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光ファイバ伝送システムを用いた時刻或いは周波数の比較方法及びシステム - 独立行政法人産業技術総合研究所
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発明の名称 光ファイバ伝送システムを用いた時刻或いは周波数の比較方法及びシステム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−33030(P2007−33030A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−212005(P2005−212005)
出願日 平成17年7月22日(2005.7.22)
代理人
発明者 雨宮 正樹 / 今江 理人 / 藤井 靖久 / 鈴山 智也 / 久保田 暁子 / 大嶋 新一
要約 課題
直接基準信号を伝送せずに間接的に周波数(及び時刻)を比較することにより、高精度な時刻・周波数比較を安価に達成する。

解決手段
2つの発振器1,2あるいは時計の時刻或いは周波数信号である基準信号を、上り方向と下り方向の双方向に光ファイバ伝送システムを介して伝送して、上り方向の端局1において基準信号と上り伝送路のクロック信号の時間差を測定し、かつ上り方向の端局2においても同様に基準信号と上り伝送路のクロック信号の時間差を測定して、上り方向の両端局で測定したそれぞれの時間差を差し引いた値を算出する手段を備える。下り方向においても同様な差し引いた値を算出する手段を備え、上りと下りついて算出された2つの値の比較により、2つの発振器あるいは時計の時刻或いは周波数の差を求める。
特許請求の範囲
【請求項1】
2つの発振器あるいは時計の時刻或いは周波数信号である基準信号を、上り方向と下り方向の双方向に光ファイバ伝送システムを介して伝送して、比較する時刻或いは周波数の比較方法において、
前記光ファイバ伝送システムの第1と第2の両端局において、それぞれクロック信号を抽出し、
上り方向の第1の端局において基準信号(T)と上り伝送路のクロック信号の時間差(t)を測定し、かつ上り方向の第2の端局においても同様に基準信号(T)と上り伝送路のクロック信号の時間差(t)を測定して、上り方向の両端局で測定したそれぞれの時間差を差し引いた値(a)を算出し、
下り方向の第2の端局において基準信号(T)と下り伝送路のクロック信号の時間差(t’)を測定し、かつ下り方向の第1の端局においても同様に基準信号(T)と下り伝送路のクロック信号の時間差(t’)を測定して、下り方向の両端局で測定したそれぞれの時間差を差し引いた値(b)を算出し、
前記上り方向と下り方向のそれぞれについて算出された2つの値(a)(b)の比較により、2つの発振器あるいは時計の時刻或いは周波数の差を求めることを特徴とする時刻或いは周波数の比較方法。
【請求項2】
2つの発振器あるいは時計の時刻或いは周波数信号である基準信号を、上り方向と下り方向の双方向に光ファイバ伝送システムを介して伝送して、比較する時刻或いは周波数比較システムにおいて、
前記光ファイバ伝送システムの第1と第2の両端局において、それぞれクロック信号を抽出する装置と、
上り方向の第1の端局において基準信号(T)と上り伝送路のクロック信号の時間差(t)を測定し、かつ上り方向の第2の端局においても同様に基準信号(T)と上り伝送路のクロック信号の時間差(t)を測定して、上り方向の両端局で測定したそれぞれの時間差を差し引いた値(a)を算出する手段と、
下り方向の第2の端局において基準信号(T)と下り伝送路のクロック信号の時間差(t’)を測定し、かつ下り方向の第2の端局においても同様に基準信号(T)と下り伝送路のクロック信号の時間差(t’)を測定して、下り方向の両端局で測定したそれぞれの時間差を差し引いた値(b)を算出する手段と、
前記上り方向と下り方向のそれぞれについて算出された2つの値(a)(b)を比較する手段と、
を備え、2つの発振器あるいは時計の時刻或いは周波数の差を求めることを特徴とする時刻或いは周波数の比較システム。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの発振器あるいは時計の時刻或いは周波数信号である基準信号を、上り方向と下り方向の双方向に光ファイバ伝送システムを介して伝送して、比較する時刻或いは周波数比較方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
(1)時間・周波数標準技術分野
世界の標準時である協定世界時(UTC)は、各国の標準機関が有する原子発振器の時刻を各種手段により比較し(非特許文献1,2参照)、それらのデータを国際度量局(BIPM)がまとめて集計することにより得られている。こうして生成されたUTCと各国の原子発振器との位相差であるUTC- UTC(k)(kは各国の標準機関名)はCircular TとしてBIPMより毎月公開される。また各国の標準機関はUTCとの差を最小化するよう基準周波数を生成している。このようにして得られた基準周波数(国家標準)を用いて、各国の標準機関は国内の校正事業者の発振器を校正(キャリブレーション)している。このため原子発振器間の時間・周波数の高精度な比較が重要となる。また周波数比較(及び時刻)ができるということは、すなわち遠隔地の発振器、時計のキャリブレーションもできるということになる。
【0003】
時刻及び周波数比較方法としては、GPS衛星に搭載された原子発振器からの信号と各国の原子発振器を比較する方法(コモンビュー方式)、また衛星双方向時刻比較等がある。現在広く採用されているコモンビュー方式の場合の時刻比較精度は数ns程度が限界となっている。一方、各国の原子発振器の性能は年々向上し(安定度向上10-14 -> 10-15)、国際間の時刻比較法に関しても一桁高いサブnsの高精度化が強く求められている。
【0004】
(2)情報通信及び計測技術分野
情報通信技術分野にいては光ファイバが全国に張り巡らされている。また諸外国との通信は海底光ファイバ伝送システムが建設され利用されている。また、各種の周波数発振器、周波数カウンタ、波長計、原子時計は計測技術において重要な装置であり、光ファイバ伝送システムを用いた時間・周波数比較技術による基準信号の供給が検討されている。
【0005】
【非特許文献1】今江理人「時間・周波数精密比較法」通信総合研究所季報 Vol.49. Nos.1/2 pp.103-109 (2003).
【非特許文献2】今江、木原「周波数と時刻の精密比較・伝送技術の動向」電学論C、119巻7号、pp.771-776, (平成11年).
【非特許文献3】Yasuhisa Shibuya 他「Development and Application of the FrequencyRemote Calibration System in Japan」ATF 2004 (2004.10).
【非特許文献4】木原、久留、今岡「高精度なタイミングを供給する網同期システムの研究」NTT技術ジャーナル、9月号、pp.60-63, 1992.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各国の研究機関が保有する原子発振器の周波数(及び時刻)を比較するための一つの方法として光ファイバ伝送システムを利用する場合を考える。光ファイバ伝送システムは伝送端局と端局間のリンクであり、情報をやり取りするために2心の光ファイバとそれぞれのファイバに中継器(無中継もあり)が設けられている。図1は海底システムを利用した案を示す。このように周波数(あるいは時刻)を比較するためには、それぞれの発振器からの基準信号(例えば10MHz、あるいは時刻情報を含む信号)を直接に光ファイバ伝送システムで伝送すれば良いが、利用料金が高額になる恐れがある。
【0007】
海底システムの特徴:光増幅器を多段に接続した海底光伝送システムは太平洋、大西洋を始めとして世界中の海底に布設されている。時間・周波数標準の比較と供給という観点から見た海底光伝送システムの特徴の一つは海底環境の温度安定性である。数千mの深海部は零度近い水温で年間を通じて温度変動が小さい。このため光ファイバの温度変動による位相変動が緩慢であり、位相制御や双方向比較といった技術の適用性が良い。また近年導入された海底光伝送システムは、ある国の陸揚げ局から他の国の陸揚げ局まで光増幅器と光ファイバーケーブルだけで構成されており、途中の海底部分でルーティングやスイッチングは行われていない。この点も比較・供給に都合が良い。海底光伝送システム内の情報ビットは時間多重及び波長多重技術で多重化され、トータルの伝送容量は1Tbit/s近くに及んでいるが、時間・周波数標準の比較・供給のために一つの波長を占有するには利用コストの低減が課題である。
【0008】
そこで、本発明は、係る問題点を解決して、直接基準信号を伝送せずに間接的に周波数(及び時刻)を比較することにより、高精度な時刻・周波数比較を安価に達成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の時刻或いは周波数の比較方法及びシステムは、2つの発振器あるいは時計の時刻或いは周波数信号である基準信号を、上り方向と下り方向の双方向に光ファイバ伝送システムを介して伝送して、比較する。光ファイバ伝送システムの第1と第2の両端局において、それぞれクロック信号を抽出する装置と、上り方向の第1の端局において基準信号(T)と上り伝送路のクロック信号(Tsub)の時間差(t)を測定し、かつ上り方向の第2の端局においても同様に基準信号(T)と上り伝送路のクロック信号の時間差(t)を測定して、上り方向の両端局で測定したそれぞれの時間差を差し引いた値(a)を算出する手段と、下り方向の第2の端局において基準信号(T)と下り伝送路のクロック信号(T’sub)の時間差(t’)を測定し、かつ下り方向の第2の端局においても同様に基準信号(T)と下り伝送路のクロック信号の時間差(t’)を測定して、下り方向の両端局で測定したそれぞれの時間差を差し引いた値(b)を算出する手段と、上り方向と下り方向のそれぞれについて算出された値(a)(b)を比較する手段とを備えて、2つの発振器あるいは時計の時刻或いは周波数の差を求める。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、これまで国際間の原子時計の高精度な時刻・周波数比較を安価に可能にするだけでなく、広く陸上の光ファイバ伝送システムを用いて安価に周波数比較(遠隔校正)に応用していくことも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図2は、本発明を具体化する光ファイバ伝送システムを用いた時刻及び周波数比較システムを例示する図である。本発明は、高安定な2つの発振器(あるいは時計)の周波数(あるいは時刻)を比較するに際し、陸上あるいは海底の光ファイバ伝送システムを利用する。ここで光ファイバ伝送システムとは、2つの伝送端局と端局間を結ぶ伝送路からなるリンクであり、情報をやり取りするために通常2心の光ファイバとそれぞれのファイバに中継器(無中継もあり)が設けられている。2つの発振器の周波数(あるいは時刻)を比較するためには、それぞれの発振器(あるいは時刻)からの基準信号(例えば10MHz)を直接に光ファイバ伝送システムで伝送すれば良いが利用料金が課題となる。そこで、本発明においては、直接基準信号を伝送せずに間接的に周波数(及び時刻)を比較する。
【0012】
本発明のシステムは、陸上及び海底システムのどちらにも適用可能であるが、ここでは海底システムについて説明する。図2に示すように、原子発振器1及び2の信号は、それぞれ陸上伝送を介して光ファイバ伝送システムの端局1及び端局2に至り、これら端局1及び端局2の間は、海底ケーブルで接続されている。以下、2つの発振器の信号はそれぞれ両端局まで来ているとして記述する。図2のように光ファイバ伝送システムの両端局(端局1と端局2)において、それぞれの光ファイバの入力部、及び出力部の端局装置においてクロック信号(タイミング信号)を抽出する装置を設ける(元々、具備されていればそれを利用する)。
【0013】
2つのファイバ伝送路を区別するため便宜上、端局1から端局2の方向を上り、その逆方向を下りと称する。まず上りの端局1において、基準信号Tと上り伝送路のクロック信号Tsubの時間差t=T−Tsubを測定する。次に上り側端局2においても同様に基準信号Tと上り伝送路のクロック信号の時間差tを測定する。上り側について両端局で測定したそれぞれの時間差を差し引いた値を、a=t−tとする。
【0014】
下り側についても上りと全く同様に測定し、得られる結果をbとする。最後に上り下りのそれぞれで測定された結果であるa,bの比較(足し算)により2つの発振器の周波数差(あるいは時間差)を求めるという手段により、間接的に周波数(及び時刻)を比較する。
【0015】
本方法では、海底光伝送路に基準信号を直接伝送する代わりに海底伝送路に伝送されている情報ビット列からそれぞれの陸揚げ局において伝送路クロックを抽出して、そのクロック信号とお互いの標準機関の原子発振器の位相差を比較することにより、間接的に基準信号同士の比較を行う。また海底光伝送システムは上り、下りの方向のそれぞれに情報が乗せられており、それぞれ対向するクロック信号を利用して双方向の時間・周波数比較を行う。
【0016】
以下、この周波数(及び時刻)の比較について、さらに図3及び図4を参照して、具体的な方法と計算によりその効果を説明する。図3及び図4はそれぞれ、海底光増幅伝送システムの伝送路クロックを介して、間接的に周波数(及び時刻)を比較する方法の原理ブロック図、及び原理説明図である。
【0017】
海底伝送路の陸揚げ局1において、原子発振器と海底伝送路のクロックとの時間差tは上りの情報伝送パルス列から抽出したクロック信号をTsub、原子発振器の信号をTとすると、式(1)で表される。ここで時間差は測定器であるタイムインターバルカウンタのスタートとストップに準拠した符号とした。
=T−Tsub (1)
【0018】
光パルス列は、海底光ファイバケーブルの長さに比例した遅延d(あるいは光増幅器で相加される位相雑音分も含める)の後に陸揚げ局2に到達する。従って、この受信パルス列から抽出されるクロック信号と原子発振器Tとの時刻差tは式(2)で求められる。
=T−Tsub−d (2)
両局で求められた時刻差を差し引いた値を計算する。これをaとする。
a=t−t=T−T+d (3)
また、対向する下り伝送路についても全く同様であり、式(4)(5)(6)が得られる。
【数1】


上記の結果は、海底光伝送路のクロックを仲介とするコモンビュー方式といえる。次に得られた結果の式(3)(6)より両局の原子発振器の時間差が式(7)のように算出される。
【数2】


【0019】
この結果から海底伝送路の遅延d,dが等しいか、それぞれの値が既知の場合には、衛星双方向システムと同様に時刻・周波数比較が可能となる。通常の海底伝送路では、両者の値は等しくなく、絶対値も精度良く測定することは困難である。ただし、海底システムのように温度変動が少なく、かつ同一のケーブル内に複数本の光ファイバが実装された場合では、d−dの変動量は極めて少なく、位相を時間微分した瞬時周波数についての比較については高精度な比較が可能となる。
【0020】
尚、両端局で測定される位相比較結果の転送手段としては、図2に示すようにインターネットやFAX、郵便等各種の方法が可能である。リアルタイムに近い形で行うには、当該の海底伝送路を利用して情報をやりとりするのが良い。衛星双方向システムの例では、測定後に結果のファイルをE-メールに添付して相手に送る方法が一般的である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】海底光増幅伝送システムの1波長を用いて基準信号を直接伝送して比較する従来技術による方法
【図2】海底光増幅伝送システムの伝送路クロックを介して、間接的に周波数(及び時刻)を比較する本発明による方法の全体説明図
【図3】海底光増幅伝送システムの伝送路クロックを介して、間接的に周波数(及び時刻)を比較する本発明による方法の原理ブロック図
【図4】海底光増幅伝送システムの伝送路クロックを介して、間接的に周波数(及び時刻)を比較する本発明による方法の原理説明図




 

 


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