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発明の名称 赤色着色膜、赤色着色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−41550(P2007−41550A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2006−158851(P2006−158851)
出願日 平成18年6月7日(2006.6.7)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 山本 昌幸 / 平野 彰 / 田中 英世 / 飯田 裕介 / 大熊 聡 / 港 浩一 / 糸井 健 / 萩原 英聡
要約 課題
斜め方位における視認性に優れた赤色着色膜、および該赤色着色膜を構成する赤色着色組成物、該着色膜を用いたカラーフィルタおよび液晶表示装置を提供すること。

解決手段
赤色着色膜は、膜面の法線方向から45°傾いた方位から膜に入射させた楕円偏光がその膜を透過した透過光の、575〜635nmの波長範囲における平均振幅透過率比(av.tanΨ)が、下記式(1):
特許請求の範囲
【請求項1】
膜面の法線方向から45°傾いた方位から膜に入射させた楕円偏光がその膜を透過した透過光の、575〜635nmの波長範囲における平均振幅透過率比(av.tanΨ)が、下記式(1):
0.960<av.tanΨ<1.040 (1)
を満足することを特徴とする赤色着色膜。
【請求項2】
BET法による比表面積が90〜140m2/gの範囲にある赤色顔料Aと、該赤色顔料A100重量部に対して15〜30重量部の量の色素誘導体と、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体とを含む赤色着色組成物から形成されることを特徴とする請求項1に記載の赤色着色膜。
【請求項3】
BET法による比表面積が90〜140m2/gの範囲にある赤色顔料Aと、BET法による比表面積が70〜85m2/gの範囲にある赤色顔料Bと、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体とを含む赤色着色組成物から形成されることを特徴とする請求項1に記載の赤色着色膜。
【請求項4】
CIE規定のC光源を用いて測定される色度xが0.62以上であり、該色度xが0.64の時の色度yが0.30〜0.35の範囲にあり、明度Y値が20以上であり、かつ膜面の法線方向におけるコントラスト比が1800以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の赤色着色膜。
【請求項5】
BET法による比表面積が90〜140m2/gの範囲にある赤色顔料Aと、BET法による比表面積が70〜85m2/gの範囲にある赤色顔料Bと、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体とを含む赤色着色組成物。
【請求項6】
赤色顔料A100重量部に対して、赤色顔料Bを10〜60重量部の量で含むことを特徴とする請求項5に記載の赤色着色組成物。
【請求項7】
請求項1ないし4いずれか1項に記載の赤色着色膜を赤色フィルタセグメントとして具備することを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項8】
請求項7に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的異方性の少ない赤色着色膜、特に、膜の平面方向とそれに直角の厚み方向における振幅透過率の異方性を少なくした赤色着色膜、および該赤色着色膜の形成に好適に用いられる赤色着色組成物に関する。また、本発明は、前記赤色着色膜を用いたカラーフィルタおよび液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、近年、その薄型であることゆえの省スペース性、軽量性、省電力性等が評価され、最近では大型テレビ用途への普及が急速に進んでいる。しかし、従来の液晶表示装置では、視野角の狭さが大きな問題点であった。
【0003】
液晶表示装置の視野角依存性に影響する大きな因子としては、液晶分子の複屈折性と偏光板自体の視野角依存性がある。
【0004】
液晶分子の複屈折性は、正面および斜め方向から見たときに液晶分子の屈折率楕円体を横切る角度が違うために、複屈折の大きさが異なることをいう。この問題に対しては、最も実績のあるTN(Twisted Nematic)モードでは位相差フィルムを配置することにより改善が行われ、最近では、IPS(In-Plane Switching)モードやVA(Vertical Alignment)モード等の新しい液晶モードの採用による改善も進んでいる(非特許文献1)。
【0005】
偏光板の視野角依存性は、2枚の直交した偏光板を正面から見たときは消光するが、斜め方向から見たときは偏光軸の交差角度が90°よりも大きくなり、光漏れが生じることによる。この問題に対しては、二軸性フィルムを2枚用いる提案がなされている(非特許文献2)。
【0006】
しかし、テレビ用途として画面サイズの大型化が進むと、見込み角が大きくなり、視野角依存性が画面内の色ムラのように認識されてしまうため、更に高いレベルの特性が要求されている。
【0007】
そこで、液晶表示装置を構成する液晶および偏光板以外の部材についても視野角依存性を抑制する試みがなされている。例えば、液晶表示装置の色特性を決定するカラーフィルタに関しては、着色膜を薄膜化することにより、生じるリタデーションを低減させることが提案されている(特許文献1)。
【0008】
しかし、赤色着色膜は、青色薄膜や緑色薄膜と違い、膜に含まれる色素の吸収帯の長波長側スロープ付近における光の透過によって呈色しているため、わずかな色素の配向や分布状態の偏りによっても振幅透過率の異方性が大きく発現すると考えられる。そして、赤色着色膜では、着色膜の明度やコントラスト比を高めるために顔料を微細化してゆくにつれて、振幅透過率の異方性がより顕著となる。そのため、赤色、青色、緑色の各色フィルタセグメントによって構成されるカラーフィルタでは、黒表示時における赤色フィルタセグメントの光学的異方性による色漏れが、赤味方向へのカラーシフトを引き起こすという問題があった。
【非特許文献1】中尾、分元:日本液晶学会誌「液晶」、2(7)、153(2003)
【非特許文献2】山田、山原:日本液晶学会誌「液晶」、2(7)、184(2003)
【特許文献1】特開2000−136253
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、斜め方位における視認性に優れた赤色着色膜、および該赤色着色膜を形成するための赤色着色組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、斜め方位における視認性に優れたカラーフィルタおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面によると、膜面の法線方向から45°傾いた方位から膜に入射させた楕円偏光がその膜を透過した透過光の、575〜635nmの波長範囲における平均振幅透過率比(av.tanΨ)が、下記式(1):
0.960<av.tanΨ<1.040 (1)
を満足することを特徴とする赤色着色膜が提供される。
【0011】
また、本発明の第2の側面によると、BET法による比表面積が90〜140m2/gの範囲にある赤色顔料Aと、BET法による比表面積が70〜85m2/gの範囲にある赤色顔料Bと、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体とを含むことを特徴とする赤色着色組成物が提供される。
【0012】
また、本発明の第3の側面によると、本発明の赤色着色膜を赤色フィルタセグメントとして具備することを特徴とするカラーフィルタが提供される。
【0013】
また、本発明の第4の側面によると、本発明のカラーフィルタを備えることを特徴とする液晶表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の赤色着色膜は、膜面の法線方向から45°傾いた方位から膜に入射させた楕円偏光がその膜を透過した透過光の、575〜635nmの波長範囲における平均振幅透過率比(av.tanΨ)が特定の範囲内にあるため、着色膜に入射する光の偏光状態を乱すことがなく、斜め方位における視認性に優れている。そのため、本発明の赤色着色膜を赤色フィルタセグメントとして具備するカラーフィルタを用いることにより、斜め方位における視認性に優れた高品質な液晶表示装置を得ることができる。
【0015】
また、本発明の赤色着色組成物は、比表面積が異なる2種類の赤色顔料粒子を含むため、顔料粒子の分布状態が均一化されており、本発明の赤色着色組成物を用いて形成される赤色着色膜は、入射する光の偏光状態を乱すことがなく、斜め方位における視認性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
まず、本発明の赤色着色膜について説明する。
【0017】
本発明の赤色着色膜は、膜面の法線方向から45°傾いた方位(以下「斜め45°方位」という)から膜に入射させた楕円偏光がその膜を透過した透過光の、575〜635nmの波長範囲における平均振幅透過率比(av.tanΨ)が、下記式(1):
0.960<av.tanΨ<1.040 (1)
を満足する。
【0018】
楕円偏光を着色膜に入射させて、膜から出射してくる透過光の振幅透過率比(tanΨ)は、透過型分光エリプソメータ(日本分光社製「M−220」)を用いて測定したΨ値から算出することができる。具体的には、図1を参照すると、ガラス基板等の透明基板(図示せず)上に赤色着色膜1を形成し、着色膜1の膜面に対し斜め45°方位から楕円偏光を赤色着色膜1に入射させ、赤色着色膜および透明基板を通って出射してくる透過光のエリプソパラメータΨ値を、透過型分光エリプソメータで測定する。この測定は、透過光のうちの575〜635nmの波長範囲において、下限波長(575nmおよび上限波長(635nm)を含み、1nm毎に行う。基板(赤色着色膜なし)についても同様にその透過光のΨ値を測定し、上記赤色着色膜1および基板を透過した透過光のΨ値から差し引く。得られたΨ値からその正接(tanΨ)を算出し、それらの平均値、すなわち平均振幅透過率比(av.tanΨ)を算出する。
【0019】
振幅透過率比(tanΨ)は二色性の指標となり、tanΨの値が1.00の場合、透過率の異方性がないことを示し、tanΨの値が1.00から増減していく場合、二色性が増すことを示す。
【0020】
顔料が分散されている着色膜では、法線方向におけるtanΨは約1.00であるが、楕円偏光を入射させる方位を斜めに傾けるにつれて、tanΨが1.00より離れる傾向にある。つまり、平面(膜面)方向では等方性であるが、平面方向と法線方向(膜の厚み方向)において透過率の差が生じ、したがって、二色性を有することを示す。この現象が斜め方位における視認性が不良となる原因であり、平面方向と法線方向(膜の厚み方向)における透過率の差は、着色膜中に含まれる顔料粒子の分布状態に起因して生じていると考えられる。
【0021】
本発明の赤色着色膜は、赤色顔料と、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、必要に応じて色素誘導体と、有機溶剤とを含む赤色着色組成物を用いて形成される。
【0022】
赤色顔料としては、有機顔料または無機顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。顔料のなかでは、発色性が高く、かつ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。
【0023】
使用可能な赤色有機顔料の具体例をカラーインデックスナンバーで示すと、Pigment RED(以下、「PR」とする)7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、279等が挙げられる。中でも、ジケトピロロピロール系顔料の一つであるPR254は、優れた耐光性、耐熱性、および高い透明性を有しており、カラーフィルタの高明度化のためには最も好ましい。また、赤色着色膜には、黄色顔料、橙色顔料を併用することもできる。
【0024】
黄色顔料としては、Pigment YELLOW(以下、PYとする)1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。
【0025】
橙色顔料としては、Pigment ORANGE(以下、POとする)36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられる。
【0026】
赤色顔料は、赤色着色膜の高明度化、高コントラスト化を実現させるために、微細化処理を施されていることが好ましい。特に、BET法による比表面積が90〜140m2/gの範囲にある赤色顔料Aを用いることが好ましく、90〜110m2/gの範囲にある赤色顔料Aを用いることがより好ましい。比表面積が90m2/gより小さい赤色顔料のみを用いた場合には、斜め視認性については問題はないが、赤色着色膜の明度やコントラスト比が比較的低くなる。他方、比表面積が140m2/gより大きい赤色顔料を用いた場合には、顔料分散が難しく、着色組成物としての流動性を確保することが困難となり、その結果、赤色着色膜の明度やコントラスト比の特性が悪化する傾向にある。
【0027】
着色膜中において、微細化された顔料粒子の分布は偏りやすい。そこで、大きさの異なる顔料粒子を共存させることで、分布状態を均一化することが好ましい。具体的には、前述のような赤色着色膜の高明度化、高コントラスト化を実現させる赤色顔料Aに、分布状態を均一化させるために、BET法による比表面積が70〜85m2/gの範囲にある赤色顔料Bを共存させることが好ましく、75〜85m2/gの範囲にある赤色顔料Bを共存させることがより好ましい。前記赤色顔料Bは、前記赤色顔料A100重量部に対して、10〜60重量部の量で用いることが好ましく、20〜50重量部の量で用いることがより好ましい。赤色顔料Bの含有量が10重量部を下回ると、前記赤色顔料Aの分布状態の均一化効果が小さくなり、60重量部を超えると、赤色着色膜のコントラスト低下が顕著となる傾向にある。
【0028】
顔料の比表面積を制御する手段としては、顔料を機械的に粉砕して比表面積を制御する方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解した顔料を貧溶媒に投入して所望の比表面積の顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に所望の比表面積の顔料を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等がある。使用する顔料の合成法や化学的性質等により、適当な方法を選択して、顔料の比表面積を制御することができる。以下に、それぞれの方法について説明する。
【0029】
磨砕法は、顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダー等を用いて、食塩等の水溶性の無機塩等の磨砕剤およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この工程をソルトミリング(salt milling)と呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより所望の比表面積の顔料を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に前記有機溶剤に少なくとも一部溶解する樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐことが有効である。顔料と無機塩の比率は、無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下することから、一般的には、顔料1重量部に対して無機塩1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部を用いるのが良い。また、上記水溶性有機溶剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、通常顔料1重量部に対して、0.5〜3重量部の量が用いられる。
【0030】
ソルトミリングについてさらに具体的に説明すると、顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で撹拌してスラリーとする。次に、このスラリーをろ過、水洗して乾燥することにより、所望の比表面積の顔料を得ることができる。
【0031】
析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、所望の比表面積の顔料を析出させる方法であり、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度等により比表面積の大きさが制御できる。一般的に、顔料は溶媒に溶けにくいため、使用できる溶媒は限られるが、濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸等の強酸性溶媒、または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液等の塩基性溶媒等を使用することができる。
【0032】
析出法の代表例としては、酸性溶媒に顔料を溶解させた溶液を他の溶媒中に注入し、再析出させて微細粒子を得るアシッドペースティング(acid pasting)法がある。工業的には、コストの観点から硫酸溶液を水に注入する方法が一般的である。硫酸濃度は特に限定されないが、95〜100重量%が好ましい。顔料に対する硫酸の使用量は特に限定されないが、少ないと溶液粘度が高くハンドリングが悪くなり、逆に多すぎると顔料の処理効率が低下するため、顔料に対して3〜10重量倍の硫酸を用いることが好ましい。なお、顔料は完全に溶解している必要はない。溶解時の温度は0〜50℃が好ましく、これ以下では硫酸が凍結する恐れがあり、かつ溶解度も低くなる。高温すぎると副反応が起こりやすくなる。注入される水の温度は1〜60℃が好ましく、60℃を超えて注入を始めると硫酸の溶解熱で沸騰して作業が危険である。また、1℃未満の温度では凍結してしまう。注入にかける時間は、顔料100gに対して0.1〜30分が好ましい。注入にかける時間が長くなるほど比表面積は小さくなる傾向にある。
【0033】
顔料の比表面積の制御は、アシッドペースティング法等の析出法とソルトミリング法等の磨砕法を組み合わせた手法を選択すると、顔料の整粒度合いを考慮しつつ行うことができ、さらにはこのとき分散体としての流動性も確保できることからより好ましい。
【0034】
ソルトミリング時あるいはアシッドペースティング時には、比表面積制御に伴う顔料の凝集を防ぐために、色素誘導体や樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を併用することもできる。また、比表面積制御を2種類以上の顔料を共存させた形で行うことにより、単独では分散が困難な顔料であっても安定な分散体として仕上げることもできる。
【0035】
特殊な析出法としてロイコ法がある。フラバントロン系、ペリノン系、ペリレン系、インダントロン系等の建染染料系顔料は、アルカリ性ハイドロサルファイトで還元すると、キノン基がハイドロキノンのナトリウム塩(ロイコ化合物)になり水溶性になる。この水溶液に適当な酸化剤を加えて酸化することにより、水に不溶性の比表面積の大きな顔料を析出させることができる。
【0036】
合成析出法は、顔料を合成すると同時に所望の比表面積の顔料を析出させる方法である。しかし、生成した微細顔料を溶媒中から取り出す場合、顔料粒子が凝集して大きな二次粒子になっていないと一般的な分離法であるろ過が困難になるため、通常、二次凝集が起きやすい水系で合成されるアゾ系等の顔料に適用されている。
さらに、顔料の比表面積を制御する手段として、顔料を高速のサンドミル等で長時間分散すること(顔料を乾式粉砕する、いわゆるドライミリング法)により、顔料の比表面積を大きくすると同時に分散することも可能である。
【0037】
また、赤色顔料と顔料担体とを含む赤色着色組成物、特に微細化された赤色顔料を含む赤色着色組成物には、色素誘導体を含有させることが好ましい。微細化された顔料は凝集力が大きく、光散乱や色素分布の偏りによる光学的異方性の発現を招くが、色素誘導体は、分散助剤となるほか、着色膜中での顔料の結晶成長、あるいは凝集を抑制する働きもする。
【0038】
色素誘導体とは、有機色素に置換基を導入した化合物であり、有機色素としては、例えば、ジケトピロロピロール系、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ペリノン系、ペリレン系、イソインドリン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、スレン系、金属錯体系等の色素が挙げられる。また、色素誘導体を構成する有機色素には、一般に色素と呼ばれていないナフタレン系、トリアジン系等の淡黄色化合物も含まれる。
【0039】
顔料の種類によって色素誘導体の添加効果は異なり、例えば、ジケトピロロピロール系顔料の場合、ジケトピロロピロール系またはキナクリドン系色素を母体骨格とする色素誘導体が好適である。
【0040】
一方、有機色素に導入される置換基としては、下記式(2)〜(6)で表される置換基が挙げられる。
【化1】


【0041】
上記式において、Xは、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または単結合を表し、nは、1〜10の整数を表す。
1およびR2は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基を表し、またR1とR2は、結合して、更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む、置換されていてもよい複素環を形成してもよい。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基またはジアリールアミノ基を表す。こアルキル基、アルケニル基、アルキルチオ基のアルキル部位、アルキルアミノ基におけるアルキル部位、ジアルキルアミノ基における各アルキル部位の炭素数は、1〜10が好ましい。
【0042】
7は、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
【0043】
8、R9、R10およびR11は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
【0044】
Yは、−NR12−Z−NR13−または直接結合を表し、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基またはフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Zは、置換されていてもよいアルキレン基、アルケニレン基またはフェニレン基を表す。アルキレン基およびアルケニレン基の炭素数は1〜8が好ましい。
Rは、下記式(7)で示される置換基または式(8)で示される置換基を表す。
Qは、水酸基、アルコキシ基、式(7)で示される置換基または式(8)で示される置換基を表す。
【化2】


【0045】
式(7)および(8)において、R1、R2、R7、R8、R9、R10、R11は、上記定義の通りである。
【0046】
色素誘導体は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の含有量は、赤色顔料として前記赤色顔料Aのみを用いる場合には、赤色顔料の微細化処理時に使用される量も含めて、赤色顔料A100重量部に対して15〜30重量部であることが好ましい。色素誘導体の含有量が15重量部を下回ると、赤色顔料の結晶成長あるいは凝集を抑制する効果が小さくなり、30重量部を超えると、赤色着色組成物の流動性が保てなくなる。また、色素誘導体の含有量は、赤色顔料として前記赤色顔料Aと前記赤色顔料Bを併用する場合には、赤色顔料(A+B)100重量部に対して5〜30重量部であることが好ましい。赤色顔料として、赤色顔料Bのように比表面積が90m2/g未満の赤色顔料のみを用いる場合には、色素誘導体の含有量は、赤色顔料100重量部に対して、5〜20重量部であることが好ましい。
【0047】
また、色素誘導体としては、顔料担体を含むワニス中への分散性がよいものを選択することが好ましいが、色素誘導体以外の分散剤を組み合わせてもよい。色素誘導体以外の分散剤としては、リシノール酸や12−ヒドロキシステアリン酸の縮合物、塩基性高分子化合物、酸基を含む共重合体、脂肪酸エステル類、脂肪族ポリアミン/ポリエステルグラフト重合体、ポリエチレン/ポリプロピレン付加重合体等のいわゆる樹脂型分散剤を用いることができる。
【0048】
赤色着色組成物に含まれる顔料担体は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物から構成される。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域における透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、その前駆体には、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独または2種以上混合して用いることができる。
【0049】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
【0050】
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0051】
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
【0052】
透明樹脂の含有量は、赤色顔料合計100重量部に対して5〜350重量部が好ましい。
【0053】
放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独または2種類以上混合して用いることができる。
【0054】
モノマーおよびオリゴマーの含有量は、それぞれ、赤色顔料合計100重量部に対して10〜300重量部が好ましく、より好ましくは10〜200重量部である。
【0055】
赤色着色組成物を放射線硬化により塗膜化する場合には、赤色着色組成物に光重合開始剤を含有させる。光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いることができる。光重合開始剤の含有量は、赤色顔料合計100重量部に対して5〜200重量部が好ましく、より好ましくは10〜150重量部である。
【0056】
上記光重合開始剤には、増感剤を併用することができる。増感剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系化合物が挙げられる。これらの増感剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。増感剤の含有量は、赤色顔料合計100重量部に対して0.1〜60重量部が好ましい。
【0057】
赤色着色組成物には、さらに、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。多官能チオールの含有量は、赤色顔料合計100重量部に対して0.05〜100重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜60重量部である。
【0058】
赤色着色組成物には、一般のカラーフィルタ用着色組成物と同様に、赤色顔料を充分に分散させて、ガラス基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布するために、各種溶剤を含有させることができる。溶剤としては、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独または混合して用いる。溶剤の含有量は、赤色顔料合計100重量部に対して800〜4000重量部が好ましく、より好ましくは1000〜2500重量部である。
【0059】
赤色着色組成物は、赤色顔料、好ましくは微細化処理した赤色顔料を、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて、透明樹脂および/またはその前駆体に微細に分散することで製造することができる。赤色顔料の分散を良好とするために、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、色素誘導体等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて赤色顔料を透明樹脂および/またはその前駆体中に分散してなる赤色着色組成物を用いた場合には、透明性に優れた赤色着色膜が得られる。
【0060】
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ジエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。
【0061】
赤色着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができ、また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミン等の4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸等の有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィン等の有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
【0062】
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。
【0063】
赤色着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストの形態で調製することができる。着色レジストは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または感光性樹脂と、モノマーと、光重合開始剤と、有機溶剤とを含有する組成物中に赤色顔料を分散させたものである。赤色顔料は、赤色着色組成物の全固形分量を基準として合計で5〜70重量%の割合で含有されることが好ましい。より好ましくは、20〜50重量%の割合で含有され、その残部は、透明樹脂および/またはその前駆体により提供される樹脂質バインダーから実質的になる。
【0064】
赤色着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、より好ましくは0.5μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.2μm以上の粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
【0065】
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、透明基板上に、本発明の赤色着色膜からなる赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するものである。各色フィルタセグメントの厚みは、0.2〜5μmが好ましい。
【0066】
本発明のカラーフィルタにおいて、赤色フィルタセグメントは、575〜635nmの波長範囲における平均振幅透過率比(av.tanΨ)が、前記式(1)を満足するが、緑色および青色のフィルタセグメントも、それぞれ、緑色は535〜560nm、青色は410〜520nmの波長範囲内で偏光状態を乱すような光学特性を有さない、すなわち前記波長範囲における平均振幅透過率比(av.tanΨ)が前記式(1)を満足することが好ましい。
【0067】
各色フィルタセグメントは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、透明基板上に形成することができる。赤色フィルタセグメントは、前記赤色着色組成物を用いて形成され、緑色フィルタセグメントおよび青色フィルタセグメントは、前記赤色着色組成物中の赤色顔料に代えて緑色顔料または青色顔料を含む、公知の緑色着色組成物および青色着色組成物を用いて形成される。
【0068】
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、液晶パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫等からなる透明電極が形成されていてもよい。
【0069】
緑色着色組成物に用いられる緑色顔料としては、Pigment GREEN(以下、PGとする)7、10、36、37等が挙げられる。また、前記黄色顔料を併用することもできる。
【0070】
青色着色組成物に用いる青色顔料としては、Pigment BLUE(以下、PBとする)15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等が挙げられる。また、Pigment VIOLET(以下、PVとする)1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することもできる。
【0071】
これらの緑色顔料、黄色顔料、青色顔料、紫色顔料は、赤色顔料と同様、各色着色膜の高明度化、高コントラスト化を実現させるために、微細化処理を施されていることが好ましく、比表面積が大きいことが好ましい。
【0072】
印刷法による各色フィルタセグメントの形成は、上記各種の印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
【0073】
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレー等により現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
【0074】
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
【0075】
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法等により製造することができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の透明基板に転写させる方法である。
【0076】
次に、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置について説明する。
図2は、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置の概略断面図である。図2に示す装置10は、ノート型パソコン用のTFT駆動型液晶表示装置の典型例であって、離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶(LC)が封入されている。液晶(LC)は、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In-Plane switching)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等の駆動モードに応じて配向される。
【0077】
第1の透明基板11の内面には、TFT(Thin Film Transistor)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
【0078】
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、三波長ランプ31を備えたバックライトユニット30が設けられている。
【実施例】
【0079】
以下、実施例および比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の製造例、実施例および比較例において、「部」とは「重量部」を意味し、「%」とは「重量%」を意味する。
【0080】
また、以下の例において、種々の物性は以下の方法によって測定した。
【0081】
<各種物性の測定法>
[比表面積]
自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)を用いて、窒素吸着によるBET法により測定した。
[色度]
顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて、C光源での色度(Y,x,y)を測定した。
[膜厚]
触針式表面形状測定器(日本ビーコ社製「Dektak8」)を用いて測定した。
【0082】
[コントラスト比]
着色膜を形成した基板の両面にそれぞれ偏光板を、両偏光板の偏光軸が互いに平行になるように重ね、一方の偏光板側からバックライトを入射させ、他方の偏光板を透過した光の輝度(Lp)を輝度計にて測定した。次に、基板の両面に重ねられた偏光板を、両偏光板の偏光軸が互いに直交するように配置し、一方の偏光板側からバックライトを入射させ、他方の偏光板を透過した光の輝度(Lc)を輝度計にて測定した。得られた測定輝度値を用いて、コントラスト比Lp/Lcを算出した。測定は基板の法線方向において行った。また、2つの偏光板として、いずれも、日東電工社製「NPF−SEG1224DU」を用いた。輝度計としては、トプコン社製「BM−5A」を用い、2°視野の条件で輝度を測定した。
【0083】
[平均振幅透過率比(av.tanΨ)]
着色膜を形成した基板の法線方向および斜め45°方位より楕円偏光を入射させ、透過光について透過型分光エリプソメータ(日本分光社製「M−220」)を用いて、Ψ値を測定した。着色膜を支持している透明ガラス基板のみを用いた場合のΨ値も測定し、ブランクとして差し引いた。波長1nm毎にデータを取り、各波長におけるΨ値の正接(tanΨ)を算出し、このtanΨ値から、平均振幅透過率比(av.tanΨ)を算出した。赤色着色膜については、575〜635nmの波長範囲におけるデータから平均振幅透過率比(av.tanΨ)を算出し、青色着色膜については410〜520nm、緑色着色膜については535〜560nmの波長範囲におけるデータより平均振幅透過率比(av.tanΨ)を算出した。
【0084】
[液晶表示装置の黒表示時の色特性]
液晶表示装置において黒画面を表示し、画面に対し斜め45°方位より、この黒表示画面における着色状態の有無を目視で評価した。評価ランクは次の通りである。
○:着色が認められず、視認性良好
×:着色が認められ、視認性不良。
【0085】
また、以下の製造例に使用した色素誘導体は、以下に示すものであった。
【化3】


【0086】
【化4】


【0087】
【化5】


【0088】
a)微細化顔料の製造
製造例1
赤色顔料PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製「IRGAZIN DPP RED BO」)300部を96%硫酸3000部に投入して1時間撹拌後、5℃の水に注入した。これを、1時間撹拌後、濾過し、洗液が中性になるまで温水で洗浄し、70℃で乾燥した。得られたアシッドペースティング処理顔料152部、色素誘導体(D−1)8部、塩化ナトリウム1600部および溶剤ジエチレングリコール(東京化成社製)190部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリーを得た。このスラリーに対し、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよび溶剤(ジエチレングリコール)を除去した後、80℃で24時間乾燥し、156部のソルトミリング処理顔料R−1を得た。ソルトミリング処理顔料R−1の比表面積は92m2/gであった。すなわち、このソルトミリング処理顔料は、148部の赤色顔料Aと7.8部の色素誘導体を含むものであった(95重量%の赤色顔料Aおよび5重量%の色素誘導体)。
【0089】
製造例2
色素誘導体(D−1)の代わりに色素誘導体(D−2)を用いた以外は、製造例1と同様な操作を行い、ソルトミリング処理顔料(R−2)を得た。ソルトミリング処理顔料R−2の比表面積は95m2/gであった。すなわち、このソルトミリング処理顔料R−2は、95重量%の赤色顔料Aおよび5重量%の色素誘導体を含むものであった。
【0090】
製造例3
ソルトミリング時に用いたアシッドペースティング処理顔料の量を152部から144部に、色素誘導体(D−1)の量を8部から16部に変えた以外は、製造例1と同様な操作を行い、ソルトミリング処理顔料(R−3)を得た。ソルトミリング処理顔料(R−3)の比表面積は102m2/gであった。すなわち、このソルトミリング処理顔料(R−3)は、90重量%の赤色顔料Aおよび10重量%の色素誘導体を含むものであった。
【0091】
製造例4
青色顔料PB15:6(東洋インキ製造社製「LIONOL BLUE ES」)200部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリーを得た。このスラリーに対し、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよび溶剤を除去した後、80℃で24時間乾燥し、198部のソルトミリング処理顔料(B−1)を得た。ソルトミリング処理顔料(B−1)の比表面積は93m2/gであった。
【0092】
製造例5
紫色顔料PV23(東洋インキ製造社製「LIONOL VIOLET RL」)190部、色素誘導体(D−4)10部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、90℃で3時間混練した。この混合物を5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリーを得た。このスラリーに対し、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよび溶剤を除去した後、80℃で24時間乾燥し、198部のソルトミリング処理顔料(V−1)を得た。ソルトミリング処理顔料(V−1)の比表面積は104m2/gであった。
【0093】
製造例6
黄色顔料PY138(BASF社製「PALIOTOL YELLOW K0961HD」、比表面積:80m2/g)200部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、60℃で6時間混練した。この混合物を5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリーを得た。このスラリーに対し、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよび溶剤を除去した後、80℃で24時間乾燥し、196部のソルトミリング処理顔料(Y−1)を得た。ソルトミリング処理顔料(Y−1)の比表面積は100m2/gであった。
【0094】
b)アクリル樹脂溶液の調製
製造例A
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で下記のモノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
スチレン 60.0部
メタクリル酸 60.0部
メタクリル酸メチル 65.0部
メタクリル酸ブチル 65.0部
アゾビスイソブチロニトリル 10.0部。
【0095】
滴下後、さらに100℃で3時間反応を行った後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させた溶液を添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて樹脂溶液を合成した。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、その測定値に基づき、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%となるようにシクロヘキサノンを添加して所望のアクリル樹脂溶液を調製し、以下の各例に用いた。
【0096】
c)顔料分散体の調製
製造例I〜XII
表1に示す顔料、色素誘導体および溶剤とともに、前記製造例Aで調製したアクリル樹脂溶液を用いて、表2に示す組成(合計100部)の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、サンドミルで5時間分散させた後、5μmのフィルタで濾過し、赤色顔料分散体RP−1〜RP−10、青色顔料分散体BP−1および緑色顔料分散体BP−1を調製した。
【表1】


【0097】
【表2】


【0098】
なお、表1において、未処理R1は、PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製「IRGAPHOR RED B-CF」;比表面積:80m2/g)であり、未処理R2は、PR177(チバスペシャリティケミカルズ社製「CROMOPHTAL RED A2B」;比表面積:83mm2/g)であり、未処理Yは、PY139(BASF社製「PALIOTOL YELLOW D1819」)であり、未処理Gは、PG36(東洋インキ製造(株)製「LIONOL GREEN 6YK)である。
【0099】
また、表2には、赤色顔料分散体RP−1〜RP−10について、赤色顔料A100部に対する色素誘導体量(部)、赤色顔料A100部に対する赤色顔料B量(部)、および赤色顔料(A+B)100部に対する色素誘導体量(部)を計算して掲げた。
【0100】
d)赤色着色膜の作製
実施例1
顔料分散体(RP−1)51.0部、アクリル樹脂溶液1.0部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)4.0部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガキュア907」)3.4部、増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)0.4部およびシクロヘキサノン40.2部を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、赤色着色組成物(RR−1)100部を得た。この赤色着色組成物(RR−1)を硬化後の色度xが0.63(光源:C光源)となるように、スピンコート法によりガラス基板に塗布し、70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて紫外線を露光した。その後、この基板を230℃で1時間熱処理して、赤色着色膜を得た。
【0101】
実施例2
顔料分散体(RP−1)の代わりに顔料分散体(RP−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、赤色着色組成物(RR−2)100部を調製し、赤色着色膜を得た。
【0102】
実施例3
顔料分散体(RP−1)の代わりに顔料分散体(RP−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、赤色着色組成物(RR−4)100部を調製し、赤色着色膜を得た。
【0103】
比較例1
顔料分散体(RP−1)の代わりに顔料分散体(RP−4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、赤色着色組成物(RR−4)100部を調製し、赤色着色膜を得た。
【0104】
実施例4
顔料分散体(RP−1)の代わりに顔料分散体(RP−5)を用いたた以外は、実施例1と同様にして、赤色着色組成物(RR−5)100部を調製し、赤色着色膜を得た。
【0105】
実施例5
顔料分散体(RP−1)の代わりに顔料分散体(RP−6)を用いた以外は、実施例1と同様にして、赤色着色組成物(RR−6)100部を調製し、赤色着色膜を得た。
【0106】
実施例6
顔料分散体(RP−1)の代わりに顔料分散体(RP−7)を用いた以外は、実施例1と同様にして、赤色着色組成物(RR−7)100部を調製し、赤色着色膜を得た。
【0107】
実施例7
顔料分散体(RP−1)の代わりに顔料分散体(RP−8)を用いた以外は、実施例1と同様にして、赤色着色組成物(RR−8)100部を調製し、赤色着色膜を得た。
【0108】
実施例8
顔料分散体(RP−1)の代わりに顔料分散体(RP−9)を用いた以外は、実施例1と同様にして、赤色着色組成物(RR−9)100部を調製し、赤色着色膜を得た。
【0109】
比較例2
顔料分散体(RP−1)の代わりに顔料分散体(RP−10)を用いた以外は、実施例1と同様にして、赤色着色組成物(RR−10)100部を調製し、赤色着色膜を得た。
【0110】
e)青色着色膜の作製
顔料分散体(BP−1)42.0部、アクリル樹脂溶液10.0部、トリメチロールプロパントリアクリレート5.6部、光重合開始剤2.0部、増感剤0.2部およびシクロヘキサノン40.2部を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、青色着色組成物BR−1(100部)を得た。この青色着色組成物BR−1を硬化後の色度yが0.08(光源:C光源)となるように、スピンコート法によりガラス基板に塗布し、70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて紫外線を露光した。その後、この基板を230℃で20分熱処理して、青色着色膜を得た。
【0111】
f)緑色着色膜の作製
顔料分散体(GP−1)52.0部、トリメチロールプロパントリアクリレート4.8部、光重合開始剤2.8部、増感剤0.2部およびシクロヘキサノン40.2部を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、緑色着色組成物(GR−1)100部を得た。この緑色着色組成物(GR−1)を硬化後の色度yが0.58(光源:C光源)となるように、スピンコート法によりガラス基板に塗布し、70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて紫外線を露光した。その後、この基板を230℃で40分熱処理して、緑色着色膜を得た。
【0112】
実施例1〜8、比較例1〜2により得られた赤色着色膜、青色着色膜、緑色着色膜について、色度、膜厚、コントラスト比および平均振幅透過率比を測定した。結果を表3に示す。
【表3】


【0113】
表3に示すように、実施例1〜8の本発明の赤色着色膜においては、斜め45°方位での平均振幅透過率比が0.960〜1.040の範囲にある。ここで、顔料分散体RP−5を使用した実施例4では、比表面積90m2/g未満の未処理顔料のみを使用したため、コントラスト比がやや低く1800を下回っている。また、顔料分散体RP-6を使用した実施例5では、顔料の分光特性に起因して、明度がやや低く20未満となった。
一方、青色着色膜および緑色着色膜においては、斜め45°方位での平均振幅透過率比は0.960〜1.040の範囲にあり、それらの値は赤色着色膜よりも1に近かった。
【0114】
g)カラーフィルタおよび液晶表示装置の作製
実施例9
まず、赤色着色組成物RR−1をスピンコート法により、予めブラックマトリックスが形成されてあるガラス基板に塗工した後、70℃で20分乾燥した。その後、この基板を超高圧水銀ランプにより、フォトマスクを介して紫外線を露光した。露光後、23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像し、イオン交換水で洗浄後、風乾した。さらに、230℃で20分熱処理を行い、基板上に膜厚1.8μmの赤色のストライプ状パターンを形成した。
【0115】
次に、緑色着色組成物GR−1を用い、同様にして膜厚1.8μmの緑色のストライプ状パターンを形成した。さらに、青色着色組成物BR−1を用い、同様にして膜厚1.8μmの青色のストライプ状パターンを形成し、赤色、緑色および青色のフィルタセグメントを有するカラーフィルタを得た。
【0116】
得られたカラーフィルタ上に、透明ITO電極層を形成し、その上にポリイミド配向層を形成した。このガラス基板の他方の表面に偏光板を形成した。また、別の(第2の)ガラス基板の一方の表面にTFTアレイおよび画素電極を形成し、他方の表面に偏光板を形成した。
【0117】
こうして準備された2つのガラス基板を電極層同士が対面するよう対向させ、スペーサビーズを用いて両基板の間隔を一定に保ちながら位置合わせし、液晶組成物注入用開口部を残すように周囲を封止剤で封止した。開口部から液晶組成物を注入し、開口部を封止した。さらに、モジュール化して液晶表示装置LCD−1を得た。
【0118】
実施例10
赤色着色組成物(RR−1)の代わりに赤色着色組成物(RR−2)を用いた以外は、実施例9と同様にして、液晶表示装置(LCD−2)を得た。
【0119】
実施例11
赤色着色組成物(RR−1)の代わりに赤色着色組成物(RR−3)を用いた以外は、実施例9と同様にして、液晶表示装置(LCD−3)を得た。
【0120】
比較例3
赤色着色組成物(RR−1)の代わりに赤色着色組成物(RR−4)を用いた以外は、実施例9と同様にして、液晶表示装置(LCD−4)を得た。
【0121】
実施例12
赤色着色組成物(RR−1)の代わりに赤色着色組成物(RR−5)を用いた以外は、実施例9と同様にして、液晶表示装置(LCD−5)を得た。
【0122】
実施例13
赤色着色組成物(RR−1)の代わりに赤色着色組成物(RR−6)を用いた以外は、実施例9と同様にして、液晶表示装置(LCD−6)を得た。
【0123】
実施例14
赤色着色組成物(RR−1)の代わりに赤色着色組成物(RR−7)を用いた以外は、実施例9と同様にして、液晶表示装置(LCD−7)を得た。
【0124】
実施例15
赤色着色組成物(RR−1)の代わりに赤色着色組成物(RR−8)を用いた以外は、実施例9と同様にして、液晶表示装置(LCD−8)を得た。
【0125】
実施例16
赤色着色組成物を(RR−1)の代わりに赤色着色組成物(RR−9)を用いた以外は、実施例9と同様にして、液晶表示装置(LCD−9)を得た。
【0126】
比較例4
赤色着色組成物(RR−1)の代わりに赤色着色組成物(RR−10)を用いた以外は、実施例9と同様にして、液晶表示装置(LCD−10)を得た。
【0127】
実施例9〜16、比較例3〜4で得られた液晶表示装置について、黒表示画面における着色状態を目視で評価した。結果を表4に示す。
【表4】


【0128】
表4に示すように、実施例9〜16の本発明の液晶表示装置においては、斜め45°方位での黒表示時の着色が認められず、表示特性が良好となる。一方、比較例3および比較例4の液晶表示装置においては、斜め45°方位での平均振幅透過率比が1.040より大きな値を有する顔料分散体RP−4およびRP−10を使用しているため、斜め45°方位における黒表示時の着色が認められる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】着色膜の膜面と光の入射方位の関係を模式的に示した図。
【図2】本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置の一例を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
【0130】
10…液晶表示装置
11,21…透明基板
12…TFTアレイ
13,23…透明電極
14,24…配向層
15,25…偏光板
22…カラーフィルタ
30…バックライトユニット
31…三波長ランプ




 

 


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