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発明の名称 光パルスのタイミング雑音計測装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−51960(P2007−51960A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−238079(P2005−238079)
出願日 平成17年8月19日(2005.8.19)
代理人
発明者 土田 英実
要約 課題
光パルスを強度変調して発生する高次の変調サイドバンドと隣接する縦モード信号光とにより生成されるビート信号の強度を増大して高繰り返しの光パルスのタイミング雑音の計測を可能とする光パルスのタイミング雑音計測装置。

解決手段
光パルスのタイミング雑音計測装置は高繰り返しパルス光源と光強度変調器と局部発信器と逓倍器と高速光検出器とミキサと信号解析装置からなり光源からの高繰り返し周波数の光パルスを光強度変調器において高繰り返し周波数より低い周波数の局部発振器の信号で強度変調し高次の変調サイドバンドを有する縦モード信号光を生成し高次の変調サイドバンド光と隣接する縦モード光により生成されるビート信号のうちマイクロ波帯、またはミリ波帯のビート信号を検出し高速光検出器の出力を逓倍した局部発振器の信号とともにミキサに入力し信号解析装置によりミキサから出力される中間周波信号からタイミング雑音を求める。
特許請求の範囲
【請求項1】
高繰り返し周波数の光パルスを、前記高繰り返し周波数より低い周波数の局部発振信号で強度変調し、高次の変調サイドバンドを有する縦モード信号光を生成し、縦モード光と前記高次の変調サイドバンド光と隣接する縦モード光により生成されるマイクロ波帯、またはミリ波帯のビート信号を高速光検出器により検出して電気信号に変換し、前記高速光検出器の出力を低周波の中間周波信号に変換して、タイミング雑音を計測することを特徴とする光パルスのタイミング雑音計測装置。
【請求項2】
光パルスのタイミング雑音計測装置において、高繰り返しパルス光を局部発振器信号により高次の変調サイドバンドを有するパルス光に変換し、高次の変調サイドバンドと隣接する縦モードの周波数の差を、前記高速光検出器により検出可能な程度に小さくした周波数のビート信号として出力し、前記ビート信号をミキサによりさらに低周波の中間周波信号に変換し、前記中間周波信号を解析して前記高繰り返しパルスの雑音を求めることを特徴とする請求項1記載の光パルスのタイミング雑音計測装置。
【請求項3】
光パルスのタイミング雑音計測装置において、高繰り返し周波数の光パルスを発生する高繰り返しパルス光源と、光強度変調器と、光検出器と、ミキサと、信号解析装置と、局部発振器と、逓倍器からなり、前記高繰り返しパルス光源の高繰り返しパルス光を、前記局部発振器の出力信号により駆動された光強度変調器により、高次のサイドバンドを有する縦モード信号光に変換し、高次のサイドバンドと隣接する縦モードとの周波数の差を、前記光検出器により検出可能な程度に小さくした周波数のビート信号として出力し、前記ビート信号を前記高速光検出器により検出して電気信号に変換し、前記電気信号を前記局部発振器の出力信号を逓倍した信号とともに前記ミキサに入力してさらに低周波の中間周波信号に変換し、前記信号解析装置により解析して前記高繰り返しパルスの雑音を求めることを特徴とする請求項1記載の光パルスのタイミング雑音計測装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
光時分割多重(OTDM: Optical Time Division Multiplexing)方式などを用いた高ビットレートの光ファイバ通信や、光サンプリング計測など、高繰り返しの超短パルスを利用する技術分野では、タイミング雑音の小さい安定な光源が必要とされる。
本発明は高繰り返し光パルスのタイミング雑音計測に利用する光パルスのタイミング雑音計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
安定な高繰り返し光パルス信号の発生は、OTDM方式の光ファイバ通信や光サンプリング計測などの応用において、重要な技術課題である。これらの応用では、パルスの持続時間だけでなく、タイミング雑音に対して厳しい条件が課せられる。例えば、OTDM光ファイバ通信ではジッターをビットレートの10%以下に抑える必要があるが、これは160Gb/sの通信において630fs以下のジッターに相当する。通常のタイミング雑音計測では、パルスの強度を光検出器で電気信号に変換して解析し、位相雑音パワースペクトル密度やジッター値が計算される。光通信などに用いられる繰り返し周波数10GHz以上の光パルスの計測には、広帯域の光検出器や解析装置が必要である。単一測帯波(SSB: Single Side−Band)位相雑音計測法は幅広く用いられている手法であるが、周波数スパンやダイナミックレンジの制限、振幅・位相雑音の分離が困難であること、受動モード同期レーザーパルスのような非定常過程に適用した場合に生じる誤差などの欠点がある。
【0003】
これらの問題点を解決するため、発明者は時間領域復調法(非特許文献1を参照)、およびタイムインターバル解析(非特許文献2を参照)と呼ばれる二つの時間領域計測法を開発した。前者は二つの直交振幅成分から瞬時位相を直接算出する計測法であり、後者はパルス間の時間間隔を空き時間の生じないカウンタを用いて計数する計測法である。これらの手法により、雑音のパワースペクトル密度が、2.5mHz〜18MHzの9桁に渡る解析周波数範囲において、320dB以上のダイナミックレンジで測定される。
上記の計測においては電気的な解析装置を利用するため、高繰り返し光パルス信号の強度を、光検出器を用いて電気信号に変換する必要がある。しかしながら、光検出器や電子回路の応答速度の制限により、繰り返し周波数が100GHz以上の光パルスに適用することは困難である。
【0004】
そこで、発明者は光電子ハーモニックミキサと呼ばれる、高繰り返し周波数の光パルスの強度を、低周波数の電気信号に変換してタイミング雑音を計測する方法、および装置を開発した(例えば、特許文献1参照)。
図1は光電子ハーモニックミキサの構成と各部の信号のスペクトラムを示す図である。
図1(a)は図1(c)の光電子ハーモニックミキサにおける高繰り返しパルス光源の出力スペクトル中の2本の縦モードを抜き出した図、図1(b)は図1(c)の光電子ハーモニックミキサにおける光強度変調器の出力スペクトル中の2本の縦モードを抜き出した図、 図1(c)は光電子ハーモニックミキサの構成図である。
図1(a)および図1(b)の縦軸は光信号強度、横軸は周波数を意味する。
図1(c)は、高繰り返しパルス光源1、光強度変調器2、低速光検出器3、信号解析装置5が直列接続され、光強度変調器2に局部発振器4が接続されている。
【0005】
高繰り返しパルス光源1から発生する光パルスを、光パルスの繰り返し周波数より低い周波数の局部発振器4で駆動される光強度変調器2に入力して、高次サイドバンドを有する縦モード信号光に変換する。高次サイドバンドの周波数と隣接する縦モードの周波数の差を、数GHzの応答帯域を有する低速光検出器3で測定できる程度に各段に小さくして、光パルスの強度を中間周波数の電気信号として出力し、前記電気信号を信号解析装置5により解析して、前記高繰り返し光パルスのタイミング雑音を求めることができる。特許文献1の光電子ハーモニックミキサを利用して、繰り返し周波数が160.640GHzの光パルスのタイミング雑音計測が実証されている(非特許文献3を参照)。この実験では、周波数40GHzの局部発振器でMach−Zehnder型強度変調器を駆動し、4次変調サイドバンドと隣接する縦モード間のビート信号を検出して、周波数640MHzの中間周波信号を得ている。
但し、図1の場合は、8次変調サイドバンドBと隣接する縦モードA間のビート信号を(A×B)を検出する例を示している。
【非特許文献1】H. Tsuchida, “Wideband phase noise measurement of mode−locked locked laser pulses by a demodulation technique”, Optics Letters, vol.23, no.4, pp.286 − 288 (1998)
【非特許文献2】H. Tsuchida, “Time interval analysis of laser pulse timing fluctuations”, Optics Letters, vol.24, no.22, pp.1434 − 1436 (1999)
【非特許文献3】H. Tsuchida, “Timing noise measurement of 160−GHz optical pulses by optoelectronic harmonic mixing”, IEICE Transactions on Electronics, vol.E87−C, no.7, pp.1181 − 1185 (2004)
【特許文献1】特願2002−180179
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、前記光電子ハーモニックミキサの利用により、光検出器が応答できない高繰り返し周波数の光パルスに対するタイミング雑音計測が可能になった。しかしながら、強度変調により生じる変調サイドバンドの振幅は、サイドバンドの次数とともに減少するため、より高い繰り返し周波数、例えば繰り返し周波数320GHzの光パルスを計測する場合には、中間周波信号の信号対雑音比が低下して、タイミング雑音の正確な計測が困難になる。図2は光電子ハーモニックミキサにより得られる、中間周波信号の強度の計算値を示す図である。図中、「Relative Amplitude」は中間周波信号の相対強度、「Modulation Index[×πrad]」は変調指数πradを意味する。計算においては、周波数40GHzの局部発振器で駆動されるMach−Zehnder型強度変調器を仮定し、繰り返し周波数が160GHz、および320GHzの光パルスから得られる中間周波信号の強度を、変調指数の関数として計算した。変調指数πradの場合に、繰り返し周波数320GHzの光パルスから得られる中間周波信号の強度は、背景雑音レベルに近くなり、繰り返し周波数160GHzの光パルスと比較して、およそ1/195に減少し、信号対雑音比が著しく低下する。よって、光パルスの繰り返し周波数が増大するとともに、タイミング雑音の計測が困難になる。
本発明の目的は、高次サイドバンドの振幅を増大して、高次の変調サイドバンドと隣接する縦モードにより生成されるビート信号のうち、マイクロ波帯、またはミリ波帯のビート信号を検出して、より高い周波数の光パルスのタイミング雑音の計測を可能とする光パルスのタイミング雑音計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために下記の解決手段を採用する。
(1) 高繰り返し周波数の光パルスを、前記高繰り返し周波数より低い周波数の局部発振信号で強度変調し、高次の変調サイドバンドを有する縦モード信号光を生成し、前記高次の変調サイドバンド光と隣接する縦モード光により生成されるマイクロ波帯、またはミリ波帯のビート信号を高速光検出器により検出して電気信号に変換し、前記高速光検出器の出力を低周波の中間周波信号に変換して、タイミング雑音を計測することを特徴とする。
(2) 上記(1)記載の光パルスのタイミング雑音計測装置は、高繰り返しパルス光を局部発振器信号により高次の変調サイドバンドを有するパルス光に変換し、高次の変調サイドバンドと隣接する縦モードの周波数の差を、前記高速光検出器により検出可能な程度に小さくした周波数のビート信号として出力し、前記ビート信号をミキサによりさらに低周波の中間周波信号に変換し、前記中間周波信号を解析して前記高繰り返しパルスの雑音を求めることを特徴とする。
(3) 上記(1)記載の光パルスのタイミング雑音計測装置は、高繰り返し周波数の光パルスを発生する高繰り返しパルス光源と、光強度変調器と、高速光検出器と、ミキサと、信号解析装置と、局部発振器と逓倍器とからなり、前記高繰り返しパルス光源の高繰り返しパルス光を、前記局部発振器の出力信号により駆動された光強度変調器により、高次のサイドバンドを有する縦モード信号光に変換し、高次のサイドバンドと隣接する縦モードの周波数の差を、前記光強度変調器により検出可能な程度に小さくした周波数のビート信号として出力し、前記ビートを前記高速光検出器により検出して電気信号に変換し、前記電気信号を前記局部発振器の出力信号を逓倍した信号とともに前記ミキサに入力してさらに低周波の中間周波信号に変換し、前記信号解析装置により解析して前記高繰り返しパルスの雑音を求めることを特徴とする。
【0008】
図3は本発明に係るタイミング雑音計測装置の構成と信号のスペクトラムを示す図である。図3(a)は図3(c)のタイミング雑音計測装置における高繰り返しパルス光源の出力スペクトル中の2本の縦モードを抜き出した図、図3(b)は図3(c)のタイミング雑音計測装置における光強度変調器の出力スペクトル中の2本の縦モードを抜き出した図、図3(c)はタイミング雑音計測装置の構成図である。
図3の場合は、図3(b)に示すように、6次変調サイドバンドCと隣接する縦モードA間のビート信号(A×C)を検出する例を示している。
図3のタイミング雑音計測装置は、図1の光電子ハーモニックミキサの低速光検出器3の代わりに高速光検出器6とミキサ8を設け、局部発信器4の発信周波数を逓倍器7により逓倍してミキサ8に入力する回路を利用する。
【0009】
高繰り返しパルス光源1から発生する光パルスを光強度変調器2に入射して、高次変調サイドバンドを生じさせる。高次の変調サイドバンドを利用するため、Mach−Zehnder型強度変調器のような非線形の電気−光変換特性をする光強度変調器を用い、局部発振器4の信号を印加して深い変調を与える。局部発振器4の周波数は、高繰り返しパルス光源1から発生する光パルスの周波数より小さく設定するが、繰り返し周波数が160GHz以上の光パルスを計測する場合は、40GHz以上に設定することが望ましい。光強度変調器4により生成される高次の変調サイドバンドと、隣接する縦モードの間のビート信号の中で、周波数が数10GHz以上のマイクロ波、またはミリ波信号を、高速光検出器6により電気信号に変換する。高速光検出器6から出力されるビート信号を、逓倍器7により逓倍した局部発振器4の信号とともにミキサに入力し、前記ビート信号よりもさらに低周波の中間周波信号に変換し、信号解析装置5により解析して前記高繰り返し光パルスの雑音を求める。
【0010】
図4は本発明に係るタイミング雑音計測装置により得られる、中間周波信号の相対強度の計算値を示す図である。計算においては、周波数40GHzの局部発振器で駆動されるMach−Zehnder型強度変調器と、繰り返し周波数が320GHzの光パルスを仮定し、6次(図中、6th)、および8次(図中、8th)の変調サイドバンドを検出した場合の中間周波信号の相対強度を、変調指数の関数として計算した。8次の変調サイドバンドによる計測は、特許文献1の装置による結果を示し、6次の変調サイドバンドによる計測は、本発明に係るタイミング雑音計測装置による結果を示している。変調指数πradの場合に、本発明に係るタイミング雑音計測装置を用いることにより、中間周波信号の強度はおよそ20倍に増大する。
【発明の効果】
【0011】
特許文献1のタイミング雑音計測装置では、変調サイドバンド次数とともに振幅が減少して、中間周波信号の信号対雑音比が低下するため、光パルスの繰り返し周波数の上限は160GHz程度であった。本発明によるタイミング雑音計測装置では、低い次数の変調サイドバンドにより、高繰り返し周波数の光パルスを計測するため、中間周波信号の信号対雑音比が著しく増大し、より高い繰り返し周波数を持つ光パルスのタイミング雑音計測が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0013】
以下では、計測原理と装置の説明に続いて、繰り返し周波数が160.595520GHz、および321.191040GHzの光パルスについてのタイミング雑音の測定結果を報告する。
【0014】
図5は、繰り返し周波数が160.595520GHz、および321.191040GHzの光パルスの発生装置と、タイミング雑音計測装置の構成を示す図である。
高繰り返し光パルスを発生する光源として、衝突パルスモード同期半導体レーザー11(以下、CPM半導体レーザーと呼ぶ)を用いる。詳しくは、モード同期光ファイバレーザー9、シンセサイザー10、CPM半導体レーザー11および分散媒質12により図3の高繰り返しパルス光源1を構成する。モード同期光ファイバレーザー9は注入同期の基準光源を構成する。分散媒質12はファイバの長さを調整することにより分散値を設定する。その他の回路構成は図3の例と同じに構成する。
【0015】
CPM半導体レーザー11は、受動モード同期により、繰り返し周波数が160GHz付近の光パルスを発生する。受動モード同期は自励発振状態であり、タイミング雑音が大きく、電気信号との同期が得られないため、注入同期を利用して、タイミング雑音の低減と電気信号との同期を行う。
注入同期のマスターレーザー光源として、周波数が10.037220GHzのシンセサイザー10で駆動されるモード同期光ファイバレーザー9を用いる。モード同期光ファイバレーザー9は、持続時間がおよそ1.7ps、繰り返し周波数が10.037220GHzの光パルスを安定に発生することができる。モード同期光ファイバレーザー9から出力される光パルスを、CPM半導体レーザー11に注入することにより、注入同期が起こり、CPM半導体レーザー11はモード同期光ファイバレーザー9の16倍の繰り返し周波数である160.595520GHzの光パルスを安定に発生する。
CPM半導体レーザー11から発生する繰り返し周波数が160.595520GHzの光パルスを、繰り返し周波数が321.191040GHzの光パルスに2逓倍するため、分散媒質12による時間的なTalbot効果を利用する。分散媒質12は、群速度分散がおよそ7ps/nmの光ファイバである。分散媒質12に入力した繰り返し周波数が160.595520GHzの光パルスは、繰り返し周波数が321.191040GHzの光パルスに変換される。
【0016】
タイミング雑音計測に必要な高次変調サイドバンドを光パルスに形成するため、分散媒質12から出力される繰り返し周波数が321.191040GHzの光パルスを、周波数が40.000000GHzの位相同期発振器14で駆動される光強度変調器2に入力する。光変調器2から出力される、高次変調サイドバンドが形成された光パルスの強度を、高速光検出器6で電気信号に変換する。高速光検出器6は、6次変調サイドバンドと隣接する縦モードとのビート信号である、周波数81GHz付近の信号に検出感度を有している。
高速光検出器6から出力される周波数81.191040GHzのビート信号は、ミリ波帯増幅器13により増幅した後、ミキサ8に入力される。ミキサ8の局部発振器信号として、位相同期発振器14の出力を2逓倍器15により変換した、周波数が80.000000GHzの信号を用いる。ミキサ8から、周波数1.191040GHzの中間周波信号が出力され、低周波帯増幅器16により増幅した後、ベクトル信号解析装置17を用いて、タイミング雑音の計測を行う。
【0017】
図6は繰り返し周波数が160.595520GHz(下)、および321.191040GHz(上)の光パルスの波形を示す図である。縦軸はAmplitude(振幅)[mW]、横軸はTime(時間)[ps]を意味する。
分散媒質12により、繰り返し周波数が2逓倍されていることがわかる。
【0018】
図7は低周波帯増幅器16から出力された中間周波信号のスペクトラムである。但し、321.191040GHz(frep)の場合を表す。
図中、縦軸はRF Power(高周波パワー)[dBm]、横軸はFrequency(周波数)[GHz]、RBW(分解能)=1MHZ、AVG(平均化処理)=64(データ数)、Noise Floor(背景雑音)、IF Signal(中間周波信号)を意味する。
図7において、中間周波信号(IF Signal)が背景雑音(Noise Floor)よりも大きく検出されている。このことは、本発明のタイミング雑音計測装置が有効に働いていることを表す。
周波数1.191040GHzに鋭い線スペクトルが現れており、6次変調サイドバンドと隣接する縦モードとのビート信号に相当する。測定系の背景雑音に比べて、十分に高いレベルの中間周波信号が検出できている。
【0019】
図8は分散媒質12から出力された、繰り返し周波数が321.191040GHzの光パルスの相対的な周波数変動を示す図である。図中、縦軸はFrequency Deviation(周波数変動)[MHz]、横軸はTime(時間)[μs]を表す。Injection− Lockedは注入同期、Free−Runningは受動モード同期を意味する。
図中の濃い色の線状部分a(時間に関係なく周波数変動0MHzを含む極めて狭い幅の部分からなる直線(図8中、水平線相当)状部分)は注入同期した場合の周波数変動を表し、比較的薄い色の線(図8中の前記濃い色の線状部分を除く部分)は受動モード同期の場合の周波数変動を表し、注入同期状態および受動モード同期状態の測定結果が、重ねて表示されている。
注入同期の作用により、周波数変動が著しく減少し、タイミング雑音が低減されたことを示している。
【0020】
図9はベクトル信号解析装置17により計測された、繰り返し周波数が10.037220GHz(曲線A、D)、160.595520GHz(曲線B、E)、および321.191040GHz(曲線C,F)の光パルスに対する位相雑音パワースペクトル密度とタイミングジッターである。
図中、縦軸(左側)はPNPSD Sφ(f)(パワースペクトル密度)[rad/Hz]で曲線A〜Cに対応、縦軸(右側)はRMS Jitter(二乗平均ジッター)σ[ps]で曲線D〜Fに対応、Fourier Frequency(雑音の周波数)f[Hz]である。
曲線AとDは注入同期のマスターレーザー光源に対応し、評価の基準となる特性である。曲線Bは繰り返し160.595520GHzの光パルスの雑音で、曲線Cは繰り返し321.191040GHzの光パルスの雑音を表し、曲線Cの値は曲線Bの値のほぼ4倍になっており、繰り返し周波数の2逓倍を反映している。曲線A、B、Cの形状はほぼ等しく、CPM半導体レーザー11の雑音は、注入同期のマスターレーザー光源であるモード同期光ファイバレーザー9の雑音を反映していることがわかる。
曲線D〜Fは曲線A〜Cを積分して計算されている。曲線Eと曲線Fはほとんど重なり、ほぼ同じジッター値を示しているので、正しい計測が行われていることがわかる。
フーリエ周波数が10Hz〜18.6MHzの範囲で計算したタイミングジッターは、271fs(160.595520GHz、曲線E)、311fs(321.191040GHz、曲線F)である。
以上のように本発明により、繰り返し周波数が320GHzを超える光パルスに対して、高精度のタイミング雑音計測が可能になり、実験結果により有効性が示された。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明のタイミング雑音計測装置により、従来の計測装置では不可能であった繰り返し周波数が160GHz以上の光パルス信号の評価が可能になる。これにより、ビットレートが160−320Gb/sの光ファイバ通信システムにおいて、送信器用の高繰り返し半導体レーザー光源、送受信器や中継器における高繰り返し光クロック信号などの高精度評価に利用され、光通信システムの性能向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】特許文献1のタイミング雑音計測装置の概略と信号のスペクトラムを説明する図である。
【図2】特許文献1のタイミング雑音計測装置で得られる中間周波信号の相対強度を示す図である。
【図3】本発明に係るタイミング雑音計測装置の概略と信号のスペクトラムを説明する図である。
【図4】6次、および8次変調サイドバンドから得られる中間周波信号の相対強度を示す図である。
【図5】繰り返し周波数が321.191040GHzの光パルスに対するタイミング雑音計測を説明する図である。
【図6】繰り返し周波数が321.191040GHz、および160.595520GHzの光パルスの波形を示す図である。
【図7】ダブルバランストミキサから出力される中間周波信号のスペクトラムを示す図である。
【図8】光パルスの繰り返し周波数の時間変化を示す図である。
【図9】光パルスの位相雑音パワースペクトル密度とタイミングジッターを示す図である。
【符号の説明】
【0023】
1 高繰り返しパルス光源
2 光強度変調器
3 低速光検出器
4 局部発振器
5 信号解析装置
6 高速光検出器
7 逓倍器
8 ミキサ
9 モード同期光ファイバレーザー
10 シンセサイザー
11 衝突パルスモード同期半導体レーザー
12 分散媒質
13 ミリ波帯増幅器
14 位相同期発振器
15 2逓倍器
16 低周波帯増幅器
17 ベクトル信号解析装置




 

 


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