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発明の名称 エンドトキシンの濃度測定方法およびエンドトキシンの濃度測定キット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−93378(P2007−93378A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−282892(P2005−282892)
出願日 平成17年9月28日(2005.9.28)
代理人 【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
発明者 加藤 大 / 丹羽 修 / 佐藤 縁 / 飯島 誠一郎 / 栗田 僚二 / ジア ジアンボ / 坂田 眞砂代 / 水谷 文雄
要約 課題
簡便、かつ、高感度にエンドトキシンの濃度をすることのできる、新しいエンドトキシンの濃度測定方法およびエンドトキシンの濃度測定キットを提供する。

解決手段
試料中に含まれるエンドトキシンの濃度測定方法であって、エンドトキシンと錯体形成をする反応性官能基を有する可逆的酸化還元物質を試料に添加し、試料中のエンドトキシンと錯体形成させ、作用電極上で錯体未形成の可逆的酸化還元物質の濃度変化を選択的に増幅して、このときの電流変化を電気化学的に測定することを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
試料中に含まれるエンドトキシンの濃度測定方法であって、エンドトキシンと錯体形成をする反応性官能基を有する可逆的酸化還元物質を試料に添加し、試料中のエンドトキシンと錯体形成させ、作用電極上で錯体未形成の可逆的酸化還元物質の濃度変化を選択的に増幅して、このときの電流変化を電気化学的に測定することを特徴とするエンドトキシンの濃度測定方法。
【請求項2】
前記作用電極を、電極上に酸化還元酵素を固定化してなる酵素電極とし、この酵素電極において、可逆的酸化還元物質を酸化還元酵素により酸化あるいは還元する反応と、電極反応により可逆的酸化還元物質を還元あるいは酸化して再生する反応とからなる反応サイクルを形成させて錯体形成に伴う電流信号の変化を増幅し、かつ、錯体形成した可逆的酸化還元物質の透過を電極上に設けた酵素膜によって抑制させ、このときの電流変化を電気化学的に測定することを特徴とする請求項1に記載のエンドトキシンの濃度測定方法。
【請求項3】
可逆的酸化還元物質は、ボロン酸基を有する化合物である請求項1または2に記載のエンドトキシンの濃度測定方法。
【請求項4】
ボロン酸基を有する化合物は、フェロセンボロン酸である請求項3に記載のエンドトキシンの濃度測定方法。
【請求項5】
前記酸化還元酵素に対する基質をさらに加える請求項2から4いずれかに記載の測定方法。
【請求項6】
電極に固定化する酸化還元酵素は、ジアフォラーゼ、コリン酸化酵素、乳酸酸化酵素、グルタミン酸酸化酵素および西洋ワサビペルオキシダーゼの少なくともいずれかである請求項2から5いずれかに記載のエンドトキシンの濃度測定方法。
【請求項7】
基質は、ジアフォラーゼ、コリン酸化酵素、乳酸酸化酵素、グルタミン酸酸化酵素および西洋ワサビペルオキシダーゼの少なくともいずれかの酵素に対するものである請求項6に記載のエンドトキシンの濃度測定方法。
【請求項8】
測定対象のエンドトキシンは、内毒素、リポ多糖、発熱物質およびパイロジェンの少なくともいずれかである請求項1から7いずれかに記載のエンドトキシンの濃度測定方法。
【請求項9】
試料中のエンドトキシンの濃度を測定するための測定キットであって、少なくとも酸化還元酵素を固定化した電極を備えている電気化学セルと、エンドトキシンと錯体形成をする反応性官能基を有する可逆的酸化還元物質とを具有することを特徴とするエンドトキシンの濃度測定キット。
【請求項10】
酸化還元酵素に対する基質をさらに具有する請求項9に記載のエンドトキシンの濃度測定キット。
【請求項11】
酸化還元酵素は、ジアフォラーゼ、コリン酸化酵素、乳酸酸化酵素、グルタミン酸酸化酵素および西洋ワサビペルオキシダーゼの少なくともいずれかである請求項9または10に記載のエンドトキシンの濃度測定キット。
【請求項12】
基質は、ジアフォラーゼ、コリン酸化酵素、乳酸酸化酵素、グルタミン酸酸化酵素および西洋ワサビペルオキシダーゼの少なくともいずれかの酵素に対するものである請求項11に記載のエンドトキシンの濃度測定キット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願発明は、グラム陰性菌が有するエンドトキシンの濃度測定方法およびエンドトキシンの濃度測定キットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンドトキシンは、大腸菌やサルモネラ菌をはじめとするグラム陰性菌の外膜を構成している毒性物質の総称であり、その本体はリポ多糖(Lipopolysaccharide;LPS)である。
【0003】
エンドトキシンは、極微量(たとえば、ng/mLオーダー)でも血液中に混入すると、発熱作用、ショック死、血管内血液擬固、または敗血症等を引き起こす。そのため、これらの製剤中のエンドトキシン含有量は法的に規制されている。
【0004】
エンドトキシンは、医薬品の生産プロセス中に生息する細菌が破壊(死滅・溶菌)することによって遊離し、医薬品に混入する可能性がある。例えば、輸液や注射製剤等のような非経口医薬品は、主に発酵技術や遺伝子組換え技術により製造されており、製造工程において宿主細胞壁成分からの混入が懸念される。したがって、これら医薬品の安全性を確保する上でエンドトキシン含有量を、簡便かつ高感度に測定することは必須となっている。
【0005】
エンドトキシンの濃度測定、定量方法としては、リムルス試験が主流となっている。このリムルス試験は、カブトガニの血球抽出液がエンドトキシンにより凝固する現象を利用したものである。リムルス試薬の凝固反応は、哺乳類の血液擬固系に類似したカスケード反応で起こる。したがって、少量のエンドトキシンのシグナルを増幅して擬固が引き起こされるもので、非常に高感度な測定系である。
【0006】
その詳細を説明すると、まず、エンドトキシンがC因子を活性化してCa因子とし、これがB因子を活性化してBa因子を生成する。このBa因子は、プレ凝固酵素を凝固酵素に活性化し、これが凝固タンパク質(コアギュローゲン)を加水分解する。凝固タンパク質の分解物は、ジスルフィド結合をしてコアギュリンとなり、これがさらに集まりゲル化する。
【0007】
さらに、この現象を利用したエンドトキシンの高感度測定法も知られており、この測定法には、比濁法と比色法がある。
【0008】
比濁法は、リムルス試薬のゲル化時間とエンドトキシンの濃度が比例することを測定原理としている。この比濁法による測定法では、ゲル化時間の測定を透過光の変化として捕らえて試料の反応開始から一定の濁度に達するまでの反応時間をゲル化時間としてエンドトキシン量を定量する。ゲル化時間とエンドトキシン濃度の両対数プロットは、ほぼ直線に近い相関を示す(比濁時間法)。
【0009】
一方、比色法(発色合成基質法)は、コアギュリンの代わりに発色合成ペプチドを使用し、その加水分解速度からエンドトキシン濃度を求める。ここで使用する発色合成基質は、コアギュリンのアミノ酸配列の一部分であるLeu−Gly−ArgのArgのカルボキシル基にp−ニトロアニリン(pNA)がペプチド結合したものである。凝固酵素(クロティング酵素)は、この発色合成基質を加水分解し、pNAを遊離する。測定方法には、一定時間後の吸光度を用いるエンドポイント法と加水分解反応の初速度を用いるカイネティック法がある。反応の初速度は、反応曲線の立ち上がり部分における接線の傾きとして得られ、単位時間当たりの吸光度変化(Abs./min)として表す。各濃度のエンドトキシンで測定した初速度とエンドトキシン濃度のプロットは、相関を示す(たとえば、特許文献1参照)。
【0010】
しかしながら、上記のような従来のリムルス試験およびリムルス試験を基にした測定方法は、測定装置および試薬ともに高価であり、オンサイト測定が困難であった。
【0011】
また、多段階にわたる反応を経る凝固過程の経時変化を測定原理としていることからも明らかなように、特に低濃度のエンドトキシンほどその凝固時間(測定時間)を要すること、さらには測定者間により測定値にばらつきが生じること等の問題があった。
【0012】
ところで、試料中の目的成分の定量法において、簡便かつ高感度な測定方法としては電気化学的な測定方法がある。たとえば、糖類(ポリオール類)を電気化学的に測定する方法が知られている(たとえば、特許文献2、非特許文献1)。
【0013】
このような測定方法は、溶液中の目的成分あるいは目的成分の濃度変化に対応して濃度が変化する特定成分について、その濃度あるいは濃度変化を電極上での電流信号として変換、出力することで、簡便かつ高感度に測定の対象である目的成分を測定することができることから、この電気化学的な測定方法を、多糖類と脂質類を主要成分としているエンドトキシンの測定に応用することが考慮できる。
【特許文献1】特開平06−324047号公報
【特許文献2】特開平08−247998号公報
【非特許文献1】J.CHEM.SOC.CHEM.COMM.(1995)1771-1772
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記特許文献2や非特許文献1のような測定方法は、測定している糖が単糖および二糖類であり、定量域が10-5〜1Mと比較的高濃度域である。すなわち、多糖類を主要成分としているエンドトキシンの測定には適用できないという問題があった。また、上記のとおり、エンドトキシンを構成する主要成分は、多糖類と脂質類ではあるが、それら自体は何ら電気化学的な活性を示さないことから、エンドトキシンの測定には、上記のような電気化学的な測定方法を利用することはできなかった。
【0015】
そこで、以上のとおりの背景から、従来の問題点を解決すべく、発明者の鋭意研究の結果に基づいたものであり、電気化学的測定を活用して、簡便、かつ、高感度にエンドトキシンの濃度をすることのできる、新しいエンドトキシンの濃度測定方法およびエンドトキシンの濃度測定キットを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明は、前記の課題を解決するものとして、第1には、試料中に含まれるエンドトキシンの濃度測定方法であって、エンドトキシンと錯体形成をする反応性官能基を有する可逆的酸化還元物質を試料に添加し、試料中のエンドトキシンと錯体形成させ、作用電極上で錯体未形成の可逆的酸化還元物質の濃度変化を選択的に増幅して、このときの電流変化を電気化学的に測定することを特徴とする。
【0017】
また、本願発明は、第2には、前記作用電極を、電極上に酸化還元酵素を固定化してなる酵素電極とし、この酵素電極において、可逆的酸化還元物質を酸化還元酵素により酸化あるいは還元する反応と、電極反応により可逆的酸化還元物質を還元あるいは酸化して再生する反応とからなる反応サイクルを形成させて錯体形成に伴う電流信号の変化を増幅し、かつ、錯体形成した可逆的酸化還元物質の透過を電極上に設けた酵素膜によって抑制させ、このときの電流変化を電気化学的に測定することを特徴とする。
【0018】
さらに、本願発明は、第3には、上記第1または第2の発明において、可逆的酸化還元物質は、ボロン酸基を有する化合物であることを特徴とし、第4には、ボロン酸基を有する化合物は、フェロセンボロン酸であることを特徴とする。第5には、酸化還元酵素に対する基質をさらに加えることを特徴とし、第6には、電極に固定化する酸化還元酵素は、ジアフォラーゼ、コリン酸化酵素、乳酸酸化酵素、グルタミン酸酸化酵素および西洋ワサビペルオキシダーゼの少なくともいずれかであることを特徴とし、第7には、基質は、ジアフォラーゼ、コリン酸化酵素、乳酸酸化酵素、グルタミン酸酸化酵素および西洋ワサビペルオキシダーゼの少なくともいずれかの酵素に対するものであることを特徴とし、第8には、測定対象のエンドトキシンは、内毒素、リポ多糖、発熱物質およびパイロジェンの少なくともいずれかであることを特徴とする。
【0019】
そして、本願発明は、第9には、試料中のエンドトキシンの濃度を測定するための測定キットであって、少なくとも酸化還元酵素を固定化した電極を備えている電気化学セルと、エンドトキシンと錯体形成をする反応性官能基を有する可逆的酸化還元物質とを具有することを特徴とし、第10には、酸化還元酵素に対する基質をさらに具有することを特徴とし、第11には、酸化還元酵素は、ジアフォラーゼ、コリン酸化酵素、乳酸酸化酵素、グルタミン酸酸化酵素および西洋ワサビペルオキシダーゼの少なくともいずれかであることを特徴とし、第12には、基質は、ジアフォラーゼ、コリン酸化酵素、乳酸酸化酵素、グルタミン酸酸化酵素および西洋ワサビペルオキシダーゼの少なくともいずれかの酵素に対するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1〜第7の発明によれば、エンドトキシンの測定に電気化学的測定を活用することができ、その結果、簡便、かつ、高感度にエンドトキシンの濃度を測定することができる。
【0021】
また、第8〜第12の発明によれば、電気化学的測定を活用して、使用者の熟練度を問わずに、簡便、かつ、高感度にエンドトキシンの濃度を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本願発明は、上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について詳しく説明する。
【0023】
本願発明は、電気化学的測定方法による、試料中に含まれるエンドトキシンの濃度測定方法である。具体的には、エンドトキシンと錯体形成をする反応性官能基を有する可逆的酸化還元物質を試料に添加し、試料中のエンドトキシンと錯体形成させ、作用電極上で錯体未形成の可逆的酸化還元物質の濃度変化を選択的に増幅して、このときの電流変化を電気化学的に測定することを特徴としている。
【0024】
本願発明の発明者は、エンドトキシンの濃度測定に電気化学的測定を適用するために、まず、エンドトキシンの多糖部分に着目するとともに、糖類を認識する化合物、たとえば、ボロン酸およびその誘導体は、アルカリ水溶液中において、糖類等のcis-ジオール構造を有する化合物と錯体を形成する(たとえば、J.ORG.CHEM.24(1959)769参照)ことを踏まえて鋭意研究したところ、ボロン酸およびその誘導体をはじめとする、糖との相互作用機能と可逆的酸化還元能を併せ持つ化合物(すなわち、エンドトキシンと錯体形成をする反応性官能基を有する可逆的酸化還元物質)を使用することで、上記の電気化学的測定方法によるエンドトキシンの濃度測定を行うことができることを見出した。
【0025】
より具体的には、本願発明の発明者は、エンドトキシンと錯体形成し得る可逆的酸化還元物質あるいはその誘導体を利用して、試料中の酸化性あるいは還元性の物質の影響をほとんど受けずに測定が可能な方法について鋭意研究を重ねた。その結果、可逆的酸化還元物質がエンドトキシンと錯体形成を起こす前後で、その電極上での電解電流の大きさが変化することに着目した。また、この電解電流の変化を測定する際、可逆的酸化還元物質の電解還元あるいは電解酸化と酵素反応による酸化あるいは還元とを共役させることにより、可逆的酸化還元物質の上記の電気化学活性の変化を増幅して測定することが可能とし、さらには、その酵素反応のために電極上に設けた酵素膜が、錯体形成した可逆的酸化還元物質の透過とエンドトキシンの電極表面への非特異的吸着による応答電流の減少を著しく抑制することを見出した。
【0026】
すなわち、本願発明は、上記作用電極を、電極上に酸化還元酵素を固定化してなる酵素電極とし、この酵素電極において、可逆的酸化還元物質を酸化還元酵素により酸化あるいは還元する反応と、電極反応により可逆的酸化還元物質を還元あるいは酸化して再生する反応とからなる反応サイクルを形成させて錯体形成に伴う電流信号の変化を増幅し、かつ、錯体形成した可逆的酸化還元物質の透過を電極上に設けた酵素膜によって抑制させ、このときの電流変化を電気学的に測定することをも特徴としている。図には示していないが、たとえば、上記酸化還元酵素を電極に固定化していない(酵素膜がない)場合、電極表面へエンドトキシンが吸着して、バックグラウンド電流値そのものが減少、すなわち、絶縁された状態となる。このことは、たとえば、フェロセンボロン酸等の電気化学活性種のない電解液中にエンドトキシンを添加しても起こり、電気化学活性種とエンドトキシンの間の相互作用に起因するものではない。したがって、上記のとおり、電極に酸化還元酵素を固定化して酵素電極することで、エンドトキシンの電極上への非特異的吸着を抑制することをも可能となる。
【0027】
そのため、結果的にその変化を引き起こすエンドトキシン量を定量的、かつ簡便、高感度、高選択的に測定することが可能となることを見出し、本願発明を完成するに至った。
【0028】
なお、可逆的酸化還元物質を二本鎖DNA量の測定に利用することについて、たとえば、BIOELECTROCHEM.63(2004)257-259および特開2004−257993号公報等に記載されているが、本願発明のように、その構成が異なるエンドトキシン(リポ多糖)を測定対象としていない。
【0029】
次に、本願発明のエンドトキシンの濃度測定の原理を以下に説明する。また、図1に、概略図として、本願発明におけるエンドトキシンの濃度測定方法の原理を例示した。
エンドトキシンを含む試料に一定量の可逆的酸化還元物質を含む溶液を添加するか、あるいは一定量の可逆的酸化還元物質を含む溶液に当該試料を添加すると、試料中のエンドトキシンの量に応じて、可逆的酸化還元物質が該エンドトキシンと錯体形成を起こす。このエンドトキシンと錯体形成を起こした可逆的酸化還元物質と錯体未形成の可逆的酸化還元物質とは、電気化学的特性が異なり識別可能である。したがって、錯体未形成の可逆的酸化還元物質の量を測定すれば、錯体形成した可逆的酸化還元物質の量に対応する試料中のエンドトキシンの量を知ることが可能となる。
【0030】
この錯体未形成の可逆的酸化還元物質の量をより高感度で測定するために、本願発明は、エンドトキシンと錯体形成する可逆的酸化還元物質を使用し、電極として酸化還元酵素を固定化した電極を用いる。このエンドトキシンとの錯体形成能を有する可逆的酸化還元物質とは、電子の授受により、可逆的に酸化型および還元型の状態をとりうる可逆的酸化還元物質のことであり、本願発明は、基本的にはこの電子の授受により生ずる、電極に流れる電流を測定することにより錯体未形成の可逆的酸化還元物質量を測定して、エンドトキシンの量を把握するものであるが、この測定電流は増幅されており、高感度で測定しうる点に特徴を有する。
【0031】
すなわち、試料溶液に添加した可逆的酸化還元物質のうちエンドトキシンと錯体形成を起こさない可逆的酸化還元物質は、一定電位が印加された電極上で酸化あるいは還元され、酸化型あるいは還元型に移行するが、この電極反応に伴い電子の授受が行われることにより、電極に流れる電流は変化する。さらに、上記電極反応により酸化型あるいは還元型に移行した可逆的酸化還元物質は、電極に固定化した酸化還元酵素により、再び元の状態(還元型あるいは酸化型)に再生される。この可逆的酸化還元物質を介する酸化、還元およびその再生反応は、反応サイクルを形成し、この反応サイクルの繰り返しにより、電極に流れる電流は増幅される。したがって、錯体未形成の可逆的酸化還元物質が徹量であっても、その測定電流は増幅されており、これにより、高感度でエンドトキシン量を測定することが可能となるものである。
【0032】
本願発明において利用される電極の材質としては特に制限はないが、耐食性等から、白金、金等の貴金属あるいはカーボン系の材料が好都合に使用される。
【0033】
本願発明において使用される可逆的酸化還元物質としては、フェロセンボロン酸のようにエンドトキシンとの錯体形成機能(ボロン酸基)と、可逆的酸化還元能を併せ持つ化合物(フェロセン)が使用でき、これに限らず、ポリミキシンBや抗LPS抗体のようにエンドトキシンと特異的に結合する能力を有するが、可逆的酸化還元能を有しない物質であっても、分子の側鎖としてフェロセン、キノン等の可逆的酸化還元能を有する基を導入することにより、使用することができる。なお、フェロセンボロン酸類の合成に関しては、たとえば、J.CHEM.SOC.CHEM.COMM.(1995)1771-1772および特開平08−245673号公報に記載されている。
【0034】
また、酸化還元酵素としては、上記可逆的酸化還元物質あるいはその誘導体を電子受容体あるいは供与体としてスムースに反応が進むものであれば特に制限はないが、安定で、安価なものが好ましい。具体的には、フェロセンボロン酸を可逆的酸化還元物質とする場合には、弱アルカリ水溶液中においてボロン酸とcis-ジオール間の錯化形成を起こしやすく、かつ、弱アルカリ水溶液中で高い酵素活性を示すジアフォラーゼを基質であるNADH化時の電子受容体として用いるのが好都合である。また、その他に、エンドトキシンとの錯体形成が中性付近の水溶液でおこるフェロセンあるいはキノンを側鎖に持つ可逆的酸化還元物質を用いる場合は、これを基質酸化時の電子受容体として用いる酸化酵素、例えば、コリン酸化酵素、乳酸酸化酵素、グルタミン酸酸化酵素等が、もしくは、基質還元時の電子供与体として用いる還元酵素、例えば、ペルオキシダーゼ(特に、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP))等が適宜に利用できる。
【0035】
上記酵素の電極上への固定化法としては、特に限定されるものではないが、酵素を高活性に保持でき、基質及び上記可逆的酸化還元物質の透過が充分で、かつ、エンドトキシンと錯体形成した可逆的酸化還元物質の透過は抑制するような担体材料、固定化方法が選択、利用される。例えば、電極表面に形成した多孔性の担体に酵素を結合させる方法や、アルブミンおよびグルタルアルデヒドによる酵素固定架橋膜を電極表面に形成する方法等、透過性が良いことが知られている方法等が、採択できる。
【0036】
次に、本願発明の一実施形態について、一例を挙げて説明すると、まず、基板となる電極を研磨等の所定の前処理を行った後、酸化還元酵素の固定化膜を電極上に設ける。このようにして調製された酵素電極を作用極とし、適当な対極、参照極と組み合わせて可逆的酸化還元物質を含む電解質水溶液中に挿入する。可逆的酸化還元物質の濃度については、特に制限はないが、低濃度で、かつ、酵素電極による増幅測定により明瞭な電流応答を与え得る濃度として0.1〜10μmol/L程度が好ましい。使用する電解質溶液の濃度、種類についても、特に制限はないが、エンドトキシンと可逆的酸化還元物質間の錯体形成が起こりやすく、かつ、酵素活性を安定に保持しうるpH緩衝液の使用が好ましく、例えば、上記フェロセンボロン酸を可逆的酸化還元物質とする場合においては、弱アルカリ性のpH8.5前後、濃度1〜100mmol/L前後のリン酸緩衝液等が好都合に用いられる。また、その場合、弱アルカリ側において高い酵素活性を示すジアフォラーゼが好都合に用いられる。酵素電極に可逆的酸化還元物質の酸化あるいは還元に必要な電位を印加すると、酸化あるいは還元に伴う電流が流れるが、可逆的酸化還元物質濃度が比較的低いことからこの電流値は小さい。
【0037】
また、溶液に基質、例えば、ジアフォラーゼ、コリン酸化酵素、乳酸酸化酵素、グルタミン酸酸化酵素および西洋ワサビペルオキシダーゼ等の酵素を用いた場合には、これら酵素に対する基質を添加すると、酵素反応による基質酸化あるいは還元に伴う、電子受容体あるいは供与体としての可逆的酸化還元物質の還元あるいは酸化、電極上での再酸化あるいは再還元のサイクリックな反応が進行し、電解電流は極めて大きくなり、正確な測定が容易なレベルに到達する。なお、本願発明における酸化還元酵素の基質とは、例えば、通常、ジアフォラーゼの基質は「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)」であり、コリン酸化酵素の基質は「コリン酸」、乳酸酸化酵素の基質は「乳酸」、グルタミン酸酸化酵素の基質は「グルタミン酸」である。
【0038】
具体的には、例えば、可逆的酸化還元物質としてフェロセンボロン酸、酵素としてジアフォラーゼを用いた場合、pH8.5で+0.30V(対銀一塩化銀電極)の電位を印加すると、電極上で以下の反応が生ずる。
(a) フェロセンボロン酸(還元型)→フェロセンボロン酸(酸化型)+e
また、ここに酵素基質であるβ-ニコチンアミドジヌクレオチド還元型(NADH)を添加すると、以下の酵素反応が生ずる。
(b)フェロセンボロン酸(酸化型)+NADH→
フェロセンボロン酸(還元型)+β-ニコチンアミドジヌクレオチド酸化型(NAD+
したがって、この酵素反応によりフェロセンボロン酸(還元型)が再生し、さらに電極反応、酵素反応のサイクルを繰り返す。このサイクリックな反応によりNADH添加前に比べて、添加によって10〜1000倍程度の電流の増加が観測される。この反応サイクルにおいて、フェロセンボロン酸は、酸化型と還元型とを繰り返すが、酸化型および還元型の合計量は変わらずフェロセンボロン酸は、メディエータとしても機能する。また、上記反応式中の「e」の量、つまり電極における電流は、添加するNADHの量を過剰にすれば、この反応に関与するフェロセンボロン酸の量に依存する。
【0039】
一方、試料中の可逆的酸化還元物質の一部は、エンドトキシンの多糖構成部位と錯体形成される。このエンドトキシンと錆体形成した可逆的酸化還元物質は、高分子のエンドトキシンに結合した状態なので溶液中での拡散速度は著しく低下する、すなわち溶液バルクから電極近傍へ到達しにくくなり、電極近傍に到達しても酵素膜に邪魔されて電極表面に接触し難い。また、たとえ電極表面に到達しても、エンドトキシンそのものにブロックされて電極との電子移動の速度は低下する。したがって、エンドトキシンと錯体形成した可逆的酸化還元物質は、事実上、還元あるいは酸化電流を与えない。
【0040】
すなわち、錯体未形成の可逆的酸化還元物質のみが電極反応、酵素反応のサイクルを繰り返し、このときの電流は錯体未形成の可逆的酸化還元物質濃度にほぼ比例する。したがって、試料中のエンドトキシン濃度が増えるほど、すなわち錯体形成された可逆的酸化還元物質濃度が増えて、錯体未形成の濃度が減少するほど、電流は減少する。いいかえれば、電流の減少の度合いから、添加されたエンドトキシンの量(濃度)を把握することができる。
【0041】
また、本願発明における測定対象となるエンドトキシンは、特に限定されるものではないが、例えば、内毒素(細胞壁の成分であり積極的には分泌されない毒素)、リポ多糖、、発熱物質およびパイロジェンの少なくともいずれかであると、より効率よく測定できる。
【0042】
本願発明のエンドトキシンの濃度測定キットは、少なくとも酸化還元酵素を固定化した電極(酸化還元酵素固定化電極)を備えている電気化学セルと、エンドトキシンと錯体形成をする反応性官能基を有する可逆的酸化還元物質とを具有していることを特徴としている。さらに、電極に固定した酵素に対する基質、あるいは、pH調製剤、電流測定装置等、本願発明の測定系を構築するための部材あるいは試薬等を組み合わせて測定キットとしてもよい。
【0043】
ここで、酸化還元酵素や、電極、基質等は、上記にて説明した本願発明のエンドトキシンの濃度測定方法と同様のものを使用することができる。
【0044】
上記のとおりの本願発明の測定方法および測定キットは、培養液、生体試料、注射液、輸液、透析液等の医薬品およびそれらの原材料である精製水の製造、貯蔵、分析、利用等に係る分野において利用される。例えば、注射製剤など非経口医薬品は主に発酵技術や遺伝子組換え技術により製造されており、宿主細胞壁成分からの混入が懸念されるため、これらの製剤を生体に接種した場合に有害な障害を引き起こすエンドトキシンを除去する必要がある。また、敗血症患者の治療法においては、血液中エンドトキシンを体外循環により人工透析的に除去させる。これらエンドトキシンの除去が、目的とおり行われたか否かの判別のためには微量のエンドトキシンを簡便に測定するための方法が必要である。さらに、注射器、透析膜等の医療器具の製造においても、エンドトキシンの確認試験が必要不可欠である。このような状況の中で、本願発明の測定方法および測定キットは、これらエンドトキシンを測定する上で極めて有効であり、また、本願発明の測定キットにおいては、使用者の熟練度を問わずに、エンドトキシンの濃度を測定することができる。
【0045】
その際の具体的な形態は、上記測定キットに特に限定されるものではなく、例えば、フローインジェクション分析用の検出器として使用しても良い。この場合、製造の精製、人工透析等の治療後の最終工程に組み込んで行う形態がより好ましい。
【0046】
以下、本願発明について実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。電気化学的な測定法として下記では微分パルスアンペロメトリーによる実施例を示すが、その他にも、クロノアンペロメトリー、サイクリックボルタンメトリー、微分パルスボルタンメトリー、微分ダブルパルスアンペロメトリー等の手法が適宜使用可能である。
【実施例】
【0047】
<試験例1> ジアフォラーゼ固定化酵素電極によるエンドトキシンの測定
ジアフォラーゼ4.0%(w/v)水溶液(pH8.5に調整)5μL、牛血清アルブミン4.0%(w/v)水溶液(pH7に調整)10μL、グルタルアルデヒド1.0%(w/v)水溶液(pH7調整)4.OμLをよく混合し、この混合液を直径1.6mmの金電極上に5μL滴下し、室温で2時間以上放置、乾操させることで、ジアフォラーゼ固定化電極を作製した。
【0048】
この酵素電極を、pH8.5の0.1mol/Lリン酸緩衝液中に挿入し、ポテンシオスタット(CHIインスツルメンツ社製、ALS1230)に参照、対向電極とともに接続した。ここにジアフォラーゼ基質であるNADH(2mmol/L)および可逆的酸化還元物質と糖認識との機能を併せ持つフェロセンボロン酸(5μmol/L)を添加し、電極の電位を第一パルス電位+0.25V、第二パルス電位+0.30V(対銀一塩化銀電極)と、パルス電位を各々50ミリ秒印加した。
【0049】
ここに濃度が1μg/mLとなるように大腸菌O111:B4由来のエンドトキシンを添加した場合の結果を図2に示した。図2において、横軸は時間、縦軸は第一パルス電位、第二パルス電位をそれぞれ印加した時の電解電流の差分値である。実線は、酸化電流の測定値を示し、矢印は1μg/mLのエンドトキシンを添加した時点を示す。
【0050】
図2から明らかなように、大腸菌O111由来のエンドトキシン未添加の時点では、6.4μA/cm2のフェロセンボロン酸の酸化電流が観測されたが、そこに、1μg/mLのO111エンドトキシンを添加すると、明瞭な酸化電流の減少が観測された。
【0051】
なお、この結果によれば、1μg/mLのエンドトキシンを添加したときの電流減少は、100nA/cm2であり、S/N=2とした場合、500ng/mLのエンドトキシンの定量が可能と見積もられた。
<試験例2> 西洋ワサビペルオキシダーゼ固定化酵素電極によるエンドトキシンの測定
西洋ワサビペルオキシダーゼ(Horseradish peroxidase; HRP)4.0%(w/v)水溶液(pH7.0に調整)5μL、牛血清アルブミン4.0%(w/v)水溶液(pH7.0に調整)10μL、グルタルアルデヒド1.0%(w/v)水溶液(pH7.0に調整)4.0μLをよく混合し、この混合液を直径1.0mmのグラッシーカーボン電極上に5μL滴下し、室温で2時間以上放置、乾操させることで、酵素電極としてHRP固定化電極を作製した。
【0052】
このHRP固定化電極を、pH7.0の0.1mol/Lリン酸緩衝液中に挿入し、ポテンシオスタット(Bioanalytical systems社製、LC-4C)に参照、対向電極とともに接続した。ここにHRP基質である過酸化水素(2mmol/L)および可逆的酸化還元物質と糖認識との機能を併せ持つフェロセンボロン酸(5μmol/L)を添加し、+0.10V(対銀一塩化銀電極)の一定電位を作用電極に印加した。
【0053】
そして、濃度が1μg/mLとなるように大腸菌O55:B5由来のエンドトキシンを添加し、その結果を図3に示した。図3において、横軸は時間、縦軸は一定電位を印加した時の電解電流値である。実線は、還元電流の測定値を示し、矢印は1μg/mLのエンドトキシンを添加した時点を示す。
【0054】
図3から明らかなように、大腸菌O55由来のエンドトキシン未添加の時点では、0.13μA/cm2のフェロセンボロン酸の還元電流が観測されたが、そこに、1μg/mLの055エンドトキシンを添加すると、明瞭な還元電流の減少が観測された。
【0055】
なお、この結果によれば、1μg/mLのエンドトキシンを添加したときの電流減少は、5 nA/cm2であり、S/N=2とした場合、100ng/mLのエンドトキシンの定量が可能と見積もられた。
<比較例> ジアフォラーゼ固定化酵素電極による単糖類の測定
実際の測定系で単糖類が含まれている血液中や培養液中では、これら単糖においてもフェロセンボロン酸と錯体形成を容易に起こし、エンドトキシン測定の妨害物となることが予想される。
【0056】
そこで、上記の試験例1と同様の実験条件において、単糖に対する応答を検討したところ、エンドトキシンの多糖部分を構成するD-グルコースおよびD-ガラクトースをエンドトキシンと同様の1μg/mLとなるよう添加した場合、電解電流値の減少は観察されなかった。
【0057】
図4に示したように、上記の試験例1と同等の応答に相当する単糖濃度は、約90mg/ml(500μmol/L)であった。単糖類は、その分子量が小さいためにエンドトキシンと同等の電流応答を得るには大過剰量の単糖濃度を要した。すなわち、測定系が、単糖類により夾雑されている可能性ある場合においても、巨大分子のエンドトキシンに対して感度が高いことがわかった。
【0058】
以上の試験例1,2および比較例から明らかなように、本願発明は、酵素固定化電極を用い、エンドトキシンと錯体形成し得る官能性基を有する可逆的酸化還元物質を使用して試料中のエンドトキシンの量(濃度)を測定するものであって、試料中のエンドトキシンに対する錯体化に基づく錯体未形成の可逆的酸化還元物質の減少を、電極を介して電流の低下として測定するものである。特に、酵素固定化電極を用いることにより、可逆的酸化還元物質の濃度変化を、選択的に増幅して捉えることができる。さらには、同じ糖類でも単糖類との錯体形成による応答は、その単糖分子がエンドトキシン分子にくらべて非常に小さいために、著しい電流変化は見られなかった。したがって、本願発明は、結果的に高感度にエンドトキシンを測定できる方法である。
【0059】
すなわち、本願発明におけるフェロセンボロン酸は、電極上で酸化あるいは還元されるが、酵素反応で再生され、電極反応、酵素反応を繰り返す。このため、1分子のフェロセンボロン酸は何回も電子移動し、大きな電流信号を与える。このことにより、酵素反応を介さない電気化学反応系のみの場合に比べて増幅した信号が与えられることになる。このような信号増幅が、酵素膜を電極上に設けるだけで可能であり、したがって、本願発明の測定方法は、簡便で、高感度なエンドトキシンの濃度測定方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本願発明におけるエンドトキシンの濃度測定方法の原理を例示した概略図である。
【図2】NADHおよびフェロセンボロン酸存在下において、ジアフォラーゼ固定化電極を使用した場合における、エンドトキシンを添加した際の電解電流変化を測定したグラフを示した図である。矢印はエンドトキシンを添加した時点を示す。
【図3】過酸化水素およびフェロセンボロン酸存在下において、HRP固定化電極を使用した場合における、エンドトキシンを添加した際の電解電流変化を測定したグラフを示した図である。矢印はエンドトキシンを添加した時点を示す。
【図4】NADHおよびフェロセンボロン酸存在下において、ジアフォラーゼ固定化電極を使用した場合における、単糖類であるD-グルコースとD-ガラクトースを添加した際の電解電流変化を測定したグラフを示した図である。矢印はそれぞれの単糖を添加した時点を示す。




 

 


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