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発明の名称 計測処理方法及び計測装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−51912(P2007−51912A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−236670(P2005−236670)
出願日 平成17年8月17日(2005.8.17)
代理人 【識別番号】100103528
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 一男
発明者 鈴木 建彦
要約 課題

非接触光計測において歪曲収差などの系統誤差を低減させ、高精度の絶対値計測を実現する。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
三次元空間においてグリッド状に配置されているノードに対応する複数の特定位置についての計測結果である計測座標値を取得し、前記特定位置の座標値と共にデータ格納部に格納するステップと、
前記データ格納部に格納されている前記特定位置の座標値と前記計測座標値とを用いて、前記特定位置の座標値と前記計測座標値との間の関係を表すテンソル積型複合超曲面のための制御点のデータを生成し、制御点データ格納部に格納する制御点データ生成ステップと、
を含み、コンピュータに実行される計測処理方法。
【請求項2】
前記制御点データ格納部に格納された、前記テンソル積型複合超曲面のための制御点のデータを用いて、被計測物体の計測座標値から実座標値を算出し、実座標値データ格納部に格納する実測ステップ
をさらに含む請求項1記載の計測処理方法。
【請求項3】
前記制御点データ生成ステップにおいて、
計測座標を変数とするテンソル積型複合超曲面のための制御点のデータを生成する
ことを特徴とする請求項1記載の計測処理方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つ記載の計測処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項5】
三次元空間においてグリッド状に配置されているノードに対応する複数の特定位置についての計測結果である計測座標値を取得し、前記特定位置の座標値と共にデータ格納部に格納する手段と、
前記データ格納部に格納されている前記特定位置の座標値と前記計測座標値とを用いて、前記特定位置の座標値と前記計測座標値との間の関係を表すテンソル積型複合超曲面のための制御点のデータを生成し、制御点データ格納部に格納する制御点データ生成手段と、
を有する計測装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触式の三次元形状計測技術に関する。
【背景技術】
【0002】
三次元形状計測においては非接触型の絶対値計測が望まれているが、現状では十分な精度が実現されていないものが多い。その最大の原因は光学レンズの歪曲収差である。
【0003】
格子パターン投影法等において超曲面による校正法を採用することによって、高精度の絶対値計測を実現する手法が特開2005−98985号公報に開示されている。ここでは、受光座標(x,y)、校正時に観測して得られた光強度Iを変換することによって得られた位相角Φ及び物体座標系のZ座標の関係を、超曲面Sを用いて表現する。そして、計測時には、観測して得られた光強度Iを変換して得られる位相角Φと受光座標(x,y)とから物体座標のZ座標値を,校正時に準備した超曲面Sを参照して算出する。なお、物体座標系のX及びY座標も求める必要があるが、ここでは説明を省略する。
【特許文献1】特開2005−98985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、格子パターン投影法等の計測法には、光強度を増すと発熱量が大きくなり誤差が大きくなるという問題や、環境光を遮断する必要があるなどの制約がある。そのため、格子パターン投影法以外の任意の方式による、光を用いた非接触計測において、光学レンズの歪曲収差などの系統誤差を低減させ、高精度の絶対値計測を実現することが望まれている。
【0005】
従って、本発明の目的は、非接触光計測において歪曲収差などの系統誤差を低減させ、高精度の絶対値計測を実現するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る計測処理方法は、三次元空間においてグリッド状に配置されているノードに対応する複数の特定位置についての計測結果である計測座標値を取得し、上記特定位置の座標値と共にデータ格納部に格納するステップと、データ格納部に格納されている上記特定位置の座標値と計測座標値とを用いて、上記特定位置の座標値と計測座標値との間の関係を表すテンソル積型複合超曲面のための制御点のデータを生成し、制御点データ格納部に格納する制御点データ生成ステップとを含む。
【0007】
上で述べたようなテンソル積型複合超曲面を採用することにより高精度の絶対値計測が可能となる。なお、上で述べた従来技術では、受光座標と位相角ΦとZ座標とから超曲面を定義しているが、適用可能な計測方式が格子パターン投影法などに限定されており、汎用性に欠ける。また、テンソル積型複合超曲面を用いる点は共通しているが、テンソル積型複合超曲面の構成も、従来技術におけるテンソル積型複合超曲面が2つの座標値の関係を表すものではないという点からも異なっている。
【0008】
また、制御点データ格納部に格納された、テンソル積型複合超曲面のための制御点のデータを用いて、被計測物体の計測座標値から実座標値を算出し、実座標値データ格納部に格納する実測ステップをさらに含むようにしてもよい。
【0009】
さらに、上で述べた制御点データ生成ステップにおいて、計測座標を変数とするテンソル積型複合超曲面のための制御点のデータを生成するようにしてもよい。このようにすれば、実測ステップにおける処理が簡略化される。
【0010】
また、本発明に係るコンピュータ数値制御装置(CNC装置とも呼ぶ)は、上で述べた処理を行う計測装置と、特定位置に基準被計測物体を移動させるように制御する手段と、を有する。このようにすれば、校正を迅速かつ簡易に行うことができる。なお、ここでCNC装置は、計算機を用いた数値制御を有する機械装置のことであり、その代表的なものがNC工作装置である。
【0011】
本発明に係る計測処理方法は、プログラムがコンピュータ・ハードウエアに実行させることにより実施され、このプログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。また、ネットワークなどを介してデジタル信号として配信される場合もある。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、非接触光計測において歪曲収差などの系統誤差を低減させ、高精度の絶対値計測を実現することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に本発明の一実施の形態に係るCNC装置の機能ブロック図を示す。本実施の形態に係るCNC装置は、例えば被計測物体をXYZ方向に移動させるための移動制御部11を有する工作機1と、非接触の三次元計測を行う計測器3と、校正時に移動制御部11に球などの基準被計測物体の移動などを指示すると共に計測器3に対して三次元計測を指示する計測制御部5と、工作機1における、基準被計測物体の特徴点の物体座標(X,Y,Z)と計測器3による計測結果である特徴点の計測座標(x,y,z)とを格納する取得データ格納部7と、取得データ格納部7に格納されたデータを用いて物体座標と計測座標との間の関係を表すテンソル積型複合超曲面のための制御点を生成する制御点生成部9と、制御点生成部9により生成された制御点のデータを格納する制御点データ格納部13と、計測時に計測制御部5からの指示に応じて計測器3が被計測物体を計測した結果を格納する計測データ格納部15と、計測データ格納部15に格納されている計測結果を制御点データ格納部13に格納された制御点データを用いたテンソル積型複合超曲面を用いて校正し、被計測物体の実座標値を算出する実座標算出部17と、被計測物体の実座標値のデータを格納する実座標データ格納部19とを有する。
【0014】
次に、図1に示したCNC装置の処理を図2A乃至図10を用いて説明する。
【0015】
(1)校正時の処理
まず、図2A乃至図9を用いて校正時における処理を説明する。まず、計測制御部5は、工作機1の移動制御部11に対して基準被計測物体(例えば図2Bにおける球20)の特徴点(例えば図2Bにおける球20の中心21)を所定の物体座標P(X,Y,Z)へ移動するように指示し、計測器3に対して基準被計測物体の特徴点の計測を指示して計測器3から計測結果である計測座標p(x,y,z)を取得し、物体座標(X,Y,Z)と対応付けて取得データ格納部7に格納する(ステップS1)。図2Bに、ステップS1の概要を模式的に示す。上でも述べたように、基準被計測物体には例えば球20が用いられ、その特徴点には球20の中心21が用いられる。この際、移動制御部11は、球20の中心21を点21bから座標P(X,Y,Z)に移動するように指示する。一方、計測器3は、移動後の球20の計測を行い、当該球20の中心21の計測座標p(x,y,z)を計測結果として出力する。
【0016】
球面の座標値から球の中心座標を求める方法は周知であり、ここでは詳しく述べない。また、球面の座標値から球の中心座標を求める処理については、計測器3ではなく計測制御部5において行うようにしても良い。また、基準被計測物体については、球に限定されず、立方体などであってもよい。さらに、所定の物体座標P(X,Y,Z)については、図3に示すような三次元グリッドのノードの座標となる。工作機1の移動制御および特徴点の計測データ取得は自動的に行うことが望ましい。これは校正作業の効率化のみならず校正作業における誤りの低減にも寄与するからである。
【0017】
すなわち、三次元の物体座標系において、例えばX軸方向にL個のノードを有し、Y軸方向にM個のノードを有し、さらにZ軸方向にN個のノードを有する三次元グリッドの各ノードの座標が、所定の物体座標P(X,Y,Z)となる。図3の例では、Z軸方向においてk番目の座標値Zkを有する平面上のノードが示されており、図3におけるノードPの座標値は(Xi,Yj,Zk)となる。1つの球を基準被計測物体として用いる場合には、全てのノードの位置に球を移動させる。なお、X軸方向の配列を表す記号にiを用い、Y軸方向の配列を表す記号にjを用い、Z軸方向の配列を表す記号にkを用いる。また、図3は矩形の三次元グリッドを示しているが、位相的に矩形であればよく、格子が立方体で形成されねばならないと言うことではない。
【0018】
なお、1平面上における複数のノードの各々の位置に予め球が配置されたボールアレイなどを用いるようにしてもよい。1平面において必要となる全てのノードの位置に予め球が配置されているボールアレイを用いる場合には、Z軸方向に当該ボールアレイを移動させれば、三次元グリッドが得られる。
【0019】
取得データ格納部7には、例えば図4に示されるようなデータが格納される。図4の例では、ijkの各組み合わせについて、計測座標(x,y,z)と物体座標(X,Y,Z)の値が登録される。
【0020】
三次元グリッドの全てのノードにつき座標データが取得データ格納部7に格納されると、制御点生成部9は、取得データ格納部7に格納された、計測結果である計測座標p(x,y,z)及び物体座標P(X,Y,Z)を用いて、計測座標p(x,y,z)と物体座標P(X,Y,Z)との関係を表すテンソル積型複合超曲面の制御点を生成し、当該制御点のデータを制御点データ格納部13に格納する(ステップS3)。超曲面は、n次元空間において1個の拘束を与えて得られる図形を意味する。複合は、パッチが複数連結して存在することを表す。テンソル積は多重線形空間であることを表す。この表現式には、ベジエ曲面、B-Spline曲面、有理B-Spline曲面、NURBS曲面などの次数を1つ増やしたものを使用する。このようなテンソル積型複合超曲面を用いることにより、計測座標p(x,y,z)と物体座標P(X,Y,Z)との間の関係をより正確に表すことができるようになる。なお、テンソル積型複合超曲面は計測点を含む計測ボリューム全体を補間するものであり、近似となってしまうが、連続性があるため、より多くのデータにて制御点を規定できれば、十分な精度を得ることができる。
【0021】
なお、ステップS3は、2つの方法で実施可能である。すなわち、第1の方法では、図3に示した三次元グリッドにおいて、各ノードの値を計測座標p(x,y,z)としてi,j,kそれぞれの方向に掃引して制御点を生成する。この方法を採用すると、物体座標P(X,Y,Z)から計測座標p(x,y,z)を求めるためのテンソル積型複合超曲面が構成される。従って、実際の計測時には、被計測物体の計測座標p(x,y,z)から物理座標P(X,Y,Z)を算出するのに、以下で説明する多次元ニュートン法が必要となる。
【0022】
一方、第2の方法では、ステップS1においては図3に示した三次元グリッドに従って物理座標P(X,Y,Z)と計測座標p(x,y,z)を対応付けるが、制御点生成時には、図3に示した三次元グリッドではなく図5に示すような三次元グリッドにおいて掃引を行って制御点を生成する。すなわち、三次元の計測座標系において、x軸方向にL個のノードを有し、y軸方向にM個のノードを有し、さらにz軸方向にN個のノードを有する三次元グリッドを用いる。例えば、z軸方向においてk番目の座標値zkを有する平面上のノードが示されており、図5におけるノードpの座標値は(xi,yj,zk)となる。なお、図3に示した三次元グリッドでは、規則的にノードを配置することが可能であったが、図5に示した三次元グリッドのノードの位置は、計測座標であるから多少歪みを有することになる。これは精度に影響を与えるが、物体座標と計測座標とはほぼ同じ値となるので、無視できる程度のものである。第2の方法では、図5に示した三次元グリッドにおいて、各ノードの値を物体座標P(X,Y,Z)としてi,j,kそれぞれの方向に掃引して制御点を生成する。この方法を採用すると、計測座標p(x,y,z)から物体座標(X,Y,Z)を求めるためのテンソル積型複合超曲面が構成される。従って、実際の計測時には、第1の方法とは異なり、多次元ニュートン法は不要となり、テンソル積型複合超曲面の式に計測座標の値を入力すれば、実座標が求められる。
【0023】
まず、第1の方法のための処理を図6を用いて説明する。制御点生成部9は、第1の方向(例えばi方向)にノード(入力点)列を掃引して制御点Q"ijkを生成し、当該制御点のデータを制御点データ格納部13に格納する(ステップS11)。例えばj及びkを固定してi方向に入力点列を掃引して制御点を生成した後、j又はkを変更してi方向に入力点列を掃引して制御点を生成する。これを繰り返してi方向に伸びる入力点列について全て制御点を生成する。この際、例えば3次元のベジエ曲線を用いる場合については、以下の式を満たすように制御点を算出する。
【数1】


但し、pは対応する計測座標(x,y,z)である。また、
in(t)=i(1−t)n-i
であって、Bernstein多項式である。
【0024】
また、制御点生成部9は、第2の方向(例えばj)にノード(入力点)列を掃引して制御点Q'ijkを生成し、当該制御点のデータを例えば制御点データ格納部13に格納する(ステップS13)。ここでも、例えばi及びkを固定してj方向に入力点列を掃引して制御点を生成した後、i又はkを変更してj方向に入力点列を掃引して制御点を生成する。これを繰り返してj方向に伸びる入力点列について全て制御点を生成する。なお、既にステップS11で生成されている制御点については入力点として用いて制御点を生成する。具体的には、以下の式を満たすように制御点を算出する。
【数2】


【0025】
そして、制御点生成部9は、第3の方向(例えばk)に入力点列を掃引して制御点Qijkを生成し、当該制御点のデータを例えば制御点データ格納部13に格納する(ステップS15)。例えばi及びjを固定してk方向に入力点列を掃引して制御点を生成した後、i又はjを変更してk方向に入力点列を掃引して制御点を生成する。これを繰り返してk方向に伸びる入力点列について全て制御点を生成する。ここでもステップS11及びS13において生成された制御点については入力点として用い、制御点を生成する。具体的には、以下の式を満たすように制御点を算出する。
【数3】


【0026】
最終的に求められるテンソル積型複合超曲面は、以下のように示される。
【数4】


【0027】
次に、第2の方法のための処理を同じく図6を用いて説明する。制御点生成部9は、第1の方向(例えばi方向)にノード(入力点)列を掃引して制御点q"ijkを生成し、当該制御点のデータを制御点データ格納部13に格納する(ステップS11)。例えばj及びkを固定してi方向に入力点列を掃引して制御点を生成した後、j又はkを変更してi方向に入力点列を掃引して制御点を生成する。これを繰り返してi方向に伸びる入力点列について全て制御点を生成する。この際、例えば3次元のベジエ曲線を用いる場合については、以下の式を満たすように制御点を算出する。
【数5】


但し、Pは対応する物体座標(X,Y,Z)である。
【0028】
なお、制御点データ格納部13には、例えば図7(a)に示すようなデータが格納される。すなわち、ijkの各組み合わせにつき、制御点q"ijkの値(x,y,z)が格納される。
【0029】
また、制御点生成部9は、第2の方向(例えばj)にノード(入力点)列を掃引して制御点q'ijkを生成し、当該制御点のデータを例えば制御点データ格納部13に格納する(ステップS13)。ここでも、例えばi及びkを固定してj方向に入力点列を掃引して制御点を生成した後、i又はkを変更してj方向に入力点列を掃引して制御点を生成する。これを繰り返してj方向に伸びる入力点列について全て制御点を生成する。なお、既にステップS11で生成されている制御点については入力点として用いて制御点を生成する。具体的には、以下の式を満たすように制御点を算出する。
【数6】


【0030】
なお、制御点データ格納部13には、例えば図7(b)に示すようなデータが格納される。すなわち、ijkの各組み合わせにつき、制御点q'ijkの値(x,y,z)が格納される。
【0031】
そして、制御点生成部9は、第3の方向(例えばk)に入力点列を掃引して制御点qijkを生成し、当該制御点のデータを例えば制御点データ格納部13に格納する(ステップS15)。例えばi及びjを固定してk方向に入力点列を掃引して制御点を生成した後、i又はjを変更してk方向に入力点列を掃引して制御点を生成する。これを繰り返してk方向に伸びる入力点列について全て制御点を生成する。ここでもステップS11及びS13において生成された制御点については入力点として用い、制御点を生成する。具体的には、以下の式を満たすように制御点を算出する。
【数7】


【0032】
なお、制御点データ格納部13には、例えば図7(c)に示すようなデータが格納される。すなわち、ijkの各組み合わせにつき、制御点qijkの値(x,y,z)が格納される。
【0033】
最終的に求められるテンソル積型複合超曲面は、以下のように示される。
【数8】


【0034】
このように、制御点を生成して、当該制御点のデータを保持しておけば、計測時に計測座標(x,y,z)に対応する実座標(X,Y,Z)を算出することができるようになる。
【0035】
なお、一般的な制御点の生成について簡単に説明しておく。比較的簡単な3次のベジエ曲線を用いる場合を示す。図8(a)は、入力点列の一例を示している。このようにP1、P2、P3、P4という入力点列が存在するとする。このような場合には、隣接する2入力点(例えばP1及びP2)を選択し、それぞれの接ベクトル(例えばm1及びm2)を求める。そうすると、中間の制御点(P11及びP12)は、以下のように求められる。なお、詳しくは”Curves and Surfaces for Cagd: A Practical Guide (Morgan Kaufmann Series in Computer Graphics and Geometric Modeling), Gerald E. Farin, Morgan Kaufmann Pub; ISBN: 1558607374”を参照のこと。
【数9】


【0036】
これを繰り返せば図8(b)に示すような制御点列を得ることができる。なお、ベジエ曲線では入力点列P1、P2、P3、P4も制御点であり、区別するためP10、P20、P30、P40と表している。すなわち、P10とP20の間には、P11及びP12が生成され、P20とP30の間には、P21とP22が生成され、P30とP40の間には、P31とP32とが生成される。
【0037】
このように求められた制御点により、ベジエ超曲面は、1次元のセグメントや2次元のパッチに相当する3次元の超パッチごとに、以下の式で表される。
【数10】


なお、Pijkは制御点である。このように(3)式は、(1)式及び(2)式と同様の形を有している。
【0038】
また本実施の形態においてはベジエ曲線だけではなく、ユニフォームなB-Spline曲線を用いることも可能である。3次のB-Spline曲線の場合を図9を用いて説明する。ここでP1、...Pi、Pi+1...Pnは入力点列である。これに対して、B-Spline曲線の制御点は、Q0、Q1、...Qi-1、Qi、Qi+1、Qi+2、...Qn、Qn+1となる。入力点列Pと制御点列Qは、上付のサフィックスが同じもの同士対応しており、Q0とQn+1のみが余分に設けられるようになっている。すなわちベジエの場合よりも制御点の数は少なく、制御点データを保持する場合におけるメモリ容量が少なく済む。
【0039】
図9のような制御点列を生成するためには、第1ステップとしてi=1乃至nについて、QiをPiと同じに設定する。なお、Q0についてはQ1と同じに設定する。また、Qn+1をQnと同じに設定する。第2ステップとしてi=1乃至nについて、
【数11】


を計算し、δi+Qiを、新たなQiに設定する。なお、Q0についてはQ1と同じに設定する。また、Qn+1をQnと同じに設定する。
【0040】
第3ステップにおいては、max{δi}>δs(固定値)であるか判断し、この条件が満たされている場合には第2ステップに戻る。一方、この条件が満たされていない場合には、処理を終了する。このようにすれば、制御点列を算出することができる。なお、詳しい内容については、”形状処理工学(II) 山口富士夫、日刊工業新聞社”を参照のこと。
【0041】
このように求められた制御点により、B-Spline超曲面は、1次元のセグメントや2次元のパッチに相当する3次元の超パッチごとに、以下の式で表される。
【数12】


なお、Qijkは制御点である。(4)式も、(1)式及び(2)式と同様の形式を有している。
【0042】
このほかユニフォームでないB-Spline曲線やさらにNURBSや有理B-Splineなどを用いることも可能であり、ベジエ及びB-Splineに限定されるものではない。
【0043】
(2)計測時の処理
次に図10を用いて計測時の処理を説明する。計測制御部5は、計測器3から被計測物体についての計測結果(計測座標(x,y,z))を取得し、計測データ格納部15に格納する(図10:ステップS21)。被計測物体の特定位置から予め定められた規則に従って、計測座標列が計測器3から出力され、計測データ格納部15に格納される。
【0044】
そして、実座標算出部17は、計測データ格納部15に格納された計測座標値を、制御点データ格納部13に格納された制御点によって特定されるテンソル積型複合超曲面に適用して実座標を算出し、実座標データ格納部19に格納する(ステップS23)。
【0045】
なお、(1)校正時において制御点を2つの方法で生成しているので、ステップS23においても2つの算出方法が存在する。
【0046】
上で述べた第1の方法にて制御点Qijkを算出した場合、(1)式に直接、計測座標(x,y,z)を代入できないので、多次元ニュートン法(例えばヤコビ反転算法)にて算出する。
【0047】
2次元のヤコビ反転算法については、Byoung K. Choi et al., Sculptured Surface Machining, Kluwer Academic Publishers, (1998)に述べられており、ここでは3次元に単純に拡張したものを適用する。以下、簡単に説明するが、ここで行う計算というのは、テンソル積型複合超曲面P((1)式)のパラメタ表現P(X,Y,Z)=(x(X,Y,Z),y(X,Y,Z),z(X,Y,Z))において、計測結果であるx*、y*及びz*に対応する(X0,Y0,Z0)を求める問題である。
【0048】
第1ステップとして、初期推定点X0,Y0及びZ0を与える。そして、第2ステップとして、以下の3つの式の連立方程式にてδX,δY及びδZを解く。
【数13】


なお、xX(X0,Y0,Z0)は、X=X0,Y=Y0,Z=Z0にて評価した偏導関数である。yX(X0,Y0,Z0)及びzX(X0,Y0,Z0)についても同様である。
【0049】
第3ステップとして、このようにして得られたδX,δY,δZによりX0,Y0及びZ0を以下のように更新する。
0=X0+δX
0=Y0+δY
0=Z0+δZ
【0050】
そして、第4ステップとして、
(x*−x(X0,Y0,Z0))2+(y*−y(X0,Y0,Z0))2+(z*−z(X0,Y0,Z0))2を評価し、これが十分小さいか判断する。この他評価値として絶対値の和を用いてもよい。もし、十分小さいとするならば、第3ステップで得られたX=X0,Y=Y0,Z=Z0が解となる。一方、十分小さいとはいえない場合には、第2ステップに戻る。
【0051】
最後に得られたX=X0,Y=Y0,Z=Z0が最終的な解となる。
【0052】
上で述べた第2の方法にて制御点qijkを算出した場合、(2)式から直接実座標を算出することができる。すなわち、(2)式が、計測座標(x,y,z)の関数となっているからである。この点において、第2の方法にて制御点qijkを生成する方が、計測時の処理が簡単且つ高速に行うことができる。なお、従来技術においての述べた手法においても多次元ニュートン法が必須となっており、従来技術との対比においても第2の方法にて制御点を生成すれば計測時の処理は簡単且つ高速になる。
【0053】
以上述べたように、本実施の形態によれば、レンズの歪曲収差などの系統誤差を除去することができるようになる。
【0054】
以上本発明の一実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図1に示した機能ブロック図は一例であって、必ずしも機能ブロックに対応するプログラムモジュールが作成されるものではない。また、計測器3が、計測制御部5、取得データ格納部7、制御点生成部9、制御点データ格納部13、計測データ格納部15、実座標算出部17及び実座標データ格納部19を有するような構成も可能である。さらに、計測制御部5、取得データ格納部7、制御点生成部9、制御点データ格納部13、計測データ格納部15、実座標算出部17及び実座標データ格納部19を有するコンピュータを用いる場合もある。
【0055】
このようなコンピュータは、コンピュータ装置であって、図11に示すように、メモリ2501(記憶部)とCPU2503(処理部)とハードディスク・ドライブ(HDD)2505(記憶部)と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施の形態における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。必要に応じてCPU2503は、表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、必要な動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、メモリ2501に格納され、必要があればHDD2505に格納される。本発明の実施の形態では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
【0056】
(付記1)
三次元空間においてグリッド状に配置されているノードに対応する複数の特定位置についての計測結果である計測座標値を取得し、前記特定位置の座標値と共にデータ格納部に格納するステップと、
前記データ格納部に格納されている前記特定位置の座標値と前記計測座標値とを用いて、前記特定位置の座標値と前記計測座標値との間の関係を表すテンソル積型複合超曲面のための制御点のデータを生成し、制御点データ格納部に格納する制御点データ生成ステップと、
を含み、コンピュータに実行される計測処理方法。
【0057】
(付記2)
前記制御点データ格納部に格納された、前記テンソル積型複合超曲面のための制御点のデータを用いて、被計測物体の計測座標値から実座標値を算出し、実座標値データ格納部に格納する実測ステップ
をさらに含む付記1記載の計測処理方法。
【0058】
(付記3)
前記制御点データ生成ステップにおいて、
計測座標を変数とするテンソル積型複合超曲面のための制御点のデータを生成する
ことを特徴とする付記1記載の計測処理方法。
【0059】
(付記4)
前記制御点データ生成ステップにおいて、
前記特定位置の座標を変数とするテンソル積型複合超曲面のための制御点のデータを生成する
ことを特徴とする付記1記載の計測処理方法。
【0060】
(付記5)
付記1乃至4のいずれか1つ記載の計測処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0061】
(付記6)
三次元空間においてグリッド状に配置されているノードに対応する複数の特定位置についての計測結果である計測座標値を取得し、前記特定位置の座標値と共にデータ格納部に格納する手段と、
前記データ格納部に格納されている前記特定位置の座標値と前記計測座標値とを用いて、前記特定位置の座標値と前記計測座標値との間の関係を表すテンソル積型複合超曲面のための制御点のデータを生成し、制御点データ格納部に格納する制御点データ生成手段と、
を有する計測装置。
【0062】
(付記7)
付記6記載の計測装置と、
前記特定位置に基準被計測物体を移動させるように制御する手段と、
を有するコンピュータ数値制御装置。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態における機能ブロック図である。
【図2A】校正時の処理フローを示す図である。
【図2B】計測座標取得処理の模式図である。
【図3】物体座標系における三次元グリッドの一例を示す図である。
【図4】取得データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図5】計測座標系における三次元グリッドの一例を示す図である。
【図6】制御点生成処理の処理フローを示す図である。
【図7】(a)、(b)及び(c)は、制御点データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図8】(a)及び(b)はベジエ曲線における制御点の生成処理を説明するための図である。
【図9】B-Spline曲線における制御点の生成処理を説明するための図である。
【図10】計測時の処理フローを示す図である。
【図11】コンピュータの機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
1 工作機 3 計測器 5 計測制御部 7 取得データ格納部
9 制御点生成部 11 移動制御部 13 制御点データ格納部
15 計測データ格納部 17 実座標算出部
19 実座標データ格納部




 

 


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