米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 測定; 光学 -> 富士フイルム株式会社

発明の名称 光学異方性フィルム及びその製造方法、ならびにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−72032(P2007−72032A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−257397(P2005−257397)
出願日 平成17年9月6日(2005.9.6)
代理人 【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
発明者 林 禎 / 網盛 一郎 / 鈴木 聡美
要約 課題
良好な光学補償能を有する光学異方性フィルムを安定的に製造可能な方法を提供する。

解決手段
支持体上に、少なくとも一種の重合性基を有する等方相転移温度T℃の液晶性化合物を含む光学異方性層形成用組成物を塗布及び乾燥して光学異方性層を形成する工程と、前記光学異方性層に40℃以上T℃以下で、且つ酸素濃度10体積%以下で紫外線を少なくとも1度照射して、前記光学異方性層を硬化する硬化工程と、を含む光学異方性フィルムの製造方法である。
特許請求の範囲
【請求項1】
支持体上に、少なくとも一種の重合性基を有する等方相転移温度T℃の液晶性化合物を含む光学異方性層形成用組成物を塗布及び乾燥して光学異方性層を形成する工程と、
前記光学異方性層に、40℃以上T℃以下で、且つ酸素濃度10体積%以下で紫外線を少なくとも1度照射して、前記光学異方性層を硬化する硬化工程と、を含む光学異方性フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記硬化工程において、紫外線照射時の酸素濃度が3体積%以下である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
支持体上に硬化前の光学異方性層を有する積層体を、酸素濃度10体積%以下の雰囲気中を搬送する搬送工程と同時に又は連続して前記硬化工程を実施する請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記搬送工程において、前記積層体を40℃以上T℃以下の雰囲気中で搬送する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記硬化工程及び/又は搬送工程において、40℃以上T℃以下に加熱された酸素遮断性ガスを噴出して、雰囲気中の酸素濃度を前記範囲に維持する請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記酸素遮断性ガスが、不活性気体である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記紫外線が、一部又は全部が偏光されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
硬化された前記光学異方性層が、正面レターデーション(Re)が0でない位相差を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記光学フィルムの面内遅相軸が、前記搬送の方向と直交する方向にある請求項3〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法で作製された光学異方性フィルム。
【請求項11】
光学補償フィルムとして用いられる請求項10の光学異方性フィルム。
【請求項12】
偏光膜と該偏光膜を保護する一対の保護膜とを有する偏光板であって、前記一対の保護膜の少なくとも一方が、請求項10又は11に記載の光学異方性フィルムである偏光板。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学異方性フィルムの光学異方性層上に、感光性樹脂層を有する転写材料。
【請求項14】
一対の基板とそれに挟持される液晶層とを有する液晶セルを含む液晶表示装置であって、さらに、前記液晶セルの外側に請求項12に記載の偏光板、及び/又は、前記液晶セルの一対の基板のいずれか少なくとも一方の表面上に、請求項13に記載の転写材料から転写された光学異方性層を有する液晶表示装置。
【請求項15】
表示モードがVAモードである請求項14に記載の液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学補償フィルムとして有用な光学異方性フィルム、偏光板及び液晶表示装置に関し、より詳しくは、垂直配向(VA)モード液晶表示装置の視野角特性の向上に寄与する光学補償フィルム及び偏光板、ならびに視野角特性の優れた垂直配向(VA)モード液晶表示装置に関する。また、本発明は、光学補償能を有する光学異方性層を容易に、液晶セル内外に転写可能な転写材料に関する。
【背景技術】
【0002】
ワードプロセッサやノートパソコン、パソコン用モニターなどのOA機器、携帯端末、テレビなどに用いられる表示装置としては、CRT(Cathode Ray Tube)がこれまで主に使用されてきた。近年、液晶表示装置(LCD)が、薄型、軽量、且つ消費電力が小さいことからCRTの代わりに広く使用されてきている。液晶表示装置は、液晶セル及び偏光板を有する。偏光板は保護フィルムと偏光膜とからなり、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護フィルムにて積層して得られる。例えば、透過型液晶表示装置では、この偏光板を液晶セルの両側に取り付け、さらには一枚以上の光学補償フィルムを配置することもある。一方、反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、一枚以上の光学補償フィルム、及び偏光板の順に配置する。液晶セルは、液晶分子、それを封入するための二枚の基板及び液晶分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、液晶分子の配向状態の違いで、ON、OFF表示を行い、透過型、反射型及び半透過型のいずれにも適用でき、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、STN(Super Twisted Nematic)のような表示モードが提案されている。しかしながら、従来の液晶表示装置で表示し得る色やコントラストは、LCDを見る時の角度によって変化する。そのため、液晶表示装置の視野角特性は、CRTの性能を越えるまでには至っていない。
【0003】
近年、この視野角特性を改良するLCDの方式として、負の誘電率異方性を有するネマチック液晶分子を用い、電圧を印加しない状態で液晶分子の長軸を基板に略垂直な方向に配向させ、これを薄膜トランジスタにより駆動する垂直配向ネマチック型液晶表示装置(以下、VAモードという)が提案されている(特許文献1参照)。このVAモードは、正面から見た場合の表示特性がTNモードと同様に優れているのみならず、視野角補償用位相差板(光学補償フィルム)を適用することで広い視野角特性を発現する。VAモードでは、フィルム面に垂直な方向に光学軸を有する負の一軸性位相差板(負のc−plate)を用いることでより広い視野角特性を得ることができ、このLCDに更に面内のレターデーション値が50nmである正の屈折率異方性を有する一軸配向性位相差板(正のa−plate)を用いることで、更により広い視野角特性を実現できることも知られている(非特許文献1参照)。
【0004】
しかし、このように位相差板の枚数を増やすと生産コストが上昇してしまう。また、多数のフィルムを貼り合わせるために歩留まりの低下を引き起こしやすいだけでなく、貼合角度のずれによって表示品位の低下をも引き起こしやすい。さらに、複数のフィルムを用いるために厚さが増し、表示装置の薄形化に不利となる場合もある。
【0005】
また、通常正のa−plateには延伸フィルムが用いられるが、連続搬送工程における縦延伸フィルムを用いる場合、a−plateの遅相軸がフィルムの搬送(MD)方向となる。ところが、VAモードの視野角補償では偏光板の吸収軸であるMD方向に対してa−plateの遅相軸を直交させなければならないため、ロール・トゥ・ロールでの貼合ができず、コストが著しく上昇する。これを解決する方法としてMDと直交する方向(TD方向)に延伸するいわゆる横延伸フィルムを用いることが挙げられるが、横延伸フィルムにはボウイングと呼ばれる遅相軸の歪みが発生しやすく、歩留まりが上がらないためにコストが上昇する。さらに、延伸フィルムの積層には粘着層を用いるため、温湿度変化により粘着層が収縮してフィルム間の剥離や反りといった不良が発生することもある。これらを改善する方法として、棒状液晶を塗布してa−plateを作製する方法が知られている(特許文献2参照)。
【0006】
さらに近年、c−plateとa−plateの組み合わせに代わって、二軸性位相差板を用いる方法が提案された(非特許文献2)。二軸性位相差板を用いることにより、コントラスト視野角だけでなく色味も改善できるようになるメリットがあるが、通常二軸性位相差板を作製するのに用いられる二軸延伸は、横延伸と同様にフィルムの全領域に渡って均一な軸制御が難しく、歩留まりが上がらないためにコストが上昇する。
【0007】
そこで、特殊なコレステリック液晶に偏光紫外線照射する方法(特許文献3)や、特殊な円盤状液晶に偏光紫外線照射する方法(特許文献4)によって、延伸を用いることなく二軸性位相差板を作製する方法が提案された。この方法により延伸に起因する種々の問題が解決できる。
【0008】
このような偏光紫外線照射を行うには、380nm以下の紫外線領域で偏光分離特性のある偏光フィルタを用いる必要があるが、偏光フィルタの原理的な問題から少なくとも半分の偏光成分は使うことができないため、非偏光照射と比較すると照射量は小さい。高い生産性を維持するには搬送速度を早くする必要があり、偏光紫外線の照射量は搬送速度に反比例して小さくなってしまう。
【0009】
照射量が小さいと、硬化させた膜の強度が不足したり、特殊なコレステリック液晶に偏光紫外線照射する方法(特許文献3)や、特殊な円盤状液晶に偏光紫外線照射する方法(特許文献4)によって、硬化時に液晶の分子配向をともなう場合には分子配向にも影響を及ぼしその結果光学特性にも影響を及ぼす。
【0010】
紫外線硬化反応について、特許文献5には低酸素濃度で光硬化樹脂を硬化させることで硬度があがることが記載されている。また、特許文献6〜11には、窒素置換するための具体的な手段が記載されている。しかし、光学異方性層のように偏光紫外線を照射する事で、光学異方性層の液晶分子配列と硬化に関係がある場合、膜厚方向一様に十分に硬化を進める必要があり、酸素濃度を十分に下げる為に多量の窒素が必要であり、製造コストが上がってしまうという問題があった。
【特許文献1】特開平2−176625号公報
【特許文献2】特開2000−304930号公報
【特許文献3】EP1389199 A1
【特許文献4】特開2002−6138号公報
【特許文献5】特開2002-156508号公報
【特許文献5】特開平11-268240号公報
【特許文献6】特開昭60-90762号公報
【特許文献7】特開昭59-112870号公報
【特許文献8】特開平4-301456号公報
【特許文献9】特開平3-67697号公報
【特許文献10】特開2003-300215号公報
【特許文献11】特公平7-51641号公報
【非特許文献1】SID 97 DIGEST 845頁〜848頁
【非特許文献2】SID 2003 DIGEST 1208頁〜1211頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、良好な光学補償機能を有する光学補償フィルム等として有用な光学異方性フィルムを安定的に且つ高い生産性で作製可能な方法を提供することである。また、本発明は、液晶セルを正確に光学的に補償可能な光学補償フィルム、それを用いた偏光板を提供することを課題とする。また本発明は、液晶セルが正確に光学的に補償された液晶表示装置、特にVAモードの液晶表示装置を提供することを課題とする。また、本発明は、液晶セル内等に容易に光学補償用の光学異方性層を転写可能な転写材料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 支持体上に、少なくとも一種の重合性基を有する等方相転移温度T℃の液晶性化合物を含む光学異方性層形成用組成物を塗布及び乾燥して光学異方性層を形成する工程と、
前記光学異方性層に40℃以上T℃以下で、且つ酸素濃度10体積%以下で紫外線を少なくとも1度照射して、前記光学異方性層を硬化する硬化工程と、を含む光学異方性フィルムの製造方法。
[2] 前記硬化工程において、紫外線照射時の酸素濃度が3体積%以下である[1]の方法。
[3] 支持体上に前記光学異方性層を有する積層体を、酸素濃度10体積%以下の雰囲気中を搬送する搬送工程と同時に又は連続して前記硬化工程を実施する[1]又は[2]の方法。
[4] 前記搬送工程において、前記積層体を40℃以上T℃以下の雰囲気中で搬送する[3]の方法。
[5] 前記硬化工程及び/又は搬送工程において、40℃以上T℃以下に加熱された酸素遮断性ガスを噴出して、雰囲気中の酸素濃度を前記範囲に維持する[1〜4]のいずれかの方法。
[6] 前記酸素遮断性ガスが、不活性気体である[5]の方法。
[7] 前記紫外線が、一部又は全部が偏光されている[1]〜[6]のいずれかの方法。
[8] 硬化後の前記光学異方性層が、正面レターデーション(Re)が0でない位相差を有する[1]〜[7]のいずれかの方法。
【0013】
[9] [1]〜[9]のいずれかの方法で作製された光学異方性フィルム。
[11] 光学補償フィルムとして用いられる[10]の光学異方性フィルム。
[12] 偏光膜と該偏光膜を保護する一対の保護膜とを有する偏光板であって、前記一対の保護膜の少なくとも一方が、[10]又は[11]の光学異方性フィルムである偏光板。
[13] [1]〜[10]のいずれかの光学異方性フィルムの光学異方性層上に、感光性樹脂層を有する転写材料。
[14] 一対の基板とそれに挟持される液晶層とを有する液晶セルを含む液晶表示装置であって、さらに、前記液晶セルの外側に[12]の偏光板、及び/又は、前記液晶セルの一対の基板のいずれか少なくとも一方の表面上に、[13]の転写材料から転写された光学異方性層を有する液晶表示装置。
[15] 表示モードがVAモードである[14]の液晶表示装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、偏光板保護膜のリワーク時に問題となる光学異方性層の密着改良、及び光学補償特性が優れた光学補償フィルムの製造が可能となった。また、本発明の光学異方性フィルムを光学補償フィルムとして利用することにより、従来の液晶表示装置と同じ構成で、液晶セルを光学的に補償することが可能になり、さらに、前記光学補償フィルムを有する本発明の液晶表示装置は、表示品位のみならず、視野角が改善される。さらに、本発明の転写材料を用いることにより、液晶セル内に光学補償能を有する層を容易に形成可能となる。
【発明の実施の形態】
【0015】
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0016】
なお本発明において、Re、Rthは各々、波長λにおける正面レターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。ReはKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rthは前記Re、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して角度を変えて、傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定した複数のレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。
【0017】
本明細書において、角度について「実質的に」とは、厳密な角度との誤差が±5°未満の範囲内であることを意味する。さらに、厳密な角度との誤差は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。レターデーションについて「実質的に」とは、レターデーションが±5%以内の差であることを意味する。さらに、Reが0でないとは、Reが5nm以上であることを意味する。また、屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域の任意の波長を指す。なお、本明細書において、「可視光」とは、波長が400〜700nmの光のことをいう。
【0018】
[光学補償フィルム]
図1は本発明の光学補償フィルムの一例の概略断面図である。本発明の光学補償フィルムは、透明支持体11上に光学異方性層12を有する。透明支持体11と硬化した光学異方性層12との間には、光学異方性層12中の液晶性分子の配向を制御するための配向層13が配置されている。硬化した光学異方性層12は、少なくとも一種の液晶性化合物を含む光学異方性層形成用溶液を、前記透明支持体を搬送しながら、該透明支持体上に設けられた配向層13上に塗布及び乾燥して光学異方性層を形成し、該層に偏光紫外線を少なくとも1度照射した後、更に偏光面を有しない非偏光紫外線又は偏光紫外線を少なくとも1度照射して、前記層を硬化させて形成することができる。配向層13は、側鎖に反応性基を有する高分子、又は反応性基を有するモノマーもしくはオリゴマーから形成することができる。特に、配向層の反応性基が、光学異方性層に使用する液晶性化合物が有する反応性基と反応し得るものであれば、光学異方性層と配向層との密着性が高く、水洗などの洗浄処理や、けん化処理等の化学処理時にも剥離等が生じ難く、取り扱い性が良好である。さらに、光学異方性層12の光学特性は、正面レターデーション(Re)が0でなく、面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として光学補償フィルムの法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、及び面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として光学補償フィルムの法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値が実質的に等しく調整されているので、液晶セル、特にVAモードの液晶セルを正確に補償し得る。
【0019】
[偏光板]
図2(a)〜(d)は本発明の光学補償フィルムを有する偏光板の概略断面図である。偏光板は、一般的には、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行うことによって偏光膜21を得、その両面に保護フィルム22及び23を積層して作製することができる。本発明の光学補償フィルムは、光学異方性層を支持するポリマーフィルム等からなる支持体を有するので、この支持体を保護フィルム22及び23の少なくとも一方にそのまま用いることができる。この際、光学異方性層12は偏光層21側に(即ち、光学異方性層12が支持体11より偏光層21により近くに)配置されていても、偏光層21と反対側に(即ち、光学異方性層12が支持体11より偏光層21により遠くに)配置されていてもよいが、図2(a)に示した様に、光学異方性層12は、偏光層21と反対側にあることが好ましい。また、図2(b)のように偏光層21の一方の保護フィルム22の外側に粘着剤等を介して貼合することも可能である。
【0020】
図2(c)及び(d)は、図2(a)に示した構成の偏光板に、さらに他の機能性層24を配置した偏光板の構成例である。図2(c)は、本発明の光学補償フィルムと偏光層21を挟んで反対側に配置された保護フィルム23の上に、他の機能性層24を配置した構成例であり、図2(d)は、本発明の光学補償フィルムの上に、他の機能性層24を配置した構成例である。他の機能性層の例としては特に制限されず、λ/4層、反射防止層、ハードコート層等、種々の特性を付与する機能性層が挙げられる。これらの層は、λ/4板、反射防止フィルム、ハードコートフィルム等の一部材として、例えば粘着剤によって貼合してもよいし、図2(d)の構成例では、本発明の光学補償フィルム(光学異方性層12)上に、他の機能性層24を形成してから、偏光層21と貼り合わせて作製することもできる。また、本発明の光学補償フィルムと反対側の保護フィルム23そのものを、λ/4板、反射防止フィルム、ハードコートフィルム等の他の機能性フィルムにすることもできる。
【0021】
偏光膜と保護フィルムの積層による偏光板作製の際には、一対の保護フィルムと偏光膜の合計3枚のフィルムを、ロール・トゥ・ロールで貼り合わせる。このロール・トゥ・ロールは生産性の観点だけでなく、偏光板の寸法変化やカールの発生が起こりにくく、高い機械的安定性が付与できることから偏光板の製造プロセスとして好ましい方法である。
【0022】
[転写材料]
本発明の転写材料は、支持体と、少なくとも一層の光学異方性層と少なくとも一層の感光性樹脂層とを有し、前記光学異方性層と前記感光性樹脂層を、他の基板上に転写するのに用いられる材料である。図3は本発明の転写材料のいくつかの例の概略断面図である。図3(a)に示す本発明の転写材料は、透明又は不透明な仮支持体11上に光学異方性層12と感光性樹脂層14とを有する。本発明の転写材料は他の層を有していてもよく、例えば、図3(b)に示す様に、仮支持体11と光学異方性層12との間には、転写時に相手基板側の凹凸を吸収するためのクッション性のような力学特性コントロールあるいは凹凸追従性付与のための層15を有していてもよいし、また、図3(c)に示す様に、光学異方性層12中の液晶性分子の配向を制御するための配向層として機能する層13が配置されてもよいし、さらに図3(d)に示す様に双方の層を有していてもよい。また、図3(e)感光性樹脂層の表面保護などの目的から、最表面に剥離可能な保護層16を設けてもよい。
【0023】
[液晶表示装置用被転写基板]
本発明の転写材料は、液晶表示装置用基板に転写され、液晶セルの視野角補償のための光学異方性層を構成し得る。さらに、カラーフィルタとの組み合わせによってR、G、Bの色ごとに液晶セルの視野角補償のための光学異方性層を構成し得る。かかる層が転写された基板は、液晶セルの一対の基板のいずれか一方に用いられてもよいし、両方に分割して用いられてもよい。図4(a)に本発明の転写材料により作製された、光学異方性層付き基板の一例の概略断面図である。被転写基板30としては透明であれば特に限定はないが、複屈折が小さいことが望ましく、ガラスや低複屈折性ポリマー等が用いられる。基板上には本発明の転写材料を用いて形成された光学異方性層27があり、その上にブラックマトリクス29、さらにはカラーフィルタ層28が形成されている。図4(a)中では省略したが、光学異方性層27と基板30との間には、転写材料中の構成層である感光性樹脂層が配置されていて、光学異方性層27と基板30とは、感光性樹脂層を介して接着している。カラーフィルタ層28のさらにその上には透明電極層25、さらにその上には液晶セル中の液晶分子を配向させるための配向層26が形成されている。本発明の転写材料を利用して光学異方性層27を基板30上に形成した後に、レジストを均一に塗布し、その後、マスク露光後現像で不要部を除去する方法によりブラックマトリクス22及びカラーフィルタ層28を作製してもよいし、また、近年提案されている印刷方式やインクジェット方式を利用して形成してもよい。後者の方がコスト面からは好ましい。
【0024】
図4(b)に本発明の転写材料により作製された、光学異方性層付きカラーフィルタを有する基板の一例の概略断面図である。被転写基板30としては透明な基板であれば特に限定はないが、複屈折が小さい基板が望ましく、ガラスや低複屈折性ポリマー等が用いられる。基板上には一般にブラックマトリクス29が形成され、その上に本発明の転写材料から転写後、マスク露光等によりパターニングされた感光性樹脂層からなるカラーフィルタ層28及び光学異方性層27’が形成されている。図4には、R、G、Bのカラーフィルタ層28を形成した態様を示したが、最近よくみられる様に、R、G、B、W(白)の層からなるカラーフィルタ層を形成してもよい。光学異方性層27’はr、g、b領域に分割され、R,G,Bそれぞれのフィルタ層28の色に対して、それぞれ最適な位相差特性を有している。光学異方性層27’の上には転写材料から転写された他の層があってもよいが、液晶セル内には極力不純物は混入させないようにしなければならないため、パターニング時の現像、洗浄処理時に取り除かれていることが好ましい。光学異方性層27’の上には透明電極層25、さらにその上には液晶セル中の液晶分子を配向させるための配向層26が形成されている。
【0025】
さらに本発明の転写材料を用い、図4(c)に示す様に、一の基板上に、本発明の転写材料を用い、パターニングされていないベタの光学異方性層27とパターニングされた光学異方性層27’の二つを形成してもよい。なお、図は省略するが、本発明の転写材料を用い、液晶セルの一対の対向基板の一方の基板にベタの光学異方性層27を形成し、他方の基板にパターニングされた光学異方性層27’をカラーフィルタ層28とともに形成してもよい。一対の対向基板側の一方には、一般にTFTアレイなどの駆動用電極が配置されていることが多く、駆動用電極上にベタの光学異方性層27を形成してもよいし、駆動用電極上にパターニングされた光学異方性層27’をカラーフィルタ層28とともに形成してもよい。光学異方性層は、基板上であればどの位置に形成されてもよいが、TFTを有するアクティブ駆動型の場合、光学異方性層の耐熱性からシリコン層よりも上に形成されるのが好ましい。
【0026】
本発明の転写材料を用いることにより、1回の転写−露光−現像プロセスで、1色のカラーフィルタとそれに対応した光学異方性層が同時に形成可能であるので、特開平3−282404号公報に記載されているようなカラーフィルタ製造工程の場合と同じ工程数で、液晶表示装置の視野角特性を改良することができる。
【0027】
[液晶表示装置]
図5は、本発明の偏光板を用いた液晶表示装置の一例である。液晶表示装置は、上下の電極基板間にネマチック液晶を挟持してなる液晶セル55、及び液晶セルの両側に配置された一対の偏光板56及び57を有しており、偏光板の少なくとも一方には図2に示した本発明の偏光板を用いている。本発明の偏光板を用いる際には、光学異方性層が偏光層と液晶セルの電極基板の間になるように配置することができる。ネマチック液晶分子は、電極基板上に施された配向層及びその表面のラビング処理あるいはリブ等の構造物を設けることによって、所定の配向状態になるように制御されている。
【0028】
偏光板に挟持された液晶セルの下側には輝度向上フィルムや拡散フィルムのような調光フィルム54を1枚以上有していてもよい。さらに調光フィルムの下側には冷陰極管51から出た光を正面に照射するための反射板52と導光板53を有している。この冷陰極管と導光板からなるバックライトユニットの代わりに、最近では冷陰極管を液晶セルの下に数本配列した直下型バックライトや、光源としてLEDを用いたLEDバックライト、あるいは有機EL、無機EL等を用いて面発光させるようなバックライトも用いられているが、本発明の光学補償フィルムはいずれのバックライトにおいても効果がある。
【0029】
さらに、図には示さないが、反射型液晶表示装置の態様では偏光板は観察側に1枚配置するのみでよく、液晶セルの背面あるいは液晶セルの下側基板の内面に反射膜を設置する。もちろん前記光源を用いたフロントライトを液晶セル観察側に設けることも可能である。さらに、表示装置の1画素内に、透過部と反射部を設けた半透過型も可能である。
【0030】
図6は本発明の転写材料を用いた液晶表示装置の一例の概略断面図である。図6(a)〜(c)の例はそれぞれ図4(a)〜(c)のガラス基板を上側基板として用い、32に示すTFT付ガラス基板を対向基板として間に液晶31を挟んだ液晶セル37を用いた液晶表示装置である。液晶セル37の両側には、2枚のセルロースエステルフィルム34、35に挟まれた偏光層33からなる偏光板36が配置されている。液晶セル側のセルロースエステルフィルム35として、光学補償に寄与する光学フィルムを用いてもよいし、34と同様、保護フィルムとしての機能のみであってもよい。図には示さないが、反射型液晶表示装置の態様では偏光板は観察側に1枚配置したのみでよく、液晶セルの背面あるいは液晶セルの下側基板の内面に反射膜を設置する。もちろんフロントライトを液晶セル観察側に設けることも可能である。さらに、表示装置の1画素内に、透過部と反射部を設けた半透過型も可能である。本液晶表示装置の表示モードは特に制限がなく、全ての透過型及び反射型液晶表示装置に用いることが可能である。中でも色視野角特性改良が望まれるVAモードに対して、本発明は効果を発揮する。
【0031】
次に、本発明の光学補償フィルム及び転写材料の作製に用いられる材料、作製方法等について、詳細に説明する。
本発明の光学補償フィルムの一例は、透明支持体、配向層及び硬化された光学異方性層を有し、前記光学異方性層が、液晶表示装置のコントラスト視野角を拡大し、液晶表示装置の画像着色を解消するために寄与する。本発明の光学補償フィルムは、前記光学異方性層の支持体が偏光板の保護フィルムを兼ねることによって、又は前記光学異方性層が偏光板の保護フィルムを兼ねることによって、液晶表示装置の構成部材を減少させることができる。すなわち、かかる態様にすることにより、液晶表示装置の薄型化にも寄与する。
また、本発明の転写材料は、仮支持体等の表面上に硬化された光学異方性層を有する光学異方性フィルムの前記硬化された光学異方性層上に、さらに感光性樹脂層を有する。かかる転写材料を利用することにより、例えば、液晶セルの基板の内面等に光学異方性層を容易に形成できる。なお、感光性樹脂層を形成する前の前記光学異方性フィルムは、それ自体が光学補償フィルムとして利用できる光学特性を有するものであってもよいし、又はそれ自体は光学補償フィルムとしての所望の光学特性を示さない(例えば、支持体が不透明である等)ものであってもよい。
以下、上記態様について、作製に用いられる材料、作製方法等について、詳細に説明するが、本発明はこの態様に限定されるものではない。また、他の態様についても、以下の記載及び従来公知の方法を参考にして作製できる。但し、本発明は以下に説明する態様に限定されるものではない。
【0032】
本発明では、液晶性化合物を含む光学異方性層を高分子ポリマーからなる光学的に一軸又は二軸性の透明支持体上に形成することにより、液晶表示装置の光学特性を格段に向上させることができる。
【0033】
[光学異方性層]
本発明では、光学異方性層は、液晶セルを光学補償するのに寄与する。光学異方性層単独で充分な光学補償能を有する態様はもちろん、他の層(例えば支持体)との組み合わせで光学補償に必要とされる光学特性を満足する態様であってもよい。前記硬化した光学異方性層は、例えば連続搬送工程を用いて透明支持体を搬送しながら、少なくとも一種の液晶性化合物を含有する塗布液を、透明支持体上に設けられた配向層上に塗布及び乾燥して光学異方性層を形成した後に、該層を有する透明支持体を搬送しながら、前記層に、後述する所定の条件の下、紫外線を少なくとも1度照射して、前記層を硬化させて形成することができる。
【0034】
前記光学異方性層の形成に用いられる液晶性化合物については特に制限されない。一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶性化合物を用いることもできるが、偏光紫外線の照射により、面内レターデーションを効率的に発生することができるという観点から、棒状液晶性化合物を用いることが好ましい。2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上の円盤状液晶性化合物、又は棒状液晶性化合物と円盤状液晶性化合物との混合物を用いてもよい。温度変化や湿度変化を小さくできることから、反応性基を有する棒状液晶性化合物又は円盤状液晶性化合物を用いて形成することがより好ましく、混合物の場合少なくとも1つは1液晶分子中の反応性基が2以上あることがさらに好ましい。液晶性化合物は二種類以上の混合物でもよく、その場合少なくとも1つが2以上の反応性基を有していることが好ましい。前記光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがさらに好ましい。
【0035】
本発明の光学補償フィルムにおける光学異方性層を形成するために用いられる円盤状液晶性化合物は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。上記高分子液晶性化合物は、低分子の反応性基を有する棒状液晶性化合物が重合した高分子化合物である。特に好ましく用いられる上記低分子の反応性基を有する棒状液晶性化合物としては、下記一般式(I)で表される棒状液晶性化合物を挙げることができる。
【0036】
一般式(I):Q1−L1−A1−L3−M−L4−A2−L2−Q2
式中、Q1及びQ2はそれぞれ独立に、反応性基であり、L1、L2、L3及びL4はそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表すが、L3及びL4の少なくとも一方は、−O−CO−O−であることが好ましい。A1及びA2はそれぞれ独立に、炭素原子数2〜20のスペーサー基を表す。Mはメソゲン基を表す。
【0037】
以下に、上記一般式(I)で表される反応性基を有する棒状液晶性化合物についてさらに詳細に説明する。式中、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、反応性基である。反応性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。換言すれば、反応性基は付加重合反応又は縮合重合反応が可能な反応性基であることが好ましい。以下に反応性基の例を示す。
【0038】
【化1】


【0039】
1、L2、L3及びL4で表される二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−NR2−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−NR2−、−NR2−CO−、−O−CO−、−O−CO−NR2−、−NR2−CO−O−、及びNR2−CO−NR2−からなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R2は炭素原子数が1〜7のアルキル基又は水素原子である。この場合、L3及びL4の少なくとも一方は、−O−CO−O−(カーボネート基)である。前記式(I)中、Q1−L1及びQ2−L2−は、CH2=CH−CO−O−、CH2=C(CH3)−CO−O−及びCH2=C(Cl)−CO−O−CO−O−が好ましく、CH2=CH−CO−O−が最も好ましい。
【0040】
1及びA2は、炭素原子数2〜20を有するスペーサー基を表す。炭素原子数2〜12の脂肪族基が好ましく、特にアルキレン基が好ましい。スペーサー基は鎖状であることが好ましく、隣接していない酸素原子又は硫黄原子を含んでいてもよい。また、前記スペーサー基は、置換基を有していてもよく、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素)、シアノ基、メチル基、エチル基が置換していてもよい。
【0041】
Mで表されるメソゲン基としては、すべての公知のメソゲン基が挙げられる。特に下記一般式(II)で表される基が好ましい。
一般式(II):−(−W1−L5)n−W2
式中、W1及びW2は各々独立して、二価の環状脂肪族基、二価の芳香族基又は二価のヘテロ環基を表し、L5は単結合又は連結基を表し、連結基の具体例としては、前記式(I)中、L1〜L4で表される基の具体例、−CH2−O−、及びO−CH2−が挙げられる。nは1、2又は3を表す。
【0042】
1及びW2としては、1,4−シクロヘキサンジイル、1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5ジイル、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル、1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイルが挙げられる。1,4−シクロヘキサンジイルの場合、トランス体及びシス体の構造異性体があるが、どちらの異性体であってもよく、任意の割合の混合物でもよい。トランス体であることがより好ましい。W1及びW2は、それぞれ置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基、炭素原子数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基など)、炭素原子数1〜10のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)、炭素原子数1〜10のアシル基(ホルミル基、アセチル基など)、炭素原子数1〜10のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基など)、炭素原子数1〜10のアシルオキシ基(アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基など)、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基などが挙げられる。
【0043】
前記一般式(II)で表されるメソゲン基の基本骨格で好ましいものを、以下に例示する。これらに上記置換基が置換していてもよい。
【0044】
【化2】


【0045】
以下に、前記一般式(I)で表される化合物の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、一般式(I)で表される化合物は、特表平11−513019号公報に記載の方法で合成することができる。
【0046】
【化3】


【0047】
【化4】


【0048】
【化5】


【0049】
前記光学異方性層は、配向層と気液界面を利用して形成されることが好ましい。具体的には、透明支持体上に直接配向層を設け、次いで配向層上に直接光学異方性層を形成することにより作製することができる。
【0050】
[水平配向剤]
本発明では、前記光学異方性層形成用溶液中に、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物(水平配向剤)の少なくとも一種を含有させることで、液晶性化合物の分子を実質的に水平配向させることができる。尚、本発明で「水平配向」とは、棒状液晶の場合、分子長軸と透明支持体の水平面が平行であることをいい、円盤状液晶の場合、円盤状液晶性化合物のコアの円盤面と透明支持体の水平面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が10度未満の配向を意味するものとする。傾斜角は0〜5度であることが好ましく、0〜3度であることがより好ましく、0〜2度であることがさらに好ましく、0〜1度であることが最も好ましい。
以下、下記一般式(1)〜(3)について、順に説明する。
【0051】
【化6】


式中、R1、R2及びR3は各々独立して、水素原子又は置換基を表し、X1、X2及びX3は単結合又は二価の連結基を表す。R1〜R3で各々表される置換基としては、好ましくは置換もしくは無置換の、アルキル基(中でも、無置換のアルキル基又はフッ素置換アルキル基がより好ましい)、アリール基(中でもフッ素置換アルキル基を有するアリール基が好ましい)、置換もしくは無置換のアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子である。X1、X2及びX3で各々表される二価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、二価の芳香族基、二価のヘテロ環残基、−CO−、―NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基は、アルキレン基、フェニレン基、−CO−、−NRa−、−O−、−S−及び−SO2−からなる群より選ばれる二価の連結基又は該群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがより好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。二価の芳香族基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。
【0052】
【化7】


【0053】
式中、Rは置換基を表し、mは0〜5の整数を表す。mが2以上の整数を表す場合、複数個のRは同一でも異なっていてもよい。Rとして好ましい置換基は、R1、R2、及びR3で表される置換基の好ましい範囲として挙げてものと同じである。mは、好ましくは1〜3の整数を表し、特に好ましくは2又は3である。
【0054】
【化8】


【0055】
式中、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は各々独立して、水素原子又は置換基を表す。R4、R5、R6、R7、R8及びR9でそれぞれ表される置換基は、好ましくは一般式(I)におけるR1、R2及びR3で表される置換基の好ましいものとして挙げたものである。本発明に用いられる水平配向剤については、特願2005−99248号明細書に記載の化合物を用いることができ、それら化合物の合成法も該明細書に記載されている。
【0056】
前記一般式(1)〜(3)で表される化合物の添加量としては、液晶性化合物の質量の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.01〜10質量%であることがより好ましく、0.02〜1質量%であることが特に好ましい。なお、前記一般式(1)〜(3)にて表される化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0057】
本発明において、前記光学異方性層は、面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として光学補償フィルムの法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、及び面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として光学補償フィルムの法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値が実質的に等しいという光学特性を有することが好ましい。反応性基を有する棒状液晶性化合物を用いる場合、二軸性を発現させるためにはコレステリック配向もしくは傾斜角が厚み方向に徐々に変化しながらねじれたハイブリッドコレステリック配向を、偏光照射によって歪ませることが必要である。偏光照射によって配向を歪ませる方法としては、二色性液晶性重合開始剤を用いる方法(WO03/054111 A1)や分子内にシンナモイル基等の光配向性官能基を有する棒状液晶性化合物を用いる方法(特開2002−6138号公報)が挙げられる。本発明においていずれも利用できる。
【0058】
前記光学異方性層のReは5〜250nmであることが好ましく、10〜100nmであることがより好ましく、20〜80nmであることが最も好ましい。Rthは透明支持体のRthとの合計で30〜500nmであることが好ましく、40〜400nmであることがより好ましく、100〜350nmであることが最も好ましい。
【0059】
光学異方性層を2層以上積層する場合、液晶性化合物の組み合わせについては特に限定されず、全て円盤状液晶性化合物からなる層の積層体、全て棒状液晶性化合物からなる層の積層体、円盤状液晶性化合物からなる層と棒状液晶性化合物からなる層の積層体であってもよい。少なくとも一つの層が棒状液晶性化合物からなることが好ましい。また、各層の配向状態の組み合わせも特に限定されず、同じ配向状態の光学異方性層を積層してもよいし、異なる配向状態の光学異方性層を積層してもよい。特に、光学異方性層が、偏光紫外線照射前にコレステリック相を呈していることが好ましい。
【0060】
光学異方性層は、液晶性化合物及び下記の重合開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、支持体上(支持体上に他の層、例えば配向層等が形成されている場合は該層の表面)に、例えば連続搬送工程により塗布及び乾燥して、後述する所定の条件で硬化することで形成する。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、例えば連続搬送工程を用いて公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
【0061】
[偏光照射による光配向]
前記光学異方性層は、偏光照射による光配向で面内のレターデーションを発生させることができる。偏光照射を含む複数の紫外線照射工程がある場合、大きな面内レターデーションを得るために、偏光照射を液晶化合物層塗布、乾燥後に最初に行う必要がある。偏光照射は、酸素濃度0.5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、20〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は20〜1200mW/cm2であることが好ましく、50〜1000mW/cm2であることがより好ましく、100〜800mW/cm2であることがさらに好ましい。偏光照射によって硬化する液晶性化合物の種類については特に制限はないが、反応性基としてエチレン不飽和基を有する液晶性化合物(より好ましくは棒状液晶性化合物)が好ましい。照射波長としては300〜450nmにピークを有することが好ましく、350〜400nmにピークを有することがさらに好ましい。
なお、偏光照射による光配向によって発生した面内のレターデーションを示す光学異方性層は、特に、VAモードの液晶表示装置を光学補償することに優れている。
【0062】
[偏光照射後の紫外線照射による後硬化]
本発明では、前記光学異方性層を、最初の偏光照射の後に偏光又は非偏光紫外線でさらに照射することで反応性基の反応率を高め(後硬化)、密着性等を改良すると共に、大きな搬送速度で生産することを可能としている。本発明における後硬化に使用する紫外線は、偏光でも非偏光でも構わないが、偏光であることが好ましい。また、2回以上の後硬化をすることが好ましく、偏光のみでも、非偏光のみでも、偏光と非偏光を組み合わせてもよいが、組み合わせる場合は非偏光より先に偏光を照射することが好ましい。紫外線照射時には、不活性ガス置換をしてもしなくてもよいが、酸素濃度0.5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。後硬化における紫外線の照射エネルギーは、20mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、20〜300mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は20〜1200mW/cm2であることが好ましく、50〜1000mW/cm2であることがより好ましく、100〜800mW/cm2であることがさらに好ましい。照射波長としては偏光照射の場合は300〜450nmにピークを有することが好ましく、350〜400nmにピークを有することがさらに好ましい。非偏光照射の場合は200〜450nmにピークを有することが好ましく、250〜400nmにピークを有することがさらに好ましい。
【0063】
本発明において光学異方性層形成用溶液に使用される光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
【0064】
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。偏光紫外線照射及び/又は非偏光紫外線照射において、光学異方性層の表面温度は、40℃以上光学異方性層で適用している液晶化合物のISO転移温度以下に保つことが好ましい。
【0065】
本発明により、光学補償フィルムの光学異方性層硬膜を支配する紫外線照射時の膜面温度を制御する事により、偏光板保護膜のリワーク時に問題となる光学異方性層の密着改良、及び光学補償特性が優れた光学補償フィルムの製造が可能となる。
【0066】
[光学異方性層の硬化方法]
上記光学異方性層の硬化について詳説する。
本発明では、支持体上に、少なくとも一種の重合性基を有する等方相転移温度T℃の液晶性化合物を含む光学異方性層形成用組成物を塗布及び乾燥して光学異方性層を形成した後、前記光学異方性層に、40℃以上T℃以下で、且つ酸素濃度10体積%以下の雰囲気下で紫外線を少なくとも1度照射して、前記光学異方性層を硬化する。
かかる条件で硬化させることにより、密着性が高く、且つ所望の光学特性を有する光学異方性層を、安定的に形成することができる。
さらに、前記支持体上に前記光学異方性層を形成した積層体を、酸素濃度10体積%以下の雰囲気中で搬送するのと同時に又は連続して、硬化を実施するのが好ましい。硬化を実施する前に、かかる搬送工程を実施すると、硬化前の光学異方性層の表面及び内部の酸素濃度を有効に低減することができ、硬化を促進することができる。
また紫外線照射による硬化と同時及び/又は連続して、酸素濃度10体積%以下の雰囲気で加熱されることで、紫外線で開始させた硬化反応が熱で加速し、物理強度、耐薬品性に優れた皮膜を形成することができる。
【0067】
本発明の製造方法では、さらに、下記条件(i)〜(iv)のいずれかの条件で光学異方性層の硬化を実施したり、硬化の前後に所定の条件の搬送工程を行うのが好ましい。
(i)40℃以上T℃以下、且つ酸素濃度10体積%以下でUV照射して硬化する硬化工程を行う、
(ii)酸素濃度3体積%以下及び/又は40℃以上T℃以下で搬送する搬送工程に連続して硬化工程を行う、
(iii)硬化工程に連続して、酸素濃度10%以下及び/又は40℃以上T℃以下で搬送する搬送工程を行う、
(iv)(i)〜(iii)のいずれか2つの組み合わせを行う。
【0068】
紫外線照射時の酸素濃度は3体積%以下であるのが好ましく、1%体積以下であるのがより好ましい。また紫外線照射前、及び所望により実施される硬化後の加熱時の酸素濃度は10体積%以下が好ましく、5体積%以下がより好ましく、3体積%以下が更に好ましく、1体積%が最も好ましい。酸素濃度を低下させる手段としては、大気(窒素濃度約79体積%、酸素濃度約21体積%)を別の不活性気体で置換することが好ましい。不活性気体の例には、化学的に非常に不活性なガス(ヘリウム、アルゴン、窒素)や、酸素欠乏等防止規則の別表第六に記載されている、フロン、炭酸ガス等が含まれる。化学的に安定で且つ安価という点で、特に窒素は安価で好適に使用できる。
【0069】
また、酸素濃度を前記範囲に維持するとともに、所定の温度とするために、前記硬化工程及び/又は搬送工程において、所定の温度(好ましくは40℃以上)の酸素遮蔽ガスをゾーン中に噴射するのが好ましい。前記硬化工程及び/又は搬送工程を行うゾーンの酸素濃度を下げるために使用した不活性気体を、それ以前の低酸素濃度ゾーン及び/又はそれ以降の搬送工程のゾーンに排気してもよい。かかる構成にすると、不活性気体を有効に利用し、製造コスト低減の観点から好ましい。
【0070】
紫外線照射における加熱は、紫外線照射時から行われていても良く、膜面が40℃以上で、且つ光学異方性層中に含有される液晶化合物の等方相(ISO)転移温度T℃以下で加熱されることが好ましい。40℃未満では加熱の効果が得られず、T℃を超えると、所望の光学特性が得られない。
更にこの好ましい温度は50℃〜(T−10)℃である。フィルム面とは硬化しようとする層、すなわち光学異方性層の膜面温度を指す。
またフィルム面が前記温度になる時間は、UV照射開始の10秒前から、UV照射開始後300秒以下が好ましく、更にUV照射開始の10秒前から、UV照射開始後10秒以下が好ましい。フィルム面の温度を上記の温度範囲に保つ時間が短すぎると、皮膜を形成する硬化性組成物の反応を促進できず、また設備が大きくなるなどの製造上の問題も生じる。
【0071】
加熱する方法に特に限定はないが、40℃以上T℃以下の酸素遮蔽ガスを、紫外線照射工程、並びに所望により実施される搬送工程及び後加熱工程において、ゾーン中に噴射するのが好ましい。また、噴射とともに、又は噴射に代えて、ロールを加熱してフィルムに接触させる方法、加熱した窒素を吹き付ける方法、遠赤外線あるいは赤外線の照射などを適用してもよい。特許2523574号公報に記載の回転金属ロールに、温水や蒸気を流して加熱する方法も利用できる。
本発明のように光学異方性層の中に液晶化合物を含む場合、かつ、膜内での液晶の分布又はダイレクタの乱れが直接光学特性に影響する場合は、支持体を含むフィルム全体の膜厚方向の温度分布を一定に保つ必要がある。加熱した窒素を吹き付ける方法や、遠赤外線あるいは赤外線の照射が好適に使用できる。前記加熱したロールに接触させてフィルムの温度制御を行う場合は、フィルム厚み方向の温度分布を均一に保つ必要が生じるが、その際には、加熱した窒素を吹き付ける方法と組み合わせて実施することが有効である。
【0072】
[配向層]
本発明の光学補償フィルム又は転写材料は、支持体と光学異方性層との間に、配向層を有していてもよい。配向層は、透明支持体上又は該透明支持体に塗設された下塗層上に、配向層形成用溶液を塗布及び乾燥して形成することができる。配向層は、その上に設けられる光学異方性層に含まれる液晶性化合物の配向方向を規定するために用いられる。配向層は、光学異方性層に配向性を付与できるものであれば、どのような層でもよい。配向層の好ましい例としては、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理された層、無機化合物の斜方蒸着層、及びマイクログルーブを有する層、さらにω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド及びステアリル酸メチル等のラングミュア・ブロジェット法(LB膜)により形成される累積膜、又は電場もしくは磁場の付与により誘電体を配向させた層を挙げることができる。
【0073】
配向層用の有機化合物の例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリカーボネート等のポリマー及びシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリイミド、ポリスチレン、スチレン誘導体のポリマー、ゼラチン、ポリビルアルコール及びアルキル基(炭素原子数6以上が好ましい)を有するアルキル変性ポリビルアルコールを挙げることができる。
【0074】
配向層の形成には、ポリマーを使用することが好ましい。利用可能なポリマーの種類は、液晶性化合物の配向(特に平均傾斜角)に応じて決定することができる。例えば、液晶性化合物を水平に配向させるためには配向膜の表面エネルギーを低下させないポリマー(通常の配向用ポリマー)を用いることができる。具体的なポリマーの種類については液晶セル又は光学補償フィルムについて種々の文献に記載がある。例えば、ポリビニルアルコールもしくは変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸もしくはポリアクリル酸エステルとの共重合体、ポリビニルピロリドン、セルロースもしくは変性セルロース等が好ましく用いられる。いずれの配向膜においても、液晶化合物と透明支持体の密着性を改善する目的で、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、側鎖に重合性基を有する繰り返し単位を導入するか、あるいは、環状基の置換基として導入することができる。界面で液晶性化合物と化学結合を形成する配向膜を用いることがより好ましく、かかる配向膜としては特開平9−152509号公報に記載されており、酸クロライドやカレンズMOI(昭和電工(株)製)を用いて側鎖にアクリル基を導入した変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。配向膜の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
【0075】
また、LCDの配向層として広く用いられているポリイミド膜(好ましくはフッ素原子含有ポリイミド)も有機配向層として好ましい。これはポリアミック酸(例えば、日立化成(株)製のLQ/LXシリーズ、日産化学(株)製のSEシリーズ等)を支持体面に塗布し、100〜300℃で0.5〜1時間焼成した後、ラビングすることにより得られる。更に、本発明で使用される配向層は、上記ポリマーに反応性基を導入することにより、あるいは上記ポリマーをイソシアネート化合物及びエポキシ化合物などの架橋剤と共に使用して、これらのポリマーを硬化させることにより得られる硬化膜であることが好ましい。
【0076】
また、前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができる。即ち、配向層の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。本発明では、配向層形成用溶液を塗布及び乾燥した後、例えば連続搬送工程を用いて配向層を設けた透明支持体を搬送しながら、配向層をラビング処理することが好ましい。
【0077】
また、無機斜方蒸着膜の蒸着物質としては、SiO2を代表とし、TiO2、ZnO2等の金属酸化物、あるいやMgF2等のフッ化物、さらにAu、Al、等の金属が挙げられる。尚、金属酸化物は、高誘電率のものであれば斜方蒸着物質として用いることができ、上記に限定されるものではない。無機斜方蒸着膜は、蒸着装置を用いて形成することができる。フィルム(支持体)を固定して蒸着するか、あるいは長尺フィルムを移動させて連続的に蒸着することにより無機斜方蒸着膜を形成することができる。
【0078】
配向層形成用溶液は、側鎖に反応性基を有する高分子、又は反応性基を有するモノマー又はオリゴマー、具体的には、側鎖に反応性基を有する変性ポリビニルアルコールを含むことが好ましい。前記反応性基としては、前述の反応性基が例として挙げられる。また、反応性基は光学異方性層に用いる液晶性化合物の有する反応性基と直接反応できることが好ましい。配向層と光学異方性層の化合物が直接架橋反応することにより、完成したフィルムの密着性を付与することができる。
【0079】
本発明の光学補償フィルムが有する光学異方性層は、液晶性化合物を仮配向層上で配向させ、その配向を固定化した後、透明支持体に粘着剤を用いるなどして転写することもできるが、生産性の観点からは転写なしに直接光学補償フィルムを形成することが好ましい。
【0080】
光学異方性層及び配向層の各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)によって塗布することができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書及び原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
【0081】
[支持体]
本発明の光学補償フィルム及び転写材料は、支持体を有する。光学補償フィルムでは支持体が光を遮蔽しないように、また転写材料では感光性樹脂層への露光を妨げないように、支持体は透明であるのが好ましく、具体的には、光透過率が80%以上であるポリマーフィルムを用いることが好ましい。支持体の厚みは10〜500μmが好ましく、20〜200μmがより好ましく、35〜110μmが最も好ましい。
【0082】
前記支持体のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜定められる。当該樹脂のガラス転移温度は、好ましくは70℃以上、より好ましくは75℃〜200℃、特に好ましくは80℃〜180℃の範囲である。この範囲のガラス転移温度を有する樹脂を採用すると、耐熱性と成形加工性とが高度にバランスされ好適である。
【0083】
支持体のReは−200〜100nmの範囲に、そして、Rthは−100〜100nmの範囲に調節することが好ましい。Reは−50〜30nmがなお好ましく、−30〜20nmが最も好ましい。本明細書において負のReとは支持体面内遅相軸が、フィルム搬送方向と直交する方向(TD方向)にあることを指し、負のRthとは厚み方向の屈折率が面内平均屈折率よりも大きいことを指す。色味改善のためには、支持体の面内遅相軸がTD方向にあることが好ましい。
【0084】
支持体を構成するポリマーとしては、例えば、セルロース系ポリマー及びシクロオレフィン系ポリマー等を用いることができ、具体的には、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート)、ポリオレフィン(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリエステル及びポリスルホン、ノルボルネン系ポリマーを用いることができる。低複屈折性の観点からはセルロースエステル及びノルボルネン系が好ましく、市販のノルボルネン系ポリマーとしては、アートン(JSR(株)製)、ゼオネックス、ゼオノア(以上、日本ゼオン(株)製)などを用いることができる。
【0085】
特に偏光板の保護フィルムとして用いる場合にはセルロースエステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)又は4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。セルロースの低級脂肪酸エステルのなかでは、セルロースアセテートであることが最も好ましい。セルロースエステルのアシル基置換度は、2.50〜3.00であることが好ましく、2.75〜2.95であることがさらに好ましく、2.80〜2.90であることが最も好ましい。
【0086】
セルロースエステルの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、セルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMm/Mn(Mmは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。Mm/Mnの値は、1.0〜5.0であることが好ましく、1.3〜3.0であることがさらに好ましく、1.4〜2.0であることが最も好ましい。
【0087】
セルロースエステルでは、セルロースの2位、3位及び6位のヒドロキシル基が均等に置換されるのでなく、6位の置換度が小さくなる傾向がある。本発明において、セルロースエステルの6位置換度は、2位及び3位と同程度又はそれ以上であることが好ましい。2位、3位及び6位の置換度の合計に対する6位置換度の割合は、30〜40%であることが好ましい。6位置換度の割合は、31%以上、特に32%以上であることが好ましい。6位の置換度は、0.88以上であることが好ましい。セルロースの6位は、アセチル以外に炭素数3以上のアシル基(例、プロピオニル、ブチリル、バレロイル、ベンゾイル、アクリロイル)で置換されていてもよい。各位の置換度は、NMRによって測定することができる。6位置換度が高いセルロースエステルは、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に記載の合成例2、及び段落番号0051〜0052に記載の合成例3を参照して合成することができる。
【0088】
セルロースエステルフィルムには、機械的物性を改良するため、又は乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステル又はカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)、ビフェニルジフェニルホスフェート及びトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)及びジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)及びO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEP及びDPPが特に好ましい。可塑剤の添加量は、セルロースエステルの量の0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましく、3〜15質量%であることが最も好ましい。
【0089】
セルロースエステルフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を越えると、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。さらに、ライトパイピング防止に、極少量の染料を添加してもよい。透過率の観点からは、波長420nmの光の透過率が50%以上となるように、種類及び量を調整することが好ましい。染料の添加量としては、0.01ppm〜1ppmであることが好ましい。
【0090】
セルロースエステルフィルムには、ReやRthを制御するため、レターデーション制御剤を添加することができる。レターデーション制御剤は、セルロースエステル100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で使用することが好ましく、0.05〜15質量部の範囲で使用することがさらに好ましく、0.1〜10質量部の範囲で使用することが最も好ましい。二種類以上のレターデーション制御剤を併用してもよい。レターデーション制御剤についてはWO01/88574号、WO00/2619号の各パンフレット、特開2000−111914号、同2000−275434号の各公報に記載がある。
【0091】
セルロースエステルフィルムは、セルロースエステル及び他の成分を含む溶液をドープとして用いて、ソルベントキャスト法により製造することができる。ドープを、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成することができる。流延前のドープは、固形分量が10〜40質量%となるように濃度を調整することが好ましい。固形分量は18〜35質量%であることがさらに好ましい。ドープを2層以上流延することもできる。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延及び乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
【0092】
ドープは、表面温度が10℃以下のドラム又はバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。そして、得られたフィルムをドラム又はバンドから剥ぎ取り、さらに100〜160℃で逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させる方法(特公平5−17844号公報記載)を採用できる。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラム又はバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。複数のセルロースエステル溶液を流延する場合、支持体の進行方向に間隔をおいて設けた複数の流延口からセルロースエステルを含む溶液をそれぞれ流延させて、それらを積層させながらフィルムを作製してもよい(特開昭61−158414号、特開平1−122419号、及び同11−198285号の各公報記載)。2つの流延口からセルロースエステル溶液を流延することによりフィルムを作製することもできる(特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、同61−947245号、同61−104813号、同61−158413号及び特開平6−134933号の各公報に記載)。高粘度セルロースエステル溶液の流れを低粘度のセルロースエステル溶液で包み込み、高粘度及び低粘度のセルロースエステル溶液を同時に押出すセルロースエステルフィルムの流延方法(特開昭56−162617号公報記載)を採用してもよい。
【0093】
セルロースエステルフィルムは、さらに延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3〜100%の範囲にあることが好ましい。テンター延伸が好ましい。遅相軸を高精度に制御するために、左右のテンタークリップ速度及び離脱タイミングの差をできる限り小さくすることが好ましい。延伸処理についてはWO01/88574号パンフレットの37頁8行〜38頁8行目に記載がある。
【0094】
セルロースエステルフィルムには、表面処理を施すことができる。表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理及び紫外線照射処理が挙げられる。フィルムの平面性を保持する観点から、表面処理においてセルロースエステルフィルムの温度をTg(ガラス転移温度)以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。
【0095】
セルロースエステルフィルムの厚さは、製膜により作製する場合は、リップ流量とラインスピード、又は延伸もしくは圧縮により、調整することができる。使用する主素材により透湿性が異なるので、厚み調整により、偏光板の保護フィルムとしての好ましい透湿性の範囲にすることが可能である。また、前記セルロースエステルフィルムの自由体積は、製膜により作製する場合は、乾燥温度と時間により調整することができる。この場合もまた、使用する主素材により透湿性が異なるので、自由体積調整により保護フィルムとして好ましい透湿性の範囲にすることが可能である。セルロースエステルフィルムの親疎水性は、添加剤により調整することができる。自由体積中に親水的添加剤を添加することで透湿性は高くなり、逆に疎水性添加剤を添加することで透湿性を低くすることができる。この様に種々の方法により、セルロースエステルフィルムの透湿性を調整することで、偏光板の保護フィルムとして好ましい透湿性の範囲とすることができ、光学異方性層の支持体を偏光板の保護フィルムと兼ねることができて、光学補償能を有する偏光板を安価に高い生産性で製造することができる。
【0096】
本発明の転写材料は、前記光学異方性層のさらに上に、感光性樹脂層を有する。
[感光性樹脂層]
本発明の転写材料に用いられる感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物よりなる。前記感光性樹脂層は、少なくとも(1)アルカリ可溶性樹脂と、(2)モノマー又はオリゴマーと、(3)光重合開始剤又は光重合開始剤系と、を含む樹脂組成物から形成するのが好ましい。また、基板上にカラーフィルタと同時に光学異方性層を形成する態様においてはさらに加えて、(4)染料又は顔料のような着色剤を含む着色樹脂組成物から形成するのが好ましい。
以下、これら(1)〜(4)の成分について説明する。
【0097】
(1)アルカリ可溶性樹脂
前記アルカリ可溶性樹脂(以下、単に「バインダ」ということがある。)としては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよく、着色樹脂組成物の全固形分に対する含有量は20〜50質量%が一般的であり、25〜45質量%が好ましい。
【0098】
(2)モノマー又はオリゴマー
前記感光性樹脂層に使用されるラジカル重合性モノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
【0099】
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマー又はオリゴマーは、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよく、着色樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。
【0100】
前記感光性樹脂層に使用されるカチオン重合性モノマー又はオリゴマーとしては、環状エーテル、環状ホルマール、アセタール、ビニルアルキルエーテル、チイラン基を含む化合物、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、エポキシ化不飽和脂肪酸、エポキシ化ポリブタジエンなどのエポキシ化合物を挙げることができる。そのようなモノマー又はオリゴマーの例としては、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」昭晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物類の他、3官能グリシジルエーテル類(トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなど)、4官能以上のグリシジルエーテル類(ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど)、3官能以上の脂環式エポキシ類(エポリードGT−301、エポリードGT−401、EHPE(以上、ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど)、3官能以上のオキセタン類(OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)など)などが挙げられる。
【0101】
(3)光重合開始剤又は光重合開始剤系
前記感光性樹脂層に使用される光重合開始剤又は光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
【0102】
本発明に用いられるカチオン重合開始剤としては、エトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェノールなどルイス酸のアリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム艶などの複塩、ベンジルシリルエーテル、o−ニトロベンジルシリルエーテル、トリフェニル(t−ブチル)ペルオキシシランなどのシラノール発生性シラン化合物とトリス(エチルアセト酢酸)アルミニウムなどのアルミニウム錯体との混合系などを挙げることができる。感光性樹脂組成物の全固形分に対するカチオン重合開始剤の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
【0103】
(4)着色剤
前記着色樹脂組成物には、公知の着色剤(染料、顔料)を添加することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、着色樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
上記公知の染料ないし顔料としては、特開2004−302015号公報の段落番号[0033]、米国特許第6,790,568号明細書カラム14に記載の顔料等が挙げられる。
【0104】
本発明における着色剤としては、上記の着色剤の中でも、(i)R(レッド)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・レッド254が、(ii)G(グリーン)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・グリーン36が、(iii)B(ブルー)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・ブルー15:6が好適なものとして挙げられる。更に顔料は組み合わせて用いてもよい。
【0105】
本発明において、併用するのが好ましい顔料の組み合わせは、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139、又は、C.I.ピグメント・バイオレット23との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138、又は、C.I.ピグメント・イエロー180との組み合わせが挙げられ、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23、又は、C.I.ピグメント・ブルー60との組み合わせが挙げられる。
【0106】
このように併用する場合の顔料中のC.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:6の含有量は、C.I.ピグメント・レッド254は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・グリーン36は50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。C.I.ピグメント・ブルー15:6は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。
【0107】
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダ)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310項記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
【0108】
本発明で用いる着色剤(顔料)は、数平均粒径0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。顔料数平均粒径が0.001μm未満であると、粒子表面エネルギーが大きくなり凝集し易くなり、顔料分散が難しくなると共に、分散状態を安定に保つのも難しくなり好ましくない。また、顔料数平均粒径が0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下し、好ましくない。尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値を言う。
【0109】
着色画素のコントラストは、分散されている顔料の粒径を小さくすることで向上させることができる。粒径を小さくするには、顔料分散物の分散時間を調節することで達成できる。分散には、上記記載の公知の分散機を用いることができる。分散時間は好ましくは10〜30時間であり、更に好ましくは18〜30時間、最も好ましくは24〜30時間である。分散時間が10時間未満であると、顔料粒径が大きく、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下することがある。一方、30時間を越えると、分散液の粘度が上昇し、塗布が困難になることがある。また、2色以上の着色画素のコントラストの差を600以内にするには、顔料粒径を調節して、所望のコントラストとすればよい。
【0110】
前記感光性樹脂層より形成されるカラーフィルタの各着色画素のコントラストは、2000以上が好ましく、より好ましくは2800以上、更に好ましくは3000以上であり、最も好ましくは3400以上である。カラーフィルタを構成する各着色画素のコントラストが2000以下だと、これを有する液晶表示装置の画像を観察すると、全体に白っぽい印象となり、見難く好ましくない。また、各着色画素のコントラストの差が、好ましくは600以内であり、より好ましくは410以内であり、更に好ましくは350以内、最も好ましくは200以内である。各着色画素のコントラストの差が600以内であると、黒表示時における各着色画素部からの光漏れ量が大きく相違しない為、黒表示の色バランスがよいため好ましい
【0111】
本明細書において、「着色画素のコントラスト」とは、カラーフィルタを構成するR、G、Bについて、色毎に個別に評価されるコントラストを意味する。コントラストの測定方法は次の通りである。被測定物の両側に偏光板を重ねて、偏光板の偏光方向を互いに平行にした状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y1を測定する。次に偏光板を互いに直交させた状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y2を測定する。得られた測定値を用いて、コントラストはY1/Y2で算出される。尚、コントラスト測定に用いる偏光板は、該カラーフィルタを使用する液晶表示装置に用いる偏光板と同一のものとする。
【0112】
本発明の感光性樹脂層により形成されるカラーフィルタにおいては、表示ムラ(膜厚変動による色ムラ)を効果的に防止するという観点から、該着色樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。前記界面活性剤は、本発明の感光性樹脂組成物と混ざり合うものであれば使用可能である。本発明に用いる好ましい界面活性剤としては、特開2003−337424号公報[0090]〜[0091]、特開2003−177522号公報[0092]〜[0093]、特開2003−177523号公報[0094]〜[0095]、特開2003−177521号公報[0096]〜[0097]、特開2003−177519号公報[0098]〜[0099]、特開2003−177520号公報[0100]〜[0101]、特開平11−133600号公報の[0102]〜[0103]、特開平6−16684号公報の発明として開示されている界面活性剤が好適なものとして挙げられる。より高い効果を得る為にはフッ素系界面活性剤、及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、又は、シリコン系界面活性剤、フッソ原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましく、フッ素系界面活性剤が最も好ましい。フッ素系界面活性剤を用いる場合、該界面活性剤分子中のフッ素含有置換基のフッ素原子数は1〜38が好ましく、5〜25がより好ましく、7〜20が最も好ましい。フッ素原子数が多すぎるとフッ素を含まない通常の溶媒に対する溶解性が落ちる点で好ましくない。フッ素原子数が少なすぎると、ムラの改善効果が得られない点で好ましくない。
【0113】
特に好ましい界面活性剤として、下記一般式(a)及び、一般式(b)で表されるモノマーを含み、且つ一般式(a)/一般式(b)の質量比が20/80〜60/40の共重合体を含有するものが挙げられる。
【0114】
【化9】


【0115】
式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、R4は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。nは1〜18の整数、mは2〜14の整数を示す。p、qは0〜18の整数を示すが、p、qがいずれも同時に0になる場合は含まない。
【0116】
特に好ましい界面活性剤の一般式(a)で表されるモノマーをモノマー(a)、一般式(b)で表されるモノマーをモノマー(b)と記す。一般式(a)に示すCm2m+1は、直鎖でも分岐鎖でもよい。mは2〜14の整数を示し、好ましくは4〜12の整数である。Cm2m+1の含有量は、モノマー(a)に対して20〜70質量%が好ましく、特に好ましくは40〜60質量%である。R1は水素原子又はメチル基を示す。またnは1〜18を示し、中でも2〜10が好ましい。一般式(b)に示すR2及びR3は、各々独立に水素原子又はメチル基を示し、R4は水素原子又は炭素数が1〜5のアルキル基を示す。p及びqは0〜18の整数を示すが、p、qがいずれも0は含まない。p及びqは好ましくは2〜8である。
【0117】
また、特に好ましい界面活性剤1分子中に含まれるモノマー(a)としては、互いに同じ構造のものでも、上記定義範囲で異なる構造のものを用いてもよい。このことは、モノマー(b)についても同様である。
【0118】
特に好ましい界面活性剤の重量平均分子量Mwは、1000〜40000が好ましく、更には5000〜20000がより好ましい。本発明用界面活性剤は前記一般式(a)及び一般式(b)で表されるモノマーを含み、且つ一般式(a)/一般式(b)の質量比が20/80〜60/40の共重合体を含有することを特徴とする。特に好ましい界面活性剤100質量部は、モノマー(a)が20〜60質量部、モノマー(b)が80〜40質量部、及びその他の任意モノマーがその残りの質量部からなることが好ましく、更には、モノマー(a)が25〜60質量部、モノマー(b)が60〜40質量部、及びその他の任意モノマーがその残りの質量部からなることが好ましい。
【0119】
モノマー(a)及び(b)以外の共重合可能なモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノスチレン等のスチレン及びその誘導体、置換体、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、部分エステル化マレイン酸、スチレンスルホン酸無水マレイン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体等が挙げられる。
【0120】
特に好ましい界面活性剤は、モノマー(a)、モノマー(b)等の共重合体であるが、そのモノマー配列は特に制限はなくランダムでも規則的、例えば、ブロックでもグラフトでもよい。更に、特に好ましい界面活性剤は、分子構造及び/又はモノマー組成の異なるものを2以上混合して用いることができる。
【0121】
前記界面活性剤の含有量としては、感光性樹脂層の層全固形分に対して0.01〜10質量%が好ましく、特に0.1〜7質量%が好ましい。本発明の界面活性剤は、特定構造の界面活性剤とエチレンオキサイド基、及びポリプロピレンオキサイド基とを所定量含有するもので、感光性樹脂層に特定範囲で含有することにより該感光性樹脂層を備えた液晶表示装置の表示ムラが改善される。全固形分に対して0.01質量%未満であると、表示ムラが改善されず、10質量%を超えると、表示ムラ改善の効果があまり現れない。上記の特に好ましい界面活性剤を前記感光性樹脂層中に含有させカラーフィルタを作製すると、表示ムラが改良される点で好ましい。
【0122】
また、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、又は、シリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0123】
本発明の光学補償フィルムは、偏光膜と一体化させた偏光板として、液晶表示装置に組み込まれてもよい。さらに、本発明の光学補償フィルムが、偏光膜の保護膜として機能していると、液晶表示装置を薄型化することができる。なお、偏光膜の保護膜として用いる場合は、本発明の光学補償フィルムは、面内遅相軸が、製造工程における、支持体と光学異方性層との積層体の搬送の方向と直交する方向にあるのが好ましい。
[偏光板]
本発明の偏光板は、前述の本発明の光学補償フィルムと偏光膜とを有する。偏光板は、一般的には、偏光膜と該偏光膜を挟持する一対の保護フィルムとからなるものである。前記一対の保護膜のうち少なくとも一方が、本発明の光学補償フィルムであるのが好ましいが、保護膜の表面にさらに光学補償フィルムを貼り合せてもよい。偏光膜としては、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜が挙げられる。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。保護フィルムの種類は特に限定されず、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート等のセルロースエステル類、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル等を用いることができる。透明保護フィルムは、通常、ロール形態で供給され、長尺の偏光膜に対して、長手(MD)方向が一致するようにして連続して貼り合わされることが好ましい。ここで、保護フィルムの配向軸(遅相軸)はいずれの方向であってもよい。また、保護フィルムの遅相軸(配向軸)と偏光膜の吸収軸(延伸軸)の角度も特に限定はなく、偏光板の目的に応じて適宜設定できる。
【0124】
偏光膜と保護フィルムは水系接着剤で貼り合わせてもよい。水系接着剤中の接着剤溶剤は、保護フィルム中を拡散することで乾燥される。保護フィルムの透湿性が高ければ、高いほど乾燥は早くなり生産性は向上するが、高くなりすぎると、液晶表示装置の使用環境(高湿下)により、水分が偏光膜中に入ることで偏光能が低下する。光学補償フィルムの透湿性は、ポリマーフィルム(及び重合性液晶化合物)の厚み、自由体積、もしくは親疎水性などにより決定される。偏光板の保護フィルムの透湿性は、100〜1000(g/m2)/24hrsの範囲にあることが好ましく、300〜700(g/m2)/24hrsの範囲にあることが更に好ましい。
【0125】
本発明では、薄型化等を目的に、偏光膜の保護フィルムのうち一方が、光学異方性層の支持体を兼ねていてもよいし、また光学補償フィルムそのものであってもよい。光学補償フィルムと偏光膜は、光学軸のズレ防止やゴミなどの異物の侵入防止などの点から、固着処理されていることが好ましい。その固着積層には例えば透明接着層を介した接着方式などの適宜な方式を適用することができる。その接着剤等の種類について特に限定はなく、構成部材の光学特性の変化防止などの点から、接着処理時の硬化や乾燥の際に高温のプロセスを要しないものが好ましく、長時間の硬化処理や乾燥時間を要しないものが望ましい。このような観点から、親水性ポリマー系接着剤や粘着層が好ましく用いられる。
【0126】
偏光膜の片面又は両面に、上記の保護フィルムに準じた耐水性等の各種目的の保護フィルム、表面反射の防止等を目的とした反射防止層又は/及び防眩処理層などの適宜な機能層を形成した偏光板を用いてもよい。前記反射防止層は、例えばフッ素系ポリマーのコート層や多層金属蒸着膜等の光干渉性の膜などとして適宜に形成することができる。また防眩処理層も例えば微粒子含有の樹脂塗工層やエンボス加工、サンドブラスト加工やエッチング加工等の適宜な方式で表面に微細凹凸構造を付与するなどにより表面反射光が拡散する適宜な方式で形成することができる。
【0127】
なお前記の微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜20μmのシリカや酸化カルシウム、アルミナやチタニア、ジルコニアや酸化錫、酸化インジウムや酸化カドミウム、酸化アンチモン等の導電性のこともある無機系微粒子や、ポリメチルメタクリレートやポリウレタンの如き適宜なポリマーからなる架橋又は未架橋の有機系微粒子などの適宜なものを一種又は二種以上用い得る。また上記した接着層ないし粘着層は、斯かる微粒子を含有して光拡散性を示すものであってもよい。
【0128】
本発明の偏光板は、市販のスーパーハイコントラスト品(例えば、株式会社サンリッツ社製HLC2−5618等)と同等以上の光学的性質及び耐久性(短期、長期での保存性)を有することが好ましい。具体的には、可視光透過率が42.5%以上で、偏光度√{(Tp−Tc)/(Tp+Tc)} ≧ 0.9995(ただし、Tpは平行透過率、Tcは直交透過率)であり、温度60℃、湿度90%RH雰囲気下に500時間及び80℃、ドライ雰囲気下に500時間放置した場合のその前後における光透過率の変化率が絶対値に基づいて3%以下、更には1%以下、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1%以下、更には0.1%以下であることが好ましい。
【0129】
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、前述の本発明の光学補償フィルム、本発明の偏光板、及び本発明の転写材料により転写された光学異方性層の少なくとも一つを有する液晶表示装置である。本発明の液晶表示装置の表示モードは特に限定されないが、VAモードであることが好ましい。なお、本発明の液晶表示装置は、上記表示モードだけでなくSTNモード、TNモード、OCBモードに適用した態様も有効である。
【0130】
[VAモード液晶セル]
本発明において、液晶セルはVertically Alignedモード(VAモード)であることが好ましい。VAモードの液晶セルは、対向面がラビング処理された上下基板の間に誘電異方性が負の液晶性分子を封入してなる。例えば、Δn=0.0813、及びΔε=−4.6程度の液晶分子を用い、液晶分子の配向方向を示すダイレクタ、いわゆるチルト角が約89°の液晶セルを作製することができる。この時、液晶層の厚さdは3.5μm程度にすることができる。液晶層の厚さd(nm)と、屈折率異方性Δnとの積Δn・dの大きさにより白表示時の明るさが変化する。最大の明るさを得るためには、液晶層の厚さdは2〜5μm(2000〜5000nm)の範囲であることが好ましく、Δnは、0.060〜0.085の範囲である。
【0131】
液晶セルの上下基板の内側には透明電極が形成されるが、電極に駆動電圧を印加しない非駆動状態では、液晶層中の液晶分子は基板面に対して概略垂直に配向し、その結果液晶パネルを通過する光の偏光状態はほとんど変化しない。液晶セルの上側偏光板の吸収軸と下側偏光板の吸収軸とは概略直交しているので、光は偏光板を通過しない。すなわち、VAモードの液晶表示装置では、非駆動状態において理想的な黒表示を実現することができる。これに対し、駆動状態では液晶分子は基板面に平行な方向に傾斜し、液晶パネルを通過する光は傾斜した液晶分子により偏光状態を変化させ、偏光板を通過する。
【0132】
ここまでは上下基板間に電界が印加されるため、電界方向に垂直に液晶分子が応答するような、誘電率異方性が負の液晶材料を使用した例を示したが、電極を一方の基板に配置し、電界が基板面に平行の横方向に印加される場合は、液晶材料は正の誘電率異方性を有するものを使用することもできる。
【0133】
VAモードの特徴は、高速応答であること及びコントラストが高いことである。しかし、コントラストは、正面では高いが斜め方向では低下するという課題がある。黒表示時に液晶性分子は基板面に垂直に配向しているため、正面から観察すると液晶分子の複屈折はほとんどないので透過率が低く、高コントラストが得られる。しかし、斜めから観察した場合は液晶性分子に複屈折が生じる。さらに上下の偏光板吸収軸の交差角は、正面では90°の直交であるが、斜めから見た場合は90°より大きくなる。この2つの要因のために斜め方向では漏れ光が生じやすくなり、コントラストが低下する傾向にある。本発明では、本発明の光学補償フィルムを液晶セルと偏光板との間に配置することにより、本発明の偏光板を用いることにより、及び/又は本発明の転写材料から転写された光学異方性層を少なくとも一層含む(好ましくは、液晶セル内に含む)ことにより、この課題を解決することができる。
【0134】
VAモードでは、白表示時には液晶性分子が傾斜しているが、傾斜方向とその逆方向では、斜めから観察した時の液晶性分子の複屈折の大きさが異なり、輝度や色調に差が生じる。これを解決するためには、液晶セルをマルチドメインにすることが好ましい。マルチドメインとは、一つの画素中に、配向状態の異なる複数の領域を形成した構造をいう。例えば、マルチドメイン方式のVAモードの液晶セルでは、一つの画素中に、電界印加時の液晶性分子の傾斜角が互いに異なる複数の領域が存在する。マルチドメイン方式のVAモード液晶セルでは、電界印加による液晶性分子の傾斜角を画素ごとに平均化することができ、そのことによって、視角特性を平均化することができる。一画素内で配向を分割するには、電極にスリットを設けたり、突起を設けたり、電界方向を変えたり、電界密度に偏りを持たせたりすることで達成できる。全方向に均等な視野角を得るにはこの分割数を多くすればよいが、白表示時の透過率が減少してしまうため、4分割が好適である。
【0135】
VAモードの液晶表示装置では、Twised Nematicモード(TNモード)の液晶表示装置で一般的に使われているカイラル剤の添加は、動的応答特性の劣化させるため用いることは少ないが、配向不良を低減するために添加されることもある。配向分割の領域境界では、液晶分子が応答しづらい。そのためノーマリーブラック表示では黒表示が維持されるため、輝度低下が問題となる。液晶材料にカイラル剤を添加することは、境界領域を小さくすることに寄与する。
【実施例】
【0136】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0137】
(透明支持体S−1の作製)
市販のセルロースアセテートフィルムであるフジタックTD80UF(富士写真フイルム(株)製、Re=3nm、Rth=50nm)を透明支持体S−1として用いた。
【0138】
(配向層用塗布液AL−1の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、配向層用塗布液AL−1として用いた。変性ポリビニルアルコールは特開平9−152509号公報記載のものを用いた。
───────────────────────────────────
配向層用塗布液組成(質量%)
─────────────────────────────────――
変性ポリビニルアルコールAL−1−1 4.01
水 72.89
メタノール 22.83
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.20
クエン酸 0.008
クエン酸モノエチルエステル 0.029
クエン酸ジエチルエステル 0.027
クエン酸トリエチルエステル 0.006
───────────────────────────────────
【0139】
【化10】


【0140】
(中間層/配向層用塗布液AL−2の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、剥離用中間層/配向層用塗布液AL−2として用いた。
──────────────────────────────────――
中間層/配向層用塗布液組成(質量%)
──────────────────────────────────――
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ(株)製) 3.21
ポリビニルピロリドン(Luvitec K30、BASF社製) 1.48
蒸留水 52.1
メタノール 43.21
──────────────────────────────────――
【0141】
(光学異方性層用塗布液LC−1の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−1として用いた。LC−1−1はEP1388538A1,page 21に記載の方法により合成した。
──────────────────────────────────―
光学異方性層用塗布液組成(質量%)
─────────────────────────────────――
棒状液晶(Paliocolor LC242,BASFジャパン)26.66
カイラル剤(Paliocolor LC756,BASFジャパン)3.10
光重合開始剤(LC−1−1) 1.24
メチルエチルケトン 69.00
──────────────────────────────────―
【0142】
【化11】


【0143】
(熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1として用いた。
──────────────────────────────────――
熱可塑性樹脂層用塗布液組成(質量%)
──────────────────────────────────――
メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(共重合組成比(モル比)=55/30/10/5、
重量平均分子量=10万、Tg≒70℃)
5.89
スチレン/アクリル酸共重合体
(共重合組成比(モル比)=65/35、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃)
13.74
BPE−500(新中村化学工業(株)製) 9.20
メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業(株)社製) 0.55
メタノール 11.22
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.43
メチルエチルケトン 52.97
──────────────────────────────────――
【0144】
(感光性樹脂層用塗布液PP−1の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、感光性樹脂層用塗布液PP−1として用いた。
──────────────────────────────────――
感光性樹脂層用塗布液組成(質量%)
──────────────────────────────────――
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物
(重量平均分子量3.7万) 5.0
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物
(重量平均分子量4.0万) 2.45
KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製) 3.2
ラジカル重合開始剤
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.75
増感剤(カヤキュアDETX、日本化薬(株)製) 0.25
カチオン重合開始剤
(ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、東京化成製)0.1
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 27.0
メチルエチルケトン 53.0
シクロヘキサノン 9.1
メガファックF−176PF(大日本インキ(株)製) 0.05
──────────────────────────────────――
【0145】
(偏光UV照射装置POLUV−1)
UV光源として350〜400nmに強い発光スペクトルを有するD−Bulbを搭載したマイクロウェーブ発光方式の紫外線照射装置(Light Hammer 10、240W/cm、Fusion UV Systems社製)を用い、照射面から3cm離れた位置に、ワイヤグリッド偏光フィルタ(ProFlux PPL02(高透過率タイプ)、Moxtek社製)を設置して偏光UV照射装置を作製した。この装置の最大照度は400mW/cm2であった。
【0146】
(セルロースエステルフィルムの片面けん化処理)
セルロースエステルフィルムを温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて14ml/m2で塗布した。そして、110℃に加熱したスチーム式遠赤外線ヒーター((株)ノリタケカンパニー製)の下に10秒滞留させた後に、同じバーコーターを用いて純水を3ml/m2塗布した。この時のフィルム温度は40℃であった。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後、70℃の乾燥ゾーンに2秒滞留させて乾燥した。
【0147】
[実施例1〜4、比較例1]
透明支持体S−1の片面を前述の片面けん化処理法を使ってけん化処理した後、その上に配向層用塗布液AL−1を#14のワイヤーバーコーターで塗布し、60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥して厚さ1.0μmの配向層を形成した。続いて、形成した配向層を透明支持体の搬送方向(MD方向)に対してラビング処理した後、その上に光学異方性層用塗布液LC−1を#8のワイヤーバーコーターで塗布し、膜面温度が95℃2分間加熱乾燥熟成して均一な液晶相を有する光学異方性層を形成した。さらに熟成後直ちに、光学異方性層に対して、酸素濃度及び窒素温度を制御できる前工程及び、酸素濃度及び窒素温度を制御出来、かつ、偏光UV照射装置POLUV−1により400mW/cm2の照度で紫外線を照射できる後工程を通過させ光学異方性層を固定化(硬化)し、た。前工程と後工程の酸素濃度と窒素温度の条件を表1に示すパターンで紫外線照射し、実施例1〜4及び比較例1の光学補償フィルムを作製した。光学異方性層は固定化後、昇温しても液晶相を示さなかった。光学異方性層の厚みは3.4μmであった。
【0148】
【表1】


【0149】
なお、LC−1中に用いられた棒状液晶(Paliocolor LC242,BASFジャパン)の等方相転移温度は、100.2℃である。
【0150】
(ドライ密着)
クロスカット法により、剥がれの有無を目視で観察し、下記の3段階評価を行った。
〇:剥がれが殆ど認められなかったもの
△:10%以上剥がれが認められたもの
×:50%剥がれが認められたもの
【0151】
(ウェット密着)
24×36mmのサンプルを60℃のお湯に5分間浸漬し、剥がれの有無を目視で観察し、下記の3段階評価を行った。
〇:剥がれが殆ど認められなかったもの
△:10%以上剥がれが認められたもの
×:50%剥がれが認められたもの
【0152】
(位相差測定)
KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)により、589nmにおける正面レターデーションRe及び遅相軸を回転軸として±40度サンプルを傾斜させたときのレターデーションRe(40)、Re(−40)を測定した。光学異方層の位相差は、各角度における光学補償フィルム全体の位相差から各角度における支持体の位相差を差し引くことにより求めた。
【0153】
実施例1〜4及び比較例1の密着評価結果、位相差測定結果を表3に示す。
【0154】
【表2】


【0155】
(光学補償フィルム付偏光板の作製)
本発明の実施例1の光学補償フィルム及び市販のフジタックTD80UF(富士写真フイルム(株)製、Re=3nm、Rth=50nm)を、1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬した。続いて室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。これを再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。この後、水洗、中和処理を行い、この二枚のケン化済フィルムを、偏光板の保護膜として偏光膜の両面にポリビニルアルコール系接着剤を用いてロール・トゥ・ロールで貼り付け、一体型偏光板を作製した。
【0156】
[実施例5]
(VA−LCD液晶表示装置の作製)
市販のVA−LCD(SyncMaster 173P、サムスン電子社製)の上下側偏光板を剥がし、上側には通常の偏光板を、下側には本発明の実施例1の光学補償フィルム付偏光板を、光学異方性層が液晶セル基板ガラス面になるように粘着剤で貼合して本発明の液晶表示装置を作製した。作製した液晶表示装置の断面概略図を、各層の光学的軸の角度関係とともに図7に示す。図7中、41は偏光層、42は透明支持体、43は配向層、44は光学異方性層(41〜44で光学補償フィルムが構成される)、45は偏光板保護フィルム、46は液晶セル用ガラス基板、47は液晶セル及び48は粘着剤層である。また、偏光層41中の矢印は吸収軸の向きを、光学異方性層44やその支持体44及び保護フィルム45中の矢印は遅相軸の向きを示し、丸印は矢印が紙面に対する法線方向であることを示す。
【0157】
(VA−LCD液晶表示装置の評価)
作製した液晶表示装置の視野角特性を視野角測定装置(EZ Contrast 160D、ELDIM社製)で測定した。さらに特に斜め45度方向について目視でも評価した。実施例4のEZ Contrastによるコントラスト特性を図8に、目視評価結果を表3に示す。
【0158】
【表3】


【0159】
[実施例6 転写材料の作製]
厚さ75μmのロール状ポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1を塗布、乾燥させた。次に、中間層/配向層用塗布液AL−1を塗布、乾燥させた。熱可塑性樹脂層の膜厚は14.6μm、配向層は1.6μmであった。続いて、形成した配向層をラビング処理した後、その上に前記光学異方性層用塗布液を#8のワイヤーバーコーターで塗布し、膜面温度が95℃2分間加熱乾燥熟成して均一な液晶相を有する層を形成した。さらに熟成後直ちにこの層に対して、酸素濃度0.3%以下の窒素雰囲気下において、POLUV−1を用いて偏光板の透過軸が透明支持体のTD方向となるようにして偏光UVを照射(照度200mW/cm2、照射量200mJ/cm2)して光学異方層を固定化し、厚さ3.4μmの光学異方性層を形成した。最後に、感光性樹脂組成物PP−1を塗布、乾燥させ、本発明の実施例6である感光性樹脂転写材料を作製した。
【0160】
前記感光性樹脂転写材料をラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートし、保護フィルムを剥離後、超高圧水銀灯にて露光量50mJ/cm2で全面露光し、さらに240℃で2時間ベークして本発明のVA−LCD用ガラス基板を作製した。
次いで、FUJIFILM RESEARCH & DEVELOPMENT No.44(1999)の25頁に記載のトランサーシステム(富士写真フイルム(株)製)を用い、前記ガラス基板上にブラックマトリクス及びR、G、Bのカラーフィルタを形成した。
【0161】
(透明電極の形成)
上で作製したカラーフィルタ上に透明電極膜をITOのスパッタリングにより形成した。
【0162】
(突起用感光性転写材料の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体上に熱可塑性樹脂層用塗布液TP−1を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が15μmの熱可塑性樹脂層を設けた。
次に、前記熱可塑性樹脂層上に中間層/配向層用塗布液AL−1を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が1.6μmの中間層を設けた。
前記中間層上に、下記の処方からなる塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が2.0μmの液晶配向制御用突起用感光性樹脂層を設けた。
──────────────────────────────────――
突起用塗布液組成(%)
──────────────────────────────────――
FH−2413F(富士フイルムアーチ(株)製) 53.3
メチルエチルケトン 46.66
メガファックF−176PF 0.04
──────────────────────────────────――
更に、前記感光性樹脂層表面に厚さ12μmのポリプロピレン製のフィルムをカバーフィルムとして貼り付け、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層、カバーフィルムがこの順に積層された転写材料を作製した。
【0163】
(突起の形成)
上で作製した突起用転写材料からカバーフィルムを剥がし、その感光性樹脂層の表面と前記カラーフィルタ側基板のITO膜が設けられた側の表面とを重ね合わせ、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、線圧100N/cm、温度130℃、搬送速度2.2m/分の条件下で貼り合わせた。その後、転写材料の仮支持体のみを熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、除去した。この状態では、カラーフィルタ側基板上に、感光性樹脂層、中間層、熱可塑性樹脂層がこの順に積層されている。
次に、最外層である熱可塑性樹脂層の上方に、フォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティー露光機を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー70mJ/cm2でプロキシミティー露光した。その後、1%トリエタノールアミン水溶液を、シャワー式現像装置にて30℃で30秒間基板に噴霧して、熱可塑性樹脂層及び中間層を溶解除去した。この段階では、感光性樹脂層は実質的に現像されていなかった。
続いて、0.085mol/Lの炭酸ナトリウムと0.085mol/Lの炭酸水素ナトリウムと1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃30秒間基板に噴霧しながら現像し、感光性樹脂層の不要部(未硬化部)を現像除去した。すると、カラーフィルタ側基板上に、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる突起が形成された。次いで、該突起が形成されたカラーフィルタ側基板を240℃下で50分ベークすることにより、カラーフィルタ側基板上に、高さ1.5μm、縦断面形状が蒲鉾様の液晶配向制御用突起を形成することができた。
【0164】
(配向層の形成)
更にその上にポリイミドの配向膜を設けた。カラーフィルタの画素群の周囲に設けられたブラックマトリックスの外枠に相当する位置に、スペーサ粒子を含有するエポキシ樹脂のシール剤を印刷し、カラーフィルタ基板を対向基板と10kg/cmの圧力で貼り合わせた。次いで、貼り合わされたガラス基板を150℃、90分で熱処理し、シール剤を硬化させ、2枚のガラス基板の積層体を得た。このガラス基板積層体を真空下で脱気し、その後大気圧に戻して2枚のガラス基板の間隙に液晶を注入し、液晶セルを得た。この液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。
【0165】
(実施例のVA−LCDの作製)
カラー液晶表示装置用冷陰極管バックライトとしては、BaMg2Al1627:Eu,Mnと、LaPO4:Ce,Tbとを質量比50:50で混合した蛍光体を緑色(G)、Y23:Euを赤色(R)、BaMgAl1017:Euを青色(B)として、任意の色調を持つ白色の三波長蛍光ランプを作製した。このバックライト上に上記偏光板を付与した液晶セルを設置し、VA−LCDを作製した。
【0166】
(VA−LCDの評価)
作製した液晶表示装置の黒表示(電圧無印加)時におけるLCDの特にコーナーにおける光漏れについて、まず室温条件にて目視観察した後、40℃、90%RHの恒温恒湿条件にて48時間静置した後、再び観察した。結果を表1に示す。
【0167】
【表4】


【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明によれば、優れた視野角特性を有するVAモードの液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明の光学補償フィルムの一例の概略断面図である。
【図2】本発明の偏光板の例の概略断面図である。
【図3】本発明の転写材料の例の概略断面図である。
【図4】本発明の転写材料を用いて作製された液晶セル用基板の例の概略断面図である。
【図5】本発明の液晶表示装置の一例の概略断面図である。
【図6】本発明の転写材料から転写された光学異方性層を含む液晶表示装置の例の概略断面図である。
【図7】実施例5で作製した液晶表示装置の層構成を層中の光学軸の方向とともに示した概略断面図である。
【図8】実施例5で作製した液晶表示装置のコントラスト特性を示す図である。
【符号の説明】
【0170】
11 支持体
12 光学異方性層
13 配向層
14 感光性樹脂層
15 クッション層
16 保護層
21 偏光層(偏光膜)
22、23 保護フィルム
24 λ/4板、反射防止膜等の機能性層
25 透明電極層
26 配向層
27 光学補償層
27’ パターニングされた光学補償層
28 カラーフィルタ層
29 ブラックマトリックス層
30 支持体(被転写体でもある)
31 液晶層
32 TFT層
33 偏光層
34 保護フィルム
35 保護フィルム(光学補償フィルムである場合もある)
36 偏光板
37 液晶セル
41 偏光層
42 透明支持体
43 配向層
44 光学異方性層
45 偏光板保護フィルム
46 液晶セル用ガラス基板
47 液晶セル
48 粘着剤
51 冷陰極管
52 反射シート
53 導光板
54 輝度向上フィルム、拡散フィルム等の調光フィルム
55 液晶セル
56 下側偏光板
57 上側偏光板




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013