分散ファイバの非線形定数の下限によって、光波形成型器を構成することができる光パルスのピークパワーの上限が決定される。
【0022】
これに対して、非線形効果を考慮して設計を行えば、従来の設計理論を使用できなくなって設計が煩雑となってしまう。例えば、分散媒体と対で用いる高非線形媒体の非線形位相シフトはパルスピークにおいて1ラジアンとし、さらに非線形常数が1/W/kmで長さ500mの通常のシングルモードファイバを分散媒体として用いたときに、光ファイバの損失はないものとして100mWのピークパワーの光パルスを光波形成形器に入力した場合に、0.05ラジアンの位相シフトが起こるため、分散媒体の非線形効果を無視した場合に比べて5%の誤差が生じる。さらに、入力光パルスのピークパワーが2Wを超えると、異常分散ファイバの非線形効果だけを考えても1ラジアンを超えてしまい、分散媒体の非線形効果を考慮しても光波形成形器が構成できない。
【0023】
さらに、分散媒体として従来用いられているシングルモードファイバは曲げによる損失が大きいので、その損失を小さくするために曲げ半径を小さくすることができない。これでは光波形成型器が大きいものとなってしまう。従来の分散媒体として用いられているシングルモードファイバは曲げ半径15mmにおいて曲げ損失0.1dB/mより大きく、曲げ半径を100mmに設定すると、ファイバボビンのサイズは最低でも直径220mm程度の大きさになってしまう。
【0024】
一方、高非線形媒体に関して、従来の光ファイバでは非線形定数は25/W/km程度が上限であったため、必要な非線形位相シフトを得るためには、ある程度の長さの高非線形ファイバが必要となる。例えば、パルスピークにおいて1ラジアンの位相シフトを得るために、入力ピークパワーが100mWだとすると、非線形定数25/W/kmのファイバは400m必要となり、光波形成形器の小型化が図れない。
【0025】
そこで、本実施形態では、分散媒体3Bとして採用する光ファイバが、波長1550nmにおけるシングルモードファイバの分散値、例えば+17ps/nm/kmより大きな分散値を持つ構造のものを採用する。例えば、図3(a)に示すように光ファイバ31のコア領域32の周囲を多数の空孔33により囲んだり、或いは図3(b)に示すように光ファイバ34の高屈折率のコア部35の周囲のクラッド37に空孔36を配置したりというように、空孔を有する光ファイバがある。
この空孔を持つ光ファイバ31,34によれば、+34ps/nm/kmの分散値を持つ光ファイバの作成が可能である。そこで、そのような空孔を持つ光ファイバを表2に示す構成の分散媒体であるシングルモードファイバ(SMF)の代わりに使用すると、各段のCPF3a〜3dの分散媒体3Bである光ファイバの損失が変わらないと仮定した場合に、各段のCPF3a〜3dの分散媒体3Bの長さは表3のように250m以下となり、各段の空孔を有する光ファイバ31(34)は分散値に反比例して短くなる。
【表3】


【0026】
従来のシングルモードファイバでは分散スロープの影響で1610nmでの分散値は19.86ps/nmとなる。表2の例では、1段目のCPF3aにおける分散媒体3Bによる設計波長である1550nmでの累積分散値は8.13ps/nmであり,累積2次分散は−10.4psであるが、1610nmでは9.93ps/nm,つまり累積2次分散は−13.7psとなり、累積2次分散は、設計波長を基準として−31.8%の誤差となる。2段目以降のCPF3b〜3dも累積分散値に同じく−31.8%の誤差となるため、結果的に光波形整形器3から出力される光パルスのパルス幅が設計値に比べて増加する。
なお、シングルモードファイバと高非線形ファイバにさらに分散スロープ補償ファイバを接続する構造も考えられる。これによれば、波長1610nmでの累積分散値は7.98ps/nmであり、累積2次分散は−11.0psとなり、設計波長を基準として誤差は−5.9%となって、分散スロープ補償ファイバを用いることによるパルス幅の変動は少なくなるが、ファイバ長や損失が増加してしまう。
【0027】
以上のように、光ファイバのコアの周囲に空孔を設けることにより+34.4ps/nm/kmの分散値と+0.059ps/nm2/kmの分散スロープを同時に持つ光ファイバの作成が可能である。
表3によれば、波形成形器3の1段目のCPF3aの分散媒体3Bのシングルモードファイバの代替として図3に示すような空孔33,36を有する光ファイバ31,34を用いる場合に236mのファイバ長で足りるが、波長1610nmにおける分散は37.94ps/nm/km、つまり2次分散は−52.17ps/kmとなり、設計波長である1550nmでの2次分散−43.85ps/kmと比べて、誤差は従来のシングルモードファイバとくらべて小さい−19.0%となる。その誤差は、設計波長における2次分散β2を2次分散の偏差Δβで割った値(β2/Δβ)の絶対値に反比例するが、従来のシングルモードファイバではβ2/Δβの絶対値は3.15であるのに対して、空孔を設けた光ファイバではβ2/Δβの絶対値は5.26となり、波長を変化させた場合の誤差が0.6倍程度になっていることがわかる。従って、図3に例示するような空孔を持つ光ファイバ31,34を分散媒体として使用することにより、波形成形器3に入力する波長が設計波長から離れた場合の出力光パルス幅の増加量を小さくすることが可能である。
【0028】
また、β2/Δβの絶対値を大きくしたノンゼロ分散シフトファイバ(NZDSF:Non-Zero Dispersion Shifted Fiber)は、波長1550nmで分散値が5.19ps/nm/km(2次分散−6.62ps/km)であり、波長1610nmで分散値が4.80ps/nm/km(2次分散−6.60ps/km)であるため、2次分散の偏差は0.02である。β/Δβの絶対値は464となり、空孔を持つ光ファイバと比較しても、波長1610nmにおいてより設計値に近い光波形成形が可能になる。
【0029】
また、従来の分散媒体であるシングルモードファイバの非線形効果は無視されることが多いが、その非線形定数は例えば1.3/W/kmであるので、発生する非線形位相シフトは誤差が大きくなる。これに対して、光波形成形器3を構成する分散媒体3Bとしてフォトニッククリスタルファイバを用いれば、非線形定数をより小さく、例えばシングルモードファイバよりも小さくすることが可能となり、誤差が小さくなる。なお、フォトニッククリスタルファイバは、図3(a)に示した空孔33を有する光ファイバであり、そのコア領域32は周囲のクラッド領域30よりも高屈折率となっていて、空孔33の数、大きさ、配列を調整することにより、光学特性を制御できる構造を有する。
【0030】
また、光波形成形器3は、非線形効果による位相シフトと正の分散効果がバランスして光波形を形成できるため、ピークパワーが特に大きくなってしまうと、分散媒体3Bの非線形効果による位相シフトが大きくなり、分散効果を超えてしまう。従って、非線形定数がより小さい光ファイバを用いることにより、光波形成形器3を構成できるピークパワーの上限を大きくすることが可能になる。
通常、シングルモードファイバの曲げ損失は、例えば曲げ半径15mmにおいて、10dB以上であるが、図3に示すような空孔を有する光ファイバ31,34において、曲げ半径15mmにおける波長1550nmの曲げ損失が0.001dB/turn程度であり、単位を換算すると、0.01dB/mとなる。
【0031】
空孔を有する光ファイバ31,34を光波形成形器3における分散媒体3Bに適用する場合に、そのファイバ長を仮に500mとして、曲げ半径を10mmで使用すると、損失が5dBとなる。これに対して、分散媒体3Bとしてシングルモードファイバを使用した場合には損失が5000dB以上となる。
【0032】
従って、光波形成形器3を構成する分散媒体3Bとして、空孔を有する光ファイバを使用すると、曲げ半径を10mmとして収納することが可能になる。
シングルモードファイバでは曲げ半径100mm以上が必要であり、ファイバボビンのサイズは最低でも直径220mmの大きさが必要となる。
【0033】
これに対し、空孔を有する光ファイバを使用すると、曲げ半径を15mmとしてファイバボビンのサイズは直径50mm程度まで小型化が可能である。
曲げ損失の小さい光ファイバは、空孔を有する光ファイバに限られるものではなく、コアの屈折率を高めた光ファイバでも実現されており、そのような光ファイバでも曲げ半径を小さくすることが可能であって、これによりファイバボビンのサイズを従来よりも小型にすることが可能になる。
【0034】
コアの屈折率を高めた光ファイバの曲げ半径16mmにおける波長1550nmの曲げ損失が0.01dB/mであるので、仮にファイバ長を500mとした場合の損失は5dBになる。
よって、コアの屈折率を高めた光ファイバは、空孔を有する光ファイバを用いた場合と同様に、ファイバボビンの直径を50mm程度まで小型化が可能である。
【0035】
また、CPF3a〜3dを構成する高非線形媒体3Aとして使用される高非線形ファイバの非線形定数は25/W/km程度が上限であるが、空孔を有する高非線形フォトニック結晶ファイバにおいて、非線形定数が62/W/kmの光ファイバが作成可能である。
表1に示した非線形定数が15.7/W/kmの高非線形ファイバを用いて表2に示す光波形成形器を作成した場合には高非線形ファイバの全長が512m必要であったのに対し、非線形定数が62/W/kmの光ファイバを使用すると必要なファイバ長は130mとなり、1/4体程度の長さに短尺化が可能になる。
【0036】
以上述べたように、光波形成形器3を構成する分散媒体3Bの光ファイバとして、分散値が+17ps/nm/kmより大きい値の光ファイバを用いることにより、ファイバ長を短くすることができ、さらに損失を小さくすることができる。これにより、光波形成形器3において光ファイバを収納するスペースが小さくできる。
光波形成形器3を構成する分散媒体3Bの光ファイバとして、設定した波長範囲における2次分散を、その波長範囲内での2次分散の偏差で割った値の絶対値がシングルモードファイバ(ITU−T勧告におけるG652型光ファイバ)より大きい光ファイバを用いることにより、図4に示すように光波形成形器3の動作帯域を従来の1.7倍以上に広くすることが可能になる。
【0037】
光波形成形器3を構成する分散媒体3Bとして非線形定数γが1.0/W/kmより小さい光ファイバを採用することにより、従来の設計理論を用いることができて波形整形の設計が容易になる。また、光パルスのピークパワーがより大きい場合にも光波形成形器3を構成することが可能になる。
光波形成形器3を構成する分散媒体3Bとして曲げ半径15mmでの曲げ損失が0.1dB/m未満の光ファイバを用いることにより、光波形成形器3を小さくできる。
【0038】
また、光波形成形器3を構成する分散媒体3Bとして図3(a)に例示するようにコア領域32の周囲に多重の空孔33を有する光ファイバを用いることにより、光波形成形器3の小型化、動作帯域のワイド化、設計の煩雑さの回避、曲げ半径の縮小化のいずれか1つを達成することができる。
さらに、光波形成形器3を構成する分散媒体3BとしてNZDSFを用いることにより、光波形成形器3の動作帯域を広くすることが可能になる。
【0039】
また、光波形成形器3を構成する分散媒体3Bとして、屈折率の高いコアをもつ光ファイバを用いることにより光波形成形器3の小型化が可能になる。
光波形成形器3を構成する高非線形媒体3Aとして、非線形定数が25/W/kmより大きい光ファイバを用いることにより非線形媒体としての高非線形ファイバを短くすることができる。
さらに、光波形成形器3を構成する高非線形媒体3Aとして図3(b)に示すようにコア35の周囲に空孔36を有する光ファイバを用いることにより、非線形媒体として高非線形ファイバを短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る光波形整形器を有するパルス発生器を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る光波形整形器を構成する高非線形媒体と分散媒体の接続を示す側面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係る光波形整形器を構成する分散媒体を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態に係る光波形成形器と従来の光波形成形器のそれぞれの光パルス波長とパルス幅の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
【0041】
1:パルス発生器
2:パルス供給器
3:光波形成形器
3a〜3d:櫛状プロファイルファイバ
3A:高非線形媒体
3B:分散媒体
31、34:光ファイバ
33,36:空孔




 

 


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