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発明の名称 一芯双方向光モジュール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17903(P2007−17903A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−202155(P2005−202155)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100101764
【弁理士】
【氏名又は名称】川和 高穂
発明者 杉山 聡 / 三浦 雅和
要約 課題
小型化および部品点数の低減を図ったときでも、受光素子に入射する迷光を削減でき、光クロストークを軽減することが可能な一芯双方向光モジュールを提供すること。

解決手段
第一の波長帯の送信光を出射させる半導体レーザモジュール1と、送信光が入射され、外部から伝播してきた第二の波長帯の受信光が出射される光導波路2と、送信光を透過する機能、および、受信光を反射する機能のうち少なくとも一方の機能を有する光路変更素子4と、光路変更素子4で反射された受信光を受光する受光モジュール3と、少なくとも光路変更素子4が収納され、光導波路2がフェルール部材6を介して接合され、受光モジュール3および半導体レーザモジュール1が取付けられる、光モジュール筐体5とを備え、光モジュール筐体5の内周面の一部または全部が、第一の波長帯および第二の波長帯の少なくとも一方の波長帯の光を吸収させる材料で形成されて構成される。
特許請求の範囲
【請求項1】
第一の波長帯を有する送信光を出射させる半導体レーザモジュールと、
送信光が入射されて外部に伝播されると共に、外部から伝播されてきた第二の波長帯を有する受信光が出射される光導波路と、
前記送信光を任意の透過率で透過する機能、および、前記受信光を任意の反射率で反射する機能のうち少なくとも一方の機能を有する光路変更素子と、
前記光路変更素子で反射された受信光を受光する受光モジュールと、
少なくとも前記光路変更素子が収納され、前記光導波路がその外側に設けられたフェルール部材を介して接合され、前記受光モジュールおよび前記半導体レーザモジュールが取付けられる、光モジュール筐体とを備える一芯双方向光モジュールであって、
前記光モジュール筐体は、少なくともその内周面の一部または全部が、第一の波長帯および第二の波長帯の少なくとも一方の波長帯の光を吸収させる材料で形成されていることを特徴とする一芯双方向光モジュール。
【請求項2】
前記受光モジュールの受信光が入射する部分を除く部分の一部または全部が、第一の波長帯および第二の波長帯の少なくとも一方の波長帯の光を吸収させる部材が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の一芯双方向光モジュール。
【請求項3】
前記半導体モジュールから送信光が出射する部分を除く部分の一部または全部が、第一の波長帯および第二の波長帯の少なくとも一方の波長帯の光を吸収させる部材が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の一芯双方向光モジュール。
【請求項4】
前記光モジュール筐体は、少なくともその内周面の一部または全部が、黒色に塗布されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の一芯双方向光モジュール。
【請求項5】
前記光モジュール筐体は、少なくともその一部または全部に、黒色の顔料が含まれることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の一芯双方向光モジュール。
【請求項6】
前記フェルール部材と前記光モジュール筐体との接合部分の一部または全部に防錆処理が施されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の一芯双方向光モジュール。
【請求項7】
前記防錆処理は、前記フェルール部材、前記光モジュール筐体、および前記溶接が行われた部分の母材の内部に金属粒子が拡散するように皮膜を形成して錆を防止するレイデント処理であることを特徴とする請求項6に記載の一芯双方向光モジュール。
【請求項8】
前記フェルール部材は、光フィルタ側の端面に向かって外径が小さくなるように形成され、前記受光モジュールに直接結合されずに、前記光モジュール筐体内で少なくとも1回以上反射された第一の波長帯を有する光、もしくは第二の波長帯を有する光の前記受光モジュールへの再結合を防止することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の一芯双方向モジュール。
【請求項9】
前記フェルール部材は、その端面、もしくは側面の一部または全部が、第一の波長帯および第二の波長帯の少なくとも一方の波長帯の光を吸収させる材料で形成され、前記受光モジュールに直接結合されずに、前記光モジュール筐体内で少なくとも1回以上反射された第一の波長帯を有する光、もしくは第二の波長帯を有する光の前記受光モジュールへの再結合を防止することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の一芯双方向モジュール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信に用いる一芯双方向光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一芯双方向光モジュールは、一般的に小型の構造のものが普及している(例えば、特許文献1参照。)。そして、一芯双方向光モジュールの小型化がさらに推進され、小型化に伴って一芯双方向光モジュールの各構成部がさらに近接してきている。
【0003】
図7は、従来の一芯双方向モジュールの構造を示す図である。図7において、一芯双方向光モジュール50は、送信波長帯の光を出射する半導体レーザモジュール51と、光の伝播媒体としての光導波路52と、光導波路52を出射した受信光を受光する受光モジュール53と、送信光を透過させると共に受信光を反射させる光路変更素子54と、光モジュール筐体55と、光導波路52の外側に設けられ光導波路52を保持するフェルール部材56とを少なくとも備える。
【特許文献1】米国特許第5,841,562号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した構造の一芯双方向光モジュールでは、送信光の一部が光導波路またはフェルール部材で反射して光路変更素子に再度入射し、更にこの一部が光路変更素子で反射して、図7に示す経路S1、S2で受光モジュール側に向かう。ここで、経路S2は光が直接受光モジュールに向かう経路であり、経路S1は光が再度フェルール部材で反射して受光モジュールに向かう経路であるが、それぞれが光クロストークを生じさせる原因となるという問題があった。光クロストークを生じさせる原因としては、光モジュール筐体内の側面で反射される迷光によるものがある。これらの迷光は、光源を出射した送信光が直接光モジュール筐体等で反射されて発生するもの、送信光が光路変更素子に入射する際に光路変更素子で反射され光モジュール筐体等でさらに反射されて発生するもの、等がある。一芯双方向光モジュールの小型化によって、光モジュール筐体内の側面で反射される迷光による光クロストークへの寄与も相対的に増大してきた。
【0005】
本発明は、光通信に不要な迷光が発生したとしても、受光モジュールへの迷光の結合を抑制することができ、光クロストークを軽減することが可能な一芯双方向光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1の態様は、第一の波長帯を有する送信光を出射させる半導体レーザモジュールと、送信光が入射されて外部に伝播されると共に、外部から伝播されてきた第二の波長帯を有する受信光が出射される光導波路と、前記送信光を任意の透過率で透過する機能、および、前記受信光を任意の反射率で反射する機能のうち少なくとも一方の機能を有する光路変更素子と、前記光路変更素子で反射された受信光を受光する受光モジュールと、少なくとも前記光路変更素子が収納され、前記光導波路がその外側に設けられたフェルール部材を介して接合され、前記受光モジュールおよび前記半導体レーザモジュールが取付けられる、光モジュール筐体とを備える一芯双方向光モジュールであって、前記光モジュール筐体は、少なくともその内周面の一部または全部が、第一の波長帯および第二の波長帯の少なくとも一方の波長帯の光を吸収させる材料で形成されていることを特徴とする一芯双方向光モジュールである。
【0007】
本発明に係る第2の態様によれば、前記受光モジュールの受信光が入射する部分を除く部分の一部または全部が、第一の波長帯および第二の波長帯の少なくとも一方の波長帯の光を吸収させる材料からなることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る第3の態様によれば、前記半導体モジュールから送信光が出射する部分を除く部分の一部または全部が、第一の波長帯および第二の波長帯の少なくとも一方の波長帯の光を吸収させる部材が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る第4の態様によれば、前記光モジュール筐体は、少なくともその内周面の一部または全部が、黒色に塗布されていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る第5の態様によれば、前記光モジュール筐体は、少なくともその一部または全部に、黒色の顔料が含まれることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る第6の態様によれば、前記フェルール部材と前記光モジュール筐体との接合部分の一部または全部が溶接によって接続され、前記溶接が行われた部分を含む領域に防錆処理を施したことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る第7の態様によれば、前記防錆処理は、前記フェルール部材、前記光モジュール筐体、および前記溶接が行われた部分の母材の内部に金属粒子が拡散するように皮膜を形成して錆を防止するレイデント処理であることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る第8の態様によれば、前記フェルール部材は、光フィルタ側の端面に向かって外径が小さくなるように形成され、前記受光モジュールに直接結合されずに、前記光モジュール筐体内で少なくとも1回以上反射された第一の波長帯を有する光、もしくは第二の波長帯を有する光の前記受光モジュールへの再結合を防止することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る第9の態様によれば、前記フェルール部材は、その端面、もしくは側面の一部または全部が、第一の波長帯および第二の波長帯の少なくとも一方の波長帯の光を吸収させる材料で形成され、前記受光モジュールに直接結合されずに、前記光モジュール筐体内で少なくとも1回以上反射された第一の波長帯を有する光、もしくは第二の波長帯を有する光の前記受光モジュールへの再結合を防止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光モジュール筐体内で迷光が発生したとしても、光モジュール筐体の内周面の少なくとも一部または全部が、第一の波長帯および第二の波長帯の少なくとも一方の波長帯の光を吸収させる材料で形成されているため、光モジュール筐体の内周面で反射する迷光が受光モジュールに入射することを防止または低減することができ、光クロストークを軽減することが可能になる。
【0016】
また、光モジュール筐体内で迷光が発生し、光導波路またはフェルール部材で反射されて受光モジュールに入射しようとしても、フェルール部材の迷光が反射する所定の部分が除去されるか、または、フェルール部材の迷光が反射する所定の部分に、少なくとも第一の波長帯を有する送信光の反射を低減するようにしたため、図7に示す経路S1で受光モジュールに入射することを防止または低減することができ、小型化および部品点数の低減を図ったときでも、受光モジュールに入射する迷光を削減でき、光クロストークを軽減することが可能になる。
【0017】
さらに、受光モジュールの受信光が入射する部分を除く部分の一部または全部が、送信波長帯および受信波長帯の少なくとも一方の波長帯の光を吸収させる材料からなるため、光導波路またはフェルール部材で反射し、さらに光路変更素子で反射して受光モジュールに直接入射すること、および、光路変更素子で反射した送信光が光モジュール筐体等から反射して受光モジュールに入射することを防止または低減することができ、光クロストークを軽減することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る一芯双方向光モジュールの模式的な構成を示す図である。図1において、一芯双方向光モジュール10は、第一の波長帯の光を出射する半導体レーザモジュール1と、第一の波長帯の光が入射して外部に伝播していくと共に、外部から伝播してきた第二の波長帯の光を出射する光導波路2と、第二の波長帯の光を受光する受光モジュール3と、半導体レーザモジュール1から出射された第一の波長帯の光を任意の透過率で透過させる機能、および、光導波路2から出射された第二の波長帯の光を任意の反射率で反射させて受光モジュール3に入射させる機能を有する光路変更素子4と、半導体レーザモジュール1、光導波路2、受光モジュール3および光路変更素子4を収納もしくは所定の位置関係に固定する光モジュール筐体5と、光導波路2を収納するフェルール部材6と、フェルール部材6を光モジュール筐体5に固定するためのフェルール固定部材7とを備える。
【0019】
半導体レーザモジュール1は、送信に用いる第一の波長帯の光を出射するレーザダイオード等の発光素子1aを有する。以下、上記の第一の波長帯を送信波長帯という。ここで、送信波長帯は、例えば1.31μmを中心とする波長帯であるが、1.49μm、1.55μm等のその他の光通信に用いる波長帯であってもよい。また、半導体レーザモジュール1は、発光素子1aが出射した送信波長帯の光を、光ファイバ、平面光導波路等の光導波路2の端面上の所定の領域に入射させるように収束光化する光源側レンズ1bを有する。半導体レーザモジュール1を上記のように構成することは、光の結合効率の向上、光クロストークの軽減等の観点から好ましい。なお、この光源側レンズ1bは、図示しないが、レンズから出射される光の広がり角度を制御するため(図2のI、Iを遮断するため)、必要に応じて、光源側レンズ1bの一部、特にレンズ1bの中心付近以外に光を遮断する遮断膜を形成させてもよい。具体的には、光を透過させない黒色等の膜を光源側レンズ1bの表面に塗布させる。また、遮断膜を塗布する代わりに、光源側レンズ1bと光路変更素子との間に、透過すべき送信光のスポット孔が形成されそれ以外は光を吸収する吸収層が形成された遮断部を配置させて、光源側レンズ1bから出射される送信光の広がり角度を制御してもよい。このように光導波路2に入射されずに迷光として寄与する成分となる送信光の広がり角度を広げないように制御することにより、迷光の発生を抑制することができる。
【0020】
さらに、本発明は、半導体レーザモジュール1が光源側レンズ1bを有する構成に限定されるものではなく、光源側レンズ1bを有しない構成についても同様に適用される。また、発光素子1aには、リード線1cを介して外部の装置から駆動電流等が供給される。光源側レンズ1bとしては、例えば、球型、半球型、非球面型等のレンズを用いることができる。さらに、半導体レーザモジュール1は、図1に示すように、スリーブ等の光源固定部材1d、1eを用いて光モジュール筐体5に取り付けられる。以下、半導体レーザモジュール1という場合は、この光源固定部材1d、1eを含むものとする。上記の固定部材1eは、図1に符号P1を用いて示す部分等が、例えばYAGレーザを用いた溶接等で固定される。以下、YAGレーザを用いた溶接をYAG溶接という。
【0021】
受光モジュール3は、受信に用いる第二の波長帯の光を受光するフォトダイオード等の受光素子3aを有する。以下、上記の第二の波長帯を受信波長帯といい、受信波長帯の光を受信光という。ここで、受信波長帯は、例えば1.55μmを中心とする波長帯であるが、1.31μm、1.49μm等のその他の光通信に用いる波長帯であってもよい。また、受光モジュール3は、光路変更素子4を出射した受信光との結合効率を向上し、または、受信光を受光素子3aの受光面上の所定の受光領域に入射させる受光側レンズ3bを有する。受光側レンズ3bに入射した受信光は、受光側レンズ3bによって収束光化され受光素子3aの受光領域に入射する。
【0022】
受光側レンズ3bとしては、例えば、球型、半球型、非球面型等のレンズを用いることができる。ただし、本発明は、受光モジュール3が受光側レンズ3bを有する構成に限定されるものではなく、受光側レンズ3bを有しない構成についても同様に適用される。受光素子3aは、受光した受信光を電気信号に変換し、信号線3cを介して外部の端末等の装置に出力する。
【0023】
光路変更素子4は、図2に示すように、送信波長帯の光の一部または全部透過させると共に、受信波長帯の光の一部または全部を反射させる、例えばWDM(Wavelength Division Multiplexing)フィルタ、バンドパスフィルタ、エッジフィルタ、ビームスプリッタ等によって構成される。こうした素子は、例えば、透明ガラス基材上に光学薄膜の積層構造を形成することによって構成される。光路変更素子4は、半導体レーザモジュール1の発光素子1aの発光点と光導波路2の端面とを結ぶ光路中の所定の位置に配置され、半導体レーザモジュール1から出射した送信光軸は所定の入射角度にて光路変更素子4へ入射する。光路変更素子4に、送信波長帯の光の反射損失を低減するための反射防止膜を形成するのは、光の結合効率の向上の観点から好ましい。
【0024】
なお、以下、光源1の発光素子1aの発光点と光導波路2の端面とを結ぶ光路を送信光路といい、光路変更素子4の受信光が反射する位置と受光モジュール3の受光素子3aの受光点とを結ぶ光路を受信光路という。
【0025】
光路変更素子4が配置される位置および角度は、半導体レーザモジュール1、光導波路2および受光モジュール3の配置等に応じて決定される。受信光路と送信光路とが略直交するような位置に光路変更素子4が配置されるいわゆる直交配置では、外部から伝播され光導波路2から出射した受信光の光路変更素子4への入射角度は、略40〜50°がこのましい。この直交配置は、一心双方向モジュールの小型化に寄与するため好ましい。光路変更素子4は、図2に示すように、例えば固定台座8上に上記の送信光路と所定の角度をなすように固定される。
【0026】
光モジュール筐体5は、例えばステンレス等の金属材料、その他の無機材料を用いて作製される。光モジュール筐体5には、フェルール部材6がフェルール固定部材7を介して取り付けられ、受光モジュール3が樹脂等を用いて取り付けられ、半導体レーザモジュール1がスリーブ等の光源固定部材1d、1eを用いて取り付けられる。ただし、半導体レーザモジュール1および受光モジュール3の取り付け方法は必ずしも上記の方法に限られず、取り付け部材を用いずに嵌合させる等の方法によって取り付けるものでも、YAG溶接等で固定するものでもよい。
【0027】
なお、光モジュール筐体5は、MIM(Metal Injection Molding)によって形成するのでもよい。この場合、光モジュール筐体5の原料として平均粒径が10μm以下程度の金属粉末を用い、プラスチックにワックスを混合したものをバインダーに用いる。ここで、金属材料として、ステンレス鋼を初め、コバールやインバーといった低膨張材や、パーマロイ等の磁性材など、多種の材質から、耐食性、溶接製、所望の熱膨張率等、必要とされる機能に応じて選択することができ、例えば耐食性と溶接性に優れているSUS304、SUS316等を用いるのでもよい。上記のバインダーは、結合剤、可塑剤、活性剤として機能する。製造方法は、まず、原料とバインダーを混練してペレットとする。次に、射出成型機を用いて最終寸法より2割程度大きい成形体を作製する。その後、脱脂、焼成を行うことによって、密度が無垢材の95%の焼結体が得られる。焼成温度としては、原料の種類、粒径等およびバインダの種類等に応じて異なるが、概ね1000℃〜1350℃の温度とするのでもよい。上記のように、光モジュール筐体5をMIMにより形成することによって、切削で作製するよりも簡易に作製することができる。また、切削ではできない形状の光モジュール筐体5を製造することもできる。たとえば切削加工ではモジュール筐体5の内部に所望の傾斜と面積をもつ平面を加工することは困難であるが、MIMではこれが容易であり、光路変更素子を固定する部分を光モジュール筐体5に一体成形することが可能となる。これにより、光路変更素子を固定するホルダー等の部品が不要となるだけでなく、ホルダーを光モジュール筐体に取り付ける作業も不要となる。
【0028】
以下、本発明の実施の形態に係る一芯双方向光モジュールの作用について、図面を用いて説明する。まず、図2に示すように、半導体レーザモジュール1の発光素子1aを出射した送信波長帯の発散光は、光源側レンズ1bで収束光化され、WDMフィルタ等の光路変更素子4を透過して光導波路2の入射面に入射し、一芯双方向光モジュール10から外部の装置に送信される光Iとなって光導波路2内を伝播して行く。一方、光導波路2を出射した受信光は、光路変更素子4で反射して受光モジュール3の受光側レンズ3bに入射し、収束光化されて受光素子3aの受光領域に入射する。
【0029】
一方、光源側レンズ1bで収束光化された送信波長帯の光は、一部が、WDMフィルタ等の光路変更素子4で反射され、光モジュール筐体5に入射し光路Sを伝播して迷光に寄与する。また、半導体レーザモジュール1の光源側レンズ1bを出射する送信波長帯の光は、一部が光路I、Iを伝播する発散光のままで光導波路2に入射せず、光モジュール筐体5等に入射し迷光に寄与する。ここで、本発明に係る光モジュール筐体5の内側の面は、迷光低減処理が施されているため、従来の一芯双方向光モジュールよりも迷光が低減される。
【0030】
さらに、半導体レーザモジュール1を出射し、光導波路2またはフェルール部材6に到達する送信波長帯の光のうち、一部が光導波路2またはフェルール部材6の端面で反射され、図5に示す光路IR1、IR2を伝播する反射光となる。このうち、光路IR1上を伝播する反射光は、光路変更素子4で反射され光路Sを伝播するが、図5に示すようにフェルール部材6の光路Sと重なる所定部分が除去され、または、フェルール部材6の光路Sとフェルール部材との重なる部分での光の反射を低減するようにしたため、フェルール部材6の端面で全くまたは略反射しない。その結果、従来の一芯双方向光モジュールのように、上記の光路上を伝播する光が受光モジュール3に入射することを防止または低減することができる。
【0031】
また、光路IR2上を伝播する反射光は、光路S上を伝播して受光側レンズ3bに入射する。この光路S上を通過する光のうち、図3に示す受光側レンズ3bの領域A以外の領域に入射するものは、受光側レンズ3bに迷光低減処理によって施された皮膜によって吸収され、受光素子3aに入射するのを回避することができる。
【0032】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【0033】
(実施例1)
以下に、図面を参照して、本発明の実施例1を説明する。まず、光モジュール筐体5の実施例1について説明する。
図2に示すように、半導体レーザモジュール1を出射する送信光は、その一部が符号I、Iを付して示す光路等を伝搬し光導波路2に入射せずに迷光として寄与する成分となる。さらに、半導体レーザモジュール1を出射した送信光が、光路変更素子4で一部反射して、符号Sを付して示す光路等を伝播し迷光になるものもある。このように光モジュール筐体5の内側の面に入射し迷光となったものは、受光モジュール3に入射して、光クロストークを増加させる要因となる。
【0034】
光モジュール筐体5が、送信波長帯の光を反射もしくは散乱することなどによって迷光を生じさせることを抑制するために、光モジュール筐体5の内側の面の一部または全部が、送信波長帯の光を吸収し反射率を低下させる材料からなる皮膜で覆われている。以下、光モジュール筐体5の内側の面を上記の皮膜で覆う処理を迷光低減処理という。具体的には、四三酸化鉄、カーボンブラック等の黒色系の材料を用いて化学的な方法で皮膜を形成して、迷光低減処理を施すのでもよい。迷光低減処理の皮膜に用いる材料は、黒色系の顔料を含むものが好ましい。また、光モジュール筐体5の一部または全部が、黒色の顔料を含むように構成して迷光低減処理を行うのでもよい。なお、黒色度合いであるが、これは特に限定されるものではなく、黒色に近い濃灰色系、濃青色系、紺色系、茶色系等もよい。つまり、一度の反射で完全に迷光を吸収させなくても、数回の反射のうちに、迷光を吸収させる色であれば特に限定されない。
【0035】
上述したように、光モジュール筐体5の内側の面の一部または全部を、送信波長帯の光を吸収し反射率を低下させる材料からなる皮膜で覆ったので、受光モジュールに結合する迷光が抑制でき、光クロストーク特性の劣化を防ぐことができた。
【0036】
(実施例2)
以下に、図面を参照して、本発明の実施例2を説明する。
実施例2は、半導体レーザモジュール1の光路変更素子4側の面の所定領域に、上記の迷光低減処理を施したものである。具体的には、光源側レンズ上のI、Iが出射される領域に迷光低減処理を施したものである。迷光の要因光であるI、Iのモジュール筐体内への出射自体を低減することができるため、迷光発生の抑制に効果的である。
【0037】
(実施例3)
以下に、図面を参照して、本発明の実施例3を説明する。
実施例2の光源側レンズと同様に、受光モジュール3の光路変更素子4側の面の所定領域に、実施例2と同様の迷光低減処理を施すことも、迷光の受光モジュール3への入射を低減できて好ましい。図3に示すように、この迷光低減処理は、受光側レンズ3b上の所定の領域に施し、迷光の受光モジュールへの入射を減じることができ、光クロストークの低減に効果的である。図3は、受光側レンズ3bを光路変更素子4側から見た平面図である。図3において、符号Aを用いて示す領域は、受信光を入射させる領域である。ただし、受光側レンズ3b上の迷光低減処理を施す領域は、上記の領域に限定されるものではない。
【0038】
また上記のように半導体レーザモジュール1や受光モジュール3自体に迷光低減処理を施す以外に、半導体レーザモジュール1や受光モジュール3の光路変更素子4側に、迷光低減処理を施したアパーチャ部材を配置することによっても同様の効果が得られる。
【0039】
(実施例4)
以下に図面を参照して、実施例4を説明する。
本実施例4は、フェルール部材6に関するもので、具体的には、フェルール部材6の光路変更素子4側の部分は、図5に詳細に示すように、光導波路2またはフェルール部材6で反射して光路変更素子4に到達した送信波長帯の光が、光路変更素子4で反射した後に直進する光路Sと、フェルール部材6との重なる部分を含む所定の部分が除去されている。具体的には、図5に破線で示す従来の一芯双方向光モジュール10のフェルール部材56の光路変更素子4側の部分を削除したペンシル状等の形状とするのでもよい。ここで、上記のペンシル形状の場合、端面径は、最も太い部分の80%以下であって、加工中に光導波路を損傷しない程度以上の径にするのが好ましい。光導波路の直径が125μmであるときは、上記の端面径の下限を200μm程度とするのでもよい。
【0040】
また、フェルール部材6の光路変更素子4側の端面近傍は、図4に示すように、光路S1と重なる部分およびその周辺部分を除去し、その他の部分を除去せずに残しておいた形状でもよい。さらに、除去するのに換えて、光が透過する材料を用いてフェルール部材6を構成するのでも、光を吸収する材質の皮膜をフェルール部材6上に形成するのでもよい。もちろんフェルール部材6の材質自体を光吸収性としてもよい。
【0041】
上述したようにフェルール部材6は、例えば、図5における破線と実線に囲まれた領域が削除され、光路S上を伝搬する光が入射しない形状となっている。その結果、破線の断面形状を有する従来のフェルール部材56(図7参照)で生じていた光路S上を伝搬する光の反射をなくし、光路S上を伝搬する光がフェルール部材6で反射して受光側レンズ3bに入射することを回避することができる。なお、図5に示す符号IR1、IR2を付した破線は、光源1を出射した送信波長帯の光が光路変更素子4を透過して光導波路2またはフェルール6に入射し、一部が反射して反射光となったものの光路の一例を表すものである。この反射光IR1、IR2は、一部が光路変更素子4で反射し、符号S、Sを付した破線で示す光路上を伝搬していく。
【0042】
また、符号Sを付した破線で示す光路は、フェルール部材6で反射した光路IR2が、光路変更素子4で反射した後、直接、受光モジュール3に入射して光クロストークの原因となる光の光路を示す。この光路S上を通過する光のうち、図3に示す受光側レンズ3bの領域A以外の領域に入射するものは、受光側レンズ3bに迷光低減処理によって施された皮膜によって吸収され、受光モジュール3aに入射するのを回避することができる。また、上記のようにフェルール固定部材7の受光モジュール3側の面が受光モジュール3から離れるため、この面に反射して受光モジュール3に入射する光を低減することができる。
【0043】
(実施例5)
以下に図面を参照し、実施例5について説明する。
実施例4の施策では、フェルール部材6の一部を削除することによって、S、Sの受光モジュール3への入射を低減させているが、実施例5は、図5のIR1、IR2の光路変更素子への入射角度における反射率を低減することで、S、S自体を低減させるものである。以下、これについて説明する。
【0044】
まず、フェルール部材6の光路変更素子4側の端面は光導波路の送信光路に対して垂直ではなく、0.1〜15°程度の角度範囲で傾斜させる。このように傾斜させることは、主に半導体レーザモジュール1から出射した送信光がフェルール部材6で垂直反射して半導体レーザモジュール1に戻ることで正常なレーザー発振ができなくなることを防止するためである。傾斜の向きと角度は、半導体レーザモジュール1、光導波路2、受光モジュール3等の配置条件も考慮して決定される。具体的には、6〜8°とすることが好ましい。送信光と光導波路2との必要とされる結合効率と、その他の観点から適正化を図るものである。
【0045】
ここで、図6に示すように、フェルール部材6の光路変更素子4側の端面の研磨角度をθ[deg.]、半導体レーザモジュール1から出射した送信光軸の光路変更素子4への入射角度をω[deg.]、送信光軸と光導波路の送信光路とがなす角度をφとすると、上記のフェルール部材6の端面での反射した送信光が、再度光路変更素子4への入射する際の入射角度は、ω−2(θ+φ)となる。ただし、光路変更素子4とフェルール部材6の端面は、同じ向きに傾いているものとする。このことで、半導体レーザモジュール1を光導波路とほぼ同軸上に配置する光学設計が可能となり、一心双方向モジュールの特に幅寸法の小型化が可能となる。
【0046】
この入射角度の範囲内での反射率を下げることを可能とすることによって、光路変更素子4からの反射光に起因するクロストークを大幅に低減することができる。一例として、ω=45°、θ=8°、φ=3.5°としたときは、上記のω−2(θ+φ)=23°付近の反射率を低減することができればよい。ω=45°、θ=8°、φ=3.5°となるように光路等を設定し、光路変更素子4として入射角度23°付近で2dB以上の反射減衰量をもったエッジフィルタを用いたとき、光クロストークを大幅に向上させることができた。
【0047】
(実施例6)
次に、図面を参照して実施例6を説明する。
実施例6では、半導体レーザモジュール1から出射した送信光が、P偏光として光路変更素子4に入射するように、半導体レーザモジュール1及び光路変更素子4との配置を設定したものである。半導体レーザモジュール1から出射した主たる送信光の光路変更素子4への入射角度(40〜50°)だけでなく、それより小さい入射角度での反射減推量を確保することでS、Sが低減され、光クロストークが改善する。例えば一般的なエッジフィルタとしてはそれ程容易ではないが、歩留まり等によるコストアップにつながることが懸念されるため、長波長帯を透過し、短波長帯を反射するような、いわゆるLWPF(Long Wavelength Pass Filter)の場合は原理的に厳しいが、そのなかでは、P偏光を持つ入射光を用いることで、S偏光を持つ入射光の場合よりも容易に反射減推量を確保することができる。
【0048】
(実施例7)
次に、図面を参照して実施例7を説明する。
実施例7では、長期信頼性を改善するために、溶接部分について改良したものである。以下に具体的に説明する。
図2に示すように、フェルール部材6は、レセプタクル等のフェルール固定部材7に固定されている。フェルール部材6が固定されたフェルール固定部材7は、光モジュール筐体5に固定される。具体的には、フェルール固定部材7の図1に符号P2を用いて示す部分等が、例えばYAG溶接等を用いて固定される。ここで、実施例7では、フェルール固定部材7と光モジュール筐体5とがYAG溶接等の溶接で接合される部分Pに、所定の防錆処理を施すものである。これは、モジュールの長期信頼性の観点から好ましい。フェルール固定部材7および光モジュール筐体5は、通常、ステンレス等の合金を用いて作成されるが、溶接等により溶接部分およびその周辺が変質する場合がある。このように変質した溶接部分およびその周辺は、錆びやすくなる恐れがあるため、これを防止するためである。このように、溶接部分で錆びが発生すると、例えば、モジュール組立て時に調整されたフェルール部材6もしくは光導波路2の光軸が、錆びによってずれてしまい結合効率が低下するという問題がある。これらは、高温高湿試験と、この試験を行った一芯双方向光モジュール10の溶接部分を対象に行ったEPMA(Electron-Probe Micro-Analysis)の定性分析とから明らかになったものである。
【0049】
なお、上記の防錆処理としては、例えば、母材の内部に金属粒子が拡散するように皮膜を形成する、いわゆるレイデント(登録商標)処理がある。レイデント処理は、皮膜と母材との界面近傍に皮膜の金属粒子が拡散して合金化された領域を形成して錆の原因となる原子、分子、粒子等が入り込むのを防止できるため、好ましい。また、このレイデント処理で形成した皮膜は、長期間にわたって剥離しないため、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明に係る一芯双方向光モジュールの模式的な構成を示す図である。
【図2】図2は、図1における一芯双方向光モジュールの光モジュール筐体内を拡大した図である。
【図3】図3は、受光側レンズを光路変更素子側から見たときの平面図である。
【図4】図4は、本発明に係るフェルール部材の端面近傍部分の、他の形状の例を示す図である。
【図5】図5は、本発明に係る一芯双方向光モジュールの作用の説明図である。
【図6】図6は、送信光と各構成部との位置関係の説明図である。
【図7】図7は、従来の一芯双方向光モジュールの光モジュール筐体内を拡大した図である。
【符号の説明】
【0051】
1、51 光源
1a 発光素子
1b 光源側レンズ
1c リード線
1d、1e 光源固定部材
2、52 光導波路
3、53 受光モジュール
3a 受光素子
3b 受光側レンズ
3c 信号線
4、54 光路変更素子
5、55 光モジュール筐体
6、56 フェルール
7 フェルール固定部材
8 固定台座
I、I、I、IR1、IR2、R、S、S、S、S 光路




 

 


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