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発明の名称 液晶表示装置用バックライトに適用される光学フィルム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3908(P2007−3908A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185133(P2005−185133)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 ルイス・マヌエル・ムリジョ−モラ / 中込 友洋
要約 課題
一方の面に単位レンズを反復的アレイ構造で配置するとともに、他方の面に光反射材を配置してなる光学フィルムを、液晶表示装置の用途に応じて最適な光学特性を有するような設計パラメータで設計する。

解決手段
本発明の光学フィルム10は、透明基材39の面42上に複数のレンズ44を規則的なピッチPで配置し、透明基材39の面43上に、透明基材39を挟んで各レンズ頂点Jと対向する位置Gを外すように複数の光反射材48を配置してなり、光反射材48が配置されていない部位である開口部46から透明基材39に入射した光Iが透明基材39によって屈折されてなる進行方向の、面43に対する法線方向からの最大角度α、レンズ44のピッチP、開口部46のレンズ44の配置方向における幅である開口幅A、及び透明基材39の厚みTとの間に、P=A+2T*tanαの関係が成立する。
特許請求の範囲
【請求項1】
液晶表示装置用バックライトに適用され、光源からの光を液晶パネルに導く光学フィルムであって、
透明基材の前記液晶パネル側の第一の面上に複数のレンズを規則的なピッチで配置し、前記透明基材の前記光源側の第二の面上に、前記透明基材を挟んで前記複数のレンズの各レンズ頂点と対向する位置を外すように複数の光反射材を配置してなり、前記第二の面上であって前記光反射材が配置されていない部位である開口部から前記透明基材に入射した前記光が前記透明基材によって屈折されてなる進行方向の、前記第二の面に対する法線方向からの最大角度α、前記レンズのピッチP、前記開口部の前記レンズの配置方向における幅である開口幅A、及び前記透明基材の厚みTとの間に、
P=A+2T*tanα
の関係が成立する光学フィルム。
【請求項2】
請求項1に記載の光学フィルムにおいて、
等方的な光が前記第二の面のある一点から前記透明基材に入射して前記透明基材によって屈折され、この屈折された全ての光のうち、90%以上の光を含むような前記法線方向からの屈折角度範囲のうち最大の屈折角度を前記最大角度αとした光学フィルム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の光学フィルムにおいて、
前記レンズは球面レンズであり、前記レンズの半径を、前記ピッチの0.5倍以上0.6倍以下とした光学フィルム。
【請求項4】
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の光学フィルムにおいて、
前記開口幅を、前記ピッチの0.4倍以上0.6倍以下とした光学フィルム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯端末、パソコン、テレビ、ビデオカメラ等のディスプレイとして用いられている液晶表示装置用バックライトユニットに適用される光学フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置は、軽量かつ薄型であるという優れた特徴を有することから、例えば携帯端末、パソコン、テレビ、ビデオカメラ等のディスプレイとして幅広く適用されている。
【0003】
この種の液晶表示装置において、液晶画面を照明するために用いられているバックライトユニットとしては、直下型のものとエッジライト型のものとがある。
【0004】
直下型のバックライトユニットの中には、例えば図9(a)の正面図、及び図9(b)の側断面図に示すように、2枚の拡散板25,26の背面に、例えば冷陰極管のような線状光源23が配置されており、更にその後ろには反射板27が配置されている。これによって、線状光源23から出射された光を拡散板25,26によって拡散させることでバックライトユニット30の出射面から均一に拡散光を出射させるようにしている。
【0005】
上述したように、このようなバックライトユニット30では、出射面から均一に拡散光を出射させるために、2枚の拡散板25,26が用いられている。1枚の拡散板のみでは、出射面から出射される拡散光を十分に均一にすることができず、液晶パネルからは明るさにムラのある画像が表示されてしまうからである。
【0006】
したがって、1枚の拡散板しか用いていないとき、場合によっては、光源の形状のシルエットが液晶画面に映ってしまうこともありえる。例えば、光源として線状光源23を用いている場合には、液晶画面上に、線状の明るい部分が見えてしまうこともありうる。しかしながら、このような明るさのムラをなくすために複数の拡散板を用いると、部材数が多くなり、構成が複雑になるのみならず、厚みも増してしまい、コスト削減及び小型化の阻害となる。
【0007】
このため、図10に示すように、1枚のみの拡散板26を用いる一方、2枚目の拡散板の拡散作用を補償するために、2枚目の拡散板の代わりに拡散フィルム32とプリズムシート34とを用いた構成のバックライトユニット36もある。
【0008】
このような構成のバックライトユニット36によれば、図9に示すバックライトユニット30よりも、より小型化及び軽量化を図ることができるものの、拡散板25の代わりに拡散フィルム32とプリズムシート34とを用いることになるので部材数がより増えてしまい、構成がより複雑化し、コストも増えてしまう。また、プリズムシート34では、図11に示すように、屈折作用Xによって、ランプハウス21に収容された線状光源23からの光Iが、最終的には、制御された角度φで出射されることによって、視聴者の視覚方向Sの光の強度を高めるように制御することができる。しかしながら、同時に反射/屈折作用Yによる光成分が、視聴者の視覚方向Sに進むことなく横方向に無駄に出射されてしまう。
【0009】
したがって、プリズムシート34から出射される光強度分布は、図12に示すように、視聴者の視覚方向S、すなわち視覚方向Sに対する角度が0°における光強度が最も高められるものの、図中横軸に示す±90°近辺の小さな光強度ピークとして示されるように、横方向から無駄に出射される光も増えてしまうという欠点がある。
【0010】
このような欠点を克服するために、図13に示すように、プリズムではなく単位レンズの反復的アレイ構造を有する光学フィルム38を用いたバックライトユニット40もある(特許文献1)。
【0011】
この光学フィルム38では、透明基材39の液晶パネル50側の面には、拡散板26及び拡散フィルム32によって拡散された光源23からの光を、液晶パネル50へ導くレンズ44が設けられている。このレンズ44は、複数の単位レンズが反復的にアレイ構造をなしている。さらに、透明基材39の他方の面には、該レンズ44の焦点面近傍の開口部46以外に配置された反射材48が設けられている。
【0012】
この反射材48は、白色である二酸化チタン(TiO)粉末を透明な接着剤等の溶液に混合した混合物を、所定のパターン、例えばドットパターンにて透明基材39の表面に印刷形成したものである。
【0013】
これによって、拡散フィルム32から出射した光のうち、開口部46を通過した光のみがレンズ44に入射し、レンズ44によって正面方向を中心に集光された後に出射する。そして、偏光板49に入射し、所定の偏光成分の光のみが液晶パネル50に導かれる。
【0014】
一方、開口部46を通過できなかった光は、反射材48で反射され、拡散板26側に戻され反射板27へ導かれる。そして、反射板27によって反射されることによって再び拡散板26に入射し、拡散板26において再び拡散された後に、いずれは入射角度が絞られた光となった後に開口部46を通ってレンズ44に入射し、レンズ44によって、図11に示すように、所定角度φ内に絞られて出射される。
【0015】
このような光学フィルム38を用いたバックライトユニット40では、光学フィルム38の開口部46の大きさ及び位置を調節することによって、光の利用効率を高めながら、レンズ44から正面方向に出射する光の割合を高めるように制御することができる。
【特許文献1】特開2000−284268号公報
【非特許文献1】http://www.asahi-net.or.jp/~nr8y-ktu/renbyou/kousen.htm
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したような光学フィルム38は、このように優れた光学特性を備えているものの、透明基材39の材質(屈折率)、厚み、レンズ44のサイズ、形状、高さ、ピッチ、反射材48の大きさ、位置、開口部46の大きさ、位置、開口率等設計パラメータが多いために、液晶表示装置の用途に応じた最適な光学特性を得るための設計は容易ではない。
【0017】
例えば、開口部46を通過して光学フィルム38の透明基材39内に入射する光は、反射材48の大きさ、位置等によって決定される。また、透明基材39内を進む光の進行方向は、透明基材39の屈折率によって制限され、屈折率の値が高いほど、より絞られた進行方向となる。更に、透明基材39の厚みと、レンズ44の焦点距離とをほぼ等しくすることによって、透明基材39内を進行してレンズ44に到達した光は、レンズ44によって正面方向に屈折されるようにする等、液晶表示装置の用途に応じて最適な光学特性を有するような設計パラメータを決定することは容易なことではない。
【0018】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、一方の面に単位レンズを反復的アレイ構造で配置するとともに、他方の面に光反射材を配置してなる光学フィルムにおいて、液晶表示装置の用途に応じて最適な光学特性を有するような設計パラメータで設計される光学フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0020】
すなわち、請求項1の発明は、液晶表示装置用バックライトに適用され、光源からの光を液晶パネルに導く光学フィルムであって、透明基材の前記液晶パネル側の第一の面上に複数のレンズを規則的なピッチで配置する。そして、前記透明基材の前記光源側の第二の面上に、前記透明基材を挟んで前記複数のレンズの各レンズ頂点と対向する位置を外すように複数の光反射材を配置する。更に、前記第二の面上であって前記光反射材が配置されていない部位である開口部から前記透明基材に入射した前記光の前記透明基材によって屈折されてなる進行方向の、前記第二の面に対する法線方向からの最大角度α、前記レンズのピッチP、前記開口部の前記レンズの配置方向における幅である開口幅A、及び前記透明基材の厚みTとの間に、P=A+2T*tanαの関係が成立する。
【0021】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学フィルムにおいて、等方的な光が前記第二の面のある一点から前記透明基材に入射して前記透明基材によって屈折され、この屈折された全ての光のうち、90%以上を含むような前記法線方向からの屈折角度範囲のうちの最大の屈折角度を前記最大角度αとしている。
【0022】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光学フィルムにおいて、前記レンズは球面レンズであり、前記レンズの半径を、前記ピッチの0.5倍以上0.6倍以下としている。
【0023】
更にまた、請求項4の発明は、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の光学フィルムにおいて、前記開口幅を、前記ピッチの0.4倍以上0.6倍以下としている。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、一方の面に単位レンズを反復的アレイ構造で配置するとともに、他方の面に光反射材を配置してなる光学フィルムにおいて、液晶表示装置の用途に応じて最適な光学特性を有するような設計パラメータで設計された光学フィルムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
なお、以下の実施の形態の説明に用いる図中の符号は、図9乃至図13と同一部分については同一符号を付して示すことにする。
【0027】
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る光学フィルムの構成例を示す斜視図であり、図1(b)は、同光学フィルムの部分側面図である。
【0028】
すなわち、本実施の形態に係る光学フィルム10は、液晶表示装置用バックライトに適用され、光源23からの光を液晶パネル50に導くためのものであって、上述したように、図1(a)に示すように、透明基材39の液晶パネル50側の出射面42上に、複数のレンズ44を反復的にアレイ構造をなして配置している。さらに、透明基材39の入射面43上に、該レンズ44の焦点面近傍の開口部46以外の部位に、つまり透明基材39を挟んで複数のレンズ44の各レンズ頂点Jと対向する位置Gを外すように配置された反射材48を設けている。レンズ44は、好適には球面レンズである。
【0029】
更に、図1(b)に示すように、開口部46から透明基材39に入射した光Iの透明基材39によって屈折されてなる進行方向の、入射面43に対する法線方向からの最大角度α、レンズ44のピッチP、開口部46のレンズ44の配置方向における幅である開口幅A、及び透明基材39の厚みTといった種々のパラメータを変化させながら公知の光線追跡法(ray-tracing algorithm)を適用した解析を行い、図2のグラフに示すような結果を得た。なお、光線追跡法の詳細については、例えば非特許文献1に記載されているので、ここでは詳細な記載を避ける。図2において、横軸は透明基材39の厚みT(μm)、縦軸はレンズ44のピッチP(μm)をそれぞれ示している。また、開口幅A=0.5P、最大角度α=35°とした。なお、1μm=1×10−6mである。
【0030】
図2に示すグラフから、下記(1)式に示すような、簡単な式が成立するとの知見が得られた。この結果から、例えば透明基材39の厚みTが100(μm)のとき、レンズ44の好適なピッチPは250〜300(μm)であることがわかる。
P=A+2T*tanα ・・・(1)
また、一般に、開口部46から透明基材39に入射した光は、図3に示すように、最大角度α以下の屈折角度の光Iaは、この光が入射した開口部46に対向して配置されているレンズ44aに到達し、屈折角度が大きい光Ibは、対向するレンズ44aには到達せずに、対向するレンズ44aの隣のレンズ44bに到達し、横方向に出射されてしまう。したがって、正面方向に進む光強度分布の割合を最大にするためには、隣のレンズ44bに到達する光Ibの量を最小にする必要がある。
【0031】
図4は、レンズ44のピッチPに対する開口幅Aの割合である開口率(A/P)と、レンズ44から出射される光による光強度分布との一般的な関係を示す図である。開口率(A/P)が小さいほど、入射面43から入射する光が絞られるために、隣のレンズ44bに到達する光Ibの量が少なくなり、ほとんどが対向するレンズ44aに到達する光Iaとなる。このため、例えば開口率(A/P)=0.3では、図4に示すように、正面方向の光強度が強い分布となる。しかしながら、開口率(A/P)=0.3では、図4に示すように、ほとんどの光が真正面方向(図4中に示す0°を中心とする方向)にしか出射されず、これでは、正面からちょっとずれただけでも見えなくなるような液晶表示装置となってしまうので、これよりも開口率(A/P)を高める必要があることが分かる。
【0032】
開口率(A/P)を0.4→0.5→0.6というように大きくして行くと、正面方向の光強度が段々と緩和されて行き、より広範囲に亘ってよりブロードな光強度分布となる。更に、開口率(A/P)を大きくし、例えば開口率(A/P)=0.7とすると、隣のレンズ44bに到達する光Ibの量もかなり多くなるために、図4に示すように、両サイド(図4中に示す90°付近)に小さなピークが現れてくる。したがって、本実施の形態に係る光学フィルムでは、開口幅Aを、ピッチPの0.4倍以上0.6倍以下、すなわち開口率(A/P)=0.4〜0.6とすることが好ましい。
【0033】
次に、レンズ44として球面レンズを用いた場合、その半径rに関する検討結果を説明する。図5は、光線追跡法を用いて、球面であるレンズ44から出射される光強度分布がほぼ同じになるようなレンズ44のピッチP、透明基材39の厚みT、開口率A/P、及びレンズ44の半径rの組み合わせを得た結果を示すテーブルである。
【0034】
一般に、開口率A/Pが等しければ、レンズ44の半径rが小さいほど光強度のピーク値は高くなり、レンズ44から出射される光強度分布は絞られる。一方、レンズ44の半径rが大きいほど光強度のピーク値は低くなり、レンズ44から出射される光強度分布はブロードになる。したがって、液晶表示装置の用途に応じて要求される光強度分布によって、レンズ44の半径rを決定し、それに合わせて開口率A/Pを決定する必要がある。
【0035】
また、図6は、図5に示す結果における透明基材39の厚みT、球面のレンズ44の半径rを、ピッチPを1としたときの相対値で表したテーブルである。開口率(A/P)が大きくなると、レンズ44の半径rもそれに合わせて大きくする必要があるものの、開口率(A/P)が0.4〜0.6の範囲においては、レンズ44の半径rを、ピッチPの0.5倍以上0.6倍以下とすればよいことが分かる。
【0036】
また、最大角度αは、以下に説明するように、臨界角の90%以上とする。臨界角とは、図7に示すように、媒質iから媒質tに対して如何なる入射角度θiで光が入射した場合であっても、入射した光は、これ以上の角度で屈折されることは無いという最大の屈折角度(max(θt))のことである。媒質iの屈折率niと、媒質tの屈折率ntと、媒質iから媒質tへの光の入射角度θiと、媒質tにおいて光が屈折される屈折角度θtとの関係は、以下の(2)式に示すスネルの式で表される。
【0037】
ni*sinθi=nt*sinθt ・・・(2)
臨界角(max(θt))は、例えば、屈折率ni=1.0の媒質(空気)から、屈折率nt=1.5の媒質に光が入射する場合には、42°となる。この場合、媒質t内における光強度分布は、図8(a)に示すように、図中180°で示す法線方向から42°の範囲内に全て、すなわち100%の光が存在するようになる。
【0038】
しかしながら、図8(a)を見て分かるように、臨界角(max(θt))近傍になると、光の強度は極端に小さくなる。従って、図8(b)を見て分かるように、臨界角(max(θt))近傍の光をもレンズ44に入射させようとしてレンズ44の幅Wを決定したとしても、レンズ44の外周部近傍には、臨界角近傍の屈折角度で屈折した極く弱い光しか到達せず、レンズ44の利用効率が低下してしまう。
【0039】
そこで、本発明の実施の形態に係る光学フィルムでは、等方的な光が入射面43のある一点から透明基材39に入射して、透明基材39によって屈折され、この屈折された全ての光、すなわち、屈折角度が臨界角(max(θt))以内である光のうち、90%以上の光を含むような屈折角度の範囲の最大値を最大角度αとする。
【0040】
これを図8(c)を用いて説明する。例えば、空気のように屈折率ni=1.0の媒質から、屈折率nt=1.5の透明基材39に光が入射する場合には、上述したように臨界角は42°となり、透明基材39に入射した光は、その全てが0〜42°の屈折角度の範囲にある。このうち、0〜35°の範囲内に屈折角度を持つ光は、透明基材39に入射した光のうちの約90%となる。したがって、この場合、最大角度αが35°となるような光学フィルムを設計すればよい。
【0041】
これによって、光の利用効率と、レンズ44の利用効率との両方を高めるようにしている。
【0042】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る光学フィルムの作用について説明する。
【0043】
本実施の形態に係る光学フィルム10は、液晶表示装置用バックライトに適用され、光源23からの光を液晶パネル50に導くためのものであって、図1(a)に示すように、透明基材39の液晶パネル50側の出射面42上に、複数のレンズ44が反復的にアレイ構造をなして配置されている。さらに、透明基材39の入射面43上に、該レンズ44の焦点面近傍の開口部46以外の部位に、つまり透明基材39を挟んで複数のレンズ44の各レンズ頂点Jと対向する位置Gを外すように配置された反射材48が設けられている。レンズ44は、好適には球面レンズが用いられる。
【0044】
更に、光線追跡法を用いて、図1(b)に示すように、開口部46から透明基材39に入射した光Iの透明基材39によって屈折されてなる進行方向の、入射面43に対する法線方向からの最大角度α、レンズ44のピッチP、開口部46のレンズ44の配置方向における幅である開口幅A、及び透明基材39の厚みTとの間に成立する(1)式に示すような関係が得られた。したがって、(1)式を用いて、設計パラメータが決定される。
【0045】
更にまた、図4に示すような、レンズ44のピッチPに対する開口幅Aの割合である開口率(A/P)と、レンズ44から出射される光による光強度分布との関係から、本実施の形態に係る光学フィルムでは、開口幅Aを、ピッチPの0.4倍以上0.6倍以下、すなわち開口率(A/P)=0.4〜0.6とすることが好ましいとの知見が得られた。開口率(A/P)=0.4〜0.6とすることによって、開口部46から入射した光が、この開口部46に対向したレンズ44aに入射する、つまり対向したレンズ44aの隣のレンズ44bに到達する光が少なくなるために、光の利用効率が高められる。
【0046】
更に、開口率(A/P)=0.4〜0.6としたとき、レンズ44が球面である場合には、光線追跡法による図5及び図6に示すような結果から、レンズ44の半径rを、ピッチPの0.5倍以上0.6倍以下とすればよいという結果が得られた。
【0047】
一方、開口率(A/P)=0.4〜0.6としたとき、レンズ44が非球面である場合には、光線追跡法による結果から、レンズ44の最小半径rを、ピッチPの0.4倍以上0.6倍以下とすればよいという結果が得られた。
【0048】
更にまた、等方的な光が入射面43のある一点から透明基材39に入射して、透明基材39によって屈折され、この屈折された全ての光、すなわち、屈折角度が臨界角(max(θt))以内である光による合計光強度のうち、90%以上の光を含むような屈折角度の範囲の最大値を最大角度αとする。最大角度αをこのように決定することによって、高い光の利用効率を実現しつつ、高いレンズ44の利用効率が実現される。
【0049】
上述したように、本実施の形態に係る光学フィルムにおいては、上記のような作用により、光線追跡法を用いて得られた(1)式を用いて、設計パラメータを決定することができる。
【0050】
また、開口率(A/P)=0.4〜0.6とする。これによって、開口部46から入射した光が、この開口部46に対向したレンズ44aに入射する、つまり対向したレンズ44aの隣のレンズ44bに到達する光が少なくなるために、光の利用効率を高めることができる。
【0051】
更に、開口率(A/P)=0.4〜0.6としたとき、レンズ44が球面である場合には、レンズ44の半径rを、ピッチPの0.5倍以上0.6倍以下とし、レンズ44が非球面である場合には、レンズ44の最小半径rを、ピッチPの0.4倍以上0.6倍以下とすればよい。
【0052】
更にまた、等方的な光が入射面43のある一点から透明基材39に入射して、透明基材39によって屈折され、この屈折された全ての光、すなわち、屈折角度が臨界角(max(θt))以内である光による合計光強度のうち、90%以上の光を含むような屈折角度の範囲の最大値を最大角度αとする。最大角度αをこのように決定することによって、高い光の利用効率を実現しつつ、高いレンズ44の利用効率を実現することができる。
【0053】
以上の結果、一方の面に単位レンズを反復的アレイ構造で配置するとともに、他方の面に光反射材を配置してなる光学フィルムにおいて、液晶表示装置の用途に応じて最適な光学特性を有するような設計パラメータで設計される光学フィルムを提供することが可能となる。
【0054】
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態に係る光学フィルムの構成例を示す斜視図及び部分側面図。
【図2】光線追跡法で得られた透明基材の厚みと、レンズのピッチとの関係を示す図。
【図3】開口部に入射した光の進行方向分布の一例を示す図。
【図4】様々な開口率と光強度分布との関係を示す図。
【図5】球面レンズからの光強度分布がほぼ同じになるようなレンズピッチ、透明基材厚み、開口率、及びレンズ半径の組み合わせテーブルを示す図。
【図6】図5を、レンズピッチに対する相対値で表したテーブルを示す図。
【図7】臨界角を説明するための模式図。
【図8】透明基材中における屈折角度と光強度分布との関係を示す模式図。
【図9】従来技術によるバックライトユニットの構成例を示す正面図及び側断面図(拡散板を2枚用いた場合)。
【図10】従来技術によるバックライトユニットの構成例を示す正面図及び側断面図(拡散板1枚とプリズムシートとを用いた場合)。
【図11】プリズムシートを用いたバックライトユニットにおける光学作用を説明するための図。
【図12】プリズムシートを用いたバックライトユニットから出射される光強度の分布図。
【図13】単位レンズの反復的アレイ構造を有する光学フィルムを用いたバックライトユニットの構成例を示す模式図。
【符号の説明】
【0056】
α…最大角度、G…位置、I…光、J…レンズ頂点、P…ピッチ、S…視覚方向、X…屈折作用、Y…屈折作用、ni…屈折率、nt…屈折率、θi…入射角度、θt…屈折角度、10…光学フィルム、21…ランプハウス、23…光源、25…拡散板、26…拡散板、27…反射板、30…バックライトユニット、32…拡散フィルム、34…プリズムシート、36…バックライトユニット、38…光学フィルム、39…透明基材、40…バックライトユニット、42…出射面、43…入射面、44…レンズ、46…開口部、48…反射材、49…偏光板、50…液晶パネル




 

 


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