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発明の名称 広帯域波長合分波フィルタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−47593(P2007−47593A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−233470(P2005−233470)
出願日 平成17年8月11日(2005.8.11)
代理人 【識別番号】100093894
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 清
発明者 奈良 一孝
要約 課題
複数の使用波長帯域において低損失、低損失リップルを実現でき、簡単に製造可能な広帯域波長合分波フィルタを提供する。

解決手段
基板15上に、互いに間隔を介して並設された第1と第2の光導波路1,2から成る2つの同一の光合分波回路3a,3bを点対称に縦列接続した光導波回路10を形成する。光合分波回路3a,3bは互いに間隔を介して点対称に配置した2つの光カプラ回路4a,4bの間隔に第1の位相部分7を形成したものとし、光カプラ回路4a,4bは互いに間隔を介して点対称に配置した2つのマッハツェンダ光干渉計回路5a,5bの間隔に第2の位相部分8を形成したものとし、マッハツェンダ光干渉計回路5a,5bは2つの方向性結合器6の間に第3の位相部分9を形成したものとする。各位相部分7,8,9は各々設定長さだけ第1と第2の光導波路1,2の長さを互いに異なる長さとする。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板上に、互いに間隔を介して並設された第1と第2の光導波路から成る2つの光合分波回路を点対称に縦列接続した光導波回路を形成し、前記光合分波回路はそれぞれ前記第1の光導波路と第2の光導波路から成る2つの光カプラ回路を光導波路長手方向に互いに間隔を介して点対称に配置して、該間隔に前記第1と第2の光導波路の長さを互いに異なる長さとした第1の位相部分を形成してなり、前記光カプラ回路はそれぞれ第1の光導波路と第2の光導波路から成る2つのマッハツェンダ光干渉計回路を光導波路長手方向に互いに間隔を介して点対称に配置して、該間隔に前記第1と第2の光導波路の長さを互いに異なる長さとした第2の位相部分を形成してなり、前記マッハツェンダ光干渉計回路は第1の光導波路と第2の光導波路から成る同一の2つの方向性結合器を光導波路長手方向に互いに間隔を介して配置して該間隔に前記第1と第2の光導波路の長さを互いに異なる長さとした第3の位相部分を形成してなり、前記第1と第2の光導波路の少なくとも一方の一端側から入力される信号光を合分波して前記第1と第2の光導波路の少なくとも一方の他端側から出力する機能を備えていることを特徴とする広帯域波長合分波フィルタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば光通信分野に用いられる広帯域波長合分波フィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットは一般家庭にも普及し、ADSLやFTTHによる常時接続、メガクラスの伝送スピード、月額数千円といった高速かつ低価格なサービスが浸透し、ブロードバンドならではの大容量コンテンツ配信やビデオチャット等が普及しつつある。
【0003】
このようなブロードバンド化に向けて、ピーク時100Mbpsの高速データ通信と最大500ch(チャンネル)の多チャンネル映像配信を1心の光ファイバで同時に提供できるB-PONシステムがITU-Tにて世界標準とされた。このシステムの構成例を図6に示す。
【0004】
なお、同図において、センターオフィス40は、通信用の光ファイバ45を介して利用者(Subscriber)宅41に接続されている。図中、ONUはデータ系宅内装置、WDMフィルタは波長合分波フィルタ、V−ONUは映像系宅内装置、OLTはデータ系所内装置、V−OLTは映像系所内装置を示す。
【0005】
このシステムの大きな特徴は、新しい光波長配置により高速データ通信の送受信で使用している2つの波長に加え、さらにもう1つの光波長を重畳して、多チャンネルの映像配信を同時に視聴できる点である。通常は、送受信する高速データ通信波長は下りが1.49μm帯(1.48〜1.50μm)、上りが1.31μm帯(1.26〜1.36μm)であり、EDFAの増幅帯である1.55μm帯(1.55〜1.56μm)で映像の分配を行う。
【0006】
B-PONシステムでは1心の光ファイバを用いて3種類の波長の光信号を伝送するため、波長合分波機能と、映像信号を等しい光強度で分配する機能が必要である。なお、波長合分波(光の合分波と称することもある)とは、複数波長をもった光から1つ以上の波長を分波することと、1つ以上の波長を持った光を合波することの少なくとも一方のことを表し、B-PONシステムにおいて必要な波長合分波機能は、これら合波と分波の両方の機能である。
【0007】
波長合分波機能を有する波長合分波(WDM)フィルタとして、誘電体多層膜フィルタを用いたものがあり、誘電体多層膜フィルタをWDMフィルタとして適用したものは、例えば、前記1.49μm帯、1.31μm帯、1.55μm帯の全波長帯域において低損失、かつ、低損失リップルを実現できる特長を有している。(例えば、非特許文献1、参照)。
【0008】
また、WDMフィルタを例えばセンターオフィス40で用いる場合に、経済化の観点からWDMフィルタのアレイ化が望まれ、このアレイ化の観点では、平面光波回路(silica-based planar Lightwave circuits)技術を応用したWDMフィルタが有望である。その一つとして、石英系PLC(Planar Lightwave Circuits)により形成された交差導波路の交点に、誘電体多層膜フィルタを挿入したWDMフィルタが検討されている(例えば、非特許文献2、参照)。
【0009】
さらに、マッハツェンダ光干渉計(Mach Zehnder Interferometer;MZI)を基本とした平面光波回路を基板上に形成してなるWDMフィルタも検討されており、その一例として、図7に示すような構成の回路がある(例えば、非特許文献3、参照。)。
【0010】
図7に示す回路は、第1の光導波路1と第2の光導波路2とを互いに間隔を介して並設されており、2つの同一の回路13(13a,13b)を、その接続中心点Aに対し、点対称に縦列接続した点対称接続光干渉計回路である。回路13a,13bは、前記第1の光導波路1と第2の光導波路2とにより形成した4つの方向性結合器6を光導波路1,2の長手方向に互いに間隔を介して配置し、隣り合う方向性結合器6に挟まれた位相部分19(19a〜19c)を有して形成されている。
【0011】
2つの回路13(13a,13b)に形成されている位相部分19a,19cは、それぞれ、第1の光導波路1の長さと第2の光導波路2の長さとの差がΔLであり、位相部分19bは、第1の光導波路1の長さと第2の光導波路2の長さとの差がΔLである。
【0012】
【非特許文献1】西脇賢治,野口善清,松浦隆明,細谷英行,”アクセス系向け簡易構造WDM部品の開発”,電子情報通信学会2003年ソサイエティ大会、C−3−101.
【非特許文献2】M. Yanagisawa, Y. Inoue, M. Ishii, T.Oguchi, Y. Hida, H. Izumita, N. Araki and T. Sugie, “Low-loss and compact TFF-embeddedsilica-waveguide WDM filter for video distribution services in FTTH systems”, OFC2004, Technical Digest TuI4.
【非特許文献3】K. Nara, H. Urabe, J. Hasegawa, N. Matsubara and H. Kawashima, “MZI-based 8-channel wideband WDM filter arraywith low loss ripple and high isolation using silica-based PLC”, OFC/NFOEC2005, Technical Digest OThV5.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記従来のWDMフィルタは、それぞれ、以下に示すような問題があった。つまり、誘電体多層膜フィルタをWDMフィルタとした場合、このフィルタはアレイ化して用いることが難しいため、アレイ化による経済的な効果(コストダウン)の要求に対して十分に対応することができないといった問題があった。
【0014】
また、石英系PLCで形成された交差導波路の交点に誘電体多層膜フィルタを挿入したWDMフィルタは、フィルタ挿入のためのスリット形成および、フィルタ挿入・固定といった工程の煩雑さがあり、このように製造工程が煩雑になると、コストが高くなるため、上記と同様に、経済化という観点で十分でないといった問題があった。
【0015】
さらに、図7に示したような石英系PLC−MZI型のWDMフィルタは、その光回路のみで特性を実現するため、上記のような、スリット形成やフィルタ挿入・固定工程等は必要が無く、経済化の観点では最も適した方法であると思われるが、例えば、図7に示した回路を用いて8ch(チャンネル)アレイのWDMフィルタの波長特性を調べたところ、波長特性に不十分な点があることが分かった。
【0016】
例えば、図8、図9(a)〜(c)において、特性線aはスルー伝搬光(ここでは、第1の光導波路1の一端側16から入力されてスルーポート17から出力される光)の特性の実測値を示し、特性線bはクロス伝搬光(ここでは、第1の光導波路1の一端側16から入力されてクロスポート18から出力される光)の特性の実測値を示すものである。これらの図から分かるように、波長1.31μm帯と波長1.55μm帯ではフラットな波特性が得られているものの、波長1.49μm帯において、約0.3〜0.4dBの損失リップルが存在している。
【0017】
これは、回路の設計上発生する原理的な損失リップルであり、低損失の要求されるWDMフィルタにとっては、誘電体多層膜フィルタ等の他の技術を用いたフィルタと比較して不利である。
【0018】
本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、使用対象となる複数の波長帯域において、いずれも、低損失、低損失リップルを実現でき、簡単に製造可能でコストが安い広帯域波長合分波フィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、本発明は、基板上に、互いに間隔を介して並設された第1と第2の光導波路から成る2つの光合分波回路を点対称に縦列接続した光導波回路を形成し、前記光合分波回路はそれぞれ前記第1の光導波路と第2の光導波路から成る2つの光カプラ回路を光導波路長手方向に互いに間隔を介して点対称に配置して、該間隔に前記第1と第2の光導波路の長さを互いに異なる長さとした第1の位相部分を形成してなり、前記光カプラ回路はそれぞれ第1の光導波路と第2の光導波路から成る2つのマッハツェンダ光干渉計回路を光導波路長手方向に互いに間隔を介して点対称に配置して、該間隔に前記第1と第2の光導波路の長さを互いに異なる長さとした第2の位相部分を形成してなり、前記マッハツェンダ光干渉計回路は第1の光導波路と第2の光導波路から成る同一の2つの方向性結合器を光導波路長手方向に互いに間隔を介して配置して該間隔に前記第1と第2の光導波路の長さを互いに異なる長さとした第3の位相部分を形成してなり、前記第1と第2の光導波路の少なくとも一方の一端側から入力される信号光を合分波して前記第1と第2の光導波路の少なくとも一方の他端側から出力する機能を備えている構成をもって課題を解決する手段としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明において、基板上に形成される上記構成の光導波回路は、第3の位相部分を有するマッハツェンダ光干渉計回路を第2の位相部分を介して点対称に配置して光カプラ回路を形成し、この光カプラ回路を第1の位相部分を介して点対称に配置した光合分波回路を点対称に接続してなるものである。つまり、本発明における光導波回路は、光導波路長手方向に互いに間隔を介して配置されたマッハツェンダ光干渉計回路を基本とし、第1と第2の光導波路の長さを互いに異なる長さとした第1、第2、第3の位相部分をそれぞれ対応するマッハツェンダ光干渉計回路同士の間隔に形成したものである。
【0021】
そのため、上記光導波回路の波長特性は、第1、第2、第3の位相部分の長さによって適宜決定されるものであり、第1、第2、第3の位相部分の長さを適切に決定することにより、互いに異なる複数(例えば使用対象となる3つ)の波長帯帯域における波長の光を低損失、低損失リップルで合分波できる広帯域波長合分波フィルタを実現できる。
【0022】
また、本発明は、基板上に光導波回路を形成して構成されるので、簡単に製造可能でコストが安い広帯域波長合分波フィルタを形成することができる。そのため、本発明を適用することにより、例えばデータ通信と多チャンネル映像配信とを1心の光ファイバで同時に提供できるシステムの構築を、良好に、低コストで実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。
【0024】
図1には、本発明に係る広帯域波長合分波フィルタの一実施形態例が示されている。本実施形態例の広帯域波長合分波フィルタは、基板15上に、同図に示すような光導波回路10を形成して成る。この光導波回路10は、互いに間隔を介して並設された第1と第2の光導波路1,2から成る2つの同一の光合分波回路3a,3bを、その接続中心点Aに対し、点対称に縦列接続して形成されている。なお、図1では、光合分波回路3a,3bを接続中心点Aに対し、完全点対称とした。
【0025】
光合分波回路3a,3bは、それぞれ、前記第1の光導波路1と第2の光導波路2から成る2つの光カプラ回路4a,4bを光導波路長手方向に互いに間隔を介し、点Bに対して点対称に配置して、該間隔に前記第1と第2の光導波路1,2の長さを互いに異なる長さとした第1の位相部分7を形成してなる。なお、図1では、光カプラ回路4a,4bを点Bに対して完全点対称に配置した。
【0026】
また、光カプラ回路4a,4bは、それぞれ、第1の光導波路1と第2の光導波路2から成る2つのマッハツェンダ光干渉計回路5a,5bを光導波路長手方向に互いに間隔を介し、点Dに対して点対称に配置して、該間隔に前記第1と第2の光導波路1,2の長さを互いに異なる長さとした第2の位相部分8を形成してなる。なお、図1では、マッハツェンダ光干渉計回路5a,5bを点Dに対して完全点対称に配置した。
【0027】
マッハツェンダ光干渉計回路5a,5bは、それぞれ第1の光導波路1と第2の光導波路2から成る同一の2つの方向性結合器6を光導波路長手方向に互いに間隔を介して配置して、該間隔に前記第1と第2の光導波路1,2の長さを互いに異なる長さとした第3の位相部分9を形成してなる。
【0028】
前記第1の位相部分7における第1の光導波路1と第2の光導波路2との長さの差はΔL、第2の位相部分8における第1の光導波路1と第2の光導波路2との長さの差はΔL、第3の位相部分9における第1の光導波路1と第2の光導波路2との長さの差はΔLと成しており、これらの値は、互いに異なる長さとしてもよいし、同じ長さとなるものがあってもよい。
【0029】
図1に示す回路構成を備えた本実施形態例の広帯域波長合分波フィルタは、第1と第2の光導波路1,2の少なくとも一方の一端側から入力される信号光を合分波して前記第1と第2の光導波路1,2の少なくとも一方の他端側から出力する機能を備えている。
【0030】
例えば、本実施形態例では、1.31μm帯と1.55μm帯と波長1.49μm帯の光を第1の光導波路1の一端側(入力端)16から入力したときに、第1の光導波路1の他端側(スルーポート)17から1.31μm帯と1.49μm帯の光を出力し、第2の光導波路2の他端側(クロスポート)18から波長1.55μm帯の光を出力する機能を有する。
【0031】
ここで、上記機能を発揮できるようにするための、光導波回路10の具体的な長さ構成の決定方法について述べる。
【0032】
方向性結合器6の結合効率をκとし、波長をλ、光導波路のコアの実行屈折率をnefとし、光合分波回路3a,3bの結合効率をη、光カプラ回路4a,4bの結合効率をC、マッハツェンダ光干渉計回路5a,5bの結合効率をRとすると、光導波回路10の結合効率Pと、前記各結合効率η、C、Rは、それぞれ以下の式(数1)〜(数4)により表される。
【0033】
【数1】


【0034】
【数2】



【0035】
【数3】


【0036】
【数4】


【0037】
ここで、ステップ1として、例えば、第1の光導波路1の入力側16から上記波長の光を入力し、その他端側(スルーポート)17から波長1.31μm帯と波長1.49μm帯の光を出力するように、光導波回路10を形成するために、P=0とすると、(数1)からη≒0もしくは、η≒1が得られる。ここでは、η≒0を選択すると、(数2)から4C(1−C)≒0とcos(πneffΔL/λ)≒0の少なくとも一方を満たせばよいことが分かる。cos(πneffΔL/λ)≒0を満たすための条件として、λ=1.31μm、1.49μm、ΔL=10.77μmが得られる。
【0038】
次に、ステップ2として、4C(1−C)≒0とcos(πneffΔL/λ)≒0を同時に満たすことを考える。こうすると、η≒0の波長による変化を鈍くし、広帯域が図れる。4C(1−C)≒0を満たすためには、C≒0もしくはC≒1となればよいので、ここで、C≒0を選択する。すると、(数3)より、4R(1−R)≒0とcos(πneffΔL/λ)≒0の少なくとも一方を満たせばよいことが分かる。cos(πneffΔL/λ)≒0から、λ=1.49μm、ΔL=10.77μmが得られる。
【0039】
さらに、ステップ3として、ステップ2と同様に、4R(1−R)≒0からR≒0を選択すると、(数4)から4κ(1−κ)≒0とcos(πneffΔL/λ)≒0の少なくとも一方を満たせばよいことが分かる。cos(πneffΔL/λ)≒0から、λ=1.31μm、ΔL=0.45μmが得られる。
【0040】
ここで、注目すべきことは、ステップ2とステップ3とで決定されるように、光導波回路10の長さ構成の決定に際し、第2と第3の位相部分8,9における導波路長差ΔLとΔLの2つの条件があり、これらの導波路長によって決定される位相情報が2条件あるので、波長1.31μm帯での帯域拡大と、波長1.49μm帯での帯域拡大とを同時に独立に行うことができる。
【0041】
つまり、図7に示したような回路構成の従来の波長合分波フィルタにおいては、決定される位相部分の導波路長差が1条件であり、1.31μm帯での帯域拡大のみしか行うことができなかったために、波長1.49μmにおける帯域拡大ができなかったのに対し、本実施形態例では、前記の如く、波長1.31μm帯での帯域拡大と、波長1.49μm帯での帯域拡大とを同時に独立に行うことができるのである。
【0042】
そして、ステップ4として、第2の光導波路2の他端側(クロスポート)18から波長1.55μm帯の光を出力するために、P=1とする。(数1)から、η≒0.5が得られる。ここで、λ=1.55μmとし、前記ステップ1〜3で求めたΔL、ΔL、ΔLの値と、(数2)〜(数4)により、方向生結合器6の結合効率κが決定される。ΔL、ΔL、ΔLの値がそれぞれ上記値の時、結合効率κは、0.07(λ=1.31μm)、0.16(λ=1.49μm)、0.20(λ=1.55μm)となる。
【0043】
本実施形態例は以上のように構成されており、上記条件の下、比屈折率差Δ=0.8%、第1と第2の光導波路1,2のコアの幅を6.5μm、高さを6.5μmとした石英系PLCで作製すると、図2に示す波長特性を得ることができる。ここで、特性線aは、例えば第1の光導波路1の一端側16から入力したときに、第1の光導波路1の他端側(スルーポート)17から出力される光の特性を示し、特性線bは、第1の光導波路1の一端側(入力端)16から入力したときに、第2の光導波路2の他端側(クロスポート)19から出力される光の特性を示す。なお、これら特性線a、bは、シミュレーションにより求めたものである。
【0044】
この特性線aから明らかなように、1.31μm帯と1.49μm帯において光損失が小さくなっており、また、特性線bに示すように、1.55μm帯において光損失が小さくなっている。
【0045】
したがって、第1の光導波路1の一端側16から、例えば、波長1.31μm帯、1.49μm帯、1.55μm帯の光を入力すると、波長1.31μm帯、1.49μm帯の光は、スルーポート17から低損失で出力することができ、波長1.55μm帯の光は、クロスポート18から低損失で出力できることになる。
【0046】
なお、上記と逆に、スルーポート17から波長1.31μm帯、1.49μm帯を、クロスポート18から波長1.55μm帯の光を入力した場合は、上記と逆の経路を通って、これらの波長帯の光が合波されて第1の光導波路1の一端側16から低損失で出力される。
【0047】
また、本実施形態例は、基板上に光導波回路を形成して構成されるので、簡単に製造可能でコストが安い広帯域波長合分波フィルタを形成することができる。
【0048】
(実施例)
以下のようにして広帯域波長合分波フィルタを作製した。つまり、まず、火炎加水分解堆積法を用いて、シリコン基板15上に、石英系ガラスのアンダークラッド膜と、GeO2をドープした石英系ガラスのコア膜を形成した。このとき、コアのクラッドに対する比屈折率差Δ=0.8%とし、コア膜厚を6.5μmとした。
【0049】
続いて、上記図1で示した広帯域波長合分波フィルタの回路が描かれたフォトマスクを介してフォトリソグラフィー、反応性イオンエッチング法にてコアに光回路パターンを転写し、コア幅6.5μmの光導波回路を形成した。その後、再度、火炎加水分解堆積法を用いて石英系ガラスのオーバークラッド膜を形成し、図1の回路構成をコアの光導波路により形成した広帯域波長合分波フィルタを作製した。
【0050】
この例において、位相部分7,8,9の導波路長差は、それぞれ、ΔL=10.77μm、ΔL=10.77μm、ΔL=0.45μmとし、方向性結合器6のピッチ(図3に示すように、第1の光導波路1の中心と第2の光導波路2の中心との距離)は、9.4μm、方向性結合器6の結合部長は、280μmとした。
【0051】
この実施例の広帯域波長合分波フィルタの特性は、図4および図5(a)〜(c)の特性線a、bに示すようになった。なお、これらの図4および図5(a)〜(c)において、特性線aは、スルー伝搬光の特性、つまり、第1の光導波路1の一端側16から入力されてスルーポート17から出力される光の特性の実測値であり、特性線bは、クロス伝搬光の特性、つまり、第1の光導波路1の一端側16から入力されてクロスポート18から出力される光の特性の実測値である。
【0052】
これらの特性線a、bから明らかなように、各波長1.31μm帯、1.49μm帯、1.55μm帯における挿入損失は約1.3dB、損失リップルは、波長1.31μm帯で0.02dB以下、波長1.49μm帯で0.03dB以下、波長1.55μm帯で0.06dB以下となり、従来例に比べて大幅に低減している。つまり、この実施例は、ほぼ設計値通りの特性を示しており、本発明の有効性が確認できた。
【0053】
なお、本発明は上記各実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上記実施例では、コアのクラッドに対する比屈折率差Δを0.8%としたが、上記比屈折率差Δは例えば0.45%としてもよく、適宜設定されるものである。また、コア膜厚やコア幅の値も特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
【0054】
また、マッハツェンダ光干渉計回路3の方向性結合器6の結合部長やピッチ、各位相部分7〜9の光導波路長差等も特に限定されるものでなく適宜設定されるものであり、要求される波長合分波特性に対応させて適宜形成すればよい。
【0055】
さらに、上記説明は、第1の光導波路1の一端側16ら入力される複数波長の光を分波してスルーポート17とクロスポート18からそれぞれ出力する例について述べたが、上記と逆に、スルーポート17とクロスポート18からそれぞれ異なる波長帯の光を入力し、上記説明と逆の経路を通して、第1の光導波路1の一端側16を複数波長光の出力部と成すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る広帯域波長合分波フィルタの一実施形態例の回路構成を模式的に示す要部構成図である。
【図2】上記実施形態例の波長特性例を示すグラフである。
【図3】方向性結合器の構成例を模式的に示す説明図である。
【図4】上記実施形態例の実施例の波長特性を示すグラフである。
【図5】上記実施形態例の実施例の3つの波長帯における波長特性をそれぞれ示すグラフである。
【図6】B−PONシステムの構成例を示す説明図である。
【図7】従来提案されている広帯域波長光合分波器フィルタの回路構成例を示す説明図である。
【図8】図7に示した広帯域波長光合分波器フィルタの波長特性例を示すグラフである。
【図9】図7に示した広帯域波長光合分波器フィルタの3つの波長帯における波長特性をそれぞれ示すグラフである。
【符号の説明】
【0057】
1 第1の光導波路
2 第2の光導波路
3a,3b 光合分波回路
4a,4b 光カプラ回路
5a,5b マッハツェンダ光干渉計回路
6 方向性結合器
7 第1の位相部分
8 第2の位相部分
9 第3の位相部分
10 光導波回路
15 基板
16 一端側
17 スルーポート
18 クロスポート




 

 


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