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発明の名称 標的検出ナノセンサ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−155459(P2007−155459A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−349960(P2005−349960)
出願日 平成17年12月2日(2005.12.2)
代理人 【識別番号】100071825
【弁理士】
【氏名又は名称】阿形 明
発明者 吉川 佳広 / 小山 恵美子 / 藤原 享子 / 金里 雅敏
要約 課題
自己組織性分子を用いて、簡便かつ迅速に視覚的にターゲット物を検出するセンサを提供する。

解決手段
該センサを、基板に自己組織性分子の単分子膜がパターン形成されてなり、自己組織性分子がセンシング部位と基板への配設の安定化部位からなり、自己組織性分子がそのセンシング部位でターゲット物を捕捉すると単分子膜パターンが変化するもの、中でも自己組織性分子が
特許請求の範囲
【請求項1】
基板に自己組織性分子の単分子膜がパターン形成されてなり、自己組織性分子がセンシング部位と基板への配設の安定化部位からなり、自己組織性分子がそのセンシング部位でターゲット物を捕捉すると単分子膜パターンが変化することを特徴とする標的検出ナノセンサ。
【請求項2】
自己組織性分子が、一般式
【化1】


[式中、Tはセンシング部位、その他は、基板への配設の安定化部位であり、R1及びR2は、同一でも或いは異なってもよい、炭素原子数8〜30のアルコキシ基又はアルキル基、mは1又は2以上の整数、nは1又は2以上の整数であり、Tは、一般式
A−B−A
(式中、Aはアルキン結合を有する連結基、Bはビピリジル基又は一般式
【化2】


(式中、kは1又は2以上の整数を示す)
で表される含酸素複素環基を示す]
で表される化合物である請求項1記載の標的検出ナノセンサ。
【請求項3】
センシング部位Tを介して、自己組織性分子が左右対称の化学構造を有する請求項1又は2記載の標的検出ナノセンサ。
【請求項4】
自己組織性分子が、一般式
【化3】


(式中、Rは、同一でも或いは異なってもよい、炭素原子数8〜30のアルキル基を示す)
で表されるビピリジル誘導体である請求項3記載の標的検出ナノセンサ。
【請求項5】
基板が、高配向グラファイト、金、銀、銅、Si、SiO2である請求項1ないし4のいずれかに記載の標的検出ナノセンサ。
【請求項6】
ターゲット物として重金属化合物又は重金属イオンを捕捉することができる請求項1ないし5のいずれかに記載の標的検出ナノセンサ。
【請求項7】
重金属がPd、Pt及びCuの中から選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の標的検出ナノセンサ。
【請求項8】
ターゲット物の捕捉前後で蛍光が変化する請求項1ないし7のいずれかに記載の標的検出ナノセンサ。
【請求項9】
請求項8に記載の標的検出ナノセンサを用いて、重金属化合物又は重金属イオンを含有する被検試料液と接触させ、蛍光変化を検出することを特徴とする重金属の検出方法。
【請求項10】
一般式
【化4】


[式中、R1及びR2は、同一でも或いは異なってもよい、炭素原子数8〜30のアルコキシ基又はアルキル基、mは1又は2以上の整数、nは1又は2以上の整数であり、Aはアルキン結合を有する連結基、Bはビピリジル基又は一般式
【化5】


(式中、kは1又は2以上の整数を示す)
で表される含酸素複素環基を示す]
で表される複素環式化合物。
【請求項11】
一般式
【化6】


(式中、Rは、同一でも或いは異なってもよい、炭素原子数8〜30のアルキル基を示す)
で表されるビピリジル誘導体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状パターン変化及び光学的変化を利用した標的検出ナノセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表面形状が変化するセンサとしては、例えば、標識物質を担持させたものが提案されている(特許文献1参照)。この場合には、分子の検出を確認するのに、多段階の行程を経なければならない。すなわち、目的物質の捕捉、捕捉領域の走査型プローブ顕微鏡(SPM)による表面加工、次いで加工表面のSPM検出等の行程を要する。
【0003】
自己組織化を利用した分子検出システムとしては、金のナノ微粒子上でのデオキシリボ核酸(DNA)の分子認識を行うバイオ素子が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この方法では、ターゲット物の捕捉に伴う自己組織性分子の形状変化を視覚的に捉えることは困難である。
低分子化合物の検出を自己組織性分子の導電性変化として捉える分子検出システムも提案されている(特許文献3参照)。ただし、この場合には電極間に適切に自己組織性分子を配置する必要があり、検出手法は導電性変化に限られる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−21636号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献2】特開2005−49297号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献3】特開2005−127998号公報(特許請求の範囲その他)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、自己組織性分子を用いて、簡便かつ迅速に視覚的にターゲット物を検出するセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基板に自己組織性分子の単分子膜をパターン形成させたものであって、自己組織性分子がセンシング部位と基板への配設の安定化部位からなるものが、該分子のセンシング部位でターゲット物を捕捉すると単分子膜パターンを変化させることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
(1)基板に自己組織性分子の単分子膜がパターン形成されてなり、自己組織性分子がセンシング部位と基板への配設の安定化部位からなり、自己組織性分子がそのセンシング部位でターゲット物を捕捉すると単分子膜パターンが変化することを特徴とする標的検出ナノセンサ。
(2)自己組織性分子が、一般式
【化1】


[式中、Tはセンシング部位、その他は、基板への配設の安定化部位であり、R1及びR2は、同一でも或いは異なってもよい、炭素原子数8〜30のアルコキシ基又はアルキル基、mは1又は2以上の整数、nは1又は2以上の整数であり、Tは、一般式
A−B−A
(式中、Aはアルキン結合を有する連結基、Bはビピリジル基又は一般式
【化2】


(式中、kは1又は2以上の整数を示す)
で表される含酸素複素環基を示す]
で表される化合物である前記(1)記載の標的検出ナノセンサ。
(3)センシング部位Tを介して、自己組織性分子が左右対称の化学構造を有する前記(1)又は(2)記載の標的検出ナノセンサ。
(4)自己組織性分子が、一般式
【化3】


(式中、Rは、同一でも或いは異なってもよい、炭素原子数8〜30のアルキル基を示す)
で表されるビピリジル誘導体である前記(3)記載の標的検出ナノセンサ。
(5)基板が、高配向グラファイト、金、銀、銅、Si、SiO2である前記(1)ないし(4)のいずれかに記載の標的検出ナノセンサ。
(6)ターゲット物として重金属化合物又は重金属イオンを捕捉することができる前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の標的検出ナノセンサ。
(7)重金属がPd、Pt及びCuの中から選ばれる少なくとも1種である前記(6)記載の標的検出ナノセンサ。
(8)ターゲット物の捕捉前後で蛍光が変化する前記(1)ないし(7)のいずれかに記載の標的検出ナノセンサ。
(9)前記(8)に記載の標的検出ナノセンサを用いて、重金属化合物又は重金属イオンを含有する被検試料液と接触させ、蛍光変化を検出することを特徴とする重金属の検出方法。
(10)一般式
【化4】


[式中、R1及びR2は、同一でも或いは異なってもよい、炭素原子数8〜30のアルコキシ基又はアルキル基、mは1又は2以上の整数、nは1又は2以上の整数であり、Aはアルキン結合を有する連結基、Bはビピリジル基又は一般式
【化5】


(式中、kは1又は2以上の整数を示す)
で表される含酸素複素環基を示す]
で表される複素環式化合物。
(11)一般式
【化6】


(式中、Rは、同一でも或いは異なってもよい、炭素原子数8〜30のアルキル基を示す)
で表されるビピリジル誘導体。
【0008】
本発明の標的検出ナノセンサ(以下、本ナノセンサともいう)の基本原理は、ホスト−ゲスト化学及び該化学反応に基づいて表面パターンの変化が誘発されるというものである。
本ナノセンサによるターゲット物検出のためのパターン変化検出の基本概念を図1に示す。
本ナノセンサにおいて単分子膜のパターン形成に預かる自己組織性分子は、2つの部位から構成されている。すなわち、ターゲット物を検出するセンシング部位1、及び基板への配設の安定化を担う安定化部位2である。ターゲット物3が近接して、センシング部位1に捕捉されると基板上の分子間相互作用により、分子の配列パターンがターゲット物の捕捉前後で変化する。この幾何学的なパターン変化から検出対象のターゲット物或いは標的物の捕捉を確認することができる。
基板面のパターン変化は好ましくは走査型プローブ顕微鏡で視認・検出することができる
パターン変化の具体例を化学構造の変化で示すと、図2や図3のとおりである。
【0009】
また、ターゲット物の捕捉前後で、センシング部位から生じる蛍光変化、代表的には蛍光の色調や強度の変化から、標的検出及び標的量を見積もることができる。
蛍光変化は、蛍光の色調やその強度の変化に代表され、これらの変化は好ましくは蛍光顕微鏡で視認・検出することができる。
【0010】
上記自己組織性分子は、一般式
【化7】


[式中、Tはセンシング部位、その他は、基板への配設の安定化部位であり、R1及びR2は、同一でも或いは異なってもよい、炭素原子数8〜30のアルコキシ基又はアルキル基、mは1又は2以上の整数、nは1又は2以上の整数であり、Tは、一般式
A−B−A
(式中、Aはアルキン結合を有する連結基、Bはビピリジル基又は一般式
【化8】


(式中、kは1又は2以上の整数を示す)
で表される含酸素複素環基を示す]
で表される化合物、すなわち
一般式(I)
【化9】


[式中、R1及びR2は、同一でも或いは異なってもよい、炭素原子数8〜30のアルコキシ基又はアルキル基、mは1又は2以上の整数、nは1又は2以上の整数であり、Aはアルキン結合を有する連結基、Bはビピリジル基又は一般式(II)
【化10】


(式中、kは1又は2以上の整数を示す)
で表される含酸素複素環基を示す]
で表される複素環式化合物であるのが好ましく、この化合物は新規であり、その中でも特に後述の一般式(III)の化合物が好ましい。
上記一般式中のA、B、k、R1、R2、R、m、nについてさらに説明する。
先ず、Aの所定連結基としては、エチニル基のようなアセチレン結合のみからなるものや、該結合の一端或いは両端にアルキレン基が延設されたものなどが挙げられる。
Bがビピリジル基である場合には5,5´‐ビピリジル基などが、また、一般式(II)の含酸素複素環基である場合にはkは2までであるのがそれぞれ好ましい。
また、R1、R2、Rの炭素原子数は10〜22であるのが、また、m、nは3までであるのがそれぞれ好ましい。
【0011】
一般式(III)
【化11】


(式中、Rは、同一でも或いは異なってもよい、炭素原子数8〜30のアルキル基を示す)
で表されるビピリジル誘導体。
【0012】
上記一般式(I)で表される化合物は、次のようにして製造することができる。
すなわち、一般式
【化12】


(式中、R1は炭素原子数8〜30のアルコキシ基又はアルキル基、mは1又は2以上の整数、Xはハロゲン原子を示す)
及び一般式
【化13】


(式中、R2は炭素原子数8〜30のアルコキシ基又はアルキル基、nは1又は2以上の整数、Xはハロゲン原子を示す)
で表される化合物と、一般式
H−A−B−A−H
(式中、Aはアルキン結合を有する連結基、Bはビピリジル基又は一般式(II)
【化14】


(式中、kは1又は2以上の整数を示す)
で表される含酸素複素環基を示す]
で表される複素環式化合物とを反応させる。
この反応は好ましくはPd(PPh34、Pd(CH3CN)2Cl2、PPh3、CuI、これらの混合物等の触媒の存在下に行われ、さらに好ましくはトリエチルアミン、イソプロピルアミン等の塩基の存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン等の溶媒中、もしくは塩基をそのまま溶媒として行われる。
反応温度は原料の種類、反応時間等の他の反応条件にもよるが、通常20〜80℃、好ましくは25〜70℃の範囲とするのがよい。
反応時間は原料の種類、反応温度等の他の反応条件にもよるが、通常8〜168時間、好ましくは12〜72時間の範囲とするのがよい。
【0013】
本ナノセンサに用いられる基板は、該基板面に自己組織性分子を集積させその自己組織化を助長してその単分子膜のパターンを形成させるのに役立つものであればよく、このようなものとしては例えば高配向グラファイト、金、銀、銅、Si、SiO2等が挙げられる。
【0014】
本ナノセンサにより検出可能なターゲット物としては、例えば重金属化合物又は重金属イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン等が挙げられ、中でも重金属がPd、Pt及びCuの中から選ばれる少なくとも1種である重金属化合物又は重金属イオンが好ましい。
【0015】
本ナノセンサによれば、該センサを、重金属化合物又は重金属イオン、中でも重金属がPd、Pt及びCuの中から選ばれる少なくとも1種である重金属化合物又は重金属イオンを含有する被検試料液と接触させ、蛍光変化を検出することにより、重金属を検出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本ナノセンサは、基板に集積されパターニングされた自己組織性分子の単分子膜におけるナノメートルスケールの分子形状の変化をターゲット物の検出に利用していることから、高感度の超小型微量分析用に好適である。
また、本ナノセンサによれば、蛍光の色調やその強度の変化を求めることにより、ターゲット物の定量をも可能となるので、少量の検体に対し、煩雑な操作を必要としない、簡便な微量分析システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、実施例により本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明はこれらの例によりなんら限定されるものではない。
【実施例1】
【0018】
(化合物IVの合成)
Pd(PPh3482.5mg(0.07mmol)及びCuI13.6mg(0.07mmol)を触媒として、5,5´‐ジエチニル‐2,2´‐ビピリジン240mg(1.19mmol)及び1,2‐ジドデシルオキシ‐4‐ヨードベンゼン1.5g(2.62mmol)を窒素雰囲気下でTHF及びトリエチルアミン中、60℃で4日間加熱撹拌して反応させた後、固体をろ別して得たろ液から溶媒を減圧留去した。
このようにして得られた残渣をクロロホルムに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより精製し、式(IV)
【化15】


で表されるビピリジル誘導体を収率45%で得た。
この式(IV)の目的化合物(化合物IV)の同定資料を以下に示す。
1H NMR (CDCl3): δ 0.88(t,J=7.0Hz,12H),1.22−1.40(br s,64H),1.42−1.50(m,8H),1.80−1.88(m,8H),4.03(t,J=6.6Hz,8H),6.85(d,J=8.4Hz,2H),7.07(d, J=1.7Hz,2H),7.14(dd,J1=8.3Hz,J2=1.7Hz、2H),7.92(d,J=8.1Hz,2H),8.41(d,J=6.6Hz,2H),8.79(s、2H)
IR(KBr):2920,2851,2208,1513,1467,1254,1220,1125cm-1
【0019】
(化合物IVを用いたターゲットモデル化合物の検出)
化合物IVをジクロロメタンに溶解し、0.1mM溶液を調製し、最終的に0.05mM以下の濃度となるように1‐フェニルオクタンに分散させた後、溶液を高配向グラファイト上に滴下し、化合物IVの単分子膜を固‐液界面に調製し、後述のターゲットモデル化合物の添加前の単分子膜の形態を走査型トンネル顕微鏡(STM)によって観察した。別に、上記と同一の溶液中にターゲットモデル化合物としてPd(CH3CN)2Cl2を添加して固‐液界面の単分子膜を再度STMで観察した。このようにして、図4に示すように、ターゲットモデル化合物の添加前後で表面パターンが変化していることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、自己組織性分子の形状変化を利用したセンサであり、極微量の金属種をも高感度で幾何学的及び光学的に検出することができることから、例えば環境水中に潜在する微量金属種の検出を簡便かつ迅速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本ナノセンサの要部の説明図。
【図2】パターン変化を化学構造の変化で示す一具体例。
【図3】パターン変化を化学構造の変化で示す別の具体例。
【図4】ターゲットモデル化合物の添加前後での、実施例1の化合物IVの単分子膜のSTM像(本ナノセンサの動作確認の一例)。




 

 


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