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発明の名称 紙葉類処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−34448(P2007−34448A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−213599(P2005−213599)
出願日 平成17年7月25日(2005.7.25)
代理人 【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
発明者 向井 昌憲
要約 課題
紙葉類の状態を的確に判断することのできる技術を提供する。

解決手段
紙葉類の状態を判定する機能を備えた紙葉類処理装置1において、光学センサ12は、入力された紙葉類の状態を光学的に読み取って辞書データを生成する。辞書データ部19は、紙葉類についての辞書データを格納する。画像処理部16は、紙葉類の中の予め決められた所定の領域について光学センサ12により得られた階調値データに基づいて、その紙葉類全体についての階調値データを補正する。補正された階調値データと辞書データとの比較に基づいて、紙葉類の状態を判定する。
特許請求の範囲
【請求項1】
紙葉類の状態を判定する機能を備えた紙葉類処理装置であって、
入力された紙葉類の状態を光学的に読み取って階調値データを生成する光学センサと、
紙葉類についてのテンプレート階調値データを格納する格納手段と、
前記紙葉類の中の予め決められた所定の領域について前記光学センサにより得られた階調値データに基づいて、その紙葉類全体についての階調値データを補正する補正手段と、
前記補正された階調値データと前記テンプレート階調値データとの比較に基づいて、前記紙葉類の状態を判定する状態判定手段、
を備えたことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記補正手段は、前記入力された紙葉類の所定の領域について前記光学センサにより得られた階調値データが予め用意されている基準値に一致するような補正係数を算出し、紙葉類全体についての階調値データにその補正係数を乗算する
ことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記テンプレート階調値データは、前記光学センサによって未使用の紙葉類について生成されたものであり、
前記状態判定手段は、前記テンプレート階調値データと前記補正された階調値データとについての微小領域単位での差分を取ることにより、前記紙葉類の汚れを判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
前記状態判定手段は、前記補正により得られた階調値データが前記テンプレート階調値データよりも暗くなっている領域が、略直線状で且つ所定長以上の長さであった場合には、その領域を紙葉類の折り目に相当すると判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の紙葉類処理装置。
【請求項5】
前記状態判定手段の判定に基づいて汚れの付着量を算出する算出手段と、
前記算出された付着量に基づいて、前記紙葉類を回収するか否かを判定する処理判定手段と
を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の紙葉類処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣等の紙葉類の状態を判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙幣等の紙葉類を処理するための紙葉類処理装置においては、紙葉類の模様の濃淡や外形等を測定することを目的として、まず紙葉類の全体を微小領域に分け、各微小領域についての光学センサや厚みセンサ等から得られる電気信号を利用するような技術が用いられている。かかる技術によって得られたセンサ等の測定値については、階調信号に変換して記憶させる。例えば、256階調の階調信号への変換が採用される。この階調信号に対して画像処理を行い、この画像処理後のデータを予め用意されている辞書データ(テンプレート)と比較することによって、紙葉類の真贋や損傷の程度を判定している。
【0003】
辞書データは、各種の判定において基準とされる値、例えば階調度が設定されたデータの集合を含んで構成される。ここでは、上記の判定に用いられる辞書データは、紙葉類の種類、表裏および紙葉類が装置に投入された向きの組み合わせの数分用意される。1つの種類の紙幣については、(センサで読み取られる側の面:表裏の2通り)×(装置に投入される向き:正/逆方向の2通り)=4通りの辞書データが用意される。
【0004】
上記の紙葉類処理装置においては、辞書データと実際の紙葉類から取得したデータとの比較を容易にするために、取得したデータを補正することがある。例えば紙葉類に汚れが付着していて階調度の平均値が辞書データよりも小さいとき、その平均値が辞書データと同じ明るさになるように、各微小領域の値が補正される。
【0005】
図6は、従来のデータの補正方法を説明する図である。図6を参照し、上記の補正方法について、具体的な数値を用いて説明する。なお、以下の説明においては簡単のため、基準となる辞書データの平均濃度は、256階調レベルの中の「100」であるものとする。
【0006】
まず、汚れ等により全体的に暗めの紙葉類が紙葉類処理装置に投入された場合を考える。ここでは、投入された紙葉類から実データ61が得られたものとする。実データ61の階調度の平均値は基準とされる辞書データより低く、「80」である。実データ61を、階調度の平均値が「100」である辞書データ63と比較するため、実データ61に係数「100/80」を掛けて補正データ62を得る。補正データ62の階調度の平均値は、80×(100/80)=100となる。補正データ62と辞書データ63との間で、微小領域ごとの比較がなされ、紙葉類の真贋等が判断される。
【0007】
次に、汚れの付着等により、その一部に暗い部分が含まれるような紙葉類が投入された場合を考える。実データ64は、紙葉類全体のうち約1/2の面積に汚れ等が付着しているような紙葉類から得られたデータとする。実データ64においては、領域Aにはとくに汚れが多く付着しているために、その階調度の平均値は「20」であり、領域Bの汚れは領域Aと比べて少なく、階調度の平均値は「80」である。
【0008】
実データ64がこのような条件の下にあるとすると、このときの実データ64の濃度の平均値は(20+80)/2=50となる。このとき、上述の手順と同様に、実データ64の濃度の平均値が「100」となるように全体に係数「100/50」を掛ける。実データ64を補正した補正データ65については、領域Aの階調度は20×(100/50)=40、領域Bの階調度は80×(100/50)=160となる。そして、補正データ65を用いて上述の辞書データ63との比較を行う。
【0009】
この他、紙葉類についての画像データのうち予め定められた領域について画像処理を行って、紙葉類の状態を識別する方法がある(例えば、特許文献1、2および3)。かかる方法においては、紙葉類において透かし等が配置されている箇所についての重み付けや、その箇所についての走査装置の出力信号についての増幅率の調整が行われる。
【特許文献1】特開昭59−160284号公報(第2図、コラム6の11〜19行目)
【特許文献2】特開2000−182115号公報(図1、0006段落)
【特許文献3】特開昭53−100895号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような、紙葉類全体の階調度の平均値を、基準値とされる辞書データの階調度の平均値(上記の例では「100」)と一致するように補正する方法によれば、図6に示す実データ64のように部分的に階調度の極端に低い領域Aが存在する場合であっても、全体を均等に補正してしまう。このため、比較的明るい領域Bは、その補正によって階調度が辞書データと比べて高くなりすぎてしまい、その紙葉類の真贋等が正しく判定されないことがある。
【0011】
また、図6に示す実データ61のように紙葉類の広い領域に渡って汚れが付着しているときは、階調度の平均値が「100」に補正されると、汚れが紙葉類の全体に付着していることを認識できないことがある。すなわち、本来ならば装置側で回収すべき汚れた紙葉類であっても、回収されずにそのまま装置のユーザ等により引き出されることになる。
【0012】
本発明は、上記の問題を解決し、紙葉類の状態を的確に判断することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は、紙葉類の状態を判定する機能を備えた紙葉類処理装置であって、入力された紙葉類の状態を光学的に読み取って階調値データを生成する光学センサと、紙葉類についてのテンプレート階調値データを格納する格納手段と、前記紙葉類の中の予め決められた所定の領域について前記光学センサにより得られた階調値データに基づいて、その紙葉類全体についての階調値データを補正する補正手段と、前記補正された階調値データと前記テンプレート階調値データとの比較に基づいて、前記紙葉類の状態を判定する状態判定手段、を備えた構成とする。
【0014】
階調値データの補正は、所定の領域について光学センサにより得られた階調値データを基準として紙葉類全体についてなされる。所定の領域を適切に選択すれば、紙葉類全体に渡って適切な階調値データを得ることができるので、テンプレート階調値データと適切な比較をすることができる。
【0015】
前記補正手段は、前記入力された紙葉類の所定の領域について前記光学センサにより得られた階調値データが予め用意されている基準値に一致するような補正係数を算出し、紙葉類全体についての階調値データにその補正係数を乗算することとしてもよい。また、前記テンプレート階調値データは、前記光学センサによって未使用の紙葉類について生成されたものであり、前記状態判定手段は、前記テンプレート階調値データと前記補正された階調値データとについての微小領域単位での差分を取ることにより、前記紙葉類の汚れを判定することとしてもよい。
【0016】
更には、前記状態判定手段は、前記補正により得られた階調値データが前記テンプレート階調値データよりも暗くなっている領域が、略直線状で且つ所定長以上の長さであった場合には、その領域を紙葉類の折り目に相当すると判定する構成としてもよい。汚れと紙葉類の折り目とを区別し、紙葉類を適切に処理することができる。
【0017】
更には、前記状態判定手段の判定に基づいて汚れの付着量を算出する算出手段と、前記算出された付着量に基づいて、前記紙葉類を回収するか否かを判定する処理判定手とを更に備えることとしてもよい。付着した汚れを考慮に入れた、より的確な紙葉類の判定が可能とされる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、紙葉類の状態を的確に判断することのできるので、真贋判定の精度が向上し、また、汚れた紙葉類を確実に回収できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る紙葉類処理装置の構成を示すブロック図である。本発明に係る紙葉類処理装置1は、紙葉類突入センサ部11、光透過センサ部12、光反射センサ部13、増幅部14、A/D変換部15、画像処理部16、辞書比較部17、記憶部18、辞書データ部19および中央処理装置20を含んで構成される。
【0020】
紙葉類突入センサ部11は、ユーザ等により紙葉類処理装置1に投入された紙葉類を検知する。以下では、紙葉類の一例として紙幣が投入されるものとする。光透過センサ部12および光反射センサ部13は、それぞれ紙葉類に光を照射したときの透過光、反射光から投入された紙葉類についての画像データを生成する。これらのセンサが検出した受けた光信号に基づいて、紙幣等の紙葉類の透かしや表裏を判別する。増幅部14は、光透過センサ部12や光反射センサ部13において得られた信号を増幅させる。A/D変換部15は、増幅された信号をデジタルデータに変換する。このデジタルデータは、紙葉類を微小領域に分割したときの単位ごと、例えばピクセル単位の階調値データ(または、濃度データ)として得られる。
【0021】
画像処理部16は、投入された紙幣から取得した画像データについて、真贋の判定や汚れの判定等の、本発明に係る画像処理を含む、各種画像処理を実行する。辞書比較部17は、予め紙葉類処理装置1に格納されているテンプレートである辞書データと、取得した画像データとの比較を行う。記憶部18は、取得した画像データのほか、以下に説明する補正後の画像データ等を記憶する。辞書データ部19は、テンプレートである辞書データを格納する。中央処理装置20は、上記のセンサや各処理部の動作を制御する。
【0022】
図1に示される本実施形態に係る紙葉類処理装置1は、画像処理部16において、投入された紙幣から取得した画像データに応じた適切な処理を実行することにより、紙幣に付着した汚れ等の認識、および、投入された紙幣の真贋の判断を行う。以下、本実施形態に係る紙葉類処理装置の画像データの処理方法について説明する。
【0023】
図2は、本実施形態に係る画像データの補正方法を説明する図である。説明のため、図2の例においては、実際に投入された紙幣から取得した画像データ(以下、実データとする)21は、全体のうち約1/2の面積は階調度が低く、残り1/2は相対的に階調度が高いものとする。実データ21において階調度の低い領域を領域S、高い領域を領域Sとする。本実施形態に係る補正方法においては、まず、実データ21における所定の領域の階調度を基準として補正係数を算出し、その補正係数を利用して紙幣全体の画像データを補正する。このとき、補正係数は、例えば、上記所定の領域の階調度(または、所定の領域の平均階調度)と辞書データ23対応する領域の階調度とを比較することにより得られる。
【0024】
上記所定の領域は、例えば、紙幣の縁の余白領域である。すなわち、紙幣の縁の余白部分については、落書きや汚れ等がなければ、均等に高い階調度が見込まれる。よって、図2の例においては、紙幣の余白部分を基準に補正する場合について説明する。
【0025】
実データ21の余白部分の階調度は80であり、辞書データ23の余白部分の階調度は100である。そこで、実データ21全体について階調度を100/80倍して補正する。図2の補正データ22は、実データ21の全体に補正係数「100/80」を掛けて得られた画像データである。階調度の低い領域Sについては、補正後の階調度は20×(100/80)=25とされる。一方、階調度の高い領域Sについては、補正後の階調度は80×(100/80)=100とされる。そして、このようにして得られた補正データ22を辞書データ23と比較して、紙幣の状態についての各種判定を行う。
【0026】
図2に示す例においては、補正データ22のうち領域Sについては、辞書データ23における領域Sの階調度100と比較して階調度が低いことから、その領域に汚れ等が付着していると推定される。そして、実施形態の紙葉類処理装置1においては、詳しくは後述するが、更に、領域Sにおいて階調度が辞書データ23と比べて低いことが汚れの付着によるものであるのかあるいは紙幣の折り目によるものであるのか、あるいは紙幣が真券であるのか否か、等について判定することもできる。
【0027】
なお、本実施形態で使用される辞書データ23は、例えば新品の紙幣を本実施形態に係る紙葉類処理装置1に投入したときに光学センサ12、13により得られる画像データを用いてもよい。また、他の装置等により取得した紙幣の階調度についてのデータを紙葉類処理装置1に記憶させてもよいし、あるいはデータを外部の装置から読み出して用いることとしてもよい。
【0028】
また、上記の補正の例においては、補正係数を求めるために紙幣の余白部分の階調度を用いているが、これに限られるものではない。例えば、偽造を防止するために紙幣に施した部分等を用いることとしてもよい。使用し得る箇所の例としては、透かし、ホログラム、セキュリティスレッド、点字、パールインキ、潜像模様、特殊発行インキ、あるいは透すき入れバーコード等の技術が用いられている箇所が挙げられる。これらの領域は、余白領域の代わりに使用してもよいし、余白領域が汚れていた場合に使用するようにしてもよい。ホログラム等の比較的汚れ等の影響を受けにくいような技術が施されている部分ならば、紙幣の劣化等によらずに、比較的安定した補正の基準として使用することができる。
【0029】
以上、本実施形態に係る紙葉類処理装置1によれば、汚れ等の影響を受けていない、あるいは受けにくい領域を基準として画像データ全体を補正し、補正した画像データと辞書データとを比較している。このため、部分的に階調度の低い領域が含まれる紙幣であっても、階調度が概ね安定している箇所を基準に補正されており、全体が適切な階調度に補正され、その汚れの位置(ピクセルの座標)および汚れの量(階調度)をより的確に判断できる。
【0030】
上記の通り、紙幣から得た実データ21の所定の領域を基準として、辞書データ23のこれに対応する領域との比から実データ21全体を補正し、補正データ22を得る。紙幣の状態についての各種判断は、この補正データ22と辞書データ23との比較により行われる。以下、補正データ22により紙幣の状態を判定する方法について説明する。
【0031】
図3は、紙幣の状態を判定する処理についてのフローチャートである。図3のフローチャートを参照して、紙幣の余白部分を用いて画像データを補正することによる紙幣の状態を判定する処理について説明する。
【0032】
まず、ステップS1で、投入された紙幣について得られた画像データを適切に回転させて位置の正規化を図る。このとき、光学センサ12から得られる画像データのうち、紙幣に相当する領域すなわち紙幣の実データ領域について割り出すと、平面上で実データの位置座標を固定する。次に、ステップS2で、紙幣の余白部分に対応する領域についてのピクセルごとの出力分布を作成する。ここで、紙幣の余白部分の位置および形状は、予め辞書データにより判明している。ここでは、紙幣の4辺や4隅を余白として使用する場合を例に挙げる。この場合は、対象とする出力分布は、紙幣の4箇所の余白それぞれに対応する画像データを抽出することにより得られる。
【0033】
ステップS3では、先に得られた出力分布に基づいて、検索した4箇所のうち最も階調度の高い領域を、補正の基準とすべき領域として選択する。なお、4箇所全てについて予め定めておいた階調度よりも値が小さい場合、すなわち4箇所の余白の汚れの度合が大きいと想定される場合は、いずれの余白部分についても使用しないこととする。この場合、図3のフローチャートには示されていないが、いずれの余白部分についても補正の基準としては適さないとこのステップで判定されると、他の、例えば透かしやホログラム等のある部分を補正の基準として処理を進めることとしてもよい。
【0034】
ステップS4で、補正の基準として定められた余白部分と、辞書データのこの余白部分に相当する箇所の出力比、すなわち階調度の比(補正係数)を算出する。ステップS5で、得られた比に基づいて、実データ全体について補正する。ステップS6で、紙幣全体に渡って補正データと対応する辞書データとを比較し、各ピクセルについて差分を計算する。ここで、辞書データから補正データを引いた結果が正の値である領域は、辞書データと比較して画像が暗くなっていることを表す。
【0035】
ステップS7では、ステップS6で検出された暗めの箇所が、汚れであるのか、或いは折り目であるのかを判定する。すなわち、辞書データと比較して暗くなっている領域が、所定の方向(たとえば、紙幣の縦方法または横方向)に伸びる直線状または略直線状であり、且つ所定長(例えば、数cm)よりも長く伸びている場合には、その箇所については汚れではなく、紙幣の「折り目」であると判断し、特に処理を行わない。
【0036】
ステップS7で、「折り目」ではないと判定されると、その箇所については汚れが付着していると判断される。この場合、ステップS8で、その汚れの量および位置に基づいて、投入された紙幣を拒否すべきか否かを判断する。すなわち、汚れ量が多い場合や、紙幣の重要部分に汚れが付着している場合には(ステップS8:No)、その紙幣の真贋を判定することができないので、投入された紙幣を受け取ることを拒否する。なお、紙幣の重要部分とは、例えば、透かし、ホログラム、セキュリティスレッド、点字、パールインキ、潜像模様、特殊発行インキ、あるいは透すき入れバーコード等の技術が用いられている箇所である。また、ステップS8においてNoと判定された場合の処理は、国により異なる。
【0037】
投入された紙幣の汚れ量が多くないと判断されたときは(ステップS8:Yes)、その紙幣についての真贋判定の精度を高めるために、ステップS9で、その汚れ領域の画像を更に補正(逆補正または追加補正)する。このステップS9の処理については、後に図5を参照して詳しく説明する。
【0038】
図4は、上記の紙葉類の状態を判定する処理のうち、ステップS7における折り目か否かを判定する処理についての詳細なフローチャートである。図4を参照して、辞書データと補正データとで差分が検出された箇所について、それが「汚れ」であるのか「紙幣の折り目」によるものなのかを判定する処理について説明する。
【0039】
ステップS11で、上記のステップS6において差分の検出された箇所について、紙幣の縦方向についての座標ごとの出力分布を作成する。ステップS12で、ステップS11の方向に関し直行方向(本実施形態においては横方向とする)について、同様に出力分布を作成する。ステップS13で、作成した縦横の2方向についての出力分布が、線状であるか否かを判定する。線状の出力分布である場合はそれを折り目と判断し、処理を終了する。線状ではない場合は付着した汚れと判断し、処理を終了する。
【0040】
本実施形態に係る紙葉類処理装置1によれば、上記の一連の処理により汚れ等が規定量以下であると判定された紙幣について、更に、紙幣の真贋の判定を行う。図5は、紙幣の真贋を判定するための画像処理方法を説明する図である。図5を参照して、本実施形態に係る紙葉類処理装置1が、上記の補正方法から得られる情報に基づいて、紙幣の真贋を判定する処理を説明する。
【0041】
図5(a)において、投入された紙幣は、画像i1、i2を含んでいる。ここで、画像i1、i2は、例えば、紙幣に描かれている絵柄である。そして、この紙幣の画像データのテンプレートが、辞書データTとして予め用意されているものとする。また、補正データPは、投入された紙幣について図3のステップS4〜S5により得られた画像データである。そして、投入された紙幣には、汚れbが付着しているものとする。
【0042】
まず、先に図2を参照して説明した通り、投入された紙幣に基づく補正データPに付着した汚れの位置およびその階調度を調べるために、それぞれ対応するピクセルについて、補正データPと辞書データTとの差分を計算する。ここで、汚れの付着していない領域(ピクセル)については、補正データPと辞書データTとの差分(P−T)は、「ゼロ」にとなるはずである。一方、汚れの付着している領域については、その差分は、その汚れの度合い応じた値となる。具体的には、汚れの度合いが高いほど、差分値は大きな値となる。なお、ここでは、「紙幣の折り目」については無視するものとする。 このように、投入された紙幣についての差分データ(P−T)を計算することにより、から、その紙幣に付着している汚れの位置及びその度合いに関する情報が得られる。
【0043】
この後、画像データ上で汚れbを削減するための逆補正を行う。逆補正処理は、たとえば、汚れbの位置する領域に対応する補正データPに対して、その汚れの度合い(すなわち、差分の大きさ)に応じた係数を乗算する処理である。この逆補正を行えば、実質的に汚れbが削減されることとなる。したがって、この逆補正後のデータと辞書データを比較するば、紙幣の真贋判定の精度が向上する。
【0044】
また、汚れ量の計算は金種を認識した後に行われるので、紙幣の特定領域についての汚れを検出することもできる。例えば、図5(b)に示すように、紙幣の肖像画が描かれている領域の汚れを検出することもできる。
【0045】
以上、本実施形態に係る紙葉類処理装置1によれば、汚れ等の影響を受けにくい領域のを画像を基準として、紙幣全体の画像データを補正する。基準とされているのが汚れ等の影響を受けにくい領域であるので、補正した画像データを辞書データと比較して差分を取ることで、紙幣に付着した汚れの位置およびその汚れ量を、ピクセル単位でより的確に把握することができる。また、補正した画像データと辞書データとの間で差分の存在する位置および差分量が的確に把握されることから、汚れと折り目の区別を判断し、紙幣を適切に処理することができる。更には、把握された汚れの位置および汚れの量から、画像データより汚れ分を取り除いて、紙幣の真贋判定の精度を向上させることもできる。
【0046】
(付記1)
紙葉類の状態を判定する機能を備えた紙葉類処理装置であって、
入力された紙葉類の状態を光学的に読み取って階調値データを生成する光学センサと、
紙葉類についてのテンプレート階調値データを格納する格納手段と、
前記紙葉類の中の予め決められた所定の領域について前記光学センサにより得られた階調値データに基づいて、その紙葉類全体についての階調値データを補正する補正手段と、
前記補正された階調値データと前記テンプレート階調値データとの比較に基づいて、前記紙葉類の状態を判定する状態判定手段、
を備えたことを特徴とする紙葉類処理装置。
【0047】
(付記2)
前記補正手段は、前記入力された紙葉類の所定の領域について前記光学センサにより得られた階調値データが予め用意されている基準値に一致するような補正係数を算出し、紙葉類全体についての階調値データにその補正係数を乗算する
ことを特徴とする付記1に記載の紙葉類処理装置。
【0048】
(付記3)
前記紙葉類は紙幣から構成され、
前記所定の領域は、紙幣における余白から構成される
ことを特徴とする付記2に記載の紙葉類処理装置。
【0049】
(付記4)
前記紙葉類は紙幣から構成され、
前記所定の領域は、透かし、ホログラム、セキュリティスレッド、点字、パールインキ、潜像模様、特殊発行インキ、あるいは透すき入れバーコードのうちの少なくとも1つである
ことを特徴とする付記2に記載の紙葉類処理装置。
【0050】
(付記5)
前記テンプレート階調値データは、前記光学センサによって未使用の紙葉類について生成されたものであり、
前記状態判定手段は、前記テンプレート階調値データと前記補正された階調値データとについての微小領域単位での差分を取ることにより、前記紙葉類の汚れを判定する
ことを特徴とする付記2に記載の紙葉類処理装置。
【0051】
(付記6)
前記状態判定手段は、前記補正により得られた階調値データが前記テンプレート階調値データよりも暗くなっている領域が、略直線状で且つ所定長以上の長さであった場合には、その領域を紙葉類の折り目に相当すると判定する
ことを特徴とする付記5に記載の紙葉類処理装置。
【0052】
(付記7)
前記状態判定手段の判定に基づいて汚れの付着量を算出する算出手段と、
前記算出された付着量に基づいて、前記紙葉類を回収するか否かを判定する処理判定手段と
を更に含むことを特徴とする付記5に記載の紙葉類処理装置。
【0053】
(付記8)
前記状態判定手段の判定に基づいて検出された汚れ領域についての階調値データを補正する追加補正手段と、
前記逆補正手段により補正された階調値データに基づいて、前記紙葉類の真贋を判定する真贋判定手段と
を更に備えたことを特徴とする付記7に記載の紙葉類処理装置。
(付記9)紙葉類の状態を判定することのできる紙葉類処理方法であって、
入力された紙葉類の状態を光学的に読み取って階調値データを生成し、
前記紙葉類の中の予め決められた所定の領域についての階調値データに基づいて、その紙葉類全体についての階調値データを補正し、
前記補正された階調値データと予め用意されているテンプレート階調値データとの比較に基づいて、前記紙葉類の状態を判定する、
処理を備えたことを特徴とする紙葉類処理方法。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る紙葉類処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る画像データの補正方法を説明する図である。
【図3】紙幣の状態を判定する処理についてのフローチャートである。
【図4】折り目か否かを判定する処理についての詳細なフローチャートである。
【図5】紙幣の真贋を判定するための画像処理方法を説明する図である。
【図6】従来のデータの補正方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0055】
1 紙葉類処理装置
11 紙葉類突入センサ部
12 光透過センサ部
13 光反射センサ部
14 増幅部
15 A/D変換部
16 画像処理部
17 辞書比較部
18 記憶部
19 辞書データ部
20 中央処理装置
21 実データ
22 補正データ
23 辞書データ(テンプレート)




 

 


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