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カラーフィルタの製造方法及び該方法で作製されたカラーフィルタを用いた半透過型液晶表示装置 - 東洋インキ製造株式会社
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発明の名称 カラーフィルタの製造方法及び該方法で作製されたカラーフィルタを用いた半透過型液晶表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−65628(P2007−65628A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2006−186014(P2006−186014)
出願日 平成18年7月5日(2006.7.5)
代理人
発明者 山田 和則 / 真銅 英則 / 糸井 健 / 萩原 英聡
要約 課題
全遮光領域と半遮光領域と全透過領域とを有するフォトマスクを用い、容易かつ安価に、優れた明度、彩度を有する透過カラー表示と反射カラー表示の両立が可能な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを製造する方法の提供。

解決手段
300〜370nmの波長範囲で吸光度が最大となる波長におけるモル吸光係数が8500〜80000L/mol・cmである光重合開始剤(PI1)、エチレン性不飽和単量体、透明樹脂、着色剤を含む感光性着色組成物の被膜を透明基板上に形成する工程、及び全遮光領域と、光透過率が波長300〜340nmで0〜50%、340〜370nmで5〜80%、370〜500nmで20〜100%となる半遮光領域と、全透過領域とを有するフォトマスクを介して前記被膜に紫外線を照射し、現像して光透過領域用着色層と光反射領域用着色層を形成する工程を含む半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法、及び前期カラーフィルタを具備する半透過型液晶表示装置。
特許請求の範囲
【請求項1】
300〜370nmの波長範囲で吸光度が最大となる波長におけるモル吸光係数εmax1が8500L/mol・cm以上80000L/mol・cm以下である光重合開始剤(PI1)、エチレン性不飽和単量体、透明樹脂および着色剤を含む感光性着色組成物の被膜を透明基板上に形成する工程、および全遮光領域と、光反射領域用着色層の形成に対応し、光透過率が波長300〜340nmにおいて0%以上50%以下、340〜370nmにおいて5%以上80%以下、370〜500nmにおいて20%以上100%以下となる半遮光領域と、光透過領域用着色層の形成に対応する全透過領域とを有するフォトマスクを介して、前記被膜に紫外線を照射し、現像して光透過領域用着色層および光反射領域用着色層を形成する工程を含む半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
【請求項2】
前記光透過領域用着色層の厚さ(t1)と前記光反射領域用着色層の厚さ(t2)との比(t2/t1)が0.03以上0.60以下であることを特徴とする請求項1記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
【請求項3】
前記感光性着色組成物が、さらに300〜400nmの波長範囲で吸光度が最大となる波長におけるモル吸光係数εmax2が、0L/mol・cm以上5000 L/mol・cm以下である光重合開始剤(PI2)を含むことを特徴とする請求項1または2記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
【請求項4】
前記感光性着色組成物が、さらに100mJ/cm2の紫外線により露光されたとき、露光前における波長330〜400nmの全波長範囲の光に対する光重合開始剤の吸光度が、露光後における波長330〜400nmの全波長範囲の光に対する光重合開始剤の吸光度の1.05倍以上である光重合開始剤(PI3)を含むことを特徴とする請求項1または2記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか記載の製造方法により作製されたカラーフィルタ。
【請求項6】
請求項5記載のカラーフィルタを具備する半透過型液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法、及び該方法で製造されたカラーフィルタを具備する半透過型液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、自発光型の表示装置ではないので表示に他からの光を必要とし、光源によって、透過型液晶表示装置と反射型液晶表示装置の2種類に大別される。透過型液晶表示装置は、その後方に設けられたバックライトからの光によって表示を行っており、主に屋内のような暗い環境下で用いられる。また、反射型液晶表示装置は、その後方に設けられた反射層により液晶表示装置を観視する際の周囲からの外光を反射させ、その反射光によって表示を行っており、主に屋外のような非常に明るい環境下で用いられる。
しかし、透過型液晶表示装置は、屋外のような非常に明るい環境下では、その表示が見にくいといった欠点がある。また、反射型液晶表示装置は、主に屋外のような非常に明るい環境下で用いられるものであり、屋内のような暗い環境下では、その表示が見にくいといった欠点がある。
【0003】
このような透過型液晶表示装置および反射型液晶表示装置の欠点を解消するため、透過型と反射型の両機能を兼ね備えた半透過型液晶表示装置が開発された。この半透過型液晶表示装置は、屋外のような非常に明るい環境下でも、屋内のような暗い環境下でも用いることができ、モバイル機器に用いられる液晶表示装置として期待されている。
半透過型液晶表示装置は、カラーフィルタ、カラーフィルタ上に形成された透明電極、液晶、TFT素子などが形成されたTFT基板、TFT基板上に形成された透明電極及び反射電極で構成されている。カラーフィルタは、ガラス基板上にブラックマトリックス、着色画素が形成されたものである。また、透明電極及び反射電極はTFT素子のドレイン電極と接続されている。
【0004】
1つの着色画素は、ブラックマトリックスを除くと、光透過領域と光反射領域とで構成されている。光透過領域は、透過型液晶表示装置として機能する領域であり、光透過領域においてはバックライトからの白色光が、TFT基板、透明電極、液晶、透明電極を経て着色画素を通過し色光となり外部へ射出するようになっている。
また、光反射領域は、反射型液晶表示装置として機能する領域であり、光反射領域においては周囲からの外光が、ガラス基板、着色画素を通過し色光となり、次いで反射電極にて反射され、再び外部へ射出するようになっている。この半透過型液晶表示装置は、屋内のような暗い環境下では、バックライトを点灯して透過型液晶表示装置として機能させ、また、屋外のような非常に明るい環境下では、バックライトを消灯して反射型液晶表示装置として機能させて用いられる。
【0005】
半透過型液晶表示装置を構成するカラーフィルタの着色画素は、(1)光反射領域の一部に微小な透明領域、すなわちホールを設ける方法や、(2)1画素内に膜厚が異なる光透過領域および光反射領域を設ける方法などにより形成される。(1)のホールを設ける方法では、ホールの形状やサイズを最適化することにより、透過表示と反射表示の差を小さくすることができる。また、ホールは着色画素のパターニングの際に一括して形成できるので、塗布形成の工程が増えることもなく安価なカラーフィルタを得ることができる。
【0006】
しかし、(1)のホールを設ける方法では、着色画素の凹凸差が大きくなるとカラーフィルタの平坦性が悪くなり、液晶パネルにしたときに表示不良が発生しやすくなるおそれがある。カラーフィルタの平坦性は、オーバーコートを塗布することによりある程度は上げることができるが、ホールのサイズが小さい場合には、オーバーコートがホールに流れ込みにくくなるので十分な平坦化が行われないおそれがある。また、ホール部分と周囲の膜厚差が大きい場合には、オーバーコート膜厚を大きくする必要がある。しかし、オーバーコート膜厚が大きくなりすぎると、カラーフィルタ全体の膜硬度低下により液晶表示素子になった場合に膜厚ムラが生じやすい、あるいは、熱応力によってオーバーコートにクラックが入りやすいなどの懸念があり、過剰な膜厚増大は好ましくない。
【0007】
これに対し、(2)の方法では、カラーフィルタの平坦性の悪さに起因する表示不良は発生し難い。しかし、膜厚が異なる光反射領域および光透過領域を複数の着色層を積層して形成する場合には、二度以上着色組成物を塗布して一色の着色画素を形成することになり、コスト的な問題が生じる。また、膜厚が異なる光反射領域および光透過領域を、細かい網目もしくはスリット状の半遮光部および全透過領域を有するフォトマスクを介して露光することにより実効露光量を変えて形成する場合には、コスト的な問題は生じない。しかし、従来のフォトマスクの半遮光部は、いずれの波長の光も均一にカットするため、光反射領域用着色層の膜厚が厚くなり易く、液晶表示装置の反射色表示が暗くなるという問題があった。更に、フォトマスクに細かい網目もしくはスリットを寸法精度良く形成することが困難であった。
【特許文献1】特開2002−365422号公報
【特許文献2】特開2002−365418号公報
【特許文献3】特開2003−107232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、全遮光領域と半遮光領域と全透過領域とを有するフォトマスクを用い、容易かつ安価に、半透過型液晶表示装置を透過型液晶表示装置として使用した場合には、透過型液晶表示装置として優れた明度、彩度を有する透過カラー表示をし、また、反射型液晶表示装置として使用した場合には、暗くならず反射型液晶表示装置として優れた明度、彩度を有する反射カラー表示をすることが可能な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを製造する方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、300〜370nmの波長範囲で吸光度が最大となる波長におけるモル吸光係数εmax1が8500L /mol・cm以上80000L/mol・cm以下である光重合開始剤(PI1)、エチレン性不飽和単量体、透明樹脂および着色剤を含む感光性着色組成物の被膜を透明基板上に形成する工程、および全遮光領域と、光反射領域用着色層の形成に対応し、光透過率が波長300〜340nmにおいて0%以上50%以下、340〜370nmにおいて5%以上80%以下、370〜500nmにおいて20%以上100%以下となる半遮光領域と、光透過領域用着色層の形成に対応する全透過領域とを有するフォトマスクを介して、前記被膜に紫外線を照射し、現像して光透過領域用着色層および光反射領域用着色層を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法で製造されるカラーフィルタは、光透過領域用着色層の厚さ(t1)と光反射領域用着色層の厚さ(t2)との比(t2/t1)が0.03以上0.60以下であることが好ましい。
さらに、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法において、光重合開始剤は、前記光重合開始剤(PI1)に加えて、300〜400nmの波長範囲で吸光度が最大となる波長におけるモル吸光係数εmax2が、0L/mol・cm以上5000 L/mol・cm以下である光重合開始剤(PI2)を含むことが好ましい。
また、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法において、光重合開始剤は、前記光重合開始剤(PI1)に加えて、100mJ/cm2の紫外線により露光されたとき、露光前における波長330〜400nmの全波長範囲の光に対する光重合開始剤の吸光度が、露光後における波長330〜400nmの全波長範囲の光に対する光重合開始剤の吸光度の1.05倍以上である光重合開始剤(PI3)を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の製造方法によれば、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの各色の光透過領域用着色層と光反射領域用着色層を、同一の感光性着色組成物にて製造工程を増やさず形成することができるため、容易かつ安価に視認性の良好な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、透明基板上に、300〜370nmの波長範囲で吸光度が最大となる波長におけるモル吸光係数εmax1が8500L /mol・cm以上80000L/mol・cm以下である光重合開始剤(PI1)、エチレン性不飽和単量体、透明樹脂および着色剤を含む感光性着色組成物の被膜を形成する工程、および全遮光領域と、光反射領域用着色層の形成に対応し、光透過率が波長300〜340nmにおいて0%以上50%以下、340〜370nmにおいて5%以上80%以下、370〜500nmにおいて20%以上100%以下となる半遮光領域と、光透過領域用着色層の形成に対応する全透過領域とを有するフォトマスクを介して、前記被膜に紫外線を照射し、現像して光透過領域用着色層および光反射領域用着色層を形成する工程を含む。
【0013】
本発明の最大の特徴は、300〜370nmの波長範囲で吸光度が最大となる波長におけるモル吸光係数εmax1が8500L /mol・cm以上80000L/mol・cm以下である光重合開始剤(PI1)を含む感光性着色組成物の被膜を露光、現像して光透過領域用着色層および光反射領域用着色層を形成する工程において、全遮光領域と、光反射領域用着色層の形成に対応し、光透過率が波長300〜340nmにおいて0%以上50%以下、340〜370nmにおいて5%以上80%以下、370〜500nmにおいて20%以上100%以下となる半遮光領域と、光透過領域用着色層の形成に対応する全透過領域とを有するフォトマスクを用いることにある。したがって、まず、光透過領域用着色層および光反射領域用着色層を形成する工程について説明する。
【0014】
光透過領域用着色層および光反射領域用着色層を形成する工程で用いられるフォトマスクは、透過率0%の全遮光領域、透過率100%の全透過領域、光透過率が波長300〜340nmにおいて0%以上50%以下、340〜370nmにおいて5%以上80%以下、370〜500nmにおいて20%以上100%以下となる半遮光領域を有する。フォトマスクの半遮光領域の光透過率は、波長300〜340nmにおいて0%以上45%以下、340〜370nmにおいて5%以上75%以下、370〜500nmにおいて25%以上100%以下であることが好ましい。
【0015】
このようなフォトマスクを介して、感光性着色組成物の被膜に紫外線を照射すると、全遮光領域は全く未露光、全透過領域は全露光、半遮光領域は全透過領域と比較して露光量が小さい状態となり、感光性着色組成物の被膜に、現像液に対する溶解度が異なる3種類の領域を形成できる。例えば、ネガ型の感光性着色組成物を用いた場合には、全露光領域の感光性着色組成物の被膜は溶解性が小さくなり、カラーフィルタの光透過領域に適する膜厚の着色層が形成され、未露光領域の感光性着色組成物の被膜は全て溶解する。また、半遮光領域の感光性着色組成物の被膜は一部が溶解し、全露光領域よりも小さい膜厚の着色層が形成される。すなわち、感光性着色組成物の被膜のハーフエッチングにより、カラーフィルタの反射領域に適する低膜厚の着色層が形成される。
【0016】
本発明の方法で製造されるカラーフィルタは、光透過領域用着色層の厚さ(t1)と光反射領域用着色層の厚さ(t2)との比(t2/t1)が0.03以上0.60以下であることが好ましく、0.05以上0.50以下であることがより好ましい。前記比(t2/t1)が0.03未満の場合は、光反射領域用着色層の厚さが極めて薄く、現像工程で光反射領域用着色層の剥れを生じることがあり、0.60を越える場合は、反射色表示が暗くなるため、いずれも好ましくない。
【0017】
感光性着色組成物の被膜に照射する紫外線としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等を光源とする紫外線を使用することができる。具体的には、点光源であること、輝度が安定であることから、超高圧水銀ランプ、キセノン水銀ランプを使用することが好ましい。感光性着色組成物の被膜に照射する紫外線量は、5〜1000mJ/cm2の範囲で適宜設定できるが、工程上管理しやすい30〜500mJ/cm2の範囲であることが好ましい。
また、フォトマスクを介して紫外線を照射した感光性着色組成物の被膜の現像は、紫外線を照射した感光性着色組成物の被膜を溶剤またはアルカリ現像液に漬浸するか、スプレーなどにより溶剤またはアルカリ現像液を感光性着色組成物の被膜に噴霧して行うことができる。アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを使用することもできる。また、アルカリ現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
【0018】
次に、透明基板上に感光性着色組成物の被膜を形成する工程について説明する。
感光性着色組成物は、300〜370nmの波長範囲で吸光度が最大となる波長におけるモル吸光係数εmax1が8500L /mol・cm以上80000L/mol・cm以下である光重合開始剤(PI1)、エチレン性不飽和単量体、透明樹脂、および着色剤を含む感光性着色組成物である。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、光反射領域用着色層の形成に対応し短波長側の紫外線が選択的にカットされるフォトマスクの半遮光領域を介して感光性着色組成物の被膜を露光すると同時に、光透過領域用着色層の形成に対応し光が全て透過するフォトマスクの全透過領域(開口部)を介して感光性着色組成物の被膜を露光し、次いで未露光部を現像することにより光反射領域用着色層と光透過領域用着色層を一括形成する。
【0019】
ここで、前記光重合開始剤(PI1)によって効率良く吸収される300〜370nmの光は、フォトマスクの半遮光領域により選択的にカットされる傾向がある。したがって、光重合開始剤(PI1)は、光透過領域用着色層に対応する感光性着色組成物の被膜の硬化には大きく寄与するが、光反射領域用着色層に対応する感光性着色組成物の被膜の硬化に対しては、光透過領域用着色層に対応する感光性着色組成物の被膜の硬化に比較するとその寄与が小さい。そのため、前記光重合開始剤(PI1)を含む感光性着色組成物を用いることにより、膜厚を厚くせずに光反射領域用着色層を形成することができるようになる。
光重合開始剤として、εmax1が8500より小さい光重合開始剤のみを用いると、ラジカルを発生する効率が低下するため、感光性着色組成物の被膜を充分に硬化することが困難になる。また、εmax1 が85000より大きい光重合開始剤のみを用いると、感光性着色組成物の被膜深部まで紫外線が透過し難くなるため好ましくない。
【0020】
光重合開始剤(PI1)の例としては、エチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、ペンチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-4-ジメチルアミノベンゾエート、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−、2−(O−ベンゾイルオキシム)]、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H −カルバゾール3−イル]−エタノン 1−O−アシルオキシム) 、(4、4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、4、4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエーテル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエーテル、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイドなどが挙げられる。
【0021】
また、光重合開始剤としては、前記光重合開始剤(PI1)と、300〜400nmの波長範囲で吸光度が最大となる波長におけるモル吸光係数εmax2が、0L/mol・cm以上5000 L/mol・cm以下である光重合開始剤(PI2)を併用することが好ましい。前記光重合開始剤(PI1)と前記光重合開始剤(PI2)を併用することにより、光重合開始剤(PI1)のみを用いたときと比較して、より膜厚の薄い光反射領域用着色層を形成することができ、液晶表示装置の反射色表示の視認性が良好となる。
しかし、光重合開始剤として光重合開始剤(PI2)のみを用いると、ラジカルを発生する効率が低下するため、感光性着色組成物の被膜を充分に硬化することが困難になる。
【0022】
光重合開始剤(PI2)の例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、ベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、3,4−ジメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
光重合開始剤(PI1)と光重合開始剤(PI2)を併用する場合の重量比は5:95〜95:5の範囲が好ましく、より好ましくは10:90〜90:10の範囲である。
【0023】
また、光重合開始剤としては、前記光重合開始剤(PI1)と、紫外線照射後の波長330〜400nmの吸光度が紫外線照射前の吸光度に比べて低下する(フォトブリーチング効果を有する)光重合開始剤を併用することも好ましい。ここでいう光重合開始剤の吸光度とは、光重合開始剤、透明樹脂、およびエチレン性不飽和単量体を溶剤に溶解し、該溶液を塗工して乾燥させることにより形成させた厚さ1.0μmの塗膜(A)の吸光度から、透明樹脂およびエチレン性不飽和単量体を溶媒に溶解し、該溶液を塗工して乾燥させることに形成させた厚さ1.0μmの塗膜(B)の吸光度を差し引くことにより求められる。また、塗膜(A)、(B)を露光する前後の吸光度から、光重合開始剤の露光前後の吸光度を求めることができる。
フォトブリーチング効果を有する光重合開始剤は、従来、塗膜の内部硬化性を強化する目的で、特に可視光によって硬化する感光性組成物を高感度化させる目的で用いられていたものである。フォトブリーチング効果を有する光重合開始剤としては、100mJ/cm2の紫外線により露光されたとき、露光前における波長330〜400nmの全波長範囲の光に対する光開始剤の吸光度が、露光後における波長330〜400nmの全波長範囲の光に対する光開始剤の吸光度の1.05倍以上である光重合開始剤(PI3)が好ましい。
【0024】
前記光重合開始剤(PI1)と前記光重合開始剤(PI3)を含む感光性着色組成物の被膜は、前記フォトマスクの半遮光領域に対応する部分では、紫外線の露光量が少ないため光重合開始剤(PI3)のフォトブリーチング効果が弱く、被膜表面及び内部の硬化が適度に抑制される。その結果、膜厚の薄い光反射領域用着色層を形成することができる。ここで、光重合開始剤(PI1)によって効率良く吸収される300〜370nmの光はフォトマスクの半遮光領域により選択的にカットされるため、半遮光領域に対応する感光性着色組成物の被膜の硬化に対する光重合開始剤(PI1)の寄与は小さい。一方、前記フォトマスクの全透過領域に対応する部分では、紫外線の露光量が多いため光重合開始剤(PI3)のフォトブリーチング効果が強く、光重合開始剤(PI3)がラジカルを発生する効率が向上することから、感光性着色組成物の被膜表面、内部共に硬化される。また、光重合開始剤(PI1)が効率よく吸収する光も照射されるため、光重合開始剤(PI3)と光重合開始剤(PI1)の相乗効果により感光性着色組成物の被膜表面、内部共に充分に硬化される。その結果、光反射領域に比べて膜厚の厚い光透過領域用着色層を容易に形成することができる。
しかし、光重合開始剤として光重合開始剤(PI3)のみを用いると、ラジカルを発生する効率が低下するため、感光性着色組成物の被膜を充分に硬化することが困難になる。
【0025】
光重合開始剤(PI3)の例としては、ベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、3,4−ジメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドなどのモノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)エチルフォスフィンオキサイドなどのビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、ビス(η5-2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどのチタノセン系光重合開始剤などが挙げられる。
光重合開始剤(PI1)と光重合開始剤(PI3)を併用する場合の重量比は5:95〜95:5の範囲が好ましく、より好ましくは10:90〜90:10の範囲である。
【0026】
また、感光性着色組成物には、上記光重合開始剤(PI1)〜(PI3)のいずれにも属さない光重合開始剤を含有させても良い。このような光重合開始剤の例としては、ジエチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、1−クロロ−4−クロロプロポキシチオキサンソンなどのチオキサンソン系光重合開始剤、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−(p−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−(p−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジンなどのトリアジン系開始剤などが挙げられる。
【0027】
光重合開始剤の含有量は、通常、感光性着色組成物の着色剤100重量部に対し、0.5〜100重量部が好ましく、より好ましくは1〜80重量部である。光重合開始剤の含有量が0.5重量部未満であると、紫外線の照射により感光性着色組成物の被膜が充分に硬化せず、100重量部を超えると、感光性着色組成物の被膜が必要以上に硬化するため、光反射領域用着色層の膜厚が厚くなり、液晶表示装置の反射色表示が暗くなる。
【0028】
感光性着色組成物に含まれる着色剤は、色相が特に限定されるものではなく、得られるカラーフィルタの用途に応じて適宜選定され、また有機着色剤でも無機着色剤でもよい。前記有機着色剤は、具体的には染料、有機顔料、天然色素等を意味し、また前記無機着色剤は、具体的には無機顔料のほか、体質顔料と呼ばれる無機塩等を意味する。カラーフィルタには高精細な発色と耐熱性が求められることから、着色剤としては、発色性が高く、かつ耐熱性の高い着色剤、特に耐熱分解性の高い着色剤が好ましく、通常は、有機着色剤、特に好ましくは有機顔料が用いられる。
以下に、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている有機顔料のカラーインデックス(C.I.)番号を、色相ごとに示す。
【0029】
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー71、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー106、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー175等が挙げられる。
【0030】
橙色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73等が挙げられる。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38等が挙げられる。
【0031】
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265等が挙げられる。
【0032】
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60等が挙げられる。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36等が挙げられる。
茶色顔料としては、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25等が挙げられる。
黒色顔料としては、C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7等が挙げられる。
これらの有機顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0033】
また、前記無機顔料および体質顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。これらの無機顔料および体質顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
着色剤は、通常、感光性着色組成物の固形分(溶剤以外の成分)100重量%中に、1〜80重量%の範囲で含まれることが好ましく、より好ましくは2〜70重量%の範囲で含まれる。着色剤の含有量が1重量%未満であると、カラーフィルタの膜厚が過剰に厚くなるため好ましくなく、80重量%を超えると、良好な分散状態が得られず好ましくない。
【0034】
感光性着色組成物に含まれるエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体の含有量は、通常、着色剤100重量部に対して、20〜300重量部が好ましく、より好ましくは30〜250重量部である。エチレン性不飽和単量体の含有量が20重量部未満であると、紫外線の照射により感光性着色組成物の被膜が充分に硬化せず、300重量部を越えると、感光性着色組成物の被膜が必要以上に硬化するため光反射領域用着色層の膜厚が厚くなり、液晶表示装置の反射色表示が暗くなる。
【0035】
感光性着色組成物に含まれる透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であり、溶剤可溶性透明樹脂、またはアルカリ可溶性透明樹脂が好ましい。溶剤可溶性透明樹脂は、現像液として用いられる溶剤に対する溶解性が高い樹脂が好ましい。アルカリ可溶性透明樹脂は酸価を有する樹脂であり、感光性着色組成物をアルカリ現像型とするために用いられる。
【0036】
透明樹脂としては、カラーフィルタの製造工程において高温加熱の処理が行われるため、加熱処理においても耐性の良い樹脂を用いることが好ましい。さらに、カラーフィルタの製造工程において、感光性着色組成物の被膜を熱硬化した後に種々の溶剤や薬品による処理も行われるため、硬化被膜としたときに耐溶剤性や耐薬品性に優れる樹脂を用いることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂等が挙げられる。透明樹脂は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等を介して、光架橋性基が導入されたものでも良い。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化した重合物も用いられる。
【0037】
感光性着色組成物には、溶剤可溶性樹脂またはアルカリ可溶性樹脂に加え、耐熱性や密着性などの特性の付与を目的として、溶剤可溶性、アルカリ可溶性を有しない透明樹脂を含有させることもできる。
アルカリ可溶性を有しない透明樹脂には、熱可塑性透明樹脂、熱硬化性透明樹脂が含まれる。熱可塑性透明樹脂としては、例えば、 ブチラール樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
透明樹脂の含有量は、通常、着色剤100重量部に対して、10〜1000重量部が好ましく、より好ましくは100〜800重量部である。
【0038】
また、感光性着色組成物には、分散剤を含有させることができる。分散剤としては、界面活性剤、樹脂型分散剤、色素誘導体などが挙げられる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。界面活性剤は、着色剤100重量部に対して、通常、50重量%以下、好ましくは30重量%以下の量で用いることができる。
【0039】
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、透明樹脂と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の透明樹脂への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。樹脂型分散剤は、着色剤100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の量で用いることができる。
【0040】
色素誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物であり、有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用できる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。色素誘導体の使用量は、着色剤100重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましく、0.5〜20重量部がより好ましい。色素誘導体の使用量が0.1重量部より少ない場合は、色素誘導体の添加効果が発現しにくく、30重量部より多く使用した場合は、分散が不安定になるため好ましくない。
【0041】
また、感光性着色組成物には、着色剤を充分に分散させ、透明基板上に所望の膜厚になるように塗布するために溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独もしくは混合して用いる。溶剤の含有量は、通常、着色剤100重量部に対して、500〜10000重量部が好ましく、より好ましくは800〜8000重量部である。
【0042】
感光性着色組成物には、上記以外にも感光性着色組成物の塗工性向上、感度の向上、密着性の向上などを目的として、他の公知の添加剤などを必要に応じて添加しても良い。
感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
感光性着色組成物の被膜は、透明基板上に、スピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により感光性着色組成物を塗布、乾燥して形成することができる。
感光性着色組成物の被膜の膜厚は、0.2〜6μm(乾燥時)の範囲であることが好ましく、塗工性の点において0.5〜5μmの範囲であることがさらに好ましい。
【0043】
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
透明基板上には、通常、液晶表示装置のコントラストを向上させることを目的として、遮光領域であるブラックマトリックスが形成される。ブラックマトリックスとしては、Cr、Al、Niなどの金属薄膜(厚さ 約0.1〜0.2μm)や、樹脂中に遮光材を分散させてなる樹脂ブラックマトリックスが挙げられる。
【0044】
本発明のカラーフィルタの製造方法で透明基板上に形成される着色層の色は、青色、緑色、赤色、シアン、エロー、マゼンタ、橙色、紫色などから2〜6色程度選択される。
本発明の製造方法により作製されたカラーフィルタは、半透過型液晶表示装置に用いられる。
半透過型液晶表示装置は、カラーフィルタ、カラーフィルタ上に形成された透明電極、液晶、TFT素子などが形成されたTFT基板、TFT基板上に形成された透明電極及び反射電極で構成されている。透明電極及び反射電極はTFT素子のドレイン電極と接続されている。
【実施例】
【0045】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。また、実施例中、「部」及び「%」は、「重量部」及び「重量%」をそれぞれ表す。
[顔料分散体の調整]
表1記載の顔料、樹脂、分散剤、および溶剤を混合し、ペイントシェーカーにて10時間分散することにより顔料分散体を調整した。
【0046】
【表1】


※1:ベンジルアクリレートとメタクリル酸の共重合体(透明樹脂)
ベンジルアクリレートとメタクリル酸の共重合重量比は60/40。
重量平均分子量は31000。
※2:ビックケミー社製の樹脂型分散剤
【0047】
[光重合開始剤のモル吸光係数測定]
光重合開始剤0.01gを100mLのアセトニトリルに溶解し、光路長1cmの石英セルに充填した。分光光度計を用いて入射光の強度と透過光の強度を測定することにより、ランバート・ベールの法則に基づいて波長300〜400nmの範囲における光重合開始剤のモル吸光係数εを求めた。次に、前記波長範囲においてεが最大となる波長λ1におけるε(λ1)を求めた。実施例及び比較例で用いた光重合開始剤の波長λ1とε(λ1)の値を表2に示す。
【0048】
[光重合開始剤の露光前後の吸光度測定]
光重合開始剤0.10部、アクリル樹脂[ベンジルアクリレートとメタクリル酸の共重合体、ベンジルアクリレートとメタアクリル酸との共重合重量比は60/40、重量平均分子量は31000]1.0部、およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.30部をシクロヘキサノン30.0部に溶解し、該溶液をスピンコート法により塗工して乾燥させることに厚さ1.0μmの塗膜Aを形成した。また、上記アクリル樹脂1.0部、およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.30部をシクロヘキサノン30.0部に溶解し、該溶液をスピンコート法により塗工して乾燥させることにより厚さ1.0μmの塗膜Bを形成した。
これら塗膜A、Bを100mJ/cm2の紫外線で露光する前後において、波長330〜400nmの範囲における吸光度を分光光度計により測定し、塗膜Aの吸光度から塗膜Bの吸光度を差し引いて、露光前後における塗膜1μmあたりの光重合開始剤の吸光度を求めた。次に、露光前の光重合開始剤の吸光度を露光後の光重合開始剤の吸光度で割った値Xを求め、値Xが最小となる波長λ2と値Xの最小値X(λ2)を表2に示した。実施例及び比較例で用いた光重合開始剤のε(λ1)、及びX(λ2)の値を表2に示す。
【0049】
【表2】


[感光性着色組成物の調整]
表3記載の顔料分散体、光重合開始剤、エチレン性不飽和単量体、および溶剤を混合することにより感光性着色組成物を調整した。
【0050】
【表3】


※3:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン −1−オン、チバスペシャリティケミカルズ社製「Irg.369」
※4:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバスペシャリティケミカルズ社 製「Irg.184」
※5:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、
チバスペシャリティケミカルズ社製「Irg.819」
※6:イソプロピルチオキサンソン、日本化薬社製「カヤキュアITX」
※7:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オ ン、チバスペシャリティケミカルズ社製「Irg.907」
※8:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、BASF社 製「ルシリンTPO」
※9:ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、日本化薬社製「カヤラッド DPHA」
【0051】
[カラーフィルタの作製]
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで感光性赤色組成物を塗布し、膜厚3.0μm(乾燥時)の感光性赤色組成物の被膜を形成した。該被膜に、全遮光領域と、全透過領域と、波長300〜500nmにおける光透過率が図1〜図8の関係となる半遮光領域とを有するフォトマスクA〜Hのいずれかを介して、300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで2%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、光透過領域用赤色着色層および光反射領域用赤色着色層を形成した。同様の方法により、感光性緑色組成物を塗布し、フォトマスクを介して紫外線を照射したのち、現像して光透過領域用赤色着色層および光反射領域用赤色着色層の隣に、光透過領域用緑色着色層および光反射領域用緑色着色層を形成した。さらに、同様の方法により、感光性青色組成物を塗布し、フォトマスクを介して紫外線を照射したのち、現像して光透過領域用赤色着色層および光反射領域用赤色着色層と、光透過領域用緑色着色層および光反射領域用緑色着色層との間に、光透過領域用青色着色層および光反射領域用青色着色層を形成し、カラーフィルタを作製した。ハーフトーンマスクと感光性着色組成物の組合せを表4に示す。
【0052】
(実施例1〜20、比較例1〜22)
【表4】


【0053】
作製したカラーフィルタにおいて、フォトマスクの全透過領域に対応して形成された光透過領域用着色層の厚さ(t1)と、フォトマスクの半遮光領域に対応して形成された光反射領域用着色層の厚さ(t2)を、触針式の膜厚計で測定し、t2/t1の値を計算した。結果を表5に示す。
[液晶表示装置の視認性評価]
作製されたカラーフィルタを用いた液晶表示装置にて透過表示と反射表示それぞれの視認性を評価した。結果を表5に示す。
【0054】
【表5】


【0055】
表5に示すように、実施例1〜3、実施例5〜7、実施例9〜11、実施例13〜15、実施例17〜19のカラーフィルタでは、0.05≦t2/t1<0.50となり、液晶表示装置の視認性が非常に良好であった。また、実施例4、実施例8、実施例12、実施例16、実施例20のカラーフィルタでは、0.50<t2/t1≦0.60となり、液晶表示装置の反射色表示がやや暗かったが、良好な色表示であった。一方、感光性着色組成物として(R5、G5、B5) 、(R6、G6、B6)の組合せを用いた比較例1〜10のカラーフィルタは、フォトマスクの半透過領域に対応する部分の感光性着色組成物の被膜が充分に硬化せず、現像工程で光反射領域用着色層の剥れが生じ、光反射領域用着色層の形成ができなかった。
また、感光性着色組成物として(R1、G1、B1)、(R2、G2、B2)、(R3、G3、B3)、(R4、G4、B4)の組合せを用いた場合であっても、フォトマスクFを用いて形成された比較例11〜14のカラーフィルタは、フォトマスクの半透過領域に対応する部分の感光性着色組成物の被膜が充分に硬化せず、現像工程で光反射領域用着色層の剥れが生じ、光反射領域用着色層の形成ができなかった。一方、フォトマスクGまたはHを用いて形成された比較例15〜18、比較例19〜22のカラーフィルタは、光反射領域用着色層の厚さが大きく、液晶表示装置の反射色表示が暗かった。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】フォトマスクAの半遮光領域における、波長と光透過率の関係を示した図である。
【図2】フォトマスクBの半遮光領域における、波長と光透過率の関係を示した図である。
【図3】フォトマスクCの半遮光領域における、波長と光透過率の関係を示した図である。
【図4】フォトマスクDの半遮光領域における、波長と光透過率の関係を示した図である。
【図5】フォトマスクEの半遮光領域における、波長と光透過率の関係を示した図である。
【図6】フォトマスクFの半遮光領域における、波長と光透過率の関係を示した図である。
【図7】フォトマスクGの半遮光領域における、波長と光透過率の関係を示した図である。
【図8】フォトマスクHの半遮光領域における、波長と光透過率の関係を示した図である。




 

 


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