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発明の名称 光ファイバセンサ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−139482(P2007−139482A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2005−331119(P2005−331119)
出願日 平成17年11月16日(2005.11.16)
代理人 【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
発明者 内田 浩 / 西條 献児 / 嶋村 英樹 / 大河原 千晶 / 中島 康行 / 佐藤 陵沢 / 南 誠
要約 課題
レイリー後方散乱光が伝送路ファイバ中で蓄積されることがなく、往復路共通伝送のままレイリー後方散乱雑音を抑制することができることを目的とする。

解決手段
往復共通の1本の伝送路ファイバ4と、光源1と、光源1の光をパルス化して伝送路ファイバ4に出力する光ゲートスイッチ2と、検知する物理量に対する応答機構を備え、伝送路ファイバ4に設けられた複数の光ファイバセンサ5a〜5nと、光ファイバセンサ5a〜5nからの信号光を伝送路ファイバ4を介して受光し、該信号光を電気信号に変換して物理量を検出する検出部8とを備え、光ゲートスイッチ2において送出パルス光の繰返し時間を光の往復伝播時間よりも大きく設定して、伝送路ファイバ3中をワンパルス伝送するようにしたものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
往復共通の1本の伝送路ファイバと、
光源と、
該光源の光をパルス化して前記伝送路ファイバに出力する光ゲートスイッチと、
検知する物理量に対する応答機構を備え、前記伝送路ファイバに設けられた光ファイバセンサと、
前記光ファイバセンサからの信号光を前記伝送路ファイバを介して受光し、該信号光を電気信号に変換して物理量を検出する検出部と、
を備えた光ファイバセンサ装置において、
前記光ゲートスイッチにおいて送出パルス光の繰返し時間を光の往復伝播時間よりも大きく設定して、前記伝送路ファイバ中をワンパルス伝送することを特徴とする光ファイバセンサ装置。
【請求項2】
前記光ファイバセンサは前記伝送路ファイバに分岐するよう複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項3】
前記光源はコヒーレント光源であり、前記光ファイバセンサは位相検出型光ファイバセンサであり、前記検出部は位相復調部を有して位相を検出をする位相検出部であることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項4】
前記光源は広帯域光源であり、前記光ファイバセンサは強度検出型光ファイバセンサであり、前記検出部は強度を検出する強度検出部であることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項5】
前記光源は波長が周期的に変化する光を出力する波長可変光源であり、前記光ファイバセンサは波長検出型光ファイバセンサであり、前記検出部は波長フィルタを有して波長を検出する波長検出部であることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項6】
前記光源は発振波長帯域の異なる光を出力する複数の波長可変光源であり、前記光ゲートスイッチに代えた光スイッチは複数波長可変光源の複数の波長の光をWDM多重したパルス光を送出し、前記検出部は波長フィルタを有して波長を検出する波長検出部であり、該波長検出部の前段にWDM多重したパルスの信号光を複数の波長フィルタを有して分離する信号分離器を設け、前記波長検出部の後段にWDM信号をつなぎ合わせる後処理部を設けたことを特徴とする請求項2記載の光ファイバセンサ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は光ファイバセンサ装置に関するものであり、歪み・温度・変位・圧力などの物理量を検出する光ファイバセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より光ファイバセンサは、電磁誘導に対する信頼性が高く、低損失な光伝送であるため長距離かつ大規模な多点計測が可能であり、ハイドロホン「水中音響センサ」(例えば、非特許文献1参照)や地震計「加速度センサ」(例えば、非特許文献2参照)などに利用されている。
現在、実用化されている光ファイバセンサとしては、マイケルソン干渉やサニャック干渉などを利用する位相検出型センサ、マイクロベンド・ロス(光ファイバの微少な曲げ損失)などを利用する強度検出型センサ、FBG(Fiber Bragg Grating)のブラッグ反射波長シフトなどを利用する波長検出型センサなどがある。
【非特許文献1】佐藤陵沢 他,“光ファイバハイドロホンの開発”,信学技報 OPE95-2,Vol.95,No.32,pp.2-12,1995
【非特許文献2】新藤雄吾 他,“光ファイバ加速度センサによる海底地震観測”, 第32回 光波センシング技術研究会 講演論文集,LST32-13,pp.93-98,2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来の位相検出型センサ、強度検出型センサ及び波長検出型センサ等の光ファイバセンサにおいて、送出光と信号光が異なる光ファイバ中を伝送する往復路別伝送方式を採用すると、レイリー後方散乱光の影響は少ないものの、伝送路の光ファイバ芯数が増えるためコストアップになるという問題があった。
そこで、コストアップを避けるために、送出光と信号光が同一の光ファイバ中を往復伝送する往復路共通伝送方式を採用した場合、送出パルスの繰返し時間と光の往復伝搬時間を考慮しないと、その伝送距離が長くなるほど、伝送路から生じるレイリー後方散乱光が蓄積され、これが支配的雑音となって精度が劣化するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る光ファイバセンサ装置は、往復共通の1本の伝送路ファイバと、光源と、該光源の光をパルス化して前記伝送路ファイバに出力する光ゲートスイッチと、検知する物理量に対する応答機構を備え、前記伝送路ファイバに設けられた光ファイバセンサと、前記光ファイバセンサからの信号光を前記伝送路ファイバを介して受光し、該信号光を電気信号に変換して物理量を検出する検出部とを備え、前記光ゲートスイッチにおいて送出パルス光の繰返し時間を光の往復伝播時間よりも大きく設定して、前記伝送路ファイバ中をワンパルス伝送するようにしたものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は以上説明したとおり、往復共通の1本の伝送路ファイバと、光源と、該光源の光をパルス化して前記伝送路ファイバに出力する光ゲートスイッチと、検知する物理量に対する応答機構を備え、前記伝送路ファイバに設けられた光ファイバセンサと、前記光ファイバセンサからの信号光を前記伝送路ファイバを介して受光し、該信号光を電気信号に変換して物理量を検出する検出部とを備え、前記光ゲートスイッチにおいて送出パルス光の繰返し時間を光の往復伝播時間よりも大きく設定して、前記伝送路ファイバ中をワンパルス伝送するようにしたので、レイリー後方散乱光が伝送路ファイバ中で蓄積されることがなく、往復路共通伝送のままレイリー後方散乱雑音を抑制することができるため、低コストな大規模センシングシステムを構築することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の光ファイバセンサ装置の構成を示すブロック図、図2は同光ファイバセンサ装置のワンパルス伝送方式と従来のパルス伝送方式の送出波形と検出波形をそれぞれ示す波形図、図3は同光ファイバセンサ装置のワンパルス伝送方式と従来のパルス伝送方式とのレイリー雑音比較を示すグラフである。
本発明の実施の形態1の光ファイバセンサ装置は、図1に示すように、DFB-LD(Distributed Feed Back-Laser Diode)やファイバ・レーザ等のコヒーレント光源1と、時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)を行うための光ゲートスイッチ2と、光の伝送方向を切換える光サーキュレータ3と、往復共通の1本の伝送路ファイバ4、検知する物理量(歪み・温度・変位・圧力など)に対する応答機構を備えた複数の位相検出型光ファイバセンサ5a〜5nと、送出光を適切な分岐比で各光ファイバセンサへと分岐する複数の光カプラ6a〜6cと、各光ファイバセンサからの戻り光がパルス・トレインとなり時分割多重できるように光ファイバセンサ間に挿入される適切な長さの遅延ファイバ7a〜7nと、PD(Photo Diode)で電気信号に変換して位相復調処理を行い位相を検出する位相検出部8とから構成されている。
その位相検出型センサ5a〜5nとして主なものに、2ビームの干渉光を利用するマイケルソン干渉型やマッハツェンダ干渉型、マルチパスの干渉光を利用するファブリペロー型やサニャック型等がある。
【0007】
本発明の実施の形態1の光ファイバセンサ装置では、光ゲートスイッチ2からの送出パルス光は、1度パルスを送出した後は、各光ファイバセンサからの光信号が全て戻ってくるまでは、次のパルスを送出しない方式を採用したものであり、同一時刻に伝送路ファイバ中に往路の光パルスが1個しか存在しないので、以後、「ワンパルス伝送方式」と呼ぶ。
即ち、図2の(b)に示すように、
送出パルスの繰返し時間 > 光の往復伝搬時間
を満たすように設定する。
そして、伝送路ファイバ4の光ファイバ・コアを伝搬する光の速度は2.04×108m/sなので、伝送距離L[km]としたとき、パルスの繰返し時間Trep[sec]との関係は、以下の式
【0008】
【数1】


で与えられ、1kmで10μsecである。
【0009】
次に、本発明の実施の形態1の光ファイバセンサ装置の動作について説明する。
コーヒレント光源1からの送出光は、光ゲートスイッチ2でパルス化され、光サーキュレータ3を通過した後、伝送路ファイバ4と光カプラ6a〜6nをそれぞれ経て、複数の位相検出型光ファイバセンサ5a〜5nへとそれぞれ送出される。
位相検出型光ファイバセンサ5a〜5nにおいて測定物理量の大きさに対応した干渉波形が、同じく伝送路ファイバ4を経て、光サーキュレータ3を通過した後、位相検出部8へと戻ってくる。
各位相検出型光ファイバセンサ間には、適切な遅延ファイバ7a〜7nが挿入され、送出1パルスに対して、各位相検出型光ファイバセンサからの信号は、遅延ファイバ7a〜7nの往復伝搬時間だけずれたパルス・トレインとなって位相検出部8へと戻ってくる。
そして、「送出パルスの繰返し時間 > 光の往復伝搬時間」を満たすワンパルス伝送方式では、送出波形と検出波形は図2の(b)に示すような関係になる。
位相検出部8において、位相検出型光ファイバセンサ5a〜5nからの干渉信号の位相復調処理を行うことによって、測定物理量を算出する。
【0010】
ここで、まず、送出光と信号光が同一の光ファイバ中を往復伝送する往復路共通伝送方式において従来の「送出パルスの繰返し時間 < 光の往復伝搬時間」とした構成(以下、「従来方式」という)、で、長距離伝送化した場合の不具合について述べる。
入射パワーIinのパルス光をL[km]の伝送路に入射した場合、位相検出部8へと戻ってくる信号光パワーIoutは、伝送損失α[dB/km]、伝送距離L[km]、カプラの分岐比R[dB]を用いて次式で表せる。(ファイバ伝送損失、カプラ分岐損失共に往復で2倍の損失を受けるので指数の中は2αL×2Rになる)
【0011】
【数2】


【0012】
一方、全伝送路から光源部へと戻ってくるレイリー散乱の総パワーIRSは、送出パルス光のデューティ比D、伝送路ファイバのレイリー後方散乱係数Sを用いて次式で表せる。
【0013】
【数3】


【0014】
ここで、レイリー散乱雑音に対する光信号対雑音比(OSNR:Optical Signal-to-Noise Ratio)をOSNRRS=Iout/IRSで定義すると、式(1)、式(2)より
【0015】
【数4】


となる。
【0016】
次に、本発明の実施の形態1で述べた式(1)で与えられる「送出パルスの繰返し時間>光の往復伝搬時間」を満たすワンパルス伝送方式を採用した場合の動作について説明する。
位相検出部8へと戻ってくる信号光パワーIoutは式(2)と同じである。ワンパルス伝送方式におけるレイリー後方散乱光は、伝送路ファイバ中で蓄積されずに、パルス光近傍のレイリー散乱光だけが信号光と重なる。
従って、レイリー散乱の総パワーIRSは、パルス幅T、光速c、ファイバの屈折率nのとき、次式で表せる。
【数5】


【0017】
このとき、レイリー散乱雑音に対するOSNRRSは、式(2)と式(5)から
【数6】


となる。
【0018】
式(4)と異なり、OSNRRSは伝送距離Lに依存しないので、どれだけ伝送距離を長くしてもレイリー雑音によって測定精度が劣化することはない。
一般的な分散シフトファイバ(ITU-T G.653準拠:α=0.25dB/km、S=2.2×10-3)を用いた場合での、従来方式およびワンパルス方式での受光信号パワーおよびレイリー光の計算結果を図3に示す。
カプラの分岐比R=0dB、デューティ比D=0.1、パルス幅T=1μsにおける、受光信号パワーおよび各伝送方式でのレイリー後方散乱雑音パワーを相対的に計算したものである。
従来方式では、レイリー散乱光は10km以上でほぼ一定のパワーに収束し、信号光は伝送損失分だけ劣化するので、結果、OSNRRSが距離によって急激に劣化する。一方、本発明のワンパルス伝送方式では、信号光とレイリー散乱光との傾きが同じになり、OSNRRSの距離依存性がなくなくなる。
【0019】
本発明の実施の形態1の光ファイバセンサ装置は、光源にコヒーレント光源1を用い、光ファイバセンサに位相型光ファイバセンサ5a〜5nを用い、検出部に位相検出部8を用いて送出光と信号光が同一の伝送路ファイバ中を往復伝送する往復路共通伝送方式とし、上記式(1)で与えられる「送出パルスの繰返し時間 > 光の往復伝搬時間」を満たすワンパルス伝送方式を採用するようにしたので、レイリー後方散乱光が伝送路ファイバ中で蓄積されることがなく、往復路共通伝送のままレイリー後方散乱雑音を抑制することができるため、低コストな大規模センシングシステムを構築することができるという効果がある。
【0020】
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2の光ファイバセンサ装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態2の光ファイバセンサ装置は、図4に示すように、LED(Light-Emitting Diode)などの広帯域光源11と、光ゲートスイッチ2と、光サーキュレータ3と、往復共通の1本の伝送路ファイバ4と、検知する物理量に対する応答機構を備えた3つの強度検出型光ファイバセンサ15a〜15nと、光カプラ6a〜6nと、遅延ファイバ7a〜7nと、PDを有して強度を検出する強度検出部18とから構成されている。
その強度検出型センサとして主なものに、マイクロベンド・ロス(光ファイバの微少な曲げ損失)を利用するものがあり、その他に、エアギャップ間の光の伝搬損失を利用するもの等がある。
本発明の実施の形態2の光ファイバセンサ装置も、実施の形態1と同様に、「送出パルスの繰返し時間 > 光の往復伝搬時間」を満たすワンパルス伝送方式で送出光を送る。
【0021】
次に、本発明の実施の形態2の光ファイバセンサ装置の動作について説明する。
広帯域光源11からの送出光は、光ゲートスイッチ2でパルス化され、光サーキュレータ3を通過した後、伝送路ファイバ4と光カプラ6a〜6nをそれぞれ経て、複数の強度検出型光ファイバセンサ15a〜15nへとそれぞれ送出される。
強度検出型光ファイバセンサ15a〜15nにおいて測定物理量分だけ減衰した光信号成分は、同じく伝送路ファイバを4経て、光サーキュレータ3を通過した後、強度検出部18へと戻ってくる。
各強度検出型光ファイバセンサ間には、適切な遅延ファイバ7a〜7nが挿入され、送出1パルスに対して、各強度検出型光ファイバセンサからの信号は、遅延ファイバ7a〜7nの往復伝搬時間だけずれたパルス・トレインとなって強度検出部18へと戻ってきる。
【0022】
そして、「送出パルスの繰返し時間 > 光の往復伝搬時間」を満たすワンパルス伝送方式では、送出波形と検出波形は図2の(b)に示すような関係になる。
強度検出部18において、各強度検出型光ファイバセンサ15a〜15nに対応する受光パワーから測定物理量を算出する。
実施の形態1と同様に、「送出パルスの繰返し時間 > 光の往復伝搬時間」を満たすワンパルス伝送方式を採用することにより、往復路共通伝送におけるレイリー散乱雑音を抑制することができる。
また、レイリー後方散乱光に対するOSNRRSの改善効果なども実施の形態1と同等である。
【0023】
本発明の実施の形態2の光ファイバセンサ装置は、光源に広帯域光源11を用い、光ファイバセンサに強度検出型光ファイバセンサ15a〜15nを用い、検出部に強度検出部18を用いて送出光と信号光が同一の伝送路ファイバ中を往復伝送する往復路共通伝送方式とし、上記式(1)で与えられる「送出パルスの繰返し時間 > 光の往復伝搬時間」を満たすワンパルス伝送方式を採用するようにしたので、レイリー後方散乱光が伝送路ファイバ中で蓄積されることがなく、往復路共通伝送のままレイリー後方散乱雑音を抑制することができるため、低コストな大規模センシングシステムを構築することができるという効果がある。
【0024】
実施の形態3.
図5は本発明の実施の形態3の光ファイバセンサ装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態3の光ファイバセンサ装置は、図5に示すように、波長が周期的に変化する光を出力する波長可変光源21、光ゲートスイッチ2、光サーキュレータ3、往復共通の1本の伝送路ファイバ4、検知する物理量に対する応答機構を備えた3つの波長検出型光ファイバセンサ25a〜25nと、光カプラ6a〜6nと、遅延ファイバ7a〜7nと、波長フィルタとPDとを有して波長を検出する波長検出部28とから構成されている。
その波長検出型センサとして主なものに、FBGのブラッグ反射波長を利用するものや、ファブリペロー共振器の共振周波数を利用するものがある。
本発明の実施の形態3の光ファイバセンサ装置も、実施の形態1と同様に、「送出パルスの繰返し時間 > 光の往復伝搬時間」を満たすワンパルス伝送方式で送出光を送る。
【0025】
次に、本発明の実施の形態3の光ファイバセンサ装置の動作について説明する。
波長可変光源21からの送出光は、光ゲートスイッチ2でパルス化され、光サーキュレータ3を通過した後、伝送路ファイバ4と光カプラ6a〜6nをそれぞれ経て、複数の波長検出型光ファイバセンサ25a〜25nへとそれぞれ送出される。
波長検出型光ファイバセンサ25a〜25nにおいて測定物理量の大きさに対応した信号波長成分だけが、同じく伝送路ファイバを4経て、光サーキュレータ3を通過した後、波長検出部28へと戻ってくる。
各波長検出型光ファイバセンサ間には、適切な遅延ファイバ7a〜7nが挿入され、送出1パルスに対して、各光波長検出型ファイバセンサからの信号は、遅延ファイバ7a〜7nの往復伝搬時間だけずれたパルス・トレインとなって波長検出部28へと戻ってきる。
そして、「送出パルスの繰返し時間 > 光の往復伝搬時間」を満たすワンパルス伝送方式では、送出波形と検出波形は図2の(b)に示すような関係になる。
波長検出部28は、波長フィルタとPDから構成され、波長フィルタの透過スペクトルは各波長検出型光ファイバセンサ25a〜25nの帯域内で波長特性をもつので、各波長検出型光ファイバセンサ25a〜25nの反射波長に対応した光パワーが透過する。従って、波長検出部28はPDが検出する光パワーから測定物理量を算出することができる。
【0026】
実施の形態1と同様に、「送出パルスの繰返し時間 > 光の往復伝搬時間」を満たすワンパルス伝送方式を採用することにより、往復路共通伝送におけるレイリー散乱雑音を抑制することができる。
また、レイリー後方散乱光に対するOSNRRSの改善効果なども実施の形態1と同等である。
【0027】
本発明の実施の形態3の光ファイバセンサ装置は、光源に波長可変光源21を用い、光ファイバセンサに波長検出型光ファイバセンサ25a〜25nを用い、検出部に波長検出部28を用いて送出光と信号光が同一の伝送路ファイバ中を往復伝送する往復路共通伝送方式とし、上記式(1)で与えられる「送出パルスの繰返し時間 > 光の往復伝搬時間」を満たすワンパルス伝送方式を採用するようにしたので、レイリー後方散乱光が伝送路ファイバ中で蓄積されることがなく、往復路共通伝送のままレイリー後方散乱雑音を抑制することができるため、低コストな大規模センシングシステムを構築することができるという効果がある。
【0028】
図6は本発明の実施の形態4の光ファイバセンサ装置の構成を示すブロック図、図7は実施の形態1〜3と実施の形態4との光ファイバセンサ装置のワンパルス伝送方式の送出波形と検出波形をそれぞれ示す波形図、図8はワンパルス伝送方式における伝送距離とサンプリング周波数との関係を示すグラフである。
本発明の実施の形態4の光ファイバセンサ装置は、図6に示すように、発振波長帯域の異なる3つの光を出力する波長可変光源21A〜21Cと、波長可変光源21A〜21Cからの発振波長帯域の異なる3つの光を波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)し、パルス化して送出する光スイッチ22、光サーキュレータ3、往復共通の1本の伝送路ファイバ4、検知する物理量に対する応答機構を備えた複数の波長検出型光ファイバセンサ25a〜25nと、光カプラ6a〜6nと、遅延ファイバ7a〜7nと、WDM多重したパルスの信号光を3つの波長フィルタを有して分離する信号分離器(DEMUX:Demultiplexer)29と、波長フィルタとPDとを有して分離した信号から波長を検出する波長検出部28と、同一センサの擬似WDM信号をつなぎ合わせる後処理30とからから構成されている。
その波長検出型センサとしては、周期的な波長特性をもつファブリペロー型のセンサが望ましい。
【0029】
次に、本発明の実施の形態4の光ファイバセンサ装置の動作について説明する。
3つの波長可変光源21A〜21Cからの光は、光スイッチ2により波長分割多重されて(異なる波長ごとに時間差を持たせて)送出される。その送出光は光サーキュレータ3を通過した後、伝送路ファイバ4と光カプラ6a〜6nをそれぞれ経て、複数の波長検出型光ファイバセンサ25a〜25nへとそれぞれ送出される。
波長検出型光ファイバセンサ25a〜25nにおいて測定物理量の大きさに対応した信号波長成分が、同じく伝送路ファイバ4経て、光サーキュレータ3を通過した後、信号分離器29で波長分離されて波長検出部28へと戻ってくる。
【0030】
この実施の形態4では、光スイッチ22でWDM多重したパルス光を送出するが、各波長検出型光ファイバセンサ25a〜25nは光カプラ6a〜6nで分岐されているので、全ての送出光に対して応答する。
従って、3つの波長可変光源21A〜21Cからの光を光スイッチ22によって波長分割多重して例えば3つの波長のWDM光源を用いた場合、3個の波長検出型光ファイバセンサ25a〜25nに対して、3個の信号光が戻ってくる。
これらを信号分離器29で分離し、波長検出部28による波長検出後に後処理部30でつなぎ合わせることによって、ワンパルス伝送方式のサンプリング周波数を3倍に上げることができ、ワンパルス伝送方式の欠点であるサンプリング周波数の低下を改善することができる(図7の(b)参照)。
ここで、後処理部30によるつなぎ合わせとは、WDMの各チャンネル信号であるλ1〜λ3は、わずかにタイミングずれた状態で受信するので、チャンネル数と同数のA/Dボードで信号を受信した後、各チャンネルのデータをスイープするようにデータを並び替えること、即ち各波長検出型光ファイバセンサでそれぞれ受けるλ1〜λ3の信号を、λ1はλ1で一つにまとめ、λ2はλ2で一つにまとめ、λ3はλ3で一つにまとめることをいう。このつなぎ合わせの処理により、時間間隔が1/3に短縮(高サンプリング)化することができる。
【0031】
実施の形態1〜3のワンパルス伝送方式においては、伝送距離が長くなるほど測定サンプリング時間が遅くなる。これは、「サンプリング時間 > 光の往復伝搬時間」に制約されるからである。伝送距離10kmでサンプリング時間約100μsec(サンプリング周波数10kHz)である。ワンパルス伝送方式における伝送距離と最大サンプリング周波数との関係を図8に示す。
サンプリング周波数を上げるために、同時刻に伝送路上に複数個のパルスが存在するようにパルス間隔を狭めれば良いが、そうすると他のパルスからのレイリー後方散乱光が雑音となってしまう。
そこで、実施の形態4では、複数の送出光を波長毎に時間をずらして送出することによって、擬似的なワンパルス伝送方式を採用した。
【0032】
個々の波長については、伝送路上に1個しかパルスが存在しないワンパルス伝送であることから、擬似的なワンパルス伝送方式と呼ぶことができる。
この場合、異なる複数波長のレイリー散乱光は信号分離器29の波長フィルタで分離することができる。波長復調後に復調されたWDM信号をつなぎ合わせることによって、レイリー後方散乱光を抑制した状態のままで、サンプリング周波数を上げることができ、n波長の擬似WDMを行うことにより、サンプリング周波数はn倍になる(図7(b)参照)。
【0033】
上記実施の形態1〜3のワンパルス伝送方式においては、送出パルス光が戻ってくるまでの間は送出パルスを送出できないので、長距離伝送になるに従いセンサ信号のサンプリング時間が遅くなるが、本発明の実施の形態4の光ファイバセンサ装置は、そのような場合に、n波の擬似WDM光源を使用することによって、レイリー後方散乱光を抑制した状態のままサンプリング周波数をn倍にすることができる。
【0034】
(利用形態)の説明
実施の形態1〜3において、伝送損失が同軸ケーブルよりも光ファイバの方が一桁少ないという理由で、送出光を複数の光ファイバセンサで受光する多重センサの構成について述べたが、多重化なしの1つの光ファイバセンサにおいても、ワンパルス伝送方式を採用することでレイリー雑音を抑制する効果がある。
全ての実施の形態において、長距離伝送を前提にした構成について述べたが、たとえ伝送距離が短くても(<1km程度)、システム雑音レベルが非常に低く、レイリー後方散乱光が支配的雑音となるようなシステムにおいては、有効に機能する。
全ての実施の形態において、空間分割多重(SDM:Spatial Division Multiplexing)、周波数分割多重(FDM:Frequency Division Multiplexing)など他の多重化方式と併用する構成においても、有効に機能する。
【0035】
全ての実施の形態において、光源直後の光サーキュレータを光カプラに変更しても、同様の効果が得られる。ただし、光カプラの挿入損失や多重反射の影響があるので、光カプラに入れ替える場合は、適切な位置に光アイソレータを挿入するのが望ましい。
全ての実施の形態において、光アンプを省略して説明したが、長距離伝送で高多重化する場合には、エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA:Erbium-Doped Fiber Amplifier)やラマンアンプなどによる光増幅は必須である。また、増幅位置としても送出直前に増幅するブースタアンプ、受光部直前に増幅するプリアンプ共に、各実施の形態の伝送方式は有効に機能する。
全ての実施の形態において、光カプラあるいは光合分波器(光サーキュレータ)を用いた分岐型の光ファイバセンサの多重形態について述べたが、FBGや誘電多層膜を利用したインライン型の光ファイバセンサを使って、無分岐の多重形態を構成する場合においても、同様の効果が得られる。
【0036】
実施の形態4は、3つの波長可変光源21Aから21Cを実施の形態3の波長検出型システムに適用した構成について述べたが、3つの波長可変光源21Aから21Cを実施の形態1及び2に適用しても同様の効果が得られる。
実施の形態1においてコヒーレント光源、実施の形態2において広帯域光源、実施の形態3において波長可変光源を用いた構成について述べたが、これらは一般的な構成で使われる光源であって、例えば実施の形態1の位相検出型に低コヒーレント光源を使う方式や、実施の形態3の波長検出に広帯域光源を使う方式等のように、他の光源と入れ替えても同様の効果が得られる。
全ての実施の形態において、光源から一番手前の光ファイバセンサまでの間に長距離の伝送路ファイバが挿入された構成について述べたが、各センサ間に長距離の伝送路ファイバが挿入される構成についても同様の効果が得られる。
実施の形態1〜3において、位相・強度・波長検出型光ファイバセンサそれぞれ個別の構成について述べたが、伝送路ファイバの芯数が制限されているときに、波長検出と強度検出を併用したシステムを構築し、同じ伝送路ファイバに波長検出型光ファイバセンサと強度検出型光ファイバとをつなげていくというようなこれらを複合したマルチセンサシステムにおいても、全ての実施の形態の効果は有効に機能する。
【0037】
実施の形態4において、信号分離器29及び並列の波長検出部28を使った構成について述べたが、戻ってくる3波長には時間差がついているので、信号分離器の代わりに、この時間差を利用して、これに同期した光スイッチで分配するようにした送出パルスに同期した可変波長フィルタを用いた1系統の波長検出部に置き換えても同様の効果が得られる。
実施の形態4において、3つの波長の擬似WDMについて述べたが、3つの波長に限定するものではなく、複数の波長の擬似WDMにおいても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態1の光ファイバセンサ装置の構成を示すブロック図。
【図2】同光ファイバセンサ装置のワンパルス伝送方式と従来のパルス伝送方式の送出波形と検出波形をそれぞれ示す波形図。
【図3】同光ファイバセンサ装置のワンパルス伝送方式と従来のパルス伝送方式とのレイリー雑音比較を示すグラフ。
【図4】本発明の実施の形態2の光ファイバセンサ装置の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施の形態3の光ファイバセンサ装置の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の実施の形態4の光ファイバセンサ装置の構成を示すブロック図。
【図7】実施の形態1〜3と実施の形態4との光ファイバセンサ装置のワンパルス伝送方式の送出波形と検出波形をそれぞれ示す波形図。
【図8】ワンパルス伝送方式におけう伝送距離とサンプリング周波数との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0039】
1 コヒーレント光源、2 光ゲートスイッチ、3 光サーキュレータ、4 伝送路ファイバ、5a〜5n 位相型光センサ、6a〜6n 光カプラ、7a〜7n 遅延ファイバ、8 位相検出部。




 

 


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